JP6472748B2 - ペットフード及びペットフードの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ペットフード及びペットフードの製造方法に関する。より詳しくは、ペットの食いつきが向上されたペットフード及びペットフードの製造方法に関する。
本願は、2013年7月1日に日本に出願された、特願2013−138501号に基づき優先権主張し、その内容をここに援用する。
近年、ペットの飼育が盛んとなっており、暮らしの中でのペットの存在価値が高まっている。それに伴い、ペットの健康に良く、且つペットの食いつき(嗜好性)を向上させたペットフードが望まれている。
ペット食いつき(嗜好性)を向上させたペットフードとして、総油脂添加量がペットフード全体に対して5.0〜13.0重量%であるペットフード及びペットフードの製造方法が開示されている(特許文献1)。
特開2013−17470号公報
ペットフードに動物性油脂を含ませることで、ペットに対する嗜好性を高めることができる。しかし、ペットフードに含まれる動物性油脂から動物性油脂特有の匂いが強く発生してしまうという問題がある。この問題は、動物性油脂を多く含んだ嗜好性の高いペットフードにおいてより顕著である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、動物性油脂を含み、且つ動物性油脂特有の匂いが低減されたペットフードの提供を課題とする。
本発明者らは、ペットフードのフード粒表面に、植物性油脂層とを含むコーティング層を形成させることにより、動物性油脂特有の匂いの発生が低減されることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)1種類以上の動物性油脂及び1種類以上の植物性油脂を含み、コア部及び該コア部を被覆するコーティング層を有するペットフードであって、前記コーティング層は、最外層に植物性油脂層と、前記コア部と該植物性油脂層との間に形成された動物性油脂層とを含むことを特徴とするペットフード。
(2)前記植物性油脂が2.1重量%以上含まれる前記(1)に記載のペットフード。
(3)前記動物性油脂が5.8〜23.0重量%含まれる前記(1)又は(2)に記載のペットフード。
(4)前記植物性油脂及び前記動物性油脂の合計量が5.5〜24.8重量%含まれる前記(1)〜(3)のいずれか一に記載のペットフード。
(5)前記植物性油脂が不乾性油である前記(1)〜(4)のいずれか一に記載のペットフード。
(6)前記植物性油脂がオリーブ油、カカオ油、パーム油およびパーム核油からなる群より選択される少なくとも1つである前記(1)〜(5)のいずれか一に記載のペットフード。
(7)前記植物性油脂がパーム油である前記(1)〜(6)のいずれか一に記載のペットフード。
(8)前記動物性油脂が鶏油、豚脂、牛脂および乳性脂肪からなる群より選択される少なくとも1つである前記(1)〜(7)のいずれか一に記載のペットフード。
(9)前記動物性油脂が牛脂である前記(1)〜(8)のいずれか一に記載のペットフード。
(10)原材料の混合物を造粒する工程、造粒されたペットフードに動物性油脂を添加し該動物性油脂を含浸させる工程、該動物性油脂を添加し該動物性油脂を含浸させる工程の後に植物性油脂を添加し該植物性油脂を含浸させる工程、を含むことを特徴とするペットフードの製造方法。
(11)前記動物性油脂を真空コート法により含浸させる前記(10)に記載のペットフードの製造方法。
(12)前記植物性油脂を真空コート法により含浸させる前記(10)又は(11)に記載のペットフードの製造方法。
(13)前記原材料の混合物を造粒する工程において、食物繊維を添加する前記(10)〜(12)のいずれか一に記載のペットフードの製造方法。
本発明のペットフード及び本発明のペットフードの製造方法によれば、ペットフードから発せられる動物性油脂特有の匂いが低減されたペットフードを提供できる。したがって、動物性油脂特有の匂いが強すぎることを嫌うペット及びペットの飼い主の満足度を高めることができる。
本発明の実施形態に係るペットフードを模式的に表す断面図である。 真空コート法の一実施形態の一工程を示す模式図である。 真空コート法の一実施形態の一工程を示す模式図である。 真空コート法の一実施形態の一工程を示す模式図である。 真空コート法の一実施形態の一工程を示す模式図である。 真空コート法の一実施形態の一工程を示す模式図である。 真空コート法の一実施形態の一工程を示す模式図である。 真空コート法の一実施形態の一工程を示す模式図である。 真空コート法の一実施形態の一工程を示す模式図である。 真空コート法の一実施形態の一工程を示す模式図である。
《ペットフード》
本発明の実施形態に係るペットフードは、1種類以上の動物性油脂及び1種類以上の植物性油脂を含み、コア部及び該コア部を被覆するコーティング層を有するペットフードであって、前記コーティング層は、最外層に植物性油脂層と、前記コア部と該植物性油脂層との間に形成された動物性油脂層とを含むことを特徴とする。
以下、図1を参照して、本発明の実施形態を説明する。図1に示すように、ペットフード1は、内部にコア部30を有し、コア部30を被覆するコーティング層2を有している。コーティング層2は、最外層に植物性油脂層10を有し、コア部30と植物性油脂層10との間に形成された動物性油脂層(内部層)20とを含む。
