JP6484708B2 - 網膜疾患を予防及び治療するための、有効成分としてスピルリナ・マキシマ抽出物を含有する医薬組成物 - Google Patents

網膜疾患を予防及び治療するための、有効成分としてスピルリナ・マキシマ抽出物を含有する医薬組成物 Download PDF

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Description

1.発明の分野
本発明は、網膜疾患を予防及び治療するための、有効成分としてスピルリナ・マキシマ(Spirulina maxima)抽出物を含有する医薬組成物に関する。
2.関連技術の説明
視覚文化の洪水の中に暮らし、生活情報の少なくとも80〜90%を眼を通して得ている現代社会の人々は継続的に視力の低下を経験しており、環境上の理由によって引き起こされる視力の低下率が継続的に増加していることが示唆される。現代の人々は、コンピュータ及びスマートフォンなど、様々なデジタル画面の前で大半の時間を費やしている。問題なのは、スマートフォンなどのデジタルデバイスの画面のために用いられるLEDが、眼の健康を脅かす青色光を放射することである。青色光は、可視光線の中で400〜500nmにおいて検出される青色を有する光であり、デジタルデバイス又はスマートフォンから放射される光によって例示される。デジタルデバイスが夜間につけられる場合に画面が実際には白色でも全体として青色のように見えるが、これは青色光の良い例である。人が長時間青色光に曝露される場合、この光は視神経を刺激して疲労及び他の眼疾患を引き起こす。
青色光は、エネルギーが強力であり、透過能が高い。したがって、この光がそのまま眼を通過した後、それによって網膜は焦点を失い、それは対象がはっきりと見えないことを示唆する。したがって、青色光への慢性的な曝露は、網膜の老化及び変性の原因である。青色光によるヒトに対する影響は、ドライアイ、眼の疲労、視力の衰え、様々な眼疾患、視細胞(網膜)の老化、黄斑変性症、及びメラトニン合成阻害によって引き起こされる不眠によって例示される(Ganka Gakkai Zasshi.2001年10月;105巻(10号):687〜95頁、Archives of Ophthalmology 1992年;110巻:99〜104頁、Review of Ophthalmology 2003年10月15日;10巻(10号))。
網膜は、眼球壁の最内側に位置し、硝子体と接触する、透明な薄膜である。網膜は対象の光情報を電気的信号に変換して視神経から脳の視覚野に画像を送達していることから、網膜が一次視覚情報系としての役割を果たしていることが示唆される。網膜は、1億個を超える感光性の光受容細胞、100万個を超える視神経細胞(optic neuron)、いわゆる神経節細胞、及びこれらを一緒に連結させるワイヤーとして働く多数の神経細胞を含む。そのため、網膜は、人体の器官のうち最も精緻な器官である。網膜の中心部分である黄斑は、色及び物体を識別し、視覚を提供し、錐体細胞及び神経節細胞層を含む光受容細胞層から構成される。この領域は薄く、この領域中で光の当たっている画像の電気的信号が化学信号に変換され、視神経を通して脳に送達される。黄斑を除く他の部分は、外縁を認識し、主に暗闇で機能している。ヒト脳細胞のおよそ30%を用いて、網膜によって送られた視覚情報が処理される。網膜が老化する又は外因によって引き起こされる問題があると、視力及び視野はゆっくりと弱っていき、視力障害になり、最悪の事態では失明する。網膜疾患は、神経網膜が網膜色素上皮から剥離し、それによって、網膜が眼球の裏側に分離し、視力障害を引き起こす網膜剥離、網膜末梢組織中で問題を引き起こす末梢網膜変性、及び黄斑中で問題を引き起こす黄斑変性症の主に3つのグループに分けられている。網膜が色素上皮から剥離する場合、網膜は受信した画像について光情報を受け取ることができず、また脈絡膜からの栄養供給を得られない。そのため、神経細胞は、適正に機能していない。この問題が放置される場合、永久的な網膜の変性(neurodeatrophia)を引き起こし、その結果、失明する。失明の主な原因は、網膜疾患によって引き起こされる視力障害である。網膜疾患は、老化に伴って発症し、遺伝的な理由又は強度近視若しくは外傷によって引き起こされる。失明は、白内障に次いで2番目に頻度の高い眼疾患である。失明を引き起こす主な3つの眼疾患は、糖尿病網膜症、黄斑変性症、及び緑内障である。網膜疾患は、致死性ではない。しかしながら、高齢者人口の増加及び産業化の進歩及び食事によって、網膜疾患は急速に増加している。したがって、外科的な方法に加えて、合成の治療薬の代わりに摂取することができる、生薬に基づいた、網膜疾患を治療するための組成物を開発することが、重要かつ急務である。
スピルリナ・マキシマは、塩分の多いアルカリ性の熱帯地域、例えば、アフリカのチャド湖及びメキシコのテスココ湖などで繁殖している微細藻類の一種である。スピルリナ・マキシマ細胞は、大量のクロロフィル及びフィコシアニンを含有し、これにより活性二酸化炭素同化により成長するために太陽光線を吸収する。そのような色素により、この藻類は、青緑色であるので、アオコ(ラン藻類)に分類されている。
電子顕微鏡が開発されて以来、微生物の細胞構造は、細かく同定されている。その結果、緑藻類又は褐藻類の構造が、高等植物の構造と異なることが開示された。すなわち、緑藻類の構造は、真核生物の構造であり、これは、高等植物の構造と同等である。その一方で、ラン藻類の構造は、細菌の構造と類似している原核生物の構造として同定された。1960年代初期から、一部の微生物学者は、ラン藻類が藻類よりも細菌に近くラン藻類は細菌門(Bacteriomycota)に含める必要があることを支持してきた。今日、この主張は認められており、したがって、上記のラン藻類は、現在、ラン藻細菌の群に分類されている。しかしながら、産業分野では、ラン藻類は依然として、通常「微細藻類」と呼ばれている。
