JP6471994B2 - 構造物用制振ダンパー - Google Patents

構造物用制振ダンパー Download PDF

Info

Publication number
JP6471994B2
JP6471994B2 JP2014219982A JP2014219982A JP6471994B2 JP 6471994 B2 JP6471994 B2 JP 6471994B2 JP 2014219982 A JP2014219982 A JP 2014219982A JP 2014219982 A JP2014219982 A JP 2014219982A JP 6471994 B2 JP6471994 B2 JP 6471994B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seismic energy
tin
lead
elastic
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014219982A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016084920A (ja
Inventor
山口 修由
修由 山口
合田 裕一
裕一 合田
田中 健司
健司 田中
貴宏 小泉
貴宏 小泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BBM Co Ltd
Original Assignee
BBM Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BBM Co Ltd filed Critical BBM Co Ltd
Priority to JP2014219982A priority Critical patent/JP6471994B2/ja
Publication of JP2016084920A publication Critical patent/JP2016084920A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6471994B2 publication Critical patent/JP6471994B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vibration Dampers (AREA)
  • Bridges Or Land Bridges (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Springs (AREA)

Description

本発明は、建築物や橋梁等の構造物の地震時の振動を抑制する構造物用制振ダンパーに関する。
構造物用制振ダンパーとしてオイルダンパー、エアーダンパーや粘弾性ダンパー、弾性ゴムダンパーが知られている。
特許第2541073号公報 特許第2566833号公報
オイルダンパーやエアーダンパーは、温度依存性がなく、高速時のエネルギー吸収性に優れ、繰り返しの変形に強いという利点を有するが、低速時の性能が低く、密閉性が必要で、液漏れが発生しやすいという問題がある。また、オイルダンパーやエアーダンパーは,シリンダー内部を密閉するために,シリンダー先端の蓋に設けた穴の内周部とロッド外周部の間で,シール材等を用いて密閉しまた滑動可能としている。ダンパーの外部に露出したピストンロッドの外周部には,外気によって錆びが生じやすい。ロッドの外周部表面に錆びによって凸凹が生じた場合には,密閉および滑動の役割を担うシール材が,ロッド外周部の凸凹によって容易に削られて破損する。その結果,ダンパーの密閉性が失われる。この障害を取り除くために,従来のダンパーではロッド外周部の錆を,定期的に除去するメンテナンスが必要となるという問題を有する。
