JP4690714B2 - エポキシ系硬化性組成物及び電子部品の実装構造 - Google Patents
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基板52の上面には、複数の電極ランド55が形成されている。シート53は、加熱により硬化する硬化性樹脂組成物からなる。
本発明のエポキシ系硬化性組成物において硬化成分として用いられるエポキシ系化合物とは、少なくとも1個のオキシラン環を有する有機化合物をいうものとする。上記エポキシ化合物としては、特に限定される訳ではないが、例えば、下記の様々なエポキシ樹脂及びエポキシ含有化合物が挙げられる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等のような芳香族エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、並びにこれらの水添化物や臭素化物;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチル3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、商品名「EHPE−3150」(軟化温度71℃、ダイセル化学工業社製)等のような脂環族エポキシ樹脂;1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、炭素数が2〜9個(好ましくは2〜4個)のアルキレン基を含むポリオキシアルキレングリコールやポリテトラメチレンエーテルグリコール等を含む長鎖ポリオールのポリグリシジルエーテル等のような脂肪族エポキシ樹脂;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル−p−オキシ安息香酸、サリチル酸のグリシジルエーテル−グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のようなグリシジルエステル型エポキシ樹脂並びにこれらの水添化物;トリグリシジルイソシアヌレート、環状アルキレン尿素のN,N’−ジグリシジル誘導体、p−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体、m−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体等のようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂並びにこれらの水添化物;グリシジル(メタ)アクリレートと、エチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル等のラジカル重合性モノマーとの共重合体;エポキシ化ポリブタジエン等のような、共役ジエン化合物を主体とする重合体またはその部分水添物の重合体の不飽和炭素の二重結合をエポキシ化したもの;エポキシ化SBS等のような、「ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック」と「共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックまたはその部分水添物の重合体ブロック」とを同一分子内にもつブロック共重合体の、共役ジエン化合物の不飽和炭素の二重結合をエポキシ化したもの;上記各種エポキシ基含有化合物にNBR、CTBN、ポリブタジエン、アクリルゴム等のゴム成分を含有させたゴム変成エポキシ樹脂;等、従来公知の各種エポキシ基含有化合物が挙げられる。
本発明に係る硬化性組成物には、必要に応じて、金属粉末などの導電性粉末がさらに含有されていてもよい。このような導電性粉末としては、Ag、Cu、Al、Auなどの金属粉末、あるいは合成樹脂粒子の表面に導電膜が形成された導電性粒子などを挙げることができ、特に限定されない。導電性粉末を含有させることにより、本発明に係る硬化性組成物の硬化により得られた硬化物に導電性を付与することができる。従って、上記硬化物を用いて、部材間の接合だけでなく、電気的接続も果たすことが可能となる。
本発明に係るエポキシ系硬化性組成物には、本発明の課題を達成する上で阻害しない範囲で、必要に応じて他の添加剤を添加してもよい。このような添加剤としては、脂肪族水酸基含有化合物、熱可塑性樹脂、密着性向上剤、充填材、補強材、軟化剤、可塑剤、粘度調整剤、揺変剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、脱水剤、難燃剤、帯電防止剤、発泡剤、防黴剤などが挙げられる。これらの添加剤は1種のみがもちいられてもよく、2種以上が添加されてもよい。
本発明に係るエポキシ系硬化性組成物の製造方法は特に限定されず、上記各種成分を均
一に分散・混合することにより得ることができる。この分散・混合方法は特に限定されないが、例えば、三本ロール、らいかい機、プラネタリーミキサーなどによる分散・混練方法を挙げることができる。混合に際し、必要に応じて減圧してもよい。また、遊星式の攪拌機を用いることにより、各成分を混合することが望ましく、それによって金属物の混入を避けつつ、各成分を均一にかつ容易に混合することができる。
本発明に係る電子部品は、本発明に従って構成された上記エポキシ系硬化性組成物を硬化することにより得られた硬化物により、電子部品素子と、電子部品素子が電気的に接続される電極ランドを表面に有する基板の電極ランドに接合されていることを特徴とする。このような構造であれば特に限定されないが、好ましくは、電子部品素子が金属バンプを有し、該金属バンプが上記硬化物により基板上の電極ランドに接合されている構造を挙げることができる。このような構造は、前述したフリップチップ実装法で電子部品素子が基板に実装されている構造であり、例えば半導体チップのパッケージ基板の搭載などに広く用いられている。
防止することができるとともに物性の良好な接合部分を構成することが可能となる。
以下のエポキシ化合物と、その他の化合物とを用意した。
エポキシ含有アクリル系ポリマー(日本油脂社製、品番:CP−30、重量平均分子量10000、エポキシ当量500)