コア部30は、後述するフード粒より構成される。コア部30は、嗜好性向上の観点から、動物性油脂を含むことが好ましい。本実施形態においては、コア部30の該表面全体がコーティング層2に被覆されているが、コア部が局所的にコーティング層によって被覆されていない部分を有していてもよい。
本実施形態のペットフードのコーティング層は、最外層に植物性油脂層を含む。本実施形態において植物性油脂層は、植物性油脂を主成分とする。また、主成分とするとは、ペットフードの任意の部分に含まれる全成分のうち50重量%以上を占めることを云う。前記主成分として定義される分量としては、全成分のうち53重量%以上であることがより好ましく、55重量%以上であることがさらに好ましい。
本実施形態のペットフードは動物性油脂を含むペットフードである。一般的に、ペットフードが動物性油脂を含む場合、ペットフードから動物性油脂特有の匂いが発生してしまうという問題があるが、本実施形態のペットフードは、コア部を被覆するコーティング層が植物性油脂層を含むため、コア部に存在する動物性油脂から発せられる動物性油脂特有の匂いを低減させることができる。これは、前記植物性油脂層が遮蔽物となり、動物性油脂から発生する動物性油脂特有の匂い成分をペットフード内部に封じ込めるからであると考えられる。
本実施形態のペットフードは、前記コア部と前記植物性油脂層との間に、動物性油脂層が形成されている。動物性油脂層を形成させることにより、ペットフード全体に含まれる動物性油脂の量を増加させることができる。動物性油脂の量を増加させることで、ペットフードの嗜好性を高めることが可能である。このようにペットフードに含まれる動物性油脂の量を増加させた場合、ペットフードから動物性油脂特有の匂いが強く発生することがある。この問題は、動物性油脂層に含まれる動物性油脂が、ペットフード全体に対して6.0重量%より多い場合、より顕著である。しかし、本実施形態ペットフードでは、前記動物性油脂層の外側に植物性油脂層が形成されているため、ペットフードから発せられる動物性油脂特有の匂いを低減させることができる。
なお、本実施形態において、動物性油脂層20及び植物性油脂層30は、各層の境界面において混ざり合った状態として存在する部分も存在する。
本実施形態のペットフードが含有する植物性油脂は、ペットフード全体に対する植物性油脂量の割合が2.1重量%以上であることが好ましく、より具体的には2.1〜12.9重量%の範囲であることがより好ましく、3.2〜10.7重量%であることがより好ましく、3.2〜8.6重量%であることがさらに好ましく、4.3〜5.9重量%であることが特に好ましい。ペットフード全体に対する植物性油脂量の割合が2.1重量%以上であると、本実施形態の効果である動物性油脂の匂いの低減が良好となり、且つペットに対する嗜好性の高いペットフードとなる。前記植物性油脂量が2.1重量%未満であると、コーティングが不十分となり、ペットフード内部に含まれる動物性油脂の匂いを低減させる効果が弱まってしまう。また、前記植物性油脂量が12.9重量%を超える場合、毎日与えるペットフードとしては食べ飽きやすい傾向にあり、好ましくない。
本実施形態のペットフードが含有する動物性油脂は、ペットフード全体に対する動物性油脂量の割合が5.8〜23.0重量%の範囲であることが好ましく、8.6〜20.1重量%であることがより好ましく、10.1〜17.3重量%であることがさらに好ましく、11.5〜14.4重量%であることが特に好ましい。ペットフード全体に対する動物性油脂量の割合が5.8〜23.0重量%の範囲であると、脂っぽくなく、嗜好性の高いペットフードが得られる。前記動物性油脂量が5.8重量%未満であると、ペットフードのペットに対する嗜好性が低下するため、好ましくない。また、前記動物性油脂量が23.0重量%を超える場合、フード粒表面に植物性油脂が染み出し、給餌者の手を汚す恐れがあるため好ましくない。
前記植物性油脂層に含まれる植物性油脂はペットフード全体に対して、2.5〜9.0重量%が好ましく、3.0〜7.0重量%がより好ましく、3.5〜5.5重量%がさらに好ましい。
また、前記動物性油脂層に含まれる動物性油脂はペットフード全体に対して、3.0〜23.0重量%が好ましく、5.0〜17.0重量%がより好ましく、6.0〜10.0重量%がさらに好ましい。
本実施形態のペットフードが含有する総油脂量は、ペットフード全体に対して5.5〜24.8重量%の範囲であることが好ましく、7.9〜23.0重量%であることがより好ましく、8.3〜22.0重量%であることがさらに好ましく、13.8〜19.3重量%であることが特に好ましい。上記の範囲は、嗜好性とペットにとって適切な油脂摂取量のバランスの実現のという点からも好ましい。
本実施形態のペットフードが含有する総油脂量における、動物性油脂量と植物性油脂量の比は、5:1〜1:1であることが好ましく、4:1〜1:1であることがより好ましく、2.5:1〜1:1であることがより好ましい。前記動物性油脂量と植物性油脂量の比が上記の範囲内であれば、動物性油脂に対する植物性油脂のコーティング効果が十分に得られるため、本実施形態の効果である動物性油脂の匂いの低減が良好となり、且つペットに対する嗜好性の高いペットフードが実現できる。
