JP7344804B2 - 皮膚外用液剤 - Google Patents

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Description

本発明は皮膚外用液剤に関するものであり、より詳しくは、アスタキサンチン、水、及びジプロピレングリコールを含有する皮膚外用液剤に関する。
アスタキサンチンは抗酸化能力が高く、生体内の抗酸化や眼の調節機能改善、メタボリックシンドローム改善、老化防止等の用途が提案されている。また、シミやシワの改善作用があることも報告されており、美容素材としても注目されている。
アスタキサンチンは、その特殊な化学構造から、前記抗酸化能力がビタミンEの約1,000倍はあるといわれているが、そのため一方で、酸化分解を受けやすく、保存中に性状変化が起きたり抗酸化作用が低下したりしやすい。また、アスタキサンチンは、暗赤~褐色を呈し、これを含有する商品ではその発色を商品価値の一つとしていることが多いが、前記性状変化によって褪色が起きるため、美観が損なわれて商品価値が低下することも懸念される。
そのため、アスタキサンチンを含有する組成物においては安定化剤と併用することが知られており、これまで多くの検討がなされている。例えば、国際公開第2013/002278号(特許文献1)には、アスタキサンチンと、リコピンと、トコフェロールとを含むアスタキサンチン含有組成物が記載されており、特開2016-84321号公報(特許文献2)には、アスタキサンチンを含む化粧料に、トコフェロール、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、及びトコトリエノールからなる化合物群等から選択される油溶性抗酸化成分を内包する光応答性カプセルを含有させることが記載されている。
国際公開第2013/002278号 特開2016-84321号公報
本発明者らは、アスタキサンチン及び水を含有し、さらに保水成分としてジプロピレングリコールを含有する皮膚外用液剤において、アスタキサンチンの酸化分解を抑制することを目的として、特許文献1~2に記載されているようにトコフェロールを含有させることを検討したところ、不溶物が生成して白濁してしまうという問題が生じることを見い出した。さらに、かかる白濁を抑制することを目的として、界面活性剤をさらに含有させても、界面活性剤の種類によっては当該白濁を抑制することが困難であるという問題があることを見い出した。
さらに、本発明者らが、かかる知見に基づいて、前記白濁を抑制できた特定の界面活性剤を含有する外用液剤についてさらなる検討をおこなったところ、高温での長期保存後や強光照射後といった過酷条件下においた後では、アスタキサンチンの酸化分解が十分に抑制されず、褪色が起きてしてしまうという問題や、低温での保存後に白濁や不溶物が生成してしまうという問題が新たに生じることが確認され、本発明者らは、アスタキサンチン、水、ジプロピレングリコール、及び前記界面活性剤を含有する皮膚外用液剤においては、さらに高度な褪色抑制効果が要求されることを見い出した。
本発明は、上記の本発明者らが見い出した課題に鑑みてなされたものであり、アスタキサンチン、水、及びジプロピレングリコールを含有する皮膚外用液剤であって、低温保存、高温保存、長期保存、及び強光照射といった過酷条件下においても、白濁、不溶物の生成、及びアスタキサンチンの酸化分解による褪色がいずれも十分に抑制される、皮膚外用液剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の本発明者らが見い出した課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アスタキサンチン及び水を含有し、保水成分としてジプロピレングリコールを含有する皮膚外用液剤において、HLB値が特定の範囲内にあるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンセチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含有せしめ、さらに、トコフェロールとオレイン酸とを特に組み合わせて含有せしめることにより、低温保存、高温保存、長期保存、及び強光照射といった過酷条件下においても、白濁、不溶物の生成、及びアスタキサンチンの酸化分解による褪色がいずれも十分に抑制されるという効果が奏されることを見い出した。
さらに、トコフェロールを含有しない皮膚外用液剤及びオレイン酸を含有しない皮膚外用液剤ではいずれも褪色を十分に抑制できないのに対して、トコフェロールとオレイン酸とを組み合わせた場合には驚くべきことに褪色を十分に抑制できること、及び、オレイン酸に代えて他の油性成分を用いても白濁を十分に抑制できないことから、上記効果は、アスタキサンチン、水、ジプロピレングリコール、トコフェロール、オレイン酸、及び特定の非イオン性界面活性剤の各々からは予期できない、これらを組み合わせた場合にのみ奏される効果であることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の皮膚外用液剤は、アスタキサンチン、水、ジプロピレングリコール、トコフェロール、オレイン酸、並びに、HLB値が13~16のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンセチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含有し、前記オレイン酸の含有量が全質量に対して0.03~0.8質量%であり、かつ、前記非イオン性界面活性剤の含有量が全質量に対して0.3~3質量%であることを特徴とするものである。
