本発明の第1実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
図1に示すように、本第1実施形態に係る重量選別機10は、直線状の搬送ラインCL0を形成する搬送コンベヤ12を備えている。この搬送コンベヤ12の上流側(図1の左側)には、被計量物としてのワーク100を連続的に生産する図示しない生産手段としての生産装置が設けられている。そして、この生産装置によって生産された各ワーク100,100,…は、(後述する密着列200を形成するまでは)当該搬送コンベヤ12上を互いにLa[単位:m]という一定の距離を置いて、つまり一定のピッチLaで、1列に搬送される。
なお、ここで言うワーク100は、例えばその外形が概略円柱形の缶詰または缶入り飲料である。そして、搬送コンベヤ12上における各ワーク100,100,…のピッチLaは、例えば個々のワーク100の直径(外径)Aの2倍のLa=2・Aとされている。ただし、このピッチLaは、搬送コンベヤ12上の摩擦力の影響等によって所々で変わることがあり、つまりLa=2・Aという規定値よりも大きい箇所もあれば、当該規定値よりも小さい箇所もある。また、搬送コンベヤ12は、例えばトップチェーン型のものであり、その搬送速度VaがVa=V[単位:m/s]となるように、図示しない駆動手段としての例えば適当なモータによって駆動される。また、この搬送コンベヤ12(キャリア側)の左右両側縁のそれぞれに沿うように、当該搬送コンベヤ12上を搬送される各ワーク100,100,…の搬送方向(移動可能方向)を規制するための適当なガイド14および16が設けられている。図1(b)においては、その見易さを考慮して、これらのガイド14および16の図示を省略してある。
搬送コンベヤ12の下流側(図1の右側)、言い換えれば搬送ラインCL0の下流側には、当該搬送ラインCL0を2つに分岐するように2つの直線状の分流ラインCL1およびCL2が形成されている。具体的には、各分流ラインCL1およびCL2は、搬送ラインCL0の左右両横方において当該搬送ラインCL0と平行を成す2本の直線上に形成されている。そして、これら各分流ラインCL1およびCL2それぞれの上流側の一部分と、搬送ラインCL0の下流側の一部分とが、それぞれの延伸方向(図1の左右方向)において互いに重なっており、言わば並列を成した状態にある。そして、各分流ラインCL1およびCL2の一方、例えば当該各分流ラインCL1およびCL2を上流側から下流側に向かって見たときに左側(図1(a)の上方側)に位置する左側分流ラインCL1は、中継コンベヤ18,送り込みコンベヤ20,計量コンベヤ22および送り出しコンベヤ24が当該上流側から下流側に向かってこの順番で直列に配置されることによって形成されている。これと同様に、他方の(図1(a)の下方側に位置する)右側分流ラインCL2もまた、中継コンベヤ26,送り込みコンベヤ28,計量コンベヤ30および送り出しコンベヤ32が上流側から下流側に向かってこの順番で直列に配置されることによって形成されている。
より具体的には、左側分流ラインCL1を形成する中継コンベヤ18は、例えばトップチェーン型のものである。この中継コンベヤ18の上流側の一部分は、搬送コンベヤ12の下流側の一部分と、言い換えれば搬送ラインCL0の下流側の一部分と、並列を成した状態にあり、これにより上述したように、左側分流ラインCL1の上流側の一部分と、当該搬送ラインCL0の下流側の一部分とが、互いに並列を成した状態にある。なお、この中継コンベヤ18の幅寸法は、搬送コンベヤ12の幅寸法よりも小さく、詳しくは後述する如く当該搬送コンベヤ12との間でワーク100の受け渡しを行うのに適当な大きさとされており、併せて、当該ワーク100を搬送すると共に、次に説明する後段の送り込みコンベヤ20との間でもワーク100の受け渡しを行うのに適当な大きさとされている。この中継コンベヤ18は、搬送コンベヤ12のものとは別の図示しない適当なモータによって駆動される。
そして、送り込みコンベヤ20,計量コンベヤ22および送り出しコンベヤ24は、例えば互いに共通の無端チェーン34および36を用いるチェーンコンベヤである。このうちの送り込みコンベヤ20は、互いに平行を成して延伸する2つの支持レール20aおよび20bを有しており、これら各支持レール20aおよび20bそれぞれの上流側の一部分は、中継コンベヤ18の下流側の一部分を間に挟んで当該中継コンベヤの下流側の一部分と並列を成した状態にある。このため、これら各支持レール20aおよび20b間の距離、つまり当該各支持レール20aおよび20bを含む送り込みコンベヤ20の幅寸法は、中継コンベヤ18の幅寸法よりも大きく、詳しくは当該中継コンベヤ18との間でワーク100の受け渡しを行うのに適当な大きさとされており、併せて、当該ワーク100を搬送するのにも適当な大きさとされている。そして、計量コンベヤ22も同様に、2つの支持レール22aおよび22bを有しており、これら各支持レール22aおよび22bは、送り込みコンベヤ20の各支持レール20aおよび20bの後段に設けられている。さらに、送り出しコンベヤ24も同様に、2つの支持レール24aおよび24bを有しており、これら2つの支持レール24aおよび24bは、計量コンベヤ22の各支持レール22aおよび22bの後段に設けられている。その上で、これら送り込みコンベヤ20,計量コンベヤ22および送り出しコンベヤ24それぞれの一方の支持レール20a,22aおよび24aに、1本の無端チェーン34が掛け渡されており、他方の支持レール20b,22bおよび24bに、別の1本の無端チェーン36が掛け渡されている。これらの無端チェーン34および36は、互いに共通の図示しない適当なモータによって駆動される。この各無端チェーン34および36用のモータは、中継コンベヤ18用のモータと共通のものであってもよい。いずれにしても、中継コンベヤ18,送り込みコンベヤ20,計量コンベヤ22および送り出しコンベヤ24から成る左側分流ラインCL1は、その搬送速度Vbが上述の搬送コンベヤ12の搬送速度Vaよりも大きく(Vb>Va)なるように、例えば当該搬送コンベヤ12の搬送速度Vaの3/2倍のVb={3/2}・Vとなるように、駆動される。
さらに、計量コンベヤ22に注目すると、この計量コンベヤ22の各支持レール22aおよび22bは、左側荷重検出手段としてのロードセル22c(厳密にはロードセル22cを含む適当な支持手段)によって支持されている。このロードセル22cは、自身に印加された荷重に応じた大きさの、例えば直流電圧の、アナログ態様の左側荷重信号Sw1を出力する。この左側荷重信号Sw1は、制御手段としての後述する制御装置300に入力される。また、この計量コンベヤ22の長さ、いわゆるコンベヤ長さLmは、例えばワーク100の直径Aの3倍のLm=3・Aとされている。
加えて、計量コンベヤ22の上流側端部の近傍、例えば当該計量コンベヤ22の上流側端部と送り込みコンベヤ20の下流側端部との間に、これから計量コンベヤ22上に乗り込もうとするワーク100を検知するための左側ワーク検知手段としての光電センサ38が設けられている。この光電センサ38としては、例えば投光器38aと受光器38bとから成る透過型のものが採用される。これらの投光器38aと受光器38bとは、左側分流ラインCL1の少し上方において、当該左側分流ラインCL1を間に挟んでその左右両横方に互いに距離を置いて、少なくともワーク100の直径Aよりも大きい当該距離を置いて、設けられている。この光電センサ38(の受光器38b)から出力される言わば左側ワーク検知信号Sa1は、後述する制御装置300に入力される。これ以降、この左側ワーク検知手段としての光電センサ38については、「Da1」という符号を用いて表現することがある。
他方の右側分流ラインCL2を形成する中継コンベヤ26,送り込みコンベヤ28,計量コンベヤ30および送り出しコンベヤ32もまた、左側分流ラインCL1のものと全く同様である。
即ち、当該右側分流ラインCL2を形成する中継コンベヤ26は、トップチェーン型のものであり、図示しない適当なモータによって駆動される。なお、この右側分流ラインCL2の中継コンベヤ26用のモータは、左側分流ラインCL1の中継コンベヤ18用のモータと共通のものであってもよい。
