JP6490549B2 - 保護構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ブーツを備えた保護構造に関する。
例えば、車両などに用いられるサスペンションやコントロールケーブルなど、軸方向に露出する部分が基体(例えば、サスペンションのシリンダや、コントロールケーブルのアウターケーシングなど)に対して進退移動する進退部材(たとえば、ダンパが有するピストンロッドや、コントロールケーブルが有するインナーケーブルなど)の進退領域を外部から保護するブーツが知られている。
例えば、特許文献1では、ブーツの一態様であるジャバラ体として、両端部分の山の高さが、中央部分の山に比べて高く構成されたジャバラ体が開示されている。このジャバラ体では、ジャバラ体の両端部から力を加えたとき、ジャバラ体の両端部分が中央部より先に収縮しはじめるため、保護対象の軸方向に対してジャバラ体が曲がってしまう胴曲り現象が発生しにくい、あるいは発生しないとしている。
特開平10−267124号公報
このような蛇腹体では隣接する山同士が干渉して収縮量を規制してしまうので、進退領域の移動量が大きい進退部材に対応するため、収縮した際の軸方向の長さがより短いブーツが求められている。この点、特許文献1に記載のジャバラ体は、改善が求められる。
そこで、本発明の目的は、進退領域の移動量の大きい進退部材に対応できる保護構造を提供することにある。
本発明の保護構造は、基体と、前記基体に対して進退移動する進退部材と、前記進退部材が進退する進退領域において、前記進退部材を覆うブーツとを備えた保護構造であって、前記ブーツは、前記ブーツの一端側に設けられ、前記基体に固定される第1取付部と、前記ブーツの他端側に設けられ、前記基体から延出した前記進退部材に固定される第2取付部と、前記第1取付部と前記第2取付部との間に設けられ、前記進退部材の軸方向への移動に伴って伸縮する蛇腹部と、を備え、前記蛇腹部は、径方向外側に凸となる山部と、径方向内側に凸となる谷部と、隣接する山部と谷部とを繋ぐ中間部とを複数有し、前記山部と前記谷部とは、それぞれ前記蛇腹部の軸方向に並列し、前記蛇腹部の中央部から前記第1取付部に向かって、前記山部の外径が隣接する他の山部の外径よりも大きくなる一端側拡径領域と、前記蛇腹部の中央部から前記第2取付部に向かって、前記山部の外径が隣接する他の山部の外径よりも大きくなる他端側拡径領域と、を有し、前記山部は、頂部と、前記頂部から前記谷部へ向かって湾曲して前記中間部に接続する尾根部とを有し、前記蛇腹部が収縮したときに、前記一端側拡径領域と前記他端側拡径領域とにおいては、互いに隣接する山部のうち、大径側の山部の内側に小径側の山部の尾根部の少なくとも一部が軸方向において重なるように設けられている。
本発明の保護構造によれば、進退領域の移動量の大きい進退部材に対応することができる。
本発明の一実施形態の保護構造を示し、保護構造の蛇腹部が伸長も収縮もしていない定常状態を示す側面図である。 図1の保護構造の蛇腹部が収縮した状態を示す側面図である。 図1の保護構造の斜視図である。 図1の保護構造の蛇腹部を軸方向に沿って切断した断面図である。 図4の蛇腹部の部分拡大図である。 (A)は、図1の保護構造の蛇腹部が、図1の状態からわずかに収縮した状態を示し、(B)は(A)の蛇腹部を軸方向に沿って切断した断面図である。 (A)は、図6の状態からさらに蛇腹部が収縮した状態を示し、(B)は(A)の蛇腹部を軸方向に沿って切断した断面図である。 (A)は、図7の状態からさらに蛇腹部が収縮した状態を示し、(B)は(A)の蛇腹部を軸方向に沿って切断した断面図である。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態の保護構造を詳細に説明する。
図1〜図3に示されるように、保護構造1は、基体2と、基体2に対して進退移動する進退部材3と、進退部材3を覆うブーツ4とを備えている。