ナフタレン型エポキシ樹脂(大日本インキ社製、品番:HP−4032D)
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ社製、品番:HP−7200)
トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸(JER社製、品番:YH−307)
2,4−ジアミノ−6−〔2′−メチルイミダゾリル−(1)′〕−エチル−S−トリアジンイソシアヌル酸付加物(四国化成社製、品番:2MAOK−PW )
イソシアヌル酸付加2−メチルイミダゾール(四国化成社製、:2MZ−OK)
2,4−ジアミノ−6−〔2′−メチルイミダゾリル−(1)′〕−エチル−S−トリアジン(四国化成社製、品番:2MZ−A)
2,4−ジアミノ−6−〔2′−ウンデシルイミダゾリル−(1)′〕−エチル−S−トリアジン(四国化成社製、品番:C11Z−A)
1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成社製、品番:2E4MZ−CN )
なお、上記の内、イミダゾールシランカップリング剤(日鉱マテリアルズ社製、品番SP−1000)、2,4−ジアミノ−6−〔2′−メチルイミダゾリル−(1)′〕−エチル−S−トリアジンイソシアヌル酸付加物(四国化成社製、品番:2MAOK−PW)及びイソシアヌル酸付加2−メチルイミダゾール(四国化成社製、品番:2MZ−OK)のみが再結晶の際に使用した水が結晶中に二水和物として取り込まれている。
2MZOK(分子量587.5、2水分子量36、含水率6.1%)
上記2MAOK及び2MZOKの2種の化合物については、予め150℃のオーブン中で重量減少がなくるまで乾燥し、しかる後120℃付近での重量減少がなくなったことを、セイコーインスツルメンツ社製、TG/DTA6000シリーズの示差熱熱重量測定装置により確認し、アルミ袋中で保管した。このようにして乾燥された2MAOKの乾燥品
及び2MZOKの乾燥品における含水率は、0である。
下記の表1に示すように、エポキシ基含有アクリルポリマー(CP−30)4重量部と、ナフタレン型エポキシ樹脂(HP−4032D)76重量部と、ジシクロペンタジンエン型エポキシ樹脂(HP−7200)20重量部と、エポキシ硬化剤としてトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸(YH−307)60重量部と、上記のようにして乾燥された2,4−ジアミノ−6−〔2′−メチルイミダゾリル−(1)′〕−エチル−S−トリアジンイソシアヌル酸付加物(2MAOK−PW)8重量部と、接着付与剤としてのイミダゾールシランカップリング剤(SP−1000)2重量部とを200mlの容器に計量し、遊星式攪拌機を用いて均一に攪拌し、ペーストを得た。このペーストを開口径20μmのポリエステルメッシュを用いて加圧濾過し、さらに10mlのシリンジ中に充填し、実施例1のエポキシ系硬化性組成物ペーストを得た。
使用した材料の組成を下記の表1に示すように変更したことを除いては、実施例1と同様にして、硬化性組成物ペーストを用意した。
上記のようにして用意した硬化性組成物ペーストについて、以下の要領で(1)DTA測定、(2)貯蔵安定性及び(3)空隙量定量評価を行った。
得られた硬化性組成物について、セイコーインスツルメンツ社製、TG/DTA6000を用い、発熱ピークを測定した。アルミパン中に約10mgの硬化性組成物ペーストを量りとり、10℃/分の昇温速度で昇温し、200℃における重量減少率を測定し、それによって発熱ピーク温度を測定した。
作製された硬化性組成物ペーストを作製直後に、東機産業社製、E型粘度計を用い、ローター回転数1rpmで25℃の温度で粘度を測定した。しかる後、5℃に保った冷蔵庫にペーストを保管し、一週間保管した後に、再度25℃の温度に1時間維持し、同様にして粘度を測定した。初期粘度に対する保管後の粘度の上昇率を求めた。結果を下記の表1に示す。なお、表1の評価記号の意味は以下の通りである。
△…粘度変化率が2倍以上10倍以下
×…ゲル化または測定不能
18μmの厚みの銅箔上に、ニッケルが5μmの厚みのメッキされており、さらにその上に金が0.3μmの厚みにメッキされた構造を有する配線が形成されている20mm×20mm×1.0mm厚のガラス−エポキシ系FR−4基板上に、硬化性組成物ペーストをディスペンサーを用いて吐出した。
径100μm、突出高さが約50μmであるAuからなるスタッドパンプが周縁部分に172個配置されているICチップを、上記基板上に、78N/cm2の荷重を加えつつ、
熱プレスした。熱プレスは、硬化性組成物の実測温度が190℃となるようにし、30秒間プレスを行うことにより行った。しかる後、125℃で1時間養生し、導通接合体を作製した。なお、上記実測温度は、熱電対を硬化性組成物中に挿入することにより測定した。
2…電子部品素子
3…金属バンプ
4…基板
5…電極ランド
6…シート状硬化物
Claims (4)
- 2種類以上のエポキシ化合物と、結晶水を含む化合物であって、含水率が0.1重量%以下となるように該結晶水が除去される処理が施されている化合物とを含み、結晶水を含む化合物がエポキシ化合物の硬化剤であるイソシアヌル酸変性されたイミダゾールであることを特徴とする、エポキシ系硬化性組成物。
- 前記結晶水が除去される処理が施された化合物の配合割合が、前記エポキシ化合物100重量部に対し、0.1〜20重量部の範囲とされていることを特徴とする、請求項1に記載のエポキシ系硬化性組成物。
- 電子部品素子と、前記電子部品素子が電気的に接続される電極ランドを表面に有する基板とを備え、前記電子部品素子が、前記基板上の電極ランドに請求項1または2のいずれか1項に記載のエポキシ系硬化性組成物を硬化することにより得られた硬化物により接合されていることを特徴とする、電子部品。
- 前記電子部品素子が金属バンプを有し、該金属バンプが前記硬化物により前記基板上の前記電極ランドに接合されていることを特徴とする、請求項3に記載の電子部品。
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