粘弾性ダンパー等の弾性体の変形による振動吸収機能を有する制振ダンパーは、構造が簡単でメンテナンスも容易であるという利点を有する。 弾塑性ゴムの弾塑性変形によるダンパーは、ゴムの組成を変えることにより性能を変化することができ、繰り返し変形に強いという利点を有する。
しかしながら、弾性ゴムによるエネルギー吸収効率を向上するためには、筒状部材の長さを長くすると共に、筒状部材の内壁に固定される弾塑性ゴムの長さも長くする必要がある。長さの長い弾塑性ゴムを筒状部材の内壁に固着するために加硫接着が実施されるが弾性ゴムと筒状部材との接着性にばらつきが生じるという問題が発生する。また、異なるバリエーションのダンパーを製造する場合、それぞれのサイズに応じた金型が必要になるという問題を有する。
本発明は、従来技術の持つ問題を解決する、構造が簡単で、専用金型で製造が可能で、弾塑性ゴム、鉛又は錫の筒状部材への加硫接着、圧入が容易で、必要とする地震エネルギー吸収性能を有する制振ダンパーを製造することが可能な構造物用制振ダンパーを提供することを目的とする。
本発明の構造物用制振ダンパーは、前記課題を解決するために、地震時に相対変位する一方の構造体に固定される筒状部材と、他方の構造体に固定され、前記筒状部材の開口から内部に伸び、前記筒状部材との間で相対変位可能に配置されロッド部材と、を備え、前記筒状部材を複数の単位筒状体で構成し、前記単位筒状体毎にその内壁に前記ロッド部材を挿通する穴を形成したリング状の弾塑性ゴム、鉛又は錫、弾塑性ゴムと鉛又は錫からなる地震エネルギー吸収材の内の少なくとも1つの外周部を固定し、前記単位筒状体に配置された前記リング状の地震エネルギー吸収材の内壁に前記ロッド部材が挿通可能で、地震時の相対変位を地震エネルギー吸収材に伝達する中空パイプを配置し、前記ロッド部材に雄ねじを形成し、前記ロッド部材の両端に前記中空パイプの端面に接する押圧板を介してナットを螺着し、前記筒状部材の両端に位置する単位筒状体の中空パイプの端面を前記押圧板により圧接して複数の単位筒状体を一体化し、前記筒状部材と前記ロッド部材の地震時の相対変位を前記地震エネルギー吸収材に作用させて地震エネルギーを吸収することを特徴とする。
また、本発明の構造物用制振ダンパーは、前記筒状部材の両端に位置する単位筒状体の端面と接する穴あきプレートを配置し、前記穴あきプレートに形成した複数の孔にタイロッドを挿入し前記タイロッドの両端にナットを螺着して締め上げることにより複数の単位筒状体を一体化し、前記筒状部材と前記ロッド部材の地震時の相対変位を前記地震エネルギー吸収材に作用させて地震エネルギーを吸収することを特徴とする。
また、本発明の構造物用制振ダンパーは、前記筒状部材の外周に両端に雄ねじを形成した連結パイプを嵌挿し、前記連結パイプを前記筒状部材の両弾塑性ゴムを有する地震エネルギー吸収材において端に配した連結リングを螺着又はかしめることにより前記複数の単位筒状体を一体化し、前記筒状部材と前記ロッド部材の地震時の相対変位を前記地震エネルギー吸収材に作用させて地震エネルギーを吸収することを特徴とする。
また、本発明の構造物用制振ダンパーは、請求項2に記載の穴あきプレートの一方、又は請求項3に記載の連結リングの一方に一端が閉じ流体が封入されたシリンダー部材を連結し、前記シリンダー部材に位置する前記ロッド部材に小孔を形成した弁体を配置することを特徴とする。
また、本発明の構造物用制振ダンパーは、前記単位筒状体に配置される弾塑性ゴムを有する地震エネルギー吸収材において弾塑性ゴムの硬度を必要に応じて異なるように設定することを特徴とする。
また、本発明の構造物用制振ダンパーは、前記単位筒状体に配置される弾塑性ゴムを有する地震エネルギー吸収材において弾塑性ゴムの硬度を必要に応じて異なるように設定することを特徴とする。
また、本発明の構造物用制振ダンパーは、前記単位筒状体に配置される弾塑性ゴムを有する地震エネルギー吸収材において弾塑性ゴムを仕切りパイプを介して多層積層構造とすることを特徴とする。
