JP6491838B2 - 浴槽台 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の浴槽台は、支持脚を樹脂製とし、上側の筒体を下側の筒体よりも大径として、上側の筒体に下側の筒体を内挿した構成とされている。また、該下側の筒体の内部で下端部には、支盤が張設されており、該支盤から下側に吸盤取付け筒が突設されている。脚ゴムは、吸盤取付け筒に嵌着するためのボスが設けられ、該ボスの表面に設けられた摩擦リブによる摩擦力で前記下側の筒体の支盤に固定されており、更に吸盤が設けられることにより、浴室の床や浴槽の底面に浴槽台を固定出来るようになっている。
特許文2に記載の浴槽台は、支持脚を金属製とし、上側の筒体を下側の筒体よりも大径として、上側の筒体に下側の筒体を内挿している。脚ゴム(固定部材)は、固定部材本体の上部が円形穴を設けられた円筒形部とされており、下側の筒体の下端部が該円筒形部に内挿されることにより、脚ゴムが支持の下端部に取り付けられている。また、該下側の筒体が金属製であることから該筒体の端(下端)で脚ゴムが破損しないように、該脚ゴム内には該下側の筒体の下端を支持する座金状の支持板が設けられている。
上記支持脚が樹脂製の浴槽台に対して、支持脚が金属製の浴槽台は、重量があるから、吸着力の弱い吸盤を使用しても、使用者が使用している最中に浴槽台が浮き上がったり、動いたりしにくいという利点を有する。一方、こうした金属製の支持脚にあっては、使用時に浴槽台が動く等して脚ゴムが変形し、該支持脚の下端が外部に露出されると、該支持脚の下端で使用者がケガをしたり、脚ゴムが損傷したりしてしまう可能性がある。このため、金属製の支持脚においては、上記したように脚ゴムの円筒形部に支持脚の下端部を内挿することにより、該支持脚の下端が外部に露出されないような構成としている。
しかし、脚ゴムの円筒形部に支持脚の下端部を内挿する構成とした場合には、上側の筒体に対して下側の筒体をスライド移動させて該支持脚を収縮させる際に、上側の筒体の下端に該脚ゴムの円筒形部の上端が当たる位置までしかスライド移動することができない。このため、支持脚が金属製の浴槽台は、高さ調整範囲が狭く、該浴槽台の最低高さを低くできないことから、高さ(支持脚の長さ)が異なる複数種類を用意しなければならないという問題があった。なお、一般の浴槽台において、金属製の支持脚は、金属パイプを逆U字状に曲げたものを一対の上側の筒体とした構成が採用されており、このような構成の場合、上側の筒体に対して下側の筒体は、金属パイプを曲げた箇所の手前までしかスライド移動することができず、上記支持脚の下端が外部に露出されないような構成と相俟って高さ調整範囲が更に狭くなる。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、金属製の支持脚を用いたうえで、高さ調整範囲を拡げることが可能であり、特に最低高さを低くすることが可能な浴槽台を提供することにある。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の浴槽台の発明において、上記脚ゴムは、板状体と該板状体上に立設された筒状体とで構成されたプラスチック製(但し、ゴム弾性を有するものを除く)の成形体を用い、該成形体のうち前記板状体を芯材としてゴム弾性を有する材料からなる上記盤状部を形成したうえで、前記成形体のうち前記盤状部が形成された部位を除く他の部位を上記挿入部として、構成されたものであることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の浴槽台の発明において、上記脚ゴムにおいて、上記盤状部の上面で上記挿入部の周縁には、上記板状体を外部に露出させるように支承部が設けられており、該支承部において該板状体の上面に上記内筒の下端が当接されていることを要旨とする。
本発明の浴槽台によれば、支持脚を構成する外筒が上下両端に開口を有する直筒状とされており、該支持脚を収縮する際に該外筒に内挿された内筒を該外筒の上端までスライド移動させることができるため、金属パイプを逆U字状に曲げて一対の外筒とした従来構成に比べて高さ調整範囲を拡げることができる。加えて、脚ゴムは、盤状部の上面に立設された挿入部の全てを上記内筒の下端部に内嵌させることで上記支持脚の下端に取り付けられているため、該支持脚を収縮する際に該外筒の内側に該内筒の全体が収容されるまで該内筒をスライド移動させることができ、該浴槽台の最低高さを低くすることができる。
また、上記脚ゴムは、プラスチック製(但し、ゴム弾性を有するものを除く)の成形体のうち板状体を芯材としてゴム弾性を有する材料からなる上記盤状部を形成し、該成形体のうち前記盤状部が形成された部位を除く他の部位を上記挿入部としている。このため、脚ゴムの全てを、ゴム弾性を有する材料で成形した従来構成と比べて、上記挿入部が上記内筒の下端部に内嵌された状態で弾性変形することで使用時等に支持脚から脚ゴムが外れてしまうことがなく、上記支持脚に上記脚ゴムをしっかりと取り付けることができる。
