JP6479001B2 - ウッディな匂いを有する化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、香料の分野に関する。より詳しくは、2−メチル−5−[2−メチル−3−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル)]−2−ペンテン−1−オールまたはその低級エステル、ならびに付香成分として、特にサンダルウッドおよびセダーウッドの香調を付与する付香成分としてのその使用に関する。本発明は、付香組成物または付香消費者製品の一部としての本発明の化合物も含む。
我々の知る限り、本発明の化合物のいずれも先行技術において公知ではない。
サンダルウッド精油は、香料のためのきわめて重要な材料である。多くのサンダルウッドの植物種が存在しているが、インド種しかきわめて優れた油を提供しないと考えられている一方、その他の種は、「自然さ」および/または「レ・ドゥ・サンタル(lait de santal)」を欠いていると考えられている。インドの植物種が、現在保護種であり、かつ工業規模ではもはや入手不可能であるため、可能な限り自然なサンダルウッド香調を付与する、および/または入手可能な天然油の嗅覚プロファイルを改善することができる成分に対して真の必要性がある。我々の知る限り、現在公知のサンダルウッド香料成分のどれも、そのような性能を果たすことはできない。
ここで、驚くべきことに、立体異性体のいずれか1つ、またはそれらの混合物の形態の、式
Figure 0006479001
の化合物であって、式中、Rが水素原子またはC1〜C3カルボキシル基を表す化合物を、付香成分として、例えばサンダルウッドおよびセダーウッドタイプの匂いの調子を付与する付香成分として使用できることが判明した。
本発明の特定の実施態様によれば、上述のR基は、水素原子またはHCO(ホルミル)、CH3CO(アセチル)の式の基を表す。本発明の特定の実施態様によれば、上述のR基は、水素原子を表す。
本発明のいずれかの実施態様によれば、および特定の実施態様とは無関係に、化合物(I)は、その立体異性体のいずれか1つ、またはそれらの混合物の形態であってよい。明確にするために、立体異性体という用語は、立体配置EまたはZのジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ化合物もしくは炭素−炭素二重結合異性体のいずれかであることが意図される。
本発明のいずれかの実施態様によれば、化合物(I)は、(1SR、2SR、4RS)立体異性体を50%(w/w)超含む立体異性体の混合物の形態、すなわち、式(I−A)
Figure 0006479001
[式中、太線および斜線は相対配置を示す]に示されるように、exo型相対配置(メチレンとアリルアルコール鎖の架橋)を有する化合物である。上述の立体異性体の混合物は、(1SR、2SR、4RS)立体異性体を70%(w/w)超、またはさらに90%(w/w)超含んでいるのが好ましい。
本発明のいずれの実施態様によれば、化合物(I)は、(1R,2R,4S)立体異性体を50%(w/w)超含む立体異性体の混合物の形態である、すなわち、式(I−B)
Figure 0006479001
[式中、太線および斜線は、絶対配置を示す]
に示されるように、絶対配置を有している化合物である。上述の立体異性体の混合物は、(1R,2R,4S)立体異性体を70%(w/w)超、またはさらに90%(w/w)超含んでいるのが好ましい。
本発明の上述の実施態様のいずれか1つによれば、上述の化合物は、そのE異性体もしくはZ異性体の形態であるか、またはそれらの混合物であってよく、例えば、本発明は、同一の化学構造を有しているが、二重結合の配置が異なる、1つまたは複数の式(I)の化合物からなる組成物を含む。特に、化合物(I)は、EおよびZ異性体からなる混合物の形態であってよく、かつここで、前述のZ異性体は、混合物全体の少なくとも50%、またはさらに少なくとも75%に相当する(すなわち、Z/Eを75/25から100/0までで含む混合物)。
本発明の化合物の特異的な例として、(−)−(2Z)−2−メチル−5−[(1R,2R,4S)−2−メチル−3−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル)]−2−ペンテン−1−オール(これ以下において(−)−デヒドロ−β−サンタロール(例1に記載の立体異性体の混合物の形態)とも呼ばれる)であって、セダーウッド香調と組み合わされた力強いサンダルウッドの匂いを有する化合物を非限定例として挙げることができる。
