JP6472654B2 - ホーム柵 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道等の駅ホームに設置されるホーム柵に関する。
鉄道等の駅ホームの軌道側端部に設置され、車両への乗降タイミングに合わせて開閉されるホーム柵が知られている。ホーム柵には、開閉の仕方によって幾つかのタイプが存在する。例えば、特許文献1や特許文献2には、進入を防ぐ遮断棒(阻止バー)を昇降させて開閉する昇降式のホーム柵が開示されている。
特開2014−34309号公報 国際公開第2011/024612号
特許文献1の図7に開示されている昇降装置の構成では、遮断棒(阻止バー)毎に、プーリとベルトと電動モータとを有する昇降機構を用意しなければならず製造コストが高くなりやすい。また、特許文献2の図5,6や図9,10に開示されている昇降装置の構成では、昇降機構が一層複雑化しており、この場合も製造コストが高くなりやすく、また制御が複雑化する。
また、特許文献1の図8に開示されている昇降装置の構成では、下側遮断棒についての昇降機構は残し、上側遮断棒は下側遮断棒によりすくい上げる構成が開示されている。図7の構成に比べれば製造コストの点については改善されるが、比較的低い位置で早々に2つの遮断棒の間が接触するために、思いがけず旅客の手や荷物がこれら2つの遮断棒に挟まれる可能性があり、危険である。
本発明は、上述した課題に鑑みて考案されたものであり、簡易な構造の昇降式ホーム柵を提供することを第1の目的とする。また、2つの遮断部の間に人の手や荷物が挟まることのない低コストで安全性に優れた昇降式ホーム柵を提供することを第2の目的とする。
上記課題を解決するための第1の発明は、支柱間に渡された遮断部を上下させて開閉する昇降式のホーム柵であって、
一端側が固定され、固定プーリを介して他端側が駆動プーリに導くように配置された索状体(例えば、図2のベルト21)と、
前記索状体の前記一端側と前記固定プーリとの間に吊り下げられた移動プーリ(例えば、図2の移動プーリ26)と、
前記移動プーリとともに上下に移動し、前記移動プーリよりも高い位置で前記移動プーリとともに上下移動するように構成された第1遮断部(例えば、図2の第1遮断棒11)と、
前記移動プーリ及び前記固定プーリに干渉せず、前記索状体のうち、前記移動プーリと前記固定プーリとの間の前記第1遮断部よりも下方位置となる部位に接続された第2遮断部(例えば、図2の第2遮断棒12)と、
前記駆動プーリを正逆反転駆動させることで前記移動プーリを昇降させて、前記第1遮断部と前記第2遮断部とを連動させて上下させる駆動部(例えば、図2の駆動ユニット25)と、を備えるホーム柵である。
第1の発明によれば、各種のプーリと索状体とを有して構成された滑車構造で第1遮断部と第2遮断部とを1つの駆動源で連動して昇降させることができる。よって、複数の遮断部を昇降させる昇降式のホーム柵を簡易な構造で実現することができる。
また、動滑車の原理から第2遮断部の移動量が第1遮断部との移動量より大きくなる。第1遮断部と第2遮断部とが降りた状態において高さ方向に所定の間隔が生じるように配置されているとして、両遮断部の上昇の過程に着目すると、例えば特許文献1の図8に開示された構成では、下方の遮断部が上方の遮断部を押し上げるため旅客の手や荷物を挟んでしまう恐れがある。しかし、第1の発明では、上昇開始時点では第1遮断部と第2遮断部とは十分に離隔していて上昇中に徐々に狭くなる。遮断部が一斉に動き始めれば旅客はその動作に気付く。その時、もし自分の手や持ち物が挟まれそうな位置にあれば回避行動を取ることができる。即座に回避行動ができずにいても、上下の遮断部の間隔は上昇しながら次第に狭くなるため、上下の遮断部の間に位置していた旅客の手や持ち物は、自然と遮断部から離れるであろう。よって、旅客の手や荷物を挟んでしまう恐れは極めて低くなる。
第2の発明は、上下方向の第1ガイドレールに沿って移動可能な直動部(例えば、図2の第1遮断棒連結直動部42)を更に備え、前記第1遮断部と前記移動プーリとは、前記直動部を介して連結されている、第1の発明のホーム柵である。
第2の発明によれば、昇降時の第1遮断部や移動プーリの振れを抑制しスムーズな昇降を実現できる。
第3の発明は、前記直動部が、前記索状体との対向面に上下方向の第2ガイドレールを有し、前記第2遮断部と前記索状体との固定部(例えば、図2の第2固定具44)が、前記第2ガイドレールに沿って移動可能に構成された、第1又は第2の発明のホーム柵である。