本発明の皮膚外用液剤においては、前記トコフェロールの含有量が全質量に対して0.03~0.3質量%であることが好ましい
さらに、本発明の皮膚外用液剤においては、前記オレイン酸の含有量と前記トコフェロールの含有量との質量比(オレイン酸の含有量/トコフェロールの含有量)が0.1~27であることが好ましい。
また、本発明の皮膚外用液剤においては、前記非イオン性界面活性剤の含有量と前記トコフェロールの含有量との質量比(非イオン性界面活性剤の含有量/トコフェロールの含有量)が1~100であることが好ましい。
さらに、本発明の皮膚外用液剤としては、ローション剤であり、かつ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びカルボキシビニルポリマーからなる群から選択される少なくとも1種をさらに含有することが好ましい。
本発明によれば、アスタキサンチン、水、及びジプロピレングリコールを含有する皮膚外用液剤であって、低温保存、高温保存、長期保存、及び強光照射といった過酷条件下においても、白濁、不溶物の生成、及びアスタキサンチンの酸化分解による褪色がいずれも十分に抑制される、皮膚外用液剤を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明の皮膚外用液剤は、アスタキサンチン、水、ジプロピレングリコール、トコフェロール、オレイン酸、並びに、HLB値が13~16のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンセチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含有し、かつ、前記非イオン性界面活性剤の含有量が全質量に対して0.3~3質量%である、皮膚外用液剤である。
本発明の皮膚外用液剤は、アスタキサンチンを有効成分とし、少なくとも水を含有する液剤である。本発明の皮膚外用液剤の形態としては、ローション剤であってもリニメント剤であってもよく、また、適切な容器(例えば、液剤を噴霧するためのスプレー容器やエアゾール剤容器、液剤を塗布するための容器等)に収容されたスプレー剤、エアゾール剤、又は塗布剤であってもよい。これらの中でも、本発明の皮膚外用液剤としては、ローション剤が好ましい。
本発明において、アスタキサンチンとは、狭義の化合物としてのアスタキサンチン(3,3’-ジヒドロキシ-β,β-カロテン-4,4’-ジオン)のみならず、そのエステル等の誘導体も包含する概念である。本発明に係るアスタキサンチンとしては、植物類、藻類、バクテリア等の天然物に由来するものの他、常法に従って得られる合成品が挙げられ、これらのうちの1種を単独であっても2種以上の混合物であってもよい。
前記アスタキサンチンを含有する天然物としては、例えば、赤色酵母ファフィア、緑藻ヘマトコッカス、海洋性細菌、オキアミ等が挙げられる。本発明に係るアスタキサンチンとしては、前記天然物又はその培養物からの分離・抽出物として得られたアスタキサンチン含有オイルとして、本発明の皮膚外用液剤に配合されていてもよい。さらに、本発明に係るアスタキサンチンとしては、前記天然物からの分離・抽出物を、必要に応じて適宜精製したものとして、本発明の皮膚外用液剤に配合されていてもよい。
前記アスタキサンチン含有オイルとしては、ヘマトコッカス藻からの抽出物(ヘマトオイル)及びオキアミからの抽出物(以下、「オキアミ抽出物」と称する。)が品質、生産性等の観点から好ましく、前記ヘマトオイルがより好ましい。また、このようなアスタキサンチン含有オイルとしては、市販品を適宜用いることができる。
本発明の皮膚外用液剤において、前記アスタキサンチンの含有量としては、特に制限されるものではないが、皮膚外用液剤の全質量に対して、0.0001~0.003質量%であることが好ましく、0.00014~0.002質量%であることがより好ましい。前記アスタキサンチンの含有量が前記下限未満では、アスタキサンチンの添加効果(抗酸化効果等)が十分に得られにくくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、白濁や不溶物が生成しやすくなる傾向にある。
本発明に係る水としては、特に制限されないが、イオン交換、蒸留、濾過等の精製を施された水であることが好ましく、例えば、日本薬局方(第十七改正日本薬局方)に記載の「精製水」を好適に用いることができる。
本発明の皮膚外用液剤において、前記水の含有量としては、皮膚外用液剤の全質量に対して、50~90質量%であることが好ましく、60~80質量%であることがより好ましい。前記水の含有量が前記下限未満では、皮膚外用液剤中の水溶性成分の溶解が不十分となる傾向や、肌への保湿効果が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、油性成分の分散・溶解が不十分となる傾向にある。
