JP6490551B2 - 施工機の動作選定方法、施工機の動作選定装置、自動施工装置、および施工機の動作制御方法 - Google Patents

施工機の動作選定方法、施工機の動作選定装置、自動施工装置、および施工機の動作制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、施工機の動作選定方法、施工機の動作選定装置、自動施工装置、および施工機の動作制御方法に関する。
従来、地盤に杭材等の貫入材を設置する施工技術として、例えば、貫入材を地盤に圧入する圧入施工技術が知られている。この圧入施工技術において、圧入している貫入材に作用する貫入抵抗が、当該貫入材よりも先に圧入した先行貫入材や当該先行貫入材に支持される圧入機の自重などによって得られる反力の総和よりも小さくなるように管理する。この圧入施工技術において、貫入材の設置に要する時間を短くするためには、貫入抵抗を低くすることが望ましい。実際の圧入施工を利用した施工現場においては、圧入機の運転手が圧入機を操作することによって、貫入材の圧入および引き抜きの速度などを変更することで貫入材の設置に要する時間を短くすることがなされていた。
この圧入施工技術に関する技術として、下記の特許文献1〜3に記載された技術が知られている。特許文献1には、圧入機により引抜力が作用した既設杭の支持力確認方法であって、引抜力が作用した既設杭に対して杭頭の変位量を測定しつつ、圧入力を一定時間載荷保持した後除荷するサイクルを繰り返して行い、その圧入力を一定時間載荷保持している間の上記変位量が10mm以下となったときに、圧入力を既設杭の支持力とすることが記載されている。特許文献2には、圧入機によって圧入と引抜とを繰り返した際の深度データおよび圧入力データに基づいて杭材の先端に作用している先端抵抗力を取得する技術が記載されている。特許文献3には、杭材を軸周りに回転させながら圧入する際に、杭材の先端の深度に応じた荷重及びトルクに基づき杭材の先端抵抗を推定する技術が記載されている。
特開2010−189901号公報 特開2014−177826号公報 特開2015−17493号公報
しかしながら、圧入機の運転手による操作に基づいて圧入機の動作を制御した場合、貫入材の設置に要する時間が運転手の熟練度によって大きく変動するという問題がある。例えば、貫入材を設置する地盤が多層地盤や、不均一地盤などの圧入施工の最中に地盤条件が頻繁に変わる場合、貫入材の設置に要する時間を短くすることが更に困難となる。
また、上述した特許文献1〜3に記載された技術では、圧入機の支持力や杭材の先端抵抗を推定することができるものの、推定した情報に基づいて圧入機を適切に制御して、貫入材の設置に要する時間を短くすることができないのが現状である。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、施工機の動作を制御して貫入材の設置に要する時間を短くすることができる施工機の動作選定方法、施工機の動作選定装置、および自動施工装置を提供することを目的としている。
(1)本発明の一態様は、施工機が貫入材を地盤に挿入している最中において、前記施工機の動作状態を表す情報を計測するステップと、地中の状態に関連する情報と前記施工機の動作を表す情報とを対応づけて記憶する記憶部を参照し、前記計測された動作状態を表す情報に基づいて、前記記憶部に記憶された前記施工機の動作を表す情報を選定するステップとを有する施工機の動作選定方法である。
(2)本発明の一態様は、上述の施工機の動作選定方法であって、前記地中の状態に関連する情報は、前記施工機により貫入材が挿入されている地盤の状態を表す。
(3)本発明の一態様は、上述の施工機の動作選定方法であって、前記地中の状態に関連する情報は、前記施工機が動作した結果得られる施工状態を表す。
(4)本発明の一態様は、上述の施工機の動作選定方法であって、前記施工機の動作を表す情報を選定するステップは、前記記憶部に記憶された、地中に埋設された貫入材から前記施工機に与えられる反力に関する情報に対応づけられた前記施工機の動作を表す情報を選定する。
(5)本発明の一態様は、上述の施工機の動作選定方法であって、前記施工機の動作を表す情報を選定するステップは、前記記憶部に記憶された、前記施工機の性能情報に対応づけられた前記施工機の動作を表す情報を選定する。
(6)本発明の一態様は、上述の施工機の動作選定方法であって、前記施工機の動作を表す情報を選定するステップは、前記記憶部に記憶された、前記貫入材等の強度の情報に対応づけられた前記施工機の動作を表す情報を選定する。
(7)本発明の一態様は、施工機が貫入材を地盤に挿入している最中において、前記施工機の動作状態を表す情報を計測する計測部と、地中の状態に関連する情報と前記施工機の動作を表す情報とを対応づけて記憶する記憶部を参照し、前記計測部により計測された動作状態を表す情報に基づいて、前記記憶部に記憶された前記施工機の動作を表す情報を選定する選定部とを有する施工機の動作選定装置である。
(8)本発明の一態様は、上述の施工機の動作選定装置であって、前記選定部により選定された動作条件を表示させる表示部を備える。
(9)本発明の一態様は、施工機が貫入材を地盤に挿入している最中において、前記施工機の動作状態を表す情報を計測する計測部と、地中の状態に関連する情報と前記施工機の動作を表す情報とを対応づけて記憶する記憶部を参照し、前記計測部により計測された動作状態を表す情報に基づいて、前記記憶部に記憶された前記施工機の動作を表す情報を選定する選定部と前記選定部により選定された前記施工機の動作を表す情報に基づいて、前記施工機を制御する制御部とを備える、自動施工装置である。
