JP6471976B2 - 積層体の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、リールに捲回された複数のシートの積層体を製造する方法および製造装置に関する。
複数のシートを積層する方法として、種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1は、空気清浄機等に用いられる積層体(濾材)を製造する方法として、搬送される基材に、供給リールに捲回された保護層を捲き出しながら積層することを教示している。
特開2014−121699号公報 特開2008−261065号公報
積層体を濾材として用いる場合、積層体はプリーツ加工されて、空気清浄機の内部に設置される。しかし、特許文献1の積層体をプリーツ形状に成形すると、シートの捲き痕により、その断面がシャープな山型ではなく、紡錘形になる場合がある(図6参照)。その結果、大気との接触面積が減少し、圧力損失が増大する。プリーツ加工に限らず、捲き痕を有する積層体を加工する場合、様々な不具合が生じ得る。
本発明の一局面は、第1供給リールに捲回された第1シートと、第2供給リールに捲回された第2シートと、を準備する準備工程と、前記第1シートを搬送ラインの上流に供給し、下流に向けて搬送する搬送工程と、前記第1シートの一方の主面に接着剤を付与する接着剤付与工程と、前記主面に付与された前記接着剤を溶融させる加熱工程と、前記第1シートに、溶融した前記接着剤を介して前記第2シートを積層する積層工程と、を具備し、前記第2シートの線膨張係数C2が、前記第1シートの線膨張係数C1より大きく、前記第1シートの前記主面が、前記第1供給リールに外側になるように捲回されていた主面であり、前記第2シートが繊維を含み、かつ、毛羽立ちを有する主面とその反対側の主面とを備え、前記積層工程において、前記第2シートを、前記毛羽立ちを有する主面が前記第1シートに対向するように、前記第1シートに積層する、積層体の製造方法に関する。
本発明の他の一局面は、第1供給リールに捲回された第1シートと、第2供給リールに捲回された第2シートと、を準備する準備工程と、前記第1シートを搬送ラインの上流に供給し、下流に向けて搬送する搬送工程と、前記第1シートに、前記第2シートを積層する積層工程と、を具備し、前記第2シートが繊維を含み、かつ、毛羽立ちを有する主面とその反対側の主面とを備え、前記積層工程において、前記第2シートを、前記第2シートの伸長率が前記第1シートの伸長率よりも大きい状態で、前記第2シートの前記毛羽立ちを有する主面が、前記第1シートの前記第1供給リールに外側になるように捲回されていた主面に対向するように、前記第1シートに積層する、積層体の製造方法に関する。
本発明のさらに他の一局面は、第1供給リールに捲回された第1シートを、搬送ラインに供給する第1供給部と、第2供給リールに捲回された第2シートを、前記第1シートに向けて供給する第2供給部と、前記第1供給部の下流に配置されており、第3繊維の原料となる原料樹脂と前記原料樹脂を溶解させる溶媒とを含む原料液から、前記第3繊維を生成させ、前記第3繊維を前記第1シートの一方の主面に堆積させる電界紡糸部と、前記電界紡糸部の下流に配置されており、前記第3繊維が堆積された前記第1シートの前記主面に、接着剤を付与する接着剤付与部と、前記接着剤付与部の下流に配置されており、前記接着剤を溶融させる加熱部と、前記第2シートを、溶融した前記接着剤を介して前記第1シートに積層し、積層体を得る積層部と、を具備し、前記第2シートの線膨張係数C2が、前記第1シートの線膨張係数C1より大きく、前記第1シートの前記主面が、前記第1供給リールに外側になるように捲回されていた主面である、積層体の製造装置に関する。
本発明のさらに他の一局面は、第1供給リールに捲回された第1シートを、搬送ラインに供給する第1供給部と、第2供給リールに捲回された第2シートを、前記第1シートに向けて供給する第2供給部と、前記第1供給部の下流に配置されており、第3繊維の原料となる原料樹脂と前記原料樹脂を溶解させる溶媒とを含む原料液から、前記第3繊維を生成させ、前記第3繊維を前記第1シートの一方の主面に堆積させる電界紡糸部と、前記第2シートを、前記第3繊維が堆積された前記第1シートの前記主面に積層し、積層体を得る積層部と、を具備し、前記第1シートの前記主面が、前記第1供給リールに外側になるように捲回されていた主面であり、前記第2供給部は、前記第2シートを、前記第2シートの伸長率が前記第1シートの伸長率よりも大きい状態で、前記第1シートの前記主面に供給する、積層体の製造装置に関する。

本発明によれば、リールに捲回されたシートの捲き痕を解消することができる。よって、捲き痕に起因する加工上あるいは使用上の不具合が抑制される。例えば、濾材として用いる積層体をプリーツ加工した場合、圧力損失の増大が抑制される。
本発明の一実施形態に係る製造方法の主要工程を説明する概略図である。 第1シートの捲き痕が解消される様子を説明する模式図である((a)および(b))。 本発明の一実施形態に係る製造装置を説明する概略図である。 本発明の他の一実施形態に係る製造装置を説明する概略図である。 本発明の一実施形態に係る製造方法により得られる積層体を、プリーツ加工した場合の断面図である。 従来の製造方法により得られる積層体を、プリーツ加工した場合の断面図である。