第3の発明によれば、直動部を利用して、昇降時における第2遮断部の振れを抑制しスムーズに昇降させるための構成を追加することができる。
第4の発明は、前記駆動プーリは、前記索状体の巻き取り部を兼ね、前記第1遮断部および前記第2遮断部を上昇させる際には正転されて前記索状体を巻き取り、前記第1遮断部および前記第2遮断部を降下させる際には逆転されて前記索状体を巻き戻す第1〜第3の何れかの発明のホーム柵である。
第4の発明によれば、部品点数を減らし、構造を簡素化できる。もって、ホーム柵全体の重量を軽減し、設置に伴う付帯工事(例えば、駅ホームの耐荷重を向上させる付帯工事)の軽減を図ることができる。
勿論、索状体の長さ調整は巻き取りに限らず、例えば、第5の発明として、前記索状体の終端側が、前記駆動プーリを経た後、錘(例えば、図6のバランスウェイト32)を吊るす第2の移動プーリ(例えば、図6の第2移動プーリ30)に掛けられてから固定されている、第1〜第3の何れかの発明のホーム柵を構成することができる。
第5の発明によれば、索状体を駆動プーリで巻き取る構成に比べて、駆動プーリの小型化や、その周辺構造の簡素化を図ることができる。また、動力負荷を軽減できる。よって、ホーム柵全体のコストダウンや重量の低減、点検時の作業簡素化などの効果が得られる。
また、索状体の取り回しについては、第6の発明として、前記索状体が、前記一端側の固定点(例えば、図5の始端固定部22)の上方を、前記固定プーリを介して跨ぐように折り返して前記駆動プーリに導かれることで、渦巻き状に配置された、第1〜第5の何れかの発明のホーム柵を構成することができる。
そして、第7の発明は、前記第1遮断部及び前記第2遮断部が渡された左右の支柱部のうちの一方に、前記索状体、前記移動プーリ及び前記駆動部が設けられ、他方の支柱部に、前記第1遮断部及び前記第2遮断部を個別に上下方向にスライドさせる直動機構部(例えば、図7の第3直動機構部60)が設けられた、第1〜第6の何れかの発明のホーム柵である。
第7の発明によれば、第1遮断部及び第2遮断部が渡された左右の支柱部のうちの一方の側の支持構造を簡素化して更にコストと重量を低減できる。
第1実施形態の昇降式ホーム柵をホーム側から見た外観例を示す正面図であって、(1)全閉状態、(2)全開状態を示す図。 第1実施形態の昇降式ホーム柵の右支柱部の構成例を示す図であって、全閉状態における(1)上面視内部構造図、(2)正面視内部構造図、(3)右側面視内部構造図。 第1実施形態の昇降式ホーム柵の右支柱部の構成例を示す図であって、全閉状態と全開状態との途中過程における(1)上面視内部構造図、(2)正面視内部構造図、(3)右側面視内部構造図。 第1実施形態の昇降式ホーム柵の右支柱部の構成例を示す図であって、全開状態における(1)上面視内部構造図、(2)正面視内部構造図、(3)右側面視内部構造図。 第2実施形態の昇降式ホーム柵の右支柱部の構成例を示す図であって、全閉状態における(1)上面視内部構造図、(2)正面視内部構造図、(3)右側面視内部構造図。 第3実施形態の昇降式ホーム柵の右支柱部の構成例を示す図であって、全閉状態における(1)正面視内部構造図。(2)右側面視内部構造図。 第1実施形態の昇降式ホーム柵をベースとした変形例における左支柱部の構成例を示す図であって、全閉状態における(1)上面視内部構造図、(2)正面視内部構造図。 第2実施形態の昇降式ホーム柵をベースとした変形例における右支柱部の構成例を示す図であって、全閉状態における正面視内部構造図。
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態の昇降式ホーム柵を駅ホーム側から見た外観例を示す正面図である。図1(1)は全閉状態を示し、図1(2)は全開状態を示している。
本実施形態の昇降式ホーム柵10は、遮断部(遮断材)を昇降させて開口部を全開/全閉することにより、駅ホームに入線した車両への乗り降りを許可/遮断するゲート装置である。
昇降式ホーム柵10は、遮断部として第1遮断棒11と第2遮断棒12とを採用し、第1遮断棒11と第2遮断棒12は、駅ホーム2の側縁部に沿って所定間隔をあけて立設された一対の右支柱部13及び左支柱部14との間に渡され、右支柱部13に内蔵される昇降機構により連動して昇降される。なお、遮断部は棒(バー)に限らず、ワイヤー、ロープ、ネット、シート、チェーンなどを採用するとしてもよい。また、遮断部のホーム長手方向に沿った長さ(換言すると左右の支柱間隔)は、任意に定めることができる。例えば、車両1両分の長さとしてもよいし、車両のドア開口部1つに対応する長さとしてもよい。
