以下図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、画像形成装置100の要部を示す図である。
画像形成装置100は、タンデム型カラー画像形成装置と呼ばれ、複数組の画像形成手段10Y、10M、10C、10Kと、中間転写ベルト6、給紙装置20、定着装置30等から構成されている。
画像形成装置100の上部には、スキャナー110が設置されている。原稿台上に載置された原稿はスキャナー110の原稿画像走査露光装置の光学系により画像が走査露光され、ラインイメージセンサーに読み込まれる。ラインイメージセンサーにより光電変換されたアナログ信号は、制御手段において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、露光部3Y、3M、3C、3Kに入力される。
画像形成手段10Y、10M、10C、10Kは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の色の画像を形成する。画像形成手段10Yは、像担持体としての感光体ドラム1、帯電極2、露光部3Y、現像装置4、感光体クリーニング部5を有する。画像形成手段10M、10C、10Kについても同様である。
感光体ドラム1は、例えば、有機光導電体を含有させた樹脂からなる感光層をドラム状の金属基体の外周面に形成して構成されており、搬送される用紙Sの幅方向(図1において、紙面に垂直な方向)に伸びる方向で配設されている。感光層を構成する樹脂としては、例えばポリカーボネイト等を用いることができる。なお、感光体ドラム1を用いた構成例について説明したが、これに限られずベルト状感光体を用いてもよい。
帯電極2は、感光体ドラム1の感光体に電荷を与え、感光体ドラム1の表面を一様に帯電する。
露光部3Y、3M、3C、3Kは、スキャナー110によって原稿から読み取られた画像データ又は外部装置から送信された画像データに基づいて、感光体ドラム1の表面に対して露光操作を行うことにより感光体ドラム1上に静電潜像を形成する。
現像装置4は、画像形成手段に対応する色(YMCK)の小粒径のトナーとキャリアからなる2成分現像剤を収容しており、感光体ドラム1上に形成された静電潜像にトナーを付着させる。これによって、感光体ドラム1の表面にトナー像が形成される。
感光体クリーニング部5は、感光体ドラム1に担持されたトナー像が中間転写ベルト6に転写された後に、感光体ドラム1の表面に残留しているトナーを除去する。
中間転写ベルト6は、複数のローラーにより、回転可能に支持されている。中間転写ベルト6は無端ベルトであり、例えば変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電材料を分散した厚さ0.04〜0.10mmの半導電性シームレスベルトである。
画像形成手段10Y、10M、10C、10Kにより感光体ドラム1上に形成された各色のトナー像は、回転する中間転写ベルト6上に一次転写ローラー7Y、7M、7C、7Kにより逐次転写されて(一次転写)、合成されたカラー画像が形成される。一方、画像転写後の感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kは各色のクリーニング部5のクリーニングブレードにより残留トナーが除去される。
給紙装置20の用紙収納部21内に収容された用紙Sは、第一給紙部22により給紙され、給紙ローラー23、24、25A、25B、レジストローラー26(第二給紙部)等を経て、二次転写ベルト9に搬送され、用紙S上にカラー画像が転写される(二次転写)。
定着装置30は、二次転写ベルト9においてカラー画像が転写された用紙Sを挟持し、熱と圧力とを加えることによりカラー画像を定着し用紙S上に固定する。用紙Sは搬送ローラー対37に挟持されて搬送され、排紙搬送路に設けられた排紙ローラー27から排出され、機外の排紙トレイ90上に載置される。
