JP6472837B2 - エポキシ樹脂組成物および半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物および半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物および半導体装置に関する。
近年、電子機器のさらなる小型化、高機能化を図るため、プリント配線板等の回路基板上にICチップ等の電子部品を高密度で実装することが要求されている。実装密度を高める有力な手段の一つとして、フリップチップ実装が広く知られている。
通常、フリップチップ実装においては、バンプと呼ばれる突起を介して電子部品上の複数の端子と回路基板上の所定の端子とを位置合わせした後、これらの端子間の電気接続が一括して形成され、その後、電気絶縁性を有する樹脂組成物(アンダーフィル材)が電子部品と回路基板との間に注入された加熱硬化される。アンダーフィル材としては、エポキシ樹脂を含む液状の樹脂組成物が汎用されているが、前記の方法では、端子の接続と樹脂組成物の硬化とを個別に行うため、製造効率が低いという問題があった。
そこで、回路基板の表面に液状のエポキシ樹脂を塗布した後に、電子部品をエポキシ樹脂の塗布層上に配置して電子部品の背面から加熱加圧して端子接続と樹脂組成物の硬化を同一工程で行う圧接法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、これまで、圧接法を採用した場合、硬化した樹脂(硬化部)内部に気泡(ボイド)が発生するという問題があった。
特開平10−120761号公報
本発明の目的は、ボイドの発生が効果的に防止されるとともに、回路基板、電子部品との接合性に優れた絶縁部を形成することができ、信頼性の高い半導体装置の製造に用いることのできるエポキシ樹脂組成物を提供すること、また、ボイドの発生が効果的に防止されるとともに、回路基板、電子部品との接合性に優れた絶縁部を有する信頼性の高い半導体装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜()に記載の本発明により達成される。
(1) 半導体装置の製造に用いられるエポキシ樹脂組成物であって、
分子内にエポキシ基を2個以上有する液状のエポキシ樹脂と、硬化剤としての固体分散型アミンアダクト系硬化剤と、無機充填剤と、ビニル重合体で構成されたプレゲル化剤とを含み、
前記プレゲル化剤は、単量体成分として、メチルメタクリレート:70重量%以上99重量%以下、メチルメタクリレート以外のビニル単量体:1重量%以上30重量%以下を含むものであり、
前記プレゲル化剤の含有率が2.0重量%以上20重量%以下であり、
190℃で加熱した場合に、前記エポキシ樹脂が硬化する前に、ゲル化することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
これにより、ボイドの発生が効果的に防止されるとともに、回路基板、電子部品との接合性に優れた絶縁部を形成することができ、信頼性の高い半導体装置の製造に用いることのできるエポキシ樹脂組成物を提供することができる。また、エポキシ樹脂とプレゲル化剤との親和性を特に優れたものとすることができ、プレゲル化剤を含むことによる効果がより顕著に発揮される。また、電子部品や回路基板に対するエポキシ樹脂組成物の濡れ性を特に優れたものとすることができ、ボイドの発生をより効果的に防止することができる。
(2) 前記エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と、アミノフェノールエポキシ樹脂とを含むものであり、
前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂の含有率が0.5重量%以上4.0重量%以下であり、
前記ビスフェノールF型エポキシ樹脂の含有率が7.0重量%以上40重量%以下であり、
前記アミノフェノールエポキシ樹脂の含有率が10重量%以上30重量%以下である上記(1)に記載のエポキシ樹脂組成物。
これにより、室温での粘度安定性を特に優れたものとすることができるとともに、エポキシ樹脂組成物の塗布時の浸透性を特に優れたものとすることができ、さらに、ゲル化によるボイドの発生をより確実に防止することができる。また、エポキシ樹脂とプレゲル化剤との親和性を特に優れたものとすることができ、プレゲル化剤を含むことによる効果がより顕著に発揮される。また、電子部品や回路基板に対するエポキシ樹脂組成物の濡れ性を特に優れたものとすることができ、ボイドの発生をより効果的に防止することができる。
(3) エポキシ樹脂組成物は、25℃での粘度が20Pa・s以下であり、190℃で加熱した場合のゲル化が開始するまでの時間が5秒以内である上記(1)または(2)に記載のエポキシ樹脂組成物。
これにより、揮発成分によるボイドの発生をより効果的に抑制しつつ、ボイドの巻き込みをより効果的に防止することができる。
) 上記(1)ないし()のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を用いて製造されたことを特徴とする半導体装置。
これにより、ボイドの発生が効果的に防止されるとともに、回路基板、電子部品との接合性に優れた絶縁部を有する信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
本発明によれば、ボイドの発生が効果的に防止されるとともに、回路基板、電子部品との接合性に優れた絶縁部を形成することができ、信頼性の高い半導体装置の製造に用いることのできるエポキシ樹脂組成物を提供すること、また、ボイドの発生が効果的に防止されるとともに、回路基板、電子部品との接合性に優れた絶縁部を有する信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
本発明の半導体装置の製造方法の好適な実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のエポキシ樹脂組成物を一定の昇温速度で加熱した場合の、エポキシ樹脂組成物の粘度の経時的変化、および、反応熱量の一例を示した図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
《半導体装置の製造方法》
まず、本発明の半導体装置の製造方法の一例について説明する。
図1は、本発明の半導体装置の製造方法の好適な実施形態を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の製造方法は、基板5および複数の端子6を備える回路基板(配線基板)4を用意する回路基板用意工程(1a)と、回路基板4の端子6が設けられた面側にエポキシ樹脂組成物8’を付与するエポキシ樹脂組成物付与工程(1b)と、基板2および複数の端子(バンプ)3を備えた半導体チップ(電子部品)1の端子(バンプ)3が設けられた面が、回路基板4のエポキシ樹脂組成物8’が付与された面と対向する状態で、ボンディングツール9により、半導体チップ1を押圧および加熱することにより、半導体チップ1の端子(バンプ)3と、回路基板4の端子6とを接合するとともに、エポキシ樹脂組成物8’を硬化させ、硬化部(絶縁部)8とする圧接工程(1c)とを有している。これにより、半導体装置100が得られる(1d)。
<回路基板>
回路基板4は、基板5および複数の端子6を備えるものである。
基板5は、例えば、各種ガラス、各種セラミックス、Si等の半導体材料、各種樹脂材料、またはこれらを任意に組み合わせたもの等で構成されている。
基板5の厚さ(平均)は、特に限定されないが、20μm以上3mm以下であるのが好ましい。
また、基板5は、単層で構成されたもののみならず、複数の層の積層体で構成されたものでもよい。
この基板5の一方の面51側には、導電性材料(例えば、Au、Sn、Cu、ITOまたはこれらを含む合金等)で構成された配線パターン60が設けられている。そして、この配線パターン(リード)60の端部が各端子6を構成している。
なお、配線パターン60は、基板5が複数の層の積層体で構成される場合には、基板5の内部に形成されていてもよい。
<エポキシ樹脂組成物付与工程>
エポキシ樹脂組成物付与工程では、回路基板4の端子6が設けられた面側にエポキシ樹脂組成物8’を付与する。
エポキシ樹脂組成物8’は、回路基板4上に1液の状態で付与されるものであり、回路基板4上で2種以上の液体が混合されるものではないため、混合に伴う空気の巻き込みが生ぜず、ボイドの発生防止の観点から有利である。
エポキシ樹脂組成物8’の付与方法としては、例えば、ディスペンス塗布、印刷塗布、転写塗布等が挙げられる。
