JP6488145B2 - アクティブ制振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アクティブ制振装置に関する。
振動を発生する振動源と、振動源からの振動を受振する受振側建物との間にアクティブ制振装置を設置する地盤振動伝達抑制システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−001668号公報
ところで、工事現場等の振動発生敷地で発生した振動が振動発生敷地の周囲にある領域(以下、「振動低減対象領域」という)に伝達されると、問題になる可能性がある。
この対策として、例えば、振動低減対象領域にアクティブ制振装置を設置し、当該振動低減対象領域に伝達される振動を低減することが考えられる。
しかしながら、振動低減対象領域には、設置スペースや設置許諾等の問題からアクティブ制振装置を設置することが困難な場合がある。
本発明は、上記の事実を考慮し、振動発生敷地から振動低減対象領域に伝達される振動を低減することを目的とする。
第1態様に係るアクティブ制振装置は、振動源を有すると共に敷地境界線で区画された振動発生敷地に設置され、該振動発生敷地の振動を検出する振動検出部と、前記振動検出部で検出された前記振動発生敷地の振動に基づいて、前記振動発生敷地から該振動発生敷地の周囲にある振動低減対象領域に伝達された振動を打ち消す制振力を発生する制振力発生部と、を備える。
第1態様に係るアクティブ制振装置によれば、振動検出部及び制振力発生部は、振動源を有すると共に敷地境界線で区画された振動発生敷地に設置される。この制振力発生部は、振動検出部で検出された振動発生敷地の振動に基づいて、当該振動発生敷地から振動低減対象領域へ伝達された振動を打ち消す制振力を発生する。これにより、振動低減対象領域の振動が低減される。
このように本発明では、振動低減対象領域に振動検出部及び制振力発生部を設置せずに、振動低減対象領域の振動を低減することができる。
第2態様に係るアクティブ制振装置は、第1態様に係るアクティブ制振装置において、前記振動検出部及び前記制振力発生部は、前記振動源よりも前記振動低減対象領域側に設置される。
第2態様に係るアクティブ制振装置によれば、振動検出部及び制振力発生部は、振動源よりも振動低減対象領域側に設置される。これにより、振動検出部と振動低減対象領域との距離が短くなるため、振動検出部で発生する振動と振動低減対象領域で発生する振動との差異が小さくなる。したがって、振動低減対象領域の振動に応じた制振力を制振力発生部に発生させ易くなる。よって、振動低減対象領域の振動をより効率的に低減することができる。
第3態様に係るアクティブ制振装置は、第1態様又は第2態様に記載のアクティブ制振装置において、前記制振力発生部と前記振動検出部との距離は、前記制振力発生部と前記振動低減対象領域との最短距離以上とされる。
第3態様に係るアクティブ制振装置によれば、制振力発生部と振動検出部との距離は、制振力発生部と振動低減対象領域との最短距離以上とされる。
ここで、制振力発生部は、振動検出部で検出された振動に基づいて制振力を発生する。この制振力は、振動低減対象領域に伝達されるまでに、制振力発生部と振動低減対象領域との距離に応じて減衰される。そのため、制振力発生部から振動低減対象領域までの距離が、制振力発生部から振動検出部までの距離よりも長くなると、制振力発生部から振動低減対象領域に伝達される制振力が、制振力発生部から振動検出部に伝達される制振力よりも小さくなる可能性がある。つまり、制振力発生部から振動低減対象領域に伝達される制振力が、振動低減対象領域が本来必要とする制振力よりも小さくなる可能性がある。
これに対して本発明では、前述したように制振力発生部と振動検出部との距離は、制振力発生部と振動低減対象領域との最短距離以上とされる。これにより、制振力発生部から振動低減対象領域に伝達される制振力を振動低減対象領域が本来必要とする制振力以上にすることができる。したがって、振動低減対象領域の振動をより効率的に低減することができる。
以上説明したように、本発明に係るアクティブ制振装置によれば、振動発生敷地から振動低減対象領域に伝達される振動を低減することができる。