本実施形態のペットフードに含まれる植物性油脂は、食用に用いることができるものであれば特に制限されないが、不乾性油であることが好ましい。不乾性油とはヨウ素価の値が100以下の油脂である。ヨウ素価は油脂の酸化されやすさを反映しており、ヨウ素価の値が低いほど酸化されにくい油脂であることを表す。酸化した油脂は、特有の匂いを放ちペットフードの風味を低下させ、ペットフードの品質を低下させる要因となる。また、酸化した油脂は、ペットの健康に影響を与える恐れがある。一方、ヨウ素価の値が100以下の油脂は酸化されにくいため、ヨウ素価の値が100以下の不乾性油を用いることで、長期の保存が可能で、味や香りに優れた、ペットに対する嗜好性が高いペットフードの製造が可能となる。
前記植物性油脂は、ヨウ素価の値が100以下であればよく、天然の脂肪酸組成のものであっても、脂肪酸分別処理等により脂肪酸組成を変化させたものであっても構わない。
ヨウ素価の値が100以下である天然の植物性油脂としては、オリーブ油、カカオ油、パーム油、パーム核油、ココナッツ油、ヤシ油、つばき油等が挙げられ、ペットフードに含ませるのに適した油としては、風味及び酸化安定性の点で、オリーブ油、カカオ油、パーム油及びパーム核油が好ましく、食品で多く使用され、使用しやすい点でパーム油がより好ましい。
上記植物性油脂は、1種類のみを単独で用いても、複数種類を組み合わせて用いても構わない。
本実施形態のペットフードに含まれる動物性油脂は、食用に用いることができるものであれば特に制限されないが、ペットに対する嗜好性を考慮し、鶏油、豚脂(ラード)、牛脂(ヘット)及び乳性脂肪が好ましい。なかでも牛脂がより好ましく、牛脂のうちでも粗牛脂が特に好ましい。粗牛脂には牛由来のうまみ成分が含有されているため、粗牛脂を用いることでペット対する嗜好性をさらに高めることができる。犬及び猫に対するペットフードの嗜好性は、牛脂を用いることで特に高めることができる。また、鶏油、豚脂(ラード)、牛脂(ヘット)及び乳性脂肪はヨウ素価が100以下の酸化安定性に優れた油脂であるため、商品の品質維持の観点からも特に好ましい。
上記動物性油脂は、1種類のみを単独で用いても、複数種類を組み合わせて用いても構わない。
《ペットフードの製造方法》
本実施形態のペットフードの製造方法は、原材料の混合物を造粒する工程(造粒工程)、造粒されたペットフードに動物性油脂を添加し該動物性油脂を含浸させる工程(動物性油脂添加工程)、該動物性油脂を添加し該動物性油脂を含浸させる工程の後に植物性油脂を添加し該植物性油脂を含浸させる工程(植物性油脂添加工程)、を含むことを特徴とする。
<造粒工程>
造粒工程は、原材料の混合物を造粒してフード粒を得る工程である。
前記原材料としては、ペットフードの原材料として一般的に使用されるものが適用できる。前記原材料に含まれる重要な栄養素として、蛋白質及び炭水化物がある。
前記蛋白質としては、植物由来の蛋白質、動物由来の蛋白質又はこれらの混合物が例示できる。具体的には、前記植物由来の蛋白質は、例えばグルテン、小麦蛋白質、大豆蛋白質、米蛋白質、とうもろこし蛋白質等が好ましいものとして挙げられる。前記動物由来の蛋白質としては、例えば牛、豚、鶏及び魚介類の筋肉、臓器などの蛋白質、乳の蛋白質又はこれらの混合物が例示できる。これらの蛋白質には、ビタミン、鉄分等が含まれうるので、栄養源として好ましい。
前記炭水化物としては、とうもろこし、小麦、大麦、オート麦、米、大豆等の穀物類の炭水化物が好ましいものとして例示できる。これらの穀物類には、炭水化物の他に、蛋白質、灰分、ミネラル、ビタミン等が含まれうるので、栄養源として好ましい。
前記原材料として、前記蛋白質及び前記炭水化物の他に、ビタミン・ミネラル類、塩類、動物蛋白質のエキス(抽出物)等を前記混合物に添加してもよい。
本実施形態のペットフードの製造にあたっては、原材料の混合物を造粒する工程において、食物繊維を添加することを行ってもよい。これは、食物繊維を含有したペットフード粒は油脂を吸収しやすく、且つフード粒をべたつかせないからである。
例えば表1に示す配合で原材料を混合することが例示できる。
Figure 0006472748
前記混合物は、前記原材料を所望の配合率で混合して得られる。前記混合物を得る方法としては、グラインダー等で原材料を粉砕しつつ混合する公知の方法が適用できる。
前記混合物を造粒する方法としては、ペットが食するのに適した形状に成型できる方法であれば特に制限されず、例えばエクストルーダ(押出し機)が好適である。エクストルーダを用いることによって、混合物を加圧し、得られるフード粒の硬さを調整できる。
本実施形態において、「造粒する」とは、ペットが食することができる形状に成型することを意味する。本実施形態において、成型するフード粒の形状は、ペットが食せる形状であれば特に制限されず、例えば球状、多角体状、柱状、ドーナッツ状、板状、碁石状、ハート状、星状、魚状、車輪状等、あらゆる形状が適用可能である。また、成型するフード粒の大きさは、ペットが一口で頬張れる小粒形状であってもよいし、ペットが複数回にわたって噛り付くことができる大粒形状であってもよい。
フード粒の形状としては、最短径及び最長径が共に3mm〜30mmの碁石状の形状であることが好ましい。この形状であると、後段の動物性油脂添加工程において、フード粒内への動物性油脂の含浸度合いが好適となる。
また、フード粒の形状は、ペットがそのまま食するには大き過ぎる板状、柱状又はチューブ状であってもよい。この場合、後段の乾燥処理工程の後で、ペットが食し易い形状に小片化することが好ましい。
本実施形態の造粒工程において、混合物を成型して造粒する際、加熱処理を行い、混合物中の炭水化物をアルファ化することが好ましい。得られるフード粒の消化性が向上する効果が得られる。