また、上記脚ゴムにおいて、上記盤状部の上面で上記挿入部の周縁には、上記板状体を外部に露出させるように支承部が設けられ、該支承部において該板状体の上面に上記内筒の下端が当接されていることから、弾性変形しづらい硬質な板状体の上面で支持脚の下端を支えることができ、全てがゴム弾性を有する材料で成形された従来構成の脚ゴムに比べて、支持脚をしっかりと支えることができる。
本発明の浴槽台によれば、金属製の支持脚を用いたうえで、高さ調整範囲を拡げることが可能であり、特に最低高さを低くすることが可能である。
上記座盤12は、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼等の金属製の盤本体14と、該盤本体14の外面を覆う合成樹脂製のカバー体15とにより、平面視で略正方形状をなすように形成されている。該座盤12の上面は、軟質のクッション材16が敷設されることにより、座面とされている。
上記外筒17は、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼等の金属を用い、上下両端に開口を有する直筒状に形成されている。該外筒17の下端にはリング状の管端キャップ17Aが螺着されており、金属によって形成された該外筒17の下端部による使用者等の傷付きが防止されている。該外筒17の下端部には、1つの固定孔17Bが、該外筒17を径方向に貫通するようにして形成されている。
なお、上記外筒17は、その上端部で上記盤本体14の4隅に固定されている。この実施形態では、上記盤本体14は鋳造によって形成されており、該盤本体14の鋳造時に該外筒17を型内にインサートしておくことで、該外筒17と該盤本体14とが一体化されている。
上記内筒18は、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼等の金属を用い、上記外筒17よりも小径で、かつ上下方向に長い直筒状に形成され、該外筒17に内挿されている。該内筒18の上端には抜け止めキャップ18Aが取り付けられており、該抜け止めキャップ18Aが上記管端キャップ17Aに当たることで、上記外筒17からの該内筒18の抜け落ちが防止されている。また、該内筒18には、合計で3つの調整孔18Bが所定間隔をおいて上下に並ぶように、該内筒18を径方向に貫通して形成されている。
上記支持脚11は、上記外筒17に対して上記内筒18をスライド移動させることにより、伸長又は収縮することができるようになっている。そして、該支持脚11を伸長又は収縮させることで、上記浴槽台10は、上記座盤12を高さ調節することができるように構成されている。また、該支持脚11は、上記座盤12の高さ調節を行った上で、上記外筒17の固定孔17Bに上記内筒18の何れかの調整孔18Bを位置合わせして、該固定孔17B及び該調整孔18Bに固定ピン19Aを挿通することにより、上記座盤12の高さを固定することができる。なお、該固定ピン19Aは、C環状をなす固定リング19Bの内側に設けられており、該固定リング19Bを上記外筒17に外嵌することで、該固定孔17B及び該調整孔18Bからの抜け落ちを防止されている。
上記盤状部21の底面には、吸盤23が設けられており、該脚ゴム13を浴槽や浴室の床面等に吸着固定することができるようになっている。また、該盤状部21は、底面に碁盤目状の溝が設けられることにより(図3参照)、浴槽や浴室の床面等に対する滑りが抑制されている。
上記挿入部22の外周面上には、係止突起24が突設されている。該係止突起24と対応する位置となるように、上記内筒18には係止孔25が設けられている。そして、該係止突起24と該係止孔25との係合関係により、該内筒18に対する該脚ゴム13の外れが防止されている。また、該係止突起24の挿入部22の外周面上における突出高さは、上記内筒18の周壁の厚みと略等しくなるように設定されており、該係止突起24は上記係止孔25に係合した状態で該係止孔25よりも外側へ突出しておらず、上記外筒17に対して上記内筒18をスライド移動させる際に該係止突起24が干渉しないように構成されている。
上記挿入部22の下端で上記盤状部21との境界部分には、水抜き孔26が透設されている。該水抜き孔26と対応する位置となるように、上記内筒18の下端には水抜き27が切り欠き形成されている。そして、上記支持脚11の内部に水が入り込んだ場合には、該水抜き孔26及び該水抜き27を介して該水が外部へ抜け出すように構成されている。