(10)本発明の一態様は、上述の自動施工装置であって、前記選定部により選定された動作を表す情報に従って前記施工機を動作させる操作部を備え、前記制御部は、前記操作部の操作に基づいて、前記施工機の動作を表す情報に従って前記施工機を制御する。
本発明の一態様によれば、施工機の動作を制御して施工の時間を短くすることができる。
本発明を適用した第1の実施形態の鋼矢板圧入システムの構成を示す図である。 本発明を適用した第1の実施形態の鋼矢板圧入システムにおいて地中に圧入される鋼矢板1の構成を示し、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。 複数の鋼矢板1が嵌合されている状態を示す側面図である。 第1の実施形態の自律制御装置200の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態における地盤条件別最適値データベース216cの一例を示す図である。 第1の実施形態における施工状態別最適値データベース216dの一例を示す図である。 第1の実施形態における自律制御部210の処理の流れを示すフローチャートである。 第1の実施形態における自律制御部210の処理の流れのうち、圧入機本体のフィードバック制御の流れを示すフローチャートである。 第1の実施形態において、(a)深度に対する土質、(b)N値、(c)圧入速度の設定、および(d)圧入時間の一例を示す図である。 第2の実施形態において、鋼矢板1にウォータジェットを併設した状態を示す図である。 第2の実施形態において、鋼矢板1にオーガーを併設した状態を示す図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明を適用した第1の実施形態の施工機の動作選定方法、施工機の動作選定装置、および自動施工装置を、図面を参照して説明する。
以下の実施形態では杭材を地盤に圧入する際に杭材を設置する動作を制御するものとして説明するが、これに限ることはなく、圧入工法以外の他の工法を利用して杭材を地中に挿入する動作を制御する技術にも適用可能である。また、本実施形態は、圧入以外に、例えば打込みや埋込みにより地中に配置するものとしても良い。杭材の打込みの場合には振動打込みや、打撃による打込みなどがある。また、杭材の埋込みでは、予めオーガーなどにより掘削して掘削した部分に杭材を挿入するものでも良いし、杭材にオーガーなどの補助装置を添設して、掘削しながら挿入するものとしても良い。また、これら配置方法について組み合わせても良い。さらに、本実施形態において、圧入される貫入材を杭材とし、杭材をU形鋼矢板(以下、鋼矢板と称する)として説明するが、地中に挿入される貫入材であれば、例えばZ形鋼矢板やゼロ矢板や直線形鋼矢板や鋼管矢板やH形鋼矢板などといった他の形状の鋼杭や、例えばコンクリート杭といった鋼杭とは材質の異なる杭材などの他の形態の杭材や、杭材にオーガー等の補助装置を添設して地中に挿入するときの杭材と補助装置との組み合わせや、オーガーそれ自体などの杭材以外の杭材の設置を補助する物体であってもよい。なお、圧入工法においてオーガーを使用する場合は、一般に、ケーシング付きオーガーを使用する。
図1は、本発明を適用した第1の実施形態の鋼矢板圧入システムの構成を示す図である。鋼矢板圧入システムは、圧入機本体100と、パワーユニット(PU)とを備える。圧入機本体100は、鋼矢板1を地中に圧入する施工機である。パワーユニットは、圧入機本体100が油圧により鋼矢板1を圧入する動力を与える動作を行う。
圧入機本体100は、後述する自律制御装置200を有し、自動的に鋼矢板1を圧入施工する自動施工装置である。圧入機本体100は、複数のクランプ102と、サドル104と、スライドフレーム106と、リーダマスト108と、チャック110と、チャックフレーム112と、メインシリンダ114とを備える。また、圧入機本体100は、自律制御装置200を内蔵している。
複数のクランプ102は、既に地盤Gに圧入された複数の鋼矢板1(以下、完成杭1Rとも記載する。)の杭天端から所定高さまでのウェブ部12のY方向の両側を掴む。複数のクランプ102により複数の完成杭1Rを掴むことにより、圧入機本体100を圧入機本体100が鋼矢板1を地盤Gに圧入するための反力基盤を形成する。複数のクランプ102は、圧入施工が進むにつれて、圧入施工の進行方向の逆側(−X方向側)の完成杭1Rを掴むことを解除し、圧入施工の進行方向(+X方向側)の新たな完成杭1Rを掴むことで、圧入施工の進行方向に移動する。これにより、圧入機本体100は、圧入施工の進行方向に進行しながら、地盤Gに次々に鋼矢板1を設置する。
サドル104は、複数のクランプ102と接続される。サドル104は、複数のクランプ102を完成杭1Rに取り付ける基盤となる。
スライドフレーム106は、サドル104に対して圧入施工の進行方向およびその逆方向に動作する。これにより、スライドフレーム106は、圧入機本体100により地盤Gに圧入しようとする鋼矢板1(以下、圧入杭1Aと記載する。)を圧入施工の進行方向およびその逆方向において位置決めするように動作する。さらに具体的には、スライドフレーム106は、完成杭1Rのうち、圧入施工の進行方向の端部(+X方向の端部)に圧入施工が完了した完成杭(以下、完成杭1Bと記載する。)における前方継手部16bと嵌合するように、圧入杭1Aの後方継手部16aの位置(X方向位置およびY方向位置の双方)を決める。
リーダマスト108は、圧入杭1Aを上下方向(Z方向)に移動させるためのガイドとして機能する。また、リーダマスト108は、スライドフレーム106の動作に従って圧入施工の進行方向およびその逆方向に移動される。リーダマスト108の内部には、自律制御装置200が収容される。