本発明に係る積層体の製造方法は、第1供給リールに捲回された第1シートと、第2供給リールに捲回された第2シートと、を準備する準備工程と、第1シートを搬送ラインの上流に供給し、下流に向けて搬送する搬送工程と、第1シートの一方の主面に接着剤を付与する接着剤付与工程と、主面に付与された接着剤を溶融させる加熱工程と、第1シートに、溶融した接着剤を介して第2シートを積層する積層工程と、を具備する。第2シートの線膨張係数C2が、第1シートの線膨張係数C1より大きい場合、第1シートの上記主面を、第1供給リールに外側になるように捲回されていた主面とする。これにより、積層工程の後、第2シートは、第1シートよりも大きく収縮するため、第1シートの捲き痕が解消される。
本発明に係る他の積層体の製造方法は、第1供給リールに捲回された第1シートと、第2供給リールに捲回された第2シートと、を準備する準備工程と、第1シートを搬送ラインの上流に供給し、下流に向けて搬送する搬送工程と、第1シートに、第2シートを積層する積層工程と、を具備する。積層工程において、第2シートを、第2シートの伸長率が第1シートの伸長率よりも大きい状態で、かつ、第1シートの第1供給リールに外側になるように捲回されていた主面に積層する。この場合も、積層工程の後、第2シートは、第1シートよりも大きく収縮するため、第1シートの捲き痕が解消される。
第2シートが繊維を含み、かつ、毛羽立ちを有する主面とその反対側の主面とを備える場合、積層工程において、第2シートを、毛羽立ちを有する主面が第1シートに対向するように、第1シートに積層することが好ましい。これにより、第1シートと第2シートとの接着性が高まるため、第1シートの捲き痕がより解消され易くなる。
積層工程において、第2シートの第1シートに対向する主面は、第2供給リールに内側になるように捲回されていた主面であっても良いし、第2供給リールに外側になるように捲回されていた主面であっても良い。第2シートの第1シートに対向する主面が、第2供給リールに内側になるように捲回されていた主面である場合、積層工程の後に行われる回収工程において、第1シートと第2シートとの積層体を、第2供給リールに外側になるように捲回されていた主面が内側になるように、第1回収リールに捲回することが好ましい。第1シートの捲き痕がより解消され易くなるためである。
上記製造方法が、回収工程の後、積層体を長手方向に沿って裁断する裁断工程を備える場合、裁断された積層体を回収する工程において、裁断された積層体を、第1回収リールに内側になるように捲回されていた主面が外側になるように、第2回収リールに捲回することが好ましい。これにより、第1回収工程において、積層体に第1回収リールに捲回されることにより形成される捲き痕を解消することができる。
上記製造方法は、積層工程の前に、第3繊維の原料となる原料樹脂と原料樹脂を溶解させる溶媒とを含む原料液から、第3繊維を生成させ、第3繊維を第1シートの主面に堆積させる電界紡糸工程を具備していても良い。
本発明に係る積層体の製造装置は、第1供給リールに捲回された第1シートを、搬送ラインに供給する第1供給部と、第2供給リールに捲回された第2シートを、第1シートに向けて供給する第2供給部と、第1供給部の下流に配置されており、第1シートの一方の主面に、接着剤を付与する接着剤付与部と、接着剤付与部の下流に配置されており、接着剤を溶融させる加熱部と、第2シートを、溶融した接着剤を介して第1シートに積層し、積層体を得る積層部と、を具備する。このとき、第2シートの線膨張係数C2は、第1シートの線膨張係数C1より大きく、第1シートの上記主面は、第1供給リールに外側になるように捲回されていた主面である。
本発明に係る他の積層体の製造装置は、第1供給リールに捲回された第1シートを、搬送ラインに供給する第1供給部と、第2供給リールに捲回された第2シートを、第1シートに向けて供給する第2供給部と、第2シートを第1シートの一方の主面に積層し、積層体を得る積層部と、を具備する。このとき、第1シートの上記主面は、第1供給リールに外側になるように捲回されていた主面であり、第2供給部は、第2シートを、第2シートの伸長率が第1シートの伸長率よりも大きい状態で第1シートに向けて供給する。これにより、第1シートの捲き痕が解消される。
以下、積層体が濾材である場合を中心に、本発明の技術的意義を説明するが、積層体の用途はこれに限定されるものではない。
濾材に用いられる保護層は、搬送される基材に対して連続的に積層される。このとき、保護層は供給リールに捲回されており、供給リールから捲き出されながら基材に積層される。基材もまた、他の供給リールに捲回されており、この供給リールから捲き出されながら、順次、搬送され、積層工程に供される。
基材は、積層体を支持する支持体であって、プリーツ加工した場合にその形状を保持する役割をもつ。そのため、基材は、比較的剛直である。よって、供給リールに捲回された基材を捲き出すと、供給リールに内側になるように捲回されていた主面を内側にして、湾曲する。この基材を水平面に置くと、上記主面とは反対側に突出する円弧を連ねたような捲き痕を生じる。
一方、保護層は、極細繊維を傷つけないように覆って、極細繊維を外的負荷から保護するとともに、それ自体も集塵機能を発揮するよう、比較的細く柔らかい繊維により形成される。そのため、捲き痕が残った基材に保護層を積層すると、保護層は基材に追随し、得られる積層体もまた、基材の形状に追随した連続する円弧(凸部)を備える。積層体が凸部を有していると、続いて行われる裁断やプリーツ加工をスムーズに行うことが困難である。また、凸部を有する積層体100をプリーツ加工すると、図6に示すように、その断面は紡錘形になって、圧力損失の増大を招く。
