JP2011059873A - 監視装置、監視方法および監視プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】監視対象には監視対象を構成する複数の構成要素それぞれにセンサ101が設置されている。各センサ101は自己が設置された構成要素の特定量(温度、照度、速度など)をセンサパラメータ管理部140により設定されたパラメータに従って計測する。データ蓄積管理部110は各センサ101の計測値をセンサデータテーブル191に記録する。数値化処理部120はセンサデータテーブル191に基づいて異常値を計測した異常センサを検出する。多次元データリアルタイム管理部130は異常センサの計測値に基づいて異常要因である構成要素を特定する。センサパラメータ管理部140は異常要因に設置されているセンサ101に異常時のパラメータを設定し、通知部150は異常の発生と異常要因とを通知する。
【選択図】図1
Description
この手法では、プラントの運転員の誤操作もしくは必要操作などのリスクを回避してプラントの安全運転を実行するため、プラントデータをモニタするモニタ装置と障害発生の際に運転員が行うべき障害対策の手順を収めたデータベースとを備え、プラントに障害が発生した場合に運転員への指示を行っている。
この手法では、製造ラインの品質検査で得られた不良結果とその原因となる異常現象との関連付けを容易にし、検査工程などの後の工程に不良品を流すことのないように製造ラインをモニタする。製造ラインのモニタでは複数のセンサにより各プロセス機器の状態が監視される。
複数のセンサそれぞれにより特定の計測条件で計測された監視対象の特定量を示す前記複数のセンサそれぞれの計測値に基づいて前記監視対象の状態をCPU(Central Processing Unit)を用いて特定する状態特定部と、
前記状態特定部により特定された前記監視対象の状態に基づいて前記複数のセンサのうち特定のセンサの新たな計測条件をCPUを用いて決定し、前記特定のセンサの計測条件を前記新たな計測条件に変更する計測条件変更部と、
前記状態特定部により特定された前記監視対象の状態を出力装置に出力する状態出力部とを備える。
図1は、実施の形態1におけるリアルタイム障害監視装置100の機能構成図である。
実施の形態1におけるリアルタイム障害監視装置100の機能構成について、図1に基づいて以下に説明する。
センサ101は、監視対象を構成する複数の部品(構成要素、対象部品)のいずれかに設置される。また、センサ101には、時間間隔、開始条件、終了条件、精度、計測値の出力条件など、計測に関する条件がセンサパラメータとして設定される。
センサ101は、設置された構成要素の特定量をセンサパラメータに従って計測する。
例えば、センサ101は列車の各車輪に設置され、センサパラメータに従ってX分間隔で各車輪にかかる重量や各車輪の回転速度を計測する。
また、センサ101の計側に関する条件を「計測条件」または「センサパラメータ」という。
センサデータテーブル191(計測値時系列データの一例)、センサパターンテーブル192(判別パターン情報の一例)、構成情報テーブル193(構成情報の一例)、異常要因テーブル194(部品優先度情報の一例)およびセンサ名対応テーブル195(計測条件情報、センサ情報の一例)は、監視装置記憶部に記憶されるデータの一例である。
センサパターンテーブル192、構成情報テーブル193、異常要因テーブル194およびセンサ名対応テーブル195は予め定義される。
例えば、多次元データリアルタイム管理部130は、異常が発生した構成要素(異常要因)を検出し、当該構成要素の異常を監視対象の状態とする。
多次元データリアルタイム管理部130の詳細について後述する。
例えば、センサパラメータ管理部140は、以下のようにして特定のセンサ101の計測条件を変更する。
センサパラメータ管理部140は、センサ名対応テーブル195に特定の状態毎に示される計測条件のうち多次元データリアルタイム管理部130により特定された状態の計測条件を新たな計測条件とする。
センサパラメータ管理部140は、多次元データリアルタイム管理部130により検出された異常な構成要素に設置されたセンサ101としてセンサ名対応テーブル195に示されるセンサ101を特定し、特定したセンサ101の計測条件を新たな計測条件に変更する。
実施の形態1におけるリアルタイム障害監視方法(監視方法の一例)について、図2に基づいて以下に説明する。
データ蓄積管理部110は各センサ101の計測値をセンサデータテーブル191に記録する(S120)。
数値化処理部120はセンサデータテーブル191に基づいて異常センサを検出する(S130)。