前記造粒における加熱処理は、例えば150℃以下で行うことが好ましく、50〜120℃がより好ましく、80〜100℃がさらに好ましい。この温度で加熱する場合、当該加熱処理の時間は、1分〜20分が好ましく、2分〜20分がより好ましく、3分〜6分がさらに好ましい。
上記温度範囲及び時間範囲の下限値以上であると、前記効果が充分に得られる。上記温度範囲の上限値以下であると、原材料が過度に加熱されることを防げる。
造粒工程において、フード粒を乾燥させる処理を施すことが好ましい。ここでは、造粒工程において乾燥処理を行うことを説明するが、造粒工程とは別に、乾燥工程を設けてもよい。
<乾燥処理>
前記フード粒を乾燥させる方法は特に制限されず、自然に乾燥させる方法、温風を吹き付けて乾燥させる方法、減圧して乾燥させる方法、フリーズドライで乾燥させる方法、油中でフライ処理する方法等の公知の方法が適用可能である。これらの乾燥方法の中でも、温風を吹き付けて乾燥させる方法が、ペットフードの風味を向上させるので好ましい。
前記乾燥させる際のフード粒の温度としては、100℃以下が好ましく、60〜90℃がより好ましく、70〜90℃がさらに好ましい。この温度で乾燥させる場合、当該加熱処理の時間は、1分〜120分が好ましく、5分〜60分がより好ましく、10分〜30分がさらに好ましい。
上記温度範囲及び時間範囲の下限値以上であると、比較的短時間でフード粒を乾燥させることができる。上記温度範囲の上限値以下であると、フード粒が過度に加熱されることを防げる。
なお、前記加熱処理の温度と、乾燥処理の温度とは同じであっても異なっていてもよい。
乾燥処理した後のフード粒の水分含有量は、12.0重量%以下であることが好ましく、3.0〜10.0重量%がより好ましく、5.0〜8.0重量%がさらに好ましい。
<動物性油脂添加工程>
本実施形態のペットフードの製造方法は、原材料の混合物を造粒する工程、造粒されたペットフードに動物性油脂を添加し該動物性油脂を含浸させる工程、該動物性油脂を添加し該動物性油脂を含浸させる工程の後に植物性油脂を添加し該植物性油脂を含浸させる工程、を含む。前記動物性油脂の添加は1回で行ってもよいし、複数回に分けて行ってもよい。
複数回に分けて行う場合、例えば、前記乾燥処理の後に、ペットフードに対して、1〜2重量%の動物性油脂を添加し、その後さらに動物性油脂を添加してもよい。乾燥処理の直後に動物性油脂を添加することで、ペットフードの製造中に乾燥したフード粒から細かな粉が発生すること(粉立ち)を防止できる。
また、動物性油脂の添加工程において、動物性油脂をフード粒内に含浸させる(含ませる)ことが可能であれば、動物性油脂にミールエキス等を混合したものを添加してもよい。
前記動物性油脂としては、動物由来の食用に適した油脂であれば特に制限されないが、好ましい動物性油脂の種類としては前述した動物性油脂(鶏油、豚脂(ラード)、牛脂(ヘット)及び乳性脂肪)を使用することが挙げられ、より好ましくは牛脂が挙げられる。
前記ミールエキスとしては、例えばチキンエキス(鶏肉由来の抽出物)、フィッシュエキス(魚肉由来の抽出物)等の公知のミールエキスが好ましいものとして挙げられる。
この動物性油脂添加工程により、前記動物性油脂層を形成することができる。
<植物性油脂添加工程>
本実施形態のペットフードの製造方法は、原材料の混合物を造粒する工程、造粒されたペットフードに動物性油脂を添加し該動物性油脂を含浸させる工程、該動物性油脂を添加し該動物性油脂を含浸させる工程の後に植物性油脂を添加し該植物性油脂を含浸させる工程、を含む。
前記植物性油脂としては、植物由来の食用に適した油脂であれば特に制限されないが、好ましい植物性油脂の種類としては前述した植物性油脂(オリーブ油、カカオ油、パーム油及びパーム核油)を使用することが挙げられ、より好ましくはパーム油が挙げられる。
また、植物性油脂の添加工程において、植物性油脂をフード粒内に含浸させる(含ませる)ことが可能であれば、植物性油脂に前記ミールエキス等の他の成分を混合して添加してもよい。
動物性油脂を添加し該動物性油脂を含浸させる工程の後に植物性油脂を添加し該植物性油脂を含浸させる工程を行うことで、前記植物性油脂層を形成することができる。ペットフード粒の表面又は表面付近に植物性油脂を多く分布させることで、ペットフード内部から発生する動物性油脂特有の匂いがペットフード外部へ漏れ出ることを低減できる。
植物性油脂添加工程の後に、必要があれば、調味料等を含む外添剤の添加工程を追加してもよい。前記調味料等の種類や状態は特に制限されないが、添加された外添剤を介してフード粒同士を接着させないものが好ましく、外添剤の状態は粉状であることがより好ましい。
(油脂の添加方法及び油脂の含浸方法)
本実施形態のペットフードの製造方法において、ペットフード粒に油脂を添加する方法は特に制限されず、従来のペットフード、食品等の製造に用いられている方法を採用できる。
フード粒と油脂等を接触又は付着させる方法としては、例えば、フード粒に油脂等を噴霧する方法、フード粒、油脂等をタンク等の容器に入れ撹拌器等で撹拌する方法、前記容器を振動させる方法等を用いることが例示できる。油脂をフード粒に含浸させる方法としては、フード粒に油脂を自然含浸させる方法、さらには、真空コート法が例示できる。真空コート法は、加温したフード粒と油脂等を接触又は付着させた状態で、減圧する方法である。真空コート法を用いることにより、フード粒の表面だけでなくフード粒の内部へ油脂を含浸させることができる。
