JP6480216B2 - カロテノイド含有組成物、並びにカロテノイドの劣化抑制剤及びカロテノイドの劣化抑制方法 - Google Patents

カロテノイド含有組成物、並びにカロテノイドの劣化抑制剤及びカロテノイドの劣化抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、カロテノイドと分岐を有する炭素数8〜16の炭化水素を含有することを特徴とする組成物に関し、更に詳細には、分岐状炭化水素によるカロテノイドの安定性を高めた組成物、並びにカロテノイドの劣化抑制剤及びカロテノイドの劣化抑制方法に関する。
カテキン等のポリフェノールや、アスタキサンチン等のカロテノイドのように、老化防止、シミの予防・改善等の肌に有用な効果を有するものが知られている。カロテノイド類は、天然に存在する黄色から赤のテルペノイド類の色素で、植物類、藻類、及びバクテリアに見つけることができる。カロテノイドの一種であるアスタキサンチン(アスタキサンチンおよびそのエステル等も含む)は、自然界では動植物界に広く分布しており、主として養殖魚や養鶏の色揚げ剤として使用されている。また、アスタキチンサンは、酸化防止効果、抗炎症効果(特許文献1、特許文献2)、皮膚老化防止効果(特許文献3)などの機能を有することも知られている。このため、アスタキチンサンを食品、化粧品、医薬品の原材料及びそれらの加工品等へ添加することが検討・実施されている。
一方、アスタキサンチン等のカロテノイド類は構造的に不安定であり、熱、光、酸化などにより分解が促進されることが知られており、製剤に安定に配合することが困難である。そのため、これまでにアスコルビン酸との併用や、硬質カプセルによる包接等の工夫がなされてきたほか(特許文献4参照)、特定の油溶性植物エキスとアルコールとナッツポリフェノールおよびキレート剤とを組み合わせる方法(特許文献5参照)や、有機酸をカロテノイド含有組成物に添加する方法(特許文献6参照)、鉄イオン、鉄キレート剤、ジブロピレングリコール、水溶性酸化防止剤との併用(特許文献7参照)、赤ワインエキスやコラーゲンペプチドとの併用(特許文献8参照)などによる、アスタキサンチン等のカロテノイドの安定化方法が開示されている。
しかしながら、これらの方法はいずれも安定化剤が高価であったり、安定化効果が十分でなかったり、あるいは安定化剤が水溶性成分である場合はアスタキサンチン等のカロテノイドを溶解させる油性成分への分散が困難であり十分な効果が発揮できない等の問題があった。さらに、有用な効果を有することが知られているアスタキサンチン等のカロテノイドの安定性を高め、その効果を長期にわたって持続させるという観点からみた場合に満足のいくものではなかった。
特開平2−49091号公報 特開平9−143063号公報 特開平5−155736号公報 特開平1−215263号公報 特開2010−105988号公報 特開平6−264055号公報 特開2012−31067号公報 特開2009−159929号公報
本発明が解決しようとする課題は、老化防止等に有用であることが知られているアスタキサンチン等のカロテノイドの安定性を高め、その効果を長期にわたって維持させるための安定化方法や安定化剤を提供することである。
かかる実情に鑑み、本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、アスタキサンチン等のカロテノイドと分岐を有する炭素数8〜16の炭化水素とを組み合わせることにより、アスタキサンチン等のカロテノイドの光による褪色の防止や安定化に著しい効果を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は次の成分(A)及び(B);
(a)カロテノイド
(b)分岐を有する炭素数8〜16の炭化水素
を含有する組成物を提供するものである。
成分(b)が、イソドデカン、イソヘキサデカンから選ばれる一種以上であることを特徴とする組成物を提供するものである。
成分(a)がアスタキサンチン類であることを特徴とする組成物を提供するものである。
成分(a)と成分(b)の含有質量比(b)/(a)が、10〜300であることを特徴とする組成物を提供するものである。
さらに、成分(c)として炭素数8〜12の脂肪酸とグリセリンとのトリエステルを含有することを特徴とする組成物を提供するものである。
さらに、成分(c)がカプリル酸及び/又はカプリン酸と、グリセリンとのトリエステルであることを特徴とする組成物を提供するものである。
さらに、成分(d)ビタミンEを含有することを特徴とする組成物を提供するものである。
化粧料又は皮膚外用剤であることを特徴とする組成物を提供するものである。
成分(b)を有効成分とするカロテノイドの劣化抑制剤を提供するものである。
カロテノイドを含有する組成物に、成分(b)を添加することを特徴とするカロテノイドの劣化抑制方法を提供するものである。