チャック110は、圧入杭1Aのウェブ部12をY方向における両端から掴む。チャックフレーム112は、チャック110の上側(−Z方向側)に配設され、メインシリンダ114により与えられた動力によってチャック110を上下方向に移動させる。
メインシリンダ114は、圧入杭1Aを下方向(+Z方向)に移動させ、圧入杭1Aを地盤Gに圧入させる動力を発生させる油圧シリンダである。メインシリンダ114は、パワーユニットの制御に従って圧入杭1Aを上下方向に移動させる。
以下、第1の実施形態において、圧入機本体100により地盤Gに挿入される鋼矢板1について説明する。図2は、本発明を適用した第1の実施形態の鋼矢板圧入システムにおいて地中に圧入される鋼矢板1の構成を示し、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。
鋼矢板1は、図2(a)に示すように、ウェブ部12と、フランジ部14と、継手部16とを有する。ウェブ部12は、圧入機本体100を直線状に移動させながら鋼矢板1を設置する直線施工を行っている場合には、鋼矢板圧入システムにおける圧入施工の進行方向(X方向)と平行となり、後述の圧入機本体にY方向の両側から掴まれる。フランジ部14は、ウェブ部12の両端部のそれぞれに一体に接続される。1対のフランジ部14は、ウェブ部12から外側(X方向)に広がるテーパ状に形成されている。一対のフランジ部14は、ウェブ部12の略中心位置から互いに対称となる形状を有する。継手部16は、フランジ部14の端部のそれぞれに一体に接続される。
一対の継手部16は、上面から見て略U字状に形成されている。一対の継手部16は、鋼矢板1における幅方向の両側の端部であって、鋼矢板1の長手方向の上端から下端に亘って形成される。一対の継手部16は、圧入施工の初期において他の鋼矢板1の継手部16と嵌合されるように位置決めされ、圧入施工中において鋼矢板1同士の位置関係の変化によって他の鋼矢板1の継手部16と接触する。−X方向側の継手部16aは、圧入施工の進行方向(X方向)の反対側となり、+X方向側の継手部16bは、圧入施工の進行方向(X方向)側となる。以下、継手部16aと継手部16bとを区別して記載しない場合には単に「継手部16」と記載し、継手部16aを「後方継手部16a」と記載し、継手部16bを「前方継手部16b」と記載する。前方継手部16bと後方継手部16aとは、圧入施工において互いに嵌合される。
図3は、複数の鋼矢板1が嵌合されている状態を示す側面図である。先行の鋼矢板1−1(先行杭材)の地中への圧入が完了した状態において、後続の鋼矢板1−2(後続杭材)は、自身の後方継手部16a−2を鋼矢板1−1の前方継手部16b−1に嵌合させるように位置決めされる。後続の鋼矢板1−2は、自身の後方継手部16a−2と前方継手部16b−1との嵌合状態が正常に維持されたまま、地中に圧入される。これによって、複数の鋼矢板1−1と鋼矢板1−2とは、地中に構築される壁体の一部となる。
以下、第1の実施形態における自律制御装置200の構成について説明する。図4は、第1の実施形態の自律制御装置200の一例を示すブロック図である。自律制御装置200は、自律制御部210と、計測部220と、表示部230と、操作部240とを備える。なお、本実施形態は、圧入機本体100が自律制御装置200を有する例を挙げて説明したが、その自律制御装置200の全部または一部の機能を、圧入機本体100とは独立した装置で実現するようにしても良い。例えば、自律制御部210および表示部230は、鋼矢板1を設置する施工を管理する管理者が保有する端末のコンピュータにより実現してもよい。
自律制御部210には、鋼矢板1を挿入する際に駆動する駆動部100aと、自律制御部210により制御信号に基づいて駆動部100aを駆動させる駆動制御部100bとが信号線を介して接続される。駆動部100aおよび駆動制御部100bは、上述したように動作する圧入機本体100が備える機能である。駆動部100aは、鋼矢板1を地盤Gに圧入する動作を行う機構部であり、例えば、鋼矢板1を上下方向(Z方向)に移動させるためのメインシリンダ114である。自律制御部210は、圧入機本体100の動作を表す情報として制御信号を圧入機本体100の駆動制御部100bに出力する。駆動制御部100bは、自律制御装置200により出力された制御信号に従って、駆動部100aを動作させる。これにより、圧入機本体100は、機構部の動作を制御する。
自律制御部210には、圧入機本体100が動作した結果として各種の動作の状態を計測する計測部220が接続される。計測部220は、例えば、メインシリンダ114により圧入および引抜されている鋼矢板1の速度、または圧入および引抜の繰り返し距離等の動作状態情報を計測する。計測部220は、圧入機本体100が圧入施工をしている最中に、所定の間隔で、計測した結果である動作状態情報を自律制御部210に出力する。また、計測部220は、鋼矢板1の先端部の深度、および鋼矢板1の進行方向における進行距離を取得する。
自律制御部210は、演算部212と、制御部214と、記憶部216とを備える。演算部212および制御部214は、演算回路および制御回路としてのCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが、メモリに記憶されたプログラムを実行することで機能するソフトウェア機能部であってもよいし、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。記憶部216は、HDD(Hard Disc Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)等により実現される。また、記憶部216には、ファームウェアやアプリケーションプログラム等の各種プログラム、自律制御装置200の各部における設定情報や処理結果の情報などが記憶される。
