JP6470465B1 - 仕分けコンベヤの切換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スライドシュー押出式スラットコンベヤにおける高速かつ小型の切換装置であって、形態、重量、容積等が異なる多種多様な物品を高速で仕分けする能力を備え、スライドシューの騒音、摩耗等がない円滑な切換が可能な切換装置を提供すると共に、狭幅のスライドシュー押出式スラットコンベヤを提供することを目的としている。
【解決方法】本発明は、スライドシュー押出式スラットコンベヤにおいて、ベーン軸、ベーンアーム、及び、ベーンヘルムを有するベーンがスライドシューカバーの下方に連設されたスライドシューと、ベーンヘルムと接触してスライドシューを方向変換する切換装置と、ベーンヘルムと接触してスライドシューを誘導するノーズと、ベーンアームと接触してスライドシューを誘導するノーズとを備えたことを特徴とする。
【選択図】図8

Description

本発明は、仕分けコンベヤの切換装置に関し、特に、形態や大きさ等の異なる物品及び物品収納容器(以下「物品」という。)の搬送に好適な搬送方式であるスラットコンベヤを主搬送経路とし、このスラットコンベヤに取付けられた移動シューにより主搬送経路から分岐搬送経路に物品を移載する仕分けコンベヤにおける切換装置に関する。
物流システムにおいて、異なる物品が混在して主搬送経路を移動しつつ、分岐搬送経路にこれらの物品が仕分けられる必要がある場合、物品を搬送する主搬送経路の搬送方式に応じた仕分け方式が備え付けられる仕分けコンベヤが配設される。例えば、スライドシュー押出式のスラットコンベヤ、ホイール切換式のベルトコンベヤ、ポップアップローラ式のベルトコンベヤ、ターンホイール式のローラコンベヤ等がある。
特に、図1及び2に示すスライドシュー押出式スラットコンベヤ2は、ケース物、袋物、薄物等のような形状、形態、大きさ等が異なる物品の搬送に適しており、仕分けコンベヤとして幅広く用いられている。これは、その両端部において、駆動軸5の両側に挿着されたスプロケット71、72と従動軸6の両側に挿着されたスプロケット81、82とが配設され、それらに張設されたエンドレスチェーン41、42に、物品1が載置される細長い数多くのスラット3が接続された骨格構造を有し、スラット3には、それらに沿って自在に摺動するスライドシュー13が挿入されているコンベヤである。又、スラットコンベヤ2は、本体フレーム14が横架された本体スタンド101、102で支えられ、安全運転及び装置保護のために本体カバー111、112で作動部が遮蔽されている。そして、このようなスライドシュー押出式スラットコンベヤ2を用いた仕分けシステムとしては、例えば、図1のように、矢印の方向に物品1を搬送するスラットコンベヤ2を主搬送経路とし、仕分けゾーンS1、S2で分岐コンベヤ121、122が分岐搬送経路として接続され、スライドシュー13によって物品1が押し出され、スラットコンベヤ2から分岐コンベヤ121、122に物品1が仕分けされるシステムが挙げられる。
このようなシステムにおいて、スライドシュー13が仕分けゾーンS1、S2で物品1を仕分けできるのは、図1〜4に示すような機構によってスライドシュー13が作動することによるものである。モーター9の回転が、駆動軸5からスプロケット71、72を介し、エンドレスチェーン41、42に伝達され、エンドレスチェーン41、42に接続された数多くの細長いスラット3が走行する。スライドシュー13は、スライドカバー131、ホイール132、支持軸133から構成されており、スラット3に沿って自在に摺動するように挿入されると共に、支持軸133に嵌合されたホイール132が、スラットコンベヤ2の各所に配設されたガイドレール171A、172A、171B、172B、221A、222A、231A、232Aに案内されている。そのため、スライドシュー13は、スラット3が走行するに伴って直行ガイドレール171A、172A、171B、172Bに誘導されてスラット3の進行方向に移動すると共に、斜行ガイドレール221A、222A、231A、232Aに誘導されてスラット3の幅方向にも移動することができる。従って、斜行ガイドレール221A、222A、231A、232A、左右切換装置J1A、J2A、及び、交差路切換装置KAを仕分けゾーンS1、S2近辺に配備し、公知の技術である中央情報システムに集約された物品情報に基づいた制御コンピュータの制御信号が切換装置J1A、J2Aを作動させることによって、スラットコンベヤ2の進行方向に搬送されているスラット3上の物品1が、スラット3の幅方向に移動するスライドシュー13によって分岐コンベヤ121、122に押し出されて仕分けされる。
このようなスライドシュー押出式スラットコンベヤにおいては、図4に示す切換装置J1A、J2Aの能力が物品の処理能力に大きな影響を及ぼすため、様々な方式の切換装置が開発、改良されてきた。大別すると、磁気的方式と力学的方式があり、磁気的方式は、磁力を直接切換えに利用する方式であり、力学的方式は、風力を利用する方式、様々なアクチュエータの物理的運動力を利用する方式等である。これらの方式を、図1〜4に示した典型的なスライドシュー押出式スラットコンベヤの模式図を用いて説明することができる。
磁力を利用する方式は古く、例えば、特許文献1に開示された切換装置では、物品を載置搬送する摺動部材の少なくとも一端に永久磁石を取付け、図4のガイドレールに相当する磁気ガイドの搬送経路切換位置に電磁石を配設した機構をしている。電磁石を摺動部材に取付けられた永久磁石と同極性又は反極性に励磁して生起する反発力又は吸着力により、搬送経路切換位置において摺動部材が磁気ガイドから離隔又は磁気ガイドに保持され、物品の分岐搬送を可能とするものである。
風力を利用する方式は、例えば、特許文献2に、スライドシューに新たに備えられた受風板を利用した切換装置が開示されている。図3に示したスライドシュー13のホイール132の下部に、回動自在な風力を受ける(図示されていない)受風板を更に設け、例えば、図4の上部右切換装置J1Aでは、上部右直行ガイドレール171Aの外側のレール付近に備えた(図示されていない)エアー吹出口から吹出されたエアーの吹出し方向に受風板が回転し、この受風板が、スラット3の進行に伴って上部右直行ガイドレール171Aから上部右上流斜行ガイドレール221Aに誘導され、スライドシュー13がスラットコンベヤの幅方向に移動することによって、物品の分岐搬送を可能にするものである。
アクチュエータの物理的運動力を利用する方式は、例えば、特許文献3や4等に、空気圧式のアクチュエータ又はシリンダを用いたレバー切換装置が開示されている。図1〜4に示したようなスラット3の下側に敷設されたガイドレール171A、172A、171B、172B、221A、222A、231A、232Aで誘導されるスライドシュー押出式スラットコンベヤにおいて、所定の仕分け位置に配置された切換装置J1A、J2Aが、制御信号の発信により支点を回転中心として空気圧で作動する(図示されていない)切換レバーであって、この切換レバーがスライドシュー13の下方に備えられたホイール132を誘導するものである。例えば、図4の切換装置J1Aでは、アクチュエータにより切換レバーが回転し、ホイール132が、スラット3の進行に伴って上部右直行ガイドレール171Aから上部右上流斜行ガイドレール221Aに誘導され、スライドシュー13が幅方向に移動することによって、物品の分岐搬送を可能とするものである。
アクチュエータの物理的運動力を利用する方式としては、特許文献5のように、上記切換レバーの代わりに、切換レールによってスライドシューの支持軸を誘導することにより物品の分岐搬送を可能とするものもある。
しかしながら、切換装置の処理能力、すなわち、事故がない高速切換を実現するためには、切換装置の保守点検、スライドシューとガイドレールとの衝突によるシューの損傷、騒音、及び、摩耗、並びに、装置価格等の様々な問題を解決する必要があった。
特許文献1に記載された磁力を利用する切換装置では、物品を載置搬送する摺動部材の少なくとも一端に永久磁石を取付け、磁気ガイドの搬送経路切換位置に電磁石を配設した機構をしているため、搬送路を構成する多数の摺動部材の一つ一つに永久磁石を取り付けると共に、分岐方向の搬送経路は、永久磁石を取り付けた摺動部材を磁気ガイドに吸引させることにより形成されるため、磁気ガイドを分岐方向の搬送路の全長にわたって形成する必要がある。更に、摺動部材を高速搬送させる場合、及び、摺動部材上の物品が重い場合、摺動部材の永久磁石と磁気ガイドとの間の吸引・反発力もそれに応じて強力にしなければならず、磁気特性に優れた高価な磁石や磁性体の使用及び電磁石の大型化を図る必要がある。従って、質、量共に、磁石に要するコストが莫大なものとなる。
特許文献3や4等に記載された、空気圧式のアクチュエータ又はシリンダで回転する切換レバーを用いた切換装置は、図3におけるスライドシュー13のホイール132の径に従った切換レバーの長さとする必要があると共に、図4に示す上部右直行ガイドレール171Aと上部右上流斜行ガイドレール221Aとの開き角度θと切換レバーの回転角度をほぼ一致させる必要がある。従って、切換レバーの長さ及び回転角度が大きくなるに従い、切換レバーを動作させるために必要な駆動力も大きくなると共に、切換レバーの回転移動量が大きくなり、所定の動作を完了するまでに時間を要し、高速切換が困難となる。そのため、切換レバーの駆動系、例えば、電磁弁やエアーシリンダ等の駆動速度を高めると、駆動系の性能アップに伴って装置が大型化し、コストアップになるだけでなく、回転速度の高まりに伴ってその先端部の移動速度も速くなり、レバー回転停止時の衝撃等が増大し、切換レバーのみならずその周辺部材の機械的強度の増強が必要になる等の問題が生じる。
