JP6489683B2 - 現金管理装置 - Google Patents

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本発明は、現金の管理に用いられる現金管理装置に関する。
現金管理装置本体から引き出し可能に設けられた複数の収納庫に現金を収納し、現金の入出庫を行う現金管理装置がある(例えば特許文献1参照)。この現金管理装置には、複数の収納庫の中に棒金用の収納庫が設けられている。棒金用の収納庫では、1カ所の棒金収納凹部に満杯で棒金を10本収納する棒金トレイと、1カ所の棒金収納凹部に満杯にできない10本未満の端数の棒金を収納する棒金トレイとが金種別に用意されている。端数収納用の棒金トレイは、棒金収納凹部の中間位置に棒金の倒れを抑制するための補助棒を有している。
特開2013−118016号公報
上記の現金管理装置において、端数収納用の棒金トレイは、棒金の倒れを抑制するための補助棒を有しているため、コスト高になってしまう。
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、コストを低減することが可能な現金管理装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、現金管理装置本体と、該現金管理装置本体に引き出し可能に設けられる収納庫と、を有する現金管理装置であって、底部と、前記底部の周縁部から該底部に垂直に延出する壁部とを有して1カ所に複数本の棒金を前記底部から立ち上がる姿勢で収納可能な棒金収納凹部が前記収納庫に設けられており、前記棒金収納凹部は前記底部を水平に対し傾斜させていることを特徴とする。
請求項に係る発明は、前記収納庫には、前記棒金収納凹部が複数設けられており、これら棒金収納凹部のうち、少なくとも1つが前記底部を水平に対し傾斜させており、少なくとも他の1つが前記底部を水平に配置していることを特徴とする。
請求項に係る発明は、前記底部を水平に対し傾斜させている前記棒金収納凹部を有する棒金トレイと、前記底部を水平に配置している前記棒金収納凹部を有する棒金トレイとが、共通部品であることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、現金管理装置本体と、該現金管理装置本体に引き出し可能に設けられる収納庫と、を有する現金管理装置であって、底部と、前記底部の周縁部から該底部に垂直に延出する壁部とを有して1カ所に複数本の棒金を前記底部から立ち上がる姿勢で収納可能な棒金収納凹部が前記収納庫に設けられており、前記棒金収納凹部は前記底部を水平に対し傾斜させていて、前記底部を水平に対し傾斜させている前記棒金収納凹部は、前記収納庫の引き出し方向の前方から見て前記底部を左下がりに傾斜させていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、現金管理装置本体と、該現金管理装置本体に引き出し可能に設けられる収納庫と、を有する現金管理装置であって、底部と、前記底部の周縁部から該底部に垂直に延出する壁部とを有して1カ所に複数本の棒金を前記底部から立ち上がる姿勢で収納可能な棒金収納凹部が前記収納庫に設けられており、前記棒金収納凹部は前記底部を水平に対し傾斜させていて、前記底部を水平に対し傾斜させている前記棒金収納凹部は、前記収納庫の引き出し方向の前方から見て前記底部を右下がりに傾斜させていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項2または3に係る発明において、前記収納庫には、前記棒金収納凹部が複数設けられており、これら棒金収納凹部のうち、少なくとも1つが前記底部を水平に対し傾斜させており、少なくとも他の1つが前記底部を水平に配置していることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において、前記底部を水平に対し傾斜させている前記棒金収納凹部を有する棒金トレイと、前記底部を水平に配置している前記棒金収納凹部を有する棒金トレイとが、共通部品であることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、現金管理装置本体と、該現金管理装置本体に引き出し可能に設けられる収納庫と、を有する現金管理装置であって、底部と、前記底部の周縁部から該底部に垂直に延出する壁部とを有して1カ所に複数本の棒金を前記底部から立ち上がる姿勢で収納可能な棒金収納凹部が前記収納庫に、該収納庫の引き出し方向に並んで1列状に複数設けられており、これら棒金収納凹部のうち、前記収納庫の引き出し方向の最も前側の1つが前記底部を水平に対し傾斜させており、残りが前記底部を水平に配置していることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明において、前記底部を水平に対し傾斜させている前記棒金収納凹部を有する棒金トレイと、前記底部を水平に配置している前記棒金収納凹部を有する棒金トレイとが、共通部品であることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1乃至のいずれか一項に係る発明において、前記底部を水平に対し傾斜させている前記棒金収納凹部は、前記収納庫の引き出し方向を基準として前記底部を後下がりに傾斜させていることを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項1乃至8のいずれか一項に係る発明において、前記底部を水平に対し傾斜させている前記棒金収納凹部は、前記収納庫の引き出し方向を基準として前記底部を前下がりに傾斜させていることを特徴とする
請求項1,2,3,6に係る発明によれば、収納庫に設けられる棒金収納凹部は、底部と、この底部の周縁部から底部に垂直に延出する壁部とを有して1カ所に複数本の棒金を底部から立ち上がる姿勢で収納可能となっている。そして、この棒金収納凹部が底部を水平に対し傾斜させており、その結果、壁部を鉛直に対し傾斜させている。これにより、棒金収納凹部に満杯に棒金を収納しなくても、棒金は、底部の傾斜の下側に位置する壁部あるいは他の棒金に当接して立てかけられた状態となり、底部の傾斜の上側への倒れが抑制される。よって、棒金収納凹部の中間位置に棒金の倒れを抑制する部品を設けなくても棒金の倒れを抑制することができる。したがって、コストを低減することが可能となる。
請求項1,4,6に係る発明によれば、収納庫に設けられる複数の棒金収納凹部のうち、少なくとも1つが底部を水平に対し傾斜させており、少なくとも他の1つが底部を水平に配置しているため、底部を水平に対し傾斜させている棒金収納凹部を満杯状態にならない端数の棒金の収納用とし、底部を水平に配置している棒金収納凹部を満杯状態の棒金の収納用とすることができる。これにより、棒金収納凹部を満杯状態にできない端数の棒金の倒れを抑制しつつ、満杯状態の棒金をまとめて取り出す作業の作業性を向上させることができる。
