JP2805345B2 - 構造物用エネルギー吸収装置 - Google Patents
構造物用エネルギー吸収装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 イ.発明の目的 〔産業上の利用分野〕 この発明は、建築物・配管等の構造物に作用する地震
等の周期的エネルギーを吸収するいわゆる構造物用エネ
ルギー吸収装置、特にはシリンダ型のエネルギー吸収装
置に関し、更に詳しくは、金属塑性物質のせん断変形に
伴うエネルギー吸収作用を利用したエネルギー吸収装置
に関する。
等の周期的エネルギーを吸収するいわゆる構造物用エネ
ルギー吸収装置、特にはシリンダ型のエネルギー吸収装
置に関し、更に詳しくは、金属塑性物質のせん断変形に
伴うエネルギー吸収作用を利用したエネルギー吸収装置
に関する。
金属の塑性変形を利用したシリンダ型エネルギー吸収
装置は、特公昭58−30470号公報により公知である。
装置は、特公昭58−30470号公報により公知である。
この公知技術によれば、シリンダと、このシリンダ内
の軸心方向に沿って貫通状に挿通されたロッドと、該シ
リンダとロッドとの空所に封入された鉛とからなり、シ
リンダとロッドとの相対移動により空所部に形成された
断面縮小部を通過することによって鉛がせん断変形さ
れ、このときのエネルギー消費によって周期エネルギー
を吸収するものである。
の軸心方向に沿って貫通状に挿通されたロッドと、該シ
リンダとロッドとの空所に封入された鉛とからなり、シ
リンダとロッドとの相対移動により空所部に形成された
断面縮小部を通過することによって鉛がせん断変形さ
れ、このときのエネルギー消費によって周期エネルギー
を吸収するものである。
しかしながら、上記公知技術においては、ロッド表
面と鉛との摩擦力が大きく、鉛を塑性流動化するための
所定の力を得ることができない場合があり、このため、
減衰特性が不安定であるばかりでなく、有効な減衰機能
を発揮できない。更には、鉛の塑性流動化に伴う内圧
の増大に対抗する容器すなわちシリンダの密封化・耐圧
化に問題がある。
面と鉛との摩擦力が大きく、鉛を塑性流動化するための
所定の力を得ることができない場合があり、このため、
減衰特性が不安定であるばかりでなく、有効な減衰機能
を発揮できない。更には、鉛の塑性流動化に伴う内圧
の増大に対抗する容器すなわちシリンダの密封化・耐圧
化に問題がある。
本発明は上記実情に鑑み、この種のシリンダ型エネル
ギー吸収装置において、安定したエネルギー吸収特性が
得られ、かつ、厳密な密封精度を要することなく、長時
間安定した性能を維持できる機構のものを提供すること
を目的とする。
ギー吸収装置において、安定したエネルギー吸収特性が
得られ、かつ、厳密な密封精度を要することなく、長時
間安定した性能を維持できる機構のものを提供すること
を目的とする。
本発明はこのため、エネルギー吸収部に封入される鉛
すなわち金属塑性流動物質等のエネルギー吸収体に純せ
ん断変形を与えることが、この目的に合致するとの知見
に基づいてなされたものである。
すなわち金属塑性流動物質等のエネルギー吸収体に純せ
ん断変形を与えることが、この目的に合致するとの知見
に基づいてなされたものである。
ロ.発明の構成 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の構造物用エネルギー吸収装置は、具体的には
次の技術手段(構成)を探る。
次の技術手段(構成)を探る。
すなわち、第1番目の発明においては、相対変位する
構造物間に設置されるエネルギー吸収装置であって、ケ
ーシングは筒状に形成されて相対変位する一方の構造物
に連結され、前記ケーシング内の中心軸に沿って配され
るロッドは他方の構造物に連結され、前記ケーシングと
ロッドとの間隙空間において、塑性流動物質を封入した
積層ゴム体と、該積層ゴム体を面直角方向に押圧する作
動体とが、それぞれシリンダ及びロッドに固着して配さ
れ、前記作動体の押圧変位により積層ゴム体に圧縮力を
付与してなる、ことを特徴とする。