特許文献5に記載した切換レールについても、切換レバーとほぼ同様の問題がある上、切換レールの方がその他の部材との接触音が大きく、摩耗が激しいという問題もある。
このような種々の問題に対して、磁力を利用する新たな切換装置が提案された(特許文献6)。図1〜4に示したようなスラット3の下側に敷設されたガイドレール171A、172A、171B、172B、221A、222A、231A、232Aで誘導されるスライドシュー押出式スラットコンベヤにおいて、所定の仕分け位置に配置された切換装置J1A、J2Aが、制御信号の発信により通電される電磁石と、その電磁石の下流側に配設される磁石であって、この電磁石と磁石が、強磁性体で形成される図3に示されたスライドシュー13の下方に備えられたホイール132を誘導するものである。例えば、図4の切換装置J1Aでは、(図示されていない)電磁石及び磁石が上部右直行ガイドレール171Aの内側切換部J1A1に配備され、制御信号の発信により通電された電磁石がホイール132を吸引した後、スラット3の進行と共に磁石に沿ってホイール132が移動して、上部右直行ガイドレール171Aから上部右上流斜行ガイドレール221Aに誘導され、スライドシュー13が幅方向に移動することによって、物品の分岐搬送を実現している。
この切換装置によれば、電磁石及び磁石の使用量を必要最低限に削減することができ、構造が簡単で、作動時間も短いため、従来の磁力を利用した切換装置、及び、アクチュエータの物理的運動力を利用した切換レバー並びに切換レールの有する問題を解決することが可能である上、ホイールはベアリングやローラ等で構成されるため、スライドシューの切換が円滑に行われ、騒音及び摩耗も低減することができ、広く用いられてきた。
しかし、物流における合理化は、生産・販売面のそれに比較すると立ち遅れていたが、物流の量的拡大は言うまでもなく、特にインターネットの普及による個人向け宅配ビジネスの拡大に見られる必要な時に必要な物品を手にしたいという質的拡大が、産業界だけでなく一般消費者でも強くなり、急速な物流合理化、すなわち、物流革命が要求され、推進されるようになってきた。このような物流の量的及び質的拡大に対応するためには、基本的な物流業務を効率化するために用いられるマテリアルハンドリング装置・機器が、多種多様な物品を正確かつ迅速に搬送、移載、仕分けすることができる必要がある。上述したスライドシュー押出式スラットコンベヤについても、従来以上に、形態、重量、容積等が異なる多種多様な物品を高速で正確に仕分けする能力が求められるようになってきた。その能力を高めるためには、スライドシュー押出式スラットコンベヤを構成する装置、機器、部品、それらを形成する材料等全てを見直す必要があるが、特に、切換装置は重要な役割を担っている。
このような急速に進歩する物流効率化という観点からは、特許文献6に記載されたような電磁石を用いてホイールを吸引する方式の切換装置においても、次のような課題が認められる場合も発生してきた。スラットコンベヤ上の物品の重量が大きい場合やスラットコンベヤの搬送速度が高い場合、ホイールのような質量の大きな部品を吸引するために、大型の電磁石が必要となるという問題である。特に、高速搬送の場合、精密な切換タイミングの制御が求められるが、長期間に亘って稼働した場合の電磁石の機械的劣化や物品の重量の差異等による切換タイミングのずれが生じ、例えば、図3に示すスライドシュー13の支持軸133が、図4に示す上部切換装置部J1Aに配備されているスライドシューの支持軸を誘導するノーズ部J1A−2等に衝突して、スライドシューの支持軸133更にはスライドシュー13が損傷するという、いわゆる、ロストピンの発生が増加する傾向にある。
又、電磁石を用いてホイールを吸引する方式の切換装置の場合、図4に示す上部切換装置部J1Aの内側切換部J1A1に、制御信号の発信により通電される電磁石を上流側に、その電磁石の下流側に磁石が配備されるため、制御信号の発信により通電された電磁石がホイール132を吸引してから、スラット3の進行と共に磁石に沿ってホイール132が移動して、上部右直行ガイドレール171Aから上部右上流斜行ガイドレール221Aに誘導されるまでのスライドシュー13の切換動作に時間(距離)を要するという問題もある。これは、図4において、上部切換装置部J1Aを配備する間隔、すなわち、上部右上流斜行ガイドレール221Aや上部左上流斜行ガイドレール222A等の間隔を、スライドシュー13のピッチに近づけ、小さな容積の物品の分岐搬送及び狭い物品の間隔の分岐搬送の可能性を妨げる要因となる。
このような電磁石を用いてホイールを吸引する方式の切換装置の課題を解決する手段として、特許文献7及び8が提案されている。両者に共通している点は、磁力を用いてホイールを吸引するのではなく、磁力で吸引される新たな部品を導入したことにある。
特許文献7は、電磁石方式の切換装置を物品の回転を伴わないスライドシュー平行押出式スラットコンベヤに適用する場合の課題である電磁石の小型化(スライドシューピッチの狭間隔化)を解決するために、図3に示すようなスライドシュー13のホイール132の下方に、図4に示す各ガイドレールに誘導される案内部材と移行機構を更に設け、透磁性材料で形成された案内部材が電磁石を用いて吸引されることや低摩耗材料を移行機構に適用することを特徴としている。これは、例えば、図4を用いて説明すると、上部切換装置部J1Aの内側切換部J1A1で案内部材が電磁石で吸引され、上部右直行ガイドレール171Aから上部右上流斜行ガイドレール221Aに移行されると、案内部材及び移行機構により、短時間で弱い磁力で、ロストピンのない確実なスライドシュー13の誘導が行われるため、上部切換装置部J1Aの間隔を狭くでき、高速で静寂な切換が行われる切換装置である。
更に、特許文献8は、特許文献7における案内部材と移行機構を一体化させ、より簡便な構造にしたベーンを、図3に示すスライドシュー13のホイール132の下方に設け、特許文献8と同様な作用効果を発現させると共に、切換装置で大量に消費される電力の根源であった電磁石も不要な切換装置を提案している。
空気圧式のアクチュエータやシリンダで回転する切換レバーを用いた切換装置については、高速切換、並びに、装置の小型化及び保守点検・交換の容易性を実現するために、切換レバーの駆動装置として、電気によって生起する磁力を利用する方法が提案されている。例えば、特許文献9では、ロータリーソレノイドを、特許文献10では、リニアモータ形式の電気式伸縮駆動装置を、それぞれ、切換レバーの切換装置として採用するものである。
このように、磁力を直接活用する磁気切換装置又は磁力を間接的に活用するレバー切換装置を備えたスライドシュー押出式スラットコンベヤは、いずれについても、形態、重量、容積等が異なる多種多様な物品を高速で仕分けする能力を備えた、高速かつ小型の切換装置となるように改良が進められてきた。
しかしながら、磁気切換装置は、案内部材と移行機構、或いは、ベーンのようなスライドシューの走路切換を誘導、補助、促進する部品によっても、切換動作の時間の短縮には限界がある。又、磁気切換装置は、RFID(Radio Frequency Identifier)を活用した物流システムや精密電子機器等の物流を考慮すると、RFタグ等のICに及ぼす磁気の悪影響が懸念される。レバー切換装置についても、小型で高速回転可能になったが、スライドシューの支持軸が完全に分岐し切るまで元の位置に戻すことができないため、高速切換に限界がある。
そこで、特許文献11に開示されているように、磁気切換装置を改良するための手段として導入されたスライドシューの走路切換を誘導、補助、促進する部品と、レバー切換装置を改良するための手段として提案された磁力を間接的に活用するロータリーソレノイドとを組み合わせた切換装置が提案された。後述するように、このような構成の切換装置は、基本的には、形態、重量、容積等が異なる多種多様な物品を高速で仕分けする能力を備える可能性がある、高速かつ小型の切換装置を示唆するものであるが、開示された技術だけでは、スライドシューの摩耗、騒音等がない円滑な切換が困難であると共に、形態、重量、容積等が異なる多種多様な物品を高速で仕分けする能力を備え、切換動作の更なる時間の短縮及び装置の更なる小型化によるシューピッチの短縮には限界があるという問題を含んでいる。
又、特許文献7、8、及び、11に記載されているように、図3に示すスライドシュー13の支持軸133を磁気的或いは力学的操作によってスライドシュー13の切換えを行うのではなく、支持軸133の下方に(ベーン等と呼称される)切換案内部材を磁気的或いは力学的操作によってスライドシュー13の切換えを行う場合、仕分けされる物品の荷重が分散されるため、図1に示す物品1とスライドシュー13との間隔を設ける必要がなく、スラットコンベヤ2のスラット3の幅を狭くできる上、斜行ガイドレール221、222、231、232の長さが短くなり物品1が回転することなく仕分けできるという長所があるにもかかわらず、いずれの特許文献にも、この点に言及した記載は認められない。当然、スライドシュー13と物品1との間隔を狭くするために求められる切換方式、切換案内部材、切換レバー等の適切な解決手段は記載されていない。