そこで、第1シートおよび第2シートを積層した後、一方のシート(第2シート)を、他のシート(第1シート)よりも大きく収縮させることにより、第1シートの捲き痕を解消する。
すなわち、積層体の製造方法が加熱工程を含む場合には、第1シートよりも大きな線膨張係数を有する第2シートを用いる。この場合、加熱工程後に生じる第2シートの収縮応力により、第1シートの捲き痕が解消される。
あるいは、例えば、第2シートにより大きなテンションを付与することにより、第2シートの伸長率を第1シートよりも大きくした状態で、両者を積層する。この場合、積層工程後にテンションから解放された第2シートに生じる収縮応力により、第1シートの捲き痕が解消される。なお、この方法は、加熱工程の有無にかかわらず有効である。
いずれの方法においても、図1に示すように、第1シート1は、第1供給リール12に外側になるように捲回されていた主面1Aが、第2シート2に対向するように捲き出され、搬送される。このとき、第1シート1は、搬送方向Dと垂直な方向から見たとき、第2シート2側に突出する円弧を連ねたような形状の捲き痕を有している。なお、図1では、便宜上、円弧を誇張して示している。
図1は、接着剤付与工程および加熱工程を含む製造方法を示す概略図である。図1では、第1シート1が第1供給リール12から巻き出されて、搬送ラインの最初の搬送ローラ11に主面1Aが上方に向くように供給された後、主面1Aに接着剤4が付与されて、例えば電磁波42aの照射により接着剤4が溶融される。続いて、溶融した接着剤4を介して、第1シート1に第2シート2が積層される。
捲き痕を備える第1シートに、収縮率の高い第2シートを積層し、第2シートを収縮させる場合、図2(a)に示すように、第2シート2には、第1シート1よりも大きな収縮応力が働く。そのため、第2シートは、第1シートの円弧の両端を引張り上げながら、第1シートよりも大きく収縮しようとする。これにより、第1シートは矯正されて、平坦状になる。よって、得られる積層体もまた平坦状になる(図2(b))。このような積層体をプリーツ加工すると、図5に示すように、その断面はシャープな山型になる。第2シートの収縮は、加熱工程後の自然冷却や、テンションの解放により生じる。なお、図2(a)および(b)は、第1シートの捲き痕が解消される様子を説明する模式図である。
以下、図1、図3および図4を参照しながら、各工程について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る製造方法を説明するための概略図である。図3は、本発明の一実施形態に係る製造装置200Aの構成例を示す図であり、図4は、本発明の他の一実施形態に係る製造装置200Bの構成例を示す図である。
(1)準備工程
準備工程では、第1シート1および第2シート2を準備する。第1シートは、積層体を支持する支持体(基材)であり、第2シートは、集塵機能を発揮するとともに、後述する第3繊維が第1シートに堆積される場合には、第3繊維を外的負荷から保護する保護層として機能する。
第1シートの形態および材質は特に限定されず、用途に応じて適宜選択すれば良い。第1シートとして、具体的には、樹脂シート、紙製のシート、織物、編物および不織布等の繊維構造体等が例示できる。なかでも、積層体を濾材として使用する場合、圧力損失の観点から、第1シートは不織布であることが好ましい。不織布は、例えば、スパンボンド法、乾式法(例えば、エアレイド法)、湿式法、メルトブロー法、ニードルパンチ法等により製造される。なかでも、基材として適する不織布が形成され易い点で、第1シートは、湿式法により製造された不織布であることが好ましい。
第1シートが不織布である場合、第1シートを構成する第1繊維の材質は特に限定されず、例えば、ガラス繊維、セルロース、アクリル樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド(PA)、あるいはこれらの混合物等が挙げられる。なかでも、基材として適する点で、第1繊維の材質はPETまたはセルロースが好ましい。第1繊維の平均繊維径D1は特に限定されず、例えば、1μm以上、40μm以下であっても良く、5μm以上、20μm以下であっても良い。
平均繊維径D1とは、第1繊維の直径の平均値である。第1繊維の直径とは、第1繊維の長さ方向に対して垂直な断面の直径である。そのような断面が円形でない場合には、最大径を直径と見なしてよい。また、第1シートを一方の主面の法線方向から見たときの、第1繊維の長さ方向に対して垂直な方向の幅を、第1繊維の直径と見なしても良い。平均繊維径D1は、例えば、第1シートに含まれる任意の10本の第1繊維の任意の箇所の直径の平均値である。後述する平均繊維径D2およびD3についても同じである。
積層体を電池の分離シートとして使用する場合、取扱い性の観点から、第1シートは樹脂シートであることが好ましい。樹脂シートを構成する樹脂としては、PP、PE、PET等のポリエステル等を用いることができる。なかでも、寸法安定性、耐溶剤性、コストの観点から、PETであることが好ましい。
第1シートの厚みT1は、特に限定されず、例えば、50μm以上、500μm以下であっても良く、150μm以上、400μm以下であっても良い。シートの厚みTとは、例えば、シートの任意の10箇所の厚みの平均値である(以下、同じ)。厚みとは、シートの2つの主面の間の距離である。シートが不織布である場合、その厚みは、不織布の断面を写真に取り、不織布の一方の主面上にある任意の1地点から他方の主面まで、一方の表面に対して垂直な線を引いたとき、この線上にある繊維のうち、最も離れた位置にある2本の繊維の外側(外法)の距離として求められる。他の任意の複数地点(例えば、9地点)についても同様にして不織布の厚みを算出し、これらを平均化した数値を、不織布の厚みとする。上記厚みの算出に際しては、二値化処理された画像を用いても良い。
