JP6485636B2 - 液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置 Download PDF

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Description

本発明は、ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置に関し、特に液体としてインクを噴射するインクジェット式記録ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット式記録装置に関する。
液体を噴射する液体噴射ヘッドの代表例としては、インク的を噴射するインクジェット式記録ヘッドが挙げられる。インクジェット式記録ヘッドは、インク滴をノズルから噴射するヘッド本体と、ヘッド本体に固定されて、インクが貯留されたインクカートリッジ等の液体貯留手段からのインクをヘッド本体に供給する流路部材と、を具備するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなインクジェット式記録ヘッドを構成する流路部材は、例えば、第2流路部材と第3流路部材とが積層されて構成されており、第2流路部材と第3流路部材との流路の接続部分は、両者を積層する積層方向に第1シール部材を押圧して密封している。一方、第2流路部材と第1流路部材となる液体貯留手段との流路の接続部分は、積層方向に交差する第1の方向及び第2の方向向に第2シール部材を押圧して密封している。
特開2015−003421号公報
しかしながら、第2流路部材に対して、第1シール部材を積層方向に押圧して第3流路部材と接続し、第2シール部材を第1の方向及び第2の方向に押圧して液体貯留手段等の第1流路部材と接続する場合、流路部材を構成する各部材の寸法にばらつきが生じると、流路の接続部分に位置ずれが生じて、インクの漏出が発生するという問題がある。
また、第2流路部材に複雑な流路を形成するため、複数の部材が積層して第2流路部材を構成した場合、積層した部材の製造時の寸法ばらつきや積層時の位置ずれなどの誤差によって流路の接続する部分に位置ずれが生じてしまう虞がある。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、流路の接続部分の密封を確実に行って液体の漏出を抑制した液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置を提供することを目的とする。
[態様1]本発明の態様は、第1流路部材に設けられた第1流路と連通する第2流路が設けられた第2流路部材と、前記第2流路部材に設けられた前記第2流路と連通する第3流路が設けられ、前記第2流路部材と積層された第3流路部材と、前記第1流路、前記第2流路及び前記第3流路を介して供給された液体を噴射するノズルと、を備え、前記第1流路と前記第2流路との接続部分は、第1シール部材により密封され、前記第2流路と前記第3流路との接続部分は、第2シール部材により密封され、前記第2流路部材は、前記第3流路部材に対して、当該第2流路部材の積層方向に対して交差する第1の方向及び第2の方向における位置決めを行う第1基板と、前記第3流路部材に対して、当該第2流路部材の前記積層方向の位置決めを行う第2基板と、を有し、前記第1基板は、前記第1シール部材と前記第2シール部材との何れか一方により第1の方向及び第2の方向に押圧され、前記第2基板は、前記第1シール部材と前記第2シール部材との何れか他方により前記積層方向に押圧されることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、第1基板を第3流路部材に対して第1の方向及び第2の方向に位置決めすることで、第2流路部材と第1流路部材及び第2流路部材の何れか一方との第1の方向及び第2の方向の位置決めを高精度に行うことができ、第1シール部材及び第2シール部材の何れか一方の第1の方向及び第2の方向の押圧量を適切に調整することができる。また、第2基板を第3流路部材に対して積層方向に位置決めすることで、第2流路部材と第1流路部材及び第2流路部材の他方との積層方向の位置決めを高精度に行うことができ、第1シール部材及び第2シール部材の他方の積層方向の押圧量を適切に調整することができる。
[態様2]態様1の液体噴射ヘッドにおいて、前記第2流路部材は、前記第3流路部材に設けられたねじ穴に螺合するねじにより前記第3流路部材に固定され、前記第2流路と前記第3流路との接続部分よりも前記積層方向の前記第2流路側に前記ねじ穴が設けられていることが好ましい。これによれば、ねじ穴のスペースを確保し易く、小型化を図ることができる。
[態様3]態様1又は2の液体噴射ヘッドにおいて、前記第2流路部材は、前記第1基板と前記第2基板との間にフィルターを有することが好ましい。これによれば、フィルターを有する複雑な流路を容易に形成することができる。
[態様4]態様1〜3の何れかの液体噴射ヘッドにおいて、前記第3流路部材には、前記第1の方向及び前記第2の方向の位置決めに用いられる位置決めピンと、前記積層方向の位置決めに用いられる第1位置決め面と、が設けられ、前記第1基板は、前記位置決めピンに対して前記第1の方向及び前記第2の方向で当接する位置決め孔を有し、前記第2基板は、前記第1位置決め面に対して前記積層方向で当接する第2位置決め面を有することが好ましい。これによれば、位置決めピンと位置決め孔とによって第1の方向及び第2の方向の高精度な位置決めを行わせることができると共に、第1位置決め面と第2位置決め面とによって積層方向の高精度な位置決めを行わせることができる。
[態様5]態様4の液体噴射ヘッドにおいて、前記第2基板は、前記積層方向のうち前記位置決めピンの根元側から先端側に向けて見た場合に、前記第1基板の前記位置決め孔を露出させる露出孔を有することが好ましい。これによれば、露出孔を設けることで、位置決めピンに第2基板が当接して位置決めを阻害するのを抑制することができる。
[態様6]態様1〜5の何れかの液体噴射ヘッドにおいて、前記第1基板と前記第2基板との何れか一方は、互いに前記第1の方向及び前記第2の方向に位置決めを行う基板位置決めピンを有し、前記第1基板と前記第2基板との何れか他方は、前記基板位置決めピンに対して前記第1の方向及び前記第2の方向で当接する基板位置決め孔を有することが好ましい。これによれば、第1基板と第2基板とを第1の方向及び第2の方向に相対的に位置決めして組み立てることができる。また、第1基板と第2基板とで互いの位置決めをできるので、例えば第2流路部材を第1流路部材または第3流路部材に積層する際に、第1基板と第2基板とにより第2流路部材を組み立ててから積層することができる。
[態様7]態様1〜6の何れかの液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。かかる態様では、液体の漏出を抑制した液体噴射装置を実現できる。
[態様8]第1流路部材に設けられた第1流路と連通する第2流路を有する第2流路部材と、前記第2流路部材の前記第2流路と連通する第3流路が設けられた第3流路部材と、前記第1流路、前記第2流路及び前記第3流路を介して供給された液体を噴射するノズルと、を備える液体噴射ヘッドの製造方法であって、第1基板と第2基板とを固定し、前記第2流路部材の前記第2流路を形成する第1工程と、前記第3流路部材に対して第2シール部材を固定する第2工程と、前記第2基板と前記第3流路部材とにより前記第2シール部材を積層方向に押圧して前記第2流路と前記第3流路とを接続部分を前記第2シール部材により密封し、前記第2基板により前記第3流路部材に対する前記積層方向の位置決めを行い、前記第1基板により前記第3流路部材に対する前記積層方向に対して交差する第1の方向及び第2の方向の位置決めを行う第3工程と、前記第1流路部材と前記第1基板とにより第1シール部材を前記第1の方向及び前記第2の方向に押圧して前記第1流路と前記第2流路との接続部分を前記第1シール部材により密封する第4工程と、を備えることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる態様では、第1基板を第3流路部材に対して第1の方向及び第2の方向に位置決めすることで、第2流路部材と第1流路部材及び第2流路部材の何れか一方との第1の方向及び第2の方向の位置決めを高精度に行うことができ、第1シール部材及び第2シール部材の何れか一方の第1の方向及び第2の方向の押圧量を適切に調整することができる。また、第2基板を第3流路部材に対して積層方向に位置決めすることで、第2流路部材と第1流路部材及び第2流路部材の他方との積層方向の位置決めを高精度に行うことができ、第1シール部材及び第2シール部材の他方の積層方向の押圧量を適切に調整することができる。
