JP2015063507A - 老化に起因する網膜障害の抑制剤 - Google Patents

老化に起因する網膜障害の抑制剤 Download PDF

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潤司 田中
少傑 単
Shoketsu Tan
少傑 単
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博司 下田
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Hiromichi Murai
弘道 村井
原 英彰
Hideaki Hara
英彰 原
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Abstract

【課題】本発明は、新規の老化に起因する網膜障害の抑制剤、それを用いた飲食品、医薬品を提供する目的とする。【解決手段】 上記課題を解決するための本発明の特徴は以下のとおりである。(1)レスベラトロールを含有する植物抽出物を有効成分とする老化に起因する網膜障害抑制剤。【選択図】なし

Description

本発明は、老化による視覚機能障害の予防又は治療に有効な剤に関する。
高齢化社会、コンピュータ社会の到来とともに、視覚機能の低下が問題となっている。ヒトは外界から得られる情報の約80%を眼から得ているといわれており視覚機能の低下はQOLを著しく低下させる。眼に入った光は、角膜、水晶体、硝子体を通って網膜へと到達する。網膜は、眼球の内側から内境界膜、視神経線維層、神経節細胞層、内網状層、内顆粒層、外網状層、外顆粒層、外境界膜、視細胞層、網膜色素上皮層の10層構造を形成しており、視細胞層に位置する細胞が、光を認識するための光受容体を有している。この光受容体が光を受け取ることによって、初めてヒトは映像として情報を認識することが可能になる。すなわち、健常な視覚を維持する上で、網膜は必要不可欠な組織であり、網膜が視力の中心を担っているといえる。網膜は、一度障害を受けると自然に再生することができない組織であり、網膜が障害を受けると、ものが歪んで見えたり、視界が欠けたり、視力や視野が低下したりする。さらには、視覚機能が低下するため、ものを見る際に神経や筋肉に過剰な負荷がかかり、眼精疲労をも引き起こす(非特許文献1参照)。網膜の障害を引き起こす因子は多数存在し、コンピュータのモニターを凝視し続けたりすることなどにより網膜に長期間の光暴露をさせることも網膜障害の一因と考えられている。網膜疾患の代表とされる加齢黄斑変性症は、欧米では失明原因のトップであり、近年、日本においてもその患者数は急増している。しかし、未だ有効な治療法は確立されておらず、その対策は急務である。
網膜機能を評価する方法としては、電気生理学的な手法である網膜電図が広く用いられている。網膜電図はa波、b波、c波および律動様小波の4つの波形に大きく分類される。a波は視細胞を、b波はミュラー細胞や双曲細胞を、c波は網膜色素上皮細胞を、律動様小波はアマクリン細胞を起源とする波形を示しており、網膜が障害を受けるとこれらの波形は減弱する。すなわち、網膜電図を測定することにより、網膜の障害を評価することが可能である。また、これらの波形は光暴露によっても減弱することが知られている(非特許文献2参照)。
また、老化による網膜障害の評価モデルとしては、老化促進モデルマウス (Senescence-accelerated mouse, SAM)が広く用いられている。
老化促進モデルマウス (Senescence-accelerated mouse, SAM) は,京都大学で確立された近交系老化モデル動物であり、AKR/Jマウスに由来しているが、飼育維持の過程で認められた寿命の短縮、脱毛、脊椎湾曲、活動低下、白内障、骨粗鬆などの様々な老化徴候を基に、促進老化を示すSAMP系統 と正常老化を示すSAMR系統が選別されている。この中で脳機能に変化が認められるものは、SAMP8とSAMP10の系統であり,これまでの老化研究で繁用されている。