一方、二次転写ベルト9により用紙Sにカラー画像を転写した後、中間転写ベルト6は用紙Sを曲率分離し、中間転写ベルト6上の残留トナーはクリーニング部66のクリーニングブレード66Aにより除去される。また、クリーニング部96のクリーニングブレード96Aにより二次転写ベルト9の表面に付着したトナー(パッチ)等が除去される。
用紙Sの両面に複写する場合には、用紙Sの第1面に形成した画像を定着処理した後、用紙Sを分岐板29により排紙搬送路から分岐させ、両面搬送路28に導入して表裏反転して再び給紙ローラー25Bから搬送される。用紙Sは画像形成手段10Y、10M、10C、10Kによって第2面に各色の画像が両面に形成され、定着装置30により加熱定着処理され、排紙ローラー27によって装置外に排出される。
制御部50は、CPUとメモリを備えており、メモリに記憶しているプログラムをCPUが実行することにより各種制御を実行する。
図2は、クリーニングブレード96A周辺を示す図である。二次転写ベルト9は紙面と平行に図2の上下方向に伸びており、二次転写ベルト9の上に潤滑剤Lが供給されている状態である。潤滑剤Lは、二次転写ベルトの回転に伴って図2の上から下の向きに運ばれ、クリーニングブレードエッジ96Bによって掻きとられる。
クリーニングブレードエッジ96Bは、二次転写ベルト9の回転に対向する方向(カウンター方向)で二次転写ベルト9に当接して、二次転写ベルト9上のトナー等を掻きとる。
クリーニングブレード端部シール96Cは、クリーニングブレード96Aの外側(クリーニングブレード96Aが異物を掻きとれない位置)にトナー等が漏れ出さないように設けられる。
潤滑剤Lは、潤滑剤供給手段によって二次転写ベルト9に供給され、クリーニングブレードエッジ96Bによって掻きとられる。これによってクリーニングブレードエッジ96Bに潤滑剤が供給され、クリーニングブレードエッジ96Bと二次転写ベルト9との間の摺擦抵抗が減少し、クリーニングブレード96Aのめくれが防止できる。
図2においては、クリーニングブレードエッジ96Bに対し潤滑剤Lの位置が一方の端部から他方の端部まで全体に潤滑剤が供給される位置となっているため、クリーニングブレードエッジ96B全体に潤滑剤を供給することができる。
図3は、装置本体に架台が取り付けられる際に、取り付け位置が本来の位置に対してずれている場合のクリーニングブレード96A周辺を示す図である。図4から図6は二次転写ユニットを説明するための図である。図4は、二次転写ユニット周辺を示す図である。図5は、二次転写ユニットの斜視図(図4とほぼ同じ向きの図)である。図6は、二次転写ユニットの断面図(図1と同じ向きの図)である。
本実施の形態の画像形成装置においては、二次転写ユニットが二次転写ベルト9及びクリーニング部96を有しており、装置本体から出し入れ可能な架台上に少なくとも二次転写ユニットが配置される。
ジャムの発生時やメンテナンス時に架台が引き出され、その後装置本体に架台が取り付けられる際、取り付け位置が本来の位置に対してずれる場合がある。装置本体に対して架台がずれると、それに伴って架台上に配置されたクリーニングブレード96Aもずれる。例えば、架台が図4の矢印Dの向きにずれると、クリーニングブレード96Aも図3の矢印Dの向きにずれる。
一方、潤滑剤供給手段は装置本体に取り付けられているので、潤滑剤は架台のずれとは関係なく二次転写ベルト9上に供給される。そのため、クリーニングブレード96Aに対して潤滑剤Lが適切な位置に供給されない。したがって、図3の点線で囲まれた箇所は潤滑剤が供給されず、クリーニングブレード96Aがめくれやすい状態となる。
本実施の形態の画像形成装置は、架台にずれが生じていても潤滑剤Lが適切な位置に供給されるように潤滑剤Lの位置を補正する(図3の状態から図2の状態へ補正する)ことを特徴とする。
詳細には、装置本体に対する架台の取り付け位置(相対位置)を位置検出センサー97によって検出し、その検出結果に基づき潤滑剤供給手段による潤滑剤Lの供給位置を補正する。
