最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る管理システムは、所定の領域に配置された複数のセンサと、管理装置とを備え、前記管理装置は、前記複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記センサ情報を蓄積する蓄積部と、前記センサ情報を用いて前記所定の領域に関する異常判定を行う判定部と、前記判定部による判定結果に基づく内容を通知する通知部と、前記取得部によって取得された前記センサ情報に基づいて、前記所定の領域に関する内容を時間的に表示する制御が可能である表示制御部とを備える。
このように、センサ情報を用いて所定の領域に関する異常判定を行う構成により、たとえば、センサ情報の内容の空間的な変化および時間的な変化の少なくともいずれか一方に基づいて、所定の領域の状態の空間的な変化および時間的な変化の少なくともいずれか一方を認識することができるので、所定の領域の状態をより正確に把握することができる。また、蓄積部を備える構成により、たとえば、空間的処理および時間的処理の少なくともいずれか一方を容易に行うことができる。また、判定結果に基づく内容を通知し、かつセンサ情報に基づいた所定の領域に関する内容の時間的な表示を行う構成により、所定の領域の状態を管理者により的確に伝達することができる。したがって、所定の領域についての監視結果をより的確に伝達することができる。
(2)好ましくは、前記判定部は、前記取得部によって取得された前記センサ情報と、予め登録された判定用情報とを比較することで前記異常判定を行う。
このような構成により、たとえば、センサ情報の時間変化の判定対象に応じた傾向を登録することで、より正しい判定を行うことができる。具体的には、たとえば、工場における設備は、新旧状態、動作状態および負荷状態等が設備ごとに異なり、一概に統一した異常の判定基準を決めるのが困難である。このため、たとえば設備毎に正常と異常との判定基準を設けることが好ましい。したがって、たとえば、設備ごとの正常な時間変化の傾向または異常な時間変化の傾向を登録しておき、登録した傾向との比較により異常を判定する上記構成は、特に工場では有効である。また、たとえば、複数の正常な時間変化の傾向および複数の異常な時間変化の傾向を登録しておくことで、対象期間における時間変化の傾向と類似する時間変化の傾向を、登録された各時間変化の傾向から見出す可能性を高めることができるので、管理装置が、対象期間における時間変化の傾向が正常な時間変化の傾向および異常な時間変化の傾向のいずれに類似しているのかを認識することが困難となる局面を回避することができる。
(3)好ましくは、前記判定部は、前記取得部によって取得された前記センサ情報から推定された時間変化を示す傾向情報と、予め登録された判定用情報とを比較することで前記異常判定を行う。
このように、傾向情報には、たとえば、センサ情報の示す値の特徴を表す時間変化を示す情報が含まれる構成により、所定の領域の状態を正しく把握することができるので、所定の領域の状態を良好に監視することができる。
(4)より好ましくは、前記傾向情報には、前記センサ情報の統計処理結果に基づく情報が含まれる。
このように、傾向情報には、センサ情報の示す値の特徴を表す、統計処理結果に基づく情報が含まれる構成により、所定の領域の状態をより正しく把握することができる。
(5)より好ましくは、前記統計処理は、平均、分散および標準偏差のうちの少なくともいずれか1つである。
このように、傾向情報には、センサ情報の示す値のばらつきを適切に表す情報が含まれる構成により、所定の領域の状態をばらつきから簡易に把握することができる。
(6)好ましくは、前記判定部は、前記取得部によって取得された前記センサ情報から推定された未来のセンサ情報と、予め登録された判定用情報とを比較することで前記異常判定を行う。
このような構成により、たとえば、所定の領域における将来の異常について判定することができるので、将来の異常に対処するために必要な処置を正常な状態において施すことができる。
(7)より好ましくは、前記管理装置は、前記判定結果が異常となるタイミングを算出する。
このような構成により、将来の異常に対処するためのより正確な準備期間すなわち判定処理を行ったタイミングから算出結果の示すタイミングまでの期間を提供することができる。
(8)より好ましくは、前記判定部は、前記取得部によって取得された前記センサ情報に基づく前記センサ情報の時間変化の傾向が正常であるか否かのユーザによる判断結果をさらに取得することで、予め登録された前記判定用情報を補正する。
このような構成により、たとえば、予め登録された判定用情報の示す時間変化の傾向をユーザの思考に沿うように補正する構成により、ユーザの思考からかけ離れた異常判定を行うことを防ぐことができる。
(9)より好ましくは、前記判定用情報はしきい値である。
このような構成により、センサ情報と判定用情報との比較を簡易に行うことができるので、所定の領域に関する判定処理の簡素化を実現することができる。
(10)好ましくは、前記管理装置は、対象期間における前記センサ情報に基づく情報と前記判定に用いる情報である判定用情報とを比較し、比較結果に基づいて前記所定の領域における異常エリアの判定を行う。
このように、判定した異常エリアを空間的に表示して通知する構成により、ユーザは、所定の領域における異常エリアを迅速に認識することができるので、異常に対して適切に対処することができる。
(11)より好ましくは、前記管理装置は、前記対象期間における前記センサ情報に基づいて前記異常エリアの時間的推移を予測する。
このような構成により、たとえば将来の異常エリアの空間的な分布を管理者により的確に伝達することができるので、管理者は将来に備えて予防的処置を施すことができる。
(12)好ましくは、前記管理システムは、さらに、前記センサ情報を無線通信によって中継する複数の中継装置を備え、前記センサ情報は、前記複数の中継装置経由で前記管理装置へ伝送される。
このような構成により、広いエリアに分布するセンサとの無線通信を確立することができるので、複数のセンサから送信されるセンサ情報を良好に収集することができる。
(13)好ましくは、前記センサ情報は、前記所定の領域についての煙、温度、湿度、電流、電圧、濃度、圧力、加速度および角速度のうちの少なくともいずれか1つの計測結果を含む。
このような構成により、監視対象の性質に応じた物理量を計測して取得することができるので、所定の領域の状態をより正しく把握することができる。
(14)好ましくは、前記センサ情報は、煙の計測結果を含み、前記管理装置は、前記所定の領域における煙の流れ、分布および滞留時間のうちの少なくともいずれか1つを表示する制御を行う。
このような構成により、表示を視た者は、たとえば、火災の発生位置、および煙の広がり度合いを認識することができるので、所定の領域における火災状況をより正確に認識することができる。
(15)より好ましくは、前記管理装置は、前記煙の計測結果に基づいて、前記所定の領域における火災エリアを判定し、前記管理装置は、前記火災エリアから前記所定の領域の外部までの避難ルートを表示する制御を行う。
このような構成により、火災エリアをより正確に判定することができるので、より正確な避難ルートを表示することができる。これにより、避難時において所定の領域の内部で立ち往生してしまう可能性をより低減することができる。
(16)より好ましくは、前記管理装置は、前記煙の計測結果に基づいて、前記所定の領域における火災エリアを判定し、前記管理装置は、前記所定の領域の外部から前記火災エリアまでの駆けつけルートを表示する制御を行う。
このような構成により、火災エリアをより正確に判定することができるので、より正確な駆けつけルートを表示することができる。これにより、駆けつけ時において所定の領域の内部で立ち往生してしまう可能性をより低減することができる。
(17)より好ましくは、前記管理装置は、前記所定の領域における火災エリアに対して用いるべき消火用具の位置を表示する制御を行う。
このような構成により、消火用具の探索に要する時間を短縮することができるので、所定の領域における火災に迅速に対処することができる。
(18)好ましくは、前記所定の領域は、工場に含まれる。
このような構成により、たとえば、操業時および無人時等の工場の稼働状態に関わらずに工場における所定の領域を集中的に管理することができるので、監視効率の優れた管理システムを提供することができる。
(19)本発明の実施の形態に係る管理装置は、所定の領域に配置された複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を取得する取得部と、前記センサ情報を用いて前記所定の領域に関する異常判定を行う判定部と、前記判定部による判定結果に基づく内容を通知する通知部と、前記取得部によって取得された前記センサ情報に基づいて、前記所定の領域に関する内容を時間的に表示する制御が可能である表示制御部とを備える。
このように、センサ情報を用いて所定の領域に関する異常判定を行う構成により、たとえば、センサ情報の内容の空間的な変化および時間的な変化の少なくともいずれか一方に基づいて、所定の領域の状態の空間的な変化および時間的な変化の少なくともいずれか一方を認識することができるので、所定の領域の状態をより正確に把握することができる。また、判定結果に基づく内容を通知し、かつセンサ情報に基づいた所定の領域に関する内容の時間的な表示を行う構成により、所定の領域の状態を管理者により的確に伝達することができる。したがって、所定の領域についての監視結果をより的確に伝達することができる。
(20)本発明の実施の形態に係る管理方法は、所定の領域に配置された複数のセンサと、管理装置とを備える管理システムにおける管理方法であって、前記管理装置が、前記複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を取得するステップと、前記管理装置が、取得した前記センサ情報を蓄積するステップと、前記管理装置が、前記センサ情報を用いて前記所定の領域に関する異常判定を行うステップと、前記管理装置が、判定した結果に基づく内容を通知するステップと、前記管理装置が、取得した前記センサ情報に基づいて、前記所定の領域に関する内容を時間的に表示する制御を行うステップとを含む。
このように、センサ情報を用いて所定の領域に関する異常判定を行う構成により、たとえば、センサ情報の内容の空間的な変化および時間的な変化の少なくともいずれか一方に基づいて、所定の領域の状態の空間的な変化および時間的な変化の少なくともいずれか一方を認識することができるので、所定の領域の状態をより正確に把握することができる。また、センサ情報を蓄積する構成により、たとえば、空間的処理および時間的処理の少なくともいずれか一方を容易に行うことができる。また、判定結果に基づく内容を通知し、かつセンサ情報に基づいた所定の領域に関する内容の時間的な表示を行う構成により、所定の領域の状態を管理者により的確に伝達することができる。したがって、所定の領域についての監視結果をより的確に伝達することができる。
(21)本発明の実施の形態に係る管理プログラムは、管理装置において用いられる管理プログラムであって、コンピュータを、所定の領域に配置された複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を取得する取得部と、前記センサ情報を用いて前記所定の領域に関する異常判定を行う判定部と、前記判定部による判定結果に基づく内容を通知する通知部と、前記取得部によって取得された前記センサ情報に基づいて、前記所定の領域に関する内容を時間的に表示する制御が可能である表示制御部、として機能させるためのプログラムである。
このように、センサ情報を用いて所定の領域に関する異常判定を行う構成により、たとえば、センサ情報の内容の空間的な変化および時間的な変化の少なくともいずれか一方に基づいて、所定の領域の状態の空間的な変化および時間的な変化の少なくともいずれか一方を認識することができるので、所定の領域の状態をより正確に把握することができる。また、判定結果に基づく内容を通知し、かつセンサ情報に基づいた所定の領域に関する内容の時間的な表示を行う構成により、所定の領域の状態を管理者により的確に伝達することができる。したがって、所定の領域についての監視結果をより的確に伝達することができる。
本発明の実施の形態に係る管理システムは、所定の領域に配置された複数のセンサと、前記複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を蓄積する蓄積部と、前記センサ情報を取得する管理装置とを備え、前記管理装置は、取得した前記センサ情報を用いた空間的処理および時間的処理の少なくともいずれか一方を行うことにより前記所定の領域に関する判定を行い、判定結果に基づく内容を通知すること、ならびに、取得した前記センサ情報に基づいて、前記所定の領域に関する内容を空間的に表示する制御、および前記所定の領域に関する内容を時間的に表示する制御の少なくともいずれか一方を行うことが可能である。
このように、センサ情報を用いた空間的処理および時間的処理の少なくともいずれか一方により所定の領域に関する判定を行う構成により、センサ情報の内容の空間的な変化および時間的な変化の少なくともいずれか一方に基づいて、所定の領域の状態の空間的な変化および時間的な変化の少なくともいずれか一方を認識することができるので、所定の領域の状態をより正確に把握することができる。また、蓄積装置を備える構成により、空間的処理および時間的処理の少なくともいずれか一方を容易に行うことができる。また、判定結果に基づく内容を通知し、かつセンサ情報に基づいた所定の領域に関する内容の、空間的な表示および時間的な表示の少なくともいずれか一方を行う構成により、所定の領域の状態を管理者により的確に伝達することができる。したがって、所定の領域についての監視結果をより的確に伝達することができる。
好ましくは、前記管理装置は、対象期間における前記センサ情報に基づく前記センサ情報の時間変化の傾向を示す傾向情報と前記判定に用いる情報である判定用情報とを比較し、比較結果に基づいて前記判定を行う。
このような構成により、たとえば、対象期間におけるセンサ情報の時間変化の傾向、および対象期間と異なる期間におけるセンサ情報の時間変化の傾向を傾向情報として用いたり、また、しきい値、およびセンサ情報の時間変化の傾向を判定用情報として用いたりすることで、ユーザの所望する判定タイミングおよび判定期間、ならびに判定方法に対して柔軟に対処することができる。
より好ましくは、前記傾向情報には、前記対象期間における前記センサ情報に基づいて予測された前記対象期間より後の将来期間における前記時間変化の傾向を示す予測傾向情報が含まれる。
このような構成により、たとえば、所定の領域における将来の異常について判定することができるので、将来の異常に対処するために必要な処置を正常な状態において施すことができる。
より好ましくは、前記管理装置は、前記比較結果が所定条件を満たす、前記対象期間より後のタイミングを算出する。
このような構成により、たとえば、将来の異常に対処するためのより正確な準備期間すなわち判定処理を行ったタイミングから算出結果の示すタイミングまでの期間を提供することができる。
より好ましくは、前記判定用情報には、予め登録された、前記時間変化の傾向を示す登録傾向情報が含まれる。
このような構成により、たとえば、判定対象に応じた登録傾向情報を登録することで、より正しい判定を行うことができる。具体的には、たとえば、工場における設備は、新旧状態、動作状態および負荷状態等が設備ごとに異なり、一概に統一した異常の判定基準を決めるのが困難である。このため、たとえば設備毎に正常と異常との判定基準を設けることが好ましい。したがって、たとえば、設備ごとの正常な時間変化の傾向または異常な時間変化の傾向を登録しておき、登録した傾向との比較により異常を判定する上記構成は、特に工場では有効である。また、たとえば、複数の正常な時間変化の傾向および複数の異常な時間変化の傾向を登録しておくことで、対象期間における時間変化の傾向と類似する時間変化の傾向を、登録された各時間変化の傾向から見出す可能性を高めることができるので、管理装置が、対象期間における時間変化の傾向が正常な時間変化の傾向および異常な時間変化の傾向のいずれに類似しているのかを認識することが困難となる局面を回避することができる。
より好ましくは、前記登録傾向情報には、前記対象期間より前の過去期間における前記センサ情報に基づく前記時間変化の傾向を示す登録過去傾向情報が含まれる。
このような構成により、たとえば、正常または異常と判定すべき状況における上記傾向を示す登録過去傾向情報を登録することで、再び同様な状況に遭遇した場合に正常または異常の判定をより正しく行うことができる。
より好ましくは、前記傾向情報および前記登録過去傾向情報は、同じ前記センサからの前記センサ情報に基づく情報である。
このような構成により、たとえば、正常または異常と判定すべき状況における上記傾向を示す登録過去傾向情報を登録することで、再び同様な状況に遭遇した場合に登録過去傾向情報の示す時間変化の傾向と同様な傾向を示す傾向情報が得られるので、正常または異常の判定を簡易に行うことができる。また、たとえば、直近の対象期間におけるセンサ情報の示す値の時間変化の傾向が、過去期間におけるセンサ情報の示す値の時間変化の傾向と異なることを検知し、所定の領域に異常が発生したことを迅速に認識することができる。また、少ない期間数のサンプルを用いた簡易な処理で、たとえば所定の領域に発生した異常を早期に認識することができる。これにより、所定の領域において発生した異常を管理者に迅速に伝達することができる。また、たとえば、工場では、計測データに影響を及ぼす設備は、同じ工程または同じ時間帯等においてほぼ同じ動作を行うという特徴がある。言い換えると、設備は異なる工程または異なる時間帯等において異なる動作を行うという特徴がある。これに対して、事務所等では、計測データに影響を及ぼす人間は、居場所を変え、動作も不規則であるため、同じ時間帯に同じ動作を行うとは限らない。したがって、同一センサの異なる時間区間での過去のデータの比較によって異常を判定する上記構成は、特に工場において有効である。
より好ましくは、前記管理装置は、取得した前記センサ情報に基づく前記センサ情報の時間変化の傾向が正常であるか否かのユーザによる判断結果をさらに取得し、取得した前記判断結果に基づいて前記登録傾向情報の登録を行う。
このような構成により、登録対象のセンサ情報の時間変化の傾向とユーザによる判断結果とを合わせて登録することができるので、同様な時間変化の傾向を再度取得した場合において、当該傾向が正常であるか否かについてユーザの思考に沿った判定を行うことができる。
好ましくは、前記傾向情報には、前記対象期間における第1の前記センサの前記センサ情報に基づく前記センサ情報の時間変化の傾向を示す第1傾向情報が含まれ、前記判定用情報には、前記対象期間における前記第1のセンサと異なる1または複数の前記センサの前記センサ情報に基づく前記センサ情報の時間変化の傾向を示す第2傾向情報が含まれる。
このような構成により、たとえば、傾向情報の示す時間変化の傾向および判定用情報の示す時間変化の傾向間において相関があるべき場合において、比較結果に基づいて、所定の領域に異常が発生したことをより正しく判定することができる。具体的には、たとえば、設備が稼働している状況において煙が発生する工場では、設備に電流が流れている状態において煙濃度が時間とともに上昇することが検出された場合、工場が正常であると判定する一方、設備に電流が流れていない状態において煙濃度が時間とともに上昇することが検出された場合、工場が異常であると判定することができる。また、上述したように、工場では、設備は、同じ工程または同じ時間帯等においてほぼ同じ動作を行うので、複数のセンサを工場に設置する場合において、これらのセンサからのセンサ情報のそれぞれ示す各値の時間変化間の同じ時間帯における関係は、大きく変化しない。これに対して、事務所等では、人間は同じ時間帯に同じ動作を行うとは限らないため、複数のセンサを事務所に設置する場合において、これらのセンサからのセンサ情報のそれぞれ示す各値の時間変化間の同じ時間帯における関係は、変化してしまう。したがって、複数のセンサについての同じ時間区間における時間変化の比較によって異常を判定する上記構成は、特に工場において有効である。
より好ましくは、前記対象期間は、前記所定の領域に配置された設備の停止期間である。
このように、たとえば、無人になる可能性の高い設備の停止期間において上記判定を行う構成により、ノイズの減少による判定精度の向上を実現するとともに、所定の領域におけるセキュリティーを向上させることができる。
好ましくは、前記判定用情報は、しきい値を示し、前記管理装置は、前記判定用情報の示す前記しきい値を動的に設定する。
このような構成により、たとえば、時間の経過に伴って所定の領域における温度、粉じん濃度または埃の量等が変化する場合においても、変化した環境に応じたしきい値を設定することができるので、比較結果に基づいて所定の領域に関する判定を適切に行うことができる。
より好ましくは、前記管理装置は、前記判定を行う期間である判定期間が分割された複数の分割判定期間ごとに前記しきい値を設定する。
このような構成により、所定の領域たとえば工場の操業スケジュールまたは季節等に応じて、環境が安定している分割判定期間ごとにしきい値を設定することができるので、所定の領域に関する判定をより適切に行うことができる。
より好ましくは、前記管理装置は、前記センサ情報の示す値に基づいて各前記分割判定期間を設定する。
このような構成により、しきい値を用いた判定に適した分割判定期間、たとえば設備の環境および状態等が略一定となる分割判定期間を複数設定することができる。
好ましくは、前記管理装置は、前記センサ情報を個別に用いて前記判定を行うモードと、複数の前記センサの前記センサ情報を比較することにより前記判定を行うモードとを有する。
このような構成により、たとえば、1種類の計測結果から所定の領域における異常を判定する、絶対値に基づく判定方法と、複数種類の計測結果から所定の領域における異常を判定する、相対値に基づく判定方法とを計測対象に応じて適宜切り替えて用いることができるので、所定の領域についての監視機能を向上させることができる。
より好ましくは、前記傾向情報には、前記センサ情報の時間変化の範囲の大きさに基づく情報が含まれる。
このように、傾向情報には、センサ情報の示す値の特徴を表す、センサ情報の時間変化の範囲の大きさに基づく情報が含まれる構成により、所定の領域の状態を正しく把握することができるので、所定の領域の状態を良好に監視することができる。
より好ましくは、前記傾向情報には、前記センサ情報の時間変化における周波数成分の大きさに基づく情報が含まれる。
このように、傾向情報には、センサ情報の示す値の特徴を表す、センサ情報の時間変化における周波数成分の大きさに基づく情報が含まれる構成により、所定の領域の状態を正しく把握することができるので、所定の領域の状態を良好に監視することができる。
好ましくは、前記管理装置は、前記所定の領域における第1の異常エリア、および前記第1の異常エリアに対して少なくとも一部が異なる第2の異常エリアを含む複数の異常エリアを判定し、前記管理装置は、前記センサ情報の示す値と第1範囲とを比較し、比較結果に応じて前記第1の異常エリアを判定し、前記センサ情報の示す値と前記第1範囲に対して少なくとも一部が異なる第2範囲とを比較し、比較結果に応じて前記第2の異常エリアを判定する。
このように、異常エリアを異常度合いに応じて段階的に判定する構成により、所定の領域における異常度合いの空間的な分布を管理者により的確に伝達することができる。また、たとえば、工場の規模に応じて多くの設備が設置されている場合があり、それぞれの設備にセンサを配置しておくことで、センサからの計測結果によって空間的な異常を判定することができる。たとえば、工場において火災が発生した場合、早急に火災発生の原因となる設備を特定して消火し、他の設備に火災が広がることを食い止め、被害を最小に抑えることが好ましい。したがって、センサからの計測結果に基づいて、たとえば、実際に火災を起こしているエリアと、これからその火災が延伸しようとするエリアとを分けて保守員に知らせることができれば、迅速に火災発生の原因となる設備を特定して消火できるため、上記構成は、特に工場では有効である。
