JP5950083B2 - 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 - Google Patents

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本発明は液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置に関し、特にインクカートリッジに多孔質材料などで形成された圧接体からなる供給部を設け、この供給部を流路部材に設けられたフィルターに圧接することで、インクカートリッジと流路部材とが接続される、いわゆるチムニータイプの流路部材を有するものに適用して有用なものである。
液滴を吐出する液体噴射ヘッドの代表例としては、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドともいう)が挙げられる。このインクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、インク滴をノズル開口から吐出するヘッド本体と、ヘッド本体が固定されると共に、インクが貯留されたインクカートリッジ(液体貯留手段)が着脱自在に設けられて、インクカートリッジからのインクをヘッド本体に供給する流路部材と、を具備するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1によれば、インクカートリッジに多孔質材料などで形成された圧接体からなる供給部を設け、この供給部を流路部材に設けられたフィルターに圧接することで、インクカートリッジと流路部材とが接続される。ここで、フィルターは先端面が開口する凸部である取付部の先端面に装着してあり、インクカートリッジは取付部を介して流路部材に装着するように構成してある。インクカートリッジを装着する部分が流路部材の凸部である取付部となっているタイプをチムニータイプと称する。
特開2007−15272号公報
しかしながら、チムニータイプの流路部材を有するインクジェット式記録ヘッドにおいて、カートリッジ交換時に、カートリッジを流路部材から取り外して放置した場合には、表面積が大きいフィルターが外気に臨むため、流路部材のインク流路内のインクの水分がフィルターを介して蒸発する。これに伴い、フィルターにインクのメニスカスが形成されるが、さらにインクの水分が蒸発すると、(フィルターのメニスカス耐圧)>(ノズル開口のメニスカス耐圧)であるので、ノズル開口のメニスカスが決壊する。この結果、ノズル開口から気泡がヘッド本体内に引き込まれるという問題を生起する。
このため、従来技術においては、カートリッジが取り外されてからの放置時間を計測し、放置時間が所定の時間を越えるとカートリッジ交換後の印刷開始に先立ちヘッドクリーニング動作を行わせていた。この場合には、クリーニングによりインクを無駄に廃棄することになってしまう。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明は、上記従来技術に鑑み、カートリッジが取り外されて長時間放置されてもノズル開口のメニスカスの破壊を防止してカートリッジ交換後の気泡吸引動作であるクリーニング動作を省略することができる液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、圧力発生室に発生する圧力により液体を吐出するノズル開口に連通された複数の個別流路である液体供給路と、各液体供給路に連通する共通の液体貯留部であるマニホールドと、該マニホールド内の圧力変動を抑制するためのコンプライアンス部とを有するヘッド本体と、
先端面が開口する凸部であり該先端面にフィルターが固着された取付部を介して液体が貯留されている液体貯留手段が装着されるとともに、装着された前記液体貯留手段から前記開口を介して導入される液体を前記ヘッド本体に導入する液体流路が形成された流路部材とを備えた液体噴射ヘッドであって、
前記液体流路内の前記液体の体積変化による前記液体流路内の圧力変動を吸収する他のコンプライアンス部を前記マニホールドの上流側に設けたことを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
本態様によれば、流路部材から液体カートリッジを取り外したまま放置することにより液体流路中の水分が蒸発して液体の体積が減少することにより、液体流路内の圧力が低下してもノズルメニスカスが破壊されることはない。液体流路内の圧力低下に応じて他のコンプライアンス部が変形することにより、液体の体積減少の影響を抑制することができるからである。
本発明の他の態様は、圧力発生室に発生する圧力により液体を吐出するノズル開口に連通された複数の個別流路である液体供給路と、各液体供給路に連通する共通の液体貯留部であるマニホールドと、該マニホールド内の圧力変動を抑制するためのコンプライアンス部とを有するヘッド本体と、先端面が開口する凸部である取付部を介して液体が貯留されている液体貯留手段が装着されるとともに、装着された前記液体貯留手段から前記開口を介して導入される液体を前記ヘッド本体に導入する液体流路が形成された流路部材とを備えた液体噴射ヘッドであって、前記液体流路内の前記液体の体積変化による前記液体流路内の圧力変動を吸収する他のコンプライアンス部を前記マニホールドの上流側に設けたことを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