動物性油脂をフード粒に含浸させる方法は、真空コート法により含浸させることが好ましい。動物性油脂の添加に真空コート法を用いることで、自然含浸を行う場合と比べて、より多くの油脂をより均一にペットフードに含浸させることができる。更には、動物性油脂の含浸に真空コート法を用いることにより、動物性油脂添加工程の後に植物性油脂添加工程を経て製造されたペットフードにおいて、内側に動物性油脂が、外側に植物性油脂という分布状態を実現させやすい。
また、植物性油脂をフード粒に含浸させる方法は、真空コート法により含浸させることが好ましい。フード粒の表面に多量の油脂が付着している場合、ペットにフード粒を給餌する際に、給餌者(飼い主)の手に油脂が付着し、手が汚れることがある。一方、真空コート法を用いて植物性油脂を含浸させたペットフードは、フード粒の表面にある油脂量が少ないため、給餌者の手を汚しにくい。また、フード粒の表面に多量の油脂が付いている場合は、製造中及び製造後にフード粒同士が擦れることや、フード粒と製造設備等との接触により、油脂、油脂に添加した調味料等が落ちることがある。一方、真空コート法を用いてフード粒の内部まで油脂を含ませることにより、フード粒表面の油脂等がフード粒から離れて落ちることが少なくなる。
前記減圧の程度は、油脂をフード粒内に含ませることが可能な程度であれば特に限定されない。フード粒の大きさや硬さに応じて適宜調整すればよく、例えば0.1〜0.3気圧まで減圧する程度が挙げられる。
真空コート法によって油脂をフード粒に添加する具体例を、図2A〜図2Iを参照して説明する。
まず、攪拌フィンを備えた釜へフード粒4を投入して(図2A)、密閉後に動物性油脂(牛脂)を投入し、混合しながら約40℃まで加温する(図2B)。つぎに、混合しながら釜内を約0.2気圧まで減圧し(図2C)、その後、徐々に、例えば1〜5分、好ましくは1〜3分をかけて、大気開放する(図2D)。更に、植物性油脂(パーム油)を加える場合も、動物性油脂(牛脂)と同様に行えばよい(図2E、図2F及び図2G)。つづいて、必要に応じて調味料を投入して2分程度混合した後(図2H)、包装工程へ搬送する。ゆっくりと大気開放することによって、フード粒の内部へ均一に油脂等を含浸させることができる(図2I)。
前記油脂等を投入する際の加温は、油脂が固化しないようにすることが主な目的である。この目的が達成できる温度であれば、加温の温度は特に限定されない。油脂の酸化を防ぐ観点から、なるべく低い温度であることが好ましく、例えば40〜80℃とすることができる。
フード粒に添加する前記油脂等の割合は、カロリー設計に応じて適宜調整することが可能である。
本明細書および特許請求の範囲において、「ペット」とは人に飼育されている動物をいう。より狭義の意味では、ペットは飼い主に愛玩される動物である。また、「ペットフード」とは、ペット用の飼料をいう。本実施形態にかかるペットフードを「動物用飼料」又は「動物の餌」として販売することが可能である。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。以下、「%」は「重量%」を意味する。
<ペットフードの製造>(造粒工程)
表2に示す配合率で、フード粒の原材料(肉類、穀類、ビタミン・ミネラル類、アミノ酸類、着色料及びその他原材料)を混合し、ミキサーで粉砕し、各配合A〜Eの原材料の混合物を得た。
Figure 0006472748
Figure 0006472748
得られた前記混合物をエクストルーダを用いて縦12mm、横12mm、厚み4mmのハート状のフード粒となるように造粒した。この際、80〜100℃で4分の加熱処理を施し、澱粉成分をアルファ化した。
得られたフード粒を、乾燥機を用いて約100℃で約90分の乾燥処理を行い、各配合A〜Dが原材料のドライフード粒を得た。
(油脂添加工程)
表4に、用いたフード粒原材料の配合、添加した牛脂量、添加したパーム油量、並びに牛脂及びパーム油の含浸方法を示す。
Figure 0006472748
[実施例1〜2]
牛脂(粗牛脂、四国油脂株式会社製)及びパーム油の混合物を表4に記載の分量で調整し、造粒工程で得られたフード粒に添加した(動物性油脂添加工程)。牛脂及びパーム油の混合物の含浸方法は、真空コート法を用いた。次いで、牛脂及びパーム油が含浸されたフード粒に、パーム油(精製パーム油T、不二製油株式会社製)を表4に記載の分量で添加した(植物性油脂添加工程)。パーム油の含浸は、自然含浸させた。次いで、牛脂、パーム油の順で含浸した前記フード粒に、調味料を含む外添剤を表2に記載の割合で添加し、フード粒外表面に付着させ、実施例1〜2のペットフードを得た。
[実施例3]
牛脂(粗牛脂、四国油脂株式会社製)を表4に記載の分量で、造粒工程で得られたフード粒に添加した(動物性油脂添加工程)。牛脂の含浸方法は、真空コート法を用いた。次いで、牛脂が含浸されたフード粒に、パーム油(精製パーム油T、不二製油株式会社製)を表4に記載の分量で添加した(植物性油脂添加工程)。パーム油の含浸には、自然含浸法を用いた。次いで、牛脂及びパーム油の順で含浸した前記フード粒に、調味料を含む外添剤を表2に記載の割合で添加し、フード粒外表面に付着させ、実施例3のペットフードを得た。
[比較例1]
牛脂及びパーム油の混合物の添加(動物性油脂添加工程)を行わなかった以外は、実施例1と同様に製造した。造粒工程で得られたフード粒に表4に記載の割合でパーム油を添加して自然含浸させ、比較例1のペットフードを得た。
[比較例2]