エポキシ樹脂組成物8’の付与量は、複数の端子(バンプ)3を備えた半導体チップ(電子部品)に対し、適切なフィレットを形成するように調整するのが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物8’については、後に詳述する。
<圧接工程>
まず、本工程で用いる半導体チップ1について説明する。
(半導体チップ)
半導体チップ1は、基板2と、基板2の一方の面(下面)側に設けられた複数の端子(バンプ)3を有している。
基板2は、例えば、Si等の半導体材料で構成されている。基板2の厚さは、特に限定されないが、30μm以上1000μm以下であるのが好ましい。また、基板2は、単層で構成されたもののみならず、複数の層の積層体で構成されたものでもよい。
この基板2の一方の面21側には、集積回路(図示せず)が形成され、この集積回路は、パッシベーション膜(絶縁膜)212で覆われている。そして、このパッシベーション膜212から、集積回路の配線パターン211の一部が露出しており、かかる配線パターン211の露出部(パッド)に接触するように端子3が配設されている。
配線パターン211は、導電性材料(例えば、Al、Cu、W、Mo、Si、Ni、Auまたはこれらを含む合金等)で構成されている。配線パターン211は、これらの材料の単層膜であってもよく、2層以上が積層された多層膜であってもよい。
また、パッシベーション膜212は、例えば、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si−N)、ポリイミド、その他の酸化物、窒化物、酸化窒化物等で構成されている。このパッシベーション膜212は、これらの材料の単層膜であってもよく、2層以上が積層された多層膜であってもよい。
なお、集積回路は、基板2の他方の面22側に形成されていてもよく、面21側および面22側の双方に形成されていてもよい。また、基板2が複数の層の積層体で構成される場合には、集積回路は、基板2の内部に形成されていてもよい。
端子3の構成材料は、導電性を有するものであればよく、特に限定されないが、例えば、Ni、Au、Ag、Cu、Al、Sn、P、B、Bi、In、Znまたはこれらを含む合金等が挙げられる。
端子3は、それぞれ、ほぼ等しい厚さ(高さ)に設定されており、その厚さは、特に限定されないが、15μm以上25μm以下であるのが好ましい。
また、端子3は、その厚さ方向に沿って、横断面積がほぼ一定となるように形成されている。これにより、電子機器の高性能化、小型化に伴って要求される、狭ピッチ化(端子の配線密度の高密度化)に対応することができる。
なお、端子3は、単層で構成されたものであってもよいし、複数層からなる積層体であってもよい。
(加圧・加熱条件)
ボンディングツール9による半導体チップ1の加圧圧力は、0.5Pa以上5Pa以下であるのが好ましい。これにより、回路基板4と半導体チップ1との接続信頼性を特に優れたものとすることができる。
また、ボンディングツール9による加熱温度は、160℃以上220℃以下であるのが好ましく、180℃以上200℃以下であるのがより好ましい。これにより、回路基板4と半導体チップ1との接続信頼性を特に優れたものとすることができるとともに、ボンディングツール9による加熱時間を短くすることができ、半導体装置100の生産性を特に優れたものとすることができる。また、本発明では、エポキシ樹脂組成物について、190℃におけるエポキシ樹脂組成物のゲル化のタイミングとエポキシ樹脂の硬化のタイミングとの関係を規定しているが、加熱温度が前記範囲内の値であれば、190℃におけるエポキシ樹脂組成物のゲル化のタイミングとエポキシ樹脂の硬化のタイミングとの関係と同様の関係を満足することができるため、本発明の効果を確実に得ることができる。
また、ボンディングツール9による加熱時間は、2秒以上20秒以下であるのが好ましく、3秒以上10秒以下であるのがより好ましい。これにより、回路基板4と半導体チップ1との接続信頼性を特に優れたものとすることができるとともに、半導体装置100の生産性を特に優れたものとすることができる。
後に詳述するように、本発明のエポキシ樹脂組成物8’は、所定の条件を満足するプレゲル化剤を所定の含有率で含むものであり、これにより、ボイドの発生を確実に防止しつつ、硬化部8の回路基板4、半導体チップ1に対する接合強度を優れたものとすることができる。
《半導体装置》
本発明の半導体装置は、後に詳述する本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止したものである。
これにより、ボイドの発生が効果的に防止されるとともに、回路基板、電子部品との接合性に優れた絶縁部を有する信頼性の高い半導体装置を提供することができる。なお、本明細書において、接合性とは、接合強度、接合の信頼性等の接合に関する性質のことを指すものとする。
本発明の半導体装置は、例えば、前述したような方法を用いて製造することができる。
《エポキシ樹脂組成物》
次に、本発明のエポキシ樹脂組成物の好適な実施形態について詳細に説明する。
図2は、本発明のエポキシ樹脂組成物を一定の昇温速度で加熱した場合の、エポキシ樹脂組成物の粘度の経時的変化、および、反応熱量の一例を示した図である。
近年、電子機器のさらなる小型化、高機能化を図るため、プリント配線板等の回路基板上にICチップ等の電子部品を高密度で実装することが要求されている。実装密度を高める有力な手段の一つとして、フリップチップ実装が広く知られている。
通常、フリップチップ実装においては、バンプと呼ばれる突起を介して電子部品上の複数の端子と回路基板上の所定の端子とを位置合わせした後、これらの端子間の電気接続が一括して形成され、その後、電気絶縁性を有する樹脂組成物(アンダーフィル材)が電子部品と回路基板との間に注入された加熱硬化される。アンダーフィル材としては、エポキシ樹脂を含む液状の樹脂組成物が汎用されているが、前記の方法では、端子の接続と樹脂組成物の硬化とを個別に行うため、製造効率が低いという問題があった。
そこで、回路基板の表面に液状のエポキシ樹脂を塗布した後に、電子部品をエポキシ樹脂の塗布層上に配置して電子部品の背面から加熱加圧して端子接続と樹脂組成物の硬化を同一工程で行う圧接法が提案されている。
しかしながら、これまで、圧接法を採用した場合、硬化した樹脂(硬化部)内部に気泡(ボイド)が発生するという問題があった。
そこで、本発明者は、前記のような問題を解決する目的で鋭意研究を行い、本発明にいたった。すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物は、分子内にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と、硬化剤と、充填剤と、ビニル重合体で構成されたプレゲル化剤とを含み、前記プレゲル化剤の含有率が2.0重量%以上20重量%以下であり、190℃で加熱した場合に、前記エポキシ樹脂が硬化する前に、ゲル化することを特徴とする。これにより、エポキシ樹脂が硬化する際に低沸点成分の気化が生じても、形成される硬化部内に侵入することが効果的に防止されることによりボイドの発生が効果的に防止され、また、回路基板、電子部品との接合性に優れた絶縁部を形成することができ、信頼性の高い半導体装置の製造に用いることのできるエポキシ樹脂組成物を提供することができる。
これに対し、前記のような条件を満足しない場合には、前記のような優れた効果は得られない。
例えば、エポキシ樹脂組成物が所定のプレゲル化剤を含まないものである場合や、所定のプレゲル化剤を含むものであっても、プレゲル化剤の含有率が所定値未満である場合、エポキシ樹脂の効果のための加熱により、気泡が発生し、形成される硬化部内にボイドが発生することを確実に防止することができない。
また、プレゲル化剤の含有率が所定値を超える場合には、半導体装置を製造する場合に、形成される硬化部(絶縁部)の回路基板や電子部品に対する接合性(接合強度)を十分に優れたものとすることができない。プレゲル化剤の含有率が所定値を超える場合には、エポキシ樹脂の硬化速度が速くなりすぎ、その結果、バンプの接合にバラツキが生じ、端子接続の電気接続に不具合が生じる。
また、エポキシ樹脂組成物がプレゲル化剤を含む場合であっても、当該プレゲル化剤が、エポキシ樹脂組成物のゲル化のタイミングとエポキシ樹脂の硬化のタイミングとについて、所定の関係を満足しないものである場合には、加熱により、気泡が発生し、形成される硬化部内にボイドが発生することを確実に防止することができない。