本発明の皮膚外用液剤は、ジプロピレングリコールをさらに含有する。本発明の皮膚外用液剤において、ジプロピレングリコールは、主に保水成分(保湿成分)として含有される。本発明において、ジプロピレングリコールとは、4-オキサ-2,6-ヘプタンジオール、2-(2-ヒドロキシ-プロポキシ)-プロパン-1-オール、2-(2-ヒドロキシ-1-メチル-エトキシ)-プロパン-1-オール、及びこれらの異性体の2種以上の混合物を包含する概念である。前記ジプロピレングリコールとしては、3種の異性体の混合物が市販されており、これを適宜用いることができる。
本発明の皮膚外用液剤において、前記ジプロピレングリコールの含有量としては、皮膚外用液剤の全質量に対して、5~25質量%であることが好ましく、7~15質量%であることがより好ましい。前記ジプロピレングリコールの含有量が前記下限未満では、肌への保湿効果が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、白濁や不溶物が生成しやすくなる傾向にある。
本発明の皮膚外用液剤は、トコフェロールをさらに含有する必要がある。本発明においては、前記トコフェロールが、主に前記アスタキサンチンに対する酸化防止剤として、後述するオレイン酸とともに相乗的に作用し、アスタキサンチンの酸化分解による褪色が十分に抑制されるようになる。
本発明において、トコフェロールとは、狭義の化合物としてのトコフェロールのみならず、そのエステル等の誘導体も包含する概念である。本発明に係るトコフェロールとしては、天然に存在するビタミンE同族体として知られているものの他、常法に従って得られる合成品が挙げられる。より具体的に、本発明に係るトコフェロールとしては、dl-α-トコフェロール、dl-β-トコフェロール、dl-γ-トコフェロール、dl-δ-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、ニコチン酸-dl-α-トコフェロール、リノール酸-dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロールが挙げられ、これらのうちの1種を単独であっても2種以上の混合物であってもよい。これらの中でも、本発明に係るトコフェロールとしては、褪色抑制効果により優れる傾向にある観点から、dl-α-トコフェロール、dl-β-トコフェロール、dl-γ-トコフェロール、及びdl-δ-トコフェロールからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の皮膚外用液剤において、前記トコフェロールの含有量としては、皮膚外用液剤の全質量に対して、0.03~0.3質量%であることが好ましく、0.05~0.1質量%であることがより好ましい。前記トコフェロールの含有量が前記下限未満では、褪色抑制効果が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、白濁及び不溶物の生成抑制効果が低下する傾向にある。
また、本発明の皮膚外用液剤においては、前記トコフェロールの含有量と前記アスタキサンチンの含有量との質量比(トコフェロールの含有量/アスタキサンチンの含有量)が、10~3,000であることが好ましく、30~700であることがより好ましい。前記アスタキサンチンの含有量に対するトコフェロールの含有量の割合が前記下限未満(前記質量比が前記下限未満)では、褪色抑制効果が低下する傾向にある。
本発明の皮膚外用液剤は、オレイン酸をさらに含有する必要がある。本発明においては、前記オレイン酸が、主に前記アスタキサンチンに対する酸化防止剤として、前述のトコフェロールとともに相乗的に作用し、アスタキサンチンの酸化分解による褪色が十分に抑制されると共に、白濁及び不溶物の生成も十分に抑制されるようになる。このような作用は、オレイン酸以外の他の油剤(油性成分)では得られるものではなく、前記オレイン酸を特に用いることによって、白濁、不溶物の生成、及び前記褪色がいずれも抑制されるという事実は、従来の知見からは予想されない、本発明者らが見い出した知見である。
本発明の皮膚外用液剤において、前記オレイン酸の含有量としては、皮膚外用液剤の全質量に対して、0.03~0.8質量%であることが好ましく、0.05~0.3質量%であることがより好ましい。前記オレイン酸の含有量が前記下限未満では、褪色抑制効果が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、白濁が生じやすくなる傾向にある。
また、本発明の皮膚外用液剤においては、前記オレイン酸の含有量と前記トコフェロールの含有量との質量比(オレイン酸の含有量/トコフェロールの含有量)が、0.1~27であることが好ましく、0.5~6であることがより好ましい。前記トコフェロールの含有量に対する前記オレイン酸の含有量の割合が前記下限未満(前記質量比が前記下限未満)では、褪色抑制効果が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えても、褪色抑制効果が低下する傾向にある。
さらに、本発明の皮膚外用液剤においては、前記オレイン酸の含有量と水の含有量との質量比(オレイン酸の含有量/水の含有量)が、0.0004~0.01であることが好ましく、0.001~0.003であることがより好ましい。前記水の含有量に対するオレイン酸の含有量の割合が前記下限未満(前記質量比が前記下限未満)では、褪色抑制効果が低下する傾向にある。