本態様によれば、流路部材から液体カートリッジを取り外したまま放置することにより液体流路中の水分が蒸発して液体の体積が減少することにより、液体流路内の圧力が低下してもノズルメニスカスが破壊されることはない。液体流路内の圧力低下に応じて他のコンプライアンス部が変形することにより、液体の体積減少の影響を抑制することができるからである。
このとき、当該液体噴射ヘッドの液体吐出動作におけるヘッド本体のマニホールドでの液体の振動は、そのコンプライアンス部で抑制されるが、かかるマニホールドでの液体の振動が他のコンプライアンス部に影響を及ぼすことはない。本態様では、他のコンプライアンス部がマニホールド上に形成したコンプライアンス部よりも充分大きなコンプライアンス値をもっているからである。
ここで、他のコンプライアンス部は、前記液体流路の途中に形成されているのが望ましい。マニホールドの上流側で確実に液体流路内の液体の体積変化を吸収することができるからである。また、前記他のコンプラアンス部は、フィルムまたは弾性部材とフィルムとの組み合わせで形成するのが望ましい。液体流路内の液体の体積変化に良好に追従させることができるからである。
本発明の他の態様は、上記液体噴射ヘッドを有することを特徴とする液体噴射装置にある。
本態様によれば、カートリッジ交換に伴い、カートリッジを外した状態で長時間放置してもノズル開口におけるメニスカスの破壊を未然に防止することができるので、カートリッジ交換後の印刷等の通常動作に先立つヘッドクリーニング動作を省略することができ、その分吐出液体の無駄な消費を抑制することができる。
実施形態に係る記録ヘッドを概念的に示す説明図である。 実施形態に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態に係る記録ヘッドの断面図である。 液体カートリッジを流路部材に装着する際の態様を示す断面図である。 実施形態におけるヘッド本体の一例を示す断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る記録ヘッドを概念的に示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る記録装置の概略図である。
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る記録ヘッドを概念的に示す説明図である。同図に示すように、本形態に係るインクジェット式記録ヘッド10は、インクが貯留されているインクカートリッジ(図1には図示せず)が着脱される流路部材300と、流路部材300を介して供給されたインクをノズル開口13を介して吐出するヘッド本体400とを具備する。ここで、流路部材300は、先端面がフィルター317を介して開口するとともに前記インクカートリッジを装着するための円柱状に突出した凸部である取付部316と、取付部316に装着されたインクカートリッジから前記開口を介して導入されるインクをヘッド本体400に導入するインク流路311が形成されている。取付部316の先端面に固着されているフィルター317は、インクカートリッジから供給されるインク中の異物や気泡を除去してインク流路311に導入させる。
本形態におけるインク流路311の途中には、ヘッド本体400のマニホールド(図1には図示せず)におけるインクの振動を抑制するコンプライアンス部(図1には図示せず)とは別の他のコンプライアンス部310が形成されている。かくしてコンプライアンス部310は、ヘッド本体400のマニホールドの上流側に配設されてインク流路311内のインクの体積変化によるその内部の圧力変動を吸収する。ここで、コンプライアンス部310は可撓性部材であるフィルムで好適に形成することができる。また、バネ等の弾性部材とフィルムとの組み合わせで形成することもできる。要は、インクの体積変化に伴うインク流路311内の圧力変動に追従して変形し得るような構成となっていれば良い。
かかる本形態によれば、流路部材300からインクカートリッジを取り外したまま放置してもノズル開口13におけるメニスカスが破壊されることはない。大きな開口面積を有するフィルター317を介してインク流路311内のインクが蒸発してその体積が減った場合、その減少分を補完するように図1中に点線で示すようにコンプライアンス部310が変形するからである。
図2は、インクカートリッジを装着した状態で示す本形態に係る記録ヘッドの分解斜視図、図3はその断面図である。両図に基づき本形態をさらに詳説する。図2および図3に示すように、流路部材300には、内部に液体であるインクが通過するインク流路311が設けられ、インク流路311が開口する一方面にはインクカートリッジ200が装着されるカートリッジ装着部312が設けられている。カートリッジ装着部312には、4つのインクカートリッジ200が装着される。