そして、送り込みコンベヤ28,計量コンベヤ30および送り出しコンベヤ32は、互いに共通の2本の無端チェーン40および42を用いるチェーンコンベヤである。このうちの送り込みコンベヤ28は、互いに平行を成して延伸する2つの支持レール28aおよび28bを有しており、計量コンベヤ30もまた、2つの支持レール30aおよび30bを有しており、送り出しコンベヤ32もまた、2つの支持レール32aおよび32bを有している。そして、これら送り込みコンベヤ28,計量コンベヤ30および送り出しコンベヤ32それぞれの一方の支持レール28a,30aおよび32aに、1本の無端チェーン40が掛け渡されており、他方の支持レール28b,30bおよび32bに、別の1本の無端チェーン42が掛け渡されている。これら2本の無端チェーン40および42は、互いに共通の図示しない適当なモータによって駆動される。なお、この右側分流ラインCL2の各チェーン40および42用のモータは、左側分流ラインCL1の各チェーン34および36用のモータと共通のものであってもよいし、中継コンベヤ26用のモータと共有のものであってもよし、その場合には、左側分流ラインCL1の中継コンベヤ18用のモータと共通のものであってもよい。いずれにしても、この右側分流ラインCL2もまた、その搬送速度VbがVb={3/2}・Vとなるように駆動される。
さらに、計量コンベヤ30に注目すると、この計量コンベヤ30の各支持レール30aおよび30bは、右側荷重検出手段としてのロードセル30cによって支持されている。そして、このロードセル30cから出力されるアナログ態様の右側荷重信号Sw2は、後述する制御装置300に入力される。また、この計量コンベヤ30のコンベヤ長さLmは、Lm=3・Aとされている。
加えて、計量コンベヤ30の上流側端部と送り込みコンベヤ28の下流側端部との間に、これから当該計量コンベヤ上30に乗り込もうとするワーク100を検知するための右側ワーク検知手段としての透過型の光電センサ44が設けられており、つまり投光器44aと受光器44bとが設けられている。そして、この光電センサ44(の受光器44b)から出力される右側ワーク検知信号Sa2は、後述する制御装置300に入力される。これ以降、この右側ワーク検知手段としての光電センサ44については、「Da2」という符号を用いて表現することがある。
そしてさらに、搬送コンベヤ14の下流側端部の近傍部分に注目すると、その上方に、振分手段としての振分装置46が設けられている。この振分装置46は、搬送コンベヤ14上を搬送される各ワーク100,100,…を堰き止めることによって、当該各ワーク100,100,…が所定個数以上互いに密着する密着列200を形成し、その上で、この密着列200の(厳密には密着列200を介しての搬送コンベヤ14による)搬送圧力を利用して、当該密着列200の先頭にある先頭ワーク100を上述の各分流ラインCL1およびCL2に交互に振り分けるものである。そのために、この振分装置46は、例えば実開昭53−148483号公報に開示されている容器等の搬送分配装置における分配羽根およびストッパーと同様の振分羽根46aおよびストッパ46bを有している。
具体的には、この振分装置46の振分羽根46aは、図1(a)に示すように、これを上方から見たときに、概略正三角形の各辺が内側に向かって凹状に湾曲したような形状をしている。そして、この振分羽根46aは、搬送ラインCL1と直交する鉛直線に沿う直線状の回転軸46cを中心として回動可能に設けられている。ただし、この振分羽根46aの回動可能範囲(角度)は、ストッパ46bによって制限される。このストッパ46bは、例えば回転軸46cよりも少し下流側において搬送ラインCL1と直交する鉛直線に沿う直線状の棒状体である。このストッパ46bに、振分羽根46aの湾曲した3つの側面の1つ、詳しくは下流側に向いている側面、が当接することによって、上方から見た当該振分羽根46aの回動可能範囲が時計回りの限界位置と反時計回りの限界位置との間に制限される。因みに、図1(a)は、上方から見た振分羽根46aが反時計回りの限界位置にある状態を示す。また、図1(b)は、図1(a)の状態を横方から見た図である。この状態においては、振分羽根46aの上述とは別の側面が、上流側に向いた状態となり、この上流側に向いた側面に、後述する如く密着列200の先頭ワーク100の外周壁が当接する。これとは反対に、振分羽根46aが上方から見て反時計回りの限界位置にあるときには、当該振分羽根46aのさらに別の側面が、上流側に向いた状態となり、この上流側に向いた側面に、密着列200の先頭ワーク100の外周壁が当接する。
より具体的には、図2に示すように、振分羽根46aは、回転軸46cの下方側端部またはその近傍に固定されている。そして、回転軸46cは、その延伸方向の適当な位置においてスラスト軸受46dを介して適当な支持部材46eに回動可能に支持されている。さらに、この回転軸46cの上方側端部に、電磁クラッチ46fが取り付けられている。そして、電磁クラッチ22fは、回転軸46cと同心の固定軸46gを介して適当な固定部材46hに固定されている。なお、支持部材46eおよび固定部材46hは、重量選別機10の図示しない基部(シャーシ)に固定されている。
電磁クラッチ46fは、後述する制御装置300から供給される振分制御信号Spに従って、回転軸46cの上方側端部を強固に拘束するON状態と、この拘束を拘束を解除するOFF状態と、に切り換わる。即ち、この電磁クラッチ46fがON状態にあるときには、回転軸46cの上方側端部が強固に拘束されて、当該回転軸46cと共に振分羽根46aが回動不能となる。そして、この電磁クラッチ46fがOFF状態にあるときには、回転軸46cの上方側端部の拘束が解除されて、当該回転軸46cと共に振分羽根46aが回動可能となる。なお、図2は、図1に示した状態にある振分装置46を、つまり上方から見た振分羽根46aが反時計回りの限界位置にある状態の当該振分装置46を、下流側から見た図である。また、この図2においては、その見易さを考慮して、次に説明する限界位置検知手段としての2つの光電センサ46iおよび46jを含む適宜の要素の図示を省略してある。
改めて図1を参照して、振分装置46は、振分羽根46aが上述した2つの限界位置のいずれかにあるかどうかを検知するための限界位置検知手段としての2つの光電センサ46iおよび46jを有している。これら2つの光電センサ46iおよび46jは、例えば反射型ものであり、このうちの一方(図1(a)において上方側にある光電センサ)46iは、上方から見た振分羽根46iが反時計回りの限界位置にあるかどうかを検知するためのものであり、他方(図1(a)において下方側にある光電センサ)46jは、上方からみた当該振分羽根46aが時計回りの限界位置にあるかどうかを検知するためのものである。具体的には、これら各光電センサ46iおよび46jのそれぞれは、振分羽根46aが自身に対応する限界位置にあるときに、つまり当該振分羽根46iを検知したときに、ONを示し、そうでないときには、OFFを示す、限界位置検知信号Sb1およびSb2を出力する。これらの限界位置検知信号Sb1およびSb2もまた、後述する制御装置300に入力される。これ以降、この限界位置検知手段としての各光電センサ46iおよび46jについては、それぞれ「Db1」および「Db2」という符号を用いて表現することがある。
また、振分装置46の左右両横方には、当該振分装置46によって各分流ラインCL1およびCL2のそれぞれに振り分けられるワーク100を当該各分流ラインCL1およびCL2のそれぞれに確実に案内するための適当なガイド48および50が設けられている。なお、図1(b)においては、その見易さを考慮して、これらのガイド48および50の図示を省略してある。
さらに、振分装置46の設置位置から搬送ラインCL0の上流側に向かって後述する第1基準個数M1に対応する距離L1を隔てた位置に、この位置において密着列200の有無を検知するための第1基準個数検知手段としての光電センサ52が設けられている。この光電センサ52は、例えば投光器52aと受光器52bとから成る透過型のものである。これらの投光器52aと受光器52bとは、搬送ラインCL0の少し上方において、当該搬送ラインCL0を間に挟んでその左右両横方に互いに距離を置いて設けられている。なお、この光電センサ52(の受光器52b)は、密着列200を検知したときに、厳密には投光器52aと受光器52bとの間が密着列200を含む何らかによって遮られたときに、OFFを示し、そうでないときに、ONを示す、第1基準個数検知信号Sc1を出力する。この第1基準個数検知信号Sc1もまた、後述する制御装置300に入力される。これ以降、この第1基準個数検知手段としての光電センサ52については、「Dc1」という符号を用いて表現することがある。
