JP2017047925A - 正倒立両用アダプタ - Google Patents
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Abstract
Description
ここで吐出器には、容器本体内の内容液をシリンダ内に供給するのに伴い、外気を容器本体内に導入する外気導入路が形成されており、この外気導入路を通して、吐出器の倒立時に容器本体内の内容液が外部に漏出するのを防ぐために、正倒立両用アダプタに、外気導入路を通した容器本体内と外部との連通を開放自在に遮断する外気導入弁が備えられている。
その後、ステムおよびピストンをシリンダに対して復元移動させ、シリンダ内を負圧にすると、吐出器の正立時には、切替弁が、倒立時導入孔と連通路との連通を遮断しているので、容器本体内の内容液が、正立時導入孔、および連通路を通してシリンダの下端開口部に到達してシリンダ内に流入する。
一方、吐出器の倒立時には、容器本体内の底部に開口する正立時導入孔が、容器本体内の内容液の液面から突出し、かつ倒立時導入孔と連通路とが連通するので、容器本体内の内容液が、倒立時導入孔、および連通路を通してシリンダの下端開口部に到達してシリンダ内に流入する。
ここで、吐出器の正立時および倒立時いずれの場合であっても、容器本体内の内容液がシリンダ内に流入するときには、容器本体内が負圧となり、この負圧が外気導入弁に作用して弁部がシリンダの外周面から離反することで、容器本体内と外部とが外気導入路を通して連通し、容器本体内に外気が導入される。その後、容器本体の内圧が元に戻ると、弁部がシリンダの外周面に再び当接し、外気導入弁によって、外気導入路を通した容器本体内と外部との連通が遮断される。
ところで、上記正倒立両用アダプタが装着された吐出器では、吐出器の倒立時に、例えば容器本体内の内容液からの圧力の作用等により、容器本体の口部と吐出器との境や外気導入路から内容液が外部に漏出するおそれがある。ここで、上記正倒立両用アダプタによれば、パッキンがフランジ部から径方向の外側に突出しており、この突出した領域が容器本体の口部の上端開口縁によって下方より当接されて押し上げられる。このため、パッキンのうち、フランジ部より径方向の外側に位置する領域の上面と、フランジ部の上面と、が面一となるように、パッキンが屈曲する。このようにパッキンが屈曲することにより、容器本体の口部の上端開口縁とパッキンとの接触面における面圧を高めることができ、シール性向上させることができる。したがって、本発明の正倒立両用アダプタによれば、容器本体の口部と吐出器との境や外気導入路から内容液が外部に漏出することを防止することができる。
本実施形態にかかる正倒立両用アダプタ1は、図1に示すように、内容液を吐出する吐出器100に装着されて用いられ、この吐出器100の正立時および倒立時の双方で、吐出器100における後述するシリンダ101内の負圧時に、シリンダ101内に内容液を供給する構成とされている。
吐出器100は、図2に示すように、容器本体102の口部102aに取り付けられる有頂円筒状の取付キャップ103と、上方付勢状態で下方移動自在に配設された円筒状のステム104と、ステム104の上下動に連係する二重円筒状の縦ピストン105と、内側に縦ピストン105が上下摺動自在に嵌合された円筒状のシリンダ101と、ステム104の上端部に装着され、内容物の吐出孔106aが形成された吐出ヘッド106と、ステム104を押し下げるためのトリガー107と、を備える。
ノズル連結筒部104cは、前後方向に延在する筒状をなしており、ノズル連結筒部104cの前部は、吐出ヘッド106内に配設されている。
縦ピストン105は、ステム104の下端部に嵌合されており、ステム104の上下移動に伴ってシリンダ101の内周面に沿って摺動する。
シリンダ本体部101aの上部は、取付キャップ103の上筒部103c内に嵌合されており、シリンダ本体部101aの下部は、取付キャップ103の周壁部103bの内側に配設されている。
被支持部101bの内周縁部とシリンダ本体部101aの外周面との接続部分には、上下方向に貫き、シリンダ本体部101aの外周側において、被支持部101bに対して上側に位置する部分と下側に位置する部分とを連通する連絡孔101eが形成されている。
弁座筒部101cの下部は、内径および外径が下方に向かうにしたがって漸次縮径するテーパ状をなしている。