図2は、第1実施形態の昇降式ホーム柵の右支柱部13の構成例を示す図であって、全閉状態(旅客が昇降式ホーム柵10を通ることを禁止する状態)における(1)上面視内部構造図、(2)A−A断面における駅ホーム側から見た正面視内部構造図、(3)右側面視内部構造図である。
右支柱部13の左側面(左支柱部14への対向面)には、第1遮断棒11及び第2遮断棒12を挿通させるための挿通口131が開口しており、第1遮断棒11及び第2遮断棒12の右端が右支柱部13の内部に収容された昇降機構20の所定部位に接続されている。
本実施形態の昇降機構20は、索状体としてベルト21(例えば歯付ベルト)を採用した昇降機構である。なお、索状体はベルトに限らず、チェーン、ケーブル、ロープなどでもよい。
ベルト21は、支柱部内の軌道側内壁面(図2(1)に向かって上側)の上部に設けられた始端固定部22に一端側が固定される。そして、同じく軌道側内壁面の上部で、且つ始端固定部22より他方の支柱部(本実施形態では左支柱部14)寄りに設けられた固定プーリ23に右側から、ベルト21が掛けられる。そして、ベルト21の終端側は固定プーリ23の左から降ろされて、支柱部内下部に固定された駆動プーリ24に導かれて固定される。
駆動プーリ24は、支柱部内底部に固定された駆動ユニット25の回転軸に連結されている。駆動ユニット25は、制御基板50により駆動制御される電動モータや、減速装置、ブレーキ機構、非常用バッテリーなどを内蔵している(図示略)。駆動プーリ24はベルト21を巻き取るためのプーリを兼ねており、図2(2)に向かって反時計回りに正転させることでベルト21を引いて巻き取り、時計回りに反転させることで巻き取っていたベルト21を巻き戻す(繰り出す)ことができる。
そして、昇降機構20は、ベルト21のうち、始端固定部22と固定プーリ23との間の部位(図2(2)における上下に蛇行するように折り返されたベルト21の右から1番目の直線部分及び2番目の直線部分)に移動プーリ26を吊り下げている。
この移動プーリ26は、支柱部内ホーム側に設けられた第1直動機構40の第1遮断棒連結直動部42に設けられている。第1直動機構40は、右支柱部13の左右内壁面の上下に沿って設けられた一対の第1ガイドレール41と、当該ガイドレールに沿ってスライド自在な第1遮断棒連結直動部42とを備えて構成される。第1遮断棒連結直動部42は全体的に板状体であり、軌道側の面(以下「軌道側面」という)の所定位置に移動プーリ26が設けられている。したがって、移動プーリ26の上昇/下降に応じて、第1遮断棒連結直動部42も上昇/下降する。
また、第1遮断棒連結直動部42の軌道側面には、移動プーリ26の設置位置よりも高い位置に第1固定具43が設けられており、挿通口131を通った第1遮断棒11の右端が第1固定具43に固定される。第1固定具43は移動プーリ26よりも高い位置に設けられているため、第1遮断棒11が移動プーリ26よりも高い位置で、移動プーリ26の上昇/下降に応じて上昇/下降する。
一方、第2遮断棒12の右端は、ベルト21のうち、移動プーリ26と固定プーリ23との間に掛け渡された部位(図2(2)における折り返されたベルト21の右から2番目の直線部分)の移動プーリ寄りの位置で、第1遮断棒11(第1固定具43)よりも下方位置に設けられた第2固定具44に連結されている。第2固定具44は、ベルト21を挟持・固定しており、第2固定具44の昇降移動に伴って第2遮断棒12も昇降移動する。また、第1遮断棒連結直動部42の軌道側面には第2ガイドレール45が設けられている。第2固定具44は、第2ガイドレール45と係合して上下に直動する。第2固定具44と第2ガイドレール45とで第2直動機構46を構成する。
なお、左支柱部14は、右支柱部13と左右対称の構成を有しているため説明は省略する。但し、右支柱部13の制御基板50で左支柱部14の駆動ユニット25も同時制御するため、左支柱部14では制御基板50を省略した構成となる。勿論、左支柱部14も制御基板50を有する構成としてもよい。
次に、本実施形態の昇降式ホーム柵10の動作について説明する。