視細胞は、網膜への光刺激を電気信号に変換する細胞であり、光覚、視覚に関わる重要な機能を司るので、視細胞に障害が生ずれば、網膜に障害が生じ、視力や視野などに対して深刻な影響を及ぼす。視細胞障害を惹起する疾患としては、例えば網膜色素変性、錐体ジストロフィー、加齢黄斑変性、加齢黄斑症、黄斑浮腫、網膜剥離、癌関連網膜症、網膜静脈閉塞症、網膜色素上皮剥離などが挙げられる。これらの疾患は、難治性で既存の薬物を投与しても容易には治癒されず、一旦変性・脱落した視細胞の機能を取り戻すことはできないので、視細胞の変性を抑制・遅延させることが望まれている。視細胞は老化により活性酸素が増加し、この活性酸素により、視細胞障害が起きることが知られている。
あたらしい眼科、14(9)、1289-1293、1997 加齢と眼、48-50、1999
このような背景の下、本発明者は、老化促進モデルマウスに網膜電図を使用して、評価を行ったところ、レスベラトロールを含有する植物抽出物に老化に起因する網膜障害の抑制作用を有することを見出し、本発明を完成した。
更に、(E)レスベラトロール、(E)εビニフェリン、及びアンペロプシンA及びこれらを含む植物抽出物に活性酸素における視細胞障害を抑制する作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、新規な老化に起因する網膜障害抑制剤及び視細胞障害抑制剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の技術的特徴は以下のとおりである。
(1) レスベラトロールを含有する植物抽出物を有効成分とする老化に起因する網膜障害抑制剤。
(2) (E)レスベラトロール、(E)εビニフェリン、及びアンペロプシンAから選ばれる少なくとも1種を含有する植物抽出物を有効成分とする老化に起因する視細胞障害抑制剤。
(3) 上記植物抽出物は、ブドウ抽出物である上記(2)に記載のる老化に起因する視細胞障害抑制剤。
(4) (E)レスベラトロール、(E)εビニフェリン、及びアンペロプシンAから選ばれる少なくとも1種を有効成分とする老化に起因する視細胞障害抑制剤。
実施例1における網膜電図 (Electroretinogram ; ERG) の測定結果(a波)を示すグラフである。 実施例1における網膜電図 (Electroretinogram ; ERG) の測定結果(b波)を示すグラフである。 レスベラトロール含有ブドウ抽出物から(E)レスベラトロール、(E)εビニフェリン、及びアンペロプシンAを単離する方法を示す図である。 レスベラトロール含有ブドウ抽出物における過酸化水素誘発視細胞障害抑制作用の評価結果を示すグラフである。 (E)レスベラトロール、(E)εビニフェリン、及びアンペロプシンAにおける過酸化水素誘発視細胞障害抑制作用の評価結果を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の老化に起因する網膜障害抑制剤及び起因する視細胞障害抑制剤は、レスベラトロールを含有する植物抽出物を有効成分とすることを特徴とする。
ここで、レスベラトロールを植物から抽出するとき、その原料は特に限定されないが、ブドウ、イタドリ等を用いることがもっとも好ましい。
ここで、本発明では、原料として、ブドウを用いれば特に部位は限定されず、例えば、ブドウのツル、葉、皮、種子、果肉等を用いることができる。特に、ブドウのツル及び葉を用いることが好ましい。ツル及び葉に含まれているレスベラトロールをより高濃度に得ることができるからである。
このとき、抽出方法は特に限定されないが、たとえば、極性溶媒抽出、超臨界抽出等が挙げられる。尚、これらのうちの何れか一方のみを行っても良いし、これらの両方を行っても良い。
ここで、極性溶媒抽出にて抽出する場合、用いる極性溶媒は特に限定されないが、たとえば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸、酢酸エチル、エーテル、ヘキサン等が挙げられる。これらのうち、水、メタノール、エタノールが好ましい。特に、含水メタノールや含水エタノール等の含水アルコールを用いることが好ましい。有効成分を効率よく抽出できるからである。尚、これらは1種のみ用いても良いし、2種以上併用しても良い。
抽出溶媒として水を使用する場合には、抽出温度20〜100℃、好ましくは80〜100℃程度で行うとよい。これは、抽出温度が低すぎると、有効成分が抽出されにくいためである。抽出用の水の種類は、特に限定されず、水道水、蒸留水、ミネラル水、アルカリイオン水等を使用することができる。