構造物間に設置されるエネルギー吸収装置であって、ケ
ーシングは筒状に形成されて相対変位する一方の構造物
に連結され、前記ケーシング内の中心軸に沿って配され
るロッドは他方の構造物に連結され、前記ケーシングと
ロッドとの間隙空間において、塑性流動物質を封入した
積層ゴム体と、該積層ゴム体を面直角方向に押圧する作
動体とが、それぞれシリンダ及びロッドに固着して配さ
れ、前記作動体の押圧変位により積層ゴム体に圧縮力を
付与してなる、ことを特徴とする。
第2番目の発明は、積層ゴム体への圧縮力の付与手段
を替え、相対変位する構造物間に設置されるエネルギー
吸収装置であって、ケーシングは筒状に形成されて相対
変位する一方の構造物に連結され、前記ケーシング内の
中心軸に沿って配されるロッドは他方の構造物に連結さ
れ、前記ケーシングは径方向に二つ割とされその対向端
部に締付け具が装着され、該締付けの具の締付けをもっ
てケーシングの径が縮径され、前記ケーシングとロッド
との間隙空間において、塑性流動物質を封入した積層ゴ
ム体がその外径面及び内径面を、それぞれシリンダ及び
ロッドに固着して配され、前記ケーシングの締付け具を
締め付けて積層ゴム体に圧縮力を付与してなることを特
徴とする。
を替え、相対変位する構造物間に設置されるエネルギー
吸収装置であって、ケーシングは筒状に形成されて相対
変位する一方の構造物に連結され、前記ケーシング内の
中心軸に沿って配されるロッドは他方の構造物に連結さ
れ、前記ケーシングは径方向に二つ割とされその対向端
部に締付け具が装着され、該締付けの具の締付けをもっ
てケーシングの径が縮径され、前記ケーシングとロッド
との間隙空間において、塑性流動物質を封入した積層ゴ
ム体がその外径面及び内径面を、それぞれシリンダ及び
ロッドに固着して配され、前記ケーシングの締付け具を
締め付けて積層ゴム体に圧縮力を付与してなることを特
徴とする。
構造物間に地震動などの強大な周期エネルギーが作用
し、構造物が揺れると、構造物間の相対変位は本エネル
ギー吸収装置のケーシングとロッドとの軸線方向の相対
変位となる。
し、構造物が揺れると、構造物間の相対変位は本エネル
ギー吸収装置のケーシングとロッドとの軸線方向の相対
変位となる。
ケーシングとロッドとの間隙空間に配された鉛封入積
層ゴム体は、その外径部及び内径部がそれぞれケーシン
グ及びロッドに固着されたものであるので、上記のケー
シングとロッドの相対変位は積層ゴム体に変形を与え
る。
層ゴム体は、その外径部及び内径部がそれぞれケーシン
グ及びロッドに固着されたものであるので、上記のケー
シングとロッドの相対変位は積層ゴム体に変形を与え
る。
この変形は鉛にせん断変形を与え、そのせん断変形に
伴うエネルギー吸収作用により周期エネルギーを吸収
し、構造物間の揺れを減衰させる。
伴うエネルギー吸収作用により周期エネルギーを吸収
し、構造物間の揺れを減衰させる。
積層ゴム体自体は弾性復元力によりケーシングとロッ
ドとを原位置に復帰させる。
ドとを原位置に復帰させる。
なお、鉛封入積層ゴム体は鉛を含めて圧縮力が付与さ
れているので、履歴特性が大きく、大きな減衰力を発揮
するものである。
れているので、履歴特性が大きく、大きな減衰力を発揮
するものである。
本発明の構造物用エネルギー吸収装置の実施例を図面
に基づいて説明する。
に基づいて説明する。
(第1実施例) 第1図〜第3図はその一実施例(第1実施例)を示
す。すなわち、第1図はその全体構造を示し、第2図及
び第3図はその部分構造を示す。
す。すなわち、第1図はその全体構造を示し、第2図及
び第3図はその部分構造を示す。
このエネルギー吸収装置Sは、シリンダ状のケーシン
グ1と、該ケーシング1内の中心軸に沿って一端を突出
して配される円柱状のロッド2と、ケーシング1とロッ
ド2との環状空間において、外径側に配された鉛Pを封
入した積層ゴム体ユニット3及び内径側に配された圧入
体4と、該積層ゴム体ユニット3及び圧入体4を固定保
持する固定リング5,6と、を含み、またケーシング1に
