JPH06217707A - 油脂被覆固形飼料およびそれに用いる油脂混合物 - Google Patents
油脂被覆固形飼料およびそれに用いる油脂混合物Info
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- JPH06217707A JPH06217707A JP50A JP3247893A JPH06217707A JP H06217707 A JPH06217707 A JP H06217707A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 3247893 A JP3247893 A JP 3247893A JP H06217707 A JPH06217707 A JP H06217707A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 動物脂、植物油及び硬化油からなり、しかも
融点が40〜50℃に調整された油脂混合物を被覆した油脂
被覆固形飼料、並びに固形飼料被覆用の該油脂混合物。 【効果】 動物脂、植物油及び硬化油からなり、しかも
融点が40〜50℃に調整された油脂混合物を用いている本
発明では、固形飼料の表面全体に該油脂混合物を均一に
斑なく被覆することができ、該油脂混合物で被覆された
本発明の油脂被覆固形飼料は表面のべとつきよる飼料凝
集・団塊化がなく流動性が良好で取扱い性に優れ、しか
も固形飼料表面からの油脂混合物の分離がないので所定
量の油脂分を確実に動物に給与することができる。その
上、本発明の油脂被覆固形飼料は動物による嗜好性が良
く、且つ必須脂肪酸であるリノール酸やリノレン酸を多
く含んでおり、栄養的にも極めて優れている。
融点が40〜50℃に調整された油脂混合物を被覆した油脂
被覆固形飼料、並びに固形飼料被覆用の該油脂混合物。 【効果】 動物脂、植物油及び硬化油からなり、しかも
融点が40〜50℃に調整された油脂混合物を用いている本
発明では、固形飼料の表面全体に該油脂混合物を均一に
斑なく被覆することができ、該油脂混合物で被覆された
本発明の油脂被覆固形飼料は表面のべとつきよる飼料凝
集・団塊化がなく流動性が良好で取扱い性に優れ、しか
も固形飼料表面からの油脂混合物の分離がないので所定
量の油脂分を確実に動物に給与することができる。その
上、本発明の油脂被覆固形飼料は動物による嗜好性が良
く、且つ必須脂肪酸であるリノール酸やリノレン酸を多
く含んでおり、栄養的にも極めて優れている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油脂で被覆した固形飼
料および該固形飼料に用いる油脂混合物に関する。詳細
には、取り扱い性が良好で、ペット等の動物による嗜好
性が良く、且つ栄養的にも優れた油脂被覆固形飼料およ
びそれに用いる油脂混合物に関する。
料および該固形飼料に用いる油脂混合物に関する。詳細
には、取り扱い性が良好で、ペット等の動物による嗜好
性が良く、且つ栄養的にも優れた油脂被覆固形飼料およ
びそれに用いる油脂混合物に関する。
【0002】
【従来の技術】動物に油脂分を補給するために、ペット
フードやその他の固形飼料の表面に油脂類を被覆するこ
とが従来から行われており、特に犬や猫などのペット類
に給与される固形ペットフードでは、牛脂などの動物脂
を1〜3%程度被覆したものが市販されている。
フードやその他の固形飼料の表面に油脂類を被覆するこ
とが従来から行われており、特に犬や猫などのペット類
に給与される固形ペットフードでは、牛脂などの動物脂
を1〜3%程度被覆したものが市販されている。
【0003】しかしながら、牛脂などの動物脂はその精
製の度合いにより融点がまちまちである場合が多い。融
点が低過ぎると、固形飼料の表面に被覆した場合に、温
度が上昇すると直ちに融解してしまうために被覆後の取
り扱い性が劣っていた。また融点が高過ぎると、固まり