取り付け位置の検出方法としては、例えば、架台とともに引き出されるように位置検出センサー97を図4及び図5に示す位置に設け、取り付け位置が検出できるように二次転写ベルト9上に潤滑剤Lを供給し(図5参照)、この潤滑剤Lの位置を位置検出センサー97によって検出し、この検出(潤滑剤Lの位置)によって架台の取り付け位置を検出する方法がある(図7以降で説明する)。この方法では、潤滑剤Lの位置が架台のずれに依存しない(潤滑剤Lの位置は装置本体の位置によって定まる)ことを利用している。
位置検出センサー97として用いるセンサーとしては、例えばラインセンサーやエリアセンサー等を用いることができる。ラインセンサーを用いる場合、取り付け位置を検出するためには少なくとも用紙搬送方向に垂直な方向(架台の引き出し・取り付け方向)にラインセンサーを設ける必要がある。
取り付け位置の検出方法は、潤滑剤Lに限らず装置本体側の部材(例えば中間転写ベルト6)の位置を検出してもよいし、装置本体側に位置検出センサー97を設けて架台側の部材の位置を検出してもよい。装置本体に対する架台の相対位置が検出できる構成であれば良い。
また、位置検出センサー97による検出結果は制御部50に送信され、制御部50は受信した検出結果に基づき潤滑剤供給手段による潤滑剤Lの供給位置を補正する。例えば、潤滑剤Lの位置に対して基準位置を予め定めておき、制御部50は、位置検出センサー97によって検出された潤滑剤Lの位置に基づいて基準位置との差を算出する。そして、算出した差に基づいて供給位置の補正量を算出し、潤滑剤供給手段の供給位置を算出した補正量だけずらして供給させればよい。
以上のような構成とすることによって、架台の出し入れによって装置本体と架台との間に位置ずれが生じても、潤滑剤Lの供給位置が補正されるので、クリーニングブレード96Aに潤滑剤を適切に供給し、クリーニングブレード96Aのめくれを防止することができる。これによってさらに、二次転写ベルト9上の異物を確実に除去することができるので、良好な画像を形成することができる。
また、装置本体に対する架台の取り付け位置の検出方法として、潤滑剤供給手段によって二次転写ベルト9上に供給された潤滑剤Lの位置を位置検出センサー97によって検出する場合は、潤滑剤Lの基準位置からのずれが直接把握できるので、潤滑剤Lの供給位置をより正確に補正することができる。
また、潤滑剤供給手段は少なくともクリーニングブレード96Aの長手方向の長さ以上の長さの潤滑剤Lを供給する必要がある。クリーニングブレード96Aよりも短い潤滑剤Lを用いる場合は、クリーニングブレード96Aの端部まで潤滑剤を供給することができない。さらに、潤滑剤供給手段はクリーニングブレード96Aの長手方向の長さと同じ長さで潤滑剤Lを供給し、一方の端部から他方の端部まで潤滑剤が供給されるように潤滑剤Lの供給位置を補正することが好ましい。このような構成とすることによって、クリーニングブレード96Aよりも長い潤滑剤Lを用いる場合と比較して、潤滑剤の消費量を抑えることができるとともに、クリーニングブレード端部シール96Cから潤滑剤が漏れ出すことを防止することができる。
次に、図7以降を用いて本実施の形態をより具体的に説明する。
以下では、潤滑剤としてトナー像を用いる場合について説明するが、他の潤滑剤であってもよい。潤滑剤としてトナー像を用いる場合は、画像形成手段10Y、10M、10C、10K(の少なくとも一つ)及び感光体ドラム1、中間転写ベルト6によって潤滑剤供給手段を構成することができるので、部品を増加させることなく二次転写ベルト9上に潤滑剤L(トナー像)を供給することができる。
また、潤滑剤用にトナー像を供給するのみならず、濃度検出用のパッチを潤滑剤として用いてもよい。その場合は、濃度検出用のパッチを潤滑剤として用いない場合と比べてトナー消費量を減らすことができる。
以下の実施の形態では、位置検出センサー97によって位置が検出されるトナー像(位置検出パッチ)と、位置検出パッチの位置に基づいて供給位置が補正されて供給されるトナー像(供給パッチ)の2種類のトナー像(以下、位置検出パッチと供給パッチを合わせてクリーニングパッチと呼ぶ)の供給についてそれぞれ説明する。本実施の形態においては、位置検出パッチ及び供給パッチは濃度検出用のパッチではなく、それぞれ位置検出、潤滑剤供給のために二次転写ベルト9上に供給されるためのトナー像である。