スピルリナ・マキシマという名称は、そのらせん形状に由来する。二本鎖DNAを有することを考慮すると、動物と植物の中間にあることを特徴とするシアノバクテリアに属するらせん状の細菌である。スピルリナ・マキシマは、タンパク質55〜70%、脂質6〜9%、炭水化物15〜20%、並びにミネラル、ビタミン、繊維、及びフィグメント(figment)などの他の微量成分から構成される可食微生物である。スピルリナ・マキシマは、高濃度のタンパク質だけでなく、8種の必須アミノ酸もすべて含む。この微生物中に含まれる脂肪は主に遊離脂肪酸(70〜80%)であり、これはリノール酸及びγ-リノレン酸によって例示される。スピルリナ・マキシマは、低濃度の炭水化物を有する。しかしながら、それはラムノース及びグリコーゲンを含有し、インスリンの助けなく吸収され得るので、糖尿病患者のためのエネルギー源として用いることができることが示唆される。先住民は、食用にこの微細藻類を採取してきた。栄養学的研究から、この藻類が、アミノ酸を含む、高濃度のタンパク質などの有利な成分及び人体に役に立つ他の栄養素から構成されることが確認された。上記の有利な成分は、アロフィコシアニン(Allophycocyanin)、R-フィコエリチン(phycoerythin)、及びC-フィコシアニンによって例示される(Nanni B.ら、Microbiol Res.2001年;156巻(3号):259〜66頁;Hangeul Donguibogam http://donguibogam.co.kr)。
本発明者らは、網膜疾患を予防及び治療するための組成物を開発することを試みた。その結果、本発明者らは、スピルリナ・マキシマ抽出物が、細胞死、及び青色光によってA2E(ピリジニウムビス-レチノイド)が酸化されるのを抑制する効果を有することを確認した。その後、本発明者らは、前記スピルリナ・マキシマ抽出物並びにアロフィコシアニン、R-フィコエリチン(phycoerthin)、及びC-フィコシアニンなどのその主な構成成分が、網膜疾患を予防及び治療するための医薬組成物として有用であり得ることを確認し、それが本発明の完成につながった。
本発明の目的は、有効成分として、スピルリナ・マキシマ抽出物及びアロフィコシアニン、R-フィコエリトリン(phycoerythrin)、又はC-フィコシアニンを含む、網膜疾患を予防及び治療するための医薬組成物並びにそれを含む網膜疾患を改善するための健康食品を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明は、有効成分としてスピルリナ・マキシマ抽出物を含む、網膜疾患を予防及び治療するための医薬組成物を提供する。
本発明はまた、有効成分としてスピルリナ・マキシマ抽出物を含む、網膜疾患を予防及び改善するための健康機能性食品を提供する。
本発明は、有効成分としてアロフィコシアニン、R-フィコエリトリン、又はC-フィコシアニンを含む、網膜疾患を予防及び治療するための医薬組成物をさらに提供する。
さらに、本発明は、有効成分としてアロフィコシアニン、R-フィコエリトリン、又はC-フィコシアニンを含む、網膜疾患を予防及び改善するための健康機能性食品を提供する。
本発明はまた、以下に関する。
[1] 有効成分としてスピルリナ・マキシマ抽出物を含む、網膜疾患を予防及び治療するための医薬組成物。
[2] スピルリナ・マキシマ抽出物が、アロフィコシアニン(APC)、R-フィコエリトリン(R-PE)、及びC-フィコシアニン(C-PC)からなる群から選択される、1つ以上の成分を特徴的に含有する、上記[1]に記載の網膜疾患を予防及び治療するための医薬組成物。
[3]スピルリナ・マキシマ抽出物が、遠心抽出、溶媒抽出、又は超音波抽出によって抽出されている、上記[1]に記載の網膜疾患を予防及び治療するための医薬組成物。
[4] スピルリナ・マキシマ抽出物が、青色光によって酸化されたピリジニウムビス-レチノイド(A2E)を抑制する効果を特徴的に示す、上記[1]に記載の網膜疾患を予防及び治療するための医薬組成物。
[5] 網膜疾患が、黄斑変性症、緑内障、アッシャー症候群、スタルガルト病、バルデー-ビードル症候群、ベスト病、先天性脈絡膜欠如、脳回転状網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、黄斑変性症、レーバー先天黒内障(レーバー遺伝性視神経萎縮症)、BCM(青錐体全色覚異常)、網膜分離症、ML(マラチアレベンティニーズ)、小口病、及びレフサム病からなる群から選択される、上記[1]に記載の網膜疾患を予防及び治療するための医薬組成物。
[6] スピルリナ・マキシマ抽出物が、網膜の細胞死を特徴的に抑制する、上記[1]に記載の網膜疾患を予防及び治療するための医薬組成物。
[7] 有効成分としてスピルリナ・マキシマ抽出物を含む、網膜疾患を予防及び改善するための健康機能性食品。
[8] スピルリナ・マキシマ抽出物が、遠心抽出、溶媒抽出、又は超音波抽出によって抽出されている、上記[7]に記載の網膜疾患を予防及び改善するための健康機能性食品。
[9] スピルリナ・マキシマ抽出物の有効用量を網膜疾患を有する対象に投与するステップを含む、網膜疾患を治療するための方法。
[10] スピルリナ・マキシマ抽出物の有効用量を、対象に投与するステップを含む、網膜疾患を予防するための方法。
[11] 網膜疾患を予防及び治療するための薬物の調製用のスピルリナ・マキシマ抽出物。
[12] 網膜疾患を予防及び改善するための健康機能性食品の調製用のスピルリナ・マキシマ抽出物。