保護構造1は、進退部材3の外側を、ブーツ4により外部環境などから保護し、たとえば埃や水分などから進退部材3を保護する。保護構造1は、本実施形態では、図1〜図3に示されるように、コントロールケーブルの一端に適用された例を示している。コントロールケーブルは、インナーケーブルと、インナーケーブルが内部を摺動するアウターケーシングとを備える。なお、保護構造1は、コントロールケーブル以外に、ピストンロッドを有するダンパ(サスペンション)など、基体2に対して進退部材3が進退移動する他の機構に適用してもよい。
基体2は、進退部材3が基体2に対して進退可能に、進退部材3の少なくとも一部を収容する。本実施形態では、図1〜図3に示されるように、基体2は、インナーケーブル(進退部材3)が挿通されるアウターケーシングOの一端として示されている。なお、「アウターケーシングOの一端」という用語は、アウターケーシングOの一端そのものだけでなく、図1〜3に示されるように、アウターケーシングOの端部に設けられたケーシングキャップC等の端末部材を含む。また、基体2は、進退部材3の少なくとも一部を収容するものであれば、アウターケーシングOの一端に限定されない。たとえば、基体2は、アウターケーシング全体はもちろん、キャップ、ブラケットや、ダンパにおけるシリンダなど、進退部材3を内側に挿入可能な筒状体であってもよい。
進退部材3は、基体2の外側に露出可能な部分を有しており、進退部材3が操作されるなどの、外部からの力を進退部材3が受けたりすることにより、基体2に対して相対的に進退移動する。本実施形態では、進退部材3は、図1〜3に示されるように、インナーケーブル(以下、進退部材3をインナーケーブル3と呼ぶ場合がある)として示されている。本実施形態では、図1〜図3に示されるように、インナーケーブル3の一端側が、アウターケーシングOの一端側から突出している。なお、「インナーケーブル」という用語は、ワイヤ状の部分のみでなく、インナーケーブルの端末に設けられたケーブルエンドや、インナーケーブルの端末に固定されたロッド30(図1および図2参照)など、インナーケーブル3の進退動作を他部材へ伝達するためにインナーケーブルに接続される接続部材も含む。本実施形態では、インナーケーブル3の一端側および図示しない他端側のいずれか一方が、インナーケーブル3を操作する操作部(図示せず)に接続され、他方がインナーケーブル3により操作される被操作部(図示せず)に接続される。そして、インナーケーブル3を操作する操作部が操作されることにより、図1および図2に示されるように、インナーケーブル3がアウターケーシングOに対して進退移動する。より具体的には、図1に示す状態が、進退部材が前進した状態であり、図2に示す状態が、進退部材が後退した状態であり、操作部の操作によって前進しても、後退しても良い。ここでは、図示しない公知の弾性部材を用いた復帰機構により、操作部の操作が終了すると、図1に示す状態に自動的に復帰するように(インナーケーブル3が右側へ移動するように)構成することができる。また、進退部材3は、基体2に対して相対的に進退移動するものであれば、インナーケーブル3に限定されない。たとえば、進退部材3は、ダンパにおけるシャフトなどであってもよい。
図1および図2に示されるように、保護構造1は、インナーケーブル等の進退部材3が基体2に対して進退する進退領域Aにおいて、進退部材3を覆うブーツ4を備えている。ブーツ4は、進退部材3の進退により、進退部材3の軸X方向(進退部材3の進退方向)の長さが変動する進退領域Aにおいて、進退部材3を覆って保護している。すなわち、ブーツ4の軸方向の長さも、進退部材3の進退に連動して変動する。なお、保護構造1において、進退領域Aは、基体2であるアウターケーシングOおよびケーシングキャップCの外部において、進退部材3であるインナーケーブルおよびロッド20が進退移動する領域であり、ブーツ4が無いと仮定した状態における進退部材3が基体2から露出する領域でもある。