<エポキシ樹脂>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、分子内にエポキシ基を2個以上有する液状のエポキシ樹脂を含むものである。このようなエポキシ樹脂は、各種硬化性樹脂の中でも、硬化反応の反応性や、硬化後における硬度を高いものとする上で有利である。また、このようなエポキシ樹脂は、各種硬化性樹脂の中でも、硬化物の耐熱性、寸法精度等の観点からも有利な材料である。また、溶剤等を含まなくても、エポキシ樹脂組成物全体として、適度な流動性を有するものとすることができる。また、このようなエポキシ樹脂は、プレゲル化剤と適切な相溶性を持つことで、室温での粘度安定性と、ゲル化時の増粘性が得られる。
エポキシ樹脂としては、それ自体が室温(25℃)で液状のものであれば、分子構造、分子量等は特に限定されず、公知の液状エポキシ樹脂を全て用いることができる。該液状エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂等のトリフェノールアルカン型エポキシ樹脂;フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と、アミノフェノールエポキシ樹脂とを含むものであるのが好ましい。これにより、室温での粘度安定性を特に優れたものとすることができるとともに、エポキシ樹脂組成物の塗布時の浸透性を特に優れたものとすることができ、さらに、ゲル化によるボイドの発生をより確実に防止することができる。
エポキシ樹脂組成物が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と、アミノフェノールエポキシ樹脂とを含むものである場合、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の含有率が0.5重量%以上4.0重量%以下であり、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の含有率が7.0重量%以上40重量%以下であり、かつ、アミノフェノールエポキシ樹脂の含有率が10重量%以上30重量%以下であるのが好ましい。これにより、エポキシ樹脂と後に詳述するプレゲル化剤との親和性を特に優れたものとすることができ、プレゲル化剤を含むことによる効果がより顕著に発揮される。また、半導体チップ(電子部品)や回路基板が前述したような材料で構成されたものである場合に、これらに対するエポキシ樹脂組成物の濡れ性を特に優れたものとすることができ、ボイドの発生をより効果的に防止することができる。
エポキシ樹脂組成物中におけるビスフェノールA型エポキシ樹脂の含有率は、0.5重量%以上4.0重量%以下であるのが好ましいが、0.7重量%以上3.5重量%以下であるのがより好ましく、1.0重量%以上3.0重量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
また、エポキシ樹脂組成物中におけるビスフェノールF型エポキシ樹脂の含有率は、7.0重量%以上40重量%以下であるのが好ましいが、8.0重量%以上35重量%以下であるのがより好ましく、10重量%以上33重量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
また、エポキシ樹脂組成物中におけるアミノフェノールエポキシ樹脂の含有率は、10重量%以上30重量%以下であるのが好ましいが、13重量%以上25重量%以下であるのがより好ましく、15重量%以上22重量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
また、エポキシ樹脂組成物は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、および、アミノフェノールエポキシ樹脂に加え、さらに、1,6−ヘキサンジオールエポキシ樹脂を含むものであるのが好ましい。これにより、エポキシ樹脂と後に詳述するプレゲル化剤との親和性をさらに優れたものとすることができ、プレゲル化剤を含むことによる効果がさらに顕著に発揮される。また、半導体チップ(電子部品)や回路基板が前述したような材料で構成されたものである場合に、これらに対するエポキシ樹脂組成物の濡れ性をさらに優れたものとすることができ、ボイドの発生をさらに効果的に防止することができる。
エポキシ樹脂組成物が、1,6−ヘキサンジオールエポキシ樹脂を含むものである場合、エポキシ樹脂組成物中における1,6−ヘキサンジオールエポキシ樹脂の含有率は、1.0重量%以上6.0重量%以下であるのが好ましく、1.5重量%以上4.5重量%以下であるのがより好ましく、2.0重量%以上3.5重量%以下であるのがさらに好ましい。1,6−ヘキサンジオールエポキシ樹脂の含有率が前記範囲内の値であると、エポキシ樹脂と後に詳述するプレゲル化剤との親和性をさらに優れたものとすることができ、プレゲル化剤を含むことによる効果がさらに顕著に発揮される。また、半導体チップ(電子部品)や回路基板が前述したような材料で構成されたものである場合に、これらに対するエポキシ樹脂組成物の濡れ性をさらに優れたものとすることができ、ボイドの発生をさらに効果的に防止することができる。
エポキシ樹脂組成物中におけるエポキシ樹脂の含有率は、20重量%以上60重量%以下であるのが好ましく、24重量%以上55重量%以下であるのがより好ましく、29重量%以上50重量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、エポキシ樹脂が有する機能をより確実に発揮させつつ、エポキシ樹脂を構成する他の成分(例えば、プレゲル化剤、硬化剤、充填剤等)の機能もより確実に発揮させることができ、硬化時におけるボイドの発生をより効果的に防止しつつ、形成される硬化部の回路基板や電子部品との接合性(接合強度)を特に優れたものとすることができる。また、エポキシ樹脂組成物の流動性を好適なものとすることができ、エポキシ樹脂組成物の取扱いのし易さが向上する。
<硬化剤>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化剤を含むものである。硬化剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂の硬化反応を促進する機能を有するものである。エポキシ樹脂組成物が硬化剤を含まないものであると、加熱によるエポキシ樹脂の硬化反応を速やかに進行させることができない。
硬化剤としては、酸無水物、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、イミダゾール系硬化剤等の各種硬化剤を用いることができるが、本発明では、固体分散型アミンアダクト系硬化剤を用いるのが好ましい。
本発明において、固体分散型アミンアダクト系硬化剤とは、室温(25℃)ではエポキシ樹脂に不溶性の固体で、加熱することにより可溶化し硬化剤として機能する、アミン化合物とエポキシ化合物の反応生成物のことをいう。このような固体分散型アミンアダクト系硬化剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物において、保存時においては、エポキシ樹脂の不本意な反応をより確実に防止しつつ、必要時に、加熱によりエポキシ樹脂の硬化反応を効率よく進行させることができる。また、エポキシ樹脂組成物を加熱した際の、エポキシ樹脂が硬化とエポキシ樹脂組成物のゲル化とのタイミングをより好適なものに調整することができる。また、硬化物の硬度を特に優れたものとすることができる。また、1液型(非混合型)のエポキシ樹脂組成物としての保存安定性を特に優れたものとすることができ、各成分を混合した状態での長期保存を特に優れたものとすることができる。
固体分散型アミンアダクト系硬化剤の製造原料として用いられるエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、カテコール、レゾルシノール等の多価フェノールまたはグリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンとを反応させること等により得られるポリグリシジルエーテル;pーヒドロキシ安息香酸、βーヒドロキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンとを反応させること等により得られるグリシジルエーテルエステル;フタル酸、テレフタル酸等のポリカルボン酸とエピクロルヒドリンとを反応させること等により得られるポリグリシジルエステル;4,4′−ジアミノジフェニルメタンやm−アミノフェノール等とエピクロルヒドリンとを反応させること等により得られるグリシジルアミン化合物、さらには、エポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂、エポキシ化ポリオレフィン等の多官能性エポキシ化合物や、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート等の単官能性エポキシ化合物等が挙げられる。
