JP6492454B2 - 像振れ補正装置および光学機器 - Google Patents

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Description

本発明は撮影時における手振れによる像振れを補正するための像振れ補正装置に関し、特にレンズ鏡筒内に内装した像振れ補正装置をロック状態とするためのロック機構を備えた像振れ補正装置およびこれを備えた光学機器に関するものである。
近年のレンズ鏡筒やカメラ等の光学機器においては、手振れにより生じる像振れを補正するための像振れ補正装置を備えることが行われている。この像振れ補正装置の一つとして、レンズ鏡筒内に設けたレンズ光学系の一部を補正光学系として構成し、カメラでの撮影時に当該レンズ鏡筒に生じる手振れ振動を検出し、検出した振動を相殺するように補正光学系を偏心駆動する構成のものがある。この補正光学系はレンズ鏡筒に加えられる外力によってレンズ鏡筒内で偏心移動され易く、この偏心移動によって補正光学系がレンズ鏡筒の固定部に接触しあるいは衝突してダメージを受けることがある。このようなダメージを防止するために、補正光学系を固定部に対して固定的に保持するロック機構が設けられている。例えば、特許文献1,2にはレンズ鏡筒に円周方向に駆動可能な環状のロック部材を設け、このロック部材を第1の円周位置に移動したときに補正光学系の偏心移動を許容し、補正を行わないときにはロック部材を第2の円周位置に移動して補正光学系に係合してその偏心移動を係止するロック機構が提案されている。
特許文献1のロック機構は、偏心移動される補正光学系の外周面に外径方向の突起を設け、一方でロック部材は内周縁が当該突起の外周を囲むようにした環状部材として構成し、このロック部材の回転方向の位置を変化させることにより、ロック部材の内周縁を突起に当接させ、あるいは当接を解除することにより、補正光学系をロックし、あるいはロック解除する構成である。特許文献2のロック機構は、補正光学系の外周に環状のロック部材を配設し、このロック部材の内周側に内径方向に向けてロック片を形成している。このロック部材の回転位置を変化させることにより、ロック片が補正光学系の外周面に当接し、補正光学系をロックする構成である。
特開平10−26782号公報 特開平4−34514号公報
特許文献1,2のロック機構は、いずれも補正光学系の外周に配置した環状のロック部材の回転位置を変化させることにより、ロック部材の内周部を補正光学系の外周部に当接させて補正光学系を拘束し、ロック状態とする構成である。そのため、ロック部材は補正光学系よりも大径の環状部材として構成する必要があり、このロック部材の外径寸法が像振れ補正装置の小径化、ないしは当該像振れ補正装置を内装するレンズ鏡筒を小径化する際の障害になっている。また、補正光学系の移動範囲は、補正光学系の外周部とロック部材の内周部との径方向の間隙寸法により決まるので、ロック部材を小径に設計したときには補正光学系の移動範囲がロック部材によって制限されてしまうことがあり、好適な像振れ補正を実現する際の障害になる。さらに、ロック部材は補正光学系をロックするための用途にのみ用いられており、ロック部材を他の用途に利用することによる補正光学系の全体の小型化、軽量化を図ることは困難である。
本発明の目的は、ロック部材の小径化を図るとともに、像振れ補正の制限を受けることがない小型でかつ軽量化を図った像振れ補正装置およびこれを含む光学機器を提供するものである。
本発明の像振れ補正装置は、補正光学系として光軸に対して移動して像振れ補正を行うための像補正手段を備える像振れ補正装置であって、光軸回りに回転可能なロック環を備え、像補正手段は光軸方向に突出する被ロック突部を有し、ロック環は光軸方向に突出されたロック突部を有し、ロック環の所定の回転位置においてロック突部が被ロック突部に当接して像補正手段を係止する構成である。ここで、被ロック突部とロック突部が光軸方向の同一の位置に配置されており、かつこの位置にはロック環及びこれを支持する部材が存在していない構成とする。ロック環は像補正手段に対して光軸方向の異なる位置に配置される。例えば、像補正手段とロック環は光軸方向に隣接配置され、被ロック突部はロック環に対向する面にロック環に向けて突設され、ロック突部は像補正手段に対向する面に像補正手段に向けて突設される。
本発明の好ましい形態として、像補正手段は光軸と垂直な面内において互いに直交する第1の方向および第2の方向に移動可能であり、ロック突部は被ロック突部と当接したときに当該第1の方向および第2の方向の移動を規制する構成とする。この場合には、ロック突部と被ロック突部は複数設けられ、複数のロック突部はそれぞれ被ロック突部の径方向の移動を規制し、これら複数のロック突部により像振れ補正手段の第1の方向および第2の方向の移動を規制する構成とすることが好ましい。
また、これを実現するために、被ロック突部は光軸を中心とする仮想円に沿った周方向の複数位置に設けられ、ロック突部は当該仮想円に沿って円周方向に離散された部分壁として構成される。具体的には、ロック突部および被ロック突部はそれぞれ4つ設けられ、これらロック突部および被ロック突部は光軸に垂直な面内において直交する4つの周方向の位置に配設される。
