JP2015189139A - 液体噴射装置及びその検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストを低減して、破壊を抑制した液体噴射装置及びその検査方法を提供する。【解決手段】複数の圧力発生室53Aが並設された圧力発生室列57Aと、複数のダミー圧力発生室53Bが並設されたダミー圧力発生室列57Bと、前記圧力発生室列57Aを構成する前記複数の圧力発生室53Aが連通するマニホールド56Aと、前記ダミー圧力発生室列57Bを構成する前記複数のダミー圧力発生室53Bが連通するダミーマニホールド56Bと、を有するマニホールド形成基板54と、前記圧力発生室53Aに対応したノズル列と、前記ダミー圧力発生室53Bに対応したノズル列が設けられていないノズルプレート52と、を具備する液体噴射ヘッド2を備え、前記ダミーマニホールド56Bは、大気に連通している。【選択図】 図11

Description

本発明は、液体を噴射する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置及びその検査方法に関し、特に液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録装置及びインクジェット式記録装置の検査方法に関する。
液体噴射装置の一例であるインクジェット式プリンターやプロッター等のインクジェット式記録装置は、カートリッジやタンク等の貯留されたインクを噴射可能なインクジェット式記録ヘッドを具備する(例えば、特許文献1参照)。
インクジェット式記録ヘッドには、インクを噴射するノズル開口が並設されたノズル列が複数設けられているが、インクジェット式記録装置に用いるインクの種類や、印刷速度、印刷解像度などに応じて、必要なノズル列の数が異なる。
特開2001−328260号公報
しかしながら、インクジェット式記録ヘッドを構成する部品をノズル列の数に合わせて複数種類製造すると高コストになると共に、種類の異なる部品を管理しなくてはならず製造工程が煩雑担ってしまうという問題がある。
また、複数のノズル列を有するインクジェット式記録ヘッドにおいて、部品を共通化して、ノズル列の一部をインク滴を吐出させないダミーノズル列とすると、インクを噴射させないダミーノズルにインクが付着し、予期せぬタイミングで付着したインクが被噴射媒体に落下して被噴射媒体を汚してしまうという問題がある。
また、ダミーノズルを設けずに、圧力発生室が並設された圧力発生室列にインクを供給しないダミー圧力発生室とした場合、ダミー圧力発生室やダミー圧力発生室に連通するダミーマニホールドを密封して大気と遮断すると、ダミー圧力発生室やダミー圧力発生室に連通するダミーマニホールド内の気体が、環境温度の変化によって膨張・収縮し、ダミーマニホールドを形成する積層部材の剥離が生じてしまうという問題がある。特に、マニホールドは圧力発生室列の長さ方向に亘って形成された容量の大きな構成のため、ダミーマニホールドの周囲において積層部材に剥離が発生し易い。そして、ダミーマニホールドとマニホールドとは同じ構成で形成されるため、同じ部材に設けられることが多く、ダミーマニホールドの周囲の剥離を起点として、インクが充填されるマニホールド側にも剥離が進行してしまうという問題がある。
なお、このような問題はインクジェット式記録装置だけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射装置においても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、コストを低減して、破壊を抑制した液体噴射装置及びその検査方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、複数の圧力発生室が並設された圧力発生室列と、複数のダミー圧力発生室が並設されたダミー圧力発生室列と、前記圧力発生室列を構成する前記複数の圧力発生室が連通するマニホールドと、前記ダミー圧力発生室列を構成する前記複数のダミー圧力発生室が連通するダミーマニホールドと、を有するマニホールド形成基板と、前記圧力発生室に対応したノズル列と、前記ダミー圧力発生室に対応したノズル列が設けられていないノズルプレートと、を具備する液体噴射ヘッドを備え、前記ダミーマニホールドは、大気に連通していることを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、ダミーマニホールドが大気開放されているため、環境温度によってダミーマニホールド内の気体の膨張・収縮による圧力変化を抑制することができる。したがって、ダミーマニホールドの周辺において、マニホールド形成基板に接続された他の部材の剥離を抑制することができる。また、ダミーマニホールドとダミー圧力発生室に液体を供給すれば、通常のマニホールド及び圧力発生室として使用することが可能である。したがって、ノズルプレート以外の部品をノズル列の異なる液体噴射ヘッドにおいて共通化することができコストを低減することが可能となる。
ここで、前記圧力発生室及び前記マニホールドは、複数設けられており、前記ダミー圧力発生室及び前記ダミーマニホールドは、複数の前記圧力発生室列及び複数の前記マニホールドの並設方向の両側にそれぞれ設けられていることが好ましい。これによれば、液体の噴射に用いるマニホールド及び圧力発生室を並設方向中央側に配置して、これらに連通するノズル列を中央側に集中して配置することができ、印刷品質の向上及び高速印刷が可能となる。
また、前記マニホールドの上流側の流路にはフィルターが設けられており、前記ダミーマニホールドの上流側の流路にも前記フィルターが設けられていることが好ましい。これによれば、ダミーマニホールド及びダミー圧力発生室を通常のマニホールド及び圧力発生室と同様に使用することができると共に、ダミーマニホールド及びダミー圧力発生室への異物の侵入を防ぐことができる。