本発明の組成物、化粧料、皮膚外用剤、劣化抑制剤、劣化抑制方法は、アスタキサンチン類等のカロテノイドの安定性を向上させることでアスタキサンチン類等のカロテノイドの効果を有効に発揮させることができる。
本発明における成分(a)のカロテノイドは、植物類、藻類及びバクテリアのいずれのものも含まれる。また天然由来のものに限定されず、常法に従って得られるものであればいずれのものも本発明におけるカロテノイドに包含される。
カロテノイドとしては、炭化水素類(カロテン類)及びこれらの酸化アルコール誘導体類(キサントフィル類)並びにこれらのエステルが挙げられる。本発明では特に断らない限り、これらの化合物を含めて「カロテノイド」と称する。カロテノイドの例としては、アクチニオエリスロール、アスタキサンチン、ビキシン、カンタキサンチン、カプサンチン、カプソルビン、β−8’−アポ−カロテナール(アポカロテナール)、β−12’−アポ−カロテナール、α−カロテン、β−カロテン、”カロテン”(α−及びβ−カロテン類の混合物)、γ−カロテン、δ−カロテン、β−クリプトキサンチン、エキネノン、パーム油カロテン、ルテイン、リコピン、ビオレリトリン、ゼアキサンチン、フコキサンチン及びそれらのうちヒドロキシル又はカルボキシルを含有するもののエステル類を挙げることができる。
本発明に用いられるカロテノイドとしては、好ましくは常温で油状のものである。特に好ましい例としては、酸化防止効果、抗炎症効果、皮膚老化防止効果、美白効果などを有し、黄色から赤色の範囲の着色料として知られているアスタキサンチン類である。
アスタキサンチンは、476nm(エタノール)、468nm(ヘキサン)に吸収極大を持つ赤色の色素でキサントフィル類に分類され、化学構造は3,3’−dihydroxy−β,β−carotene−4,4’−dione(C4052、分子量596.82)である。本発明においては、特に断らない限り、上記のアスタキサンチン及びアスタキサンチンエステル等の誘導体を含めて「アスタキサンチン類」と称する。なお、アスタキサンチンエステル等の誘導体に比べアスタキサンチンの方が不安定であるため、本発明ではアスタキサンチンを用いるとより高い効果が期待できる。
本発明に用いられるアスタキサンチン類は、例えば、オキアミ、サケ、マス、福寿草、赤色酵母、ヘマトコッカス藻等の天然物から抽出したものや合成品を用いることができるが、ヘマトコッカス藻から抽出されたもの(以下、ヘマトコッカス藻抽出物ともいう)が、品質、生産性の点から特に好ましい。天然物からアスタキサンチンを得る場合の抽出溶媒については、水系溶媒でも有機溶媒であってもよい。有機溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸エチル、エーテル、ヘキサン等を用いることができる。また、超臨界状態の二酸化炭素等を用いることもできる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明に使用できるヘマトコッカス藻抽出物の由来としては、具体的には、ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)、ヘマトコッカス・ラキュストリス(Haematococcus lacustris)、ヘマトコッカス・カペンシス(Haematococcus capensis)、ヘマトコッカス・ドロエバゲンシス(Haematococcus droebakensis)、ヘマトコッカス・ジンバビエンシス(Haematococcus zimbabwiensis)等が挙げられる。また、広く市販されているヘマトコッカス藻抽出物を用いることができ、例えば、武田紙器社製のASTOTS−S、同−5O、同−10O等、富士化学工業社製のアスタリールオイル50F、同5F等、オリザ油化社製のアスタキサンチン−5C、同20C、バイオアクティブズジャパン社製のアスタキサンチン5%オイル、バイオジェニック社製のAstabio(登録商標)AR1、AR5等が挙げられる。またオキアミ由来としては、マリン大王社製Astax−S等が挙げられる。
本発明における成分(a)の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.00001〜5質量%(以下単に「%」で示す)であり、より好ましくは0.0001〜1%である。抽出液を使用する場合は、溶質の量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度等は何ら限定されるものではない。
本発明における成分(b)の油剤は、分岐を有する炭素数8〜16の炭化水素であり、カロテノイドの劣化を抑制する成分である。成分(b)の起源は特に限定されず、化学的に合成されたものであってもよく、天然物から抽出されたものであってもよい。
分岐の数は特に限定されるものではないが、分岐の数が、2以上、より好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上あるものが好ましい。例えば、炭素数12のイソパラフィンの場合は、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタンが好ましい。
