JP6483255B2 - オーバーサイズのズーム系を備えている顕微鏡 - Google Patents

オーバーサイズのズーム系を備えている顕微鏡 Download PDF

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Description

本発明は、対物レンズ系並びに総ズーム範囲を備えているズーム系を有している顕微鏡に関する。対物レンズ系は、相互に異なる焦点距離を備えており且つ選択的に光路に進入可能である、少なくとも2つの対物レンズを含んでいる。この場合、鏡検すべき対象物の総倍率は、選択された対物レンズの焦点距離並びにズーム系の調整された焦点距離から都度得られる。
ディジタル顕微鏡では、対物レンズ系もズーム系も有している拡大系が頻繁に使用されており、この場合、ズーム系は、鏡検すべき対象物の像を、ディジタル顕微鏡システムの画像検出ユニットに直接的に結像する。ここで倍率は、ズーム系の調整された焦点距離を、光路に存在する対物レンズの焦点距離で割った商として得られる。従って、可能な限り大きい倍率を達成するために、ズーム系では最大限に長い焦点距離が調整され、且つ、短い焦点距離を備えている対物レンズが使用されなければならない。それとは反対に、小さい倍率に関しては、ズーム系にわたり可能な限り短い焦点距離が調整され、且つ、可能な限り長い焦点距離を備えている対物レンズが使用されなければならない。
公知の顕微鏡では、ズーム範囲がその限界まで都度利用され、それに対応して、相互に非常に異なる焦点距離を備えている複数の対物レンズが使用されることによって、可能な限り大きいズームファクタが、即ち可能な限り大きい調整可能な倍率範囲が達成される。従って、対物レンズがズーム系に適合されることによって、最大倍率及び最小倍率の調整が行われる。
つまり、可能な限り大きい倍率範囲を達成するためには、非常に短い焦点距離を備えている対物レンズも、非常に長い焦点距離を備えている対物レンズも使用されなければならない。しかしながら、高い倍率に必要とされる開口数は、対物レンズの煩雑な設計を必要とするので、非常に短い焦点距離を備えている対物レンズは不利である。その種の対物レンズは、多くの場合、非常に小さい画角しか許容しない。画角が大きい場合には、光学的な相関を維持できないからである。従って一般的には、高開口複合対物レンズでは、ズーム系を後段に接続することができず、また、口径食によってより大きい画角は縮小される。
それとは反対に、低い倍率に必要とされる、対物レンズの長い焦点距離は、対物レンズ界面と物体面との間の相応に大きい距離を必要とする。従って、その種の対物レンズを光路に進入させるときには、多くの場合、物体面までの所要の大きい距離を維持するために、ズーム系を対象物から遠ざけることが必要になる。長い焦点距離を備えている対物レンズの更なる欠点として、所与の対象物側分解能に関して、瞳直径を相応に大きくしなければならず、これによってコストが高くなり、また、対物レンズの大きい寸法が必要になることが挙げられる。
更に、相互に大きく異なる焦点距離を備えている複数の対物レンズを使用することは、それらの対物レンズも非常に異なる補償長を有しているという欠点を有している。ここで、補償長は、対物レンズの固定面から物体面までの距離であり、対物レンズの構造長及び自由作動距離から成る。これによって、系を同焦点で実施することが非常に煩雑になるか、又は、それどころか実施不可能になる。
本発明の課題は、大きい倍率範囲を有しているにもかかわらず、簡潔且つ小型に構成されている顕微鏡を提供することである。
この課題は、請求項1に記載の特徴を備えている顕微鏡によって解決される。本発明の有利な発展形態は、従属請求項に記載されている。
本発明によれば、少なくとも1つの第1の対物レンズに、総ズーム範囲内の第1のズーム部分範囲が対応付けられている。
本来的には所望のズームファクタに必要とされる寸法よりも大きい寸法に設計されているズーム系を使用することによって、使用される対物レンズ間での焦点距離の差を、従来の顕微鏡のものほど大きくする必要がないことが達成される。特に、ズーム部分範囲の対応付けによって、高い倍率を備えている対物レンズにおいて、ズーム系による可能な限り大きい拡大も行われることが達成され、従って、このズーム系は高い総倍率のために協働する。これに対して、低い倍率の対物レンズにおいては、ズーム部分範囲がより低い倍率にも対応し、その結果、大きい画角が達成されるように、ズーム部分範囲が総ズーム範囲内で選択される。従って、対応付けられたズーム部分範囲によって、ズーム系が各対物レンズの個別の要求に都度適合されており、その結果、相応に対物レンズの構造に対して課される要求をより低くすることができ、また特に、相互により密に連続する焦点距離を備えている複数の対物レンズを使用することができる。これによって、対物レンズをより小型に、従ってより廉価に構成できることが達成される。従って特に、相互に類似する寸法を有している複数の対物レンズを使用することができ、このことは特に、同焦点の対物レンズ系を実現する。対物レンズ系がそのように同焦点で実施されることによって、やはり、対物レンズを交換した際に、改めてフォーカシングを行う必要はないことが達成される。更に、比較的高いズームファクタが達成されることが実現される。このことは、特に各対物レンズにおいて操作者に対して実際に残されているズームファクタが同じ大きさになるという利点も必然的に伴う。