また、本発明の構造物用制振ダンパーは、前記単位筒状体に配置される鉛又は錫を有する地震エネルギー吸収材において、前記鉛又は錫を前記単位筒状体の内壁に形成した環状溝、前記中空パイプの外壁に形成した環状溝の少なくともいずれかに圧入して配置することを特徴とする。
また、本発明の構造物用制振ダンパーは、前記単位筒状体に配置される鉛又は錫を有する地震エネルギー吸収材において、前記鉛又は錫をリング状として前記中空パイプに嵌挿し、前記リング状の鉛又は錫の相対変位方向の両側に接する変位伝達プレートを前記中空パイプに固定して配置し、残りの空隙に弾塑性ゴムを加硫接着により配置することを特徴とする。
また、本発明の構造物用制振ダンパーは、前記変位伝達プレートを応力による変形度が前記鉛又は錫と同程度の金属又は樹脂で形成することを特徴とする。
地震時に相対変位する一方の構造体に固定される筒状部材と、他方の構造体に固定され、前記筒状部材の開口から内部に伸び、前記筒状部材との間で相対変位可能に配置されロッド部材と、を備え、前記筒状部材を複数の単位筒状体で構成し、前記単位筒状体毎にその内壁に前記ロッド部材を挿通する穴を形成したリング状の弾塑性ゴム、鉛又は錫、弾塑性ゴムと鉛又は錫からなる地震エネルギー吸収材の内の少なくとも1つの外周部を固定し、前記単位筒状体に配置された前記リング状の地震エネルギー吸収材の内壁に前記ロッド部材が挿通可能で、地震時の相対変位を地震エネルギー吸収材に伝達する中空パイプを配置し、前記ロッド部材に雄ねじを形成し、前記ロッド部材の両端に前記中空パイプの端面に接する押圧板を介してナットを螺着し、前記筒状部材の両端に位置する単位筒状体の中空パイプの端面を前記押圧板により圧接して複数の単位筒状体を一体化し、前記筒状部材と前記ロッド部材の地震時の相対変位を前記地震エネルギー吸収材に作用させて地震エネルギーを吸収することで、長さの短い単位筒状体を専用金型で製作することができ安価で品質のばらつきの少ないダンパーを製造することが可能となる。また、短い単位筒状体への地震エネルギー吸収材の配置が長い筒状部材に比較し極めて容易とすることが可能となる。地震エネルギー吸収材を配置した単位筒状体がユニット化されているので必要に応じたバリエーションのダンパーを安価に且つ容易に製作することが可能となり、強固に複数の単位筒状体を一体化することが可能となる。
前記筒状部材の両端に位置する単位筒状体の端面と接する穴あきプレートを配置し、前記穴あきプレートに形成した複数の孔にタイロッドを挿入し前記タイロッドの両端にナットを螺着して締め上げることにより複数の単位筒状体を一体化し、前記筒状部材と前記ロッド部材の地震時の相対変位を前記地震エネルギー吸収材に作用させて地震エネルギーを吸収することで、より強固に複数の単位筒状体を一体化することが可能となる。
前記筒状部材の外周に両端に雄ねじを形成した連結パイプを嵌挿し、前記連結パイプを前記筒状部材の両弾塑性ゴムを有する地震エネルギー吸収材において端に配した連結リングを螺着又はかしめることにより前記複数の単位筒状体を一体化し、前記筒状部材と前記ロッド部材の地震時の相対変位を前記地震エネルギー吸収材に作用させて地震エネルギーを吸収することで、より強固に複数の単位筒状体を一体化することが可能となる。
請求項2に記載の穴あきプレートの一方、又は請求項3に記載の連結リングの一方に一端が閉じ流体が封入されたシリンダー部材を連結し、前記シリンダー部材に位置する前記ロッド部材に小孔を形成した弁体を配置することで、温度依存性がなく、高速時のエネルギー吸収性に優れ、繰り返しの変形に強いという利点を有する流体圧ダンパーを容易に組み合わせることが可能となり、地震時の衝撃緩和の機能を果たすことが可能となる。
前記単位筒状体に配置される弾塑性ゴムを有する地震エネルギー吸収材において弾塑性ゴムの硬度を必要に応じて異なるように設定することで、多層の弾性ゴムのそれぞれの変形形状を同一に近づけ、且つ、中空パイプと弾塑性ゴムとの加硫接着部の剥離を防止することが可能となる。