易いために飼料への添加量にばらつきがでたり、均一に
被覆しにくいなどの問題があった。
製の度合いにより融点がまちまちである場合が多い。融
点が低過ぎると、固形飼料の表面に被覆した場合に、温
度が上昇すると直ちに融解してしまうために被覆後の取
り扱い性が劣っていた。また融点が高過ぎると、固まり
易いために飼料への添加量にばらつきがでたり、均一に
被覆しにくいなどの問題があった。
【0004】一方、植物油などに含まれるリノール酸や
リノレン酸などの脂肪酸は、動物の健全な発育や健康維
持などに必要であり、特にリノール酸はコレステロール
値を低下させる作用を有し動脈硬化などの予防に有効で
あることが知られている。しかし、リノール酸やリノレ
ン酸は動物の体内では生産することができないので、食
料や飼料などとして体外から摂取しなければならない必
須脂肪酸となっている。しかし、従来固形飼料の被覆に
用いられてきた牛脂などの動物脂はそのようなリノール
酸やリノレン酸成分の含有量が極めて少なく、動物脂の
みを固形飼料に被覆したのではそれらの必須脂肪酸を動
物に充分給与することが困難であった。
リノレン酸などの脂肪酸は、動物の健全な発育や健康維
持などに必要であり、特にリノール酸はコレステロール
値を低下させる作用を有し動脈硬化などの予防に有効で
あることが知られている。しかし、リノール酸やリノレ
ン酸は動物の体内では生産することができないので、食
料や飼料などとして体外から摂取しなければならない必
須脂肪酸となっている。しかし、従来固形飼料の被覆に
用いられてきた牛脂などの動物脂はそのようなリノール
酸やリノレン酸成分の含有量が極めて少なく、動物脂の
みを固形飼料に被覆したのではそれらの必須脂肪酸を動
物に充分給与することが困難であった。
【0005】
【発明の内容】上記のような状況下に、本発明者は、リ
ノール酸やリノレン酸を多く含む植物油を動物脂に混合
し、それを固形飼料の表面に被覆することを試みた。し
かしながら、動物脂と植物油とを単に混合しただけの油
脂混合物は更に融点が下がりべとついた粘着性を有する
ために、固形飼料に被覆した場合には、表面がべとつい
て、製造ラインの汚染、固形飼料同士の凝集による団塊
化、流動性の低下や給与時に手を汚染するなどの不都合
を招いており、また場合によっては油脂混合物が固形飼
料表面に安定に保持されずに飼料から分離してしまっ
て、必要量の油脂分を固形飼料と一緒に動物に給与でき
ないという欠点や油滲みなどの問題点を有していた。
ノール酸やリノレン酸を多く含む植物油を動物脂に混合
し、それを固形飼料の表面に被覆することを試みた。し
かしながら、動物脂と植物油とを単に混合しただけの油
脂混合物は更に融点が下がりべとついた粘着性を有する
ために、固形飼料に被覆した場合には、表面がべとつい
て、製造ラインの汚染、固形飼料同士の凝集による団塊
化、流動性の低下や給与時に手を汚染するなどの不都合
を招いており、また場合によっては油脂混合物が固形飼
料表面に安定に保持されずに飼料から分離してしまっ
て、必要量の油脂分を固形飼料と一緒に動物に給与でき
ないという欠点や油滲みなどの問題点を有していた。
【0006】そこで本発明者らは、上記の欠点を解決す
ることを目的として、更に検討を続けてきた。その結
果、動物脂と植物油とからなる油脂混合物に第3成分と
して硬化油を配合して、融点を40〜50℃に調整した
油脂混合物を形成し、これを固形飼料の表面に被覆する
と、表面のべとつきがなくて流動性や取り扱い性に優
れ、しかもリノール酸やリノレン酸などを含み栄養的に
も優れ、且つ動物による嗜好性の良好な固形飼料を得る
ことができることを見出して本発明を完成した。
ることを目的として、更に検討を続けてきた。その結
果、動物脂と植物油とからなる油脂混合物に第3成分と
して硬化油を配合して、融点を40〜50℃に調整した
油脂混合物を形成し、これを固形飼料の表面に被覆する