一方、スライドシュー押出式スラットコンベヤには、図4に示すように、左右上流斜行ガイドレール221A、222Aと、左右下流斜行ガイドレール231A、232Aとが交差する仕分けゾーンS1、S2近辺に、スライドシュー13が円滑に左右へ移動できるように、交差路切換装置KAが配備されている。この交差路切換装置KAは、左右上流斜行ガイドレール221A、222Aにスライドシュー13が通過するために形成された切欠き部221A1、222A1において、スライドシュー13のホイール132から受ける荷重を左右上流斜行ガイドレール221A、222Aと同様に受けることができるカムKA1が左右に揺動され、スライドシュー13の移動が可能とした一例である。従来、このような交差路切換装置は、動力を必要とする交差路切換機構を必要としていたが、特許文献12及び13等に記載されているように、スライドシューの支持軸を左右に振分けるための動力を必要としない方法が提案されてきた。しかし、カム等を機械的に揺動させるために、アームや弾性体等の複雑な動力伝達機構が必要である上、カム等の切換機構は、接触するスライドシューホイール132との摩擦が激しく、高熱を発生するため、両者の摩耗が著しいという問題も残っている。
特開昭49−38362号公報 特開2000−16581号公報 米国特許第4738347号 特開平6−48558号公報 特開平5−722号公報 特開平6−227649号公報 特表2004−501040号公報 特開2014−133651号公報 特開2002−2949号公報 特開2005−53647号公報 特開2017−145116号公報 特開平5−24619号公報 特開2007−126250号公報
本発明は、スライドシュー押出式スラットコンベヤにおける高速かつ小型の切換装置であり、形態、重量、容積等が異なる多種多様な物品を仕分けする能力を備えると共に、スライドシューの騒音、摩耗等が少ない円滑な切換が可能な切換装置を提供することのみならず、スライドシュー押出式スラットコンベヤ自体の小型化、特に、狭幅化も目的としている。
本発明者らは、スライドシューの走路切換を誘導、補助、促進する部品であるベーンの構造、スライドシューを直行ガイドレールから斜行ガイドに移行させるためのガイド及びノーズの構造及び切換方式、並びに、スライドシューの支持軸の構造及びその材質等を改良することによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、物品の搬送方向と直角方向に延伸したスラットを物品の搬送方向に連結し、物品を積載して搬送するスラットコンベヤと、スラットコンベヤのスラット面を搬送方向と直角方向に摺動自在なスライドシューと、スライドシューを搬送方向に走行させる直行ガイドレール及び直角方向に走行させる斜行ガイドレールと、直行ガイドレールと斜行ガイドレールとの間でスライドシューの走路を切換える分岐部とから構成されるスライドシュー押出式仕分けコンベヤにおいて、シュースライドを内在するシューカバー、シューカバーの下方にボスを介して回動可能に連接されるベーン、及び、ホイールとから構成され、ベーンは、ボスに回動可能に係入されるベーン軸、ベーン軸の下方に固設されるベーンアーム、及び、ベーンアームの下方に固設されるベーンヘルムから成り、ホイールは、ボスに嵌合され、ボスを介してベーン軸に回動可能に係入されるスライドシューと、分岐部にスライドシューを誘導する上流側ベーンガイドと、分岐部に直行ガイドレールを中継するように介設される下流側ベーンガイドと、分岐部の下流部分に、上流側ベーンガイドから斜行ガイドレールへ中継するように順に積層して介設される、ベーンヘルムに接触するベーンヘルムノーズ及びベーンアームに接触するベーンアームノーズと、分岐部の中流部分に、上流側ベーンガイドからベーンヘルムノーズへベーンヘルムを誘導可能に配備されるベーンヘルム方向切換手段とを具備することを特徴とするスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置である。
特にベーンの形状は、確実で高速な切換動作を得るため、ベーン軸の中心をm、シュースライドの摺動側壁をn、ベーンアームの先端をg、ベーンアームの後端をg、ベーンヘルムの先端をh、ベーンヘルムの後端をhとし、ベーン軸の中心mからシュースライドの摺動側壁nまでの長さをΔd、ホイールの直径をΔe、ベーン軸の直径をΔf、ベーン軸の中心mからベーンアームの先端gまでの長さをΔg、ベーン軸の中心mからベーンアームの後端gまでの長さをΔg、ベーンヘルムの長さをΔh、ベーンアームの深さをΔi、ベーンヘルムの深さをΔi、ベーンアームの厚さをΔj、ベーンヘルムの厚さをΔkとするとベーンヘルムの後端hの位置が、m≦h≦m+Δgの範囲内にあって、Δf/2≦Δg≦Δd、Δf/2≦Δg≦Δd、0<Δh≦Δd、0<Δk≦Δd、及び、0<Δj≦Δdであることが好ましく、Δf/2≦Δg≦Δe、Δf/2≦Δg≦Δe、Δf/2≦Δh≦Δe、及び、0<Δk≦Δe、及び、0<Δj≦Δeであることがより好ましく、Δf/2≦Δg≦Δe、Δf/2≦Δg≦Δe、Δf/2≦Δh≦Δe/2、及び、0<Δk≦Δf、及び、0<Δj≦Δfであることがより更に好ましい。これらの下限値より短くても、また、これらの上限値より長くても、確実で高速な切換動作、並びに、スライドシューの騒音、摩耗等が少ない円滑な切換動作が困難になる。そして、ΔkとΔjの大小関係は問われないが、スライドシューが安定して走行するためには、Δk≦Δjである方が好ましい。
ただし、ホイールがない場合、ベーンアームの厚さΔj及びベーンヘルムの厚さΔkは、ホイールの直径Δeの制約を受けないため、Δf/2≦Δg≦Δd、Δf/2≦Δg≦Δd、0<Δh≦Δd、0<Δk≦Δd、及び、0<Δj≦Δdであることが好ましく、Δf/2≦Δg≦Δd、Δf/2≦Δg≦Δd、0<Δh≦Δd/2、0<Δk≦Δf、及び、0<Δj≦Δfであることがより好ましく、Δf/2≦Δg≦3Δd/4、Δf/2≦Δg≦3Δd/4、0<Δh≦Δd/2、0<Δk≦Δf、及び、0<Δj≦Δfであることがより更に好ましい。この場合も、同様に、ΔkとΔjの大小関係は問われないが、スライドシューが安定して走行するためには、Δk≦Δjである方が好ましい。
ベーンヘルムがベーン軸の中心mより後流部にある場合も、適用的条件の下で、ベーンの形状が、ベーン軸の中心mを線対称の中心として、前後対称な形状であることによって、確実で高速な切換動作、並びに、スライドシューの騒音、摩耗等が少ない円滑な切換動作が可能である。
更に、仕分けされる物品とスライドシューとの間隔、すなわち、スラットコンベヤの幅を狭くし、スラットコンベヤを軽量、小型化するためには、物品の荷重を分散する必要がある。従来技術の切換装置では、支持軸を磁力や物理的運動力等の切換手段で切換えるため、物品の荷重が100%負荷されたベーン軸を強力な磁力や応力で切換えることはできず、スラット上の物品と切換装置との間隔(物品とスライドシューとの間隔)を広く取り、物品の荷重が負荷されていない支持軸を切換えざるを得ず、スラットの幅を狭くすることは困難であった。しかし、本発明の上記ベーンの形状では、ベーンヘルムを切換手段で方向変換するため、ベーン軸への物品の負荷が分散され、物品の荷重が負荷された状態でも切換可能とすることができる。従って、本発明の切換装置は、スラット上の物品と切換装置との間隔(物品とスライドシューとの間隔)を取る必要がなく、スラットの幅を狭くすることができ、スラットコンベヤの小型化が可能となる。特に、ベーンの形状として、ベーン軸の中心からベーンヘルムの先端までの長さをΔgとすると、1/4≦Δg/(Δg+Δg)であることが好ましく、1/2≦Δg/(Δg+Δg)であることがより好ましい。これらの範囲内にない場合、物品の荷重を分散することが困難となる。
ベーンは、耐久性、耐食性、及び、加工性という観点から、ステンレスで製造することが好ましいが、これに限定されるものではない。後述するように、ベーンヘルム方向切換手段に応じて材質を変更しなければならない場合もある。又、ベーンヘルムノーズ及びベーンアームノーズとの接触摩擦を考慮して、ステンレス以外の金属焼結材料やセラミック焼結材料を用いて製造してもよい。ベーンの製造方法は、射出成形のように一体成形することが好ましいが、ベーン軸、ベーンアーム、ベーンヘルムをそれぞれ製造しておき、螺合、嵌合、歯合等の方法で接合し、溶接や接着剤等で固着させてもよい。
一方、スライドシューを搬送方向に走行させる直行ガイドレールと直角方向に走行させる斜行ガイドレールとの分岐部の中流部分に、上流側ベーンガイドからベーンヘルムノーズへベーンヘルムを誘導可能に配備されるベーンヘルム方向切換手段は、特に限定されるものではなく、各種シリンダ、モーター、及び、ロータリーソレノイド等により作動する切換レバー、電磁石、並びに、高圧エアーを噴出するエアーノズル等を用いることができる。
高速で確実な切換動作を作動させるという観点から、ベーンヘルム方向切換手段として、磁力を直接スライドシューの切換動作に適用するよりも、各種アクチュエータにより作動する切換レバーやエアーノズルを採用する方が好ましい。これは、RFIDを活用した物流システムや精密電子機器等の物流を考慮した場合の磁気の影響、切換速度、及び、切換装置の大きさという観点に基づいている。より更に高速で確実な切換を行うという点を考慮すると、分岐部におけるベーンヘルムの通路の開閉が物理的に行われる切換レバーが最も優れている。そして、切換レバーの場合、切換レバーの回動中心が、上流側ベーンガイドの最下流部に隣接したベーンヘルムノーズ先端付近の、ベーンヘルムの位置する深さに配備されるが、切換レバーを回動させるアクチュエータは、特に限定されず、シリンダ、モーター、及び、ロータリーソレノイドが好ましく用いられる。