本発明の一実施形態に係るアクティブ制振装置が設置された工事現場を示す平面図である。 図1に示されるアクティブ制振装置の制振力発生部の振動モデルを示す模式図である。 図1に示される仮囲いの背面側に制振力発生部が設置された状態を示す縦断面図である。 比較実験の実験結果を示すグラフである。 振動源としての重機から振動検出部までの距離と、重機から振動低減対象領域の基準点までの距離との関係を示す図1に対応する平面図である。 図1に示される制振力発生部及び振動検出部の設置方法を説明する図1に対応する平面図である。 図1に示される制振力発生部及び振動検出部の設置位置の変形例を示す図1に対応する平面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態に係るアクティブ制振装置について説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係るアクティブ制振装置30は、例えば、振動発生敷地としての工事現場10に設置され、当該工事現場10からその周囲にある近隣構造物20A,20B,20C等に伝達される振動を低減するものである。
なお、本実施形態では、複数の近隣構造物20A,20B,20Cのうち、1つの近隣構造物20Bを振動低減対象とし、この近隣構造物20Bが建てられた領域を振動低減対象領域22とする。
工事現場10は、敷地境界線12によって区画されている。また、工事現場10では、敷地境界線12に沿って仮囲い14が仮設されている。この工事現場10は、バックホー等の重機16A,16B,16Cが作業する作業領域10Aと、重機16A,16B,16Cが作業しない非作業領域10Bとを有している。
作業領域10Aは、例えば、工事現場10の中央部に位置する。この作業領域10Aでは、重機16A,16B,16Cの走行や作業に伴って振動が発生する。そのため、本実施形態では、作業領域10A全体を振動源(広義の振動源)として取り扱うものする。なお、作業領域10Aでは、重機16A,16B,16Cに限らず、トラックの走行や杭打ち機の作業によっても振動が発生する。
一方、非作業領域10Bは、工事現場10の外周部に位置する。つまり、非作業領域10Bは、作業領域10Aと振動低減対象領域22との間に位置する。この非作業領域10Bでは、基本的に重機16A,16B,16Cが作業しないため、振動が発生し難くなっている。
ここで、非作業領域10Bには、アクティブ制振装置30が設置されている。アクティブ制振装置30は、例えば、振動検出部32と、制振力発生部34と、制御部42(図2参照)とを備えている。
振動検出部32は、工事現場10の非作業領域10Bに設置され、当該非作業領域10Bの振動を検出する検出器とされる。より具体的には、振動検出部32は、非作業領域10Bの地盤の振動に伴って当該地盤に発生する加速度、速度又は変位等の振動情報を検出する加速度センサ、速度センサ又は変位センサとされる。
図2に示されるように、制振力発生部34は、台座35と、一対の第1可動マス36A及び第2可動マス36Bと、第1弾性部材38Aと、第2弾性部材38Bと、アクチュエータ40とを有している。台座35は鋼板等で板状に形成されており、非作業領域10Bの地盤G上に設置されている。第1可動マス36Aは、第1弾性部材38Aを介して台座35に上下方向に振動可能に支持されている。この第1可動マス36Aは、振動に伴って制振力(慣性力)を発生する。また、第1弾性部材38Aは、例えば、コイルばねやゴム等で形成される。
第2可動マス36Bは、第2弾性部材38Bを介して第1可動マス36Aに上下方向に振動可能に支持されている。この第2可動マス36Bは、振動に伴って制振力(慣性力)を発生する。また、第2弾性部材38Bは、第1弾性部材38Aと同様に、例えばコイルばね、天然ゴム又はゴム等で形成される。