異常センサが検出された場合(S150)、多次元データリアルタイム管理部130はセンサパターンテーブル192、構成情報テーブル193および異常要因テーブル194に基づいて異常要因を特定する(S150)。
センサパラメータ管理部140はセンサ名対応テーブル195に基づいて異常要因に設置されているセンサ101に異常時のセンサパラメータを設定する(S160)。
通知部150は異常発生を通知する(S170)。
監視対象を構成する構成要素(後述する「装置」「ユニット」「部品」)に設置された複数のセンサ101は、自己が設置された構成要素の特定量を自己に設定されたセンサパラメータに従って計測する。
各センサ101は、自己のセンサID(識別子)と共に計測値をリアルタイム障害監視装置100に出力(通知、送信)する。
例えば、センサID「s1」で識別されるセンサ101はセンサパラメータに従って定期的に(所定の時間間隔で)計測を行い、センサID「s1」および計測値をリアルタイム障害監視装置100に出力する。
S110の後、処理はS120に進む。
リアルタイム障害監視装置100のデータ蓄積管理部110は、各センサ101のセンサIDおよび計測値を入力し、入力した計測値を時系列に並べセンサIDと対応付けてセンサデータテーブル191に設定する。
例えば、図3に示すように、センサデータテーブル191は「センサID」と「センサデータ」とを対応付けて示す。
「センサID」には、各センサ101のセンサIDが設定される。
「センサデータ」には、対応する「センサID」で識別されるセンサ101の最新の計測値が所定時間分だけ設定される。「センサデータ」は、所定時間分の最新の計測値を保持するため、古い計測値が削除され新たな計測値が追加される。
数値化処理部120は、センサデータテーブル191に設定されている各センサ101の計測値に基づいて、所定範囲外の異常値を計測したセンサ101の有無を判定する。
以下、異常値を計測したセンサ101を「異常センサ」という。
(1)センサデータテーブル191に設定されているセンサデータ(センサ値の時系列データ)に移動平均処理を行い、移動平均値が所定の閾値以上であるセンサデータを異常値として検出する。
(2)センサデータに対する特異値分解を行い、最新の特異値が過去の特異値集合と乖離している(値差が所定値以上である)センサデータを異常値として検出する。
(3)連続Wavelet変換を用いてセンサデータ(信号の周波数に相当)の時間的変化を求め、計測値が不連続であるセンサデータを異常値として検出する。
S130の後、処理はS140に進む。
異常センサが有る場合(YES)、数値化処理部120は異常センサのセンサIDおよび異常センサのセンサデータを多次元データリアルタイム管理部130に出力する。処理はS150に進む。
異常センサが無い場合(NO)、処理はS110に戻る。
多次元データリアルタイム管理部130は、数値化処理部120から出力された異常センサのセンサデータに基づいて異常センサのセンサデータのパターンとセンサパターンテーブル192に定義されているセンサパターンとを比較し、比較結果に基づいて第1の異常要因候補を特定する。
多次元データリアルタイム管理部130は、数値化処理部120から出力された異常センサのセンサIDに基づいて異常センサが設置されている構成要素をセンサ名対応テーブル195から特定し、特定した構成要素を備える上位の構成要素を第2の異常要因候補として構成情報テーブル193から特定する。
多次元データリアルタイム管理部130は、第1の異常要因候補と第2の異常要因候補とのそれぞれの優先度を異常要因テーブル194から特定し、優先度の高い方を異常要因(である構成要素)として異常要因の構成要素IDをセンサパラメータ管理部140および通知部150に出力する。
センサパラメータ管理部140は、多次元データリアルタイム管理部130から出力された異常要因の構成要素IDに基づいて異常要因に設置されているセンサ101とそのセンサ101の異常時のセンサパラメータとをセンサ名対応テーブル195から特定し、特定したセンサ101に異常時のセンサパラメータを出力する。異常要因にセンサ101が設置されていない場合、センサパラメータ管理部140は異常センサに異常時のセンサパラメータを出力する。
センサ名対応テーブル195には「センサID」「設置場所」「パラメータ」が対応付けて定義される。
「センサID」はセンサ101を識別するIDを示す。
「設置場所」はセンサ101が設置されている構成要素を識別するID(構成要素ID)を示す。
「パラメータ」は「通常時」「異常時」「省エネ時」などの状態におけるセンサ101の計測条件を示す。
