JP2016161899A - 像振れ補正装置および撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンズ光学部材や撮像素子等の像振れ補正のための補正移動部材のスムーズな移動を確保して像振れ補正の高速化、高精度化を実現する像振れ補正装置およびこれを含む撮影装置を提供する。
【解決手段】レンズ鏡筒の固定枠1と、レンズ鏡筒に内装されてレンズ光軸と直交する面内でX方向およびY方向に移動される補正レンズを支持する補正移動部材5と、固定枠1と補正移動部材5との間に配設されて補正移動部材5の移動方向をX方向およびY方向に案内するためのL字型のガイド軸12とを備える。固定枠1と補正移動部材5にはガイド部11,56が設けられ、ガイド部11,56にはガイド軸12の延長方向と交差する方向にガイド軸12を挟んで配設された複数対の軸受B1〜B4を有し、これらの軸受B1〜B4はガイド軸12の姿勢が変化したときにガイド軸12が点または線接触される。
【選択図】 図10

Description

本発明は撮影時における手振れによる像振れを補正するための像振れ補正装置に関し、特に撮影レンズのレンズ鏡筒内に内装して好適な像振れ補正装置と、この像振れ補正装置を備える撮影装置に関するものである。
近年のカメラで代表される撮影装置では、手振れ等により生じる像振れを補正するための像振れ補正装置を備えたものがある。この像振れ補正装置は、撮影時に撮影装置に生じる手振れ振動を検出し、この振動を相殺するように撮影装置のレンズ光学部材や撮像素子を移動する方式がとられている。また、これらレンズ光学部材や撮像素子を移動する際には、互いに直交する2つの方向、すなわち撮影光軸に直交する面内のX方向とY方向に移動を行っているが、その際レンズ光学部材や撮像素子が撮影光軸の回りに回転しないように、互いに直交する方向に延長された真直な軸部を有するガイド軸、例えばL字型のガイド軸を配設し、レンズ光学部材や撮像素子をこのガイド軸の各軸部に沿って案内しながら移動する構成がとられている。例えば、特許文献1にはレンズ光学部材をL字型のガイド軸の各軸部の延長方向に案内しながら移動する構成が開示されている。また、特許文献2にはL字型のガイド軸の各軸部をレンズ光学部材の移動方向に対して45度の角度に向けて配設し、レンズ光学部材を所定の方向に移動する構成が開示されている。
特開2006−349803号公報 特許第3805045号公報
特許文献1,2の技術は、いずれもガイド軸のX,Yの各軸部とレンズ光学部材が各軸部の延長方向に相対移動可能に支持することでレンズ光学部材が撮影光軸の回りに回転することを規制する構成がとられているが、この支持構造はいずれもレンズ光学部材がガイド軸の各軸部に対して面接触ないし面接触に近い状態で近接対向配置する構成がとられている。そのため、レンズ光学部材が移動する際に、移動に伴う外力がレンズ光学部材からガイド軸に加わってガイド軸の各軸部がそれぞれの延長方向に対して傾斜する方向に傾動される状況が生じ、これにより各軸部はレンズ光学部材の接触面に片当たりの状態となり、移動力がこの片当たり部位に集中して摩擦力が発生し、レンズ光学部材のスムーズな駆動が阻害されることになる。すなわち、レンズ光学部材がガイド軸の軸部に沿って移動する際に片当たりによってレンズ光学部材の移動が停止され、この状態から移動力が摩擦力よりも大きくなると片当たり状態が解消されて再びレンズ光学部材が移動されるが、直ぐに再度の片当たりが生じることによりレンズ光学部材の移動が再度停止される。この状態が繰り返されることにより、いわゆる「きつつき運動」が生じてスムーズな移動ができなくなる。これにより、高速かつ高い精度での像振れ補正の実現が困難になっている。
本発明の目的は、レンズ光学部材や撮像素子等の像振れ補正のための補正移動部材のスムーズな移動を確保して像振れ補正の高速化、高精度化を実現する像振れ補正装置およびこれを含む撮影装置を提供するものである。
本発明の像振れ補正装置は、固定部材に対して光軸と交差する面上で移動して像振れ補正を行う補正移動部材と、当該補正移動部材の移動を案内するために当該移動方向に沿って延長される軸部を有するガイド軸とを備えており、前記固定部材と前記補正移動部材の少なくとも一方には前記ガイド軸の前記軸部を挟んで配設された複数対の軸受を有するガイド部が設けられ、前記軸受は前記軸部が点または線接触されるように構成されていることを特徴とする。
本発明の像振れ補正装置を撮影装置に適用するときには、撮影レンズの鏡筒の一部を構成する固定枠と、当該鏡筒に内装されてレンズ光軸と直交する面内で互いに直交するX方向およびY方向に移動される補正レンズを支持する補正移動部材と、前記固定枠と前記補正レンズとの間に配設されて前記補正レンズの移動方向をX方向およびY方向に案内するためのL字型のガイド軸とを備える。その上で、前記固定枠と前記補正レンズにはそれぞれ前記ガイド軸のX方向およびY方向に延びる軸部に対応するガイド部が設けられ、これらのガイド部は前記ガイド軸の各軸部の延長方向と交差する方向に当該軸部を挟んで配設された複数対の軸受を有し、これらの軸受は前記ガイド軸の姿勢が変化したときに前記軸部が点または線接触されるように構成される。
本発明における複数対の軸受は、各対の一方の軸受が前記軸部を挟む一方の側に配設され、各対の他方の軸受が前記軸部の他方の側に配設され、前記軸部に沿った方向の各対における間隔寸法が等しく設定される。また、各軸受は前記軸部に対して所要の間隙をもって配設される。あるいは、軸受のうち、軸部の少なくとも一方の側に配設された軸受は当該軸部に向けて移動可能に構成されるとともに、付勢手段により当該軸部に弾接される構成としてもよい。
さらに、本発明における軸受は、好ましくは2対を構成する4つの軸受で構成される。あるいは、2対を構成する3つの軸受で構成されてもよく、この場合には各対に共通する1つの軸受が前記軸部を挟む一方の側に配設され、他の2つの軸受が前記軸部の他方の側に配設される。