記録ヘッドの分解斜視図である。 ヘッド本体の斜視図である。 第2流路部材の分解斜視図である。 第2流路部材の平面図である。 流路部材の要部断面図である。 流路部材の要部断面図である。 第3流路部材の分解斜視図である。 記録ヘッドの要部断面図である。 第2流路部材の製造方法を示す断面図である。 記録ヘッドの要部断面図である。 記録ヘッドの製造方法を示す要部断面図である。 記録ヘッドの製造方法を示す要部断面図である。 記録装置の概略図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図2は、ヘッド本体の斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッド1(以下、単に記録ヘッド1とも言う)は、ノズルからインク滴を噴射する複数のヘッド本体10と、複数のヘッド本体10を保持すると共にヘッド本体10に液体を供給する液体流路が設けられた流路部材20と、を具備する。
図2に示すように、ヘッド本体10は、一方面に液体としてインク滴を噴射するノズル11が並設されたノズル列が、ノズル11の並設方向とは交差する方向に2列設けられている。ここで、1つのノズル列において、ノズル11が並設された方向を第1の方向Xと称し、ノズル列の列設方向を第2の方向Yと称する。また、第1の方向X及び第2の方向Yの双方に交差する方向を本実施形態では、第3の方向Zと称する。なお、本実施形態では、各方向(X、Y、Z)の関係を直交とするが、各構成の配置関係が必ずしも直交するものに限定されるものではない。本実施形態では、ヘッド本体10の第3の方向Zの一方面にノズル11が設けられた液体噴射面となっている。また、本実施形態では、第3の方向Zにおいて、ヘッド本体10のノズル11が設けられた側をZ1と称し、ノズル11とは反対側をZ2と称する。
また、第3の方向Zにおいて、ヘッド本体10のノズル11が開口する面とは反対側の面には、インクがヘッド本体10内に導入される導入孔12が設けられている。本実施形態では、導入孔12を第2の方向Yに沿って2つ並設し、ヘッド本体10の図示しない内部において各導入孔12がノズル列のそれぞれに連通するようにした。
このようなヘッド本体10の図示しない内部には、ノズル11に連通すると共に導入孔12に連通する流路と、流路内のインクに圧力変化を生じさせる圧力発生手段等が設けられている。ヘッド本体10の内部に設けられる圧力発生手段としては、例えば、電気機械変換機能を呈する圧電材料を有する圧電アクチュエーターの変形によって流路の容積を変化させて流路内のインクに圧力変化を生じさせてノズル11からインク滴を噴射させるものや、流路内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル11からインク滴を噴射させるものや、振動板と電極との間に静電気力を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル11からインク滴を噴射させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
また、ヘッド本体10の導入孔12が開口する面からは、図示しない内部の圧力発生手段に接続された配線基板13が第3の方向Zに突出して設けられている。配線基板13は、可撓性を有する配線、例えば、フレキシブルケーブル等からなり、第2の方向Yに並設された2つの導入孔12の間に、面方向が第1の方向X及び第3の方向Zを含む方向となるように設けられている。なお、配線基板13には、半導体素子である駆動回路14が実装されている。もちろん、配線基板13は、駆動回路14が設けられていなくてもよい。
このようなヘッド本体10は、導入孔12が開口する面が流路部材20に固定されて、インクカートリッジやインクタンクなどの液体貯留手段に保持されたインクが流路部材20を介して供給される。なお、図1に示すように、流路部材20には、ヘッド本体10が複数個、本実施形態では、ノズル列の列設方向である第2の方向Yに3個並設された列が、第1の方向Xに2列設けられている。すなわち、1つの記録ヘッド1には、合計12列のノズル列が第2の方向Yに並設されている。ちなみに、ヘッド本体10と流路部材20との固定方法は特に限定されず、例えば、接着剤による接着や、ねじ等による固定であってもよい。ただし、ヘッド本体10は小型であり、1つの流路部材20に対して複数、本実施形態では、12個取り付ける必要があるため、ゴム等の弾性材料からなるシール部材を介して固定するのは困難である。また、ゴム等の弾性材料からなるシール部材を介して固定すると、シール部材の弾性による反発力によってヘッド本体10に反り等が発生する虞がある。したがって、ヘッド本体10と流路部材20とは接着剤により接着するのが好ましい。
また、ヘッド本体10が固定される流路部材20は、図1に示すように、複数の第2流路部材30と、複数の第2流路部材30が第3の方向ZのZ1側に固定される第3流路部材50と、を具備する。
ここで、第2流路部材30についてさらに図3〜図6を参照して説明する。なお、図3は、第2流路部材30の分解斜視図であり、図4は、第2流路部材の平面図であり、図5は、図4のA−A′線に準じた流路部材の要部断面図であり、図6は、図4のB−B′線に準じた流路部材の要部断面図である。また、第2流路部材30の各方向について、記録ヘッドに搭載された際の方向、すなわち、第1の方向X、第2の方向Y及び第3の方向Zに基づいて説明する。
図示するように、第2流路部材30は、詳しくは後述する第1流路部材が接続される第2流路である接続流路200が内部に設けられている。
また、第2流路部材30は、本実施形態では、第1基板31と、第2基板32と、第1基板31及び第2基板32の間に設けられた中間基板33とが、第3の方向Zに積層して構成されている。なお、第2流路部材30は、特にこれに限定されるものではなく、少なくとも第1基板31と第2基板32とを有するものであればよく、中間基板33が設けられていなくてもよい。また、中間基板33が2枚以上設けられていてもよい。ちなみに、第2流路部材30を構成する各部材は、第2流路部材30と第3流路部材50との積層方向である第3の方向Zと同じ方向に積層されたものである。本実施形態では、Z2側からZ1側に向かって第1基板31、中間基板33及び第2基板32が順次積層されている。
第1基板31は、Z2側に第1流路部材に接続される接続部34を有する。本実施形態では、接続部34として、針状に突出したものとした。このような接続部34の内部には、第1流路部材の第1流路からインクが供給される第1接続流路201が設けられている。この第1接続流路201の下流側には、接続部34内の第1接続流路201よりも内径が広く拡幅された液体溜まり部202を有する。
中間基板33は、第1基板31のZ1側に固定されて、液体溜まり部202に連通する第2接続流路203を有する。第2接続流路203の第1基板31側の開口部分には、インクに含まれる気泡や異物を除去するためのフィルター35が設けられており、第1接続流路201から供給されたインクはフィルター35を介して第2接続流路203に供給される。なお、第2接続流路203は、第1接続流路201と後述する第3接続流路204との位置に応じて、第1基板31及び中間基板33の積層方向である第3の方向Zに延びる流路や、第3の方向Zに直交する方向、すなわち、第1の方向X及び第2の方向Yに延びる流路等で構成されていてもよい。
第2基板32は、中間基板33のZ1側に固定されている。また、第2基板32には、中間基板33の第2接続流路203に連通する第3接続流路204が設けられている。すなわち、接続流路200は、第1接続流路201、液体溜まり部202、第2接続流路203及び第3接続流路204を有する。この第3接続流路204は、一端が中間基板33側であるZ2側に開口して第2接続流路203に連通する。また、第3接続流路204は、他端が第3流路部材50側であるZ1側の面に開口して設けられている。