第1シートの単位面積当たりの質量も特に限定されず、例えば、10g/m2以上、80g/m2以下であっても良く、35g/m2以上、60g/m2以下であっても良い。
第2シートは、例えば、上記方法により製造された不織布であっても良い。なかでも、積層体を濾材として使用する場合、繊維径の細い不織布が形成され易い点で、第2シートは、メルトブロー法により製造された不織布であることが好ましい。さらに、集塵効果が期待できる点で、第2不織布は、帯電処理等によって帯電(永久帯電)されていることが好ましい。永久帯電とは、外部電界が存在しない状態において半永久的に電気分極を保持し、周囲に対して電界を形成している状態である。
第2シートを構成する第2繊維の材質は特に限定されず、例えば、ガラス繊維、セルロース、アクリル樹脂、PP、PE、PET等のポリエステル、PA、あるいはこれらの混合物等が挙げられる。なかでも、帯電され易い点で、PPが好ましい。第2繊維の平均繊維径D2も特に限定されない。平均繊維径D2は、例えば、0.5μm以上、20μm以下であっても良く、5μm以上、20μm以下であっても良い。
第2シートの厚みT2は特に限定されず、100μm以上、500μm以下であっても良く、150μm以上、400μm以下であっても良い。第2シートの単位面積当たりの質量も特に限定されず、10g/m2以上、50g/m2以下であっても良く、10g/m2以上、30g/m2以下であっても良い。
第2シートが不織布であって、毛羽立ちを有する主面を備える場合、第1シートと第2シートとの間の摩擦が大きくなる点で、第2シートの毛羽立ちを有する主面が第1シートに対向するように、両者を積層することが好ましい。これにより、第1シートの捲き痕がさらに解消され易くなる。毛羽立ちを有する主面を有する不織布は、例えば、メルトブロー法により形成される。メルトブロー法は、溶融したポリマーをノズルから吐出し、高温の高速ガス流体を当てながら、コンベア等に堆積させる方法である。このとき、コンベア等に対向していた主面とは反対側の主面には、毛羽立ちが形成され得る。
加熱工程が含まれる場合、第2シートとして、第1シートよりも大きな線膨張係数を有するシートを用いることが好ましい。第2シートは、加熱工程によって直接的には加熱されないが、加熱された第1シートに積層されることにより、第2シートの温度も高まる。積層工程が終了すると、第1シートおよび第2シートは徐々に冷却される。第2シートは、第1シートよりも大きな線膨張係数を有しているため、第2シートは、第1シートよりも大きく収縮する。第2シートと第1シートとは接着されているため、第2シートは、第1シートに形成されている円弧の両端を、自身の方に引張りながら収縮する。これにより、第1シートは矯正されて平坦状になる。
第2シートの線膨張係数は特に限定されないが、例えば、50〜150ppm/℃である。線膨張係数は、例えば、熱機械分析装置(Thermal Mechanical Analysis:TMA)を用いて測定される。具体的には、シートを所定の長さおよび幅(例えば、長さ30mm×幅5mm)に切り出して試料を作製する。試料が変形しないように、得られた試料の長手方向の両端部を、それぞれ引っ張り冶具でチャッキングし、一定の温度で昇温させながら、試料の伸び量を測定する。また、第1シートの線膨張係数も特に限定されないが、例えば、40〜120ppm/℃である。
(2)搬送工程
搬送工程では、第1シート1を、搬送ライン207を構成する最初の搬送ローラ11に供給し、下流に向けて搬送する。このとき、続いて行われる電界紡糸工程あるいは接着剤付与工程は、第1シート1の第1供給リール12に外側になるように捲回されていた主面1Aに対して施される。つまり、第1シート1は、主面1Aを上方に向けて搬送ライン207に供給される。
搬送ライン207は、複数の搬送ローラ(11、31、41、51等)を備える。各搬送ローラは、第1シートの主面1Aとは反対側の主面側から第1シートと接触し、支持する。各搬送ローラの長さは、例えば、第1シートの搬送方向に垂直な幅より大きい。搬送ローラの数は特に限定されず、例えば、各工程に1または2以上配置される。
(3)電界紡糸工程
搬送工程の後、後述する接着剤付与工程の前に、搬送中の第1シートの主面1Aに、電界紡糸法により繊維(第3繊維3)を堆積させても良い(電界紡糸工程)。積層体を濾材として使用する場合、集塵性能の向上が期待できる。本工程において、第1シートは、噴射される原料液のターゲットであり、生成する第3繊維を収集するコレクタとして機能する。第2シートは、第1シートに堆積する第3繊維を保護する保護材としても機能する。この場合、第1シートと第2シートとは、第3繊維を介して積層される。
電界紡糸工程において、第1シートはベルトコンベア21により搬送されても良い。第1シートが平坦状に支持され易くなるとともに、ベルトコンベアのベルトが繊維を収集するコレクタ部として機能できるためである。ベルトコンベア21は、長手方向の両端部が結合された無端状のベルト21bと、一対のローラ21aとを備える。ベルト21bは、ローラ21aの回転駆動に伴い、回転する。