本実施形態では、図1および図2に示されるように、進退領域Aは、アウターケーシングOの一端(ケーシングキャップCの一端)2Eから、露出するインナーケーブル3の一端3Eを含む領域である。なお、進退領域Aは、アウターケーシングOの一端2Eから、インナーケーブル3の一端3Eが取り付けられたロッド30の一端30Eまでを含む領域としてもよい。進退領域Aの軸X方向の長さは、本実施形態では、インナーケーブル3が図1中、左側に操作された場合には図2に示されるように短くなる。
ブーツ4は、進退部材3を内部に収容できるように、中空部を有しており、中空の略筒状に形成されている(図4参照)。ブーツ4は、ブーツ4の内部に収容された進退部材3を、たとえば外部の埃や水分などから保護している。ブーツ4は、図1〜図3に示されるように、ブーツ4の一端側に設けられ、基体2に固定される第1取付部41と、ブーツ4の他端側に設けられ、基体2から延出した進退部材3に固定される第2取付部42と、第1取付部41と第2取付部42との間に設けられ、進退部材3の軸X方向への移動に伴って伸縮する蛇腹部43と、を備えている。
第1取付部41は、ブーツ4を基体2に直接または間接的に固定する部位であり、本実施形態では、略筒状に形成され、基体となるケーシングキャップCに固定されている。なお、第1取付部41は、ブーツ4を基体2に固定することができれば、その形状や固定方法は特に限定されない。また、第2取付部42は、ブーツ4を進退部材3に直接または間接的に固定する部位であり、本実施形態では、第2取付部42は、略筒状に形成され、インナーケーブル3の端部3Eが固定されたロッド30に固定されている。なお、第2取付部42は、ブーツ4を進退部材3に固定することができれば、その形状や固定方法は特に限定されない。
蛇腹部43は、進退部材3の軸X方向への移動に伴い、軸X方向に伸縮する部位である。蛇腹部43は軸X方向に伸縮が可能であれば、その材料は特に限定されないが、伸縮を容易にするために、たとえば、弾性変形可能な、ゴムや合成樹脂により形成されることが好ましい。なお、本実施形態では、第1取付部41および第2取付部42は、蛇腹部43と一体に形成され、ブーツ4全体がゴム材料により形成されているが、第1取付部41および第2取付部42は、蛇腹部43とは別体に形成され、蛇腹部43と異なる材料により形成されていてもよい。
本実施形態では、ブーツ4は、操作部が操作されていない状態で、蛇腹部43が収縮も伸長もしていない定常状態となるように取り付けられている。このため、蛇腹部43を伸ばしてブーツ4を固定する必要が無い。よって、蛇腹部43にかかるストレスを軽減できるので、蛇腹部43が裂けるなどの不具合を防止できる。なお、ブーツ4は、進退部材3が基体2に対して相対的に進退移動する過程において、蛇腹部43が収縮した状態を含めば、進退部材3の蛇腹部43が収縮した状態や、伸長した状態で取り付けられてもよい。すなわち、進退部材3の進退移動は上記の動作に限定されない。例えば、操作部が操作されることにより進退領域Aが初期状態から増減する動作や、操作部が操作されることにより収縮状態から伸長状態になる動作など、基体2に対して進退部材3が進退移動する動作であれば、本発明の保護構造を適用できる。
蛇腹部43は、図4に示されるように、径方向外側に凸となる山部M1、M2、M3、M4、M5(以下、山部をまとめて山部Mという)と、径方向内側に凸となる谷部V1、V2、V3、V4(以下、谷部をまとめて谷部Vという)と、隣接する山部Mと谷部Vとを繋ぐ中間部Iとを複数有している。
山部Mは、本実施形態では、蛇腹部43のうち、軸X周りに環状に突出した部位であり、図5に示されるように、頂部Tと、頂部Tから谷部Vへ向かって湾曲して中間部Iに接続する尾根部Rとを有している。頂部Tは、1つの山部Mのうち、山部Mの高さ(1つの山部Mのうち、軸Xからの距離)が最も高い部位であり、軸X周りに環状に形成されている。尾根部Rは、1つの山部Mのうち、頂部Tの軸X方向両側に形成された、頂部Tから中間部Iにつながる湾曲した肩状の部位である。