また、前記液体噴射ヘッドに液体を供給する液体供給手段をさらに有し、前記液体供給手段が、前記マニホールドに連通する流路が設けられた流路部材を具備してもよく、前記流路部材の前記流路には、前記マニホールドに連通する側の圧力によって開閉する弁体を有し、前記流路は、前記ダミーマニホールドに対応して設けられていると共に、前記ダミーマニホールドに対応して設けられた前記流路と前記マニホールドとの接続部分において、大気に開放されていることが好ましい。これによれば、容易にダミーマニホールドを大気開放することができると共に、ダミーマニホールドに流路を接続するだけで、ダミーマニホールド及びダミー圧力発生室を通常のマニホールド及び圧力発生室と同様に使用することができる。
さらに、本発明の他の態様は、複数の圧力発生室が並設された圧力発生室列と、複数のダミー圧力発生室が並設されたダミー圧力発生室列と、前記圧力発生室列を構成する前記複数の圧力発生室が連通するマニホールドと、前記ダミー圧力発生室列を構成する前記複数のダミー圧力発生室が連通するダミーマニホールドと、を有するマニホールド形成基板と、前記圧力発生室に対応したノズル列と、前記ダミー圧力発生室に対応したノズル列が設けられていないノズルプレートと、を具備する液体噴射ヘッドを備え、前記ダミーマニホールドは、大気に連通している液体噴射装置の検査方法において、前記ダミーマニホールドの大気に連通している部分から検査用流体を供給して、前記ダミーマニホールドの外部において前記検査用流体を検出して、前記ダミーマニホールドの密封状態を検査することを特徴とする液体噴射装置の検査方法にある。
かかる態様では、大気開放されたマニホールドに検査用流体を供給するだけで、容易にダミーマニホールド及びそれに連通する流路の密封状態を確認することができる。
本発明の実施形態1に係る記録装置の概略斜視図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッド及び流路部材の斜視図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの平面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの要部を拡大した断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの要部平面図である。 本発明の実施形態1に係る流路部材の平面図である。 本発明の実施形態1に係る流路部材の断面図である。 本発明の実施形態1に係る流路部材の断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドと流路部材との断面図である。 本発明の検査方法を示すフローチャートである。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置の概略斜視図であり、図2は、記録ヘッド及び流路部材の斜視図である。
図示するように、本実施形態のインクジェット式記録装置1は、インクジェット式記録ヘッド2(以下、記録ヘッド2とも言う)を有し、記録ヘッド2はキャリッジ3に搭載されている。そして、記録ヘッド2が搭載されたキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸3aに軸方向移動自在に設けられている。
また、装置本体4には、インクが貯留されたタンクからなる液体貯留手段5が設けられており、液体貯留手段5からのインクは、キャリッジ3に搭載されて記録ヘッド2に接続された流路部材6にチューブ等の供給管7を介して供給される。本実施形態で、液体貯留手段5と流路部材6とが記録ヘッド2にインクを供給する液体供給手段を構成している。
そして、駆動モーター8の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト8aを介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッド2を搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸3aに沿って移動される。一方、装置本体4には搬送手段としての搬送ローラー9が設けられており、紙等の記録媒体である記録シートSが搬送ローラー9により搬送されるようになっている。なお、記録シートSを搬送する搬送手段は、搬送ローラーに限られずベルトやドラム等であってもよい。
このようなインクジェット式記録装置Iでは、キャリッジ3をキャリッジ軸3aに沿って移動させながら記録ヘッド2からインクを噴射させると共に、搬送ローラー9によって記録シートSを搬送することで、記録シートSにインクを着弾させて印刷が行われる。
ここで、このようなインクジェット式記録装置1に搭載される本実施形態の記録ヘッド2について説明する。なお、図3は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図であり、図4は、インクジェット式記録ヘッドの平面図であり、図5は、図4のA−A′線断面図であり、図6は、図5の要部を拡大した断面図及びそのB−B′線断面図であり、図7は、流路形成基板の平面図である。
図示するように、記録ヘッド2は、ホルダー10と、ホルダー10の一方面側に設けられたヘッド部材20と、ホルダー10とヘッド部材20との間に設けられた配線基板60及び第1シール部材70と、ヘッド部材20のホルダー10とは反対側に設けられた枠体80を具備する。
ホルダー10は、詳しくは後述する流路部材6が装着される流路部材装着部11を有する。本実施形態では、ホルダー10の流路部材装着部11には、例えば、4つの流路部材6が装着される。ホルダー10の流路部材装着部11とは反対側の面には、一端が各流路部材装着部11に開口し、他端が後述するケース側に開口する複数の第1流路12がそれぞれ形成された管状の流路形成部13が突設されている。
ホルダー10の上面側、すなわち、流路部材装着部11の第1流路12の開口部分には、流路部材6に挿入されインク導入路14を有する複数のインク供給針15が、インク内の気泡や異物を除去するためのフィルター16を介して固定されている。