上記脚ゴム13において、上記盤状部の上面で上記挿入部の周縁には、支承部28が円環溝状に凹設されている。該支承部28は、内側に上記内筒18の下端を入り込ませ、その内底に該内筒18の下端面が当接されることで、該内筒18をしっかりと支承するように構成されたものである。
図7(a)〜(e)に示すように、上記成形体13Aは、平面視で円形状の板状体21Aと該板状体上に立設された平面視で円形状の筒状体22Aとで構成されている。また、該成形体は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)等のプラスチックであって、ゴム弾性を有しない硬質の材料を用い、射出成形によって得られたものである。
上記脚ゴム13は、インサート成形に際し、上記成形体13Aのうち上記板状体21Aを芯材とし、熱可塑性エラストマー、天然ゴム、合成ゴム等の常温でゴム弾性を有する材料を使用することにより、上記盤状部21が形成されている。
上記成形体13Aのうち上記盤状部21が形成された部位を除く他の部位、つまり上記筒状体22Aが、上記挿入部22とされている。従って、該筒状体22Aには、上記成形体13Aの成形時において、上記挿入部22に設けられた係止突起24及び水抜き孔26、該挿入部22の周縁に設けられた支承部28が形成される。
なお、上記盤状部21の上面では上記板状体21Aの上面が露出されることにより、上記支承部28が上記ゴム弾性を有する材料で埋まらないようにされている。
また上記浴槽台10の使用時において、該浴槽台10に横方向の力を加える等しても、該挿入部22は、ゴム弾性で変形することなく、その形状を保持するため、脚ゴム13が支持脚11から外れにくい。
また、上記脚ゴム13においては、上記盤状部21がゴム弾性を有しているものの、その内部には硬質のプラスチックによって形成された板状体21Aが芯材として埋設されており、該盤状部21の剛性が向上しているため、該盤状部21の厚みを薄くすることが可能であり、その結果、上記浴槽台10の最低高さを低くすることができる。
また、上記浴槽台10を浴槽内のコーナー湾曲部に掛かるようにして使用する場合、上記板状体21Aが芯材として埋設されているため、上記盤状部21は外縁部を適度に撓ませつつ、該湾曲部のアールに合わせて変形することで対応することができる。
吸盤23は、1つのみ設けることに限らず、2つ以上設けてもよい。
調整孔18Bは、3つ設けることに限らず、2つ又は4つ以上設けてもよい。
支承部28を省略してもよい。
例えば、板状体21Aの上面を含めた全てを上記盤状部21中に埋設してもよく、筒状体の表面を、ゴム弾性を有する材料で被覆する等してもよい。
11 支持脚
12 座盤
13 脚ゴム
14 盤本体
15 カバー体
16 クッション材
17 外筒
18 内筒
17A 管端キャップ
17B 固定孔
18A 抜け止めキャップ
18B 調整孔
19A 固定ピン
19B 固定リング
21 盤状部
22 挿入部
23 吸盤
24 係止突起
25 係止孔
26 水抜き孔
27 水抜き
28 支承部
13A 成形体
21A 板状体
22A 筒状体
Claims (2)
- 下端部に脚ゴムが取り付けられた複数本の支持脚と、該複数本の支持脚に支承された座台と、を備えており、
上記支持脚は、上方に配された金属製の外筒に対して下方に配された金属製の内筒を内挿することで伸長又は収縮して高さ調節可能な構成とされているとともに、上記外筒が上下両端に開口を有する直筒状とされており、
上記脚ゴムは、盤状部と、該盤状部の上面に立設された挿入部とからなり、
上記脚ゴムが上記支持脚に取り付けられた状態で、前記挿入部の全てが上記支持脚における上記内筒の下端部に内嵌されており、
上記挿入部の外周面上には、係止突起が突設され、該係止突起と対応する位置に、上記内筒に係止孔が設けられており、
上記係止突起の突出高さは、上記内筒の周壁の厚みと略等しくなるように設定されており、上記係止突起は上記係止孔に係合した状態で該係止孔よりも外側へ突出せず、上記外筒に対して上記内筒をスライド移動させる際に該係止突起が干渉しないように構成されており、
上記脚ゴムは、板状体と該板状体上に立設された筒状体とで構成されたプラスチック製の成形体を用い、該成形体のうち上記板状体を芯材としてゴム弾性を有する材料からなる上記盤状部を形成したうえで、上記成形体のうち上記盤状部が形成された部位を除く他の部位を上記挿入部として、構成されたものであり、
上記プラスチック製の成形体はゴム弾性を有しないものであることを特徴とする浴槽台。 - 上記脚ゴムにおいて、上記盤状部の上面で上記挿入部の周縁には、上記板状体を外部に露出させるように支承部が設けられており、該支承部において該板状体の上面に上記内筒の下端が当接されている
請求項1に記載の浴槽台。
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