JP6473550B1 - マスターバッチ、ゴム組成物及びそれらの製造方法 - Google Patents

マスターバッチ、ゴム組成物及びそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

セルロースナノファイバーを含み、破断強度等の強度に優れたゴム組成物を提供することを目的とし、(1)活性アルカリ添加量15%、硫化度25%、液比2.5L/kg、H—ファクター830のクラフトパルプ製造条件においてパルプ化した際に、ISO 16065−2に従って測定した1.00mm以上の繊維長成分の割合が20%以下である繊維長分布を有するパルプAが得られる木材を原料としたパルプBを準備する工程、(2)パルプBを解繊して長さ加重平均繊維長が500nm以下、かつ、長さ加重平均繊維径が100nm以下のセルロースナノファイバーを得る工程、及び(3)セルロースナノファイバーとゴム成分を混合する工程、を含むマスターバッチの製造方法である。

Description

本発明は、マスターバッチ、ゴム組成物及びそれらの製造方法に関し、詳しくは化学変性セルロースナノファイバーを含有するマスターバッチ、それを用いたゴム組成物、及びそれらの製造方法に関する。
近年、セルロースナノファイバーと呼ばれる、植物繊維をナノレベルまで細かくほぐすことによって製造される素材をゴム組成物に含有させることにより、引張強度などゴム組成物における各種強度を向上させる技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、ゴムラテックスとカルボキシル基を有するセルロース繊維の水分散液とを混合した後、少なくとも水の一部を除去してセルロース繊維/ゴム複合体を得ること、及びこの複合体とゴムを混合すること、を含む、硬度及び引張強度に優れたゴム組成物の製造方法が記載されている。
特開2013−018918号公報
しかしながら、特許文献1の方法で得られるゴム組成物の硬度及び引張強度は、ある程度良好ではあるものの、期待されるほど十分ではない。ゴム組成物の硬度及び引張強度が期待されるほど十分ではない原因として、ゴム組成物中において、セルロース繊維が以下の理由により均一に分散していないためと推測される。
ゴム組成物を得るべくゴムラテックスとセルロース繊維の水分散液とを混合する際に、セルロース繊維中のカルボキシル基がナトリウム塩などの塩を形成し、セルロース繊維は親水性が高い状態となる。そのため、分散液の水を除去する際、親水性のセルロース繊維が互いに強く凝集し、分散性が低下すると推測される。すなわち、セルロース繊維は、系内で均一に分散すると本来の補強性を発揮できるが、凝集すると本来の補強性を十分に発揮できないためと推測される。
そこで、本発明は、セルロースナノファイバーを含み、破断強度等の強度に優れたゴム組成物を製造し得るマスターバッチ、それを用いたゴム組成物、及びそれらの製造方法を提供することを目的とする。
前記課題は、以下の〔1〕〜〔8〕の本発明により解決される。
〔1〕:(1):活性アルカリ添加量15%、硫化度25%、液比2.5L/kg、H−ファクター830のクラフトパルプ製造条件においてパルプ化した際に、ISO 16065−2に従って測定した1.00mm以上の繊維長成分の割合が20%以下である繊維長分布を有するパルプAが得られる木材を原料としたパルプBを準備する工程、
(2):前記パルプBを解繊して長さ加重平均繊維長が500nm以下、かつ長さ加重平均繊維径が100nm以下のセルロースナノファイバーを得る工程、及び
(3):前記セルロースナノファイバーとゴム成分を混合する工程、
を含むマスターバッチの製造方法。
〔2〕:前記木材が、前記クラフトパルプ製造条件においてパルプ化した際に、前記繊維長分布において、0.20mm以下の繊維長成分の割合が20%以下であるパルプAが得られる木材である、〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕:前記工程(1)の後、かつ前記工程(2)の前に、前記パルプBをアニオン変性する工程を含む、〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕:前記セルロースナノファイバーが、酸化セルロースナノファイバーであり、セルロースナノファイバーの絶乾重量に対して、カルボキシル基等の量が0.1〜3.0mmol/gである、〔3〕に記載の製造方法。
〔5〕:前記セルロースナノファイバーが、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーであり、セルロースナノファイバーのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.01〜0.50である、〔3〕に記載の製造方法。
〔6〕:〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたマスターバッチ。
〔7〕:〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の製造方法によりマスターバッチを製造する工程と、得られるマスターバッチとゴム成分を混練してゴム組成物を得る工程と、を含むゴム組成物の製造方法。
〔8〕:〔7〕に記載の製造方法により製造されたゴム組成物。
本発明は、セルロースナノファイバーを含み、破断強度等の強度に優れたゴム組成物を製造し得るマスターバッチ、それを用いたゴム組成物、及びそれらの製造方法を提供することができる。
図1は、実施例1および比較例1で用いたパルプBの繊維長分布を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において「〜」はその両端の値を含む。すなわち「X〜Y」はXおよびYを含む。
≪セルロースナノファイバーの製造方法≫
本発明において、セルロースナノファイバーとは、長さ加重平均繊維長が500nm以下であり、かつ長さ加重平均繊維径が100nm以下である繊維をいう。当該繊維径は20nm以下であることが好ましく、2〜10nmであることが更に好ましい。また、当該繊維長は490nm以下であることが好ましく、250〜480nmであることが更に好ましい。なお、セルロースナノファイバーの長さ加重平均繊維長および長さ加重平均繊維径は、セルロースナノファイバーを電子顕微鏡や原子間力顕微鏡等の顕微鏡で観察して測定できる。本発明のセルロースナノファイバーの製造方法は、特定の木材から調製したパルプBを準備する工程(1)、および当該パルプBを解繊する工程(2)を含む。
<工程(1)>