本発明における軸受は、ボールベアリングで形成され、その軸転される部材が前記軸部に接触されるように構成される。このボールベアリングは、相対回転される内輪と外輪を有するボールベアリングであり、内輪が前記ベース部に固定され、外輪の外周面が前記軸部に対向配置される。あるいは、ボールベアリングは外輪が前記ベース部に固定され、内輪と一体に連結された内軸の周面が前記軸部に対向配置される。あるいは、軸受は、前記軸部に接触される面が円滑面として形成された部材、または、ベース部に軸転可能に支持されたコロで構成されてもよい。
本発明の撮影装置は、前記した本発明の像振れ補正装置をカメラレンズのレンズ鏡筒またはカメラボディに内装し、像振れ補正装置で補正された被写体像を撮影する構成とする。
本発明の像振れ補正装置によれば、補正移動部材が固定部材に対して光軸と交差する面上で移動する際にガイド軸によって移動が所定の方向に規制され、高い精度の像振れ補正が実現される。
本発明の撮影装置によれば、本発明の像振れ補正装置を備えることにより、像振れ補正効果の高い撮影装置が実現できる。
本発明の像振れ補正装置を備えたカメラの概念構成図。 像振れ補正装置の全体構成の外観斜視図。 像振れ補正装置の部分分解斜視図。 補正レンズ枠の前面図。 ポストにおける断面図。 ボールリテーナの断面図。 磁気アクチュエータの一部の断面図。 位置センサの断面図。 補正レンズ枠の位置規制を行うガイド軸とXYガイド部の分解斜視図。 ガイド軸およびXガイド部とYガイド部の相対位置を説明するための模式図。 Yガイド部を拡大した模式的な正面図と第1および第3の軸受を通る線に沿った拡大断面図。 ロック環の動作を説明するための後面図。 軸受の異なる配置例を示す模式的な正面図。 軸受のさらに異なる配置例を示す模式的な正面図。 軸受の各異なる形成を示す断面図。 軸受に付勢部材を配設した実施形態の正面図と断面図。 軸受をコロで構成した実施形態の断面図。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。この実施の形態では本発明の像振れ補正装置をカメラのレンズに内装した手振れ補正装置として構成している。図1は当該カメラCAMの概念構成図であり、カメラボディCBと、このカメラボディCBと一体に形成された、または着脱可能なカメラレンズ(レンズ鏡筒を含む全体のこと)CLとで構成されており、カメラボディCB内にはカメラレンズCLで結像された被写体像を撮像するための撮像素子ISが内装されている。カメラレンズCLには被写体を結像するための結像光学系OLが内装されるとともに、この結像光学系OLで結像される被写体像の手振れを補正するための像振れ補正装置IRDが内装されている。
この像振れ補正装置IRDは、前記カメラレンズCLに内装されて撮影時にカメラボディCBまたはカメラレンズCLに生じる手振れ振動を検出する振動検出手段(ジャイロセンサ)XG,YGからの検出信号に基づいて当該振動を相殺するように被写体像をレンズ光軸(以下、単に光軸と称することもある)と直交するX方向(図1の左右方向)とY方向(図1の上下方向)に変位させる構成とされている。この補正を行うために、当該像振れ補正装置IRDには、結像光学系OLの光路上に配置した補正レンズRLを備えるとともに、この補正レンズRLをX方向、Y方向に移動させるためのX,Yの各ボイスコイル構成の磁気アクチュエータXM,YMと、補正レンズRLの移動に伴うX方向、Y方向の位置を検出するためのX,Yの各位置センサXS,YSを備えている。また、図1には表れていないが、後述の説明から分かるように前記補正レンズRLをレンズ光軸に対して回転させることなくX方向、Y方向に移動させるためのL字型をしたガイド軸を備えている。
図2は前記像振れ補正装置IRDをカメラボディ側から見た外観斜視図である。前記像振れ補正装置IRDは短円筒に近い形状をした固定枠1を主体にして組み立てられており、この固定枠1は図1のレンズCLの鏡筒内に固定的に支持される。また、図3は当該像振れ補正装置IROの部分分解斜視図であり、前側、すなわち被写体側から見た図である。以下、前後については同様に前側を被写体側とし、後側をカメラボディ側とする。
これら図2および図3を併せて参照すると、前記固定枠1の前面側には後ヨーク2、前ヨーク3、ベースプレート4が光軸方向に配列した状態で固定支持されている。また、前記後ヨーク2と前ヨーク3との光軸方向の間には前記補正レンズRLを支持した補正レンズ枠5が配設されている。この補正レンズRLおよび補正レンズ枠5は本発明における補正移動部材に相当するものであり、前記固定枠1に対して前記したX方向、Y方向に移動可能に支持されている。一方、前記固定枠1の後側、すなわちカメラボディ側の面にはロック環6が円周方向に所要角度で回動可能に支持されている。
前記固定枠1は円周壁の一部が切り欠かれて中央部が開口された短円筒容器状に形成されており、固定枠1を被写体側から見たときに筒内底面となる前面の上部、右下部、左下部(以下、左右、上下については前側から見た方向である)の3箇所にそれぞれ詳細を後述する後ボールリテーナ8Aが配設されている。また、この固定枠1には詳細を後述するロックモータ10が搭載されるとともに、同じく詳細を後述するYガイド部11が一体に形成されている。
前記補正レンズ枠5は、前記固定枠1に内装した状態の前面図を図4に示すように、中央の円形開口内に前記補正レンズRLを嵌着支持したほぼ円環状に形成された樹脂製の枠部51と、この枠部51の前面に円周に沿って一体的に取着されたほぼ円環板状をしたアルミニウム等の金属製の支持板部52とで形成されている。この補正レンズRLは前記したようにX方向およびY方向に移動して被写体像の像振れを補正するものである。前記補正レンズ枠5の支持板部52には円周に沿って右側部にX駆動コイル53xが固着され、下側部にY駆動コイル53yが固着されている。これらのX駆動コイル53xと駆動コイル53yはそれぞれ円周接線方向に長軸を有する長円型となるように細導線が巻回された構成である。