はブラケット7が、ロッド2の突出部にはブラケット8
が取り付けられてなる。
グ1と、該ケーシング1内の中心軸に沿って一端を突出
して配される円柱状のロッド2と、ケーシング1とロッ
ド2との環状空間において、外径側に配された鉛Pを封
入した積層ゴム体ユニット3及び内径側に配された圧入
体4と、該積層ゴム体ユニット3及び圧入体4を固定保
持する固定リング5,6と、を含み、またケーシング1に
はブラケット7が、ロッド2の突出部にはブラケット8
が取り付けられてなる。
以下、各部の細部構造について説明する。
ケーシング1は金属等の硬質体よりなり、その内面に
おいて、中央部に所定長さにわたって直円筒部10が形成
され、両端部において雌ねじ部11が形成される。雌ねじ
部11の山と山との径すなわち最小径は直円筒部10の径と
等しいか、それよりもわずかに大きくされる。
おいて、中央部に所定長さにわたって直円筒部10が形成
され、両端部において雌ねじ部11が形成される。雌ねじ
部11の山と山との径すなわち最小径は直円筒部10の径と
等しいか、それよりもわずかに大きくされる。
ケーシング1の中心軸に沿って配されるロッド2は、
定常位置において、上述のケーシング1の直円筒部10に
対応して、直円筒部13が形成される。直円筒部13の両側
には雄ねじ部14が形成される。雄ねじ部14の山と山との
径すなわち最大径は直円筒部13の径と等しいか、それよ
りもわずかに小さくされる。15はロッド2の突出部であ
る。
定常位置において、上述のケーシング1の直円筒部10に
対応して、直円筒部13が形成される。直円筒部13の両側
には雄ねじ部14が形成される。雄ねじ部14の山と山との
径すなわち最大径は直円筒部13の径と等しいか、それよ
りもわずかに小さくされる。15はロッド2の突出部であ
る。
積層ゴム体ユニット3は、外径板17と、内径板18と、
これらの外径・内径板17,18間に挟着される鉛Pを封入
した積層ゴム本体19と、からなる。
これらの外径・内径板17,18間に挟着される鉛Pを封入
した積層ゴム本体19と、からなる。
もっと詳しくは、外径板17は等厚の曲面板よりなり、
その外側面の曲率半径は、ケーシング1の内径に一致
し、その軸方向の長さはケーシング1の直円筒部10の長
さに等しい。
その外側面の曲率半径は、ケーシング1の内径に一致
し、その軸方向の長さはケーシング1の直円筒部10の長
さに等しい。
内径板18は、厚さの変化する曲面板よりなり、その横
断面形状において、ロッド2と中心を一致する。そし
て、軸方向においては、外面は等しい曲率を保つが、そ
の内面21は中央から両端に至るに従って厚さが薄くな
る。すなわち、該内面21はテーパー面とされる。
断面形状において、ロッド2と中心を一致する。そし
て、軸方向においては、外面は等しい曲率を保つが、そ
の内面21は中央から両端に至るに従って厚さが薄くな
る。すなわち、該内面21はテーパー面とされる。
積層ゴム本体19は、ゴム層23と硬質板(鋼板)24とが
交互に積層され、中央部において、短形状の孔25が穿設
され、この孔25にエネルギー吸収体としての鉛Pが封入
される。使用される鉛Pは純粋鉛の他に、鉛合金あるい
は鉛その他の物質との混合物を含む。
交互に積層され、中央部において、短形状の孔25が穿設
され、この孔25にエネルギー吸収体としての鉛Pが封入
される。使用される鉛Pは純粋鉛の他に、鉛合金あるい
は鉛その他の物質との混合物を含む。
圧入体4は、環状体をなし、ロッド2に外嵌され、そ
の外周面27は積層ゴム体ユニット3の内径板18のテーパ
ー面21に一致するテーパー形状とされている。
の外周面27は積層ゴム体ユニット3の内径板18のテーパ
ー面21に一致するテーパー形状とされている。
しかして、該圧入体4は積層ゴム体ユニット3の内径
板18内にもぐり込み、そのテーパー面27と内径板18のテ
ーパー面21とが摺接することにより、くさび作用を発揮
し、内径板18を外径方向へと変位させる。
板18内にもぐり込み、そのテーパー面27と内径板18のテ
ーパー面21とが摺接することにより、くさび作用を発揮