ズーム系の総ズーム範囲とは、特に、構造上の制限を受けた状態で最大限提供されるズーム範囲であると解される。総ズーム範囲は、特に、ズーム系を介して調整することができる種々の焦点距離を表す。従って、総ズーム範囲の限界は、ズーム系の最短の焦点距離及び最長の焦点距離によって与えられている。
対物レンズ系は、特に、種々の対物レンズが収容されており、且つ、その回動によって所望の対物レンズを光路に都度進入させることができる対物レンズリボルバを含んでいる。対物レンズ自体は、特に、その対物レンズにおいて、個々のレンズ群の相互の配置が固定的に都度設定されており、且つ、位置調整不可能であるように形成されている。これに対して、ズーム系は、複数のレンズ群を有しており、それらのレンズ群のうちの少なくとも1つが、動かされないレンズ群に対して相対的に、軸線方向において移動可能であり、それによって、ズーム系の焦点距離を、従ってその倍率を調整することができる。
好適には、第2の対物レンズにも、総ズーム範囲内の第2のズーム部分範囲が対応付けられている。
1つの好適な実施の形態においては、少なくとも1つの対物レンズのズーム部分範囲が総ズーム範囲よりも小さい。全ての対物レンズのズーム部分範囲がそれぞれ、ズーム系の総ズーム範囲よりも小さい場合には、特に有利である。従って、各対物レンズに対して、その特性が対物レンズの特性に適合されている、総ズーム範囲の部分範囲だけが都度使用される。
従って、対物レンズの総ズーム範囲は、個々の対物レンズに対して使用されるズーム部分範囲よりも大きいので、ズーム系は「オーバーサイズの」又は「過大の」ズーム系とも称される。
ここでは、対物レンズのズーム部分範囲を少なくとも部分的に重畳させることもできる。また択一的には、重畳が生じないように、ズーム部分範囲を選択することもできる。ズーム部分範囲の重畳によって、各対物レンズがズーム系の焦点距離の相応の調整によって、可能な限り大きい位置調整範囲を有しており、また、倍率を相応に大きく変更することができる。
本発明の1つの好適な実施の形態においては、ズーム部分範囲の下限及び上限が、下限と上限のそれぞれの間の異なるズーム部分範囲において、同じ所定のズームファクタが都度得られるようにそれぞれ選択されている。ズームファクタとは、特に、ズーム部分範囲のそれぞれに関する上限と下限の商、即ち、特に最長の焦点距離と最短の焦点距離の商と解される。従って、各対物レンズに関して、操作者には同じズームファクタが提供されることが達成され、その結果、操作者はどの対物レンズが使用されるかに依存せずに、同じ倍率を実現することができるが、しかしながら、総倍率はズーム系の焦点距離を対物レンズの焦点距離で割った商として得られることから、勿論、使用される対物レンズに応じて異なる総倍率が得られる。
特に、少なくとも1つのズーム部分範囲の下限が、総ズーム範囲の下限に一致し、且つ、少なくとも1つのズーム部分範囲の上限が、総ズーム範囲の上限に一致する場合には有利である。これによって、ズーム系の総ズーム範囲が最適に利用され、従って、顕微鏡の全体として得られるズームファクタも可能な限り大きいことが達成される。
一方の対物レンズの焦点距離よりも長い焦点距離を備えている他方の対物レンズのズーム部分範囲が、その一方の対物レンズのズーム部分範囲の最小の倍率又は最短の焦点距離よりも小さい倍率又は短い焦点距離を含んでいるようにズーム部分範囲が事前に調整されている場合には、特に有利である。一方の対物レンズが他方の対物レンズよりも長い焦点距離を有している場合、このことは、この一方の対物レンズが他方の対物レンズよりも小さい倍率を生じさせることを意味している。従って、ズーム部分範囲は、このズーム部分範囲が全体のズーム範囲に関して、ズーム部分範囲のより短い焦点距離をカバーするように選択されており、その結果、対物レンズの特性及びズーム系の特性が、特に所望の大きい画角が低い倍率において最適に補間される。
それとは反対に、一方の対物レンズの焦点距離よりも短い焦点距離を備えている他方の対物レンズのズーム部分範囲が、その一方の対物レンズのズーム部分範囲の最大の倍率又は最長の焦点距離よりも大きい倍率又は長い焦点距離を含んでいるように、ズーム部分範囲は事前に調整されている。これによって、大きい倍率を備えている対物レンズにおいて、ズーム部分範囲も総ズーム範囲の長い焦点距離をカバーし、従って、高い総倍率に寄与することが達成される。
本発明の1つの特に好適な実施の形態においては、対物レンズ系が、第1の焦点距離を備えている第1の対物レンズと、第1の焦点距離よりも長い第2の焦点距離を備えている第2の対物レンズと、を有している。従って、第2の対物レンズによって、第1の対物レンズよりも低い倍率が生じる。総ズーム範囲は、下限として第3の焦点距離を有しており、また上限として第4の焦点距離を有している。第1の対物レンズに対応付けられている第1のズーム部分範囲は、上限として第4の焦点距離を有しており、また第2の対物レンズに対応付けられている第2のズーム部分範囲は、下限として第3の焦点距離を有している。従って、2つの対物レンズのうち、より高い倍率を有している第1の対物レンズが、ズーム系と共に第4の焦点距離を調整する際に、最大限に大きい総倍率を達成することが達成される。それとは反対に、第2の対物レンズ及び第3の焦点距離を選択することによって、可能な限り低い倍率を達成することができる。
焦点距離を、特に、相応に調整した際には1未満の総倍率が生じるように、即ち対象物が小さく結像されるように選択することもできる。