[13] アロフィコシアニン(APC)、R-フィコエリトリン(R-PE)、及びC-フィコシアニン(C-PC)からなる群から選択される1種以上の有効成分を含む、網膜疾患を予防及び治療するための医薬組成物。
[14] アロフィコシアニン、R-フィコエリトリン、又はC-フィコシアニンが、青色光によって酸化されたピリジニウムビス-レチノイド(A2E)を抑制する効果を有する、上記[13]に記載の網膜疾患を予防及び治療するための医薬組成物。
[15] アロフィコシアニン、R-フィコエリトリン、又はC-フィコシアニンが、網膜の細胞死を特徴的に抑制する、上記[13]に記載の網膜疾患を予防及び治療するための医薬組成物。
[16] アロフィコシアニン、R-フィコエリトリン、及びC-フィコシアニンからなる群から選択されるこれらの有効成分のうち1種又は少なくとも2種を含む、網膜疾患を予防及び改善するための健康機能性食品。
[17] アロフィコシアニン、R-フィコエリトリン、及びC-フィコシアニンからなる群から選択されるこれらの有効成分のうち1種又は少なくとも2種の有効用量を、網膜疾患を有する対象に投与するステップを含む網膜疾患を治療するための方法。
[18] アロフィコシアニン、R-フィコエリトリン、及びC-フィコシアニンからなる群から選択されるこれらの有効成分のうち1種又は少なくとも2種の有効用量を対象に投与するステップを含む、網膜疾患を予防するための方法。
[19] 網膜疾患を予防及び治療するための薬物を調製するためのアロフィコシアニン、R-フィコエリトリン、及びC-フィコシアニンの使用。
[20] 網膜疾患を予防及び改善するための健康機能性食品を調製するためのアロフィコシアニン、R-フィコエリトリン、及びC-フィコシアニンの使用。
本発明のスピルリナ・マキシマ抽出物並びにスピルリナ・マキシマ抽出物の構成成分であるアロフィコシアニン(APC)、R-フィコエリトリン(R-PE)、及びC-フィコシアニン(C-PC)は、細胞死及び青色光で酸化されたA2E(ピリジニウムビス-レチノイド)を抑制する効果を示すので、本発明は、網膜疾患を予防及び治療するための組成物中の有効成分として有用に適用することができる。
本発明の好ましい実施形態の適用は、添付図面を参照して最も良く理解される。
アロフィコシアニン(APC)、R-フィコエリトリン(R-PE)、及びC-フィコシアニン(C-PC)の、酸化A2E(ピリジニウムビス-レチノイド)に対する抑制効果を図示するグラフである。 細胞中に蓄積されたA2Eを含有するARPE-19細胞(試料での後処理)において青色光によって引き起こされる細胞死からのアロフィコシアニン、R-フィコエリトリン、及びC-フィコシアニンの細胞保護効果を図示するグラフである:A2E:A2E蓄積後青色光で処理されなかった細胞、A2E BL:A2E蓄積後青色光で処理した細胞(陰性対照)、APC:25μg/ml、R-PE:25μg/ml、並びにC-PC:6.25、12.5、25、50、及び100μg/ml。 ARPE-19細胞において青色光により引き起こされる細胞死からのアロフィコシアニン、R-フィコエリトリン、及びC-フィコシアニンの細胞保護効果を図示するグラフである(図3bのための予備的実験):APC:12.5、25、及び40μg/ml、R-PE:12.5、25、及び40μg/ml並びにC-PC:12.5、25、50、100、及び200μg/ml。 ARPE-19細胞(試料で前処理)において青色光によって引き起こされる細胞死からの、アロフィコシアニン、R-フィコエリトリン、及びC-フィコシアニンの細胞保護効果を図示するグラフである。APC:12.5μg/ml、R-PE:12.5μg/ml、並びにC-PC:25、50、及び100μg/ml。 細胞中に蓄積されたA2Eを含有するARPE-19細胞(試料での後処理)における細胞死からの、スピルリナ・マキシマ抽出物(ミャンマー、ハワイ、及びKIOSTでの生成物)の細胞保護効果を図示するグラフである。 ARPE-19細胞における細胞死からの、スピルリナ・マキシマ抽出物(ミャンマー、ハワイ、及びKIOSTでの生成物)の細胞保護効果(図5bのための予備的実験)を図示するグラフである:ミャンマーでの生成物:125、250、500、750、及び1000μg/ml、ハワイでの生成物:250、500、及び1000μg/ml、並びにKIOSTでの生成物:250、500、及び1000μg/ml。 ARPE-19細胞(試料で前処理)において青色光により引き起こされる細胞死からの、スピルリナ・マキシマ抽出物(KIOSTでの生成物)の細胞保護効果を図示するグラフである:KIOSTでの生成物:62.5、125、250、及び500μg/ml。
以下、本発明を詳細に記載する。
本発明は、有効成分としてスピルリナ・マキシマ抽出物を含む網膜疾患を予防及び治療するための医薬組成物を提供する。
前記スピルリナ・マキシマ抽出物は、アロフィコシアニン(APC)、R-フィコエリトリン(R-PE)、及びC-フィコシアニン(C-PC)からなる群から選択される1つ以上の成分を好ましくは含有する。
スピルリナ・マキシマ抽出物は、必ずしも以下に限定されることはないが、次のステップ:
1)抽出溶媒をスピルリナ・マキシマに加えた後、スピルリナ・マキシマを抽出するステップと、
2)ステップ1)において調製した抽出物をろ過するステップと、
3)減圧下でステップ2)においてろ過した抽出物を濃縮し、その後、それを乾燥するステップと
を含む方法によって、好ましくは調製される。
上記の方法において、ステップ1)のスピルリナ・マキシマは、培養することも購入することもできる。