本発明の皮膚外用液剤は、HLB値が13~16のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びHLB値が13~16のポリオキシエチレンセチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の非イオン性界面活性剤をさらに含有する必要がある。本発明においては、前記トコフェロール及び前記オレイン酸とともに、前記特定の非イオン性界面活性剤を用いることにより、アスタキサンチンの酸化分解による褪色が十分に抑制されつつ、白濁や不溶物の生成も十分に抑制されるようになる。
本発明に係るポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、ヒマシ油に水素を添加した硬化ヒマシ油に酸化エチレンが付加重合した化合物である。前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及び前記ポリオキシエチレンセチルエーテルとしては、酸化エチレンの平均重合度(酸化エチレンの平均付加モル数)により種々の化合物が市販されており、これらを適宜用いることができる。
前記非イオン性界面活性剤のHLB値としては、13~16であることが必要である。HLB値が前記下限未満では、白濁や不溶物の生成を十分に抑制することができず、他方、前記上限を超えると、褪色を十分に抑制することができない。前記HLB値としては、同様の観点から、14~16であることがより好ましい。
本発明において、HLB値(HLB;Hydrophile-Lipophile Balance)とは、W.C.Griffin,Journal of the Society of Cosmetic Chemists,1,311(1949)に記載の、水と油への親和性の程度を表す値であり、0から20までの値を取り、0に近いほど疎水性が高く、20に近いほど親水性が高くなる。HLB値は、川上式等の計算によっても決定することができ、また、カタログ値であってもよいが、本発明に係るHLB値としては、より好ましくは、測定によって決定することができる。前記測定によって決定する方法としては、例えば、HLB値が既知の標準界面活性剤(例えば、モノステアリン酸ソルビタン(HLB値:4.7)、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(HLB値:14.9)等)と、HLB値が未知の試料と、を用いて、油相(例えば、流動パラフィン(HLB値:10.1))と精製水とを乳化した場合に、最も安定なエマルジョンが得られる前記標準界面活性剤及び試料の組み合わせの比率を求め、前記試料のHLB値を求める方法が挙げられる。かかる測定における組成としては、例えば、油相40質量%、精製水56質量%、標準界面活性剤及び試料4質量%であってよい。このような測定方法としては、例えば、特開2010-099017号公報、特開2005-272750号公報、特開2002-301352号公報に記載の方法が挙げられる。
本発明に係る非イオン性界面活性剤としては、上記のうちの1種を単独であっても2種以上の混合物であってもよいが、中でも、褪色がより抑制される傾向にある観点から、HLB値が13~16のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の皮膚外用液剤において、前記非イオン性界面活性剤の含有量としては、皮膚外用液剤の全質量に対して、0.3~3質量%であることが必要である。前記非イオン性界面活性剤の含有量が前記下限未満であっても、前記上限を超えても、白濁や不溶物の生成を十分に抑制することができない。前記非イオン性界面活性剤の含有量としては、白濁や不溶物の生成をより抑制する観点から、0.6~1質量%であることがより好ましい。
また、本発明の皮膚外用液剤においては、前記非イオン性界面活性剤の含有量と前記トコフェロールの含有量との質量比(非イオン性界面活性剤の含有量/トコフェロールの含有量)が、1~100であることが好ましく、6~20であることがより好ましい。前記トコフェロールの含有量に対する非イオン性界面活性剤の含有量の割合が前記下限未満(前記質量比が前記下限未満)では、白濁及び不溶物の生成の抑制効果が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、褪色抑制効果が低下する傾向にある。
本発明の皮膚外用液剤としては、ローション剤とする場合、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びカルボキシビニルポリマーからなる群から選択される少なくとも1種をさらに含有することが好ましい。ローション剤において、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びカルボキシビニルポリマーは、主に増粘成分及び/又は保水成分(保湿成分)として含有されるが、本発明の皮膚外用液剤においては、前記ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びカルボキシビニルポリマーからなる群から選択される少なくとも1種をさらに含有することにより、アスタキサンチンの酸化分解による褪色がより抑制される傾向にある。