カートリッジ装着部312は、周囲を壁部313で囲まれており、壁部313の相対向する一対の壁面のうち、一方の壁面には厚さ方向に貫通した第1係合穴314が設けられている。また、第1係合穴314が設けられた壁面に相対向する他方の壁面には、厚さ方向に貫通した第2係合穴315が設けられている。これら第1係合穴314及び第2係合穴315に、インクカートリッジ200の第1係合爪224及び第2係合爪225が係合することで、カートリッジ装着部312にインクカートリッジ200を固定する(この部分に関しては後に詳述する)。
なお、本形態では、カートリッジ装着部312には4つのインクカートリッジ200が装着されるため、各インクカートリッジ200の間には仕切り板313aが設けられている。また、流路部材300のカートリッジ装着部312には、円柱状に突出した取付部316が設けられている。本形態では、カートリッジ装着部312に4つのインクカートリッジ200が装着されるため、取付部316も4個設けられている。フィルター317は、各取付部316の先端面にインク流路311の開口を覆うようにそれぞれ固着されている。フィルター317は、例えば、金属や樹脂等の繊維を細かく編むことで複数の微細孔が形成されたシート状のものや、金属や樹脂等の板状部材に複数の微細孔を貫通させたものなどを用いることができる。なお、フィルター317は、不織布等を用いてもよく、その材料は特に限定されるものではない。このフィルター317は、円盤形状を有し、取付部316の先端面と略同じ面積で設けられている。すなわち、フィルター317の周縁部は、取付部316の周縁部と略同じ位置まで設けられている。
フィルター317が固着される取付部316の周囲には円環状のシール用溝部319が設けられており、このシール用溝部319内に、ゴムやエラストマーなどの可撓性材料で形成されたシール部材330が設けられている。ここで、シール部材330は、取付部316の外周に嵌合して取り付けられる。
インクカートリッジ200の底面には、円筒形状のリブ221が設けられており、リブ221の内部には、インクカートリッジ200の内部のインクを流路部材300に供給する供給口222が設けられている。この供給口222の内部には、供給部223が設けられている。供給部223は、流路部材300のフィルター317に圧接して、インクカートリッジ200内のインクを流路部材300のインク流路311に供給するためのものである。このような供給部223としては、例えば、綿状パルプ、高分子吸水ポリマー、ウレタンフォーム等の多孔質材料や不織布などを用いることができる。
コンプライアンス部310は各インク流路311に設けてあり、インクカートリッジ200を流路部材300から取り外した状態では、その表面が外気に臨むようになっている。かくして、インクカートリッジ200を取り外してフィルター317が大気に臨むことにより、フィルター317を介してインクの水分が蒸発し、インク流路311内のインクの体積が減少した場合には、その体積の減少分を補完するようにコンプライアンス部310が変形する。
また、インクカートリッジ200には、流路部材300の壁部313に設けられた第1係合穴314に挿入される第1係合爪224と、第1係合爪224とは反対面側に設けられて流路部材300の壁部313に設けられた第2係合穴315に挿入される第2係合爪225とが設けられている。
第2係合爪225は、インクカートリッジ200の側面の供給部223側に一端部が固定されて、他端部側が自由端となるように、インクカートリッジ200に一体的に形成されたものである。これにより、第2係合爪225は、インクカートリッジ200の側面に向かって弾性変形可能となっている。
ここで、流路部材300にインクカートリッジ200を装着する場合の態様について図4を参照して詳細に説明する。まず、図4(a)に示すように、インクカートリッジ200の第1係合爪224側を、先に壁部313の内部に斜めに挿入し、第1係合爪224を第1係合穴314に挿入する。次に、図4(b)に示すように、インクカートリッジ200の第1係合爪224を第1係合穴314に挿入した状態で、第1係合爪224を支点としてインクカートリッジ200を回動させることで、インクカートリッジ200を壁部313の内部に挿入する。このとき、第2係合爪225は、流路部材300の壁部313に押圧されて弾性変形し、元に戻ろうとする弾性力によって第2係合爪225は第2係合穴315に挿入される。これにより、インクカートリッジ200は、流路部材300のカートリッジ装着部312に固定される。
このようにインクカートリッジ200を流路部材300に装着することで、図4(b)に示すように、インクカートリッジ200のリブ221がシール部材330の上面に当接し、当該上面を流路部材300側に撓み変形させて、リブ221の内部が封止される。
かくして、本形態においては、インクカートリッジ200を流路部材300に装着することで、供給部223のフィルター317側の全面がフィルター317に接触する。このため、フィルター317と供給部223との間には気泡が溜まり難い。
なお、このような流路部材300のカートリッジ装着部312とは反対面側にはヘッド本体400が固定される。