固体分散型アミンアダクト系硬化剤の製造原料として用いられるアミン化合物は、エポキシ基と付加反応しうるアミノ基(−NH)、または、アミノ基が有する活性水素の1個または2個がアルキル基等で置換された官能基を有する化合物(すなわち、1級アミン、2級アミン、3級アミン)であればよい。このようなアミン化合物としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、n−プロピルアミン、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、4,4′−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタン等の脂肪族アミン類;4,4′−ジアミノジフェニルメタン、2−メチルアニリン等の芳香族アミン化合物、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン等の窒素含有複素環化合物等が挙げられる。また、固体分散型アミンアダクト系硬化剤の製造原料としてのアミン化合物には、尿素系化合物(NC(=O)Nの部分構造を有する化合物)が含まれるものとする。
また、アミン化合物の中でも3級アミンは、特に優れた硬化促進性を有する固体分散型アミンアダクト系硬化剤を与える原料である。このような化合物の例としては、例えば、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジ−n−プロピルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、N−メチルピペラジン等のようなアミン化合物や、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物等のような、分子内に3級アミン構造とともに1級アミン構造(アミノ基)または2級アミン構造を有する(3級アミンや、2−ジメチルアミノエタノール、1−メチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−フェノキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−ブトキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−フェニルイミダゾリン、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾリン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−β−ヒドロキシエチルホルモリン、2−ジメチルアミノエタンチオール、2−メルカプトピリジン、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メルカプトピリジン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸、N,N−ジメチルグリシン、ニコチン酸、イソニコチン酸、ピコリン酸、N,N−ジメチルグリシンヒドラジド、N,N−ジメチルプロピオン酸ヒドラジド、ニコチン酸ヒドラジド、イソニコチン酸ヒドラジド等のような、分子内に3級アミンを有するアルコール類、フェノール類、チオール類、カルボン酸類、ヒドラジド類等が挙げられる。
また、固体分散型アミンアダクト系硬化剤としては、例えば、上述したようなアミン化合物とエポキシ化合物との反応生成物の表面を、イソシアネート化合物や酸性化合物で処理したもの等を用いてもよい。
固体分散型アミンアダクト系硬化剤のうち、市販されているものとしては、例えば、「フジキュアーFXR1081」((株)ティーアンドケイ東華商品名)、「アミキュア PN−23」(味の素(株)商品名)、「アミキュア PN−H」(味の素(株)商品名)、「アミキュア MY−24」(味の素(株)商品名)、「ハードナー X−3661S」(エー・シー・アール(株)商品名)、「ハードナー X−3670S」(エー・シー・アール(株)商品名)、「ノバキュア HX−3742」(旭化成(株)商品名)、「ノバキュア HXA−3922HP」(旭化成(株)商品名)等が挙げられる。
エポキシ樹脂組成物中における硬化剤の含有率は、3重量%以上30重量%以下であるのが好ましく、8重量%以上25重量%以下であるのがより好ましく、10重量%以上20重量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、上述したような硬化剤(特に、固体分散型アミンアダクト系硬化剤)が有する機能をより確実に発揮させつつ、エポキシ樹脂組成物を構成する他の成分(例えば、エポキシ樹脂、プレゲル化剤等)の機能をより確実に発揮させることができ、硬化時におけるボイドの発生をより効果的に防止しつつ、形成される硬化部の回路基板や電子部品との接合性(接合強度)を特に優れたものとすることができる。なお、硬化剤として2種以上の成分を組み合わせて用いる場合には、硬化剤の含有率としては、これらの成分の含有率の和を採用するものとする。
また、エポキシ樹脂:100重量部に対する硬化剤の含有率は、10重量部以上100重量部以下であるのが好ましく、15重量部以上70重量部以下であるのがより好ましく、20重量部以上60重量部以下であるのがさらに好ましい。これにより、上述したような硬化剤(特に、固体分散型アミンアダクト系硬化剤)が有する機能をより確実に発揮させつつ、エポキシ樹脂組成物を構成する他の成分(例えば、エポキシ樹脂、プレゲル化剤等)の機能をより確実に発揮させることができ、硬化時におけるボイドの発生をより効果的に防止しつつ、形成される硬化部の回路基板や電子部品との接合性(接合強度)を特に優れたものとすることができる。
<充填剤>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、無機充填剤を含むものである。無機充填剤を含むことにより、本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて形成される硬化部の熱膨張率をより効果的に低減することができる。その結果、製造される半導体装置において、電子部品と回路基板との接続信頼性を高いものとすることができる。
無機充填剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭酸カルシウム等の無機フィラーを挙げることができる。特に無機充填剤としてシリカを用いると、他の充填剤と比べて熱膨張係数が小さく、形成される硬化部の熱膨張率をより効果的に低減することができる。その結果、製造される半導体装置において、電子部品と回路基板との接続信頼性を特に高いものとすることができる。
また、無機充填剤の形状は、特に限定されないが、球状のものであるのが好ましい。これにより、無機充填剤の含有率を比較的高いものとした場合であっても、エポキシ樹脂組成物の粘度増加を効果的に抑制することができる。
無機充填剤として球状のシリカを用いる場合には、その最大粒径は、0.1μm以上10μm以下であるのが好ましい。これにより、形成される硬化部の熱膨張率をさらに効果的に低減することができる。その結果、製造される半導体装置において、電子部品と回路基板との接続信頼性をさらに高いものとすることができる。
エポキシ樹脂組成物中における無機充填剤の含有率は、15重量%以上70重量%以下であるのが好ましく、20重量%以上66重量%以下であるのがより好ましく、25重量%以上55重量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、上述したような無機充填剤が有する機能をより確実に発揮させつつ、エポキシ樹脂組成物を構成する他の成分(例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、プレゲル化剤等)の機能をより確実に発揮させることができ、硬化時におけるボイドの発生をより効果的に防止しつつ、形成される硬化部の回路基板や電子部品との接合性(接合強度)を特に優れたものとすることができる。
<プレゲル化剤>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、所定の含有率で、ビニル重合体で構成されたプレゲル化剤を含むものである。プレゲル化剤は、加熱によりエポキシ樹脂組成物をゲル化させる成分である。
特に、本発明において、プレゲル化剤は、エポキシ樹脂組成物を190℃で加熱した場合に、前述したエポキシ樹脂が硬化する前に、エポキシ樹脂組成物をゲル化させるものである。
このようなプレゲル化剤を所定の含有率で含むことにより、回路基板へのエポキシ樹脂組成物の付与を円滑に行うことができるとともに、圧接工程においては、ボイドの発生を防止しつつ、形成される硬化部の回路基板や電子部品に対する接合強度を優れたものとすることができ、製造される半導体装置の信頼性を高いものとすることができる。