本発明に係るヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、2質量%水溶液の粘度(B型粘度計で測定される粘度)が60,000~160,000mPa・sであることが好ましく、75,000~140,000mPa・sであることがより好ましい。また、本発明に係るカルボキシビニルポリマーとしては、0.2質量%水溶液の粘度(B型粘度計で測定される粘度)が1,000~9,000mPa・sであることが好ましく、1,500~7,500mPa・sであることがより好ましい。
本発明の皮膚外用液剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する場合、その含有量としては、皮膚外用液剤の全質量に対して、0.01~0.5質量%であることが好ましく、0.05~0.3質量%であることがより好ましい。また、本発明の皮膚外用液剤がカルボキシビニルポリマーを含有する場合、その含有量としては、皮膚外用液剤の全質量に対して、0.05~1質量%であることが好ましく、0.1~0.5質量%であることがより好ましい。さらに、本発明の皮膚外用液剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びカルボキシビニルポリマーをいずれも含有する場合、それらの合計含有量としては、皮膚外用液剤の全質量に対して、0.06~1質量%であることが好ましく、0.1~0.5質量%であることがより好ましい。前記各含有量が前記下限未満では、皮膚外用液剤の粘性が低くなって使用感が低下したり肌への保湿効果が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、皮膚外用液剤を皮膚に塗り広げにくくなって塗る際にヨレが発生する等、使用感が低下する傾向にある。
本発明の皮膚外用液剤としては、上記のアスタキサンチン、水、ジプロピレングリコール、トコフェロール、オレイン酸、及び非イオン性界面活性剤、並びに、必要に応じて上記のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はカルボキシビニルポリマーに加えて、適宜他の成分をさらに含有していてもよい。このような他の成分としては、ジプロピレングリコール以外の多価アルコール、トコフェロール及びオレイン酸以外の酸化防止剤、前記非イオン性界面活性剤以外の界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、紫外線吸収剤、色素、香料が挙げられ、これらのうちの1種を単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。
前記ジプロピレングリコール以外の多価アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400等の平均分子量200~20,000のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール等の2価アルコール;グリセリン、ジグリセリン等の3価以上のアルコールが挙げられ、これらのうちの1種を単独であっても2種以上の混合物であってもよい。本発明の皮膚外用液剤が前記ジプロピレングリコール以外の多価アルコールを含有する場合、その含有量としては、皮膚外用液剤の全質量に対して、5~25質量%であることが好ましく、7~15質量%であることがより好ましい。
前記トコフェロール及びオレイン酸以外の酸化防止剤としては、例えば、イソステアリン酸等のオレイン酸以外の脂肪酸、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシトルエン、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、レシチン、パルミチン酸アスコルビン、エデト酸ナトリウム(EDTA)、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソールが挙げられ、これらのうちの1種を単独であっても2種以上の混合物であってもよい。本発明の皮膚外用液剤が前記トコフェロール及びオレイン酸以外の酸化防止剤を含有する場合、その含有量としては、皮膚外用液剤の全質量に対して、0.005~1質量%であることが好ましく、0.01~0.5質量%であることがより好ましい。
前記非イオン性界面活性剤以外の界面活性剤としては、上記以外の非イオン性界面活性剤が好ましく、例えば、HLB値が13~16の範囲を外れるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルキル基:セチル基以外)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルが挙げられ、これらのうちの1種を単独であっても2種以上の混合物であってもよい。本発明の皮膚外用液剤としては上記の本発明に係る非イオン性界面活性剤(HLB値が13~16のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンセチルエーテル)以外の界面活性剤は含有しないことが好ましいが、本発明の皮膚外用液剤が前記非イオン性界面活性剤以外の界面活性剤を含有する場合、その含有量としては、皮膚外用液剤の全質量に対して、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.1~0.5質量%であることがさらに好ましい。