なお、本実施形態では、1つの第2流路部材30に4つの接続部34を設け、1つの第2流路部材30には4つの独立した接続流路200が設けられている。ちなみに、1つの第2流路部材30に設けられた接続流路200の数は特にこれに限定されず、例えば、1つであっても2つ以上の複数であってもよい。また、接続流路200は、例えば、接続部34側からフィルター35を通過した後、2つ以上に分岐されるようにしてもよい。もちろん、接続流路200は、フィルター35よりも上流側で、2つ以上に分岐されていてもよい。さらに、第2基板32と中間基板33との境界部分において、流路を第1の方向X及び第2の方向Yに延設してもよい。
このような第2流路部材30は、樹脂材料を成型することで、コストを低減することができる。もちろん、第2流路部材30の材料は樹脂材料に限定されず、金属材料等で形成してもよく、また、製造方法は成型に限定されるものではない。
また、第2流路部材30を構成する第1基板31、第2基板32及び中間基板33は、例えば、接着剤や熱溶着等によって第3の方向Zに積層されている。本実施形態では、第2基板32には、中間基板33及び第1基板31に向かって、すなわち、第3の方向ZのZ2側に向かって突出する基板位置決めピン36が設けられている。本実施形態では、基板位置決めピン36は、第2基板32を第3の方向Zから平面視した際に、4つの角部と中央部とのそれぞれに合計5個設けるようにした。また、中間基板33には、基板位置決めピン36に対応して基板位置決めピン36が挿入される中間基板位置決め孔37が設けられている。また、第1基板31には、基板位置決めピン36に対応して基板位置決めピン36が挿入される基板位置決め孔38が設けられている。そして、第2基板32の基板位置決めピン36を、中間基板33の中間基板位置決め孔37に挿入すると共に、第1基板31の基板位置決め孔38に挿入することで、第1基板31、第2基板32及び中間基板33は、互いに第1の方向X及び第2の方向Yに相対的に位置決めされている。すなわち、第2基板32の基板位置決めピン36の外周面に、中間基板33の中間基板位置決め孔37の内周面と第1基板31の基板位置決め孔38の内周面とが第1の方向X及び第2の方向Yに当接することで、第1基板31、第2基板32及び中間基板33は、互いに第1の方向X及び第2の方向に相対的に位置決めされている。なお、本実施形態では、基板位置決めピン36を第2基板32に設けるようにしたが、特にこれに限定されず、基板位置決めピン36を第1基板31に設け、第2基板32に基板位置決め孔38を設けるようにしてもよい。もちろん、中間基板33に基板位置決めピン36を設け、第1基板31及び第2基板32の両方に基板位置決め孔38を設けるようにしてもよい。また、本実施形態では、中間基板位置決め孔37及び基板位置決め孔38を第3の方向Zに貫通すると共に内周面が周方向に連続する貫通孔で形成したが、特にこれに限定されず、例えば、中間基板位置決め孔37及び基板位置決め孔38は、内周面が周方向に亘って連続せずにその一部で外部と連通する、所謂、切り欠き状であってもよい。すなわち、基板位置決め孔38や中間基板位置決め孔37は、切り欠きも含むものである。また、基板位置決め孔38は、本実施形態では、第3の方向Zに貫通する貫通孔としたが、特にこれに限定されず、基板位置決め孔38は、第1基板31を厚さ方向に貫通しなくてもよい。すなわち、第2流路部材30の表面に基板位置決めピン36が露出されなくてもよい。
また、第1基板31には、第3流路部材50に設けられた第2流路部材30である第3の方向ZのZ2側に突出して設けられた位置決めピン94が挿入される位置決め孔39が設けられている。本実施形態では、位置決め孔39として、第1位置決め孔39Aと、第2位置決め孔39Bとの2つを設け、第1位置決め孔39Aを単穴、第2位置決め孔39Bを第1位置決め孔39Aに向かって長軸となる長穴とした。なお、位置決め孔39は、少なくとも2つ設けられていれば、第1の方向X及び第2の方向Yの位置決めを行うことができる。また、位置決め孔39は、その開口形状を三角形状や矩形状等で設けることで、1つの位置決め孔39であっても第1の方向X及び第2の方向Yの位置決めを行うことができる。もちろん、位置決め孔39は、3つ以上設けられていてもよい。ただし、位置決め孔39をできるだけ離した位置に少なくとも2つ設けることで第1の方向X及び第2の方向Yの高精度な位置決めを行うことができる。
また、第2基板32には、第1基板31の位置決め孔39に対応して、第3の方向ZのZ1側から見た際に位置決め孔39を露出する露出孔40が設けられている。つまり、露出孔40は、第3の方向ZのZ1側から位置決め孔39を見た場合、すなわち位置決めピン94の根元側から先端側に向けて見た場合に、第2基板32が第1基板31の位置決め孔39の内周縁部を覆うことなく位置決め孔39を露出するものである。本実施形態では、露出孔40として、第2基板32を厚さ方向に貫通すると共に、内周面が周方向に亘って連続し、位置決め孔39よりも大きな内径となる貫通孔とした。
なお、露出孔40は、位置決め孔39をZ1側から見た際に周縁部を露出することができるものであればよく、貫通孔に限定されず、内周面が周方向に亘って連続せずにその一部で外部と連通する、所謂、切り欠き状であってもよい。
同様に、中間基板33には、位置決め孔39に対応して、第3の方向ZのZ1側から見た際に位置決め孔39を露出する中間露出孔41が少なくとも2つ設けられている。中間露出孔41は、第2基板32の露出孔40と同じ内径を有する第3の方向Zに貫通した貫通孔となっている。もちろん、中間露出孔41も露出孔40と同様に、切り欠き状であってもよい。
また、第2基板32には、第1基板31側に突出して設けられた凸部42が少なくとも2つ設けられ、凸部42の内部には、Z1側に開口する凹部43が設けられている。凹部43は、本実施形態では、側面、具体的には第1の方向Xにおいても開口して設けられている。このような凹部43の底面、すなわち、第3流路部材50に対向する面は、第3流路部材50に位置決めされる第2位置決め面44となっている。すなわち、第2位置決め面44は、凸部42内に設けられることで、第2基板32側に設けられている。
ここで、このような第2流路部材30が固定される第3流路部材50についてさらに図7及び図8を参照して説明する。なお、図7は、第3流路部材を示す分解斜視図であり、図8は、記録ヘッドの要部断面図である。
図示するように、第3流路部材は、ヘッド本体10に接するホルダー60と、ホルダー60と第2流路部材30との間に配置されたホルダー上部材70と、ホルダー上部材70と第2流路部材30との間に挟まれた第2シール部材80と、第2シール部材80を支持する支持部材90と、を具備する。
支持部材90は、第3の方向ZのZ2側に第2流路部材30が固定されると共にZ1側にホルダー60が固定されるものである。そして、支持部材90と第2流路部材30との間には、第2流路部材30の接続流路200と、ホルダー60及び支持部材90の間に設けられたホルダー上部材70の第3流路である管状流路220とを接続する第2シール部材80が設けられている。
ここで第2シール部材80は、記録ヘッド1に用いられるインク等の液体に対して耐液体性を有し、且つ弾性変形可能な弾性材料、例えば、ゴムやエラストマー等を用いることができる。また、第2シール部材80は接続流路200の分岐された出口毎に管状部81を有する。この管状部81には、第3の方向Zに亘って貫通する貫通孔210が設けられている。そして、詳しくは後述するが、管状部81の貫通孔210を介して第2流路部材30の接続流路200とホルダー上部材70の管状流路220とは連通される。このような管状部81は、1つの第2流路部材30に対して複数個が一体的になるように第2流路部材30側で板状部分によって連結されている。本実施形態では、1つの第2流路部材30には、支持部材90側に開口する接続流路200の出口が4個設けられているため、4個の管状部81が一体的に設けられた第2シール部材80となっている。また、本実施形態では、1つの流路部材20に第2流路部材30が3個設けられているため、第2シール部材80は第2流路部材30と同じ数である3個設けられている。