本発明の具体化した形態として、レンズ鏡筒の光軸に対して当該光軸に垂直な面内で移動されて像補正を行うための像補正手段を備える像振れ補正装置であって、像補正手段はレンズ光学系で結像される被写体像の像振れ補正を行うための補正レンズを支持する補正レンズ枠を有し、補正レンズ枠と光軸方向の異なる位置に配置されて光軸回りに回転されて第1の回転位置と第2の回転位置とに回転位置されるロック環を備え、補正レンズ枠は光軸方向に突出された複数のロック突起を有し、ロック環は光軸方向に突出された複数のロック片を備え、ロック突起とロック片が光軸方向の同一位置に配置され、ロック環の第1の回転位置においてロック片がロック突起に当接されず、ロック環の第2の回転位置においてロック片がロック突起に当接して補正レンズ枠の移動を係止する構成であり、ロック突起とロック片が光軸方向の同一の位置に配置されており、かつこの位置にはロック環及びこれを支持する部材が存在していない構成とする。
本発明の光学機器は、前記した本発明の像振れ補正装置を備えるレンズ鏡筒又はカメラを含む光学機器に適用される。
本発明の像振れ補正装置によれば、ロック部材としてのロック環の回転位置を変化させることでロック突部を被ロック突部に当接させて像補正手段をロックし、あるいはロック突部を被ロック突部に当接させることなくロックを解除することができる。ロック環と像補正手段は光軸方向の異なる位置に配置されているので、ロック環はロック突部を形成するのに十分な径寸法にまで小径化でき、これに伴い像振れ補正装置の小径化が実現できる。また、ロック環を小径化しても像補正手段の移動に制限を与えることはない。
本発明の像振れ補正装置を備えたカメラの概念構成図。 カメラレンズに内装した像振れ補正装置の一部を破断した外観斜視図。 像振れ補正装置の部分分解斜視図。 補正レンズ枠と固定枠を後側から見た正面図。 (a)は図4のA−A線拡大断面図、(b)は図5(a)のB方向から見た部分の模式図。 ボールリテーナの光軸方向の断面図。 (a)は磁気アクチュエータの光軸方向の断面図、(b)はその一部破断斜視図。 位置センサの光軸方向の断面図。 L字ガイド板を前側および後側から見た斜視図。 補正レンズ枠、ベースプレート、L字ガイド板を前側および後側から見た斜視図。 L字ガイド板のガイド動作を説明するための正面から見た模式図。 ベースプレートおよびロック環を前側から見た斜視図。 ロック解除状態の補正レンズ枠およびロック環の斜視図と正面図。 ロック状態の補正レンズ枠およびロック環の斜視図と正面図。 補正レンズ枠とロック環の光軸方向の位置を説明するための光軸方向の断面図。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。この実施の形態では本発明の像振れ補正装置をカメラのレンズ鏡筒に設けた手触れ補正装置として構成した例を示している。図1は当該カメラCAMの概念構成図であり、カメラボディCBと、このカメラボディCBと一体に形成され、または当該カメラボディCBに着脱可能なレンズ鏡筒、すなわちカメラレンズCLとで構成されており、カメラボディCB内にはレンズ鏡筒CLで結像された被写体像を撮像するための撮像素子ISが内装されている。レンズ鏡筒CLには被写体を結像するための結像光学系OLが内装されるとともに、この結像光学系OLで結像される被写体像の手振れを補正するための像振れ補正装置IRDが内装されている。
この像振れ補正装置IRDは、前記レンズ鏡筒CLに内装されて撮影時にカメラボディCBまたはレンズ鏡筒CLに生じる手振れ振動を検出する振動検出手段(ジャイロセンサ)XG,YGからの検出信号に基づいて当該振動を相殺するように、被写体像を光軸と直交するX方向(本発明の第1の方向、像振れ補正装置の水平方向、図1の左右方向、以下同じ)とY方向(本発明の第2の方向、像振れ補正装置の鉛直方向、図1の上下方向、以下同じ)に変位させる構成とされている。この補正を行うために、当該像振れ補正装置IRDには、結像光学系OLの光路上に配置した補正光学系、すなわち補正レンズRLを備えるとともに、この補正レンズRLをX方向、Y方向に駆動させるためのボイスコイル構成のX,Yの各磁気アクチュエータXM,YMと、補正レンズRLの駆動に伴うX方向、Y方向の位置を検出するためのX,Yの各位置センサXS,YSを備えている。
図2は前記像振れ補正装置IRDを後側(カメラボディ側、以下同じ)から見た外観斜視図であり、一部を破断している。この像振れ補正装置IRDの全体構成の概略を説明すると、周壁が部分的に除去された短円筒に近い形状をした固定枠1を備えており、この固定枠1の後側に円形の中心開口部21を有する円環板状をしたベースプレート2が固定的に取着されている。前記固定枠1は図1のレンズ鏡筒CL内に固定されており、したがってベースプレート2もレンズ鏡筒CLに固定されることになる。前記固定枠1とベースプレート2との光軸方向の間には、本発明における像補正手段として、像振れ補正を行うための補正レンズRLを支持した補正レンズ枠3が光軸と直交する平面内で移動可能に支持されており、この補正レンズ枠3の移動により像振れ補正が行われるようになっている。この補正レンズ枠3は後述するL字ガイド板4によって光軸と直交する平面内でX方向とY方向に移動されるように移動方向が規制されている。