ベルトの材質は特に限定されず、加工条件等に応じて適宜選択すれば良い。ベルトの材質としては、例えば、繊維構造体、ゴム、樹脂、スチール等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、例えば、繊維構造体をゴムで挟み込んだ布層コンベアベルトのように複数種を組み合わせて用いてもよい。ベルトの搬送方向に垂直な幅は特に限定されず、第1シートの搬送方向に垂直な幅より大きくなるよう、適宜設定すれば良い。ベルトの厚みも特に限定されず、ベルトの材質、加えられるテンションの大きさ等に応じて、適宜設定すれば良い。
電界紡糸工程を行う場合、繊維の原料となる原料樹脂と原料樹脂を溶解させる溶媒を含む原料液を準備する。
原料液は、原料樹脂および溶媒を含む。原料樹脂は第3繊維の原料であり、溶媒は、原料樹脂を溶解させる(以下、第1溶媒と称する)。原料液から、原料樹脂および第1溶媒を含む繊維が形成される。原料液における原料樹脂と第1溶媒との混合比率は、選定される原料樹脂の種類および第1溶媒の種類により異なる。原料液における第1溶媒の割合は、例えば、60質量%から95質量%である。原料液には、原料樹脂を溶解させる第1溶媒以外の溶媒や各種添加剤等が含まれていても良い。
原料樹脂の種類は特に限定されず、例えば、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアリレート(PAR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタン(PU)等のポリマーが挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いても良い。なかでも、電界紡糸法に適している点で、PESが好ましい。また、平均繊維径D3が細くなる易い点で、PVDFが好ましい。
第1溶媒は、原料樹脂を溶解できるものであれば特に限定されない。例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジベンジルアルコール、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセトン、ヘキサフルオロアセトン、フェノール、ギ酸、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、塩化メチル、塩化エチル、塩化メチレン、クロロホルム、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロプロパン、ジブロモエタン、ジブロモプロパン、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、酢酸、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホオキシド、ピリジン、水等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。なかでも、電界紡糸法に適している点およびPESを溶解し易い点で、DMAcが好ましい。
堆積する第3繊維の平均繊維径D3は特に限定されず、用途等に応じて適宜設定すれば良い。なかでも、積層体を濾材として使用する場合、平均繊維径D3は、平均繊維径D1およびD2よりも小さいことが好ましい。具体的には、平均繊維径D3は3μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましく、500nm以下であることが特に好ましい。また、平均繊維径D3は50nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましい。積層体を濾材として使用する場合、圧力損失が抑制されるとともに集塵効率が高くなり易いためである。
第3繊維は、平均繊維径の異なる複数種の繊維を含んでいても良い。第3繊維は、例えば、平均繊維径が30nm以上300nm未満の細い第3繊維と、平均繊維径が300nm以上3μm以下の太い第3繊維とを含んでいても良い。太い第2繊維と細い第2繊維とは、混在していても良いが、積層体を濾材として使用する場合の集塵効率の観点から、細い第3繊維を主面1A側に偏在させ、太い第3繊維を第2シートと対向する側に偏在させることが好ましい。
第3繊維の堆積量も、特に限定されない。なかでも、積層体を濾材として使用する場合、第3繊維の堆積量は、圧力損失と集塵効率とのバランスの観点から、0.1g/m2以上、1.5g/m2以下であることが好ましく、0.2g/m2以上、0.5g/m2以下であることがより好ましく、0.2g/m2以上、0.8g/m2以下であることが特に好ましい。
(4)接着剤付与工程
次に、第1シート1の主面1Aに接着剤4を付与する。
接着剤は、第2シートを第1シートと接着するために、第1シートに付与される。接着剤の付与方法は特に限定されず、コーティング法、スプレー法、自由落下等が例示できる。なかでも、接着剤の第1シートへの染み込みが抑制され易い点で、スプレー法または自由落下により、溶融された接着剤あるいは粉末状の接着剤を第1シートに付与することが好ましい。
接着剤の付与量は特に限定されないが、例えば、0.5g/m2以上、5g/m2以下である。接着剤の種類は特に限定されず、例えば、PU、PET等のポリエステル、PA、ポリオレフィン(例えば、PP、PE)等を主成分とするホットメルト接着剤や、熱硬化性樹脂を含む粉末状の接着剤等が挙げられる。
(5)加熱工程
接着剤4が第1シート1に付与された後、第2シート2を積層する前に、第1シート1に、例えば電磁波42aを照射する加熱装置を用いて、接着剤4を溶融させる。加熱温度は、溶媒の沸点および接着剤の融点に応じて適宜設定すれば良い。加熱温度は、第1シートの表面が、例えば100〜200℃、好ましくは120〜170℃になるように、調整される。