加えて、振分装置46の設置位置から搬送ラインCL0の上流側に向かって後述する第2基準個数M2に対応する距離L2を隔てた位置に、この位置において密着列200の有無を検知するための第2基準個数検知手段としての光電センサ54が設けられている。この光電センサ54もまた、上述の第1基準個数検知手段としての光電センサDc1と同様、例えば投光器54aと受光器54bとから成る透過型のものである。これらの投光器54aと受光器54bとは、搬送ラインCL0の少し上方において、当該搬送ラインCL0を間に挟んでその左右両横方に互いに距離を置いて設けられている。そして、この光電センサ54(の受光器54b)は、密着列200を検知したときに、OFFを示し、そうでないときに、ONを示す、第2基準個数検知信号Sc2を出力する。この第2基準個数検知信号Sc2もまた、後述する制御装置300に入力される。これ以降、この第2基準個数検知手段としての光電センサ54については、「Dc2」という符号を用いて表現することがある。
制御装置300は、図3に示すように、例えばCPU302を有している。そして、このCPU302に、上述した各光電センサDa1,Da2,Db1,Db2,Dc1およびDc2から出力される各検知信号Sa1,Sa2,Sb1,Sb2,Sc1およびSc2が、入出力インタフェース回路304を介して入力される。また、各計量コンベヤ22および30の各ロードセル22cおよび30cから出力される各荷重信号Sw1およびSw2は、個別の増幅回路306および308によって適当に増幅された後、個別のA/D変換回路310および312によってアナログ態様からデジタル態様の信号に変換され、その上で、入出力インタフェース回路304を介して当該CPU302に入力される。
なお、CPU302には、これに各種命令を入力するための命令入力手段としての操作キー314と、当該CPU302の動作に応じた各種情報を出力するための情報出力手段としての液晶型のディスプレイ316とが、入出力インタフェース回路304を介して接続されている。これらの操作キー314およびディスプレイ316は、互いに一体化されたものでもよく、例えばタッチスクリーンであってもよい。また、CPU302には、記憶手段としてのメモリ回路318が接続されており、このメモリ318には、CPU302の動作を制御するための制御プログラムが記憶されている。CPU302は、この制御プログラムに従って動作することで、振分装置46の電磁クラッチ46fを制御し、厳密には当該電磁クラッチ46fを制御するための振分制御信号Spを生成する、言わば振分制御手段として機能する。この振分制御信号Spは、入出力インタフェース回路304を介して当該電磁クラッチ46fに供給される。また、CPU302は、各ワーク100,100,…それぞれの重量を求める、言わば重量演算手段としても機能する。このCPU302の動作については、後で詳しく説明する。
このように構成された本第1実施形態に係る重量選別機10によれば、まず、その起動前に、振分装置46の振分羽根46aが上述した2つの限界位置のいずれかに手動により合わせられ、例えば図1(a)に示した如く上方から見て反時計回りの限界位置に合わせられる。その上で、重量選別機10が起動される。すると、搬送コンベヤ12の駆動が開始されると共に、左右の各分流ラインCL1およびCL2の駆動も開始される。さらに、振分装置46の電磁クラッチ46fがON状態とされ、つまり振分羽根46aが回動不能とされる。
この状態で、上述した生産装置によってワーク100が連続的に生産されると、これら各ワーク100,100,…は、上述の如く搬送コンベヤ12上を(基本的に)La=2・Aという一定のピッチLaで1列に搬送される。そして、これら各ワーク100,100,…の先頭にある先頭ワーク100が振分装置46の設置位置に到達すると、詳しくは当該先頭ワーク100の外周壁が振分装置46の振分羽根46aの上流側に向いている側面に当接すると、これら各ワーク100,100,…は、当該振分装置46(振分羽根46a)によって堰き止められる。これにより、振分装置46の設置位置を先頭にして各ワーク100,100,…が互いに密着する密着列200が形成される。なお、この密着列200を形成する各ワーク100,100,…のピッチLoは、Lo=A(厳密にはLo≒A)である。
この密着列200は、時間の経過に伴って徐々に長くなる。言い換えれば、当該密着列200を形成するワーク100の個数が、時間の経過に伴って徐々に増大する。そして、この密着列200を形成するワーク100の個数が上述した第2基準個数M2に達すると、厳密にはこのことが第2基準個数検知手段としての光電センサDc2によって検知されると、振分装置46の電磁クラッチ46fがOFF状態となり、つまり振分羽根46aが回動可能となる。これにより、振分羽根46aが、自身に作用する密着列200の(厳密には密着列200を介しての搬送コンベヤ12による)搬送圧力によって回動し、詳しくは上方から見て時計回りに回動する。この結果、密着列200の先頭ワーク100が、搬送コンベヤ12(搬送ラインCL0)上から左側分流ラインCL1の中継コンベヤ18上へと受け渡され、つまり当該左側分流ラインCL1へと振り分けられる。このとき、上述したガイド48による案内作用によって、当該搬送コンベヤ12から左側分流ラインCL1へのワーク100の振分が確実に行われる。このように振分装置46は、密着列200の搬送圧力を利用して、言わばそれ自体は特段な駆動力を用いることなく、搬送コンベヤ12から左側分流ラインCL1へのワーク100の振分を行う。
この搬送コンベヤ12から左側分流ラインCL1へのワーク100の振分後、振分装置46の振分羽根46aは、上方から見て時計回りの限界位置に到達し、この限界位置にて停止する。そして、密着列200の新たな先頭ワーク100の外周壁が振分羽根46aに当接し、詳しくはこの時点で当該振分羽根46aの上流側に向いている側面に当接する。すると今度は振分羽根46aが、これまでとは反対の方向に回動し、つまり上方から見て反時計回りに回動する。これにより、密着列200の先頭ワーク100が、搬送コンベヤ12上から右側分流ラインCL2の中継コンベヤ26上へと受け渡され、つまり当該右側分流ラインCL2へと振り分けられる。このとき、上述したガイド50による案内作用によって、当該搬送コンベヤ12から右側分流ラインCL2へのワーク100の振分が確実に行われる。このように搬送コンベヤ12から右側分流ラインCL2へのワーク100の振分が行われるときにも、振分装置46は、密着列200の搬送圧力を利用して、つまり特段な駆動力を用いることなく、当該振分を行う。
この搬送コンベヤ12から右側分流ラインCL2へのワーク100の振分後、振分装置46の振分羽根46aは、上方から見て反時計回りの限界位置に到達して、この限界位置にて停止し、つまり図1(a)に示した状態に戻る。これ以降は同様の要領で、搬送コンベヤ12から左右の各分流ラインCL1およびCL2へのワーク100の振分が交互に行われる。なお、図1(b)においては、その見易さを考慮して、振分装置46による振分後の各ワーク100,100,…のうち右側分流ラインCL2に振り分けられたもののみを図示してある。
ここで例えば、左側分流ラインCL1に注目すると、この左側分流ラインCL1に振り分けられた各ワーク100,100,…は、当該左側分流ラインCL1を形成する中継コンベヤ18,送り込みコンベヤ20,計量コンベヤ22および送り出しコンベヤ24上を、この順番で1列に搬送される。そして、それぞれのワーク100が単独で計量コンベヤ22上に滞在しているときの当該計量コンベヤ22のロードセル22cから出力される左側荷重信号Sw1に基づいて、当該ワーク100の重量が求められる。具体的には、制御装置300のCPU302が、上述した左側ワーク検知手段としての光電センサDa1からの左側ワーク検知信号Sa1に基づいて、それぞれのワーク100が単独で計量コンベヤ22上に滞在している期間を推測する。そして、CPU302は、それぞれのワーク100が単独で計量コンベヤ22上に滞在している期間中の左側荷重信号Sw1に基づいて、厳密にはデジタル態様に変換された左側荷重信号Sw1に基づいて、当該それぞれのワーク100の重量を求める。この求められたワーク100の重量は、当該ワーク100の選別に用いられる。なお、このワーク100の選別については、本発明の本旨に直接関係しないので、ここでの詳しい説明を省略する。