請求項1,5,7に係る発明によれば、棒金収納凹部の底部を水平に対し傾斜させている棒金トレイと、棒金収納凹部の底部を水平に配置している棒金トレイとが、共通部品であるため、さらにコストを低減することが可能になる。
請求項2に係る発明によれば、棒金収納凹部は、収納庫の引き出し方向の前方から見て底部を左下がりに傾斜させているため、すべての棒金の上面が左方から目視可能となる。よって、左方からの棒金の収納数の目視確認が容易となる。したがって、左側にいる操作者の使い勝手性が向上する。
請求項3に係る発明によれば、棒金収納凹部は、収納庫の引き出し方向の前方から見て底部を右下がりに傾斜させているため、すべての棒金の上面が右方から目視可能となる。よって、右方からの棒金の収納数の目視確認が容易となる。したがって、右側にいる操作者の使い勝手性が向上する。
請求項に係る発明によれば、棒金収納凹部は、収納庫の引き出し方向を基準として底部を後下がりに傾斜させているため、棒金は、収納庫の引き出し方向の後側へ寄せられて収納されることになる。よって、収納庫の引き出し方向の前側にある棒金から取り出せば残りの棒金を倒さずに棒金を取り出すことができる。したがって、棒金を円滑に取り出すことができ、使い勝手性が向上する。
請求項に係る発明によれば、棒金収納凹部は、収納庫の引き出し方向を基準として底部を前下がりに傾斜させているため、すべての棒金の上面が前方から目視可能となる。よって、棒金の収納数の前方からの目視確認が容易となる。したがって、使い勝手性が向上する。
本発明の第1実施形態に係る現金管理装置を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る現金管理装置を示す要部の制御系ブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る現金管理装置の棒金収納庫を示す部分側断面図である。 本発明の第1実施形態に係る現金管理装置の棒金収納庫を示す部分平面図である。 本発明の第2実施形態に係る現金管理装置の棒金収納庫を示す部分側断面図である。 本発明の第3実施形態に係る現金管理装置の棒金収納庫を示す正断面図である。 参考技術の現金管理装置の棒金収納庫を示す正断面図である。 他の参考技術の現金管理装置の棒金収納庫を示す正断面図である。
本発明の第1実施形態に係る現金管理装置を図1〜図4を参照して以下に説明する。
図1に示す第1実施形態に係る現金管理装置10は、金融機関の店舗の係員側スペースに設置されて係員により取り扱われるものであり、より窓口カウンタに近い位置で使用され、主に小束紙幣および棒金を入出庫可能に収納するものである。
現金管理装置10は、箱型の現金管理装置本体11と、この現金管理装置本体11に上下方向に複数段具体的には8段設けられた収納庫12とを有している。これら収納庫12は、その左右側壁に設けられたスライドレール13を介して現金管理装置本体11に対して水平方向に沿って引き出し可能となっている。これら収納庫12は、現金管理装置10の前方に引き出されることで内部にアクセス可能となるように開かれ、現金管理装置10の後方に押し込まれると内部にアクセス不可となるように閉じられる。このように前後方向にのみ所定範囲でスライド可能となるように、各収納庫12は現金管理装置本体11に連結されている。以下の前および後は、現金管理装置10の前および後であり、収納庫12の引き出し方向の前および後と一致する。
複数段の収納庫12のうち、最も上側のものは、予備収納庫12(A)となっており、結束されていないバラ紙幣、包装されていないバラ硬貨、汚損紙幣や汚損硬貨、金券等を収納する。また、残りの収納庫12は、上側4段が小束紙幣を収納する小束収納庫12(B)となっており、下側3段が棒金を収納する棒金収納庫12(C)となっている。勿論、収納庫12の全体の数や、そのうちの小束収納庫12(B)および棒金収納庫12(C)の個々の数等は任意に設定可能であり、例えば、予備収納庫12(A)以外の全てを、棒金収納庫12(C)とすることも勿論可能である。
現金管理装置本体11の上部には、操作者によって操作入力がなされるとともに操作者に対して表示を行う操作表示部15と、データを印字により出力するプリンタ16とが設けられている。操作表示部15は、操作者に対して操作ガイダンス等の情報を表示する表示部17と、操作者のIDカードを走査するカードリーダ18と、操作者により操作される操作キーボード19と、操作者に対して音声を出力する音声発生部20とを有している。
現金管理装置本体11には、複数の収納庫12のそれぞれに対して、収納庫12を閉状態で個別にロックする図2に示すロック機構22が設けられており、図1に示す複数の収納庫12のそれぞれの側方に、ロック機構22のロック解除時のみ点灯する表示灯23が設けられている。さらに、現金管理装置本体11には、図2に示すように、操作表示部15、プリンタ16、音声発生部20、ロック機構22および表示灯23等に接続されてこれらを制御する制御部25と、収納している棒金および小束紙幣の数量情報および金種情報や処理関連のデータ等を記憶する記憶部26とが設けられている。
収納庫12は、図1に示すように取っ手30が中央に設けられた前板部31と、前板部31の左右両側から図3に示すように後方に延出する一対(図3において一方のみ図示)の側板部32と、一対の側板部32の後端部同士を連結する図示略の後板部と、これらで囲まれる空間部分の下部開口を閉塞する底板部33とを有する枠体34を有している。この枠体34は、図1に示す小束収納庫12(B)と棒金収納庫12(C)とで共通となっている。枠体34は、一対の側板部32がスライドレール13の一側に連結されており、スライドレール13の他側が現金管理装置本体11に連結されていて、これにより現金管理装置本体11に対して引き出し可能となっている。
図3に示すように、棒金収納庫12(C)は、棒金Bを入出庫可能に収納するものである。棒金収納庫12(C)は、枠体34に取り付けられて固定される支持ベース40と、棒金Bを収納可能であって支持ベース40に取り付けられて固定される複数の合成樹脂製の棒金トレイ50とを有している。なお、一つの棒金収納庫12(C)に対し、前後に1列状に複数の棒金トレイ50が設けられており、図示は略すが、このような列が左右に複数列設けられている。例えば、一つの棒金収納庫12(C)に、前後に金種径に応じて6つまたは5つ、左右に4列の棒金トレイ50が設けられている。