抽出溶媒として含水アルコールを使用する場合、アルコール濃度30〜90wt%であることが好ましい。30wt%程度よりも少ないか、90wt%を超えると、有効成分の抽出量が低下しやすくなるからである。また、抽出温度は、20〜95℃、好ましくは50〜95℃程度で行うとよい。なお、含水エタノール抽出は、有効成分の含有率を向上させるため、種々の濃度で繰り返すとよい。
また、極性溶媒にて抽出する場合、その抽出方法は特に限定されず、例えば、連続抽出、浸漬抽出、向流抽出等任意の方法を採用することができ、室温ないし還流加熱下において任意の装置を使用することができる。尚、上記方法にて抽出を行う場合、これらのうちの1つのみを行っても良いし、これらの方法を組み合わせても良い。
具体的な方法としては、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料を投入し、攪拌しながら有効成分を溶出させる。例えば、抽出溶媒として水または含水アルコールを用いる場合には、抽出原料の5〜100倍量程度(重量比)の極性溶媒を使用し、30分〜5時間程度抽出を行う。溶媒中に有効成分を溶出させた後、ろ過して抽出残渣を除くことによって、抽出液を得る。その後、常法に従って抽出液に希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施し、高濃度のレスベラトロールを含有する抽出物を得る。
なお、精製方法としては、例えば、活性炭処理、樹脂吸着処理、イオン交換樹脂、液−液向流分配等の方法が挙げられる。
上記方法によって得られた抽出物は、レスベラトロールを高濃度に含有する。
このとき、レスベラトロールの含有量は、上記抽出物の含有量を100wt%とすると、3wt%以上、好ましくは4wt%以上、より好ましくは4〜10wt%とすることができる。
本発明の老化に起因する視細胞障害抑制剤は、(E)レスベラトロール、(E)εビニフェリン、及びアンペロプシンAから選ばれる少なくとも1種を含有する植物抽出物を有効成分とすることを特徴とする。
上記化合物を含有する植物抽出物は、その原料は特に限定されないが、ブドウ、イタドリ等を用いることが好ましい。さらには、ブドウを用いることが好ましい。
ここで、本発明では、原料として、ブドウを用いる場合、その部位は限定されず、例えば、ブドウの皮、果肉、種子等を用いることができる。特に、ブドウの果肉から剥離した皮を用いることが好ましい。上記化合物を高濃度に得ることができるからである。上記化合物を含有する植物抽出物は上述したレスベラトロール含有植物抽出物と同様の方法により得ることができる。
また、本発明の老化に起因する視細胞障害抑制剤は、(E)レスベラトロール、(E)εビニフェリン、及びアンペロプシンAから選ばれる少なくとも1種を有効成分とすることを特徴とする。
これらの化合物を得る方法は特に限定されないが、例えば、上記レスベラトロール含有ブドウ抽出物から単離することによって得ることができる。
具体的には後述する実施例の方法によって得ることができる。
本発明は、前記老化に起因する網膜障害の抑制剤及び老化に起因する視細胞障害抑制剤を含有する食品を提供する。この食品は、有効成分として前記抽出物を、例えば成人の一回の服用量につき、100〜1,000mg、好ましくは250〜500mgの量で含有し得る。本発明の老化に起因する網膜障害の抑制作用剤において、前記有効成分の含有量は、年齢等により変化してよい。
本発明は、各種飲食品の素材として使用することができる。飲食品としては、例えば、食用油(サラダ油)、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。これらの飲食品に本発明の美容用組成物を適宜配合するとよい。