前記単位筒状体に配置される弾塑性ゴムを有する地震エネルギー吸収材において弾塑性ゴムを仕切りパイプを介して多層積層構造とすることで、大きな変位による弾塑性ゴムのひずみ量を低減することが可能となる。
前記単位筒状体に配置される鉛又は錫を有する地震エネルギー吸収材において、前記鉛又は錫をリング状として前記中空パイプに嵌挿し、前記リング状の鉛又は錫の相対変位方向の両側に接する変位伝達プレートを前記中空パイプに固定して配置し、残りの空隙に弾塑性ゴムを加硫接着により配置することで、単位筒状体の長さが短いので鉛又は錫の環状溝へのプレスによる圧入が容易で、鉛又は錫の固着を確実にすることが可能となる。
前記変位伝達プレートを応力による変形度が前記鉛又は錫と同程度の金属又は樹脂で形成することで、鉛又は錫の繰り返し変形による変形形状をほぼ同一とすることで安定した地震エネルギー吸収性能を維持することが可能となる。
本発明の実施形態を示す図である。 (a)(b)本発明の実施形態を示す図である。 (a)(b)本発明の実施形態を示す図である。 本発明の実施形態を示す図である。 本発明の実施形態を示す図である。 (a)(b)(c)本発明の実施形態を示す図である。 (a)(b)本発明の実施形態を示す図である。 (a)(b)本発明の実施形態を示す図である。 (a)(b)本発明の実施形態を示す図である。 (a)(b)本発明の実施形態を示す図である。 本発明の実施形態を示す図である。
本発明の構造物用制振ダンパーの実施の形態を図により説明する。図1は、構造物用制振ダンパーの一実施形態を示す図である。
構造物用制振ダンパー1は、建築物や橋梁等の構造物の一方の構造体に連結される筒状部材2と、他方の構造体に連結するロッド部材3を備えている。ロッド部材3は、筒状部材2の開口からその内部に伸び、筒状部材2に対して相対変位可能に配置される。
筒状部材2は、複数の単位筒状体4を連結して構成される。単位筒状体4は断面円形で同一径、同一長さの部材として形成されるため専用金型で成形が可能であるため安価に製造することが可能である。
図2(a)(b)は、単位筒状体4の内部に地震エネルギー吸収材としてのリング状の弾性ゴム5を配置した実施形態を示す図である。単位筒状体4にリング状の弾塑性ゴム5とリング状の弾性ゴム5の内側に中空パイプ6を挿入し、加硫接着により単位筒状体4、弾塑性ゴム5、中空パイプ6を一体化する。中空パイプ6は、地震による相対変位を地震エネルギー吸収材に伝達する機能と、地震エネルギー吸収材の地震による内側への変形を抑制する機能と、ロッド部材3の相対変位を確保する機能を有する。
弾塑性ゴム5の硬度を他の地震エネルギー吸収材を配置した単位筒状体4との組み合わせに応じて異なるように設定しても良い。弾塑性ゴム5として高減衰性ゴムを用いると地震エネルギーの吸収効率が向上する。地震時の変位は中空パイプ6を介して弾塑性ゴム5に伝達され、弾塑性ゴム5が弾塑性変形して地震エネルギーを吸収する。
図3(a)(b)は、単位筒状体4の内部にエネルギー吸収材としてのリング状の鉛又
は錫7を配置した実施形態を示す図である。単位筒状体4にリング状の鉛又は錫7を配置する場合、単位筒状体4の両端に半径方向の内側に伸びるフランジ部4aを形成し、鉛又は錫7を囲む容器構造とする。リング状の鉛又は錫7の内周に接する中空パイプ6の外周には、リング状の鉛又は錫7の相対変位方向の両端面に接する半径方向の外側に伸びるリング状の変位伝達プレート6aが固定される。変位伝達プレート6aの中空パイプ6への固定は、溶接又は中空パイプ6に形成した環状溝への嵌合等の手段による。地震時の変位は中空パイプ6に固定された変位伝達プレート6aから鉛又は錫7に伝達され、鉛又は錫7がせん断変形して地震エネルギーを吸収する。変位伝達プレート6aの応力による変形度が鉛又は錫と同程度の金属又は樹脂で形成することで、鉛又は錫の繰り返し変形による変形形状をほぼ同一とし安定した地震エネルギー吸収性能を維持することが可能となる。