と、表面のべとつきがなくて流動性や取り扱い性に優
れ、しかもリノール酸やリノレン酸などを含み栄養的に
も優れ、且つ動物による嗜好性の良好な固形飼料を得る
ことができることを見出して本発明を完成した。
【0007】したがって、本発明は、動物脂、植物油お
よび硬化油からなり、しかも融点が40〜50℃に調整
された油脂混合物を被覆したことを特徴とする油脂被覆
固形飼料である。そして、本発明は、動物脂、植物油お
よび硬化油からなり、しかも融点が40〜50℃に調整
された固形飼料被覆用の油脂混合物である。
よび硬化油からなり、しかも融点が40〜50℃に調整
された油脂混合物を被覆したことを特徴とする油脂被覆
固形飼料である。そして、本発明は、動物脂、植物油お
よび硬化油からなり、しかも融点が40〜50℃に調整
された固形飼料被覆用の油脂混合物である。
【0008】本発明では、油脂混合物の融点が上記した
40〜50℃の範囲に調整されていることが必要であ
る。油脂混合物の融点が50℃よりも高いと、固形飼料
の表面に被覆する際に50℃以上の高温加熱が必要にな
り、しかもわずかの温度低下で固化し易くなり、固形飼
料の表面に油脂混合物を均一に被覆することが困難にな
り、更に消化性も悪くなる。一方、油脂混合物の融点が
40℃よりも低いと、油脂混合物を被覆した固形飼料の
表面がべとついて凝集による団塊化や流動性の低下など
を生じ、その上油脂混合物が固形飼料の表面に安定に被
覆保持されず飼料から分離し易くなる。油脂混合物の融
点が41〜46℃であるのが、被覆の容易性、取り扱い
性、べとつきの防止、消化性、嗜好性および固形飼料か
らの分離防止などの点から特に好ましい。
40〜50℃の範囲に調整されていることが必要であ
る。油脂混合物の融点が50℃よりも高いと、固形飼料
の表面に被覆する際に50℃以上の高温加熱が必要にな
り、しかもわずかの温度低下で固化し易くなり、固形飼
料の表面に油脂混合物を均一に被覆することが困難にな
り、更に消化性も悪くなる。一方、油脂混合物の融点が
40℃よりも低いと、油脂混合物を被覆した固形飼料の
表面がべとついて凝集による団塊化や流動性の低下など
を生じ、その上油脂混合物が固形飼料の表面に安定に被
覆保持されず飼料から分離し易くなる。油脂混合物の融
点が41〜46℃であるのが、被覆の容易性、取り扱い
性、べとつきの防止、消化性、嗜好性および固形飼料か
らの分離防止などの点から特に好ましい。
【0009】本発明の油脂混合物で使用しうる動物脂と
しては、牛脂、豚脂、羊脂、乳脂などを挙げることがで
き、特に牛脂が動物による嗜好性、入手の容易性等の点
から好ましい。動物脂は1種類のみを使用してもまたは
2種以上を併用してもよい。
しては、牛脂、豚脂、羊脂、乳脂などを挙げることがで
き、特に牛脂が動物による嗜好性、入手の容易性等の点
から好ましい。動物脂は1種類のみを使用してもまたは
2種以上を併用してもよい。
【0010】また、植物油としては、リノール酸、リノ
レン酸、オレイン酸などを含んでいるヨウ素価130以
上の乾性油およびヨウ素価100〜130の半乾性油を
使用するのがよく、具体的には大豆油、綿実油、サフラ
ワー油、トウモロコシ油、米油、落花生油、ゴマ油など
を挙げることができる。それらの植物油のうちでも大豆
油、綿実油、サフラワー油がリノール酸やリノレン酸な
どの必須脂肪酸を多く含み好ましい。植物油は1種類の
みを使用しても2種以上を併用してもよい。
レン酸、オレイン酸などを含んでいるヨウ素価130以
上の乾性油およびヨウ素価100〜130の半乾性油を
使用するのがよく、具体的には大豆油、綿実油、サフラ
ワー油、トウモロコシ油、米油、落花生油、ゴマ油など
を挙げることができる。それらの植物油のうちでも大豆
油、綿実油、サフラワー油がリノール酸やリノレン酸な
どの必須脂肪酸を多く含み好ましい。植物油は1種類の
みを使用しても2種以上を併用してもよい。
【0011】また、硬化油としては、不飽和の植物性油