これら飲食品には、その種類に応じて種々の成分を配合することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等の食品素材を使用することができる。さらに、健康維持機能をもった本老化に起因する網膜障害の抑制剤には、他の抗酸化物質や健康食品素材などの配剤、(例えば、抗酸化物質、還元型アスコルビン酸(ビタミンC)、ビタミンE、還元型グルタチン、トコトリエノール、ビタミンA誘導体、リコピン、β−クリプトキサンチン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、フコキサンチン、尿酸、ユビキノン、コエンザイムQ10、葉酸、ニンニクエキス、アリシン、セザミン、リグナン類、カテキン、イソフラボン、カルコン、タンニン類、フラボノイド類、クマリン、イソクマリン類、ブルーベリーエキス、アルブチン、タンニン、アントシアニン、リンゴポリフェノール、ブドウ種子エキス、エラジ酸、コウジ酸、サージ抽出物健康食品素材、V.(ビタミン)A、V.B1、V.B2、V.B6、V.B12、V.C、V.D、V.E、V.P、コリン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸カルシウム、EPA、オリゴ糖、食物繊維、スクアレン、大豆レシチン、タウリン、ドナリエラ、プロテイン、オクタコサノール、DHA、卵黄レシチン、リノール酸、ラクトフェリン、マグネシウム、亜鉛、クロム、セレン 、カリウム、ヘム鉄、カキ肉エキス、キトサン、キチンオリゴ糖、コラーゲン、コンドロイチン、ウコン、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、サンザシ、生姜、霊芝、シジミエキス、スッポン、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、サンザシ、生姜、霊芝、オオバコ、カミツレ、カモミール、セイヨウタンポポ、ハイビスカス、ハチミツ、ボーレン、ローヤルゼリー、ライム、ラベンダー、ローズヒップ 、ローズマリー、セージ、ビフィズス菌、フェーカリス菌、ラクリス、小麦胚芽油、ゴマ油、シソ油、大豆油、中鎖脂肪酸、アガリクス、イチョウ葉エキス、ウコン、コンドロイチン、玄米胚芽エキス、レイシ、タマネギ、DHA、 EPA、 DPA、 甜茶、冬虫夏草、ニンニク、蜂の子、パパイヤ、プーアル、プロポリス、メグスリの木、ヤブシタケ、ロイヤルゼリー、ノコギリヤシ、ヒアルロン酸、コラーゲン、ギャバ、ハープシールオイル、サメ軟骨、グルコサミン、レシチン、ホスファチジルセリン、田七ニンジン、桑葉、大豆抽出物、エキナセア、エゾウコギ、大麦抽出物、オリーブ葉、オリーブ実、ギムネマ、バナバ、サラシア、ガルシニア、キトサン、セントジョーンズワート、ナツメ、ニンジン、パッションフラワー、ブロッコリー、プラセンタ、ハトムギ、ブドウ種子、ピーナッツ種皮、ビルベリー、ブラックコホシュ、マリアアザミ、月桂樹、セージ、ローズマリー、ラフマ、黒酢、ゴーヤー、マカ、紅花、亜麻、ウーロン茶、花棘、カフェイン、カプサイシン、キシロオリゴ糖、グルコサミン、ソバ、シトラス、食物繊維、プロテイン、プルーン、スピルリナ、大麦若葉、核酸、酵母、椎茸、梅肉、アミノ酸、深海鮫抽出物、ノニ、カキ肉、スッポン、シャンピニオン、オオバコ、アセロラ、パイナップル、バナナ、モモ、アンズ、メロン、イチゴ、ラズベリー、オレンジ、フコイダン、メシマコブ、クランベリー、コンドロイチン硫酸、亜鉛、鉄、セラミド、シルクペプチド、グリシン、ナイアシン、チェストツリー、セラミド、L-システイン、L-カルニチン、赤ワイン葉、ミレット、ホーステール、ビオチン、センテラアジアティカ、ハスカップ、ピクノジェノール、フキ、ルバーブ、クローブ、ローズマリー、カテキン、プーアル、クエン酸、ビール酵母、メリロート、ブラックジンガー、ショウガ、ガジュツ、ナットウキナーゼ、ベニコウジ、トコトリエノール、ラクトフェリン、シナモン、韃靼ソバ、ココア、ユズ種子エキス、シソの実エキス、ライチ種子エキス、月見草エキス、黒米エキス、α−リポ酸、ギャバ、生コーヒー豆エキス、フキエキス、キウイ種子エキス、温州みかんエキス、アカショウガエキス、アスタキサンチン)なども配合することができる。
具体的な製法としては、本発明の老化に起因する網膜障害の抑制剤及び老化に起因する視細胞障害抑制剤を粉末デキストリンとともにスプレードライまたは凍結乾燥し、これを粉末、顆粒、打錠または溶液にすることで容易に食品(インスタント食品等)に含有させることができる。また必要に応じてアラビアガム等のバインダーと混合して粉末状あるいは顆粒状にし、固形食品に添加することも可能である。また、エキスの場合はそのまま、もしくは例えば、水、エタノール、グリセリンあるいはこれらの混合物に分散溶解して、飲料に添加することも可能である。