更に、制限手段が設けられている場合には有利であり、この制限手段によって、ズーム系の位置調整可能性は、選択された対物レンズに、即ち光路に目下進入している対物レンズに対応付けられているズーム部分範囲にそれぞれ制限されている。
本発明の1つの特に好適な実施の形態においては、制限手段として、各対物レンズに少なくとも1つのストッパが設けられており、このストッパによって、ズーム系の位置調整可能性が、この対物レンズにそれぞれ対応付けられているズーム部分範囲に制限される。従って、特に、各対物レンズにおいては、対応付けられているズーム部分範囲内でのズーム系の位置調整のみが実現されることが純粋に機械的に保証される。
1つの特に好適な実施の形態においては、各対物レンズに2つのストッパが設けられており、それらのストッパによって、ズーム系の位置調整が制限される。ズーム部分範囲の一方の限界が、構造に起因する制限を受けた状態で最大限に考えられる総ズーム範囲の限界によって与えられている限りは、その側ではストッパを省略することができる。
本発明の1つの特に好適な実施の形態においては、電気的な駆動ユニットが、特にモータが設けられていることによって、ズーム系の位置調整を電気的に行うこともできる。更に、駆動ユニットを駆動制御するための制御ユニットが設けられており、この制御ユニットにおいては、各対物レンズに対応付けられているズーム部分範囲が記憶されている。制御ユニットは、各ズーム部分範囲内での位置調整だけがそれぞれ実現されるように、駆動ユニットを駆動制御する。特に、どの対物レンズが光路に進入しているかを制御ユニットが自動的に識別することができるセンサユニットが設けられており、その結果、制御ユニットは、操作者によって調整可能なズーム部分範囲を自動的に選択し、また電気的な駆動ユニットを相応に駆動制御する。このケースにおいては、特に、制限手段として電気的な駆動ユニットの駆動制御が使用されるので、ズーム部分範囲を制限するための機械的なストッパを省略することができる。
更に、顕微鏡がズーム系の倍率係数を手動で調整するための操作部材を含んでいる場合には有利である。この操作部材は、回動つまみであってよい。
更に、顕微鏡が、選択されている対物レンズ及びズーム系の都度調整されている焦点距離にそれぞれ依存して、光の通過量を調整するための絞りを含んでいる場合には有利である。この絞りは、特に、対物レンズ及びズーム系の調整された焦点距離に依存して絞り経過を制御する、制御型の虹彩絞りである。このことは、特に、大きく拡大する対物レンズにおいては瞳直径が一般的により小さいことに基づき必要である。大きく拡大する対物レンズでは、倍率は典型的にはアパーチャよりも大きく上昇する。そうでない場合には、対物レンズの開口比が過度に大きくなり、その結果、収差の補正が非常に煩雑になるからである。1つの択一的な実施の形態においては、相応に非常に大きいアパーチャを備えている対物レンズが使用される場合には、その種の絞りを省略することができる。
更に、ズーム系が少なくとも2つのレンズ群を有しており、それらのうちの1つのレンズ群が、ズーム系の焦点距離を調整するために光軸の方向において可動である場合には有利である。1つの好適な実施の形態においては、ズーム系が3つ又は4つのレンズ群を有しており、それらのうちの2つのレンズ群が光軸の方向において可動である。
顕微鏡は、特に、鏡検すべき対象物の画像を記録するための画像検出ユニットを含んでいるディジタル顕微鏡である。ディジタル顕微鏡においては、鏡検すべき対象物の像が、特にズーム系を介して、画像検出ユニットに直接的に結像される。
1つの択一的な実施の形態においては、顕微鏡はビジュアル顕微鏡であってもよい。
本発明の更なる特徴及び利点は、添付の図面と関連させて複数の実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する以下の記述より明らかになる。
ディジタル顕微鏡の概略的な斜視図を示す。 図1に示した顕微鏡の拡大系の概略図を示す。 第1の対物レンズを使用する場合の、図2に示した拡大系の概略図を示す。 第2の対物レンズを使用する場合の、図2に示した拡大系の概略図を示す。 総ズーム範囲並びに第1の対物レンズ及び第2の対物レンズのズーム部分範囲の概略図を示す。 図1に示した顕微鏡の一部の概略的な斜視図を示す。 図6に示した顕微鏡の一部の別の概略的な斜視図を示す。 顕微鏡のハウジングの概略図を示す。 図8に示したハウジングの別の概略的な斜視図を示す。 顕微鏡の一部の詳細の概略図を示す。 対物レンズ及び対物レンズハウジングの一部の概略的を示す。 第1の回動位置における、ズーム系の操作部材の概略的な斜視図を示す。 第2の回動位置における、図12に示した操作部材の概略的な斜視図を示す。 第1の対物レンズを使用する場合の、第1の動作状態における操作部材の概略的な斜視図を示す。 第1の対物レンズを使用する場合の、第2の動作状態における操作部材の概略的な斜視図を示す。 第2の対物レンズを使用する場合の、第3の動作状態における操作部材の概略的な斜視図を示す。 第2の対物レンズを使用する場合の、第4の動作状態における操作部材の概略的な斜視図を示す。 第3の対物レンズを使用する場合の、第5の動作状態における操作部材の概略的な斜視図を示す。 第3の対物レンズを使用する場合の、第6の動作状態における操作部材の概略的な斜視図を示す。