本工程では、特定の木材から調製したパルプBを準備する。具体的に当該木材は、特定のパルプ化条件(以下「特定パルプ化条件」ともいう)においてパルプ化した際に、ISO 16065−2(2014)に従って測定した1.00mm以上の繊維長成分の割合(以下「長繊維割合」ともいう)が20%以下である繊維長分布を有するパルプAが得られる木材である。パルプの繊維長分布は、Metso Automation社製パルプ分析装置「FiberLab」などを用いて測定することができる。当該繊維長分布において、0.20mm以下の繊維長成分の割合(以下「短繊維割合」ともいう)は20%以下であることが好ましい。また、パルプAの長さ加重平均繊維長は、0.65mm以下であることが好ましい。
なお、パルプAの長繊維割合及び短繊維割合の下限は、通常、3%以上である。また、パルプAの長さ加重平均繊維長の下限は、通常、0.3mm以上である。
特定パルプ化条件とは、木材チップを用いて活性アルカリ添加量15%、硫化度25%、液比2.5L/kg、H−ファクター830で実施するクラフトパルプの製造条件をいう。
活性アルカリとは、JIS P0001(1998)に規定される用語をいい、クラフト法蒸解液およびソーダ法蒸解液のアルカリ度を示す。活性アルカリの量は、NaOH+NaSで表される。
硫化度とは、JIS P0001(1998)に規定される用語をいい、クラフト法蒸解液中の硫化物の量である。硫化度(%)はNaS/(NaOH+NaS)×100で表される。
H−ファクターは、JIS P0001(1998)に規定される用語をいい、化学パルプ化法において蒸解温度と蒸解時間の効果を総合的に表す蒸解度である。100℃で1時間蒸解した時のパルプ化効果をH−ファクター1とする。
<工程(1−1):木材の準備>
上記の繊維長分布が得られる木材であれば樹種に限定は無いが、樹種としては広葉樹材であることが好ましい。広葉樹材の樹種としては特に限定されないが、例えばEucalyptus(ユーカリ類)、Fagus(ブナ類)、Quercus(ナラ、カシ等)、Beluta(カバ類)、Acacia(アカシア類)が挙げられる。これらの中でも、フトモモ科ユーカリ属に属する樹種が好ましい。これらは一般に成長性が良好であり、かつ非常に多くの樹種が属するため、植林地に対して適した樹種を探すことが比較的容易である。フトモモ科ユーカリ属の樹種としては、ユーカリ・グロブラス、ユーカリ・グランディス、ユーカリ・ナイテンス、ユーカリ・ユーロフィラ、ユーカリ・ペリータおよびユーカリ・カマルドレンシスからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。また、これらの雑種等であってもよい。
木材は、樹齢の低い樹材を用いることが好ましく、樹齢1〜5年の樹材を用いることがより好ましく、樹齢2〜3年の樹材を用いることがさらに好ましい。
<工程(1−2):パルプ化>
広葉樹材のパルプ化法としては、クラフトパルプ法、ソーダパルプ法、サルファイトパルプ法、リファイナーなどによる機械パルプ法が挙げられる。また、これらの方法で得られたパルプ以外に、これらのパルプを高圧ホモジナイザーやカッティングミル等で粉砕したパルプ、あるいは酸加水分解などの化学処理により精製したパルプ等も使用することができる。しかしながら、パルプ原料中にリグニンが多く残留してしまうと次の工程の化学変性を阻害する恐れがあるので、クラフトパルプ法、ソーダパルプ法、サルファイトパルプ法などで製造された化学パルプを用いることが好ましい。
工程(1)で準備するパルプBを得るためのパルプ準備条件(「工程(1)のパルプ準備条件」ともいう)は、前述の「特定パルプ化条件」と同じである必要はない。すなわち、工程(1)のパルプ準備条件は、特定パルプ化条件よりも温和な条件または過酷な条件であってよい。しかしながら、工程(1)で準備するパルプBの「長繊維割合」は、20%以下であることが好ましい。また、パルプBの「短繊維割合」は、20%以下であることが好ましい。さらに、パルプBの長さ加重平均繊維長は、0.65mm以下であることが好ましい。
なお、パルプBの長繊維割合及び短繊維割合の下限は、通常、3%以上である。また、パルプBの長さ加重平均繊維長の下限は、通常、0.3mm以上である。
パルプBは、極端な短繊維が少なく、比較的狭い繊維長分布を有するパルプである限り、パルプAと同一であってもよく、異なっていてもよい。また、パルプBの1%(w/v)の濃度における、20℃、60rpmにおける粘度は、1〜12mPa・sが好ましく、3〜10mPa・sがより好ましい。
<工程(1−3):漂白処理>
リグニンをさらに除去するために、パルプBには公知の漂白処理を施すことが好ましい。漂白処理方法は特に限定されないが、塩素処理(C)、二酸化塩素漂白(D)、アルカリ抽出(E)、次亜塩素酸塩漂白(H)、酸素処理(O)、過酸化水素漂白(P)、アルカリ性過酸化水素処理段(Ep)、アルカリ性過酸化水素・酸素処理段(Eop)、オゾン処理(Z)、キレート処理(Q)などを組合せて行うことができる。例えば、C/D−E/O−H−D、Z−E/O−D、C/D−E−H−D、Z−E−D−P、Z/D−Ep−D、Z/D−Ep−D−P、D−Ep−D、D−Ep−D−P、D−Ep−P−D、ZEop−D−D、Z/D−Eop−D、Z/D−Eop−D−E−Dなどのシーケンスで漂白処理を実施できる。シーケンス中の「/」は、「/」の前後の処理を洗浄なしで連続して行なうことを意味する。パルプB中のリグニン量は少ないことが好ましく、パルプ化処理および漂白処理を用いて得られたパルプB(漂白済みクラフトパルプB、漂白済みサルファイトパルプB)は、白色度(ISO 2470)が80%以上であることがより好ましい。
<工程(1−4):化学変性>
次工程での解繊を効率よく行うために、パルプBにはアニオン変性やカチオン変性等の化学変性を施すことが好ましい。
<工程(1−4−1)アニオン変性>
i)カルボキシメチル化
パルプBを出発原料とし、溶媒として、通常、重量換算で、3〜20倍の低級アルコールと水の混合媒体を使用する。低級アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、N−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、第3級ブタノール等が挙げられる。低級アルコールは、単独、または2種以上の混合物であってもよい。2種以上の混合物の場合、低級アルコールの混合割合は、混合媒体中60〜95重量%である。マーセル化剤として、出発原料のグルコース残基当たり、モル換算で、0.5〜20倍のアルカリ金属の水酸化物、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用する。出発原料と溶媒、マーセル化剤を混合し、反応温度0〜70℃、好ましくは10〜60℃、かつ反応時間15分〜8時間、好ましくは30分〜7時間、の条件でマーセル化処理を行う。その後、カルボキシメチル化剤をグルコース残基当たり、モル換算で、0.05〜10.0倍添加し、反応温度30〜90℃、好ましくは40〜80℃、かつ反応時間30分〜10時間、好ましくは1時間〜4時間、の条件でエーテル化反応を行う。