本発明の前記老化に起因する網膜障害の抑制剤及び老化に起因する視細胞障害抑制剤は、薬品(医薬品および医薬部外品を含む。)の素材として用いてもよい。薬品製剤用の原料に、本発明の老化に起因する網膜障害の抑制剤を適宜配合して製造することができる。尚、上記薬品は、ヒトに用いても良いし、ヒト以外の哺乳類動物に用いても良い。本発明の老化に起因する網膜障害の抑制剤に配合しうる製剤原料としては、例えば、賦形剤(ブドウ糖、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等)、結合剤(蒸留水、生理食塩水、エタノール水、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(アルギン酸ナトリウム、カンテン、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖、アラビアゴム末、ゼラチン、エタノール等)、崩壊抑制剤(白糖、ステアリン、カカオ脂、水素添加油等)、吸収促進剤(第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等)、吸着剤(グリセリン、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、硅酸等)、滑沢剤(精製タルク、ステアリン酸塩、ポリエチレングリコール等)などが挙げられる。
本発明の老化に起因する網膜障害の抑制剤及び老化に起因する視細胞障害抑制剤の投与方法は、一般的には、錠剤、丸剤、軟・硬カプセル剤、細粒剤、散剤、顆粒剤等の形態で経口投与することができる。また、水溶性製剤は、液剤として経口的に投与することができる。さらに非経口投与であってもよい。非経口剤として投与する場合は、本発明の老化に起因する網膜障害の抑制作用をエタノールや水など適当な可溶化剤に分散させた後、パップ剤、ローション剤、軟膏剤、チンキ剤、クリーム剤などの剤形で適用することができる。また本発明の老化に起因する網膜障害の抑制剤及び老化に起因する視細胞障害抑制剤の水溶性製剤は、そのままで、あるいは分散剤、懸濁剤、安定剤などを添加した状態で、パップ剤、ローション剤、軟膏剤、チンキ剤、クリーム剤などの剤形で適用することができる。 さらに点眼薬として使用することもできる。
投与量は、投与方法、病状、患者の年齢等によって変化し得るが、大人では、通常、1日当たり有効成分として5〜200mg、子供では通常0.5〜100mg程度投与することができる。
本発明の老化に起因する網膜障害の抑制剤及び老化に起因する視細胞障害抑制剤を薬品として使用する際の配合比は、剤型によって適宜変更することが可能であるが、通常、経口または粘膜吸収により投与される場合は約0.01〜10wt%、非経口投与による場合は、0.01〜20wt%程度にするとよい。なお、投与量は種々の条件で異なるので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて投与する必要のある場合もある。医薬組成物は、前記老化に起因する網膜障害の抑制剤以外に、医薬分野において常用される既知の他の化合物、および経口投与に適した形態に成型するのに必要な化合物を包含していてもよい。そのような化合物と しては、例えば、乳糖、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、カオリン、タルク、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
本発明において、網膜障害とは、網膜の機能低下に起因して生じる障害をいう。網膜の機能低下は、網膜において内境界膜、視神経線維層、神経節細胞層、内網状層、内顆粒層、外網状層、外顆粒層、外境界膜、視細胞層、網膜色素上皮層を構成している細胞の機能低下が原因と考えられており、特に光受容体を有している視細胞層や網膜色素上皮細胞層に存在する細胞がダメージを受けた場合やアポトーシスにより細胞数が減少した場合などに機能低下が現れやすい。上記細胞にダメージを与える刺激としては、過度な光刺激などが挙げられる。