本明細書では、抽出溶媒は、好ましくは、水、アルコール、又はそれらの混合物である。前記アルコールは、好ましくは、C1〜C2低級アルコールである。本明細書では、低級アルコールは、好ましくは、エタノール又はメタノールである。抽出方法は、好ましくは、減圧下の高温抽出、煮沸抽出、還流抽出、熱水抽出、アンフルラージュ、室温抽出、超音波抽出、遠心抽出、又は蒸気抽出であるが、必ずしもそれらに限定されることはない。特に、抽出溶媒は、スピルリナ・マキシマ体積の1〜10倍の比でスピルリナ・マキシマに加えられる。抽出のための好ましい温度は、30℃〜100℃であるが、必ずしもそれに限定されることはない。抽出時間は、2〜48時間であるが、必ずしもそれに限定されることはない。抽出は、好ましくは、2〜5回くり返されるが、必ずしもそれに限定されることはない。
本方法において、ステップ3)における減圧下の濃縮は、真空濃縮機(vacuum concentrator)又は真空ロータリーエバポレーターを用いて好ましくは行われるが、必ずしもそれらに限定されることはない。本明細書では乾燥は、減圧乾燥、真空乾燥、煮沸乾燥、噴霧乾燥、又は凍結乾燥によって好ましくは行われるが、必ずしもそれらに限定されることはない。
スピルリナ・マキシマ抽出物は、青色光によって酸化されたA2E(ピリジニウムビス-レチノイド)を抑制する効果を有し、網膜の細胞死を抑制することができる。
本明細書では、網膜疾患は、黄斑変性症、緑内障、アッシャー症候群、スタルガルト病、バルデー-ビードル症候群、ベスト病、先天性脈絡膜欠如(choroideremia)、脳回転状網膜脈絡膜萎縮(gyrate-atrophy)、網膜色素変性症、黄斑変性症、レーバー先天黒内障(レーバー遺伝性視神経萎縮症)、BCM(青錐体全色覚異常(blue-cone monochromacy))、網膜分離症、ML(マラチアレベンティニーズ(Malattia Leventinese))、小口病(Oguchi disease)、及びレフサム病からなる群から選択される1種以上の疾患である。
本発明の好ましい実施形態において、細胞中に蓄積されたA2Eを含有するARPE-19細胞における細胞死からのスピルリナ・マキシマ抽出物(ミャンマー、ハワイ、及びKIOSTでの生成物)の細胞保護効果を測定した。その結果、ハワイ及びKIOSTに由来するスピルリナ・マキシマから調製されたスピルリナ・マキシマ抽出物は、用量依存的に細胞保護効果を示した。しかしながら、ミャンマーに由来するスピルリナ・マキシマから調製されたスピルリナ・マキシマ抽出物は、統計学的に有意な細胞保護効果を示さなかった(図4を参照のこと)。KIOSTに由来するスピルリナ・マキシマ抽出物の、図5aで得られたARPE-19細胞における用量依存的な網膜の細胞死を予防する効果に基づいて、A2E蓄積の抑制及び光酸化の抑制による細胞保護効果を測定した。その結果、62.5、125、250、及び500μg/mlの濃度でKIOSTに由来するスピルリナ・マキシマ抽出物で処理した細胞の生存率(%)は、それぞれ0%、10.8%、7.0%、及び11.9%増加した(図5bを参照のこと)。
したがって、スピルリナ・マキシマ抽出物(ハワイ及びKIOSTでの生成物)は、青色光によって引き起こされる細胞死からの細胞保護効果を有し、光酸化が抑制される場合優れた細胞保護効果を有し、そのことから、スピルリナ・マキシマ抽出物が、網膜疾患を予防及び治療するための医薬組成物として用いられ得ることが示された。
本発明の抽出物を含有する医薬組成物は、抽出物に加えて、抽出物と同一の又は類似の機能を有する1種以上の有効成分を含むことができる。
本発明の医薬組成物は、デンプン、糊化デンプン、微結晶セルロース、乳糖、ポビドン、コロイド状二酸化ケイ素、リン酸水素カルシウム、乳糖、マンニトール、タフィー、アラビアゴム、アルファ化デンプン、コーンスターチ、セルロース粉末、ヒドロキシプロピルセルロース、オパドライ(Opadry)、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルナウバロウ、合成ケイ酸アルミニウム、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、白砂糖、デキストロース、ソルビトール、タルクなどによって例示される、薬学的に許容される添加物をさらに含むことができる。本明細書では、薬学的に許容される添加物は、好ましくは、0.1〜90重量部まで医薬組成物に加えられる。
本発明の医薬組成物は、経口又は非経口で投与することができ、医薬製剤の一般的な形態で用いることができる。本発明の組成物は、充てん剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤及び界面活性剤などの一般に用いられる希釈剤又は賦形剤と混合することによって、経口又は非経口投与のために調製することができる。経口投与のための固形製剤は、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤及びカプセル剤である。これらの固形製剤は、本発明の抽出物を、デンプン、炭酸カルシウム、スクロース又は乳糖、ゼラチンなどの1種以上の適当な賦形剤と混合することにより調製される。経口投与のための液体製剤は、懸濁液、溶液、乳剤及びシロップ剤であり、上記の製剤は、一般に用いられる水及び流動パラフィンなどの単純な希釈剤に加えて、湿潤剤、甘味料、着香剤及び保存剤などの様々な賦形剤を含有することができる。非経口投与のための製剤は、減菌された水溶液、非水溶性の賦形剤、懸濁液、乳剤、凍結乾燥した調製物、坐剤及び注射剤である。非水溶性の賦形剤及び懸濁液は、1種以上の活性化合物に加えて、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エチロレートのような注射用エステルなどを含有することができる。坐剤は、1種以上の活性化合物に加えて、ウィテップゾール、マクロゴール、tween 61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチンなどを含有することができる。