ヘッド本体400には、流路部材300に固定される面とは反対側に、液体としてインク滴を吐出するノズル開口(図1および図2には図示せず)が設けられている。また、ヘッド本体400の図示しない内部にはノズル開口に連通するとともに流路部材300の流路に連通するインク流路と、インク流路内のインクに圧力変化を生じさせる圧力発生手段等が設けられている。
図5は本形態におけるヘッド本体400の具体的な一例を示す断面図である。同図に示すように、ヘッド本体400は、複数の圧力発生室11を有する流路形成基板12と、各圧力発生室11に連通する複数のノズル開口13が穿設されたノズルプレート14と、流路形成基板12のノズルプレート14とは反対側の面に設けられる振動板15とを具備する流路ユニット16を有する。さらに、振動板15上の各圧力発生室11に対応する領域に設けられる圧電素子17を有する圧電素子ユニット18と、振動板15上に固定されて圧電素子ユニット18が収容される収容部19を有するケースヘッド20とを有する。流路形成基板12には、その一方面側の表層部分に、圧力発生室11が隔壁21によって区画されてその幅方向で複数並設されている。例えば、本形態では、流路形成基板12には、複数の圧力発生室11が並設され、各圧力発生室11の列の外側には、各圧力発生室11にインクを供給するためのマニホールド22が、流路形成基板12を厚さ方向に貫通して設けられている。そして、各圧力発生室11とマニホールド22とは、インク供給路23を介して連通している。インク供給路23は、本実施形態では、圧力発生室11よりも狭い幅で形成されており、マニホールド22から圧力発生室11に流入するインクの流路抵抗を一定に保持する役割を果たしている。さらに、圧力発生室11のマニホールド22とは反対の端部側には、流路形成基板12を貫通するノズル連通孔24が形成されている。このような流路形成基板12は、本形態では、シリコン単結晶基板からなり、流路形成基板12に設けられる圧力発生室11等は、流路形成基板12をエッチングすることによって形成されている。
この流路形成基板12の一方面側にはノズル開口13が穿設されたノズルプレート14が接着剤や熱溶着フィルムを介して接着され、各ノズル開口13は、流路形成基板12に設けられたノズル連通孔24を介して各圧力発生室11に連通されている。また、流路形成基板12の他方面側、すなわち圧力発生室11の開口面側には振動板15が接合されおり、各圧力発生室11はこの振動板15によって封止されている。
振動板15は、例えば、樹脂フィルム等の弾性部材からなる弾性膜25と、この弾性膜25を支持する、例えば金属材料等からなる支持板26との複合板で形成されており、弾性膜25側が流路形成基板12に接合されている。例えば、本形態では、弾性膜25は、厚さが数μm程度のPPS(ポリフェニレンサルファイド)フィルムからなり、支持板26は、厚さが数十μm程度のステンレス鋼板(SUS)からなる。また、振動板15の各圧力発生室11に対向する領域内には、圧電素子17の先端部が当接する島部27が設けられている。すなわち、振動板15の各圧力発生室11の周縁部に対向する領域に他の領域よりも厚さの薄い薄肉部28が形成されて、この薄肉部28の内側にそれぞれ島部27が設けられている。また、本形態では、振動板15のマニホールド22に対向する領域に、薄肉部28と同様に、支持板26がエッチングにより除去されて実質的に弾性膜25のみで構成されるコンプライアンス部29が設けられている。コンプライアンス部29は、マニホールド22内の圧力変化が生じた時に、その弾性膜25が変形することによって圧力変化を吸収し、マニホールド22内の圧力を常に一定に保持する役割を果たす。
そして、圧電素子ユニット18を構成する各圧電素子17は、その活性領域の先端が振動板15の島部27に当接されている。実際には、各圧電素子17の先端面が接着剤30によって島部27に接合されている。
ここで、圧力発生室11内にインク滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段である圧電素子17は、本形態では、一つの圧電素子ユニット18において一体的に形成されている。すなわち、圧電材料31と電極形成材料32,33とを縦に交互にサンドイッチ状に挟んで積層した圧電素子形成部材34を形成し、この圧電素子形成部材34を各圧力発生室11に対応して櫛歯状に切り分けることによって各圧電素子17が形成されている。すなわち、本実施形態では、複数の圧電素子17が一体的に形成されている。そして、この圧電素子17(圧電素子形成部材34)の振動に寄与しない不活性領域、すなわち、圧電素子17の基端部側が固定基板35に固着されている。そして、圧電素子17の基端部近傍には、固定基板35とは反対側の面に、各圧電素子17を駆動するための信号を供給する配線36を有する回路基板37が接続され、本実施形態では、これら圧電素子17(圧電素子形成部材34)と固定基板35と回路基板37とで圧電素子ユニット18が構成されている。