本発明の実施の形態に係る管理装置は、所定の領域に配置された複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記センサ情報を用いた空間的処理および時間的処理の少なくともいずれか一方を行うことにより、前記所定の領域に関する判定を行う判定部と、前記判定部の判定結果に基づく内容を通知する通知部と、前記取得部によって取得された前記センサ情報に基づいて、前記所定の領域に関する内容を空間的に表示する制御、および前記所定の領域に関する内容を時間的に表示する制御の少なくともいずれか一方を行う表示制御部とを備える。
このように、センサ情報を用いた空間的処理および時間的処理の少なくともいずれか一方により所定の領域に関する判定を行う構成により、センサ情報の内容の空間的な変化および時間的な変化の少なくともいずれか一方に基づいて、所定の領域の状態の空間的な変化および時間的な変化の少なくともいずれか一方を認識することができるので、所定の領域の状態をより正確に把握することができる。また、判定結果に基づく内容を通知し、かつセンサ情報に基づいた所定の領域に関する内容の、空間的な表示および時間的な表示の少なくともいずれか一方を行う構成により、所定の領域の状態を管理者により的確に伝達することができる。したがって、所定の領域についての監視結果をより的確に伝達することができる。
本発明の実施の形態に係る管理方法は、所定の領域に配置された複数のセンサと、前記複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を蓄積する蓄積部と、管理装置とを備える管理システムにおける管理方法であって、前記管理装置が、前記センサ情報を取得するステップと、前記管理装置が、取得した前記センサ情報を用いた空間的処理および時間的処理の少なくともいずれか一方を行うことにより、前記所定の領域に関する判定を行うステップと、前記管理装置が、判定結果に基づく内容を通知するステップと、前記管理装置が、取得した前記センサ情報に基づいて、前記所定の領域に関する内容を空間的に表示する制御、および前記所定の領域に関する内容を時間的に表示する制御の少なくともいずれか一方を行うステップとを含む。
このように、センサ情報を用いた空間的処理および時間的処理の少なくともいずれか一方により所定の領域に関する判定を行う構成により、センサ情報の内容の空間的な変化および時間的な変化の少なくともいずれか一方に基づいて、所定の領域の状態の空間的な変化および時間的な変化の少なくともいずれか一方を認識することができるので、所定の領域の状態をより正確に把握することができる。また、蓄積装置を備える構成により、空間的処理および時間的処理の少なくともいずれか一方を容易に行うことができる。また、判定結果に基づく内容を通知し、かつセンサ情報に基づいた所定の領域に関する内容の、空間的な表示および時間的な表示の少なくともいずれか一方を行う構成により、所定の領域の状態を管理者により的確に伝達することができる。したがって、所定の領域についての監視結果をより的確に伝達することができる。
本発明の実施の形態に係る管理プログラムは、管理装置において用いられる管理プログラムであって、コンピュータを、所定の領域に配置された複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記センサ情報を用いた空間的処理および時間的処理の少なくともいずれか一方を行うことにより、前記所定の領域に関する判定を行う判定部と、前記判定部の判定結果に基づく内容を通知する通知部と、前記取得部によって取得された前記センサ情報に基づいて、前記所定の領域に関する内容を空間的に表示する制御、および前記所定の領域に関する内容を時間的に表示する制御の少なくともいずれか一方を行う表示制御部と、として機能させるためのプログラムである。
このように、センサ情報を用いた空間的処理および時間的処理の少なくともいずれか一方により所定の領域に関する判定を行う構成により、センサ情報の内容の空間的な変化および時間的な変化の少なくともいずれか一方に基づいて、所定の領域の状態の空間的な変化および時間的な変化の少なくともいずれか一方を認識することができるので、所定の領域の状態をより正確に把握することができる。また、判定結果に基づく内容を通知し、かつセンサ情報に基づいた所定の領域に関する内容の、空間的な表示および時間的な表示の少なくともいずれか一方を行う構成により、所定の領域の状態を管理者により的確に伝達することができる。したがって、所定の領域についての監視結果をより的確に伝達することができる。
本発明の実施の形態に係る管理システムは、所定の領域に配置された複数のセンサと、前記複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を蓄積する蓄積部と、前記センサ情報を取得する管理装置とを備え、前記管理装置は、複数の対象期間について、前記対象期間における同じ前記センサからの複数の前記センサ情報の示す値に対して所定の演算処理を行うことにより前記対象期間の代表値を算出し、各前記対象期間の代表値に基づいて前記各対象期間より後の期間の代表値を予測する。
このように、将来の代表値を予測し、予測結果に基づいて上記判定を行う構成により、所定の領域の将来の状態を正しく把握することができるので、所定の領域の将来の状態を良好に監視することができる。
好ましくは、前記管理装置は、前記対象期間における同じ前記センサからの複数の前記センサ情報の示す値の統計値を前記対象期間の代表値として算出し、各前記対象期間の代表値に基づいて前記後の期間の代表値を予測する。
このように、対象期間におけるセンサ情報の示す値の特徴を表す統計値を代表値として算出し、各対象期間の代表値に基づいて後の期間の代表値を予測する構成により、所定の領域の将来の状態をより正しく把握することができるので、所定の領域の将来の状態をより良好に監視することができる。
好ましくは、前記管理装置は、前記対象期間における同じ前記センサからの複数の前記センサ情報の示す値の範囲の大きさを前記対象期間の代表値として算出し、各前記対象期間の代表値に基づいて前記後の期間の代表値を予測する。
このように、対象期間におけるセンサ情報の示す値の特徴を表す当該値の範囲の大きさを代表値として算出し、各対象期間の代表値に基づいて後の期間の代表値を予測する構成により、所定の領域の将来の状態をより正しく把握することができるので、所定の領域の将来の状態をより良好に監視することができる。
好ましくは、前記管理装置は、前記対象期間における同じ前記センサからの複数の時系列の前記センサ情報の示す値の周波数分布を算出し、算出した前記周波数分布における所定の周波数成分の大きさを前記対象期間の代表値として算出し、各前記対象期間の代表値に基づいて前記後の期間の代表値を予測する。
このように、対象期間におけるセンサ情報の示す値の特徴を表す、上記周波数分布における所定の周波数成分の大きさを代表値として算出し、各対象期間の代表値に基づいて後の期間の代表値を予測する構成により、所定の領域の将来の状態をより正しく把握することができるので、所定の領域の将来の状態をより良好に監視することができる。
本発明の実施の形態に係る管理システムは、所定の領域に配置された複数のセンサと、前記複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を蓄積する蓄積部と、前記センサ情報を取得する管理装置とを備え、前記管理装置は、取得した複数の前記センサ情報に基づいて、前記所定の領域における異常エリアを判定する。
このように、異常エリアの空間的な分布を予測する構成により、たとえば管理者は異常エリアに対する処置を施すことができる。したがって、所定の領域の状態を良好に監視することができる。
本発明の実施の形態に係る管理システムは、所定の領域に配置された複数のセンサと、前記複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を蓄積する蓄積部と、前記センサ情報を取得する管理装置とを備え、前記管理装置は、取得した複数の前記センサ情報に基づいて、前記所定の領域における異常エリアの時間的推移を予測する。
このように、将来の異常エリアの空間的な分布を予測する構成により、たとえば管理者は将来に備えて予防的処置を施すことができる。したがって、所定の領域の状態を良好に監視することができる。
好ましくは、前記管理装置は、前記所定の領域における第1の異常エリア、および前記第1の異常エリアに対して少なくとも一部が異なる第2の異常エリアを含む複数の前記異常エリアを判定し、前記管理装置は、前記センサの示す値と第1範囲とを比較し、比較結果に応じて前記第1の異常エリアを判定し、前記センサの示す値と前記第1範囲に対して少なくとも一部が異なる第2範囲とを比較し、比較結果に応じて前記第2の異常エリアを判定する。
このように、異常エリアを異常度合いに応じて段階的に判定する構成により、所定の領域における異常度合いの空間的な分布を管理者により的確に伝達することができる。また、たとえば、工場の規模に応じて多くの設備が設置されている場合があり、それぞれの設備にセンサを配置しておくことで、センサからの計測結果によって空間的な異常を判定することができる。たとえば、工場において火災が発生した場合、早急に火災発生の原因となる設備を特定して消火し、他の設備に火災が広がることを食い止め、被害を最小に抑えることが好ましい。したがって、センサからの計測結果に基づいて、たとえば、実際に火災を起こしているエリアと、これからその火災が延伸しようとするエリアとを分けて保守員に知らせることができれば、迅速に火災発生の原因となる設備を特定して消火できるため、上記構成は、特に工場では有効である。
好ましくは、前記管理装置は、前記所定の領域における第1の異常エリアを判定する。
このような構成により、所定の領域における第1の異常エリアの空間的な分布を管理者により的確に伝達することができる。
より好ましくは、判定した前記第1の異常エリアが拡張するかまたはシフトする第2の異常エリアを判定する。
このような構成により、異常になる可能性の高い第2の異常エリアの空間的な分布を管理者により的確に伝達することができるので、管理者は第1の異常エリアの拡散またはシフトに対処するための予防的処置を施すことができる。
本発明の実施の形態に係る管理方法は、所定の領域に配置された複数のセンサと、前記複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を蓄積する蓄積部と、管理装置とを備える管理システムにおける管理方法であって、前記管理装置が、前記センサ情報を取得するステップと、前記管理装置が、複数の対象期間について、前記対象期間における同じ前記センサからの複数の前記センサ情報の示す値に対して所定の演算処理を行うことにより前記対象期間の代表値を算出し、各前記対象期間の代表値に基づいて前記各対象期間より後の期間の代表値を予測するステップとを含む。
このように、将来の代表値を予測し、予測結果に基づいて上記判定を行う構成により、所定の領域の将来の状態を正しく把握することができるので、所定の領域の将来の状態を良好に監視することができる。
本発明の実施の形態に係る管理方法は、所定の領域に配置された複数のセンサと、前記複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を蓄積する蓄積部と、管理装置とを備える管理システムにおける管理方法であって、前記管理装置が、前記センサ情報を取得するステップと、前記管理装置が、取得した複数の前記センサ情報に基づいて、前記所定の領域における異常エリアを判定するステップとを含む。
このように、異常エリアの空間的な分布を予測する構成により、たとえば管理者は異常エリアに対する処置を施すことができる。したがって、所定の領域の状態を良好に監視することができる。
本発明の実施の形態に係る管理方法は、所定の領域に配置された複数のセンサと、前記複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を蓄積する蓄積部と、管理装置とを備える管理システムにおける管理方法であって、前記管理装置が、前記センサ情報を取得するステップと、前記管理装置が、取得した複数の前記センサ情報に基づいて、前記所定の領域における異常エリアの時間的推移を予測するステップとを含む。
このように、将来の異常エリアの空間的な分布を予測する構成により、たとえば管理者は将来に備えて予防的処置を施すことができる。したがって、所定の領域の状態を良好に監視することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムの構成を示す図である。
図1を参照して、管理システム301は、複数のセンサ部1と、管理装置101と、複数のアクセスポイント(中継装置)151と、蓄積装置(蓄積部)171とを備える。センサ部1は、1または複数のセンサを含む。なお、センサ部1が複数のセンサを含む場合、管理システム301は、1つのセンサ部1を備える構成であってもよい。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムにおけるセンサが設けられた工場の一例を示す図である。図2には、事業者の工場5を上方から見た状態が示される。
図1および図2を参照して、所定の領域、詳細にはたとえば所定の建造物において、複数のセンサ部1が配置される。この例では、工場5において、複数のセンサ部1が配置される。ここで、工場5は、一定の機械および器具を設備し、継続的に物品の製造および加工を行う所である。なお、複数のセンサ部1が工場5に配置される構成に限らず、複数のセンサ部1が空港、鉄道の駅、バスのターミナル、オフィスおよび倉庫等に配置される構成であってもよい。
図2の例では、工場5において、2つのアクセスポイント151と、5つのセンサ部1とが設けられる。工場5における設備A、B、CおよびDに設置されるセンサ部1の個数は、それぞれ2つ、1つ、1つおよび1つである。なお、工場5において、4つ以下または6つ以上のセンサ部1が設けられてもよい。管理システム301では、各工場における設備または環境等に関する情報の収集が行われる。
センサ部1は、工場5における設備に設置され、計測対象、具体的には工場5に設置されている設備の状態または環境等に関する計測を行う。
報知装置111の一例である警告灯は、工場5における設備ごとに配置される。また、報知装置111の一例である音声出力装置が、たとえば工場5の設備Cに設置される。
管理装置101、表示装置131および蓄積部171は、たとえば複数のセンサとは異なる位置に設けられる。具体的には、管理装置101、表示装置131および蓄積部171は、たとえば工場5の外部に位置する事務所6に設けられている。なお、管理装置101、表示装置131および蓄積部171のうちの少なくともいずれか1つは、複数のセンサと同じ位置、具体的には工場5の内部に設けられてもよい。また、管理装置101は、表示装置131を備える構成であってもよい。
センサ部1は、煙センサ、温度センサ、湿度センサ、電流センサ、加速度センサおよび非接触温度センサの少なくともいずれか1つを含む。なお、センサ部1は、これらのセンサ以外のセンサとして、濃度センサ、ジャイロセンサ、圧力センサおよび電池電圧センサ等を含む構成であってもよい。
煙センサは、煙を計測する、具体的には、たとえば煙に含まれる粉じんの濃度を計測する。温度センサは、設備周辺における雰囲気温度を計測する。湿度センサは、設備周辺における湿度を計測する。電流センサは、設備の近傍に設置された導線を流れる電流を計測する。非接触温度センサは、赤外線照度に基づく設備の非接触温度を計測する。加速度センサは、測定対象の振動、より詳細には測定対象の加速度、速度および位置等を計測する。
センサ部1は、自己が含むセンサによる計測結果および当該センサのIDを含むセンサ情報を作成し、作成したセンサ情報をたとえばブロードキャストすることにより、センサ情報をアクセスポイント151へ無線送信する。
アクセスポイント151は、センサ部1からセンサ情報を受信すると、受信したセンサ情報を中継して内部ネットワーク11経由で蓄積装置171へ送信する。ここで、アクセスポイント151および蓄積装置171間の通信は、有線で行われてもよいし、無線で行われてもよい。
アクセスポイント151は、たとえば、IEEE802.15.4の通信規格に従ってマルチホップ通信を行うことが可能である。詳細には、アクセスポイント151は、たとえば、センサ部1から受信したセンサ情報を無線通信によって中継する。センサ情報は、たとえば複数のアクセスポイント151経由で管理装置101へ伝送される。
より詳細には、アクセスポイント151は、センサ部1から受信したセンサ情報を、1または複数のアクセスポイント151および内部ネットワーク11を介して蓄積装置171へ送信するか、または受信したセンサ情報を、内部ネットワーク11を介して蓄積装置171へ送信する。
蓄積装置171は、アクセスポイント151から送信されたセンサ情報を蓄積する。より詳細には、蓄積装置171は、アクセスポイント151からセンサ情報を受信すると、受信した時刻をセンサ情報に付加した後、センサ情報を蓄積する。また、たとえば、センサ情報は、データベース化されて蓄積装置171に蓄積される。
また、蓄積装置171は、たとえば、工場5の図面、工場5に設けられた各センサのID、および当該図面における当該センサの位置座標を示す図面情報を保持する。また、蓄積装置171は、工場5において発生した異常の通知先を示す報知先情報を保持する。なお、図面情報には、センサの高さを示す高さ情報が含まれてもよい。
[管理装置]
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムにおける管理装置の構成を示す図である。
図3を参照して、管理装置101は、取得部21と、通知部22と、表示制御部23と、判定部24と、受付部25とを備える。
受付部25は、マウスおよびキーボード等の入力機器であり、管理者が表示装置131に表示された画面に対して行った操作を受け付け、受け付けた操作内容を示す操作情報を作成して表示制御部23へ出力する。
取得部21は、工場5に配置された複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を取得する。なお、取得部21は、工場5に配置された複数のセンサから有線により送信されたセンサ情報を取得してもよい。
より詳細には、取得部21は、蓄積装置171に蓄積されたセンサ情報を取得し、取得したセンサ情報を判定部24へ出力する。
また、取得部21は、蓄積装置171が保持する図面情報を取得し、取得した図面情報を表示制御部23および通知部22へ出力する。また、取得部21は、蓄積装置171が保持する報知先情報を取得し、取得した報知先情報を通知部22へ出力する。
判定部24は、取得部21によって取得されたセンサ情報を用いた時間的処理を行うことにより、所定の領域たとえば工場5に関する判定を行う。言い換えると、判定部24は、センサ情報を用いて工場5に関する異常判定を行う。
詳細には、判定部24は、たとえば、対象期間におけるセンサ情報、に基づくセンサ情報の時間変化の傾向を示す傾向情報と上記判定に用いる情報である判定用情報とを比較し、比較結果に基づいて上記判定を行う。
ここで、判定用情報には、たとえば、予め登録された、センサ情報の時間変化の傾向を示す登録傾向情報が含まれる。詳細には、登録傾向情報には、たとえば、対象期間より前の過去期間におけるセンサ情報に基づくセンサ情報の時間変化の傾向を示す登録過去傾向情報が含まれる。より詳細には、たとえば、傾向情報および登録過去傾向情報は、同じセンサからのセンサ情報に基づく情報である。
言い換えると、判定部24は、たとえば、取得部21によって取得された最新のセンサ情報と、予め登録された判定用情報とを比較することで異常判定を行う。詳細には、判定部24は、たとえば、当該最新のセンサ情報と当該判定用情報とを比較し、比較結果に基づいて異常判定を行う。
また、言い換えると、判定部24は、たとえば、第1の期間におけるセンサ情報の示す値の時間変化と、第1の期間より前の第2の期間における同じセンサからのセンサ情報の示す値の時間変化とを比較する。
具体的には、判定部24は、たとえば、直近の所定期間である直近期間におけるセンサ情報の示す値の時間変化と、直近期間より前の期間である過去期間におけるセンサ情報の示す値の時間変化とを比較する。そして、判定部24は、比較結果に基づいてたとえば工場5における異常の有無を判定する。具体的には、判定部24は、たとえば、比較結果に基づいて、工場5における監視対象のエリアの異常の有無、および工場5に設けられた監視対象の設備の異常の有無を判定する。
ここで、直近期間は、たとえば、現在を示すタイミングT1より所定時間前のタイミングT2からタイミングT1までの期間である。また、過去期間は、タイミングT2より前のタイミングT3の所定時間前のタイミングT4からタイミングT3までの期間である。
図4および図5は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサが計測した粉じん濃度の時間変化の一例を示す図である。なお、図4および図5において、縦軸は粉じん濃度を示し、横軸は時間を示す。また、図4および図5の横軸のスケールは同じである。
判定部24は、たとえば直近期間における粉じん濃度の時間変化を監視する。ここで、図4および図5に示す粉じん濃度の時間変化は、直近期間における粉じん濃度の時間変化の一例である。また、図4および図5に示す粉じん濃度の時間変化の傾向を示す情報が傾向情報の一例である。
より詳細には、判定部24は、蓄積装置171が煙センサからの新たなセンサ情報を蓄積するごとに当該新たなセンサ情報を取得部21経由で蓄積装置171から取得する。
判定部24は、直近期間における複数のタイミングにおいて取得したセンサ情報に基づいて、直近期間における粉じん濃度の時間変化を監視する。判定部24は、粉じん濃度の時間変化の監視を煙センサごとに行う。また、判定部24は、蓄積装置171から取得部21経由で新たなセンサ情報を取得するごとに監視対象の粉じん濃度の時間変化を更新する。
図6は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサが計測した粉じん濃度の時間変化の一例を示す図である。なお、図6において、縦軸は粉じん濃度を示し、横軸は時間を示す。また、図6の横軸のスケールは、図4の横軸のスケールと同じである。
また、判定部24は、たとえば、過去期間における複数のタイミングにおいて取得したセンサ情報に基づいて、過去期間における粉じん濃度の時間変化を作成して保持している。より詳細には、判定部24は、図6に示す粉じん濃度の時間変化を粉じん濃度の正常な時間変化として保持している。すなわち、図6に示す粉じん濃度の時間変化が登録されている。また、図6に示す粉じん濃度の時間変化の傾向を示す情報が登録過去傾向情報の一例である。
判定部24は、監視対象の粉じん濃度の時間変化を更新するごとに、監視対象の粉じん濃度の時間変化と図6に示す粉じん濃度の正常な時間変化とを比較する。
判定部24は、図4および図5における領域Rg1およびRg2にそれぞれ示すように、粉じん濃度が急激に増加し、かつ増加後の粉じん濃度が減少しない場合、監視対象の粉じん濃度の時間変化が粉じん濃度の正常な時間変化と異なると認識し、工場5において異常が発生したと判定する。
判定部24は、工場5において異常が発生したと判定すると、異常を示す煙センサのIDと粉じん濃度の異常な時間変化および正常な時間変化とを含む異常検知情報を作成し、作成した異常検知情報を表示制御部23および通知部22へ出力する。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムにおいて、表示装置に表示された画面の一例を示す図である。