本発明の医薬組成物は、経口又は非経口で投与することができ、非経口投与には、皮膚外用、腹腔内注射、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射及び胸腔内注射が含まれる。有効用量は、体重、年齢、性別、健康状態、食事、投与回数、投与方法、排出物及び疾患の重症度に従って決定することができる。
本発明の組成物の有効用量は、体重、年齢、性別、健康状態、食事、投与回数、投与方法、排出物及び疾患の重症度に従って決定することができる。好ましい用量は、1日当たり0.0001〜100mg/kgであり、より好ましくは1日当たり0.001〜10mg/kgであり、投与回数は、好ましくは、1日1〜6回である。
本発明の医薬組成物は、網膜疾患を予防し治療するために、単独で、又は外科手術、ホルモン療法、化学療法及び生物学的制御因子と一緒に、投与することができる。
本発明は、有効成分としてアロフィコシアニン、R-フィコエリトリン、及びC-フィコシアニンからなる群から選択される構成成分の1つを含む網膜疾患を予防及び治療するための医薬組成物を提供する。
前記アロフィコシアニン、R-フィコエリトリン、又はC-フィコシアニンは、青色光によって酸化されたA2E(ピリジニウムビス-レチノイド)を抑制する効果を有し、網膜の細胞死を抑制することができる。
本明細書では、網膜疾患は、黄斑変性症、緑内障、アッシャー症候群、スタルガルト病、バルデー-ビードル症候群、ベスト病、先天性脈絡膜欠如、脳回転状網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、黄斑変性症、レーバー先天黒内障(レーバー遺伝性視神経萎縮症)、BCM(青錐体全色覚異常)、網膜分離症、ML(マラチアレベンティニーズ)、小口病、及びレフサム病からなる群から選択される1種以上の疾患である。
本発明の好ましい実施形態において、本発明者らは、アロフィコシアニン(APC)、R-フィコエリトリン(R-PE)、及びC-フィコシアニン(C-PC)の、青色光によるピリジニウムビス-レチノイド(A2E)の酸化に対する酸化抑制効果を測定した。その結果、C-PCのA2Eに対する酸化抑制効果は、統計学的に有意であった。特に、この順序(C-PC>R-PE>APC)で、C-PCのA2Eに対する酸化抑制効果が、最も優れており、次いでR-PE及びAPCが優れていた(図1を参照のこと)。APC、R-PE、及びC-PCの網膜の細胞死に対する細胞保護効果は、A2Eが蓄積したARPE-19細胞中で調べられた。その結果、C-PCで処理した群において、細胞生存率は、用量依存的に6.7%、8.1%、17.8%、23.9%、及び27.6%増加し、一方、細胞毒性は、APC及びR-PEで処理した群で観察されなかった(図2を参照のこと)。
ARPE-19細胞は、図3a中で選択されたC-PC濃度に従ってAPC(25μg/ml)、R-PE(25μg/ml)、及びC-PC(6.25、12.5、25、及び50μg/ml)で予め処理した。A2Eの蓄積を確認した後、これらの細胞を、青色光で照射し、次いで、細胞生存率を調べた。C-PCで処理した群において、細胞生存率は、用量依存的に増加した。しかしながら、APC及びR-PEで処理した群において、細胞保護効果は、統計学的に有意でなかった(図3bを参照のこと)。
したがって、APC、R-PE、又はC-PCは、青色光により引き起こされる細胞死に対する細胞保護効果を有することが確認され、光酸化を抑制することによる細胞保護において優れていたことから、APC、R-PE、又はC-PCは、網膜疾患を予防及び治療するための医薬組成物として有利に用いることができる。
本発明はまた、有効成分としてスピルリナ・マキシマ抽出物を含む網膜疾患を予防及び改善するための健康機能性食品を提供する。
前記スピルリナ・マキシマ抽出物は、青色光によって酸化されたA2E(ピリジニウムビス-レチノイド)を抑制する効果を有し、網膜の細胞死を抑制することができる。
本明細書では、網膜疾患は、黄斑変性症、緑内障、アッシャー症候群、スタルガルト病、バルデー-ビードル症候群、ベスト病、先天性脈絡膜欠如、脳回転状網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、黄斑変性症、レーバー先天黒内障(レーバー遺伝性視神経萎縮症)、BCM(青錐体全色覚異常)、網膜分離症、ML(マラチアレベンティニーズ)、小口病、及びレフサム病からなる群から選択される1種以上の疾患である。
したがって、スピルリナ・マキシマ抽出物は、青色光によって引き起こされる細胞死に対する細胞保護効果を有することが確認され、光酸化を抑制することによる細胞保護において優れていたことから、スピルリナ・マキシマ抽出物は、網膜疾患を予防及び改善するための健康機能性食品として有利に用いることができる。
さらに、本発明は、スピルリナ・マキシマ抽出物の有効用量を、網膜疾患を有する対象若しくは正常な対象に投与するステップを含む、網膜疾患を治療する又は予防するための方法を提供する。
本発明はまた、網膜疾患を予防及び治療するための薬物のための又は網膜疾患を予防及び改善するための健康食品のためのスピルリナ・マキシマ抽出物を提供する。
本発明はまた、アロフィコシアニン、R-フィコエリトリン、及びC-フィコシアニンからなる群から選択されるこれらの有効成分のうち1種又は少なくとも2種を含む、網膜疾患を予防及び改善するための健康機能性食品を提供する。
