JP2009046606A - 熱硬化性液状封止樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)熱硬化性液状樹脂、(B)硬化剤、及び(C)有機染料を必須成分とする熱硬化性液状封止樹脂組成物において、前記有機染料を事前に前記熱硬化性液状樹脂及び/または前記硬化剤に溶解してなることを特徴とする熱硬化性液状樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
[1](A)熱硬化性液状樹脂、(B)硬化剤、及び(C)有機染料を必須成分とする熱硬化性液状封止樹脂組成物において、前記有機染料を事前に前記熱硬化性液状樹脂及び/または前記硬化剤に溶解してなることを特徴とする熱硬化性液状樹脂組成物。
[2]前記有機染料が、1000cm-1以上3500cm-1以下に吸収ピークを有することを特徴とする前記[1]記載の熱硬化性液状樹脂組成物。
[3]前記熱硬化性液状樹脂100gに対して、前記有機染料が0.01g以上可溶であることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の熱硬化性液状樹脂組成物。
[4]前記有機染料の配合量が、熱硬化性液状樹脂に対して0.10重量部以上5.00重量部以下であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の熱硬化性液状樹脂組成物。
[5]該熱硬化性液状樹脂封止樹脂組成物を厚さ80μmのチップ−基板接合間隙を有す
るフリップチップパッケージのチップの一辺に塗布することにより300秒以内に充填封止することを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の熱硬化性液状樹脂組成物。
[6]さらに、(D)硬化促進剤を配合してなることを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の熱硬化性液状封止樹脂組成物。
[7]前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の熱硬化性液状封止樹脂組成物を用いてチップを封止してなることを特徴とする半導体装置。
[8]半導体装置のバンプやワイヤーからなる封止部分の間隙が50μm以下であることを特徴とする前記[7]に記載の半導体装置。
[9]フレキシブル基板上にチップを接合した後、封止することを特徴とする前記[7]または[8]に記載の半導体装置。
ある。具体的な有機染料としては、例えば、アクリジン系、アジン系、アゾ系、アミノケトン系、アントラキノン系、インダミン系、インドフェノール系、オキサジン系、キサンテン系、キノリノン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系、トリアリルメタン系、ニトロ系、ニトロソ系、フタロシアニン系、メチン系染料、が挙げられる。これらの中で特に好ましくは、アジン系染料やメチン及びアントラキノン系染料の混合物などである。これらを用いることにより、チップと基板との接合部の狭ギャップ、狭ピッチの半導体装置での電気的信頼性の向上が図れる。
また、前記有機染料の配合量が、熱硬化性液状樹脂に対して0.10重量部以上5.00重量部以下であることが好ましい。この範囲とすることにより、耐湿下印加電圧時の電気的信頼性の向上がみられる。
本発明の熱硬化性液状封止樹脂組成物を用いて半導体装置を製造するには、公知の方法を用いることができる。特に本発明の熱硬化性液状封止樹脂組成物は、アンダーフィル材などとしてフリップチップパッケージ(FCパッケージ)、チップオンフィルムパッケージ(COFパッケージ)などの半導体装置の封止用に好適である。特に、チップと基板との接合部の狭ギャップ、狭ピッチの半導体装置において耐湿下印加電圧時の電気的信頼性に優れ、チップオンフィルムパッケージ(COFパッケージ)に用いられる。
上記の狭ピッチとは、チップの端子間隔が150μm以下であり、上記の狭ギャップとは、チップの回路面と基板の間隙が50μm以下のことをいう。
<用いる原料成分>
熱硬化性液状樹脂(A):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製 EXA−850CRP、エポキシ当量173、液状)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製 EXA−830LVP、エポキシ当量160、液状)、芳香族アミン型エポキシ(ジャパンエポキシレジン(株)製 JER−630、エポキシ当量98、液状)、ナフタレン型エポキシ(大日本インキ化学工業(株)製 HP−4032D、エポキシ当量141、液状)
硬化剤(B):3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(日本化薬(株)製 KAYAHARD−AA、沸点230℃、当量63、液状)、アリルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(明和化成(株)製 MEH−8000H、水酸基当量141
、液状)、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂(住友ベークライト(株)製 PR−HF−3、水酸基当量105、固形)、N−エチルアニリン・ホルムアルデヒド樹脂(三洋化成工業(株)製 T−13、水酸基当量127、液状)
有機染料(C):C.I.ソルベントブラック7(オリヱント化学工業(株)製 NUBIAN BLACK PA−9803(アジン系染料)、吸収ピーク1517及び1493cm-1)、メチン及びアントラキノン系染料の混合物(住友化学(株)製 KAYASET BLACK G、吸収ピーク1597および1513cm-1)
顔料:カーボンブラック(三菱化学(株)製 MA−600)、酸化チタン(堺化学工業(株)製 TITONE R−25)
硬化促進剤(D):1,2−ジメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミ
ダゾール