演算部212は、地中の状態に関連する情報と圧入機本体100の動作を表す情報とを対応づけて記憶する記憶部216を参照し、計測された動作状態を表す情報(動作状態情報)に基づいて、記憶部216に記憶された圧入機本体100の動作を表す情報を選定する。地中の状態に関連する情報とは、圧入機本体100が鋼矢板1を圧入する地盤の地盤条件、および圧入機本体100が鋼矢板1を地盤Gに圧入した際に計測される施工状態を含む。
地盤条件とは、圧入機本体100が鋼矢板1を圧入する地盤の状態を表す。地盤条件は、例えば、土質、N値といった情報であり、圧入施工よりも事前になされた地盤Gの調査の結果に基づく地盤Gの情報であってもよいし、圧入施工によって得られた施工情報に基づいて推定された地盤Gの情報であってもよい。地盤条件は、鋼矢板1が圧入される深度ごとの情報(Z方向の地盤条件)である。また、地盤条件には、Z方向の地盤条件に加えて、圧入施工の進行距離ごとの情報(Y方向の地盤条件)が含まれていてもよい。
施工状態とは、圧入機本体100が動作した結果得られる状態である。具体的には、施工状態は、鋼矢板1の閉塞状態や、鋼矢板1の継手部16の嵌合状態などを含み、圧入施工を行っている最中において、圧入機本体100の動作や地盤Gの地盤条件などに基づいて変化する。施工状態は、計測部220により計測される情報から推定することができる情報である。
圧入機本体100の動作を表す情報とは、圧入機本体100における駆動部100aの動作状態を表す情報であり、例えば、圧入および引抜の速度、および圧入および引抜の繰り返し距離が挙げられる。なお、以下の説明において、圧入機本体100の動作を表す情報を、動作パラメータおよび制御値とも記載する。また、圧入機本体100の動作を表す情報とは、貫入材が鋼管である場合において、鋼管を回転させながら地盤Gに圧入する際のトルクや回転数であってもよいし、オーガーを圧入する際のトルクや回転数であってもよい。
記憶部216には、反力総和情報216a、圧入機本体100の性能情報216b、地盤条件別最適値データベース216c、施工状態別最適値データベース216d、および貫入材の強度情報216eが記憶される。図5は、第1の実施形態における地盤条件別最適値データベース216cの一例を示す図である。地盤条件別最適値データベース216cには、地盤条件に対応して動作パラメータおよび制御値が記憶される。図6は、第1の実施形態における施工状態別最適値データベース216dの一例を示す図である。施工状態別最適値データベース216dには、施工状態に対応して動作パラメータおよび制御値が記憶される。地盤条件別最適値データベース216cおよび施工状態別最適値データベース216dにおける動作パラメータおよび制御値は、上述の圧入機本体100の動作を表す情報に相当する。
動作パラメータとは、圧入機本体100における制御可能な動作を特定する情報であり、制御値は、制御可能な動作を制御する最適値を表す情報である。例えば、動作パラメータは、「メインシリンダ114の鋼矢板1の圧入および引抜の速度」という制御可能な動作を表し、制御値は、「メインシリンダ114の鋼矢板1の圧入および引抜の速度」における速度値[メートル/秒]である。なお、本実施形態において、動作パラメータは、圧入および引抜の速度であるとして説明するが、これに限られない。動作パラメータは、圧入および引抜の繰り返し距離、圧入施工において圧入と引抜を繰り返す場合における圧入距離および引抜距離の組み合わせ、ウォータジェットを併用する場合におけるウォータジェットの単位時間当たりの流量および水圧、オーガーを併用する場合におけるオーガーの回転数、鋼矢板1に代えて鋼管を使用し鋼管を軸周りに回転させる際の回転数などであってもよい。
演算部212は、記憶部216に記憶された地盤条件別最適値データベース216cおよび施工状態別最適値データベース216dを参照して、計測部220により計測された情報に基づいて、動作パラメータおよび制御値を取得する。制御部214は、演算部212により取得した動作パラメータおよび制御値に基づいて、圧入機本体100の駆動制御部100bに制御信号を出力することで、駆動部100aの動作を制御する。
更に、演算部212は、反力総和情報216a、圧入機本体100の性能情報216b、および貫入材の強度情報216eに基づいて動作パラメータおよび制御値を制御してもよい。
反力総和情報216aは、鋼矢板1に圧入力を加えたときに、完成杭1Rのうち圧入機本体100によって把持された杭(以下、この完成杭を反力杭と称する)および圧入機本体100に発生する引き抜かれまいとする抵抗力である。反力総和情報216aは、例えば、圧入機本体100の重量、反力杭に作用する周面摩擦抵抗および反力杭の継手間抵抗、および反力杭の重量により表される。なお、反力総和情報216aは、例えば、既知の圧入機本体100と反力杭の重量、および予め設定された反力杭の周面摩擦抵抗および反力杭の継手間抵抗に基づいて設定された値であってもよいし、計測部220により計測された情報に基づいて推定された反力杭の周面摩擦抵抗および反力杭の継手間抵抗を加味して算出されたものであってもよい。あるいは、反力総和情報216aは、圧入機本体100のリーダマスト108が傾いたことを計測部220により計測した時の鋼矢板1の圧入力または引抜力であってもよい。演算部212は、例えば、反力総和情報216aにより表される値を超えないように、鋼矢板1の圧入力または引抜力の制御値を制限する。なお、上記「反力杭の継手間抵抗」とは、圧入機本体によって把持されていない完成杭と反力杭との継手部分に作用する継手間抵抗である。