し、内径板18を外径方向へと変位させる。
固定リング5は、外面にねじ29が刻設され、ケーシン
グ1のねじ部11に螺合される。その螺入される端面5aを
積層ゴム体ユニット3の外径板17に当接させる。
グ1のねじ部11に螺合される。その螺入される端面5aを
積層ゴム体ユニット3の外径板17に当接させる。
固定リング6は、内面にねじ30が刻設され、ロッド2
のねじ部14に螺合される。その螺入される端面6aを圧入
体4に当接させる。
のねじ部14に螺合される。その螺入される端面6aを圧入
体4に当接させる。
ブラケット7はシリンダ1の後部において、該シリン
ダ1に嵌合された短筒32を介して、取り付けられ、ブラ
ケット8はロッド2の突入部15に螺合あるいは強嵌合固
定によって取り付けられる。
ダ1に嵌合された短筒32を介して、取り付けられ、ブラ
ケット8はロッド2の突入部15に螺合あるいは強嵌合固
定によって取り付けられる。
本実施例のエネルギー吸収装置Sの組立てにおいて、
ケーシング1内にロッド2を挿入した後、積層ゴム体ユ
ニット3を装入し、次いで、ロッド2の両端から圧入体
4をロッド2に嵌合させる。しかる後、ケーシング1に
固定リング5を螺入し、ロッド2に固定リング6を螺入
する。
ケーシング1内にロッド2を挿入した後、積層ゴム体ユ
ニット3を装入し、次いで、ロッド2の両端から圧入体
4をロッド2に嵌合させる。しかる後、ケーシング1に
固定リング5を螺入し、ロッド2に固定リング6を螺入
する。
固定リング5の締込みにより、積層ゴム体ユニット3
の外径板17をその両端において押圧把持する。これによ
り、積層ゴム体ユニット3は外径板17を介してケーシン
グ1に固定される。また、固定リング6の締込みにより
圧入体4を押し込み、そのくさび作用により、積層ゴム
体ユニット3に圧縮力を導入する。併せて、積層ゴム体
ユニット3は圧入体4及び内径板18を介してロッド2に
固定される。
の外径板17をその両端において押圧把持する。これによ
り、積層ゴム体ユニット3は外径板17を介してケーシン
グ1に固定される。また、固定リング6の締込みにより
圧入体4を押し込み、そのくさび作用により、積層ゴム
体ユニット3に圧縮力を導入する。併せて、積層ゴム体
ユニット3は圧入体4及び内径板18を介してロッド2に
固定される。
しかる後、ロッド2の突出部17にブラケット9を取り
付けることにより、組立てが完了する。
付けることにより、組立てが完了する。
(実施例の作用) 本エネルギー吸収装置Sはブラケット7,8を介して、
互いに相対運動する構造物間に設置される。
互いに相対運動する構造物間に設置される。
構造物間が地震動等の強大なエネルギーを受けて相対
変位すると、該変位はケーシング1とロッド2とに伝達
される。
変位すると、該変位はケーシング1とロッド2とに伝達
される。
ケーシング1とロッド2との環状空間に配された積層
ゴム体ユニット3は、その外径板17が固定リング5を介
してケーシング1に固定され、その内径板18が圧入体4
及び固定リング6を介してロッド2に固定されたもので
あるので、上記のケーシング1とロッド2の相対的変位
は積層ゴム体ユニット3に変形を与える。
ゴム体ユニット3は、その外径板17が固定リング5を介
してケーシング1に固定され、その内径板18が圧入体4
及び固定リング6を介してロッド2に固定されたもので
あるので、上記のケーシング1とロッド2の相対的変位
は積層ゴム体ユニット3に変形を与える。
第4図はこの動きを模式的に示す。今、ロッド2が図
中右方向(またはハウジング1が左方向)へ移動したと
すると、積層ゴム本体19はこの変位に容易に追従するも
のであり、鉛Pは積層ゴム本体19に拘束されたものであ
り、積層ゴム本体19に押されて変形する。
中右方向(またはハウジング1が左方向)へ移動したと
すると、積層ゴム本体19はこの変位に容易に追従するも
のであり、鉛Pは積層ゴム本体19に拘束されたものであ
り、積層ゴム本体19に押されて変形する。
図示されるように、これらの鉛P及び積層ゴム本体19