ホルダー10の下面側には、ヘッド部材20が固定されている。ヘッド部材20は、アクチュエーターユニット30と、アクチュエーターユニット30を内部に収容可能な収容部41が設けられたケース40と、このケース40のホルダー10とは反対側の端面に固定される流路ユニット50と、を具備する。
アクチュエーターユニット30は、本実施形態の複数の圧電アクチュエーター31が第1の方向Xに並設された圧電アクチュエーター形成部材32と、圧電アクチュエーター形成部材32の先端部(一端部)側が自由端となるようにその基端部(他端部)側が固定端として接合される固定板33とを有する。
圧電アクチュエーター形成部材32は、圧電材料層34と、圧電アクチュエーター31の2つの極を構成する内部電極、すなわち、隣接する圧電アクチュエーター31と電気的に独立する個別電極を構成する個別内部電極35と、隣接する圧電アクチュエーター31と電気的に共通する共通電極を構成する共通内部電極36とを交互に挟んで積層することにより形成されている。
この圧電アクチュエーター形成部材32には、例えば、ワイヤーソー等によって複数のスリット37が形成され、その先端部側が櫛歯状に切り分けられて圧電アクチュエーター31の列が形成されている。
ここで、圧電アクチュエーター31の固定板33に接合される領域は、振動に寄与しない不活性領域となっており、圧電アクチュエーター31を構成する個別内部電極35及び共通内部電極36間に電圧を印加すると、固定板33に接合されていない先端部側の領域のみが振動する。そして、圧電アクチュエーター31の先端面が、後述する振動板55の島部55dに接着剤等を介して固定される。
また、アクチュエーターユニット30の各圧電アクチュエーター31には、当該圧電アクチュエーター31を駆動するための駆動IC等の駆動回路が搭載されたCOF等の回路基板38が接続されている。
流路ユニット50は、複数のノズル開口51が形成されたノズルプレート52と、ノズル開口51に連通する圧力発生室53を含む流路が形成された流路形成基板54と、流路形成基板54のノズルプレート52とは反対面側に固定される振動板55と、を具備する。
本実施形態では、流路形成基板54には、複数の圧力発生室53が連通する共通液室となるマニホールド56が形成されており、流路形成基板54がマニホールド形成基板にもなっている。
流路形成基板54には、ケース40側の面の表層部分に、圧力発生室53が隔壁によって区画されて複数並設された圧力発生室列57が形成されている。以降、圧力発生室列57を構成する圧力発生室53の並設方向を第1の方向Xとも称する。また、流路形成基板54には、圧力発生室列57が複数列、本実施形態では、8列設けられている。この圧力発生室列57が複数並設された方向を、以降、第2の方向Yと称する。さらに、第1の方向X及び第2の方向Yの双方に直交する方向を第3の方向Zと称する。なお、本実施形態では、説明理解を容易にするために各方向(X、Y、Z)の関係を直交とするが、各構成の配置関係が必ずしも直交するものに限定されるべきものでないことを言及しておく。
また、図7にも示すように、流路形成基板54には、圧力発生室列57毎に、各圧力発生室列57を構成する複数の圧力発生室53が共通して連通する共通液室であるマニホールド56が設けられている。すなわち、マニホールド56は、圧力発生室列57の数と同じ数、本実施形態では、8個設けられている。このようなマニホールド56は、第1の方向Xに延在しており、第1の方向Xにおいて圧力発生室列57と略同じ長さを有する。また、本実施形態では、マニホールド56は、第2の方向Yにおいて、2列の圧力発生室列57の両側にそれぞれ設けるようにした。つまり、マニホールド56は、流路形成基板54に第2の方向Yに並設されている。なお、マニホールド56は、流路形成基板54を第3の方向Zに貫通して設けられている。また、各マニホールド56には、ケース40に設けられたインク導入路14が連通している。また、マニホールド56と各圧力発生室53とは、インク供給路58を介して連通されている。インク供給路58は、本実施形態では、圧力発生室53よりも第1の方向Xに狭い幅で形成されており、インク供給路58を介して圧力発生室53にインクを供給する際に、インクの流路抵抗を一定に保持する。
さらに、流路形成基板54には、第2の方向Yにおいて、圧力発生室53のマニホールド56とは反対の端部側には、流路形成基板54を貫通するノズル連通孔59が形成されている。すなわち、本実施形態では、流路形成基板54に液体流路として、マニホールド56、インク供給路58、圧力発生室53、及びノズル連通孔59が設けられている。このような流路形成基板54は、本実施形態では、シリコン単結晶基板からなり、流路形成基板54に設けられる圧力発生室53やマニホールド56等は、流路形成基板54をエッチングすることによって形成されている。
また、本実施形態では、図7にも示すように、第2の方向Yに並設された8列の圧力発生室列57のうち、第2の方向Yの両端部の2列の圧力発生室列57をインクが充填されないようにした。すなわち、第2の方向Yの中央側の6列の圧力発生室列57は、インクが充填される圧力発生室53Aで形成されたインク噴射用の圧力発生室列57Aとなっており、第2の方向Yの両端部の2列の圧力発生室列57は、インクが充填されないダミー圧力発生室53Bで構成されたダミー圧力発生室列57Bとした。なお、インクが充填されるインク噴射用の圧力発生室53A及びインク噴射用の圧力発生室列57Aは、以下、単に圧力発生室53A及び圧力発生室列57Aとも称する。
なお、ダミー圧力発生室列57Bを構成するダミー圧力発生室53Bは、インクを噴射する圧力発生室列57Aを構成する圧力発生室53Aと同じ構造を有する。すなわち、圧力発生室53Aとダミー圧力発生室53Bとは、大きさ、形状及び数が同じように形成されている。つまり、ダミー圧力発生室53Bは、インクが供給されれば、インクを噴射する通常の圧力発生室53Aと同様に機能することができるものである。