アニオン変性されたセルロースのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度は、0.01〜0.50であることが好ましい。セルロースにカルボキシメチル基を導入することで、セルロース同士が電気的に反発する。このため、カルボキシメチル基を導入したセルロースは、容易にナノ解繊することができる。グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.01より小さいと、十分にナノ解繊することができない場合がある。一方、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.50より大きいと、膨潤あるいは溶解するため、ナノファイバーとして得られなくなる場合がある。
ii)酸化
パルプBを、N−オキシル化合物と、臭化物、ヨウ化物およびこれらの混合物からなる群から選択される化合物との存在下で、酸化剤を用いて水中で酸化することでカルボキシル基をセルロースに導入した酸化セルロースを得ることができる。
N−オキシル化合物とは、ニトロキシラジカルを発生しうる化合物をいう。本発明で用いるN−オキシル化合物としては、目的の酸化反応を促進する化合物であれば限定されない。
N−オキシル化合物の量は、得られる酸化パルプをナノファイバー化できる程度に十分にパルプBを酸化できる触媒量であれば特に限定されない。例えば、絶乾1gのパルプに対して、0.01〜10mmol、好ましくは0.02〜1mmol、さらに好ましくは0.05〜0.5mmol程度である。
パルプBの酸化の際に用いられる臭化物とは、臭素を含む化合物をいい、その例には、水中で解離してイオン化可能なアルカリ金属の臭化物が含まれる。ヨウ化物とは、ヨウ素を含む化合物をいい、その例には、アルカリ金属のヨウ化物が含まれる。臭化物またはヨウ化物の使用量は、酸化反応を促進できる範囲で選択できる。臭化物およびヨウ化物の合計量は、例えば、絶乾1gのパルプに対して、0.1〜100mmol、好ましくは0.1〜10mmol、さらに好ましくは0.5〜5mmol程度である。
パルプBの酸化の際に用いられる酸化剤としては、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸またはそれらの塩、ハロゲン酸化物、過酸化物等、公知の酸化剤が使用できる。安価で環境負荷の少ない次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。酸化剤の使用量は、酸化反応を促進できる範囲で選択できる。その量は、例えば、絶乾1gのパルプに対して、0.5〜500mmol、好ましくは0.5〜50mmol、さらに好ましくは2.5〜25mmol程度である。
酸化反応時の温度は、15〜30℃程度の室温であってもよい。反応の進行に伴ってセルロース中にカルボキシル基が生成するため、反応液のpHの低下が認められる。酸化反応を効率よく進行させるためには、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性溶液を添加して、反応液のpHを9〜12、好ましくは10〜11程度に維持する。反応媒体は、取扱い性の容易さや、副反応が生じにくいこと等から、水が好ましい。
上記の酸化反応によって、パルプBのセルロースのピラノース環における6位の一級水酸基がカルボキシル基またはその塩に酸化される。ピラノース環とは、5つの炭素原子と1つの酸素原子からなる六員環炭水化物である。6位の一級水酸基とは、6員環にメチレン基を介して結合しているOH基をいう。N−オキシル化合物を用いたセルロースの酸化反応の際には、この一級水酸基が選択的に酸化される。このように酸化されたセルロースは次の解繊工程で容易にナノ解繊される。この機構は以下のように説明される。天然セルロースは、生合成された時点ではナノファイバーであるが、これらは水素結合により多数収束して、繊維の束を形成する。N−オキシル化合物を用いてセルロース繊維を酸化すると、ピラノース環のC6位の一級水酸基が選択的に酸化され、かつこの酸化反応はミクロフィブリルの表面にとどまるので、ミクロフィブリルの表面のみに高濃度にカルボキシル基が導入される。カルボキシル基は負の電荷を帯びているので互いに反発しあい、水中に分散させると、ミクロフィブリル同士の凝集が妨げられ、この結果、繊維の束はミクロフィブリル単位で解れて、セルロースのシングルミクロフィブリルであるセルロースナノファイバーとなる。
前記セルロースのC6位に導入されたカルボキシル基は、アルカリ金属等と塩を形成することもある。本発明における、カルボキシル基およびその塩(以下これらをまとめて「カルボキシル基等」という)の量は、セルロースナノファイバーの乾燥質量に対し0.10mmol/g以上である。また、この量の下限は0.50mmol/g以上が好ましく、1.20mmol/g以上がより好ましく、1.40mmol/g以上がさらに好ましい。カルボキシル基等の量を多く得る条件では、酸化反応時に副反応としてセルロースの切断が起こりやすくなり、収率が低下するため不経済となる。このため、カルボキシル基等の量の上限は、3.00mmol/g以下が好ましく、2.00mmol/g以下がより好ましい。
カルボキシル基等の量は、酸化パルプの0.5質量%スラリーを60ml調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いて算出することができる。
カルボキシル基等の量〔mmol/gパルプ〕=a〔ml〕×0.05/酸化パルプ質量〔g〕
なお、セルロースナノファイバーのカルボキシル基等の量と、酸化パルプのカルボキシル基等の量は、通常、同値である。
酸化方法の別の例として、オゾンを含む気体とパルプとを接触させることにより酸化する方法を挙げることができる。この酸化反応により、グルコピラノース環の少なくとも2位および6位の水酸基が酸化されると共に、セルロース鎖の分解が起こる。オゾンを含む気体中のオゾン濃度は、50〜250g/mであることが好ましく、50〜220g/mであることがより好ましい。パルプBに対するオゾン添加量は、パルプBの固形分を100質量部とした際に、0.1〜30質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましい。オゾン処理温度は、0〜50℃であることが好ましく、20〜50℃であることがより好ましい。オゾン処理時間は、特に限定されないが、1〜360分程度であり、30〜360分程度が好ましい。オゾン処理の条件がこれらの範囲内であると、セルロースが過度に酸化および分解されることを防ぐことができ、酸化セルロースの収率が良好となる。オゾン処理を施した後に、酸化剤を用いて、追酸化処理を行ってもよい。追酸化処理に用いる酸化剤は、特に限定されないが、二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム等の塩素系化合物や、酸素、過酸化水素、過硫酸、過酢酸などが挙げられる。例えば、これらの酸化剤を、水またはアルコール等の極性有機溶媒中に溶解して酸化剤溶液を作製し、溶液中に酸化したパルプを浸漬させることにより追酸化処理を行うことができる。酸化セルロースのカルボキシル基等の量は、上記した酸化剤の添加量、反応時間等の反応条件をコントロールすることで調整することができる。
