JP6482436B2 - 正倒立両用アダプタ - Google Patents
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Description
ここで吐出器には、容器本体内の内容液をシリンダ内に供給するのに伴い、外気を容器本体内に導入する外気導入路が形成されており、この外気導入路を通して、吐出器の倒立時に容器本体内の内容液が外部に漏出するのを防ぐために、正倒立両用アダプタに、外気導入路を通した容器本体内と外部との連通を開放自在に遮断する外気導入弁が備えられている。
本発明に係る正倒立両用アダプタは、上方付勢状態で下方移動自在に配設されたステム、前記ステムの上下動に連係するピストン、内側に前記ピストンが上下摺動自在に嵌合され、かつ内容液の収容された容器本体内に配設されるシリンダ、および前記ステムの上端部に取付けられ、かつ内容液を吐出する吐出孔が形成された吐出ヘッドを備えるとともに、前記容器本体内と外部とを連通する外気導入路が形成された吐出器に装着されて用いられ、この吐出器の正立時および倒立時の双方で、前記シリンダ内の負圧時に、前記シリンダ内に内容液を供給する正倒立両用アダプタであって、内側に前記シリンダが嵌合される本体筒部と、前記外気導入路を通した前記容器本体内と外部との連通を開放自在に遮断する筒状の外気導入弁と、を備え、前記本体筒部には、前記容器本体内の底部に向けて開口し、前記吐出器の正立時に前記容器本体内の内容液が導入可能な正立時導入孔と、前記正立時導入孔より上方に配置され、かつ前記吐出器の倒立時に前記容器本体内の内容液が導入可能な倒立時導入孔と、前記正立時導入孔および前記倒立時導入孔と前記シリンダの下端開口部とを連通する連通路と、が形成されるとともに、前記吐出器の正立時に、前記倒立時導入孔と前記連通路との連通を遮断し、かつ前記吐出器の倒立時に、前記倒立時導入孔と前記連通路とを連通する切替弁が配設され、前記外気導入弁は、前記本体筒部内に嵌合され、前記本体筒部には、その内部と前記容器本体内とを連通する連通窓が形成され、前記外気導入弁には、前記シリンダの外周面に対して離反自在に当接し、前記連通窓と前記外気導入路との連通を開放自在に閉塞する弁部が備えられていることを特徴とする。
その後、ステムおよびピストンをシリンダに対して復元移動させ、シリンダ内を負圧にすると、吐出器の正立時には、切替弁が、倒立時導入孔と連通路との連通を遮断しているので、容器本体内の内容液が、正立時導入孔、および連通路を通してシリンダの下端開口部に到達してシリンダ内に流入する。
一方、吐出器の倒立時には、容器本体内の底部に開口する正立時導入孔が、容器本体内の内容液の液面から突出し、かつ倒立時導入孔と連通路とが連通するので、容器本体内の内容液が、倒立時導入孔、および連通路を通してシリンダの下端開口部に到達してシリンダ内に流入する。
ここで、吐出器の正立時および倒立時いずれの場合であっても、容器本体内の内容液がシリンダ内に流入するときには、容器本体内が負圧となり、この負圧が外気導入弁に作用して弁部がシリンダの外周面から離反することで、容器本体内と外部とが外気導入路を通して連通し、容器本体内に外気が導入される。その後、容器本体の内圧が元に戻ると、弁部がシリンダの外周面に再び当接し、外気導入弁によって、外気導入路を通した容器本体内と外部との連通が遮断される。
前記正倒立両用アダプタによれば、外気導入弁が本体筒部内に嵌合されているので、正倒立両用アダプタを吐出器に装着するに際し、本体筒部、および外気導入弁が組み付けられた正倒立両用アダプタの全体を移動させることが可能になり、優れたセット性を具備させることができる。
また、外気導入弁が本体筒部内に嵌合されているので、弁部を備える外気導入弁を、本体筒部によって保護することができる。したがって、例えば、外気導入弁が本体筒部内に嵌合された正倒立両用アダプタを複数箱詰めした状態で保管したり輸送したりするとき等に、外気導入弁が他の正倒立両用アダプタと接触し、変形したり傷ついたりすることを抑制することができる。
図2に示すように、吐出器100は、容器本体102の口部102aに取り付けられる有頂円筒状の取付キャップ103と、上方付勢状態で下方移動自在に配設された円筒状のステム104と、ステム104の上下動に連係する二重円筒状の縦ピストン105と、内側に縦ピストン105が上下摺動自在に嵌合された円筒状のシリンダ101と、ステム104の上端部に装着され、内容液の吐出孔106aが形成された吐出ヘッド106と、ステム104を押し下げるためのトリガー107と、を備える。