図7は、位置検出パッチを供給する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS101において、制御部50は、装置本体の電源がONとなったこと又は前扉が開閉されたことを検知したかどうかを判断する。前扉は、装置本体に備えられ、装置本体から架台を出し入れする際に開閉させる扉である。
装置本体の電源OFF時には、メンテナンス等を目的に架台の出し入れが行われる可能性がある。装置本体の電源がONとなった場合に架台の取り付け位置を検出することで、常に架台の取り付け位置を把握することができるので、クリーニングブレード96Aに確実に潤滑剤を供給することができる。
また、前扉が開閉された場合は、ジャム処理等を目的に架台の出し入れが行われる可能性がある。前扉が開閉された場合に架台の取り付け位置を検出することで、常に架台の取り付け位置を把握することができるので、クリーニングブレード96Aに確実に潤滑剤を供給することができる。
制御部50は、装置本体の電源がONとなったこと又は前扉が開閉されたことを検知した場合(ステップS101で“YES”)、ステップS102に処理を進める。
ステップS102において、制御部50は、クリーニングブレード96Aのライフが所定以上経過しているか否かを判断する。クリーニングブレード96Aのライフとは、クリーニングブレード96Aの使用状況(使用期間等)を示す。ここでは、クリーニングブレード96Aのライフは、クリーニングブレード96Aが使用開始されてから(画像形成装置の出荷時又はクリーニングブレード96Aの交換時から)のプリント枚数によって推測する。すなわち、ステップS102において、クリーニングブレード96Aが使用開始されてからのプリント枚数が所定枚数に達しているか否かを判断する。閾値として用いるプリント枚数は、例えば2000枚とすることができる。
クリーニングブレード96Aのライフは、使用状況が分かればどのような情報でもかまわない。例えば、クリーニングブレード96Aが使用開始されてからのローラー(例えば、二次転写ベルト9が懸架されるローラー)の回転数や経過時間等によって判断してもよい。
クリーニングブレード96Aのライフが所定以上経過していない場合(ステップS102で“NO”)、クリーニングブレード96Aは使用期間が短く、クリーニングブレードエッジ96Bが新しい状態である。クリーニングブレードエッジ96Bは、二次転写ベルト9上の異物をもれなく掻きとるため、新しい状態では二次転写ベルト9との摺擦抵抗が大きくなるように設計されている。よって、クリーニングブレード96Aのライフが所定以上経過していない場合は二次転写ベルト9との間の摺擦抵抗が大きく、めくれやすい。したがって、めくれを防止するためにクリーニングパッチを多く供給する必要があるので、制御部50は位置検出パッチを大量パターンで供給させる(ステップS103)。
逆に、クリーニングブレード96Aのライフが所定以上経過している場合(ステップS102で“YES”)、クリーニングブレードエッジ96Bは新しい状態と比べて摩耗により用紙搬送方向に短くなっている。そのため、クリーニングブレードエッジ96Bと二次転写ベルト9との間の摺擦抵抗は小さくなっており、めくれにくい状態である。したがって、めくれを防止するためのクリーニングパッチは少量でよいため、制御部50は位置検出パッチを少量パターンで供給させる(ステップS104)。
ここで、大量パターンと少量パターンとは、クリーニングパッチの量が異なる。クリーニングパッチの量を変更する方法としては、形状(面積)を変えるほか、濃度を変えてもよい。ただし、位置検出パッチは位置検出センサー97によって検出できることが必要である。また、少なくとも大量パターンはクリーニングブレード96Aの長手方向の長さ以上の長さの潤滑剤Lを供給する必要がある。