S160の後、処理はS170に進む。
通知部150は、異常の発生を知らせるメッセージおよび多次元データリアルタイム管理部130から出力された異常要因の構成要素IDを出力装置(例えば、表示装置)に出力する。
管理者は、出力装置に出力されたメッセージおよび構成要素IDにより、どの構成要素に劣化が生じているか又は負荷がかかっているかなど監視対象の状態を把握し、監視対象の状態に応じて構成要素の交換などの対応をとることができる。
実施の形態1における多次元データリアルタイム管理部130の機能構成について、図5に基づいて以下に説明する。
実施の形態1におけるリアルタイム障害監視方法(図2参照)中の異常要因特定処理(S150)について、図6に基づいて以下に説明する。
構成情報比較部132は構成情報テーブル193に基づいて第2の異常要因候補を特定する(S152)。
異常要因判別部133は第1の異常要因候補の優先度と第2の異常要因候補の優先度とを異常要因テーブル194から特定する(S153)。
第1の異常要因候補の優先度の方が高い場合(S154「YES」)、異常要因判別部133は第1の異常要因候補を異常要因に決定する(S155)。
第2の異常要因候補の優先度の方が高い場合(S154「NO」)、異常要因判別部133は第2の異常要因候補を異常要因に決定する(S156)。
図7は、実施の形態1におけるセンサパターン判別処理(S151)のフローチャートである。
センサパターン判別処理(S151)について、図7に基づいて以下に説明する。
センサパターン判別部131は、数値化処理部120から出力された異常センサのセンサIDおよび異常センサのセンサデータを入力する。
同時間帯に複数の異常センサが存在する場合、数値化処理部120からは複数のセンサID(およびセンサデータ)が出力される。例えば、異常が発生した構成要素が複数の構成要素を備え、構成要素毎にセンサ101が設置されている場合である。
センサパターン判別部131は、数値化処理部120から出力されたセンサIDの数に基づいて、異常センサの数が1つであるか又は複数であるかを判定する。
異常センサの数が複数である場合(YES)、処理はS151−2に進む。
異常センサの数が1つである場合(NO)、処理はS151−3に進む。
センサパターン判別部131は、複数の異常センサそれぞれのセンサIDから未選択のセンサIDを一つ選択する。
選択されたセンサIDは、以降のS151−3〜4で用いられる。
S151−2の後、処理はS151−3に進む。
センサパターン判別部131は、センサパターンテーブル192に定義されている複数のセンサパターンのうち異常センサのセンサデータの変化パターンに最も類似するセンサパターンを特定する。
例えば、センサパターン判別部131は、異常センサのセンサデータとセンサパターンテーブル192の各センサパターンとを主成分分析し、特徴量を比較して異常センサのセンサデータに最も類似するセンサパターンを特定する。
例えば、図8に示すように、センサパターンテーブル192には互いに異なる複数のセンサパターン(Pt1〜Pt4)が定義されている。センサパターンは、特定の構成要素に異常が発生した場合にその構成要素に設置されたセンサ101のセンサデータが示すであろうと予測されるセンサ値の時系列変化を表したデータである。
センサパターンは、過去の異常発生時のセンサデータやセンサデータのシミュレーション結果に基づいて予め定義される。
センサパターン判別部131は、特定したセンサパターンに対応する異常要因および優先度をセンサパターンテーブル192から特定する。
例えば、図9に示すように、センサパターンテーブル192には「パターンID」「センサパターン」「異常要因」「優先度」が互いに対応付けて定義されている。
「パターンID」は、センサパターンを識別するIDを示す。
「センサパターン」は、センサパターンを表す時系列に並んだセンサ値を示す。
「異常要因」は、異常要因であると推定される構成要素の構成要素IDを示す。
「優先度」は、センサパターンおよび異常要因の優先度(重要度)を示す。
また、異常センサ「s2」のセンサデータがセンサパターン「Pt4」に類似した場合、図9に示すセンサパターンテーブル192に基づいて異常要因として部品「s1」が特定され、優先度「2」が特定される。
センサパターン判別部131は、数値化処理部120から出力された全ての異常センサのセンサIDに対して異常要因および優先度を特定したか判定する。
全ての異常センサのセンサIDに対して異常要因および優先度を特定した場合(YES)、処理はS151−6に進む。
異常要因および優先度を特定していない異常センサのセンサIDが残っている場合(NO)、処理はS151−2に戻る。