図7を参照して、表示制御部23は、取得部21によって取得されたセンサ情報に基づいて、工場5に関する内容を時間的に表示する制御が可能である。詳細には、表示制御部23は、取得部21によって取得されたセンサ情報に基づいて、工場5に関する内容を空間的に表示する制御、および工場5に関する内容を時間的に表示する制御を行う。
たとえば、表示制御部23は、センサ情報に基づいて、工場5における異常を空間的に表示する制御、および工場5における異常を時間的に表示する制御を行う。
より詳細には、表示制御部23は、判定部24から異常検知情報を受けると、蓄積装置171から取得部21経由で図面情報を取得し、取得した図面情報に基づいて、工場5に配置された複数の煙センサを示すアイコンICN,ICA、および工場5の図面Mpを表示装置131の画面Scに表示する制御を行う。
また、表示制御部23は、異常検知情報および図面情報に基づいて、異常を示す煙センサのアイコンの表示態様を変更する。具体的には、表示制御部23は、異常を示す煙センサのアイコンICAの形状を、正常を示す煙センサのアイコンICNと異なる形状に変更する。
なお、表示制御部23は、異常を示す煙センサのアイコンICAの形状を変更する構成であるとしたが、これに限定するものではない。表示制御部23は、異常を示す煙センサのアイコンの色の変更、点滅、回転、膨張および収縮、ならびにこれらの組み合わせを行う構成であってもよい。
また、表示制御部23は、異常を示す煙センサによる粉じん濃度の時間変化を表示する制御を行う。
より詳細には、管理者は、異常を示す煙センサにより計測された粉じん濃度の時間変化を確認する場合、異常を示す煙センサのアイコンICAをたとえばクリックする操作を受付部25に対して行う。
受付部25は、管理者による操作を受け付けると、受け付けた操作内容を示す操作情報を作成して表示制御部23へ出力する。
表示制御部23は、異常であると判定された直近期間における時間変化と正常な時間変化とを1画面に表示する制御を行う。
具体的には、表示制御部23は、受付部25から受ける操作情報が、異常を示す煙センサのアイコンICAがクリックされたことを示す場合、図4または図5に示す粉じん濃度の異常な時間変化と図6に示す粉じん濃度の正常な時間変化とを1画面に表示する制御を行う。
通知部22は、判定部24の判定結果に基づく内容を通知する。たとえば、通知部22は、判定部24によって異常ありと判定された工場5の異常について通知する。
より詳細には、通知部22は、判定部24から異常検知情報を受けると、蓄積装置171から取得部21経由で報知先情報および図面情報を取得する。
通知部22は、異常検知情報および図面情報に基づいて、異常検知情報の示すIDを有する煙センサの工場5の図面Mpにおける位置、および当該煙センサにより計測された粉じん濃度が異常である旨を示すメールを作成し、作成したメールを、取得した報知先情報の示すサーバ等の装置へ内部ネットワーク11経由で送信する。
また、通知部22は、異常検知情報および図面情報に基づいて、異常検知情報の示すIDを有するセンサが設けられている設備Dを示す報知情報を作成し、作成した報知情報を内部ネットワーク11経由で報知装置111へ送信する。
再び図2を参照して、報知装置111は、管理装置101から報知情報を受信すると、受信した報知情報の内容を報知する。報知装置111としての音声出力装置は、報知情報の内容を音声で出力する。また、報知装置111としての警告灯は、報知情報の示す設備Dと自己の設けられている設備とが同じ場合、動作を開始する。具体的には、設備Dに設けられている警告灯は、報知情報に基づいて動作する。
[動作]
管理システム301における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンス図またはフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置がセンサ情報を処理する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図8を参照して、まず、管理装置101は、蓄積装置171が新たなセンサ情報を蓄積するまで待機し(ステップS102でNO)、蓄積装置171が新たなセンサ情報を蓄積すると、当該新たなセンサ情報を取得する(ステップS102でYES)。
次に、管理装置101は、直近期間における複数のタイミングにおいて取得したセンサ情報の示す粉じん濃度の時間変化すなわち監視対象の粉じん濃度の時間変化と、過去期間における粉じん濃度の正常な時間変化とを比較する比較処理を行う(ステップS104)。
次に、管理装置101は、比較処理の結果に基づいて、監視対象の粉じん濃度の時間変化が異常を示すか否かを判定する(ステップS106)。
管理装置101は、監視対象の粉じん濃度の時間変化が異常を示す場合(ステップS106でYES)、工場5における異常を、空間的に表示する制御および時間的に表示する制御を行う(ステップS108)。
次に、管理装置101は、工場5の異常について通知する(ステップS110)。
次に、管理装置101は、監視対象の粉じん濃度の時間変化が異常を示さないか(ステップS106でNO)、または工場5の異常について通知すると(ステップS110)、蓄積装置171が新たなセンサ情報を蓄積するまで待機する(ステップS102でNO)。
なお、上記ステップS108,S110の順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
[変形例]
蓄積装置171は、粉じん濃度の正常な時間変化を示す1または複数の時間変化パターン(以下、正常時間変化パターンとも称する。)を保持している。また、蓄積装置171は、粉じん濃度の異常な時間変化を示す1または複数の時間変化パターン(以下、異常時間変化パターンとも称する。)を保持している。これらの時間変化パターンは、判定用時間変化の一例であり、たとえば、管理者が管理装置101における受付部25を操作することによって登録される。
管理装置101における判定部24は、たとえば、過去期間における時間変化として、正常時間変化パターンおよび異常時間変化パターンを用いる。また、判定部24は、たとえば、蓄積装置171に保持された正常時間変化パターンおよび異常時間変化パターンの傾向を示す登録過去傾向情報と直近期間におけるセンサ情報の示す値の時間変化の傾向を示す傾向情報とを比較し、比較結果に基づいて工場5に関する判定を行う。
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置がセンサ情報を処理する際の動作手順の変形例を定めたフローチャートである。
図9を参照して、まず、管理装置101は、蓄積装置171が新たなセンサ情報を蓄積するまで待機し(ステップS152でNO)、蓄積装置171が新たなセンサ情報を蓄積すると、当該新たなセンサ情報を取得する(ステップS152でYES)。
次に、管理装置101は、1または複数の異常時間変化パターンを蓄積装置171から取得し、取得した異常時間変化パターンと監視対象の粉じん濃度の時間変化とを比較する(ステップS154)。
次に、管理装置101は、監視対象の粉じん濃度の時間変化と異常時間変化パターンとが一致しない場合(ステップS156でNO)、蓄積装置171から1または複数の粉じん濃度の正常時間変化パターンを取得し、取得した正常時間変化パターンと監視対象の粉じん濃度の時間変化とを比較する(ステップS162)。
次に、管理装置101は、監視対象の粉じん濃度の時間変化と異常時間変化パターンとが一致する場合(ステップS156でYES)、または監視対象の粉じん濃度の時間変化と正常時間変化パターンとが一致しない場合(ステップS164でNO)、工場5が異常であると判定する(ステップS157)。
次に、管理装置101は、工場5における異常を空間的に表示する制御、および時間的に表示する制御を行う(ステップS158)。
次に、管理装置101は、工場5の異常について通知する(ステップS160)。
一方、管理装置101は、監視対象の粉じん濃度の時間変化と正常時間変化パターンとが一致する場合(ステップS164でYES)、工場5が正常であると判定する(ステップS166)。
次に、管理装置101は、工場5が正常であると判定するか(ステップS166)、または工場5の異常について通知すると(ステップS160)、蓄積装置171が新たなセンサ情報を蓄積するまで待機する(ステップS152でNO)。
なお、上記ステップS158,S160の順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
また、管理装置101は、正常時間変化パターンおよび異常時間変化パターンと直近期間におけるセンサ情報の示す値の時間変化とを比較し、比較結果に基づいて上記判定を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。管理装置101は、正常時間変化パターンおよび異常時間変化パターンのいずれか一方と直近期間におけるセンサ情報の示す値の時間変化とを比較し、比較結果に基づいて上記判定を行う構成であってもよい。
判定部24は、たとえば、取得部21によって取得されたセンサ情報に基づくセンサ情報の時間変化の傾向が正常であるか否かのユーザによる判断結果をさらに取得することで、予め登録された判定用情報を補正する。詳細には、判定部24は、たとえば、当該判断結果に基づいて、予め登録された判定用情報を補正する。
言い換えると、管理装置101は、たとえば、取得したセンサ情報に基づくセンサ情報の時間変化の傾向が正常であるか否かのユーザによる判断結果を取得し、取得した判断結果に基づいて登録傾向情報の登録を行う、具体的には、正常時間変化パターンおよび異常時間変化パターンの少なくともいずれか一方を登録する。
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置が時間変化パターンを登録する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図10を参照して、まず、管理者は、表示装置131に表示された監視対象の粉じん濃度の時間変化を参照しながら、当該時間変化が異常か否かの判断を行い、受付部25を操作することにより判断結果および当該時間変化の名称を管理装置101に入力する(ステップS202)。
次に、管理装置101における受付部25は、管理者の操作内容を示す操作情報を取得し、取得した操作情報の示す判断結果が当該時間変化の異常を示す場合(ステップS204でYES)、当該時間変化を異常な時間変化パターンの1つとして上記名称とともにたとえば蓄積装置171に登録する(ステップS206)。
一方、管理装置101は、取得した操作情報の示す判断結果が当該時間変化の正常を示す場合(ステップS204でNO)、当該時間変化を正常な時間変化パターンの1つとして、上記名称とともに登録する(ステップS208)。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置では、表示制御部23は、取得部21によって取得されたセンサ情報に基づいて、工場5に関する内容を空間的に表示する制御、および工場5に関する内容を時間的に表示する制御の両方を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。表示制御部23は、センサ情報に基づいて、工場5に関する内容を空間的に表示する制御、および工場5に関する内容を時間的に表示する制御のいずれか一方を行う構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムは、異常を検知する用途に用いられるとしたが、これに限定するものではない。管理システム301は、品質管理用途または労働環境監視用途等に用いられてもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、蓄積装置171は、蓄積部として管理装置101の外部に設けられる構成であるとしたが、これに限定するものではない。蓄積部は、管理装置101の内部に設けられる構成であってもよい。この場合、たとえば、管理装置101における取得部21が、複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を取得し、取得したセンサ情報を蓄積部に蓄積する。判定部24は、たとえば、取得部21がセンサから直接取得したセンサ情報、および取得部21が蓄積部から取得したセンサ情報の少なくともいずれか1つを用いて所定の領域に関する異常判定を行う。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムは、複数のアクセスポイント151を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。管理システム301は、1つのアクセスポイント151を備える構成であってもよいし、アクセスポイント151を備えない構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、判定部24は、工場5に関する判定を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。判定部24は、工場5に含まれるフロア、設備および通路等の所定の領域に関する判定を行う構成であってもよいし、工場5の外部における所定の領域に関する判定を行う構成であってもよい。
ところで、このような特許文献1に記載の技術を超えて、工場等の所定の領域の状態、および当該所定の領域に配置された設備の状態を良好に監視し、監視結果を管理者により的確に伝達するための技術が求められている。
より詳細には、たとえば工場では、最終製品に不良が発生した場合、複数の製造工程のうちのいずれの工程において原因となる事象が発生したかを知る必要がある。たとえば、ある工程において温度または湿度が異常値であった場合には、当該工程が原因であったことが分かり、当該工程の管理者等が、センサ情報の記録等を用いて原因調査を行い、プロセス改善を図ることが可能となる。このように、特許文献1に記載の技術を超えて、工場の状態を良好に監視し、監視結果を管理者により的確に伝達するための技術が求められている。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムは、所定の領域に配置された複数のセンサと、管理装置101とを備える。管理装置101は、複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を取得する取得部21と、取得部21によって取得されたセンサ情報を蓄積する蓄積部と、センサ情報を用いて所定の領域に関する異常判定を行う判定部24と、判定部24による判定結果に基づく内容を通知する通知部22と、取得部21によって取得されたセンサ情報に基づいて、所定の領域に関する内容を時間的に表示する制御が可能である表示制御部23とを備える。
このように、センサ情報を用いて所定の領域に関する異常判定を行う構成により、たとえば、センサ情報の内容の空間的な変化および時間的な変化の少なくともいずれか一方に基づいて、所定の領域の状態の空間的な変化および時間的な変化の少なくともいずれか一方を認識することができるので、所定の領域の状態をより正確に把握することができる。また、蓄積部を備える構成により、たとえば、空間的処理および時間的処理の少なくともいずれか一方を容易に行うことができる。また、判定結果に基づく内容を通知し、かつセンサ情報に基づいた所定の領域に関する内容の時間的な表示を行う構成により、所定の領域の状態を管理者により的確に伝達することができる。したがって、所定の領域についての監視結果をより的確に伝達することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、判定部24は、取得部21によって取得されたセンサ情報と、予め登録された判定用情報とを比較することで異常判定を行う。
このような構成により、たとえば、センサ情報の時間変化の判定対象に応じた傾向を登録することで、より正しい判定を行うことができる。具体的には、たとえば、工場5における設備は、新旧状態、動作状態および負荷状態等が設備ごとに異なり、一概に統一した異常の判定基準を決めるのが困難である。このため、たとえば設備毎に正常と異常との判定基準を設けることが好ましい。したがって、たとえば、設備ごとの正常な時間変化の傾向または異常な時間変化の傾向を登録しておき、登録した傾向との比較により異常を判定する上記構成は、特に工場5では有効である。また、たとえば、複数の正常な時間変化の傾向および複数の異常な時間変化の傾向を登録しておくことで、対象期間における時間変化の傾向と類似する時間変化の傾向を、登録された各時間変化の傾向から見出す可能性を高めることができるので、管理装置101が、対象期間における時間変化の傾向が正常な時間変化の傾向および異常な時間変化の傾向のいずれに類似しているのかを認識することが困難となる局面を回避することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、判定部24は、取得部21によって取得されたセンサ情報に基づくセンサ情報の時間変化の傾向が正常であるか否かのユーザによる判断結果をさらに取得することで、予め登録された判定用情報を補正する。
このような構成により、たとえば、予め登録された判定用情報の示す時間変化の傾向をユーザの思考に沿うように補正する構成により、ユーザの思考からかけ離れた異常判定を行うことを防ぐことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置では、取得部21は、所定の領域に配置された複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を取得する。判定部24は、センサ情報を用いて所定の領域に関する異常判定を行う。通知部22は、判定部24による判定結果に基づく内容を通知する。そして、表示制御部23は、取得部21によって取得されたセンサ情報に基づいて、所定の領域に関する内容を時間的に表示する制御が可能である。
このように、センサ情報を用いて所定の領域に関する異常判定を行う構成により、たとえば、センサ情報の内容の空間的な変化および時間的な変化の少なくともいずれか一方に基づいて、所定の領域の状態の空間的な変化および時間的な変化の少なくともいずれか一方を認識することができるので、所定の領域の状態をより正確に把握することができる。また、判定結果に基づく内容を通知し、かつセンサ情報に基づいた所定の領域に関する内容の時間的な表示を行う構成により、所定の領域の状態を管理者により的確に伝達することができる。したがって、所定の領域についての監視結果をより的確に伝達することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、複数のセンサは、所定の領域に配置される。蓄積装置171は、複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を蓄積する。管理装置101は、センサ情報を取得し、取得したセンサ情報を用いた時間的処理を行うことにより所定の領域に関する判定を行い、判定結果に基づく内容を通知すること、ならびに、取得したセンサ情報に基づいて、所定の領域に関する内容を空間的に表示する制御、および所定の領域に関する内容を時間的に表示する制御の少なくともいずれか一方を行うことが可能である。
このように、センサ情報を用いた時間的処理により所定の領域に関する判定を行う構成により、センサ情報の内容の時間変化に基づいて、所定の領域の状態の時間変化を認識することができるので、所定の領域の状態をより正確に把握することができる。また、蓄積装置171を備える構成により、時間的処理を容易に行うことができる。また、判定結果に基づく内容を通知し、かつセンサ情報に基づいた所定の領域に関する内容の、空間的な表示および時間的な表示の少なくともいずれか一方を行う構成により、所定の領域の状態を管理者により的確に伝達することができる。したがって、所定の領域の状態を良好に監視することができ、また、所定の領域についての監視結果をより的確に伝達することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、対象期間におけるセンサ情報に基づくセンサ情報の時間変化の傾向を示す傾向情報と判定に用いる情報である判定用情報とを比較し、比較結果に基づいて判定を行う。
このような構成により、たとえば、対象期間におけるセンサ情報の時間変化の傾向、および対象期間と異なる期間におけるセンサ情報の時間変化の傾向を傾向情報として用いたり、また、しきい値、および時間変化の傾向を判定用情報として用いたりすることで、ユーザの所望する判定タイミングおよび判定期間、ならびに判定方法に対して柔軟に対処することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、判定用情報には、予め登録された、センサ情報の時間変化の傾向を示す登録傾向情報が含まれる。
このような構成により、たとえば、判定対象に応じた登録傾向情報を登録することで、より正しい判定を行うことができる。具体的には、たとえば、工場5における設備は、新旧状態、動作状態および負荷状態等が設備ごとに異なり、一概に統一した異常の判定基準を決めるのが困難である。このため、たとえば設備毎に正常と異常との判定基準を設けることが好ましい。したがって、たとえば、設備ごとの正常な時間変化の傾向または異常な時間変化の傾向を登録しておき、登録した傾向との比較により異常を判定する上記構成は、特に工場では有効である。また、たとえば、複数の正常な時間変化の傾向および複数の異常な時間変化の傾向を登録しておくことで、対象期間における時間変化の傾向と類似する時間変化の傾向を、登録された各時間変化の傾向から見出す可能性を高めることができるので、管理装置が、対象期間における時間変化の傾向が正常な時間変化の傾向および異常な時間変化の傾向のいずれに類似しているのかを認識することが困難となる局面を回避することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、登録傾向情報には、対象期間より前の過去期間におけるセンサ情報に基づく時間変化の傾向を示す登録過去傾向情報が含まれる。
このような構成により、たとえば、正常または異常と判定すべき状況における上記傾向を示す登録過去傾向情報を登録することで、再び同様な状況に遭遇した場合に正常または異常の判定をより正しく行うことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、傾向情報および登録過去傾向情報は、同じセンサからのセンサ情報に基づく情報である。
このような構成により、たとえば、正常または異常と判定すべき状況における上記傾向を示す登録過去傾向情報を登録することで、再び同様な状況に遭遇した場合に登録過去傾向情報の示す時間変化の傾向と同様な傾向を示す傾向情報が得られるので、正常または異常の判定を簡易に行うことができる。また、たとえば、直近の対象期間におけるセンサ情報の示す値の時間変化の傾向が、過去期間におけるセンサ情報の示す値の時間変化の傾向と異なることを検知し、所定の領域に異常が発生したことを迅速に認識することができる。また、少ない期間数のサンプルを用いた簡易な処理で、たとえば所定の領域に発生した異常を早期に認識することができる。これにより、所定の領域において発生した異常を管理者に迅速に伝達することができる。また、たとえば、工場では、計測データに影響を及ぼす設備は、同じ工程または同じ時間帯等においてほぼ同じ動作を行うという特徴がある。言い換えると、設備は異なる工程または異なる時間帯等において異なる動作を行うという特徴がある。これに対して、事務所等では、計測データに影響を及ぼす人間は、居場所を変え、動作も不規則であるため、同じ時間帯に同じ動作を行うとは限らない。したがって、同一センサの異なる時間区間での過去のデータの比較によって異常を判定する上記構成は、特に工場において有効である。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置は、取得したセンサ情報に基づくセンサ情報の時間変化の傾向が正常であるか否かのユーザによる判断結果をさらに取得し、取得した判断結果に基づいて登録傾向情報の登録を行う。