位置検出パッチ供給後(ステップS103又はステップS104終了後)、制御部50は位置検出センサー97に位置検出パッチの位置を検出させる(ステップS105)。
続くステップS106において、制御部50は、位置検出センサー97の検出結果に基づき供給パッチの供給位置補正量を算出し記憶する。
図8は、供給パッチを供給する処理の一例を示すフローチャートである。
供給パッチを供給する処理は、画像形成ジョブを行う場合、用紙の搬送に伴って開始する。供給パッチは、用紙搬送方向において用紙の前後(複数の用紙が搬送される場合は紙間)や用紙搬送方向に垂直な方向において用紙の外側に供給される。
ステップS201において、制御部50は、クリーニングブレード96Aのライフが所定以上経過しているか否かを判断する。
クリーニングブレード96Aのライフが所定以上経過していない場合(ステップS201で“NO”)、制御部50は、供給パッチを大量パターンで供給させる(ステップS202)。
クリーニングブレード96Aのライフが所定以上経過している場合(ステップS201で“YES”)、制御部50は、供給パッチを少量パターンで供給させる(ステップS203)。
供給パッチの供給(ステップS202又はステップS203)においては、図7のステップS106で記憶した供給位置補正量を呼び出し、供給位置を補正した上で供給パッチを供給させる。
供給パッチを供給すると、制御部50は、ジョブが終了しているか否かを判断する(ステップS204)。
ジョブが終了している場合(ステップS204で“YES”)、供給パッチを供給する処理を終了する。
ジョブが終了していない場合(ステップS204で“NO”)、ステップS201から処理を繰り返す(少量パターンなら紙間で供給(図12)。大量パターンなら紙間に加え用紙端部にも供給(図11))。これによって、二次転写ベルト9が回転している間(二次転写ベルト9とクリーニングベルト96Aが摺擦している間)供給パッチを供給し続けることができる。
供給パッチでクリーニングパッチの量を変更する方法として、供給する頻度を変えてもよい(紙間に供給する場合、何枚毎に供給するかを変えてもよい)。
また、供給パッチを供給する処理(図8のフローチャート)の中では、位置検出センサー97を用いて供給パッチの位置を検出していないが、装置本体に架台がセットされた後も架台の位置がずれる状況であれば、位置検出パッチを供給する処理(図7のフローチャート)のように供給パッチの位置を検出する構成としてもよい。
図9から図12は、クリーニングパッチを供給する際の形状の一例を示す図である。矢印は用紙搬送方向(二次転写ベルト9の回転方向)を示す。図9から図12は、図5を上から見た状態である。二次転写ベルト9が紙面に平行に伸びており、その上に潤滑剤L(クリーニングパッチ)が供給されている。また、位置検出センサー97が二次転写ベルト9から上に離れて設けられている。
図9は、位置検出パッチの供給において、大量パターンで供給する場合(図7のステップS103)の形状の一例を示す図である。
クリーニングブレード96Aのライフが所定以上経過していない場合は、クリーニングブレード96Aのめくれが生じやすいため、クリーニングブレードエッジ96B全体に潤滑剤が供給できるよう(図9の状態から二次転写ベルト9によってクリーニングブレードエッジ96Bに潤滑剤が運ばれた際に、図2の状態になるよう)クリーニングブレード96Aの長手方向に位置検出パッチが供給される。すなわち、ここでもクリーニングブレード96Aの長手方向の長さと同じ長さで位置検出パッチを供給することが好ましい。
また、図9で用紙搬送方向に線状に供給されている位置検出パッチは、位置検出センサー97に確実かつ正確に位置検出パッチの位置を検出させるために供給される。ここでは、位置検出パッチは線状に供給されているが、用紙搬送方向に垂直な方向に幅をもたせてもかまわない。用紙搬送方向に垂直な方向に位置検出パッチの幅を小さくすることで、トナーの消費を抑えることができる。