ここで、第1可動マス36Aと第2可動マス36Bとは、第2弾性部材38Bによって力学的に直列に連結されている。これにより、第1可動マス36A、第2可動マス36B、第1弾性部材38A及び第2弾性部材38Bによって、2自由度2質点系の振動系が構成されている。換言すると、本実施形態では、第1可動マス36A及び第1弾性部材38Aで構成された振動系(1自由度1質点系)に、第2可動マス36B及び第2弾性部材38Bで構成された他の振動系(1自由度1質点系)が積層されて2自由度2質点系の振動系が構成されている。
第2可動マス36B上には、当該第2可動マス36Bを上下方向に加振するアクチュエータ40が設置されている。アクチュエータ40は、例えば、リニアモータ、ピエゾアクチュエータ又はサーボモータ等とされる。このアクチュエータ40には、制御部42が電気的に接続されている。
なお、アクチュエータ40の設置位置は、第2可動マス36B上に限らない。例えば、第1可動マス36Aと第2可動マス36Bとの間や台座35と第1可動マス36Aとの間にアクチュエータ40を設置し、アクチュエータ40によって第1可動マス36A及び第2可動マス36Bの少なくとも一方を加振するように構成しても良い。
制御部42は、例えば、フィードバック回路を有する電気回路等を有して構成されており、工事現場10に設置される。この制御部42は、振動検出部32で検出された非作業領域10Bの振動(振動情報)に基づき、第1可動マス36A及び第2可動マス36Bが非作業領域10Bとは逆位相で振動するように、アクチュエータ40の動作をフィードバック制御する。これにより、第1可動マス36A及び第2可動マス36Bが発生する制振力によって非作業領域10Bの振動が打ち消され、当該非作業領域10Bの振動が低減される。これと同様に、後述する振動低減対象領域22の振動も低減される。
なお、アクチュエータ40の制御方法としては、例えば、古典的なPID制御や周波数整形フィルタ、あるいはH制御(H−infinity Control)などの現代制御理論等を用いることができる。
また、本実施形態では、制振力発生部34は、2自由度2質点系の振動系を構成しているが、制振力発生部34の構成はこれに限らない。制振力発生部は、例えば、1自由度1質点系の振動系とされても良いし、3自由度3質点以上(多自由度多質点)の振動系とされても良い。さらに、制振力発生部は、振動系を構成せずに、単に地盤を加振する加振器(アクチュエータ)とされても良い。
ここで、前述したように、アクティブ制振装置30を構成する振動検出部32及び制振力発生部34は、作業領域10Aよりも振動低減対象領域22側にある非作業領域10Bに設置されている。より具体的には、振動検出部32及び制振力発生部34は、非作業領域10Bにおける振動低減対象領域22側に設置されると共に、敷地境界線12に沿う方向に互いに間隔を空けて設置されている。
制振力発生部34は、敷地境界線12(仮囲い14)を挟んで振動低減対象領域22と対向して配置されている。また、制振力発生部34は、振動低減対象領域22の中心部22Aを通り、かつ、仮囲い14に垂直な仮想垂線V上に設置されている。この制振力発生部34は、図3に示されるように、仮囲い14のパネル材14Aの背面を支持する複数の控え柱18の間に設置されている。なお、図示を省略するが、振動検出部32も、制振力発生部34と同様に隣接する控え柱18の間に設置されている。
図1に示されるように、振動検出部32は、制振力発生部34を中心とし、かつ、振動低減対象領域22を通る仮想円Cの円周上に設置されている。より具体的には、振動検出部32は、制振力発生部34を中心とし、かつ、振動低減対象領域22内の基準点22Kを通る仮想円Cの円周上に設置されている。これにより、制振力発生部34から振動検出部32までの距離R1と、制振力発生部34から振動低減対象領域22の基準点22Kまでの最短距離R2とが同じ(略同じも含む)になっている。
なお、ここでいう基準点22Kとは、制振力発生部34と振動低減対象領域22と間の距離を測定する際に、基準となる振動低減対象領域22内の任意の点であり、本実施形態では、仮想垂線V上で、かつ、工事現場10に最も近い位置に基準点22Kが設定されている。そのため、本実施形態の仮想円Cは、制振力発生部34と振動低減対象領域22との最短距離R2を半径とした円とされている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図1に示されるように、工事現場10の作業領域10Aにおいて重機16A,16B,16Cが走行したり作業したりすると、作業領域10Aに振動が発生する。この振動は、非作業領域10Bを介して工事現場10の周囲にある振動低減対象領域22(近隣構造物20B)に伝達される。