成分(b)は、特に限定されるものではないが、炭素数8〜16で分岐状のものを用いることができ、沸点としては、概ね170℃〜240℃のものが好ましいものである。具体的には、イソドデカン、イソヘキサデカン、またはこれらを含んでもよい混合物として、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィンなどがある。これら炭素数は、一種又は二種以上の混合物であってもよい。より好ましくは、炭素数12〜16のものであり、具体的には、イソドデカン、イソヘキサデカン等を例示することができる。
成分(b)の市販品としては、イソドデカン(ISODODECANE:IMCD(INEOS OLIGOMERS)社製)、PERMETHYL 99A:PRESPERS社製)、イソヘキサデカン(ARLAMOL HD:クローダジャパン社製)軽質イソパラフィン(IPソルベント 1620 MU:出光興産社製)、軽質流動イソパラフィン(IPソルベント 2028 MU:出光興産社製)を入手可能であり、必要に応じて1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
本発明における成分(b)の含有量は、特に限定されるものではない。
また、成分(a)と成分(b)の含有質量割合(b)/(a)は、特に限定されないが、10〜300であると成分(a)の安定化の効果に優れ、50〜250であるとさらに成分(a)の安定化の効果に優れたものとなるため好ましい。
本発明は、さらに成分(c)として、炭素数8〜12の脂肪酸とグリセリンとのトリエステルを含有することが好ましく、成分(c)を含有することで成分(a)の安定性に優れたものとなる。成分(c)の起源は特に限定されず、化学的に合成されたものであってもよく、天然物から抽出されたものであってもよい。
成分(c)は、特に限定されるものではないが、具体的には、カプリル酸及び/又はカプリン酸と、グリセリンとのトリエステルであるトリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル、トリエチルヘキサノインなどがあり、より好ましくは、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリルである。これら炭素数は、一種又は二種以上の混合物であってもよい。また、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリルは、グリセリンと、カプリル酸又はカプリン酸とのトリエステル構造を有する油剤であり、トリエチルヘキサノインは、グリセリンと、2−エチルヘキサン酸とのトリエステル構造を有する油剤である。市販品としては、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル(トリエスター F−810J:日本サーファクタント工業社製)、トリエチルヘキサノイン(T.I.O:日清オイリオグループ社製)などを入手可能である
本発明における成分(c)の含有量は、特に限定されず、外用剤、化粧料の剤形、使用目的等によっても異なるが、一般的には最終組成物中の濃度が1〜30%となることが好ましく、より好ましくは5〜25%である。この範囲内であれば、成分(a)の安定化の効果を発揮することができる。
本発明は、さらに成分(d)としてビタミンEを含有することが好ましい。成分(d)を含有することで成分(a)の安定性に優れたものとなる。本発明の成分(d)のビタミンEは、脂溶性ビタミンの一種であり、メチル基の位置により、DL−α−トコフェロール、DL−β−トコフェロール、DL−γ−トコフェロール、DL−δ−トコフェロール、D−α−トコフェロール、D−β−トコフェロール、D−γ−トコフェロール、D−δ−トコフェロール8つの型がある。化粧料等に用いられるビタミンEはこれらの混合物である場合が多い。
本発明における成分(d)の含有量は、特に限定されず、外用剤、化粧料の剤形、使用目的等によっても異なるが、一般的には最終組成物中の濃度が0.0001〜10.0%となることが好ましく、より好ましくは0.001〜1.0%である。この範囲内であれば、成分(a)の安定化の効果を発揮することができる。
本発明の組成物には、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分の他に、化粧料、皮膚外用剤、食品、インク、洗剤、衣料用柔軟仕上剤、芳香剤、消臭剤、織物等の製剤に使用される成分、すなわち、水(精製水、温泉水、深層水等)、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、紫外線防御剤、包接化合物、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、動物・微生物由来抽出物、植物抽出物、血行促進剤、収斂剤、抗脂漏剤、美白剤、抗炎症剤、活性酸素消去剤、細胞賦活剤、保湿剤、キレート剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、ビタミン類等を加えることができる。