ここで、各棒金トレイ50は、それぞれ予め設定された単一の収納対象金種の棒金Bのみが収納されるように決められている。また、左右方向における同列に配置されて前後に1列に並ぶ複数の棒金トレイ50は、全て収納対象金種が同一金種となっている。例えば、図1に示す3段の棒金収納庫12(C)のうちの最も上段の棒金収納庫12(C)は、最も左側および左から2番目の2列の棒金トレイ50が共に1円棒金収納用、最も右側および右から2番目の2列の棒金トレイ50が共に5円棒金収納用となっている。また、3段の棒金収納庫12(C)のうちの上から2段目の棒金収納庫12(C)は、最も左側および左から2番目の2列の棒金トレイ50が共に10円棒金収納用、最も右側および右から2番目の2列の棒金トレイ50が共に50円棒金収納用となっている。また、3段の棒金収納庫12(C)のうちの最下段の棒金収納庫12(C)は、最も左側および左から2番目の2列の棒金トレイ50が共に100円棒金収納用、最も右側および右から2番目の2列の棒金トレイ50が共に500円棒金収納用となっている。勿論、各棒金収納庫12(C)への収納金種は任意に設定可能であり、頻繁に出庫が行われる金種(1円棒金、10円棒金および100円棒金)を一つの棒金収納庫12(C)に纏めて収納するようにしても良い。また、左右方向における同列に配置されて前後に1列に並ぶ複数の棒金トレイ50は、必ずしも全て収納対象金種が同一金種となっていなくても良い。
図3に示すように、棒金Bは、単一金種の硬貨Cを所定枚数(50枚)だけ中心軸線を一致させて集積してなる集積硬貨を、その外周面全体に樹脂フィルムあるいは紙からなる包装紙を所定長さ巻き付けて一体化したものであり、略円柱状をなしている。棒金Bには、包装紙の余長部分を加締めた加締部Kが軸方向両端部に形成されている。加締部Kは、棒金Bの外径と略同径で棒金Bの中心軸を中心とする円環状をなして棒金Bの軸方向両側に所定長さ突出している。
1つの棒金収納庫12(C)に設けられる複数の棒金トレイ50は、下方に凹む上方開口形状をなして1カ所に複数本の棒金Bを収納可能な棒金収納凹部51をそれぞれが有している。よって、1つの棒金収納庫12(C)に複数の棒金収納凹部51が設けられている。棒金Bは、棒金収納凹部51に、その上部開口を介して上側から挿入されることになり、上方に引き抜かれて取り出されることになる。
1つの棒金トレイ50には、複数の棒金Bを収納する棒金収納凹部51が1カ所のみ設けられている。つまり、1つの棒金トレイ50には棒金Bを収納する部分がこの棒金収納凹部51以外にはない。棒金トレイ50は、基本形状は金種によらず同様の形状となっており、棒金収納凹部51が収納対象金種に応じた大きさとなっている。
棒金収納凹部51は、図4に示すように、円筒を一部切り取った形状の湾曲面53を、複数具体的には左側の3カ所と右側の3カ所と前端の1カ所と後端の1カ所との8カ所に有する囲壁面54を備えた筒状の壁部55と、壁部55の下部を閉塞する底部58とを有している。壁部55は、底部58の周縁部に立設されており、底部58の周縁部から、図3に示すように底部58に対し垂直をなして延出している。
図4に示すように、湾曲面53は左側の3カ所が左右方向の位置を合わせて前後に並んでおり、右側の3カ所も左右方向の位置を合わせて前後に並んでいる。左右前端の湾曲面53は前後方向の位置を合わせており、中央前端の湾曲面53はこれらよりも前側に配置されている。左右後端の湾曲面53は前後方向の位置を合わせており、中央後端の湾曲面53はこれらよりも後側に配置されている。
底部58には、各湾曲面53と同心をなす8カ所と、これらの内側の前後2カ所との合計10カ所に、棒金Bを載置させる短円柱状の座部60が、これら座部60の周囲にある底部58の最深面59から最深面59に対し垂直をなして上方に突出して形成されている。このように複数設けられた座部60は、左側の3カ所が左右方向の位置を合わせて前後1列に等間隔で並べられており、左右方向中央の4カ所が左右方向の位置を合わせて前後1列に等間隔で並べられていて、右側の3カ所が左右方向の位置を合わせて前後1列に等間隔で並べられている。
一つの棒金トレイ50において、すべての座部60の上面61は同一平面上に配置されており、底部58の最深面59と平行をなしている。底部58の上面を主体的に構成する最深面59およびすべての上面61に対して、壁部55の囲壁面54が垂直をなしている。
座部60には、これに載置された棒金Bの磁気情報を検出する磁気センサ65が、水平方向の中央に埋設されている。図3に示すように、1つの棒金トレイ50に取り付けられたすべての磁気センサ65は1つの配線基板66に取り付けられており、この配線基板66が底部58の下面側に取り付けられることですべての磁気センサ65がそれぞれ対応する座部60に配置される。磁気センサ65は、座部60の上面61よりも下側に設けられている。
座部60の外径は、棒金Bの加締部Kの内径よりも小さくされており、座部60の最深面59からの突出高さは加締部Kの最も近い硬貨Cからの突出高さよりも大きくなっている。これにより、座部60は、棒金Bが載置される際に、棒金Bの加締部Kを逃げて、棒金Bの最下の硬貨Cを直接支持するようになっている。
棒金トレイ50は、壁部55の棒金収納凹部51とは反対側の外周面から棒金収納凹部51とは反対方向に延出する基板部68を有している、基板部68は底部58と平行をなしており、図4に示すように外周縁部が矩形状をなしている。
1つの棒金収納庫12(C)に左右方向における同列に配置されて前後に並んで設けられる棒金トレイ50は、全て収納対象金種が同一金種となっている。各列の最も前側の棒金トレイ50は、収納本数が不足した状態でも棒金Bを倒さずに収納可能な端数収納用となっている。また、各列の最も前側を除く棒金トレイ50は、収納本数が不足した状態では棒金Bが倒れてしまうため満杯状態で収納することが決められた満杯収納用となっている。つまり、最も前側を除く棒金トレイ50には必ず棒金Bを満杯状態つまり10本収納し、棒金Bを満杯状態以外で収納する場合には、最も前側の棒金トレイ50に収納することがルール化されており、操作者である係員は、最も前側の棒金トレイ50から棒金Bを必要数だけ取り出し、最も前側の棒金トレイ50が空になり、その後側の棒金トレイ50から棒金Bを取り出す場合には、この後側の棒金トレイ50の残りの端数の棒金Bを、最も前側の棒金トレイ50に移載するようになっている。
ここで、収納対象金種が同一金種である場合、形状および大きさが同じ共通部品の棒金トレイ50が端数収納用と満杯収納用とに共用されている。つまり、端数収納用の棒金トレイ50は、その底部58を水平に対し傾斜させて支持ベース40に取り付けられることで収納本数が不足した状態でも棒金Bを倒さずに収納可能になる。満杯収納用の棒金トレイ50は、その底部58を水平に配置して支持ベース40に取り付けられることで収納本数が不足した状態では収納している棒金Bが倒れてしまうように収納する。言い換えれば、収納対象金種が同一金種である場合、底部58を水平に対し傾斜させている棒金収納凹部51を有する棒金トレイ50と、底部58を水平に配置している棒金収納凹部51を有する棒金トレイ50とが、共通部品になっている。