駅ホーム2に車両が入線していない場合には、昇降式ホーム柵10は図2に示す全閉状態にある。第1遮断棒11と第2遮断棒12はそれぞれ低位置にあって、駅ホーム2上の旅客が軌道側に侵入することを防止する。駆動ユニット25に内蔵されたブレーキにより駆動プーリ24は動かないようになっている。従って、仮に旅客が第1遮断棒11や第2遮断棒12を上に持ち上げようとしても動かない。
駅ホーム2に車両が入線すると、昇降式ホーム柵10の制御基板50には、当該車両のドアが開けられるのに合わせてホーム柵を開けるよう指示する信号が外部から送信(入力)される。当該信号を受信すると、制御基板50は駆動ユニット25のブレーキを解除して、駆動プーリ24を正転(図2(2)における反時計回り)させるように駆動ユニット25を動作制御する。
図3は、全閉状態から全開状態の途中過程における右支柱部13の(1)上面視内部構造図、(2)B−B断面における駅ホーム側から見た正面視内部構造図、(3)右側面視内部構造図である。
駆動プーリ24が正転されると、ベルト21は駆動プーリ24に巻き取られ、ベルト21のうち始端固定部22と固定プーリ23の間の部位が短くなる。結果的に、移動プーリ26及び第1遮断棒連結直動部42を介して連結された第1遮断棒11は上方へ移動する。そして、移動プーリ26と固定プーリ23との間の部位に固定された第2遮断棒12も上方へ移動することとなる。
ここで、第1遮断棒11と第2遮断棒12とのそれぞれの移動量L1,L2(速度と読み替えてもよい)に着目すると、第2遮断棒12の移動量L2はベルト21の巻き取り量と同じになる。一方、第1遮断棒11の移動量L1は動滑車の原理に従って、ベルト21の巻き取り量の半分となる。つまり、第1遮断棒11と第2遮断棒12とは、連動して上昇を開始し、且つ第2遮断棒12は第1遮断棒11の2倍速で上昇する。
上昇の過程に着目すると、上昇開始時点では第1遮断棒11と第2遮断棒12とは十分に離隔していて、その間隔は第1遮断棒11及び第2遮断棒12が上昇しながら徐々に狭くなっていく。第1遮断棒11及び第2遮断棒12が一斉に上昇し始めることから、旅客はその動作を即座に認知することができる。また、一斉に上昇することから、第1遮断棒11と第2遮断棒12の間隔が最小となるのは、全閉状態における第1遮断棒11の位置よりもずっと高い位置である。したがって、第1遮断棒11と第2遮断棒12の間に位置し得た旅客の手や持ち物は、自然と遮断棒から離れるであろう。よって、旅客の手や持ち物を挟んでしまう恐れは極めて低くなる。
図4は、全開状態における右支柱部13の(1)上面視内部構造図、(2)C−C断面における駅ホーム側から見た正面視内部構造図、(3)右側面視内部構造図である。
全開状態になると、第1遮断棒11と第2遮断棒12は最も高い位置に至り、左右の支柱間には開口部が大きく開き、旅客は頭を下げることなく第1遮断棒11と第2遮断棒12との下をくぐることができるようになる。すると、制御基板50は駆動ユニット25を停止させてブレーキを作動させる。なお、全開状態の検知は、第1遮断棒11や第2遮断棒12の位置(例えば全開/全閉状態の位置に達したこと)を検知したり、移動プーリ26の位置を検知したり、駆動プーリ24の回転角を検知するといったことで実現可能であり、検知方法に応じたセンサーを適宜配置するとよい。
全開状態から全閉状態に戻す場合には、制御基板50は駆動プーリ24を逆転(図4(2)における時計回り)に回転させるように駆動ユニット25を作動させればよい。
以上、本実施形態によれば、2本の遮断棒を1つの駆動ユニット25を用いた簡単な構成で昇降させることができる。そして、遮断棒を上げる際に、旅客の手や手荷物等が挟まれる危険性を大幅に低減させることができる。また、昇降機構20はベルト21を用いた構成であり、モータは駆動プーリ24を回転させるモータ1台で済むため、重量を軽量化し、シンプルな制御構成とすることができる。また、昇降式ホーム柵10全体の重量が軽減することで、設置に伴う付帯工事(例えば、駅ホームの補強工事)を低減させることが可能になる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与する。そして、以降では重複する説明を省略し、第1実施形態との差異について主に述べることとする。