これは以下のような理由によるものであると考えられる。
すなわち、まず、回路基板への供給時においては、エポキシ樹脂組成物のゲル化が進行していないため、エポキシ樹脂組成物は十分な流動性を有し、エポキシ樹脂組成物付与工程を円滑に行うことができ、電子部品の周辺等の狭い空間にもエポキシ樹脂組成物を確実に侵入させることができる。
その一方で、圧接工程においては、熱伝導により、回路基板上に付与されたエポキシ樹脂組成物の温度が上昇していくが、前記のような関係を満足することにより、エポキシ樹脂組成物の温度が硬化開始温度に到達する前にエポキシ樹脂組成物がゲル化する。このため、エポキシ樹脂の硬化が進行する際には、すでにエポキシ樹脂組成物の形状の安定性が高まった状態(高粘度の状態)となっている。
ところで、回路基板や電子部品、エポキシ樹脂組成物は、通常、雰囲気中に含まれる水分を吸収すること等により、沸点の比較的低い物質を含むものとなっており、このような低沸点の物質(主に水)が、加熱時に気化することがボイドの発生に寄与していると考えられる。そして、エポキシ樹脂の硬化は、通常、前記のような低沸点の物質の沸点よりも高い温度で進行する。
このため、エポキシ樹脂組成物の粘度が低い状態で、エポキシ樹脂の硬化が進行すると、回路基板等から発生したガスが低粘度状態のエポキシ樹脂組成物に取り込まれ、結果として、ボイドが発生してしまうが、本発明では、エポキシ樹脂の硬化が進行する際には、すでにエポキシ樹脂組成物の形状の安定性が高まった状態(高粘度の状態)となっているため、回路基板等から発生したガスがエポキシ樹脂組成物(硬化部)に取り込まれることが効果的に防止されており、結果として、ボイドの発生が効果的に防止される。
また、エポキシ樹脂組成物は、回路基板への供給時、電子部品との接触時において、十分な流動性を有しており、回路基板、電子部品の表面に十分に濡れた状態となるため、エポキシ樹脂組成物のゲル化が進行し、かつ、エポキシ樹脂の硬化が進行していない状態、すなわち、流動性が低下した状態においても、エポキシ樹脂組成物は、回路基板、電子部品と密着した状態を維持している。このため、流動性を有するエポキシ樹脂組成物を用いる代わりに、シート材を用いる場合等に比べて、本発明では、形成される硬化部の回路基板や電子部品に対する接合強度を優れたものとすることができる。
以下、圧接工程におけるエポキシ樹脂組成物の状態変化について、図2を参照しつつ説明する。
まず、加熱前の低温領域では、エポキシ樹脂組成物の十分に粘度が低いものとなっている。このため、回路基板へのエポキシ樹脂組成物の付与を円滑に行うことができ、電子部品の周辺等の狭い空間にもエポキシ樹脂組成物を確実に侵入させることができる。
加熱の初期段階、すなわち、ボンディングツールによる加熱についての熱移動の初期段階に対応する段階では、エポキシ樹脂組成物の温度が上昇し、これに伴い、エポキシ樹脂組成物の粘度が低下する。これにより、回路基板や電子部品にエポキシ樹脂組成物の濡れが不十分な部位があっても、この段階で、十分に濡れた状態となる。
その後、エポキシ樹脂組成物の温度がさらに上昇すると、エポキシ樹脂組成物のゲル化が進行し、エポキシ樹脂組成物の粘度は上昇し始める。
エポキシ樹脂組成物の温度上昇が続くと、エポキシ樹脂組成物のゲル化が完了し、エポキシ樹脂組成物の粘度が安定化する(グラフ上、平坦化する)。
さらに、エポキシ樹脂組成物の温度が上昇すると、エポキシ樹脂の硬化反応が進行し、これに伴い、エポキシ樹脂組成物の粘度が上昇する。このとき、回路基板等も高温となっており、低沸点の化合物の気化が進行しやすい状態になっているが、前記のように、エポキシ樹脂組成物のゲル化が完了し、エポキシ樹脂組成物の粘度が十分に高くなっているため、ボイドが発生することが確実に防止されている。加えて、ゲル化時には、エポキシ樹脂の硬化が進行していないため、加圧によるバンプ接続を阻害しない。
その後さらに加熱が続くとエポキシ樹脂の硬化反応が終了し、流動性を失った硬化部となる。
なお、本発明では、エポキシ樹脂組成物のゲル化のタイミングとエポキシ樹脂の硬化のタイミングとの関係について、加熱温度を190℃としたときの関係として規定しているが、190℃という温度を採用したのは、圧接工程で施される加熱が、一般に、190℃前後の温度で行われるものであり、190℃において、前述したような関係を満足すれば、一般に圧接工程で施される加熱温度範囲においても、前述したような効果が得られることが確認されたためである。
前記のような優れた効果は、前記のようなプレゲル化剤を所定量含むことにより得られるものであって、前記のようなプレゲル化剤を含まない場合や、前記のようなプレゲル化剤を含む場合であっても、その含有率が少なすぎる場合には、前記のような優れた効果は得られない。
エポキシ樹脂組成物中におけるプレゲル化剤の含有率は、2.0重量%以上20重量%以下であればよいが、2.5重量%以上15重量%以下であるのが好ましく、3.0重量%以上10重量%以下であるのがより好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
また、エポキシ樹脂:100重量部に対するプレゲル化剤の含有率は、5重量部以上65重量部以下であるのが好ましく、7重量部以上45重量部以下であるのがより好ましく、10重量部以上30重量部以下であるのがさらに好ましい。これにより、前述したような所定のプレゲル化剤を含むことによる本発明の効果がより顕著に発揮される。
プレゲル化剤は、ビニル重合体で構成されたものであり、前記のような関係を満足するものであればよいが、以下の条件を満足するものであるのが好ましい。
すなわち、プレゲル化剤は、アセトン可溶分の重量平均分子量が、10万以上2000万以下のものであるのが好ましく、20万以上1000万以下のものであるのがより好ましく、30万以上500万以下のものであるのがさらに好ましい。これにより、比較的少ない含有量でも高いゲル化性を発現することができ、ゲル化後のエポキシ樹脂組成物の形状の安定性を特に優れたものとすることができるとともに、エポキシ樹脂への溶解性を優れたものとし、短時間で十分なゲル状態にすることができる。
なお、本明細書において、アセトン可溶分とは、所定量のプレゲル化剤を、50倍の重量のアセトンに溶解させ、70℃で6時間還流した後の溶解した重量(%)を意味する。より詳細には、求められる値をいう。すなわち、プレゲル化剤:1gをアセトン:50gに溶解させ、70℃で6時間還流および抽出した後、遠心分離装置(例えば、(株)日立製作所製、「CRG SERIES」)を用いて、4℃にて14,000rpmで30分間遠心分離し、その後、分離したアセトン可溶分をデカンテーションで取り除き、アセトン不溶分を真空乾燥機にて50℃で24時間乾燥させて重量を測定し、アセトン可溶分(重量%)は以下の式にて算出することができる。
(アセトン可溶分)=(1−アセトン不溶分の重量)×100
プレゲル化剤のアセトン可溶分は、2.0重量%以上35重量%以下であるのが好ましく、5.0重量%以上30重量%以下であるのがより好ましく、8.0重量%以上25重量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、加熱時におけるゲル化特性を十分に優れたものとしつつ、エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物のガラス転移温度の低下をより効果的に抑制することができ、最終的に得られる半導体装置の信頼性を特に優れたものとすることができる。
アセトン可溶分は、単量体原料中の架橋性単量体の含有率を調整すること等で、適宜調整することができる。アセトン可溶分を増やすには架橋性単量体の含有率を減らし、アセトン可溶分を減らすには架橋性単量体の含有率を増やせばよい。
プレゲル化剤のガラス転移温度は、0℃以上250℃以下であるのが好ましい。これにより、エポキシ樹脂組成物におけるプレゲル化剤が比較的高い場合であっても、エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物のガラス転移温度の低下が抑制できるとともに、一定温度で効率的にゲル状態にすることができる。
なお、本明細書において、ガラス転移温度は、Fox式により求めることができる。プレゲル化剤が単独重合体の場合は、高分子学会編「高分子データハンドブック」等に記載されている標準的な分析値を採用することができ、共重合体の場合は、各単量体単位の単独重合体のガラス転移温度(Tg)から式(1)により算出することができる。
Fox式を以下に示す。
1/(273+Tg)=Σ(wi/(273+Tgi)) 式(1)