センサパターン判別部131は、異常センサのセンサID毎に特定した異常要因のうち優先度が最も高いものを第1の異常要因候補として特定する。
例えば、図9において、異常センサ「a1」の異常要因が装置「b1」、優先度「1」であり、異常センサ「a2」の異常要因が部品「a1」、優先度「2」である場合、優先度が高い方の異常要因である装置「b1」が第1の異常要因候補として特定される。
異常センサが一つである場合、その異常センサのセンサIDに対して特定された異常要因が第1の異常要因候補となる。
S151−6により、センサパターン判別処理(S151)は終了する。
図10は、実施の形態1における構成情報比較処理(S152)のフローチャートである。
構成情報比較処理(S152)について、図10に基づいて以下に説明する。
構成情報比較部132は、数値化処理部120から出力された異常センサのセンサIDを入力し、異常センサの数が1つであるか又は複数であるかを判定する。
異常センサの数が複数である場合(YES)、処理はS152−2に進む。
異常センサの数が1つである場合(NO)、処理はS152−3に進む。
構成情報比較部132は、複数の異常センサそれぞれのセンサIDから未選択のセンサIDを一つ選択する。
選択されたセンサIDは、以降のS152−3で用いられる。
S152−2の後、処理はS152−3に進む。
構成情報比較部132は、異常センサのセンサIDに基づいて異常センサが設置されている構成要素をセンサ名対応テーブル195から特定する。
例えば、図4に示すセンサ名対応テーブル195において、異常センサ「s1」が設置されている構成要素(設置場所)として部品「a1」が特定される。
S152−3の後、処理はS152−4に進む。
構成情報比較部132は、数値化処理部120から出力された全ての異常センサのセンサIDに対して構成要素を特定したか判定する。
全ての異常センサのセンサIDに対して構成要素を特定した場合(YES)、処理はS152−5に進む。
構成要素を特定していない異常センサのセンサIDが残っている場合(NO)、処理はS152−2に戻る。
構成情報比較部132は、異常センサのセンサID毎に特定した全ての構成要素に共通する上位の構成要素、つまり、特定された全ての構成要素を下位の構成要素とする上位の構成要素を第2の異常要因候補として構成情報テーブル193に基づいて特定する。
異常センサが一つである場合、その異常センサのセンサIDに対して特定された構成要素またはその上位の構成要素を第2の異常要因候補とする。
また、特定された全ての構成要素に共通する上位の構成要素が監視対象以外に無い場合、特定された全ての構成要素のうち1つまたは複数の構成要素を除いた残りの構成要素に共通する上位の構成要素があれば、その構成要素を第2の異常要因候補とする。
例えば、図11に示すように、構成情報テーブル193には監視対象「製品」を構成する各構成要素の関係が木構造で定義されている。
異常センサ「s1」が設置されている構成要素が部品「a1」であり、異常センサ「s2」が設置されている構成要素が部品「a2」である場合、部品「a1」「a2」の上位の構成要素であるユニット「u1」が第2の異常要因候補として特定される。
異常要因判別部133は、センサパターン判別部131により特定された第1の異常要因候補の優先度と構成情報比較部132により特定された第2の異常要因候補の優先度とを異常要因テーブル194から特定する。
例えば、図12に示すように、異常要因テーブル194には「異常要因」「優先度」が対応付けて定義されている。
「異常要因」は、構成要素IDを示す。
「優先度」は、異常要因の優先度を示す。
異常要因判別部133は、第1の異常要因候補の優先度と第2の異常要因候補の優先度とのどちらの優先度が高いか判定する。
第1の異常要因候補の優先度が高い場合(YES)、処理はS155に進む。
第2の異常要因候補の優先度が高い場合(NO)、処理はS156に進む。
異常要因判別部133は、第1の異常要因候補を異常要因として異常要因の構成要素IDをセンサパラメータ管理部140および通知部150に出力する。
S155により、異常要因特定処理(S150)は終了する。
異常要因判別部133は、第2の異常要因候補を異常要因として異常要因の構成要素IDをセンサパラメータ管理部140および通知部150に出力する。
S156により、異常要因特定処理(S150)は終了する。