図4は、単位筒状体4の内部に地震エネルギー吸収材としてのリング状の弾塑性ゴム5とリング状の鉛又は錫7を配置した実施形態を示す図である。リング状の鉛又は錫7は、単位筒状体4の内壁に形成した環状溝4bに圧入して配置され、弾塑性ゴム5は加硫接着により配置される。リング状の弾塑性ゴム5とリング状の鉛又は錫7の内側には中空パイプ6が配置される。リング状の鉛又は錫7の内周に接する中空パイプ6の外周には、リング状の鉛又は錫7の相対変位方向の両端面に接する半径方向の外側に伸びるリング状の変位伝達プレート6aが固定される。変位伝達プレート6aの中空パイプ6への固定は、溶接又は中空パイプ6に形成した環状溝への嵌合等の手段による。地震時の変位は中空パイプ6に固定された変位伝達プレート6aから鉛又は錫7に伝達され、鉛又は錫7がせん断変形して地震エネルギーを吸収する。変位伝達プレート6aの応力による変形度が鉛又は錫と同程度の金属又は樹脂で形成することで、鉛又は錫の繰り返し変形による変形形状をほぼ同一とし安定した地震エネルギー吸収性能を維持することが可能となる。
図5は、単位筒状体4の内部にエネルギー吸収材としてのリング状の弾塑性ゴム5とリング状の鉛又は錫7を配置した他の実施形態を示す図である。この実施形態では、リング状の鉛又は錫7は、中空パイプ6の外壁に形成した環状溝6bに圧入して配置され、弾塑性ゴム5は単位筒状体4の内壁と中空パイプ6の外壁に加硫接着して配置される。地震時の相対変位は、中空パイプ6を介して中空パイプ6と加硫接着された弾塑性ゴム5と中空パイプ6の外壁に形成した環状溝6bに圧入された鉛又は錫7に伝達され、地震エネルギーを吸収する。鉛又は錫7を単位筒状体4の内壁に形成した環状溝4bと中空パイプ6の外壁に形成した環状溝6bの両方に圧入して配置しても良い。地震時の変位は中空パイプ6の外壁に形成した環状溝6bを介して鉛又は錫7に伝達され、鉛又は錫7がせん断変形して地震エネルギーを吸収する。
図6(a)(b)(c)は、単位筒状体4の内部にエネルギー吸収材としての弾塑性ゴム5と鉛又は錫7を配置した別の実施形態を示す図である。この実施形態では、リング状の鉛又は錫7は、中空パイプ6の外周に接し、単位筒状体4の内壁と接しないように嵌挿される。リング状の鉛又は錫7の内周に接する中空パイプ6の外周には、リング状の鉛又は錫7の相対変位方向の両端面に接する半径方向の外側に伸びるリング状の変位伝達プレート6aが固定される。変位伝達プレート6aの中空パイプ6への固定は、溶接又は中空パイプ6に形成した環状溝への嵌合等の手段による。地震時の変位は中空パイプ6に固定された変位伝達プレート6aから鉛又は錫7に伝達され、鉛又は錫7がせん断変形して地震エネルギーを吸収する。図6(c)に示すように、変位伝達プレート6aの応力による変形度が鉛又は錫と同程度の金属又は樹脂で形成することで、鉛又は錫の繰り返し変形による変形形状をほぼ同一とし安定した地震エネルギー吸収性能を維持することが可能となる。
図7(a)(b)は、単位筒状体4の内部に地震エネルギー吸収材としてリング状の弾塑性ゴム5を配置した他の実施形態を示す図である。この実施形態ではリング状の弾塑性
ゴム5の間に仕切りパイプ8を配置し、弾塑性ゴム5を多層積層構造としたものである。図に示される実施形態では、仕切りパイプ8は1本であるが、複数の仕切りパイプ8を配置しても良い。多層積層構造の弾塑性ゴム5の中空パイプ6が固定され、地震時の変位を多層積層構造の弾塑性ゴム5に伝達し、地震エネルギーを吸収する。弾塑性ゴム5を多層積層構造とすることにより、弾塑性ゴム5の地震の変位によるひずみ量を調整することが可能となり、且つ、弾塑性ゴム5と中空パイプ6との間の接着剥がれを防止することが可能となる。
図8(a)(b)は、地震エネルギー吸収材が配置されユニット化された複数の単位筒状体4を連結固定する実施形態を示す図である。ユニット化された複数の単位筒状体4を要求される機能に応じて配列する。配列された複数の単位筒状体4にロッド部材3を挿通する。ロッド部材3の外周に雄ねじ3aが形成されている。複数の単位筒状体4に挿通されたロッド部材2に、中空パイプ6の端面と接する外径を有する押圧板9を挿通し、ロッド部材2に螺着したナット10で押圧板9を、両側に位置する単位筒状体4の中空パイプ6の端面を圧接して複数の単位筒状体4を一体化する。筒状部材2とロッド部材3の相対変位は、押圧板9に押圧される中空パイプ6を介して地震エネルギー吸収材に伝達され、地震エネルギー吸収材の作用により減衰される。