iii)リン酸化
リン酸化の方法は特に限定されないが、例えば、パルプBに対し化合物Aを反応させる方法が挙げられる。化合物Aについては、以下に説明する。パルプBに対し化合物Aを反応させる方法としては、例えば、パルプBに化合物Aの粉末又は水溶液を混合する方法、パルプBのスラリーに化合物Aの水溶液を添加する方法等が挙げられる。これらのうち、反応の均一性が高まり、且つエステル化効率が高くなることから、パルプB又はそのスラリーに化合物Aの水溶液を混合する方法が好ましい。
化合物Aとしては、例えば、リン酸、ポリリン酸、亜リン酸、ホスホン酸、ポリホスホン酸、これらのエステルが挙げられる。化合物Aは、塩の形態でもよい。化合物Aとしては、低コストであり、扱いやすく、またパルプ繊維のセルロースにリン酸基を導入して、解繊効率の向上が図れるなどの理由から、リン酸系化合物が好ましい。リン酸系化合物は、リン酸基を有する化合物であればよく、例えば、リン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸カリウム、メタリン酸カリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、メタリン酸アンモニウムが挙げられる。用いられるリン酸系化合物は、1種、あるいは2種以上の組み合わせでもよい。これらのうち、リン酸基導入の効率が高く、下記解繊工程で解繊しやすく、かつ工業的に適用しやすい観点から、リン酸、リン酸のナトリウム塩、リン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩が好ましく、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムがより好ましい。また、反応の均一性が高まり、且つリン酸基導入の効率が高くなることから、エステル化においてはリン酸系化合物の水溶液を用いることが好ましい。リン酸系化合物の水溶液のpHは、リン酸基導入の効率が高くなることから、7以下が好ましく、パルプ繊維の加水分解を抑える観点から、3〜7がより好ましい。
エステル化の方法としては例えば、以下の方法が挙げられる。パルプBの懸濁液(例えば、固形分濃度0.1〜10質量%)に化合物Aを撹拌しながら添加し、セルロースにリン酸基を導入する。パルプBを100質量部とした際に、化合物Aがリン酸系化合物の場合、化合物Aの添加量はリン元素換算の質量として、0.2質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。これにより、微細繊維状セルロースの収率をより向上させることができる。上限は、500質量部以下が好ましく、400質量部以下がより好ましい。これにより、化合物Aの使用量に見合った収率を効率よく得ることができる。従って、0.2〜500質量部が好ましく、1〜400質量部がより好ましい。
パルプBに対し化合物Aを反応させる際、更に化合物Bを反応系に加えてもよい。化合物Bを反応系に加える方法としては、例えば、パルプのスラリー、化合物Aの水溶液、又はパルプBと化合物Aのスラリーに、添加する方法が挙げられる。
化合物Bは特に限定されないが、塩基性を示すことが好ましく、塩基性を示す窒素含有化合物がより好ましい。「塩基性を示す」とは、通常、フェノールフタレイン指示薬の存在下で化合物Bの水溶液が桃〜赤色を呈すること、及び/又は、化合物Bの水溶液のpHが7より大きいことを意味する。塩基性を示す窒素含有化合物は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、アミノ基を有する化合物が好ましい。例えば、尿素、メチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンが挙げられる。この中でも、低コストで扱いやすい点で、尿素が好ましい。化合物Bの添加量は、2〜1000質量部が好ましく、100〜700質量部がより好ましい。反応温度は、0〜95℃が好ましく、30〜90℃がより好ましい。反応時間は特に限定されないが、通常、1〜600分程度であり、30〜480分が好ましい。エステル化反応の条件がこれらのいずれかの範囲内であると、セルロースが過度にエステル化されて溶解しやすくなることを防ぐことができ、リン酸エステル化セルロースの収率を向上させることができる。
パルプBに化合物Aを反応させた後、通常はエステル化セルロース懸濁液が得られる。エステル化セルロース懸濁液は、必要に応じて脱水される。脱水後には加熱処理を行うことが好ましい。これにより、パルプBの加水分解を抑えることができる。加熱温度は、100〜170℃が好ましく、加熱処理の際に水が含まれている間は130℃以下(更に好ましくは110℃以下)で加熱し、水を除いた後100〜170℃で加熱処理することがより好ましい。
リン酸エステル化セルロースにおいては、パルプBにリン酸基が導入されており、セルロース同士が電気的に反発する。そのため、リン酸エステル化セルロースは、容易にナノ解繊することができる。リン酸エステル化セルロースのグルコース単位当たりのリン酸基置換度は、0.001以上が好ましい。これにより、十分な解繊(例えばナノ解繊)が実施できる。上限は、0.40以下が好ましい。これにより、リン酸エステル化セルロースの膨潤又は溶解を防止し、ナノファイバーが得られない事態を防止することができる。従って、リン酸基置換度は0.001〜0.40であることが好ましい。リン酸エステル化セルロースは、煮沸後に冷水で洗浄する等の洗浄処理がなされることが好ましい。これにより解繊を効率よく行うことができる。
<工程(1−4−2)カチオン変性>