また、流路形成基板54には、上述のようにマニホールド56が形成されている。本実施形態では、圧力発生室列57Aを構成する圧力発生室53Aに連通するインク噴射用のマニホールド56Aと、ダミー圧力発生室列57Bを構成するダミー圧力発生室53Bに連通するダミーマニホールド56Bと、で構成されている。本実施形態では、第2の方向Yに並設された8つの圧力発生室列57のうち、第2の方向Yの両端部の2列の圧力発生室列57をダミー圧力発生室列57Bとし、第2の方向Yに並設された8つのマニホールド56のうち、第2の方向Yの両端部の2つのマニホールド56をダミーマニホールド56Bとした。つまり、インクが充填されるマニホールド56Aとダミーマニホールド56Bとは、同一部材である流路形成基板54に形成されている。なお、インクが充填されるマニホールド56Aを単にマニホールド56Aとも称する。
この流路形成基板54の一方面にはインクを吐出するノズル開口51が複数設けられたノズルプレート52が接合され、各ノズル開口51は、流路形成基板54に設けられたノズル連通孔59を介して各圧力発生室53と連通している。ノズル開口51は、本実施形態では、圧力発生室列57Aを構成する圧力発生室53Aに連通して設けられており、ダミー圧力発生室列57Bを構成するダミー圧力発生室53Bには、連通して設けられていない。すなわち、ノズルプレート52には、第1の方向Xに並設されたノズル開口51で構成されたノズル列が、第2の方向Yに6列並設されている。
また、流路形成基板54のホルダー10側には、振動板55が接合されており、各圧力発生室53はこの振動板55によって封止されている。なお、振動板55は、図示するように流路形成基板54の他方面の面積と同程度の面積を備えており、流路形成基板54の他方面全体を覆うように接合されている。
この振動板55は、例えば、樹脂フィルム等の弾性部材からなる弾性膜55aと、この弾性膜55aを支持する、例えば、金属材料等からなる支持板55bとの複合板で形成されており、弾性膜55a側が流路形成基板54に接合されている。本実施形態では、弾性膜55aは、厚さが数μm程度のポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム等からなり、支持板55bは、厚さが数十μm程度のステンレス鋼板(SUS)等からなる。
また、この振動板55の各圧力発生室53の周縁部に対向する領域は、支持板55bが除去されて実質的に弾性膜55aのみで構成された薄肉部55cとなっている。この薄肉部55cは、圧力発生室53の一方面を画成している。また、この薄肉部55cの内側には、各圧電アクチュエーター31の先端が当接する支持板55bの一部からなる島部55dがそれぞれ設けられている。
また、振動板55のマニホールド56に対向する領域は、支持板55bが除去されて弾性膜55aのみで構成されたとなっている。このコンプライアンス部は、マニホールド56内の圧力変化が生じた時に変形することで圧力変動を吸収し、マニホールド56内の圧力を常に一定に保持する役割を果たす。
ケース40は、流路形成基板54の振動板55上に固定されたものであり、ホルダー10の第1流路12が接続されてマニホールド56に連通する第2流路42を有する。第2流路42は、インクを噴射する圧力発生室列57Aに連通するマニホールド56Aと、インクを噴射しないダミー圧力発生室列57Bに連通するダミーマニホールド56Bと、のそれぞれに対応して設けられている。
また、ケース40には、第3の方向Zに貫通する複数の収容部41が設けられており、各収容部41にアクチュエーターユニット30が位置決めされて固定されている。このような収容部41は、本実施形態では、圧力発生室列57に対応した数、すなわち、8個設けられている。すなわち、収容部41は、インクを噴射する圧力発生室53Aで構成された圧力発生室列57Aだけでなく、ダミー圧力発生室53Bで構成されたダミー圧力発生室列57Bにも対応して設けられている。
そして、各収容部41の内面に、アクチュエーターユニット30の固定板33が固定されている。本実施形態では、インクの噴射に用いる圧力発生室列57Aに対応する収容部41内のみにアクチュエーターユニット30を設け、ダミー圧力発生室列57Bに対応する収容部41、すなわち、第2の方向Yの両端部の収容部41にはアクチュエーターユニット30を設けないようにした。つまり、本実施形態の記録ヘッド2には、アクチュエーターユニット30がノズル列に対応する数、すなわち、6個設けられている。これにより、使用しないアクチュエーターユニット30を設けずに、部品コストを低減することができると共に、使用しないアクチュエーターユニット30の振動板55に対する位置決めを行う工程が不要となって製造コストを低減することができる。
また、ケース40の流路ユニット50とは反対側には、回路基板38が接続される配線基板60が固定されており、ケース40の収容部41は、この配線基板60によって実質的に塞がれている。配線基板60には、ケース40の収容部41に対向する領域にスリット状の開口部61が形成されており、回路基板38はこの配線基板60の開口部61から収容部41の外側に折り曲げられて引き出されている。なお、本実施形態では、開口部61は、2つの収容部41に対して1つが連通するように設けられている。そして、本実施形態では、アクチュエーターユニット30が6個設けられているが、配線基板60には、開口部61が収容部41の数に合わせて4個設けられている。
また、ホルダー10とケース40上に設けられた配線基板60とは、第1シール部材70が介装されている。そして、第1シール部材70はホルダー10とヘッド部材20との間に所定の押圧力が付与された状態で挟持されており、第1シール部材70に設けられたインク連通路71を介してホルダー10の第1流路12とケース40の第2流路42とが連通している(図11参照)。すなわちこの第1シール部材70によって第1流路12と第2流路42とが気密状態に接続されている。
なお、このようにホルダー10の下面側に、第1シール部材70、配線基板60、ヘッド部材20を配し、これら各部材の外側に流路ユニット50のノズル開口51を露出する窓部81を有する枠体80をはめ込み、枠体80を固定ネジ82によってホルダー10に固定することで記録ヘッド2が形成されている。