シリンダは、確実で高速な切換動作を得るためには、電動式シリンダがより好ましく用いられるが、切換レバーの切換動作に変換する伝達手段と共にシリンダの占有する空間が必要である。そのため、ベーンヘルム方向切換手段間距離、すなわち、シューピッチを狭くして、小さな物品にも対応するためには、切換レバーを直結でき、小型であるモーター及びロータリーソレノイドの方が好ましい。更なる小型化及び高速化を考慮すると、コイル電流の切換機構や整流子等が不要で、制限された範囲の大きなトルクの高速作動が可能で、安全機構を施しやすいロータリーソレノイドがモーターよりも好ましい。なお、ロータリーソレノイドも磁気を利用するが、ベーンヘルムを吸引する程の磁力を必要とせず、物品からも離れた位置に設置できるため、RFタグや精密電子機器に及ぼす磁気の影響は無視できる程小さい。
更に、各種アクチュエータにより作動する切換レバーの場合、ベーンの形状、切換レバーの厚さ及び長さ、ベーン旋回距離、ベーン旋回角、並びに、シュー分岐角が適切に設定されなければ、スライドシューを高速かつ正確に切換えることが困難であり、切換装置の小型化を図ることができない。
まず、高速かつ正確なスライドシューの切換えのためには、スライドシューが直行ガイドレールから斜行ガイドレールへと切換えられるために必要なベーン旋回距離をΔθ、スライドシューが直行ガイドレールから斜行ガイドレールへと切換えられるために必要なベーン旋回角をθ、切換レバーの厚さをΔp、ベーンヘルムの長さをΔhとすると、0<Δp≦Δθであることが好ましく、Δh・sinθ≦Δp≦Δθであることがより好ましい。切換レバーの厚さが過度に薄いとベーンヘルムとの接触における強度が不足し、過度に厚いとベーンヘルムにベーン旋回動作の事故が発生する可能性が高くなる。
以上のように、適切なベーンの形状及び切換レバーの形状とすることによって、スライドシューが直行ガイドレールから斜行ガイドレールへと切換えられるために必要なベーン旋回角をθ、直行ガイドレールと斜行ガイドレールとが形成するシュー分岐角をθとすると、θ≦θとなり、高速で極めて安定したスライドシューの切換が可能となる。逆に言えば、θ≦θとなる適切なベーンの形状及び切換レバーの形状とする必要がある。
更に、装置の小型化を図り、更なるシューピッチの短縮ためには、切換レバーの長さをΔqとすると、10mm≦Δq≦200mmであることが好ましい。
一方、ベーンガイド271及び272、並びに273及び274についても、略同一の高さであってもよいが、この間に適切な段差を設けても良い。また、ホイールがある場合は、ベーンガイド271〜274は、必ずしも必要ではない。しかし、スライドシュー13が円滑に移動するためには、ベーンガイド271及び272は、上流側の間隔が広く、下流側に向かい、適切な曲率を持ってベーンヘルム1363の厚さΔkの間隔に近づけることが好ましい。同様に、ベーンガイド273及び274も、上流側の間隔が広く、下流側に向かい、適切な曲率を持ってベーンヘルム1363の厚さΔkの間隔に近づけることが好ましい。
又、ベーンヘルムとベーンアームの衝撃を緩和し、摺動性を高めるため、ベーンヘルムノーズ、ベーンアームノーズ、及び、切換レバーは、ポリアミド(Polyamide、PA)、ポリエーテルエーテルケトン(Polyetheretherketone、PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(Polyphenylenesulfide、PPS)、ポリイミド(Polyimide、PI)、ポリオキシメチレン(Polyoxymethylene、POM)、ポリテトラフルオロエチレン(Polytetrafluoroethylene、PTFE)、フェノール樹脂(Phenolic resin)、ポリオレフィン樹脂(Polyorefin)、超高分子量ポリエチレン樹脂(Ultra High Molecular Weight Polyethylene、UHMWPE)、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合(ABS)樹脂等のエンジニアリングプラスチックであることが好ましいが、これに限定されるものではない。又、これらの樹脂に、ガラス繊維、炭素繊維、ステンレス繊維、セルロースナノファイバー(CNF)等をブレンドした複合材料を利用することができる。そして、ベーンヘルムノーズ及びベーンアームノーズを精度よく成形するためには、材料に応じた加工方法を選択する必要があり、例えば、切削加工法、射出成形法、及び、RIM(Reaction injection molding)成形法等で加工することが好ましい。
特に、磁気の影響を考慮する必要がない場合、ベーンヘルム方向切換手段として電磁石を採用することも可能である。この場合、スライドシューのベーンヘルムの材質により切換機構が異なる。ベーンヘルムが軟質磁性材料であれば、スライドシュー切換方向側の上流側ベーンガイドに連接して配備し、制御信号により通電された電磁石の磁気吸引力を利用して、スライドシューの方向を切換えることができる。又、ベーンヘルムが硬質磁性材料であれば、スライドシュー切換方向と反対側の上流側ベーンガイドに連接して配備し、制御信号により通電された電磁石と硬質磁性材料との磁気反発力を利用して、スライドシューの方向を切換えることができる。しかし、後者は全てのスライドシューに硬質磁性材料を用いる必要があり、設備コストという観点から、前者の方が好ましい。
ベーンヘルム方向切換手段として、切換レバーが不要な電磁石を採用する場合も、適切なベーンの形状及び切換レバーの形状とすることによって、スライドシューが直行ガイドレールから斜行ガイドレールへと切換えられるために必要なベーン旋回角をθ、直行ガイドレールと斜行ガイドレールとが形成するシュー分岐角をθとすると、θ≦θとなり、高速で極めて安定したスライドシューの切換が可能となる。
又、高圧エアーを噴出するエアーノズルをベーンヘルム方向切換手段として活用することもできる。このエアーノズルは、高圧エアー源からエアー噴出力を制御するエアーバルブを介してエアー配管で接続され、ベーンヘルム方向切換手段が電磁石で、ベーンヘルムが硬質磁性材料の場合同様、スライドシュー切換方向と反対側の上流側ベーンガイドに連接して配備される。そして、制御信号によりエアーノズルから噴出される風力を利用して、スライドシューの方向を切換えることができる。切換動作を確実なものとするため、ベーンヘルム方向切換手段が電磁石で、ベーンヘルムが軟質磁性材料の場合同様、スライドシュー切換方向側の上流側ベーンガイドに連接又は近接して磁石や電磁石を配備しても良い。
この場合も切換レバーが不要であるが、適切なベーンの形状及び切換レバーの形状とすることによって、スライドシューが直行ガイドレールから斜行ガイドレールへと切換えられるために必要なベーン旋回角をθ、直行ガイドレールと斜行ガイドレールとが形成するシュー分岐角をθとすると、θ≦θとなり、高速で極めて安定したスライドシューの切換が可能となる。
更に、ベーンヘルム方向切換手段として、切換レバーではなく、モーターで略水平に回動する切換ブラシを備えた切換回動体又はモーターで略鉛直に回動する切換ブラシを備えた切換回動体を使用することも可能である。前者の場合、切換回動体に切換ブラシが突出するように設けられ、切換回動体が略水平に回動することによって切換ブラシがベーンヘルムと接触してスライドシューが切換えられるため、切換回動体は、棒状だけでなく、円板状等、薄い板状であれば形状に制限はなく、切換回動体に設けられる切換ブラシは少なくとも1つ必要であるが、複数個備えていてもよい。後者の場合、略鉛直に回動する切換回動体に設けられた切換ブラシがベーンヘルムと接触してスライドシューが切換えられるため、スライドシューの進行方向と交差するように切換回動体が設けられる必要があり、切換回動体の形状は棒状であることが好ましいが、切換回動体の端に切換ブラシが備えられる場合は、これに限定されるものではない。切換ブラシを設ける位置は、切換回動体の両末端が好ましいが、切換回動体に突出するように設けることも可能である。
切換ブラシを設けた切換回動体の場合も、切換レバーと同様、ベーンの形状、切換ブラシの厚さ、切換回動体の長さ、ベーン旋回距離、ベーン旋回角、並びにシュー分岐角が適切に設定されなければ、スライドシューを高速かつ正確に切換えることが困難であり、切換装置の小型化を図ることができない。
すなわち、スライドシューが直行ガイドレールから斜行ガイドレールへと切換えられるために必要なベーン旋回距離をΔθ、スライドシューが直行ガイドレールから斜行ガイドレールへと切換えられるために必要なベーン旋回角をθ、切換ブラシの厚さをΔp’、ベーンヘルムの長さをΔhとすると、0<Δp’≦Δθであることが好ましく、Δh・sinθ≦Δp≦Δθであることがより好ましい。その結果、ベーンの形状と相まって、スライドシューが直行ガイドレールから斜行ガイドレールへと切換えられるために必要なベーン旋回角をθ、直行ガイドレールと斜行ガイドレールとが形成するシュー分岐角をθとすると、θ≦θでとなり、高速で極めて安定したスライドシューの切換が可能となる。
ただし、略鉛直に回動する切換ブラシを備えた切換回動体の場合、シューピッチと係わる切換装置の大きさは、モーターの大きさに支配されるので、切換回動体の長さとの相関性はない。一方、略水平に回動する切換ブラシを備えた切換回動体の場合、シューピッチと係わる切換装置の大きさは、切換回動体の長さとの相関性があり、この切換回動体の長さをΔq’とすると、10mm≦Δq’≦200mmであることが好ましい。
このような切換回動体及び切換ブラシの材質については、上述した切換レバーと同様であるが、切換ブラシについては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン等の様々な化学繊維が束ねられた硬さが異なる刷毛状ブラシを使用することによって、ベーンヘルムの衝撃を緩和し、摩耗を抑制することもできる。