縦芯棒108は、縦ピストン105内に挿通された棒状部材である。縦芯棒108の上部は、ステム104内に挿入されており、縦芯棒108の下部には、拡径部108aが形成されている。この拡径部108aの下端部には、シリンダ本体部101aの底面に載置された複数の縦リブ部108bが周方向に間隔をあけて配設されている。
縦コイルスプリング109は、縦ピストン105と縦芯棒108の縦リブ部108bとの間に介装されている。
開閉弁111は、弁座筒部101cの内側に収容されており、弁座筒部101c内のテーパ面に離着自在に配設されている。
ノズル外筒部106kの前端部は、ノズル筒部106bの後側部分106fの内周面に摺接しており、ノズル外筒部106kの後端部は、ノズル連結筒部104cの前部の内周面に摺接している。
ノズル内筒部106nは、ノズル外筒部106kの前後方向の中間部分から前方に向けて延在しており、ノズル内筒部106nの前端部は、ノズル筒部106bの上記弁座106hに当接している。また、ノズル内筒部106nには、ノズル内筒部106nをノズル軸O1に直交するノズル径方向に貫通する貫通孔106pが形成されている。
横コイルスプリング106eは、前後方向に延在しており、横ピストン106cのノズル内筒部106nの後端部と横芯棒106dの横リブ部106qとの間に介装されている。
トリガー107は、ステム104の頭部104aの上方に配設された天板部107aと、天板部107aの後端縁から後方に向けて斜め下方に延在する後板部107bと、天板部107aの前端縁から前方に向けて斜め下方に延在する前板部107cと、天板部107aの左右両側の側端縁から各別に垂下された一対の側板部107dと、を備える。
側板部107dの内側面には、吐出ヘッド106を押し下げるための押下部107fが設けられている。押下部107fは、ステム104の頭部104aを左右両側から挟む一対の板状部材であり、押下部107fの下端には、ステム104の被押下部104bがその軸線回りに摺動可能に嵌め込まれた円弧状の押下切欠部107gが形成されている。また、側板部107dの後部には、トリガー支持部103eの揺動軸103iがその中心軸回りに摺動可能に挿通された軸孔部107hが形成されている。
なお図示の例では、トリガー支持部103eに、トリガー107の揺動軸103i回りの下方に向けた回転移動を規制するストッパ110が配設されている。
ストッパ110は、トリガー支持部103eに、側板部107dの押下部107fの下端に当接若しくは近接する規制位置と、押下部107fから後方に離間する解除位置と、の間を、左右方向に延びる回転軸110a回りに回転自在に支持されている。ストッパ110には、一対の側板部107dを左右方向の外側から挟む一対の摘まみ片110bが突設されている。
正倒立両用アダプタ1は、図2に示すように、円筒状の本体筒部10と、吐出器100の外気導入路Rを通した容器本体102内と外部との連通を開放自在に遮断する円筒状の外気導入弁30と、本体筒部10に外嵌されるパッキン50とを備える。本体筒部10および外気導入弁30は、中心軸Oと同軸に配設されている。また、外気導入弁30のうち、本体筒部10の上端部より上方に位置する上部の内周面とシリンダ101の外周面との間に、径方向の隙間が設けられている。
本体筒部10は、シリンダ本体部101aの下端部に外嵌された円筒状の外側筒部材11と、上部が外側筒部材11内に配設され、かつ下部が外側筒部材11から下方に突出した内側筒部材12と、上端部が内側筒部材12の下端部内に嵌合された円筒状のパイプ13と、を有する。これら外側筒部材11、内側筒部材12、およびパイプ13は、中心軸Oと同軸に配設されている。
外筒部14のうち仕切壁部15よりも上側の部分における内径および外径は、仕切壁部15よりも下側の部分における内径および外径よりも大径となっている。また、外筒部14の上端部には、平面視で円環状の取付突部18が径方向外側に向けて突設されている。この取付突部18には、上下方向に貫通する通気溝18aが形成されている。この通気溝18aは、周方向に間隔をあけて複数形成されている。
取付筒部16は、シリンダ101の接続筒部101dに外嵌されている。また、取付筒部16には、取付筒部16の上下方向の全長にわたって延在すると共に通液孔19に連通する切欠部20が形成されている。
下筒部17の上端部における外周面のうち、一部が、外筒部14の内周面に接続され、他の部分と、外筒部14の内周面と、の間には径方向の隙間が設けられている。そして、外側筒部材11には、下筒部17の上端部における前記一部、および外筒部14を一体に径方向に貫く倒立時導入孔21が形成されている。