脂または動物性油脂を水素添加して得られる融点約40
〜90℃の硬化油を使用することができる。具体的に
は、ヤシ油の硬化油(融点43〜45℃)、パーム核油
の硬化油(融点43〜45℃)、ニシン油の硬化油(融
点52〜55℃)、タラ肝油の硬化油(融点52〜55
℃)、鯨油(融点54〜56℃)、牛脂の硬化油(融点
78〜80℃)、パーム油の硬化油(融点56〜58
℃)、綿実油の硬化油(融点62〜63℃)、オリーブ
油の硬化油(融点68〜69℃)、落花生油の硬化油
(融点68〜69℃)、大豆油の硬化油(融点69〜7
1℃)、アマニ油の硬化油(融点69〜71℃)、ヒマ
シ油の硬化油(融点86〜90℃)などを挙げることが
できる。それらの硬化油のうちもで、牛脂および大豆油
の硬化油が、混合後の油脂性状や取り扱い易さの点から
好ましい。
脂または動物性油脂を水素添加して得られる融点約40
〜90℃の硬化油を使用することができる。具体的に
は、ヤシ油の硬化油(融点43〜45℃)、パーム核油
の硬化油(融点43〜45℃)、ニシン油の硬化油(融
点52〜55℃)、タラ肝油の硬化油(融点52〜55
℃)、鯨油(融点54〜56℃)、牛脂の硬化油(融点
78〜80℃)、パーム油の硬化油(融点56〜58
℃)、綿実油の硬化油(融点62〜63℃)、オリーブ
油の硬化油(融点68〜69℃)、落花生油の硬化油
(融点68〜69℃)、大豆油の硬化油(融点69〜7
1℃)、アマニ油の硬化油(融点69〜71℃)、ヒマ
シ油の硬化油(融点86〜90℃)などを挙げることが
できる。それらの硬化油のうちもで、牛脂および大豆油
の硬化油が、混合後の油脂性状や取り扱い易さの点から
好ましい。
【0012】油脂混合物における動物脂、植物油および
硬化油の割合は、それら3者を含む油脂混合物の融点が
40〜50℃の範囲になる限りは、各々の油脂類の種類
や融点などに応じて適宜調節することができるが、動物
による嗜好性の良さ、栄養的に優れている点、油脂混合
物の融点を40〜50℃の範囲に簡単に調節できる点、
経済性などから、重量比で、動物脂:植物油:硬化油=
75〜95:25〜5:10〜1の範囲にするのが好ま
しい。例えば、融点39℃の牛脂、大豆油および牛脂の
硬化油(融点78〜80℃)の3者を混合する場合は、
各々を1:0.1〜0.2:0.01〜0.05の重量
比で混合すると、融点40〜50℃の油脂混合物を得る
ことができる。
硬化油の割合は、それら3者を含む油脂混合物の融点が
40〜50℃の範囲になる限りは、各々の油脂類の種類
や融点などに応じて適宜調節することができるが、動物
による嗜好性の良さ、栄養的に優れている点、油脂混合
物の融点を40〜50℃の範囲に簡単に調節できる点、
経済性などから、重量比で、動物脂:植物油:硬化油=
75〜95:25〜5:10〜1の範囲にするのが好ま
しい。例えば、融点39℃の牛脂、大豆油および牛脂の
硬化油(融点78〜80℃)の3者を混合する場合は、
各々を1:0.1〜0.2:0.01〜0.05の重量
比で混合すると、融点40〜50℃の油脂混合物を得る
ことができる。
【0013】本発明の油脂混合物は、動物脂、植物油お
よび硬化油の3者のみからなっていても、またはそれら
3つの油脂類を主成分として必要に応じて調味料(塩
分、糖分、酸分、だし等の旨み成分など)、乳化剤、ビ
タミンやミネラルなどの栄養分、畜肉エキス等の嗜好性
物質などの他の成分を含有していてもよい。
よび硬化油の3者のみからなっていても、またはそれら
3つの油脂類を主成分として必要に応じて調味料(塩
分、糖分、酸分、だし等の旨み成分など)、乳化剤、ビ
タミンやミネラルなどの栄養分、畜肉エキス等の嗜好性
物質などの他の成分を含有していてもよい。
【0014】油脂混合物の調製法は特に限定されず、動
物脂、植物油および硬化油の3者を均一に混合し得る方
法であればいずれでもよい。例えば、動物脂、植物油、
硬化油および必要に応じて上記したような他の成分を混