このような管状部81を連続させる板状部分は、管状部81の周囲に亘って他の領域よりも厚さが薄く形成されている。これにより、第2シール部材80の一方面を第2流路部材30の接続流路200が開口する面に当接させた際に、管状部81の端面のみを接続流路200の開口周囲に当接させて、当接する面積を減少させて密封する圧力を高めることができ、インクの漏出を抑制することができる。
なお、管状部81の貫通孔210は、第2流路部材30の接続流路200の開口と略同じ内径を有する。また、管状部81の外径は、接続流路200の内径よりも大きな外径で形成されている。これにより、第2流路部材30の接続流路200が開口する面と、管状部分の貫通孔210が開口する端面とを貫通孔210の貫通方向である第3の方向Zに互いに当接させて、接続流路200と貫通孔210とを連通させることができる。すなわち、接続流路200と貫通孔210とは、第2流路部材30と第2シール部材80とを貫通孔210の貫通方向である第3の方向Zに圧力をかけて密封した状態で接続されている。つまり、第2流路部材30の第3流路部材50側に設けられた第1基板31は、第2シール部材80により第3の方向Zに押圧されることで、第2流路部材30の第2流路である接続流路200と第3流路部材50の第3流路である管状流路220とは密封した状態で接続されている。
ここで、第2シール部材80の管状部81の端面と第2流路部材30の接続流路200が開口する面、すなわち第1基板31とを第3の方向Zに所定の圧力で当接させると、第2シール部材80の管状部81は、第3の方向Zのヘッド本体10側に弾性変形する。このため、支持部材90には、第2シール部材80の管状部81を支持する支持部91が設けられている。この支持部91は、第2シール部材80の管状部81の第2流路部材30と当接するZ2側の端面とは反対側のZ1側の端面に当接して、管状部81の第3の方向Zのホルダー60側への移動を規制する。このように、支持部材90の支持部91によって、第2シール部材80の管状部81のヘッド本体10側の端面を支持することで、第2流路部材30と第2シール部材80の管状部81の第3の方向Zへの応力が支持される。すなわち、第2シール部材80の弾性変形による反発力は、支持部材90の支持部91によって支持されるため、第2シール部材80の反発力がホルダー上部材70側に印加されることなく、ホルダー60及びホルダー上部材70の変形や、ヘッド本体10の液体噴射面の傾き等を抑制することができる。
なお、支持部91には、詳しくは後述するホルダー上部材70の突起部71が挿通される第1突起部挿通孔92が設けられている。すなわち、第1突起部挿通孔92は、ホルダー上部材70の突起部71の外形よりも若干大きい内径で、且つ第2シール部材80の管状部81の外径よりも若干小さな内径で設けられている。これにより、第1突起部挿通孔92の開口縁部に第2シール部材80の管状部81の端面を当接させることができる。
なお、支持部材90は、樹脂材料で成型することで、低コストに形成することができる。もちろん、支持部材90の材料は樹脂材料に限定されず、金属材料等であってもよく、また、製造方法は成型に限定されるものではない。
また、支持部材90の第2シール部材80とは反対側には、ホルダー上部材70が設けられており、ホルダー上部材70の支持部材90とは反対側には、ホルダー60が設けられている。すなわち、ホルダー上部材70は、ホルダー60と第2流路部材30との間、本実施形態では、ホルダー60と支持部材90との間に配置されている。
ホルダー上部材70には、第2シール部材80側である第3の方向Zに向かって突出する突起状の突起部71が設けられている。この突起部71の先端面には、管状流路220の一端が開口して設けられている。すなわち、突起部71は、管状に設けられており、突起部71の内部に管状流路220が設けられている。管状流路220を有する突起部71は、ヘッド本体10の各導入孔12に対応して、すなわち、1つのヘッド本体10に対して2つ設けられている。
ここで、ヘッド本体10の一方の導入孔12に連通する管状流路220は、ヘッド本体10と第2流路部材30との積層方向である第3の方向Zに沿って直線状、すなわち、ストレートに設けられている。ここで、管状流路220が第3の方向Zに沿ってストレートに設けられているとは、管状流路220内を流れるインクが、第1の方向X及び第2の方向Yに沿って流れることなく、第3の方向Zのみに沿って流れることを言う。また、ヘッド本体10の他方の導入孔12に連通する管状流路220は、その一部が、ホルダー上部材70とホルダー60との間で第1の方向X及び第2の方向Yに沿って水平に設けられている。これにより、ヘッド本体10の2つの導入孔12に対して、この2つの導入孔12に連通する2つの接続流路200を第2流路部材30に合わせて第1の方向X及び第2の方向Yに異なる位置に配置することができる。
このような管状流路220が設けられた各突起部71は、支持部91の第1突起部挿通孔92の内径よりも若干小さな外径を有し、支持部91の第1突起部挿通孔92内に挿入されている。そして、第1突起部挿通孔92に挿入された突起部71の外周には、第2シール部材80の管状部81が嵌合することで、管状流路220と管状部81の貫通孔210とが接続されている。ここで、貫通孔210の内径は、突起部71の外径よりも若干小さく、第2シール部材80の管状部81が内径を広げるように弾性変形することで、貫通孔210の内面が突起部71の外周面に法線方向、すなわち、第1の方向X及び第2の方向Yに圧力を印加した状態で密着される。つまり、管状流路220と貫通孔210とは、第2流路部材30とホルダー60との積層方向である第3の方向Zに対して直交する方向、言い換えると貫通孔210の径方向に圧力を印加した状態で管状流路220の外側面と貫通孔210の内側面とが密接して封止される。
このように、ホルダー上部材70の管状流路220との接続部分を密封する第2シール部材80は、管状流路220とは管状流路220の径方向、すなわち、第3の方向Zに直交する方向に圧力を印加して密封することで、第2シール部材80が液体噴射面の面方向に直交する方向、すなわち、第3の方向Zに弾性変形してその反発力がヘッド本体10を押圧するのを抑制することができる。これにより、流路部材20からのヘッド本体10の剥離、ヘッド本体10を構成する第3の方向Zに積層された図示しない積層部材の剥離、及び、ヘッド本体10の液体噴射面に反りが発生するのを抑制して、液体噴射面の反りによりノズル11から噴射されるインク滴の被噴射媒体への着弾位置ずれを抑制することができる。
一方、第2流路部材30の接続流路200との接続部分を密封する第2シール部材80は、上述のように接続流路200をインクが流れる方向、つまり、第3の方向Zに圧力を印加して密封している。しかしながら、本実施形態では、支持部91が第2シール部材80の第2流路部材30が第2シール部材80を押圧する領域を第3の方向Zに支持するようにしたため、第2流路部材30が第2シール部材80を第3の方向Zに押圧する圧力は、支持部91によって支持される。そして、支持部91を有する支持部材90は、支持部91とホルダー60との間に所定の空間を配した状態で、ホルダー60とノズル11とは第3の方向Zにおける射影が重ならない領域で固定される。これにより、第2流路部材30が第2シール部材80を押圧する圧力によって第2シール部材80が弾性変形し、第2シール部材80の弾性変形することによる反発力が支持部91によって支持され、支持部91を有する支持部材90とホルダー60とを固定する固定領域に分散される。したがって、第2シール部材80を押圧する圧力が、ヘッド本体10の特にノズル11周辺に印加されるのを抑制することができる。この結果、ヘッド本体10を構成する積層部材の剥離や、流路部材20とヘッド本体10との剥離、及び、ヘッド本体10の液体噴射面の反りによるインク滴の着弾位置ずれなどを抑制することができる。