このような圧電素子ユニット18は、圧電素子17の先端部が上述したように振動板15の島部27に当接された状態で固定されている。例えば、本形態では、上述したように振動板15上にケースヘッド20が固定されており、圧電素子ユニット18は、このケースヘッド20の収容部19内に収容されて、圧電素子17が固定された固定基板35が、圧電素子17とは反対面側でケースヘッド20に固定されている。具体的には、ケースヘッド20の収容部19内には、段差部38が設けられており、固定基板35は、このケースヘッド20の段差部38に接着剤39によって接合されている。
さらにケースヘッド20上には、回路基板37の各配線36がそれぞれ接続される複数の導電パッド40が設けられた配線基板41が固定されており、ケースヘッド20の収容部19は、この配線基板41によって実質的に塞がれている。配線基板41には、ケースヘッド20の収容部19に対向する領域にスリット状の開口部42が形成されており、回路基板37はこの配線基板41の開口部42から収容部19の外側に引き出されている。
また、圧電素子ユニット18を構成する回路基板37は、例えば圧電素子17を駆動するための駆動IC(図示なし)が搭載されたチップオンフィルム(COF)からなる。そして、回路基板37の各配線36は、その基端部側では、例えば半田、異方性導電材等によって圧電素子17を構成する電極形成材料32,33に接続されている。一方、先端部側では、各配線36は配線基板41の各導電パッド40に接合されている。具体的には、配線基板41の開口部42から収容部19の外側に引き出された回路基板37の先端部が配線基板41の表面に沿って折り曲げられた状態で、各配線36は配線基板41の各導電パッド40に接合されている。
かかる記録ヘッド10では、インク滴を吐出する際に、圧電素子17及び振動板15の変形によって各圧力発生室11の容積を変化させて所定のノズル開口13からインク滴を吐出させる。具体的には、インクカートリッジ200(図2参照)から流路部材300(図2参照)を介してマニホールド22にインクが供給されると、インク供給路23を介して各圧力発生室11にインクが分配される。実際には、圧電素子17に電圧を印加することにより圧電素子17を収縮させる。これにより、振動板15が圧電素子17と共に変形されて圧力発生室11の容積が広げられ、圧力発生室11内にインクが引き込まれる。ノズル開口13に至るまで内部にインクが満たされた後、配線基板41を介して供給される記録信号に従い、圧電素子17の電極形成材料32,33に印加していた電圧を解除する。これにより、圧電素子17が伸張されて元の状態に戻ると共に振動板15も変位して元の状態に戻る。結果として圧力発生室11の容積が収縮して圧力発生室11内の圧力が高まりノズル開口13からインク滴が吐出される。
かかる吐出動作に伴うマニホールド22内のインクの振動はコンプライアンス部29で良好に抑制される。一方、流路部材300(図1参照)のコンプライアンス部310(図1参照)が吐出特性に影響を及ぼすことはない。これは次の理由による。すなわち、ノズル開口13から圧力発生室11を介してインク供給路23に至る部分のコンプライアンス値(m/N)をCcav、マニホールド22上のコンプライアンス部29のコンプライアンス値(m/N)をC1、他のコンプライアンス部310のコンプライアンス値(m/N)をC2とするとき、C2≫C1≫Ccavの関係となっている。ここで、コンプライアンス値が大きいほど固有振動周期が大きい(長い)が、本形態におけるC2の固有振動周期は、Ccavに較べて三桁程度異なるので共振もせず、この結果吐出性能に影響を与えることはないからである。
さらに、流路部材300の各インク流路311(図2参照)内のインク中の水分の蒸発により、インクの体積が減少することで生起されるインク流路311内の圧力変動の影響がコンプライアンス部29に及ぶことはない。コンプライアンス部310のコンプライアンス値C2が、コンプライアンス部29のコンプライアンス値C1に較べて充分大きくなるように構成してあるからである。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した構成に限定されるものではない。例えば、インクカートリッジを取り外した状態におけるインクの体積変動を吸収するコンプライアンス部310はヘッド本体400におけるマニホールド22の上流であれば、特に場所を限定する必要はない。例えば、図6に示すような構成であっても構わない。同図に示すように、本形態に係るインクジェット式記録ヘッド10Aも、インクカートリッジ(図6には図示せず)が着脱される流路部材300Aと、流路部材300Aを介して供給されたインクをノズル開口13を介して吐出するヘッド本体400Aとを具備する。一方、本形態におけるヘッド本体400Aの流路部材300A側の面には凸部400Bが形成してあり、凸部400Bを介して流路部材300Aを接着剤500でヘッド本体400Aに接着している。この結果、形成される流路部材300Aとヘッド本体400Aとの間の大気に開放された空間が形成されるが、この空間に臨むようにコンプライアンス部310Aをインク流路311Aの一部として形成しても良い。