谷部Vは、本実施形態では、蛇腹部43のうち、径方向内側に向かって凸となる、すなわち、一対の山部Mの間に形成された、山部Mに対して環状に凹んだ部位である。中間部Iは、軸X方向に沿って、山部Mと谷部Vとの間に形成された部位であり、本実施形態では、蛇腹部43が収縮していない定常状態では、略平坦な傾斜面を形成している。なお、山部M、谷部Vおよび中間部Iは図示するものに限定されず、山部M、谷部Vおよび中間部Iのブーツ4全体に占める割合や、山、谷の角度などは、適宜変更が可能である。
図4に示されるように、蛇腹部43が軸X方向に縮んでいない状態で、山部Mと谷部Vとは、それぞれ蛇腹部43の軸X方向に並列し、山部Mと谷部Vとが軸X方向で交互に形成されている。山部Mと谷部Vとが蛇腹部43の軸X方向で並列していることにより、蛇腹部43は軸X方向に伸縮が可能である。蛇腹部43が伸縮することにより、進退部材3の進退に伴い長さが変動する進退領域Aにおいて、蛇腹部43が進退部材3を保護する。なお、本実施形態では、図4に示されるように、5つの山部M1〜M5、4つの谷部V1〜V4が形成されているが、山部Mおよび谷部Vの数は、進退部材3の進退領域Aの移動量(ストローク長さ)等に応じて適宜変更が可能である。また、山部M1〜M5や谷部V1〜V4の軸X方向の間隔も、適宜変更が可能である。
つぎに、本実施形態の蛇腹部43の詳細について説明する。本実施形態の蛇腹部43は、図4に示されるように、蛇腹部43の中央部から第1取付部41に向かって、山部Mの外径が隣接する他の山部Mの外径よりも大きくなる一端側拡径領域43Aと、蛇腹部43の中央部から第2取付部42に向かって、山部Mの外径が隣接する他の山部Mの外径よりも大きくなる他端側拡径領域43Bと、を有している。言い換えると、蛇腹部43は、蛇腹部43の中央部側における山部Mの頂部Tにおける外径が最も小さく、蛇腹部43の軸X方向端部(第1取付部41側および第2取付部42側の端部)に向かって、山部Mの頂部Tにおける外径が徐々に大きくなるように形成されている。
さらに、蛇腹部43は、蛇腹部43が収縮したときに、図8(B)に示されるように、一端側拡径領域43Aと他端側拡径領域43Bとにおいては、互いに隣接する山部Mのうち、大径側の山部Mの内側に小径側の山部Mの尾根部Rの少なくとも一部が軸X方向において重なるように設けられている。すなわち、詳細は後述するが、図8(B)に示されるように、進退部材3の移動により、蛇腹部43が収縮すると、小径側の山部Mの尾根部Rが、大径側の山部Mの尾根部Rまたは大径側の山部Mの中間部Iへと軸X方向に押し込まれる。それにより、小径側の山部Mの尾根部Rが、大径側の山部Mの径方向で内側に入り込み、小径側の山部Mの尾根部Rの少なくとも一部が大径側の山部Mの内側に軸X方向で重なるように構成されている。したがって、蛇腹部43が収縮したときに、軸X方向に複数設けられた山部M同士が軸X方向で干渉せずに、大径側の山部Mの径方向内側に小径側の山部Mの尾根部Rの少なくとも一部が入り込む。これにより、図2、図8(A)および(B)に示されるように、収縮時の蛇腹部43の軸X方向長さを短くすることができる。したがって、蛇腹部43が拡張したときの進退領域A(図1参照)と、蛇腹部43が収縮したときの進退領域A(図2参照)との間の差を大きくすることができ、進退領域Aの変動量の大きい進退部材3に対応することができる。なお、「大径側の山部の内側」とは、大径側の山部に対して径方向の内側をいい、蛇腹部の内面を意図したものではない。例えば、大径側の山部の内側とは、隣接する小径の山部側の尾根部と、この尾根部に繋がる中間部とを含む蛇腹部の外表面である。また、「大径側の山部の内側に小径側の山部の尾根部の少なくとも一部が軸方向において重なる」とは、蛇腹部が収縮したときに、小径側の山部の少なくとも一部の軸方向の位置が、隣接する大径側の山部の小径側の端部の軸方向の位置を越えた位置になることをいう。