また、第2流路部材30と第2シール部材80との接続を、インクの流れる方向、すなわち、第3の方向Zに圧力を印加して行うことで、第2流路部材30と第2シール部材80との相対的な位置決めや接続を容易に行うことができる。ちなみに、第2流路部材30側にも内部に接続流路200が設けられた管状の突起部を設け、突起部の外周に第2シール部材80の管状部81を嵌合させることで接続流路200と貫通孔210とを接続してもよいが、第2流路部材30側の突起部を同時に第2シール部材80の管状部81に挿入しなくてはならず作業性が悪い。特に、第2流路部材30と第2シール部材80との接続部分は、支持部材90等によって隠れてしまうため、目視を行い難く、正確に接続されているか確認ができない場合がある。また、第2流路部材30に突起部を設けた場合に、第2流路部材30の突起部の位置と、ホルダー上部材70の突起部71に接続された第2シール部材80の複数の管状部81との位置に誤差が生じた場合、管状部81を屈曲させる必要があり、密封不良によるインクの漏出等の不具合が発生する虞がある。本実施形態では、第2流路部材30と第2シール部材80とを第3の方向Zに当接させて、第3の方向Zに圧力をかけて接続流路200と貫通孔210との接続部分を密封することができるので、目視による確認を行わなくても互いの位置決めが容易となる。また、複数の管状部81に対して各接続流路200の位置に誤差が生じたとしても、管状部81を屈曲する方向への力が印加されるのを低減することができ、密封不良によるインクの漏出を抑制することができる。このようなホルダー上部材70は、樹脂材料で成型することにより低コストで形成することができる。
また、ホルダー上部材70は、ホルダー60に接着剤等を介して固定されている。ホルダー60は、ホルダー上部材70の管状流路220に連通すると共に、ヘッド本体10の導入孔12に連通する連通流路230が第3の方向Zに沿って直線状、すなわち、ストレートに設けられている。これにより、第2流路部材30の接続流路200から供給されたインクは、貫通孔210、管状流路220、及び、連通流路230を介してヘッド本体10の導入孔12に供給される。
なお、このようなホルダー60は、樹脂材料を成型することで、低コストで形成することができる。もちろん、ホルダー60の材料は樹脂材料に限定されず金属材料等であってもよい。また、ホルダー60の製造方法は、成型に限定されるものではない。
このようなホルダー60には、1つのヘッド本体10に接続される2つの連通流路230の間に、第3の方向Zに貫通する第1配線挿通孔61が設けられている。また、ホルダー上部材70には、第1配線挿通孔61に連通する第2配線挿通孔72が第3の方向Zに貫通して設けられている。ホルダー60に固定されたヘッド本体10の配線基板13は、第1配線挿通孔61及び第2配線挿通孔72を介してホルダー上部材70のホルダー60とは反対側まで引き出されている。
また、ホルダー上部材70と第2シール部材80との間には、ヘッド本体10の配線基板13が接続される中継基板100が設けられている。
中継基板100には、ホルダー上部材70の第2配線挿通孔72に連通して、ヘッド本体10の配線基板13が挿通される接続孔101が設けられており、接続孔101を挿通した配線基板13は、中継基板100の第2シール部材80側の面で当該中継基板100と電気的に接続されている。このような中継基板100には、特に図示していないが、配線基板13に接続される配線や電子部品等が設けられている。また、中継基板100には、コネクター102が設けられており、支持部材90に設けられた配線接続孔93を挿通した図示しない外部配線がコネクター102に接続される。さらに、中継基板100には、ホルダー上部材70の突起部71が挿通される第2突起部挿通孔103が設けられており、突起部71は、中継基板100の第2突起部挿通孔103及び支持部材90の第1突起部挿通孔92を挿通して、第2シール部材80の貫通孔210と接続される。
このような中継基板100は、本実施形態では、複数のヘッド本体10に対して1つだけ設けられている。このため、複数のヘッド本体10の配線基板13を共通して図示しない外部配線に接続することができ、外部配線との接続を簡略化することができる。もちろん、中継基板100は、複数設けるようにしてもよい。
このような第3流路部材50に、第2流路部材30は固定されている。具体的には、第3流路部材50を構成する支持部材90には、第2流路部材30毎に2つの位置決めピン94と、2つの突出部95と、を具備する。
位置決めピン94は、本実施形態では、Z2側に向かって突出した円柱形状を有し、第2流路部材30の位置決め孔39に対応して設けられている。このような位置決めピン94は、図5に示すように、第2流路部材30の露出孔40側から位置決め孔39に挿入される。これにより、位置決めピン94と位置決め孔39とは、第1の方向X及び第2の方向Yの位置決めが行われる。すなわち、位置決めピン94の外周面と、位置決め孔39の内周面とを第1の方向X及び第2の方向Yに当接させることで、第3流路部材50に対して第2流路部材30の第1の方向X及び第2の方向Yの位置決めが行われる。本実施形態では、位置決めピン94を第1位置決め孔39Aに挿入することによって第1位置決め孔39Aの第1の方向X及び第2の方向Yの位置決めが行われ、位置決めピン94を第2位置決め孔39Bに挿入することで、第1位置決め孔39Aを中心とした回転方向の角度の位置決めが行われる。また、第2流路部材30の露出孔40及び中間露出孔41は、位置決め孔39よりも大きな内径を有するため、位置決めピン94と位置決め孔39との位置決めを阻害することがない。つまり、露出孔40及び中間露出孔41を位置決め孔39と同じ内径で設けた場合、第1基板31、第2基板32及び中間基板33の第1の方向X及び第2の方向Yの位置ずれによって位置決め孔39の周縁部が第2基板32や中間基板33によって覆われてしまう虞がある。本実施形態では、露出孔40及び中間露出孔41が位置決め孔39を露出することで、位置決めピン94と位置決め孔39とを用いて位置決めを確実に行うことができる。すなわち、第2流路部材30は、第3流路部材50に対して第1の方向X及び第2の方向Yの位置決めが、第1基板31によって行われる。このように、第3流路部材50に対して、各第2流路部材30の第1の方向X及び第2の方向Yの位置決めを行うことで、複数の第2流路部材30の接続部34の第1の方向X及び第2の方向Yの相対位置を位置決めすることができる。つまり、位置決め孔39は、接続部34に対して位置決めされて設けられていればよい。これにより、詳しくは後述する第1流路部材を接続部34に接続する際に、同時に複数の第1流路部材を接続部34に高精度に位置決めして接続することができ、インクの漏出を抑制することができる。
一方、支持部材90に設けられた突出部95は、本実施形態では、Z2側に向かって突出した円柱形状を有し、第2流路部材30の凹部43内に対応して設けられている。突出部95は、図6に示すように、その先端面が第1位置決め面96となっており、第2流路部材30の凹部43の底面である第2位置決め面44と第3の方向Zにおいて当接することで、第3流路部材50に対して第2流路部材30の第3の方向Zの位置決めを行っている。すなわち、第2流路部材30は、第3流路部材50に対する第3の方向Zの位置決めが第2基板32で行われる。このように第2流路部材30の第3流路部材50に対する第3の方向Zの位置決めを第3流路部材50側に設けられた第2基板32で行うことで、第2基板32と支持部材90との間で第2シール部材80を第3の方向Zに押圧する圧力を高精度に調整することができる。ちなみに、第1基板31に第2位置決め面を設けた場合、第1基板31、第2基板32及び中間基板33の部材の寸法ばらつきや積層時の接着剤の厚さのばらつき等によって、第2基板32と支持部材90との間で第2シール部材80を押圧する圧力にばらつきが生じてしまう。そして、第2シール部材80を第3の方向Zに押圧する圧力が低いと、密封不良によってインクが漏出してしまう虞がある。また、第2シール部材80を第3の方向Zに押圧する圧力が高すぎると、第2シール部材80に屈曲や歪みが生じてしまい、第2シール部材80に第1の方向X及び第の方向Yへの応力が印加されてインクが漏出されてしまう虞がある。本実施形態では、第2基板32と支持部材90とを第3の方向Zで当接させて位置決めして、第2基板32と支持部材90との間で第2シール部材80を第3の方向Zに押圧することで、第2シール部材80に印加する圧力を適切なものに調整することができ、接続流路200と第2シール部材80の貫通孔210との接続部分のインクの漏出を抑制することができる。また、本実施形態では、第2流路部材30の接続流路200と第2シール部材80の貫通孔210とは、第3の方向Zに圧力を印加して連通するため、互いに第1の方向X及び第2の方向Yの位置に誤差が生じたとしてもインクは漏出し難い。すなわち、第1の方向X及び第2の方向Yの位置決めは第1基板31の位置決め孔39と位置決めピン94とで行われるが、第1基板31に対して第2基板32の第1の方向X及び第2の方向Yの位置ずれが生じたとしても、第2流路部材30の接続流路200と第3流路部材50の管状流路220との接続部分、すなわち、貫通孔210の部分でのインクの漏出は抑制される。
