JP2017197872A - 積層体、その製造方法および製造装置 - Google Patents

積層体、その製造方法および製造装置 Download PDF

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Koji Ikeda
浩二 池田
本村 耕治
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Abstract

【課題】表面積の大きな不織布を備える積層体を提供する。
【解決手段】基材1を準備する準備工程と、第1繊維の第1原料樹脂および第1溶媒を含む第1原料液から、前記第1溶媒を含む前記第1繊維を生成させるとともに、基材1上に堆積させて、第1不織布2Aを形成する第1不織布形成工程と、前記第1不織布形成工程の後、第1不織布2Aに、第1凹凸C2aを形成する第1凹凸形成工程と、前記第1凹凸形成工程の後、第2繊維の原料となる第2原料樹脂および第2溶媒を含む第2原料液から、前記第2溶媒を含む前記第2繊維を生成させるとともに、基材1上に第1不織布2Aを介して堆積させて、第2不織布2Bを形成する第2不織布形成工程と、を具備する、積層体10Aの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の不織布を積層した積層体、その製造方法および製造装置に関する。
基材に不織布が積層された積層体は、強度が高いため、様々な用途に用いられている。例えば、特許文献1は、基材である不織布と極細繊維を含む不織布とを備える積層体を、空気清浄機の濾材として使用することを提案している。このような積層体は、例えば、基材に、電界紡糸法により極細繊維を堆積させることにより得られる。
特開2014−121699号公報
極細繊維を用いることにより、形成される不織布の表面積が大きくなる。例えば、積層体を濾材として用いる場合、不織布の表面積が大きくなることにより集塵効率が向上する。しかし、極細繊維を基材に過度に堆積させると、極細繊維同士が密着するため、逆に形成される不織布の表面積が小さくなる。その結果、集塵効率が低下したり、圧力損失が増大する場合がある。
本発明の一局面は、基材を準備する準備工程と、第1繊維の第1原料樹脂および第1溶媒を含む第1原料液から、前記第1溶媒を含む前記第1繊維を生成させるとともに、前記基材上に堆積させて、第1不織布を形成する第1不織布形成工程と、前記第1不織布形成工程の後、前記第1不織布に、第1凹凸を形成する第1凹凸形成工程と、前記第1凹凸形成工程の後、第2繊維の原料となる第2原料樹脂および第2溶媒を含む第2原料液から、前記第2溶媒を含む前記第2繊維を生成させるとともに、前記基材上に前記第1不織布を介して堆積させて、第2不織布を形成する第2不織布形成工程と、を具備する、積層体の製造方法に関する。
本発明の他の一局面は、基材を準備する準備工程と、第1繊維の原料となる第1原料樹脂および第1溶媒を含む第1原料液から、前記第1溶媒を含む前記第1繊維を生成させるとともに、前記基材上に堆積させて、第1不織布を形成する第1不織布形成工程と、前記第1不織布形成工程の後、前記第1不織布に、第1凹凸を形成する第1凹凸形成工程と、前記第1凹凸形成工程の後、第2繊維の原料となる第2原料樹脂および第2溶媒を含む第2原料液から、前記第2溶媒を含む前記第2繊維を生成させるとともに、前記基材上に前記第1不織布を介して堆積させて、第2不織布を形成する第2不織布形成工程と、前記第2不織布形成工程の後、前記第2不織布に第2凹凸を形成する第2凹凸形成工程と、前記第2凹凸形成工程の後、第3繊維の原料となる第3原料樹脂および第3溶媒を含む第3原料液から、前記第3溶媒を含む前記第3繊維を生成させるとともに、前記基材上に前記第1不織布および前記第2不織布を介して堆積させて、第3不織布を形成する第3不織布形成工程と、を具備する、積層体の製造方法に関する。
本発明のさらに他の一局面は、基材を上流から下流に搬送しながら、前記基材に第1不織布および第2不織布をこの順に形成する積層体の製造装置であって、第1繊維の原料となる第1原料樹脂および第1溶媒を含む第1原料液から、前記第1溶媒を含む前記第1繊維を生成させるとともに、前記第1繊維を基材上に堆積させて、前記第1不織布を形成する第1不織布形成部と、前記第1不織布形成部の下流に配置され、前記第1不織布に、第1凹凸を形成する第1凹凸形成部と、前記第1凹凸形成部の下流に配置され、第2繊維の原料となる第2原料樹脂と第2溶媒とを含む第2原料液から、前記第2繊維を生成させるとともに、前記第2繊維を前記基材上に前記第1不織布を介して堆積させて、前記第2不織布を形成する第2不織布形成部と、を具備する、積層体の製造装置に関する。
本発明のさらに他の一局面は、基材と、前記基材に対向し、第1繊維を含む第1不織布と、前記第1不織布を介して前記基材に対向し、第2繊維を含む第2不織布と、を含み、前記基材が、前記第1不織布に対向する主面に複数の凹凸を備え、前記第1不織布が、前記基材の前記凹凸に沿う複数の第1凹凸を備え、前記第1不織布と前記第2不織布との間に第1空間を有し、前記第1空間における前記第1不織布と前記第2不織布との間の最大の距離が、前記第1不織布の厚みよりも大きく、かつ、前記第2不織布の厚みよりも大きい、積層体に関する。
本発明に係る積層体は、表面積が大きい不織布を備える。そのため、不織布を積層させた利点が発揮され易くなる。例えば、積層体を濾材として使用する場合、圧力損失が小さくなるとともに、集塵効率が向上する。
本発明の第1実施形態に係る製造方法の各工程における基材および不織布を模式的に示す断面図である((a)〜(c))。 第1凹凸形成工程において、第1ローラによって第1凹凸が形成される積層体を示す側面図(a)、第1ローラの一部を拡大して示す側面図(b)および第1対向ローラの一部を拡大して示す側面図である(c)。 第1実施形態の製造方法により得られる積層体の一例を示す断面図である。 第1実施形態に係る積層体の製造装置を示す概略図である。 第2実施形態に係る製造方法の各工程における基材および不織布を模式的に示す断面図である((a)〜(e))。 第2凹凸形成工程において、ローラによって第2凹凸が形成される積層体を示す側面図(a)、第2ローラの一部を拡大して示す側面図(b)および第2対向ローラの一部を拡大して示す側面図である(c)。 第2実施形態の製造方法により得られる積層体の一例を示す断面図である。 第2実施形態に係る積層体の製造装置を示す概略図である。
基材に積層される不織布は、例えば、電界紡糸法により、繊維を基材上に堆積することにより形成される。電界紡糸法では、繊維の原料である樹脂(原料樹脂)を溶媒に溶解させた原料液に高電圧を印加し、電荷をもった原料液をノズルから噴射することにより、繊維が生成する。このとき、繊維は溶媒を含んだ状態で基材上に堆積し、基材を構成する基材繊維と密着する。繊維に含まれる溶媒が除去されると、繊維は収縮して、基材繊維との密着は部分的に解消される。基材と形成される不織布とは点接着する。
溶媒を含む繊維は変形し易い。つまり、溶媒が残存する状態で繊維に外圧を加えると、繊維は基材の表面に沿うように変形して、密着する。その後、溶媒を除去しても、繊維は基材の表面に沿った状態を維持することができる。本実施形態では、溶媒を含んだ状態で堆積される繊維のこのような挙動を利用して、積層される不織布の表面積を大きくする。