このような構成により、登録対象のセンサ情報の時間変化の傾向とユーザによる判断結果とを合わせて登録することができるので、同様な時間変化の傾向を再度取得した場合において、当該傾向が正常であるか否かについてユーザの思考に沿った判定を行うことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、複数のアクセスポイント151は、センサ情報を無線通信によって中継する。そして、センサ情報は、複数のアクセスポイント151経由で管理装置101へ伝送される。
このような構成により、広いエリアに分布するセンサ部1との無線通信を確立することができるので、複数のセンサ部1から送信されるセンサ情報を良好に収集することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、センサ情報は、所定の領域についての煙、温度、湿度、電流、電圧、濃度、圧力、加速度および角速度のうちの少なくともいずれか1つの計測結果を含む。
このような構成により、監視対象の性質に応じた物理量を計測して取得することができるので、所定の領域の状態をより正しく把握することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、所定の領域は、工場5に含まれる。
このような構成により、たとえば、操業時および無人時等の工場5の稼働状態に関わらずに工場5における複数の所定の領域を集中的に管理することができるので、監視効率の優れた管理システムを提供することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置では、取得部21は、所定の領域に配置された複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を取得する。判定部24は、取得部21によって取得されたセンサ情報を用いた時間的処理を行うことにより、所定の領域に関する判定を行う。通知部22は、判定部24の判定結果に基づく内容を通知する。そして、表示制御部23は、取得部21によって取得されたセンサ情報に基づいて、所定の領域に関する内容を空間的に表示する制御、および所定の領域に関する内容を時間的に表示する制御の少なくともいずれか一方を行う。
このように、センサ情報を用いた時間的処理により所定の領域に関する判定を行う構成により、センサ情報の内容の時間変化に基づいて、所定の領域の状態の時間変化を認識することができるので、所定の領域の状態をより正確に把握することができる。また、判定結果に基づく内容を通知し、かつセンサ情報に基づいた所定の領域に関する内容の、空間的な表示および時間的な表示の少なくともいずれか一方を行う構成により、所定の領域の状態を管理者により的確に伝達することができる。したがって、所定の領域の状態を良好に監視することができ、また、所定の領域についての監視結果をより的確に伝達することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、第1の期間におけるセンサ情報の示す値の時間変化と、第1の期間より前の第2の期間におけるセンサ情報の示す値の時間変化とを比較し、比較結果に基づいて、工場5に関する判定を行う。
このような構成により、たとえば、直近の期間におけるセンサ情報の示す値の時間変化が、当該直近の期間より前の期間におけるセンサ情報の示す値の時間変化と異なることを検知し、工場5に異常が発生したことを迅速に認識することができる。また、少ない期間数のサンプルを用いた簡易な処理で、たとえば工場5に発生した異常を早期に認識することができる。これにより、工場5において発生した異常を管理者に迅速に伝達することができる。また、たとえば、工場5では、計測データに影響を及ぼす設備は、同じ工程または同じ時間帯等においてほぼ同じ動作を行うという特徴がある。言い換えると、設備は異なる工程または異なる時間帯等において異なる動作を行うという特徴がある。これに対して、事務所等では、計測データに影響を及ぼす人間は、居場所を変え、動作も不規則であるため、同じ時間帯に同じ動作を行うとは限らない。したがって、同一センサの異なる時間区間での過去のデータの比較によって異常を判定する上記構成は、特に工場5において有効である。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、第2の期間における時間変化として、正常な時間変化および異常な時間変化を用いる。
このような構成により、第1の期間における時間変化が、正常な時間変化および異常な時間変化のいずれに類似するのか認識することができるので、正常または異常の判定をより確実に行うことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、異常であると判定された第1の期間における時間変化と正常な時間変化とを1画面に表示する制御を行う。
このような構成により、異常と判定された時間変化と正常な時間変化との差異をユーザに容易に認識させることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、予め登録された、センサ部1におけるセンサの示す値の正常な時間変化または異常な時間変化である判定用時間変化と、対象期間におけるセンサ情報の示す値の時間変化とを比較し、比較結果に基づいて工場5の異常に関する判定を行う。
このような構成により、たとえば、複数の正常な時間変化および複数の異常な時間変化を登録しておくことで、対象期間における時間変化と類似する時間変化を、登録された各時間変化から見出す可能性を高めることができるので、管理装置101が、対象期間における時間変化が正常な時間変化および異常な時間変化のいずれに類似しているのかを認識することが困難となる局面を回避することができる。また、たとえば、工場5における設備は、新旧状態、動作状態および負荷状態等が設備ごとに異なり、一概に統一した異常の判定基準を決めるのが困難である。このため、設備毎に正常と異常との判定基準を設けることが好ましい。したがって、たとえば、設備ごとの正常な時間変化パターンまたは異常な時間変化パターンを登録しておき、登録したパターンとの比較により異常を判定する上記構成は、特に工場5では有効である。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、取得したセンサ情報の示す値の時間変化が正常であるか否かのユーザによる判断結果をさらに取得し、取得した判断結果に基づいて判定用時間変化を登録する。
このような構成により、正常な時間変化および異常な時間変化のいずれに類似しているのか管理装置101が認識することが困難な時間変化を、ユーザによる判断結果と合わせて判定用時間変化として登録することができるので、同様な時間変化を再度取得した場合において、当該時間変化が正常な時間変化および異常な時間変化のいずれに類似しているかを容易に認識することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る管理システムと比べて複数の異なるセンサのセンサ情報を比較する管理システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る管理システムと同様である。
再び図3を参照して、判定部24は、たとえば、対象期間における第1のセンサのセンサ情報、に基づくセンサ情報の時間変化の傾向を示す第1傾向情報を含む傾向情報と対象期間における第1のセンサと異なる1または複数のセンサのセンサ情報、に基づくセンサ情報の時間変化の傾向を示す第2傾向情報を含む判定用情報とを比較し、比較結果に基づいて所定の領域たとえば工場5に関する判定を行う。ここで、対象期間は、たとえば、工場5に配置された設備の停止期間(以下、設備停止期間とも称する。)である。
言い換えると、判定部24は、たとえば、複数のセンサのセンサ情報を比較し、比較結果に基づいて、工場5に関する判定を行う。詳細には、判定部24は、たとえば、種類の異なる複数のセンサのセンサ情報を比較し、比較結果に基づいて、工場5に関する判定を行う。より詳細には、判定部24は、複数のセンサ情報の示す計測結果の相関関係を評価し、評価結果に基づいて、工場5に関する判定を行う。
具体的には、判定部24は、複数のセンサからのセンサ情報を蓄積装置171から取得部21経由で取得し、取得した各センサ情報の内容を監視する。
判定部24は、各センサ情報の内容の時間変化を比較する。ここで、比較に用いるセンサ情報の内容は、相関のあるべき内容、言い換えると因果関係のあるべき内容である。
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る非接触温度センサおよび温度センサがそれぞれ計測した非接触温度および雰囲気温度の時間変化の一例を示す図である。なお、図11において、縦軸は温度を示し、横軸は時間を示す。
図11を参照して、温度曲線Tp1,Tp2は、非接触温度および雰囲気温度の時間変化を示す。ここでは、非接触温度センサおよび温度センサが、たとえば同じ設備に設けられているので、非接触温度および雰囲気温度は、相関を有するべきである。また、たとえば、0時から7時までの設備停止期間において工場5における設備が停止する。
この例では、たとえば、設備停止期間における非接触温度の時間変化の傾向を示す情報が第1傾向情報である。一方、たとえば、設備停止期間における雰囲気温度の時間変化の傾向を示す情報が第2傾向情報である。なお、第1傾向情報および第2傾向情報は、互いに入れ替わってもよい。
判定部24は、非接触温度センサおよび温度センサからのセンサ情報を蓄積装置171から取得部21経由で取得し、非接触温度すなわち設備表面の温度の時間変化、および雰囲気温度の時間変化を監視する。
また、判定部24は、たとえば、設備停止期間において、非接触温度センサからのセンサ情報の示す温度が時間経過とともに低下し、かつ温度センサからのセンサ情報の示す温度が時間経過とともに低下することを示す基準相関関係M1を保持する。
判定部24は、たとえば、設備停止期間の途中または設備停止期間の満了後において、設備停止期間の一部または全部を含む対象期間における非接触温度センサからのセンサ情報の示す温度の時間変化、および当該対象期間における温度センサからのセンサ情報の示す温度の時間変化の相関関係である対象相関関係M2を作成する。
判定部24は、基準相関関係M1と対象相関関係M2とを比較し、比較結果に基づいて工場5に関する判定を行う。
具体的には、判定部24は、温度曲線Tp1,Tp2を比較し、設備停止期間において、雰囲気温度が設備の停止に伴って低下しているのに対して設備表面の温度が低下しないことを認識し、工場5に異常が発生したと判定する、より詳細には、非接触温度センサおよび温度センサが設けられた工場5における設備に異常が発生したと判定する。
判定部24は、工場5において異常が発生したと判定すると、異常を示す各センサのIDと非接触温度および雰囲気温度の時間変化とを含む異常検知情報を作成し、作成した異常検知情報を表示制御部23および通知部22へ出力する。
図12は、本発明の第2の実施の形態に係る非接触温度センサおよび電流センサがそれぞれ計測した非接触温度および電流の時間変化の一例を示す図である。なお、図12において、縦軸は温度および電流を示し、横軸は時間を示す。
図12を参照して、温度曲線Tp3および電流曲線Cur1は、非接触温度および電流の時間変化を示す。ここでは、非接触温度センサおよび電流センサが、たとえば設備表面の温度および当該設備に流れる電流を計測するので、非接触温度および電流は、相関を有するべきである。また、たとえば、0時から7時までの設備停止期間において工場5における設備が停止する。
この例では、たとえば、設備停止期間における非接触温度の時間変化の傾向を示す情報が第1傾向情報である。一方、たとえば、設備停止期間における電流の時間変化の傾向を示す情報が第2傾向情報である。なお、第1傾向情報および第2傾向情報は、互いに入れ替わってもよい。
判定部24は、たとえば、設備停止期間において、電流センサからのセンサ情報の示す電流値が略ゼロを示す場合、比接触温度センサからのセンサ情報の示す温度が時間経過とともに低下することを示す基準相関関係M3を保持する。
判定部24は、たとえば、設備停止期間の途中または設備停止期間の満了後において、設備停止期間の一部または全部を含む対象期間における電流センサからのセンサ情報の示す温度の時間変化、および当該対象期間における非接触温度センサからのセンサ情報の示す温度の時間変化の相関関係である対象相関関係M4を作成する。
判定部24は、基準相関関係M3と対象相関関係M4とを比較し、比較結果に基づいて工場5に関する判定を行う。
具体的には、判定部24は、温度曲線Tp3および電流曲線Cur1を比較し、設備停止期間において、設備に電流が流れないため設備表面の温度が上昇する原因が無いにもかかわらず、設備表面の温度が上昇していることを認識し、工場5に異常が発生したと判定する。
判定部24は、工場5において異常が発生したと判定すると、異常を示す各センサのIDと非接触温度および電流の時間変化とを含む異常検知情報を作成し、作成した異常検知情報を表示制御部23および通知部22へ出力する。
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る4つの温度センサがそれぞれ計測した雰囲気温度の時間変化の一例を示す図である。なお、図13において、縦軸は温度を示し、横軸は時間を示す。
図13を参照して、温度曲線Tp4〜Tp7は、4つの温度センサがそれぞれ計測した雰囲気温度の時間変化を示す。ここでは、各温度センサが、同じ動作を行う複数の設備に設けられているので、各雰囲気温度は、相関を有するべきである。
この例では、対象期間は、たとえば任意の期間である。また、たとえば、温度曲線Tp4〜Tp6の各々の対象期間における各時間変化の傾向を示す情報が第2傾向情報である。一方、たとえば、温度曲線Tp7の当該対象期間における時間変化の傾向を示す情報が第1傾向情報である。
なお、温度曲線Tp4〜Tp6のうちのいずれか1つの温度曲線の対象期間における時間変化の傾向を示す情報が第1傾向情報であってもよい。この場合、残りの温度曲線および温度曲線Tp7の各々の対象期間における各時間変化の傾向を示す情報が第2傾向情報となる。
判定部24は、たとえば、任意の対象期間において、4つの温度センサからのセンサ情報のそれぞれ示す各温度が同様な変化を示す基準相関関係M5を保持する。
判定部24は、たとえば、対象期間の満了後において、対象期間における4つの温度センサからのセンサ情報のそれぞれ示す各温度の時間変化の相関関係である対象相関関係M6を作成する。
判定部24は、たとえば、種類の同じ複数のセンサのセンサ情報を比較し、比較結果に基づいて、工場5に関する判定を行う。この例では、判定部24は、基準相関関係M5と対象相関関係M6とを比較し、比較結果に基づいて当該判定を行う。具体的には、判定部24は、温度曲線Tp4〜Tp7を比較し、温度曲線Tp4〜Tp6の示す雰囲気温度が低下しないのに対して温度曲線Tp7の示す雰囲気温度が低下していることを認識し、工場5に異常が発生したと判定する。
判定部24は、工場5において異常が発生したと判定すると、異常を示す各センサのIDと各雰囲気温度の時間変化とを含む異常検知情報を作成し、作成した異常検知情報を表示制御部23および通知部22へ出力する。
なお、基準相関関係により関係づけられる各時間変化は、同じ期間の時間変化であるとしたが、これに限定するものではない。基準相関関係により関係づけられる各時間変化は、互いに異なる期間の時間変化であってもよい。
また、対象相関関係により関係づけられる各時間変化は、同じ期間の時間変化であるとしたが、これに限定するものではない。対象相関関係により関係づけられる各時間変化は、互いに異なる期間の時間変化であってもよい。
[動作]
図14は、本発明の第2の実施の形態に係る管理装置がセンサ情報を処理する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図14を参照して、まず、管理装置101は、対象期間を設定する。具体的には、管理装置101は、設備停止期間を対象期間として設定する(ステップS250)。
次に、管理装置101は、対象期間における複数のセンサからのセンサ情報を取得する(ステップS252)。
次に、管理装置101は、対象期間における各センサ情報の内容の時間変化を比較する。より詳細には、管理装置101は、基準相関関係と対象相関関係との比較を行う(ステップS254)。
次に、管理装置101は、比較結果に基づいて、工場5に異常が発生したと判定すると(ステップS256でYES)、工場5における異常を空間的に表示する制御、および時間的に表示する制御を行う(ステップS258)。
次に、管理装置101は、工場5の異常について通知する(ステップS260)。
次に、管理装置101は、比較結果に基づいて、工場5に異常が発生していないと判定するか(ステップS256でNO)、または工場5の異常について通知すると(ステップS260)、新たな対象期間を設定する(ステップS250)。
なお、上記ステップS258,S260の順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。また、対象期間は、直近期間でもよいし、他の期間であってもよい。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る管理システムでは、傾向情報には、対象期間における第1のセンサのセンサ情報に基づくセンサ情報の時間変化の傾向を示す第1傾向情報が含まれる。そして、判定用情報には、当該対象期間における第1のセンサと異なる1または複数のセンサのセンサ情報に基づくセンサ情報の時間変化の傾向を示す第2傾向情報が含まれる。
このような構成により、たとえば、傾向情報の示す時間変化の傾向および判定用情報の示す時間変化の傾向間において相関があるべき場合において、比較結果に基づいて、所定の領域に異常が発生したことをより正しく判定することができる。具体的には、たとえば、設備が稼働している状況において煙が発生する工場5では、設備に電流が流れている状態において煙濃度が時間とともに上昇することが検出された場合、工場5が正常であると判定する一方、設備に電流が流れていない状態において煙濃度が時間とともに上昇することが検出された場合、工場5が異常であると判定することができる。また、上述したように、工場5では、設備は、同じ工程または同じ時間帯等においてほぼ同じ動作を行うので、複数のセンサを工場5に設置する場合において、これらのセンサからのセンサ情報のそれぞれ示す各値の時間変化間の同じ時間帯における関係は、大きく変化しない。これに対して、事務所等では、人間は同じ時間帯に同じ動作を行うとは限らないため、複数のセンサを事務所に設置する場合において、これらのセンサからのセンサ情報のそれぞれ示す各値の時間変化間の同じ時間帯における関係は、変化してしまう。したがって、複数のセンサについての同じ時間区間における時間変化の比較によって異常を判定する上記構成は、特に工場5において有効である。
また、本発明の第2の実施の形態に係る管理システムでは、対象期間は、所定の領域に配置された設備の停止期間である。
このように、たとえば、無人になる可能性の高い設備の停止期間において上記判定を行う構成により、ノイズの減少による判定精度の向上を実現するとともに、所定の領域におけるセキュリティーを向上させることができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、同じ対象期間における複数のセンサのセンサ情報の示す値の時間変化を比較し、比較結果に基づいて、工場5に関する判定を行う。
このような構成により、たとえば、複数のセンサのセンサ情報のそれぞれ示す各値の時間変化間において相関があるべき場合において、比較結果に基づいて、工場5に異常が発生したことをより正しく判定することができる。具体的には、たとえば、設備が稼働している状況において煙が発生する工場5では、設備に電流が流れている状態において煙濃度が時間とともに上昇することが検出された場合、工場5が正常であると判定する一方、設備に電流が流れていない状態において煙濃度が時間とともに上昇することが検出された場合、工場5が異常であると判定することができる。また、上述したように、工場5では、設備は、同じ工程または同じ時間帯等においてほぼ同じ動作を行うので、複数のセンサを工場5に設置する場合において、これらのセンサからのセンサ情報のそれぞれ示す各値の時間変化間の同じ時間帯における関係は、大きく変化しない。これに対して、事務所等では、人間は同じ時間帯に同じ動作を行うとは限らないため、複数のセンサを事務所に設置する場合において、これらのセンサからのセンサ情報のそれぞれ示す各値の時間変化間の同じ時間帯における関係は、変化してしまう。したがって、複数のセンサについての同じ時間区間における時間変化の比較によって異常を判定する上記構成は、特に工場5において有効である。
また、本発明の第2の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、予め登録された、第1のセンサのセンサ情報の示す値の時間変化および第2のセンサのセンサ情報の示す値の時間変化の相関関係と、第3の期間における第1のセンサのセンサ情報の示す値の時間変化および第4の期間における第2のセンサのセンサ情報の示す値の時間変化の相関関係とを比較し、比較結果に基づいて工場5に関する判定を行う。
このように、たとえば、基準とすべき相関関係と評価対象の相関関係とを比較し、比較結果に基づいて上記判定を行う構成により、センサ情報の示す値の絶対値からでは上記判定を行うことが困難な状況においても、上記判定を適切に行うことができる。具体的には、たとえば、工場5において多くの異なる設備が設けられる場合、設備の動作により煙、高熱および騒音等が発生し、周囲環境に影響を与えることがある。たとえば、設備表面の温度および雰囲気温度のいずれか一方の時間変化だけでは、設備の動作で温度が上昇しているのか、または火災などの異常が発生して温度が上昇しているのかを判断できない場合がある。このような場合においても、設備表面の温度の時間変化と雰囲気温度の時間変化との相関関係を用いた比較により、ようやく上記判定を適切に行うことができる場合がある。したがって、相関関係を持つ複数のセンサについてのセンサ情報の示す値の時間変化間の相関を用いて異常を判定する上記構成は、特に工場5では有効である。
また、本発明の第2の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、種類の同じ各センサのセンサ情報を比較する。
このような構成により、たとえば、複数のセンサが、同じ動作を行う複数の設備を計測対象とする場合において、異常な動作を行う設備をより正しく判定することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、種類の異なる各センサのセンサ情報を比較する。
このような構成により、たとえば、複数のセンサが、同じ設備を計測対象とする場合において、当該設備が異常な動作を行っているか否かをより正しく判定することができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る管理システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る管理システムと比べてモード切替の可能な管理システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る管理システムと同様である。
