JP2019131550A - カロテノイドの安定化方法 - Google Patents

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恵理子 中矢
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Abstract

【課題】アスタキサンチン等のカロテノイドを含有する組成物にニコチン酸アミドを含有させた場合に生じるカロテノイドの劣化促進を抑制するカロテノイドの安定化方法である。【解決手段】アスタキサンチン等のカロテノイドを含有する組成物にニコチン酸アミド含有させた際に生じるカロテノイドの劣化促進を、ビタミンE類を添加することにより、著しく抑制できることを見出した。【選択図】なし

Description

本発明は、カロテノイドとニコチン酸アミドを含有する組成物にビタミンE類を添加するカロテノイドの安定化方法に関する。
アスタキサンチン等のカロテノイドは、老化防止、シミの予防・改善等の肌に有用な効果を有することが知られている。カロテノイドは、天然に存在する黄色から赤のテルペノイド類の色素で、植物類、藻類、及びバクテリアに見つけることができる。カロテノイドの一種であるアスタキサンチン類(アスタキサンチンおよびそのエステル等も含む)は、自然界では動植物界に広く分布しており、主として養殖魚や養鶏の色揚げ剤として使用されている。また、アスタキチンサン類は、酸化防止効果、抗炎症効果(特許文献1、特許文献2参照)、皮膚老化防止効果(特許文献3参照)などの機能を有することも知られている。このため、アスタキチンサン類を食品、化粧料、医薬品の原材料及びそれらの加工品等へ添加することが検討・実施されている。
また、ニコチン酸アミドは、ニコチンアミド、ナイアシンアミドともよばれる、ニコチン酸の誘導体であり、ニコチン酸欠乏症の予防及び治療等に利用されている。また、肌あれ改善、美白効果、抗老化効果などが知られており、ニコチン酸アミドとアスタキサンチン類とを組み合わせることで、より優れた抗老化化粧料等の開発が期待される。
一方、アスタキサンチン等のカロテノイドは構造的に不安定であり、熱、光、酸化などにより劣化が促進されることが知られており、製剤に安定に含有させることが困難である。そのため、これまでに安定化剤としてアスコルビン酸と併用する技術や、硬質カプセルによる包接等の工夫がなされてきたほか(特許文献4参照)、特定の油溶性植物エキスとアルコールとナッツポリフェノールおよびキレート剤とを組み合わせる方法(特許文献5参照)や、有機酸をカロテノイド含有組成物に添加する方法(特許文献6参照)、鉄イオン、鉄キレート剤、ジブロピレングリコール、水溶性酸化防止剤との併用(特許文献7参照)、赤ワインエキスやコラーゲンペプチドとの併用(特許文献8参照)などによる、アスタキサンチン等のカロテノイドの安定化方法が開示されている。
特開平2−49091号公報 特開平9−143063号公報 特開平5−155736号公報 特開平1−215263号公報 特開2010−105988号公報 特開平6−264055号公報 特開2012−31067号公報 特開2009−159929号公報
しかしながら、これらの方法はいずれも安定化剤が高価であったり、安定化の効果が十分でなかったり、あるいは安定化剤が水溶性成分である場合はアスタキサンチン等のカロテノイドを溶解させる油性成分への分散が困難であり十分な効果が発揮できない等の問題があった。さらに、有用な効果を有することが知られているアスタキサンチン等のカロテノイドの安定性を高め、その効果を長期にわたって持続させるという観点からみた場合に満足のいくものではなかった。
また、発明者らは、肌あれ改善、美白効果、抗老化効果などにより優れた組成物を得るために、カロテノイドを含有する組成物にニコチン酸アミドを含有させることを試みたが、熱、光、酸化などによるカロテノイドの劣化が促進されてしまうことが分かった。
本発明が解決しようとする課題は、カロテノイドを含有する組成物にニコチン酸アミドを含有させた場合に生じるカロテノイドの劣化促進を抑制するカロテノイドの安定化方法である。
かかる実情に鑑み、本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、アスタキサンチン等のカロテノイドを含有する組成物にニコチン酸アミド含有させた際に生じるカロテノイドの劣化促進を、ビタミンE類を添加することにより著しく抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、成分(a)カロテノイド及び成分(c)ニコチン酸アミドを含有する組成物に成分(b)ビタミンE類を添加するカロテノイドの安定化方法に関するものである。
前記成分(a)がアスタキサンチン類である前記記載のカロテノイドの安定化方法に関するものである。
前記成分(b)がトコフェロール及びトコトリエノールから選ばれる1種以上である前記記載のカロテノイドの安定化方法に関するものである。
前記組成物が、化粧料又は皮膚外用剤である前記記載のカロテノイドの安定化方法に関するものである。