図13において、リアルタイム障害監視装置100は、CPU911(Central・Processing・Unit)(マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信ボード915、表示装置901、キーボード902、マウス903、ドライブ装置904、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。ドライブ装置904は、FD(Flexible・Disk・Drive)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital・Versatile・Disc)などの記憶媒体を読み書きする装置である。
数値化処理部は定期的にセンサテーブルから一定の時間帯のセンサ値を読み込み、異常判定の処理を行う。センサ値に異常が認められた場合、多次元データリアルタイム管理部へ異常を報告する。
多次元データリアルタイム管理部は数値化処理部から異常の報告を待ち受け、異常が発生した場合に障害の要因を特定する。多次元データリアルタイム管理部は障害の要因を特定する際、センサパターンテーブル、構成情報テーブル、障害要因テーブルの3つのテーブルを参照する。多次元データリアルタイム管理部で特定された障害の要因は利用者へ通知される。さらに、センサパラメータ管理部へ監視が必要なセンサに関する情報を送信する。
センサパラメータ管理部は監視が必要なセンサへパラメータを変更するコマンドを送信する。
データ蓄積管理部はセンサから定期的に情報を読み出す。センサの故障が発生しセンサからの値が得られない場合、その時点の値は「0」である。次にセンサのID番号がセンサデータテーブルに存在するか確認する。センサのID番号が既にセンサデータテーブルに存在する場合は該当箇所にセンサ値の追記を行う。センサのID番号がセンサデータテーブルに存在しない場合は該当箇所を新規に設けてセンサ値を記載する。
センサの時系列値の長さはシステム起動時に設定する。
図8のセンサパターンテーブルにおいて、センサパターンPt1は時系列値の変化が長期間に渡り、部品の交換などの要因の解決に時間がかかる。このため、センサパターンPt1の異常は早期に知る必要がある。センサパターンPt2は時系列値の変化が中期間で発生する。センサパターンPt2は要因の解決に時間がかかるものの重大な異常ではないとして優先順位は低いものとする。センサパターンPt3とセンサパターンPt4とは時系列値の変化が短期間で発生するが時系列値の変化推移が異なる。図9の場合、センサパターンPt1が選択され、異常の要因として装置b1が通知される。
ここで、部品a1をセンシングしたセンサと部品a2をセンシングしたセンサとから同時期に異常が報告されたとする。その際、図11の構成情報テーブルにおいて部品a1と部品a2が異常となる。次に要因の探索を行い、部品a1と部品a2との共通の親であるユニットu1を要因とする。また別の時間に部品a3をセンシングしたセンサと部品a4をセンシングしたセンサとから異常が報告された場合、構成情報テーブルの部品a3と部品a4が異常となり、両者の共通の親ノードであるユニットu2が異常の要因となる。
例えば、図12のように、センサパターン判別部から装置b1が異常要因であると通知され、また構成情報比較部からユニットu1が異常要因であると通知される。異常要因判別部は異常要因テーブルを参照し、通知の優先度を決定する。例では装置b1の優先度が「2」、ユニットu1の優先度が「1」であるためユニットu1が異常要因となる。
例えば、多次元データリアルタイム管理部から異常の要因(ユニットu1)と異常を報告したセンサ(a1、a2)が送信される。センサパラメータ管理部は図4のセンサ名対応テーブルから異常の要因であるユニットu1に設置されているセンサを参照する。このとき該当するセンサの項目はなく、ユニットu1にセンサが設置されていないことがわかる。次にセンサ名対応テーブルを参照し、異常を報告したセンサa1へパラメータPr2を送信する。同様にセンサa2へパラメータPr2を送信する。
監視対象の状態を判定するための判定条件を監視状況に応じて変更する形態について説明する。
以下、実施の形態1と異なる事項について主に説明する。説明を省略する事項については実施の形態1と同様である。
実施の形態2におけるリアルタイム障害監視装置100の機能構成について、図14に基づいて以下に説明する。
監視条件決定部160は、状態条件テーブル196に基づいて、監視状況に対応する異常判定閾値およびセンサパターンテーブル192をCPUを用いて特定する。
また、監視条件決定部160が各センサ101の計測値に基づいて運転状況を判定してもよい。例えば、監視条件決定部160は、片側の車輪に係る重量(計測値)が逆側の車輪に係る重量より所定の閾値以上重い場合、「カーブ走行中」と判定する。