なお、第3流路部材50の突出部95には、第1位置決め面96に開口するねじ穴97が設けられている。また、第2流路部材30の凹部43の底面には、厚さ方向に貫通する固定孔45が設けられている。そして、第2流路部材30は、第3流路部材50の第1位置決め面96に第2位置決め面44を第3の方向Zで当接させた状態で、ねじ98を固定孔45に挿入させてねじ穴97に螺合させることで、第2流路部材30は第3流路部材50に固定される。このように、ねじ穴97は、突出部95の先端の第1位置決め面96に開口するため、第2流路部材30の接続流路200と第3流路部材50の管状流路220との接続部分よりも第3の方向Zの接続流路200側にねじ穴97が設けられていることになる。このようにねじ穴97を接続流路200と管状流路220との接続部分よりも接続流路200側に設けることで、ねじ穴97を設けるスペースを設けるために大型化する必要がなく小型化を図ることができる。つまり、ねじ穴97を設けるには、ねじ穴97の強度を保つためにも周囲に厚みが必要となるが、他の開口、例えば、第1突起部挿通孔92等が設けられていると、他の開口からねじ穴97を離した位置に配置する必要があり、大型化してしまう。本実施形態では、ねじ穴97を突出部95に設けることで、ねじ穴97の剛性を突出部95によって維持することができ、小型化を図ることができる。また、第2流路部材30を第3流路部材50にねじ98によって固定することで、第2流路部材30を第3流路部材50から容易に着脱することができる。したがって、第2流路部材30のみを交換することができ、流路部材20全体を交換するのに比べて歩留まりを向上することができる。また、第2流路部材30を第3流路部材50から容易に着脱することができるため、第2流路部材30の接続流路200に洗浄液を逆流させて、接続流路200やフィルター35上の異物を洗浄する逆洗浄等を容易に行うことができる。
ここで、第2流路部材30の製造方法について説明する。なお、図9は、第2流路部材の製造方法を示す断面図である。
図9(a)に示すように、治具120上に第2基板32を位置決めして保持させる。治具120には、第2基板32の露出孔40に挿入されるピン121が設けられている。治具120のピン121を露出孔40に挿入することで、第2基板32は治具120に対して第1の方向X及び第2の方向Yに位置決めされる。このように治具120に第2基板32が位置決めされた状態で第2基板32に接着剤130を塗布する。すなわち、第2基板32を位置決めして保持して接着剤130を塗布することで、接着剤130を余分な領域に塗布することなく第2基板32に高精度に塗布することができる。
また、図9(b)に示すように、治具120上に中間基板33を位置決めして保持させる。この治具120には、中間基板33の中間露出孔41に挿入されるピン121が設けられており、ピン121を中間露出孔41に挿入することで、中間基板33は治具120に対して第1の方向Xおよび第2の方向Yに位置決めされる。このように治具120に中間基板33が位置決めされた状態で中間基板33に接着剤131を塗布する。すなわち、中間基板33を位置決めして保持して接着剤131を塗布することで、接着剤131を余分な領域に塗布することなく中間基板33に高精度に塗布することができる。なお、中間基板33には、中間基板位置決め孔37が設けられているため、治具120のピン121を中間基板位置決め孔37に挿入して位置決めすることも考えられるが、中間基板位置決め孔37を、接着剤131を塗布する際に保持する治具120の位置決めに用いると、ピン121の出し入れ時などに中間基板位置決め孔37に傷や変形が生じる虞がある。そして、中間基板位置決め孔37に傷や変形が生じると、基板位置決めピン36を中間基板位置決め孔37に挿入した際の位置決めが高精度に行えず、第1基板31と中間基板33との位置ずれが生じてしまう虞がある。本実施形態では、第1基板31と中間基板33との相対的な位置決めに用いず、また、第2流路部材30と第3流路部材50との相対的な位置決めに用いられない中間露出孔41を用いて治具120に位置決めすることで、中間露出孔41に傷や変形が生じても、第1基板31と中間基板33との積層時の位置決めや第2流路部材30と第3流路部材50との位置決めに影響を及ぼすことがない。
次に、図9(c)に示すように、第2基板32上に中間基板33を積層して、第2基板32と中間基板33とを接着剤130を介して接合する。
そして、図9(d)に示すように、中間基板33上に第1基板31を積層して、中間基板33と第1基板31とを接着剤131を介して接合する。これにより、第1基板31、第2基板32及び中間基板33が積層された第2流路部材30が形成される。
このように、第2基板32及び中間基板33を、露出孔40及び中間露出孔41を用いて接着剤130、131を塗布する治具120に位置決めすることで、第1基板31、第2基板32及び中間基板33の相対的な位置決めに影響を及ぼすことなく、高精度に積層することができる。
そして、このような第2流路部材30には、第1流路部材140が接続される。ここで、第1流路部材140の一例について図10を参照して説明する。なお、図10は、記録ヘッド1の要部断面図及びその拡大図である。
図10に示すように、第1流路部材140は、第2流路部材30の各接続部34に対応してそれぞれ設けられている。すなわち、本実施形態では、記録ヘッド1には、12個の接続部34が設けられているため、12個の第1流路部材140が接続される。
このような第1流路部材140は、保持部材150に複数が一体的に保持されている。そして、複数の第1流路部材140を保持した保持部材150が第3流路部材50に固定されることで、第1流路部材140は第2流路部材30と接続される。
ここで、第1流路部材140は、図10(b)に示すように、内部に第1流路240を具備する。また、第1流路240の第2流路部材30側の開口部分には、第1シール部材141が設けられている。第1シール部材141は、第2流路部材30の接続部34の外径よりも若干小さな内径を有する。そして、接続部34を第1シール部材141に挿入することで、接続部34の外周が第1シール部材141の内周面に法線方向、すなわち、第1の方向X及び第2の方向Yに圧力を印加した状態で密着される。つまり、接続部34の内部に設けられた接続流路200と第1流路240とは、第2流路部材30と第3流路部材50との積層方向である第3の方向Zに対して直交する方向、言い換えると接続流路200の径方向に圧力を印加した状態で密封されている。
なお、第1流路部材140は、第3流路部材50に対して第1の方向X及び第2の方向Yが位置決めされて固定される。具体的には、本実施形態では、第1流路部材140を保持する保持部材150が第3流路部材50に第1の方向X及び第2の方向Yに位置決めされた状態で固定されることで、第1流路部材140は、第3流路部材50に対して第1の方向X及び第2の方向Yの位置決めが行われる。