すなわち、X駆動コイル53xはY方向に長軸を有し、Y駆動コイル53yはX方向に長軸を有しており、各駆動コイル53x,53yは補正レンズ枠5を板厚方向に貫通して光軸方向の両側に露呈された状態に形成されている。また、補正レンズ枠5の枠部51の左側部には小型のX位置検出マグネット54xが支持され、上側部には同じく小型のY位置検出マグネット54yが支持されている。さらに、補正レンズ枠5の右上部と左下部にはそれぞれ矩形をした微小開口寸法の挿通穴55が板厚方向に貫通されている。補正レンズ枠5の裏面には、図2〜4には表れないXガイド部56が一体に形成されているが、これについては後述する。
図3において、前記後ヨーク2は前側方向から見て右上から左下までの周領域にわたって延長されたほぼ半円弧状をした透磁性のある金属板、例えば鉄板で形成されており、その前面の右側領域に後Xマグネット21xが固着され、下側領域に後Yマグネット21yが固着されている。また、この後ヨーク2の前面の右上部と左下部にはそれぞれ光軸方向に沿って前側方向に突出した所要の長さのポスト22が立設されている。ポスト22については図5を参照して後述するが、長さ方向の前後端と中間にそれぞれ細径部22aを設けており、このポスト22の後端部を当該後ヨーク2にカシメ固定している。
前記前ヨーク3も後ヨーク2とほぼ同じ形状に形成されるとともに、後ヨーク2と同様に前面の右側領域に前Xマグネット31xが固着され、下側領域に前Yマグネット31yが固着されている。また、この前ヨーク3の右上端部と左下端部にはそれぞれ前記後ヨーク2に設けたポスト22の前端が嵌合可能な支持穴32が開設されている。これら前後の各ヨーク2,3はそれぞれ前記した各マグネット21x,21y,31x,31yの磁束密度を増大させるものである。
前記ベースプレート4は円環板状に形成されており、前記前ヨーク3の支持穴32と同じ位置に同様な支持穴41が開設されているとともに、ベースプレート4の上部、右下部、下部の3箇所にそれぞれ詳細を後述する前ボールリテーナ8Bが支持されている。また、ベースプレート4の上部と左部にはホール素子台9x,9yがそれぞれ支持されている。これらのホール素子台9x,9yはそれぞれの前側端に設けた支持腕91によってベースプレート4に取着されており、この支持腕91の取付位置を調整することでベースプレート4上における各ホール素子台9x,9yの取着位置を微調整することが可能とされている。さらに、ベースプレート4の上部から左部にわたる領域の後面にはフレキシブル基板7が取着されている。このフレキシブル基板7は後面にホール素子71x,71yを搭載する素子基板72x,72yを有しており、ベースプレート4に取着されたときにはこれら2つのホール素子71x,71yはそれぞれ前記ホール素子台9x,9yの後側に向けられた端面に支持される。
そして、前記した後ヨーク2、補正レンズ枠5、前ヨーク3、ベースプレート4はこの順序で光軸方向に重ねられた状態で前記固定枠1の前面に組み立てられる。図5は組み立てた状態におけるポスト22の長手方向に沿った拡大断面図である。後ヨーク2は固定枠1の前面に沿って配設されるが、後ヨーク2の後面側から突出しているポスト22の後端22bが固定枠1に設けた穴に内挿されることによって固定枠1に対する連結および位置決めが行われる。次いで、前面側から補正レンズ枠5が配設され、補正レンズ枠5の挿通穴55がポスト22に挿通される。補正レンズ枠5は挿通穴55にポスト22が挿通されることによって後ヨーク2および固定枠1に対する位置決めが行われる。ただし、挿通穴55の開口寸法がポスト22の細径部22aの径寸法よりも大きいので、補正レンズ枠5は後ヨーク2および固定枠1に対してX方向およびY方向に微小距離での相対移動は可能である。
さらに、補正レンズ枠5の前面側に前ヨーク3が配設される。前ヨーク3に設けた支持穴32がポスト22の前端22cに嵌合されることにより、前ヨーク3は後ヨーク2および固定枠1に対して位置決めされるとともに、後ヨーク2に一体化されることになる。同様にして、ベースプレート4を前ヨーク3の前面側に配設すると、ベースプレート4の支持穴41がポスト22の前端22cに嵌合されることにより、ベースプレート4は前ヨーク3に対して位置決めされるとともに前ヨーク3に一体化されることになる。また、図3に示したベースプレート4に取着されているフレキシブル基板7は両側に伸びている2つの電極73がそれぞれ補正レンズ枠5に搭載されているX,Yの各駆動コイル53x,53yの電極に接続されて電気接続される。
また、このように後ヨーク2、補正レンズ枠5、前ヨーク3、ベースプレート4を組み立てると、補正レンズ枠5は固定枠1に設けられている後ボールリテーナ8Aと、ベースプレート4に設けられている前ボールリテーナ8Bによって円周3箇所において光軸方向に挟持され、当該補正レンズ枠5の光軸方向の位置決めが行われる。図6にボールリテーナ8A,8Bの長手方向に沿った断面図を示すように、ここでは補正レンズ枠5の支持板部52がボールリテーナ8A,8Bによって光軸方向に挟持されている。これらの後、前の各ボールリテーナ8A,8Bはほぼ同じ構成であり、筒状をしたリテーナ81と、このリテーナ81に内挿されてリテーナ81の内面にネジ84により螺合されるセットネジ82と、このセットネジ82の先端面に当接支持されるボール83を有している。なお、このボール83は図には表れないがリテーナ81から脱落することがないように構成されている。そして、後ボールリテーナ8Aのリテーナ81は、前記固定枠1に開口した穴内にカシメ固定されて固定枠1に一体に支持され、前ボールリテーナ8Bのリテーナ81は前記ベースプレート4に開口した穴内にカシメ固定されてベースプレート4に一体に支持される。