また、監視条件決定部160が特定の装置から監視状況の情報を取得してもよい。例えば、監視条件決定部160は、列車管理装置から「直線走行中」「カーブ走行中」「ブレーキ中」などの情報を取得したり、計算機(監視対象)から「起動中」「待機中」「停止中」などの情報を取得したり、気象情報装置や地震速報装置から「晴天」「雨天」「地震発生」「台風接近」などの情報を取得したりする。
監視条件決定部160は、「直線走行中」であれば「直線走行中」に対応する異常判定閾値およびセンサパターンテーブル192を状態条件テーブル196から特定する。
センサパターン判別部131は、監視条件決定部160により特定されたセンサパターンテーブル192を用いて第1の異常要因候補を特定する。
実施の形態1、2と異なる形態の監視システムについて説明する。
図15は、実施の形態3の実施例1におけるリアルタイム障害監視システム200の構成図である。
実施の形態3の実施例1におけるリアルタイム障害監視システム200について、図15に基づいて以下に説明する。
計算機室には、ネットワーク202に接続されたサーバ装置(以下、「サーバ203」という)および多数の端末装置(以下、「端末204」という)が設置されると共に、複数のセンサ201(温度センサ、照度センサなど)が設置されている。
監視装置210は実施の形態1、2のリアルタイム障害監視装置100に相当する。
監視状態判断部211は多次元データリアルタイム管理部130と監視条件決定部160とに相当し、監視条件動的化部212はセンサパラメータ管理部140に相当し、監視状態通知部213は通知部150に相当し、センサデータ蓄積部219はデータ蓄積管理部110に相当する。
監視状態判断部211は「稼働率が高い」という監視状況を特定し、監視状況を監視条件動的化部212に通知する。
監視条件動的化部212は、温度センサや照度センサから通知されたセンサ値をセンサデータ蓄積部219に時系列に記録する。
例えば、監視条件動的化部212は、室温が継続して高い場合、計算機室の状態として「空調機の故障」または「空調機の設定異常」であると判定する。
また、監視条件動的化部212は、室温が継続して高く、照度が継続して低い場合、計算機室の状態として「不正入室」であると判定する。端末204が暗闇で使用されているからである。
センサデータに基づく判定条件は状態条件テーブルとして予め定義されているものとする。
監視状態判断部211は特定した計算機室の状態を監視状態通知部213に通知する。
サーバ203は監視状態通知部213から通知された計算機室の状態に応じて所定の動作を行う。
例えば、サーバ203は「空調機の設定異常」である場合、新たな設定情報(風量の増量、設定温度の低下など)を空調機に送信し、「不正入室」である場合、管理室の端末装置に警報メッセージを送信する。
図16は、実施の形態3の実施例2における鉄道情報システムの動作フローを示す図である。
実施の形態3の実施例2における鉄道情報システムの動作フローについて、図16に基づいて以下に説明する。
例えば、運転手がブレーキをかけた際、監視状態判断部は外部状態としてブレーキの制動情報を受け取る。一定期間ブレーキの制動が継続した場合、監視状態判断部は「ブレーキ中」であることを判断して監視条件動的化部へ監視のトリガを送信する。
各温度センサはブレーキパッドの温度を計測し、100度を超えた場合に監視条件動的化部へ計測した温度を送信する。温度センサは一定期間計測を継続する。
監視条件動的化部は温度センサからの通知を一定期間待ち受け、温度センサの動作を停止する。温度センサからの計測データはセンサデータテーブルへ記録する。
さらに、監視条件動的化部は、監視状態判断部へ計測終了の通知を送る。
異常状態の通知を受けた監視状態通知部は列車管理装置に警報を通知する。
(1)列車の各車輪に偏りが発生し、かつ各車輪の振動加速度が均衡でない(各車輪にかかる重量および振動加速度の差が所定値以上)。これは列車がカーブを走行中であることを示す。
(2)速度XKm以上でブレーキ制動が複数回発生し、かつ車輪が滑走(回転)状態にある。これは列車にスリップが発生していることを示す。
(3)路線Aにおいて天候が雨で、営業キロ程がXXmに達した際にブレーキ制動が発生した。これは路線Aにおいて営業キロ程がXXmの箇所から坂道が続いており、雨天走行時に注意することが求められている場合の条件である。
図17は、実施の形態3の実施例3における河川監視システムの動作フローを示す図である。
実施の形態3の実施例3における河川監視システムについて、図17に基づいて以下に説明する。
監視状態判断部は天候情報に基づいて監視対象の近隣の場所で「台風が発生」していることを判断し、監視条件動的化部へ監視トリガを送信する。