図1には、ディジタル顕微鏡の概略的な斜視図が示されている。顕微鏡10は、定位置の鏡脚ベースボディ12と、この鏡脚ベースボディに12に対して相対的に旋回可能な旋回ユニット14と、を含んでいる。
旋回ユニット14は、少なくとも1つの画像検出ユニットを含んでおり、この画像検出ユニットによって、鏡検すべき対象物の画像を記録することができる。特に、この画像検出ユニットを介して、個々の画像を記録できるだけでなく、ビデオも記録でき、これによって、鏡検すべき対象物を種々の視角から考察することができる。
更に、旋回ユニットは、対物レンズ及びズーム系を有しており、これによって、鏡検すべき対象物の種々の倍率を調整することができる。対物レンズ系は、複数の対物レンズを有しており、それらの対物レンズの中から都度1つが選択されて光路に進入させられている。
画像検出ユニット、対物レンズ系及びズーム系は、旋回ユニット14のハウジング16によって覆い隠されているので、それらは図1からは見て取れない。
対物レンズ系及びズーム系の構造を、以下では更に、図2から図4と関連させて詳細に説明する。
対物レンズ系の各対物レンズは、特に同焦点に形成されているので、対物レンズを交換した際に、操作者がリフォーカシングを行う必要はない。ここで、対物レンズは特に、旋回ユニット14を回動させることができる回動軸と対物レンズの界面との距離に合わせて調節されているので、ユーセントリック系が得られ、その結果、旋回ユニット14を旋回させた際に、改めてフォーカシングを行う必要はなくなる。
鏡脚ベースボディには、更に、試料ステージ18が配置されており、この試料ステージ18には鏡検すべき対象物が載置される。調整歯車20によって、この試料ステージ18の位置を、鏡脚ベースボディ12に対して相対的に両向き矢印P1の方向において調整することができ、これによって、鏡検すべき対象物のフォーカシングが実現される。
図2には、旋回ユニット14内に配置されている拡大系が、3つの異なる調整位置において、単に概略的に示されている。拡大系は、対物レンズ系30並びにズーム系32を含んでおり、それらが協働することによって、所望の総倍率が達成される。対物レンズ系30は、相互に異なる焦点距離を備えている少なくとも2つの対物レンズ44,52を含んでおり、それらの対物レンズの中から都度1つが選択されて、旋回によって顕微鏡10の光路に進入させられている。
ズーム系32は、3つのレンズ群34〜38を有しており、それらのうちの2つのレンズ群36,38は、光軸50の方向において位置調整可能である。本発明の1つの択一的な実施の形態においては、ズーム系がレンズ群34〜38を2つだけ含むことができ、それらのうちの一方のレンズ群34〜38だけが軸線方向において位置調整可能である。同様に、3つより多くの数のレンズ群34〜38を備えているズーム系も考えられる。
図2に示した実施の形態においては、対象物の像が、ズーム系32を介して画像検出ユニット40に直接的に結像される。この画像検出ユニット40は、特にカメラであってよい。
図2には、ズーム系32の3つの調整位置が示されている。左側の調整位置においては、ズーム系32が最長の焦点距離を有しており、従って最大倍率が生じるように、ズーム系32は調整されている。相応に、対物レンズ系30との境界部の領域における、光軸50に対する主光線の角度を表す画角42は、最小に形成されている。
これに対して、図2に示されている右側の調整位置は、ズーム系32の別の極端な調整位置を示している。つまりこの調整位置は、ズーム系32が最短の焦点距離を有しており、従って最小の倍率効果を有している調整位置である。このケースにおいては、画角42が最大に形成されている。
図2に示されている中央のケースは、最短の焦点距離よりも長く且つ最長の焦点距離よりも短い焦点距離がズーム系32によって達成される中間位置を表している。従って、ここでは画角42がその他の2つのケースの画角42の中間の角度である。
顕微鏡10の都度の総倍率は、ズーム系32の調整された焦点距離を、光路に進入している、対物レンズ系30の対物レンズ44,52の焦点距離で割った商として得られる。
ズーム系32は、ズーム系32を介して調整可能な、ズーム系32の焦点距離を表す総ズーム範囲を有している。この総ズーム範囲は、図5において、矢印90によって例示的に示されており、この総ズーム範囲において、下限92は、図2の右側に示した調整位置において得られる、ズーム系32の最短の焦点距離を表している。相応に、総ズーム範囲90の上限94は、図2の左側に示した調整位置において得られる、ズーム系32の最長の焦点距離を表している。従って、総ズーム範囲90は、特に構造様式の制限を受けて設定されており、また、ズーム系32の倍率の実現可能な最大範囲を表している。
既に説明したように、対物レンズ系30は、相互に異なる焦点距離を備えている複数の対物レンズ44,52を含んでいる。それらの対物レンズ44,52には、総ズーム範囲90内のズーム部分範囲がそれぞれ1つずつ対応付けられており、図5においては、第1の対物レンズ44の第1のズーム部分範囲96及び第2の対物レンズ52の第2のズーム部分範囲98が示されている。2つのズーム部分範囲96,98は、それぞれ総ズーム範囲90の一部のみをカバーしており、また特に、少なくとも部分的に重畳するように形成されている。
ズーム系32は都度、常に、旋回によって目下光路に進入している対物レンズ44,52に対応付けられているズーム部分範囲96,98内でのみ位置調整可能であるように、顕微鏡10は形成されている。