この構成により、前記補正レンズ枠5は後ボールリテーナ8Aと前ボールリテーナ8Bの両ボール83によって光軸方向に挟持された状態で支持されることになり、この支持によって補正レンズ枠5の光軸方向の位置決めが行われる。ここで、後ボールリテーナ8Aでは、リテーナ81の基端部とセットネジ82の基端部との間に薄板状のスペーサ(シム)85が介挿され、ボール83の先端位置が微調整される。また、前ボールリテーナ8Bでは、リテーナ81の基端部とセットネジ82の基端部との間に圧縮コイルバネ86が介挿され、セットネジ82を基端方向(図6の左方向)に付勢してセットネジ82におけるバックラッシュを吸収し、ボール83の光軸方向の位置を保持させている。これにより、補正レンズ枠5は両ボールリテーナ8A,8Bの各ボール83間に光軸方向の微小ギャップが形成された状態で支持されることになり、補正レンズ枠5は光軸方向に対して垂直に向けられた姿勢が保持されるとともに、両ボール83間において光軸方向とほぼ垂直な方向に円滑に移動することが可能とされている。
また、このように組み立てられることにより、後Xマグネット21xと前Xマグネット31xとが光軸方向に対向配置されるとともに、これらのマグネット21x,31x間にX駆動コイル53xが配置されて前記X磁気アクチュエータXMが構成される。同様に後Yマグネット21yと前Yマグネット31yとY駆動コイル53yとで前記Y磁気アクチュエータYMが構成される。図7はX磁気アクチュエータXMの前Xマグネット31xの一部を破断した断面図である。前記した後、前の各Xマグネット21x,31xはそれぞれの対向面にS極とN極が中立域(着磁されていない領域)を設けずに隣接して着磁された端面2極マグネットで構成されており、各マグネット21x,31xのS極とN極を対向させている。したがって、両マグネット21x,31x間には対向する方向に沿った磁気回路が構成され、この磁気回路内に配置されたX駆動コイル53xに電流を通流することにより、X駆動コイル53xにはX方向の駆動力Fが発生することになり、補正レンズ枠5はX方向に移動されることになる。図示は省略するが、前記Y磁気アクチュエータYMも同様であり、Y駆動コイル53yへの通電制御によって補正レンズ枠5がY方向に移動されることが可能になる。
他方、前記補正レンズ枠5のX方向、Y方向の移動位置を検出するために、前記したように補正レンズ枠5の左側部にはX位置検出マグネット54xが支持され、上側部にはY位置検出マグネット54yが支持され、前記ベースプレート4には、これらX,Yの各位置検出マグネット54x,54yに対向して2つのホール素子71x,71yがフレキシブル基板7によってホール素子台9x,9yに搭載されている。これらX位置検出マグネット54xとホール素子71xとで前記X位置センサXSが構成され、Y位置検出マグネット54yとホール素子71yとで前記Y位置センサYSが構成される。
図8にX位置センサXSの断面図を示す。このX位置センサXSでは、補正レンズ枠5がX方向に移動することにより、X位置検出マグネット54xで形成される磁界も同時に移動され、ホール素子71xに対する磁束密度が変化する。X位置センサXSでは、この磁束密度の変化に伴うホール素子71xの出力電流の変化を検出することによってX位置検出マグネット54xの移動位置、すなわち補正レンズ枠5のX方向の位置を検出することができる。Y位置センサYSも同様の構成であり、補正レンズ枠5のY方向の位置を検出する。
以上述べた構成を備えることにより、この実施形態の像振れ補正装置IRDでは、カメラCAMでの撮影時に手振れが生じると、振動検出手段XG,YGが手振れ振動を検出する。説明は省略したが、カメラレンズCLに搭載されている図には表れないレンズCPUはこの手振れ振動に基づいて所要の演算を行い、演算された駆動電流をフレキシブル基板7を介してX駆動コイル53x、Y駆動コイル53yに供給する。これにより、X,Yの磁気アクチュエータXM,YMが駆動され、補正レンズ枠5をX方向、Y方向に移動して手振れ振動を相殺し、手振れ補正を実行する。このとき、補正レンズ枠5のX,Y方向の移動量はX,Yの各位置センサXS,YSによって検出され、各磁気アクチュエータXM,YMをフィードバック制御して補正レンズ枠5が目的とする位置に正確に移動して手振れを補正するように制御する。
この手振れ補正に際し、前記補正レンズ枠5は光軸回りに回転ないし傾斜されることがないように、前記固定枠1に設けたYガイド部11と、前記補正レンズ枠5に設けたXガイド部56によりX方向とY方向に移動が規制される。図9に分解斜視図を示すように、前記固定枠1の前面と補正レンズ枠5の後面との間には細いロッド材からなるガイド軸12が配設されている。このガイド軸12は、左右方向(X方向)に延びるX軸部12xと、このX軸部12xの左端から下方向(Y方向)に延びるY軸部12yとを有する概ねL字型に形成されている。一方、固定枠1の前面の左側部に設けられた前記Yガイド部11は、詳細を後述するように前記ガイド軸12の前記Y軸部12yをX方向に挟むようにY軸部12yの両側に配置された複数の軸受を備えている。また、前記補正レンズ枠5の後面の上側部に設けられた前記Xガイド部56は、詳細を後述するように前記ガイド軸12の前記X軸部12xをY方向に挟むようにX軸部12xの両側に配置された複数の軸受を備えている。
すなわち、図10は前記ガイド軸12と、前記X,Yの各ガイド部56,11の構成を光軸方向から見た模式的な図である。前記Xガイド部56は、前記ガイド軸12のX軸部12xに沿って配設された第1ないし4の4つの軸受B1〜B4を備えている。同様に、前記Yガイド部11は、前記ガイド軸12のY軸部12yに沿って配設された第1ないし4の4つの軸受B1〜B4を備えている。各ガイド部11,56と各軸受B1〜B4は同じ構成であるので、図11を参照してYガイド部11について説明する。