驚くべきことに、本発明の化合物の匂いは、自然な「レ・ドゥ・サンタル」、および天然のサンダルウッド抽出物、例えばオーストラリア産サンダルウッド油の暖かみという側面(warm aspect)を増大できることが判明した。この増大効果は、きわめて驚くべきことである、それというのは、この増大効果は、サンダルウッド香調を有しているいずれの合成誘導体からも公知ではないからである。
(−)−(2Z)−2−メチル−5−[(1R,2R,4S)−2−メチル−3−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル)]−2−ペンテン−1−オールの匂いは、サンダルウッドの代替(commutation)を有する先行技術の1つと比べて、その固有の特異性を示している。
本発明の化合物の匂いを、先行技術の化合物(−)−(2Z)−β−サンタロールの匂いと比較すると、本発明の化合物は、サンダルウッド香調がより強いこと、かつ甘さがより少ないことも特徴としている。本化合物は、天然化合物(−)−(2Z)−β−サンタロールには存在していないセダーウッド香調を有していることも特徴としている。
本発明の化合物の匂いを、先行技術のサンダルウッド着臭剤(odorant)2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−1−オール(EP694520参照)と比較すると、本発明の化合物は、より強く自然的で、ケミカル臭がより少ないサンダルウッド香調であることを特徴としている。本化合物は、先行技術の化合物には存在していないセダーウッド香調を有していることを特徴としている。
前述の通り、本発明は、付香成分としての、式(I)の化合物の使用に関する。つまり、本発明は、付香組成物または付香物品の匂い特性を付与、強化、改善または変性するための方法であって、上述の組成物または物品に有効量の少なくとも1つの式(I)の化合物を添加することを含む方法に関する。ここで、「式(I)の化合物の使用」とは、化合物(I)を含み、かつ香料産業において有利に使用されうるあらゆる組成物の使用であるとも理解すべきである。
ところで、本発明の特定の対象は、サンダルウッド、特にオーストラリア種のサンダルウッドの天然抽出物を含む付香組成物または付香物品の匂い特性を付与、強化、増大、改善または変性するための方法であって、上述の組成物または物品に有効量の少なくとも1つの式(I)の化合物を添加することを含む方法である。
実際に付香成分として有利に用いることができる上述の組成物も同じく本発明の対象である。
したがって、本発明の別の対象は、
i)付香成分として、少なくとも1つの、上に定義された本発明の化合物と、
ii)香料担体と香料ベースからなる群から選択される少なくとも1つの成分と、
iii)任意に少なくとも1つの香料補助剤(perfumery adjuvant)と
を含む付香組成物である。
ここで、「香料担体」とは、香料の観点から実質的に中立的である、すなわち、付香成分の感覚刺激性を著しく変更しない材料を意味する。この担体は、液体または固体であってよい。
液体の担体として、乳化系、すなわち、溶媒および界面活性剤系、または香料製造で通常使用される溶媒を非限定例として挙げることができる。香料製造で通常使用される溶媒の性質および種類の詳細な説明を網羅することはできない。しかし、非限定例として、溶媒、例えばジプロピレングリコール、フタル酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンジル、2−(2−エトキシエトキシ)−1−エタノールまたはクエン酸エチルを挙げることができ、それらは、最も一般的に使用されるものである。香料担体および香料ベースの両方を含む組成物の場合、先に特定されたもの以外の好適な香料担体は、エタノール、水/エタノール混合物、リモネン、または別のテルペン、イソパラフィン、例えばIsopar(登録商標)(原産:Exxon Chemical)の商標名で公知のもの、またはグリコールエーテルおよびグリコールエーテルエステル、例えば、Dowanol(登録商標)(原産:Dow Chemical Company)の商標名で公知のものであってもよい。