前記pH調整剤としては、例えば、乳酸、酢酸、蟻酸、酒石酸、シュウ酸、安息香酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、アミン類(ジエタノールアミン等)が挙げられ、これらのうちの1種を単独であっても2種以上の混合物であってもよい。本発明の皮膚外用液剤のpHとしては、5~8であることが好ましく、5~7であることがより好ましい。
前記防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル、1,2-ペンタンジオール、安息香酸、安息香酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、塩化ベンザルコニウムが挙げられ、これらのうちの1種を単独であっても2種以上の混合物であってもよい。前記防腐剤としては、特に制限されないが、抗菌スペクトルの広さと安全性とのバランスがよいという観点からは、パラオキシ安息香酸メチルが好ましい。本発明の皮膚外用液剤が前記防腐剤を含有する場合、その含有量としては、皮膚外用液剤の全質量に対して、0.01~1質量%であることが好ましく、0.05~0.5質量%であることがより好ましい。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エステル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、サリチル酸エステル、アントラニル酸メンチル、ウンベリフエロン、エスクリン、ケイ皮酸ベンジル、シノキサート、グアイアズレン、ウロカニン酸、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ペンゾトリアゾール、4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、ジオキシベンゾン、オクタベンゾン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、スリソべンゾン、ベンゾレソルシノール、オクチルジメチルパラアミノべンゾエート、エチルへキシルパラメトキシサイナメートが挙げられ、これらのうちの1種を単独であっても2種以上の混合物であってもよい。
前記色素としては、例えば、赤色2号(アマランス)、赤色3号(エリスロシン)、赤色102号(ニューコクシン)、赤色104号の(1)(フロキシンB)、赤色105号の(1)(ローズベンガル)、赤色106号(アシッドレッド)、黄色4号(タートラジン)、黄色5号(サンセットイエローFCF)、緑色3号(ファストグリーンFCF)、青色1号(ブリリアントブルーFCF)、青色2号(インジゴカルルミン)等の法定色素が挙げられ、これらのうちの1種を単独であっても2種以上の混合物であってもよい。
前記香料としては、例えば、化粧品、医薬品、食品等の分野において公知の各種の香料成分を適宜用いることができる。
本発明の皮膚外用液剤の製造方法は、特に制限されるものではなく、例えば、上記のアスタキサンチン、水、ジプロピレングリコール、トコフェロール、オレイン酸、及び非イオン性界面活性剤、並びに、必要に応じて上記のヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、及び他の成分を秤量し、常法に従って混合することによって得ることができる。これらの混合は全成分を一度に混合しても、各成分を順次添加して混合しても、一部の成分を予め混合してから他の成分と混合してもよい。
本発明の皮膚外用液剤は、必要に応じて、保存用容器に封入してもよい。前記保存用容器としては、例えば、ガラス;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;アルミニウム等の金属;ポリプロピレン;ポリエチレン製の容器が挙げられる。本発明の皮膚外用液剤は強光照射の条件下においてもアスタキサンチンの褪色を抑制することができるため、アスタキサンチンの発色によって商品価値を高める観点からは、透明(好ましくは可視光を透過可能)な容器を好適に用いることができる。
本発明の皮膚外用剤の用途は、特に制限されないが、例えば、スキンケア化粧料(化粧水、美容液等)、UVケア化粧料、防臭化粧料、頭皮頭髪用化粧料として用いることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例における各試験は、それぞれ以下に示す方法により行った。
(1)外用液剤の白濁、不溶物の確認試験
各実施例及び各比較例において得られた外用液剤について、(i)製造直後、(ii)製造後、透明ガラス瓶に封入して25℃で暗所に7日間静置した後、(iii)製造後、透明ガラス瓶に封入して25℃で暗所に1ヶ月間静置した後、又は(iv)製造後、透明ガラス瓶に封入して5℃で暗所に7日間静置した後、の外観を、それぞれ目視にて確認し、以下の評価スコア:
[評価スコア]
A:白濁及び不溶物のいずれも確認されない
B:白濁が確認される
C:不溶物が確認される
に準拠して白濁及び不溶物の生成の有無を評価した。評価結果は、スコアがAを許容と判定した。