このような記録ヘッド2では、圧電アクチュエーター31及び振動板55の変形によって各圧力発生室53の容積を変化させることで、各ノズル開口51からインク滴を吐出させている。具体的には、液体貯留手段5から第1流路12及び第2流路42を介してマニホールド56にインクが供給されると、インク供給路58を介してインクの噴射に用いる各圧力発生室53にインクが分配される。そして、駆動回路からの駆動信号によって所定の圧電アクチュエーター31に電圧を印加及び解除することによって、圧電アクチュエーター31を収縮及び伸張させて圧力発生室53に圧力変化を生じさせ、ノズル開口51からインクを噴射させる。
このような本実施形態の記録ヘッド2は、8列のノズル列を設けることが可能な構造となっているものに対して、6列のノズル列が形成されたノズルプレート52を有する記録ヘッド2として使用している。したがって、8列のノズル列を有するノズルプレートに交換するだけで、8列のノズル列を有する記録ヘッドとすることも容易に可能である。すなわち、6列のノズル列が設けられたノズルプレート52を、8列のノズル列が設けられたノズルプレートに交換する。そして、ダミー圧力発生室列57Bに対応する収容部41にアクチュエーターユニット30を設ける。これにより、ダミー圧力発生室列57Bをインクの噴射に用いる圧力発生室列57Aとして使用することができる。つまり、本実施形態の記録ヘッド2のダミー圧力発生室列57B及びダミーマニホールド56Bは、インクを噴射する圧力発生室列57A及びマニホールド56Aと同じ構造、同じ数で形成されており、ダミーマニホールド56Bに連通する流路や部材、すなわち、第1流路12、第2流路42や、インク供給針15、振動板55等もマニホールド56に対する流路や部材と同様に設けられているため、ダミー圧力発生室列57B及びダミーマニホールド56Bをインクを噴射する圧力発生室列57A及びマニホールド56Aとすることが容易に可能である。
そして、6列のノズル列を有する本実施形態の記録ヘッド2と、8列のノズル列を有する記録ヘッドとでは、ノズルプレート52を除くヘッド部材20を構成する部材や、ヘッド部材20以外の部材、すなわち、ホルダー10、配線基板60、第1シール部材70等を全て共通化することができる。したがって、6列のノズル列の記録ヘッド2や8列のノズル列の記録ヘッドなどのノズル列の異なる記録ヘッドに合わせて、ノズルプレート52以外の部材を作り分ける必要がなく、部品を共通化することができる。したがって、共通化した部品を量産化して製造コストを低減することができると共に、記録ヘッド2の組み立てコストを低減することができる。また、部品を共通化することができるため、部品の管理を容易にして、組み立て工程を簡略化することができる。
また、このような記録ヘッド2のダミーマニホールド56Bは、大気に連通して、所謂大気開放して設けられている。本実施形態では、ダミーマニホールド56Bに連通するインク導入路14と、このインク導入路14に連通する流路部材6の流路との接続部分の密封を解除することで、ダミーマニホールド56Bに連通するインク導入路14を大気開放するようにした。
ここで、記録ヘッド2に接続される流路部材6について、図2と、図8〜図10を参照して説明する。なお、図8は、本発明の実施形態1に係る流路部材の平面図であり、図9及び図10は、図8のC−C′線断面図である。また、本実施形態の流路部材について、記録ヘッド2に搭載された際の各方向(X、Y、Z)に基づいて説明する。
図示するように、流路部材6は、記録ヘッド2のインク導入路14に接続されて、液体貯留手段5の供給管7から供給された液体であるインクが流れる流路100を具備し、流路100を開閉可能な弁体114を具備するものである。
具体的には、流路部材6は、流路部材本体110と、この流路部材本体110の第1の方向Xの両面に熱用着等により接合された可撓性のフィルム111と、を具備する。
流路部材本体110には、流路100が設けられている。流路100は、供給管7に接続される側に設けられた流入路101と、流入路101に連通する液体溜まり部102と、液体溜まり部102に流入口103を介して連通する圧力調整室104と、圧力調整室104と記録ヘッド2のインク導入路14とを接続する流出路105と、を具備する。
液体溜まり部102は、第1の方向Xの流路部材本体110の一側面に形成された凹部を蓋部材112で封止することで形成されている。
圧力調整室104は、第1の方向Xにおいて、流路部材本体110のある液体溜まり部102が設けられた側とは反対側の一側面に、開口する凹形状を有する。また、流路部材本体110の圧力調整室104が開口する面には、フィルム111が貼付されており、圧力調整室104の開口はフィルム111によって封止されている。この圧力調整室104の開口を封止するフィルムがダイヤフラムとなっている。
また、フィルム111の圧力調整室104側の面には、受圧板113が設けられている。このような受圧板113は、流入口103を開閉する弁体114が直接フィルム111に当接するのを避けるために設けられたものであり、フィルム111よりも剛性の高い材料、例えば、樹脂や金属等を用いることができる。
圧力調整室104の底面、すなわち、流路部材本体110のフィルム111に相対向する壁面には、第1の方向Xに貫通して圧力調整室104と液体溜まり部102とを連通する流入口103が設けられている。この流入口103には、弁体114が挿通されている。弁体114は、流入口103に挿通された軸部115と、軸部115の液体溜まり部102内の端部に設けられたフランジ部116と、フランジ部116に嵌着されたシール部117と、を具備する。
このような弁体114のフランジ部116と液体溜まり部102を画成する蓋部材112との間には、コイルバネであるバネ118が介装されており、バネ118の付勢力により、弁体114は、軸部115の軸方向を移動軸方向として圧力調整室104側に付勢されている。このバネ118がフランジ部116を流入口103側に付勢することで、シール部117が流入口103の開口縁部に当接し、流入口103を閉口、すなわち、閉弁する。