図9(a)(b)は、連結される単位筒状体4の数が多くなり、複数の単位筒状体4の連結一体化をより強固するための実施形態を示す図である。複数の単位筒状4が連接された筒状部材2の両側に位置する単位筒状体4の端面に穴あきプレート11を配置する。穴あきプレート11の中央には、押圧板9と干渉しない程度の穴11aと、周辺にタイロッド12を挿通するタイロッド用孔11bが複数形成される。穴あきプレート11を筒状部材2の両側に位置する単位筒状体4の端面に配置し、穴あきプレート11のタイロッド用孔11bにタイロッド12を挿通して両端にナット13を螺着して締め付けることにより、多くの単位筒状体4を連結した筒状部材2も強固に一体化することが可能となる。
図10(a)(b)は、連結される単位筒状体4の数が多くなり、複数の単位筒状体4の連結一体化をより強固にするための他の実施形態を示す図である。連接される複数の単位筒状体4により形成される筒状部材2の外径より大きな内径を有し、筒状部材2の長さとほぼ同じ長さで両端外周部に雄ねじ14aを形成した連結パイプ14を用意する。筒状部材2の両側に連結リング15を配置する。連結リング15には、筒状部材2の両側の単位筒状体4に形成した雄ねじと螺着する内径の小さい雌ねじと、連結パイプ14の雄ねじ14aと螺着する内径の大きな雌ねじが形成されている。連結パイプ14の両端を連結リング15で締め上げることにより、多くの単位筒状体4を連結した筒状部材2は強固に一体化することが可能となる。
図11は、別の機能を有するダンパーを直列に連結した実施形態を示す図である。図11に示す実施形態では、図9(a)(b)に示した穴あきプレート11とタイロッド12により強固に一体化した実施形態に適用しているが、図10(a)(b)に示した連結パイプ14と連結リング15による一体化したものにも適用可能である。
筒状部材2の一方の端部に配し穴あきプレート11に予め一方が閉じたシリンダー部材16を、筒状部材2に対して密封された状態で連結する。密封空間には空気等の気体又は水、油等の液体が封入される。シリンダー部材16に位置するロッド部材3には、シリンダー部材2の内壁を相対変位に応じて摺動する弁体17が配置される。弁体17には、弁体17により区画された密封空間A、Bを連通する小孔17aが形成される。
筒状部材2とロッド部材3の地震時の相対変位により弁体17の位置が移動し、圧力の高くなった密封空間から封入された流体が小孔17aを通して圧力の低い密封空間に流れ
る。その際の小孔17aによる流体移動抵抗により地震エネルギーを減衰する。また、流体圧シリンダーによるダンパーを連結することにより、地震時の大きな衝撃を吸収し、大きな衝撃によるダンパーの破壊を防止する機能も有する。
以上のように本発明の構造物用制振ダンパーによれば、長さの短い単位筒状体を専用金型で製作することができ安価で品質のばらつきの少ないダンパーを製造することが可能となる。また、短い単位筒状体への地震エネルギー吸収材の配置が長い筒状部材に比較し極めて容易とすることが可能となる。地震エネルギー吸収材を配置した単位筒状体がユニット化されているので必要に応じたバリエーションのダンパーを安価に且つ容易に製作することが可能となる。
1:構造物用制振ダンパー、2:筒状部材、3:ロッド部材、3a:雄ねじ、4:単位筒状体、4a:フランジ部、4b:環状溝、5:弾塑性ゴム、6:中空パイプ、6a:変位伝達プレート、6b:環状溝、7:鉛又は錫、8:仕切りパイプ、9:押圧板、10:ナット、11:穴あきプレート、12:タイロッド、13:ナット、14:連結パイプ、14a:雄ねじ、15:連結リング、16:シリンダー部材、17:弁体、17a:小孔