(6)積層工程
接着剤4を溶融させた後、第2シート2を第1シート1に積層する。第2シート2を積層した後、得られた積層体10を一対の圧着ローラ54(54aおよび54b)の間を通過させ、第1シート1と第2シート2とをさらに密着させても良い。
積層工程において、第2シートの第1シートに対向する主面は、第2供給リールに内側になるように捲回されていた主面2Bであっても良いし、第2供給リールに外側になるように捲回されていた主面2Aであっても良い(図3および図4参照)。第2シートは柔軟性に優れるため、捲き痕が生じ難いためである。第2シートは、毛羽立ちを有する主面が第1シートに対向するように、供給されることが好ましい。言い換えれば、第2シートの毛羽立ち面を考慮して、第2シートの第1シートに対向する主面を、主面2Bまたは主面2Aのいずれにするか決定すれば良い。
このとき、図3および図4に示すように、第2供給リール52を圧着ローラ54の下流に配置して、第2シート2を、圧着ローラ54のより下流から第1シート1に向けて供給しても良い。これにより、第2シートにはテンションが付与され、第2シートの伸長率を第1シートよりも大きくした状態で、第2シートを第1シートに積層することができる。
(7)第1回収工程
最後に、製造された積層体10を、回収装置に回収する。回収装置は、例えば第1回収リール62を備えており、積層体10は第1回収リール62に捲回される。
第2シートの第1シートに対向する主面が、第2供給リールに内側になるように捲回されていた主面2Bである場合、第1シートと第2シートとは、捲き痕である円弧が重なるように積層される。そのため、第1シートと第2シートとの積層体を、第2供給リールに外側になるように捲回されていた主面2Aが内側になるように、第1回収リールに捲回することが好ましい。これにより、第1シートの捲き痕がさらに解消され易くなる。積層体を、第2シートの主面2Aが内側になるように、第1回収リールに捲回する場合、積層体は、第2シートに比べて剛直な第1シートが外側になるように、第1回収リールに捲回される。そのため、第2シートの損傷が抑制され易くなる点でも、この方法は好ましい。
(8)裁断工程および第2回収工程
第1回収工程の後、積層体10を第1回収リール62から巻き出し、長手方向に沿って裁断する裁断工程を行っても良い。この裁断工程は、積層体の品質を一定にするために、積層体の端部(耳部)を切断する工程である。この場合、裁断工程の後に行われる第2回収工程では、耳部が切断された積層体を、第1回収リールに内側になるように捲回されていた主面が外側になるように、第2回収リールに捲回することが好ましい。つまり、第1回収リールと第2回収リールとで、積層体の巻取り方向を変える。これにより、第1回収リールに捲回されることにより形成された捲き痕が解消されるため、最終的に得られる積層体は、平坦状になり易い。
[製造装置]
以下、図3および図4を参照しながら、製造装置200(200A、200B)について説明する。製造装置200Aにおいて、第2供給部208は、第2シートの第1シートに対向する主面が、第2供給リールに内側になるように捲回されていた主面2Bになるように、第2シートを第1シートに向けて供給する。製造装置200Bにおいて、第2供給部208は、第2シートの第1シートに対向する主面が、第2供給リールに外側になるように捲回されていた主面2Aになるように、第2シートを第1シートに向けて供給する。
製造装置200は、第1シートを、搬送ライン207の上流に供給する第1供給部201と、第2シートを第1シートに向けて供給する第2供給部208と、第1供給部201の下流に配置されており、第1シートの主面に接着剤を付与する接着剤付与部203と、接着剤付与部203の下流に配置されており、接着剤を溶融させる加熱部204と、加熱部204の下流に配置されており、第1シートに、第2シート供給部208から供給される第2シートを積層させる積層部205と、第1シートと第2シートとの積層体を回収する回収部206と、を具備する。本実施形態において、製造装置200は、第1供給部201と接着剤付与部203との間に、電界紡糸法により、第3繊維を第1シートの一方の主面に堆積させる電界紡糸部202を備える。
[第1供給部]
第1供給部201は、製造装置200の最上流に配置されている。第1供給部201は、モータ13により供給リール12を回転させて、供給リール12に捲回された第1シート1を、搬送ライン207の最上流に位置する搬送ローラ11に供給する。第1シート1は、搬送ライン207によって、第1供給部201から回収部206に向かって搬送される。このとき、第1供給部は、第1供給リールに外側になるように捲回されていた主面1Aが、搬送ローラ11に接触する面とは反対の面になるように、第1シートを搬送ラインに供給する。
[電界紡糸部]
電界紡糸部202は、電界紡糸機構を具備する電界紡糸ユニット(図示せず)を備える。電界紡糸部202では、電界紡糸法によって、第1シート上に第3繊維が堆積される。電界紡糸機構は、装置内の上方に設置された第3繊維3の原料液を放出するための放出体23と、放出された原料液をプラスに帯電させる帯電手段(後述参照)と、放出体23と対向するように配置された第1シート1を上流側から下流側に搬送するベルトコンベア21と、を備えている。ベルトコンベア21は、第1シート1とともに第3繊維3を収集するコレクタ部として機能する。なお、電界紡糸ユニットの台数は、特に限定されるものではなく、1台でも2台以上でもよい。