図5に示されている実施例において、ズーム部分範囲96が対応付けられている第1の対物レンズ44は、第2の対物レンズ52に比べて、より長い焦点距離を有しており、従って、より低い倍率効果を有している。相応に、第1のズーム部分範囲96は、第2のズーム部分範囲98に比べて、総ズーム範囲90のより低い倍率をカバーするようにも選択されており、これに対して、第2のズーム部分範囲98は、総ズーム範囲90のより高い倍率を含んでいる。
従って、高い倍率を備えている、即ち短い焦点距離を備えている対物レンズ52においては、ズーム系による高い倍率も達成され、その結果、全体として高い総倍率が達成される。
それとは反対に、低い倍率を備えている、即ち大きい画角を備えている対物レンズ44においては、ズーム系32が同様に低い倍率を有しており、従って大きい画角を有しているズーム部分範囲96が対応付けられる。
従って、ズーム系32の使用される部分範囲は、常に、各対物レンズ44,52の特性に合わせて調整されている。
図3には、図2に示した拡大系の2つの状態が概略的に示されており、ここでは、対物レンズ系30の第1の対物レンズ44が光路に進入している。比較的長い焦点距離、即ち小さい倍率を有している第1の対物レンズ44においては、制限部材46,48によって、図2に示した最大調整範囲と比較すると、確かに最短の焦点距離(図3の右側)までは位置調整できるが、しかしながら最長の焦点距離までは位置調整できないように、ズーム系32の位置調整可能性が制限されている。相応に、第1のズーム部分範囲96内でのズーム系32の位置調整だけが実現される。制限部材46,48によって、レンズ群36,38が相互に近付く動きは、図3の左側に示した状態に制限される。制限部材46,48は、特に、第1の対物レンズ44に接続されているストッパであることから、第1の対物レンズ44が光路に進入するときに、ストッパ46,48も自動的に一緒に動かされ、その結果、それらのストッパ46,48がレンズ群34〜38の移動領域内に配置されているように、ストッパ46,48は配置されている。
図4には、第2の対物レンズ52が旋回によって光路に進入しているケースが示されている。この対物レンズ52もまた、ストッパ54,56を含んでおり、これらのストッパ54,56によって、ズーム系32の位置調整が第2のズーム部分範囲98に制限される。この第2の対物レンズ52においては、ストッパ54,56によって、レンズ群36,38が図4の右側に示した状態よりも更に相互に離れる方向に動かされることが阻止され、その結果、最小倍率に調整されることが阻止される。
制限部材46,48,54,56は、図3及び図4においては単に概略的に示されている。図6から図19に示されているような具体的な実施の形態においては、制限部材46,48,54,56が、特にズーム系32内に配置されているのではなく、下記において更に詳細に説明するように、位置調整可能なピン130〜136として、対物レンズ系30とズーム系32との間の境界部に配置されている。
従って、図5に示されているように、ズーム系32がそれぞれ駆動されるズーム部分範囲96,98は、最大総ズーム範囲90よりも小さく形成されており、そのため、ズーム系32は、「オーバーサイズの」又は「過大の」ズーム系とも称される。
常に総ズーム範囲が使用され、また、対物レンズを相応に選択することによって最大倍率及び最小倍率が生じる公知の顕微鏡に比べて、ここで使用される対物レンズは、同一の総倍率範囲に対してもはや異なる焦点距離を有している必要はない。このことは、以下の数値例より明確になる:
従来技術による顕微鏡においては、0.15×〜30×の間の倍率範囲を2つの対物レンズを用いて達成するために、例えば、20の焦点距離を備えている第1の対物レンズ及び250の焦点距離を備えている第2の対物レンズが使用される。ズーム系は、38〜600の間の調整可能な焦点距離を有している。30の最大倍率は、第1の対物レンズが使用され、且つ、ズーム系の最長の焦点距離が調整されることによって達成される。このケースにおいては、計算式b=fズーム/f対物レンズによって30の倍率が得られる。つまり、600/20=30。
相応に、第2の対物レンズ及びズーム系の最短の焦点距離を使用した場合には、38を250で割った商として0.15の最小倍率が得られる。
本発明の実施の形態による顕微鏡において、0.15×〜30×までの同じ倍率を達成するためには、21〜600の間の調整可能な焦点距離を備えているズーム系32が設けられている。第1の対物レンズ44のズーム部分範囲は、38〜600であり、第2の対物レンズのズーム部分範囲は、21〜336である。第1の対物レンズ44は、140の焦点距離を有しており、また第2の対物レンズ52は、20の焦点距離を有している。
30の最大倍率に関しては、ここでもまた、第2の対物レンズ52が、ズーム系32の最長の焦点距離と共に使用される。最小倍率に関しては、第1の対物レンズ44が、ズーム系32の最短の焦点距離と共に使用される。ここでもまた、21を140で割った商として、0.15の倍率が得られる。
従って、同じ総倍率範囲を達成することができるが、しかしながら、使用される対物レンズ44,52間の焦点距離の差異は大幅に小さくなっている。
このことは、対物レンズ44,52を遙かに小型且つ簡潔に構成できるという利点を有している。特に、対物レンズ44,52の焦点距離を比較的小さく拡大することで、同焦点の対物レンズ系30を実現することができる。更に、各対物レンズ44,52に関して、操作者によって選択可能な同一のズームファクタが得られる。即ち、上述の例においては、16(336/21乃至600/38)のズームファクタが得られる。