式中、Tgは共重合体のTg(℃)、wiは単量体iの重量分率、Tgiは単量体iを重合して得られる単独重合体のTg(℃)である。
プレゲル化剤はビニル重合体で構成されたものである。これにより、半導体チップ(電子部品)や回路基板が前述したような材料で構成されたものである場合に、これらに対するエポキシ樹脂組成物の親和性を好適なものに調整することができ、エポキシ樹脂組成物の濡れ性を特に優れたものとすることができる。その結果、ボイドの発生をより効果的に防止することができる。
プレゲル化剤を構成するビニル単量体成分としては、ラジカル重合可能なものを好適に用いることができる。プレゲル化剤を構成するビニル単量体成分の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン−8−イル−メタクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル単量体;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、イソクロトン酸、サリチル酸ビニロキシ酢酸、アリロキシ酢酸、2−(メタ)アクリロイルプロパン酸、3−(メタ)アクリロイルブタン酸、4−ビニル安息香酸等のカルボキシル基含有ビニル単量体;ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有ビニル単量体;グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド;ビニルピリジン、ビニルアルコール、ビニルイミダゾール、ビニルピロリドン、酢酸ビニル、1−ビニルイミダゾール等のビニル単量体;モノメチルイタコネート、モノエチルイタコネート、モノプロピルイタコネート、モノブチルイタコネート、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジプロピルイタコネート、ジブチルイタコネート等のイタコン酸エステル;モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、モノプロピルフマレート、モノブチルフマレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジプロピルフマレート、ジブチルフマレート等のフマル酸エステル;およびモノメチルマレート、モノエチルマレート、モノプロピルマレート、モノブチルマレート、ジメチルマレート、ジエチルマレート、ジプロピルマレート、ジブチルマレート等のマレイン酸エステル等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、プレゲル化剤は、単量体成分として、メチルメタクリレート:70重量%以上99重量%以下、メチルメタクリレート以外のビニル単量体:1重量%以上30重量%以下を含むものであるのが好ましい。これにより、エポキシ樹脂とプレゲル化剤との親和性を特に優れたものとすることができ、プレゲル化剤を含むことによる効果がより顕著に発揮される。また、半導体チップ(電子部品)や回路基板が前述したような材料で構成されたものである場合に、これらに対するエポキシ樹脂組成物の親和性をより好適なものに調整することができ、エポキシ樹脂組成物の濡れ性を特に優れたものとすることができる。その結果、ボイドの発生をより効果的に防止することができる。
また、メチルメタクリレート以外のビニル単量体は、カルボキシル基含有ビニル単量体、水酸基含有ビニル単量体、および、グリシジル基含有ビニル単量体よりなる群から選択される1種または2種以上の官能基含有単量体を含むものであるのが好ましい。これにより、エポキシ樹脂とプレゲル化剤との親和性をさらに優れたものとすることができ、プレゲル化剤を含むことによる効果がさらに顕著に発揮される。また、半導体チップ(電子部品)や回路基板が前述したような材料で構成されたものである場合に、これらに対するエポキシ樹脂組成物の親和性をさらに好適なものに調整することができ、エポキシ樹脂組成物の濡れ性をさらに優れたものとすることができる。その結果、ボイドの発生をさらに効果的に防止することができる。ただし、プレゲル化剤が単量体成分としてグリシジル基含有ビニル単量体を含むものである場合であっても、プレゲル化剤は、分子内にグリシジル基を2個以上有するものではない。
ビニル重合体(プレゲル化剤)中に占める前記官能基含有単量体の含有率(単量体原料換算での含有率)は、2重量%以上30重量%以下であるのが好ましく、4重量%以上20重量%以下であるのがより好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
カルボキシル基含有ビニル単量体としては、例えば、メタクリル酸等が挙げられる。
水酸基含有ビニル単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
グリシジル基含有ビニル単量体としては、例えば、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
<カップリング剤>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、カップリング剤を含むものであってもよい。カップリング剤を含むことにより、エポキシ樹脂組成物による硬化物と、回路基板や電子部品との密着性のさらなる向上を図ることができる。
カップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。中でも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランが、密着性の観点から好ましい。市販品としては、信越化学工業製KBM403、KBE903、KBE9103等が挙げられる。
エポキシ樹脂組成物中におけるカップリング剤の含有率は、0.01重量%以上1.0重量%以下であるのが好ましく、0.05重量%以上0.7重量%以下であるのがより好ましく、0.07重量%以上0.50重量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、上述したようなカップリング剤が有する機能をより確実に発揮させつつ、エポキシ樹脂組成物を構成する他の成分(例えば、エポキシ樹脂、プレゲル化剤、無機充填剤等)の機能をより確実に発揮させることができ、硬化時におけるボイドの発生をより効果的に防止しつつ、形成される硬化部の回路基板や電子部品との接合性(接合強度)を特に優れたものとすることができる。なお、カップリング剤として2種以上の成分を組み合わせて用いる場合には、硬化剤の含有率としては、これらの成分の含有率の和を採用するものとする。
<その他の成分>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、前述したエポキシ樹脂以外の樹脂成分(例えば、分子内にエポキシ基を1個のみ有する樹脂等)、分子内にメルカプト基を有するチオール化合物、ホウ酸エステル、凝集防止剤、界面活性剤、各種重合促進剤、発光材料、着色剤、消泡剤、レベリング剤、揺変剤、応力緩和剤、イオンキャッチャー等が挙げられる。なお、ボイド抑制の観点から、有機溶媒、特に低沸点の有機溶媒は含有させないことが好ましい。
エポキシ樹脂組成物中におけるその他の成分の含有率は、10重量%以下であるのが好ましく、3重量%以下であるのがより好ましい。なお、その他の成分として2種以上の成分を組み合わせて用いる場合には、その他の成分の含有率としては、これらの成分の含有率の和を採用するものとする。
エポキシ樹脂組成物の25℃における粘度(コーンプレート型粘度計を用いて測定される粘度)は、1Pa・s以上50Pa・s以下であるのが好ましく、5Pa・s以上20Pa・s以下であるのがより好ましい。エポキシ樹脂組成物の粘度が前記範囲内の値であると、回路基板へのエポキシ樹脂組成物の付与を円滑に行うことができるとともに、空気の巻き込み等によるボイドの発生をより効果的に防止することができる。また、電子部品の周辺等の狭い空間にもエポキシ樹脂組成物を確実に侵入させることができる。なお、エポキシ樹脂組成物の粘度の測定は、例えば、コーンプレート型粘度計を用いて行うことができる。
エポキシ樹脂組成物のゲル化温度は、70℃以上99℃以下であるのが好ましく、74℃以上97℃以下であるのがより好ましく、75℃以上95℃以下であるのがさらに好ましい。これにより、前述したような効果をより顕著に発揮させることができる。なお、ゲル化温度は、以下のようにして求めることができる。すなわち、コーンプレート型粘度測定装置(例えば、Thermo(株)製 HAAKE Roto Visco−1)を用い、パラレルプレート直径:20mm、ギャップ:0.3mm、周波数:1Hz、開始温度:25℃、昇温速度:10℃/分の条件で、エポキシ樹脂組成物の粘弾性の温度依存性を測定し、増粘が開始する温度をもってゲル化温度とすることができる。