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されず、常法により調製される。例えば、上記成分(a)及び(b)、さらに必要に応じて上記任意成分を加え、これを混合することにより調製する方法が挙げられる。
本発明の組成物は、液状、ジェル状、クリーム状、固形状、ムース状等の種々の形態で実施することが可能であり、霧状に噴霧可能な容器に収容して霧状に噴霧して用いてもよい。また、本発明品の剤型は、可溶化型、水中油型、油中水型、油性型、水中油中水型、油中水中油型、多層型等特に限定されるものではない。
本発明の組成物の用途に関しては特に制限はなく、化粧料、皮膚外用剤、食品、インク、洗剤、衣料用柔軟仕上剤、芳香剤、消臭剤、織物等種々の用途の組成物として用いることができる。カロテノイドは酸化防止効果、抗炎症効果、皮膚老化防止効果に優れるという特徴があり、その観点では、化粧料又は皮膚外用剤として用いるのが好ましい。
本発明の食品(動物飼料を含む)の例としては、冷凍食品、粉末食品、シート状食品、瓶詰食品、缶詰食品、レトルト食品、カプセル状食品、タブレット状食品等の形態の他、例えば蛋白質、糖類、脂肪、微量元素、ビタミン類、乳化剤、香料等が配合された自然流動食、半消化栄養食および成分栄養食、ドリンク剤等の加工形態等、いずれの形態でもよい。
本発明の化粧料の例としては、特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、化粧水、美容液、パック等のスキンケア化粧料、ファンデーション、頬紅、口紅、アイカラー、マスカラ、アイライナー、マニキュア等のメーキャップ化粧料、養毛料、ヘアトニック、シャンプー、リンス、ヘアワックス等の頭髪用化粧料、洗顔料等の洗浄料、等のいずれの形態であってもよい。
本発明の皮膚外用剤の例としては、特に限定されず、例えば、外用ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、液剤、リニメント剤、ハップ剤等のいずれの形態であってもよい。
また、本発明はカロテノイドに分岐を有する炭素数8〜16の炭化水素を添加することで、カロテノイドの劣化を抑制する剤である。
また、本発明はカロテノイドに分岐を有する炭素数8〜16の炭化水素を添加することで、カロテノイドの劣化を抑制する方法である。
以下、実施例、比較参考例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
実施例1
<アスタキサンチンの劣化防止効果試験>
紫外線(強度はUVA:1.04J/cm2、UVB:2.45J/cm2)を照射した。アスタキサンチンは波長470nmに特有の光吸収を有しており、アスタキサンチンの分解が生じた場合には波長470nmの光吸収が減少するという性質を利用して、アスタキサンチンの残存率を算出し安定性を評価した。
アスタキサンチン残存率は各サンプルの470nmでの吸光度を測定し、下記式(1)を用いて算出した。ここで、アスタキサンチン含有系とは、アスタキサンチン(ヘマトコッカス藻)0.1%を成分(b)0.1〜50%に希釈し、100%になるまでエタノールを添加して調製したものを指し、アスタキサンチン非含有系とは、成分(b)0.1〜50%を100%になるまでエタノールを添加して調製したものを指す。

アスタキサンチン残存率(%)=((A−B)/(C−D))×100・・・(1)

A=紫外線照射アスタキサンチン含有系の吸光度
B=紫外線照射アスタキサンチン非含有系の吸光度
C=紫外線未照射アスタキサンチン含有系の吸光度
D=紫外線未照射アスタキサンチン非含有系の吸光度
アスタキサンチンの劣化防止効果に優れる成分としての組み合わせ成分を比較するため、本発明品に対して、成分(b)を種々別の油性物質を用いて同様の効果を得ることができるかの検討である(本発明品1〜3、6〜8、11、13、参考品4〜5、9〜10、12、14、比較品1〜6)。
(評価基準)
アスタキサンチンの残存率を、劣化防止効果として以下の4水準で判定した。
◎:アスタキサンチン残存率が、90%を超え、100%以下。
○:アスタキサンチン残存率が、80%を超え、90%以下。
△:アスタキサンチン残存率が、70%を超え、80%以下。
×:アスタキサンチン残存率が、70%以下。
表1、2の結果より、本発明品1〜3、6〜8、11、13、参考品4〜5、9〜10、12、14は、成分(a)、(b)をいずれも含むものであり、褪色防止効果に優れるものであった。これに対して成分(b)のかわりに、比較品として、2−エチルヘキサン酸セチル(CETIOL SN−1:BASF社製)、2−オクチルドデカン−1−オール(トリエスターF−810J:日本サーファクタント工業社製)、2−デシルテトラデシル−1−オール(リソノール 24SP)、イソステアリン酸(イソステアリン酸 EX:高級アルコール工業社製)を置き換えて組合わせたものであるが、いずれにおいても、褪色防止効果が優れず、アスタキサンチンの劣化を抑制するためには、本発明の成分(b)である炭素数8〜16の分岐状炭化水素が必要であることが明らかとなった。