本発明の安定化方法は、アスタキサンチン類等のカロテノイドの劣化を抑制することでアスタキサンチン類等のカロテノイドの効果を有効に発揮させることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
本発明における成分(a)のカロテノイドは、植物類、藻類及びバクテリアのいずれのものも含まれる。また天然由来のものに限定されず、常法に従って得られるものであればいずれのものも本発明におけるカロテノイドに包含される。
カロテノイドとしては、炭化水素類(カロテン類)及びこれらの酸化アルコール誘導体類(キサントフィル類)並びにこれらのエステルが挙げられる。本発明では特に断らない限り、これらの化合物を含めて「カロテノイド」と称する。カロテノイドの例としては、アクチニオエリスロール、アスタキサンチン、ビキシン、カンタキサンチン、カプサンチン、カプソルビン、β−8’−アポ−カロテナール(アポカロテナール)、β−12’−アポ−カロテナール、α−カロテン、β−カロテン、”カロテン”(α−及びβ−カロテン類の混合物)、γ−カロテン、δ−カロテン、β−クリプトキサンチン、エキネノン、パーム油カロテン、ルテイン、リコピン、ビオレリトリン、ゼアキサンチン、フコキサンチン及びそれらのうちヒドロキシル又はカルボキシルを含有するもののエステル類を挙げることができる。
本発明に用いられるカロテノイドとしては、好ましくは常温で液状のものである。特に好ましい例としては、酸化防止効果、抗炎症効果、皮膚老化防止効果、美白効果などを有し、黄色から赤色の範囲の着色料として知られているアスタキサンチン類である。
アスタキサンチンは、476nm(エタノール)、468nm(ヘキサン)に吸収極大を持つ赤色の色素でキサントフィル類に分類され、化学構造は3,3’−dihydroxy−β,β−carotene−4,4’−dione(C4052、分子量596.82)である。本発明においては、特に断らない限り、上記のアスタキサンチン及びアスタキサンチンエステル等の誘導体を含めて「アスタキサンチン類」と称する。
本発明に用いられるアスタキサンチン類は、例えば、オキアミ、サケ、マス、福寿草、赤色酵母、ヘマトコッカス藻等の天然物から抽出したものや合成品を用いることができるが、ヘマトコッカス藻から抽出されたもの(以下、ヘマトコッカス藻抽出物ともいう)が、品質、生産性の点から特に好ましい。天然物からアスタキサンチンを得る場合の抽出溶媒については、水系溶媒でも有機溶媒であってもよい。有機溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸エチル、エーテル、ヘキサン等を用いることができる。また、超臨界状態の二酸化炭素等を用いることもできる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明に使用できるヘマトコッカス藻抽出物の由来としては、具体的には、ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)、ヘマトコッカス・ラキュストリス(Haematococcus lacustris)、ヘマトコッカス・カペンシス(Haematococcus capensis)、ヘマトコッカス・ドロエバゲンシス(Haematococcus droebakensis)、ヘマトコッカス・ジンバビエンシス(Haematococcus zimbabwiensis)等が挙げられる。また、広く市販されているヘマトコッカス藻抽出物を用いることができ、例えば、富士フィルム社製のASTOTS−S、同−5O、同−10O等、富士化学工業社製のアスタリールオイル50F、同5F等、オリザ油化社製のアスタキサンチン−5C、同20C、バイオアクティブズジャパン社製のアスタキサンチン5%オイル、バイオジェニック社製のAstabio(登録商標)AR1、AR5等が挙げられる。またオキアミ由来としては、マリン大王社製Astax−S等が挙げられる。
本発明における成分(a)の含有量は、特に限定されないが、酸化防止、老化防止、シミの予防・改善等の肌に有用な効果を発揮する等の観点から、好ましくは0.000001〜0.1質量%(以下単に「%」と示す)であり、より好ましくは0.00001〜0.01%である。抽出液を使用する場合は、溶質の量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度等は何ら限定されるものではない。
本技術発明で使用される成分(b)のビタミンE類としては、油溶性ビタミンの一種であり、抗酸化作用、血行促進作用等が知られており、食品、化粧品等に利用されている。当該成分(b)としては、トコフェロール(例えば、α−,β−,γ−,δ−トコフェロール等)及びトコトリエノール(例えば、α−,β−,γ−,δ−トコトリエノール等)等のビタミンE;ビタミンEアセテート、ビタミンEニコチネート、α−トコフェロール 2−L−アスコルビン酸リン酸ジエステル等のビタミンE誘導体(好適にはビタミンEエステル);これらの塩(一般的に使用可能な塩)等が挙げられ、このうちから1種又は2種以上を選択することができる。