合した後、動物脂および硬化油の融点以上に加熱し混合
して油脂混合物を調製しても、または動物脂および硬化
油の各々を予めそれらの融点以上に加熱して液状にした
後、植物油および必要に応じて他の成分と混合して油脂
混合物を調製してもよい。
物脂、植物油および硬化油の3者を均一に混合し得る方
法であればいずれでもよい。例えば、動物脂、植物油、
硬化油および必要に応じて上記したような他の成分を混
合した後、動物脂および硬化油の融点以上に加熱し混合
して油脂混合物を調製しても、または動物脂および硬化
油の各々を予めそれらの融点以上に加熱して液状にした
後、植物油および必要に応じて他の成分と混合して油脂
混合物を調製してもよい。
【0015】油脂混合物を被覆される基となる固形飼料
(以後「固形飼料ベース」という)の種類、配合組成、
形状、大きさなどは特に限定されず、それが給与される
動物の種類や年齢などに応じて適宜選択することができ
る。そのうちでも、本発明の油脂混合物は、犬や猫など
のペット類に給与される固形ペットフードベースに被覆
するのに特に適している。また、固形飼料ベースに対す
る油脂混合物の被覆量は、一般に、固形飼料ベース10
0g当たり、油脂混合物被覆量約1〜5g程度とするの
がよい。固形飼料ベース100g当たりの油脂混合物の
被覆量が1gよりも少ないと、動物に充分な油脂分を給
与することができなくなり、一方5gよりも多いと、生
産性の低下や不均一な油脂の被覆などを招き易い。
(以後「固形飼料ベース」という)の種類、配合組成、
形状、大きさなどは特に限定されず、それが給与される
動物の種類や年齢などに応じて適宜選択することができ
る。そのうちでも、本発明の油脂混合物は、犬や猫など
のペット類に給与される固形ペットフードベースに被覆
するのに特に適している。また、固形飼料ベースに対す
る油脂混合物の被覆量は、一般に、固形飼料ベース10
0g当たり、油脂混合物被覆量約1〜5g程度とするの
がよい。固形飼料ベース100g当たりの油脂混合物の
被覆量が1gよりも少ないと、動物に充分な油脂分を給
与することができなくなり、一方5gよりも多いと、生
産性の低下や不均一な油脂の被覆などを招き易い。
【0016】固形飼料ベースへの油脂混合物の被覆方法
は特に限定されず、油脂混合物を固形飼料ベースの表面
に均一に付着させうる方法であればいずれも採用でき
る。例えば、油脂混合物をその融点以上に加熱して液状
にし、それを固形飼料ベースに噴霧塗布する方法、固形
飼料ベースに液状にした油脂混合物を混合して、転動、
揺動、撹拌などの任意の手段で固形飼料ベースの表面に
油脂混合物を被覆する方法、加熱溶融した油脂混合物中
に固形飼料ベースを入れてその表面に油脂混合物の被覆
層を形成させる方法などを挙げることができる。
は特に限定されず、油脂混合物を固形飼料ベースの表面
に均一に付着させうる方法であればいずれも採用でき
る。例えば、油脂混合物をその融点以上に加熱して液状
にし、それを固形飼料ベースに噴霧塗布する方法、固形
飼料ベースに液状にした油脂混合物を混合して、転動、
揺動、撹拌などの任意の手段で固形飼料ベースの表面に
油脂混合物を被覆する方法、加熱溶融した油脂混合物中
に固形飼料ベースを入れてその表面に油脂混合物の被覆
層を形成させる方法などを挙げることができる。
【0017】油脂混合物を被覆した本発明の固形飼料
は、犬、猫、ウサギ、九官鳥などのペット類;牛や豚な
どの家畜類に給与する固形飼料であることができ、特に
ペットフードとするのが好ましい。
は、犬、猫、ウサギ、九官鳥などのペット類;牛や豚な
どの家畜類に給与する固形飼料であることができ、特に
ペットフードとするのが好ましい。
【0018】
【実施例】以下に実施例などにより本発明を具体的に説
明するが、本発明はそれにより限定されない。
明するが、本発明はそれにより限定されない。