支持ベース40は、各列の最も前側の端数収納用の棒金トレイ50を支持する傾斜支持部71が、前後方向から見て水平に対し傾斜しない状態で、後下がりに傾斜しており、この傾斜支持部71に棒金トレイ50の基板部68が固定されている。
よって、傾斜支持部71に取り付けられた状態の端数収納用の棒金トレイ50の棒金収納凹部51は、その底部58が、前後方向から見て水平に対し傾斜しない状態で、棒金収納庫12(C)の引き出し方向を基準として、後下がりに傾斜しており、その壁部55が、前後方向から見て鉛直に対し傾斜しない状態で、棒金収納庫12(C)の引き出し方向を基準として、後上がりに傾斜している。つまり、端数収納用の棒金トレイ50は、その底部58が後側(奥側)ほど下側に位置するように傾斜しており、その壁部55が後側(奥側)ほど上側に位置するように傾斜している。傾斜支持部71に支持された棒金トレイ50は、底部58が水平に対し45度より小さい角度(例えば30度)をなすように傾斜している。傾斜支持部71に支持された棒金トレイ50は、底部58の最深面59および座部60の上面61が、前後方向から見て水平に対し傾斜しない状態で後下がりに傾斜しており、その壁部55の囲壁面54が、前後方向から見て鉛直に対し傾斜しない状態で後上がりに傾斜している。
このように支持ベース40の傾斜支持部71に取り付けられた棒金トレイ50の棒金収納凹部51に空の状態から1本目の棒金Bを収納する場合、まず、最も後側(下側)の座部60に、この座部60を加締部Kで覆うようにして1本目の棒金Bを載置させながら、この1本目の棒金Bの外周面を、その下側にある壁部55の最も後側(下側)の湾曲面53に支持させる。すると、この1本目の棒金Bは、この最も後側の湾曲面53に立てかけられた状態となり、底部58から略垂直に立ち上がる姿勢で、最も後側の座部60に最下の硬貨Cを接触させて載置される。
2本目の棒金Bを収納する場合、後から2番目の左右いずれか一方の座部60に、この座部60を加締部Kで覆うようにして2本目の棒金Bを載置させながら、この2本目の棒金Bの外周面を、その下側にある壁部55の後から2番目の左右いずれか一方の湾曲面53および1本目の棒金Bの外周面に支持させる。すると、この2本目の棒金Bは、これら湾曲面53および1本目の棒金Bに立てかけられた状態となり、底部58から略垂直に立ち上がる姿勢で、後から2番目の左右いずれか一方の座部60に最下の硬貨Cを接触させて載置される。
3本目の棒金Bを収納する場合、後から2番目の左右いずれか他方の座部60に、この座部60を加締部Kで覆うようにして3本目の棒金Bを載置させながら、この3本目の棒金Bの外周面を、その下側にある壁部55の後から2番目の左右いずれか他方の湾曲面53および1本目の棒金Bの外周面に支持させる。すると、この3本目の棒金Bは、これら湾曲面53および1本目の棒金Bに立てかけられた状態となり、底部58から略垂直に立ち上がる姿勢で、後から2番目の左右いずれか他方の座部60に最下の硬貨Cを接触させて載置される。
4本目の棒金Bを収納する場合、後から4番目の座部60に、この座部60を加締部Kで覆うようにして4本目の棒金Bを載置させながら、この4本目の棒金Bの外周面を、その下側にある1〜3本目の棒金Bの外周面に支持させる。すると、この4本目の棒金Bは、1〜3本目の棒金Bに立てかけられた状態となり、底部58から略垂直に立ち上がる姿勢で、後から4番目の座部60に、最下の硬貨Cを接触させて載置される。
5本目の棒金Bを収納する場合、後から5番目の左右方向いずれか一方の座部60に、この座部60を加締部Kで覆うようにして5本目の棒金Bを載置させながら、この5本目の棒金Bの外周面を、その下側にある2,3本目のいずれか一方の棒金Bの外周面および4本目の棒金Bの外周面と、左右方向に隣り合う湾曲面53とに支持させる。すると、この5本目の棒金Bは、2,3本目のいずれか一方の棒金B、4本目の棒金Bおよび左右方向に隣り合う湾曲面53に立てかけられた状態となり、底部58から略垂直に立ち上がる姿勢で、後から5番目の左右いずれか一方の座部60に最下の硬貨Cを接触させて載置される。
6本目の棒金Bを収納する場合、後から5番目の左右方向いずれか他方の座部60に、この座部60を加締部Kで覆うようにして6本目の棒金Bを載置させながら、この6本目の棒金Bの外周面を、その下側にある2,3本目のいずれか他方の棒金Bの外周面および4本目の棒金Bの外周面と、左右方向に隣り合う湾曲面53とに支持させる。すると、この6本目の棒金Bは、2,3本目のいずれか他方の棒金B、4本目の棒金Bおよび左右方向に隣り合う湾曲面53に立てかけられた状態となり、底部58から略垂直に立ち上がる姿勢で、後から5番目の左右いずれか他方の座部60に最下の硬貨Cを接触させて載置される。
7本目の棒金Bを収納する場合、後から7番目の座部60に、この座部60を加締部Kで覆うようにして7本目の棒金Bを載置させながら、この7本目の棒金Bの外周面を、その下側にある4〜6本目の棒金Bの外周面に支持させる。すると、この7本目の棒金Bは、4〜6本目の棒金Bに立てかけられた状態となり、底部58から略垂直に立ち上がる姿勢で、後から7番目の座部60に最下の硬貨Cを接触させて載置される。
8本目の棒金Bを収納する場合、後から8番目の左右方向いずれか一方の座部60に、この座部60を加締部Kで覆うようにして8本目の棒金Bを載置させながら、この8本目の棒金Bの外周面を、その下側にある5,6本目のいずれか一方の棒金Bの外周面および7本目の棒金Bの外周面と、左右方向に隣り合う湾曲面53とに支持させる。すると、この8本目の棒金Bは、5,6本目のいずれか一方の棒金B、7本目の棒金Bおよび左右方向に隣り合う湾曲面53に立てかけられた状態となり、底部58から略垂直に立ち上がる姿勢で、後から8番目の左右いずれか一方の座部60に最下の硬貨Cを接触させて載置される。
9本目の棒金Bを収納する場合、後から8番目の左右方向いずれか他方の座部60に、この座部60を加締部Kで覆うようにして9本目の棒金Bを載置させながら、この9本目の棒金Bの外周面を、その下側にある5,6本目のいずれか他方の棒金Bの外周面および7本目の棒金Bの外周面と、左右方向に隣り合う湾曲面53とに支持させる。すると、この9本目の棒金Bは、5,6本目のいずれか他方の棒金B、7本目の棒金Bおよび左右方向に隣り合う湾曲面53に立てかけられた状態となり、底部58から略垂直に立ち上がる姿勢で、後から8番目の左右いずれか他方の座部60に最下の硬貨Cを接触させて載置される。
ここで、傾斜支持部71に取り付けられた端数収納用の棒金トレイ50の棒金収納凹部51に満杯に棒金Bを収納しても良い。この場合、10本目の棒金Bを収納するに際して、後から10番目つまり最も前側(上側)の座部60に、この座部60を加締部Kで覆うようにして10本目の棒金Bを載置させながら、この10本目の棒金Bの外周面を、その下側にある7〜9本目の棒金Bの外周面に支持させる。すると、この10本目の棒金Bは、7〜9本目の棒金Bに立てかけられた状態となり、底部58から略垂直に立ち上がる姿勢で、後から10番目つまり最も前側の座部60に最下の硬貨Cを接触させて載置される。