エポキシ樹脂組成物の硬化開始温度は、100℃以上200℃以下であるのが好ましく、102℃以上125℃以下であるのがより好ましく、104℃以上120℃以下であるのがさらに好ましい。なお、本発明において、エポキシ樹脂組成物の硬化開始温度とは、示差熱分析装置(例えば、(株)島津製 DTG−60)にて開始温度:25℃、昇温速度:10℃/分の条件で反応熱の温度依存性を測定し、反応熱が増発現した温度のことをいう。
また、エポキシ樹脂組成物の硬化開始温度とエポキシ樹脂組成物のゲル化温度との差は、10℃以上40℃以下であるのが好ましく、15℃以上32℃以下であるのがより好ましく、18℃以上26℃以下であるのがさらに好ましい。これにより、前述したような効果をより顕著に発揮させることができる。
エポキシ樹脂組成物は、以下の条件を満足するものであるのが好ましい。すなわち、5mgのエポキシ樹脂組成物を190℃で加熱した場合において、硬化度が95%に達するまでの加熱時間が、2秒以上10秒以下であるのが好ましく、3秒以上8秒以下であるのがより好ましい。これにより、半導体装置の製造において、圧接工程をより短時間で行いつつ、硬化部と回路基板、電子部品との接合強度を特に優れたものとすることができる。したがって、半導体装置の生産性を特に優れたものとしつつ、製造される半導体装置の信頼性を特に高いものとすることができる。
なお、硬化度の測定は、例えば、示差熱分析装置(島津社製)、示差走査熱分析装置 SI社製)等の各種装置を用いて行うことができる。
エポキシ樹脂組成物は、25℃での粘度が20Pa・s以下であり、190℃で加熱した場合のゲル化が開始するまでの時間が5秒以内であるのが好ましい。これにより、揮発成分によるボイドの発生をより効果的に抑制しつつ、ボイドの巻き込みをより効果的に防止することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物は、ガラス転移温度が高く、かつ、熱膨張係数が小さいものである。このため、半導体装置の製造時や製造後における熱履歴により、硬化部の電子部品や回路基板に対する密着性が低下したり、硬化部にクラックが生じる等の問題の発生をより効果的に防止することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度は、100℃以上であるのが好ましく、130℃以上であるのがより好ましい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物の25℃〜100℃の範囲における線膨張係数は、50ppm/℃以下であるのが好ましく40ppm/℃以下であるのがより好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
[1]エポキシ樹脂組成物の製造
(実施例1)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(850LVP、DIC(株)社製):2.0重量部と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(830LVP、DIC(株)社製):13重量部と、アミノフェノールエポキシ樹脂(630LSD、三菱化学(株)社製):20重量部と、固体分散型アミンアダクト系硬化剤(HXA−3922HP、旭化成イーマテリアルズ(株)社製):15重量部と、球状シリカフィラー(MP−15EF、(株)龍森社製、最大粒径:5μm):50重量部と、カップリング剤としてのKBM−403(信越化学(株)社製):0.1重量部と、プレゲル化剤としてのプレゲル化剤A:4.0重量部とを混合し、3本ロールミルで均一分散し、加えて減圧撹拌を行い、エポキシ樹脂組成物を製造した。
なお、プレゲル化剤Aとしては、以下のようにして調製したものを用いた。
マックスブレンド攪拌機、還流冷却管、温度制御装置、滴下ポンプおよび窒素導入管を備えたセパラブルフラスコにイオン交換水:78.00重量部、メチルメタクリレート:2.83重量部およびn−ブチルメタクリレート:2.17重量部を投入し、120rpmで攪拌しながら窒素ガスのバブリングを30分間行なった。
その後、窒素雰囲気下で80℃に昇温し、予め調製した過硫酸アンモニウム:0.02重量部およびイオン交換水:2.00重量部の水溶液を一括投入して60分間保持し、シード粒子を形成させた。
前記シード粒子が形成されたフラスコ内に、メチルメタクリレート:92.94重量部、n−ブチルメタクリレート:2.00重量部、アリルメタクリレート:0.06重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸アンモニウム:1.00重量部、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル):0.02重量部およびイオン交換水50.00重量部をホモジェナイザー(IKA社製、「ウルトラタラックスT−25」、25000rpm)で乳化処理して得られた混合物を300分かけて滴下して、その後1時間保持し、重合を終了した。
得られたビニル重合体エマルションを、大川原化工機(株)製、L−8i型スプレードライヤーを用いて、噴霧乾燥処理してビニル重合体粉体としてのプレゲル化剤Aを得た。
プレゲル化剤Aのガラス転移温度は100℃、プレゲル化剤Aの平均粒径は0.63μm、プレゲル化剤Aについてのアセトン可溶分の重量平均分子量は46万、プレゲル化剤Aについてのアセトン可溶分の重量比は10重量%であった。
(実施例2〜6)
原料として用いる成分およびこれらの使用量を表1に示すようにした以外は前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を製造した。
(比較例1)
原料としてプレゲル化剤を用いず、各成分の使用量を表1に示すようにした以外は前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を製造した。
(比較例2)
原料としてプレゲル化剤を用いず、各成分の使用量を表1に示すようにした以外は前記実施例2と同様にして、エポキシ樹脂組成物を製造した。
(比較例3、4)
原料として用いる成分の使用量を表1に示すようにした以外は前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を製造した。
(比較例5)
硬化剤として、固体分散型アミンアダクト系硬化剤の代わりに、固体分散型アミンアダクト系硬化剤以外の硬化剤としての2MA−OK−PW(四国化成(株)社製)を用いるとともに、プレゲル化剤の含有量を変更した以外は前記比較例4と同様にして、エポキシ樹脂組成物を製造した。
(比較例6)
プレゲル化剤として、ゼフィアックF351(アイカ工業(株)社製)を用いた以外は前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を製造した。
前記各実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物の組成を表1にまとめて示す。なお、表中、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(850LVP、DIC(株)社製)を「ERA」、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(830LVP、DIC(株)社製)を「ERF」、アミノフェノールエポキシ樹脂(630LSD、三菱化学(株)社製)を「ERAP」、1,6−ヘキサンジオールエポキシ樹脂(YED216D、三菱化学(株)社製)を「ERHD」、固体分散型アミンアダクト系硬化剤(HXA−3922HP、旭化成イーマテリアルズ(株)社製)を「EHA」、固体分散型アミンアダクト系硬化剤以外の硬化剤としての2MA−OK−PW(四国化成(株)社製)を「EHB」、球状シリカフィラー(MP−15EF、(株)龍森社製、最大粒径:5μm)を「FEF」カップリング剤としてのKBM−403(信越化学(株)社製)を「KAE」、プレゲル化剤としてのプレゲル化剤Aを「PGA」、プレゲル化剤としてのゼフィアックF351(アイカ工業(株)社製)を「PGF」で示した。
また、表1中には、コーンプレート型粘度計(Themo社製)を用いて測定されたエポキシ樹脂組成物の25℃における粘度の値等をあわせて示した。
Figure 0006472837
[2]エポキシ樹脂組成物の評価
[2.1]ゲル化のタイミングと硬化のタイミングとの関係