図3は前記像振れ補正装置IRDを前側(被写体側、以下同じ)から見た部分分解斜視図である。図1に示したように、この像振れ補正装置IRDには、前記固定枠1および前記ベースプレート2に対して補正レンズ枠3をXY方向に移動させるためのX磁気アクチュエータXMとY磁気アクチュエータYMが設けられている。これらX磁気アクチュエータXMとY磁気アクチュエータYMは、詳細を後述するように、前記固定枠1に固定支持されたX駆動マグネット12xおよびY駆動マグネット12yと、前記補正レンズ枠3に一体的に支持されている中板5に配設されたX駆動コイル51xおよびY駆動コイル51yで構成されている。
前記補正レンズ枠3がX方向およびY方向に移動する際のガイド構造として、当該補正レンズ枠3と前記ベースプレート2との光軸方向の間に前記L字ガイド板4が配設されている。このL字ガイド板4は当該補正レンズ枠3と前記ベースプレート2にそれぞれ係合されており、補正レンズ枠3はこのL字ガイド板4に対してX方向に移動できる。また、補正レンズ枠3はL字ガイド板4と一体となって前記ベースプレート2に対してY方向に移動できるようになっている。
また、前記補正レンズ枠3と前記ベースプレート2との光軸方向の間には、本発明にかかるロック機構を構成するために、円形の中心開口部61を有する円環板状をしたロック環6が光軸回りに所要の角度範囲で回転可能に配設されている。このロック環6の回転位置を変化させることにより、前記補正レンズ枠3の前記したX方向およびY方向の移動を係止し、あるいは係止を解除し、像振れ補正装置IRDのロックあるいはロック解除を行うように構成されている。
以上の構成の像振れ補正装置IRDの詳細について説明する。図2に示したように、前記固定枠1は中心部が開口されかつ円周壁の一部が切り欠かれた短円筒容器状に形成されており、その後面に前記ベースプレート2が固定されている。これら固定枠1とベースプレート2との光軸方向の間には、前記したように補正レンズ枠3がXY方向に移動可能に配設されているが、図3に示したように、この補正レンズ枠3の前側には異形枠状をした中板5が一体的に固定されており、補正レンズ枠3と一体的にX方向およびY方向に移動可能とされている。この中板5は補正レンズ枠3とともに本発明の像補正手段を構成する。
すなわち、図4は補正レンズ枠3と固定枠1を後側から見た正面図であり、前記固定枠1の後面の径方向の2箇所には後方に向けて突出したポスト11が固定されている。これら2つのポスト11は前記補正レンズ枠3および前記中板5のそれぞれの径方向の2箇所に開口された矩形の軸穴32,52に光軸方向に挿通されている。
図5(a)は図4のA−A線拡大断面図、図5(b)は図5(a)のB方向から見た部分の模式図である。前記ポスト11は円柱ボスとして形成されており、前側端面において小ネジ11aにより固定枠1に固定されている。前記補正レンズ枠3と中板5の各軸穴32,52にはそれぞれ当該ポスト11が内挿され、このポスト11によって補正レンズ枠3は固定枠1に支持されるとともに、固定枠1に対してX方向およびY方向の移動が許容されている。前記ポスト11の径寸法は補正レンズ枠3の軸穴32の1辺の寸法よりも小さくされているため、補正レンズ枠3はこれらポスト11と軸穴32との寸法差に相当する寸法だけ前記したX方向およびY方向に移動することが可能とされている。換言すれば、これらポスト11と軸穴32によって補正レンズ枠3のX方向およびY方向の最大の移動量が規制されることになる。
また、前記固定枠1とベースプレート2にはそれぞれ円周方向の3箇所にボールリテーナ13,23が配設されており、このボールリテーナ13,23により前記中板5を固定枠1とベースプレート2との間において光軸方向に挟持している。図6はこのボールリテーナ13,23の光軸方向の断面図である。固定枠1には前側から前セットカラー131がかしめ固定され、このセットカラー131に前セットネジ132が光軸方向に螺合されている。ベースプレート2には後側から後セットカラー231がかしめ固定され、これに後セットネジ232が光軸方向に螺合されている。各セットネジ132,232の互いに対向する先端面にはそれぞれボール133,233が配設されており、前記中板5は円周方向の3箇所においてこれらのボール133,233によって光軸方向に挟持されている。これにより、中板5は自身の前面と後面に当接されている両ボール133,233の転動によってX方向およびY方向に移動可能とされている。したがって、この中板5と一体化されている補正レンズ枠3も固定枠1とベースプレート2に対してX方向およびY方向に移動可能とされている。なお、中板5および補正レンズ枠3を安定に支持し、かつ適切な移動が可能となるように、後セットネジ232の軸方向位置を調整するためのスペーサ234と、前セットネジ132の光軸方向のガタを吸収するためのバネ134が配設されている。
図3に示したように、前記補正レンズ枠3と一体化されている前記中板5には前記X磁気アクチュエータXMとY磁気アクチュエータYMを構成するX駆動コイル51xとY駆動コイル51yが固着されている。すなわち、前記中板5の前側方向から見たときに、円周に沿った右側部にX駆動コイル51xが固着され、下側部にY駆動コイル51yが固着されている。これらのX駆動コイル51xと駆動コイル51yはそれぞれ円周接線方向に長径を有する長円型となるように細導線が巻回された構成であり、X駆動コイル51xはY方向に長径が向けられ、Y駆動コイル51yはX方向に長径が向けられている。また、これらの駆動コイル51x,51yは後述するフレキシブル基板8に対して電気回路的には一体に構成されている。そして、これら駆動コイル51x,51yは前記補正レンズ枠3に設けた対をなす支持片36a,36bに係合され、この係合により補正レンズ枠3に対して位置決めされた状態に一体支持されている。