各湿度センサは土壌の水分量を計測し、湿度が「80%」を超えた場合に監視条件動的化部へ計測した湿度を送信する。湿度センサは土壌の水分量を一定時間計測する。計測結果は監視状態動的化部によりセンサデータテーブルへ記録される。
監視条件動的化部は湿度センサからの通知を一定期間待ち受け、湿度センサの動作を停止し、監視状態判断部へ計測終了の通知を送信する。
通知を受けた監視状態通知部は土砂崩れの恐れがあること知らせる警報を発する。
図18は、実施の形態3の実施例4における法面監視システムの動作フローを示す図である。
実施の形態3の実施例4における法面監視システムについて、図18に基づいて以下に説明する。
法面とは鉄道や道路の側面にある切土、盛土、岩盤などで形成される人口の斜面である。
各振動センサは法面の振動状態を計測し、加速度が「0.8G」以上発生した場合に監視条件動的化部に計測した加速度を送信する。
監視条件動的化部は計測結果をセンサデータテーブルへ記録し、監視状態判断部へ計測終了の通知を送信する。
異常発生の通知を受けた監視状態通知部は警報を発する。
監視システムは、監視状態判断部、監視条件動的化部、監視状態通知部およびセンサデータテーブルを備える。
監視状態判断部は、監視対象の置かれている状態をリアルタイムに把握するための技術である。監視対象の過去の状態(センサデータ)と外部の状態(監視状況)から現在の状態を推定する。
さらに、監視状態判断部は、監視対象の異常な変化を漏れなく収集するための技術である。
監視条件動的化部は、監視対象を監視する条件を導出するための技術である。監視条件から各センサへ与えるべき計測ルールを外部の状態に応じて動的生成する。
センサデータテーブルは、監視条件動的化部によりセンサの計測データが記録される。
監視状態通知部は、監視対象の状態に応じて警報を通知する。
実施の形態では、従来の固定条件での定期的な監視でなく、部品状態を常時監視し、機器の監視状況に応じて監視条件を変更する方式を提案した。これにより部品が劣化する兆候を漏れなく監視することを可能にする。
次に監視の状態情報から各センサへ計測の指示を行うことにより、機器の状態に適したセンシングを可能にする。
次に機器ごとにセンサ情報の時間的な推移を蓄積し検知に用いることで機器の劣化の兆候の検出を可能にする。
最後に機器の構成情報を用いた異常の判定と組み合わることで、異常が発生した要因を推定することを可能にする。
Claims (11)
- 複数のセンサそれぞれにより特定の計測条件で計測された監視対象の特定量を示す前記複数のセンサそれぞれの計測値に基づいて前記監視対象の状態をCPU(Central Processing Unit)を用いて特定する状態特定部と、
前記状態特定部により特定された前記監視対象の状態に基づいて前記複数のセンサのうち特定のセンサの新たな計測条件をCPUを用いて決定し、前記特定のセンサの計測条件を前記新たな計測条件に変更する計測条件変更部と、
前記状態特定部により特定された前記監視対象の状態を出力装置に出力する状態出力部と
を備えたことを特徴とする監視装置。 - 前記監視装置は、さらに、
特定の状態毎に特定の計測条件を示す計測条件情報を記憶する監視装置記憶部を備え、
前記計測条件変更部は、前記計測条件情報に特定の状態毎に示される計測条件のうち前記状態特定部により特定された状態の計測条件を新たな計測条件とする
ことを特徴とする請求項1記載の監視装置。 - 前記複数のセンサそれぞれは、前記監視対象を構成する複数の対象部品のうち所定の対象部品の特定量を前記監視対象の特定量として計測し、
前記監視装置記憶部は、さらに、
前記所定の対象部品をセンサ毎に示すセンサ情報を記憶し、
前記状態特定部は、前記複数のセンサそれぞれの計測値に基づいて異常な対象部品を特定し、当該対象部品の異常を前記監視対象の状態とし、
前記計測条件変更部は、前記状態特定部により特定された対象部品を前記所定の対象部品とするセンサとして前記センサ情報に示されるセンサを特定し、特定したセンサの計測条件を前記新たな計測条件に変更する
ことを特徴とする請求項2記載の監視装置。 - 前記監視装置記憶部は、さらに、
前記複数のセンサそれぞれの計測値を時系列に並べた計測値時系列データと、
特定量の時系列の変化パターンを判別パターンとして複数示すと共に特定の対象部品を判別パターン毎に示す判別パターン情報とを記憶し、
前記監視装置は、さらに、
前記複数のセンサそれぞれの計測値時系列データに基づいて、前記複数のセンサのうち異常値を計測したセンサを異常センサとしてCPUを用いて特定する異常センサ特定部を備え、
前記状態特定部は、