網膜障害の結果現れる自覚症状としては、ものが歪んで見える、視界が欠ける、視力や視野が低下する、又は眼精疲労のような症状が挙げられ、代表的な網膜疾患としては、加齢黄斑変性症、網膜色素変性症などが挙げられる。
以下に、本発明を具体化した実施例について説明する。本発明は下記実施例に限定されない。
実施例1:レスベラトロール含有ブドウ抽出物の製造
乾燥したブドウのツル、葉、種子および果皮を粉砕し、50wt%含水エタノール(1500g)を加え、沸点付近で2時間加温抽出した。得られた抽出液を濾過後、濃縮し、レスベラトロール最終濃度がそれぞれ5wt%以上となるようにカラム精製し、その後、噴霧乾燥してレスベラトロール含有ブドウ抽出物を得た。
ここで、実施例1のレスベラトロールの含有量を測定したところ、5.2wt%であった。
実施例2:レスベラトロール含有ブドウ抽出物から、(E)レスベラトロール、(E)εビニフェリン、及びアンペロプシンAの単離
(E)レスベラトロール、(E)εビニフェリン、及びアンペロプシンAは図3に示されるスキームにしたがって単離を行った。
即ち、実施例1の抽出物(GE)をダイアイオンHP-20カラムに付し,10%v/vメタノール,次いで30%メタノールv/vで樹脂を洗浄した。50%メタノールで溶出し,溶出液を濃縮・乾固してHP-20の50%メタノール溶出部を得た。
その後、当該溶出部を酢酸エチルと水で分離し、酢酸エチル分画と水分画を得た。
そして、酢酸エチル分画をODSカラムクロマトグラフィーに付し,シアン化メチル及び水で溶出し、アンペロプシンAを得た。
また、酢酸エチル分画をシリカゲルカラム(CH3Cl/MeOH/H2O)にて、(E)レスベラトロール、(E)εビニフェリンを得た。
試験例1:老化に起因する網膜障害抑制作用の機能評価
本実施例のレスベラトロール含有ブドウ抽出物を6か月間経口投与している10か月齢のマウスを実験に用いた。24時間暗闇条件下で暗順応させ、ペントバルビタール麻酔下において網膜電図 (Electroretinogram ; ERG) の測定を行い、その振幅の幅の変化を測定した。その結果を図1(a波)及び図2(b波)に示す。尚、群構成は以下のとおりである。
・SAMR1 (正常老化) 8例(Normal)
・SAMP10 (老化促進) + vehicle投与マウス 5例(Control)
・SAMP10 (老化促進) + レスベラトロール含有ブトウ抽出物 (20mg/kg) 投与マウス 9例(Res20)
・SAMP10 (老化促進) + レスベラトロール含有ブトウ抽出物(200mg/kg) 投与マウス 9例(Res200)
結果及び試験例1における実施例の効果
図1によれば、a波について、SAMP10群ではERG振幅の有意な低下がみられ、レスベラトロール含有ブドウ抽出物の投与によってその低下の抑制傾向がみられた。これにより、レスベラトロール含有ブドウ抽出物が老化による視細胞の障害を抑制することが確認された。
更に、図2によれば、b波について、有意ではないがSAMP10群においてERG振幅の低下がみられ、レスベラトロール含有ブドウ抽出物の投与によりその低下の抑制傾向がみられた。レスベラトロール含有ブドウ抽出物が老化によるミュラー細胞や双曲細胞の障害を抑制することが確認された。
以上により、本実施例のレスベラトロール含有ブドウ抽出物は、老化による網膜の障害を抑制することが確認され、加齢黄斑変性症、網膜色素変性症等の予防・治療作用を有することが確認された。
試験例2:過酸化水素誘発視細胞障害抑制作用の評価
方法
661Wを3×103 cells/wellずつ96-wellプレートに播種し、37°C,5% CO2条件下で24時間培養した。その後、1% FBSを含むDMEM培地に置換し、各試料(上記実施例1のレスベラトロール含有ブドウ抽出物、実施例2の、(E)レスベラトロール、(E)εビニフェリン、及びアンペロプシンA)を添加して1時間培養後、H2O2 (1mM) を添加して、6時間培養した。生細胞数はcell counting kit-8を用いて、ホルマザンの測定を行った。492 nm (参照波長、660 nm) の波長をspectrophotometer (Varioskan; Thermo Electron Corporation, Vantaa, Finland) を用いて測定し、ホルマザンの生成量から細胞数を同定した。