【0019】 《参考例 1》[固形キャットフードベースの製造] トウモロコシ粉200kg、小麦粉300kg、大豆粕
150kg、肉粉100kg、魚粉100kg、米糠3
0kg、ビタミンミックス20kgおよびミネラルミッ
クス20kgをミキサーに入れてよく撹拌混合した。次
に、押出機に100kg/hrの割合で供給し、水を1
4リットル/hrおよび水蒸気を16.5kg/hrの
割合で供給し、温度143℃で棒状に押出し膨化させ、
これを切断、乾燥して、直径約6mm、長さ15mmの
ペレット状の固形キャットフードベースを製造した。
150kg、肉粉100kg、魚粉100kg、米糠3
0kg、ビタミンミックス20kgおよびミネラルミッ
クス20kgをミキサーに入れてよく撹拌混合した。次
に、押出機に100kg/hrの割合で供給し、水を1
4リットル/hrおよび水蒸気を16.5kg/hrの
割合で供給し、温度143℃で棒状に押出し膨化させ、
これを切断、乾燥して、直径約6mm、長さ15mmの
ペレット状の固形キャットフードベースを製造した。
【0020】 《実施例 1》[油脂被覆固形キャットフードの製造] (1) 牛脂(融点39℃)、大豆油および牛脂の硬化
油(融点79℃)を下記の表2に示す割合で混合した
後、85℃に加熱撹拌して油脂類を均一に混合分散さ
せ、次いで40℃に冷却して、表2に示す融点を有する
牛脂/大豆油/牛脂の硬化油の3者からなる油脂混合物
を各々調製した。
油(融点79℃)を下記の表2に示す割合で混合した
後、85℃に加熱撹拌して油脂類を均一に混合分散さ
せ、次いで40℃に冷却して、表2に示す融点を有する
牛脂/大豆油/牛脂の硬化油の3者からなる油脂混合物
を各々調製した。
【0021】(2) 上記(1)で調製した油脂混合物の
各々をその融点よりも10℃高い温度に加熱して溶融さ
せ、その溶融液200gを参考例1で製造したペレット
状固形キャットフードベース各10kgに噴霧して、キ
ャットフードベース100g当たり油脂混合物2gが被
覆された油脂被覆固形キャットフードを各々製造した。 (3) 上記(2)で製造された各油脂被覆固形キャッ
トフードにおける油脂の被覆状態を肉眼で観察して、下
記の表1に示す基準にしたがって評価すると共に、各油
脂被覆固形キャットフードを内側にロウ引きしていない
紙製袋に入れて油脂の染み出し状態を試験し下記の表1
に示す基準にしたがって評価したところ、表2に示す結
果を得た。
各々をその融点よりも10℃高い温度に加熱して溶融さ
せ、その溶融液200gを参考例1で製造したペレット
状固形キャットフードベース各10kgに噴霧して、キ
ャットフードベース100g当たり油脂混合物2gが被
覆された油脂被覆固形キャットフードを各々製造した。 (3) 上記(2)で製造された各油脂被覆固形キャッ
トフードにおける油脂の被覆状態を肉眼で観察して、下
記の表1に示す基準にしたがって評価すると共に、各油
脂被覆固形キャットフードを内側にロウ引きしていない
紙製袋に入れて油脂の染み出し状態を試験し下記の表1
に示す基準にしたがって評価したところ、表2に示す結
果を得た。
【0022】
【表1】 油脂被覆固形キャットフードにおける油脂被覆状態の評価 : ◎:油脂混合物が薄く均一に固形キャットフードの表面全体を被覆している ○:油脂混合物がほぼ均一に固形キャットフードの表面全体を被覆している ×:油脂混合物が大きな斑を生じながら不均一に固形キャットフード表面を 被覆している。 油脂被覆キャットフードの油脂の包装袋への滲出状態の評価 : ◎:袋の外側に滲み出した油のシミが袋表面積の25%未満である ○:袋の外側に滲み出した油のシミが袋表面積の25%以上75%未満である×:袋の外側に滲み出した油のシミが袋表面積の75%以上である
【0023】