これと同様に、右側分流ラインCL2に振り分けられた各ワーク100,100,…は、当該右側分流ラインCL2を形成する中継コンベヤ26,送り込みコンベヤ28,計量コンベヤ30および送り出しコンベヤ32上を、この順番で1列に搬送される。そして、それぞれのワーク100が単独で計量コンベヤ30上に滞在しているときの当該計量コンベヤ30のロードセル30cから出力される右側荷重信号Sw2に基づいて、当該ワーク100の重量が求められる。具体的には、CPU302が、右側ワーク検知手段としての光電センサDa2からの右側ワーク検知信号Sa2に基づいて、それぞれのワーク100が単独で計量コンベヤ30上に滞在している期間を推測する。そして、CPU302は、それぞれのワーク100が単独で計量コンベヤ30上に滞在している期間中の左側荷重信号Sw2に基づいて、当該それぞれのワーク100の重量を求める。この求められたワーク100の重量は、当該ワーク100の選別に用いられる。
ところで上述したように、左右の各分流ラインCL1およびCL2それぞれの搬送速度Vbは、上流側の搬送コンベヤ12の搬送速度Vaよりも大きく(Vb>Va)、詳しくは当該搬送コンベヤ12の搬送速度Vaの3/2倍のVb={3/2}・Vである。そして、振分装置46によって搬送コンベヤ12上から各分流ラインCL1およびCL2に交互に振り分けられる直前の各ワーク100,100,…のピッチLo、つまり密着列200を形成する当該各ワーク100,100,…のピッチLoは、Lo=Aである。従って、左右の各分流ラインCL1およびCL2のそれぞれにおける各ワーク100,100,…のピッチLbは、まず当該左右に振り分けられることでその直前のピッチLo(=A)の2倍である2・Aとなり、さらに搬送速度が{3/2}倍に加速されることで結果的にLb=3・Aとなる。このピッチLbは、Lm=3・Aという各計量コンベヤ22および30それぞれのコンベヤ長さLmと等価(Lb=Lm)である。従って、各計量コンベヤ22および30のそれぞれの上に2個以上のワーク100が同時に滞在することはなく、ゆえに、確実な計量を実現することができる。
また別の観点から言えば、このLm=3・Aというコンベヤ長さLmは、Lb=3・Aという左右の各分流ラインCL1およびCL2のそれぞれにおける各ワーク100,100,…のピッチLbに対して取り得る当該コンベヤ長さLmの最大値である。このようなコンベヤ長さLmを有する各計量コンベヤ22および30のそれぞれの上にワーク100が単独で滞在する単独滞在時間Tm[単位:s]は、次の式1によって表される。
《式1》
Tm=(Lm−A)/Vb=(4/3)・(A/V)
この単独滞在時間Tmが長いほど、それぞれのワーク100の計量に掛けることのできる時間が長くなり、その分、高精度な計量を実現することができる。例えば、各計量コンベヤ22および30のそれぞれの上にワーク100が乗り込む際に、当該各計量コンベヤ22および30の各ロードセル22aおよび30aから出力される各荷重信号Sw1およびSw2のそれぞれに比較的に振幅の大きい過渡応答振動成分が現れるが、単独滞在時間Tmが長いほど、この過渡応答振動成分が減衰するのを待つための時間を長く確保することができ、その分、高精度な計量を実現することができる。また、この過渡応答振動成分を含む様々な振動成分を除去するためのフィルタ回路として、比較的に時定数の大きいものを採用することができ、このこともまた、高精度計量の実現に大きく貢献する。
この比較対象として例えば、搬送ラインCL0上の各ワーク100,100,…の搬送ピッチLaが常に一定であって当該搬送ラインCL0の途中に計量コンベヤが設けられる構成、つまり当該計量コンベヤが1台のみ設けられる構成、を仮想する。この場合、当該計量コンベヤのコンベヤ長さLm’は、搬送ラインCL0上の各ワーク100,100,…のピッチLa以下(Lm’≦La)とされ、従って、最大でLm’=2・Aとなる。そして、この最大のコンベヤ長さLm’を有する計量コンベヤ上にそれぞれのワーク100が単独で滞在する単独滞在時間Tm’は、次の式2によって表される。
《式2》
Tm’=(Lm’−A)/Va=A/V
この式2と上述の式1とから分かるように、本第1実施形態によれば、計量コンベヤが1台のみ設けられると仮想した構成に比べて、長めの単独滞在時間Tmを確保することができ、詳しくは当該仮想構成における単独滞在時間Tm’の4/3倍の単独滞在時間Tm(={4/3}・Tm’)を確保することができる。従って、その分、高精度な計量を実現することができる。
なお、上述の従来技術において、回転型輸送機に代えて重量選別機が設けられる構成、つまりスクリューフィーダの出力側から順次出力される各ワークが1個ずつ当該重量選別機の計量コンベヤに送り込まれる構成、を仮想すると、この構成もまた、計量コンベヤが1台のみである。従って、本第1実施形態によれば、この従来技術に比べても、高精度な計量を実現することができる。
因みに、本第1実施形態においては、各計量コンベヤ22および30それぞれのコンベヤ長さLmがLm={5/2}・Aであるときに、単独滞在時間TmがTm=A/Vとなり、つまり計量コンベヤが1台のみ設けられると仮想した構成における単独滞在時間Tm’と等価(Tm=Tm’)になる。従って、この仮想構成よりも高精度な計量を実現するには、各計量コンベヤ22および30それぞれのコンベヤ長さLmが{5/2}・Aよりも大きい(Lm>{5/2}・A)ことが、必要である。
加えて、本第1実施形態における各計量コンベヤ22および30のそれぞれによる単位時間当たりのワーク100の計量個数、言わば当該各計量コンベヤ22および30それぞれの個別計量能力Qm[単位:個/s]は、次の式3によって表される。
《式3》
Qm=Vb/Lb=(1/2)・(V/A)
この式3によって表される各計量コンベヤ22および30それぞれの個別計量能力Qmは、左右の各分流ラインCL1およびCL2のそれぞれにおける単位時間当たりのワーク100の搬送個数、言わば当該各分流ラインCL1およびCL2それぞれの個別搬送能力Qb(=Qm)、でもある。そして、これら各分流ラインCL1およびCL2それぞれの個別搬送能力Qbを合わせた言わば合計搬送能力Qtは、次の式4によって表される。
《式4》
Qt=2・Qb=2・Qm=V/A
この式4によって表される合計搬送能力Qtは、重量選別機10全体としての単位時間当たりのワーク100の処理個数、言わば当該重量選別機10全体としての処理能力Qd(=Qt)、でもある。
一方、上流側の搬送コンベヤ12による単位時間当たりのワーク100の搬送個数、言わば主搬送能力Qaは、次の式5によって表される。
《式5》
Qa=Va/La=(1/2)・(V/A)
この式5によって表される主搬送能力Qaは、上述した生産装置による単位時間当たりのワーク100の生産個数、言わば当該生産装置の生産能力Qp(=Qa)、でもある。
この式5と上述の式4とから分かるように、各分流ラインCL1およびCL2の合計搬送能力Qtは、上流側の搬送コンベヤ12の搬送能力である主搬送能力Qaよりも大きく(Qt>Qa)、詳しくは当該主搬送能力Qaの2倍(Qt=2・Qa)である。即ち、重量選別機10全体としての処理能力Qdは、生産装置の生産能力Qpよりも大きく(Qd>Qp)、当該生産装置の生産能力Qpの2倍(Qd=2・Qp)である。従って、生産装置によって生産された各ワーク100,100,…が上流側で溢れるようなことはなく、ゆえに、重量選別機10による当該各ワーク100,100,…の処理が滞りなく行われる。
ただし、このように重量選別機10の処理能力Qdが生産装置の生産能力Qよりも大きいと、時間が経過するに連れて上述の密着列200が徐々に短くなり、つまり当該密着列200を形成するワーク100の個数が徐々に減少する。そして、この密着列200を形成するワーク100の個数が過度に減少すると、振分装置46が振分を行うのに必要な搬送圧力が得られなくなり、当該振分装置46が正常に動作することができなくなる。このことから、振分装置46が正常に動作するには、密着列200を形成するワーク100の個数が所定個数以上であることが、必要とされる。