異なる対物レンズへのズーム部分範囲の対応付けを、ディジタル顕微鏡においてだけでなく、択一的には、対物レンズ系及びズーム系を備えている他の全ての顕微鏡においても使用することができる。
図6及び図7には、図1に示した顕微鏡10の部分詳細図の概略的な斜視図がそれぞれ示されている。ここでは、ズーム系32並びに対物レンズ系30の一部が示されている。ここで、図6及び図7の記載、また後続の図面の記載の重点は、ズーム系32の位置調整可能性の、異なる対物レンズ44,52の各ズーム部分範囲96,98への制限がどのようにして純粋に機械的に行われるのかが説明されるべきことに置かれている。
対物レンズ系30は、ハウジング100を有しており、このハウジング100内に、目下光路に進入している対物レンズ44が収容されている収容領域102が設けられている。図7の記載においては、この収容領域102内に対物レンズは進入していない。これに対して、図6の記載においては、対物レンズ44が収容領域102内に挿入されている。ここでは、対物レンズ44がプレート104上に配置されており、且つ、ハウジング106によって包囲されている。プレート104を、対物レンズ系30のハウジング100に固定することができる。
対物レンズ系30は、回動歯車108を有しており、この回動歯車108を、顕微鏡10の操作者によって回動させることができる。よりよく取り扱えるようにするために、特に、回動歯車108の周面には刻み目110が設けられている。回動歯車108は、刻み目110側とは反対側の面に歯列112を有しており、それらの歯列112を介して、回動歯車108は、歯車系114によってスピンドル116に噛み合っている。回動歯車108の回動によって、対応してスピンドル116も回動される。
スピンドル116には、保持部118,120を介してレンズ群36,38が支持されている。スピンドル116が回動すると、それに対応してレンズ群36,38も相互に近付く方向に又は相互に離れる方向に動かされる。
図8及び図9には、対物レンズ系30のハウジング100の概略的な斜視図がそれぞれ示されている。ハウジング100には、全部で4つのピン130〜136が両向き矢印P2の方向において、特に垂直方向において可動に配置されている。ここでは、ピン130〜136が、アクティブな位置と非アクティブな位置との間で可動であり、図8の記載においては、ピン130,134がアクティブな位置で示されており、またピン132,136が非アクティブな位置で示されている。アクティブな位置では、ピン130〜136が、ハウジング100の表面138から所定の距離だけ回動歯車108の方向に突出している。非アクティブな位置では、ピン130〜136が、ハウジング100内部に配置されており、特にハウジング100からは突出していない。択一的に、ピン130〜136を非アクティブな位置において、アクティブな位置における突出状態ほどではないが、ハウジング100から僅かに突出させることもできる。
図10に示されているように、各ピン130〜136にはばね140を介してアクティブな位置で予荷重が加えられている。
更に、各ピン130〜136は、それぞれ1つのピン142〜148と接続されている。これらのピン142〜148は、図9に示されているように、収容領域102内に突出しており、且つ、それぞれがハウジング100の長孔に案内されている。
ピン142〜148の動きによって、ピン130〜136を、ばね140の復元力に対抗してアクティブな位置から非アクティブな位置へと動かすことができる。このために、ピン142〜148は、下方に向かって矢印P3の方向に動かされなければならない。図9の記載においては、ピン144,148が各ばねの復元力に対抗して下方に向かって動かされており、その結果、図8に示されているように、対応付けられているピン132,136が相応に非アクティブな位置に配置されている。
ピン142〜148の動きは、収容領域102に都度進入している対物レンズ44を、対応する対物レンズハウジング106と接触させることによって行われる。図11には、第1の対物レンズ44の一部が概略的に示されている。対物レンズ44のハウジング106には、2つの接触部材150,152が、このハウジング106の相互に対向している面に設けられている。2つの接触部材150,152は、それぞれ段部を備えた接触面154を有している。対物レンズ44が収容領域102に挿入されると、図10に示されているように、各ピン142〜148の領域において各接触部材150,152が接触面154において、対応するピン142〜148を下方に向かって動かしてその位置に保持する相応の段部を有する限りにおいて、ピン142〜148が下方に向かって動かされる。相応に、ピン142〜148を介して、ピン130〜136は、アクティブな位置と非アクティブな位置との間で位置調整される。
対物レンズ44に応じて、接触部材150,152は種々に形成されているので、その結果、他方のピン130〜136がアクティブな位置又は非アクティブな位置に配置されている。
図12及び図13には、ズーム系32の概略的な斜視図がそれぞれ異なる回動位置で示されている。