の変形はせん断変形であって、鉛Pはそのせん断変形の
ための抵抗エネルギーを消費し、また、積層ゴム本体19
はせん断変形による弾性抵抗エネルギーを消費し、これ
らのエネルギー消費により、ロッド2の運動に制動がか
かる。
の変形はせん断変形であって、鉛Pはそのせん断変形の
ための抵抗エネルギーを消費し、また、積層ゴム本体19
はせん断変形による弾性抵抗エネルギーを消費し、これ
らのエネルギー消費により、ロッド2の運動に制動がか
かる。
ロッド2が左方向へ移動する場合には上述と逆の変形
となり、この変形に伴う抵抗エネルギーの消費により左
方向への制動がかかり、このようにして、ロッド2の往
復動は急速に減衰される。
となり、この変形に伴う抵抗エネルギーの消費により左
方向への制動がかかり、このようにして、ロッド2の往
復動は急速に減衰される。
第5図は鉛Pを封入した積層ゴム体のエネルギー吸収
特性(変位−せん断力履歴曲線)を示す。図において、
破線は鉛Pを除く積層ゴム体自体の履歴曲線であり、実
線は鉛Pと積層ゴム体との複合体の履歴曲線である。
特性(変位−せん断力履歴曲線)を示す。図において、
破線は鉛Pを除く積層ゴム体自体の履歴曲線であり、実
線は鉛Pと積層ゴム体との複合体の履歴曲線である。
図に示されるように、本複合体は大きなエネルギー吸
収能を示し、また、その勾配(水平剛性)はゴム単体の
ものと同等であり、特性値が確定されている。
収能を示し、また、その勾配(水平剛性)はゴム単体の
ものと同等であり、特性値が確定されている。
従って、このことより、本エネルギー吸収装置の諸元
に対応して本装置ひいては複合体の特性値が確定され、
明確な設計をなすことができる。
に対応して本装置ひいては複合体の特性値が確定され、
明確な設計をなすことができる。
本実施例では積層ゴム体ユニット3の積層ゴム本体19
の圧縮力の付与を圧入体のくさび作用によるものであっ
たが、積層ゴム体ユニット3にジャッキ機構を介在させ
た構成を採ることができる。
の圧縮力の付与を圧入体のくさび作用によるものであっ
たが、積層ゴム体ユニット3にジャッキ機構を介在させ
た構成を採ることができる。
第6図及び第7図にその一例示態様を示す。図におい
て、先述したものと同等の部材については同一の符号が
付されている。
て、先述したものと同等の部材については同一の符号が
付されている。
この態様においては、積層ゴム体ユニット3は上記し
たものとほぼ同一の構成を採り、内径板18をもってロッ
ド2に固設されるが、外径板17には外径方向に凸部32が
突設される。一方、ケーシング1の内面には内径方向に
向かって凹部33を有する受圧部材34が固設され、該凹部
33内に外径板17の凸部32が密接嵌合される。
たものとほぼ同一の構成を採り、内径板18をもってロッ
ド2に固設されるが、外径板17には外径方向に凸部32が
突設される。一方、ケーシング1の内面には内径方向に
向かって凹部33を有する受圧部材34が固設され、該凹部
33内に外径板17の凸部32が密接嵌合される。
当初において、凸部32は凹部33に深く嵌入された状態
となっているが、ケーシング1及び受圧部材34に形成さ
れた孔35を介して固結剤36を注入することにより、凸部
32と凹部33とが形成する空間部に固結剤36が充填され、
外径板17を内径方向へ押圧する。この結果、積層ゴム体
ユニット3に圧縮力が導入され、固結剤36の固結により
該圧縮力は長期にわたって保持される。37は孔35の開口
部に圧入、もしくは螺入された栓体である。
となっているが、ケーシング1及び受圧部材34に形成さ
れた孔35を介して固結剤36を注入することにより、凸部
32と凹部33とが形成する空間部に固結剤36が充填され、
外径板17を内径方向へ押圧する。この結果、積層ゴム体
ユニット3に圧縮力が導入され、固結剤36の固結により
該圧縮力は長期にわたって保持される。37は孔35の開口
部に圧入、もしくは螺入された栓体である。
留意すべきは、この態様においては、積層ゴム体がロ
ッド側すなわち内径側に配されているものであり、先の