造粒工程で得られたフード粒に表4に記載の割合で牛脂及びパーム油を添加し(動物性油脂添加工程)、真空コート法により含浸させた。その後、フード粒へのパーム油の添加(植物性油脂添加工程)を行わなかった以外は実施例1と同様に製造し、比較例2のペットフードを得た。
[比較例3]
造粒工程で得られたフード粒に表4に記載の割合で牛脂を添加し(動物性油脂添加工程)、真空コート法により含浸させた。その後、フード粒へのパーム油の添加(植物性油脂添加工程)を行わなかった以外は実施例1と同様に製造し、比較例3のペットフードを得た。
<油脂量の測定>
実施例3のペットフードの油脂の含有量を、以下に説明する酸分解ジエチルエーテル抽出法で測定した。
(酸分解ジエチルエーテル抽出法)
分析試料2gを正確に量って100mlのビーカーに入れ、エタノール2mlを加え、ガラス棒で混和して試料を潤した後、28%の塩酸20mlを加えて時計皿で覆い、70〜80℃の水浴中でときどきかき混ぜながら1時間加熱した後放冷する。
先のビーカーの内容物を200mLの分液漏斗Aに入れ、ビーカーをエタノール10ml及びジエチルエーテル25mlで順次洗浄し、洗浄液を分液漏斗Aに合わせて入れる。
更にジエチルエーテル75mlを分液漏斗Aに加え、振り混ぜた後で静置する。ジエチルエーテル層(上層)をピペット等でとり、あらかじめ水20mlを入れた300mlの分液漏斗Bに加える。
分液漏斗Aにジエチルエーテル50mlを加え、同様に2回操作し、各ジエチルエーテル層をピペット等でとり、分液漏斗Bに合わせて入れる。
分液漏斗Bを振り混ぜた後で静置し、水層(下層)を捨てる。更に水20mlを分液漏斗Bに加え、同様に2回操作する。ジエチルエーテル層を、あらかじめ脱脂綿を詰め硫酸ナトリウム(無水)10g以上の適量を入れた漏斗で、脂肪ひょう量瓶又は300mlのなす形フラスコにろ過する。この脂肪ひょう量瓶又はなす形フラスコは、あらかじめ95〜100℃で乾燥し、デシケーター中で放冷した後、重さを正確に量っておいたものを使用する。
次に、脂肪ひょう量瓶を用いた場合はソックスレー抽出器を使用して、なす形フラスコを用いた場合はロータリーエバポレーターを使用して、前記ろ過したジエチルエーテルを回収する。回収したジエチルエーテルを揮散させて、95〜100℃で3時間乾燥し、デシケーター中で放冷した後、重さを正確にはかり、試料中の粗脂肪量を算出する。
上記の方法で測定した実施例3のペットフードの油脂の含有量は、17.24%であった。この結果に基づき、実施例1〜2及び比較例1〜2のペットフードに含まれる油脂含有量を推定した。結果を表3に示す。また、以下に記載する各実施例および各比較例のペットフードの油脂量についても同様に算出した。
<匂いの評価>
得られた実施例1〜3及び比較例2〜3のペットフードの動物性油脂特有の匂いに対する評価を行った。動物性油脂特有の匂いが強く感じられた場合をB、動物性油脂特有の匂いが感じられなかった場合をAとして評価した。評価結果を表4に併記する。
牛脂の添加工程の後にパーム油を添加した実施例1〜3のペットフードは、牛脂の添加工程の後にパーム油を添加しなかった比較例1〜3のペットフードと比較して、動物性油脂特有の匂いが低減されており、香りの良いペットフードであった。また特に、実施例3のペットフードは牛脂添加量が9.0重量%であり牛脂を多く含んでいたが、パーム油を添加することにより動物性油脂特有の匂いが低減されており、牛脂量が多いにも関わらず香りの良いペットフードが得られた。
<嗜好性の評価>
実施例1〜3及び比較例1〜3のペットフードの嗜好性(食いつき)を以下の方法で評価した。
市販されている従来のペットフードを入手して嗜好性比較対象のペットフードAとし、実施例1〜3及び比較例1〜3のペットフードに対する比較対象とした。実施例1〜3及び比較例1〜3に対して嗜好性比較対象のペットフードAを組み合わせた計6組のペットフードを準備した。各組について、10頭の猫をモニターとして2日間でテストした。以下は、実施例1と嗜好性比較対象のペットフードAとを組み合わせた第一組目ペットフードの評価方法の説明である。
第1日は、第一組目のペットフードのうち、一方を左から、他方を右から、猫1頭に対して20gずつ同時に給与し、猫がどちらか一方を完食した後又は1時間後に、猫が食べたペットフード量を測定した。
当該猫1頭が第1日に食べた合計のペットフードの重量のうち、実施例1のペットフードの摂食量と嗜好性比較対象のペットフードAの摂食量を百分率で求めた。モニターである10頭の猫から得られた百分率を平均して、第1日の結果とした。
第2日は、第一組目のペットフードのうち、一方を右から、他方を左から、猫1頭に対して20gずつ同時に給与し、猫がどちらか一方を完食した後又は1時間後に、猫が食べたペットフード量を測定した。
当該猫1頭が第2日に食べた合計のペットフードの重量のうち、嗜好性比較対象のペットフードAの摂食量と実施例1のペットフードの摂食量を百分率で求めた。モニターである10頭の猫から得られた百分率を平均して、第2日の結果とした。
最後に、第1日と第2日の結果を平均して、最終結果である摂食量の比(嗜好性)を求めた。この嗜好性の数値が高い程、モニターである猫が好んで摂食したことを示す。
実施例2〜3及び比較例1〜3のペットフードについても同様に評価した。
得られた比較例1のペットフードの嗜好性の数値を100として、実施例2〜3及び比較例2〜3のペットフードの嗜好性の数値を相対化した値を算出した。得られた結果を表4に併記した。