これらのベーンヘルム方向切換手段は、公知の技術である、スライドシューの位置を検知するセンサーと中央情報システムに集約された物品情報等に基づいた制御コンピュータの制御信号によって行われる。まず、ベーンガイドに誘導されてスライドシューが分岐部に進行すると、位置センサーから送信される信号により制御コンピュータから切換信号が発信され、モーター、ロータリーソレノイド、電磁石、エアーバルブが作動して磁力又は物理的運動力がベーンヘルムに働くと共に、ベーンヘルムが、ベーンガイドから離れてベーンヘルムノーズに移動し、切換動作が開始される。これに引き続き、ベーンヘルムノーズにベーンヘルムが接触してスライドシューが誘導される区間、ベーンヘルムノーズにベーンヘルムが接触すると共に、ベーンアームノーズにベーンアームが接触してスライドシューが誘導される区間、ベーンアームノーズにベーンヘルム及びベーンアーム、すなわち、ベーンが接触してスライドシューが誘導される区間を経て、斜行ガイドレールにホイールが接触してスライドシューが誘導される。
これら一連の動作は、主搬送スラットコンベヤと分岐搬送コンベヤとが接続された分岐ゾーンで行われるように設計されており、直行ガイドレールに沿って直進していたスライドシューが、斜行ガイドレールに沿って進むため、スラットに摺動可能に挿入されているスライドシューが、進行方向をスラット長さ方向に切換え、スラット上の物品を分岐搬送コンベヤに円滑に移載することができる。
本発明の切換装置には、より確実な切換動作が行われるために、ベーン軸とボスとの間で、ベーン軸にベーンのシューカバーに対する回動角を規制する回動角度規制手段が備えられていることが好ましい。この回動角度規制手段によって、ベーン、特に、ベーンと一体化してスライドシューの初期切換に大きな役割を果たすベーンヘルムが、切換レバー、電磁石、又は、エアーノズルによって方向が切換えられた後、過度に回転することなく、進行方向が制御され、ベーンヘルム及びベーンアームが、それぞれ、ベーンヘルムノーズ及びベーンアームノーズと最適な角度で接触することが可能となるため、ベーンヘルムノーズにベーンヘルムが衝突して発生するロストピンを皆無とすることができる。
スライドシューは、シューカバーとベーンの支持軸が、ボスを介してベーンを回動可能に接続されているので、ベーンが回動する支持軸とボスとの間に角度規制を働かせる機構を持たせることができれば、回動角度規制手段は特に限定されない。例えば、容易に製造できる構造としては、支持軸に所定の大きさの突起部を形成し、ボスの側面に支持軸の回動する中心角に相当する、突起部が貫通可能な円弧状窓枠を穿設して、円弧状窓枠を貫通する突起部で支持軸の回動角を規制する方法、又、支持軸に所定の大きさのベアリングボールが回動可能な凹部を形成し、ボスの側面に支持軸の回動する中心角に相当する円弧状窓枠を穿設して、凹部と円弧状窓枠とでベアリングボールを保持して支持軸の回動角を制御する方法等が考えられる。しかし、支持軸の回動による突起部の損傷を考慮すると、突起部は支持軸に強固に突設しなければならないため、簡単な構造で優れた耐久性を有しているベアリングボールを用いる方法がより好ましい。
更に、制御コンピュータから切換信号が発信され、磁力又は物理的運動力が作動し、ベーンヘルムが、ベーンガイドから離れてベーンヘルムノーズに移動し、切換動作が開始された後、スライドシューが揺動することなく安定して斜行ガイドレールに受け渡されるためには、スラットコンベヤ進行方向にベーンヘルム及びベーンアームからベーンヘルムノーズ及び荷重を受けるベーンアームノーズが、上流側ベーンガイドから斜行ガイドレールへ至る区間を中継するように順に積層して介設される構造とする必要がある。更に、切換レバーで切換えられたスライドシューが、安定かつ円滑な走行をすることを実現するためには、この中継区間を形成する、ベーンヘルムが接触するベーンヘルムノーズ側面及びベーンアームが接触するベーンアームノーズ側面が、上流側ベーンガイドに対してスライドシュー切換方向側に曲率の中心を有し、曲率が変化しながら緩く湾曲して斜行ガイドレールに連接していることが好ましい。特に、ベーンヘルムノーズ側面及びベーンアームノーズ側面が、この曲率が一定に変化するクロソイド曲線であることがより好ましい。
又、ベーンヘルムノーズ及びベーンアームノーズも、ベーンヘルム及びベーンアームから受ける荷重の分散吸収や摺動性を高めるため、PA、PEEK、PPS、PI、POM、PTFE、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、UHMWPE、ABS樹脂等のエンジニアリングプラスチックであることが好ましいが、これに限定されるものではない。又、これらの樹脂に、ガラス繊維、炭素繊維、ステンレス繊維、CNF等をブレンドした複合材料を利用することができる。そして、ベーンヘルムノーズ及びベーンアームノーズを精度よく成形するためには、材料に応じた加工方法を選択する必要があり、例えば、切削加工法、射出成形法、及び、RIM成形法等で加工することが好ましい。
一方、シューカバーの下方に連設されたスライドシューカバーに回動可能に接続されたベーン軸と、ベーン軸の下方に固設されたベーンアームと、ベーンアームの下方に固設されたベーンヘルムとを有するベーンを有するスライドシューを用いた切換装置は、副次的ではあるが、斜行ガイドレールが交差する斜行ガイドレール切欠き部において、スライドシューが左右に円滑な移動をするために設置されなければならない交差路切換装置の構造を簡略化する顕著な効果もある。従来の交差路切換装置は、カム等を機械的に揺動させるためのアームや弾性体等の複雑な動力伝達機構が必要であるのに対し、本発明の切換装置は、スライドシューがベーンを備えているため、ベーンを案内する通路を、斜行スライドレールに平行で斜行ガイドレールの切欠き部を通過するように凹設した交差路切換部材を配備するだけよい。
この交差路切換部材は、ベーンとの摺動性やベーンを案内する通路の加工性等を考慮すると、わずかな距離ではあるが、滑り軸受の技術を利用し、交差路切換部材自体又はその表面に、エンジニアリングプラスチック、金属焼結材料、及び、セラミック焼結材料を適用することが好ましい。
エンジニアリングプラスチックとしては、上述したPA、PEEK、PPS、PI、POM、PTFE、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、UHMWPE、ABS樹脂等を挙げることができる。又、これらの樹脂に、ガラス繊維、炭素繊維、ステンレス繊維、CNF等をブレンドした複合材料を利用することができる。ベーン案内通路を精度よく成形するためには、材料に応じた加工方法を選択する必要があり、例えば、切削加工法、射出成形法、及び、RIM成形法等で加工することが好ましい。
金属焼結材料としては、一般的な滑り軸受に使用される金属粉末及び合金粉末の粉末冶金成形法によって形成された焼結材料、中でも、ベーン案内通路の加工精度を高めるためには、射出成形法を用いて成形加工することが好ましい。又、金属材料としては、鉄系合金粉末又は銅系合金粉末を用いることがより好ましい。
セラミックは高価ではあるが、摺動性や耐摩耗性等の特性が金属以上の性能を有している。セラミック焼結材料としては、金属酸化物、金属炭化物、金属ホウ化物、金属窒化物等の粉末を用いて粉末冶金成形法、中でも、射出成形法によって成形加工された焼結材料が好ましい。
このような金属焼結材料及びセラミック焼結材料は、それぞれ複合した焼結材料としてもよく、炭素繊維、ステンレス繊維、黒鉛粉等を配合することもできる。特に、焼結材料は多孔質体であり、潤滑剤を保持させることができるため、特別な潤滑装置を必要とすることがない、摩擦及び摩耗が少ない交差路切換部材を提供することが可能である。
更に、ベーン案内通路の表面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)をコーティングすることもできる。DLCは、ダイヤモンドに類似の特性を有する非結晶性のカーボン皮膜で、耐摩耗性に極めて優れた特性を有しており、本発明のベーン軸表面の被覆に適しており、物理気相成長法(PVD、Physical Vapor Deposition)及び化学気相成長法(CVD、Chemical Vapor Deposition)によりベーン軸上に成膜することができる。特に、PVDは、真空蒸着装置、スパッタリング装置、イオンプレーティング装置等を用い、CVDは、プラズマCVD装置、プラズマイオン注入成膜装置等を用いて成膜することが好ましい。
以上、本発明のスライドシュー押出式のスラットコンベヤの切換装置は、スライドシューが、シュースライドを内在するシューカバー、シューカバーの下方に連設されたスライドシューカバーに回動可能に接続されたベーン軸とベーン軸の下方に固設されたベーンアームとベーンアームの下方に固設されたベーンヘルムとを有するベーン、及び、シューカバーとベーンアームとの間のベーン軸に係入されたホイールから構成される場合について説明してきたが、シューピッチの狭間隔化については、ホイールの直径も弊害になることを見出した。そこで、本発明の切換装置に使用するスライドシューは、更に、シュースライドを内在するシューカバー、及び、シューカバーの下方にボスを介して回動可能に連接されるベーンから構成され、ベーンは、ボスに回動可能に係入されるベーン軸、ベーン軸の下方に固設されるベーンアーム、及び、ベーンアームの下方に固設されるベーンヘルムから成り、ボスに嵌合され、ボスを介してベーン軸に回動可能に係入されるホイールがないことを特徴としている。