ノズル連結筒部104cは、前後方向に延在する筒状をなしており、ノズル連結筒部104cの前部は、吐出ヘッド106内に配設されている。
縦ピストン105は、ステム104の下端部に嵌合されており、ステム104の上下移動に伴ってシリンダ101の内周面に沿って摺動する。
シリンダ本体部101aの上部は、取付キャップ103の上筒部103c内に嵌合されており、シリンダ本体部101aの下部は、取付キャップ103の周壁部103bの内側に配設されている。
被支持部101bの内周縁部とシリンダ本体部101aの外周面との接続部分には、上下方向に貫き、シリンダ本体部101aの外周側において、被支持部101bに対して上側に位置する部分と下側に位置する部分とを連通する連通孔101eが形成されている。
ここで、ステム104の外周面とガイド筒部103dの内周面との間の隙間、シリンダ101の外周面と上筒部103cの内周面との間の隙間、および連通孔101eが、容器本体102内と外部とを連通する外気導入路Rを構成している。
弁座筒部101cの下部は、内径及び外径が下方に向かうにしたがって漸次縮径するテーパ状をなしている。
縦芯棒108は、縦ピストン105内に挿通された棒状部材である。縦芯棒108の上部は、ステム104内に挿入されており、縦芯棒108の下部には、拡径部108aが形成されている。この拡径部108aの下端部には、シリンダ本体部101aの底面に載置された複数の縦リブ部108bが周方向に間隔をあけて配設されている。
縦コイルスプリング109は、縦ピストン105と縦芯棒108の縦リブ部108bとの間に介装されている。
開閉弁111は、弁座筒部101cの内側に収容されており、弁座筒部101c内のテーパ面に離着自在に配設されている。
ノズル外筒部106kの前端部は、ノズル筒部106bの後側部分106fの内周面に摺接しており、ノズル外筒部106kの後端部は、ノズル連結筒部104cの前部の内周面に摺接している。
ノズル内筒部106nは、ノズル外筒部106kの前後方向の中間部分から前方に向けて延在しており、ノズル内筒部106nの前端部は、ノズル筒部106bの上記弁座106hに当接している。また、ノズル内筒部106nには、ノズル内筒部106nをノズル軸O1に直交するノズル径方向に貫通する貫通孔106pが形成されている。
横コイルスプリング106eは、前後方向に延在しており、横ピストン106cのノズル内筒部106nの後端部と横芯棒106dの横リブ部106qとの間に介装されている。
トリガー107は、ステムの頭部の上方に配設された天板部107aと、天板部107aの後端縁から後方に向けて斜め下方に延在する後板部107bと、天板部107aの前端縁から前方に向けて斜め下方に延在する前板部107cと、天板部107aの左右両側の側端縁から各別に垂下された一対の側板部107dと、を備える。
側板部107dの内側面には、ステム104を押し下げるための押下部107fが設けられている。押下部107fは、ステム104の頭部104aを左右両側から挟む一対の板状部材であり、押下部107fの下端には、ステム104の被押下部104bがその軸線回りに摺動可能に嵌め込まれた円弧状の押下切欠部107gが形成されている。また、側板部107dの後部には、トリガー支持部103eの揺動軸103iがその中心軸回りに摺動可能に挿通された軸孔部107hが形成されている。
なお図示の例では、トリガー支持部103eに、トリガー107の揺動軸103i回りの下方に向けた回転移動を規制するストッパ110が配設されている。
ストッパ110は、トリガー支持部103eに、側板部107dの押下部107fの下端に当接若しくは近接する規制位置と、押下部107fから後方に離間する解除位置と、の間を、左右方向に延びる回転軸110a回りに回転自在に支持されている。ストッパ110には、一対の側板部107dを左右方向の外側から挟む一対の摘まみ片110bが突設されている。
図2から図4に示すように、正倒立両用アダプタ1は、円筒状の本体筒部10と、吐出器100の外気導入路Rを通した容器本体102内と外部との連通を開放自在に遮断する円筒状の外気導入弁30と、を備える。本体筒部10および外気導入弁30は、中心軸Oと同軸に配設されている。