固体の担体として、吸収ゴムまたはポリマー、またはさらに封入材料を非限定例として挙げることができる。そのような材料の例には、壁形成材および可塑剤、例えばモノサッカリド、ジサッカリドもしくはトリサッカリド、天然デンプンおよび変性デンプン、ヒドロコロイド、セルロース誘導体、酢酸ポリビニル、ポリビニルアルコール、プロテインまたはペクチン、またはさらに例えばH.Scherz、Hydrokolloide:Stabilisatoren、Dickungs− und Geliermittel in Lebensmitteln、Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie、Lebensmittelqualitaet、Behr’s Verlag GmbH&Co., Hamburg 1996の参考文献に挙げられている材料が含まれていてよい。封入は、当業者に充分公知のプロセスであり、例えば、スプレードライ、凝集、もしくはさらに押出の技術を使用して実施されてよいか;または液滴形成および複雑な液滴形成技術を含むコーティング封入からなる。
ここで、「香料ベース」とは、少なくとも1つの付香補助成分(co−ingredient)を含む組成物を意味する。
上述の付香補助成分は、式(I)のものではない。さらに、ここで、「付香補助成分」とは、付香調製物中または組成物中で快い効果を付与するために使用される化合物を意味する。つまり、付香するものであると考えられるそのような補助成分は、有益または快適な方法で組成物の匂いを付与または変性することができるものであって、単に匂いを有しているだけのものではないと当業者に認識される必要がある。
ここで、前記ベース中に存在している付香補助成分の性質および種類は、より詳細な説明を必要なこととせず、いずれの場合も網羅的ではなく、当業者は、一般知識に基づいて、および使用目的または意図する用途および所望の感覚刺激効果に応じてそれらを選択することができる。一般論として、それらの付香補助成分には、アルコール、ラクトン、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、窒素または亜硫酸複素環式化合物、および精油のように多様な化学物質クラスが含まれており、ならびにこの付香補助成分は、天然起源または合成起源であってよい。それらの補助成分の多くは、いずれの場合も、例えばS.Arctander、Perfume and Flavor Chemicals、1969、Montclair、New Jersey、USA、もしくはその最新版、または同類の特性を有するものの別の研究にも、多数の香料分野の特許文献にも記載されている。上述の補助成分は、制御された方法でさまざまな種類の付香化合物を放出することで公知の化合物であってもよい。
上述の本発明の実施態様のいずれか1つによれば、香料ベースは、サンダルウッド油の天然抽出物を含んでおり、実際に前述の通り、本発明の化合物は、その「レ・ドゥ・サンタル」香調および暖かみを押すことによって、天然油の嗅覚的性質を増大することができる。
ここで、「香料補助剤」とは、付加的効果、例えば色、特定の耐光性、化学安定性などを追加的に付与することができる成分を意味する。付香ベースで通常使用される補助剤の性質および種類の詳細な説明は、網羅することはできないが、この成分は、当業者に充分公知であることを言及しなければならない。
少なくとも1つの式(I)の化合物および少なくとも1つの香料担体からなる本発明の組成物は、本発明の特定の実施態様でもあり、少なくとも1つの式(I)の化合物と、少なくとも1つの香料担体と、少なくとも1つの香料ベースと、任意に少なくとも1つの香料補助剤とを含む付香組成物でもある。
ここで、前述の組成物において、1つ超の式(I)の化合物を有している可能性が重要であることを言及することが有益である。それというのは、このことによって調香師は、アコード、香水を作製すること、本発明の種々の化合物に匂いの調性を持つこと、そのようにして調香師の作業のための新たな道具を作成することができるからである。
明確にするために、化学合成、例えば、本発明の化合物が出発物質、中間生成物または最終生成物として関わりうる充分に精製されない反応媒体から直接生じるあらゆる混合物は、この混合物が、本発明の化合物を香料製造に好適な形態で提供しない限り、本発明による付香組成物として見なすことができないことも理解される。