結果及び試験例2における実施例の効果
図4に示されるように、本実施例のレスベラトロール含有ブドウ抽出物は、過酸化水素誘発視細胞障害を濃度依存的に抑制した。また、図5に示すように、(E)レスベラトロール、(E)εビニフェリン、及びアンペロプシンAにおいても有意な抑制作用が認められ、その強さはアンペロプシンA>(E)εビニフェリン>(E)レスベラトロールとなった。以上の結果より、レスベラトロール含有ブドウ抽出物は活性酸素(過酸化水素)による視細胞障害を抑制し、その含有成分である(E)レスベラトロール、(E)εビニフェリン、及びアンペロプシンAに視細胞障害抑制作用を有することが確認された。
以下に本発明の老化に起因する網膜障害の抑制剤(レスベラトロール含有ブドウ抽出物)の配合例を挙げるが、下記配合例は本発明を限定するものではない。
配合例1:チューインガム
砂糖 53.0wt%
ガムベース 20.0
グルコース 10.0
水飴 16.0
香料 0.5
レスベラトロール含有ブドウ抽出物 0.5
100.0wt%
配合例2:グミ
還元水飴 40.0wt%
グラニュー糖 20.0
ブドウ糖 20.0
ゼラチン 4.7
水 9.68
ブドウ果汁 4.0
ブドウフレーバー 0.6
色素 0.02
レスベラトロール含有ブドウ抽出物 1.0
100.0wt%
配合例3:キャンディー
砂糖 50.0wt%
水飴 33.0
水 14.4
有機酸 2.0
香料 0.2
レスベラトロール含有ブドウ抽出物 0.4
100.0wt%
配合例4:ヨーグルト(ハード・ソフト)
牛乳 41.5wt%
脱脂粉乳 5.8
砂糖 8.0
寒天 0.15
ゼラチン 0.1
乳酸菌 0.005
レスベラトロール含有ブドウ抽出物 0.4
香料 微量
水 残余
100.0wt%
配合例5:清涼飲料
果糖ブドウ糖液糖 30.0wt%
乳化剤 0.5
レスベラトロール含有ブドウ抽出物 0.05
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
配合例6:ソフトカプセル
ブドウ種子油 87.0wt%
乳化剤 12.0
レスベラトロール含有ブドウ抽出物 1.0
100.0wt%
配合例7:錠剤
乳糖 54.0wt%
結晶セルロース 30.0
澱粉分解物 10.0
グリセリン脂肪酸エステル 5.0
レスベラトロール含有ブドウ抽出物 1.0
100.0wt%
配合例7:顆粒内服剤(医薬品)
レスベラトロール含有ブドウ抽出物 1.0wt%
乳糖 30.0
コーンスターチ 60.0
結晶セルロース 8.0
ポリビニールピロリドン 1.0
100.0wt%
配合例8:錠菓
砂糖 76.4wt%
グルコース 19.0
ショ糖脂肪酸エステル 0.2
レスベラトロール含有ブドウ抽出物 0.5
精製水 3.9
100.0wt%
配合例9:点眼剤
フマル酸ケトチフェン 0.7wt%
アズレンスルホン酸ナトリウム 0.2
クロモグリク酸ナトリウム 9.8
L−アスパラギン酸カリウム 8.5
アラントイン 3.0
塩酸テトラヒドロゾリン 0.5
メチル硫酸ネオスチグミン 0.05
塩化ベンザルコニウム液 0.1
グリセリン 25.0
レスベラトロール含有ブドウ抽出物 1.0
pH調節剤 適量
精製水 残部
100.0wt%
以上、説明したように、本発明は、新規な老化に起因する網膜障害抑制剤及び老化に起因する視細胞障害抑制剤を提供することができる。

Claims (4)

  1. レスベラトロールを含有する植物抽出物を有効成分とする老化に起因する網膜障害抑制剤。
  2. (E)レスベラトロール、(E)εビニフェリン、及びアンペロプシンAから選ばれる少なくとも1種を含有する植物抽出物を有効成分とする老化に起因する視細胞障害抑制剤。
  3. 上記植物抽出物は、ブドウ抽出物である請求項3に記載のる老化に起因する視細胞障害抑制剤。
  4. (E)レスベラトロール、(E)εビニフェリン、及びアンペロプシンAから選ばれる少なくとも1種を有効成分とする老化に起因する視細胞障害抑制剤。
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