本発明のスライドシュー押出式スラットコンベヤの切換装置は、ホイールがないスライドシューを適用する場合も、ホイールを有しているスライドシューを適用する場合と全く同様の、ベーンの形状、ベーンヘルム方向切換手段、回動角度規制手段、ベーンヘルム及びベーンアームのノーズ形状、及び、交差路切換部材を適用することができる。
特に、この場合、ベーン軸が直行ガイドレール及び斜行ガイドレールと直接接触して大きな荷重受けながら摺動するため、摩擦係数の低いベアリングから成るホイールに匹敵する機能を有している必要がある。そのため、滑り軸受や空気軸受の技術をベーン軸に適用することが好ましい。この技術は、同様に、シューカバー側壁とスラット及び/又はシューカバー側壁と斜向ガイドレールとの接触面についても適用できる。
ベーン軸への滑り軸受の技術は、交差路切換部材に適用することが好ましい材料と同様であり、ベーン軸自体又はベーン軸表面に、摺動性に優れた材料、例えば、エンジニアリングプラスチック、金属焼結材料、及び、セラミック焼結材料を適用することが好ましい。この技術は、ベーンアームノーズ、ベーンヘルムノーズにも同様に応用することができる。なお、これらの材料技術及び加工技術については、交差路切換部材の材料において記載したので、詳細は省略する。
本発明により、スライドシューの走路切換を誘導、補助、促進する部品であるベーンの構造、スライドシューを直行ガイドレールから斜行ガイドレールに移行させるためのガイド及びノーズの構造及び切換方式、並びに、スライドシューの支持軸の構造及びその材質等が改良され、高速かつ小型で、シューピッチ及び物品とスライドシューとの間隔が狭く、確実な切換動作が可能な切換装置が提供されるので、スライドシュー押出式スラットコンベヤの幅を狭くした小型軽量化を図ることができ、切換ゾーンにおいて、シューピッチ及び斜行ガイドレールが短くなり、形態、重量、容積等が異なる多種多様な物品が高速で転倒等することなく正確に仕分けされる共に、スライドシューの騒音、摩耗等がない円滑な切換が可能となる。又、本発明により、斜行ガイドレールが交差する位置に配備する交差路切換装置を交差路切換部材に置き換えることができため、スライドシュー押出式スラットコンベヤの更なる装置簡略化を図ることができる。
一般的なスライドシュー押出式スラットコンベヤを用いた分岐搬送システムの平面模式図である。 図1における切断線Iで紙面に垂直に切断した断面の模式図である。 図1における切断線IIで紙面に垂直に切断した断面の模式図である。 図1のスラットコンベヤの、スラット、エンドレスチェーン、本体スタンド、本体カバー、ローラ、チェーンカバー、及び、カバー等を取り除いた平面模式図である。 本発明の一実施形態に係る、スライドシュー押出式スラットコンベヤの切換装置におけるスライドシューの側面模式図(a)及びスラットが挿入されたシューカバーを取り外したスライドシューの斜視模式図(b)である。 本発明の一実施形態に係る、スライドシュー押出式スラットコンベヤの切換装置におけるスライドシューを分解したシューカバー以外の斜視模式図(a)及びその組立斜視模式図(b)である。 本発明の一実施形態に係る、ロータリーソレノイド式レバーを切換手段として採用したスライドシュー押出式スラットコンベヤの切換装置の構成及び動作を示す平面模式図である。 本発明の一実施形態に係る、図7に示すスライドシュー押出式スラットコンベヤの切換装置の分岐部の中流部及び下流部を拡大した平面模式図(a)と図8(a)の切断線IIIで紙面に垂直に切断した断面を矢印Y方向から見た断面模式図(b)であり、本発明の切換装置におけるベーンの形状、ノーズの構造、及び、ロータリーソレノイド式切換レバーの相互関係を示している。 本発明の一実施形態に係る、図7に示すスライドシュー押出式スラットコンベヤの切換装置の切換動作を示す平面模式図である。 本発明の一実施形態に係る、図7に示すスライドシュー押出式スラットコンベヤの切換装置の切換動作における、ベーンヘルム及びベーンアームとベーンヘルムノーズ及びベーンアームノーズの相互関係を示す平面模式図である。 本発明の一実施形態に係る、スライドシュー押出式スラットコンベヤの切換装置におけるスライドシューのベーンの形状の特徴を示す側面模式図である。 本発明の一実施形態に係る、スライドシュー押出式スラットコンベヤの切換装置における切換可能距離を示す平面模式図である。 本発明のスライドシュー押出式スラットコンベヤの切換装置に対する比較例として、ベーンの形状が異なるスライドシュー押出式スラットコンベヤの切換装置における切換可能距離を示す平面模式図である。 本発明の一実施形態に係る、スライドシューのベーンの形状を特定する側面模式図である。 本発明の一実施形態に係る、スライドシューのベーンの形状を特定する側面模式図である。 本発明のスライドシューのベーン軸に物品の荷重負荷が開始される位置を示す模式図である。 従来のスライドシュー押出式スラットコンベヤのスライドシューに負荷される荷重が、本発明のスライドシューのベーンによってスライドシューに負荷される荷重が低減されることを示す原理図である。 本発明のスライドシュー押出式スラットコンベヤにおいて、シューが直行ガイドレールから斜行ガイドレールへと切換えられるために、ベーンが旋回しなければならないベーン旋回距離を示す模式図である。 本発明のスライドシュー押出式スラットコンベヤにおいて、シューが直行ガイドレールから斜行ガイドレールへと切換えられるために、ベーンが旋回しなければならないベーン旋回角を示す模式図である。 本発明のスライドシュー押出式スラットコンベヤにおいて、切換レバーの長さとシューピッチの関係を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る、電磁石を切換手段として採用したスライドシュー押出式スラットコンベヤの切換装置の構成を示す平面模式図である。 図17(A)のスライドシュー押出式スラットコンベヤの切換装置における切換動作に及ぼすベーンヘルムノーズ及びベーンアームノーズの形状の影響を示す平面模式図である。 本発明の一実施形態に係る、エアーノズルを切換手段として採用したスライドシュー押出式スラットコンベヤの切換装置を示す平面模式図である。 本発明の一実施形態に係る、回動軸が略鉛直に配設されるモーターに取り付けられた切換回動体を切換手段として採用したスライドシュー押出式スラットコンベヤの切換装置を示す平面模式図(a)及び切断線IIIで紙面に垂直に切断した断面を矢印Y方向から見た断面模式図(b)である。 図19(A)の切換手段として適用可能な切換回動体の形態を示す矢印Y方向から見た側面図(a−1)、(b−1)、(c−1)及びそれらの平面図(a−2)、(b−2)、(c−2)である。 本発明の一実施形態に係る、回動軸が略水平に配設されるモーターに取り付けられた切換回動体を切換手段として採用したスライドシュー押出式スラットコンベヤの切換装置を示す平面模式図(a)及び切断線IIIで紙面に垂直に切断した断面を矢印Y方向から見た断面模式図(b)である。 図20(A)の切換手段として適用可能な切換回動体の形態を示す矢印Y方向から見た側面図(a−1)、(b−1)、(c−1)及び切断線IIIの左方向から見た側面図(a−2)、(b−2)、(c−2)である。 本発明の一実施形態に係る、本発明のスライドシュー押出式スラットコンベヤの交差路に備えられるベーン通路を凹設した交差路切換部材を示す平面模式図である。 本発明の一実施形態に係る、ホイールレススライドシュー押出式スラットコンベヤの切換装置の切換動作を示し、ホイールの有無が切換動作に及ぼす影響を示す平面模式図である。
以下、図面に示した一実施形態を用い、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能であり、特許請求の範囲に記載した技術思想によってのみ限定されるものである。
本発明の図1〜4に示したようなスライドシュー押出式スラットコンベヤの切換装置を構成する機械の一つであるスライドシュー13の一実施形態を図5及び6に示した。
図5(a)は、スライドシューの構成を示す側面模式図であり、図5(b)は、シューカバー131を取り外したスライドシューの斜視模式図(b)である。図から明らかなように、本発明のスライドシュー13は、シュースライド134を内在するシューカバー131、シューカバー131の下方にボス135を介して回動可能に連接されたベーン136、及び、ホイール132から構成されている。更に、ベーン136は、ベーン軸1361、ベーン軸1361の下方に固設されたベーンアーム1362、及び、ベーンアーム1362の下方に固設されたベーンヘルム1363から成り、ホイール132は、シューカバー131とベーンアーム1362の間のベーン軸1361の位置にボス135を介して係入されている。
図6(a)は、スライドシュー13のシューカバー131を取り外して残る、シューカバー131とベーン136とを回動可能に接続するボス135、ホイール132、ベーン軸1361とベーンアーム1362とベーンヘルム1363とから成るベーン136、及び、ベーンの回動角度規制手段となる、ボス135に穿設された角度規制ウィンドウ137、角度規制ベアリングボール138、ベーン軸1361に凹設されたベーンホール13611が分解された状態で図示されており、図6(b)は、図6(a)の各部品が組み立てられた状態で、ホイール132を透視した図を示している。
図5及び6から分かるように、本発明のスライドシュー13の一実施形態は、シューカバー131の下方にボス135を介して回動可能にベーン136が連接され、ホイール132とボス135とが嵌合されると共に、ボス135に穿設された角度規制ウィンドウ137とベーン軸に凹設されたベーンホール13611に角度規制ベアリングボール138が保持されるように、ベーン軸1361をボス135に回動可能に係入されている。このような構成のスライドシュー13とすることによって、ベーン136の回動が適切な範囲に規制されると共に、後述するように、特定のベーンアーム1362及びベーンヘルム1363の形状とすることによって、確実で高速な切換動作を円滑に行うことができる。