図11(a)はYガイド部11の模式的な正面図、同図(b)は第1の軸受B1と第3の軸受B3の両者を結ぶ線に沿った断面図である。これら軸受B1,B3で代表すると、各軸受B1〜B4は前記固定枠1の前面に固定的に立設された細径をしたピン状の内軸111を有し、この内軸111に内輪112が固定されたボールベアリングとして構成されている。このボールベアリングは、小径環状の内輪112と、それよりも大径環状の外輪113との間に円周方向に沿って複数個のボール114が内装された構成であり、内輪112に対して外輪113が軸転可能である。したがって、内輪112を前記内軸111に固定的に嵌着することにより、外輪113は内軸111に対して、すなわち内軸111を支持している固定枠1に対して軸転可能とされている。
その上で、軸受B1〜B4は、それぞれの外輪113の外周面が前記ガイド軸12のY軸部12yの周面に対して微小な間隙を保つようにして前記固定枠1に配設されている。ここで、図10に示したように、Yガイド部11では第1と第2の軸受B1,B2はY軸部12yの左側、すなわち固定枠1の外径側に配設され、第3と第4の軸受B3,B4はY軸部12yを挟んだ右側、すなわち固定枠1の内径側に配設されている。そして、これら4つの軸受B1〜B4は、図11(a)に示すように、第1と第4の軸受B1,B4で対をなし、第2と第3の軸受B2,B3で対をなしており、これらの対において、Y軸部12yの延長方向に沿った各対の間隔寸法、すなわち第1と第4の軸受B1,B4の間隔寸法L1は、第2と第3の軸受B2,B3の間隔寸法L2に等しくされている。なお、固定枠1の外径側に配設された第1と第2の軸受B1,B2の間隔は内径側の第3と第4の軸受B3,B4の間隔よりも小さくされている。
前記Xガイド部56についても同様であるので、詳細な説明は省略するが、図10に示した第1ないし第4の軸受B1〜B4は、第1と第2の軸受B1,B2はX軸部12xの上側の補正レンズ枠5の外径側に配設され、第3と第4の軸受B3,B4はX軸部12xの下側の補正レンズ枠5の内径側に配設されている。そして、それぞれ対をなす第1と第4の軸受B1,B4の間隔寸法は第2と第3の軸受B2,B3の間隔寸法と等しくされている。また、ここでも補正レンズ枠5の外径側に配設された第1と第2の軸受B1,B2の間隔は内径側の第3と第4の軸受B3,B4の間隔よりも小さくされている。
これらガイド軸12およびY,Xのガイド部11,56の構成により、前記した手振れ補正に際して、補正レンズ枠5がX磁気アクチュエータXMによってX方向に移動される際には、補正レンズ枠5のXガイド部56がガイド軸12のX軸部12xによって当該X軸部12xに沿ってX方向に規制されながら移動される。また、補正レンズ枠5がY磁気アクチュエータYMによってY方向に移動される際には、Xガイド部56がガイド12のX軸部12xを挟持することによってガイド軸12を一体的にY方向に移動させ、このときガイド軸12はY軸部12yが固定枠1のYガイド部11が当該Y軸部12yに沿ってY方向に規制されながら移動されることになる。これにより、X磁気アクチュエータXMによる補正レンズ枠5の移動がX方向に規制され、Y磁気アクチュエータYMによる補正レンズ枠5の移動がY方向に規制されることになり、補正レンズ枠5を軸回りに回転ないし傾斜させることを抑制し、所定の姿勢を保ったままX方向、Y方向に円滑に移動させることが可能になる。
また、このとき図5に示した補正レンズ枠5の挿通穴55と、固定枠1に設けたポスト22との間に生じている隙間によって補正レンズ枠5が固定枠1に対して傾き、これに伴ってガイド軸12がX方向およびY方向に傾く状況が生じることがある。例えば、図11(a)には、Yガイド部11においてY軸部12yが一点鎖線、二点鎖線のように傾いた状態を示している。しかし、このガイド軸12の傾きによってガイド軸12のY軸部12yの周面が第1ないし第4の軸受B1〜B4に当接しても、各軸受B1〜B4は各軸受を構成しているボールベアリングの外輪113に対して点接触され、しかも当該外輪113はボールベアリング構造によって回転自在であるので、Y軸部12yと各軸受B1〜B4が当接しても当該当接箇所に生じる摩擦力はころがり摩擦であるので殆ど零に近いものとなる。これにより、固定枠1に対するガイド軸12のY方向の移動はスムーズなものとなり、補正レンズ枠5を高速にかつ高精度でY移動させることができる。Xガイド部56におけるガイド軸12のX移動についても同様であり、これにより像振れの補正効果を高めることができる。
また、Xガイド部56およびYガイド部11は、図11(a)にYガイド部11で例示したように、第1ないし第4の軸受B1〜B4の配置において、第1と第4の軸受B1,B4の間隔L1は第2と第3の軸受B2,B3の間隔L2に等しくされているので、同図に鎖線で示したようにガイド軸12が傾いてY軸部12yの周面が第1軸受B1と第4軸受B4、あるいは第2軸受B2と第3の軸受B3のいずれの方向に当接しても、Y軸部12yの傾きは対称であり、その傾き角度を同じにすることができる。したがって、傾く方向の違いにかかわらず各軸部が各軸受に当接することにより発生する摩擦力を最小限に抑制することができる。これらXガイド部56においても同様である。
さらに、この実施形態では、X,Yの各ガイド部56,11における第1と第2の軸受B1,B2の配設位置は、図10に示したように、ガイド軸12の各軸部12x,12yに対して固定枠1および補正レンズ枠5の外径側に配置されるとともに、これら第1と第2の軸受B1,B2の間隔が内径側に配置される第3と第4の軸受B3,B4の間隔よりも小さくされているので、これら外径側の第1と第2の軸受B1,B2を配設するためのスペースを低減することができる。これにより、第1と第2の軸受B1,B2を配設するために固定枠1や補正レンズ枠5の径寸法を増径する必要がなく、撮影レンズの小径化を実現することも可能になる。なお、図示は省略するが、撮影レンズの小径化が特に要求されない場合やガイド部の配設にスペース上の余裕がある場合には、第1ない第4の軸受B1〜B4の配置を実施形態とは反対向き、すなわち第1と第2の軸受B1,B2を内径側に配置し、第3と第4の軸受B3,B4を外径側に配置してもよい。