圧入機本体100の性能情報216bは、予め圧入機本体100の性能として固定した情報である。圧入機本体100の性能情報216bは、例えば、メインシリンダ114を駆動させるための油圧機の性能である。油圧機は、油圧が高まると動作速度が遅くなるという特性がある。したがって、圧入機本体100の性能情報216bは、例えば、鋼矢板1の圧入力および引抜力の上限値が設定される。演算部212は、例えば、圧入機本体100の性能情報216bにより表される値を超えないように、鋼矢板1の圧入力または引抜力の制御値を制限する。
貫入材の強度情報216eは、鋼矢板1の強度である。演算部212は、鋼矢板1の強度に基づいて、動作パラメータおよび制御値を変更する。演算部212は、例えば、鋼矢板1の強度を超える応力が鋼矢板1内に発生しないように、鋼矢板1の圧入力または引抜力の制御値を制限する。
制御部214は、表示部230に動作パラメータおよび制御値を表示させてもよい。表示部230は、自律制御装置200による動作パラメータおよび制御値の演算結果を表示する液晶ディスプレイ等の表示装置である。表示部230は、例えば、圧入施工を管理する作業者によって視認される。制御部214は、動作パラメータおよび制御値を表示させることで、作業者に圧入施工において施工状態の異常に対する対処を促すことができる。
制御部214は、操作部240により作業者の操作を受け付けたことに応じて、演算部212により演算された動作パラメータおよび制御値を駆動部100aに出力するようにしてもよい。さらに、制御部214は、表示部230に動作パラメータおよび制御値を表示させ、操作部240により出力された動作パラメータおよび制御値を駆動制御部100bに出力してもよい。これにより、自律制御装置200は、演算部212により演算した動作パラメータおよび制御値を作業者に提示して、作業者の操作に基づいて圧入機本体100を動作させることができる。なお、操作部240は、自律制御部210により設定された動作パラメータおよび制御値による制御を許可/禁止するスイッチであってもよい。
以下、第1の実施形態における自律制御装置200において、計測された動作状態を表す情報に基づいて、記憶部に記憶された圧入機本体100(施工機)の動作を表す情報を選定する動作の流れについて説明する。図7は、第1の実施形態における自律制御部210の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、自律制御部210は、圧入施工を開始する際に、記憶部216から初期の動作パラメータを読み出す(ステップS100)。初期の動作パラメータは、本実施形態において、圧入施工を開始する際に予め設定されている「メインシリンダ114の鋼矢板1の圧入および引抜の速度」および制御値である「メインシリンダ114の鋼矢板1の圧入および引抜の速度」における速度値[メートル/秒]、および、「メインシリンダ114の鋼矢板1の圧入および引抜の距離」および制御値である「メインシリンダ114の鋼矢板1の圧入および引抜の距離」における距離値[メートル]、である。なお、自律制御部210は、予め圧入施工を開始する際の地盤条件が分かっている場合、地盤条件に対応づけられた動作パラメータおよび制御値を地盤条件別最適値データベース216cから読み出して、初期の動作パラメータとして設定してもよい。
次に、自律制御部210は、ステップS100において読み出された初期の動作パラメータに基づいて、圧入機本体100を制御することで、鋼矢板1の圧入施工を開始させる(ステップS102)。圧入施工の開始後、自律制御部210は、計測部220により計測された情報を取得する(ステップS104)。計測部220は、メインシリンダ114の圧入力および引抜力などの動作状態情報に加えて、鋼矢板1の先端部の深度、および鋼矢板1の進行方向における進行距離の情報を取得する。
自律制御部210は、ステップS106により計測された動作状態情報、深度、または進行距離に基づいて、地盤条件が変更したか否かを判定する。自律制御部210は、動作状態情報に基づいて地盤Gの変化を推定した場合に、地盤条件が変更したと判定する。自律制御部210は、深度または進行距離に基づく緯度または経度などに対応して予め地盤調査した地盤Gが変化したと判定した場合に、地盤条件が変更したと判定する。自律制御部210は、地盤条件が変更したと判定した場合にはステップS108に処理を進め、地盤条件が変更していない場合には、ステップS110に処理を進める。
自律制御部210は、演算部212により、ステップS106において変更したと判定された地盤条件に対応づけられた動作パラメータおよび制御値を地盤条件別最適値データベース216cから読み出す。制御部214は、現在の動作パラメータおよび制御値を、読み出された動作パラメータおよび制御値に更新することで、圧入機本体100の動作を更新する(ステップS108)。
自律制御部210は、ステップS106により計測された動作状態情報に基づいて、施工状態が変更したか否かを判定する。自律制御部210は、動作状態情報に基づいて、例えば、鋼矢板1の閉塞状態や、鋼矢板1の継手部16の嵌合状態が変化した場合などに、施工状態が変更したと判定する演算部212は、計測部220により計測された情報に基づいて閉塞状態を推定する。演算部212は、例えば、鋼矢板1の先端抵抗の変化に基づいて閉塞状態が変化したと判定してもよい。また、演算部212は、計測部220により計測された情報に基づいて、鋼矢板1の継手部16の嵌合状態を推定する。自律制御部210は、施工状態が変更したと判定した場合にはステップS112に処理を進め、施工状態が変更していない場合には、ステップS114に処理を進める。