態様を考慮して、積層ゴム体と圧入体との配置に限定さ
れるものではない。
ッド側すなわち内径側に配されているものであり、先の
態様を考慮して、積層ゴム体と圧入体との配置に限定さ
れるものではない。
(第2実施例) 第8図〜第10図に本発明の他の実施例(第2実施例)
を示す。
を示す。
この実施例においては、ケーシング1Aは上下に二つ割
された分割体40からなる箱状体をなし、該分割体40の相
対向する端部にはフランジ41が張設され、このフランジ
41のボルト挿通孔にボルト43とナット44とからなる締付
け具45をもって締め付けられるように構成されている。
された分割体40からなる箱状体をなし、該分割体40の相
対向する端部にはフランジ41が張設され、このフランジ
41のボルト挿通孔にボルト43とナット44とからなる締付
け具45をもって締め付けられるように構成されている。
また、ケーシング1Aの内部には、角柱状のロッド2Aが
軸心に沿って配されている。ロッド2Aは幅広に形成さ
れ、ケーシング1Aの内部の幅方向を専有する。
軸心に沿って配されている。ロッド2Aは幅広に形成さ
れ、ケーシング1Aの内部の幅方向を専有する。
ケーシング1Aとロッド2Aとの隙間空間には、その上下
に積層ゴム体ユニット3Aが配される。該積層ゴム体ユニ
ット3Aは外径板17Aがケーシング1Aの内面の段部47に、
また、内径板18Aがロッド2Aの段部48に係合されてお
り、軸方向の動きが拘束されたものとなっている。積層
ゴム体19Aの構成は、硬質板とゴム層との交互層からな
ること、該積層部に鉛Pを封入すること、等は先の実施
例に準ずるものである。
に積層ゴム体ユニット3Aが配される。該積層ゴム体ユニ
ット3Aは外径板17Aがケーシング1Aの内面の段部47に、
また、内径板18Aがロッド2Aの段部48に係合されてお
り、軸方向の動きが拘束されたものとなっている。積層
ゴム体19Aの構成は、硬質板とゴム層との交互層からな
ること、該積層部に鉛Pを封入すること、等は先の実施
例に準ずるものである。
本実施例においては、積層ゴム体への圧縮力の付与
は、ケーシング1A自体を締付け具45をもって縮径するこ
とによりなすことを特徴とするものであり、その構造が
簡単化されている。
は、ケーシング1A自体を締付け具45をもって縮径するこ
とによりなすことを特徴とするものであり、その構造が
簡単化されている。
エネルギー吸収作動においては、先の実施例のものと
本質的に変わるところはない。
本質的に変わるところはない。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発
明の基本的技術思想の範囲内で種々設計変更が可能であ
る。
明の基本的技術思想の範囲内で種々設計変更が可能であ
る。
すなわち、エネルギー吸収体として、鉛のほか、
錫、亜鉛、アルミニウム、ナトリウム、銅などの金属、
鉛−錫合金、亜鉛−アルミニウム−銅などの超塑性合
金、あるいは、ガラスビース、金属粉(鋼球を含
む)、セラミック粒などの粒状物質、が使用される。更
に、鉛、あるいは上記及びの物質が選ばれる場合
は、これらの物質の2以上の組合わせも可能である。
においても、2以上の組合わせも適宜採用される。
錫、亜鉛、アルミニウム、ナトリウム、銅などの金属、
鉛−錫合金、亜鉛−アルミニウム−銅などの超塑性合
金、あるいは、ガラスビース、金属粉(鋼球を含
む)、セラミック粒などの粒状物質、が使用される。更
に、鉛、あるいは上記及びの物質が選ばれる場合
は、これらの物質の2以上の組合わせも可能である。
においても、2以上の組合わせも適宜採用される。
上記及びの物質をエネルギー吸収体として使用す
る場合においては、これらの物質は鉛体と同じくその塑
性流動化に伴うエネルギー吸収により減衰がなされる。
る場合においては、これらの物質は鉛体と同じくその塑
性流動化に伴うエネルギー吸収により減衰がなされる。
上記の粒状物質を使用する場合においては、密に詰
められた粒状物質相互間の摩擦による減衰機能を利用す
るものである。
められた粒状物質相互間の摩擦による減衰機能を利用す