なお、この実施形態では前記したように固定枠1の後面側にロック環6が配設支持されている。図2にも示したように、このロック環6は円環板状に形成されており、前記補正レンズ枠5の後面に形成した円環リブ57の周囲に配設され、かつ光軸回りに小角度の範囲で回動できるように支持されている。図12(a)は後面図であり、前記ロック環6の円周一部にはギア61が形成されており、前記固定枠1に支持されている前記モータ10のピニオン10aに歯合して当該モータ10によって回動されるようになっている。ロック環6の内周面には、円周複数箇所を外径方向に凹設したカム凹部62が形成されており、このカム凹部62は前記補正レンズ枠5の円環リブ57の周面に設けた径方向に突出された複数の突起58に径方向に対峙されている。また、このロック環6の回動位置を検出するためのフォトインタラプタ13が前記固定枠1の円周一部に配設されている。
このロック環6は、モータ10により基準位置に回動されたときには、図12(a)のように、カム凹部62は円環リブ57の突起58に対向する位置にあり、突起58はロック環6の内周縁に当接されることがない。したがって、補正レンズ枠5は突起58がカム凹部62の領域内で移動でき、この領域の範囲内で前記したX方向、Y方向の移動が可能とされる。一方、図12(b)のように、ロック環6がモータ10によりロック位置に回動されたときには、カム凹部62は突起58との対向位置から外れてロック環6の内周縁は突起58に当接する状態になる。これにより、補正レンズ枠5はX方向およびY方向の移動が規制されて光軸位置に拘束されたロック状態となる。ロック環6のこれらロック位置と基準位置はフォトインタラプタ13によって検出され、この検出出力によってモータ10がフィードバック制御される。
ここで、本発明の像振れ補正装置においては、前記したガイド軸12をX方向とY方向に規制するXガイド部56とYガイド部11は次のような異なる形態とすることも可能である。なお、説明を分かりやすくするために、以下の説明ではYガイド部11を例にとって説明するが、Xガイド部56についても同様である。図13では、Yガイド部11を構成している第1ないし第4の軸受B1〜B4がガイド軸12のY軸部12yを対称軸とする線対称、すなわちX方向に対称に配置されており、4つの軸受B1〜B4が長方形の頂角位置に配置されている。したがって、Y軸部12yの延長方向に沿った第1と第2の軸受B1,B2の間隔寸法L3は第3と第4の軸受B3,B4の間隔寸法L3に等しくされている。
この実施の形態においても、第1と第4の軸受B1,B4で対を構成し、第2と第3の軸受B2,B3で対を構成すると、各対の軸受の間隔寸法はいずれもL3になり、等しい間隔寸法になる。これにより、ガイド軸12によって補正レンズ枠5の移動がY方向に規制されることになり、補正レンズ枠5を軸回りに回転ないし傾斜させることを抑制し、所定の姿勢を保ったままY方向に円滑に移動させることが可能になる。また、ガイド軸12がX,Y方向に傾く状況となっても、ガイド軸12のY軸部12yの周面は第1と第4の軸受B1,B4、あるいは第2と第3の軸受B2,B3のいずれかに点接触により当接するのみであるので、当該当接箇所に生じる摩擦力を低減し、補正レンズ枠5を高速にかつ高精度でXY移動させることができ、像振れの補正効果を高めることができる。
あるいは、図14に示すように、ガイド部を3つの軸受B1〜B3で構成してもよい。この例では、Yガイド部11の第1の軸受B1をガイド軸12のY軸部12yの外径側に配設し、第2と第3の軸受B2,B3をY軸部12yの内径側に配設している。そして、第1の軸受B1は第2の軸受B2と対をなすと同時に第3の軸受B3とで別の対をなしている。そして、各対の間隔寸法、すなわち第1の軸受B1と第2の軸受B2の間隔寸法L4と、第1の軸受B1と第3の軸受B3の間隔寸法L4を等しくしている。
このように構成しても、第1ないし第3の軸受B1〜B3によって補正レンズ枠5の移動がY方向に規制されることになり、補正レンズ枠5を軸回りに回転ないし傾斜させることを抑制し、所定の姿勢を保ったままY方向に円滑に移動させることが可能になる。また、ガイド軸12がXY方向に傾く状況となっても、ガイド軸12のY軸部12yの周面は第1と第2の軸受B1,B2、あるいは第1と第3の軸受B1,B3のいずれかに点接触により当接するのみであるので、当接箇所に生じる摩擦力を低減し、補正レンズ枠5を高速にかつ高精度でXY移動させることができ、像振れの補正効果を高めることができる。
一方、本発明に適用されるガイド部の軸受B1〜B4は、図15(a)にYガイド部11の断面を示すように、内軸111を回転する構成としてもよい。すなわち、前記したボールベアリング構造の外輪113を固定枠1に対して固定支持する一方で、内輪112の内周部に内軸111を結合し、この内軸111を軸転可能に構成する。そして、この軸転可能な内軸111の周面をガイド軸12のY軸部12yに所要の間隙をもって対向配置する構成である。なお、ここではボールベアリング構造の外輪113の支持強度を高めるために、内軸111以外の領域を覆うためのカバー(ハウジング)115を設けているが、これは省略することも可能である。このようにすれば、軸受B1〜B4とガイド軸12のX,Yの軸部12x,12yとの間隙を一定にしたときには、前記実施形態よりも各軸受B1〜B4をY軸部12yの周面に対して近接配置することができ、軸受B1〜B4を配設するためのスペースを低減することができる。Xガイド部56も同じであり、これにより各ガイド部11,56ないし撮影レンズの小径化に有利になる。