Claims (10)

  1. 地震時に相対変位する一方の構造体に固定される筒状部材と、
    他方の構造体に固定され、前記筒状部材の開口から内部に伸び、前記筒状部材との間で相対変位可能に配置されロッド部材と、
    を備え、
    前記筒状部材を複数の単位筒状体で構成し、前記単位筒状体毎にその内壁に前記ロッド部材を挿通する穴を形成したリング状の弾塑性ゴム、鉛又は錫、弾塑性ゴムと鉛又は錫からなる地震エネルギー吸収材の内の少なくとも1つの外周部を固定し、前記単位筒状体に配置された前記リング状の地震エネルギー吸収材の内壁に前記ロッド部材が挿通可能で、地震時の相対変位を地震エネルギー吸収材に伝達する中空パイプを配置し、前記ロッド部材に雄ねじを形成し、前記ロッド部材の両端に前記中空パイプの端面に接する押圧板を介してナットを螺着し、前記筒状部材の両端に位置する単位筒状体の中空パイプの端面を前記押圧板により圧接して複数の単位筒状体を一体化し、前記筒状部材と前記ロッド部材の地震時の相対変位を前記地震エネルギー吸収材に作用させて地震エネルギーを吸収することを特徴とする構造物用制振ダンパー。
  2. 前記筒状部材の両端に位置する単位筒状体の端面と接する穴あきプレートを配置し、前記穴あきプレートに形成した複数の孔にタイロッドを挿入し前記タイロッドの両端にナットを螺着して締め上げることにより複数の単位筒状体を一体化し、前記筒状部材と前記ロッド部材の地震時の相対変位を前記地震エネルギー吸収材に作用させて地震エネルギーを吸収することを特徴とする請求項1に記載の構造物用制振ダンパー。
  3. 前記筒状部材の外周に両端に雄ねじを形成した連結パイプを嵌挿し、前記連結パイプを前記筒状部材の両弾塑性ゴムを有する地震エネルギー吸収材において端に配した連結リングを螺着又はかしめることにより前記複数の単位筒状体を一体化し、前記筒状部材と前記ロッド部材の地震時の相対変位を前記地震エネルギー吸収材に作用させて地震エネルギーを吸収することを特徴とする請求項1に記載の構造物用制振ダンパー。
  4. 請求項2に記載の穴あきプレートの一方、又は請求項3に記載の連結リングの一方に一端が閉じ流体が封入されたシリンダー部材を連結し、前記シリンダー部材に位置する前記ロッド部材に小孔を形成した弁体を配置することを特徴とする請求項2又は3に記載の構造物用制振ダンパー。
  5. 異なる種類の地震エネルギー吸収材を配置した単位筒状体を連結して筒状部材を構成することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の構造物用制振ダンパー。
  6. 前記単位筒状体に配置される弾塑性ゴムを有する地震エネルギー吸収材において弾塑性ゴムの硬度を必要に応じて異なるように設定することを特徴とする請求項1ないし5に記載の構造物用制振ダンパー。
  7. 前記単位筒状体に配置される弾塑性ゴムを有する地震エネルギー吸収材において弾塑性ゴムを仕切りパイプを介して多層積層構造とすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の構造物用制振ダンパー。
  8. 前記単位筒状体に配置される鉛又は錫を有する地震エネルギー吸収材において、前記鉛又は錫を前記単位筒状体の内壁に形成した環状溝、前記中空パイプの外壁に形成した環状溝の少なくともいずれかに圧入して配置することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の構造物用制振ダンパー。
  9. 前記単位筒状体に配置される鉛又は錫を有する地震エネルギー吸収材において、前記鉛又は錫をリング状として前記中空パイプに嵌挿し、前記リング状の鉛又は錫の相対変位方向の両側に接する変位伝達プレートを前記中空パイプに固定して配置し、残りの空隙に弾塑性ゴムを加硫接着により配置することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の構造物用制振ダンパー。
  10. 前記変位伝達プレートを応力による変形度が前記鉛又は錫と同程度の金属又は樹脂で形成することを特徴とする請求項9に記載の構造物用制振ダンパー。
JP2014219982A 2014-10-29 2014-10-29 構造物用制振ダンパー Active JP6471994B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014219982A JP6471994B2 (ja) 2014-10-29 2014-10-29 構造物用制振ダンパー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014219982A JP6471994B2 (ja) 2014-10-29 2014-10-29 構造物用制振ダンパー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016084920A JP2016084920A (ja) 2016-05-19
JP6471994B2 true JP6471994B2 (ja) 2019-02-20