前記アロフィコシアニン、R-フィコエリトリン、又はC-フィコシアニンは、青色光によって酸化されたA2E(ピリジニウムビス-レチノイド)を抑制する効果を有し、網膜の細胞死を抑制することができる。
したがって、APC、R-PE、又はC-PCは、青色光によって引き起こされる細胞死に対する細胞保護効果を有することが確認され、光酸化を抑制することによる細胞保護において優れていたことから、APC、R-PE、又はC-PCは、網膜疾患を予防及び改善するための健康機能性食品として有利に用いることができる。
さらに、本発明は、アロフィコシアニン、R-フィコエリトリン、及びC-フィコシアニンからなる群から選択されるこれらの有効成分のうち1種又は少なくとも2種の有効用量を、網膜疾患を有する対象又は正常な対象に投与するステップを含む、網膜疾患を治療する又は予防するための方法を提供する。
本発明はまた、網膜疾患を予防及び治療するための薬物のための又は網膜疾患を予防及び改善するための健康食品のための、アロフィコシアニン、R-フィコエリトリン、及びC-フィコシアニンからなる群から選択されるこれらの有効成分のうち1種又は少なくとも2種を提供する。
本発明の実用的な及び現在好ましい実施形態は、次の実施例において示される通り、例示的なものである。
しかしながら、当業者が、本開示を考慮して、本発明の精神及び範囲の内で修正及び改善できることは理解されよう。
[実施例1]
スピルリナ・マキシマ抽出物の調製
スピルリナ・マキシマ(韓国海洋微細藻類カルチャーセンターアクセッション番号:KMMCC-1057)は、釜慶大学校生物材料・水産養殖学部韓国海洋微細藻類カルチャーセンター(韓国)(Korea Marine Microalgae Culture Center、Department of Marine Bio-materials & Aquaculture、Pukyong National University、Korea)から提供された。
具体的には、培養されたスピルリナ・マキシマは、多管キャリア式冷蔵遠心機(multi-tube carrier refrigerated centrifuge)(Vision Scientific CO. Ltd)で3000rpmで25分間遠心した。分離した細胞を、1.0%NaCl溶液で単純に洗浄し、その後再び遠心した。得られた細胞を凍結乾燥させ、これをフィコシアニン抽出用の試料として用いた。抽出は次の通り行った。0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)10mlを、凍結乾燥試料40mgに加え、その後、15分間ボルテックスした。上清を、遠心(3,500rpm、5分)により得、これをスピルリナ・マキシマ抽出物として用いた。
[実施例2]
アロフィコシアニン、R-フィコエリトリン、及びC-フィコシアニンの調製
アロフィコシアニン(A7472)、R-フィコエリトリン(P6161)、及びC-フィコシアニンを、Sigma-Aldrichから購入し、これをそれぞれ4mg/ml、10mg/ml、及び1mg/mlの濃度で調製した。
[実施例3]
細胞培養
本発明における実験及び分析のために用いたヒト成人ARPE細胞(ARPE-19:カタログ番号CRL-2302)は、韓国カソリック大学校医学部視覚科学研究センター(Vision Science Research Center、College of Medicine、The Catholic University of Korea)から配布された。上記のARPE細胞を5% CO2、37℃のインキュベーターにおいて10%FBS、ペニシリン100U/ml、及びストレプトマイシン100mg/mlを補充したDMEM中で培養した。この細胞を、さらなる実験のために5×104細胞/ウェルの密度で6ウェルプレートに播種した。
[実施例4]
A2E合成
本発明における実験及び分析のために用いたA2E(ピリジニウムビス-レチノイド)を、次の通り合成した。エタノールに溶解したオール-trans-レチナールを、エタノールアミンと混合した(モル比:2:1)。酢酸を、暗室でその混合物に加え、その後、2日間反応させた。この混合物を40℃で減圧濃縮し、その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製した。合成されたA2Eを、原料濃度20mMでDMSO(ジメチルスルホキシド)に溶解し、これを-20℃で貯蔵した。
実験例1:アロフィコシアニン、R-フィコエリトリン、及びC-フィコシアニンの、青色光によって酸化されたピリジニウムビス-レチノイド(A2E)に対する酸化抑制効果
次の実験を行って、アロフィコシアニン(APC)、R-フィコエリトリン(R-PE)、及びC-フィコシアニン(C-PC)の、網膜A2E酸化に対する酸化抑制効果を測定した。
具体的には、A2E 20μl(最終濃度:100uM)を、0.01% DMSOを含有するPBS 160μlに溶解し、その混合溶液を、96ウェルに分配した(180μl/ウェル)。各試料(対照又はスピルリナ・マキシマ抽出物から得られたAPC、R-PE、及びC-PC)をプレートに加えた(20μl/ウェル)(最終濃度がそれぞれ250及び500μg/ml)。OD430(430nm:A2E吸収波長)を、ELISAマイクロプレートリーダーで測定した。プレートを、エネルギー強度2.01 J/cm2の青色光で照射し、その後、前述と同じようにして再度ODを測定した。測定したOD値を、A2E検量線を用いることにより濃度に変換し、酸化されたA2Eの濃度を、青色光照射前及び照射後の濃度の差により算出した。