るものである。
ハ.発明の効果 本発明の構造物用エネルギー吸収装置は上記構成より
なり、作用を奏するものであるので、以下の特有の効果
を有する。
なり、作用を奏するものであるので、以下の特有の効果
を有する。
積層ゴム体内に封入された塑性流動物質は純せん断変
形を受け、かつ、積層ゴム体自体もせん断変形によるば
ね弾性特性を示すので、エネルギー吸収特性が明確であ
り、本エネルギー吸収装置を構成する各部材の諸元によ
り一義的に定まり、設計上の自由度が向上する。
形を受け、かつ、積層ゴム体自体もせん断変形によるば
ね弾性特性を示すので、エネルギー吸収特性が明確であ
り、本エネルギー吸収装置を構成する各部材の諸元によ
り一義的に定まり、設計上の自由度が向上する。
塑性流動物質を封入した積層ゴム体は一体的に圧縮力
が付与されており、このため、更に大きなエネルギー吸
収性を発揮することができる。
が付与されており、このため、更に大きなエネルギー吸
収性を発揮することができる。
塑性流動物質は純せん断変形を受けることにより、上
記と相まって、内圧の高まりが小さく、このため密封
精度を厳密にする必要がなく、本装置をかつ安価に製作
することができる。
記と相まって、内圧の高まりが小さく、このため密封
精度を厳密にする必要がなく、本装置をかつ安価に製作
することができる。
図面は本発明の構造物用エネルギー吸収装置の実施例を
示し、第1図はその一実施例(第1実施例)の縦断面
図、第2図は第1図のII−II線断面図、第3図は第1図
のIII−III線断面図、第4図はその作用を示す模式図、
第5図は本実施例装置のエネルギー吸収特性図、第6図
及び第7図は第1実施例に属する他の態様を示す図、第
8図は他の実施例(第2実施例)の側面図、第9図は第
8図のIX−IX線断面図、第10図は第9図のX−X線断面
図である。 1……ケーシング、2……ロッド、3……鉛封入積層ゴ
ム、4……圧入体、P……鉛(塑性流動物質)
示し、第1図はその一実施例(第1実施例)の縦断面
図、第2図は第1図のII−II線断面図、第3図は第1図
のIII−III線断面図、第4図はその作用を示す模式図、
第5図は本実施例装置のエネルギー吸収特性図、第6図
及び第7図は第1実施例に属する他の態様を示す図、第
8図は他の実施例(第2実施例)の側面図、第9図は第
8図のIX−IX線断面図、第10図は第9図のX−X線断面
図である。 1……ケーシング、2……ロッド、3……鉛封入積層ゴ
ム、4……圧入体、P……鉛(塑性流動物質)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16F 7/00 - 7/14 F16F 9/00 - 9/32 F16F 9/36 - 9/43 F16F 9/53 - 9/54 F16F 15/00 - 15/32
Claims (3)
- 【請求項1】相対変位する構造物間に設置されるエネル
ギー吸収装置であって、 ケーシングは筒状に形成されて相対変位する一方の構造
物に連結され、 前記ケーシング内の中心軸に沿って配されるロッドは他
方の構造物に連結され、 前記ケーシングとロッドとの間隙空間において、塑性流
動物質を封入した積層ゴム体と、該積層ゴム体を面直角
方向に押圧する作動体とが、それぞれシリンダ及びロッ
ドに固着して配され、 前記作動体の押圧変位により積層ゴム体に圧縮力を付与
してなる、 ことを特徴とする構造物用エネルギー吸収装置。 - 【請求項2】ケーシングは円滑状をなすとともにロッド
は円柱状をなし、ケーシングとロッドとの環状空間に
は、積層ゴム体が外径側に、該積層ゴム体の内径側に形
成したテーパー面と摺動係合し、くさび作用をなす作動
体が、それぞれ内径側に配され、作動体の軸方向変位に
より該作動体に接する積層ゴム体を外径方向に変位させ
てなる、請求項1に記載の構造物用エネルギー吸収装
置。 - 【請求項3】相対変位する構造物間に設置されるエネル
ギー吸収装置であって、 ケーシングは筒状に形成されて相対変位する一方の構造