Family

ID=55972050

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014219982A Active JP6471994B2 (ja) 2014-10-29 2014-10-29 構造物用制振ダンパー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6471994B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101846344B1 (ko) * 2017-06-19 2018-04-09 주식회사 케이이테크 이중 완충기구 및 이를 이용한 이중 완충 부반력저항 구조물 지지장치
CN108049402B (zh) * 2018-01-25 2023-06-16 西南科技大学 预应力锚杆
JP7409950B2 (ja) 2019-04-25 2024-01-09 清水建設株式会社 制震装置
TWI785949B (zh) * 2021-12-28 2022-12-01 國立高雄科技大學 吸能阻尼器

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01153883A (ja) * 1987-12-10 1989-06-16 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 配管支持装置
JP2805345B2 (ja) * 1989-07-18 1998-09-30 オイレス工業株式会社 構造物用エネルギー吸収装置
JPH0328336U (ja) * 1989-07-31 1991-03-20
JP3277604B2 (ja) * 1993-04-21 2002-04-22 オイレス工業株式会社 エネルギ吸収装置
JPH10141435A (ja) * 1996-11-08 1998-05-29 Showa Electric Wire & Cable Co Ltd 振動減衰装置
JP3710597B2 (ja) * 1997-05-22 2005-10-26 辰治 石丸 ダンパー
JP4308346B2 (ja) * 1998-10-23 2009-08-05 スリーエム カンパニー ダンパー
JP6046986B2 (ja) * 2012-11-09 2016-12-21 国立研究開発法人建築研究所 構造物用制振ダンパー

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016084920A (ja) 2016-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6471994B2 (ja) 構造物用制振ダンパー
US9657803B2 (en) Hydraulic damper with a hydraulic stop arrangement
JP6046986B2 (ja) 構造物用制振ダンパー
KR20170045255A (ko) 구조물용 진동 감쇠 장치
JP6289888B2 (ja) 構造物用制振ダンパー
KR102066366B1 (ko) 실린더 장치 및 그 제조 방법
CN108468394A (zh) 一种封板装配式预应力黏弹性阻尼器
CN208668661U (zh) 一种封板装配式预应力黏弹性阻尼器
CN205637217U (zh) 双壁钢阻尼抗震装置
JP2017078434A (ja) 構造物用制振ダンパー
JP6358838B2 (ja) 構造物用制振ダンパー
JP6618760B2 (ja) 構造物用制振ダンパーを用いたゴム支承装置又は免震支承装置の性能増強構造
US20180017129A1 (en) Cylinder apparatus
CN202082334U (zh) 一种防漏油液压阻尼衬套
CN111441493B (zh) 一种粘滞-粘弹复合型阻尼器
CA2954304A1 (en) Closure element
JP6689332B2 (ja) バンプストッパ、緩衝器およびバンプストッパの製造方法
JP6329760B2 (ja) ショックアブソーバ及びショックアブソーバの製造方法
CN206467553U (zh) 一种速度锁定器
JP5406760B2 (ja) 液体封入式防振装置の製造方法および液体封入式防振装置
JP4286795B2 (ja) 制震装置および安全装置
JP6446463B2 (ja) 振動ダンパ並びに振動ダンパ用のピストン弁
JP2010255850A (ja) ダンパー装置
JP2003176847A (ja) ダンパー装置
JP2014196749A (ja) 締結方法およびシリンダ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171027

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171102

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181009

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6471994

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250