また、本実施形態では、蛇腹部43が収縮したときに、小径側の山部Mが大径側の山部Mによって、軸X方向に対して垂直な方向への移動が規制される。すなわち、図7(B)および図8(B)に示されるように、収縮した蛇腹部43においては、小径側の山部Mの尾根部Rが、隣接する大径側の山部Mの径方向内側に重なっており、その重なりは山部Mの周方向全体に亘って形成されている。そのため、小径側の山部Mが垂直方向へ移動する方向に力が加わった場合であっても、大径側の山部Mが小径側の山部Mの垂直方向への移動の障壁となり、小径側の山部Mの垂直方向への移動を規制する。したがって、例えば、保護構造1に振動が加わる場合、蛇腹部43の成形時に形状の偏りがある場合、インナーケーブル3が蛇腹部43の軸とずれて延びている場合など、蛇腹部43が軸X方向で圧縮される際に、蛇腹部43が軸Xに対して逸れるように曲がる方向の力(軸X方向に対して垂直な方向成分を含む力)が加わったとしても、蛇腹部43の過度な曲がりを規制することができる。そのため、本実施形態によれば、進退領域Aの変動量を大きくしつつ、蛇腹部43の曲がりが生じにくい構造とすることができる。そのため、軸Xに対して、蛇腹部43の軸X方向に沿って延びる芯(中心軸)がずれる芯ズレを抑制することができる。
大径側の山部Mの内側に小径側の山部Mの尾根部Rの少なくとも一部が軸X方向において重なるように構成されていれば、小径側の山部Mと隣接する大径側の山部Mとの間の径の寸法関係は特に限定されないが、本実施形態では、小径側の山部Mの外径(例えば、図5におけるr1)が、隣接する大径側の山部Mの内径(例えば、図5におけるr2)よりも小さくなるように、蛇腹部43が形成されている。この場合、より小径側の山部Mの尾根部Rが、大径側の山部Mの径方向内側に入り込みやすく、小径側の山部Mと大径側の山部Mとが軸X方向で重なりやすくなる。また、小径側の谷部Vと、隣接する大径側の谷部Vとの間の径の寸法関係は特に限定されないが、本実施形態では、小径側の谷部Vの外径(例えば、図5におけるr3)が、大径側の谷部Vの内径(例えば、図5におけるr4)よりも小さくなるように、蛇腹部43が形成されている。この場合、蛇腹部43が収縮する際に、隣接する谷部V同士が軸X方向で干渉せず、蛇腹部43の収縮を円滑にすることができる。
つぎに、図1、図4および図5〜図7を用いて、本発明の保護構造の収縮時の動作について、上述した保護構造1を例として説明する。図5〜図7においては、簡略化するためにアウターケーシングO、ケーシングキャップC、インナーケーブル3およびロッド30については省略し、ブーツ4のみを図示している。なお、以下の説明はあくまで一例であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1に示される状態から、例えば図示しないインナーケーブル3の他端側が引き操作され、インナーケーブル3が図1中、左側に操作されると、インナーケーブル3の一端3Eが固定されたロッド30が図1中、左側に移動し、進退領域Aが短くなる。ロッド30が移動すると、ロッド30が固定されたブーツ4の第2取付部42は、ロッド30とともに、図1中、左側に移動する。アウターケーシングOの一端(ケーシングキャップC)に取り付けられた第1取付部41は、インナーケーブル3の操作によっては移動しないため、ブーツ4の蛇腹部43は、図6(A)および(B)に示されるように、軸X方向両側から圧縮されて、山部M1〜M5間、谷部V1〜V4間の軸X方向の間隔が短くなるように変形する。ここで、蛇腹部43は、蛇腹部43の中央部に位置する山部M3と、蛇腹部43の両端側の山部M1、M5とが、同時に変形するようにしてもよいし、蛇腹部43の両端側の山部M1、M5が変形された後、山部M2、M4が変形され、その後山部M1が変形されるように、構成されても構わない。蛇腹部43の両端側の山部M1、M5が本実施形態のように大径の場合、蛇腹部43の両端側から縮む傾向にあり、その場合、蛇腹部43の両端側から順に畳まれていく。蛇腹部43が両端側から順に畳まれていくと、蛇腹部43が軸X方向に沿って安定して畳まれるため、山部M同士が重なるまでの蛇腹部43の軸から逸れる方向への曲りが抑制される。