同じ配合Aの原材料から製造された比較例2と実施例1のペットフードとの比較により、牛脂とパーム油を同時に添加して製造され、表面に植物性油脂層が形成されていない比較例2のペットフードよりも、牛脂の添加後にパーム油を添加して製造され、外表面に植物性油脂層が形成された実施例1のペットフードの方が、嗜好性が高いことが明らかである。
外表面に植物性油脂層が形成された実施例1のペットフードは、比較例2のペットフードよりも動物性油脂特有の匂いが低減されており、香りの良いペットフードであった。このことから、植物性油脂層の形成による動物性油脂特有の匂いの低減が、ペットに対する嗜好性の向上に作用した可能性がある。
また、比較例2〜3と実施例1〜3とを全体で比較した場合であっても、比較例2〜3と実施例1〜3のペットフードは同量の油脂添加量であるにもかかわらず、実施例1〜3のペットフードは、比較例2〜3のペットフードよりも嗜好性の高いペットフードであった。したがって、植物性油脂層の有無が、嗜好性の向上に寄与していることが明らかである。
実施例2と実施例3との比較によれば、植物性油脂添加工程で添加され植物性油脂層となるパーム油量の添加量が4重量%であれば、十分に動物性油脂特有の匂いの低減の効果を奏することがわかる。
上記の実施例1〜3及び比較例1〜3のペットフードの結果を受けて牛脂とパーム油の比率の検討を行った。牛脂及びパーム油の添加量を合計した油脂の総添加量を一律13重量%として、牛脂とパーム油の比率を変更し、表3に示す配合率で、比較例4〜5及び実施例4〜6のペットフードを製造した。なお、実施例4〜6及び、比較例4〜5のペットフードには上記外添剤は添加しなかった。表5に、用いたフード粒原材料の配合、添加した牛脂量、添加したパーム油量、並びに牛脂及びパーム油の含浸方法を示す。
Figure 0006472748
[実施例4〜6]
造粒工程で得られたフード粒に、表5に記載の割合で牛脂を添加し、真空コート法を用いて含浸させた(動物性油脂添加工程)。次いでパーム油を添加し、真空コート法を用いて含浸させた(植物性油脂添加工程)。その他の操作は実施例1のペットフードと同様に行い、実施例4〜6のペットフードを得た。
[比較例4]
造粒工程で得られたフード粒に、表5に記載の割合で牛脂を添加し、真空コート法を用いて含浸させた。その後、フード粒へのパーム油の添加(植物性油脂添加工程)を行わなかった以外は実施例1と同様に製造し、比較例4のペットフードを得た。
[比較例5]
牛脂の添加(動物性油脂添加工程)を行わなかった以外は、実施例1と同様に製造した。造粒工程で得られたフード粒に表5に記載の割合でパーム油を添加して自然含浸させ比較例5のペットフードを得た。
得られた実施例4〜6及び比較例4のペットフードの匂いの評価は上記のとおり行った。得られた結果を表5に併記した。
<嗜好性の評価>
実施例4〜6及び比較例5のペットフードの嗜好性(食いつき)を以下の方法で評価した。実施例4〜6及び比較例5に対して比較例4を組み合わせた計4組のペットフードを準備した。各組について、10頭の猫をモニターとして2日間でテストした。以下は、実施例4に対する比較例4の組の評価方法である。
第1日は、第一組目のペットフードのうち、一方を左から、他方を右から、猫1頭に対して70gずつ同時に給与し、猫が食べた量を1時間後に測定した。
当該猫1頭が第1日に食べた合計のペットフードの重量のうち、実施例4のペットフードの摂食量と比較例4のペットフードの摂食量を百分率で求めた。モニターである10頭の猫から得られた百分率を平均して、第1日の結果とした。
第2日は、第一組目のペットフードのうち、一方を右から、他方を左から、猫1頭に対して70gずつ同時に給与し、猫が食べた量を1時間後に測定した。
当該猫1頭が第2日に食べた合計のペットフードの重量のうち、比較例4のペットフードの摂食量と実施例4のペットフードの摂食量を百分率で求めた。モニターである10頭の猫から得られた百分率を平均して、第2日の結果とした。
最後に、第1日と第2日の結果を平均して、最終結果である摂食量の比(嗜好性)を求めた。この嗜好性の数値が高い程、モニターである猫が好んで摂食したことを示す。最終結果である摂食量の比は、(比較例4のペットフードの摂食量:実施例4のペットフードの摂食量)=(数値A:数値B)として、表5に併記した。実施例5〜6及び比較例5のペットフードについても同様に評価した。
表5中の摂食量変化(g)(1日目・2日目)では、上記で説明した2日間の嗜好性の評価方法において、猫が第1日に食べた評価対象(実施例4〜6及び比較例5)のペットフード重量の平均値、及び第2日目に食べた評価対象(実施例4〜6及び比較例5)のペットフード重量の平均値を示した。
この摂食量変化の数値から、実施例4〜6のペットフードは、1日目と比較し、2日目の摂食量が維持される又は増加しており、ペットに飽きられにくい優れたペットフードであることがわかる。一方、比較例5は、比較例4に対して嗜好性は確かに優れるが、1日目に対して2日目の摂食量が減少しており、ペットに飽きられやすいペットフードであることがわかる。
実施例6の結果から、動物性油脂特有の匂いの低減の効果を得るためには、植物性油脂添加工程で添加され植物性油脂層となるパーム油量の添加量が3重量%あれば十分であることがわかる。
実施例4の結果から、動物性油脂添加工程で添加される牛脂量が3.9重量%あれば、比較例4より優れた嗜好性を有するペットフードが得られることがわかる。