(第1実施形態)
[製造方法]
本実施形態に係る積層体の製造方法は、基材を準備する準備工程と、第1繊維の第1原料樹脂および第1溶媒を含む第1原料液から、第1溶媒を含む第1繊維を生成させるとともに、基材上に堆積させて、第1不織布を形成する第1不織布形成工程と、第1不織布形成工程の後、第1不織布に、第1凹凸を形成する第1凹凸形成工程と、第1凹凸形成工程の後、第2繊維の原料となる第2原料樹脂および第2溶媒を含む第2原料液から、第2溶媒を含む第2繊維を生成させるとともに、基材上に第1不織布を介して堆積させて、第2不織布を形成する第2不織布形成工程と、を具備する。
以下、本実施形態に係る製造方法について、図1(a)〜(c)および図2(a)〜(c)を参照しながら、詳細に説明する。図1(a)〜(c)は、本実施形態に係る製造方法の各工程における基材および不織布を模式的に示す断面図である。図2は、第1凹凸形成工程において、第1凹凸が第1ローラによって形成される積層体を示す側面図(a)と、第1ローラおよび第1対向ローラの一部をそれぞれ拡大して示す側面図である((b)および(c))。なお、基材および第1不織布、第2不織布、後述する第3不織布等に関して、空気清浄機の濾材に適する形態を具体的に説明するが、積層体の用途は、濾材に限定されるものではない。
(1)準備工程
準備工程では、基材1を準備する。
(基材)
基材1は、例えば、製造される積層体10Aを支持する支持体である。基材1の形態および材質は特に限定されず、用途に応じて適宜選択すればよい。基材1として、具体的には、繊維構造体(織物、編物、不織布等)の多孔質基材が例示できる。なかでも、積層体10Aを濾材として使用する場合、圧力損失の観点から、基材1は不織布であることが好ましい。不織布は、例えば、スパンボンド法、乾式法(例えば、エアレイド法)、湿式法、メルトブロー法、ニードルパンチ法等により製造される。なかでも、基材1は、湿式法により製造された不織布であることが好ましい。
基材1が不織布である場合、基材1を構成する基材繊維の材質は特に限定されず、例えば、ガラス繊維、セルロース、アクリル樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド(PA)、あるいはこれらの混合物等が挙げられる。なかでも、基材1として適する点で、基材繊維の材質はPETまたはセルロースが好ましい。特に、基材1は、PETまたはセルロースを80質量%以上の割合で含むことが好ましい。基材繊維の平均繊維径D1は特に限定されず、例えば、1μm以上、40μm以下であってもよく、5μm以上、20μm以下であってもよい。
平均繊維径D1とは、基材繊維の直径の平均値である。基材繊維の直径とは、基材繊維の長さ方向に対して垂直な断面の直径である。そのような断面が円形でない場合には、最大径を直径と見なしてよい。また、基材1を一方の主面の法線方向から見たときの、基材繊維の長さ方向に対して垂直な方向の幅を、基材繊維の直径と見なしてもよい。平均繊維径D1は、例えば、基材1に含まれる任意の10本の基材繊維の任意の箇所の直径の平均値である。後述する平均繊維径D2〜D4についても同じである。
基材1の厚みT1は、特に限定されず、例えば、50μm以上、500μm以下であっても良く、150μm以上、400μm以下であってもよい。不織布の厚みTとは、例えば、不織布の任意の10箇所の厚みの平均値である。厚みとは、不織布の2つの主面の間の距離である。基材1が不織布である場合、その厚みは、不織布の断面を写真に取り、不織布の一方の主面上にある任意の1地点から他方の主面まで、一方の表面に対して垂直な線を引いたとき、この線上にある繊維のうち、最も離れた位置にある2本の繊維の外側(外法)の距離として求められる。他の任意の複数地点(例えば、9地点)についても同様にして不織布の厚みを算出し、これらを平均化した数値を、不織布の厚みとする。上記厚みの算出に際しては、二値化処理された画像を用いてもよい。後述する厚みT2〜T4についても同じである。
基材1の単位面積当たりの質量も特に限定されず、例えば、10g/m以上、80g/m以下であっても良く、35g/m以上、60g/m以下であってもよい。基材1の圧力損失は特に限定されない。なかでも、基材1の初期の圧力損失は、JISB9908形式1の規格に準拠した測定機を用いて測定した場合、1Pa以上、10Pa以下程度であることが好ましい。基材1の初期の圧力損失がこの範囲であれば、積層体10A全体の圧力損失も抑制される。
(2)第1不織布形成工程(図1(a))
本工程では、第1原料液から第1繊維が生成される。第1繊維は、後述する第1凹凸形成工程において第1不織布2Aに第1凹凸が形成され易い点で、電界紡糸法により生成されることが好ましい。生成された第1繊維は、第1溶媒を含んだ状態で基材1上に堆積し、第1不織布2Aを形成する。本工程において、基材1は、噴射される第1原料液のターゲットであり、生成する第1繊維を収集するコレクタとして機能する。
表面積が大きくなる点で、第1繊維の平均繊維径D2は小さいほど好ましく、例えば、基材繊維の平均繊維径D1よりも小さいことが好ましい。平均繊維径D2は、3μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましく、300nm以下であることが特に好ましい。また、平均繊維径D2は30nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましい。平均繊維径D2がこの範囲であれば、圧力損失が抑制されるとともに集塵効率が高くなり易い。
第1不織布2Aの厚みT2は、圧力損失の観点から、0.5μm以上、10μm以下であることが好ましく、1μm以上、5μm以下であることがより好ましい。第1不織布2Aの初期の圧力損失は、上記と同様の条件で測定する場合、5Pa以上、40Pa以下程度であることが好ましい。
第1不織布2Aの単位面積当たりの質量は、圧力損失と集塵効率とのバランスの観点から、0.1g/m以上、1.5g/m以下であることが好ましく、0.2g/m以上、0.5g/m以下であることがより好ましく、0.2g/m以上、0.8g/m以下であることが特に好ましい。
(第1原料液)
第1原料液は、第1原料樹脂および第1溶媒を含む。第1原料樹脂は第1繊維の原料である。第1溶媒は、第1原料樹脂を溶解させる。第1原料液から、第1原料樹脂および第1溶媒を含む第1繊維が形成される。第1原料液における第1原料樹脂と第1溶媒との混合比率は、選定される第1原料樹脂の種類および第1溶媒の種類により異なる。第1原料液における第1溶媒の割合は、例えば、60質量%から95質量%である。第1原料液には、第1原料樹脂を溶解させる第1溶媒以外の溶媒や各種添加剤等が含まれていてもよい。
