JP6481556B2 - 乗物用シート - Google Patents
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Description
始めに、実施例1のシート1(乗物用シート)の構成について、図1〜図7を用いて説明する。先ず、図1を参照しながら、シート1の基本構成について説明する。なお、以下の説明において、「シート幅方向」「シート高さ方向」等、各種方向に「シート」を付して説明する場合には、シート1に対する各種方向を示すものとする。また、「シート外側」「シート内側」と示す場合には、シート幅方向における内側、外側をそれぞれ示すものとする。また、「車両外側」「車両内側」と示す場合には、車両の幅方向における内側、外側をそれぞれ示すものとする。
上述したシートバック2は、シートクッション3の後端部に、左右一対の電動式のリクライナ20を介して背凭れ角度の調節を行える状態に連結されている。上記各リクライナ20は、常時はシートバック2の背凭れ角度を固定した状態に保持されている。各リクライナ20は、シートクッション3の乗降ドア(不図示)側に面する車両外側の側部に設けられたスイッチ20Aを前後に押し傾ける操作によって、シートバック2の背凭れ角度を対応する各操作方向に傾動させられるように駆動回転するようになっている。
シートクッション3は、車両のフロア上に、左右一対の電動式のスライドレール5を介して前後方向に位置調節を行える状態に連結されている。上記各スライドレール5は、常時はシートクッション3の前後位置を固定した状態に保持されている。各スライドレール5は、シートクッション3の車両外側の側部に設けられたスイッチ5Aを前後に押し引きする操作によって、シートクッション3の前後位置を対応する各操作方向に押動するように駆動するようになっている。
上述したシートバック2は、詳しくは、その骨格を成すバックフレーム10が、正面視四角枠状の形に組まれた構成とされている。ここで、バックフレーム10が本発明の「シートフレーム」に相当する。具体的には、上記バックフレーム10は、左右一対の縦長状の鋼板材から成るサイドフレーム11と、各サイドフレーム11の上端部間に一体的に架橋される形に結合されたアッパフレーム12と、各サイドフレーム11の下端部間に一体的に架橋される形に結合されたロアパネル13と、によって正面視四角枠状の形に組まれた構成とされている。
以下、上述した各リクライナ20を介した各サイドフレーム11と各リクライニングプレート3Aとの連結構造について、図2〜図7を用いて詳しく説明していく。なお、これらは互いに左右対称な一対の構成となっているため、以下では、これらを代表して、車両外側に配置された片側の構成についてのみ、具体的に詳しく説明していくこととする。
先ず、リクライナ20の構成について説明する。なお、リクライナ20は、特開2011−240758号公報等の文献に開示されている公知の構成となっているため、以下ではその主要部の構造のみを簡潔に説明することとする。図4〜図6に示すように、リクライナ20は、上述したシートバック2のサイドフレーム11と、そのシート外側に向かい合って配置されるリクライニングプレート3Aと、の間に挟まれて配置されており、これらを互いに相対回転させられる形に連結している。
上述した内歯車22は、図2、図4及び図6に示すように、その外側部となるシート外側の側部上の周縁部に突出して形成された3つのダボ22Aが、上述したリクライニングプレート3Aに貫通して形成された対応する各ダボ孔3A1内に嵌め込まれて溶接されることにより、リクライニングプレート3Aに強固に一体的に結合された状態とされている。具体的には、図4に示すように、上述した内歯車22に形成された3つのダボ22Aは、互いが内歯車22の外側部上の同一円周上の位置に等間隔に並んで設けられており、それぞれが互いに同一円周の円弧を描く形に湾曲して突出した形状とされている。
一方、外歯車21は、図3、図5及び図6に示すように、その外側部となるシート内側の側部上の周縁部に突出して形成された3つのダボ21Aが、上述したシートバック2のサイドフレーム11の2重に折り重ねられた連結部11Aと補強部11Bとに貫通して形成された対応する各ダボ孔11A1,11B1内に嵌め込まれて溶接されることにより、サイドフレーム11に強固に一体的に結合された状態とされている。具体的には、図5に示すように、上述した外歯車21に形成された3つのダボ21Aは、互いが外歯車21の外側部上の同一円周上の位置に等間隔に並んで設けられており、それぞれが互いに同一円周の円弧を描く形に湾曲して突出した形状とされている。
上述したサイドフレーム11の補強部11Bは、図7に示すように、サイドフレーム11の連結部11Aの上側の領域に逆U字状の切り込みが入れられて、同領域がシート内側に起こされて連結部11Aの内側面となるシート内側の側面上に当接するように折り重ねられることにより形成されている。上記補強部11Bに形成される前述した各ダボ孔11B1は、連結部11Aに形成される前述した各ダボ孔11A1よりもひとまわり大きな形に貫通して形成されている。これにより、補強部11Bが連結部11Aに折り重ねられた際に、補強部11Bの各ダボ孔11B1が、連結部11Aの各ダボ孔11A1と軸方向に並んで、連結部11Aの各ダボ孔11A1を径方向の内側に包含するひとまわり大きな孔形状を形成した状態とされるようになっている。なお、上記補強部11Bの通し孔11B2も同様に、連結部11Aの通し孔11A2よりもひとまわり大きな孔形状に形成されている。
以上をまとめると、本実施例のシート1は次のような構成となっている。すなわち、シート1は、バックフレーム10(シートフレーム)にリクライナ20が連結された構成であって、バックフレーム10のリクライナ20と連結される連結部11Aに、バックフレーム10の他の一部を重ね合わせる形に移設して上記連結部11Aを補強する補強部11Bが設けられた構成となっている。このような構成となっていることにより、バックフレーム10のリクライナ20と連結される連結部11Aの構造強度を確保するために、バックフレーム10とは別の部材を補強パッチとして用意する必要がなくなる。したがって、バックフレーム10のリクライナ20との連結部11Aを合理的な構成で補強することができる。
以上、本発明の実施形態を1つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、本発明の乗物用シートは、鉄道等の自動車以外の車両や、航空機、船舶等の様々な乗物用に供されるシートにも広く適用することができるものである。
2 シートバック
3 シートクッション
3A リクライニングプレート
3A1 ダボ孔
3A2 通し孔
4 ヘッドレスト
5 スライドレール
5A スイッチ
10 バックフレーム(シートフレーム)
11 サイドフレーム
11A 連結部
11A1 ダボ孔
11A2 通し孔
11B 補強部
11B1 ダボ孔
11B2 通し孔
12 アッパフレーム
13 ロアパネル
20 リクライナ
20A スイッチ
21 外歯車
21A ダボ
22 内歯車
22A ダボ
23 外周リング
24 操作軸
25 キャップ
R コネクティングロッド
M 駆動モータ
Claims (2)
- シートフレームにリクライナが連結された乗物用シートであって、
前記シートフレームの前記リクライナと連結される連結部に、該連結部の上側の周辺領域から切り起こされて折り重ねられることで前記連結部を補強する補強部が設けられている乗物用シート。 - 請求項1に記載の乗物用シートであって、
前記補強部が、前記連結部と共に前記リクライナに一体的に溶接されている乗物用シート。
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