一方、前記X磁気アクチュエータXMとY磁気アクチュエータYMを構成するために、前記固定枠1には、前側方向から見て右側部と下側部にそれぞれ所要の寸法の開口15が光軸方向に貫通されており、これらの開口15内にそれぞれX駆動マグネット12xとY駆動マグネット12yが固定支持されている。これらのX駆動マグネット12xとY駆動マグネット12yは、それぞれ前面側に長方形に近い板状をした前ヨーク121が一体に設けられており、各駆動マグネット12x,12yはそれぞれ固定枠1の前側から開口15に内挿され、図2に示したように、前ヨーク121が小ネジ122によって固定枠1の前面に固定されている。
図3において、前記中板5と前記補正レンズ枠3の光軸方向の間の位置には、前記X駆動コイル51xとY駆動コイル51yが配設されている円周領域にわたって、概ね半円弧板状をしたヨーク板7が配設されており、当該ヨーク板7は自身の両端において前記固定枠1の後面に図には表れない小ネジ等によって固定されている。このヨーク板7は前記前ヨーク121と同様に透磁性のある金属板、例えば鉄板で形成されており、前記した前ヨーク121と協働して前記駆動マグネット12x,12yの磁束密度を増大させる。すなわち、このヨーク板7は前ヨーク121に対して後ヨークとして機能する。そして、前記したX駆動コイル51x、X駆動マグネット12x、前ヨーク121、後ヨーク(ヨーク板)7でムービングコイル方式のX磁気アクチュエータXMが構成され、前記したY駆動コイル51y、Y駆動マグネット12y、前ヨーク121、後ヨーク(ヨーク板)7で同じくムービングコイル方式のY磁気アクチュエータYMが構成される。
図7(a),(b)にY磁気アクチュエータYMの光軸方向の断面図と一部を破断した斜視図を示すが、光軸方向の前側に配置されたY駆動マグネット12yおよび前ヨーク121と、後側に配置された後ヨーク7とで磁界Bが構成され、Y駆動コイル51yはこの磁界内に配置された構成とされている。そして、中板5に設けられたフレキシブル基板8を介してY駆動コイル51yに電流Iを通電し、この電流Iの通電方向と通電量を制御することで、Y駆動コイル51yはY方向の駆動力Fが発生され、この駆動力によって移動制御されることになる。X磁気アクチュエータXMについても同様である。これにより、X駆動コイル51xとY駆動コイル51yを支持している中板5、すなわちこの中板5と一体的な補正レンズ枠3は光軸に対してX方向およびY方向に移動制御されることになる。
また、補正レンズ枠3には光軸に対するX方向およびY方向の位置を検出するための前記した位置センサXS,YSを構成するX位置マグネット34xとY位置マグネット34yがそれぞれ周方向の異なる位置において一体的に固定支持されている。これに対向するように、前記固定枠1には、前記X位置マグネット34xとY位置マグネット34yをそれぞれ磁気検出するためのXホール素子ユニット14xとYホール素子ユニット14yが固定支持されている。
図8はY位置センサYSの光軸方向の断面図であり、補正レンズ枠3に固定支持されたY位置マグネット34yに対して、固定枠1に固定支持されたYホール素子ユニット14yが所要の間隔をおいて光軸方向に対向配置されている。Yホール素子ユニット14yは固定枠1に固定するためのホール素子台142にホール素子141が搭載されたものである。X位置センサXSについても同様である。補正レンズ枠3がX方向、Y方向に移動するのに伴って、各ホール素子ユニット14x,14yに対する各位置マグネット34x,34yの相対位置が変化されるため、この位置変化により各ホール素子ユニット14x,14yの電気出力が変化され、この電気出力により補正レンズ枠3のX方向およびY方向の位置が検出される。なお、このようなマグネットとホール素子による位置検出の作用は既に知られている技術であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
前記補正レンズ枠3をX方向とY方向にガイドする前記L字ガイド板4は、図9(a),(b)に前側から見た斜視図と後側から見た斜視図を示すように、概ねL字型をした板材で構成されている。ここでは、L字の角部が円形をした固定枠1およびベースプレート2の外周縁から外径方向に突出されないように長さ方向の中央部分41を斜め方向に延長した形状としている。このL字ガイド板4は補正レンズ枠3およびベースプレート2を前側から見たときに、これらの右側領域と下側領域にわたる領域、換言すれば前記X磁気アクチュエータXMとY磁気アクチュエータYMが配設された円周方向の領域にわたって配設されている。また、このL字ガイド板4は前記したように固定枠1に対してX方向に、ベースプレート2に対してY方向にそれぞれ相対移動可能とされているが、その中央部分には前記ボールリテーナ13,23の一つを貫通するY方向に長い長円形の挿通穴42が開口されており、当該ボールリテーナ13,23と干渉することなくL字ガイド板4がベースプレート2に対してY方向に移動可能とされている。
また、前記L字ガイド板4にはガイドピン43x,43yが形成されている。すなわち、前記L字ガイド板4の両端領域の前面には光軸方向の前側に向けて1対のガイドピン43xが突出されている。これと反対にL字ガイド板4の両端領域の後面には光軸方向の後側に向けて1対のガイドピン43yが突出されている。ここでは前面のガイドピン43xをXガイドピンと称し、後面のガイドピン43yをYガイドピンと称する。