第1原料樹脂の種類は特に限定されず、例えば、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアリレート(PAR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタン(PU)等のポリマーが挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。第1原料樹脂が2種以上のポリマーを含む場合、ポリマーの1つは、主成分として、第1原料樹脂の80質量%以上を占めることが好ましい。基材1上での第1繊維の挙動(基材1との密着性や、基材1からの浮き)が一様になり易いためである。第2原料樹脂および後述する第3原料樹脂が、2種以上のポリマーを含む場合も同様である。なかでも、電界紡糸法に適している点では、第1原料樹脂の主成分はPESが好ましい。また、第1繊維の平均繊維径D2が細くなり易い点では、第1原料樹脂の主成分はPVDFが好ましい。
第1溶媒は、原料樹脂を溶解できるものであれば特に限定されない。例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジベンジルアルコール、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセトン、ヘキサフルオロアセトン、フェノール、ギ酸、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、塩化メチル、塩化エチル、塩化メチレン、クロロホルム、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロプロパン、ジブロモエタン、ジブロモプロパン、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、酢酸、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホオキシド、ピリジン、水等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。なかでも、電界紡糸法に適している点、さらにはPESおよびPVDFを溶解し易い点で、DMAcが好ましい。
(3)第1凹凸形成工程(図1(b))
本工程では、基材1上に形成された第1不織布2Aに、第1凹凸C2aを形成する。第1凹凸C2aは、第1不織布2Aに形成される凸部および凹部である。第1凹凸C2aは、第1不織布2Aを、例えば、基材1とともに第1不織布2A側から部分的に押圧することにより形成される。第1凹凸形成工程において、第1繊維には第1溶媒が残存している。そのため、第1繊維は容易に変形して、基材1とともに凹凸を形成する。その結果、第1不織布2Aには、基材1の凹凸に追随した凹凸が形成される。このとき、第1繊維の少なくとも一部は、基材に形成された凹部および凸部にある基材繊維に接触する。
基材1は比較的、剛直であり、弾性が小さい。そのため、基材1は、部分的な押圧により塑性変形し易く、基材1に形成された凹凸は、各工程が終了した後もその形状を維持する。第1繊維は、基材繊維に接触した状態で乾燥される。よって、乾燥後の第1不織布2Aには、基材1の凹凸に沿った第1凹凸C2aが形成される。ここで、第1凹凸C2aが基材1の凹凸に沿っているとは、第1凹凸C2aと基材1の凹凸とが一致していることに限定されず、第1凹凸C2aが基材1の凹凸に倣って形成されていることを含む。すなわち、第1不織布2Aに形成される第1凹凸C2aの高低差は、基材1の凹凸と同じであってもよいし、小さくてもよい。
第1不織布2Aの部分的な押圧は、例えば、複数の第1凸部を有する第1押圧部材によって行われる。第1押圧部材は、図2(a)および(b)に示すような、周面に複数の第1凸部311Aを有する第1ローラ31Aであることが好ましい。これにより、シンプルな構成で、基材1の全面に凹凸が形成されるとともに、第1不織布2Aの全面に、第1凸部311Aに対応する凹部を含む第1凹凸C2aを形成することができる。
この場合、第1凸部311Aは、第1不織布2Aとの接触部に、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体等のフッ素樹脂を含むフッ素樹脂層を備えることが好ましい。押圧の際、第1繊維が第1凸部311Aに接着することを抑制するためである。また、第1不織布形成工程において、第1繊維が第1凸部311Aにも堆積する場合がある。第1凸部311Aがフッ素樹脂層を備えることにより、第1凸部311Aに堆積した第1繊維は、本工程において基材1に転写され易くなる。よって、第1凸部311Aの高さが維持されて、所望の凹凸を第1不織布2Aに形成することができる。
第1凸部311Aの形状や分布状態は、特に制限されない。例えば、第1凸部311Aが複数のポイント状の凸部であって、これらが規則的にあるいは不規則に並んでいてもよい。また、第1凸部311Aが複数の線状または帯状の凸部であって、これらが等間隔に、ストライプ状やジグザグ状で並んでいてもよい。ポイント状の凸部は、例えば、角柱状であってもよく、円柱状や楕円柱状であってもよい。また、凸部は、格子状や網目状に形成されていてもよい。
第1不織布2Aの表面積が大きくなる点で、隣接する第1凸部311A間のピッチPp1は、0.1〜5mmであることが好ましく、0.2〜2mmであることがより好ましい。また、基材1に凹凸が形成され易くなる点で、ピッチPp1は基材繊維の平均繊維径D1の10〜500倍であることが好ましく、50〜200倍であることがより好ましい。ピッチPp1は、隣接する第1凸部311Aの中心間の距離である。ポイント状の第1凸部311Aの中心は、第1凸部311Aを上方から見てその外縁を定めたときの、外縁で囲まれる図形の中心である。第1凸部311Aが帯状である場合、その中心は、第1凸部311Aを囲む最小の幅を有する矩形の長手方向に沿った中心線であり、ピッチPp1は中心線間の最短距離である。上方とは、例えば、ローラの周面の法線方向である。
後述するように、第1不織布2Aと第2不織布2Bとの間に形成される空間(第1空間S1)が広くなり易い点で、第1凸部311Aの高さHp1は、20〜200μmであることが好ましく、40〜100μmであることがより好ましい。高さHp1は、第1凸部311Aの最も高い点に接触する面と、第1ローラ31Aの第1凸部311A以外の部分との間の最短距離である。後述する第2凸部321Aの高さHp2も、同様にして求められる。
第1ローラ31Aに対向する第1対向ローラ31Bは、図2(a)および(c)に示すように、上記の第1凸部311Aに対応する第1凹部311Bを有していてもよいし、平滑な表面を有するローラであってもよい。これにより、第1不織布2Aに第1凹凸C2aが形成され易くなる。第1凸部311Aと第1凹部311Bとが対応するとは、第1ローラ31Aおよび第1対向ローラ31Bを回転させたときに、第1凸部311Aと第1凹部311Bとが係合することをいう。
隣接する第1凹部311B間のピッチPc1は、第1凸部311A間のピッチPp1と同じであることが好ましい。ピッチPc1は、隣接する第1凹部311Bの中心間の距離である。第1凹部311Bの中心は、第1凹部311Bを上方から見てその外縁を定めたときの、外縁で囲まれる図形の中心である。上方とは、例えば、第1凹部311Bの最も低い点に接触する面の法線方向である。後述する第2凹部321BのピッチPc2も、同様にして求められる。
第1凹部311Bの深さDc1は、第1凸部311Aの高さHp1と同じであってもよいし、異なっていてもよい。深さDc1は、具体的には0.02〜0.2mmであることが好ましく、0.04〜0.1mmであることがより好ましい。深さDc1は、第1凹部311Bの最も低い点に接触する面と、第1対向ローラ31Bの第1凹部311B以外の部分との間の最短距離である。後述する第2凹部321Bの深さDc2も、同様にして求められる。