また、この実施形態の場合には、図15(b)に示すように、内軸111の先端部111a、すなわちガイド軸12に対向配置される軸方向の領域の径寸法を小さくした段付き軸として構成することにより、各軸受B1〜B4とガイド軸12の各軸部との対向寸法を一定に保持する際には各軸受B1〜B4をガイド軸12に近接配置することができ、さらなる撮影レンズの小径化有利になる。
あるいは、図15(c)に示すように、軸受B1〜B4を配設する固定枠1(あるいは補正レンズ枠5)のガイド部11の表面に凹溝あるいは凹部116を形成し、この凹部116内に軸受B1〜B4を配設してもよい。この場合には、ガイド軸12は固定枠11の表面に当接されるため、ガイド軸12を安定に保持することもできる。特に、この実施形態の像振れ補正装置IRDではガイド軸12は固定枠1と補正レンズ枠5の光軸方向の間隙内に内装されるので、これら固定枠1と補正レンズ枠5の各表面によってガイド軸12の光軸方向の位置を保持することができ、像振れ補正時にガイド軸12が光軸方向に傾斜することが防止でき、像振れ補正効果のさらなる向上が期待できる。
なお、以上の説明で用いたボールベアリング構造は、回転軸方向に1つのボールが内装された構成を図示しているが、回転軸方向に複数のボール、すなわち少なくとも2つのボールを内装したボールベアリング構造を採用することにより、各軸受B1〜B4の外輪113あるいは内軸111が回転軸方向に傾いて転動すること、いわゆるみそすり回転が防止でき、ガイド軸12の軸部が当接したときの円滑な回転を確保して摩擦力をさらに抑制し像振れ補正効果を高めることができる。
また、図16(a)の正面図と同図(b)の断面図に示すように、Yガイド部11の例において、ガイド軸12のY軸部12yに対して配設される4つの軸受B1〜B4のうち、固定枠1の内径側あるいは外径側のいずれか一方あるいは両方の軸受をガイド軸12のY軸部12yと交差する方法、すなわちY軸部12yに対してX方向に移動可能に構成し、コイルバネ等の付勢手段によって軸受を軸部に弾接させるように構成してもよい。ここでは内径側の軸受B3,B4に適用しており、固定枠1の表面にY軸部12yに直交する方向の凹溝117を形成し、第3と第4の軸受B3,B4の各ボールベアリング構造の部分をこれら凹溝117内に摺動できるように内装するとともに、当該凹溝117の内部に圧縮コイルバネ118を弾装して軸受B3,B4をガイド軸12の方向に付勢している。
このようにすれば、圧縮コイルバネ118の付勢力によって軸受B3,B4の内軸111はガイド軸12のY軸部12yの周面に弾接され、さらにその付勢力によってガイド軸12も付勢され、Y軸部12yは外径側の軸受B1,B2の内軸111に弾接される。したがって、Y軸部12yと各軸受B1〜B4との間隙は零になり、常時ガイド軸12のX方向の位置を所定位置に保持することができる。Xガイド部56の場合にはガイド軸12のY方向の位置を常時所定位置に保持することができる。これにより、像振れ補正時にガイド軸12が傾動することを防止し、軸受B1〜B4との当接による摩擦力の発生を未然に防止して像補正効果をさらに向上することができる。
さらに、本発明におけるガイド部の軸受は、以上の実施形態で説明したボールベアリングに限られるものではなく、コロで構成することも可能である。図17はその一例であり、ガイド軸12の各軸部12x,12yの径寸法に対応した凹状周面を有する糸巻形状のコロ119で構成し、このコロ119の中心軸部の一端を固定枠1あるいは補正レンズ枠5のガイド部11,56の表面に軸転可能に支持し、当該コロ119の凹状周面をガイド軸12に対向配置している。また、前記中心軸部の他端を当該ガイド部11,56を覆うように設けたカバー110の内面に軸転可能に支持している。この構成によれば、コロ119の凹状周面はガイド軸12の軸部12x,12yの周面に点接触あるいは中心軸部の軸方向に沿って線接触され、各コロ119は中心軸部を中心に転動されるので、ガイド軸12の軸部12x,12yがコロ119に当接したときには、当該コロ119の転動によって当接箇所における摩擦力を抑制し、スムーズな移動が可能になる。また、この形態では、軸受の構成が簡略化できるので、低コスト化に有利である。
また、本発明ではガイド軸の軸部に対して軸受が点または線接触する構成であればよいので、特に図示はしていないが、本発明にかかる軸受として、外周面を円滑表面処理した円形ロッドあるいは少なくともガイド軸に当接する部分が円周面に形成されたロッドであってもよい。円滑表面処理としては、ロッドの外周面を研磨する方法、あるいは潤滑性のある素材で形成することが考えられる。このようにしても、ガイド軸の軸部が軸受に当接したときには、ロッドの表面の円滑性によって当接箇所における摩擦力を抑制し、スムーズな移動が可能になる。また、この形態においても軸受の構成が簡略化でき、さらなる低コスト化に有利である。
本発明の像振れ補正装置IRDを図1に示したようにカメラCAMのカメラレンズCL、あるいはカメラボディCBに配設することにより、カメラCAMの撮影時における手振れによる撮影画像の像振れを解消することができる。また、XYの各ガイド部に配設する複数の軸受をガイド軸に対して点接触する構成とすることで像振れ補正装置IRDが小径化できるので、像振れの補正性能の高い小型の像振れ補正装置を組み込んだ撮影性能の高い小型のカメラCAMが実現できる。