そのために、本第1実施形態においては、密着列200を形成するワーク100の最小個数としての第1基準個数M1(M1:1以上の整数)が予め設定される。そして、密着列200を形成するワーク100の個数が当該第1基準個数M1を下回ったときに、厳密にはこのことが第1基準個数検知手段としての光電センサDc1によって検知されたときに、振分装置46の電磁クラッチ46fがON状態となり、つまり振分羽根46aが回動不能となる。これにより、振分装置46による振分動作が停止される。なお、この振分装置46による振分動作が停止される際には、振分羽根46aが上述した2つの限界位置のいずれかにあることが確認された上で、厳密にはこのことが限界位置検知手段としての2つの光電センサDb1およびDb2のいずれかによって検知された上で、当該振分動作が停止される。これにより改めて、密着列200を形成するワーク100の個数が徐々に増大する。そして、この密着列200を形成するワーク100の個数が第1基準個数M1よりも大きい所定の第2基準個数M2(M2:M1よりも大きい整数)に達すると、振分装置46の電磁クラッチ46fがOFF状態となり、つまり振分羽根46aが回動可能となる。これにより、振分装置46による振分動作の停止が解除されて、当該振分動作が再開される。第1基準個数M1および第2基準個数M2は、その時々の諸状況に応じて適宜に定められる。
この振分装置46の振分動作の停止および当該停止の解除は、制御装置300のCPU302によって制御される。そのために、CPU302は、上述の制御プログラムに従って、図4および図5に示す振分制御タスクを実行する。なお、CPU302は、いわゆる割込処理によって、この振分制御タスクを例えばΔT=1[ms]という比較的に短い時間間隔で繰り返し実行する。また、重量選別機10の起動前に、上述の如く振分装置46の振分羽根46aが2つの限界位置のいずれかに手動により合わせられる。そして、重量選別機10の起動直後に、初期設定が行われる。この初期設定においては、後述するF1というフラグに“1”がセットされると共に、F2というフラグに“0”がセットされ、さらに、C1というカウント値がリセット(C1=0)される。その上で、この振分制御タスクが実行される。
この振分制御タスクによれば、CPU302は、まず、図4のステップS1に進む。そして、このステップS1において、フラグF1に“0”がセットされているか否かを判定する。このフラグF1は、振分装置46の電磁クラッチ46fをONするべきか否かを示す指標であり、例えば当該フラグF1に“1”がセットされているときに、電磁クラッチ46fをONするべきことを示し、“0”がセットされているときには、電磁クラッチ46fをONする必要はないことを示す。重量選別機10の起動後の当初は、上述の初期設定によって当該フラグF1に“1”がセットされた状態にあるので、この場合、CPU302は、ステップS3に進む。
ステップS3において、CPU302は、第2基準個数検知手段としての光電センサDc2からの第2基準個数検知信号Sc2がONを示すものであるか否か、つまり密着列200を形成するワーク100の個数が第2基準個数M2未満であるか否か、を判定する。重量選別機10の起動後の当初は、密着列200が形成されておらず、または、当該密着列200が形成されているとしてもこれを形成するワーク100の個数が少なく、つまり第2基準個数M2未満であるので、この場合、CPU302は、ステップS5に進む。
ステップS5において、CPU302は、後述するT2という時間を計測するためのカウント値C2に“0”をセットし、つまり当該カウント値C2をリセットする。そして、CPU302は、図5のステップS7に進む。
ステップS7において、CPU302は、フラグF2に“0”がセットされているか否かを判定する。このフラグF2は、振分装置46の電磁クラッチ46fをOFFするべきか否かを示す指標であり、例えば当該フラグF2に“1”がセットされているときに、電磁クラッチ22fをOFFするべきことを示し、“0”がセットされているときには、電磁クラッチ22fをOFFする必要はないことを示す。重量選別機10の起動後の当初は、上述の初期設定によって当該フラグF2に“0”がセットされた状態にあるので、この場合、CPU302は、ステップS9に進む。
ステップS9において、CPU302は、改めてフラグF1に“1”がセットされているか否かを判定する。上述したように、重量選別機10の起動後の当初は、当該フラグF1に“1”がセットされた状態にあるので、この場合、CPU302は、ステップS11に進む。
ステップS11において、CPU302は、限界位置検知手段としての各光電センサDb1およびDb2からの各限界位置検知信号Sb1およびSb2のいずれかがONを示すものであるか否か、つまり振分装置46の振分羽根46aがいずれかの限界位置にあるか否か、を判定する。ここで例えば、各限界位置検知信号Sb1およびSb2のいずれもがOFFを示すものである場合、つまり振分装置46の振分羽根46aがいずれの限界位置にもない場合、CPU302は、一旦、この振分制御タスクを終了する。一方、各限界位置検知信号Sb1およびSb2のいずれかがONを示すものである場合、つまり振分装置46の振分羽根46aがいずれかの限界位置にある場合には、CPU302は、次のステップS13に進む。なお、重量選別機10の起動後の当初は、上述の如く振分装置46の振分羽根22aが手動によりいずれかの限界位置に合わせられるので、CPU302は、ステップS13に進む。
ステップS13において、CPU302は、振分装置46の電磁クラッチ46fをONし、つまりそうするための振分制御信号Spを生成する。これにより、振分装置46の振分羽根46aがいずれかの限界位置にある状態で回動不能となり、つまり振分装置46の振分動作が停止された状態となる。そして、時間の経過に伴って密着列200が徐々に形成されて、当該密着列200を形成するワーク100の個数が徐々に増大する。
ステップS13の実行後、CPU302は、ステップS15に進み、ここで、フラグF1に“0”をセットする。そして、このステップS15の実行後、CPU302は、一旦、この振分制御タスクを終了する。
その上で、CPU302は、改めて図4のステップS1に進む。このとき、フラグF1には“0”が設定された状態にあるので、CPU302は、当該ステップS1からステップS17に進む。
ステップS17において、CPU302は、第1基準個数検知手段としての光電センサDc1からの第1基準個数検知信号Sc1がONを示すものであるか否か、つまり密着列200を形成するワーク100の個数が第1基準個数M1未満であるか否か、を判定する。重量選別機10の起動後の当初は、上述の如く密着列200が形成されておらず、または、当該密着列200が形成されているとしてもこれを形成するワーク100の個数が少なく、つまり第2基準個数M2未満であるので、この場合、CPU302は、ステップS19に進む。
ステップS19においてCPU302は、T1という時間を計測するためのカウント値C1を“1”だけインクリメントする。ここで言う時間T1は、密着列200を形成するワーク100の個数が第1基準個数M1未満であることを確定するための言わば第1の確定用時間である。即ち、第1基準個数検知手段としての光電センサDc1からの第1基準個数検知信号Sc1がONを示す状態が当該第1確定用時間T1にわたって継続したときにはじめて、CPU302は、密着列200を形成するワーク100の個数が第1基準個数M1未満であるものと確定する。
ステップS19の実行後、CPU302は、ステップS21に進む。そして、このステップS21において、カウント値C1と第1確定用時間T1(厳密には第1確定用時間T1をカウント値C1と比較可能な態様に換算した換算値)とを比較する。ここで例えば、カウント値C1が第1確定用時間T1に満たないとき、つまり(第1基準個数検知信号Sc1がONを示しているものの)密着列200を形成するワーク100の個数が第1基準個数M1未満であるものと確定するまでには至らない状態にあるとき、CPU302は、ステップS3に進む。一方、カウント値C1が第1確定用時間T1に達したときには、CPU302は、密着列200を形成するワーク100の個数が第1基準個数M1未満であるものと確定して、ステップS23に進む。
ステップS23において、CPU302は、上述のフラグF1に“1”をセットする。そして、CPU302は、ステップS25に進み、ここで、カウント値C1をリセットした後、ステップS3に進む。
なお、ステップS17〜ステップS25は、振分装置46の振分動作が行われている状態で密着列200を形成するワーク100の個数が第1基準個数M1を下回って当該振分動作を停止させる必要が生じたときに、実質的に有効になる。この場合、CPU302は、ステップS3〜ステップS11を経て(またはステップS11の結果によっては改めてステップS1〜ステップS11を経て)ステップS13に進み、このステップS13において、電磁クラッチ46fをONして振分動作を停止させることになる。