第1ローラ31Aおよび第1対向ローラ31Bの材質は、基材1および第1不織布2Aの押圧に必要な硬度を有する限り特に制限されない。例えば、樹脂、金属、セラミックスなどの押圧部材として使用される公知の材質が挙げられる。第1対向ローラ31Bが平滑な表面を有する場合、少なくとも第2主面1Yに接触する部分がゴム製であることが好ましい。
第1凹凸C2aの形成は、基材1を加熱しながら行ってもよい。基材1の加熱は、押圧部材として第1ローラ31Aおよび第1対向ローラ31Bを用いる場合、これらのうち少なくとも一方に、加熱可能なローラを用いて行うことができる。加熱下で第1凹凸C2aの形成を行う場合、加熱温度は、基材1の表面が例えば40〜100℃、好ましくは50〜80℃になるように調整することが好ましい。この範囲であれば、第1繊維の変形や、第1繊維同士の密着等が抑制され易い。加熱可能なローラとしては、ヒータを内蔵するローラや接続したヒータから加熱可能なローラなどが例示される。
なお、図2では、基材1と第1不織布2Aとの積層体を、第1不織布2A側から第1凸部311Aを有する第1ローラ31Aで押圧しているが、第1不織布2Aに第1凹凸C2aを形成する方法は、これに限定されない。例えば、上記積層体を、基材1側から第1ローラ31Aで押圧してもよい。このとき、対向ローラとして、上記したような第1凹部311Bを備えるローラを用いるか、あるいは、平滑な表面を備えるローラを用いることが好ましい。
(4)第2不織布形成工程(図1(c))
本工程では、第2原料液から、例えば電界紡糸法により、第2原料樹脂および第2溶媒を含む第2繊維が生成される。生成された第2繊維は、基材1上に第1不織布2Aを介して堆積し、第2不織布2Bを形成する。このとき、基材1および第1不織布2Aは、噴射される第2原料液のターゲットであり、生成する第2繊維を収集するコレクタとして機能する。
表面積が大きくなる点で、第2繊維の平均繊維径D3もまた小さいほど好ましく、例えば、基材繊維の平均繊維径D1よりも小さいことが好ましい。平均繊維径D3は、3μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましく、300nm以下であることが特に好ましい。また、平均繊維径D3は30nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましい。
平均繊維径D3は、第1繊維の平均繊維径D2と同じであってもよいし、異なっていてもよい。平均繊維径D3と平均繊維径D2との関係は、用途等に応じて、適宜決定すればよい。例えば、平均繊維径D3が平均繊維径D2よりも大きい場合、長期間の使用による集塵効率の低下が抑制される点で、第2不織布2Bを上流側に向けて、積層体10Aを濾材として用いることが好ましい。大きい集塵が第2不織布2Bによって捕獲され易くなって、第1不織布2Aは、小さい集塵を効率的に捕獲できるためである。なお、平均繊維径D3は平均繊維径D2よりも小さくてもよい。
第2不織布2Bの厚みT3は、圧力損失の観点から、0.5μm以上、10μm以下であることが好ましく、1μm以上、5μm以下であることがより好ましい。厚みT3は、第1不織布2Aの厚みT2と同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、平均繊維径D3が平均繊維径D2よりも大きい場合、厚みT3は厚みT2よりも大きくなり得る。
第2不織布2Bの初期の圧力損失は、上記と同様の条件で測定する場合、5Pa以上、40Pa以下程度であることが好ましい。第2不織布2Bの単位面積当たりの質量は、圧力損失と集塵効率とのバランスの観点から、0.1g/m以上、1.5g/m以下であることが好ましく、0.2g/m以上、0.5g/m以下であることがより好ましく、0.2g/m以上、0.8g/m以下であることが特に好ましい。
(第2原料液)
第2原料液は、第2繊維の原料である第2原料樹脂および第2溶媒を含む。第2溶媒は、第2原料樹脂を溶解させる。第2原料液から、第2原料樹脂および第2溶媒を含む第2繊維が形成される。第2原料樹脂および第2溶媒としては、第1原料樹脂および第1溶媒と同じ化合物が例示できる。第1原料樹脂と第2原料樹脂とは同じであってもよいし、異なっていてもよい。第1原料樹脂と第2原料樹脂とが異なる場合(すなわち、第1繊維と第2繊維との材質が異なる場合)、得られる積層体10Aに多様な機能を付与することができる。第1原料樹脂と第2原料樹脂とが異なるとは、主成分(第1原料樹脂および第2原料樹脂の80質量%以上を占める化合物)が異なることをいう。
第1凹凸形成工程において、第1不織布2Aの主面には第1凹凸C2aが形成されている。第2不織布形成工程において、第2繊維は第2溶媒が残存した状態で第1不織布2Aの主面に堆積される。そのため、堆積直後の第2繊維は、第1凹凸C2aに倣うように撓んだ状態で存在している。しかし、第2繊維の乾燥が進行するに従って第2繊維は収縮し、形成される第2不織布2Bは、凹凸が小さくなる。そのため、第1不織布2Aと第2不織布2Bとの間には、第1空間S1が形成される。このとき、第2不織布2Bは、その一部が第1不織布2Aの凸部に接着している。
第1不織布2Aと第2不織布2Bとの間に第1空間S1が介在するため、第1不織布2Aと第2不織布2Bとを積層した場合にも圧力損失の増大が抑制される。つまり、積層体10Aの圧力損失の増大を抑制しながら、集塵効率を向上させる不織布の表面積を増大させることができる。さらに、第1空間S1内に入り込んだ粉塵等は、面方向に移動することができるため、第1不織布2A(ひいていは第1繊維)の表面に均等に集塵され易くなる。つまり、第1不織布2Aの全面が集塵に利用されるため、長期間にわたって高い集塵効率が発揮されるとともに、圧力損失の増大が抑制される。また、積層体10Aが外部から厚み方向に圧力が負荷される場合、第1空間S1がその圧力を吸収するため、第1繊維および第2繊維の変形が抑制される。そのため、圧力損失の増大はさらに抑制され易い。
[積層体]
上記の方法により得られる積層体10Aは、図3に示されるように、基材1と、基材1に対向する第1不織布2Aと、第1不織布2Aを介して基材1に対向する第2不織布2Bと、を含む。基材1は、第1不織布2Aに対向する主面に複数の凹凸を備えており、第1不織布2Aは、基材1の凹凸に沿う複数の第1凹凸C2aを備える。第1不織布2Aと第2不織布2Bとの間には、第1空間S1が形成されている。基材1は、図3に示すように、第1不織布2Aとは反対側の主面にも複数の凹凸を備えていてもよい。図3は、本実施形態の製造方法により得られる積層体10Aの一例を示す断面図である。
このとき、第1空間S1における第1不織布2Aと第2不織布2Bとの間の最大の距離DS1maxは、第1不織布2Aの厚みT2および第2不織布2Bの厚みT3よりも大きいことが好ましい。第1空間S1内に入り込んだ粉塵等が面方向に移動し易くなるためである。距離DS1maxは、積層体10Aの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより求められる。距離DS1maxは、例えば、厚みT2の2〜100倍であり、好ましくは4〜20倍である。距離DS1maxは、例えば、厚みT3の2〜100倍であり、好ましくは4〜20倍である。