また、位置検出センサー97の位置検出の方法によっては図9で用紙搬送方向に線状に供給されている位置検出パッチはなくてもよい。すなわち、用紙搬送方向に線状に供給される位置検出パッチがなくても、クリーニングブレード96Aの長手方向に供給される位置検出パッチのみで位置検出センサー97が位置検出パッチの位置を検出できる場合は、用紙搬送方向に線状に供給されている位置検出パッチをなくすことができる。また、用紙搬送方向に線状に供給されている位置検出パッチの用紙搬送方向における長さを、位置検出センサー97が位置検出パッチの位置を検出できる範囲で適宜変更してもよい。
また、用紙搬送方向に線状に供給されている位置検出パッチは、図9ではクリーニングブレード96Aの長手方向端部に対応する位置に供給されているが、クリーニングブレード96Aの長手方向中央付近に対応する位置に供給してもよい。用紙搬送方向に線状に供給されている位置検出パッチのクリーニングブレード96Aの長手方向における位置は、位置検出センサー97が設けられる位置などに応じて適宜変更が可能である。
さらに、用紙搬送方向に線状に供給されている位置検出パッチは、クリーニングブレード96Aの長手方向に供給される位置検出パッチを起点とし、用紙搬送方向において上流側(二次転写ベルト9の回転において上流側)に向かって線状に伸びているが、用紙搬送方向において下流側(二次転写ベルト9の回転において下流側)に向かって線状に伸びていてもかまわない。また、上流側と下流側との両側に伸びていてもかまわない。
なお、用紙搬送方向に線状に供給されている位置検出パッチは、線状に限らず位置検出センサー97によって位置検出が可能であれば様々な形状とすることができる。線状にすることで、位置検出センサー97がより確実かつ正確に位置検出パッチの位置を検出することができる。
図10は、位置検出パッチの供給において、少量パターンで供給する場合(図7のステップS104)の形状の一例を示す図である。図10は図9のクリーニングブレード96Aの長手方向に供給される位置検出パッチがないものに相当する。
クリーニングブレード96Aのライフが所定以上経過している場合は、クリーニングブレード96Aのめくれが生じにくいため、クリーニングブレード96Aの長手方向に対する位置検出パッチは不要である。そのため、トナーの消費を抑える目的で用紙搬送方向に線状に位置検出パッチが供給される。ただし、位置検出パッチの供給において大量パターンで供給する場合(図9)と同様に、用紙搬送方向に線状に供給されている位置検出パッチの形状や位置は位置検出センサー97が位置検出パッチの位置を検出できる範囲で適宜変更することができる。
また、位置検出パッチの供給において、大量パターン(図9)と少量パターン(図10)を比較した場合に、位置検出パッチの量が大量パターンよりも少量パターンのほうが少なくなっていればよい。したがって、クリーニングブレード96Aの長手方向に供給される位置検出パッチをなくすほか、クリーニングブレード96Aの長手方向に供給される位置検出パッチの面積を小さくしてもよいし、クリーニングブレード96Aの長手方向に供給される位置検出パッチの濃度を低くしてもよい。
図11は、供給パッチの供給において、大量パターンで供給する場合(図8のステップS202)の形状の一例を示す図である。
供給パッチは、二次転写ベルト9に用紙が搬送されているときに供給される。供給パッチが大量パターンで供給される場合は、二次転写ベルト9上で搬送される用紙を囲うように供給パッチが供給される。用紙搬送方向に垂直な方向において用紙の外側にも供給パッチを供給することで、クリーニングブレードエッジ96Bの端部により多くの潤滑剤を供給できる。図11に示す供給パッチのように、必ずしも用紙の四方を供給パッチで完全に囲んでいなくてもよい(用紙の四方を供給パッチで囲んでもよい)。