上側筒部22の上端部は、下筒部17に外嵌されている。そして、上側筒部22の外周面と外筒部14の内周面との間には、内容液を流通させる第1流路r1が形成されている。この第1流路r1は、通液孔19に連通している。
上側筒部22の下端部は、内径および外径が下方に向かうにしたがって漸次縮径するテーパ状をなしており、上側筒部22の内側には、球状の切替弁25が配設されている。
結合筒部24の外周面と、外筒部14の内周面と、の間には、内容液を流通させる第2流路r2が形成されている。この第2流路r2は、第1流路r1に連通している。結合筒部24には、その内部と第2流路r2とを連通する連絡孔26が形成されている。連絡孔26は、結合筒部24に周方向に間隔をあけて複数形成されている。ここで、連絡孔101e、第2流路r2、第1流路r1および通液孔19は、後述する正立時導入孔29および倒立時導入孔21と、シリンダ101の下端開口部と、を連通する連通路rを構成している。
下側筒部23の内周面には、径方向内側に向けて突出し、上下方向に延在する複数の第2縦リブ部28が周方向に間隔をあけて形成されている。第2縦リブ部28の下端部は、径方向内側に向けて突出しており、下弁体27が第2縦リブ部28の下端部よりも下方に移動することを規制する。
弁本体筒部31の上端部には、フランジ部33が形成されている。このフランジ部33は、フランジ部33よりも下方の部位に対して径方向外側に突出し、シリンダ101の被支持部101bよりも小径とされている。フランジ部33の上面は平坦面とされており、この上面の径方向の外側の部分がシリンダ101の被支持部101bの下面と面接触されている。
弁本体筒部31の外周面において、フランジ部33の直下に位置する部分には、径方向内側に向けて窪み、パッキン50が外嵌される外周溝部34が周方向の全周にわたって形成されている。弁本体筒部31の上下方向の中間部分における内周面には、径方向外側に向けて窪み、取付突部18が取り付けられる取付溝部35が全周にわたって形成されている。
また、容器本体102の内部が減圧されると、外気導入路Rの内圧が容器本体102の内圧に対して相対的に高くなる。これにより、外気導入弁30の可撓性筒部36が径方向の外側に押されて撓み、さらには可撓性筒部36の下端開口の内面に形成された当接突起部37の弁座面38が本体筒部10の外側筒部材11の外周面から離間する。この結果、外気導入路Rが容器本体102の内部と連通し、外気導入路Rを通じて外部から空気が容器本体102に流入し、容器本体102の内部が大気圧に戻る。
容器本体102の内部が大気圧に戻ると、可撓性筒部36の復元力によって当接突起部37が径方向内側に移動され、再び弁座面38が本体筒部10の外側筒部材11の外周面に当接する。これにより、連通状態であった外気導入路Rと容器本体102の内部とが再び遮断され、容器本体102の内溶液が外気導入路Rを通じて外部に漏出することが防止される。
続いて、本発明の第2実施形態に係る正倒立両用アダプタ1Aについて説明する。なお、本実施形態において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
また、弁部62は、基部61の下端部から下方に突出すると共に下端開口に向けて縮径する可撓性筒部63と、可撓性筒部63の下端から径方向の内側に向けて突出する当接突起部64とを有している。可撓性筒部63は、外筒部14に形成された横貫通孔14cを径方向外側から覆うように配置されている。ここで、本実施形態では、ステム104の外周面とガイド筒部103dの内周面との間の隙間、シリンダ101の外周面と上筒部103cの内周面との間の隙間、外筒部14の内周面とシリンダ本体部101aの外周面との間の隙間、横貫通孔14c、および外気導入弁60の弁部62と外筒部14との間の隙間が、容器本体102内と外部とを連通する外気導入路Rを構成している。可撓性筒部63は、容器本体102の内部が減圧された場合に、上記第1実施形態の可撓性筒部36と同様に、容器本体102と外気導入路Rとの差圧により、径方向外側に弾性変形可能とされている。
また、容器本体102の内部が減圧されると、外気導入路Rの内圧が容器本体102の内圧に対して相対的に高くなる。これにより、外気導入弁60の可撓性筒部63が径方向の外側に押されて撓み、さらには可撓性筒部63の下端開口の内面に形成された当接突起部64の弁座面65が本体筒部10の外側筒部材11の外周面から離間する。この結果、外気導入路Rが容器本体102の内部と連通し、外気導入路Rを通じて外部から空気が容器本体102に流入し、容器本体102の内部が大気圧に戻る。