本体筒部10は、シリンダ本体部101aの下端部に外嵌された円筒状の外側筒部材11と、上部が外側筒部材11内に配設され、かつ下部が外側筒部材11から下方に突出した内側筒部材12と、上端部が内側筒部材12の下端部内に嵌合された円筒状のパイプ13と、を有する。これら外側筒部材11、内側筒部材12、及びパイプ13は、中心軸Oと同軸に配設されている。
外筒部14のうち仕切壁部15よりも上側の部分における内径及び外径は、仕切壁部15よりも下側の部分における内径及び外径よりも大径となっている。外筒部14の前記上側の部分は、下方から上側に向かうに従い段状に拡径しており、図示の例では、仕切壁部15から上側に向けて延びる小径部14aと、小径部14aよりも大径とされ小径部14aの上方に位置する大径部14bと、小径部14aと大径部14bとを連結する段部14cと、を備えている。大径部14bの上端部には、平面視で円環状のフランジ部14dが径方向外側に向けて突設されている。フランジ部14dの外径は、被支持部101bの外径と同等であり、フランジ部14dの内径は、被支持部101bの内径よりも大きい。フランジ部14dの上面は、連通孔101eを開放した状態で被支持部101bの下面に当接する。被支持部101bの下面には、平面視でリング状のパッキン50が配設される。パッキン50は、口部102aの上端開口縁上に配置される。
大径部14bには、平面視で円環状の取付突部18が径方向内側に向けて突設されている。取付突部18は、大径部14bにおいて連通窓10aに上側から連なる部分に配置されている。取付突部18は、周方向に間隔をあけて配置されている。取付突部18は、周方向に沿って連通窓10aに対応する部分に配置されている。
取付筒部16は、シリンダ101の接続筒部101dに外嵌されている。また、取付筒部16には、取付筒部16の上下方向の全長にわたって延在すると共に通液孔19に連通する切欠部20が形成されている。
下筒部17の上端部における外周面のうち、一部が、外筒部14の内周面に接続され、他の部分と、外筒部14の内周面と、の間には径方向の隙間が設けられている。そして、外側筒部材11には、下筒部17の上端部における前記一部、及び外筒部14を一体に径方向に貫く倒立時導入孔21が形成されている。倒立時導入孔21は、吐出器100の倒立時に容器本体102内の内容液が導入可能である。
上側筒部22の上端部は、下筒部17に外嵌されている。そして、上側筒部22の外周面と外筒部14の内周面との間には、内容液を流通させる第1流路r1が形成されている。この第1流路r1は、通液孔19に連通している。
上側筒部22の下端部は、内径及び外径が下方に向かうにしたがって漸次縮径するテーパ状をなしており、上側筒部22の内側には、球状の切替弁25が配設されている。
結合筒部24の外周面と、外筒部14の内周面と、の間には、内容液を流通させる第2流路r2が形成されている。この第2流路r2は、第1流路r1に連通している。結合筒部24には、その内部と第2流路r2とを連通する連絡孔26が形成されている。連絡孔26は、結合筒部24に周方向に間隔をあけて複数形成されている。
ここで連絡孔26、第2流路r2、第1流路r1および通液孔19は、後述する正立時導入孔29および前記倒立時導入孔21と、シリンダ101の下端開口部と、を連通する連通路rを構成している。
下側筒部23の内周面には、径方向内側に向けて突出し、上下方向に延在する複数の第2縦リブ部28が周方向に間隔をあけて形成されている。第2縦リブ部28の下端部は、径方向内側に向けて突出しており、下弁体27が第2縦リブ部28の下端部よりも下方に移動することを規制する。
弁本体筒部31は、大径部14b内に嵌合されている。弁本体筒部31の上端開口縁は、大径部14bの上端開口縁と上下方向に同等の位置に配置されている。弁本体筒部31の下端開口縁は、上下方向に沿って、連通窓10aの上端縁と下端縁との間に配置されている。弁本体筒部31の下端部における内周面には、径方向の内側に向けて突出する突部33が設けられている。突部33は、周方向の全周にわたって形成されている。突部33の下端部には、下方に向かうに従い漸次、拡径する拡径面33aが形成されている。弁本体筒部31の内周面とシリンダ101の外周面との間には、外気導入路Rに連通する連通隙間gが設けられている。連通隙間gには、連通孔101eが開口している。連通隙間gは、外気導入路Rと連通窓10aとを連通可能とされている。弁本体筒部31の下端部における外周面には、径方向内側に向けて窪み、取付突部18に取り付けられる取付溝部34が全周にわたって形成されている。取付溝部34は、上下方向に沿って、突部33の上端縁と下端縁との間に配置されている。取付溝部34の下端縁は、上下方向に沿って、拡径面33aの上端縁と下端縁との間に配置されている。