前記各実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物について、それぞれ、10mgを、表面温度を190℃に設定したアズワン社製ホットプレート(DP−1S)の上に置き、撹拌棒で円を描くように撹拌し、エポキシ樹脂組成物の色調は変化しないが流動性が損なわれ高粘調に変化した状態をゲル化、エポキシ樹脂組成物の色調が白色から茶褐色へと変化し流動性が全くなく固化した状態を硬化という条件で調べた。エポキシ樹脂が硬化する前にエポキシ樹脂組成物がゲル化したものを「○」、エポキシ樹脂が硬化する前にエポキシ樹脂組成物がゲル化しなかったものを「×」とした。
[2.2]ゲル化温度
前記各実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物について、それぞれ、コーンプレート型粘度測定装置(Thermo(株)製 HAAKE Roto Visco−1)を用い、パラレルプレート直径:20mm、ギャップ:0.3mm、周波数:1Hz、開始温度:25℃、昇温速度:10℃/分の条件で、エポキシ樹脂組成物の粘弾性の温度依存性を測定し、増粘が開始する温度をゲル化温度として求めた。
[2.3]硬化開始温度
前記各実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物について、示差熱分析装置((株)島津製 DTG−60)にて開始温度:25℃、昇温速度:10℃/分の条件で反応熱の温度依存性を測定し、反応熱が増発現した温度を硬化開始温度として求めた。
[2.4]所定硬化度に達するまでの時間
まず、前記各実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物を、それぞれ、熱分析用クランプセル(材質アルミ、5mmφ)に、5mgだけ塗布した。
次に、エポキシ樹脂組成物が塗布されたクランプセルを、予め、表面温度を190℃に設定したアズワン社製ホットプレート(DP−1S)の上に置き、脂組成物の硬化度が95%に達するまでの加熱時間を求めた。なお、硬化度の測定には、示差熱分析装置((株)島津製、DTG−60)を用いた。
[2.5]保存安定性
前記各実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物を、温度:25℃、湿度:50%RHの環境下に、5日間静置した。
その後、各エポキシ樹脂組成物について、コーンプレート型粘度測定装置(Thermo(株)製 HAAKE Roto Visco−1)を用いて25℃における粘度を測定し、製造直後の粘度(25℃)からの粘度の変化量を求め、以下の基準に従い評価した。粘度の変化量が小さいほど保存安定性に優れるといえる。
A:粘度の変化量が初期値の25%未満。
B:粘度の変化量が初期値の25%以上100%未満。
C:粘度の変化量が初期値の100%以上。
[2.6]浸透性(充填性)
前記各実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物について、以下の方法で浸透性を評価した。
カバーガラス(22×22×0.1mm厚)の両側面に20μmのマスキングを設け、同じサイズのカバーガラスを2mmずらして張り合わせて固定した。このずらした個所にエポキシ樹脂組成物を100mg塗布し、表面温度を190℃に設定したアズワン社製ホットプレート(DP−1S)の上に置き浸透距離を測定し、以下の基準に従い評価した。
A:浸透距離が5mm未満。
B:浸透距離が5mm以上10mm未満。
C:浸透距離が10mm以上。
[3.1]ガラス転移温度
前記各実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物を用いて、それぞれ190℃×5分の熱処理を施した後、150℃×60分の熱処理を施し、エポキシ樹脂組成物を硬化させ硬化物とした。得られた硬化物を5mm×50mm×厚み1mmで切り出しSII社製、EXSTAR−600にて室温から200℃までDMA測定をおこない、損失弾性の最大値を求めた。
[3.2]線膨張係数
前記各実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物を用いて、それぞれ190℃×5分の熱処理を施した後、150℃×60分の熱処理を施し、エポキシ樹脂組成物を硬化させ硬化物とした。得られた硬化物を5mm×50mm×厚み1mmで切り出しSII社製、XSTAR−600にて室温から200℃まで測定をおこない、40℃から80℃の熱膨張率を測定した。
[4]半導体装置の製造
前記各実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物を用いて、それぞれ、以下のようにして半導体装置を製造した。
まず、電極表面にAu/Niめっきを施したプリント配線板(0.1mm厚ガラスエポキシ基板FR−4、銅箔厚18μm)上の電子部品実装位置の中心に、上記樹脂組成物Bを約10mg塗布した。次いで、その上に、電子部品として、周辺部にAuめっきバンプを形成した10mm×10mm×0.3mmのシリコンチップ(金スタッドバンプサイズ50μm×50μm×25μm、バンプ数:200、バンプピッチ:120μm〜200μm)を、ボンディング装置を用いて、190℃、15kg/cmの条件で5秒間、加熱加圧して一体に接合させ、特性評価用サンプルとしての半導体装置を得た。
[5.1]ボイドの発生状況
前記[4]で得られた半導体装置について、日立建機ファインテック社製の超音波顕微鏡を用いて硬化した内部のボイド面積比を測定し、以下の基準に従い評価した。
A:ボイドの発生が全く認められない。
B:全ボイドの面積の合計が半導体素子の面積に対して1%未満。
C:全ボイドの面積の合計が半導体素子の面積に対して1%以上。
[5.2]初期接合性
前記[4]で得られた各20個の半導体装置について、回路基板の導体配線に形成された測定用端子にデジタルマルチメーターのプローブをあてて、電気的動作確認を行い、初期接続性を評価した。そして、前記各実施例および比較例について、各20個の半導体装置のうち断線の不良が発生したものの個数にて、初期接続性を評価した。
これらの結果を表2にまとめて示す。
Figure 0006472837
表2から明らかなように、本発明では、優れた結果が得られた。これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。また、前記各実施例(本発明)のエポキシ樹脂組成物は、いずれも、25℃での粘度が20Pa・s以下であり、190℃で加熱した場合のゲル化が開始するまでの時間が5秒以内であった。
1 半導体チップ(電子部品)
2 基板
21 面
211 配線パターン
212 パッシベーション膜
22 面
3 端子(バンプ)
4 回路基板(配線基板)
5 基板
51 面
6 端子
60 配線パターン
8 硬化部(絶縁部)
8’ エポキシ樹脂組成物
9 ボンディングツール
100 半導体装置

Claims (4)

  1. 半導体装置の製造に用いられるエポキシ樹脂組成物であって、
    分子内にエポキシ基を2個以上有する液状のエポキシ樹脂と、硬化剤としての固体分散型アミンアダクト系硬化剤と、無機充填剤と、ビニル重合体で構成されたプレゲル化剤とを含み、
    前記プレゲル化剤は、単量体成分として、メチルメタクリレート:70重量%以上99重量%以下、メチルメタクリレート以外のビニル単量体:1重量%以上30重量%以下を含むものであり、
    前記プレゲル化剤の含有率が2.0重量%以上20重量%以下であり、
    190℃で加熱した場合に、前記エポキシ樹脂が硬化する前に、ゲル化することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と、アミノフェノールエポキシ樹脂とを含むものであり、
    前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂の含有率が0.5重量%以上4.0重量%以下であり、
    前記ビスフェノールF型エポキシ樹脂の含有率が7.0重量%以上40重量%以下であり、
    前記アミノフェノールエポキシ樹脂の含有率が10重量%以上30重量%以下である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. エポキシ樹脂組成物は、25℃での粘度が20Pa・s以下であり、190℃で加熱した場合のゲル化が開始するまでの時間が5秒以内である請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1ないしのいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を用いて製造されたことを特徴とする半導体装置。
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