本発明の像振れ補正装置を実施形態のようにカメラの像振れ補正を行うための装置として構成する場合には、本発明の像振れ補正装置を撮影装置のカメラボディに内装し、補正レンズに代えて撮像素子ISをXY方向に移動制御するように構成してもよい。この場合には、実施形態の補正レンズ枠を撮像素子を保持する保持部材に置き換えた構成とすればよい。また、本発明の撮影装置は静止画像を撮像するカメラに限られるものではなく、動画を撮像する撮影装置であってもよいことは言うまでもない。さらに、本発明の像振れ補正装置は、補正レンズ枠や撮像素子を移動するX方向またはY方向の少なくとも一方についてのみ適用してもよい。すなわち前記した各実施形態のXガイド部またはYガイド部のいずれか一方にのみ適用してもよく、適用したガイド部でのスムーズな像振れ補正効果が期待できる。
本発明は撮影装置のレンズ光学部材や撮像部材を光軸に交差する面内において少なくともX方向またはY方向に移動する像振れ補正装置およびこれを備える撮影装置に採用して有効である。
1 固定枠
2 後ヨーク
3 前ヨーク
4 ベースプレート
5 補正レンズ枠(補正移動部材)
10 モータ
11 Yガイド部
12 ガイド軸
12x X軸部
12y Y軸部
56 Xガイド部
111 内軸
112 内輪
113 外輪
114 ボール
117 凹溝
118 圧縮コイルバネ
119 コロ
CAM カメラ(撮影装置)
CL カメラレンズ
CB カメラボディ
IRD 像振れ補正装置
B1〜B4 軸受
XM,YM 磁気アクチュエータ
XS,YS 位置センサ
IS 撮像素子

Claims (15)

  1. 固定部材に対して光軸と交差する面上で移動して像振れ補正を行う補正移動部材と、前記補正移動部材の移動を案内するために当該移動方向に沿って延長される軸部を有するガイド軸とを備える像振れ補正装置であって、前記固定部材と前記補正移動部材の少なくとも一方には前記ガイド部材の前記軸部を挟んで配設された複数対の軸受を有するガイド部が設けられ、前記軸受は前記軸部が点または線接触されるように構成されていることを特徴とする像振れ補正装置。
  2. 前記ガイド軸は軸部が互いに直交する方向に延長されたL字型に形成されており、前記固定部材と前記補正移動部材にはそれぞれ各軸部に対応するガイド部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の像振れ補正装置。
  3. 前記複数対の軸受は、各対の一方の軸受が前記軸部を挟む一方の側に配設され、各対の他方の軸受が前記軸部の反対側に配設され、前記軸部に沿った方向の各対における間隔寸法が等しく設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の像振れ補正装置。
  4. 前記軸受は前記軸部に対して所要の間隙をもって配設されていることを特徴とする請求項3に記載の像振れ補正装置。
  5. 前記軸受のうち、前記軸部の少なくとも一方の側に配設された軸受は前記軸部に向けて移動可能に構成されるとともに、付勢手段により前記軸部に弾接されていることを特徴とする請求項3に記載の像振れ補正装置。
  6. 前記軸受は2対を構成する4つの軸受で構成され、各対の一方の軸受が前記軸部を挟む一方の側に配設され、各対の他方の軸受が前記軸部の他方の側に配設されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  7. 前記軸受は2対を構成する3つの軸受で構成され、各対に共通される1つの軸受が前記軸部を挟む一方の側に配設され、他の2つの軸受が前記軸部の他方の側に配設されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  8. 前記軸受はボールベアリングで形成され、その軸転される部材が前記軸部に接触されるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  9. 前記軸受は相対回転される内輪と外輪を有するボールベアリングであり、内輪が前記ベース部に固定され、外輪の外周面が前記軸部に対向配置されていることを特徴とする請求項8に記載の像振れ補正装置。
  10. 前記軸受は相対回転される内輪と外輪を有するボールベアリングであり、外輪が前記ベース部に固定され、内輪と一体に連結された内軸の周面が前記軸部に対向配置されていることを特徴とする請求項8に記載の像振れ補正装置。
  11. 前記内軸は前記軸部に対向されている部分が前記内輪に連結されている部分よりも小径に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の像振れ補正装置。
  12. 前記軸受は前記軸部に接触される面が円滑面として形成された部材で構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  13. 前記軸受は前記ガイド部に軸転可能に支持されたコロで構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  14. 撮影レンズの鏡筒の一部を構成する固定枠と、当該鏡筒に内装されてレンズ光軸と直交する面内で互いに直交するX方向およびY方向に移動される補正レンズを支持する補正移動部材と、前記固定枠と前記補正レンズとの間に配設されて前記補正レンズの移動方向をX方向およびY方向に案内するためのL字型のガイド軸とを備え、前記固定枠と前記補正レンズにはそれぞれ前記ガイド軸のX方向およびY方向に延びる軸部に対応するガイド部が設けられ、これらのガイド部は前記ガイド軸の各軸部の延長方向と交差する方向に当該軸部を挟んで配設された複数対の軸受を有し、これらの軸受は前記ガイド軸の姿勢が変化したときに前記軸部に点または線接触されるように構成されていることを特徴とする像振れ補正装置。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の像振れ補正装置をカメラレンズまたはカメラボディに内装し、前記像振れ補正装置で補正された被写体像を撮影する構成であることを特徴とする撮影装置。


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