図7は、図5及び6に図示したスライドシュー13を用い、ベーンヘルム方向切換手段としてロータリーソレノイド24で作動する切換レバー25を採用した場合の、本発明の一実施形態に係る切換装置全体で、ここでは、図4の上部右切換装置J1Aに配備される切換装置を示している。又、本発明に係る一実施形態では、寸法精度、摺動性、耐衝撃性等を考慮し、ベーンガイド271、272、273、274をUHMWPEの切削加工で、ベーンヘルムノーズ28及びベーンアームノーズ29もUHMWPEの切削加工で製造したが、材質及び製造方法共にこれらに限定されるものではない。
図7の切換装置は、直交ガイドレール171Aと斜行ガイドレール221Aとの間に、図5及び6に図示したスライドシュー13の走路を切換える分岐部があって、この分岐部にスライドシュー13を誘導する上流側ベーンガイド271、272と、直行ガイドレール171Aを中継するように介設される下流側ベーンガイド273、274とが形成されており、分岐部の下流部分に、上流側ベーンガイド271、272から斜行ガイドレール221Aへ中継するように順に積層して介設される、ベーンヘルムに接触するベーンヘルムノーズ28及びベーンアームに接触するベーンアームノーズ29と、分岐部の中流部分に、上流側ベーンガイド271、272からベーンヘルムノーズ28へベーンヘルムを誘導できるように、ロータリーソレノイド24で作動するベーンヘルム方向切換手段である切換レバー25が配備されている。又、スライドシュー13の位置を検知し、この情報と中央情報システムに集約された物品情報等とに基づいて、(図示していない)制御コンピュータからロータリーソレノイド24に適切な制御信号が送信されるためのベーンアーム検知センサー32を備えている。更に、無駄な切換レバー25の動作を制限し、高速な切換を行う上で、ストッパ26を備えていることが好ましい。
図7(a)には、ロータリーソレノイド24による切換レバー25が(後述するように)作動するか否かに関わらず、スライドシュー13が、直行ガイドレール171Aから上流側ベーンガイド271、272により分岐部に誘導された後、下流側ベーンガイド273、274により分岐部から直行ガイドレール171Aに誘導される場合のスライドシュー13の動きが、図7(b)には、ロータリーソレノイド24による切換レバー25が作動して、スライドシュー13が、直行ガイドレール171Aから上流側ベーンガイド271、272により分岐部に誘導された後、切換レバー24によりベーンヘルム1363が方向変換され、その後順次スライドシュー13が方向変換し、ベーンヘルムノーズ28、ベーンアームノーズ29、ホイールノーズ30を経由して斜行ガイドレール221Aに誘導される場合のスライドシュー13の動きが、周期的ではないが、ストロボスコープのように図示されている。
本発明の切換装置の一つの特徴は、図7(a)から分かるように、ロータリーソレノイド24に直結された切換レバー25によるベーンヘルム1363の切換にあり、ベーン軸1361、ベーンアーム1362、及び、ベーンヘルム1363から構成されるベーン136と、ベーンヘルムノーズ28及びベーンアームノーズ29との相互関係にある。
そこで、これらの特徴について、図8を用いて更に詳しく説明する。図8(a)は、図7の分岐部中流部から下流部を拡大した平面模式図である。図8(b)は、図8(a)の切断線IIIで紙面に垂直に切断し、矢印Yの方向から見た断面模式図である。
図8は、分岐部の中流部において、上流側ベーンガイド271、272によって誘導されてきたスライドシュー13のベーンヘルム1363が、ロータリーソレノイド24で作動した切換レバー25によって、ベーンヘルムノーズ28の先端と接触してベーンヘルムノーズ28内へ誘導される瞬間の状態を示している。この図から明らかなように、小型のロータリーソレノイド24は、切換装置の分岐部の中流部の底に配備され、切換レバー25は、ベーンヘルム1363の通過する深さにロータリーソレノイド24と直結されている。この切換レバー25から斜行ガイドレール221Aに至るまでに、ベーンヘルムノーズ28、ベーンアームノーズ29、ホイールノーズ30が、この順に介設されると共に、ベーンヘルム1363、ベーンアーム1362、ホイール132(ベーン軸1631)の深さの順に積層されている。そして、ベーンヘルムノーズ側面281はベーンヘルム1363と接触するように、ベーンヘルムノーズ上面282はベーンアーム1362と接触しないように、ベーンアームノーズ側面291はベーンアーム1362と接触するように、ベーンアームノーズ上面292はホイール132と接触しないように、ホイールノーズ側面301はホイール132と接触するように、ホイールノーズ上面はシューカバー131と接触しないように配設される。
このような、切換レバー25、ベーン軸1361、ベーン136、ベーンヘルムノーズ28、及び、ベーンアームノーズ29との位置関係において、図8以降は、次のようにスライドシューが移動する。まず、ベーンヘルム1363がベーンヘルムノーズ側面281と接触して進み、次いで、ベーンアーム1362がベーンアームノーズ側面291と接触して進み、最後に、ホイール132がホイールノーズ側面301と接触して進み、スライドシュー13が斜行ガイドレール221Aに誘導される。
図7に示した本発明の一実施形態に係る切換装置において、スライドシュー13が直行ガイドレール171Aを進む場合と、スライドシュー13が直行ガイドレール171Aから斜行ガイドレール221Aに進む場合のスライドシュー13及び切換レバー25の一連の動作をストロボスコープ的に表現して図9に示す。直行ガイドレール171Aを進んできたNo.1スライドシュー13−1は、上流側ベーンガイド271、272により分岐部の切換レバー25がある中流部に誘導されてくると、その直前にあるベーンアーム検知センサー32がNo.1スライドシュー13−1を検知した信号を送信する(図9(a))。送信される信号により(図示されていない)制御コンピュータから切換信号が発信され、切換レバー25が、ベーンヘルム1363を下流側ベーンガイド273、274側に誘導するように作動する(図9(b))。但し、この切換レバー25の動作は必ずしも行われる必要がない。切換レバー25の動作が完了すると、No.1スライドシュー13−1は下流側ベーンガイド273、274に進むと共に、切換レバー25は作動した位置に残り、次のNo.2スライドシュー13−2を待つ。そして、No.2スライドシュー13−2がベーンアーム検知センサー32により検知されると、同様に検知信号が送信される。(図9(c))。このNo.2スライドシュー13−2は、同様に(図示されていない)制御コンピュータから切換信号が発信され、切換レバー25が、ベーンヘルム1363を斜行ガイドレール221A側に進むように作動しベーンヘルム1363が切換レバー25によりベーンヘルムノーズ28に誘導される(図9(d))。ベーンヘルム1363がベーンヘルムノーズ28に誘導されると、No.2スライドシュー13−2は、ベーンヘルム1363がベーンヘルムノーズ28に沿って進むと共に、ベーンアーム1362もベーンアームノーズ29に沿って進む一方、切換レバー25は作動した位置に残り、次のNo.3スライドシュー13−3を待つ(図9(e))。これ以後の切換動作は、図9(b)以降の動作のいずれかが、(図示されていない)制御コンピュータからの切換信号に従って実行されるが、No.2スライドシュー13−2は、更に進み、ベーンアームノーズ29からホイールノーズ30に引き渡された後、上部右上流斜行ガイドレール221Aに沿って斜行する(図9(f))。
このような一連の動作の中でも、本発明の特徴を明らかにするために、スライドシュー13が、直行ガイドレール171Aから斜行ガイドレール221Aに切換えられる場合の、ベーンヘルム1363及びベーンアーム1362とベーンヘルムノーズ28及びベーンアームノーズ29との動作を詳細に図10に示す。図10(a)は、スライドシュー13が、上流側ベーンガイド271、272からホイールノーズ30に至るまでの拡大図であり、図10(b)は、図10(a)の破線の領域、すなわち、ベーンヘルム1363がベーンヘルムノーズ28に移動した後、ホイール132がホイールノーズ30に誘導されるまでの区間を更に拡大した図である。図10(b)に示すように、ベーンヘルム1363がベーンヘルムノーズ28に移動した後、ホイール132がホイールノーズ30に誘導されるまでの区間が、ベーンヘルム1363だけがベーンヘルムノーズ28に接触して移動するヘルム誘導区間Δα、ベーンヘルム1363がベーンヘルムノーズ28に接触すると共にベーンアーム1362がベーンアームノーズ29に接触して移動するベーンアーム誘導区間Δβ、ベーンヘルム1363もベーンアーム1362もベーンアームノーズ29に接触して移動するベーン誘導区間Δγの三区間に分けられる。それぞれの区間で、スラットコンベヤ進行方向(図10において左から右)にベーンヘルム1363及びベーンアーム1362からベーンヘルムノーズ28及びベーンアームノーズ29に掛かる荷重が、上流側ベーンガイド271、272から斜行ガイドレール221Aへ至る区間を中継するように順に積層して介設される構造とすることによって、順次分散吸収され、切換レバー25で切換えられたスライドシュー13が、安定かつ円滑な走行をすることを実現している。そして、ホイール132がホイールノーズ30に接触して斜行ガイドレール221Aに至るホイール誘導区間Δδに入り、スライドシュー13が斜行ガイドレール221Aを走行する。