実施例2[化粧水]
(成分) (%)
1.グリセリン 5.0
2.1,3−ブチレングリコール 5.0
3.乳酸 0.05
4.乳酸ナトリウム 0.1
5.モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン 1.2
6.エタノール 8.0
7.イソヘキサデカン(注2) 0.01
8.ASTOTS−5O(注5) 0.001
9.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
10.香料 0.05
11.精製水 残 量
(注5)アスタキサンチン5%溶液 (武田紙器社製)
(製造方法)
A:成分(5)〜(10)を混合溶解する。
B:成分(1)〜(4)及び(11)を混合溶解する。
C:BにAを添加混合し、化粧水を得た。
実施例2の化粧水は、カロテノイドの安定性が高く、本発明の効果を得ることができる優れたものであった。
参考例3[乳液]
(成分) (%)
1.モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン 1.0
2.トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン 0.5
3.グリセリルモノステアレート 1.0
4.イソドデカン(注3) 3.0
5.ステアリン酸 0.5
6.ベヘニルアルコール 0.5
7.スクワラン 4.0
8.カルボキシビニルポリマー 0.1
9.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
10.水酸化ナトリウム 0.05
11.精製水 残 量
12.エタノール 5.0
13.β−カロテン30%懸濁液(注6) 0.01
14.香料 0.05
(注6)DSMニュートリション社製
(製造方法)
A:成分(1)〜(7)を70℃で均一に混合する。
B:成分(8)〜(11)を70℃で均一に混合する。
C:BにAを加えて乳化し、室温まで冷却する。
D:(12)〜(14)を加えて均一に混合し、乳液を得た。
参考例3の乳液は、カロテノイドの安定性が高く、本発明の効果を得ることができる優れたものであった。
参考例4[リキッドファンデーション(水中油型クリーム状)]
(成分) (%)
1.1,3ブチレングリコール 5.0
2.水素添加大豆リン脂質 0.5
3.酸化チタン 5.0
4.ベンガラ 0.1
5.黄酸化鉄 1.0
6.黒酸化鉄 0.05
7.アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合(注7) 0.5
8.トリエタノールアミン 1.5
9.精製水 残 量
10.グリセリン 5.0
11.パラオキシ安息香酸エチル 0.1
12.ステアリン酸 0.9
13.モノステアリン酸グリセリン 0.3
14.セトステアリルアルコール 0.4
15.モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン 0.2
16.トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン 0.2
17.パラメトキシケイ皮酸2―エチルヘキシル 5.0
18.イソドデカン(注8) 2.0
19.ASTABIO AR1(注9) 0.05
20.テトラヘキシルデカン酸アスコルビル 0.05
21.α−トコフェノール 0.01
22.香料 0.02
(注7)ペミュレンTR−2 (NOVEON社製)
(注8)ISODODECANE(IMCD(INEOS OLIGOMERS)社製)
(注9)アスタキサンチン1%溶液 (バイオジェニック社製)
(製造方法)
A:成分(1)〜(6)を分散する。
B:Aに成分(7)〜(11)を加え70℃で均一に混合する。
C:成分(12)〜(21)を70℃で均一に混合する。
D:CにBを加え乳化し、室温まで冷却する。
E:Dに成分(22)を添加して水中油型クリーム状リキッドファンデーションを得た。
参考例4のリキッドファンデーション(水中油型クリーム状)は、カロテノイドの安定性が高く、本発明の効果を得ることができる優れたものであった。
参考例5[日焼け止め化粧料(油中水型クリーム状)]
(成分) (%)
1.モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン 0.2
2.ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 0.1
3.精製水 残 量
4.ジプロピレングリコール 10.0
5.硫酸マグネシウム 0.5