電界紡糸ユニットおよび/または放出体23が複数ある場合、電界紡糸ユニットごと、あるいは、放出体23ごとに、形成される第3繊維3の平均繊維径を変化させても良い。第3繊維3の平均繊維径は、後述する原料液の吐出圧力、印加電圧、原料液の濃度、放出体23と第1シート1との距離、温度、湿度などを調整することにより、変化させることができる。また、第3繊維3の堆積量は、原料液の吐出圧力、印加電圧、原料液の濃度、第1シート1の搬送速度などを調整することにより、制御される。
放出体23の第1シート1の主面と対向する側には、原料液の放出口(図示せず)が複数箇所設けられている。放出体23の放出口と、第1シート1との距離は、製造システムの規模や所望の繊維径にもよるが、例えば、100〜600mmであればよい。放出体23は、電界紡糸ユニットの上方に設置された、第1シート1の搬送方向と平行な第1支持体24から下方に延びる第2支持体25により、自身の長手方向が第1シート1の主面と平行になるように支持されている。第1支持体24は、放出体23を第1シート1の搬送方向とは垂直な方向に揺動させるように、可動であっても良い。
帯電手段は、放出体23に電圧を印加する電圧印加装置26と、ベルトコンベア21と平行に設置された対電極27とで構成されている。対電極27は接地(グランド)されている。これにより、放出体23と対電極27との間には、電圧印加装置26により印加される電圧に応じた電位差(例えば20〜200kV)を設けることができる。なお、帯電手段の構成は、特に限定されない。例えば、対電極27はマイナスに帯電されていても良い。また、対電極27を設ける代わりに、ベルトコンベア21のベルト21bを導体から構成してもよい。
放出体23は、導体で構成されており、長尺の形状を有し、その内部は中空になっている。中空部は原料液22を収容する収容部となる。原料液22は、放出体23の中空部と連通するポンプ28の圧力により、原料液タンク29から放出体23の中空に供給される。そして、原料液22は、ポンプ28の圧力により、放出口から第1シート1の主面に向かって放出される。放出された原料液22は、帯電した状態で放出体23と第1シート1との間の空間(生成空間)を移動中に静電爆発を起し、繊維状物(第3繊維3)を生成する。
[接着剤付与部]
接着剤付与部203では、第3繊維3が堆積された第1不織布1に、接着剤が付与される。接着剤付与部203は、例えば、接着剤付与部203の上方に設置された接着剤4を収容する接着剤タンク32と、接着剤4を散布するための散布部材33とを備える散布装置34を具備する。散布部材33からは、例えば、粒子状の接着剤が散布される。
[加熱部]
加熱部204は、加熱装置42を備えており、接着剤付与部で第1シートに付与された接着剤を溶融させる。加熱装置は特に限定されず、公知のものを適宜選択すれば良い。第1不織布の加熱装置42に対向する主面から加熱装置42までの最短距離は、例えば、5mm以上、50mm以下である。
[第2供給部および積層部]
第2供給部208は、例えば第1シートの上方に設置される第2供給リール52とこれを回転駆動させるモータ53とを備える。第2供給リール52には、第2シート2が捲回されている。第2シートは、第1シートの搬送スピードに合わせて第2供給リール52から捲き出されながら、第1シートに積層される。第2供給リール52は、圧着ローラ54の下流に配置されることが好ましい。この場合、第2シート2は、圧着ローラ54の下流から第1シート1に向けて供給される。そのため、第2シートにテンションが付与された状態、すなわち、第2シートの伸長率を第1シートよりも大きくした状態で、第2シートを第1シートに積層することができる。
第2供給部208は、第2シートの第1シートに対向する主面が、第2供給リールに内側になるように捲回されていた主面2Bになるように、第2シートを第1シートに向けて供給しても良いし(図3参照)、第2シートの第1シートに対向する主面が、第2供給リールに外側になるように捲回されていた主面2Aになるように、第2シートを第1シートに向けて供給しても良い(図4参照)。
積層部205は、一対の圧着ローラ54(54aおよび54b)を備えており、第1シート、第3繊維および第2シートを、上記圧着ローラの間を通過させて圧着する。
[回収部]
得られた積層体10は、より下流側に配置されている回収部206に回収される。回収部206は回収リール62を備えており、積層体10は、モータ63により回転駆動される回収リール62に捲回される。回収部は、積層体を、第2シートに比べて剛直な第1シートが外側になるように、第1回収リールに捲回することが好ましい。第2シートの損傷が抑制され易くなるためである。
本発明の製造方法および製造装置により得られる積層体は、平坦状になり易い。そのため、上記積層体は、空気清浄機の濾材、電池用の分離シート、妊娠検査シート等の体外検査シート、塵を拭き取る拭取シート等の他の用途に好ましく使用される。
1:第1シート、2:第2シート、3:第3繊維、4:接着剤、10、100:積層体、11、31、41、51:搬送ローラ、12:第1供給リール、13:モータ、21:ベルトコンベア、21a:ローラ、21b:ベルト、22:原料液、23:放出体、24:第1支持体、25:第2支持体、26:電圧印加装置、27:対電極、28:ポンプ、29:原料液タンク、32:接着剤タンク、33:散布部材、34:散布装置、42:加熱装置、42a:電磁波、52:第2供給リール、53:モータ、54、54a、54b:圧着ローラ、62:第1回収リール、63:モータ、200A、200B:製造装置、201:第1供給部、202:電界紡糸部、203:接着剤付与部、204:加熱部、205:積層部、206:回収部、207:搬送ライン、208:第2供給部