[管理装置]
図15は、本発明の第3の実施の形態に係る管理システムにおける管理装置の構成を示す図である。
図15を参照して、管理装置102は、図3に示す管理装置101と比べて、さらにモード設定部26を備える。
管理装置102における取得部21、通知部22、表示制御部23、判定部24および受付部25の動作は、図3に示す管理装置101における取得部21、通知部22、表示制御部23、判定部24および受付部25とそれぞれ同様である。
判定部24は、たとえば、センサ情報を個別に用いて、工場5に関する判定を行うモードMiと、複数のセンサのセンサ情報を比較することにより、工場5に関する判定を行うモードMpとを有する。
より詳細には、モード設定部26は、センサごとに、モードMiおよびモードMpの少なくともいずれか一方を判定部24に対して設定する。
[モードMiの一例]
図16は、本発明の第3の実施の形態に係る管理システムにおけるセンサが設けられたコンテナの一例を示す図である。
図16を参照して、たとえば、工場5に設けられたコンテナ7では、格納された製品の品質を保つために、湿度が一定となるように制御されている。管理者は、コンテナ7に格納された製品の品質管理を行うために、コンテナ7における湿度をセンサ部1に監視させる。このセンサ部1には、たとえば湿度センサが含まれる。この例では、判定用情報は、たとえばしきい値を示す。
管理者は、コンテナ7に設けられた湿度センサ(以下、対象湿度センサとも称する。)に対してモードMiを設定するための操作を受付部25に対して行う。
受付部25は、管理者による操作を受け付けると、受け付けた操作内容を示す操作情報を作成してモード設定部26へ出力する。
モード設定部26は、受付部25から受ける操作情報に従って、対象湿度センサからのセンサ情報に対してモードMiで動作するように判定部24を設定する。
判定部24は、蓄積装置171が対象湿度センサからの新たなセンサ情報を蓄積するごとに当該新たなセンサ情報を取得部21経由で蓄積装置171から取得する。
判定部24は、取得した新たなセンサ情報の示す湿度が、所定の上限しきい値以上であるか、または所定の下限しきい値以下である場合、コンテナ7内の環境が異常であると判定する。
判定部24は、コンテナ7において異常が発生したと判定すると、異常を示す対象湿度センサのIDと対象湿度センサからのセンサ情報の示す湿度とを含む異常検知情報を作成し、作成した異常検知情報を表示制御部23および通知部22へ出力する。
[モードMpの一例]
再び図2を参照して、工場5における設備Bに設けられたセンサ部1には、たとえば温度センサ、非接触温度センサおよび電流センサが含まれる。
管理者は、設備Bに設けられた温度センサ、非接触温度センサおよび電流センサに対してモードMpを設定するための操作を受付部25に対して行う。
受付部25は、管理者による操作を受け付けると、受け付けた操作内容を示す操作情報を作成してモード設定部26へ出力する。
モード設定部26は、受付部25から受ける操作情報に従って、設備Bに設けられた温度センサ、非接触温度センサおよび電流センサからのセンサ情報に対してモードMpで動作するように判定部24を設定する。
判定部24は、蓄積装置171が温度センサ、非接触温度センサおよび電流センサからの新たなセンサ情報を蓄積するごとに当該新たなセンサ情報を取得部21経由で蓄積装置171から取得する。
図17は、本発明の第3の実施の形態に係る非接触温度センサ、電流センサおよび温度センサがそれぞれ計測した非接触温度、電流および雰囲気温度の時間変化の一例を示す図である。なお、図17において、縦軸は温度および電流を示し、横軸は時間を示す。
図17を参照して、温度曲線Tp8,Tp9は、非接触温度および雰囲気温度の時間変化を示す。電流曲線Cur2は、電流の時間変化を示す。ここでは、非接触温度センサ、電流センサおよび温度センサが、たとえば同じ設備Bに設けられているので、非接触温度、電流および雰囲気温度は、相関を有するべきである。
この例では、対象期間は、たとえば任意の期間である。また、たとえば、電流曲線Cur2および温度曲線Tp9の各々の対象期間における各時間変化の傾向を示す情報が第2傾向情報である。一方、たとえば、温度曲線Tp8の当該対象期間における時間変化の傾向を示す情報が第1傾向情報である。
なお、電流曲線Cur2および温度曲線Tp9のいずれか一方の温度曲線の対象期間における時間変化の傾向を示す情報が第1傾向情報であってもよい。この場合、残りの曲線および温度曲線Tp8の各々の対象期間における各時間変化の傾向を示す情報が第2傾向情報となる。
判定部24は、非接触温度センサ、電流センサおよび温度センサからのセンサ情報を蓄積装置171から取得部21経由で取得し、非接触温度の時間変化、電流の時間変化および雰囲気温度の時間変化を監視する。
より詳細には、判定部24は、温度曲線Tp1,Tp2および電流曲線Cur2を比較し、電流がほとんど流れておらず、かつ雰囲気温度がほとんど一定であるのに対して非接触温度が上昇していることを認識し、工場5に異常が発生したと判定する。
判定部24は、工場5において異常が発生したと判定すると、異常を示す各センサのIDと非接触温度、電流および雰囲気温度の時間変化とを含む異常検知情報を作成し、作成した異常検知情報を表示制御部23および通知部22へ出力する。
以上のように、本発明の第3の実施の形態に係る管理システムでは、判定用情報はしきい値である。
このような構成により、センサ情報と判定用情報との比較を簡易に行うことができるので、所定の領域に関する判定処理の簡素化を実現することができる。
また、本発明の第3の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、センサ情報を個別に用いて、工場5に関する判定を行うモードMiと、複数のセンサのセンサ情報を比較することにより、工場5に関する判定を行うモードMpとを有する。
このような構成により、たとえば、1種類の計測結果から工場5における異常を判定する、絶対値に基づく判定方法と、複数種類の計測結果から工場5における異常を判定する、相対値に基づく判定方法とを計測対象に応じて適宜切り替えて用いることができるので、工場5についての監視機能を向上させることができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る管理システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第4の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る管理システムと比べて運用中にしきい値を変更する管理システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る管理システムと同様である。
再び図3を参照して、判定部24は、たとえば、判定用情報は、対象期間におけるセンサ情報に基づくセンサ情報の時間変化の傾向を示す傾向情報としきい値を示す判定用情報とを比較し、比較結果に基づいて所定の領域たとえば工場5に関する判定を行う。また、判定部24は、たとえば判定用情報の示すしきい値を動的に設定する。
より詳細には、判定部24は、たとえば、センサ情報の示す値に基づいて、判定を行う期間が分割された複数の分割判定期間を設定し、設定した複数の分割判定期間ごとにしきい値を設定する。また、判定部24は、たとえば、取得部21によって取得されたセンサ情報が示す値の統計値に基づいてしきい値を更新する。
図18は、本発明の第4の実施の形態に係る判定部が用いるしきい値、および煙センサが計測した粉じん濃度の時間変化の一例を示す図である。なお、図18において、縦軸は粉じん濃度を示し、横軸は時間を示す。
図18を参照して、たとえば、管理者は、工場5の操業スケジュールに応じて、分割判定期間の一例である時間区間TS1〜TS5を作成し、作成した時間区間TS1〜TS5を登録するための操作を受付部25に対して行う。
受付部25は、管理者の操作内容を示す操作情報を取得し、取得した操作情報に基づいて、時間区間TS1〜TS5をたとえば蓄積装置171に登録する。
判定部24は、時間区間ごとに、通常濃度Conc1を算出し、算出した通常濃度Conc1に基づいてしきい値Th1を設定する。
[動作]
図19は、本発明の第4の実施の形態に係る判定部がしきい値を動的に設定するしきい値設定処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図19を参照して、判定部24は、たとえば早朝5時において、このしきい値設定処理を行う。また、工場5における粉じん濃度が正常である状況を想定する。
まず、判定部24は、登録されている時間区間TS1〜TS5を蓄積装置171から取得部21経由で取得し、取得した時間区間TS1〜TS5から時間区間を1つ選択する(ステップS302)。
次に、判定部24は、しきい値の設定対象のセンサ(以下、対象センサとも称する。)の計測結果であって選択した時間区間の過去の計測結果を蓄積装置171から取得部21経由で取得する。ここで、過去の計測結果は、前日、1週間前または1月前等の計測結果である。また、判定部24は、取得した計測結果から異常なデータを取り除く。
そして、判定部24は、取得した計測結果に基づいて当該時間区間の通常濃度を算出する。具体的には、判定部24は、取得した計測結果のたとえば平均値を通常濃度として算出する(ステップS304)。
次に、判定部24は、選択した時間区間における、対象センサの登録されている通常濃度を蓄積装置171から取得部21経由で取得する(ステップS305)。なお、判定部24は、登録されている通常濃度がない場合、所定値を用いる。
次に、判定部24は、選択した時間区間における、登録されている通常濃度と、今回算出した通常濃度とを比較する(ステップS306)。
次に、判定部24は、比較結果が一致しない場合(ステップS308でNO)、今回算出した通常濃度を蓄積装置171に登録する(ステップS310)。
次に、判定部24は、今回算出した通常濃度に基づいて、選択した時間区間における対象センサのしきい値を算出して登録する。具体的には、判定部24は、今回算出した通常濃度のたとえば2倍の値を算出し、算出した値を当該しきい値として蓄積装置171に登録する(ステップS312)。
次に、判定部24は、登録されている時間区間TS1〜TS5のうち、未選択の時間区間が存在する場合(ステップS314でNO)、または比較結果が一致した場合(ステップS308でYES)、未選択の時間区間を1つ選択する(ステップS302)。
一方、判定部24は、登録されている時間区間TS1〜TS5のすべての時間区間が選択済みである場合(ステップS314でYES)、しきい値設定処理を終了する。
なお、上記ステップS304,S306の順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
また、管理者が時間区間を作成するとしたが、これに限定するものではなく、判定部24が、時間区間を自動的に設定してもよい。
また、判定部24は、上記ステップS304において、計測結果の平均値を通常濃度として算出する構成であるとしたが、これに限定するものではなく、計測結果の中央値等の他の統計値を通常濃度として算出する構成であってもよい。
図20は、本発明の第4の実施の形態に係る判定部が時間区間を自動的に設定する時間区間設定処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図20を参照して、まず、判定部24は、所定期間におけるセンサの計測結果を蓄積装置171から取得部21経由で取得する(ステップS352)。ここで、所定期間は、日種ごとの期間、週単位の期間、月単位の期間または年単位の期間等である。また、当該計測結果は、たとえば正常な状態における計測結果である。
次に、判定部24は、所定条件を満たす時間区間を導出する。具体的には、判定部24は、たとえば計測結果が略同じレベルを示す時間区間を導出する(ステップS354)。
次に、判定部24は、時間区間が登録されている場合(ステップS356でYES)、導出した時間区間と登録されている時間区間とが一致するか否かを確認する(ステップS358)。
判定部24は、導出した時間区間と登録されている時間区間とが一致しない場合(ステップS358でNO)、導出した時間区間を用いて、登録されている各時間区間を更新する(ステップS362)。
一方、判定部24は、時間区間が登録されていない場合(ステップS356でNO)、導出した時間区間を新規登録する(ステップS360)。
判定部24は、導出した時間区間を新規登録するか(ステップS360)、導出した時間区間と登録されている時間区間とが一致するか(ステップS358でYES)、または導出した時間区間を用いて登録されている時間区間を更新すると(ステップS362)、時間区間設定処理を終了する。
このように、時間区間を自動的に設定する構成により、工程の変更および設備の再配置を行った場合においても、時間区間が自動的に設定されるので、管理者の業務負荷を軽減することができる。
再び図3を参照して、判定部24は、たとえば、センサ情報の示す値としきい値とを比較し、比較結果に基づいて、工場5に関する判定を行う。
具体的には、判定部24は、たとえば、時間区間が到来するごとに、当該時間区間のしきい値を蓄積装置171から取得部21経由で取得する。判定部24は、当該時間区間において、蓄積装置171から取得部21経由で取得する煙センサの計測結果を監視し、取得したしきい値と当該しきい値に対応する煙センサによる粉じん濃度とを比較する。
判定部24は、煙センサによる粉じん濃度がしきい値以上になると、工場5に異常が発生したと判定する。
なお、本発明の第4の実施の形態に係る管理システムでは、判定部24は、取得部21によって取得されたセンサ情報が示す値の統計値に基づいてしきい値を更新する構成であるとしたが、これに限定するものではない。判定部24は、たとえば、センサ情報に基づくセンサ情報の時間変化の傾向が正常であるか否かのユーザによる判断結果をさらに取得し、取得した判断結果に基づいて、予め登録されたしきい値を補正する構成であってもよい。具体的には、判定部24は、たとえば、ある分割判定期間におけるしきい値の補正のユーザ操作に基づいて、当該しきい値の値を更新する。
以上のように、本発明の第4の実施の形態に係る管理システムでは、判定用情報は、しきい値を示す。そして、管理装置101は、判定用情報の示すしきい値を動的に設定する。
このような構成により、たとえば、時間の経過に伴って工場5における温度、粉じん濃度または埃の量等が変化する場合においても、変化した環境に応じたしきい値を設定することができるので、比較結果に基づいて工場5に関する判定を適切に行うことができる。
また、本発明の第4の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、判定を行う期間である判定期間が分割された複数の分割判定期間ごとにしきい値を設定する。
このような構成により、たとえば、工場5の操業スケジュールまたは季節等に応じて、環境が安定している分割判定期間ごとにしきい値を設定することができるので、工場5に関する判定をより適切に行うことができる。
また、本発明の第4の実施の形態に係る管理システムでは、センサ情報の示す値に基づいて各分割判定期間を設定する。
このような構成により、しきい値を用いた判定に適した分割判定期間、たとえば設備の環境および状態等が略一定となる分割判定期間を複数設定することができる。
また、本発明の第4の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、取得したセンサ情報が示す値の統計値に基づいてしきい値を更新する。
このような構成により、たとえば、設備に設けられているセンサからのセンサ情報が示す値の統計値に基づいてしきい値を更新することができるため、工場5において新しい設備及び古い設備が混在するためにセンサのしきい値を一律に決定することが困難な場合においても、設備の状態をより反映した適切なしきい値を自動的に設定することができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る管理システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第5の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る管理システムと比べて設備における異常振動を判定する管理システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る管理システムと同様である。
図21は、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムにおいて、センサ部の設けられた設備の一例を示す図である。図21には、工場5に設けられた設備10が示される。
図21を参照して、設備10は、回転部9A,9B,9Cを含む。以下、回転部9A,9B,9Cの各々を回転部9とも称する。
回転部9Cは、たとえばモータである。回転部9Cによって生成された回転動力は、回転部9B,9Aを介して伝達される。
3つのセンサ部1は、たとえば加速度センサを含み、回転部9A,9B,9Cにそれぞれ取り付けられる。
図22は、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムにおいて、加速度センサの計測結果の一例を示す図である。なお、図22において、縦軸は加速度の実効値を示し、横軸は時間を示す。
図22を参照して、管理装置101における判定部24は、取得部21によって取得されたセンサ情報を用いた時間的処理を行うことにより、たとえば設備10における異常振動の判定を行う。
判定部24は、たとえば、取得部21によって取得された最新のセンサ情報およびそれ以前に取得された複数のセンサ情報から推定された時間変化を示す傾向情報と、予め登録された判定用情報とを比較することで異常判定を行う。詳細には、判定部24は、たとえば、当該傾向情報と当該判定用情報とを比較し、比較結果に基づいて異常判定を行う。
詳細には、判定部24は、たとえば、対象期間におけるセンサ情報、に基づくセンサ情報の時間変化の傾向を示す傾向情報としきい値を示す判定用情報とを比較し、比較結果に基づいて設備10における異常振動の判定を行う。この例では、たとえば、傾向情報には、対象期間におけるセンサ情報の統計処理結果に基づく情報が含まれる。この統計処理は、たとえば平均処理である。
より詳細には、判定部24は、たとえば、対象期間ごとに、対象期間における同じ加速度センサからの複数のセンサ情報の示す値の統計値を算出し、算出した統計値としきい値Ths1とを比較する。そして、判定部24は、たとえば、対象期間ごとに、比較結果に基づいて設備10における異常振動の判定を行う。
ここでは、回転部9Aにおける加速度センサからのセンサ情報の処理について説明するが、他の回転部9における加速度センサからのセンサ情報の処理についても同様である。
たとえば、判定部24は、設備10における異常振動の判定を日ごとに行う。より詳細には、判定部24は、たとえば、1日における設備10の稼働開始タイミングtsから稼働終了タイミングteまでの期間を対象期間に設定し、設定した対象期間における各センサ情報を取得部21経由で蓄積装置171から取得する。
判定部24は、取得した各センサ情報に基づいて、所定時間ごとの加速度の波形を生成し、生成した各波形の実効値を算出する。
そして、判定部24は、生成した各実効値の平均値Ave1を対象期間の代表値として算出する。なお、判定部24は、平均値に限らず、中央値、移動平均値、分散および標準偏差等の統計値を代表値として算出してもよい。
判定部24は、算出した平均値Ave1としきい値Ths1とを比較する。ここで、しきい値Ths1は、たとえば、設備10の稼働当初の平均値Lsに基づいて設定される。具体的には、しきい値Ths1は、たとえば、平均値Lsの2倍または4倍等である。なお、しきい値Ths1は、所定値でもよい。
判定部24は、たとえば、平均値Ave1がしきい値Ths1以上である場合、回転部9Aにおいて異常振動が発生したと判定する。
判定部24は、たとえば、回転部9Aにおいて異常が発生したと判定すると、異常を示す加速度センサのIDと加速度の実効値とを含む異常検知情報を作成し、作成した異常検知情報を表示制御部23および通知部22へ出力する。
[異常振動判定処理の変形例1]
図23は、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムにおいて、加速度センサの計測結果の一例を示す図である。なお、図23において、縦軸は加速度の実効値の平均値を示し、横軸は時間を示す。
図23を参照して、この例では、判定部24は、たとえば、取得部21によって取得された最新のセンサ情報およびそれ以前に取得された複数のセンサ情報から推定された未来のセンサ情報と、予め登録された判定用情報とを比較することで異常判定を行う。詳細には、判定部24は、たとえば、当該未来のセンサ情報と当該判定用情報とを比較し、比較結果に基づいて異常判定を行う。
言い換えると、たとえば、傾向情報には、対象期間におけるセンサ情報の統計処理結果に基づいて予測された対象期間より後の将来期間Tf1における時間変化の傾向を示す予測傾向情報が含まれる。
詳細には、判定部24は、たとえば、複数の対象期間について、対象期間における同じ加速度センサからの複数のセンサ情報の示す値に対して所定の演算処理を行うことにより対象期間の代表値を算出し、各対象期間の代表値に基づいて各対象期間より後の将来期間Tf1の代表値を予測する。そして、判定部24は、たとえば、予測結果に基づいて設備10における異常振動の判定を行う。
より詳細には、判定部24は、たとえば、対象期間における同じ加速度センサからの複数のセンサ情報の示す値の統計値ここでは平均値を対象期間の代表値として算出し、各対象期間の代表値に基づいて将来期間Tf1の代表値を予測する。そして、判定部24は、たとえば、予測した代表値としきい値とを比較し、比較結果に基づいて設備10における異常振動の判定を行う。
図23には、各対象期間における代表値が、たとえば各対象期間の日付ごとにプロットされている。
ここでは、回転部9Aにおける加速度センサからのセンサ情報の処理について説明するが、他の回転部9における加速度センサからのセンサ情報の処理についても同様である。
判定部24は、たとえば、平均値Lsを2倍した値のしきい値Ths2、および平均値Lsを4倍した値のしきい値Ths3を設定する。しきい値Ths2以上かつThs3より小さい領域が注意状態に対応する。また、しきい値Ths3以上の領域が警告状態に対応する。なお、しきい値Ths2,Ths3は、所定値でもよい。
判定部24は、たとえば、代表値がLsより増加し始めた日付tcsから2日後のtceまでの期間Ttcより後の将来期間Tf1における代表値を予測する。この予測は、たとえば、日付tceにおける代表値を算出した日の後であり、かつ当該日の翌日における代表値が算出される前に行われる。
より詳細には、判定部24は、たとえば、期間Ttcに含まれる各代表値を用いて、予測傾向情報の示す将来期間Tf1における時間変化の傾向の一例であるトレンドラインTrcを算出する。この例では、トレンドラインTrcは、たとえば、直線であり最小二乗法等を用いて算出される。なお、トレンドラインTrcは、直線に限らず、曲線であってもよい。
判定部24は、算出したトレンドラインTrcに基づいて、将来期間Tf1の代表値を予測する。詳細には、判定部24は、たとえば判定結果が異常となるタイミングを算出する。より詳細には、判定部24は、たとえば、予測傾向情報および判定用情報の比較結果が所定条件を満たす、対象期間より後のタイミングti1を算出する。
具体的には、判定部24は、たとえば、トレンドラインTrcがしきい値Ths2以上となる最初のタイミングti1を算出する。そして、判定部24は、たとえば、タイミングti1を含む日の日付tcを算出し、算出した日付tcにおいてトレンドラインTrcの示す値Mcを将来期間Tf1の代表値として算出する。