(2)外用液剤の褪色の確認試験
各実施例及び各比較例において得られた外用液剤について、(i)製造直後と、(ii)製造後、透明ガラス瓶に封入して60℃で暗所に1ヶ月間静置した後、又は(iii)製造後、透明ガラス瓶に封入して120万lx・hrの光(光源:CIE標準光源D65)を照射した後と、において、以下の手順:
[測定手順]
(I)分光側色計(測定機器:CM-700d、コニカミノルタオプティクス株式会社製)にて、各外用製剤の(i)製造直後のL値、a値、及びb値を求め、それぞれ、L 、a 、及びb とした
(II)前記分光側色計にて、上記(ii)又は(iii)の後の各外用製剤のL値、a値、及びb値を求めた
(III)次式:
ΔEab={(L-L +(a-a +(b-b 1/2
により、上記(ii)又は(iii)について、製造直後との色差(ΔEab)を算出した
によって求めた色差(ΔEab)により、外用液剤の褪色を評価した。評価結果は、色差(ΔEab)が27以下を許容と判定した。
(比較例1(従来技術に基づく検討1))
ヘマトオイル(アスタキサンチン含有量:11.2質量%、商品名「アスタキサンチンオイル原液」、国産ヘマトコッカス藻色素由来、)0.006質量部、ジプロピレングリコール10質量部、トコフェロール(DSM株式会社製、商品名「dl-α-トコフェロール」)0.05質量部、及び精製水を合計100質量部となるように秤取して混合し、外用液剤を得た。
(比較例2~6(従来技術に基づく検討2))
トリオレイン酸ソルビタン(HLB値:2.0、日光ケミカルズ株式会社製、商品名「NIKKOL SO-30V」)(比較例2)、ポリオキシエチレン(5)硬化ヒマシ油(酸化エチレンの平均付加モル数:5、POE(5)硬化ヒマシ油、HLB値:6.0、日光ケミカルズ株式会社製、商品名「NIKKOL HCO-5」)(比較例3)、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル(酸化エチレンの平均付加モル数:2、POE(2)セチルエーテル、HLB値:8.0、日光ケミカルズ株式会社製、商品名「NIKKOL BC-2」)(比較例4)、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油(酸化エチレンの平均付加モル数:60、POE(60)硬化ヒマシ油、HLB値:14.0、日光ケミカルズ株式会社製、商品名「NIKKOL HCO-60」)(比較例5)、又はポリオキシエチレン(23)セチルエーテル(酸化エチレンの平均付加モル数:23、POE(23)セチルエーテル、HLB値:15.5、日光ケミカルズ株式会社製、商品名「NIKKOL BC-23」)(比較例6)を、それぞれ0.8質量部さらに添加し、下記の表1に示す組成となるようにしたこと以外は比較例1と同様にして、各外用液剤を得た。
比較例1~6で得られた外用液剤について、前記(1)の試験を行った。各外用液剤の組成及び(1)の試験結果((i)製造直後、(iii)25℃で1ヶ月間静置後)を下記の表1に示す。
表1に示したように、アスタキサンチン、水、及びジプロピレングリコールを含有する外用液剤に、当該アスタキサンチンの分解を抑制することを目的としてトコフェロールを添加すると(比較例1)、製造直後から白濁が生じてしまうことが確認された。また、かかる白濁を抑制することを目的として界面活性剤をさらに添加しても(比較例2~6)、HLB値が8.0以下であると(比較例2~4)白濁は抑制されないことが確認された。
(比較例7(従来技術に基づく検討3))
下記の表2に示す組成となるようにしたこと以外は比較例5と同様にして、外用液剤を得た。
(実施例1、比較例8)
オレイン酸(日油株式会社製、商品名「EXTRA OS-85」)(実施例1)又はラウリン酸(日油株式会社製、商品名「NAA-122」)(比較例8)を、それぞれ0.1質量部さらに添加し、下記の表2に示す組成となるようにしたこと以外は比較例7と同様にして、各外用液剤を得た。
(比較例9~10)
トコフェロールを用いず、下記の表2に示す組成となるようにしたこと以外は実施例1又は比較例8と同様にして、各外用液剤を得た。
比較例7~10及び実施例1で得られた外用液剤について、前記(1)~(2)の試験を行った。各外用液剤の組成、並びに、(1)の試験結果((ii)25℃で7日間静置後、(iv)5℃で7日間静置後)及び(2)の試験結果((ii)60℃で1ヶ月間静置後、(iii)120万lx・hrの光照射後)を下記の表2に示す。
上記の比較例5のように、アスタキサンチン、水、ジプロピレングリコール、トコフェロール、及びHLB値が13以上の非イオン性界面活性剤を含有する外用液剤(比較例7)についてさらなる検討をおこなったところ、表2に示したように、高温での長期保存や強光照射といった過酷条件下では、製造直後に比べて褪色してしまうことが確認された。他方、オレイン酸をさらに含有させた、本発明に係る特定の組成の外用液剤(例えば、実施例1)においては、白濁及び不溶物の生成が抑制されつつ、高温での長期保存や強光照射といった過酷条件下においても褪色が十分に抑制されることが確認された。
また、トコフェロールを含有しない外用液剤(比較例9)及びオレイン酸を含有しない外用液剤(比較例7)ではいずれも上記の褪色が確認されたのに対して、トコフェロールとオレイン酸とを組み合わせた、本発明に係る特定の組成の外用液剤(例えば、実施例1)においては、上記の過酷条件でも褪色を十分に抑制する効果が新たに生じることが確認された。