また、ステップS17において、第1基準個数検知手段としての光電センサDc1からの第1基準個数検知信号Sc1がOFFを示すものである場合、つまり密着列200を形成するワーク100の個数が第1基準個数M1以上である(可能性がある)場合、CPU302は、当該ステップS17からステップS27に進む。そして、このステップS27において、上述のカウント値C1をリセットした後、ステップS3に進む。
なお、密着列200を形成するワーク100の個数が第1基準個数M1未満である場合であっても、例えば或る(これから密着列200を形成しようとする)ワーク100が偶然的に第1基準個数検知手段としての光電センサDc1によって検知されたときには、当該光電センサDc1からの第1基準個数検知信号Sc1がOFFを示すこととなる。この場合、CPU302は、ステップS19からステップS27に進み、言わばイレギュラな状態となる。ただし、このイレギュラな状態は、CPU302が次回以降にステップS17を実行することによって解消される。
ステップS3において、CPU302は、上述の如く第2基準個数検知手段としての光電センサDc2からの第2基準個数検知信号Sc2がONを示すものであるか否かを判定するが、ここで例えば、当該第2基準個数検知信号Sc2がONを示すもので或る場合、つまり密着列200を形成するワーク100の個数が第2基準個数M2に達した(可能性がある)場合、CPU302は、ステップS29に進む。そして、このステップS29において、T2という時間を計測するためのカウント値C2を“1”だけインクリメントする。ここで言う時間T2は、密着列を形成するワーク100の個数が第2基準個数に達したことを確定するための言わば第2の確定用時間である。即ち、第2基準個数検知信号Sc2がONを示す状態が当該第2確定用時間T2にわたって継続したときにはじめて、CPU302は、密着列200を形成するワーク100の個数が第2基準個数M2に達したものと確定する。
ステップS29の実行後、CPU302は、ステップS31に進む。そして、このステップS31において、カウント値C2と第2確認用時間T2(厳密には第2確定用時間T2をカウント値C2と比較可能な態様に換算した換算値)とを比較する。ここで例えば、カウント値C2が第2確定用時間T2に満たないとき、つまり(第2基準個数検知信号Sc1がONを示しているものの)密着列200を形成するワーク100の個数が第2基準個数M2に達したものと確定するまでには至らない状態にあるとき、CPU302は、上述した図5のステップS7に進む。一方、カウント値C2が第2確定用時間T2に達したときには、CPU302は、密着列200を形成するワーク100の個数が第2基準個数M2に達したものと確定して、ステップS33に進む。
ステップS33において、CPU302は、フラグF2に“1”をセットする。そして、CPU302は、ステップS35に進み、ここで、カウント値C2をリセットした後、図5のステップS7に進む。
なお、ステップS3およびステップS29〜ステップS35は、振分装置46の振分動作が停止されている状態で密着列200を形成するワーク100の個数が第2基準個数M2に達して当該振分動作の停止を解除する必要が生じたときに、実質的に有効になる。この場合、CPU302は、図5のステップS7を経てステップS37に進む。そして、このステップS37において、電磁クラッチ46fをOFFし、つまりそうするための振分制御信号Spを生成する。これにより、振分装置46の振分羽根46aが回動可能となり、当該振分装置22の振分動作の停止が解除される。
ステップS37の実行後、CPU302は、ステップS39に進み、ここで、フラグF2に“0”をセットする。そして、このステップS39の実行後、CPU302は、一旦、この振分制御タスクを終了する。
なお、図4のステップS3において、密着列200を形成するワーク100の個数が第2基準個数M2に達していない場合であっても、例えば或る(これから密着列200を形成しようとする)ワーク100が偶然的に第2基準個数検知手段としての光電センサDc2によって検知されたときには、当該光電センサDc2からの第2基準個数検知信号Sc2がOFFを示すこととなる。この場合、CPU302は、ステップS3からステップS29に進み、言わばイレギュラな状態となる。ただし、このイレギュラな状態は、CPU302が次回以降にステップS3を実行することによって解消される。
このような振分制御タスクがCPU302によって実行されることで、振分装置46による振分動作が確実に行われる。また例えば、搬送コンベヤ12上の摩擦力の影響等によって当該搬送コンベヤ12上を搬送される各ワーク100,100,…のピッチLaが所々で変わったとしても、それによる不都合は生じず、つまり各計量コンベヤ22および30のそれぞれの上に2個以上のワーク100が同時に滞在することはない。
以上のように、本第1実施形態によれば、確実な計量を実現することができる。また、重量選別機10全体として、生産装置の生産能力Qpに見合う以上の処理能力Qdを発揮することができ、当該生産装置によって生産された各ワーク100,100,…を滞りなく処理することができる。さらに、2台の計量コンベヤ22および30を用いることで、高精度な計量を実現することができる。
なお、本第1実施形態においては、搬送コンベヤ12の搬送速度VaがVa=Vであり、この搬送コンベヤ12上を搬送される各ワーク100,100,…のピッチLaがLa=2・Aであり、左右の各分流ラインCL1およびCL2それぞれの搬送速度VbがVb={3/2}・Vであり、これら各分流ラインCL1およびCL2のそれぞれにおける各ワーク100,100,…のピッチLbがLb=3・Aであり、さらに、各計量コンベヤ22および30それぞれのコンベヤ長さLmがLm=3・Aである、としたが、これに限らない。少なくとも、左右の各分流ラインCL1およびCL2のそれぞれにおける各ワーク100,100,…のピッチLbが各計量コンベヤ22および30それぞれのコンベヤ長さLm以上(Lb≧Lm)であり、かつ、重量選別機10全体としての処理能力Qdが生産装置の生産能力Qp以上(Qd≧Qp)であり、言い換えれば当該重量選別機10の処理能力Qdが搬送コンベヤ12の主搬送能力Qa以上(Qd≧Qa)であり、さらに、各計量コンベヤ22および30のそれぞれの上にワーク100が単独で滞在する単独滞在時間Tmが搬送ラインCL0に計量コンベヤが設けられたと仮定した場合の単独滞在時間Tm’よりも長くなるようにすればよく、そうなるように特に、各分流ラインCL1およびCL2それぞれの搬送速度Vbと、各計量コンベヤ22および30それぞれのコンベヤ長さLmとが、設定されればよい。
また例えば、左側分流ラインCL1について、これを形成する中継コンベヤ18の搬送速度が、搬送コンベヤ12の搬送速度Vaと等価とされ、これよりも下流側の送り込みコンベヤ20,計量コンベヤ22および送り出しコンベヤ24の搬送速度Vbは、当該搬送コンベヤ12の搬送速度Vaよりも大きく設定されてもよい。これと同様に、右側分流ラインCL2についても、これを形成する中継コンベヤ26の搬送速度が、搬送コンベヤ12の搬送速度Vaと等価とされ、これよりも下流側の送り込みコンベヤ28,計量コンベヤ30および送り出しコンベヤ32搬送速度Vbは、当該搬送コンベヤ12搬送速度Vaよりも大きく設定されてもよい。即ち、それぞれの送り込みコンベヤ20および28以降で各々のワーク100が加速されるように構成されてもよい。
さらに、振分装置46の振分動作について、密着列200を形成するワーク100の個数が第1基準個数M1を下回ったときに、当該振分動作が停止され、密着列200を形成するワーク100の個数が第1基準個数M1よりも大きい第2基準個数M2に達したときに、当該振分動作の停止が解除されることとしたが、これに限らない。特に、振分装置46の振分動作の停止が解除される際には、密着列200を形成するワーク100の個数が第1基準個数M1を下回ってから所定の時間が経過したときに、当該振分動作の停止が解除されてもよい。若しくは、密着列200を形成するワーク100の個数が第2基準個数M2に達する、という第1条件と、当該密着列200を形成するワーク100の個数が第1基準個数M1を下回ってから所定の時間が経過する、という第2条件と、の両方が満足されたときに、当該振分動作の停止が解除されてもよい。
そして、各光電センサDa1,Da2,Db1,Db2,Dc1およびDc2としては、上述の如く透過型または反射型のものが適宜に採用されたが、回帰反射型等の他の方式のものが採用されてもよい。また、これら各光電センサDa1,Da2,Db1,Db2,Dc1およびDc2に代えて、超音波等の他の媒質を利用するセンサが採用されてもよい。