この対策として本実施形態では、作業領域10Aと振動低減対象領域22との間にある非作業領域10Bにアクティブ制振装置30が設置されている。アクティブ制振装置30は、振動検出部32及び制振力発生部34を有している。制振力発生部34は、振動検出部32で検出された非作業領域10Bの振動に基づいて、作業領域10Aから振動低減対象領域22へ伝達された振動を打ち消す制振力を発生する。これにより、振動低減対象領域22の振動が低減される。
ここで、振動検出部32及び制振力発生部34は、非作業領域10Bにおける振動低減対象領域22側に設置されている。より具体的には、振動検出部32及び制振力発生部34は、振動低減対象領域22側の敷地境界線12(仮囲い14)に隣接して設置されている。
これにより、振動検出部32と振動低減対象領域22の基準点22Kとの間の距離Dが短くなるため、振動検出部32で発生する振動と振動低減対象領域22の基準点22Kで発生する振動との差異が小さくなる。したがって、振動低減対象領域22の基準点22Kの振動に応じた制振力を制振力発生部34に発生させ易くなる。
また、振動検出部32は、制振力発生部34を中心とし、かつ、振動低減対象領域22の基準点22Kを通る仮想円C上に設置されている。つまり、本実施形態では、制振力発生部34から振動検出部32までの距離R1と、制振力発生部34から振動低減対象領域22の基準点22Kまでの距離R2とが同じになっている。これにより、制振力発生部34から振動検出部32及び基準点22Kの各々に、略同じ振幅及び位相の制振力(振動)が伝達される。したがって、振動低減対象領域22の基準点22Kの振動をより効率的に低減することができる。
ここで、図4には、アクティブ制振装置30の制振性能を示す比較実験の実験結果が示されている。この実験結果における各グラフ60,62,64は、振動低減対象領域22の基準点22Kに発生する振動の振動加速度レベル(dB)を示している。そして、グラフ60は、制振力発生部34の作動前の基準点22Kの振動加速度レベルを示し、グラフ62は、図1に示されるように、非作業領域10Bに振動検出部32を設置して制振力発生部34を作動させた場合の基準点22Kの振動加速度レベルを示し、グラフ64は、基準点22Kに振動検出部32を設置して制振力発生部34を作動させた場合の基準点22Kの振動加速度レベルを示している。なお、制振力発生部34は、何れの実験においても非作業領域10Bに設置されている。
図4のグラフ62,64から分かるように、非作業領域10Bに振動検出部32を設置した場合であっても、基準点22Kに振動検出部32を設置した場合と同等の振動低減効果(制振効果)を得られることが分かる。
このように本実施形態では、振動低減対象領域22に振動検出部32及び制振力発生部34を設置せずに、振動低減対象領域22の基準点22Kの振動を低減することができる。したがって、振動低減対象領域22にアクティブ制振装置30(振動検出部32及び制振力発生部34)を設置するための設置交渉等を不要にすることができる。また、振動低減対象領域22における基準点22K以外の領域においても、所定の振動低減効果を得ることができる。
ところで、振動低減対象領域22の設置スペースを小さくするために、振動検出部32を振動低減対象領域22に設置する一方で、制振力発生部34は工事現場10に設置することが考えられる。しかしながら、この場合も、振動低減対象領域22に対する振動検出部32の設置交渉が必要となる。また、工事現場10に設置された制御部42と振動低減対象領域22に設置された振動検出部32とはケーブルを介して接続されるため、ケーブルの設置コスト等がかかる。さらに、例えば、工事現場10と振動低減対象領域22との間に道路や別の構造物がある場合には、これらの道路等に対するケーブルの設置交渉等が発生する可能性がある。