自律制御部210は、演算部212により、ステップS110において変更したと判定された施工状態に対応づけられた動作パラメータおよび制御値を施工状態別最適値データベース216dから読み出す。制御部214は、現在の動作パラメータおよび制御値を、読み出された動作パラメータおよび制御値に更新することで、圧入機本体100の動作を更新する(ステップS112)。
自律制御部210は、記憶部216に記憶された反力総和情報216a、圧入機本体100の性能情報216b、および貫入材の強度情報216eに基づいて、圧入機本体100の動作をフィードバック(FB)制御する(ステップS114)。自律制御部210は、圧入施工を終了するか否かを判定し(ステップS116)、圧入施工を終了する場合には圧入機本体100の動作を停止させ、圧入施工を終了しない場合にはステップS104以降の処理を繰り返す。
以下、上述したステップS114における圧入機本体100をフィードバック制御する処理の流れを示す。図8は、第1の実施形態において、反力総和情報、圧入機本体100の性能情報および鋼矢板1の強度情報に基づいて制御値を制限する処理の流れを示すフローチャートである。
まず、自律制御部210は、記憶部216から反力総和情報216aを読み出すことにより、反力総和情報を取得する(ステップS200)。自律制御部210は、記憶部216から圧入機本体100の性能情報216bおよび貫入材の強度情報216eを読み出して、これらの情報を取得する(ステップS202)。
次に、自律制御部210は、反力総和情報216a、圧入機本体100の性能情報216b、および貫入材の強度情報216eにより決定される圧入機本体100の動作の上限値に基づいて、制御値の上限値を決定する(ステップS204)。このとき、演算部212は、計測部220により計測された情報に基づく圧入機本体100の動作状態が、反力総和情報216a、圧入機本体100の性能情報216b、および貫入材の強度情報216eにより決定される圧入機本体100の動作の上限値を超えないように、制御値の上限値を決定する。
次に、自律制御部210は、計測部220により計測された情報に基づく圧入機本体100の動作状態が、反力総和情報216a、圧入機本体100の性能情報216b、および貫入材の強度情報216eにより決定される圧入機本体100の動作の上限値を超えるかを判定する(ステップS206)。計測部220により計測された情報に基づく圧入機本体100の動作状態が、反力総和情報216a、圧入機本体100の性能情報216b、および貫入材の強度情報216eにより決定される圧入機本体100の動作の上限値を超える場合には、演算部212は、ステップS108およびステップS112において更新された動作パラメータおよび制御値を、上限値を超えないように修正する(ステップS208)。計測部220により計測された情報に基づく圧入機本体100の動作状態が、反力総和情報216a、圧入機本体100の性能情報216b、および貫入材の強度情報216eにより決定される圧入機本体100の動作の上限値を超えない場合には、制御値を修正しない。自律制御部210は、動作パラメータおよび制御値に従って圧入機本体100の駆動制御部100bに制御信号を出力することで、圧入機本体100を制御する(ステップS210)。
以上説明した鋼矢板圧入システムによれば、施工機(100)が貫入材(1)を地盤に挿入している最中において、施工機(100)の動作状態を表す情報を計測し、地中の状態に関連する情報(地盤条件または施工状態)と施工機(100)の動作を表す情報とを対応づけて記憶する記憶部(216)を参照し、計測された動作状態を表す情報に基づいて、記憶部(216)に記憶された施工機(100)の動作を表す情報を選定する。これにより、鋼矢板圧入システムによれば、施工機(100)が貫入材(1)を挿入している最中に、地盤条件または施工状態が変更しても施工機(100)の動作を表す情報を選定することができ、貫入材の設置に要する時間を短くすることができる。
具体的には、地盤Gに挿入されている鋼矢板1に作用する貫入抵抗が変化するが、当該貫入抵抗を低減させるような動作パラメータおよび制御値を地盤条件または施工状態に対応させて記憶させる。そして、鋼矢板圧入システムは、計測部220により計測された情報に基づいて地盤条件または施工状態が変化したことを判定した場合に、動作パラメータおよび制御値を変更し、貫入抵抗を低減させるように圧入機本体100の動作を切り替えることができる。
また、鋼矢板圧入システムによれば、圧入機本体100の動作を表す情報を選定する際に、記憶部216に記憶された、鋼矢板1から圧入機本体100に与えられる反力に関する情報に対応づけられた圧入機本体100の動作を表す情報を選定するので、圧入機本体100に与えられる反力を考慮して、貫入抵抗を低減させるような動作パラメータおよび制御値によって圧入機本体100を制御することができる。
さらに、鋼矢板圧入システムによれば、圧入機本体100の動作を表す情報を選定する際に、記憶部216に記憶された、圧入機本体100の性能情報に対応づけられた圧入機本体100の動作を表す情報を選定するので、圧入機本体100の動作を表す情報が圧入機本体100の性能によって決まる動作パラメータおよび制御値の上限を超えることを防止することができる。