図5は、第2実施形態の昇降式ホーム柵の右支柱部13の構成例を示す図であって、全閉状態における(1)上面視内部構造図、(2)D−D断面における駅ホーム側から見た正面視内部構造図、(3)右側面視内部構造図である。なお、左支柱部14は、右支柱部13と左右対称の構成を有しているため説明は省略する。但し、右支柱部13の制御基板50で左支柱部14の駆動ユニット25も同時制御するため、左支柱部14では制御基板50を省略した構成となる。勿論、左支柱部14も制御基板50を有する構成としてもよい。
本実施形態の昇降式ホーム柵10Bは、第1実施形態と比べるとベルト21の取り回し方が異なる。
具体的には、本実施形態の昇降機構20Bでは、移動プーリ26から固定プーリ23へ至るベルト21は、当該固定プーリ23の左方から架かり、始端固定部22よりも右方に設けられた第2固定プーリ27へ渡される。つまり、始端固定部22の上方を左から右に跨ぐように導かれる。そして、第2固定プーリ27に架けられたベルト21は、第2固定プーリ27の右方か垂らされて駆動プーリ24に繋げられる。正面からみれば、ベルト21は渦巻き状に配置されているように見えるであろう。
当該構成によれば、ベルト21の取り回しが第2遮断棒12に干渉しなくなるため、支柱のホーム・軌道方向の厚さ(図5(1)参照)を第1実施形態(図2(1)参照)よりも薄くすることができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明を適用した第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態や第2実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与する。そして、以降では重複する説明を省略し、第1実施形態との差異について主に述べることとする。
図6は、第3実施形態の昇降式ホーム柵の右支柱部13の構成例を示す図であって、全閉状態における(1)駅ホーム側から見た正面視内部構造図、(2)右側面視内部構造図である。なお、左支柱部14は、右支柱部13と左右対称の構成を有しているため説明は省略する。但し、右支柱部13の制御基板50で左支柱部14の駆動ユニット25も同時制御するため、左支柱部14では制御基板50を省略した構成となる。勿論、左支柱部14も制御基板50を有する構成としてもよい。
本実施形態の昇降式ホーム柵10Cは、ベルト21の長さ調整を巻き取りでは行わず、終端部のバランスウェイト32の昇降により調整する。
具体的には、本実施形態の昇降機構20Cでは、ベルト21の終端側は、駆動プーリ24から第3固定プーリ28を経て支柱部内上方に向かい、始端固定部22よりも右側の支柱部内上部に設けられた第4固定プーリ29に左から掛けられる。そして、第4固定プーリ29の右から降りて第2移動プーリ30を吊り下げて、再び上方に向かい、支柱部内上部最右に設けられた終端固定部31にて固定される。そして、第2移動プーリ30にはバランスウェイト32が吊り下げられている。
第1遮断棒11及び第2遮断棒12を上げるためには、第1、第2実施形態と同様、駆動プーリ24を正回転(図6における反時計回り)に駆動させればよい。その場合、ベルト21を駆動プーリ24で引き込んだ分は、バランスウェイト32が降下して、第4固定プーリ29から終端固定部31までのベルト21の部位の長さが増すことで吸収される。
第1実施形態や第2実施形態のようにベルト21を駆動プーリ24で巻き取りする構成に比べれば、駆動プーリ24の径も小さくできるし、周辺構造も簡素化できる。巻き取り抵抗分の動力負荷も低減できるので、駆動ユニット25を小型化したり省電力化できる。よって、ホーム柵全体のコストダウンや重量の低減、点検時の作業簡素化などの効果が得られる。
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上記例に限らず適宜構成要素の追加・変更・省略が可能である。
例えば、上記実施形態では昇降機構20,20B,20Cを左右の支柱部それぞれに設ける構成としたが、何れか他方を省略する構成も可能である。
より具体的には、図7は、第1実施形態の昇降式ホーム柵をベースとした変形例における左支柱部14の構成例を示す図であって、全閉状態における(1)上面視内部構造図、(2)駅ホーム側から見た正面視内部構造図である。