回動歯車108においては、対物レンズ系30に対向している面に、従って対物レンズ系30のハウジング100に対向している面に、相対回動不能にスライダガイド付きプレート160が配置されている。このスライダガイド付きプレート160には、円弧状の2つのスライダガイド162,164が設けられており、各ピン130〜136がアクティブな位置に配置されている限りにおいて、スライダガイド162,164にピン130〜136を係合させることができる。更に、スライダガイド付きプレート160は突起部166を有しており、この突起部166を介して、回動歯車108の回動可能性が最大回動範囲に制限されている。このために、回動歯車108と一緒に回動されない相対回動不能なハウジング部170には、2つのストッパ172,174が設けられている。
図12に示されている回動位置においては、突起部166が第1のストッパ172に当接しており、その結果、ハンドルは矢印P4の方向にのみ回動することができる。この位置は、特に0°の回動位置と称される。
これに対して、図13においては、突起部166が第2のストッパ174に当接しており、その結果、ハンドルは矢印P5の方向においてのみ回動することができる。この回動方向P5は、回動方向P4とは反対の方向である。この第2の状態においては、回動歯車108が、図12に示した0°の位置に対して最大限に回動されている。このことは、特に130°の角度の回動に相当する。従って、ハンドルの最大回動範囲は130°である。この最大回動範囲によって、総ズーム範囲が設定される。
アクティブな位置におけるピン130〜136の配置によって、またそれによって生じる、2つのスライダガイド162,164のうちの一方への係合によって、回動歯車108の回動可能性を、使用される対物レンズ44に応じて制限することができ、その結果、対物レンズ44に応じてハンドル106は、最大回動範囲の部分範囲を表す部分回動範囲においてのみ回動することができる。従って、これらの部分回動範囲を介して、相応にズーム部分範囲が調整される。ハンドルの回動範囲の制限は自動的に、提供されるズーム範囲の制限を意味しているからである。
図14から図19においては、例示的に、3つの異なる対物レンズを備えている対物レンズ系30に関して、種々の対物レンズの接触部材150,152が種々に形成されていることから、都度アクティブな位置又は非アクティブな位置にピン130,132が種々に配置されることによって、3つの対物レンズの各々に関して、どのようにして回動歯車108の種々の部分回動範囲が規定されるか、従って種々のズーム部分範囲に、どのようにして各対物レンズが対応付けられるかが示されている。
図14及び図15においては、収容領域102において第1の対物レンズが使用されているときに生じる状況が示されており、この第1の対物レンズにおいては、ピン132がアクティブな位置に配置されており、またピン130,134,136が非アクティブな位置に配置されている。従って、図14及び図15に示されているように、ピン132はスライダガイド162に係合されている。ここでは、ハンドル106が、図14に示した0°の回動位置と図15に示した112°の回動位置との間で回動することができる。ピン132がスライダガイド162の端部領域に突き当たるので、112°を超えて回動することはない。
択一的に、別のピン130,134,136もアクティブな位置に配置することができる。このケースにおいては、ピン134,136が差し当たり、スライダガイド付きプレート160の表面に載置され、0°の位置から僅かに回動された際に、スライダガイド164に突入する。この場合、出発位置に戻る方向に動くことはできない。
図16及び図17においては、第1の対物レンズの代わりに第2の対物レンズが収容領域102に挿入されているときに生じる状況が示されており、この第2の対物レンズにおいては、ピン130,136がアクティブな位置に配置されており、またピン132,134が非アクティブな位置に配置されている。ピン136のスライダガイド164への係合を介して、第2の対物レンズにおける回動歯車108の回動可能性は、9°の最小回動角度に制限される。矢印P5の方向への、即ち0°の回動位置への更なる回動は不可能である。
反対の方向P4においては、回動は、アクティブな位置に配置されているピン130がスライダガイド162に係合されていることによって、121°の回動角度に制限される。
図18及び図19においては、収容領域102において第3の対物レンズが使用されているときに生じる状況が示されている。この第3の対物レンズにおいては、ピン134がアクティブな位置に配置されており、またピン130,132,136が非アクティブな位置に配置されているように、接触部材150及び152は形成されている。ピン134のスライダガイド164への係合によって、方向P5への回動歯車108の回動可能性が、最小回動角度としての18°に制限される。これに対して方向P4においては、突起部166が第2のストッパ174に突き当たるまで、即ち130°の最大回動角度まで、回動歯車108は回動することができる。
従って、相応のスライダガイド162,164に係合するピン130〜136を用いた上述の配置構成によって、簡単なやり方で、回動歯車108の回動可能性を、対物レンズ44に応じて純粋に機械的に制限することができ、その結果、各対物レンズ44には簡単なやり方で、確実に、総ズーム範囲内のズーム部分範囲を対応付けることができる。
1つの択一的な実施の形態においては、4つより多い又は少ない数のピン130,136を設けることもできる。択一的に、2つより多い又は少ない数のスライダガイド162,164を設けることもできる。ピン及びスライダガイドの数を、特に、使用される種々の対物レンズの数に、従って必要とされる種々のズーム部分範囲に適合させることができる。