上記のパルプBを出発原料にし、上記のパルプBに、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウムハイドライトまたはそのハロヒドリン型などのカチオン化剤と、触媒であるアルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)を水または炭素数1〜4のアルコールの存在下で反応させることによって、カチオン変性されたセルロースを得ることができる。得られるカチオン変性されたセルロースのグルコース単位当たりのカチオン置換度は、反応させるカチオン化剤の添加量、水または炭素数1〜4のアルコールの組成比率をコントロールすることによって、調整することができる。
本発明において、カチオン変性されたセルロースのグルコース単位当たりのカチオン置換度は0.02〜0.50であることが好ましい。セルロースにカチオン置換基を導入することで、セルロース同士が電気的に反発する。このため、カチオン置換基を導入したセルロースは容易にナノ解繊することができる。なお、グルコース単位当たりのカチオン置換度が0.02より小さいと、十分にナノ解繊することができない場合がある。一方、グルコース単位当たりのカチオン置換度が0.50より大きいと、膨潤あるいは溶解するため、ナノファイバーとして得られなくなる場合がある。次の解繊を効率よく行なうために、上記で得たカチオン変性されたセルロースは、洗浄することが好ましい。
<工程(2):解繊>
本工程では、パルプB又は化学変性を行ったパルプBを解繊してセルロースナノファイバーを得る。解繊は、例えば、高速せん断ミキサーや高圧ホモジナイザーなどの、混合または攪拌、乳化または分散装置を、必要に応じて単独もしくは2種類以上組合せて行うことができる。この際、繊維がほぐれると同時にパルプの大きさ(繊維径)が小さくなる。特に、100MPa以上、好ましくは120MPa以上、さらに好ましくは140MPa以上の圧力を可能とする超高圧ホモジナイザーを用いると、セルロースナノファイバーの解繊と分散が効率よく進行し、水分散液としたときに、低い粘度を有するセルロースナノファイバーを効率よく製造することができるので好ましい。
前述の化学変性を行ったパルプは容易に解繊されるので、本発明においてはさらにセルロース鎖を切断(セルロース鎖を短繊維化)する処理(「低粘度化処理」ともいう)は実施しないことが好ましい。しかしながら、着色などが起こらない程度に軽度な低粘度化処理を、前記化学変性を行ったパルプに施してもよい。このような低粘度化処理としては、例えば、化学変性を行ったパルプに紫外線を照射する処理、過酸化水素およびオゾンで酸化分解する処理、酸で加水分解する処理、アルカリで加水分解する処理、セルラーゼなどの酵素による処理、またはこれらの組み合わせなどが挙げられる。
例えば、アルカリで加水分解する処理は、酸化パルプの分散液(水分散液が好ましい)を用意し、分散液のpHを8〜14、好ましくは9〜13、さらに好ましくは10〜12に調整して、温度20〜120℃、好ましくは50〜100℃、さらに好ましくは60〜90℃で、0.5〜24時間、好ましくは1〜10時間、さらに好ましくは2〜6時間、反応させることにより行うことができる。分散液のpHの調整には、水酸化ナトリウムなどのアルカリ性の水溶液を用いることができる。また、酸化剤または還元剤を助剤として添加することが好ましい。酸化剤または還元剤としては、pH8〜14のアルカリ性領域で活性を有するものを使用することができる。酸化剤の例としては、酸素、オゾン、過酸化水素、次亜塩素酸塩を挙げることができ、このうち、ラジカルを発生しにくい酸素、過酸化水素、次亜塩素酸塩などが好ましく、過酸化水素がより好ましい。また、還元剤の例としては、水素化ホウ素ナトリウム、ハイドロサルファイト、亜硫酸塩を挙げることができる。
<セルロースナノファイバー分散液>
セルロースナノファイバーは、分散液として使用できる。分散液とは、分散媒にセルロースナノファイバーが分散した液である。分散媒とは媒質であり、取扱い性等の観点から水が好ましい。分散液は、セルロースナノファイバーを工業的に利用する観点から有用である。
セルロースナノファイバー分散液のB型粘度の上限は、1%(w/v)の濃度において、2000mPa・s以下である。粘度は、B型粘度計により、20℃、60rpm、ロータNo.4により測定される。B型粘度の下限は特に設定されないが、実際のところ、1%(w/v)の濃度において10mPa・s程度となるであろう。
セルロースナノファイバーの水分散液は、セルロースナノファイバーが水中に均一に分散しており、目視にて透明な液である。セルロースナノファイバー分散液の透明度は、波長660nmの光の透過率を分光光度計で測定することにより求めることができる。セルロースナノファイバー水分散液の濃度0.1%(w/v)における光透過率(波長660nm)は、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
分散液は、任意の方法により調製することができる。例えば、酸化パルプを調製した後、水等の分散媒を添加して超高圧ホモジナイザー等を用いて解繊しながら分散させることにより、分散液を調製することができる。
従来の方法で得たセルロースナノファイバーの分散液(1%(w/v))のB型粘度(60rpm、20℃)は、2000〜10000mPa・s程度であるのに対し、工程(1)のパルプ準備条件で得られたパルプを用いて調製したセルロースナノファイバーの分散液(1%(w/v))の粘度は、2000mPa・s以下と低い。このためセルロースナノファイバーの分散液を高濃度化することが可能となる。例えば、上記方法で調製したセルロースナノファイバー分散液の濃度は、1.1〜10%(w/v)が好ましく、2〜8%(w/v)がより好ましい。また、セルロースナノファイバーは、ゴム成分に含有させることにより、ゴム組成物の破断強度を向上するという特徴を有する。
特定のパルプを用いることでこのような性能を有するセルロースナノファイバーが製造できる理由は、次のように考えられる。
パルプに対して従来のようなアルカリ処理を行うと、一部の繊維を過度に切断してしまい極端に短繊維化されてしまう。また、木粉を原料とすると繊維が機械的に過度に破壊されているため、極端に短繊維化されたセルロースナノファイバーが多く、補強効果を低下させてしまう。これに対して、本発明で使用する前記木材からは、木粉にすることや従来のようなアルカリ処理等をすることなく、極端な短繊維が少なく、比較的狭い繊維長分布を有するパルプBを調製できる。そのため、ゴム成分に含有させた際に、破断強度に優れたセルロースナノファイバーを製造できると推察される。
≪マスターバッチの製造方法≫
本発明のマスターバッチの製造方法は、前記工程(2)で得られたセルロースナノファイバーを、下記工程(3)のように混合する工程を含む。混合した後、更に混練工程を含んでもよい。また、混合の後、混練工程の前に、乾燥する工程を設けることも可能である。
<工程(3):混合>
本工程では、上記のセルロースナノファイバーとゴム成分を混合する。
<ゴム成分>