[製造装置]
上記のような積層体10Aを製造する製造装置200Aは、例えば、第1繊維の原料となる第1原料樹脂および第1溶媒を含む第1原料液から、第1溶媒を含む第1繊維を生成させるとともに、第1繊維を基材1上に堆積させて、第1不織布2Aを形成する第1不織布形成部と、第1不織布形成部の下流に配置され、第1不織布2Aに、第1凹凸C2aを形成する第1凹凸形成部と、第1凹凸形成部の下流に配置され、第2繊維の原料となる第2原料樹脂と第2溶媒とを含む第2原料液から、第2繊維を生成させるとともに、第2繊維を基材1上に第1不織布2Aを介して堆積させて、第2不織布2Bを形成する第2不織布形成部と、を備える。
以下、図4を参照しながら、積層体10Aを製造する装置200Aについて説明する。図4は、製造装置200Aの一例の構成を概略的に示す図であり、同じ機能を備える部材には、同じ符号を付している。製造装置200Aは、積層体10Aを製造するための製造ラインを構成しており、上流から下流に搬送される基材1に対して、順次、第1不織布2Aおよび第2不織布2Bが積層される。なお、以下では、基材1が長尺体である場合について説明するが、基材1の形態はこれに限定されない。
(基材供給部)
基材供給部201は、製造装置200Aの最上流に配置されており、基材1をロール状に捲回する第1供給リール12と第1供給リール12を回転させるモータ13とを備える。モータ13によって、第1供給リール12が回転し、基材1は搬送ローラ11に供給される。
(第1不織布形成部)
第1不織布形成部202Aは、電界紡糸ユニット(図示せず)を備える。基材1は、搬送ローラ11により第1不織布形成部202Aに搬送される。電界紡糸ユニットが具備する電界紡糸機構は、電界紡糸ユニット内の上方に設置された第1原料液22Aを放出するための放出体23と、放出された第1原料液22Aをプラスに帯電させる帯電手段(後述参照)と、放出体23と対向するように配置された基材1を上流側から下流側に搬送する搬送コンベア21と、を備えている。搬送コンベア21は、基材1とともに第1繊維2aを収集するコレクタ部として機能する。なお、電界紡糸ユニットの台数は、特に限定されるものではなく、1台でも2台以上でもよい。なお、搬送コンベア21に替えて、ローラまたはベルトにより、基材1を上流側から下流側に搬送してもよい。
電界紡糸ユニットおよび/または放出体23が複数ある場合、電界紡糸ユニットごと、あるいは、放出体23ごとに、形成される第1繊維2aの平均繊維径D2を変化させてもよい。第1繊維2aの平均繊維径D2は、第1原料液22Aの吐出圧力、印加電圧、濃度、放出体23と基材1との距離、温度、湿度などを調整することにより、変化させることができる。また、第1繊維2aの堆積量(第1不織布2Aの厚み)は、第1原料液22Aの吐出圧力、印加電圧、濃度、基材1の搬送速度などを調整することにより、制御される。
放出体23の基材1の主面と対向する側には、第1原料液22Aの放出口(図示せず)が複数箇所設けられている。放出体23の放出口と、基材1との距離は、製造装置の規模や所望の繊維径にもよるが、例えば、100〜600mmであればよい。放出体23は、電界紡糸ユニットの上方に設置された、基材1の搬送方向と平行な第1支持体24から下方に延びる第2支持体25により、自身の長手方向が基材1の主面と平行になるように支持されている。第1支持体24は、放出体23を基材1の搬送方向とは垂直な方向に揺動させるように、可動であってもよい。
帯電手段は、放出体23に電圧を印加する電圧印加装置26と、搬送コンベア21と平行に設置された対電極27とで構成されている。対電極27は接地(グランド)されている。これにより、放出体23と対電極27との間には、電圧印加装置26により印加される電圧に応じた電位差(例えば20〜200kV)を設けることができる。なお、帯電手段の構成は、特に限定されない。例えば、対電極27はマイナスに帯電されていてもよい。また、対電極27を設ける代わりに、搬送コンベア21のベルト部分を導体から構成してもよい。
放出体23は導体で構成されており、長尺の形状を有し、その内部は中空になっている。中空部は第1原料液22Aを収容する収容部となる。第1原料液22Aは、放出体23の中空部と連通するポンプ28の圧力により、原料液タンク29から放出体23の中空に供給される。そして、第1原料液22Aは、ポンプ28の圧力により、放出口から基材1の主面に向かって放出される。放出された第1原料液22Aは、帯電した状態で放出体23と基材1との間の空間(生成空間)を移動中に静電爆発を起し、繊維状物(第1繊維2a)を生成する。生成した第1繊維2aは、基材1に堆積し、第1不織布2Aを形成する。
第1繊維2aを形成する電界紡糸機構は、上記の構成に限定されない。所定の第1繊維2aの生成空間において、第1原料液22Aから静電気力により第1繊維2aを生成させ、生成した第1繊維2aを基材1の主面に堆積させることができる機構であれば、特に限定なく用いることができる。例えば、放出体23の長手方向に垂直な断面の形状は、上方から下方に向かって次第に小さくなる形状(V型ノズル)であってもよい。
(第1凹凸形成部)
第1凹凸形成部203Aは、複数の第1凸部311Aを有するローラ状の第1押圧部材(第1ローラ31A)を備える。第1凹凸形成部203Aは、さらに、第1ローラ31Aに対向する対向ローラとして、第1凸部311Aに対応する第1凹部311Bを有する第1対向ローラ31Bを備える。第1凹凸形成部203Aに搬送された基材1と第1不織布2Aとの積層体は、第1ローラ31Aおよび第1対向ローラ31Bにより押圧されて、第1不織布2Aの主面に第1凹凸C2aが形成される。このとき、基材1は加熱されてもよい。
(第2不織布形成部)
第2不織布形成部202Bは、第1不織布形成部202Aと同様の構成を有する電界紡糸機構を備える。第2原料液22Bの吐出圧力、印加電圧、濃度、放出体23と基材1との距離、温度、湿度などを調整することにより、第1繊維2aと異なる平均繊維径を有する第2繊維2b、あるいは、第1繊維2aと同じ平均繊維径を有する第2繊維2bを生成することができる。また、第2原料液22Bの吐出圧力、印加電圧、濃度、基材1の搬送速度などを調整することにより、第1不織布2Aと異なる厚みを有する第2不織布2B、あるいは、第1不織布2Aと同じ厚みを有する第2不織布2Bを形成することができる。
(保護材供給部)
第2不織布2Bを保護するために、第2不織布2B側から、保護材3を積層してもよい。保護材供給部204は、搬送ローラ41の上方に保護材3が捲回された第2供給リール42を備えており、保護材3は、第2供給リール42から第2不織布2Bに供給される。第2供給リール42は、モータ43によって回転駆動する。保護材3は、図示しない接着剤を介して第2不織布2Bに積層されてもよい。保護材3が積層されると、積層体10Aは、積層体10Aを挟んで配置された一対の加圧ローラ44の間を経由して、回収部205に搬送される。