前記判別パターン情報に判別パターン毎に示される対象部品のうち前記異常センサの計測値時系列データに対応する判別パターンの対象部品をCPUを用いて特定するパターン判別部と、
前記パターン判別部により特定された対象部品の異常を前記監視対象の状態とする状態判別部とを備える
ことを特徴とする請求項3記載の監視装置。 - 前記監視装置記憶部は、さらに、
前記複数の対象部品を上位部品と当該上位部品を構成する下位部品とに分けて示す構成情報と、
前記複数の対象部品それぞれの優先度を示す部品優先度情報とを記憶し、
前記状態特定部は、さらに、
前記構成情報に示される上位部品のうち前記センサ情報に示される前記異常センサの対象部品を下位部品とする上位部品をCPUを用いて特定する構成判別部を備え、
前記状態判別部は、
前記パターン判別部により特定された対象部品と前記構成判別部により特定された上位部品とのうち前記部品優先度情報に示される優先度が高い部品の異常を前記監視対象の状態とする
ことを特徴とする請求項4記載の監視装置。 - 前記監視装置記憶部は、さらに、
前記監視対象を構成する複数の対象部品を上位部品と当該上位部品を構成する下位部品とに分けて示す構成情報を記憶し、
前記監視装置は、さらに、
前記複数のセンサのうち異常値を計測したセンサを異常センサとしてCPUを用いて特定する異常センサ特定部を備え、
前記状態特定部は、
前記構成情報に示される上位部品のうち前記センサ情報に示される前記異常センサの対象部品を下位部品とする上位部品をCPUを用いて特定する構成判別部と、
前記構成判別部により特定された上位部品の異常を前記監視対象の状態とする状態判別部とを備える
ことを特徴とする請求項3記載の監視装置。 - 前記監視装置記憶部は、特定の状況毎に特定の判別パターン情報を記憶し、
前記監視装置は、さらに、
特定量を増減させる状況を監視状況としてCPUを用いて検出する監視状況検出部と、
前記監視状況検出部により検出された監視状況に対応する判別パターン情報を前記パターン判別部により用いられる判別パターン情報としてCPUを用いて特定する判別パターン特定部とを備える
ことを特徴とする請求項4または請求項5記載の監視装置。 - 監視対象の特定量を計測するセンサの計測条件を前記特定量を増減させる特定の状況毎に示す計測条件情報を記憶する計測条件情報記憶部と、
前記特定量を増減させる状況を監視状況としてCPU(Central Processing Unit)を用いて検出する監視状況検出部と、
前記計測条件情報に特定の状況毎に示される計測条件のうち前記監視状況検出部により検出された監視状況の計測条件をCPUを用いて特定し、特定した計測条件で前記センサに前記監視対象の特定量を計測させる計測条件指定部と、
前記計測条件指定部により特定された計測条件で計測された前記センサの計測値に基づいて前記監視対象の状態をCPUを用いて特定する状態特定部と、
前記状態特定部により特定された前記監視対象の状態を出力装置に出力する状態出力部と
を備えたことを特徴とする監視装置。 - 状態特定部が、複数のセンサそれぞれにより特定の計測条件で計測された監視対象の特定量を示す前記複数のセンサそれぞれの計測値に基づいて前記監視対象の状態をCPU(Central Processing Unit)を用いて特定し、
計測条件変更部が、前記状態特定部により特定された前記監視対象の状態に基づいて前記複数のセンサのうち特定のセンサの新たな計測条件をCPUを用いて決定し、前記特定のセンサの計測条件を前記新たな計測条件に変更し、
状態出力部が、前記状態特定部により特定された前記監視対象の状態を出力装置に出力する
ことを特徴とする監視方法。 - 計測条件情報記憶部が、監視対象の特定量を計測するセンサの計測条件を前記特定量を増減させる特定の状況毎に示す計測条件情報を記憶し、
監視状況検出部が、前記特定量を増減させる状況を監視状況としてCPU(Central Processing Unit)を用いて検出し、
計測条件指定部が、前記計測条件情報に特定の状況毎に示される計測条件のうち前記監視状況検出部により検出された監視状況の計測条件をCPUを用いて特定し、特定した計測条件で前記センサに前記監視対象の特定量を計測させ、
状態特定部が、前記計測条件指定部により特定された計測条件で計測された前記センサの計測値に基づいて前記監視対象の状態をCPUを用いて特定し、
状態出力部が、前記状態特定部により特定された前記監視対象の状態を出力装置に出力する
ことを特徴とする監視方法。 - 請求項9または請求項10記載の監視方法をコンピュータに実行させる監視プログラム。
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