図6(A)および(B)の状態から、インナーケーブル3がさらに操作され、蛇腹部43がさらに圧縮されると、一端側拡径領域43A(図4参照)においては、山部M2の第1取付部41側の尾根部Rは、図7(A)および(B)に示されるように、隣接する大径側の山部M1の中間部Iと接触し、山部M2の尾根部Rと山部M1の中間部Iとは互いに押圧される。また、山部M3の第1取付部41側の尾根部Rは、隣接する大径側の山部M2の中間部Iに接触し、山部M3の尾根部Rと山部M2の中間部Iとは互いに押圧される。また、他端側拡径領域43B(図4参照)においては、山部M4の第2取付部42側の尾根部Rは、隣接する大径側の山部M5の中間部Iに接触し、山部M4の尾根部Rと山部M5の中間部Iとは互いに押圧される。また、山部M3の第2取付部42側の尾根部Rは、隣接する大径側の山部M4の中間部Iに接触し、山部M3の尾根部Rと山部M4の中間部Iとは互いに押圧される。この時点で、山部M1〜M5は互いに接触し、山部M1〜M5同士の摩擦と、わずかな重なりにより、蛇腹部43は軸X方向に沿って安定して収縮する。
図7(A)および(B)の状態から、インナーケーブル3がさらに操作され、蛇腹部43がさらに圧縮されると、図8(A)および(B)に示されるように、蛇腹部43はさらに変形する。このとき、一端側拡径領域43Aにおいては、山部M3の第1取付部41側の尾根部Rの一部が、隣接する山部M2の径方向内側に軸X方向に重なり、山部M2の第1取付部41側の尾根部Rの一部が、隣接する山部M1の径方向内側に軸X方向に重なっている。また、他端側拡径領域43Bにおいては、山部M3の第2取付部42側の尾根部Rの一部が、隣接する山部M4の径方向内側に軸X方向に重なり、山部M4の第2取付部42側の尾根部Rの一部が、隣接する山部M5の径方向内側に軸X方向に重なっている。つまり、山部Mが、蛇腹部43の径方向において重なる部分を複数有することとなる。ここで、一端側拡径領域43Aおよび他端側拡径領域43Bのそれぞれにおいて、山部M1〜M5のいずれもが隣接する山部とは異なる高さとなっている。そのため、蛇腹部43は収縮した状態において、図8(A)に示されるように、蛇腹部43の軸X方向の長さが、5つある山部M1〜M5の軸X方向長さを足し合わせた長さよりも遥かに短くなり、2つの山部M1、M5の軸X方向長さを足し合わせた長さ程度まで短くなる。そのため、図1および図2に示されるように、蛇腹部43の定常状態から、蛇腹部43が収縮した状態までの長さの差を大きくすることができる。したがって、蛇腹部43の高圧縮を実現することができ、インナーケーブル3のストローク長さが長い部位にも適用することができ、保護構造1の汎用性が高まる。なお、山部Mは、頂部Tの凸状の湾曲面が軸Xの周方向にリング状に形成されているために中間部Iに比べて剛性を有しているので、山部Mの高さが同一である場合には頂部Tが干渉を生じやすい。そのため、蛇腹部43は、頂部Tが軸X方向に複数重なった状態では軸X方向に短く収縮することが難しい。