以上により、傾斜支持部71に取り付けられた棒金トレイ50の棒金収納凹部51は、その底部58から立ち上がる姿勢で棒金Bを収納することになり、言い換えれば、その壁部55の底部58からの延出方向に沿う姿勢で棒金Bを収納することになる。端数収納用の棒金トレイ50は、底部58が後下がりに傾斜していることから、棒金Bを底部58から後上がりに延出する姿勢で収納させる。
傾斜支持部71に取り付けられた棒金トレイ50の棒金収納凹部51から棒金Bを取り出す場合は、上記とは逆に、棒金収納凹部51内の前側の棒金Bから順に取り出すことになる。これにより、棒金収納凹部51内の残りの棒金Bの転倒を抑制しつつ棒金Bを取り出すことができる。つまり、後側の棒金Bを前側の棒金Bよりも先に取り出すと、前側の棒金Bを下側で支持する棒金Bがなくなることになってこの棒金Bが転倒してしまうことになるのである。
支持ベース40は、各列の最も前側を除く満杯収納用の棒金トレイ50を支持する水平支持部72が水平に配置されており、この水平支持部72に棒金トレイ50の基板部68が固定されている。
水平支持部72に取り付けられた状態の満杯収納用の棒金トレイ50の棒金収納凹部51は、底部58が水平に配置されており、その壁部55が鉛直に配置されている。水平支持部72に支持された満杯収納用の棒金トレイ50の棒金収納凹部51は、底部58の最深面59および座部60の上面61が水平に配置されており、その壁部55の囲壁面54が鉛直に配置されている。
このように支持ベース40の水平支持部72に取り付けられた棒金トレイ50の棒金収納凹部51に棒金Bを収納する場合、10本の棒金Bをそれぞれ一本ずつ各座部60に、座部60を加締部Kで覆うようにして載置させる。10本の棒金Bが各座部60に載置されると、各棒金Bはその周囲にある壁部55の湾曲面53および他の棒金Bの外周面のうちの少なくともいずれか一方に接触して倒れが規制された状態で、対応する座部60に最下の硬貨Cを接触させて載置される。満杯収納用の棒金トレイ50の棒金収納凹部51には、左側に3本の棒金Bが左右方向の位置を合わせて前後1列に並べられ、右側に3本の棒金Bが左右方向の位置を合わせて前後1列に並べられ、左右方向の中央に4本の棒金Bが左右方向の位置を合わせて前後1列に並べられて、それぞれ収納されるようになっている。
以上により、満杯収納用の棒金収納凹部51も、その底部58から立ち上がる姿勢で棒金Bを収納することになり、言い換えれば、その壁部55の底部58からの延出方向に沿う姿勢で棒金Bを収納することになる。満杯収納用の棒金トレイ50は、壁部55が底部58から鉛直上方に延出していることから、棒金Bを壁部55および他の棒金Bの少なくともいずれか一方で支持して鉛直に沿う姿勢、つまり中心軸線を上下方向に沿わせた立位姿勢で収納させる。
現金管理装置本体11には、収納庫12が現金管理装置本体11に最も押し込まれた後端位置である全閉位置にあることを検知する図2に示す全閉検知センサ80が収納庫12のそれぞれに対して設けられている。全閉検知センサ80は、収納庫12が全閉位置にないこと、つまり収納庫12が開位置にあることをも検知する。
加えて、現金管理装置本体11には、収納庫12を個別に全閉位置でロックするロック機構22が設けられている。ロック機構22は、制御部25から出力される開指令信号で開状態となる。制御部25は、開状態とした収納庫12が現金管理装置本体11から引き出されたことが全閉検知センサ80で検出されると、開指令信号を停止させることになり、この状態でロック機構22は、収納庫12が全閉位置に戻されると、収納庫12を引き出し不可に自動的かつ機械的にロックする。制御部25は、一の棒金収納庫12(C)が現金管理装置本体11から引き出されたことが全閉検知センサ80で検出された後、この一の棒金収納庫12(C)が全閉位置に戻されたことが全閉検知センサ80で検出されると、この一の棒金収納庫12(C)に収納された棒金Bの金種別の数を全ての磁気センサ65の検出結果から把握して、記憶部26に直前の取引内容とともに記憶し、表示部17に表示させる。
つまり、制御部25は、磁気センサ65が検出したデータが、記憶部26に記憶された1円硬貨の棒金Bの判定範囲内にあれば、この磁気センサ65が設けられた座部60に1円硬貨の棒金Bが載置されていると判定する。また、制御部25は、磁気センサ65が検出したデータが、記憶部26に記憶された5円硬貨の棒金Bの判定範囲内にあれば、この磁気センサ65が設けられた座部60に5円硬貨の棒金Bが載置されていると判定する。また、制御部25は、磁気センサ65が検出したデータが、記憶部26に記憶された10円硬貨の棒金Bの判定範囲内にあれば、この磁気センサ65が設けられた座部60に10円硬貨の棒金Bが載置されていると判定する。また、制御部25は、磁気センサ65が検出したデータが、記憶部26に記憶された50円硬貨の棒金Bの判定範囲内にあれば、この磁気センサ65が設けられた座部60に50円硬貨の棒金Bが載置されていると判定する。また、制御部25は、磁気センサ65が検出したデータが、記憶部26に記憶された100円硬貨の棒金Bの判定範囲内にあれば、この磁気センサ65が設けられた座部60に100円硬貨の棒金Bが載置されていると判定する。また、制御部25は、磁気センサ65が検出したデータが、記憶部26に記憶された500円硬貨の棒金Bの判定範囲内にあれば、この磁気センサ65が設けられた座部60に500円硬貨の棒金Bが載置されていると判定する。
他方、制御部25は、磁気センサ65が検出したデータが、いずれの金種の棒金Bの判定範囲内にもなければ、座部60に棒金Bが載置されていないと判定する。
また、制御部25は、各棒金トレイ50に収納すべき設定金種以外の棒金Bが収納されている誤収納を検出する。つまり、すべての磁気センサ65について検出されるべき棒金の金種データ、つまり磁気センサ65が設けられた座部60の載置対象棒金の金種データが、予め記憶部26に記憶されており、制御部25は、このデータと各棒金トレイ50の各磁気センサ65の検出結果とを比較する。そして、制御部25は、磁気センサ65で検出されるべき金種の棒金Bが磁気センサ65で検出されれば、収納が適正であると判定し、磁気センサ65で検出されるべき金種の棒金Bとは異なる金種の棒金Bが磁気センサ65で検出されれば、収納が適正でない誤収納であると判定する。例えば、検出されるべき棒金Bの金種が100円硬貨であると記憶部26の記憶内容から把握した座部60に、磁気センサ65の検出結果から10円硬貨の棒金Bが載置されていることを検出すると、誤収納とする。この場合、制御部25は、誤収納の内容(棒金Bが誤収納されている座部60の位置情報と、誤収納の金種と、適正な金種とを含む内容)を表示部17に表示させる等して操作者に報知する。