ただし、用紙搬送方向に垂直な直線上に用紙を含む場合(紙間でない場合)に用紙の外側に供給パッチを供給するのが好ましい。クリーニングブレード96Aのライフが所定以上経過していない場合はクリーニングブレード96Aのめくれが生じやすいため、このようにすることで、紙間のみに供給パッチを供給する場合と比較して、クリーニングブレード96Aの端部に対応する位置により多くの潤滑剤を供給でき、クリーニングブレード96Aのめくれを防止することができる。
図11では、用紙毎に供給パッチが供給されている(紙間で供給パッチが分断されている)が、用紙搬送方向に供給パッチが分断されずに連続して供給されてもよい。
図12は、供給パッチの供給において、少量パターンで供給する場合(図8のステップS203)の形状の一例を示す図である。
クリーニングブレード96Aのライフが所定以上経過している場合は、クリーニングブレード96Aのめくれが生じにくいため、トナーの消費を抑える目的で紙間のみに供給パッチが供給される。
ただし、供給パッチの供給において、大量パターン(図11)と少量パターン(図12)を比較した場合に、供給パッチの量が大量パターンよりも少量パターンのほうが少なくなっていればよい。したがって、図12で示したように用紙搬送方向に垂直な方向において用紙の外側の供給パッチをなくすほか、供給パッチの面積を小さくしてもよいし(用紙搬送方向に垂直な方向において用紙の外側の供給パッチを不連続に供給する場合も含む)、供給パッチの濃度を低くしてもよい。
クリーニングパッチを大量パターン(図9及び図11)で供給する場合、できるだけ多くのクリーニングパッチを供給するために、できるだけ高い濃度で供給することが好ましい。画像形成装置に対し濃度の最大値(最大濃度)が定められていれば、最大濃度とすることが好ましい。なお、使用する色の種類は何種類(何色)でもよい。1色のみでの最大濃度としてもよいし、複数色(2色、3色、4色)での最大濃度としてもよい。
図13は、供給パッチを供給する処理(図8参照)に、さらに用紙位置検出センサーによって用紙位置を検出し、検出した用紙位置に基づいて供給パッチの供給位置を補正する処理を加えた場合のフローチャートの例である。用紙位置検出センサーは用紙位置が検出できる場所に設けられればどこに設けられてもよいが、例えば、位置検出センサー97の近傍など、二次転写ベルト9から上に離れた場所に設けられる。
ステップS301〜S304は、図8のステップS201〜S204と同様である。
供給パッチを大量パターンで供給後(ステップS302の後)、ステップS305において、制御部50は用紙位置検出センサーに用紙両側のエッジ(用紙搬送方向に平行なエッジ)を検出させる。
ステップS306において、制御部50は、用紙位置検出センサーを用いて検出した用紙のエッジに基づき、供給パッチを大量パターンで供給する場合の供給位置の補正量を算出し記憶する。ここでの補正は、用紙搬送方向に垂直な方向において用紙の外側から用紙のエッジに向かって供給位置を補正する。この補正によって、クリーニングパッチが供給される幅が用紙搬送方向に垂直な方向へ広がり、より多くの量のクリーニングパッチを供給できる。
供給パッチの供給後、ステップS304の判定においてジョブが終了しておらず、次の供給パッチが大量パターンでの供給となった場合(ステップS302に進んだ場合)、ステップS306で算出し記憶した補正量に基づき供給位置を補正したうえで供給パッチ(大量パターン)を供給する。
供給位置の補正は、用紙のエッジと所定距離になるまで幅を広げることを繰り返し、徐々に用紙のエッジに近づけていくように補正するのが好ましい。このようにすることで、誤って用紙上に供給パッチを供給してしまうことを防止できる。
ここで所定距離は、画像形成手段10Y、10M、10C、10Kや像担持体の性能や仕様等に基づいて絶対値として定めてもよいし、用紙位置検出センサーを用いて検出された用紙のエッジと位置検出センサー97を用いて検出された供給パッチとの差(距離)に基づいて相対的に定めてもよい(差に対する割合で定めてもよい)。
また、用紙位置検出センサーは、用紙のエッジが検出できる構成であればよく、位置検出センサー97と同一部材であってもよい。位置検出センサー97を用紙位置検出にも用いた場合、省スペース化及び部品点数の削減(低コスト化)ができる。