一方、図10(a),(b)に前記した中板5、補正レンズ枠3、L字ガイド板4およびベースプレート2の関係を示す要部の分解斜視図を示す。前記L字ガイド板4の前記挿通穴42に後面側からボールリテーナ23が挿通され、このボールリテーナ23の前面側から円筒状をしたカラー45が嵌合されており、前記L字ガイド板4は、これらボールリテーナ23とカラー45とで光軸方向に挟持されることにより当該光軸方向の位置決めが行われ、ベースプレート2に対してY方向に移動可能である。前記X,Yのガイドピン43x,43yに対応して、前記補正レンズ枠3の後面には一対のXガイド穴35が開口され、前記ベースプレート2の前面には一対のYガイド穴25が開口されている。すなわち、図10(a)は図3と同じ方向から見た斜視図であり、前記ベースプレート2の前面にY方向の長穴からなる一対のYガイド穴25が開口され、このYガイド穴25に前記L字ガイド板4のYガイドピン43yが嵌入され、Yガイド穴25内においてY方向に相対移動可能とされている。また、図10(b)は右後方から見た斜視図であり、前記補正レンズ枠3の後面にX方向の長穴からなる一対のXガイド穴35が開口され、このXガイド穴35に前記L字ガイド板7のXガイドピン43xが嵌入され、Xガイド穴35内においてX方向に相対移動可能とされている。これら各ガイド穴25,35はここでは光軸方向の貫通穴として形成されているが、光軸方向に凹んだ穴であってもよい。
このL字ガイド板4を備えることにより、図11に模式図を示すように、Xガイドピン43xとXガイド穴35との嵌合により、補正レンズ枠3はL字ガイド板4に対してX方向に相対移動される。このとき、L字ガイド板4はYガイドピン43yとYガイド穴25との嵌合によりX方向にはベースプレート2と一体であるので移動されることはない。また、Yガイドピン43yとYガイド穴25との嵌合により、補正レンズ枠3はL字ガイド板4と一体となって前記ベースプレート2に対してY方向に相対移動できる。すなわち、L字ガイド板4はXガイドピン43xとXガイド穴35との嵌合によりY方向には補正レンズ枠3と一体である。
前記補正レンズ枠3のX方向およびY方向の移動を規制するためのロック機構は、図3に示したロック環6を備えている。図12はこのロック環6で構成されるロック機構を含む前記ベースプレート2を前側から見た斜視図である。このロック環6は円形の中心開口部61を有する概ね円環板状に形成されており、光軸回りに所要の角度で回転できるようにベースプレート2に支持されている。例えば、図12には表れないが、ロック環6の内周縁、すなわち中心開口部61の周縁に沿って短円筒状のスリーブを光軸方向に突出して設け、このスリーブをベースプレート2の中心開口部21の内周縁に嵌合させて当該スリーブの外周面がベースプレート2の内周縁に沿って滑動する構成を採用することができる。
前記ロック環6の前面には円周方向の複数箇所、ここでは光軸を中心とした所定径寸法の仮想円の円周を4つに等分する4箇所に光軸方向に突出したロック片62が形成されている。このロック片62は、例えば、前記仮想円に沿って円環状に形成した円周壁のうち、ロック片62を形成する箇所以外を除去した離散的な部分壁として構成されている。この部分壁は円周壁の一部であるが、仮想円の接線方向に向けられた直線壁として構成されてもよい。これらのロック片62は前記補正レンズ枠3の後面に形成された4つのロック突起36に対向されるものであり、本発明におけるロック突部として構成される。また、ここでは後述するようにロック片62がロック突起36に対して当接される際に、その当接が円滑に行われるように、ロック環6を前方から見たときのロック片62の反時計方向の端部を楔状に近い形状に形成している。
一方、図4あるいは図10(b)に示されるように、補正レンズ枠3の後面には、円周方向に等配された4箇所に、光軸方向の後側に向けてロック突起36が突出形成されている。ここでは、当該ロック突起36は、補正レンズ枠3の一部を構成して補正レンズRLを固定するためのレンズ固定リング37の光軸方向の後面に形成された短い円柱ピン状に形成されている。これら4つのロック突起36は径方向には前記ロック片62を配設した際の仮想円とほぼ同じ径寸法の仮想円に沿った位置であり、円周方向には前記ロック片62を周方向に4等分した角度と同じ角度で等配された位置である。ここでは、4つのロック突起36はX方向およびY方向に対してそれぞれ45度で直交する角度位置にそれぞれ配設されている。これらのロック突起は本発明における被ロック突部として構成される。
また、図12に示したように、前記ロック環6の外周の一部にはセクター歯車63が一体に形成されており、このセクター歯車63には前記ベースプレート2に支持されたギアボックス64が係合されている。このギアボックス64は図には表れないモータを駆動源とし、このモータによって回転駆動されるピニオン641を最終回転出力とするアクチュエータとして構成されており、このピニオン641が前記セクター歯車63に歯合されている。これにより、ギアボックス64が駆動してピニオン641が回転されると、これに歯合するセクター歯車63を介してロック環6が光軸回りにセクター歯車63の角度だけ回転されることになる。