以上に述べた第1実施形態に係る現金管理装置10によれば、棒金収納庫12(C)に設けられる棒金収納凹部51は、底部58と、この底部58の周縁部から底部58に垂直に延出する壁部55とを有して1カ所に複数本の棒金Bを底部58から立ち上がる姿勢で収納可能となっている。そして、この棒金収納凹部51が底部58を水平に対し傾斜させており、その結果、壁部55を鉛直に対し傾斜させている。これにより、棒金収納凹部51に満杯に棒金Bを収納しなくても、棒金Bは、底部58の傾斜の下側に位置する壁部55あるいは他の棒金Bに当接して立てかけられた状態となり、底部58の傾斜の上側への倒れが抑制される。よって、棒金収納凹部51の中間位置に棒金Bの倒れを抑制する部品を設けなくても棒金Bの倒れを抑制することができる。したがって、コストを低減することが可能となる。
また、1つの棒金収納庫12(C)に設けられる収納対象金種が同一金種である複数の棒金収納凹部51のうち、前端の1つの棒金収納凹部51が底部58を水平に対し傾斜させており、他が底部58を水平に配置しているため、底部58を水平に対し傾斜させている棒金収納凹部51を満杯状態にならない端数の棒金Bの収納用とし、底部58を水平に配置している棒金収納凹部51を満杯状態の棒金Bの収納用とすることができる。これにより、棒金収納凹部51を満杯状態にできない端数の棒金Bの倒れを抑制しつつ、満杯状態の棒金Bをまとめて取り出す作業の作業性を向上させることができる。
また、同一金種用であれば、棒金収納凹部51の底部58を水平に対し傾斜させている棒金トレイ50と、棒金収納凹部51の底部58を水平に配置している棒金トレイ50とが、共通部品となっているため、部品の製造コストおよび管理コストを低減することが可能になる。
また、底部58を水平に対し傾斜させている棒金収納凹部51は、底部58を、引き出し方向後側(奥側)ほど下側に位置する後下がりに傾斜させているため、棒金Bは、棒金収納庫12(C)の引き出し方向の後側(奥側)へ寄せられて収納されることになる。よって、棒金収納庫12(C)の引き出し方向の前側にある棒金Bから取り出せば残りの棒金Bを倒さずに棒金Bを取り出すことができる。したがって、棒金Bを円滑に取り出すことができ、使い勝手性が向上する。
なお、第1実施形態においては、1つの棒金収納庫12(C)に設けられる収納対象金種が同一金種である複数の棒金収納凹部51のうち、前端の1つの棒金収納凹部51が底部58を水平に対し傾斜させており、残りの複数の他の棒金収納凹部51が底部58を水平に配置している場合を例にとり説明した。しかしながら、これら棒金収納凹部51のうち、少なくとも1つが底部58を水平に対し傾斜させており、少なくとも他の1つが底部58を水平に配置していれば、それぞれの数は適宜設定することができる。例えば、同一金種用の前端から複数カ所の棒金収納凹部51について底部58を水平に対し傾斜させ、残りの棒金収納凹部51について底部58を水平に配置しても良い。また、複数列が同一金種用である場合には、1列の前端の棒金トレイ50のみ、端数収納用として棒金収納凹部51の底部58を水平に対し傾斜させ、他の列の前端の棒金トレイ50を満杯収納用として棒金収納凹部51の底部58を水平に配置しても良い。
次に、本発明の第2実施形態に係る現金管理装置を主に図5を参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。
第2実施形態において、端数収納用の棒金トレイ50は、その底部58を水平に対して第1実施形態とは相違する方向に傾斜させて支持ベース40Aに取り付けられている。この端数収納用の棒金トレイ50と共通部品が用いられる満杯収納用の棒金トレイ50は、第1実施形態と同様、その底部58を水平に配置して支持ベース40Aの第1実施形態と同様の水平支持部72に取り付けられている。
支持ベース40Aは、各列の最も前側の端数収納用の棒金トレイ50を支持する傾斜支持部71Aが、前後方向から見て水平に対し傾斜しない状態で、前下がりに傾斜しており、この傾斜支持部71Aに棒金トレイ50の基板部68が固定されている。このとき、棒金トレイ50は、第1実施形態と同様に、10カ所の座部60が、前後1列に並ぶ左側の3カ所と、前後1列に並ぶ左右方向中央の4カ所と、前後1列に並ぶ右側の3カ所とに配置される状態となっている。
傾斜支持部71Aに取り付けられた状態の端数収納用の棒金トレイ50の棒金収納凹部51は、その底部58が、前後方向から見て水平に対し傾斜しない状態で、棒金収納庫12(C)の引き出し方向を基準として前下がりに傾斜しており、その壁部55が、前後方向から見て鉛直に対し傾斜しない状態で、棒金収納庫12(C)の引き出し方向を基準として前上がりに傾斜している。つまり、端数収納用の棒金トレイ50は、その底部58が前側ほど下側に位置するように傾斜しており、その壁部55が前側ほど上側に位置するように傾斜している。傾斜支持部71Aに支持された棒金トレイ50は、底部58が水平に対し45度より小さい角度(例えば30度)をなすように傾斜している。傾斜支持部71Aに支持された端数収納用の棒金トレイ50は、底部58の最深面59および座部60の上面61が、前後方向から見て水平に対し傾斜しない状態で前下がりに傾斜しており、その壁部55の囲壁面54が、前後方向から見て鉛直に対し傾斜しない状態で前上がりに傾斜している。
このように傾斜支持部71Aに取り付けられた棒金トレイ50の棒金収納凹部51に棒金Bを収納する場合、第1実施形態と同様に下側にある座部60から順に載置させる。ここで、第2実施形態の傾斜支持部71Aに取り付けられた棒金トレイ50は、底部58が前下がりに傾斜しており、第1実施形態の傾斜支持部71に取り付けられた棒金トレイ50は、底部58が逆に後下がりに傾斜している。よって、第2実施形態において、第1実施形態と同様に下側にある座部60から順に棒金Bを載置させると、第1実施形態とは前後が逆になる。つまり、第2実施形態では、端数収納用の棒金トレイ50の棒金収納凹部51に棒金Bを収納する場合、最も前側の座部60から順に棒金Bを載置させることになる。端数収納用の棒金トレイ50は、底部58が前下がりに傾斜していることから、棒金Bを底部58から前上がりに延出する姿勢で収納させる。
傾斜支持部71Aに取り付けられた棒金トレイ50の棒金収納凹部51から棒金Bを取り出す場合は、棒金収納凹部51内の後側の棒金Bから順に取り出すことになる。これにより、棒金収納凹部51内の残りの棒金Bの転倒を抑制しつつ棒金Bを取り出すことができる。
以上に述べた第2実施形態に係る現金管理装置10によれば、端数収納用の棒金収納凹部51は、底部58を前下がりに傾斜させているため、すべての棒金Bの上面が前方から目視可能となる。よって、棒金Bの収納数の前方からの目視確認が容易となる。したがって、使い勝手性が向上する。
次に、本発明の第3実施形態に係る現金管理装置を主に図6を参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。