保護材3は、例えば、基材1に関して例示された方法により製造された不織布であってもよい。なかでも、積層体10Aを濾材として使用する場合、繊維径の小さな不織布が形成され易い点で、保護材3は、メルトブロー法により製造された不織布であることが好ましい。さらに、集塵効果が期待できる点で、保護材3は、帯電処理等によって帯電(永久帯電)されていることが好ましい。永久帯電とは、外部電界が存在しない状態において半永久的に電気分極を保持し、周囲に対して電界を形成している状態である。
保護材3を構成する保護繊維の材質は特に限定されず、例えば、ガラス繊維、セルロース、アクリル樹脂、PP、PE、PET等のポリエステル、PA、あるいはこれらの混合物等が挙げられる。なかでも、帯電され易い点で、PPが好ましい。保護繊維の平均繊維径も特に限定されず、例えば、0.5μm以上、20μm以下であってもよく、5μm以上、20μm以下であってもよい。
保護材3の厚みも特に限定されず、100μm以上、500μm以下であってもよく、150μm以上、400μm以下であってもよい。保護材3の単位面積当たりの質量も特に限定されず、10g/m以上、50g/m以下であってもよく、10g/m以上、30g/m以下であってもよい。保護材3の初期の圧力損失は、上記と同様の条件で測定する場合、10Pa以上、50Pa以下程度であることが好ましい。保護材3の初期の圧力損失がこの範囲であれば、積層体10A全体の圧力損失も抑制される。
接着剤の種類は特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂を主成分とするホットメルト接着剤等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、PU、PET等のポリエステル、ウレタン変性共重合ポリエステル等の共重合ポリエステル、PA、ポリオレフィン(例えば、PP、PE)等が例示できる。ホットメルト接着剤は、例えば、加熱により溶融されながら、第2不織布2Bに付与される。接着剤の付与量は、接合強度および圧力損失の観点から、0.5g/m以上、15g/m以下であることが好ましく、1g/m以上、10g/m以下であることがより好ましく、2g/m以上、6g/m以下であることが特に好ましい。
(回収部)
回収部205は、例えば、積層体10Aを捲き取る回収リール52を内蔵している。回収リール52はモータ53により回転駆動される。積層体10Aは、ローラ51を経由して、回収リール52に捲き取られる。
(第2実施形態)
本実施形態では、さらに、第2不織布2Bの主面に凹凸を形成し、その後、その主面に第3繊維を堆積させる。このとき、第3繊維の堆積によって形成される第3不織布と第2不織布2Bとの間には、空間(第2空間S2)が形成される。つまり、この実施形態において、不織布が3層、積層されるため、表面積がさらに拡大する。一方、第1空間S1および第2空間S2の存在により、得られる積層体10Bの圧力損失の増大は抑制される。
以下、本実施形態に係る製造方法について、図5(a)〜(e)および図6(a)〜(c)を参照しながら、詳細に説明する。図5(a)〜(e)は、本実施形態に係る製造方法の各工程における基材および不織布を模式的に示す断面図である。図5(a)〜(c)は、図1(a)〜(c)に対応している。図6は、第2凹凸形成工程において、第2凹凸が第2ローラによって形成される積層体を示す側面図(a)と、第2ローラおよび第2対向ローラの一部をそれぞれ拡大して示す側面図である((b)および(c))。
本実施形態に係る製造方法は、(4)第2不織布形成工程の後、第2不織布2Bに第2凹凸C2bを形成する第2凹凸形成工程(図5(d))と、第2凹凸形成工程の後、第3繊維の原料となる原料樹脂を含む第3原料液から第3繊維を生成させるとともに、基材1上に第1不織布2Aおよび第2不織布2Bを介して堆積させて、第3不織布2Cを形成する第3不織布形成工程(図5(e))と、を具備すること以外、第1実施形態の製造方法と同様である。
[製造方法]
(5)第2凹凸形成工程
本工程では、第2不織布2Bに第2凹凸C2bを形成する。第2凹凸C2bは、第2不織布2Bを、第1不織布2Aに対向する面とは反対側から部分的に押圧することにより形成される。第2凹凸C2bは、第2不織布2Bに形成される凸部および凹部である。
このとき、第1不織布2Aと第2不織布2Bとの間の第1空間S1を維持するように、第2不織布2Bを、複数の第2凸部を有する第2押圧部材により部分的に押圧する。すなわち、第2不織布2Bの一部のみが第1不織布2Aに密着するように、第2不織布2Bを押圧する。具体的には、第1凸部311A間のピッチPp1よりも大きなピッチで配置された第2凸部321Aを備える第2押圧部材(第2ローラ32A)を用いて、第2不織布2Bを押圧する。あるいは、第2凸部321Aの第2不織布2Bへの押し込み量を、第1凸部311Aの第1不織布2Aへの押し込み量よりも小さくする。この場合、ピッチPp1と、隣接する第2凸部321A間のピッチPp2(図6(b)参照)とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
未乾燥状態の第2不織布2Bを部分的に押圧することにより、第2繊維は、主に第1凹凸C2aの凸部に密着させられる。この状態で、第2繊維が乾燥して収縮すると、第1凹凸C2aの凹部に対向していた第2繊維は浮き上がるため、第1不織布2Aと第2不織布2Bとの間の第1空間S1は維持される(図5(d)参照)。なお、第2凹凸形成工程の前後で、第1空間S1の大きさおよび形状は変化し得る。例えば、第2凹凸形成工程の後の距離DS1maxは、第2凹凸形成工程の前よりも小さくなり得る。第2凹凸C2bの形成もまた、基材1を加熱しながら行ってもよい。
ピッチPp2をピッチPp1よりも大きくする場合、第1空間S1が維持され易い点で、ピッチPp2はピッチPp1の1.5〜10倍であることが好ましく、2〜4倍であることがより好ましい。この場合、第2凸部321Aの高さHp2(図6(b)参照)は、第1凸部311Aの高さHp1と同じであってもよいし、異なっていてもよい。なかでも、同様の観点から、高さHp2は、高さHp1よりも小さいことが好ましい。
第2凸部321Aの第2不織布2Bへの押し込み量を、第1凸部311Aの第1不織布2Aへの押し込み量よりも小さくする方法としては、第2凸部321Aの高さHp2を第1凸部311Aの高さHp1よりも低くする方法(第1の方法)、および、第2凸部321Aの第2不織布2Bへの押し込み力Fbを、第1凸部311Aの第1不織布2Aへの押し込み力Faよりも小さくする方法(第2の方法)があげられる。
第1の方法の場合、第1空間S1が広くなり易い点で、高さHp2は、高さHp1の0.2〜0.8倍であることが好ましく、0.4〜0.6倍であることがより好ましい。具体的な高さHp2は、例えば、10〜100μmであり、20〜50μmであることが好ましい。
第2の方法の場合、押し込み力Fbは、押し込み力Faの0.05〜0.8倍であることが好ましく、0.1〜0.4倍であることがより好ましい。具体的な押し込み力Fbは、例えば、10〜100kPaであり、20〜50kPaであることが好ましい。押し込み力Faは、第1凸部311Aによって第1不織布2Aに負荷される、単位面積当たりの圧力である。押し込み力Fbは、第2凸部321Aによって第2不織布2Bに負荷される、単位面積当たりの圧力である。