また、圧力調整室104内の液体が流出路から下流に流されて、圧力調整室104内の液体が減少すると、図10に示すように、圧力調整室104内が大気圧よりも負圧に減圧されることで、フィルム111が圧力調整室104の底面側に凹むように撓み変形して、弁体114をバネ118の付勢力に抗して押圧し、シール部117と流入口103との間に隙間が形成されて、流入口が開口、すなわち、開弁する。また、この開弁によって液体溜まり部102から圧力調整室104内にインクが供給されることで、圧力調整室104内の減圧が解消されると、フィルム111がバネ118の付勢力によって元の位置に戻り、閉弁する。
本実施形態では、1つの流路部材6には、2つの独立した流路100が設けられている。すなわち、1つの流路部材6には、2つの弁体114が設けられている。なお、1つの流路部材6の2つの流路100は、一方の流路が設けられた液体溜まり部102は、それぞれ第2の方向Yの各面に設けられている。
このように1つの流路部材6に2つの流路100を設けることで、図2に示すように、1つの記録ヘッド2には4つの流路部材6が接続される。
ここで、流路部材6と記録ヘッド2との接続について、図11を参照して説明する。なお、図11は、記録ヘッドと流路部材との接続状態を示す断面図である。
図11に示すように、流路部材6には、インク供給針が挿入される供給針挿入孔106が形成されている。本実施形態では、2つのインク供給針15に対応して2つの供給針挿入孔106が設けられている。
供給針挿入孔106には、それぞれ流路100(流出路105)が連通して設けられている。また、供給針挿入孔106内には、環状の第2シール部材120がそれぞれ設けられている。そして、供給針挿入孔106にインク供給針15を挿入することで、インク供給針15と供給針挿入孔106との間で第2シール部材120が押圧される。これにより、インク供給針15のインク導入路14と流路100とを第2シール部材120で密封した状態で連通することができる。なお、このような第2シール部材120は、インクを噴射する圧力発生室53Aが連通するマニホールド56Aに連通するインク導入路14に対して設けられており、インクを噴射しないダミー圧力発生室53Bが連通するダミーマニホールド56Bに連通するインク導入路14に対しては設けられていない。これにより、ダミーマニホールド56Bは、インク導入路14と流路100との接続部分において大気開放されている。つまり、ダミー圧力発生室53B及びダミーマニホールド56Bと、このダミーマニホールド56Bに連通するインク導入路14と、第2の方向Yの両端部に設けられた流路部材6に設けられた2つの流路100のうち、一方の流路が大気開放されている。
このように、本実施形態のインクジェット式記録装置1では、ダミーマニホールド56B及びこれに連通するダミー圧力発生室53B等を大気開放することで、流路形成基板54に接合された部材、本実施形態では、流路形成基板54に接合されたノズルプレート52や振動板55が剥離してしまうのを抑制することができる。すなわち、ダミーマニホールド56Bが密封されていると、ダミーマニホールド56B内の気体が環境温度の変化によって膨張・収縮し、流路形成基板54からノズルプレート52や振動板55が剥離してしまう。特に、ダミーマニホールド56Bは、容積が大きいため、ダミーマニホールド56Bの周囲において剥離が発生し易い。このようにダミーマニホールド56Bに周囲でノズルプレート52や振動板55の剥離が発生すると、これを起点として、インクが充填されるマニホールド56Aの周囲にも剥離が進行し、剥離した部分からインクが漏出して、インクの吐出不良が発生するなどの不具合が生じる。本実施形態では、ダミーマニホールド56Bを大気開放することで、ダミーマニホールド56B内の気体の環境温度の変化に伴う膨張・収縮による圧力変動を抑制して、ダミーマニホールド56Bの周囲におけるノズルプレート52や振動板55の剥離を抑制して、インクが充填されるマニホールド56A側における剥離を抑制することができる。これにより、インクの漏出による不具合を抑制することができる。なお、本実施形態のように、ダミーマニホールド56Bは、マニホールド56Aと共通するマニホールド形成基板である流路形成基板54に形成されている。したがって、ダミーマニホールド56Bの周囲の流路形成基板54からのノズルプレート52や振動板55の剥離が、マニホールド56Aや圧力発生室列57Aを構成する圧力発生室53まで進行する。これに対して、例えば、マニホールド56Aとダミーマニホールド56Bとを異なる部材に形成した場合、ダミーマニホールド56Bの周辺の剥離がマニホールド56A等に影響を及ぼし難い。しかしながら、本実施形態では、ダミーマニホールド56Bは、仕様の異なるインクジェット式記録装置において、インクが充填されるマニホールド56Aとして使用されるため、マニホールド56Aとは異なる部材にダミーマニホールド56Bを形成することはできない。つまり、マニホールド56Aとは異なる部材にダミーマニホールド56Bを形成した場合には、ダミーマニホールド56Bを通常のマニホールド56Aとして使用できなくなってしまう。
ちなみに、本実施形態では、流路部材6には、弁体114が設けられているため、ダミーマニホールド56Bと流路部材6の流路100とを接続すると、弁体114は常に閉弁した状態となり、ダミーマニホールド56Bは常に密封される。このため、ダミーマニホールド56Bの周辺において積層された部材の剥離が発生する。