そして、第1流路部材140を第3流路部材50に対して第1の方向X及び第2の方向Yの位置決めを行うことで、第1流路部材140と第2流路部材30との第1の方向X及び第2の方向Yの位置決めが行われる。すなわち、第2流路部材30は、第1基板31が第3流路部材50に対して第1の方向X及び第2の方向Yの位置決めが行われており、第1流路部材140は、第3流路部材50に対して第1の方向X及び第2の方向Yの位置決めが行われる。これにより、第1流路部材140と第2流路部材30とは、第3流路部材50を介して第1の方向X及び第2の方向Yの位置決めが行われる。このとき、第1流路部材140の第1シール部材141には、第1の方向X及び第2の方向Yに位置決めされた第1基板31に設けられた接続部34が接続されるため、第1シール部材141と接続部34との第1の方向X及び第2の方向Yの位置決めは高精度に行うことができる。ちなみに、第2流路部材30の第2基板32が、第3流路部材50に対して第1の方向X及び第2の方向Yの位置決めが行われている場合、接続部34が設けられた第1基板31と第2基板32との位置ずれによって、接続部34の第1の方向X及び第2の方向Yに位置ずれが生じてしまう。このような状態で、接続部34と第1シール部材141を接続すると、第1シール部材141に第1の方向X及び第2の方向Yで印加する圧力にばらつきが生じてしまい、インクの漏出が発生する虞がある。本実施形態では、第1の方向X及び第2の方向Yに押圧する第1シール部材141に対して、接続部34が設けられた第1基板31を第3流路部材50に対して第1の方向X及び第2の方向Yの位置決めを行うことで、第1シール部材141に対して接続部34を高精度に位置決めすることができ、インクの漏出を抑制することができる。なお、接続部34の第1シール部材141に対する第3の方向Zの相対位置、すなわち、挿入位置にずれが生じたとしても、第1シール部材141を押圧する方向ではないため、インクの漏出は発生し難い。したがって、第2流路部材30の第3の方向Zの厚さにばらつきが生じたとしてもインクの漏出は抑制することができる。また、本実施形態では、複数の第1流路部材140が保持部材150によって一体的に保持されている。したがって、複数の第1流路部材140の第1シール部材141の第1の方向X及び第2の方向Yの相対位置と、複数の接続部34の第1の方向X及び第2の方向Yの相対位置とを高精度に位置決めすることで、複数の第1流路部材140を複数の接続部34に同時に接続した際の第1シール部材141の押圧量を高精度に調整することができ、インクの漏出を抑制することができる。また、複数の第1流路部材140を複数の接続部34に同時に接続することができるため、接続時の作業を簡略化することができる。
なお、第1流路部材140には、インクが貯留されたインクタンク等の液体貯留手段が直接接続されていてもよく、また、液体貯留手段がチューブ等の供給管や他の流路部材などを介して接続されていてもよい。ちなみに、第1流路部材140の内部には、下流側の流路が負圧になることで開弁する圧力調整弁が設けられていてもよい。さらに、第1流路部材140は、それ自体がインクの貯留されたインクカートリッジ等であってもよい。
以下、本実施形態の記録ヘッド1の製造方法についてさらに図11及び図12を参照して説明する。なお、図11及び図12は、記録ヘッドの製造方法を示す要部断面図である。
まず、図9に示すように、第1基板31と第2基板32と中間基板33とを固定して接続流路200を有する第2流路部材30を形成する(第1工程)。
次に、図8に示すように、ホルダー60、ホルダー上部材70、第2シール部材80及び支持部材90を組み立てることにより、第3流路部材50を形成する(第2工程)。
次に、第2流路部材30を第3流路部材50に固定する(第3工程)。具体的には、図11(a)に示すように、第3流路部材50の位置決めピン94を第2流路部材30の位置決め孔39に挿入することで、第2流路部材30の第3流路部材50に対する第1の方向X及び第2の方向Yの位置決めを行う。
次に、図11(b)に示すように、第3流路部材50の突出部95の第1位置決め面96を第2流路部材30の第2位置決め面44に当接させて、第2流路部材30の第3流路部材50に対する第3の方向Zの位置決めを行うと共に、ねじ98を突出部95のねじ穴97に螺合させることで、第2流路部材30を第3流路部材50に固定する。
次に、図12に示すように、第2流路部材30の接続部34を第1流路部材140の第1シール部材141に第1の方向X及び第2の方向Yに押圧して接続流路200と第1流路240とを接続する(第4工程)。
これにより、第1シール部材141の第1の方向X及び第2の方向Yの押圧量を高精度に調整することができると共に、第2シール部材80の第3の方向Zの押圧量を高精度に調整することができる。したがって、第1流路部材140の第1流路である第1流路240と第2流路部材30の第2流路である接続流路200との接続部分のインクの漏出を抑制することができると共に、第2流路部材30の接続流路200と第3流路部材50の第3流路である管状流路220との接続部分のインクの漏出を抑制することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の基本的な構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態1では、第1基板31に位置決め孔39を設け、第3流路部材50に位置決めピン94を設け、第3流路部材50の位置決めピン94と第1基板31の位置決め孔39とが第1の方向X及び第2の方向Yに位置決めされるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、第1基板31に位置決めピンを設け、第3流路部材50に第1基板31の位置決めピンが挿入される位置決め孔を設けるようにしてもよい。この場合であっても、第1基板31は、第3流路部材50に対して第1の方向X及び第2の方向Yに高精度に位置決めすることができる。
また、上述した実施形態1では、第1流路部材140の第1流路240と第2流路部材30の接続流路200との接続部分を密封する第1シール部材141は、第1の方向X及び第2の方向Yに押圧され、第2流路部材30の接続流路200と第3流路部材50の管状流路220との接続部分を密封する第2シール部材80は、第3の方向Zに押圧されるようにしたが、特にこれに限定されない。例えば、第1流路部材140の第1流路240と第2流路部材30の接続流路200との接続部分を密封する第1シール部材141は、第3の方向Zに押圧され、第2流路部材30の接続流路200と第3流路部材50の管状流路220との接続部分を密封する第2シール部材80は、第1の方向X及び第2の方向Yに押圧されるようにしてもよい。この場合には、第1基板31が、第2基板32に対してZ1側に積層されるようにすればよい。なお、第2流路部材30の接続流路200と、第2シール部材80の貫通孔210との接続部分は、支持部材90等によって隠れてしまうが、第2基板32が第3流路部材50に対して第1の方向X及び第2の方向Yの位置決めが行われていれば、目視しなくても第2流路部材30の接続流路200と第2シール部材80の貫通孔210とを確実に接続することができ、インクの漏出を抑制することができる。さらに、上述した実施形態1では、第1流路部材140から第2流路部材30を介して第3流路部材50にインクが流れるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、第3流路部材50側から第2流路部材30を介して第1流路部材140側にインクが流れるようにしてもよい。
また、上述した実施形態1では、第2流路部材30と第3流路部材50との積層方向を第3の方向Zとし、第1の方向X、第2の方向Y及び第3の方向Zが互いに直交する方向としたが、特にこれに限定されず、第1の方向Xと第2の方向Yとが直交する方向であれば、第1の方向X及び第2の方向Yは第3の方向Zに対して90度以外の角度で交差する方向であってもよい。
また、上述した実施形態1では、第2流路部材30を第3流路部材50にねじ98によって固定するようにしたが、特にこれに限定されず、クランプ等によって固定するようにしてもよい。ただし、第2流路部材30を第3流路部材50に着脱可能に固定することで、第2流路部材30の接続流路200を容易に逆洗浄することができる。
さらに、上述した実施形態1では、第2流路部材30には、フィルター35が設けられているが、第2流路部材30は、フィルター35が設けられたものに限定されるものではなく、フィルター35は設けられていなくてもよい。なお、フィルター35は、例えば、第3流路部材50に設けられていてもよい。
また、第2流路部材30には、露出孔40及び中間露出孔41が設けられているが、特にこれに限定されず、露出孔40及び中間露出孔41は設けられていなくてもよい。ただし、露出孔40及び中間露出孔41が設けられていない場合であっても、位置決め孔39は、第3の方向ZのZ1側から見た場合に露出されていればよい。
また、上述した実施形態1では、第1基板31と第2基板32と中間基板33とが基板位置決めピン36、中間基板位置決め孔37及び基板位置決め孔38によって互いに第1の方向X及び第2の方向Yに位置決めされた構成を例示したが、特にこれに限定されず、例えば、第1基板31と第2基板32と中間基板33とにマークを設け、マークを視認することで位置決めするようにしてもよく、また、外形基準で相対的に位置決めするようにしてもよく、さらに、画像処理によって位置決めするようにしてもよい。