その結果、図1に示す通り、C-PCで、細胞を処理した場合(250及び500μg/ml)、酸化されたA2Eは、対照(CTL、100%)に対して9.1%及び21.2%減少し、それにより、C-PCが、用量依存的に統計学的に有意なA2E酸化抑制効果を有したことが確認された。その一方で、APCで細胞を処理した場合(250及び500μg/ml)、酸化されたA2Eは、対照に対して2.7%及び8.4%減少した。R-PEで、細胞を処理した場合(250及び500μg/ml)、酸化されたA2Eは、対照に対して5.3%及び11.1%減少した。したがって、C-PCのA2E酸化抑制効果ほど優れていなかったが、APC及びR-PEは両方とも、A2E酸化抑制効果を有することが確認された。そのため、A2E酸化抑制効果は、以下の順序で低下した:C-PC>R-PE>APC(図1)。
実験例2:A2Eが蓄積されているARPE-19細胞中の網膜の細胞死に対するAPC、R-PE、及びC-PCの細胞保護効果(試料による後処理の系)
次の実験を行って、アロフィコシアニン(APC)、R-フィコエリトリン(R-PE)、及びC-フィコシアニン(C-PC)の網膜A2E酸化に対する細胞保護効果を調べた。
具体的には、ARPE-19細胞を、24ウェルプレート中に2×104細胞/ウェルの密度で分配し、その後、7日間、A2E(20μl)(最終濃度:10uM、3回の処理)を蓄積させた。図1の結果によれば、これらの3つの物質、APC(25μg/ml)、R-PE(25μg/ml)、及びC-PC(6.25、12.5、25、50、及び100μg/ml)で、3日間2回細胞を処理した。細胞に、青色光(4.02J/cm2)を照射し、その後24時間培養した。細胞生存率を、MTTアッセイにより測定した。MTTアッセイは、黄色テトラゾリウム塩(MTT)が生細胞のミトコンドリア中で還元酵素に反応して、紫色のホルマザン結晶を形成するという原理に基づき確立されている。すなわち、生細胞の集団が増加するにつれて、ホルマザン結晶の生成も増加し、その結果、ODが増加する。
MTTアッセイにおいて、MTT 0.5mg/mlを含有するDMEMを細胞に加え、光を遮断し、その後、37℃のインキュベーター中で4時間培養した。反応の完了後、細胞をDMSO 1mlに完全に溶解した。OD540をELISAマイクロプレートリーダーで測定した。細胞生存率は、A2Eを蓄積させたが、青色光で照射されなかった細胞群(正常対照;A2E)の細胞生存率により%で示された。
その結果、図2に示す通り、A2Eを蓄積させたが、青色光で照射されなかった群(A2E)と、A2Eを蓄積させ、青色光で照射された群(陰性対照:A2E BL)との間で、有意差があった。陰性対照A2E(100%)の細胞生存率と比較して、これらの3つの物質(APC:25μg/ml、R-PE:25μg/ml、C-PC:6.25、12.5、25、50、及び100μg/ml)でそれぞれ処理した各群の細胞生存率は、6.7%、8.1%、17.8%、23.9%、及び27.6%増加した。他方では、細胞毒性がなかった最高濃度であった、25μg/mlの濃度のAPC及びR-PEで処理したこれらの群において、細胞保護効果は、統計学的に有意ではなかった(図2)。
実験例3:A2E蓄積の抑制及び光酸化の抑制による網膜の細胞死からのアロフィコシアニン、R-フィコエリトリン、及びC-フィコシアニンの細胞保護効果(試料で前処理した系)
次の実験を行って、アロフィコシアニン(APC)、R-フィコエリトリン(R-PE)、及びC-フィコシアニン(C-PC)の、A2E蓄積及び網膜A2E酸化に対する細胞保護効果を調べた。
予備的実験(図3a)において、APC又はR-PEの0〜40μg/ml及びC-PCの0〜200μg/mlによって引き起こされる細胞毒性を調べ、細胞毒性に対して効果を示す濃度を選択した。
特に、ARPE-19細胞を、2×104細胞/ウェルの密度で24ウェルプレートに分配し、これを、3つの物質(最終濃度、APC:25μg/ml、R-PE:25μg/ml、C-PC:6.25、12.5、25、及び50μg/ml)で、1日目、4日目、及び7日目の全部で3回処理した。細胞中にA2Eを蓄積させるために、細胞を、最終濃度10μMのA2Eで2日目、5日目、及び8日目(7日間で3回)に処理し、次いで、これを青色光(4.02J/cm2)で照射し、その後、24時間培養した。次いで、細胞生存率を、MTTアッセイにより測定した。MTTアッセイ法に従って、MTT 0.5mg/mlを含有するDMEMを細胞に加え、光を遮断し、その後、37℃のインキュベーターで4時間反応させた。反応の完了後、細胞をDMSO 1mlに完全に溶解した。次いで、OD540を、ELISAマイクロプレートリーダーで測定した。細胞生存率を、A2Eを蓄積したが、青色光で照射されなかった細胞群の細胞生存率と比較することにより算出し、%で示した。
その結果、図3bに示す通り、A2Eを蓄積させ、青色光で照射されなかった群(A2E)と、A2Eを蓄積させ、青色光で照射された群(陰性対照:A2E BL)の間に統計学的有意差があった。12.5、25、及び50μg/mlの濃度のC-PCで処理した群の細胞生存率は、陰性対照A2E BLの細胞生存率に対してそれぞれ26.9%、43.4%、及び44.8%増加した。その一方で、APC及びR-PEで処理した群では、細胞保護効果は、細胞毒性を引き起こさない最高濃度であった、25μg/mlの濃度であまり顕著でなかった(図3b)。
実験例4:A2Eが蓄積されているARPE-19細胞における起源に応じたスピルリナ・マキシマ抽出物の網膜の細胞死に対する細胞保護効果(試料による後処理の系)
次の実験を行って、起源(ミャンマー、ハワイ、及びKIOST)に応じたスピルリナ・マキシマ抽出物の網膜A2E酸化に対する細胞保護効果を調べた。