第3実施形態において、端数収納用の棒金トレイ50は、その底部58を水平に対して第1実施形態とは相違する方向に傾斜させて支持ベース40Bに取り付けられている。この端数収納用の棒金トレイ50と共通部品が用いられる満杯収納用の棒金トレイ50は、図6においては図示を略すが、その底部58を水平に配置して支持ベース40Bに取り付けられている。
支持ベース40Bは、左右方向左側の列の最も前側の端数収納用の棒金トレイ50を支持する傾斜支持部71Bが、左右方向から見て水平に対し傾斜しない状態で、前方から見て左下がりに傾斜しており、左右方向右側の列の最も前側の端数収納用の棒金トレイ50を支持する傾斜支持部73Bが、左右方向から見て水平に対し傾斜しない状態で前方から見て右下がりに傾斜している。そして、これらの傾斜支持部71Bおよび傾斜支持部73Bにそれぞれ共通部品である棒金トレイ50が基板部68において固定されている。ここで、棒金トレイ50は、傾斜支持部71B,73Bのいずれに取り付けられる場合も、10カ所の座部60が、左右1列に並ぶ前側の3カ所と、左右1列に並ぶ前後方向中央の4カ所と、左右1列に並ぶ後側の3カ所とに配置される状態となる。
傾斜支持部71Bに取り付けられた状態の端数収納用の棒金トレイ50の棒金収納凹部51は、その底部58が、左右方向から見て水平に対し傾斜しない状態で、棒金収納庫12(C)の引き出し方向の前方から見て左下がりに傾斜しており、その壁部55が左右方向から見て鉛直に対し傾斜しない状態で、棒金収納庫12(C)の引き出し方向の前方から見て左上がりに傾斜している。つまり、傾斜支持部71Bに取り付けられた棒金トレイ50は、その底部58が左側ほど下側に位置するように傾斜しており、その壁部55が左側ほど上側に位置するように傾斜している。傾斜支持部71Bに支持された棒金トレイ50は、底部58が水平に対し45度より小さい角度(例えば30度)をなすように傾斜している。傾斜支持部71Bに支持された棒金トレイ50は、底部58の最深面59および座部60の上面61が、左右方向から見て水平に対し傾斜しない状態で、前方から見て左下がりに傾斜しており、その壁部55の囲壁面54が、左右方向から見て鉛直に対し傾斜しない状態で、前方から見て左上がりに傾斜している。
このように傾斜支持部71Bに取り付けられた棒金トレイ50の棒金収納凹部51に棒金Bを収納する場合、第1実施形態と同様に下側にある座部60から順に載置させる。ここで、第3実施形態の傾斜支持部71Bに取り付けられた棒金トレイ50の棒金収納凹部51は、底部58が左下がりに傾斜している。よって、第3実施形態において、第1実施形態と同様に下側にある座部60から順に棒金Bを載置させると、傾斜支持部71Bに取り付けられた棒金トレイ50の棒金収納凹部51には、最も左側の座部60から順に棒金Bを載置させることになる。傾斜支持部71Bに取り付けられた棒金トレイ50の棒金収納凹部51は、底部58が左下がりに傾斜していることから、棒金Bを底部58から左上がりに延出する姿勢で収納させる。
傾斜支持部71Bに取り付けられた棒金トレイ50の棒金収納凹部51から棒金Bを取り出す場合は、棒金収納凹部51内の右側の棒金Bから順に取り出すことになる。これにより、棒金収納凹部51内の残りの棒金Bの転倒を抑制しつつ棒金Bを取り出すことができる。
傾斜支持部73Bに取り付けられた状態の端数収納用の棒金トレイ50の棒金収納凹部51は、その底部58が、左右方向から見て水平に対し傾斜しない状態で、棒金収納庫12(C)の引き出し方向の前方から見て右下がりに傾斜しており、その壁部55が左右方向から見て鉛直に対し傾斜しない状態で、棒金収納庫12(C)の引き出し方向の前方から見て右上がりに傾斜している。つまり、傾斜支持部73Bに取り付けられた棒金トレイ50の棒金収納凹部51は、その底部58が右側ほど下側に位置するように傾斜しており、その壁部55が右側ほど上側に位置するように傾斜している。傾斜支持部73Bに支持された棒金トレイ50は、底部58が水平に対し45度より小さい角度(例えば30度)をなすように傾斜している。傾斜支持部73Bに支持された棒金トレイ50の棒金収納凹部51は、底部58の最深面59および座部60の上面61が、左右方向から見て水平に対し傾斜しない状態で、前方から見て右下がりに傾斜しており、その壁部55の囲壁面54が、左右方向から見て鉛直に対し傾斜しない状態で、前方から見て右上がりに傾斜している。
このように傾斜支持部73Bに取り付けられた棒金トレイ50の棒金収納凹部51に棒金Bを収納する場合、第1実施形態と同様に下側にある座部60から順に載置させる。ここで、第3実施形態の傾斜支持部73Bに取り付けられた棒金トレイ50の棒金収納凹部51は、底部58が右下がりに傾斜している。よって、第3実施形態において、第1実施形態と同様に下側にある座部60から順に載置させると、最も右側の座部60から順に棒金Bを載置させることになる。傾斜支持部73Bに取り付けられた棒金トレイ50の棒金収納凹部51は、底部58が右下がりに傾斜していることから、棒金Bを底部58から右上がりに延出する姿勢で収納させる。
傾斜支持部73Bに取り付けられた棒金トレイ50の棒金収納凹部51から棒金Bを取り出す場合は、棒金収納凹部51内の左側の棒金Bから順に取り出すことになる。これにより、棒金収納凹部51内の残りの棒金Bの転倒を抑制しつつ棒金Bを取り出すことができる。
以上に述べた第3実施形態に係る現金管理装置10によれば、左側の傾斜支持部71Bに取り付けられた端数収納用の棒金トレイ50の棒金収納凹部51は、棒金収納庫12(C)の引き出し方向の前方から見て底部58を左下がりに傾斜させているため、すべての棒金Bの上面が左方から目視可能となる。よって、左方からの棒金Bの収納数の目視確認が容易となる。したがって、左側にいる操作者の使い勝手性が向上する。
また、右側の傾斜支持部73Bに取り付けられた端数収納用の棒金トレイ50の棒金収納凹部51は、棒金収納庫12(C)の引き出し方向の前方から見て底部58を右下がりに傾斜させているため、すべての棒金Bの上面が右方から目視可能となる。よって、右方からの棒金Bの収納数の目視確認が容易となる。したがって、右側にいる操作者の使い勝手性が向上する。
つまり、第3実施形態に係る現金管理装置10は、左側の傾斜支持部71Bに取り付けられた棒金トレイ50の棒金収納凹部51と、右側の傾斜支持部73Bに取り付けられた棒金トレイ50の棒金収納凹部51とに、例えば同一金種の棒金Bを収納する設定とすれば、これを左右両側で操作者が操作する可能性が高い場合に使い勝手性が向上する。
なお、第3実施形態においては、左右両側の端数収納用の棒金トレイ50のそれぞれの底部58を左下がりに傾斜させても良く、逆に、左右両側の端数収納用の棒金トレイ50のそれぞれの底部58を右下がりに傾斜させても良い。また、端数収納用の棒金トレイ50を一つのみ設けて底部58を左下がりに傾斜させても良く、端数収納用の棒金トレイ50を一つのみ設けて底部58を右下がりに傾斜させても良い。