判定部24は、たとえば、日付tcにおけるタイミングti1において代表値がしきい値Ths2以上となり、注意状態へ遷移し得る旨を含む異常検知情報を作成し、作成した異常検知情報を表示制御部23および通知部22へ出力する。
図24は、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムにおいて、加速度センサの計測結果の一例を示す図である。なお、図24の見方は、図23と同様である。
図24には、図23に示す各対象期間における代表値、および当該各対象期間より後の各対象期間における代表値が、たとえば各対象期間の日付ごとにプロットされている。
図24を参照して、判定部24は、たとえば、代表値が注意状態に存在する日付twsから2日後のtweまでの期間Ttwより後の将来期間Tf2における代表値を予測する。この予測は、たとえば、日付tweにおける代表値を算出した日の後であり、かつ当該日の翌日における代表値を算出する前に行われる。
より詳細には、判定部24は、たとえば、期間Ttwに含まれる各代表値を用いて、予測傾向情報の示す将来期間Tf2における時間変化の傾向の一例であるトレンドラインTrwを算出する。この例では、トレンドラインTrwは、たとえば、直線であり最小二乗法等を用いて算出される。なお、トレンドラインTrwは、直線に限らず、曲線であってもよい。
判定部24は、算出したトレンドラインTrwに基づいて、将来期間Tf2の代表値を予測する。より詳細には、判定部24は、たとえば、予測傾向情報および判定用情報の比較結果が所定条件を満たす、対象期間より後のタイミングti2を算出する。
具体的には、判定部24は、たとえば、トレンドラインTrwがしきい値Ths3以上となる最初のタイミングti2を算出する。そして、判定部24は、たとえば、タイミングti2を含む日の日付twを算出し、算出した日付twにおいてトレンドラインTrwの示す値Mwを将来期間Tf2の代表値として算出する。
判定部24は、たとえば、日付twにおけるタイミングti2において代表値がしきい値Ths3以上となり、警告状態へ遷移し得る旨を含む異常検知情報を作成し、作成した異常検知情報を表示制御部23および通知部22へ出力する。
なお、判定部24は、最小二乗法を用いてトレンドラインを算出し、算出したトレンドラインに基づいて将来期間における代表値を予測する構成であるとしたが、これに限定するものではない。判定部24は、たとえば、パターンマッチングを用いた手法、統計差分を用いた方法、およびニューラルネットワークを用いた方法などを用いて期間における代表値を予測する構成であってもよい。
また、判定部24は、図23に示すように、トレンドラインTrcに基づいて、トレンドラインTrcがしきい値Ths2以上となる最初のタイミングti1を算出する構成に限らず、判定部24は、タイミングti1を算出するとともに、トレンドラインTrcがしきい値Ths3以上となる最初のタイミングを算出する構成であってもよい。
また、判定部24は、図23に示すように、日付tceにおける代表値を算出した日の後であり、かつ当該日の翌日における代表値が算出される前にトレンドラインTrcを算出し、将来期間における代表値を予測する予測処理を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。判定部24は、たとえば、日ごと、週ごとおよび月ごと等の所定期間ごとに予測処理を行ってもよいし、代表値を算出できる程度の新たなセンサ情報が蓄積装置171に蓄積されたタイミングにおいて予測処理を行ってもよいし、算出した代表値とトレンドラインとの差が所定値以上となるタイミングにおいて予測処理を行ってもよい。図24に示すトレンドラインTrwを用いる予測処理についても同様である。
また、判定部24は、図23に示すように、期間Ttcにおける3日分の代表値に基づいてトレンドラインTrcを算出する構成であるとしたが、これに限定するものではない。判定部24は、2日分の代表値または4日分以上の代表値に基づいてトレンドラインTrcを算出する構成であってもよい。図24に示すトレンドラインTrwの算出処理についても同様である。
また、判定部24は、各対象期間におけるセンサ情報に基づく代表値に基づいて将来期間におけるセンサ情報の時間変化の傾向を予測するすなわちトレンドラインを算出する構成であるとしたが、これに限定するものではない。判定部24は、代表値を用いずに、1または複数の対象期間におけるセンサ情報に基づいてトレンドラインを算出する構成であってもよい。
[異常振動判定処理の変形例2]
図25は、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムにおいて、加速度センサの計測結果の一例を示す図である。なお、図25において、縦軸は加速度の実効値を示し、横軸は時間を示す。
図25を参照して、判定部24は、たとえば、傾向情報としきい値を示す判定用情報とを比較し、比較結果に基づいて設備10における異常振動の判定を行う。この例では、たとえば、傾向情報には、対象期間におけるセンサ情報の時間変化の範囲の大きさに基づく情報が含まれる。
より詳細には、判定部24は、たとえば、対象期間ごとに、対象期間における同じ加速度センサからの複数のセンサ情報の示す値の範囲の大きさを算出し、算出した大きさとしきい値Thr1とを比較する。そして、判定部24は、たとえば、対象期間ごとに、比較結果に基づいて設備10における異常振動の判定を行う。
ここでは、回転部9Aにおける加速度センサからのセンサ情報の処理について説明するが、他の回転部9における加速度センサからのセンサ情報の処理についても同様である。
たとえば、判定部24は、月ごとの期間を対象期間に設定し、設定した対象期間における各センサ情報を取得部21経由で蓄積装置171から取得する。
判定部24は、取得した各センサ情報に基づいて、所定時間ごとの加速度の波形を生成し、生成した各波形の実効値を算出する。
そして、判定部24は、たとえば、生成した各実効値の最大値と最小値との差を範囲の大きさとして算出する。この例では、判定部24は、先月の対象期間の範囲の大きさとしてRa1を算出する。
判定部24は、算出した範囲の大きさRa1としきい値Thr1とを比較する。ここで、しきい値Thr1は、たとえば、設備10の稼働当初の範囲の大きさに基づいて設定される。具体的には、しきい値Ths1は、たとえば、設備10の稼働当初の範囲の大きさLrの2倍または4倍等である。なお、しきい値Thr1は、所定値でもよい。
判定部24は、たとえば、範囲の大きさRa1がしきい値Thr1以上である場合、回転部9Aにおいて異常振動が発生したと判定する。
判定部24は、たとえば、回転部9Aにおいて異常が発生したと判定すると、異常を示す加速度センサのIDと加速度の実効値とを含む異常検知情報を作成し、作成した異常検知情報を表示制御部23および通知部22へ出力する。
[異常振動判定処理の変形例3]
この例では、たとえば、傾向情報には、対象期間におけるセンサ情報の時間変化の範囲の大きさに基づいて予測された対象期間より後の将来期間における時間変化の傾向を示す予測傾向情報が含まれる。
より詳細には、判定部24は、たとえば、対象期間における同じ加速度センサからの複数のセンサ情報の示す値の範囲の大きさを対象期間の代表値として算出し、各対象期間の代表値に基づいて各対象期間より後の将来期間の代表値を予測する。そして、判定部24は、たとえば、予測した代表値としきい値とを比較し、比較結果に基づいて設備10における異常振動の判定を行う。
ここでは、回転部9Aにおける加速度センサからのセンサ情報の処理について説明するが、他の回転部9における加速度センサからのセンサ情報の処理についても同様である。
判定部24は、たとえば、平均値Lrを2倍した値のしきい値Thr2、および平均値Lrを4倍した値のしきい値Thr3を設定する。しきい値Thr2以上かつThr3より小さい領域が注意状態に対応する。また、しきい値Thr3以上の領域が警告状態に対応する。なお、しきい値Thr2,Thr3は、所定値でもよい。
判定部24は、たとえば、Nか月前から先月までの各代表値に基づいて今月の代表値を予測する。ここで、Nは2以上の整数である。
より詳細には、判定部24は、たとえば、2か月前の対象期間の範囲の大きさすなわち代表値としてRa2を算出する。同様に、判定部24は、図示しないが、Nか月前から3か月前までの各対象期間の代表値として、RaN〜Ra3を算出する。
判定部24は、図23および図24に示す場合と同様に、算出した代表値RaN〜Ra1を用いてトレンドラインを算出し、算出したトレンドラインおよびしきい値Thr2,Thr3に基づいて将来期間の代表値を算出する。
[異常振動判定処理の変形例4]
図26は、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムにおいて、加速度センサの計測結果の一例を示す図である。なお、図26において、縦軸は強度を示し、横軸は時間を示す。
図26を参照して、判定部24は、たとえば、傾向情報としきい値を示す判定用情報とを比較し、比較結果に基づいて設備10における異常振動の判定を行う。この例では、たとえば、傾向情報には、対象期間におけるセンサ情報の時間変化における周波数成分の大きさに基づく情報が含まれる。
より詳細には、判定部24は、たとえば、対象期間ごとに、対象期間における同じ加速度センサからの複数かつ時系列のセンサ情報の示す値の周波数分布を算出し、算出した周波数分布における所定の周波数成分の大きさとしきい値とを比較する。そして、判定部24は、たとえば、対象期間ごとに、比較結果に基づいて設備10における異常振動の判定を行う。
ここでは、回転部9Aにおける加速度センサからのセンサ情報の処理について説明するが、他の回転部9における加速度センサからのセンサ情報の処理についても同様である。
たとえば、判定部24は、1か月ごとの所定のサンプリング期間を対象期間として設定し、設定した対象期間における各センサ情報を取得部21経由で蓄積装置171から取得する。
判定部24は、取得した各センサ情報に基づいて、サンプリング期間の加速度の波形を生成し、生成した波形をFFT(Fast Fourier Transform)処理することによりパワースペクトルを周波数分布として生成する。
判定部24は、パワースペクトルにおける所定の周波数成分ここでは周波数Rf1の成分の大きさとしきい値Thf1とを比較する。ここで、しきい値Thf1は、たとえば、設備10の稼働当初の周波数Rf1の成分の大きさに基づいて設定される。具体的には、しきい値Thf1は、たとえば、設備10の稼働当初の周波数Rf1の成分の大きさの2倍または4倍等である。なお、しきい値Thf1は、所定値でもよい。
判定部24は、たとえば、先月のように、周波数Rf1の成分の大きさがしきい値Thf1以上である場合、回転部9Aにおいて異常振動が発生したと判定する。
判定部24は、たとえば、回転部9Aにおいて異常が発生したと判定すると、異常を示す加速度センサのIDと周波数Rf1および当該周波数成分の大きさとを含む異常検知情報を作成し、作成した異常検知情報を表示制御部23および通知部22へ出力する。
[異常振動判定処理の変形例5]
図27は、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムにおいて、加速度センサの計測結果の一例を示す図である。なお、図27において、縦軸は強度を示し、横軸は時間を示す。
図27を参照して、この例では、たとえば、傾向情報には、対象期間におけるセンサ情報の時間変化における周波数成分の大きさに基づいて予測された対象期間より後の将来期間における時間変化の傾向を示す予測傾向情報が含まれる。
より詳細には、判定部24は、対象期間における同じ加速度センサからの複数の時系列のセンサ情報の示す値の周波数分布を算出し、算出した周波数分布における所定の周波数成分の大きさを対象期間の代表値として算出する。判定部24は、たとえば、各対象期間の代表値に基づいて各対象期間より後の将来期間の代表値を予測する。そして、判定部24は、たとえば、予測した代表値としきい値とを比較し、比較結果に基づいて設備10における異常振動の判定を行う。
ここでは、回転部9Aにおける加速度センサからのセンサ情報の処理について説明するが、他の回転部9における加速度センサからのセンサ情報の処理についても同様である。
判定部24には、たとえば周波数Rf2が回転部9Aの固有周波数として登録されている。判定部24は、たとえば、設備10の稼働当初の周波数Rf2の成分の大きさLfに基づいてしきい値Thf2,Thf3を設定する。
具体的には、判定部24は、たとえば、大きさLfを10倍した値のしきい値Thf2、および大きさLfを20倍した値のしきい値Thf3を設定する。しきい値Thf2以上かつThf3より小さい領域が注意状態に対応する。また、しきい値Thf3以上の領域が警告状態に対応する。なお、しきい値Thf2,Thf3は、所定値でもよい。
判定部24は、たとえば、7か月前、4か月前および先月のそれぞれのパワースペクトルを算出する。判定部24は、算出した7か月前、4か月前および先月のパワースペクトルに基づいて、周波数Rf2の成分の大きさRf3、Rf2およびRf1をそれぞれ算出する。そして、判定部24は、算出した大きさRf3、Rf2およびRf1に基づいて2か月後の代表値を予測する。
判定部24は、図23および図24に示す場合と同様に、算出した代表値Rf3〜Ra1を用いて、トレンドラインを算出し、算出したトレンドラインおよびしきい値Thf2,Thf3に基づいて将来期間の代表値を算出する。
この例では、周波数Rf2の成分の大きさは、3か月ごとに10mgずつ大きくなっているので、概ね24か月後に注意状態へ遷移することが予測される。
図28は、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムにおいて、加速度センサの計測結果の一例を示す図である。なお、図28において、縦軸は強度を示し、横軸は時間を示す。
図28には、回転部9A,9Bが円滑に動作している場合におけるパワースペクトルSp6、および回転部9A,9Bが円滑に動作していない場合におけるパワースペクトルSp7が示される。パワースペクトルSp6およびSp7は、たとえば、それぞれ先月および1年前のデータである。
設備10における回転部9A,9B,9Cには、それぞれ固有周波数が存在する。この例では、回転部9A,9B,9Cの固有周波数は、22Hz、30Hzおよび20Hzである。
回転部9A,9Bが円滑に動作している状態では、パワースペクトルSp6に示すように、対応の固有周波数におけるピークが現れない。一方、傷および異物の付着等により回転部9A,9Bが円滑に動作しなくなると、パワースペクトルSp7に示すように、対応の固有周波数におけるピークが現れる。
また、回転部9Cは、モータであるので、パワースペクトルSp6,Sp7の両方に対応の固有周波数におけるピークが現れる。
パワースペクトルSp7に示すように、22Hz、30Hzおよび20Hzにおける各ピークは、回転部9A,9B,9Cにそれぞれ取り付けられた各加速度センサからのデータに基づく各パワースペクトルにおいて観測される。
より詳細には、回転部9Aに取り付けられた加速度センサからのデータに基づくパワースペクトルでは、22Hzのピーク強度が他のパワースペクトルにおける対応のピーク強度より大きい。同様に、回転部9Bに取り付けられた加速度センサからのデータに基づくパワースペクトルでは、30Hzのピーク強度が他のパワースペクトルにおける対応のピーク強度より大きい。同様に、回転部9Cに取り付けられた加速度センサからのデータに基づくパワースペクトルでは、20Hzのピーク強度が他のパワースペクトルにおける対応のピーク強度より大きい。
上記のような各固有周波数を判定部24に登録しておくことで、判定部24は、固有周波数におけるピークの大きさに基づいて、回転部9における動作の現在の異常および過去の異常を判断することができる。また、判定部24は、固有周波数におけるピークの大きさの時間変化に基づいて、回転部9における動作の将来の異常を判断することができる。
[動作]
図29は、本発明の第5の実施の形態に係る管理装置が設備における異常振動を判定する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図29を参照して、まず、管理装置101は、対象期間が経過するまで待機する(ステップS502でNO)。
そして、管理装置101は、対象期間が経過すると(ステップS502でYES)、対象期間における同じ加速度センサからの複数のセンサ情報を蓄積装置171から取得する(ステップS504)。
次に、管理装置101は、取得した複数のセンサ情報に基づいて加速度の各実効値を算出し、算出した各実効値の平均値Ave1を算出する(ステップS506)。
次に、管理装置101は、平均値Ave1がしきい値Ths1以上である場合(ステップS508でYES)、設備10において異常振動が発生したと判定する(ステップS510)。
次に、管理装置101は、設備10において発生した異常振動を通知するとともに、当該異常振動を時間的または空間的に表示する制御を行う(ステップS512)。具体的には、管理装置101は、たとえば、異常検知情報を含むメールを送信したり、図21に示す設備10において異常振動する回転部9を強調して表示する制御を行ったり、図22に示すグラフを表示する制御を行ったりする。
次に、管理装置101は、平均値Ave1がしきい値Ths1より小さいか(ステップS508でNO)、または異常振動の通知および当該異常振動の表示制御を行うと(ステップS512)、新たな対象期間が経過するまで待機する(ステップS502でNO)。
なお、管理装置101は、上記ステップS506において、各実効値の平均値Ave1を算出したが、これに限定するものではなく、各実効値の範囲の大きさを算出してもよいし、周波数Rf1の成分の大きさを算出してもよい。
図30は、本発明の第5の実施の形態に係る管理装置が設備における異常振動を予測する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図30を参照して、まず、管理装置101は、対象期間が経過するまで待機する(ステップS552でNO)。
そして、管理装置101は、対象期間が経過すると(ステップS552でYES)、対象期間における同じ加速度センサからの複数のセンサ情報を蓄積装置171から取得する(ステップS554)。
次に、管理装置101は、取得した複数のセンサ情報に基づいて対象期間の代表値を算出する(ステップS556)。
次に、管理装置101は、当該対象期間の代表値、および当該対象期間より過去の各対象期間の代表値に基づいてトレンドラインを算出する(ステップS558)。
次に、管理装置101は、算出したトレンドラインを用いて各対象期間より後の期間の代表値を予測する(ステップS560)。
次に、管理装置101は、予測した後の期間の代表値としきい値との関係に基づいて設備10における異常振動を予測する(ステップS562)。具体的には、管理装置101は、設備10における回転部9が注意状態または警告状態へ遷移し得るタイミングおよび日付を予測する。
次に、管理装置101は、設備10における異常振動の予測結果を通知するとともに、異常振動を時間的または空間的に表示する制御を行う(ステップS564)。具体的には、管理装置101は、たとえば、異常検知情報を含むメールを送信したり、図21に示す設備10において異常振動が予測された回転部9を強調して表示する制御を行ったり、設備10における回転部9が注意状態または警告状態へ遷移し得るタイミングおよび日付を表示する制御を行ったり、図22または図23に示すグラフを表示する制御を行ったりする。
次に、管理装置101は、新たな対象期間が経過するまで待機する(ステップS552でNO)。
なお、管理装置101は、上記ステップS556において、各センサ情報の示す値の統計値、当該値の範囲、および当該値の周波数分布における所定の周波数成分の大きさの少なくともいずれか1つを対象期間の代表値として算出する。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、判定部24は、加速度センサの計測結果に基づいて、設備10における異常振動の判定を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。判定部24は、他の種類のセンサの計測結果に基づいて、上記判定を行う構成であってもよい。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、判定部24は、設備10における異常振動の判定を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。判定部24は、所定の領域に関する判定であれば、他の判定を行う構成であってもよい。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、判定部24は、対象期間における加速度センサのセンサ情報に基づいて、将来期間におけるセンサ情報の時間変化の傾向を予測する構成であるとしたが、これに限定するものではない。判定部24は、温度センサ等の他のセンサの対象期間におけるセンサ情報に基づいて、上記傾向を予測する構成であってもよい。このような構成においても、判定部24は、予測したセンサ情報の時間変化の傾向を示す予測傾向情報と判定用情報とを比較し、比較結果に基づいて設備10における異常振動の判定を行うことが可能である。
以上のように、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、判定部24は、取得部21によって取得されたセンサ情報から推定された時間変化を示す傾向情報と、予め登録された判定用情報とを比較することで異常判定を行う。
このように、傾向情報には、たとえば、センサ情報の示す値の特徴を表す時間変化を示す情報が含まれる構成により、所定の領域の状態を正しく把握することができるので、所定の領域の状態を良好に監視することができる。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、傾向情報には、センサ情報の統計処理結果に基づく情報が含まれる。
このように、傾向情報には、センサ情報の示す値の特徴を表す、統計処理結果に基づく情報が含まれる構成により、所定の領域の状態をより正しく把握することができる。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、上記統計処理は、平均、分散および標準偏差のうちの少なくともいずれか1つである。
このように、傾向情報には、センサ情報の示す値のばらつきを適切に表す情報が含まれる構成により、所定の領域の状態をばらつきから簡易に把握することができる。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、判定部24は、取得部21によって取得されたセンサ情報から推定された未来のセンサ情報と、予め登録された判定用情報とを比較することで異常判定を行う。
このような構成により、たとえば、所定の領域における将来の異常について判定することができるので、将来の異常に対処するために必要な処置を正常な状態において施すことができる。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、判定結果が異常となるタイミングを算出する。
このような構成により、将来の異常に対処するためのより正確な準備期間すなわち判定処理を行ったタイミングから算出結果の示すタイミングまでの期間を提供することができる。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、傾向情報には、対象期間におけるセンサ情報に基づいて予測された対象期間より後の将来期間における時間変化の傾向を示す予測傾向情報が含まれる。