また、パーム油を真空コート法により含浸させた実施例4〜6のペットフードは、パーム油を自然含浸させた実施例1〜3のペットフードと比較して、表面のべたつき感がなく、扱いやすいペットフードであった。
<食物繊維が添加されたペットフード>
ペットフード表面のべたつき感をさらに改善すべく、さらに検討を行った。表6に、用いたフード粒原材料の配合、添加した牛脂量、添加したパーム油量、並びに牛脂及びパーム油の含浸方法を示す。
Figure 0006472748
造粒工程において、表2に示した原材料の配合率でフード粒の原材料を混合し、グラインダーで破砕し、配合Eの混合物を得た。さらに、この配合Eの混合物に食物繊維(ARBOCEL RC Fine、レンテンマイヤー社製、4重量%)を加えて混合し、食物繊維入りの配合Eのフード粒の原材料の混合物を得た。
[実施例7]
得られた前記食物繊維入りの配合Eの混合物を、前記造粒工程に記載のとおりに、造粒、加熱処理及び乾燥処理を行い原材料のドライフード粒を得た。得られたフード粒に表6に記載の分量で、牛脂(粗牛脂、四国油脂株式会社製)を添加した(動物性油脂添加工程)。牛脂の含浸方法は、真空コート法を用いた。次いで、牛脂が含浸されたフード粒に、パーム油(精製パーム油T、不二製油株式会社製)を表6に記載の分量で添加した(植物性油脂添加工程)。パーム油の含浸方法は、真空コート法を用いた。次いで、牛脂、パーム油の順で含浸した前記フード粒に、調味料を含む外添剤を表2に記載の割合で添加し、フード粒外表面に付着させ、食物繊維が添加された実施例7のペットフードを得た。
[実施例8]
実施例8のペットフードは、食物繊維を添加していない配合Eの混合物を用いた以外は、実施例7のペットフードと同様に製造し、実施例8のペットフードを得た。
<匂いの評価>
得られた実施例7〜8のペットフードの匂いの評価は上記のとおり行った。
<嗜好性の評価>
得られた実施例7のペットフードの嗜好性の評価は、上記の実施例1〜3及び比較例1〜3のペットフードに対して行った評価方法と同様に、嗜好性比較対象のペットフードAに対する比較により行った。実施例8のペットフードについても同様に評価した。得られた実施例8のペットフードの嗜好性の数値を100として、実施例7のペットフードの嗜好性の数値を相対化した値を算出した。得られた結果を表6に併記した。
食物繊維が添加された実施例7のペットフードは、実施例8のペットフードと比較して、表面のべたつきが少ないペットフードであった。また、実施例7のペットフードは実施例8と同等の嗜好性を有しつつ、動物性油脂特有の匂いが低減されていた。
以上で説明した各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は各実施形態によって限定されることはなく、請求項(クレーム)の範囲によってのみ限定される。
本発明にかかるペットフードは、愛玩動物の飼料の分野に広く適用可能である。
1…ペットフード、2…コーティング層、10…植物性油脂層、20…動物性油脂層、30…コア部、4…フード粒、6…フード粒の投入容器

Claims (13)

  1. 1種類以上の動物性油脂及び1種類以上の植物性油脂を含み、コア部及び該コア部を被覆するコーティング層を有するペットフードであって、
    前記コーティング層は、
    最外層に植物性油脂層と、
    前記コア部と該植物性油脂層との間に形成された動物性油脂層と
    を含むことを特徴とするペットフード(ただし、表面にコーティングパウダー層が形成されたペットフードを除く)
  2. 前記植物性油脂が2.1重量%以上含まれる請求項1に記載のペットフード。
  3. 前記動物性油脂が5.8〜23.0重量%含まれる請求項1又は2に記載のペットフード。
  4. 前記植物性油脂及び前記動物性油脂の合計量が5.5〜24.8重量%含まれる請求項1〜3のいずれか一項に記載のペットフード。
  5. 前記植物性油脂が不乾性油である請求項1〜4のいずれか一項に記載のペットフード。
  6. 前記植物性油脂がオリーブ油、カカオ油、パーム油およびパーム核油からなる群より選択される少なくとも1つである請求項1〜5のいずれか一項に記載のペットフード。
  7. 前記植物性油脂がパーム油である請求項1〜6のいずれか一項に記載のペットフード。
  8. 前記動物性油脂が鶏油、豚脂、牛脂および乳性脂肪からなる群より選択される少なくとも1つである請求項1〜7のいずれか一項に記載のペットフード。
  9. 前記動物性油脂が牛脂である請求項1〜8のいずれか一項に記載のペットフード。
  10. 原材料の混合物を造粒する工程、造粒されたペットフードに動物性油脂を添加し該動物性油脂を含浸させる工程、該動物性油脂を添加し該動物性油脂を含浸させる工程の後に植物性油脂を添加し該植物性油脂を含浸させる工程、を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のペットフードの製造方法。
  11. 前記動物性油脂を真空コート法により含浸させる請求項10に記載のペットフードの製造方法。
  12. 前記植物性油脂を真空コート法により含浸させる請求項10又は11に記載のペットフードの製造方法。
  13. 前記原材料の混合物を造粒する工程において、食物繊維を添加する請求項10〜12のいずれか一項に記載のペットフードの製造方法。
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