具体的には、ARPE-19細胞を、24ウェルプレート中に2×104細胞/ウェルの密度で分配し、A2Eを、実験例3に記載されているものと同じようにして(最終濃度、10μM、3回)7日間細胞中に蓄積させた。次いで、細胞を、以下の通り異なる起源を有する3つの物質で処理した。すなわち、最終濃度15.625、31.25、62.5、125、及び250μg/mlのミャンマーに由来するスピルリナ・マキシマ抽出物、最終濃度31.25、62.5、125、及び250μg/mlのハワイに由来するスピルリナ・マキシマ抽出物、並びに最終濃度62.5、125、250、及び10μg/mlのKIOSTに由来するスピルリナ・マキシマ抽出物で処理した。その後、青色光(4.02J/cm2)を照射した。その細胞を24時間培養した。MTTアッセイ法に従って、MTT 0.5mg/mlを含有するDMEMを細胞に加え、光を遮断し、その後、4時間37℃のインキュベーターで反応させた。反応の完了後、細胞をDMSO1mlに完全に溶解し、OD540をELISAマイクロプレートリーダーで測定した。細胞生存率は、A2Eを蓄積させたが、青色光で照射されなかった細胞の細胞生存率を%で示した。
その結果、図4において示される通り、A2Eを蓄積させたが、青色光で照射されなかった群(A2E)と、A2Eを蓄積させ、青色光で照射された群(陰性対照:A2E BL)の間の細胞生存率に統計学的有意差があった。異なる起源を有する3つの異なる抽出物でそれぞれ処理し、正確には、15.625、31.25、62.5、125、及び250μg/mlの濃度のミャンマーに由来するスピルリナ・マキシマ抽出物、31.25、62.5、125、及び250μg/mlの濃度のハワイに由来するスピルリナ・マキシマ抽出物、並びに62.5、125、250、及び500μg/mlの濃度のKIOSTに由来するスピルリナ・マキシマ抽出物で処理した、各群の細胞生存率を、陰性対照の細胞生存率(100%)と比較した。その結果、ハワイに由来するスピルリナ・マキシマ抽出物で処理した群の細胞生存率は、それぞれ1.0%、2.0%、7.9%、及び10.6%増加した。一方、KIOSTに由来するスピルリナ・マキシマ抽出物で処理した群の細胞生存率は、それぞれ3.8%、8.9%、8.4%、及び12.4%増加した。したがって、ハワイに由来するスピルリナ・マキシマ抽出物の細胞保護効果は、KIOSTに由来するスピルリナ・マキシマ抽出物の細胞保護効果と同等であることが確認された。他方では、ミャンマーに由来するスピルリナ・マキシマ抽出物で処理した群において、細胞保護効果は、どの濃度においても統計学的に有意でなかった(図4)。
実験例5:A2E蓄積及び光酸化の抑制に基づく、ARPE-19細胞における網膜細胞死に対するKIOSTに由来するスピルリナ・マキシマ抽出物の細胞保護効果(試料で前処理した系)
次の実験を行って、KIOSTに由来するスピルリナ・マキシマ抽出物のA2E蓄積及び網膜A2E酸化に対する細胞保護効果を調べた。
予備的実験(図5a)では、KIOSTに由来するスピルリナ・マキシマ抽出物1〜1000μg/mlで細胞を処理した後、細胞毒性に対する効果を示した濃度を選択した。具体的には、ARPE-19細胞を、24ウェルプレート中で2×104細胞/ウェルの密度で分配した。この細胞を、図5aで決定した最終濃度(62.5、125、250、及び500μg/ml)の抽出物で1日目、4日目、及び7日目の全部で3回処理した。細胞内にA2Eを堆積させるために、細胞を、10μMの濃度のA2Eで7日間、それぞれ2日目、5日目、及び8日目の3回処理した。細胞中にA2Eを蓄積させるために、細胞を、最終濃度10uMのA2Eで7日間、2日目、5日目、及び8日目の3回処理し、次いで、これを、青色光で照射し(4.02J/cm2)、その後、24時間培養した。MTTアッセイ法に従って、MTT 0.5mg/mlを含有するDMEMを、細胞に加え、光を遮断し、その後、37℃のインキュベーター中で4時間反応させた。反応の完了時、細胞をDMSO 1mlに完全に溶解した。次いで、OD540を、ELISAマイクロプレートリーダーで測定した。細胞生存率を、A2Eを蓄積させたが、青色光で照射されなかった細胞群の細胞生存率と比較することにより算出し、%で示した。
その結果、図5bに示す通り、A2Eを蓄積させたが、青色光で照射されなかった群(A2E)と、A2Eを蓄積させ、青色光で照射された群(陰性対照:A2E BL)の間の細胞生存率に統計学的有意差があった。62.5、125、250、及び500μg/mlの濃度のKIOSTに由来するスピルリナ・マキシマ抽出物で処理した細胞の細胞生存率は、A2E BLの細胞生存率(100%)に対してそれぞれ0%、10.8%、7.0%、及び11.9%増加した(図5b)。

Claims (4)

  1. 有効成分としてスピルリナ・マキシマ抽出物を含む、黄斑変性症又は網膜色素変性症を予防及び治療するための医薬組成物。
  2. スピルリナ・マキシマ抽出物が、アロフィコシアニン(APC)、R-フィコエリトリン(R-PE)、及びC-フィコシアニン(C-PC)からなる群から選択される1つ以上の成分を含有する、請求項1に記載の黄斑変性症又は網膜色素変性症を予防及び治療するための医薬組成物。
  3. スピルリナ・マキシマ抽出物が、青色光によって酸化されたピリジニウムビス-レチノイド(A2E)を抑制する効果を示し、かつ網膜の細胞死を抑制する、請求項1に記載の黄斑変性症又は網膜色素変性症を予防及び治療するための医薬組成物。
  4. 有効成分としてスピルリナ・マキシマ抽出物を含む、黄斑変性症又は網膜色素変性症を予防及び改善するための健康機能性食品。
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