左支柱部14の右側面には、昇降機構20は内蔵されていない。代わりに、第1遮断棒11及び第2遮断棒12を挿通させるための挿通口141が開口しており、第1遮断棒11及び第2遮断棒12の左端が左支柱部14の内部に収容された第3直動機構60に接続・固定されている。第3直動機構60は、左支柱部14のホーム側と軌道側の各内壁面の上下に沿って設けられた一対の第3ガイドレール61と、当該ガイドレールに沿ってスライド自在な上方直動部62及び下方直動部63とを有して構成される。そして、第1遮断棒11の左端は上方直動部62に固定され、第2遮断棒12の左端は下方直動部63に固定されており、第1遮断棒11及び第2遮断棒12の各右端が昇降機構20(図2参照)により昇降されると、従動するように各遮断棒の左端がスムーズにスライドする。
また、昇降機構20,20B,20Cにも適宜テンションローラーやベルトガイドなども追加することができる。
また、第3実施形態で示したバランスウェイト32を用いたベルト21の長さ調整の構成は、図8の昇降式ホーム柵10Dにて示すように、昇降機構20Dに第2実施形態の構成をそのまま適用することができる。
2・・・駅ホーム
10,10B,10C,10D・・・昇降式ホーム柵
11・・・第1遮断棒
12・・・第2遮断棒
13・・・右支柱部
14・・・左支柱部
20,20B,20C,20D・・・昇降機構
21・・・ベルト
22・・・始端固定部
23・・・固定プーリ
24・・・駆動プーリ
25・・・駆動ユニット
26・・・移動プーリ
27・・・第2固定プーリ
28・・・第3固定プーリ
29・・・第4固定プーリ
30・・・第2移動プーリ
31・・・終端固定部
32・・・バランスウェイト
40・・・第1直動機構
41・・・第1ガイドレール
42・・・第1遮断棒連結直動部
43・・・第1固定具
44・・・第2固定具
45・・・第2ガイドレール
46・・・第2直動機構
50・・・制御基板
60・・・第3直動機構
61・・・第3ガイドレール
62・・・上方直動部
63・・・下方直動部
131・・・挿通口
141・・・挿通口

Claims (7)

  1. 支柱間に渡された遮断部を上下させて開閉する昇降式のホーム柵であって、
    一端側が固定され、固定プーリを介して他端側が駆動プーリに導くように配置された索状体と、
    前記索状体の前記一端側と前記固定プーリとの間に吊り下げられ、前記固定プーリより低い位置で上下移動する移動プーリと、
    記移動プーリよりも高い位置で前記移動プーリとともに上下移動するように構成された第1遮断部と、
    前記移動プーリ及び前記固定プーリに干渉せず、前記索状体のうち、前記移動プーリと前記固定プーリとの間の前記第1遮断部よりも下方位置となる部位であって前記固定プーリより低く前記移動プーリより高い位置で上下移動する部位に接続された第2遮断部と、
    前記駆動プーリを正逆反転駆動させることで前記移動プーリを昇降させて、前記第1遮断部と前記第2遮断部とを連動させて上下させる駆動部と、
    を備えるホーム柵。
  2. 上下方向の第1ガイドレールに沿って移動可能な直動部を更に備え、
    前記第1遮断部と前記移動プーリとは、前記直動部を介して連結されている、
    請求項1に記載のホーム柵。
  3. 前記直動部は、前記索状体との対向面に上下方向の第2ガイドレールを有し、
    前記第2遮断部と前記索状体との固定部が、前記第2ガイドレールに沿って移動可能に構成された、
    請求項に記載のホーム柵。
  4. 前記駆動プーリは、前記索状体の巻き取り部を兼ね、前記第1遮断部および前記第2遮断部を上昇させる際には正転されて前記索状体を巻き取り、前記第1遮断部および前記第2遮断部を降下させる際には逆転されて前記索状体を巻き戻す、
    請求項1〜3の何れか一項に記載のホーム柵。
  5. 前記索状体の終端側は、前記駆動プーリを経た後、錘を吊るす第2の移動プーリに掛けられてから固定されている、
    請求項1〜3の何れか一項に記載のホーム柵。
  6. 前記索状体は、前記一端側の固定点の上方を、前記固定プーリを介して跨ぐように折り返して前記駆動プーリに導かれることで、渦巻き状に配置された、
    請求項1〜5の何れか一項に記載のホーム柵。
  7. 前記第1遮断部及び前記第2遮断部が渡された左右の支柱部のうちの一方に、前記索状体、前記移動プーリ及び前記駆動部が設けられ、他方の支柱部に、前記第1遮断部及び前記第2遮断部を個別に上下方向にスライドさせる直動機構部が設けられた、
    請求項1〜6の何れか一項に記載のホーム柵。
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