弁部32は、下方に向かうにしたがって径方向内側に向けて延在するように傾斜している。また、弁部32は、径方向に弾性変形可能となっており、シリンダ101の外周面に対して径方向外側に向けて離反自在に当接している。弁部32は、連通窓10aと外気導入路Rとの連通を開放自在に閉塞する。弁部32は、連通隙間gを開放自在に閉塞する。弁部32の下端開口縁は、段部14cの上面よりも上側に位置している。
なお本実施形態では、弁部32が連通窓10aに対向しているので、弁部32がシリンダ101の外周面から離反して容器本体102内に外気が導入されるときに、外気を、弁部32とシリンダ101の外周面との間から連通窓10aを通して速やかに容器本体102内に導入し易くすることができる。
前記実施形態では、本体筒部10が、外側筒部材11、内側筒部材12およびパイプ13を備えており、本体筒部10が複数の部材で形成されているが、本発明はこれに限られない。例えば、本体筒部10が1つの部材で一体に形成されていてもよい。
弁部32が連通窓10aに対向していなくてもよい。
例えば、ストッパ110がなくてもよい。
また、前記実施形態では、トリガー107を操作することで吐出ヘッド106やステム104をシリンダ101に対して押し込む構成であるが、トリガー107を有さずに、吐出ヘッド106やステム104を直接、操作する構成であってもよい。
また、吐出ヘッド106は、前記実施形態に示した構成に限られず、例えば、横ピストン106cや横芯棒106d、横コイルスプリング106eがなくてもよい。
また、前記実施形態では、外気導入路Rが、ステム104の外周面とガイド筒部103dの内周面との間の隙間、シリンダ101の外周面と上筒部103cの内周面との間の隙間、および連通孔101eによって構成されているが、これに代えて、取付キャップ103に貫通孔を形成してこの貫通孔によって外気導入路Rを構成するなど、外気導入路Rの形態を適宜変更してもよい。
10 本体筒部
10a 連通窓
21 倒立時導入孔
25 切替弁
29 正立時導入孔
30 外気導入弁
32 弁部
100 吐出器
101 シリンダ
102 容器本体
104 ステム
105 縦ピストン(ピストン)
106 吐出ヘッド
106a 吐出孔
r 連通路
R 外気導入路
Claims (2)
- 上方付勢状態で下方移動自在に配設されたステム、前記ステムの上下動に連係するピストン、内側に前記ピストンが上下摺動自在に嵌合され、かつ内容液の収容された容器本体内に配設されるシリンダ、および前記ステムの上端部に取付けられ、かつ内容液を吐出する吐出孔が形成された吐出ヘッドを備えるとともに、前記容器本体内と外部とを連通する外気導入路が形成された吐出器に装着されて用いられ、この吐出器の正立時および倒立時の双方で、前記シリンダ内の負圧時に、前記シリンダ内に内容液を供給する正倒立両用アダプタであって、
内側に前記シリンダが嵌合される本体筒部と、
前記外気導入路を通した前記容器本体内と外部との連通を開放自在に遮断する筒状の外気導入弁と、を備え、
前記本体筒部には、
前記容器本体内の底部に向けて開口し、前記吐出器の正立時に前記容器本体内の内容液が導入可能な正立時導入孔と、
前記正立時導入孔より上方に配置され、かつ前記吐出器の倒立時に前記容器本体内の内容液が導入可能な倒立時導入孔と、
前記正立時導入孔および前記倒立時導入孔と前記シリンダの下端開口部とを連通する連通路と、が形成されるとともに、
前記吐出器の正立時に、前記倒立時導入孔と前記連通路との連通を遮断し、かつ前記吐出器の倒立時に、前記倒立時導入孔と前記連通路とを連通する切替弁が配設され、
前記外気導入弁は、前記本体筒部内に嵌合され、
前記本体筒部には、その内部と前記容器本体内とを連通する連通窓が形成され、
前記外気導入弁には、前記シリンダの外周面に対して離反自在に当接し、前記連通窓と前記外気導入路との連通を開放自在に閉塞する弁部が備えられていることを特徴とする正倒立両用アダプタ。 - 前記弁部は、前記連通窓に対向していることを特徴とする請求項1に記載の正倒立両用アダプタ。
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