加えて、ワーク100は、概略円筒形のものに限らず、例えばその中心軸に沿う方向における直径が異なる形状のものであってもよい。要するに、ワーク100は、その水平断面が概略円形の外周壁を有するものであればよい。
また、図6に示すように、搬送ラインCL0が、搬送ライン12と、この搬送ライン12の後段に直列に設けられた受け渡しコンベヤ60と、によって形成されてもよい。この場合、受け渡しコンベヤ60の下流側端部近傍の上方に、振分装置46が設けられる。そして、この受け渡しコンベヤ60と搬送ライン12との間での各ワーク100,100,…の受け渡しがスムーズに行われるように、これら両者12および60間に適当な渡し板62が設けられてもよい。なお、受け渡しコンベヤ60は、例えばトップチェーン型のものであり、搬送コンベヤ12と同じ搬送速度Vaになるように、図示しない適当なモータによって駆動される。
この図6に示す構成によっても、図1に示した構成と同様の作用および効果を奏する。この図6に示す構成は、例えば搬送コンベヤ12が重量選別機10のものではなく、当該重量選別機10とは別に設けられている場合に、適用される。即ち、重量選別機10とは別に設けられている搬送コンベヤ12の後段に当該重量選別機10が配置される場合に、この図6に示す構成が適用される。
次に、本発明の第2実施形態について、図7を参照して説明する。
この図7に示すように、本第2実施形態に係る重量選別機110は、図6に示した構成における受け渡しコンベヤ60に代えて、減速コンベヤ112が設けられたものである。即ち、減速コンベヤ112は、搬送コンベヤ12と共同して搬送ラインCL0を形成するように、当該搬送コンベヤ12の後段に直列に設けられている。なお、この減速コンベヤ112は、例えばトップチェーン型のものであり、その搬送速度Vcが搬送コンベヤ12の搬送速度Vaよりも小さく(Vc<Va)なるように、例えば当該搬送コンベヤ12の搬送速度Vaの2/3倍のVc={2/3}・Vとなるように、図示しない適当なモータによって駆動される。
併せて、本第2実施形態においては、左右の各分流ラインCL1およびCL2それぞれの搬送速度Vbが、減速コンベヤ112の搬送速度Vcと等価(Vb=Vc)とされ、つまりVb={2/3}・Vとされる。また、各計量コンベヤ22および30それぞれのコンベヤ長さLmが、ワーク100の直径Aの2倍のLm=2・Aとされている。これ以外の構成は、図6に示した構成と同様であるので、これら同様の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
このように構成された本第2実施形態に係る重量選別機110によれば、搬送コンベヤ12上を1列に搬送される各ワーク100,100,…は、減速コンベヤ112上に順次送り込まれる。そして、この減速コンベヤ112上に送り込まれた各ワーク100,100,…は、当該減速コンベヤ112上で減速され、その上で、振分装置46の配置位置を先頭にして密着列200を形成する。振分装置46は、この密着列200の先頭にある先頭ワーク100を左右の各分流ラインCL1およびCL2に交互に振り分ける。
ところで上述したように、左右の各分流ラインCL1およびCL2それぞれの搬送速度Vbは、減速コンベヤ112の搬送速度Vcと等価である。従って、左右の各分流ラインCL1およびCL2のそれぞれにおける各ワーク100,100,…のピッチLbは、当該左右に振り分けられることでその直前のピッチLo(=A)の2倍、つまりLb=2・Aとなる。このピッチLbは、Lm=2・Aという各計量コンベヤ22および30それぞれのコンベヤ長さLmと等価である。ゆえに、各計量コンベヤ22および30のそれぞれの上に2個以上のワーク100が同時に滞在することはなく、確実な計量を実現することができる。
また、このLm=2・Aというコンベヤ長さLmは、Lb=2・Aという左右の各分流ラインCL1およびCL2のそれぞれにおける各ワーク100,100,…のピッチLbに対して取り得る当該コンベヤ長さLmの最大値である。このようなコンベヤ長さLmを有する各計量コンベヤ22および30のそれぞれの上にワーク100が単独で滞在する単独滞在時間Tmは、上述の式1に準拠する次の式6によって表される。
《式6》
Tm=(Lm−A)・Vb=(3/2)・(A/V)
これに対して例えば、搬送ラインCL0上の各ワーク100,100,…の搬送ピッチLaが常に一定であって当該搬送ラインCL0の途中に計量コンベヤが設けられる構成、つまり当該計量コンベヤが1台のみ設けられる構成、を仮想する。この場合、当該計量コンベヤのコンベヤ長さLm’は、上述の第1実施形態で説明した通り、最大でLm’=2・Aとなる。そして、この最大のコンベヤ長さLm’を有する計量コンベヤ上にそれぞれのワーク100が単独で滞在する単独滞在時間Tm’は、上述の式2によって表され、つまりTm’=A/Vとなる。
従って、本第2実施形態においても、計量コンベヤが1台のみ設けられると仮想した構成に比べて、長めの単独滞在時間Tmを確保することができ、詳しくは当該仮想構成における単独滞在時間Tm’の3/2倍の単独滞在時間Tm(={3/2}・Tm’)を確保することができる。ゆえに、その分、高精度な計量を実現することができる。このことは、上述の従来技術との比較においても、同様である。
なお、本第2実施形態においては、各計量コンベヤ22および30それぞれのコンベヤ長さLmがLm={5/3}・Aであるときに、単独滞在時間TmがTm=A/Vとなり、つまり計量コンベヤが1台のみ設けられる仮想構成の単独滞在時間Tm’と等価になる。従って、この仮想構成よりも高精度な計量を実現するには、各計量コンベヤ22および30それぞれのコンベヤ長さLmが{5/3}・Aよりも大きい(Lm>{5/3}・A)ことが、必要である。
加えて、本第2実施形態における各計量コンベヤ22および30のそれぞれによる単位時間当たりのワーク100の計量個数である当該各計量コンベヤ22および30それぞれの個別計量能力Qm[単位:個/s]は、上述の式3に準拠する次の式7によって表される。
《式7》
Qm=Vb/Lb=(1/3)・(V/A)
この各計量コンベヤ22および30それぞれの個別計量能力Qmは、上述したように左右の各分流ラインCL1およびCL2それぞれの個別搬送能力Qb(=Qm)でもある。そして、これら各分流ラインCL1およびCL2それぞれの個別搬送能力Qbを合わせた合計搬送能力Qtは、上述の式4に準拠する次の式8によって表される。
《式8》
Qt=2・Qb=2・Qm=(2/3)・(V/A)
この合計搬送能力Qtは、上述したように重量選別機110全体としての処理能力Qd(=Qt)でもある。
一方、上流側の搬送コンベヤ12の搬送能力である主搬送能力Qaは、上述の式5によって表され、つまりQa=(1/2)・(V/A)である。この上流側の主搬送能力Qaは、生産装置の生産能力Qp(=Qa)でもある。
即ち、本第2実施形態においても、重量選別機110全体としての処理能力Qdは、生産装置の生産能力Qpよりも大きく(Qd>Qp)、詳しくは当該生産装置の生産能力Qpの4/3倍(Qd={4/3}・Qp)である。従って、生産装置によって生産された各ワーク100,100,…が上流側で溢れるようなことはなく、ゆえに、重量選別機110による当該各ワーク100,100,…の処理が滞りなく行われる。
さらに、本第2実施形態においても、密着列200を形成するワーク100の個数が第1基準個数M1を下回ると、振分装置46による振分動作が停止される。そして、密着列200を形成するワーク100の個数が第2基準個数M2に達すると、当該振分装置46による振分動作の停止が解除される。
このように、本第2実施形態によっても、確実な計量を実現しつつ、重量選別機110全体として生産装置の生産能力Qpに見合う以上の処理能力Qdを得ることができ、その上で、高精度な計量を実現することができる。
また、本第2実施形態によれば、減速コンベヤ112が設けられることで、当該減速コンベヤ112が設けられていない上述の第1実施形態に比べて、左右の各分流ラインCL1およびCL2それぞれの搬送速度Vbが低減されている。これにより、各計量コンベヤ22および30のそれぞれの上にワーク100が乗り降りする際の当該各計量コンベヤ22および30のそれぞれに対する衝撃荷重が抑制され、より高精度な計量を実現することができる。