さらに、本発明の化合物は、上述の化合物(I)が添加された消費者製品の匂いを積極的に付与するまたは変性するために、近代的な香料製造、すなわち、ファインパフューム(fine perfumery)または機能性香料のあらゆる分野において有利に使用することもできる。その結果、本発明の別の対象は、付香成分として、少なくとも1つの、上で定義された式(I)の化合物を含む付香消費者製品によって表される。
本発明の化合物は、本発明の付香組成物それ自体としてか、またはその一部として添加されてよい。
明確にするために、「付香消費者製品」とは、その製品が適用される表面(例えば、肌、髪、テキスタイル、または住宅表面)に少なくとも1つの快い付香効果を提供することが期待される消費者製品を意味することを言及する必要がある。つまり、本発明による付香消費者製品は、機能性配合物も、任意に付加的効果剤も(所望の消費者製品、例えば洗剤またはエアフレッシュナーに相当する)、および嗅覚的有効量の少なくとも1つの本発明の化合物も含む付香消費者製品である。
ここで、香料消費者製品の構成成分の性質および種類は、より詳細な説明を必要なこととせず、いずれの場合も網羅的でないが、当業者は、その一般知識に基づいて、ならびに上述の製品の性質および所望の効果に応じてそれらを選択することができる。
好適な香料消費者製品の非限定例は、香水、例えばファインパフューム、コロンまたはアフターシェーブローション;織物ケア製品、例えば液体または固体洗剤、織物柔軟剤、織物消臭剤、アイロン用ウォーター、紙、または漂白剤;ボディケア製品、例えばヘアケア製品(例えばシャンプー、カラーリング調合液(coloring preparation)もしくはヘアスプレー)、化粧品(例えばバニシングクリームもしくはデオドラントもしくは制汗剤)、またはスキンケア製品(例えば香水入り石鹸、シャワーもしくはバス用のムース、オイルもしくはジェル、もしくは衛生用品);空気ケア製品、例えばエアフレッシュナーもしくは「使用準備済みの」粉末状エアフレッシュナー;または住宅ケア製品、例えば化学ぞうきん(wipe)、食器用洗剤もしくは硬質表面用洗剤であってよい。
上述の消費者製品のいくつかは、本発明の化合物に対して刺激的な媒体であることがあり、したがって、本発明の化合物を早期の分解から保護する、例えば封入によって、または好適な外的要因、例えば酵素、光、熱またはpHの変化によって本発明の成分を放出するのに適している別の化学物質に本発明の成分を化学結合することによって保護する必要があることがある。
本発明による化合物を様々な前述の物品または組成物に包含することができる割合は、広い値域内で変化する。この値は、本発明による化合物が、先行技術で通常使用される付香補助成分、溶媒または添加剤と混合される場合、香りを付けられる物品の性質および所望の感覚刺激効果によっても、所定のベース中の補助成分の性質にもよっても異なる。
例えば、付香組成物の場合、本発明の化合物の一般的な濃度は、この化合物が包含されている組成物の質量を基準として約0.01質量%から約5質量%であるか、またはさらに多い。例えば約0.1質量%から約2.5質量%までよりも低い濃度は、本発明の化合物が付香物品に包含されている場合に使用されてよく、百分率は、物品の質量に対している。
本発明の化合物は、ここ以下の例に記載される方法にしたがって作製することができる。

ここで、本発明を、以下の例によってさらに詳説し、ここで、略語は先行技術における通常の意味を有しており、温度は摂氏(℃)で示した;NMRスペクトルデータは、CDCl3中で(特に明記されない限り)、360MHzまたは400MHzの機器で1Hおよび13Cに関して記録し、化学シフトδは、標準であるTMSに対してppmで表示し、結合定数Jは、Hzで表した。
例1
式(I)の化合物の合成
本発明の化合物を、以下の反応スキームにしたがって得た。
Figure 0006479001
・(−)−(1R,2R,3R,4S)−21の作製
化合物(−)−(1R,2R,3R,4S)−12(WO2012/110375、pg26に記載の通りに得たもの)を、ラセミ化合物(WO2012/110375の21a)に関するWO2012/110375、pg19に記載の通り、エチニルを付加することによって(−)−(1R,2R,3R,4S)−21に変換した。
光学活性な目的化合物は、収率82%、報告されたラセミ化合物のNMRスペクトルと同一のNMRスペクトル、およびCHCl3中c=2.2%にて[α]D 20=−3.3で得られた。
・(−)−(1R,2R,4S)−22の作製