これに対して本実施形態では、前述したように、工事現場10に振動検出部32及び制振力発生部34を設置するため、上記のように振動検出部32やケーブルの設置交渉が不要になると共に、ケーブルの設置コストを削減することができる。
なお、本実施形態について補足すると、本実施形態では、振動源としての作業領域10Aから振動低減対象領域22の基準点22Kまでの距離と、作業領域10Aから振動検出部32までの距離とに差が生じることになる。より具体的には、例えば、図5に示されるように、重機16Aを狭義の振動源とすると、重機16Aから基準点22Kまでの距離L1と、重機16Aから振動検出部32までの距離L2とに差ΔL(=L1−L2)が生じる。この場合、基準点22Kに発生する振動と、振動検出部32に発生する振動との間に位相差が生じる可能性がある。そして、両者の位相差が90°以上になると、制振力発生部34の制振力によって、振動低減対象領域22の振動が増幅される。
したがって、振動低減対象領域22で発生する振動と、振動検出部32で発生する振動との位相差が90°未満になるように、下記式(1)を満たすように振動検出部32を設置することが望ましい。

ただし、
:振動源が発生する振動の伝搬速度(m/s)
f :振動源が発生する振動の振動数(Hz)
である。
なお、振動低減対象領域22で発生する振動と、振動検出部32で発生する振動との位相差は、45°未満がより好ましい。この場合は、上記式(1)における振動数fの乗数が(360°/45°)となる。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、制振力発生部34を中心とし、かつ、振動低減対象領域22を通る仮想円C上に振動検出部32を設置した例を示したが、振動検出部32の配置はこれに限らない。例えば、図1に点線で示されるように、振動検出部70は、仮想円Cの外側に配置しても良い。
より具体的には、振動検出部70は、仮想円Cの外側であって、非作業領域10Bにおける振動低減対象領域22側に設置されている。これにより、制振力発生部34から振動検出部70までの距離R1’が、制振力発生部34から振動低減対象領域22の基準点22Kまでの最短距離R2よりも長くなっている。
ここで、制振力発生部34が発生した制振力は、振動低減対象領域22の基準点22Kに伝達されるまでに、制振力発生部34と基準点22Kとの距離R2に応じて減衰される。そのため、制振力発生部34から基準点22Kまでの距離R2が、制振力発生部34から振動検出部70までの距離R1’よりも長くなると、制振力発生部34から基準点22Kに伝達される制振力が、制振力発生部34から振動検出部70に伝達される制振力よりも小さくなる可能性がある。つまり、制振力発生部34から基準点22Kに伝達される制振力が、当該基準点22Kが本来必要とする制振力よりも小さくなる可能性がある。
これに対して本変形例では、前述したように振動検出部70は、仮想円Cの外側に配置される。つまり、本変形例では、制振力発生部34と振動検出部70との距離R1’は、制振力発生部34と基準点22Kとの最短距離R2以上とされる。これにより、制振力発生部34から基準点22Kに伝達される制振力を振動低減対象領域が本来必要とする制振力以上にすることができる。したがって、振動低減対象領域22の振動をより効率的に低減することができる。
次に、図6に示されるように、複数の近隣構造物20A,20Bを含むような広範な振動低減対象領域24の振動を1つのアクティブ制振装置30で低減する場合、振動検出部32及び制振力発生部34は、例えば、次のように設置される。
先ず、振動低減対象領域24の中心部24Aから敷地境界線12に垂直な仮想垂線Vを引き、当該仮想垂線V上に制振力発生部34を設置する。この際、制振力発生部34は、敷地境界線12に隣接して設置し、振動低減対象領域24に接近させることが望ましい。制振力発生部34から振動低減対象領域24に制振力が伝達され易くなるためである。
次に、振動低減対象領域24における仮想垂線Vの両側に基準点24Kをそれぞれ設定する。これらの基準点24Kは、例えば、図6に示されるように、各近隣構造物20A,20Bに対する工事現場10側や、振動低減対象領域24における工事現場10側の角部24Bに設定される。