前記成分(b)のうち、特に限定されないが、成分(a)のカロテノイドを含有する組成物に成分(c)のニコチン酸アミドを含有させた際に生じる成分(a)のカロテノイドの劣化促進を抑制する効果により優れる等の観点から、ビタミンEがより好ましい。ビタミンEは、合成ビタミンEであってもよいし、天然由来ビタミンEであってもよい。また、本技術において、ビタミンE以外の前記成分(b)も含むことは効能を損なわない範囲において可能である。
前記成分(b)は、市販品を使用すればよく、天然由来であっても合成品であっても良い。また天然由来である場合は分離精製品が好ましい。
一般的に、合成ビタミンEは、素材原料を化学合成にて製造されたもの(例えば、dl−α−トコフェロール等)である。
また、一般的に、天然由来ビタミンEは、植物油又は微生物(例えば、藻類等)の生産油から抽出したものである。このうち、植物油由来のビタミンEが、化粧品等に多く利用されているので、好ましい。この植物として、パーム、ベニバナ、綿実、コメヌカ、とうもろこし、大豆、ヒマワリ種子、コムギ胚芽、大麦、菜種等が挙げられる。また藻類としては、ユーグレナ、クロレラ、スピルリナ等が挙げられる。
一般的に、植物油由来のビタミンE又は藻類由来のビタミンEは、α―トコフェロール、β―トコフェロール、γ―トコフェロール、δ―トコフェロールを含み、これらから選ばれる1種又は2種以上の混合物である。通常、このうちの、2種、3種又は4種を含有していることが多い。
一般的に市販されている植物油由来ビタミンEの組成比は、α―トコフェロール5〜20質量%、β―トコフェロール0〜10質量%、γ―トコフェロール30〜90質量%、δ―トコフェロール5〜60質量%などがある。この市販品の植物油由来ビタミンEは、別名として、天然ビタミンEとも呼ばれている。
本発明における成分(b)の添加量は、特に限定されず、成分(a)の安定化効果をより発揮することができるという観点から、組成物全体に対して0.0001〜10%となることが好ましく、より好ましくは0.0005〜5%であり、さらに好ましくは、0.001〜1%である。
また、成分(a)と成分(b)の含有質量割合は、特に限定されないが、成分(a)の安定化の効果に優れるという観点から、(b)/(a)=0.01〜100000であることが好ましく、0.05〜50000であることがより好ましく、0.1〜30000であると特に好ましい。
本発明における成分(c)のニコチン酸アミドとは、ニコチン酸(ビタミンB3、ナイアシンともよばれる)のアミド化合物であり、ニコチンアミド、ナイアシンアミドともよばれる、ニコチン酸の誘導体である。ニコチン酸アミドは水溶性ビタミンで、ビタミンB群の一つである公知の物質であり、天然物(米ぬかなど)から抽出されたり、あるいは公知の方法によって合成することができる。具体的には、第15改正日本薬局方2008に収載されているものを用いることが出来る。
本発明における成分(c)の含有量は、特に限定されず、抗老化作用に優れるという観点から、0.01〜10%であることが好ましく、0.5〜8%であることがより好ましく、1〜6%であることが特に好ましい。
また、成分(b)と成分(c)の含有質量割合は、特に限定されないが、成分(a)の安定化効果に優れるという観点から、(b)/(c)=0.00001〜100であることが好ましく、0.0003〜10であることがより好ましく、0.0005〜5であることが特に好ましい。
成分(a)と成分(c)の含有質量割合は、特に限定されないが、成分(a)の安定化効果に優れるという観点から、(c)/(a)=10〜500000であることが好ましく、100〜300000であることがより好ましく、100〜200000であることが特に好ましい。
さらに本発明には、成分(d)として、アルコール類を含有させると、成分(c)の成分(a)及び(b)への分散性に優れるため、より好ましい。アルコール類としては、化粧料、皮膚外用剤、食品、インク、洗剤、衣料用柔軟仕上剤、芳香剤、消臭剤、織物等に使用されているものであれば、特に限定されず用いることができる。例えば、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等の低級アルコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、1,2−ペンタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。これらの中でも、成分(c)の成分(a)及び(b)への分散性により優れる等の観点から、低級アルコールを用いることが好ましく、エタノールを用いることが特に好ましい。
本発明におけるの成分(d)の含有量は、特に限定されないが、成分(c)の成分(a)及び(b)への分散性により優れる等の観点から、0.1〜50%であることが好ましく、1〜40%であることが好ましく、5〜30%であることが特に好ましい。
また、成分(c)と成分(d)の含有質量割合は、特に限定されないが、成分(c)の成分(a)及び(b)への分散性により優れる等の観点から、(d)/(c)=0.1〜100であることが好ましく、0.5〜60であることがより好ましく、1〜45であることが特に好ましい。