容器本体102の内部が大気圧に戻ると、可撓性筒部63の復元力によって当接突起部64が径方向内側に移動され、再び弁座面65が本体筒部10の外側筒部材11の外周面に当接する。これにより、連通状態であった外気導入路Rと容器本体102の内部とが再び遮断され、容器本体102の内溶液が外気導入路Rを通じて外部に漏出することが防止される。
例えば、上記実施形態において、フランジ部33およびフランジ部14aの下面側角部を面取り加工するようにしても良い。これによって、フランジ部33およびフランジ部14aの下面側角部が屈曲したパッキン50に食い込むことを防止することができ、パッキン50の劣化を抑止することができる。
また、上記第2実施形態において、フランジ部14aの直下に外周溝部を形成し、この外周溝部にパッキン50を外嵌するようにしてもよい。
例えば、ストッパ110がなくてもよい。
また、上記実施形態では、トリガー107を操作することでステム104をシリンダ101に対して押し込む構成であるが、トリガー107を有さずに、ステム104を直接、操作する構成であってもよい。
また、吐出ヘッド106は、上記実施形態に示した構成に限られず、例えば、横ピストン106cや横芯棒106d、横コイルスプリング106eがなくてもよい。
また、取付キャップ103に貫通孔を形成してこの貫通孔によって外気導入路を構成するなど、外気導入路Rの形態を適宜変更してもよい。
10 本体筒部
21 倒立時導入孔
25 切替弁
29 正立時導入孔
30,60 外気導入弁
32,62 弁部
33,14a フランジ部
34 外周溝部
35 取付溝部
36,63 可撓性筒部
37,64 当接突起部
38,65 弁座面
50 パッキン
100 吐出器
101 シリンダ
102 容器本体
102a 口部
102b 上端開口縁
104 ステム
105 縦ピストン(ピストン)
106 吐出ヘッド
106a 吐出孔
r 連通路
R 外気導入路
Claims (3)
- 上方付勢状態で下方移動自在に配設されたステム、ステムの上下動に連係するピストン、内側にピストンが上下摺動自在に嵌合され、かつ内容液の収容された容器本体内に配設されるシリンダ、およびステムの上端部に取付けられ、かつ内容液を吐出する吐出孔が形成された吐出ヘッドを備えるとともに、容器本体内と外部とを連通する外気導入路が形成された吐出器に装着されて用いられ、この吐出器の正立時および倒立時の双方で、シリンダ内の負圧時に、シリンダ内に内容液を供給する正倒立両用アダプタであって、
内側にシリンダが嵌合される本体筒部と、
外気導入路を通した容器本体内と外部との連通を開放自在に遮断する筒状の外気導入弁と、を備え、
本体筒部には、
容器本体内の底部に向けて開口し、吐出器の正立時に容器本体内の内容液が導入可能な正立時導入孔と、
正立時導入孔より上方に配置され、かつ吐出器の倒立時に容器本体内の内容液が導入可能な倒立時導入孔と、
正立時導入孔および倒立時導入孔とシリンダの下端開口部とを連通する連通路と、が形成されるとともに、
吐出器の正立時に、倒立時導入孔と連通路との連通を遮断し、かつ吐出器の倒立時に、倒立時導入孔と連通路とを連通する切替弁が配設され、
外気導入弁は、本体筒部に外嵌され、
外気導入弁には、径方向に弾性変形可能に形成されるとともに、本体筒部の外周面に対して径方向の外側に向けて離反自在に当接し、外気導入路と容器本体内との連通を開放自在に遮断する弁部が備えられ、
本体筒部および外気導入弁のうちのいずれか一方の上端部は、他方の上端部より上方に位置し、
前記一方の上端部に、径方向の外側に向けて突出するフランジ部が形成されるとともに、
この一方の上端部の外周面において、フランジ部の直下に位置する部分に、フランジ部よりも大径であり、フランジ部から径方向の外側に突出した領域に対して容器本体の口部の上端開口縁が下方より当接されるパッキンが外嵌されていることを特徴とする正倒立両用アダプタ。 - 前記フランジ部の直下に位置する部分に、前記一方の上端部の周方向にわたって外周溝部が形成され、外周溝部にパッキンが外嵌されていることを特徴とする請求項1記載の正倒立両用アダプタ。
- 弁部は、下端開口に向けて縮径すると共に径方向に弾性変形可能とされる可撓性筒部と、可撓性筒部の下端から径方向の内側に向けて突出すると共に径方向の内側が弁座面として本体筒部の外周面に対して当接する当接突起部とを有することを特徴とする請求項1又は2記載の正倒立両用アダプタ。
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