さらに、前記ロック環6の外周縁の一部に臨む前記ベースプレート2の前面には、周方向に小間隔おいて1対のフォトインタラプタ65a,65bが配設されており、これらフォトインタラプタ65a,65bによってロック環6の回転位置を検出することが可能とされている。これらギアボックス64およびフォトインタラプタ65a,65bは、図3に示した前記ベースプレート2の後面に配設したフレキシブル基板9を通して外部に電気接続される。なお、フォトインタラプタ65a,65bによるロック環6の回転位置の検出の動作については、既に知られている位置検出技術を利用しているので、ここでは詳細な説明は省略する。この技術によりロック環6の回転位置が検出され、かつ検出された回転位置に基づいて前記ギアボックス64をフィードバック制御することにより、ロック環6はロック解除位置である第1の回転位置と、ロック位置である第2の回転位置にそれぞれ回転位置制御されることになる。
以上説明した像振れ補正装置IRDでは、カメラCAMでの撮影時に手振れが生じると、図1に示した振動検出手段XG,YGが手振れ振動を検出する。図示および説明は省略したが、レンズ鏡筒CLに搭載されているレンズCPUはこの手振れ振動に基づいて所要の演算を行い、演算された駆動電流をフレキシブル基板8を介してX駆動コイル51x、Y駆動コイル51yに供給する。これにより、X,Yの磁気アクチュエータXM,YMが駆動され、補正レンズ枠3をX方向、Y方向に移動して手振れ振動を相殺し、手振れ補正を実行する。このとき、補正レンズ枠3のX,Y方向の移動量はX,Yの各位置センサXS,YSによって検出され、各磁気アクチュエータXM,YMをフィードバック制御して補正レンズ枠3が目的とする位置に正確に移動して手振れを補正するように制御する。
ここで、X磁気アクチュエータXMにおいては、図7(b)を参照して説明したように、X駆動マグネット12xおよび前後のヨーク121,7で構成される磁界内においてX駆動コイル51xに電流が通流されることでローレンツ力による駆動力が発生し、この駆動力によって補正レンズ枠3がX方向に移動される。同様に、Y磁気アクチュエータYMにおいては、Y駆動マグネット12yおよび前後のヨーク121,7で構成される磁界内においてY駆動コイル51yに電流が通流されることで同様にして駆動力が発生し、この駆動力によって補正レンズ枠3はY方向に移動される。
補正レンズ枠3がX磁気アクチュエータXMによりX方向に移動されるときには、図11を参照して説明したように、補正レンズ枠3の後面のXガイド穴35とL字ガイド板4の前面のXガイドピン43xとのX方向の相対移動によって当該補正レンズ枠3の移動が可能になる。補正レンズ枠3がY磁気アクチュエータYMによりY方向に移動されるときには、Yガイドピン43yとYガイド穴25とY方向の相対移動により補正レンズ枠3はL字ガイド板4とともにY方向に移動される。
この像振れ補正を行うときには、ロック機構を構成しているロック環6を第1の回転位置であるロック解除位置に設定する。この設定は撮影者の操作に基づいて行われる。すなわち、図13(a)はロック解除状態での、前記ベースプレート2、補正レンズ枠3、ロック環6を前側から見た斜視図である。この図では図示を省略したギアボックス64に供給する電流を制御してピニオン641を回転し、セクター歯車63によりロック環6を前方から見て時計方向に小角度だけ回転したロック解除位置に設定する。このロック解除位置では図13(b)に光軸方向から見た模式図を示すように、ロック環6の4つのロック片62は補正レンズ枠3の4つのロック突起36とはそれぞれ異なる周方向の位置に移動設定される。そのため、補正レンズ枠3がX方向またはY方向に移動してもロック突起36がロック片62に当接することがなく、補正レンズ枠3のX方向およびY方向の自由な自動が確保でき、像振れ補正が実現できる。ただし、このX方向とY方向の移動の移動量は、図5を参照して説明したポスト11と軸穴32との寸法差により規制されることは言うまでもない。
一方、像振れ補正を行わないとき、例えば非撮影時には、撮影者の操作に基づいて図示を省略したギアボックス64に供給する電流を制御してロック環6を前方から見て反時計方向に小角度だけ回転した第2の回転位置であるロック位置に設定する。図14(a)はロック状態での、前記ベースプレート2、補正レンズ枠3、ロック環6を前側から見た斜視図である。このロック位置では図14(b)に光軸方向から見た模式図を示すように、ロック環6の4つのロック片62は補正レンズ枠3の4つのロック突起36に対してそれぞれ周方向の同じ位置に設定され、各ロック片62と各ロック突起36は径方向に重なり、両者は互いに当接した状態となる。そのため、各ロック突起36はそれぞれロック片62によって外径方向の移動が規制されることになり、補正レンズ枠3としてはL字ガイド板4に沿った移動方向であるX方向およびY方向の移動が規制され、ロック状態となる。したがって、外部衝撃や振動等によって補正レンズ枠3がいたずらにX方向およびY方向に移動することが防止され、補正レンズ枠3ないしは像振れ補正装置の保護を図ることができる。