化合物(−)−(1R,2R,3R,4S)−21を、ラセミ化合物(WO2012/110375の22)に関するWO2012/110375、pg20に記載の脱離によって(−)−(1R,2R,4S)−22に変換した。光学活性な目的化合物は、収率84%、報告されたラセミ化合物のNMRスペクトルと同一のNMRスペクトル、およびCHCl3中c=1.6%にて[α]D 20=−150.2で得られた。
・(−)−(1R,2R,4S)−23の作製
化合物(−)−(1R,2R,4S)−22を、ラセミ化合物(WO2012/110375)に関するWO2012/110375、pg23に記載の転位によって(−)−(1R,2R,4S)−23に変換した。
光学活性な目的化合物は、収率60%、報告されたラセミ化合物のNMRスペクトルと同一のNMRスペクトル、およびCHCl3中c=3.8%にて[α]D 20=−417.5で得られた(約90%e.e.)。
・(−)−(E)−(1R,2R,4S)−2−メチル−3−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル]プロパ−2−エン−1−オール:(−)−(1R,2R,4S)−51の作製
THF(5ml)中のアルデヒド(−)−(1R,2R,4S)−23(100mg、0.574mmol)を、滴下しながらTHF(5ml)中のLiAlH4(43.6mg、1.15mmol)の懸濁液に-10℃で滴下した。5分後、15%w/wの水性NaOH(5ml)を0℃で滴下しながら添加して、この反応混合物を、次にろ過、分離、乾燥(Na2SO4)、濃縮およびCC/SiO2(シクロヘキサン/AcOEt 85:15)によって精製して、純粋な所望のアリールアルコールを定量的に得た。
CHCl3中c=2.5%で[α]D 20=−435.5。
Figure 0006479001
・3−((1R,2R,4S)−2−メチル−3−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル)プロパナール:(−)−(1R,2R,4S)−52の作製
C.Chapuisらによる「Helv.Chim.Acta 2001、84、230」に記載の一般的な方法にしたがって、MeOBiphep(13.88mg、0.024mmol)をTHF(2ml)中の[Rh(cod)2]BF4(9.68mg、0.024mmol)の溶液に添加し、続いて、1時間後に20℃で、THF(8ml)中のアリールアルコール(−)−(1R,2R,4S)−51(60mg、0.34mmol)の溶液を添加した。この混合物をAr下に18時間還流し、次に20℃でろ過し、濃縮して、CC/SiO2(シクロヘキサン/AcOEt 97:3から95:5まで)によって精製して、純粋なアルデヒド(−)−(1R,2R,4S)−52(収率34%、回収された出発材料を基準にして収率68%)を得た。
CHCl3中c=0.5%で[α]D 20=−213.3。
Figure 0006479001
・本発明の化合物の作製:
・(−)−(2Z)−2−メチル−5−[(1R,2R,4S)−2−メチル−3−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル]−2−ペンテン−1−オール Coll64199 A3:(−)−(Z)−(1R,2R,4S)−54aまたは(−)−デヒドロ−β−サンタロール
・(−)−(2Z)−2−メチル−5−[(1R,2R,4S)−2−メチル−3−メチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル]−2−ペンテン−1−イルギ酸:(−)−(Z)−(1R,2R,4S)−54bまたは(−)−デヒドロギ酸β−サンタリル
nBuLi(1.6M/ヘキサン、0.215ml、0.343mmol)を0℃でTHF(13.5ml)中のヨウ化エチルトリフェニルホスホニウム(144mg、0.343mmol)の溶液に滴下しながら添加した。その結果得られた溶液を−78℃に冷却して、THF(1.5ml)中のアルデヒド(−)−(1R,2R,4S)−52(55mg、0.312mmol)の溶液を滴下しながら添加した。15分後、nBuLiの溶液(1.6M/ヘキサン、0.234ml、0.377mmol)を滴下しながら添加し、その20分後、温度を2時間にわたって0℃に平衡化した。乾燥パラホルムアルデヒド(56.2mg、1.872mmol)を添加して、飽和水性NH4Clに接触させる前に、反応混合物を20℃で1日間撹拌した。この反応混合物をCH2Cl2で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、濃縮してCC/SiO2 シクロヘキサン/AcOEt99:1により精製して、(−)−(Z)−(1R,2R,4S)−54aを収率15%で、および(−)−(Z)−(1R,2R,4S)−54bを収率12%で得た。