次に、制振力発生部34を中心とし、2つの基準点24Kを通る仮想円Cを描き、この仮想円Cの円周上に振動検出部32を設置する。つまり、敷地境界線12を挟んで振動低減対象領域24と対向する制振力発生部34を中心とし、平面視にて振動低減対象領域24とラップする仮想円Cの円周上に振動検出部32を設置する。これにより、制振力発生部34から振動検出部32までの距離R1と、制振力発生部34から2つの基準点24Kまでの距離R2とが同じなるため、2つの基準点24Kの振動を効率的に低減することができる。
また、例えば、図7に示されるように、振動検出部32と基準点22Kとの距離Dが短くなるように、振動低減対象領域22の中心部22Aを通る仮想垂線Vから外れた位置に制振力発生部34を設置しても良い。この場合、距離Dに応じて、振動検出部32で発生する非作業領域10Bの振動と基準点22Kで発生する振動との差異がより小さくなる。したがって、基準点22Kの振動をより効率的に低減することができる。
また、上記実施形態では、基準点22Kは、振動低減対象領域22の中心部22Aを通る仮想垂線V上で、かつ、工事現場10に最も近い位置に設定されているが、これに限らない。基準点22Kは、振動低減対象領域22内に任意の位置に設定することができ、例えば、振動低減対象領域22の中心部22Aに設定しても良い。
また、上記実施形態では、仮想垂線Vが振動低減対象領域22の中心部22Aを通っているが、これに限らない。仮想垂線Vは、振動低減対象領域22から敷地境界線12に引いた垂線であれば良く、振動低減対象領域22の任意の点を通すことができる。
また、上記実施形態において、例えば、振動低減対象領域22の基準点22Kの振動情報(振動特性)を予めサンプリングしておき、このサンプリング情報から、振動検出部32で検出される非作業領域10Bの振動を補正する補正フィルタを作成しても良い。そして、補正フィルタを介して制御部42がアクチュエータ40の動作を制御することにより、基準点22Kの振動をより効率的に低減することができる。
また、上記実施形態では、振動発生敷地としての工事現場10にアクティブ制振装置30を設置した例を示したが、アクティブ制振装置30の設置場所はこれに限らない。アクティブ制振装置30は、例えば、振動源を有する工場等に設置しても良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 工事現場(振動発生敷地)
10A 作業領域(振動源)
12 敷地境界線
16A 重機(振動源)
16B 重機(振動源)
16C 重機(振動源)
22 振動低減対象領域
24 振動低減対象領域
30 アクティブ制振装置
32 振動検出部
34 制振力発生部
70 振動検出部
R1 距離(制振力発生部と振動検出部との最短距離)
R1’ 距離(制振力発生部と振動検出部との最短距離)
R2 距離(制振力発生部と振動低減対象領域との最短距離)

Claims (2)

  1. 振動源を有すると共に仮囲いで区画された振動発生敷地に、前記仮囲いと隣接して設置され、該振動発生敷地の振動を検出する振動検出部と、
    前記振動発生敷地に前記仮囲いと隣接して設置され、前記振動検出部で検出された前記振動発生敷地の振動に基づいて、前記振動発生敷地から該振動発生敷地の周囲にある振動低減対象領域に伝達された振動を打ち消す制振力を発生する制振力発生部と、
    を備えるアクティブ制振装置。
  2. 振動源を有すると共に敷地境界線で区画された振動発生敷地に設置され、該振動発生敷地の振動を検出する振動検出部と、
    前記振動発生敷地に設置され、前記振動検出部で検出された前記振動発生敷地の振動に基づいて、前記振動発生敷地から該振動発生敷地の周囲にある振動低減対象領域に伝達された振動を打ち消す制振力を発生する制振力発生部と、
    を備え、
    前記振動検出部及び前記制振力発生部は、前記振動源よりも前記振動低減対象領域側に設置される、
    クティブ制振装置。
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