ここで、ロック位置とロック解除位置へのそれぞれのロック環6の回動位置の制御は、前記したようにロック環6の回動位置を前記した1対のフォトインタラプタ65a,65bで検出し、この検出に基づいてギアボックス64をフィードバック制御することにより行われる。例えば、ロック環6の外周縁の一部に設けた切欠きや穴をこれら1対のフォトインタラプタ65a,65bにより検出することでロック環6の回転位置が検出できる。また、手制御によってロック環6を回動するように構成してもよいことは言うまでもない。
このように、ロック環6の前面、すなわち光軸に垂直な面に設けて周方向に離散されて光軸方向に突出したロック片62と、像振れ補正を行う補正レンズ枠3の後面、すなわち光軸な垂直な面に設けて周方向に離散されて光軸方向に突出したロック突起36とを備え、これらロック片62とロック突起36とが径方向に当接することにより補正レンズ枠3の移動を係止するロックが行われる構成が採られている。この構成では、図15に光軸方向の断面構造を模式的に示すが、ロック環6は補正レンズ枠3およびロック突起36とは光軸方向の異なる位置に配置されているので、ロック環6は補正レンズ枠3およびロック突起36と光軸方向の同じ位置に、しかも径方向に重なって配置されることはない。したがって、ロック環6の外径寸法は最大でもロック片62を配設することが可能な径寸法の環状板で構成すればよく、ロック環6の外径寸法が低減できる。
また、ロック片62は光軸方向に突出した離散された部分壁として構成されているので、ロック片62の径方向の寸法、つまりロック片62の板厚はロック突起36に当接してその移動を規制するのに必要な厚みがあれば十分であり、極力薄く形成できる。このことからも、ロック環6の径寸法をいたずらに大きくする必要はない。一方で、ロック突起36は補正レンズ枠3に支持している補正レンズRLの外径寸法よりも大きい径位置であればよく、例えば実施形態のように補正レンズRLのレンズ固定リング37に一体的に形成できるので、これに当接するロック片62の径方向の位置を最小限の寸法とし、ロック環6の径寸法を当該最小限の寸法にまで小径にできる。この結果、ロック環6のさらなる小径化を図り、像振れ補正装置の小径化が実現できる。
さらに、ロック解除の状態のときには、図13(b)から分かるように、4つのロック片62は4つのロック突起36のX方向およびY方向の延長線上には位置されていないので、補正レンズ枠3がX方向およびY方向に大きく移動されてもロック突起36がロック片62に当接して補正レンズ枠3の移動が制限されることはない。したがって、ロック環6を小径に形成しても補正レンズ枠3が像振れを補正する際のX方向およびY方向の移動量を確保することができ、適切な像振れ補正が実現できる。
他方、ロック環6は自身の中心開口部61の内周縁において補正レンズ枠3をロックする構成ではないため、中心開口部61を特許文献1,2のような非円形形状に形成する必要はなく、円形に形成することができる。そのため、ロック環6の設計および製造が容易になる。また、このようにロック環6の中心開口部61の形状が円形にできるので、当該ロック環6をレンズ鏡筒CLにおける固定絞り部材として利用し、レンズ鏡筒CLにおける内面反射光の軽減や像性能の向上が実現できる。あるいは他のレンズや絞り機構等の光学部品をロック環6に配設することも可能になる。
実施形態ではロック片62がロック突起36の外周側に当接してロックを行う構成であるが、スペース的な設計が可能であればロック片62がロック突起36の内周側に当接してロックを行うようにロック環6を構成してもよい。この場合にはロック片62の径方向の位置をさらに内径側に配置でき、ロック環6ないし像振れ補正装置のさらなる小径化が可能になる。
また、実施形態ではロック環6に設けたロック片62を本発明におけるロック突部として構成し、補正レンズ枠3に設けたロック突起36を本発明における被ロック突部として構成しているが、ロック突部と被ロック突部が当接することによって補正レンズ枠3がX方向とY方向に係止される構成であれば、これらロック突部と被ロック突部の具体的な構成は実施形態のロック片、ロック突起の構成に限られるものではない。
本発明の像振れ補正装置IRDを図1に示したようにカメラCAMのレンズ鏡筒CLに配設することにより、当該レンズ鏡筒CLを備えたカメラCAMの撮影時における手振れによる撮影画像の像振れを解消することができる。これとともに、ロック環によりロック解除状態またはロック状態に切り替えることにより、ロック解除状態のときには補正範囲の広い手振れ補正が可能になり、ロック状態のときには補正レンズ枠が意に反して移動してダメージを受けることがなく、信頼性の高い像振れ補正装置を組み込んだ撮影性能の高い小型のカメラCAMが実現できる。
本発明の像振れ補正装置はレンズ交換式カメラのレンズ鏡筒に内装することが可能であることは勿論であるが、レンズ鏡筒を一体に有するカメラのレンズ鏡筒ないしカメラボディ内に内装してもよい。また、本発明の像振れ補正装置を備える光学機器はレンズ鏡筒に限られるものではなく、当該レンズ鏡筒を備えたカメラ、特に静止画や動画を撮像するカメラであってもよい。
本発明は像振れ補正の動作をロックする状態とロックを解除する状態とに切り替えることが可能なロック機構を備える像振れ補正装置およびこれを備えるレンズ鏡筒やカメラ等の光学機器に採用して有効である。
1 固定枠
2 ベースプレート
3 補正レンズ枠(像補正手段)
4 L字ガイド板
5 中板
6 ロック環
7 ヨーク板
8,9 フレキシブル基板
12x,12y 駆動マグネット
36 ロック突起(被ロック突部)
51x,51y 駆動コイル
62 ロック片(ロック突起)