表1の配合に従って、まずエポキシ樹脂と有機染料をミキサーにて混合し、その後残りの成分を配合しミキサーで混合し、3本ロールで分散混練し、真空脱泡して熱硬化性液状封止樹脂組成物を得た。得られた熱硬化性液状封止樹脂組成物を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
粘度の測定は、ブルックフィールド粘度計にCP−51型コーンを装着し25℃で5rpmの条件で測定を実施した。樹脂組成物の粘度は、半導体装置作製時のチップと基板の隙間への定量供給安定性、塗布供給性及び隙間への流動特性を考慮すると35Pa・s以下であることが好ましい。
FCパッケージの構成部材は下記のとおりである。
チップ:(株)日立超LSI製Phase−1TEGウエハーで、回路保護膜にポリイミド、基板への接続バンプとしてAuプレートバンプが形成されたものを9.6mm×9.6mm×0.5mmtに切断して使用した。(バンプ数:324)
基板:住友ベークライト(株)製FR5相当の厚さ0.8mmのガラスエポキシ基板をベースとし、両面に太陽インキ製造(株)製ソルダーレジスト(商品名:PSR4000/AUS308)を形成し、チップとの接合面に上記チップのAuプレートバンプ配列に相当するアルミパッドを配したものを50mm×50mmの大きさに切断し使用した。
FCパッケージの組み立ては、超音波接合にて上記チップを上記基板に40μm間隙を有するように接合した。
チップ:(株)日立超LSI製JTEG Phase−6 30ウエハーで、回路保護膜に窒化珪素、基板への接続バンプとしてAuプレートバンプが形成されたものを1.6mm×15mm×0.6mmtに切断し使用した。
基板:(株)日立超LSI製JKIT COF TEG30−Bフレキシブル基板で、チップ接続部が、回路幅8μm(0.2μmのSnメッキ有り)/回路間隔10μmのものを用いた。
COFパッケージの組み立ては、超音波接合にて上記チップを上記フレキシブル基板に15μmの間隙を有するように接合した。
量が適正であるかを確認した後、150℃のオーブンで30分間樹脂組成物を加熱硬化し、評価用の半導体装置を得た。得られた半導体装置を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
上記半導体装置作製時(FCパッケージ、COFパッケージ)において、熱硬化性液状封止樹脂組成物をチップと基板を接合した隙間への充填性と充填状態を確認した。
充填性については、樹脂組成物がチップと基板を接合した隙間へ完全に充填したものをOK、完全充填しないものをNGとして、完全充填した半導体装置の個数を確認した。
FCパッケージの充填性については、300秒以内に充填したものを○、充填しなかったものを×とした。
また、充填状態については、視認性として白黒CCDカメラで充填状態が確認できたものをOK、充填状態を確認できなかったものをNGとした。
得られた半導体装置を用いて、85℃/85%RH環境下で50Vの印加電圧下での電気抵抗値を測定した。測定は、85℃/85%RH環境下で50Vの印加電圧下で0時間、100時間、250時間、500時間、1000時間後に行い、短絡した半導体装置の個数を確認し、途中で短絡したものはその後の測定を実施しなかった。
表1の配合に従い、実施例1と同様に熱硬化性液状封止樹脂組成物及び半導体装置を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
表1の配合に従い、有機染料を熱硬化性樹脂に事前混合しないで熱硬化性液状封止樹脂組成物を作製し、実施例1と同様に評価した。さらに、得られた熱硬化性液状封止樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に半導体装置を作製し評価した。評価結果を表1に示す。[比較例2、3]
表1の配合に従い、各成分を配合しミキサーで混合し、3本ロールで分散混練し、真空脱泡して熱硬化性液状封止樹脂組成物を作製し、実施例1と同様に評価した。さらに、得られた熱硬化性液状封止樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に半導体装置を作製し評価した。評価結果を表1に示す。
Claims (9)
- (A)熱硬化性液状樹脂、(B)硬化剤、及び(C)有機染料を必須成分とする熱硬化性液状封止樹脂組成物において、前記有機染料を事前に前記熱硬化性液状樹脂及び/または前記硬化剤に溶解してなることを特徴とする熱硬化性液状樹脂組成物。
- 前記有機染料が、1000cm-1以上3500cm-1以下に吸収ピークを有することを特徴とする請求項1記載の熱硬化性液状樹脂組成物。
- 前記熱硬化性液状樹脂100gに対して、前記有機染料が0.01g以上可溶であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱硬化性液状樹脂組成物。
- 前記有機染料の配合量が、熱硬化性液状樹脂に対して0.10重量部以上5.00重量部以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱硬化性液状樹脂組成物。
- 該熱硬化性液状樹脂封止樹脂組成物を厚さ80μmのチップ−基板接合間隙を有するフリップチップパッケージのチップの一辺に塗布することにより300秒以内に充填封止することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱硬化性液状樹脂組成物。
- さらに、(D)硬化促進剤を配合してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性液状封止樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱硬化性液状封止樹脂組成物を用いてチップを封止してなることを特徴とする半導体装置。
- 半導体装置のバンプやワイヤーからなる封止部分の間隙が50μm以下であることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
- フレキシブル基板上にチップを接合した後、封止することを特徴とする請求項7または8に記載の半導体装置。
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