また、図8(A)および(B)の状態において、上述したように、山部M3は、山部M2、M4により、山部M2、M4は、山部M1、M5により、軸X方向に対して垂直な方向への移動が規制される。そのため、山部M2、M3、M4が垂直方向へ移動する方向に力が加わった場合であっても、大径側の山部Mが小径側の山部Mの垂直方向への移動の障壁となり、蛇腹部43の折れ曲がりを防ぐことができ、蛇腹部43の収縮時に蛇腹部43の芯(軸)がずれにくい。そのため、蛇腹部43内を通るインナーケーブル3と、蛇腹部43内部とが摺動しにくくなり、インナーケーブル3の操作時の抵抗や、ブーツ4の摩耗を防止することができる。また、このように、蛇腹部43の収縮時に、蛇腹部43が軸X方向に沿って安定して収縮するため、谷部Vの内面とインナーケーブル3との間の摩耗が生じにくいため、谷部Vの内面とインナーケーブル3との間の間隔を広く取る必要がない。
また、本実施形態では、一端側拡径領域43Aと他端側拡径領域43Bの境界となる部位(蛇腹部43の中央部)に最も小径の山部M3の頂部Tが位置するように配置され、小径の山部M3の尾根部Rが、大径の山部M2、M4の径方向内側に入り込んで重なって、小径の山部M3が軸X方向両側で規制されるため、軸Xから逸れる方向への蛇腹部43の曲がりがより規制される。特に、蛇腹部43の中央部の山部M3が、軸X方向に対して垂直な方向への移動が規制されることにより、蛇腹部43全体の曲りが規制されやすくなる。
1 保護構造
2 基体
2E アウターケーシングの一端(ケーシングキャップの一端)
3 進退部材(インナーケーブル)
3E インナーケーブルの一端
30 ロッド
30E ロッドの一端
4 ブーツ
41 第1取付部
42 第2取付部
43 蛇腹部
43A 一端側拡径領域
43B 他端側拡径領域
A 進退領域
C ケーシングキャップ
M、M1、M2、M3、M4、M5 山部
I 中間部
O アウターケーシング
R 尾根部
T 頂部
V、V1、V2、V3、V4 谷部
X 軸

Claims (3)

  1. 基体と、前記基体に対して進退移動する進退部材と、
    前記進退部材が進退する進退領域において、前記進退部材を覆うブーツとを備えた保護構造であって、
    前記ブーツは、
    前記ブーツの一端側に設けられ、前記基体に固定される第1取付部と、
    前記ブーツの他端側に設けられ、前記基体から延出した前記進退部材に固定される第2取付部と、
    前記第1取付部と前記第2取付部との間に設けられ、前記進退部材の軸方向への移動に伴って伸縮する蛇腹部と、を備え、
    前記蛇腹部は、
    径方向外側に凸となる山部と、径方向内側に凸となる谷部と、隣接する山部と谷部とを繋ぐ中間部とを複数有し、
    前記山部と前記谷部とは、それぞれ前記蛇腹部の軸方向に並列し、
    前記蛇腹部の中央部から前記第1取付部に向かって、前記山部の外径が隣接する他の山部の外径よりも大きくなる一端側拡径領域と、
    前記蛇腹部の中央部から前記第2取付部に向かって、前記山部の外径が隣接する他の山部の外径よりも大きくなる他端側拡径領域と、を有し、
    前記山部は、
    頂部と、前記頂部から前記谷部へ向かって湾曲して前記中間部に接続する尾根部とを有し、
    前記蛇腹部が収縮したときに、前記一端側拡径領域と前記他端側拡径領域とにおいては、小径側の中間部が前記軸方向で対向する大径側の中間部に密着するように前記蛇腹部が変形して、互いに隣接する山部のうち、大径側の山部の内側に小径側の山部の尾根部の少なくとも一部が軸方向において重なるように設けられた
    保護構造。
  2. 前記蛇腹部が収縮したときに、前記小径側の山部が前記大径側の山部によって、軸方向に対して垂直な方向への移動が規制される、請求項1に記載の保護構造。
  3. 前記進退部材が、インナーケーブルであり、
    前記基体が、前記インナーケーブルが挿通されるアウターケーシングの一端であり、
    前記進退領域が、前記アウターケーシングの一端から、露出する前記インナーケーブルの一端までを含む、請求項1または請求項2に記載の保護構造。
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