10 顕微鏡
12 鏡脚ベースボディ
14 旋回ユニット
16 ハウジング
18 試料ステージ
20 調整歯車
30 対物レンズ系
32 ズーム系
34,36,38 レンズ群
40 画像検出ユニット
42 画角
44,52 対物レンズ
46,48,54,56 制限部材
50 光軸
90 総ズーム範囲
92 下限
94 上限
96,98 ズーム部分範囲
100 ハウジング
102 収容領域
104 プレート
106 対物レンズハウジング
108 回動歯車
110 刻み目
112 歯列
114 歯車装置
116 スピンドル
118,120 保持部材
130〜136 ピン
138 表面
140 ばね
142〜148 ピン
150,152 接触部材
154 接触面
160 スライダガイド付きプレート
162,164 スライダガイド
166 突起部
170 ハウジング部
172,174 ストッパ
P1〜P5 方向

Claims (11)

  1. 顕微鏡であって、
    相互に異なる焦点距離を備え選択的に光路に進入可能な少なくとも2つの対物レンズ(44,52)を有する対物レンズ系(30)と、
    総ズーム範囲(90)を有するズーム系(32)と、
    を含み、
    鏡検すべき対象物の各総倍率が、選択された前記対物レンズ(44,52)の焦点距離と、前記総ズーム範囲(90)内で調整された、前記ズーム系(32)の倍率と、からそれぞれ得られる、顕微鏡において、
    少なくとも1つの第1の対物レンズ(44,52)に、前記総ズーム範囲(90)内の第1のズーム部分範囲(96,98)が対応付けられており、
    各対物レンズ(44,52)に少なくとも1つのストッパ(46,48,54,56)が制限手段として設けられており、該ストッパ(46,48,54,56)によって、前記ズーム系(32)の位置調整可能性が、選択された対物レンズ(44,52)に対応付けられている各ズーム部分範囲(96,98)にそれぞれ制限されていることを特徴とする、顕微鏡。
  2. 第2の対物レンズ(44,52)が設けられており、
    前記第2の対物レンズ(44,52)に、前記総ズーム範囲(90)内の第2のズーム部分範囲(96,98)が対応付けられている、請求項1に記載の顕微鏡(10)。
  3. 少なくとも1つの対物レンズ(44,52)の前記ズーム部分範囲(96,98)は、前記総ズーム範囲(90)よりも小さい、請求項1又は2に記載の顕微鏡(10)。
  4. 全ての対物レンズ(44,52)の前記ズーム部分範囲(96,98)は、それぞれ、前記総ズーム範囲(90)よりも小さい、請求項3に記載の顕微鏡(10)。
  5. 少なくとも2つの対物レンズ(44,52)の前記ズーム部分範囲(96,98)は、少なくとも部分的に重畳している、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の顕微鏡(10)。
  6. 少なくとも1つのズーム部分範囲(96)の下限は、前記総ズーム範囲(90)の下限(92)に一致し、且つ、少なくとも1つの別のズーム部分範囲(98)の上限は、前記総ズーム範囲(90)の上限(94)に一致する、請求項1乃至のいずれか1項に記載の顕微鏡(10)。
  7. 一方の対物レンズ(52)の焦点距離よりも長い焦点距離を備えている他方の対物レンズ(44)のズーム部分範囲(96)が、前記一方の対物レンズ(52)のズーム部分範囲(98)の最小倍率よりも小さい倍率を含むように前記ズーム部分範囲(96,98)は事前に調整されている、請求項1乃至のいずれか1項に記載の顕微鏡(10)。
  8. 一方の対物レンズ(44)の焦点距離よりも短い焦点距離を備えている他方の対物レンズ(52)のズーム部分範囲(98)が、前記一方の対物レンズ(44)のズーム部分範囲(96)の最大倍率よりも大きい倍率を含むように前記ズーム部分範囲(96,98)は事前に調整されている、請求項1乃至のいずれか1項に記載の顕微鏡(10)。
  9. 記対物レンズ系(30)は、第1の焦点距離を備えている第1の対物レンズ(44)と、前記第1の焦点距離よりも短い第2の焦点距離を備えている第2の対物レンズ(52)と、を有し、
    記第1の対物レンズ(44)に対応付けられている第1のズーム部分範囲の下限は、前記総ズーム範囲の下限と一致し、
    記第2の対物レンズ(56)に対応付けられている第2のズーム部分範囲の上限は、前記総ズーム範囲の上限と一致する、請求項1乃至のいずれか1項に記載の顕微鏡(10)。
  10. 前記ズーム系(32)は、少なくとも2つのレンズ群(34〜38)を有しており、該レンズ群(34〜38)のうちの少なくとも1つのレンズ群が、前記ズーム系(32)の焦点距離を調整するために光軸(50)の方向において可動である、請求項1乃至のいずれか1項に記載の顕微鏡(10)。
  11. 前記顕微鏡(10)は、画像検出ユニット(40)を有するディジタル顕微鏡であり、前記画像検出ユニット(40)に、前記ズーム系(32)によって、鏡検すべき対象物の像が結像可能である、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の顕微鏡(10)。
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