以上図7から図13で説明した実施形態のように、クリーニングパッチを位置検出パッチ(位置検出センサー97によって位置を検出させる)と供給パッチ(位置検出パッチの位置に基づいて供給位置が補正され供給される)とに分けて供給することによって、それぞれの目的に応じた方法で供給することができるので、適切かつ効率良くクリーニングブレード96Aに潤滑剤を供給することができる。
また、位置検出パッチの形状と供給パッチの形状とを異なる形状とすることによって、それぞれのクリーニングパッチの用途に合わせてパッチの形状を変えることができるので、効率良くクリーニングブレード96Aに潤滑剤を供給することができる。
また、供給パッチの量を位置検出パッチの量よりも多くすることによって、画像形成時に十分な量の潤滑剤を供給でき、位置検出の際には潤滑剤の消費を必要最小限に抑えることができる。
ここで、供給パッチの量を位置検出パッチの量よりも多くする方法は、形状の面積を大きくするほかにクリーニングパッチの濃度を高く(濃く)してもよい。よって、位置検出パッチの形状の面積が供給パッチの形状の面積よりも大きくなくてもよい。面積が同じであっても、濃度が高くなっていればよい。
また、位置検出パッチは、装置本体の電源ONを検知した場合又は架台の出し入れを検知した場合に供給されるように構成することで、常に架台の取り付け位置を把握することができるので、クリーニングブレード96Aに確実に潤滑剤を供給することができる。
また、供給パッチは、二次転写ベルト9に用紙が搬送されているときに供給されるように構成することで、二次転写ベルト9が回転している間(二次転写ベルト9とクリーニングベルト96Aが摺擦している間)供給パッチを供給することができる。
また、クリーニングブレード96Aのライフに応じて二次転写ベルト9上に供給されるクリーニングパッチの量を変更するので、クリーニングパッチを必要な量だけ供給することができ、トナーの消費量を抑えることができる。クリーニングパッチの量を変更する方法は、供給パッチの量を位置検出パッチの量よりも多くする方法と同様に、面積や濃度を変更することができる。
また、本実施の形態においては、少量パターンと大量パターンの2つのパターンに分けてクリーニングパッチの量を変更したが、クリーニングブレード96Aのライフに応じて3つ以上のパターンに分けてクリーニングパッチの量を変更してもよい。また、クリーニングブレード96Aのライフに応じてクリーニングパッチの量を徐々に減らしてもよい。
また、二次転写ベルト9上に搬送された用紙の位置を検出する用紙位置検出センサーを備えた場合には、用紙位置検出センサーの検出結果に基づいて供給パッチの形状を補正することができるので、用紙位置検出センサーを用いない場合と比較してより適切にクリーニングブレード96Aに潤滑剤を供給することができる。
さらに、用紙の外側から用紙位置検出センサーで検出された用紙のエッジに向かって供給パッチが供給される幅を広げることで、用紙外の領域において用紙のエッジにできるだけ近い位置まで供給パッチを供給することができ、クリーニングパッチ96Aに供給される潤滑剤の幅を広げることができる。
また、本実施の形態においては、用紙位置検出センサーは用紙両側のエッジを検出する構成であったが、用紙先端および用紙後端(の少なくとも一つ)を検出する構成であってもよい。用紙先端や用紙後端を検出する構成では、検出した用紙先端や用紙後端の位置情報に基づき、紙間に供給される供給パッチの幅を用紙搬送方向に広げるように供給位置を補正することができる。このように供給パッチの幅を広げてもよいし、検出した用紙先端や用紙後端の位置情報に基づいて供給パッチを用紙搬送方向に移動させてもよい。これにより、供給パッチを紙間に供給させる場合に、供給パッチが用紙に付着するおそれを低減させることができる。また、用紙両側のエッジと併せて四方のエッジすべてを検出してもよい。四方のエッジのうち任意のエッジを選択して検出してもよい。