Claims (8)

  1. 第1供給リールに捲回された第1シートと、第2供給リールに捲回された第2シートと、を準備する準備工程と、
    前記第1シートを搬送ラインの上流に供給し、下流に向けて搬送する搬送工程と、
    前記第1シートの一方の主面に接着剤を付与する接着剤付与工程と、
    前記主面に付与された前記接着剤を溶融させる加熱工程と、
    前記第1シートに、溶融した前記接着剤を介して前記第2シートを積層する積層工程と、を具備し、
    前記第2シートの線膨張係数C2が、前記第1シートの線膨張係数C1より大きく、
    前記第1シートの前記主面が、前記第1供給リールに外側になるように捲回されていた主面であり、
    前記第2シートが繊維を含み、かつ、毛羽立ちを有する主面とその反対側の主面とを備え、
    前記積層工程において、前記第2シートを、前記毛羽立ちを有する主面が前記第1シートに対向するように、前記第1シートに積層する、積層体の製造方法。
  2. 第1供給リールに捲回された第1シートと、第2供給リールに捲回された第2シートと、を準備する準備工程と、
    前記第1シートを搬送ラインの上流に供給し、下流に向けて搬送する搬送工程と、
    前記第1シートに、前記第2シートを積層する積層工程と、を具備し、
    前記第2シートが繊維を含み、かつ、毛羽立ちを有する主面とその反対側の主面とを備え、
    前記積層工程において、前記第2シートを、前記第2シートの伸長率が前記第1シートの伸長率よりも大きい状態で、前記第2シートの前記毛羽立ちを有する主面が、前記第1シートの前記第1供給リールに外側になるように捲回されていた主面に対向するように、前記第1シートに積層する、積層体の製造方法。
  3. 前記積層工程において、前記第2シートを、前記第2供給リールに外側になるように捲回されていた主面が前記第1シートに対向するように、前記第1シートに積層し、
    前記積層工程の後、さらに、前記第1シートと前記第2シートとの積層体を第1回収リールに捲回させる第1回収工程を具備する、請求項1または2に積層体の製造方法。
  4. 前記積層工程において、前記第2シートを、前記第2供給リールに内側になるように捲回されていた主面が前記第1シートに対向するように、前記第1シートに積層し、
    前記積層工程の後、前記第1シートと前記第2シートとの積層体を、前記第2供給リールに外側になるように捲回されていた主面が内側になるように、第1回収リールに捲回させる第1回収工程を具備する、請求項1または2に記載の積層体の製造方法。
  5. 前記第1回収工程の後、さらに、前記積層体を長手方向に沿って裁断する裁断工程と、
    裁断された前記積層体を、前記第1回収リールに内側になるように捲回されていた主面が外側になるように、第2回収リールに捲回する第2回収工程と、を具備する、請求項またはに記載の積層体の製造方法。
  6. 前記積層工程の前に、さらに、第3繊維の原料となる原料樹脂と前記原料樹脂を溶解させる溶媒とを含む原料液から、前記第3繊維を生成させ、前記第3繊維を前記第1シートの前記主面に堆積させる電界紡糸工程を具備する、請求項1〜のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  7. 第1供給リールに捲回された第1シートを、搬送ラインに供給する第1供給部と、
    第2供給リールに捲回された第2シートを、前記第1シートに向けて供給する第2供給部と、
    前記第1供給部の下流に配置されており、第3繊維の原料となる原料樹脂と前記原料樹脂を溶解させる溶媒とを含む原料液から、前記第3繊維を生成させ、前記第3繊維を前記第1シートの一方の主面に堆積させる電界紡糸部と、
    前記電界紡糸部の下流に配置されており、前記第3繊維が堆積された前記第1シートの前記主面に、接着剤を付与する接着剤付与部と、
    前記接着剤付与部の下流に配置されており、前記接着剤を溶融させる加熱部と、
    前記第2シートを、溶融した前記接着剤を介して前記第1シートに積層し、積層体を得る積層部と、
    を具備し、
    前記第2シートの線膨張係数C2が、前記第1シートの線膨張係数C1より大きく、
    前記第1シートの前記主面が、前記第1供給リールに外側になるように捲回されていた主面である、積層体の製造装置。
  8. 第1供給リールに捲回された第1シートを、搬送ラインに供給する第1供給部と、
    第2供給リールに捲回された第2シートを、前記第1シートに向けて供給する第2供給部と、
    前記第1供給部の下流に配置されており、第3繊維の原料となる原料樹脂と前記原料樹脂を溶解させる溶媒とを含む原料液から、前記第3繊維を生成させ、前記第3繊維を前記第1シートの一方の主面に堆積させる電界紡糸部と、
    前記第2シートを、前記第3繊維が堆積された前記第1シートの前記主面に積層し、積層体を得る積層部と、を具備し、
    前記第1シートの前記主面が、前記第1供給リールに外側になるように捲回されていた主面であり、
    前記第2供給部は、前記第2シートを、前記第2シートの伸長率が前記第1シートの伸長率よりも大きい状態で、前記第1シートの前記主面に供給する、積層体の製造装置。
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