ゴム成分とは、ゴムの原料であり、架橋してゴムとなるものをいう。ゴム成分としては、天然ゴム用のゴム成分と合成ゴム用のゴム成分が存在する。天然ゴム用のゴム成分としては、例えば、化学修飾を施さない狭義の天然ゴム(NR);塩素化天然ゴム、クロロスルホン化天然ゴム、エポキシ化天然ゴム等の化学修飾した天然ゴム;水素化天然ゴム;脱タンパク天然ゴムが挙げられる。合成ゴム用のゴム成分としては、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム等のジエン系ゴム;ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM、EPDM)、アクリルゴム(ACM)、エピクロロヒドリンゴム(CO、ECO)、フッ素ゴム(FKM)、シリコーンゴム(Q)、ウレタンゴム(U)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)等の非ジエン系ゴムが挙げられる。これらの中でも、ジエン系のゴムが好ましく、ジエン系の天然ゴムがより好ましい。
上記ゴム成分は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
工程(3)において、ゴム成分の固形物を混合に供してもよいが、ゴム成分を分散媒に分散させた分散液(ラテックス)または溶媒に溶解した溶液にして混合に供してもよい。分散媒および溶媒(以下、まとめて「液体」ともいう)としては、例えば、水、有機溶媒が挙げられる。液体の量は、ゴム成分(2以上のゴム成分を使用する場合、その合計量)100質量部に対して、10〜1000質量部が好ましい。
<混合>
混合は、ホモミキサー、ホモジナイザー、プロペラ攪拌機等の公知の装置を用いて実施できる。混合する温度は限定されないが、室温(20〜30℃)が好ましい。混合時間も適宜調整してよい。
混合に用いるセルロースナノファイバーは、分散媒に分散した分散液、当該分散液の乾燥固形物、当該分散液の湿潤固形物の形態で混合に供することができる。分散液におけるセルロースナノファイバーの濃度は、分散媒が水である場合、0.1〜20%(w/v)であってもよく、分散媒が水とアルコール等の有機溶媒とを含む場合、0.1〜20%(w/v)であってもよい。湿潤固形物とは、前記分散液と乾燥固形物との中間の態様の固形物である。前記分散液を通常の方法で脱水して得た湿潤固形物中の分散媒の量は、セルロースナノファイバーに対して5〜15質量%が好ましいが、液体の追加またはさらなる乾燥により分散媒の量は適宜調整し得る。
セルロースナノファイバーは、工程(2)で得られたセルロースナノファイバーを用いる限り、2以上のセルロースナノファイバーの組み合わせでもよい。また、セルロースナノファイバーと水溶性高分子溶液との混合物もよい。このような混合物である場合、混合液、混合液の乾燥固形物、混合液の湿潤固形物等を混合に供することができる。混合液およびその乾燥固形物における液体の量は、上記の範囲であってよい。
<混合物の組成>
工程(3)の混合物におけるセルロースナノファイバーとゴム成分の各含有量は特に限定されないが、好ましい含有量は以下のとおりである。
セルロースナノファイバーの含有量は、ゴム成分100質量部に対して1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、3質量部以上がさらに好ましい。これにより引張強度の向上効果が十分に発現し得る。上限は、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、30質量部以下がさらに好ましい。これにより、製造工程における加工性を保持することができる。従って、1〜50質量部が好ましく、2〜40質量部がより好ましく、3〜30質量部がさらに好ましい。
<乾燥工程>
混合物は、下記混練工程の前に、必ずしもではないが、乾燥を行うことが好ましい。乾燥の方法は特に限定されず、加熱法、凝固法、それらの併用のいずれでも良いが、加熱処理によることが好ましい。加熱処理の条件は、特に限定されないが、一例を挙げると以下のとおりである。加熱温度は、40℃以上100℃未満が好ましい。処理時間は、1時間〜24時間が好ましい。上記条件とすることにより、ゴム成分に対するダメージが抑えられ得る。乾燥後の混合物は絶乾状態でも、溶媒が残存していてもよい。また、上記以外の溶媒を除去する方法としては、特に制限されず従来公知の方法で行うことができる。
<混練工程>
混練工程を行う場合、混合物の混練は、公知の通りに行ってよく、例えば、2本ロール、3本ロールなどの開放式混練機、噛合式バンバリーミキサー、接線式バンバリーミキサー、加圧ニーダーなどの密閉式混練機が使用可能である。また、多段階の混練工程を経る工程も可能で、例えば、第一段階で密閉式混練機による混練を行い、その後開放式混練機で再混練することができる。
また、混練の際に、補強剤(例えば、カーボンブラック、シリカ等)、シランカップリング剤、充填剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤(例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸)、オイル、硬化レジン、ワックス、老化防止剤、着色剤、その他配合剤など任意の添加剤を混合物に添加することもできる。添加剤の含有量は、添加剤の種類等に応じて適宜決定すればよく、特に限定されない。
得られた混練物は、下記に示す如く、本発明のゴム組成物のマスターバッチとして利用される。
≪マスターバッチ≫
本発明のマスターバッチは、上記製造方法により得られるものである。本発明の製造方法では、特定の木材を用いることにより、木粉にすることや従来のようなアルカリ処理等をすることなく、極端な短繊維が少なく、比較的狭い繊維長分布を有するパルプを調製できる。そのため、ゴム成分に含有させた際に、破断強度に優れたセルロースナノファイバーを製造できると推察される。そのため、セルロースナノファイバーを含み、破断強度等の強度に優れたゴム組成物を製造し得るマスターバッチとなると推察される。
≪ゴム組成物の製造方法≫
本発明のゴム組成物の製造方法は、上記のマスターバッチの製造方法によりマスターバッチを製造する工程と、得られるマスターバッチとゴム成分を混練してゴム組成物を得る工程と、を含む。
マスターバッチを製造する工程の詳細は、上記の通りである。ゴム組成物を得る工程で使用されるゴム成分としては、マスターバッチの製造方法の工程(3)で記載したものがあげられる。また、混練方法としては、上記<混練工程>で記載した方法が挙げられる。
≪ゴム組成物≫
本発明のゴム組成物は、上記のゴム組成物の製造方法により製造されたゴム組成物である。そのため、セルロースナノファイバーを含むものであっても、破断強度等の強度に優れたゴム組成物とし得る。