本発明の組成物には、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分の他に、化粧料、皮膚外用剤、食品、インク、洗剤、衣料用柔軟仕上剤、芳香剤、消臭剤、織物等の製剤に使用される成分、すなわち、水(精製水、温泉水、深層水等)、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、紫外線防御剤、包接化合物、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、動物・微生物由来抽出物、植物抽出物、血行促進剤、収斂剤、抗脂漏剤、美白剤、抗炎症剤、活性酸素消去剤、細胞賦活剤、保湿剤、キレート剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、ビタミン類等を加えることができる。
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されず、常法により調製される。例えば、上記成分(a)〜(d)さらに必要に応じて上記任意成分を加え、これを混合することにより調製する方法が挙げられる。
本発明の組成物は、液状、ジェル状、クリーム状、固形状、ムース状等の種々の形態で実施することが可能であり、霧状に噴霧可能な容器に収容して霧状に噴霧して用いてもよい。また、本発明品の剤型は、可溶化型、水中油型、油中水型、油性型、水中油中水型、油中水中油型、多層型等特に限定されるものではない。
本発明の組成物の用途に関しては特に制限はなく、化粧料、皮膚外用剤、食品、インク、洗剤、衣料用柔軟仕上剤、芳香剤、消臭剤、織物等種々の用途の組成物として用いることができる。本発明の組成物は、老化防止効果等に優れるという観点から、化粧料又は皮膚外用剤として用いることが好ましい。
本発明の食品(動物飼料を含む)の例としては、冷凍食品、粉末食品、シート状食品、瓶詰食品、缶詰食品、レトルト食品、カプセル状食品、タブレット状食品等の形態の他、例えば蛋白質、糖類、脂肪、微量元素、ビタミン類、乳化剤、香料等が含有された自然流動食、半消化栄養食および成分栄養食、ドリンク剤等の加工形態等、いずれの形態でもよい。
本発明の化粧料の例としては、特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、化粧水、美容液、パック等のスキンケア化粧料、ファンデーション、頬紅、口紅、アイカラー、マスカラ、アイライナー、マニキュア等のメーキャップ化粧料、養毛料、ヘアトニック、シャンプー、リンス、ヘアワックス等の頭髪用化粧料、洗顔料等の洗浄料、等のいずれの形態であってもよい。
本発明の皮膚外用剤の例としては、特に限定されず、例えば、外用ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、液剤、リニメント剤、ハップ剤等のいずれの形態であってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
<ニコチン酸アミド含有時におけるアスタキサンチン光安定化効果試験>
本発明者は、アスタキサンチン等のカロテノイドとニコチン酸アミドを組み合わせることにより、アスタキサンチン等のカロテノイドの光による褪色が促進されること(比較例2)、さらにその褪色促進はスクワランにおいて抑制可能であることを見出した。その結果を表1に示す。
表1に示した各試料溶液を96ウェルプレートに200μl分注し、紫外線(UVB露光量:1.65J/cm2)を照射した。
アスタキサンチン残存率は各試料溶液の470nmでの吸光度を測定し、下記式(1)を用いて算出した。ここで、アスタキサンチン含有系とは、アスタキサンチンを含有する実施例及び比較例を指し、アスタキサンチン非含有系とは、それぞれの実施例、参考例及び比較例中のアスタキサンチン5%溶液(アスタキサンチン−5C(オリザ油化社製))を、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリルに代えて調製したものを指す。

アスタキサンチン残存率(%)=((A−B)/(C−D))×100・・・(1)

A=紫外線照射アスタキサンチン含有系の吸光度
B=紫外線照射アスタキサンチン非含有系の吸光度
C=紫外線未照射アスタキサンチン含有系の吸光度
D=紫外線未照射アスタキサンチン非含有系の吸光度
Figure 2019131550
表1の結果より、驚くべきことに、成分(c)を含有しない参考例1よりも、成分(c)を含有する比較例1の方がアスタキサンチンの褪色が促進しており、成分(c)によるアスタキサンチンへの安定性上の影響がある事が示唆される。
一方、実施例1〜8は、成分(c)を配合しながらもアスタキサンチンの顕著な褪色が観察されず、成分(b)のかわりに、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル(MファインオイルCCT−1:ミヨシ油脂社製)を用いた比較例1に比べて、いずれもアスタキサンチンの光安定化効果に優れるものであった。
実施例9[化粧水]
(成分) (%)
1.グリセリン 5.0
2.1,3−ブチレングリコール 5.0
3.乳酸 0.05
4. ニコチン酸アミド(注5) 2.5
5.乳酸ナトリウム 0.1
6.モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン 1.2