加えて、本第2実施形態によれば、減速コンベヤ112の搬送速度Vcと、左右の各分流ラインCL1およびCL2それぞれの搬送速度Vbと、が互いに等価とされている。これにより、振分装置46によって減速コンベヤ112上から各分流ラインCL1およびCL2のそれぞれにワーク100が振り分けられる際の当該ワーク100の移動がスムーズになり、言わば安定化される。
なお、本第2実施形態においては、搬送コンベヤ12の搬送速度VaがVa=Vであり、この搬送コンベヤ12上を搬送される各ワーク100,100,…のピッチLaがLa=2・Aであり、減速コンベヤ112の搬送速度VcがVc={2/3}・Vであり、左右の各分流ラインCL1およびCL2それぞれの搬送速度VbもまたVb={2/3}・Vであり、さらに、これら各分流ラインCL1およびCL2のそれぞれにおける各ワーク100,100,…のピッチLbがLb=2・Aであり、各計量コンベヤ22および30それぞれのコンベヤ長さLmがLm=2・Aである、としたが、これに限らない。例えば、減速コンベヤ112の搬送速度Vcについては、少なくとも搬送コンベヤ12の搬送速度Vaよりも小さければよい。その上で、左右の各分流ラインCL1およびCL2のそれぞれにおける各ワーク100,100,…のピッチLbが各計量コンベヤ22および30それぞれのコンベヤ長さLm以上であり、かつ、重量選別機10全体としての処理能力Qdが生産装置の生産能力Qp以上であり、さらに、各計量コンベヤ22および30上のそれぞれにワーク100が単独で滞在する単独滞在時間Tmが搬送ラインCL0に計量コンベヤが設けられたと仮定した場合の単独滞在時間Tm’よりも長くなるようにすればよく、そうなるように、各分流ラインCL1およびCL2それぞれの搬送速度Vbと、各計量コンベヤ22および30それぞれのコンベヤ長さLmとが、設定されればよい。ただし、各分流ラインCL1およびCL2それぞれの搬送速度Vbについては、上述の如く減速コンベヤ12の搬送速度Vcと等価であるのが、望ましい。
また、図7において、第1基準個数検知手段としての光電センサDc1に注目すると、この光電センサDc1は、振分装置22の設置位置から搬送ラインCL0の上流側に向かって第1基準個数M1に対応する距離L1を隔てた位置に設けられているが、これと同時に、当該光電センサDc1は、搬送コンベヤ12の下流側端部と減速コンベヤ112の上流側端部との間に設けられている。これは即ち、振分装置46の設置位置を先頭にして少なくとも搬送コンベヤ12の下流側端部と減速コンベヤ112の上流側端部との間の位置まで密着列200が形成されることを、意味する。従って、搬送コンベヤ12上を搬送される各ワーク100,100,…は、当該搬送コンベヤ12上から減速コンベヤ112上に乗り移る前に、つまりVa(=V)という搬送速度からその2/3倍のVb(={2/3}・V)という搬送速度に減速される前に、密着列200を形成することになる。ここで例えば、光電センサDc1がこの図7に示す位置よりも下流側に設けられる構成を仮想すると、搬送コンベヤ12上を搬送される各ワーク100,100,…は、当該搬送コンベヤ12上から減速コンベヤ112上に乗り移った後に、つまり減速された後に、密着列200を形成することになる。この場合、各ワーク100,100,…が搬送コンベヤ12上から減速コンベヤ112上に乗り移る際に、つまり減速される際に、これら各ワーク100,100,…の特に重心高さによっては当該各ワーク100,100,…が転倒する虞がある。この転倒の虞を回避するには、光電センサDc1が図7に示す位置またはその位置よりも上流側に設けられる必要があり、これを満足する本第2実施形態によれば、当該転倒の虞を回避することができる。
次に、本発明の第3実施形態について、図8および図9を参照して説明する。
図8に示すように、本第3実施形態に係る重量選別機210は、図7に示した構成における減速コンベヤ112と各中継コンベヤ18および26と各送り込みコンベヤ20および28とに代えて、これらを一体化した平ベルト型のコンベヤ212が設けられると共に、当該図7に示した構成における各計量コンベヤ22および30に代えて、平ベルト型の各計量コンベヤ214および216が採用され、さらに、当該図7に示した構成における各送り出しコンベヤ24および32に代えて、これらを一体化した平ベルト型のコンベヤ218が設けられたものである。なお、平ベルト型とされた減速コンベヤ212と各計量コンベヤ214および216のそれぞれとの間での各ワーク100,100,…の受け渡しがスムーズに行われるように、これらの間に適当な渡し板220が設けられるのが、望ましい。これと同様に、各計量コンベヤ214および216のそれぞれと送り出しコンベヤ218との間にも、適当な渡し板222が設けられるのが、望ましい。
平ベルト型とされた各コンベヤ212,214,216および218は、それぞれ個別のまたは互いに共通の図示しない適当なモータによって駆動される。また特に、減速コンベヤ212上から各計量コンベヤ214および216上のそれぞれにワーク100が乗り降りする際の衝撃荷重を抑制するために、当該減速コンベヤ212の搬送速度Vc’と、各計量コンベヤ214および216以降の搬送速度Vb’とは、互いに等価(Vc’=Vb’)とされる。そして、これらの搬送速度Vc’およびVb’は、少なくとも搬送コンベヤ12の搬送速度Vaよりも小さい(Vc’<Va,Vb’<Va)。
このような構成の本第3実施形態においても、上述の第1実施形態および第2実施形態と同様、確実な計量を実現しつつ、重量選別機210全体として生産装置の生産能力Qpに見合う以上の処理能力Qdを得ることができ、その上で、高精度な計量を実現することができる。
なお、本第3実施形態においては、振分装置46に代えて、図9に示すような振分装置230が採用されてもよい。即ち、この図9に示す振分装置230は、図8に示したのと同様の平ベルト型の減速コンベヤ232の上方に設けられており、鉛直方向に延伸する回転軸230aを中心として回転可能に設けられたスターホイール230bを備えている。スターホイール230bは、偶数個、例えば8個、の収容部230c,230c,…を有している。そして、密着列200の先頭ワーク100がこれら各収容部230c,230c,…に順次収容されると共に、当該密着列200の搬送圧力によってスターホイール230bが図9に実線の矢印234で示す方向(図9において反時計回りの方向)に回転するように、当該各収容部230c,230c,…に収容された各ワーク100,100,…を案内する、入力側案内手段としての適当な2つのガイド236および238が設けられている。さらに、各収容部230c,230c,…の内側には、1つ置きにワーク吸着手段としての磁石230d,230d,…が設けられている。そして、スターホイール230bの出力側には、各磁石230d,230d,…に吸着された各ワーク100,100,…を当該各磁石230d,230d,…から引き離しつつ、当該各磁石230d,230d,…から引き離された各ワーク100,100,…を図9に破線の矢印240で示す如く左側分流ラインCL1に案内する、出力側案内手段としての適当なガイド242が設けられている。また、入力側案内手段としての2つのガイド236および238の一方88は、各磁石230d,230d,…が設けられていない各収容部230c,230c,…に収容された各ワーク100,100,…を図9に一点鎖線の矢印244で示す如く右側分流ラインCL2に案内するようにも構成されている。
この図9に示す振分装置230によっても、密着列200の先頭ワーク100が搬送ラインCL0から左右2つの分流ラインCL1およびCL2に交互に振り分けられる。そして、左右2つの分流ラインCL1およびP2のそれぞれに振り分けられた各ワーク100,100,…は、当該2つの分流ラインCL1およびCL2のそれぞれにおいて一定のピッチLbで1列に搬送され、ひいては図示しない計量コンベヤに送り込まれる。
なお、詳しい説明は省略するが、この図9に示す振分装置230においても、密着列200を形成するワーク100の個数が上述の第1基準個数M1を下回ると、その振分動作が停止され、つまりスターホイール230bが回動不能となる。そして、密着列200を形成するワーク100の個数が第2基準個数M2に達すると、当該振分動作の停止が解除され、つまりスターホイール230bが回動可能となる。
この図9に示す振分装置230においては、ワーク100が磁性体製であることが条件とされるが、ワーク吸着手段としての磁石230dに代えて、例えば負圧空気の吸引力を利用したものが採用されることで、非磁性体製のワーク100にも対応することが可能となる。勿論、この図9に示すのとはさらに別の構成の振分装置が採用されてもよい。