物に連結され、 前記ケーシング内の中心軸に沿って配されるロッドは他
方の構造物に連結され、 前記ケーシングは径方向に二つ割とされその対向端部に
締付け具が装着され、該締付け具の締付けをもってケー
シングの径が縮径され、 前記ケーシングとロッドとの間隙空間において、塑性流
動物質を封入した積層ゴム体がその外径面及び内径面
を、それぞれシリンダ及びロッドに固着して配され、 前記ケーシングの締付け具を締め付けて積層ゴム体に圧
縮力を付与してなる、 ことを特徴とする構造物用エネルギー吸収装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18561589A JP2805345B2 (ja) | 1989-07-18 | 1989-07-18 | 構造物用エネルギー吸収装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18561589A JP2805345B2 (ja) | 1989-07-18 | 1989-07-18 | 構造物用エネルギー吸収装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0351543A JPH0351543A (ja) | 1991-03-05 |
JP2805345B2 true JP2805345B2 (ja) | 1998-09-30 |
Family
ID=16173901
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18561589A Expired - Fee Related JP2805345B2 (ja) | 1989-07-18 | 1989-07-18 | 構造物用エネルギー吸収装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2805345B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
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JP2895268B2 (ja) * | 1990-08-13 | 1999-05-24 | オイレス工業株式会社 | 塑性エネルギー吸収装置 |
US6212974B1 (en) * | 1998-12-17 | 2001-04-10 | United Technologies Corporation | Variable stiffness positioning link for a gearbox |
JP2011149476A (ja) * | 2010-01-20 | 2011-08-04 | Bridgestone Corp | 制振ダンパ |
JP6423580B2 (ja) * | 2013-02-27 | 2018-11-14 | 株式会社竹中工務店 | 流体ダンパ |
JP6471994B2 (ja) * | 2014-10-29 | 2019-02-20 | 国立研究開発法人建築研究所 | 構造物用制振ダンパー |
JP2017078434A (ja) * | 2015-10-19 | 2017-04-27 | 株式会社ビービーエム | 構造物用制振ダンパー |
CN110319136A (zh) * | 2018-03-30 | 2019-10-11 | 中国电力科学研究院有限公司 | 一种减震阻尼器 |
CN111022556B (zh) * | 2019-11-21 | 2021-05-11 | 河海大学 | 一种变刚度的挤压耗能减振器 |
-
1989
- 1989-07-18 JP JP18561589A patent/JP2805345B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0351543A (ja) | 1991-03-05 |
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