以下、第1の実施形態の自律制御装置200により動作パラメータを選定して圧入施工した際の制御結果の一例について説明する。図9は、第1の実施形態において、(a)深度に対する土質、(b)N値、(c)圧入速度、および(d)圧入時間の一例を示す図である。図9を参照すると、鋼矢板1の深度に対応して土質およびN値が変更する場合、図9(c)に示すように、深度に対応して圧入速度を変更することができる。一方、比較例の圧入速度は、土質およびN値が変化しても一定値である。この結果、図9(d)に示すように、実施形態によれば、比較例と比較して、圧入時間を短縮することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を適用した第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の圧入機本体100Aは、鋼矢板1に代えて補助材を添設した鋼矢板1を貫入材として地中に圧入したとき、または、補助材を貫入材として地中に圧入したときに、圧入機本体100の動作パラメータを選定する点で、第1の実施形態の圧入機本体100とは異なる。
図10は、第2の実施形態において、鋼矢板1にウォータジェットを併設した状態を示す図である。圧入機本体100は、第1の実施形態の圧入機本体100に加えて、補助材としてのウォータジェットパイプ300と、ウォータジェット駆動部310と、ウォータジェット制御部320とを備える。ウォータジェットパイプ300は、鋼矢板1においてウェブ部12およびフランジ部14に囲まれた内側に、鋼矢板1の長手方向に沿って配設される。ウォータジェットパイプ300の下端には、ノズル部302が設けられ、鋼矢板1が圧入される地盤Gに向けられている。ウォータジェット駆動部310は、図示しないタンク、ポンプ、バルブ等を備え、ウォータジェット制御部320の制御に従って水量または水圧が制御される。
図10に示す圧入機本体100において、自律制御部210は、鋼矢板1にウォータジェットパイプ300を併設した状態で、鋼矢板1を地盤Gに圧入させる。また、自律制御部210には、例えば、記憶部216に、圧入機本体100の性能情報216bとして水量および水圧の上限値が記憶され、地盤条件別最適値データベース216cおよび施工状態別最適値データベース216dに、地盤条件または施工状態に対応した水量および水圧の制御値が記憶される。
自律制御部210は、圧入機本体100が鋼矢板1を地盤Gに挿入している最中において、自律制御装置200により計測された動作状態情報に基づいて、地盤条件または施工状態に対応した水量および水圧の制御値を変更することができる。この結果、鋼矢板圧入システムによれば、第1の実施形態と同様に、圧入機本体100の動作を制御して貫入材の設置に要する時間を短くすることができる。
図11は、第2の実施形態において、鋼矢板1にオーガーを併設した状態を示す図である。圧入機本体100は、第1の実施形態の圧入機本体100に加えて、補助材としてのオーガー400と、オーガー駆動部410と、オーガー制御部420とを備える。なお、図11において、オーガーケーシングの図示を省略している。オーガー400は、チャック110によって鋼矢板1と共に掴まれた状態で、鋼矢板1と併設される。オーガー駆動部410は、図示しない回転モータ等を備え、オーガー制御部420の制御に従って回転数が制御される。
図11に示す圧入機本体100において、自律制御部210は、鋼矢板1にオーガー400を併設した状態で、鋼矢板1を地盤Gに圧入させる。また、自律制御部210には、例えば、記憶部216に、圧入機本体100の性能情報216bとしてオーガー400の回転数の上限値が記憶され、地盤条件別最適値データベース216cおよび施工状態別最適値データベース216dに、地盤条件または施工状態に対応したオーガー400の回転数の制御値が記憶される。
自律制御部210は、圧入機本体100が鋼矢板1を地盤Gに挿入している最中において、自律制御装置200により計測された動作状態情報に基づいて、地盤条件または施工状態に対応したオーガー400の回転数の制御値を変更することができる。この結果、鋼矢板圧入システムによれば、第1の実施形態と同様に、圧入機本体100の動作を制御して貫入材の設置に要する時間を短くすることができる。
なお、オーガー400は、鋼矢板1を地盤Gに圧入する前に、鋼矢板1に併設されずに単独で地盤Gに挿入される場合がある。自律制御部210には、例えば、オーガー400を単独で地盤Gに挿入させた際の、圧入機本体100の性能情報216bとしてのオーガー400の回転数の上限値、地盤条件または施工状態に対応したオーガー400の回転数の制御値を、記憶部216に記憶させる。そして、自律制御部210は、圧入機本体100により地盤Gにオーガー400を単独で挿入する際に、自律制御装置200により計測したオーガー400の回転数などの動作状態情報に基づいて、地盤条件または施工状態に対応したオーガー400の回転数の制御値を変更することができる。これにより、第2の実施形態の鋼矢板圧入システムによれば、オーガー400単体を貫入材として地盤Gに挿入する際の貫入材の設置に要する時間を短くすることができる。
また、上述した実施形態は、鋼矢板圧入システムの圧入機本体100が自律制御装置200を有する例を挙げて説明したが、その自律制御装置200の全部または一部の機能を、圧入機本体とは独立した装置で実現するようにしても良い。例えば、自律制御部210および表示部230は、鋼矢板1を設置する施工を管理する管理者が保有する端末のコンピュータにより実現してもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。
また、上述した実施形態は、施工機が、既設の杭から反力を取って鋼矢板を地中に圧入する圧入機である例を挙げて説明したが、本発明にいう施工機は、このような圧入機に限らない。本発明は、上記圧入機に加え、例えば、既設の杭から反力を取ることなく圧入機の重量などを反力として利用する圧入機や、バイブロハンマーといった振動によって杭材の打込みを行う施工機や、打撃により杭材の打込みを行う施工機などの貫入材を地盤に挿入する施工機に適用することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 鋼矢板