6.アスコルビン酸グルコシド 2.0
7.シリコーン化合物(注10) 3.0
8.デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
9.イソノナン酸イソトリデシル 5.0
10.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 8.0
11.イソヘキサデカン(注2) 3.0
12.アスタキサンチン5%オイル(注11) 0.01
13.ジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト 1.2
(注10)KF−6028 (信越化学工業社製)
(注11)アスタキサンチン5%オイル(バイオアクティブズジャパン社製)
(製造方法)
A:成分(1)〜(6)を均一に分散する。
B:成分(7)〜(13)を均一に分散する。
C:Bを攪拌しながら徐々にAを加えて乳化し、油中水型クリーム状日焼け止め化粧料を得た。
参考例5の日焼け止め化粧料(油中水型クリーム状)は、カロテノイドの安定性が高く、本発明の効果を得ることができる優れたものであった。
実施例6[軟膏剤]
(成分) (%)
1.トリエタノールアミン 2.0
2.グリセリン 5.0
3.グリチルリチン酸ジカリウム(注12) 0.5
4.精製水 残 量
5.ステアリン酸 18.0
6.セタノール 4.0
7.イソヘキサデカン(注2) 0.5
8.アスタキサンチン(注1) 0.01
9.酢酸dl−α―トコフェロール(注13) 0.2
10.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(注12)丸善製薬社製
(注13)エーザイ社製
(製造方法)
A.成分(1)〜(4)を均一溶解し、75℃に保つ。
B.成分(5)〜(10)を加熱混合し、75℃に保つ。
C.AにBを徐々に加え、軟膏剤を得た。
実施例6の軟膏剤は、カロテノイドの安定性が高く、本発明の効果を得ることができる優れたものであった。
本発明のアスタキサンチン等のカロテノイドと分岐を有する炭素数8〜16の炭化水素とを含有することを特徴とする組成物、更には分岐を有する炭素数8〜16の炭化水素によるアスタキサンチンなどのカロテノイドの安定性を高めた皮膚外用剤、化粧料、およびアスタキサンチン等のカロテノイドの劣化抑制方法は、アスタキサンチンなどのカロテノイドの製剤中の安定性の向上のみならず、老化防止、シミの予防・改善等の肌への効果を発揮するのに有用である。

Claims (11)

  1. 次の成分(a)及び(b);
    (a)カロテノイド
    (b)分岐を有する炭素数8〜16の炭化水素
    を含有し、成分(a)と成分(b)の含有質量比(b)/(a)が、150〜500である、化粧料又は皮膚外用剤である組成物(ただし、アスタキサンチン0.005質量%、イソドデカン0.8質量%を配合したミルク化粧料を除く)。
  2. 成分(b)が、イソドデカン、イソヘキサデカンから選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  3. 成分(a)がアスタキサンチンまたはアスタキサンチンエステルであることを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。
  4. さらに、成分(c)として炭素数8〜12の脂肪酸とグリセリンとのトリエステルを含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  5. さらに、成分(c)がカプリル酸及び/又はカプリン酸と、グリセリンとのトリエステルであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  6. さらに、成分(d)としてビタミンEを含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  7. 成分(b);分岐を有する炭素数8〜16の炭化水素
    を有効成分とする、化粧料又は皮膚外用剤におけるカロテノイドの劣化抑制剤。
  8. 前記カロテノイドがアスタキサンチンまたはアスタキサンチンエステルであることを特徴とする請求項7記載の劣化抑制剤。
  9. さらに、成分(c)として炭素数8〜12の脂肪酸とグリセリンとのトリエステルを含有することを特徴とする請求項7又は8に記載の劣化抑制剤。
  10. さらに、成分(d)としてビタミンEを含有することを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の劣化抑制剤。
  11. カロテノイドを含有する化粧料又は皮膚外用剤に、
    次の成分(b)
    (b)分岐を有する炭素数8〜16の炭化水素成分
    含有させることを特徴とするカロテノイドの劣化抑制方法。
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