このような構成により、たとえば、所定の領域における将来の異常について判定することができるので、将来の異常に対処するために必要な処置を正常な状態において施すことができる。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、傾向情報と判定用情報との比較結果が所定条件を満たす、対象期間より後のタイミングを算出する。
このような構成により、たとえば、将来の異常に対処するためのより正確な準備期間すなわち判定処理を行ったタイミングから算出結果の示すタイミングまでの期間を提供することができる。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、傾向情報には、センサ情報の統計処理結果に基づく情報が含まれる。
このように、傾向情報には、センサ情報の示す値の特徴を表す、統計処理結果に基づく情報が含まれる構成により、所定の領域の状態を正しく把握することができるので、所定の領域の状態を良好に監視することができる。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、傾向情報には、センサ情報の時間変化の範囲の大きさに基づく情報が含まれる。
このように、傾向情報には、センサ情報の示す値の特徴を表す、センサ情報の時間変化の範囲の大きさに基づく情報が含まれる構成により、所定の領域の状態を正しく把握することができるので、所定の領域の状態を良好に監視することができる。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、傾向情報には、センサ情報の時間変化における周波数成分の大きさに基づく情報が含まれる。
このように、傾向情報には、センサ情報の示す値の特徴を表す、センサ情報の時間変化における周波数成分の大きさに基づく情報が含まれる構成により、所定の領域の状態を正しく把握することができるので、所定の領域の状態を良好に監視することができる。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、対象期間ごとに、対象期間における同じセンサからの複数のセンサ情報の示す値の統計値を算出し、算出した統計値としきい値とを比較する。そして、管理装置101は、対象期間ごとに、比較結果に基づいて所定の領域に関する判定を行う。
このように、対象期間におけるセンサ情報の示す値の特徴を表す統計値を用いる構成により、所定の領域の対象期間ごとの状態を正しく把握することができる。すなわち所定の領域の状態をより良好に監視することができる。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、対象期間ごとに、対象期間における同じセンサからの複数のセンサ情報の示す値の範囲の大きさを算出し、算出した当該大きさとしきい値とを比較する。そして、管理装置101は、対象期間ごとに、比較結果に基づいて所定の領域に関する判定を行う。
このように、対象期間におけるセンサ情報の示す値の特徴を表す当該値の範囲の大きさを用いる構成により、所定の領域の対象期間ごとの状態を正しく把握することができる。すなわち所定の領域の状態をより良好に監視することができる。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、対象期間ごとに、対象期間における同じセンサからの複数かつ時系列のセンサ情報の示す値の周波数分布を算出し、算出した周波数分布における所定の周波数成分の大きさとしきい値とを比較する。そして、管理装置101は、対象期間ごとに、比較結果に基づいて所定の領域に関する判定を行う。
このように、対象期間におけるセンサ情報の示す値の特徴を表す、上記周波数分布における所定の周波数成分の大きさを用いる構成により、所定の領域の対象期間ごとの状態を正しく把握することができる。すなわち所定の領域の状態をより良好に監視することができる。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、複数の対象期間について、対象期間における同じセンサからの複数のセンサ情報の示す値に対して所定の演算処理を行うことにより当該対象期間の代表値を算出し、各対象期間の代表値に基づいて各対象期間より後の期間の代表値を予測する。そして、管理装置101は、予測結果に基づいて所定の領域に関する判定を行う。
このように、将来の代表値を予測し、予測結果に基づいて上記判定を行う構成により、所定の領域の将来の状態を正しく把握することができるので、所定の領域の将来の状態を良好に監視することができる。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、対象期間における同じセンサからの複数のセンサ情報の示す値の統計値を当該対象期間の代表値として算出し、各対象期間の代表値に基づいて後の期間の代表値を予測する。そして、管理装置101は、予測した代表値としきい値とを比較し、比較結果に基づいて所定の領域に関する判定を行う。
このように、対象期間におけるセンサ情報の示す値の特徴を表す統計値を代表値として算出し、各対象期間の代表値に基づいて後の期間の代表値を予測する構成により、所定の領域の将来の状態をより正しく把握することができるので、所定の領域の将来の状態をより良好に監視することができる。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、対象期間における同じセンサからの複数のセンサ情報の示す値の範囲の大きさを当該対象期間の代表値として算出し、各対象期間の代表値に基づいて後の期間の代表値を予測する。そして、管理装置101は、予測した代表値としきい値とを比較し、比較結果に基づいて所定の領域に関する判定を行う。
このように、対象期間におけるセンサ情報の示す値の特徴を表す当該値の範囲の大きさを代表値として算出し、各対象期間の代表値に基づいて後の期間の代表値を予測する構成により、所定の領域の将来の状態をより正しく把握することができるので、所定の領域の将来の状態をより良好に監視することができる。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、対象期間における同じセンサからの複数の時系列のセンサ情報の示す値の周波数分布を算出し、算出した周波数分布における所定の周波数成分の大きさを当該対象期間の代表値として算出する。管理装置101は、各対象期間の代表値に基づいて後の期間の代表値を予測し、予測した代表値としきい値とを比較する。そして、管理装置101は、比較結果に基づいて所定の領域に関する判定を行う。
このように、対象期間におけるセンサ情報の示す値の特徴を表す、上記周波数分布における所定の周波数成分の大きさを代表値として算出し、各対象期間の代表値に基づいて後の期間の代表値を予測する構成により、所定の領域の将来の状態をより正しく把握することができるので、所定の領域の将来の状態をより良好に監視することができる。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、複数のセンサは、所定の領域に配置される。蓄積装置171は、複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を蓄積する。管理装置101は、センサ情報を取得する。そして、管理装置101は、複数の対象期間について、対象期間における同じセンサからの複数のセンサ情報の示す値に対して所定の演算処理を行うことにより当該対象期間の代表値を算出し、各対象期間の代表値に基づいて各対象期間より後の期間の代表値を予測する。
このように、将来の代表値を予測し、予測結果に基づいて上記判定を行う構成により、所定の領域の将来の状態を正しく把握することができるので、所定の領域の将来の状態を良好に監視することができる。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、対象期間における同じセンサからの複数のセンサ情報の示す値の統計値を当該対象期間の代表値として算出し、各対象期間の代表値に基づいて後の期間の代表値を予測する。
このように、対象期間におけるセンサ情報の示す値の特徴を表す統計値を代表値として算出し、各対象期間の代表値に基づいて後の期間の代表値を予測する構成により、所定の領域の将来の状態をより正しく把握することができるので、所定の領域の将来の状態をより良好に監視することができる。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、対象期間における同じセンサからの複数のセンサ情報の示す値の範囲の大きさを当該対象期間の代表値として算出し、各対象期間の代表値に基づいて後の期間の代表値を予測する。
このように、対象期間におけるセンサ情報の示す値の特徴を表す当該値の範囲の大きさを代表値として算出し、各対象期間の代表値に基づいて後の期間の代表値を予測する構成により、所定の領域の将来の状態をより正しく把握することができるので、所定の領域の将来の状態をより良好に監視することができる。
また、本発明の第5の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、対象期間における同じセンサからの複数の時系列のセンサ情報の示す値の周波数分布を算出し、算出した周波数分布における所定の周波数成分の大きさを当該対象期間の代表値として算出する。管理装置101は、各対象期間の代表値に基づいて後の期間の代表値を予測する。
このように、対象期間におけるセンサ情報の示す値の特徴を表す、上記周波数分布における所定の周波数成分の大きさを代表値として算出し、各対象期間の代表値に基づいて後の期間の代表値を予測する構成により、所定の領域の将来の状態をより正しく把握することができるので、所定の領域の将来の状態をより良好に監視することができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る管理システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第6の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る管理システムと比べて工場における異常エリアを判定する管理システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る管理システムと同様である。
図31は、本発明の第6の実施の形態に係る管理システムにおいて、表示装置に表示された画面の一例を示す図である。図31には、図2に示す工場5と異なる工場8の図面Mp2が示される。
図31を参照して、工場8には、設備F〜Kが設けられる。また、図示しないが、各設備には、煙センサを含む3つのセンサ部1、および1つの報知装置111が設けられる。
再び図1および図3を参照して、蓄積装置171は、たとえば、工場8における設備F〜Kの種類、消火用具の一例でありかつ保全用具の一例である消火器の工場8の図面における位置座標、および非常口の当該図面における位置座標を示す保安情報を保持する。
管理装置101における判定部24は、取得部21によって取得されたセンサ情報を用いた空間的処理を行うことにより、工場8に関する判定を行う、たとえば工場8における異常エリアを判定する。
詳細には、判定部24は、たとえば、対象期間におけるセンサ情報に基づく情報と判定に用いる情報である判定用情報とを比較し、比較結果に基づいて所定の領域における異常エリアの判定を行う。この例では、後述する第1範囲および第2範囲が判定用情報の一例である。また、判定部24は、たとえば、所定時間ごとに工場8に関する判定を行う。したがって、対象期間はたとえば直近の所定時間である。
具体的には、判定部24は、たとえば、煙の計測結果に基づいて、工場8における火災エリアA1、および火災エリアA1に対して少なくとも一部が異なる拡散エリアA2を含む2つの異常エリアを判定する。より具体的には、判定部24は、たとえば、判定した火災エリアA1が拡張するかまたはシフトするエリアとして拡散エリアA2を判定する。ここで、火災エリアA1が拡張したエリアは、火災エリアA1より大きい面積を有しかつ火災エリアA1のすべてを含む。また、火災エリアA1がシフトしたエリアと火災エリアA1とは、互いに一部が重なる。
より詳細には、判定部24は、たとえば、煙センサからのセンサ情報の示す値と第1範囲とを比較し、比較結果に応じて火災エリアA1を判定する。また、判定部24は、たとえば、煙センサからのセンサ情報の示す値と第1範囲に対して少なくとも一部が異なる第2範囲とを比較し、比較結果に応じて拡散エリアA2を判定する。この例では、第1範囲は、0.5以上かつ煙センサの計測上限未満の範囲である。また、第2範囲は、0.4以上かつ0.5未満の範囲である。
また、判定部24は、蓄積装置171から取得部21経由で図面情報および保安情報を取得する。
図32は、本発明の第6の実施の形態に係る管理装置が異常エリアを判定し、判定結果を表示および通知する処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図31および図32を参照して、まず、判定部24は、工場8に設けられた複数の煙センサからのセンサ情報を蓄積装置171から取得部21経由で取得し、取得したセンサ情報を監視する(ステップS402)。
次に、判定部24は、監視対象のセンサ情報の示す粉じん濃度のうち、第1範囲または第2範囲に収まる粉じん濃度を示すセンサ情報を送信した煙センサがない場合(ステップS404でNO)、センサ情報の監視を継続する(ステップS402)。
一方、判定部24は、第1範囲または第2範囲に収まる粉じん濃度を示すセンサ情報を送信した煙センサがある場合(ステップS404でYES)、当該煙センサの位置の分布に基づいて、異常エリアの一例である火災エリアA1、拡散エリアA2および危険エリアA3を設定する(ステップS406)。
より詳細には、判定部24は、センサ情報の示す粉じん濃度が第1範囲に収まる場合、図面情報および当該センサ情報の送信元の煙センサのIDに基づいて、当該煙センサの位置を認識し、当該煙センサの周囲を火災エリアA1と設定する。この例では、判定部24は、設備Jの一部を含むエリアを火災エリアA1と設定する。
また、判定部24は、センサ情報の示す粉じん濃度が第2範囲に収まる場合、図面情報および当該センサ情報の送信元の煙センサのIDに基づいて、当該煙センサの位置を認識し、当該煙センサの周囲を拡散エリアA2と設定する。この例では、判定部24は、設備I〜Kを含むエリアを拡散エリアA2と設定する。
判定部24は、火災エリアA1および拡散エリアA2の少なくともいずれか一方を判定すると、図面情報および保安情報に基づいて、拡散エリアA2の近傍に位置する出入口を含むエリアを危険エリアA3と設定する。
次に、判定部24は、図面情報および保安情報に基づいて、異常エリアと工場8の外部とを結ぶ経路、具体的には避難ルートおよび駆けつけルートを導出する(ステップS408)。
より詳細には、判定部24は、火災エリアA1から工場8の外部までの避難ルート、具体的には火災エリアA1から危険エリアA3と判定しなかった非常口までの避難ルートを導出する。また、判定部24は、工場8の外部から火災エリアA1までの駆けつけルート、具体的には危険エリアA3と判定しなかった非常口から火災エリアA1までの駆けつけルートを導出する。
好ましくは、判定部24は、拡散エリアA2および危険エリアA3と重複しないように避難ルートおよび駆けつけルートを導出する。
また、判定部24は、避難ルートが拡散エリアA2または危険エリアA3と重複する場合においては、拡散エリアA2または危険エリアA3と重複する長さが小さくなるように避難ルートを導出する。また、判定部24は、駆けつけルートが拡散エリアA2または危険エリアA3と重複する場合においては、拡散エリアA2または危険エリアA3と重複する長さが小さくなるように駆けつけルートを導出する。
また、判定部24は、ルートの重複を抑制するように避難ルートおよび駆けつけルートを導出する。
次に、判定部24は、保安情報の示す設備Jの種類に基づいて、火災の種類および危険要因を推定し、推定結果に基づいて必要な道具を抽出する(ステップS410)。
そして、判定部24は、各煙センサのIDおよび計測値、火災エリアA1、拡散エリアA2、危険エリアA3、抽出した道具、避難ルートならびに駆けつけルートを示す異常検知情報を作成し、作成した異常検知情報を表示制御部23および通知部22へ出力する。
次に、表示制御部23は、工場8における異常を空間的に表示する制御を行う。詳細には、表示制御部23は、たとえば、判定部24によって判定された異常エリアに応じた内容を表示する制御を行う。また、表示制御部23は、たとえば工場8における煙の分布を表示する制御を行う(ステップS412)。
より詳細には、表示制御部23は、判定部24から異常検知情報を受けると、蓄積装置171から取得部21経由で図面情報および保安情報を取得し、異常検知情報および図面情報に基づいて、工場8に配置された複数の煙センサを示すアイコンであって当該煙センサの計測結果を付したアイコンICN,ICA、および工場8の図面Mp2を画面Scに表示する制御を行う。
また、表示制御部23は、たとえば、保安情報に基づいて、工場8における火災エリアA1に対して用いるべき消火用具の一例である消火器の位置、および非常口の位置をそれぞれ示すアイコンICFおよびICEを画面Scに表示する制御を行う。なお、表示制御部23は、消火器の種類も合わせて表示する制御を行ってもよい。
また、表示制御部23は、異常検知情報に基づいて、工場8における火災エリアA1、拡散エリアA2、危険エリアA3、避難ルートおよび駆けつけルートを画面Scに表示する制御を行う。
次に、管理装置101は、工場8の異常について通知する。詳細には、通知部22は、たとえば、判定部24によって判定された異常エリアに応じた内容を通知する(ステップS414)。
より詳細には、通知部22は、判定部24から異常検知情報を受けると、蓄積装置171から取得部21経由で報知先情報、図面情報および保安情報を取得する。
通知部22は、異常検知情報、図面情報および保安情報の内容を含むメール、具体的には図31に示す画面Scの内容を含むメールを作成し、作成したメールを、取得した報知先情報の示すサーバ等の装置へ内部ネットワーク11経由で送信する。
また、通知部22は、異常検知情報および図面情報に基づいて、たとえば拡散エリアA2に含まれる設備、ここでは設備I〜Kを示す報知情報を作成し、作成した報知情報を内部ネットワーク11経由で報知装置111へ送信する。
次に、判定部24は、0.4以上の粉じん濃度を示すセンサ情報を送信した煙センサがないか(ステップS404でNO)、または通知部22が、異常エリアに応じた内容を通知すると(ステップS414)、センサ情報の監視を継続する(ステップS402)。
なお、上記ステップS408,S410の順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。また、上記ステップS412,S414の順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
[異常エリアの判定の変形例]
図33は、図31に示す画面の変形例を示す図である。図33の画面Scには、図31に示す画面Scと異なり、工場8の図面が示されていないが、工場8の図面を示すことも可能である。また、図33の画面Scには、危険エリア、避難ルートおよび駆けつけルートが示されていないが、危険エリア、避難ルートおよび駆けつけルートを示すことも可能である。
図33では、粉じん濃度が第1範囲に収まる煙センサを示すアイコンICAを囲むように火災エリアA1が示される。また、粉じん濃度が第2範囲に収まる煙センサを示すアイコンICNを囲むように拡散エリアA2が示される。
表示制御部23は、図33に示すように、多数の煙センサのアイコンICN,ICAと、火災エリアA1および拡散エリアA2とを表示する制御を行うことが可能である。
図34は、本発明の第6の実施の形態に係る管理システムにおいて、表示装置に表示された画面の一例を示す図である。図34には、図33に示す火災エリアA1および拡散エリアA2の所定時間経過後の予測火災エリアAp1および予測拡散エリアAp2が示される。なお、図34の見方は、図33と同様である。
図34を参照して、判定部24は、たとえば、取得部21によって取得されたセンサ情報を用いた時間的処理および空間的処理を行うことにより、工場8における異常エリアを判定する。
詳細には、判定部24は、たとえば、対象期間におけるセンサ情報に基づいて異常エリアの時間的推移を予測する。より詳細には、判定部24は、たとえば、図33に示す火災エリアA1および拡散エリアA2が、所定時間、具体的には1分、2分、3分および10分経過した後の予測火災エリアAp1および予測拡散エリアAp2を判定する。
具体的には、判定部24は、たとえば、複数の対象期間について、対象期間における同じ煙センサからの複数のセンサ情報の示す値V1に対して所定の演算処理を行うことにより対象期間の代表値を算出する。この代表値は、値V1の統計値、値V1の範囲の大きさ、および値V1に基づく周波数分布における所定の周波数成分の大きさのいずれか1つでもよいし、これらの組み合わせでもよい。
判定部24は、各対象期間の代表値に基づいて各対象期間より後の期間の代表値を予測する。そして、判定部24は、たとえば、予測結果に基づいて、所定時間経過した後の予測火災エリアAp1および予測拡散エリアAp2の判定を行う。
判定部24は、このような判定を煙センサごとに行うことにより、所定時間経過後の煙濃度の分布を算出し、算出した分布に基づいて、当該所定時間経過した後の予測火災エリアAp1および予測拡散エリアAp2を特定する。
判定部24は、特定した予測火災エリアAp1および予測拡散エリアAp2を含む異常検知情報を作成し、作成した異常検知情報を表示制御部23および通知部22へ出力する。
表示制御部23は、判定部24から異常検知情報を受けると、受けた異常検知情報に基づいて、図34に示す画面Scを表示する制御を行う。
なお、判定部24は、工場8における火災エリアA1および拡散エリアA2を含む2つの異常エリアを判定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。判定部24は、工場8において、1つの異常エリアを判定する構成であってもよいし、3つ以上の異常エリアを判定する構成であってもよい。
以上のように、本発明の第6の実施の形態に係る管理システムでは、複数のセンサは、所定の領域に配置される。蓄積装置171は、複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を蓄積する。管理装置101は、センサ情報を取得する。管理装置101は、取得したセンサ情報を用いた空間的処理を行うことにより所定の領域に関する判定を行い、判定結果に基づく内容を通知すること、ならびに、取得したセンサ情報に基づいて、所定の領域に関する内容を空間的に表示する制御を行うことが可能である。
このように、センサ情報を用いた空間的処理により所定の領域に関する判定を行う構成により、センサ情報の内容の空間的な変化に基づいて、所定の領域の状態の空間的な変化を認識することができるので、所定の領域の状態をより正確に把握することができる。また、蓄積装置171を備える構成により、空間的処理を容易に行うことができる。また、判定結果に基づく内容を通知し、かつセンサ情報に基づいた所定の領域に関する内容の空間的な表示を行う構成により、所定の領域の状態を管理者により的確に伝達することができる。したがって、所定の領域の状態を良好に監視することができ、また、所定の領域についての監視結果をより的確に伝達することができる。
また、本発明の第6の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、対象期間におけるセンサ情報に基づく情報と判定に用いる情報である判定用情報とを比較し、比較結果に基づいて所定の領域における異常エリアの判定を行う。