また、本実施形態では、第2の方向Yの両側の圧力発生室列57をダミー圧力発生室列57Bとするようにした。このため、第2の方向Yの中央側にインクを噴射する圧力発生室53Aを集めることができ、ノズル列を記録ヘッド2の第2の方向Yの中央側に集中させることができる。これにより、印刷品質を向上して、高速印刷が可能となる。ちなみに、ダミー圧力発生室53Bを、第2の方向Yの一方側に2列設けるようにすることも考えられるものの、線膨張差などにより記録ヘッド2にかかる内部応力が左右で非対称となり、特に流路ユニット50を構成する流路形成基板54、振動板55及びノズルプレート52の接着界面での応力が片側で高くなるため、ノズル列の寿命も非対称となり好ましくない。片側はノズルプレート52のノズル開口51がなく剛性が高い。また、アクチュエーターユニット30の固定板33のない片側の剛性は低くなる。ただし、ダミー圧力発生室53Bを第2の方向Yの一方側に2列設けることで、流路部材6が不要となる。つまり、流路部材6には、2つの流路100が設けられているため、2つの流路100がインク導入路14に接続されない構成とすることで、ダミーマニホールド56Bに連通する2つのインク導入路14に対応する2つの流路100が設けられた流路部材6自体を設けないようにすることができる。したがって、記録ヘッド2には、3つの流路部材6を設けるだけでよく、コストを低減することができる。
また、このようなインクジェット式記録装置1は、ダミーマニホールド56Bの大気開放された部分、すなわち、本実施形態では、インク供給針15のインク導入路14から検査用流体を供給し、ダミーマニホールド56Bの外部において検査用流体を検出することで、ダミーマニホールド56B及びこれに連通するダミー圧力発生室53B等の密封状態を検査することができる。
ここで、このようなインクジェット式記録装置の検査方法について図12を参照して説明する。なお、図12は、検査方法を示すフローチャートである。
図12に示すように、ステップS1で、ダミーマニホールド56Bに連通するインク供給針15のインク導入路14から検査用流体を供給する。検査用流体としては、例えば、ヘリウム(He)や、水素(H)等の気体(ガス)や、液体等を用いることができる。なお、検査用流体として液体を用いる場合、エタノール等の揮発性の高い液体であれば、試験後に存在しないため使用が可能である。
次に、ステップS2で、記録ヘッド2の外部において、検査用流体の検知を行う。例えば、ヘリウムや水素等のガスを用いた場合には、ガス検知器を用いて検知することができる。なお、検査用流体の検知は、ガス検知器を用いた検知に限定されず、ガスによる二次的現象、例えば、気泡発生などを検知するようにしてもよい。
そして、ステップS2で、検査用流体が検知された場合には(ステップS2;Yes)、ステップS3で、ダミーマニホールド56B及びこれに連通する流路を形成する部材の何れかにおいてリークが発生していると判断する。すなわち、例えば、ダミーマニホールド56Bの周囲で流路形成基板54からノズルプレート52や振動板55が剥離(リーク)している場合、ダミーマニホールド56B内に供給された検査用流体が記録ヘッド2の外部に漏れ出すため、検査用流体が検知された場合において、ダミーマニホールド56B及びこれに連通する流路を形成する部材の何れかにおいて、リークが発生していると判断できる。
これに対して、ステップS2で、検査用流体が検知されない場合には(ステップS2;No)、ステップS4で、ダミーマニホールド56B及びこれに連通する流路を形成する部材の何れかにおいてリークが発生していると判断する。このように、リークが発生していない場合には、ステップS1に戻って、検査を繰り返し行うようにしてもよい。
このような検査は、例えば、インクジェット式記録装置のメンテナンス時などに定期的に行うことで、ダミーマニホールド56B及びこれに連通する流路のリークを早期に発見して、ダミーマニホールド56Bの周囲の部材の剥離によるマニホールド56Aの周囲への影響によるインクの漏出や吐出不良を早期に対策することができる。すなわち、ダミーマニホールド56B周辺の部材の剥離を放置しておくことで、剥離が進行してマニホールド56A周囲の部材の剥離を招くため、ダミーマニホールド56B周辺の部材の剥離を早期発見することで、マニホールド56A周辺の部材の剥離が発生する前に、記録ヘッド2の交換等の対策を行うことができる。したがって、インクの噴射不良等による印刷不良を抑制して、インクの無駄な消費やロスタイム等を抑制することができる。また、このような検査は、メンテナンス時以外に、例えば、工場出荷時などに行うようにしてもよく、検査を行うタイミングは、特に限定されるものではない。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の基本的構成は上述した物に限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態1では、流路部材6には、2つのインク導入路14に連通する2つの流路が設けられた構成を例示したが、特にこれに限定されず、例えば、流路部材6として、1つのインク導入路に連通する1つの流路が設けられたものを用いるようにしてもよい。この場合には、ダミーマニホールド56Bに連通するインク導入路14に対して、流路部材6を設けないようにすれば、大気開放することができると共にコストを低減することができる。また、流路部材6に設けられた流路の数は、2個に限定されず、例えば、3個以上であってもよく、1つの流路部材6に8個の流路が設けられていてもよい。
また、上述した実施形態1では、液体供給手段として、液体貯留手段と流路部材6とを例示したが、特にこれに限定されず、インクカートリッジ等の液体供給手段が、キャリッジ3に搭載される構成であってもよい。このような場合、ダミーマニホールド56Bに連通するインク導入路14には、インクカートリッジを設けないようにすれば、大気開放することができる。
さらに、上述した実施形態1では、流路部材6に流路を開閉する弁体114を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、流路部材6を設けなくてもよく、また、流路部材6内に弁体114が設けられていなくてもよい。例えば、弁体を設けなくてもよい構成とは、例えば、液体貯留手段と記録ヘッド2との間でインクを循環させる流路の場合などが挙げられる。