Figure 0006479001
例2
付香組成物の作製
以下の成分を混合することによって女性用の香料組成物を作製した。
Figure 0006479001
Figure 0006479001
(−)−デヒドロ−β−サンタロール200重量部を前述の組成物に添加することによって、この組成物にはるかに自然なコノテーション(connotation)を付与した。これは、オーストリア産サンダルウッド油の代わりにインド産サンダルウッド油を使用して得られるコノテーションにきわめてよく似ていた(サンダルウッド油の最良の種類はインド産のものであるが、保護種であるのため、現在、市場で入手不可能である)。本発明の化合物は、珍しいセダーウッドツイストももたらすが、これは、代わりに(−)−β−サンタロールが添加された場合は得られない。
例3
香料組成物の作製
以下の成分を混合することによって沈香タイプの、女性用の香料組成物を作製した。
Figure 0006479001
Figure 0006479001
驚くべきことに、オーストラリア産サンダルウッド油200質量部の代わりに、前記組成物中と同量の(−)−デヒドロ−β−サンタロールを用いることによって、サンダル香調が増大され、かつより「自然な」効果も付与する「lait de santal」効果が強められた。そのような効果は、市販の合成サンダルウッド着臭剤、例えば文献に記載されたカンファー着臭剤を使用する場合には得ることはできなかった。

Claims (9)

  1. 立体異性体のいずれか1つ、またはそれらの混合物の形態の、式
    Figure 0006479001
    の化合物であって、前記式中、Rが水素原子、HCO(ホルミル)またはCH 3 CO(アセチル)基を表す前記化合物。
  2. 前記Rが水素原子であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記化合物が、(1SR,2SR,4RS)立体異性体を50%(w/w)超含む立体異性体の混合物、ならびにEおよびZ異性体の混合物の形態であり、ここで、該Z異性体が、混合物全体の少なくとも75%に相当することを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 前記化合物が、(−)−(2Z)−2−メチル−5−[(1R,2R,4S)−2−メチル−3−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル)]−2−ペンテン−1−オールであることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  5. 付香成分としての、請求項1から4までのいずれか1項に記載の式(I)の化合物の使用。
  6. i)少なくとも1つの、請求項1から4までのいずれか1項に記載の式(I)の化合物と、
    ii)香料担体と香料ベースからなる群から選択される少なくとも1つの成分と、
    iii)任意に、少なくとも1つの香料補助剤と
    を含む付香組成物。
  7. 付香消費者製品が、少なくとも1つの、請求項1からまでのいずれか1項に記載の式(I)の化合物を含むことを特徴とする前記付香消費者製品。
  8. 前記付香消費者製品が、香水、織物ケア製品、ボディケア製品、空気ケア製品、またはホームケア製品であることを特徴とする、請求項7に記載の付香消費者製品。
  9. 前記付香消費者製品が、ファインパフューム、コロン、アフターシェーブローション、液体または固体洗剤、織物柔軟剤、織物消臭剤、アイロン用ウォーター、紙、漂白剤、シャンプー、カラーリング調合液、ヘアスプレー、バニシングクリーム、デオドラントまたは制汗剤、香水入り石けん、シャワーもしくはバス用のムース、オイルもしくはジェル、衛生製品、エアフレッシュナー、「使用準備済の」粉末状エアフレッシュナー、化学ぞうきん、食器用洗剤または硬質表面用洗剤であることを特徴とする、請求項7に記載の付香消費者製品。
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