このように、判定した異常エリアを空間的に表示して通知する構成により、ユーザは、所定の領域における異常エリアを迅速に認識することができるので、異常に対して適切に対処することができる。
また、本発明の第6の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、所定の領域における火災エリアA1、および火災エリアA1に対して少なくとも一部が異なる拡散エリアA2を含む複数の異常エリアを判定する。そして、管理装置101は、センサの示す値と第1範囲とを比較し、比較結果に応じて火災エリアA1を判定し、センサの示す値と第1範囲に対して少なくとも一部が異なる第2範囲とを比較し、比較結果に応じて拡散エリアA2を判定する。
このように、異常エリアを異常度合いに応じて段階的に判定する構成により、所定の領域における異常度合いの空間的な分布を管理者により的確に伝達することができる。また、たとえば、所定の領域の規模に応じて多くの設備が設置されている場合があり、それぞれの設備にセンサを配置しておくことで、センサからの計測結果によって空間的な異常を判定することができる。たとえば、所定の領域において火災が発生した場合、早急に火災発生の原因となる設備を特定して消火し、他の設備に火災が広がることを食い止め、被害を最小に抑えることが好ましい。したがって、センサからの計測結果に基づいて、たとえば、実際に火災を起こしているエリアと、これからその火災が延伸しようとするエリアとを分けて保守員に知らせることができれば、迅速に火災発生の原因となる設備を特定して消火できるため、上記構成は、特に工場では有効である。
また、本発明の第6の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、対象期間におけるセンサ情報に基づいて異常エリアの時間的推移を予測する。
このような構成により、将来の異常エリアの空間的な分布を管理者により的確に伝達することができるので、管理者は将来に備えて予防的処置を施すことができる。
また、本発明の第6の実施の形態に係る管理システムでは、複数のセンサは。所定の領域に配置される。蓄積装置171は、複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を蓄積する。蓄積装置171は、センサ情報を取得する。そして、蓄積装置171は、取得した複数のセンサ情報に基づいて、所定の領域における異常エリアを判定する。
このように、異常エリアの空間的な分布を予測する構成により、たとえば管理者は異常エリアに対する処置を施すことができる。したがって、所定の領域の状態を良好に監視することができる。
また、本発明の第6の実施の形態に係る管理システムでは、複数のセンサは、所定の領域に配置される。蓄積装置171は、複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を蓄積する。管理装置101は、センサ情報を取得する。そして、管理装置101は、取得した複数のセンサ情報に基づいて、所定の領域における異常エリアの時間的推移を予測する。
このように、将来の異常エリアの空間的な分布を予測する構成により、たとえば管理者は将来に備えて予防的処置を施すことができる。したがって、所定の領域の状態を良好に監視することができる。
また、本発明の第6の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、工場8における火災エリアA1を判定する。
このような構成により、工場8における火災エリアA1の空間的な分布を管理者により的確に伝達することができる。
また、本発明の第6の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、判定した火災エリアA1が拡張するかまたはシフトする拡散エリアA2を判定する。
このような構成により、異常になる可能性の高い拡散エリアA2の空間的な分布を管理者により的確に伝達することができるので、管理者は火災エリアA1の拡散またはシフトに対処するための予防的処置を施すことができる。
また、本発明の第6の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、工場8における異常エリアを判定する。そして、管理装置101は、判定した異常エリアに応じた内容を通知する。
このような構成により、たとえば工場8における異常エリアの位置を通知することができるので、通知を受けた者は、工場8における異常エリアの位置関係を空間的に認識することができる。
また、本発明の第6の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、工場8における異常エリアを判定する。そして、管理装置101は、判定した異常エリアに応じた内容を表示する制御を行う。
このような構成により、たとえば工場8における異常エリアの位置を表示することができるので、表示を視た者は、工場8と異常エリアとの位置関係を視覚的に認識することができる。
また、本発明の第6の実施の形態に係る管理システムでは、異常エリアに応じた内容は、異常エリアと工場8の外部とを結ぶ経路である。
このような構成により、たとえば、異常エリアから工場8の外部へ安全かつ迅速に脱出するための避難ルート、および工場8の外部から異常エリアへ安全かつ迅速に到達するための駆けつけルートを伝達することができるので、工場8の内部において立ち往生してしまう可能性を低減することができる。
また、本発明の第6の実施の形態に係る管理システムでは、異常エリアに応じた内容は、異常エリアに対して用いるべき保全用具の位置である。
このような構成により、たとえば、工場8における消火器の位置を伝達することができるので、消火器の探索に要する時間を短縮することができる。これにより、異常エリアに迅速に対処することができる。
また、本発明の第6の実施の形態に係る管理システムでは、センサ情報は、煙の計測結果を含む。そして、管理装置101は、所定の領域における分布を表示する制御を行う。
このような構成により、表示を視た者は、たとえば、火災の発生位置、および煙の広がり度合いを認識することができるので、所定の領域における火災状況をより正確に認識することができる。
また、本発明の第6の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、煙の計測結果に基づいて、所定の領域における火災エリアA1を判定する。そして、管理装置101は、火災エリアA1から所定の領域の外部までの避難ルートを表示する制御を行う。
このような構成により、火災エリアA1をより正確に判定することができるので、より正確な避難ルートを表示することができる。これにより、避難時において所定の領域の内部で立ち往生してしまう可能性をより低減することができる。
また、本発明の第6の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、煙の計測結果に基づいて、所定の領域における火災エリアA1を判定する。そして、管理装置101は、所定の領域の外部から火災エリアA1までの駆けつけルートを表示する制御を行う。
このような構成により、火災エリアA1をより正確に判定することができるので、より正確な駆けつけルートを表示することができる。これにより、駆けつけ時において所定の領域の内部で立ち往生してしまう可能性をより低減することができる。
また、本発明の第6の実施の形態に係る管理システムでは、管理装置101は、所定の領域における火災エリアA1に対して用いるべき消火用具の位置を表示する制御を行う。
このような構成により、消火用具の探索に要する時間を短縮することができるので、所定の領域における火災に迅速に対処することができる。
また、本発明の第6の実施の形態に係る管理装置では、取得部21は、所定の領域に配置された複数のセンサ部1から無線送信されるセンサ情報を取得する。判定部24は、取得部21によって取得されたセンサ情報を用いた空間的処理を行うことにより、所定の領域に関する判定を行う。通知部22は、判定部24の判定結果に基づく内容を通知する。そして、表示制御部23は、取得部21によって取得されたセンサ情報に基づいて、所定の領域に関する内容を空間的に表示する制御を行う。
このように、センサ情報を用いた空間的処理により所定の領域に関する判定を行う構成により、センサ情報の内容の空間的な変化に基づいて、所定の領域の状態の空間的な変化を認識することができるので、所定の領域の状態をより正確に把握することができる。また、判定結果に基づく内容を通知し、かつセンサ情報に基づいた所定の領域に関する内容の空間的な表示を行う構成により、所定の領域の状態を管理者により的確に伝達することができる。したがって、工場についての監視結果をより的確に伝達することができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る管理システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第7の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る管理システムと比べて工場における煙に関する判定を行う管理システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る管理システムと同様である。
図35は、本発明の第7の実施の形態に係る管理システムにおいて、表示装置に表示された画面の一例を示す図である。図35には、図31に示す工場8の図面Mp3が示される。また、図面Mp3では、図31と異なり、各設備には、煙センサを含む1つのセンサ部1が設けられる。
再び図3を参照して、管理装置101における判定部24は、取得部21によって取得されたセンサ情報を用いた空間的処理および時間的処理を行うことにより、所定の領域たとえば工場8に関する判定を行う、たとえば工場8における煙に関する判定を行う。また、判定部24は、蓄積装置171から取得部21経由で図面情報を取得する。
図36は、本発明の第7の実施の形態に係る管理装置が煙に関する判定を行い、判定結果を表示する処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図35および図36を参照して、まず、判定部24は、工場8に設けられた複数の煙センサからのセンサ情報を蓄積装置171から取得部21経由で取得し、取得したセンサ情報を監視する(ステップS452)。
次に、判定部24は、所定の更新タイミングが到来するまで(ステップS454でNO)、センサ情報の監視を継続する(ステップS402)。ここで、所定の更新タイミングは、たとえば10分等の所定時間ごとであってもよいし、煙センサからのセンサ情報を取得するタイミング等のイベントごとであってもよい。
次に、判定部24は、所定の更新タイミングが到来すると(ステップS454でYES)、煙センサごとに、計測結果の値が所定範囲に収まる状態が継続する維持時間MTを算出する(ステップS456)。
次に、判定部24は、工場8に設けられた複数の煙センサから煙センサを1つ選択する(ステップS458)。
次に、判定部24は、選択した煙センサの維持時間MTが1時間未満である場合(ステップS460でYES)、選択した煙センサの周囲の背景色を白色に設定する(ステップS462)。
一方、判定部24は、選択した煙センサの維持時間MTが1時間以上かつ2時間未満である場合(ステップS460でNOおよびステップS464でYES)、選択した煙センサの周囲の背景色を緑色に設定する(ステップS466)。
一方、判定部24は、選択した煙センサの維持時間MTが2時間以上かつ3時間未満である場合(ステップS460でNO、ステップS464でNOおよびステップS468でYES)、選択した煙センサの周囲の背景色を青色に設定する(ステップS470)。
一方、判定部24は、選択した煙センサの維持時間MTが3時間以上である場合(ステップS460でNO、ステップS464でNOおよびステップS468でNO)、選択した煙センサの周囲の背景色を赤色に設定する(ステップS472)。
次に、判定部24は、背景色を、白色に設定するか(ステップS462)、緑色に設定するか(ステップS466)、青色に設定するか(ステップS470)、または赤色に設定すると(ステップS472)、工場8に設けられた複数の煙センサのうち、未選択の煙センサが存在するか否かを判断する(ステップS474)。
判定部24は、工場8に設けられた複数の煙センサのうち、未選択の煙センサが存在する場合(ステップS474でNO)、未選択の煙センサを1つ選択する(ステップS458)。
一方、判定部24は、工場8に設けられた複数の煙センサのうち、すべての煙センサが選択済みである場合(ステップS474でYES)、各煙センサのIDおよび計測値、ならびに煙センサごとの背景色を示す煙状況情報を作成し、作成した煙状況情報を表示制御部23へ出力する。
次に、表示制御部23は、工場8における異常を、空間的に表示する制御および時間的に表示する制御を行う。詳細には、表示制御部23は、たとえば、工場8における煙の流れ、分布および滞留時間を表示する制御を行う(ステップS476)。
より詳細には、表示制御部23は、判定部24から煙状況情報を受けると、受けた煙状況情報に基づいて煙の流れ方向ASを導出する。たとえば、表示制御部23は、設備FおよびKにおいて、0.3および0.1の粉じん濃度が3時間以上継続していることから、煙の流れ方向ASとして設備Fから設備Kへの方向を導出する。
また、表示制御部23は、蓄積装置171から取得部21経由で図面情報を取得し、煙状況情報および図面情報に基づいて、工場8に配置された複数の煙センサを示すアイコンであって当該煙センサの計測結果を付したアイコンICNを対応の背景色で画面Scに表示する制御、および工場8の図面Mp3を画面Scに表示する制御を行う。
また、表示制御部23は、図面情報に基づいて、導出した流れ方向ASを画面Scに表示する制御を行う。
次に、判定部24は、センサ情報の監視を継続する(ステップS452)。
なお、表示制御部23は、上記ステップS476において、アイコンの背景色を維持時間MTに応じた色で表示する制御を行ったが、これに限らず、維持時間MTに応じたハッチングを用いてアイコンを表示する制御を行ってもよいし、背景色およびハッチングの維持時間MTに応じた組み合わせを用いてアイコンを表示する制御を行ってもよい。
また、表示制御部23は、上記ステップS476において、アイコンの背景色を維持時間MTに応じた色で表示する制御を行ったが、これに限らず、アイコンの背景色を煙センサの計測値の変化の方向に応じた色で表示する制御を行ってもよい。より詳細には、表示制御部23は、煙センサの計測値が増加している場合、当該計測値が減少している場合、および当該計測値が維持している場合にそれぞれ対応する背景色で、煙センサのアイコンを表示する制御を行う。
また、本発明の第7の実施の形態に係る表示制御部は、工場8における煙の流れ、分布および滞留時間を表示する制御を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。表示制御部23は、工場8における煙の流れ、分布および滞留時間のうちのいずれか1つまたは2つを表示する制御を行う構成であってもよい。
以上のように、本発明の第7の実施の形態に係る管理システムでは、センサ情報は、煙の計測結果を含む。そして、管理装置101は、所定の領域における煙の流れ、分布および滞留時間のうちの少なくともいずれか1つを表示する制御を行う。
このような構成により、所定の領域において、たとえば煙の籠る位置を認識することができるので、排煙設備の適切な設置場所を把握することができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る管理システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
なお、本発明の第1の実施の形態〜第7の実施の形態に係る各装置の構成要素および動作のうち、一部または全部を適宜組み合わせることも可能である。
また、本発明の第1の実施の形態〜第7の実施の形態に係るサーバの機能の一部または全部が、クラウドコンピューティングによって提供されてもよい。すなわち、本発明の第1の実施の形態〜第7の実施の形態に係るサーバが、複数のクラウドサーバ等によって構成されてもよい。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
所定の領域に配置された複数のセンサと、
管理装置とを備え、
前記管理装置は、
前記複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記センサ情報を蓄積する蓄積部と、
前記センサ情報を用いて前記所定の領域に関する異常判定を行う判定部と、
前記判定部による判定結果に基づく内容を通知する通知部と、
前記取得部によって取得された前記センサ情報に基づいて、前記所定の領域に関する内容を時間的に表示する制御が可能である表示制御部とを備え、
前記所定の領域は、工場、空港、鉄道の駅、バスのターミナル、オフィスまたは倉庫であり、
前記センサは、煙センサ、温度センサ、湿度センサ、電流センサ、非接触温度センサ、加速度センサ、濃度センサ、ジャイロセンサ、圧力センサまたは電池電圧センサであり、
前記通知部は、前記判定結果に基づく内容をメール、音声または警告灯を用いて通知し、
前記表示制御部は、前記時間的に表示する制御として、取得した前記センサ情報に基づいて、前記センサ情報の内容の時間変化を示すグラフを表示する制御を行う、管理システム。
[付記2]
所定の領域に配置された複数のセンサと、
前記複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を蓄積する蓄積部と、
前記センサ情報を取得する管理装置とを備え、
前記管理装置は、取得した前記センサ情報を用いた空間的処理および時間的処理の少なくともいずれか一方を行うことにより前記所定の領域に関する判定を行い、判定結果に基づく内容を通知すること、ならびに、取得した前記センサ情報に基づいて、前記所定の領域に関する内容を空間的に表示する制御、および前記所定の領域に関する内容を時間的に表示する制御の少なくともいずれか一方を行うことが可能であり、
前記所定の領域は、工場、空港、鉄道の駅、バスのターミナル、オフィスまたは倉庫であり、
前記センサは、煙センサ、温度センサ、湿度センサ、電流センサ、非接触温度センサ、加速度センサ、濃度センサ、ジャイロセンサ、圧力センサまたは電池電圧センサであり、
前記管理装置は、前記判定結果に基づく内容をメール、音声または警告灯を用いて通知し、
前記管理装置は、前記空間的に表示する制御として、取得した前記センサ情報に基づいて、前記所定の領域に配置された前記センサのアイコンを表示する制御を行い、
前記管理装置は、前記時間的に表示する制御として、取得した前記センサ情報に基づいて、前記センサ情報の内容の時間変化を示すグラフを表示する制御を行う、管理システム。
[付記3]
所定の領域に配置された複数のセンサと、
前記複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を蓄積する蓄積部と、
前記センサ情報を取得する管理装置とを備え、
前記管理装置は、複数の対象期間について、前記対象期間における同じ前記センサからの複数の前記センサ情報の示す値である対象値に対して所定の演算処理を行うことにより前記対象期間の代表値を算出し、各前記対象期間の代表値に基づいて前記各対象期間より後の期間の代表値を予測し、
前記所定の領域は、工場、空港、鉄道の駅、バスのターミナル、オフィスまたは倉庫であり、
前記センサは、煙センサ、温度センサ、湿度センサ、電流センサ、非接触温度センサ、加速度センサ、濃度センサ、ジャイロセンサ、圧力センサまたは電池電圧センサであり、
前記代表値は、前記対象値の統計値、前記対象値の範囲の大きさ、または前記対象値の周波数分布における所定の周波数成分の大きさである、管理システム。
[付記4]
所定の領域に配置された複数のセンサと、
前記複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を蓄積する蓄積部と、
前記センサ情報を取得する管理装置とを備え、
前記管理装置は、取得した複数の前記センサ情報に基づいて、前記所定の領域における異常エリアを判定し、
前記所定の領域は、工場、空港、鉄道の駅、バスのターミナル、オフィスまたは倉庫であり、
前記センサは、煙センサ、温度センサ、湿度センサ、電流センサ、非接触温度センサ、加速度センサ、濃度センサ、ジャイロセンサ、圧力センサまたは電池電圧センサであり、
前記管理装置は、複数の前記煙センサからの前記センサ情報に基づいて、火災エリア、および前記火災エリアが拡張するかまたはシフトする拡散エリアを判定する、管理システム。
[付記5]
所定の領域に配置された複数のセンサと、
前記複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を蓄積する蓄積部と、
前記センサ情報を取得する管理装置とを備え、
前記管理装置は、取得した複数の前記センサ情報に基づいて、前記所定の領域における異常エリアの時間的推移を予測する、管理システム。
前記所定の領域は、工場、空港、鉄道の駅、バスのターミナル、オフィスまたは倉庫であり、
前記センサは、煙センサ、温度センサ、湿度センサ、電流センサ、非接触温度センサ、加速度センサ、濃度センサ、ジャイロセンサ、圧力センサまたは電池電圧センサであり、
前記管理装置は、複数の前記煙センサからの前記センサ情報に基づいて、火災エリア、および前記火災エリアが拡張するかまたはシフトする拡散エリアの前記時間的推移を予測する、管理システム。
[付記6]
所定の領域に配置された複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を取得する取得部と、
前記センサ情報を用いて前記所定の領域に関する異常判定を行う判定部と、
前記判定部による判定結果に基づく内容を通知する通知部と、
前記取得部によって取得された前記センサ情報に基づいて、前記所定の領域に関する内容を時間的に表示する制御が可能である表示制御部とを備え、
前記所定の領域は、工場、空港、鉄道の駅、バスのターミナル、オフィスまたは倉庫であり、
前記センサは、煙センサ、温度センサ、湿度センサ、電流センサ、非接触温度センサ、加速度センサ、濃度センサ、ジャイロセンサ、圧力センサまたは電池電圧センサであり、
前記通知部は、前記判定結果に基づく内容をメール、音声または警告灯を用いて通知し、
前記表示制御部は、前記時間的に表示する制御として、取得した前記センサ情報に基づいて、前記センサ情報の内容の時間変化を示すグラフを表示する制御を行う、管理装置。
[付記7]
所定の領域に配置された複数のセンサから無線送信されるセンサ情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記センサ情報を用いた空間的処理および時間的処理の少なくともいずれか一方を行うことにより、前記所定の領域に関する判定を行う判定部と、
前記判定部の判定結果に基づく内容を通知する通知部と、
前記取得部によって取得された前記センサ情報に基づいて、前記所定の領域に関する内容を空間的に表示する制御、および前記所定の領域に関する内容を時間的に表示する制御の少なくともいずれか一方を行う表示制御部とを備え
前記所定の領域は、工場、空港、鉄道の駅、バスのターミナル、オフィスまたは倉庫であり、
前記センサは、煙センサ、温度センサ、湿度センサ、電流センサ、非接触温度センサ、加速度センサ、濃度センサ、ジャイロセンサ、圧力センサまたは電池電圧センサであり、
前記通知部は、前記判定結果に基づく内容をメール、音声または警告灯を用いて通知し、
前記表示制御部は、前記空間的に表示する制御として、取得した前記センサ情報に基づいて、前記所定の領域に配置された前記センサのアイコンを表示する制御を行い、
前記表示制御部は、前記時間的に表示する制御として、取得した前記センサ情報に基づいて、前記センサ情報の内容の時間変化を示すグラフを表示する制御を行う、管理装置。