100 圧入機本体
100a 駆動部
100b 駆動制御部
102 クランプ
110 チャック
114 メインシリンダ
200 自律制御装置
210 自律制御部
212 演算部
214 制御部
216 記憶部
216a 反力総和情報
216b 圧入機本体の性能情報
216c 地盤条件別最適値データベース
216d 施工状態別最適値データベース
216e 貫入材の強度情報
220 計測部
230 表示部
240 操作部
300 ウォータジェットパイプ
400 オーガー

Claims (10)

  1. 施工機が貫入材を地盤に挿入している最中において、前記施工機の動作状態を表す動作状態情報を計測する計測ステップと、
    前記動作状態情報に基づいて、地盤条件および施工状態の少なくとも一方を推定する推定ステップと、
    前記地盤条件または前記施工状態と、前記施工機の動作パラメータおよびその制御値とを対応づけて記憶する記憶部を参照し、推定された前記地盤条件または前記施工状態に対応付けられた、前記記憶部に記憶された前記動作パラメータおよびその制御値を選定する選定ステップと
    を有する施工機の動作選定方法。
  2. 前記選定ステップは、前記記憶部に記憶された、地中に埋設された貫入材から前記施工機に与えられる反力に関する情報に対応づけられた前記動作パラメータおよびその制御値を選定する、
    請求項に記載の施工機の動作選定方法。
  3. 前記選定ステップは、前記記憶部に記憶された、前記施工機の性能情報に基づき、前記施工機の性能を超えないように、前記制御値を制限する
    請求項1または2に記載の施工機の動作選定方法。
  4. 前記選定ステップは、前記記憶部に記憶された、前記貫入材の強度に基づき、前記貫入材の強度を超える応力が前記貫入材内に発生しないように、前記制御値を制限する
    請求項1からのうち何れか1項に記載の施工機の動作選定方法。
  5. 施工機が貫入材を地盤に挿入している最中において、前記施工機の動作状態を表す動作状態情報を計測する計測部と、
    前記動作状態情報に基づいて地盤条件および施工状態の少なくとも一方を推定し、前記地盤条件または前記施工状態と、前記施工機の動作パラメータおよびその制御値とを対応づけて記憶する記憶部を参照し、推定された前記地盤条件または前記施工状態に対応付けられた、前記記憶部に記憶された前記動作パラメータおよびその制御値を選定する自律制御部
    を有する施工機の動作選定装置。
  6. 前記自律制御部により選定された前記動作パラメータおよびその制御値を表示させる表示部を備える、
    請求項に記載の施工機の動作選定装置。
  7. 施工機が貫入材を地盤に挿入している最中において、前記施工機の動作状態を表す動作状態情報を計測する計測部と、
    前記動作状態情報に基づいて地盤条件および施工状態の少なくとも一方を推定し、前記地盤条件または前記施工状態と、前記施工機の動作パラメータおよびその制御値とを対応づけて記憶する記憶部を参照し、推定された前記地盤条件または前記施工状態に対応付けられた、前記記憶部に記憶された前記動作パラメータおよびその制御値を選定する自律制御部と、を備え、
    前記自律制御部は、選定された前記動作パラメータおよびその制御値に基づいて、前記施工機を制御する、自動施工装置。
  8. 作業者の操作に従って前記動作パラメータおよびその制御値を出力する操作部を備え、
    前記自律制御部は、前記操作部が出力した前記動作パラメータおよびその制御値に従って前記施工機を制御する、
    請求項に記載の自動施工装置。
  9. 施工機が貫入材を地盤に挿入している最中において、前記施工機の動作状態を表す動作状態情報を計測する計測ステップと、
    前記動作状態情報に基づいて、地盤条件および施工状態の少なくとも一方が変化したか否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップにより、前記地盤条件および前記施工状態の少なくとも一方が変化したと判定された場合に、前記地盤条件または前記施工状態と前記施工機の動作パラメータおよびその制御値とを対応づけて記憶する記憶部を参照し、変化したと判定された前記地盤条件または前記施工状態に対応付けられた、前記記憶部に記憶された前記動作パラメータおよびその制御値を用いて、前記施工機の動作を更新する更新ステップと、
    前記記憶部に記憶された前記施工機の性能情報に基づいて、前記施工機の動作をフィードバック制御するFB制御ステップと、
    を有する施工機の動作制御方法。
  10. 施工機が貫入材を地盤に挿入している最中において、前記施工機の動作状態を表す動作状態情報を計測する計測部と、
    前記動作状態情報に基づいて、地盤条件および施工状態の少なくとも一方が変化したか否かを判定し、前記地盤条件および前記施工状態の少なくとも一方が変化したと判定された場合に、前記地盤条件または前記施工状態と前記施工機の動作パラメータおよびその制御値とを対応づけて記憶する記憶部を参照し、変化したと判定された前記地盤条件または前記施工状態に対応付けられた、前記記憶部に記憶された前記動作パラメータおよびその制御値を用いて、前記施工機の動作を更新する自律制御部と、を備え、
    前記自律制御部は、前記記憶部に記憶された前記施工機の性能情報に基づいて、前記施工機の動作をフィードバック制御する、自動施工装置。
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