63 セクター歯車
64 ギアボックス
CAM カメラ(光学機器)
CL レンズ鏡筒(光学機器)
CB カメラボディ
IRD 像振れ補正装置
XM,YM 磁気アクチュエータ
XS,YS 位置センサ
IS 撮像素子

Claims (14)

  1. 光軸に対して移動して像振れ補正を行うための像補正手段を備える像振れ補正装置であって、光軸回りに回転可能なロック環を備え、前記像補正手段は光軸方向に突出する被ロック突部を有し、前記ロック環は光軸方向に突出されたロック突部を有し、前記ロック環の所定の回転位置において前記ロック突部が前記被ロック突部に当接して前記像補正手段を係止する構成であり、前記被ロック突部と前記ロック突部が光軸方向の同一の位置に配置されており、かつこの位置には前記ロック環及びこれを支持する部材が存在していないことを特徴とする像振れ補正装置。
  2. 前記像補正手段の光軸と垂直な面内での移動を可能とし、かつその最大移動量を規制する手段を備え、当該規制する手段は、光軸と垂直な第1の方向と、この第1の方向に垂直な第2の方向にそれぞれ所要の長さを有する矩形領域内で前記像補正手段の移動を可能とすることを特徴とする請求項1に記載の像振れ補正装置。
  3. 前記ロック環は前記像補正手段と光軸方向の異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の像振れ補正装置。
  4. 前記ロック突部は、前記ロック環がロック位置にあるときに前記被ロック突部に当接して前記像補正手段を係止する位置に移動され、前記ロック環がロック解除位置にあるときに前記像補正手段の可動範囲内で前記被ロック突部に当接しない位置に移動されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  5. 前記像補正手段と前記ロック環は光軸方向に隣接配置され、前記被ロック突部は前記ロック環に対向する面に当該ロック環に向けて突設され、前記ロック突部は前記像補正手段に対向する面に当該像補正手段に向けて突設されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  6. 前記像補正手段は前記光軸に対して垂直な面内において互いに直交する第1の方向及び第2の方向に移動可能であり、前記ロック突部は前記被ロック突部と当接したときに第1の方向および第2の方向の移動を規制する構成であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  7. 前記ロック突部と前記被ロック突部は複数設けられ、複数のロック突部はそれぞれ被ロック突部の径方向の移動を規制し、これら複数のロック突部により前記補正手段の第1の方向および第2の方向の移動を規制する構成であることを特徴とする請求項6に記載の像振れ補正装置。
  8. 前記被ロック突部は光軸を中心とする仮想円に沿った周方向の複数位置に設けられ、前記ロック突部は当該仮想円に沿って円周方向に離散された部分壁として構成されていることを特徴とする請求項7に記載の像振れ補正装置。
  9. 前記ロック突部および前記被ロック突部はそれぞれ4つ設けられ、これらロック突部および被ロック突部は光軸に垂直な面内において直交する4つの周方向の位置に配設されていることを特徴とする請求項8に記載の像振れ補正装置。
  10. 前記ロック環を回転駆動する駆動手段と、前記ロック環の回転位置を検出する位置検出手段とを備え、当該位置検出手段において検出した回転位置に基づいて前記ロック環の回転位置を制御することを特徴とする請求項8または9に記載の像振れ補正装置。
  11. レンズ鏡筒の光軸に対して当該光軸に垂直な面内で移動されて像補正を行うための像補正手段を備える像振れ補正装置であって、前記像補正手段はレンズ光学系で結像される被写体像の像振れ補正を行うための補正レンズを支持する補正レンズ枠を有し、前記補正レンズ枠と光軸方向の異なる位置に配置されて光軸回りに回転されて第1の回転位置と第2の回転位置とに移動されるロック環を備え、前記補正レンズ枠は光軸方向に突出された複数のロック突起を有し、前記ロック環は光軸方向に突出された複数のロック片を備え、前記ロック突起と前記ロック片が光軸方向の同一位置に配置され、前記ロック環の第1の回転位置において前記ロック片が前記ロック突起に当接されず、前記ロック環の第2の回転位置において前記ロック片が前記ロック突起に当接して前記補正レンズ枠の移動を係止する構成であり、前記ロック突起と前記ロック片が光軸方向の同一の位置に配置されており、かつこの位置には前記ロック環及びこれを支持する部材が存在していないことを特徴とする像振れ補正装置。
  12. 光軸の振動を検出する振動検出手段を備え、この振動検出手段で検出した振動を相殺するように前記像補正手段を移動する駆動手段備えることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  13. 前記ロック環は光軸を含む中心開口部を有し、この中心開口部を光学部品として構成したことを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載の像振れ補正装置を備えるレンズ鏡筒又はカメラを含む光学機器。
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