また、上述した実施形態1では、ダミーマニホールド56Bを2つ設け、ダミー圧力発生室列57Bを2列設けるようにしたが、ダミーマニホールド56Bの数、すなわち、ダミー圧力発生室列57Bの列は特にこれに限定されるものではない。例えば、ダミー圧力発生室列57Bは、1列であってもよく、また3列以上であってもよい。また、1つの記録ヘッド2に設けられる圧力発生室列57の総数も8列に限定されず、2列以上であれば特に限定されない。
なお、上述した実施形態1では、圧力発生室53に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電アクチュエーターを用いて説明したが、圧力発生手段としては、特にこれに限定されず、例えば、電極及び圧電材料を成膜及びリソグラフィ法により積層形成した薄膜型、グリーンシートを添付する等の方法により形成される厚膜型などの撓み振動型の圧電アクチュエーターを用いることができる。また、圧力発生手段として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
さらに、上述したインクジェット式記録装置1では、記録ヘッド2がキャリッジ3に搭載されて第2の方向Yに移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、記録ヘッド2が固定されて、紙等の記録シートSを移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
なお、上記実施の形態においては、液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置を挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、かかる液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置にも適用できる。
1 インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 2 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 3 キャリッジ、 4 装置本体、 5 液体貯留手段、 6 流路部材、 7 供給管、 10 ホルダー、 12 第1流路、 14 インク導入路、 15 インク供給針、 16 フィルター、 20 ヘッド部材、 30 アクチュエーターユニット、 31 圧電アクチュエーター、 38 回路基板、 40 ケース、 41 収容部、 42 第2流路、 50 流路ユニット、 51 ノズル開口、 52 ノズルプレート、 53、53A 圧力発生室、 53B ダミー圧力発生室、 54 流路形成基板(マニホールド形成基板)、 55 振動板、 56、56A マニホールド、 56B ダミーマニホールド、 57、57A 圧力発生室列、 57B ダミー圧力発生室列、 60 配線基板、 61 開口部、 70 第1シール部材、 71 インク連通路、 80 枠体、 82 固定ネジ、 100 流路、 110 流路部材本体、 114 弁体、 120 シール部材

Claims (6)

  1. 複数の圧力発生室が並設された圧力発生室列と、
    複数のダミー圧力発生室が並設されたダミー圧力発生室列と、
    前記圧力発生室列を構成する前記複数の圧力発生室が連通するマニホールドと、前記ダミー圧力発生室列を構成する前記複数のダミー圧力発生室が連通するダミーマニホールドと、を有するマニホールド形成基板と、
    前記圧力発生室に対応したノズル列と、前記ダミー圧力発生室に対応したノズル列が設けられていないノズルプレートと、
    を具備する液体噴射ヘッドを備え、
    前記ダミーマニホールドは、大気に連通していることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記圧力発生室及び前記マニホールドは、複数設けられており、
    前記ダミー圧力発生室及び前記ダミーマニホールドは、複数の前記圧力発生室列及び複数の前記マニホールドの並設方向の両側にそれぞれ設けられていることを特徴とする液体噴射装置。
  3. 前記マニホールドの上流側の流路にはフィルターが設けられており、
    前記ダミーマニホールドの上流側の流路にも前記フィルターが設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の液体噴射装置。
  4. 前記液体噴射ヘッドに液体を供給する液体供給手段をさらに有し、
    前記液体供給手段が、前記マニホールドに連通する流路が設けられた流路部材を具備することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記流路部材の前記流路には、前記マニホールドに連通する側の圧力によって開閉する弁体を有し、
    前記流路は、前記ダミーマニホールドに対応して設けられていると共に、前記ダミーマニホールドに対応して設けられた前記流路と前記マニホールドとの接続部分において、大気に開放されていることを特徴とする請求項4記載の液体噴射装置。
  6. 複数の圧力発生室が並設された圧力発生室列と、
    複数のダミー圧力発生室が並設されたダミー圧力発生室列と、
    前記圧力発生室列を構成する前記複数の圧力発生室が連通するマニホールドと、前記ダミー圧力発生室列を構成する前記複数のダミー圧力発生室が連通するダミーマニホールドと、を有するマニホールド形成基板と、
    前記圧力発生室に対応したノズル列と、前記ダミー圧力発生室に対応したノズル列が設けられていないノズルプレートと、
    を具備する液体噴射ヘッドを備え、
    前記ダミーマニホールドは、大気に連通している液体噴射装置の検査方法において、
    前記ダミーマニホールドの大気に連通している部分から検査用流体を供給して、前記ダミーマニホールドの外部において前記検査用流体を検出して、前記ダミーマニホールドの密封状態を検査することを特徴とする液体噴射装置の検査方法。
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