第2押圧部材は、第1押圧部材と同様に、図6(a)および(b)に示すような、周面に複数の第2凸部321Aを有する第2ローラ32Aであることが好ましい。第2凸部321Aもまた、第2不織布2Bとの接触部にフッ素樹脂層を備えることが好ましい。第2凸部321Aの形状、分布状態および材質は特に制限されず、第1凸部311Aで例示したのと同様の形状、分布状態および材質が挙げられる。
第2ローラ32Aに対向する第2対向ローラ32Bは、図6(a)および(c)に示すように、上記の第2凸部321Aに対応する第2凹部321Bを有していてもよいし、平滑な表面を有するゴム製のローラを用いることが好ましい。これにより、第2不織布2Bに第2凹凸C2bが形成され易くなる。
隣接する第2凹部321B間のピッチPc2は、第2凸部321A間のピッチPp2と同じであることが好ましい。第2凹部321Bの深さDc2は、第2凸部321Aの高さHp2と同じであってもよいし、異なっていてもよい。深さDc2は、具体的には10〜100μmであることが好ましく、20〜50μmであることがより好ましい。
なお、図6では、基材1と第1不織布2Aと第2不織布2Bとの積層体を、第2不織布2B側から第2凸部321Aを有する第2ローラ32Aで押圧しているが、第2不織布2Bに第2凹凸C2bを形成する方法は、これに限定されない。例えば、上記積層体を、基材1側から第2ローラ32Aで押圧してもよい。このとき、対向ローラとしては、上記したような上記したような第2凹部321Bを備えるローラを用いるか、あるいは、平滑な表面を備えるゴム製のローラを用いることが好ましい。
(6)第3不織布形成工程(図5(e))
本工程では、後述する第3原料液から、例えば電界紡糸法により、第3原料樹脂および第3溶媒を含む第3繊維が形成される。形成された第3繊維は、基材1上に第1不織布2Aおよび第2不織布2Bを介して堆積し、第3不織布2Cを形成する。このとき、基材1、第1不織布2A、第2不織布2Bは、噴射される第3原料液のターゲットであり、生成する第3繊維を収集するコレクタとして機能する。
集塵性能の向上の観点から、第3繊維の平均繊維径D4もまた小さい方が好ましく、例えば、基材繊維の平均繊維径D1よりも小さいことが好ましい。平均繊維径D4は、例えば3μm以下であり、1μm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましい。また、平均繊維径D4は30nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましい。
平均繊維径D4は、第1繊維の平均繊維径D2および第2繊維の平均繊維径D3と同じであってもよいし、異なっていてもよい。平均繊維径D2、D3およびD4は、用途等に応じて、適宜決定すればよい。第3不織布2Cの厚みT4は、圧力損失の観点から、0.5μm以上、10μm以下であることが好ましく、1μm以上、5μm以下であることがより好ましい。厚みT4は、第1不織布2Aの厚みT2あるいは第2不織布2Bの厚みT3と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第3不織布2Cの初期の圧力損失は、上記と同様の条件で測定する場合、5Pa以上、40Pa以下程度であることが好ましい。第3不織布2Cの単位面積当たりの質量は、圧力損失と集塵効率とのバランスの観点から、0.1g/m以上、1.5g/m以下であることが好ましく、0.2g/m以上、0.5g/m以下であることがより好ましく、0.2g/m以上、0.8g/m以下であることが特に好ましい。
(第3原料液)
第3原料液は、第3繊維の原料である第3原料樹脂および第3溶媒を含む。第3溶媒は、第3原料樹脂を溶解させる。第3原料液から、第3原料樹脂および第3溶媒を含む第3繊維が形成される。第3原料樹脂および第3溶媒としては、第1原料樹脂および第1溶媒と同じ化合物が例示できる。第3原料樹脂は、第1原料樹脂あるいは第2原料樹脂と同じであってもよいし、異なっていてもよい。第3原料樹脂と第1原料樹脂あるいは第2原料樹脂とが異なる場合(すなわち、第3繊維と第1繊維あるいは第2繊維との材質が異なる場合)、得られる積層体10Bに多様な機能を付与することができる。
[積層体]
上記の方法により得られる積層体10Bは、図7に示すように、基材1と、基材1に対向する第1不織布2Aと、第1不織布2Aを介して基材1に対向する第2不織布2Bと、第1不織布2Aおよび第2不織布2Bを介して基材1に対向する第3不織布2Cと、を含む。第1不織布2Aと第2不織布2Bとの間には、第1空間S1が形成されており、第2不織布2Bと第3不織布2Cとの間には、第2空間S2が形成されている。図7は、積層体10Bの断面図である。
このとき、第2空間S2における第2不織布2Bと第3不織布2Cとの間の最大の距離DS2maxは、第2不織布2Bの厚みT3および第3不織布2Cの厚みT4よりも大きいことが好ましい。第2空間S2内に入り込んだ粉塵等が面方向に移動し易くなるためである。距離DS2maxは、例えば、厚みT3の2〜100倍であり、好ましくは4〜20倍である。距離DS2maxは、例えば、厚みT4の2〜100倍であり、好ましくは4〜20倍である。
[製造装置]
本実施形態の製造装置200Bは、第2不織布形成部202Bの下流であって、保護材供給部204の上流に第2凹凸形成部を備え、第2凹凸形成部の下流であって保護材供給部204の上流に第3不織布形成部を備えること以外、製造装置200Aと同様である。第2凹凸形成部では、第2不織布2Bに第2凹凸C2bが形成される。第3不織布形成部では、第3原料樹脂および第3溶媒を含む第3原料液から第3繊維を生成し、生成した第3繊維を、基材1上に第1不織布2Aおよび第2不織布2Bを介して堆積させて、第3不織布2Cを形成する。
以下、図8を参照しながら、製造装置200Bについて説明する。図8は、製造装置200Bの一例の構成を概略的に示す図であり、同じ機能を備える部材には、同じ符号を付している。製造装置200Bは、積層体10Bを製造するための製造ラインを構成している。
(第2凹凸形成部)
第2凹凸形成部203Bは、複数の第2凸部321Aを有するローラ状の第2押圧部材(第2ローラ32A)を備える。第2凹凸形成部203Bは、さらに、第2ローラ32Aに対向する対向ローラとして、第2凸部321Aに対応する第2凹部321Bを有する第2対向ローラ32Bを備える。第2凹凸形成部203Bに搬送された基材1と第1不織布2Aと第2不織布2Bとの積層体のうち、第2不織布2Bが第2ローラ32Aおよび第2対向ローラ32Bにより押圧されて、その主面に第2凹凸C2bが形成される。このとき、基材1は加熱されてもよい。
(第3不織布形成部)
第3不織布形成部202Cは、第1不織布形成部202Aと同様の構成を有する電界紡糸機構を備える。第3原料液22Cの吐出圧力、印加電圧、濃度、放出体23と基材1との距離、温度、湿度などを調整することにより、第1繊維2aおよび第2繊維2bと異なる平均繊維径を有する第3繊維2c、あるいは、第1繊維2aおよび第2繊維2bと同じ平均繊維径を有する第3繊維2cを生成することができる。また、第3原料液22Cの吐出圧力、印加電圧、濃度、基材1の搬送速度などを調整することにより、第1不織布2Aおよび第2不織布2Bと異なる厚みを有する第3不織布2C、あるいは、第1不織布2Aよび第2不織布2Bと同じ厚みを有する第3不織布2Cを形成することができる。