また、第1〜第3実施形態においては、収納対象金種が同一金種である場合、形状および大きさが同じ共通部品の棒金トレイ50が端数収納用と満杯収納用とに用いられる場合を例にとり説明したが、端数収納用の棒金トレイと満杯収納用の棒金トレイとが異なっていても良い。
また、第1〜第3実施形態において、水平に対し傾斜する底部58の角度は、上記に限らず、任意に設定することができる。
また、第1〜第3実施形態においては、1カ所の棒金収納凹部51に最大10本の棒金Bを収納する場合を例にとり説明したが、1カ所の棒金収納凹部に10本以外の複数本の棒金Bを収納する場合にも適用可能である。つまり、1カ所の棒金収納凹部に10本よりも少ない例えば最大5本の棒金Bを収納する場合や、1カ所の棒金収納凹部に10本よりも多い例えば最大20本の棒金Bを収納する場合にも適用可能である。
また、第1〜第3実施形態を適宜組み合わせても良い。つまり、1つの棒金収納庫12(C)に、底部58を後下がりに傾斜させている棒金収納凹部51と、底部58を前下がりに傾斜させている棒金収納凹部51と、底部58を左下がりに傾斜させている棒金収納凹部51と、底部58を右下がりに傾斜させている棒金収納凹部51との中から、適宜のものを選択して複数組み合わせて設けることが可能である。
ここで、参考技術ではあるが、端数収納用の棒金トレイの1カ所の棒金収納凹部に10本よりも少ない例えば最大5本の棒金Bを収納する場合に、図7,図8に示すように、端数収納用の棒金収納凹部51C,51Dに棒金Bを左右方向に並べて寝かせた状態で収納するようにしても良い。この場合、図7に示すように端数収納用の棒金収納凹部51Cが、棒金収納庫12(C)の引き出し方向の前方から見て底部58Cを左下がりに傾斜させ、壁部55Cを底部58Cに対し垂直に左上がりに傾斜させても良い。あるいは、図8に示すように端数収納用の棒金収納凹部51Dが、棒金収納庫12(C)の引き出し方向の前方から見て底部58Dを右下がりに傾斜させ、壁部55Dを底部58Dに対し垂直に右上がりに傾斜させても良い。勿論、棒金収納凹部51Cと棒金収納凹部51Dとを1つの棒金収納庫12(C)に左右に並べても良く、棒金収納凹部51Cを複数、1つの棒金収納庫12(C)に左右に並べても良く、棒金収納凹部51Dを複数、1つの棒金収納庫12(C)に左右に並べても良い。これらの場合も、満杯収納用の棒金トレイ50は、第1実施形態と同様とすることができる。
10 現金管理装置
11 現金管理装置本体
12 収納庫
12(C) 棒金収納庫
50 棒金トレイ
51 棒金収納凹部
55 壁部
58 底部
B 棒金

Claims (9)

  1. 現金管理装置本体と、
    該現金管理装置本体に引き出し可能に設けられる収納庫と、を有する現金管理装置であって、
    底部と、前記底部の周縁部から該底部に垂直に延出する壁部とを有して1カ所に複数本の棒金を前記底部から立ち上がる姿勢で収納可能な棒金収納凹部が前記収納庫に設けられており、
    前記棒金収納凹部は前記底部を水平に対し傾斜させていて、
    前記収納庫には、前記棒金収納凹部が複数設けられており、
    これら棒金収納凹部のうち、少なくとも1つが前記底部を水平に対し傾斜させており、少なくとも他の1つが前記底部を水平に配置していて、
    前記底部を水平に対し傾斜させている前記棒金収納凹部を有する棒金トレイと、前記底部を水平に配置している前記棒金収納凹部を有する棒金トレイとが、共通部品であることを特徴とする現金管理装置。
  2. 現金管理装置本体と、
    該現金管理装置本体に引き出し可能に設けられる収納庫と、を有する現金管理装置であって、
    底部と、前記底部の周縁部から該底部に垂直に延出する壁部とを有して1カ所に複数本の棒金を前記底部から立ち上がる姿勢で収納可能な棒金収納凹部が前記収納庫に設けられており、
    前記棒金収納凹部は前記底部を水平に対し傾斜させていて、
    前記底部を水平に対し傾斜させている前記棒金収納凹部は、前記収納庫の引き出し方向の前方から見て前記底部を左下がりに傾斜させていることを特徴とする現金管理装置。
  3. 現金管理装置本体と、
    該現金管理装置本体に引き出し可能に設けられる収納庫と、を有する現金管理装置であって、
    底部と、前記底部の周縁部から該底部に垂直に延出する壁部とを有して1カ所に複数本の棒金を前記底部から立ち上がる姿勢で収納可能な棒金収納凹部が前記収納庫に設けられており、
    前記棒金収納凹部は前記底部を水平に対し傾斜させていて、
    前記底部を水平に対し傾斜させている前記棒金収納凹部は、前記収納庫の引き出し方向の前方から見て前記底部を右下がりに傾斜させていることを特徴とする現金管理装置。
  4. 前記収納庫には、前記棒金収納凹部が複数設けられており、
    これら棒金収納凹部のうち、少なくとも1つが前記底部を水平に対し傾斜させており、少なくとも他の1つが前記底部を水平に配置していることを特徴とする請求項2または3記載の現金管理装置。
  5. 前記底部を水平に対し傾斜させている前記棒金収納凹部を有する棒金トレイと、前記底部を水平に配置している前記棒金収納凹部を有する棒金トレイとが、共通部品であることを特徴とする請求項4記載の現金管理装置。
  6. 現金管理装置本体と、
    該現金管理装置本体に引き出し可能に設けられる収納庫と、を有する現金管理装置であって、
    底部と、前記底部の周縁部から該底部に垂直に延出する壁部とを有して1カ所に複数本の棒金を前記底部から立ち上がる姿勢で収納可能な棒金収納凹部が前記収納庫に、該収納庫の引き出し方向に並んで1列状に複数設けられており、
    これら棒金収納凹部のうち、前記収納庫の引き出し方向の最も前側の1つが前記底部を水平に対し傾斜させており、残りが前記底部を水平に配置していることを特徴とする現金管理装置。
  7. 前記底部を水平に対し傾斜させている前記棒金収納凹部を有する棒金トレイと、前記底部を水平に配置している前記棒金収納凹部を有する棒金トレイとが、共通部品であることを特徴とする請求項6記載の現金管理装置。
  8. 前記底部を水平に対し傾斜させている前記棒金収納凹部は、前記収納庫の引き出し方向を基準として前記底部を後下がりに傾斜させていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項記載の現金管理装置。
  9. 前記底部を水平に対し傾斜させている前記棒金収納凹部は、前記収納庫の引き出し方向を基準として前記底部を前下がりに傾斜させていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項記載の現金管理装置。
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