また、ヘッド本体400における圧力発生手段も図5に示すものに限る必要はない。例えば電気機械変換機能を呈する圧電材料を有する圧電アクチュエーターの変形によって液体流路の容積を変化させて液体流路内のインクに圧力変化を生じさせることにより、ノズル開口からインク滴を吐出させるものでも良い。また、液体流路内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口からインク滴を吐出するものでも良い。さらに、振動板と電極との間に静電気力を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口からインク滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーター等も使用することができる。
上述した実施の形態に係るインクジェット式記録ヘッド10は、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備するインクジェット式記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図7は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図7に示すインクジェット式記録装置Iにおいて、複数のインクジェット式記録ヘッド10は、インク供給手段を構成するインクカートリッジ200が着脱可能に設けられ、このインクジェット式記録ヘッド10を搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動可能に設けられている。このインクジェット式記録ヘッド10は、例えば、ブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、インクジェット式記録ヘッド10を搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
また、上述したインクジェット式記録装置Iでは、インクジェット式記録ヘッド10がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッド10が固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
さらに、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般の製造方法を対象としたものであり、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種のインクジェット式記録ヘッド等の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等の製造方法にも適用することができる。
I インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 10 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 11 圧力発生室、 13 ノズル開口、 22 マニホールド、 23 インク供給路、 29 コンプライアンス部、 200 インクカートリッジ(液体貯留手段)、 300,300A 流路部材、 310,310A コンプライアンス部、 311、311A インク流路、 316 取付部、 317 フィルター、 400,400A ヘッド本体

Claims (4)

  1. 圧力発生室に発生する圧力により液体を吐出するノズル開口に連通された複数の個別流路である液体供給路と、各液体供給路に連通する共通の液体貯留部であるマニホールドと、該マニホールド内の圧力変動を抑制するためのコンプライアンス部とを有するヘッド本体と、
    先端面が開口する凸部であり該先端面にフィルターが固着された取付部を介して液体が貯留されている液体貯留手段が装着されるとともに、装着された前記液体貯留手段から前記開口を介して導入される液体を前記ヘッド本体に導入する液体流路が形成された流路部材とを備えた液体噴射ヘッドであって、
    前記液体流路内の前記液体の体積変化による前記液体流路内の圧力変動を吸収する他のコンプライアンス部を前記マニホールドの上流側に設けたことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 請求項1に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
    前記他のコンプライアンス部は、前記液体流路の途中に形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  3. 請求項1または請求項2に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
    前記他のコンプラアンス部は、フィルムまたは弾性部材とフィルムとの組み合わせで形成したことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載する液体噴射ヘッドを有することを特徴とする液体噴射装置。
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