また、これら上述した実施形態の記録ヘッド1は、インクジェット式記録装置に搭載される。図13は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図13に示すインクジェット式記録装置Iにおいて、記録ヘッド1には、液体貯留手段であるインクタンク等の液体貯留手段2がチューブ等の供給管2aを介して接続されている。そして、記録ヘッド1は、キャリッジ3に搭載されている。キャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動可能に設けられている。本実施形態では、記録ヘッド1の第2の方向Yがキャリッジ3の移動方向となるように配置されている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッド1を搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4には搬送手段としての搬送ローラー8が設けられており、紙等の記録媒体である記録シートSが搬送ローラー8により搬送されるようになっている。なお、記録シートSを搬送する搬送手段は、搬送ローラーに限られずベルトやドラム等であってもよい。
なお、上述したインクジェット式記録装置Iでは、記録ヘッド1がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、記録ヘッド1が固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
なお、上記実施の形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを、また液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置を挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド及び液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドや液体噴射装置にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、かかる液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置にも適用できる。
1 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 2 液体貯留手段、 10 ヘッド本体、 11 ノズル、 12 導入孔、 13 配線基板、 20 流路部材、 30 第2流路部材、 31 第1基板、 32 第2基板、 33 中間基板、 34 接続部、 35 フィルター、 36 基板位置決めピン、 37 中間基板位置決め孔、 38 基板位置決め孔、 39 位置決め孔、 39A 第1位置決め孔、 39B 第2位置決め孔、 40 露出孔、 41 中間露出孔、 42 凸部、 43 凹部、 44 第2位置決め面、 45 固定孔、 50 第3流路部材、 60 ホルダー、 70 ホルダー上部材、 71 突起部、 80 第2シール部材、 81 管状部、 90 支持部材、 91 支持部、 92 第1突起部挿通孔、 100 中継基板、 103 第2突起部挿通孔、 120 治具、 121 ピン、 130、131 接着剤、 140 第1流路部材、 141 第1シール部材、 150 保持部材、 200 接続流路(第2流路)、 210 貫通孔、 220 管状流路(第3流路)、 230 連通流路、 240 第1流路、 X 第1の方向、 Y 第2の方向、 Z 第3の方向(積層方向)

Claims (8)

  1. 第1流路部材に設けられた第1流路と連通する第2流路が設けられた第2流路部材と、
    前記第2流路部材に設けられた前記第2流路と連通する第3流路が設けられ、前記第2流路部材と積層された第3流路部材と、
    前記第1流路、前記第2流路及び前記第3流路を介して供給された液体を噴射するノズルと、
    を備え、
    前記第1流路と前記第2流路との接続部分は、第1シール部材により密封され、
    前記第2流路と前記第3流路との接続部分は、第2シール部材により密封され、
    前記第2流路部材は、
    前記第3流路部材に対して、当該第2流路部材の積層方向に対して交差する第1の方向及び第2の方向における位置決めを行う第1基板と、
    前記第3流路部材に対して、当該第2流路部材の前記積層方向の位置決めを行う第2基板と、
    を有し、
    前記第1基板は、前記第1シール部材と前記第2シール部材との何れか一方により第1の方向及び第2の方向に押圧され、
    前記第2基板は、前記第1シール部材と前記第2シール部材との何れか他方により前記積層方向に押圧されることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記第2流路部材は、前記第3流路部材に設けられたねじ穴に螺合するねじにより前記第3流路部材に固定され、
    前記第2流路と前記第3流路との接続部分よりも前記積層方向の前記第2流路側に前記ねじ穴が設けられていることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記第2流路部材は、前記第1基板と前記第2基板との間にフィルターを有することを特徴とする請求項1又は2記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記第3流路部材には、
    前記第1の方向及び前記第2の方向の位置決めに用いられる位置決めピンと、
    前記積層方向の位置決めに用いられる第1位置決め面と、
    が設けられ、
    前記第1基板は、前記位置決めピンに対して前記第1の方向及び前記第2の方向で当接する位置決め孔を有し、
    前記第2基板は、前記第1位置決め面に対して前記積層方向で当接する第2位置決め面を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記第2基板は、前記積層方向のうち前記位置決めピンの根元側から先端側に向けて見た場合に、前記第1基板の前記位置決め孔を露出させる露出孔を有することを特徴とする請求項4記載の液体噴射ヘッド。
  6. 前記第1基板と前記第2基板との何れか一方は、互いに前記第1の方向及び前記第2の方向に位置決めを行う基板位置決めピンを有し、
    前記第1基板と前記第2基板との何れか他方は、前記基板位置決めピンに対して前記第1の方向及び前記第2の方向で当接する基板位置決め孔を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
  8. 第1流路部材に設けられた第1流路と連通する第2流路を有する第2流路部材と、
    前記第2流路部材の前記第2流路と連通する第3流路が設けられた第3流路部材と、
    前記第1流路、前記第2流路及び前記第3流路を介して供給された液体を噴射するノズルと、
    を備える液体噴射ヘッドの製造方法であって、
    第1基板と第2基板とを固定し、前記第2流路部材の前記第2流路を形成する第1工程と、
    前記第3流路部材に対して第2シール部材を固定する第2工程と、
    前記第2基板と前記第3流路部材とにより前記第2シール部材を積層方向に押圧して前記第2流路と前記第3流路とを接続部分を前記第2シール部材により密封し、前記第2基板により前記第3流路部材に対する前記積層方向の位置決めを行い、前記第1基板により前記第3流路部材に対する前記積層方向に対して交差する第1の方向及び第2の方向の位置決めを行う第3工程と、
    前記第1流路部材と前記第1基板とにより第1シール部材を前記第1の方向及び前記第2の方向に押圧して前記第1流路と前記第2流路との接続部分を前記第1シール部材により密封する第4工程と、
    を備えることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
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