ゴム組成物が未加硫ゴム組成物または最終製品である場合、架橋剤及び加硫促進剤を含むことが好ましい。架橋剤としては、例えば、硫黄、ハロゲン化硫黄、有機過酸化物、キノンジオキシム類、有機多価アミン化合物、メチロール基を有するアルキルフェノール樹脂が挙げられる。これらの中でも硫黄が好ましい。架橋剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、1.0質量部以上が好ましく、1.5質量部以上がより好ましく、1.7質量部以上がさらに好ましい。上限は、10質量部以下が好ましく、7質量部以下がより好ましく、5質量部以下がさらに好ましい。
加硫促進剤としては、例えば、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが挙げられる。加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1質量部が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.4質量部以上がさらに好ましい。上限は、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、2質量部以下がさらに好ましい。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、以下に示す物性値は、特に断りがない限り、上記した測定方法による値である。
<B型粘度>
TV−10型粘度計(東機産業社)を用いてB型粘度(60rpm、20℃)を測定した。
<パルプ粘度>
パルプ粘度の測定は、J.TAPPI 44に準じて行った。
<セルロースナノファイバーの長さ加重平均繊維長>
マイカ切片上に固定したセルロースナノファイバーの原子間力顕微鏡像(3000nm×3000nm)から、繊維長を測定し、長さ加重平均繊維長を算出した。繊維長測定は、画像解析ソフトWinROOF(三谷商事)を用い、長さ100nm〜2000nmの範囲で行った。
<セルロースナノファイバーの長さ加重平均繊維径>
セルロースナノファイバーの濃度が0.001質量%となるように希釈したセルロースナノファイバー水分散液を調製した。この希釈分散液をマイカ製試料台に薄く延ばし、50℃で加熱乾燥して観察用試料を作製し、原子間力顕微鏡(AFM)にて観察した形状像の断面高さを計測し、長さ加重平均繊維径を算出した。
<パルプの長さ加重平均繊維長および繊維長分布>
ISO 16065−2(2014)に従って測定した。
<木材の準備>
以下の木材を準備した。各木材を特定パルプ化条件にてパルプ化したときのISO 16065−2(2014)に従って測定した1.00mm以上の繊維長成分の割合(長繊維割合)は以下のとおりであった。
特定パルプ化条件:
木材チップを用いて活性アルカリ添加量15%、硫化度25%、液比2.5L/kg、H−ファクター830(最高温度は160℃で、最高温度到達後に90分保持)で実施するクラフトパルプ製造条件
木材A:樹齢2年のユーカリカマルドレンシス、長繊維割合8.8%、短繊維割合5.5%
木材B:樹齢3年のユーカリカマルドレンシス、長繊維割合17.6%、短繊維割合9.6%
木材C:樹齢3年のアカシア、長繊維割合10.1%、短繊維割合8.1%
木材D:樹齢8年の広葉樹混合材、長繊維割合28.6%、短繊維割合7.1%
[実施例1]
<工程(1):パルプの準備>
木材A(樹齢2年のユーカリカマルドレンシス)を用いた。木材Aのチップを原料として前記特定パルプ化条件と同一の条件でパルプ化して得た漂白済み未叩解クラフトパルプ(白色度85%)(日本製紙製)を準備した。図1に、このパルプの繊維長分布を示す。長繊維割合は8.8%、短繊維割合は5.5%であった。
当該パルプ5g(絶乾)を、TEMPO(東京化成)78mg(0.5mmol)と臭化ナトリウム(和光純薬)756mg(7.35mmol)を溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで攪拌した。ここに次亜塩素酸ナトリウム(和光純薬、水溶液)2.3mmolを水溶液の形態で加え、次いで、次亜塩素酸ナトリウムをパルプ1g当たり0.23mmol/分の添加速度となるように送液ポンプを用いて徐々に添加し、パルプの酸化を行った。次亜塩素酸ナトリウムの全添加量が22.5mmolとなるまで添加を継続した。反応中は系内のpHが低下するので3N水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。pHの低下が止まり、水酸化ナトリウム水溶液の添加が終了した時点を反応終点とし、水酸化ナトリウム水溶液の添加開始から(すなわち、酸化反応が開始されてpHの低下が見られた時点から)、添加終了まで(すなわち、酸化反応が終了してpHの低下が見られなくなった時点まで)の時間を反応時間とした。反応後のパルプ水分散液をガラスフィルターで濾過し、十分に水洗することでグルコース単位当たりのカルボキシル基等の量が1.60mmol/gの酸化処理したパルプを得た。
<工程(2):酸化パルプの解繊>
濃度1%(w/v)の酸化パルプのスラリー500mLを超高圧ホモジナイザー(20℃、140MPa)で5回処理したところ、長さ加重平均繊維長290nm、長さ加重平均繊維径2.9nmの酸化セルロースナノファイバーが分散した、透明度99.4%、B型粘度940mPa・sの透明かつ低粘度な酸化セルロースナノファイバー分散液が得られた。
<マスターバッチの製造>
工程(2)で得られた酸化セルロースナノファイバーの固形分濃度1%水分散液325gと、天然ゴムラテックス(商品名:HAラテックス、レヂテックス社、固形分濃度65%)100gを混合してゴム成分と変性セルロースナノファイバーとの重量比が100:5となるようにし、TKホモミキサー(8000rpm)で60分間攪拌した。この水性懸濁液を、70℃の加熱オーブン中で10時間乾燥させることにより、マスターバッチを得た。
このマスターバッチ100gに対し、硫黄3.5g、加硫促進剤(BBS、N‐t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド)0.7g、酸化亜鉛6g、ステアリン酸0.5gを加え、オープンロール(関西ロール株式会社製)を用い、30℃で10分間混練して、未加硫のゴム組成物のシートを得た。
このシートを、金型にはさみ、150℃で10分間プレス加硫することにより、厚さ2mmの加硫ゴム組成物のシートを得た。これを所定の形状の試験片に裁断し、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に従い、補強性の一つである引張強度を示すものとして、破断強度を測定した。この数値が大きい程、加硫ゴム組成物が良好に補強されており、ゴムの機械強度に優れることを示す。