なお、本実施形態では、基材1上に、第1不織布2A、第2不織布2Bおよび第3不織布2Cを積層する場合を例示したが、これに限定されない。第3不織布2C上に、さらに他の不織布を積層してもよく、基材1上に積層される不織布の数は特に限定されない。第N不織布を積層する前に、第N−1不織布に凹凸を形成しておくことが好ましい。第N−1不織布と第N不織布との間に第N−1空間が形成されるため、圧力損失の増大を抑制しながら、集塵効率を向上することができる。
本発明により得られる積層体は、不織布の表面積が大きいため、空気清浄機、あるいは空調機の濾材、電池用の分離不織布、燃料電池用のメンブレン、妊娠検査不織布等の体外検査不織布、細胞培養用等の医療用不織布、防塵マスク等の防塵布や防塵服、化粧用不織布、塵を拭き取る拭取不織布等として、好適である。
10A、10B:積層体
1:基材
2A:第1不織布
2a:第1繊維
2B:第2不織布
2b:第2繊維
2C:第3不織布
2c:第3繊維
3:保護材
200A、200B:製造装置
201:基材供給部
11:搬送ローラ
12:第1供給リール
13:モータ
202A:第1不織布形成部
202B:第2不織布形成部
202C:第3不織布形成部
21:搬送コンベア
22A:第1原料液
22B:第2原料液
22C:第3原料液
23:放出体
24:第1支持体
25:第2支持体
26:電圧印加装置
27:対電極
28:ポンプ
29:原料液タンク
203A:第1凹凸形成部
31A:第1ローラ、311A:第1凸部
31B:第1対向ローラ、311B:第1凹部
203B:第2凹凸形成部
32A:第2ローラ、321A:第2凸部
32B:第2対向ローラ、321B:第2凹部
204:保護材供給部
41:搬送ローラ
42:第2供給リール
43:モータ
44:加圧ローラ
205:回収部
51:ローラ
52:回収リール
53:モータ


Claims (16)

  1. 基材を準備する準備工程と、
    第1繊維の第1原料樹脂および第1溶媒を含む第1原料液から、前記第1溶媒を含む前記第1繊維を生成させるとともに、前記基材上に堆積させて、第1不織布を形成する第1不織布形成工程と、
    前記第1不織布形成工程の後、前記第1不織布に、第1凹凸を形成する第1凹凸形成工程と、
    前記第1凹凸形成工程の後、第2繊維の原料となる第2原料樹脂および第2溶媒を含む第2原料液から、前記第2溶媒を含む前記第2繊維を生成させるとともに、前記基材上に前記第1不織布を介して堆積させて、第2不織布を形成する第2不織布形成工程と、を具備する、積層体の製造方法。
  2. 前記第1凹凸形成工程において、前記第1不織布が、複数の第1凸部を有する第1押圧部材により押圧される、請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 前記第1押圧部材が、複数の前記第1凸部を有するローラである、請求項2に記載の積層体の製造方法。
  4. 前記第1凸部が、前記第1不織布との接触部にフッ素樹脂層を備える、請求項2または3に記載の積層体の製造方法。
  5. 前記第1繊維の平均繊維径D1と前記第2繊維の平均繊維径D2とが異なる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  6. 前記第1原料樹脂と前記第2原料樹脂とが異なる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  7. 前記第1不織布形成工程が、電界紡糸法により行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  8. 基材を準備する準備工程と、
    第1繊維の原料となる第1原料樹脂および第1溶媒を含む第1原料液から、前記第1溶媒を含む前記第1繊維を生成させるとともに、前記基材上に堆積させて、第1不織布を形成する第1不織布形成工程と、
    前記第1不織布形成工程の後、前記第1不織布に、第1凹凸を形成する第1凹凸形成工程と、
    前記第1凹凸形成工程の後、第2繊維の原料となる第2原料樹脂および第2溶媒を含む第2原料液から、前記第2溶媒を含む前記第2繊維を生成させるとともに、前記基材上に前記第1不織布を介して堆積させて、第2不織布を形成する第2不織布形成工程と、
    前記第2不織布形成工程の後、前記第2不織布に第2凹凸を形成する第2凹凸形成工程と、
    前記第2凹凸形成工程の後、第3繊維の原料となる第3原料樹脂および第3溶媒を含む第3原料液から、前記第3溶媒を含む前記第3繊維を生成させるとともに、前記基材上に前記第1不織布および前記第2不織布を介して堆積させて、第3不織布を形成する第3不織布形成工程と、を具備する、積層体の製造方法。
  9. 前記第1不織布形成工程および第2不織布形成工程が、電界紡糸法により行われる、請求項8に記載の積層体の製造方法。
  10. 前記第1凹凸形成工程において、前記第1不織布が、複数の第1凸部を有する第1押圧部材により押圧され、
    前記第2凹凸形成工程において、前記第2不織布が、複数の第2凸部を有する第2押圧部材により押圧される、請求項8または9に記載の積層体の製造方法。
  11. 隣接する前記第2凸部間のピッチが、隣接する前記第1凸部間のピッチよりも大きい、請求項10に記載の積層体の製造方法。
  12. 前記第2凸部の前記第2不織布への押し込み量が、前記第1凸部の前記第1不織布への押し込み量よりも小さい、請求項10または11に記載の積層体の製造方法。
  13. 前記第2凸部の高さが、前記第1凸部の高さよりも低い、請求項12に記載の積層体の製造方法。
  14. 前記第2凸部の前記第2不織布への押し込み力が、前記第1凸部の前記第1不織布への押し込み力よりも小さい、請求項12に記載の積層体の製造方法。
  15. 基材を上流から下流に搬送しながら、前記基材に第1不織布および第2不織布をこの順に形成する積層体の製造装置であって、
    第1繊維の原料となる第1原料樹脂および第1溶媒を含む第1原料液から、前記第1溶媒を含む前記第1繊維を生成させるとともに、前記第1繊維を基材上に堆積させて、前記第1不織布を形成する第1不織布形成部と、
    前記第1不織布形成部の下流に配置され、前記第1不織布に、第1凹凸を形成する第1凹凸形成部と、
    前記第1凹凸形成部の下流に配置され、第2繊維の原料となる第2原料樹脂と第2溶媒とを含む第2原料液から、前記第2繊維を生成させるとともに、前記第2繊維を前記基材上に前記第1不織布を介して堆積させて、前記第2不織布を形成する第2不織布形成部と、を具備する、積層体の製造装置。
  16. 基材と、
    前記基材に対向し、第1繊維を含む第1不織布と、
    前記第1不織布を介して前記基材に対向し、第2繊維を含む第2不織布と、を含み、
    前記基材が、前記第1不織布に対向する主面に複数の凹凸を備え、
    前記第1不織布が、前記基材の前記凹凸に沿う複数の第1凹凸を備え、
    前記第1不織布と前記第2不織布との間に第1空間を有し、
    前記第1空間における前記第1不織布と前記第2不織布との間の最大の距離が、前記第1不織布の厚みよりも大きく、かつ、前記第2不織布の厚みよりも大きい、積層体。


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