7.エタノール 8.0
8.トコフェロール(注3) 0.1
9.アスタキサンチン5%溶液(注6) 0.001
10.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
11.香料 0.05
12.精製水 残 量
(注6)Astax−S (マリン大王社製)
(製造方法)
A:成分(6)〜(11)を混合溶解する。
B:成分(1)〜(5)及び(12)を混合溶解する。
C:BにAを添加混合し、化粧水を得た。
実施例9の化粧水は、アスタキサンチン類の安定化効果に優れたものであった。
実施例10[乳液]
(成分) (%)
1.モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン 1.0
2.トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン 0.5
3.グリセリルモノステアレート 1.0
4.トコトリエノール(注2) 0.5
5.ステアリン酸 0.5
6.ベヘニルアルコール 0.5
7.スクワラン 4.0
8.カルボキシビニルポリマー 0.1
9.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
10.水酸化ナトリウム 0.05
11. ニコチン酸アミド(注5) 5.0
12.精製水 残 量
13.エタノール 5.0
14.アスタキサンチン5%溶液(注1) 0.01
15.香料 0.05
(製造方法)
A:成分(1)〜(7)を70℃で均一に混合する。
B:成分(8)〜(12)を70℃で均一に混合する。
C:BにAを加えて乳化し、室温まで冷却する。
D:(13)〜(15)を加えて均一に混合し、乳液を得た。
実施例10の乳液は、アスタキサンチン類の安定化効果に優れたものであった。
実施例11[日焼け止め化粧料(油中水型クリーム状)]
(成分) (%)
1.モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン 0.2
2.ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 0.1
3.精製水 残 量
4.ジプロピレングリコール 10.0
5.硫酸マグネシウム 0.5
6.アスコルビン酸グルコシド 2.0
7.ニコチン酸アミド(注5) 4.0
8.シリコーン化合物(注7) 3.0
9.デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
10.イソノナン酸イソトリデシル 5.0
11.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 8.0
12.トコトリエノール(注2) 0.1
13.アスタキサンチン5%溶液(注8) 0.01
14.ジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト 1.2
(注7)KF−6028 (信越化学工業社製)
(注8)アスタキサンチン5%オイル(バイオアクティブズジャパン社製)
(製造方法)
A:成分(1)〜(7)を均一に分散する。
B:成分(8)〜(14)を均一に分散する。
C:Bを攪拌しながら徐々にAを加えて乳化し、油中水型クリーム状日焼け止め化粧料を得た。
実施例11の日焼け止め化粧料(油中水型クリーム状)は、アスタキサンチン類の安定化効果に優れたものであった。
実施例12[軟膏剤]
(成分) (%)
1.トリエタノールアミン 2.0
2.グリセリン 5.0
3.グリチルリチン酸ジカリウム 0.5
4.精製水 残 量
5.ニコチン酸アミド(注5) 5.0
6.ステアリン酸 18.0
7.セタノール 4.0
8.トコフェロール(注3) 0.1
9.アスタキサンチン5%溶液(注1) 0.01
10.酢酸dl−α―トコフェロール 0.2
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(製造方法)
A.成分(1)〜(5)を均一溶解し、75℃に保つ。
B.成分(6)〜(11)を加熱混合し、75℃に保つ。
C.AにBを徐々に加え、軟膏剤を得た。
実施例12の軟膏剤は、アスタキサンチン類の安定化効果に優れたものであった。
本発明のアスタキサンチン類等のカロテノイドの安定化方法は、飲食品や組成物に応用することが可能であり、安定化方法により得られる組成物は、老化防止、シミ、シワの予防・改善等の肌への効果を発揮するのに有用である。

Claims (4)

  1. 成分(a)カロテノイド及び成分(c)ニコチン酸アミドを含有する組成物に成分(b)ビタミンE類を添加するカロテノイドの安定化方法。
  2. 前記成分(a)がアスタキサンチン類である請求項1記載のカロテノイドの安定化方法。
  3. 前記成分(b)がトコフェロール、トコトリエノールから選ばれる1種以上である請求項1又は2に記載のカロテノイドの安定化方法。
  4. 前記組成物が、化粧料又は皮膚外用剤である請求項1〜3のいずれかに記載のカロテノイドの安定化方法。
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