さらに、トコフェロールを含有しない外用液剤ではオレイン酸を含有する場合(比較例9)及びラウリン酸を含有する場合(比較例10)のいずれにおいても同様に褪色が確認された。他方、トコフェロールとラウリン酸とを組み合わせると(比較例8)、褪色は抑制されるものの、特定のHLB値の非イオン性界面活性剤を含有しているにもかかわらず、低温での保存後に不溶物が生じてしまうことが確認された。これに対して、本発明に係る特定の組成の外用液剤(例えば、実施例1)においては、高温での長期保存や強光照射といった過酷条件下における褪色の抑制に加え、かかる低温保存後の不溶物の生成や白濁も十分に抑制されることが確認された。
(実施例2~3、比較例11~12)
下記の表3に示す組成となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、各外用液剤(ローション剤)を得た。表3において、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの2質量%水溶液の粘度は91,800mPa・sであり、カルボキシビニルポリマーの0.2質量%水溶液の粘度は4,060mPa・sであった。
実施例2~3及び比較例11~12で得られた外用液剤について、前記(1)~(2)の試験を行った。各外用液剤の組成及び(1)の試験結果((i)製造直後)を下記の表3に示す。なお、実施例2において、外用液剤のpHは6.2であり、前記(2)の試験結果は、(ii)60℃で1ヶ月間静置後で8.0、(iii)120万lx・hrの光照射後で2.3であった。
上記及び表3に示したように、本発明に係る特定の組成の外用液剤(例えば、実施例2~3)においては、他の成分を含有しても、白濁及び不溶物の生成が抑制され、また、高温での長期保存や強光照射といった過酷条件下における褪色も十分に抑制されることが確認された(例えば、実施例2)。他方、HLB値が本発明に係る特定の範囲外である非イオン性界面活性剤を用いた外用液剤(比較例11~12)においては、他の成分を含有していても、比較例2~3と同様に、少なくとも白濁を抑制できないことが確認された。
(実施例4~5、比較例13~14)
POE(60)硬化ヒマシ油(HLB値:14.0)の含有量を変更し、下記の表4に示す組成となるようにしたこと以外は実施例2と同様にして、各外用液剤(ローション剤)を得た。
実施例4~5及び比較例13~14で得られた外用液剤について前記(1)の試験を行った。各外用液剤の組成及び(1)の試験結果((i)製造直後)を下記の表4に示す。また、表4には、実施例2の各値も併せて示す。
表4に示したように、本発明に係る特定の組成の外用液剤(例えば、実施例2、4~5)においては、白濁及び不溶物の生成を十分に抑制できることが確認された。他方、非イオン性界面活性剤の含有量が本発明に係る特定の範囲外である外用液剤(比較例13~14)においては、少なくとも白濁を抑制できないことが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、アスタキサンチン、水、及びジプロピレングリコールを含有する皮膚外用液剤であって、低温保存、高温保存、長期保存、及び強光照射といった過酷条件下においても、白濁、不溶物の生成、及びアスタキサンチンの酸化分解による褪色がいずれも十分に抑制される、皮膚外用液剤を提供することが可能となる。

Claims (5)

  1. アスタキサンチン、水、ジプロピレングリコール、トコフェロール、オレイン酸、並びに、HLB値が13~16のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンセチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含有し、前記オレイン酸の含有量が全質量に対して0.03~0.8質量%であり、かつ、前記非イオン性界面活性剤の含有量が全質量に対して0.3~3質量%であることを特徴とする、皮膚外用液剤。
  2. 前記トコフェロールの含有量が全質量に対して0.03~0.3質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用液剤。
  3. 前記オレイン酸の含有量と前記トコフェロールの含有量との質量比(オレイン酸の含有量/トコフェロールの含有量)が0.1~27であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用液剤。
  4. 前記非イオン性界面活性剤の含有量と前記トコフェロールの含有量との質量比(非イオン性界面活性剤の含有量/トコフェロールの含有量)が1~100であることを特徴とする、請求項1~のうちのいずれか一項に記載の皮膚外用液剤。
  5. ローション剤であり、かつ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びカルボキシビニルポリマーからなる群から選択される少なくとも1種をさらに含有することを特徴とする、請求項1~のうちのいずれか一項に記載の皮膚外用液剤。
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