[実施例2]
木材B(樹齢3年のユーカリカマルドレンシス)を用いた。当該木材のチップを前記特定パルプ化条件と同一の条件でパルプ化して得たパルプ(長繊維割合が17.6%、短繊維割合が9.6%、パルプ粘度が8.8mPa・s、カルボキシル基等の量が1.64mmol/g、日本製紙社製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてセルロースナノファイバー分散液を得た。その結果、長さ加重平均繊維長350nm、長さ加重平均繊維径3.7nmの酸化セルロースナノファイバーが分散した、透明度99.1%、B型粘度1250mPa・sの透明かつ低粘度の酸化セルロースナノファイバー分散液が得られた。この酸化セルロースナノファイバー分散液を用いて、実施例1と同様にマスターバッチを作製した後、加硫ゴム組成物のシートを作製した上で、破断強度を測定した。
[実施例3]
木材C(樹齢3年のアカシア)を用いた。当該木材のチップを前記特定パルプ化条件と同一の条件でパルプ化して得たパルプ(長繊維割合が10.1%、短繊維割合が8.1%、パルプ粘度が5.0mPa・s、カルボキシル基等の量が1.55mmol/g、日本製紙社製)を用いた以外は実施例1と同様にしてセルロースナノファイバー分散液を得た。その結果、長さ加重平均繊維長400nm、長さ加重平均繊維径4.0nmの酸化セルロースナノファイバーが分散した、透明度98.7%、B型粘度1300mPa・sの透明かつ低粘度の酸化セルロースナノファイバー分散液が得られた。この酸化セルロースナノファイバー分散液を用いて、実施例1と同様にマスターバッチを作製した後、加硫ゴム組成物のシートを作製した上で、破断強度を測定した。
[実施例4]
実施例1と同様に、漂白済み未叩解クラフトパルプ(白色度85%)(長繊維割合が8.8%、短繊維割合が5.5%、パルプ粘度が4.6mPa・s)(日本製紙社製)を準備した。
パルプを混ぜることができる撹拌機に、上記漂白済み未叩解クラフトパルプを乾燥質量換算で200g、水酸化ナトリウムを乾燥質量で111g(出発原料の無水グルコース残基当たり、モル換算で、2.25倍)加え、パルプ固形分が20%(w/v)になるように水を加えた。その後、30℃で30分攪拌した後にモノクロロ酢酸ナトリウムを216g(有効成分換算、パルプのグルコース残基当たり、モル換算で、1.5倍)添加した。30分撹拌した後に、70℃まで昇温し1時間撹拌した。その後、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度0.26のカルボキシルメチル化したパルプを得た。これを水で固形分1%とし、高圧ホモジナイザーにより20℃、150MPaの圧力で5回処理することにより、長さ加重平均繊維長470nm、長さ加重平均繊維径5.1nmのカルボキシメチル化セルロースナノファイバーが分散した、透明度49.6%、B型粘度1500mPa・sの低粘度のカルボキシメチル化セルロースナノファイバー分散液が得られた。このカルボキシメチル化セルロースナノファイバー分散液を用いて、実施例1と同様にマスターバッチを作製した後、加硫ゴム組成物のシートを作製した上で、破断強度を測定した。
[比較例1]
木材D(樹齢8年の広葉樹混合材)を用いた。当該木材のチップを前記特定パルプ化条件と同一の条件でパルプ化して得たパルプ(長繊維割合が28.6%、短繊維割合が7.1%、パルプ粘度が14.5mPa・s、カルボキシル基等の量が1.30mmol/g、日本製紙社製)を用いた以外は実施例1と同様にしてセルロースナノファイバー分散液を得た。その結果、長さ加重平均繊維長560nm、長さ加重平均繊維径5.5nmの酸化セルロースナノファイバーが分散した、透明度78.2%、B型粘度1500mPa・sの、透明度が低く、高粘度の酸化セルロースナノファイバー分散液が得られた。この酸化セルロースナノファイバー分散液を用いて、実施例1と同様にマスターバッチを作製した後、加硫ゴム組成物のシートを作製した上で、破断強度を測定した。
実施例及び比較例の結果一覧を表1に示す。実施例の破断強度は比較例より向上しており、優れた強度を有することがわかる。
Figure 0006473550

Claims (8)

  1. 活性アルカリ添加量15%、硫化度25%、液比2.5L/kg、H−ファクター830のクラフトパルプ製造条件においてパルプ化した際に、ISO 16065−2に従って測定した1.00mm以上の繊維長成分の割合が20%以下である繊維長分布を有するパルプが得られる木材を選定する工程、
    (1):当該木材を原料としたパルプを準備する工程、
    (2):前記パルプを解繊して長さ加重平均繊維長が500nm以下、かつ長さ加重平均繊維径が100nm以下のセルロースナノファイバーを得る工程、及び
    (3):前記セルロースナノファイバーとゴム成分を混合する工程、
    を含むマスターバッチの製造方法。
  2. 前記木材が、前記クラフトパルプ製造条件においてパルプ化した際に、前記繊維長分布において、0.20mm以下の繊維長成分の割合が20%以下であるパルプが得られる木材である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記工程(1)の後、かつ前記工程(2)の前に、前記パルプをアニオン変性する工程を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記セルロースナノファイバーが、酸化セルロースナノファイバーであり、
    セルロースナノファイバーの絶乾重量に対して、カルボキシル基等の量が0.1〜3.0mmol/gである、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記セルロースナノファイバーが、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーであり、
    セルロースナノファイバーのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.01〜0.50である、請求項3に記載の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたマスターバッチ。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法によりマスターバッチを製造する工程と、得られるマスターバッチとゴム成分を混練してゴム組成物を得る工程と、を含むゴム組成物の製造方法。
  8. 請求項7に記載の製造方法により製造されたゴム組成物。
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