【表2】 油脂被覆キャットフード 油脂混合物の配合割合 牛脂(%) 70 88 85 75 65 大豆油(%) 30 10 10 10 10 牛脂の硬化油(%) 0 2 5 15 25 合 計 (%) 100 100 100 100 100 油脂混合物の融点(℃) 35 40 45 50 55 油脂被覆キャットフード性状 油脂による被覆状態 ○ ◎ ◎ ○ × 滲出状態 × ○ ◎ ◎ ◎
【0024】表2の結果から、融点40〜50℃の範囲
の油脂混合物を用いている本発明の油脂被覆固形キャッ
トフード〜は、油脂混合物による被覆状態が均一で
良好であり、しかも袋への滲み出しが少なく取り扱い性
に優れていることがわかる。これに対して、融点が35
℃の油脂混合物を用いている油脂被覆固形キャットフー
ドは袋への滲み出しが大きく取り扱い性に劣ること、
また融点55℃の油脂混合物を用いているキャットフー
ドでは油脂混合物による被覆が均一に行われないこと
がわかる。
の油脂混合物を用いている本発明の油脂被覆固形キャッ
トフード〜は、油脂混合物による被覆状態が均一で
良好であり、しかも袋への滲み出しが少なく取り扱い性
に優れていることがわかる。これに対して、融点が35
℃の油脂混合物を用いている油脂被覆固形キャットフー
ドは袋への滲み出しが大きく取り扱い性に劣ること、
また融点55℃の油脂混合物を用いているキャットフー
ドでは油脂混合物による被覆が均一に行われないこと
がわかる。
【0025】《比較例 1》融点53℃の牛脂を80℃
に加熱溶融し、それを参考例1で製造したペレット状固
形キャットフードベース10kgに均一に噴霧して、キ
ャットフードベース100g当たり、牛脂2gが被覆さ
れた油脂(牛脂)被覆固形キャットフードを製造した。
この油脂(牛脂)被覆キャットフードにおける牛脂によ
る被覆状態を肉眼で観察し、上記の表1に記載した評価
基準に準じて評価したところ、牛脂の被覆層が大きな斑
を生じながら固形キャットフード表面を被覆しており、
均一な被覆状態が得られなかった。
に加熱溶融し、それを参考例1で製造したペレット状固
形キャットフードベース10kgに均一に噴霧して、キ
ャットフードベース100g当たり、牛脂2gが被覆さ
れた油脂(牛脂)被覆固形キャットフードを製造した。
この油脂(牛脂)被覆キャットフードにおける牛脂によ
る被覆状態を肉眼で観察し、上記の表1に記載した評価
基準に準じて評価したところ、牛脂の被覆層が大きな斑
を生じながら固形キャットフード表面を被覆しており、
均一な被覆状態が得られなかった。
【0026】
【発明の効果】融点が40〜50℃の範囲にある、動物
脂、植物油および硬化油を含む本発明の油脂混合物を用
いて固形飼料の表面を被覆した場合には、固形飼料の表
面全体に油脂混合物を均一に斑なく被覆することができ
る。そして、本発明の油脂被覆固形飼料は、表面のべと
つきよる固形飼料同士の凝集による団塊化が生じないの
で、流動性に優れ、取り扱い性が極めて良好である。し
かも固形飼料表面からの油脂混合物の分離が生じないの
で、所定量の油脂分を確実に動物に給与することができ
る。更に、動物による嗜好性が良く、しかも油脂被覆層
に植物油に由来する必須脂肪酸であるリノール酸やリノ
レン酸などを多く含んでいるので、栄養的にも極めて優
れており、動物の発育や健康状態を良好に維持すること
ができる。
脂、植物油および硬化油を含む本発明の油脂混合物を用
いて固形飼料の表面を被覆した場合には、固形飼料の表
面全体に油脂混合物を均一に斑なく被覆することができ
る。そして、本発明の油脂被覆固形飼料は、表面のべと
つきよる固形飼料同士の凝集による団塊化が生じないの
で、流動性に優れ、取り扱い性が極めて良好である。し
かも固形飼料表面からの油脂混合物の分離が生じないの
で、所定量の油脂分を確実に動物に給与することができ
る。更に、動物による嗜好性が良く、しかも油脂被覆層
に植物油に由来する必須脂肪酸であるリノール酸やリノ
レン酸などを多く含んでいるので、栄養的にも極めて優
れており、動物の発育や健康状態を良好に維持すること
ができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 動物脂、植物油および硬化油からなり、
しかも融点が40〜50℃に調整された油脂混合物を被
覆したことを特徴とする油脂被覆固形飼料。 - 【請求項2】 油脂混合物における、動物脂:植物油:
硬化油が重量比で75〜95:25〜5:10〜1であ
る請求項1の油脂被覆固形飼料。 - 【請求項3】 動物脂、植物油および硬化油からなり、
しかも融点が40〜50℃に調整された固形飼料被覆用
の油脂混合物。 - 【請求項4】 動物脂:植物油:硬化油合が重量比で7
5〜95:25〜5:10〜1である請求項4の油脂混
合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP50A JPH06217707A (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 油脂被覆固形飼料およびそれに用いる油脂混合物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP50A JPH06217707A (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 油脂被覆固形飼料およびそれに用いる油脂混合物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06217707A true JPH06217707A (ja) | 1994-08-09 |
Family
ID=12360095
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP50A Pending JPH06217707A (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 油脂被覆固形飼料およびそれに用いる油脂混合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06217707A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004500889A (ja) * | 2000-06-23 | 2004-01-15 | バスフ・アクチエンゲゼルシヤフト | 大規模な昆虫細胞培養のための経済的培地 |
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WO2011013592A1 (ja) | 2009-07-30 | 2011-02-03 | 出光興産株式会社 | コート製剤 |
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JP2020089342A (ja) * | 2018-12-07 | 2020-06-11 | ユニ・チャーム株式会社 | ペットフードの製造方法 |
CN111789186A (zh) * | 2020-06-19 | 2020-10-20 | 山西省繁峙县天河牧业有限公司 | 发酵黄芪及制备方法、饲料添加剂及制备方法和肉牛饲料 |
US11388914B2 (en) | 2015-04-28 | 2022-07-19 | Mars, Incorporated | Process of preparing a wet pet food, wet pet food produced by the process and uses thereof |
-
1993
- 1993-01-29 JP JP50A patent/JPH06217707A/ja active Pending
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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