特に、ベーンヘルム1363及びベーンアーム1362から受ける荷重を分散吸収するためには、ベーンヘルムノーズ28及びベーンアームノーズ29、すなわち、ベーンヘルムノーズ側面281及びベーンアームノーズ側面29が、上流側ベーンガイド271に対してスライドシュー切換方向側に曲率の中心を有し、曲率が変化しながら緩く湾曲して斜行ガイドレール221Aに連接していることが好ましく、曲率が一定に変化するクロソイド曲線を描いて斜行ガイドレール221Aに連接していることがより更に好ましい。
このようなスライドシュー13の切換動作が安定して円滑に完了するためには、ベーンヘルムノーズ28及びベーンアームノーズ29が重要な役割を果たしているが、高速な切換動作という点では、ベーン軸1361、ベーンアーム1362、及び、ベーンヘルム1363から構成されるベーン136の形状が重要な役割を果たす。
図11には、本発明のベーン136(a)と、本発明とは異なるベーン136の形状(b)及び(c)を示した。ここで重要なことは、ベーンヘルム1363が、少なくとも、ベーンアーム1362の直下に設けられ、スライドシュー13の進行方向でベーン軸1361の中心より前方に形成されることが好ましい。ただし、ベーンヘルム1363が、ベーン軸1361より後流部にある場合においても、適用的条件の下で同様の効果を得ることができる。
この形状が切換速度に及ぼす影響を明確にするため、代表例として、本発明のベーン136(図11(a))とベーンヘルムのないベーン136(図11(c))を用い、図7〜9に示すロータリーソレノイド24に直結した切換レバー25でスライドシュー13を直行及び斜行方向に方向変換する際の切換速度を比較した。切換速度は、一つのスライドシューの切換が完了した後、次のスライドシューを切換えることが可能な切換可能距離で評価した。これは、切換可能時間と考えても良く、この切換可能距離(時間)内においては、いつでも切換動作を行うことができる余裕があるということを意味している。すなわち、切換可能距離(時間)が長い程、切換時間が短く(切換速度が速く)、スライドシューの間隔を短縮できることを示している。
図12(A)には、本発明のベーンヘルム1363を備えたベーン136を有するスライドシューを用いた場合の方向切換におけるロータリーソレノイド24への通電時間を示した。図12(A)の(a)において、上流側ベーンガイド271、272で誘導されてきたNo.1スライドシュー13−1は、ベーンアーム検知センサー32により検知されると、その信号が(図示されていない)制御コンピュータに送信される。そして、図12(A)の(b)に示すように、(図示されていない)制御コンピュータから切換信号が発信され、切換レバー25が作動してベーンヘルム1363が直行方向に切換えられる。切換には短い長さのベーンヘルム1363しか関与せず、切換レバー25という物理的障害が斜行方向に形成されるので、この時点で、ベーンヘルム1363によるNo.1スライドシュー13−1の直行方向への切換が完了するので、これ以降は、いつでも切換レバー25を作動させることが可能である。従って、この場合の切換可能距離は、シューピッチΔ13からベーンヘルム1363の長さを引いたΔsとなり、この切換可能距離Δs内において切換動作を行うことができる。これは、切換レバー25が作動してベーンヘルム1363が直行方向に切換えられた瞬間から切換レバー25は元の位置に戻すことも、図12(A)の(c)の位置に回動させることも可能であり、切換時間が極めて短いことを示している。このことは、図12(A)の(d)に示したように、No.2スライドシュー13−2を斜行方向に切換える場合も同様である。
一方、図12(B)には、ベーンヘルムがないベーンアーム1362を備えたベーン136を有するスライドシューを用いた場合の方向切換におけるスライドシューの切換可能距離を示した。なお、この場合、ベーンヘルムがないため、ベーンヘルムノーズは不要で、ベーンアームノーズ29だけが配備されている。図12(B)の(a)において、上流側ベーンガイド271、272で誘導されてきたNo.1スライドシュー13−1は、ベーンアーム検知センサー32により検知されると、その信号が(図示されていない)制御コンピュータに送信される。そして、図12(B)の(b)に示すように、(図示されていない)制御コンピュータから切換信号が発信され、切換レバー25が作動してベーンヘルム1363の直行方向への切換が開始される。このスライドシューには、長さを有するベーンアーム1362が切換に関与しているため、ベーンアーム1362が完全に直交方向に収まるまで、切換は完了することができない。つまり、図12(B)の(c)に示すように、ベーンアーム1362の後端が直行方向に誘導されて初めて切換が完了する。この切換完了以降、No.2スライドシュー13−2を切換えるために、切換レバー25を作動させることが可能になる。従って、この場合の切換可能距離は、シューピッチΔ13からベーンアーム1362の長さを引いたΔsとなり、この切換可能距離Δs内おいて、切換動作を行うことができる。Δsと比較すると、切換可能距離が短く、切換レバー25が作動する余裕に乏しいので、切換に時間を要していることが分かる。このことは、図12(B)の(d)に示したように、No.2スライドシュー13−2を斜行方向に切換える場合も同様である。
このように、ベーンヘルム1363が存在することによって、ロータリーソレノイドによる切換可能距離(時間)が長く、言い換えれば、切換時間が短縮され、切換速度を高めることができる。しかも、ベーンヘルム1363の長さが短い程切換可能距離を長くでき、切換時間を短縮できることが、図12(A)と(B)との比較から分かった。
そこで、ベーン136の形状を種々検討した結果、図13(A)及び(B)に示すような形状が好ましいことが明らかとなった。すなわち、ベーン軸1361、ベーンアーム1362、ベーンヘルム1363から構成されるベーン136のベーン軸1361に、ボス135と嵌合されたホイール132がボス135を介して回動可能に連接されており(図5及び6)、ベーンヘルム1363がベーンアーム1362の先端にある場合(図13(A))も、ベーンヘルム1363がベーンアーム1362の先端になく、ベーンアーム1362よりも薄い場合(図134(B))も、ベーン軸の中心をm、シュースライドの摺動側壁をn、ベーンアームの先端をg、ベーンアームの後端をg、ベーンヘルムの先端をh、ベーンヘルムの後端をhとし、前記ベーン軸の中心mから前記シュースライドの摺動側壁nまでの長さをΔd、ホイールの直径をΔe、ベーン軸の直径をΔf、ベーン軸の中心mからベーンアームの先端gまでの長さをΔg、ベーン軸の中心mからベーンアームの後端gまでの長さをΔg、ベーンヘルムの長さをΔh、ベーンアームの深さをΔi、ベーンヘルムの深さをΔi、ベーンアームの厚さをΔj、ベーンヘルムの厚さをΔkとすると、ベーンヘルムの後端hの位置が、m≦h≦m+Δg1の範囲内にあって、Δf/2≦Δg≦Δd、Δf/2≦Δg≦Δd、0<Δh≦Δd、0<Δk≦Δd、及び、0<Δj≦Δdであることが好ましく、Δf/2≦Δg≦Δe、Δf/2≦Δg≦Δe、Δf/2≦Δh≦Δe、0<Δk≦Δe、及び、0<Δj≦Δeであることがより好ましく、Δf/2≦Δg≦Δe、Δf/2≦Δg≦Δe/2、Δf/2≦Δh≦Δe/2、0<Δk≦Δf、及び、0<Δj≦Δfであることがより更に好ましい。ここでは、Δk≦Δjと図示しているが、Δjは、Δkよりも必ずしも厚い必要はなく、ΔkとΔjの大小関係は問われない。ただし、スライドシュー13の安定した走行のためには、Δk≦Δjである方が好ましい。
ただし、ホイールがない場合、ベーンアームの厚さΔj及びベーンヘルムの厚さΔkは、ホイールの直径Δeの制約を受けないため、Δf/2≦Δg≦Δd、Δf/2≦Δg≦Δd、0<Δh≦Δd、0<Δk≦Δd、及び、0<Δj≦Δdであることが好ましく、Δf/2≦Δg≦Δd、Δf/2≦Δg≦Δd、0<Δh≦Δd/2、0<Δk≦Δf、及び、0<Δj≦Δfであることがより好ましく、Δf/2≦Δg≦3Δd/4、Δf/2≦Δg≦3Δd/4、0<Δh≦Δd/2、0<Δk≦Δf、及び、0<Δj≦Δfであることがより更に好ましい。この場合も、ΔkとΔjの大小関係は問われないが、スライドシュー13の安定した走行のためには、Δk≦Δjである方が好ましい。。
更に、ベーンヘルムがベーン軸の中心mより後流部にある場合も、上記ベーンの形状が、ベーン軸の中心mを線対称の中心として、前後対称な形状であることによって、適用的条件の下で、確実で高速な切換動作、並びに、スライドシューの騒音、摩耗等が少ない円滑な切換動作が可能である。
更に、仕分けされる物品とスライドシューとの間隔、すなわち、スラットコンベヤの幅を狭くし、スラットコンベヤを軽量、小型化するため、物品の荷重を分散することができるように、ベーンの形状を工夫した。図13(C)を用いて、その原理を簡単に説明する。ベーンを備えていない従来のスライドシューの場合、支持軸133を磁力や物理的運動力を用いて切換えるので、物品の荷重全てが支持軸133に掛かるため、スライドシューを切換える際に物品とスライドシューとを接触させておくことはできなかった。そのため、スラットコンベヤの幅を広くする必要があった。
本発明のベーン軸1361、ベーンアーム1362、ベーンヘルム1363を備えたベーン136の場合、図10に示すようにベーンアーム1362がベーンアームノーズ29に接触するまでは切換ベーンはベーンヘルム1363の方向変換をするに要する荷重しか受けていない。図13(C)及び図13(D)に示すように、実際はベーンヘルム1363が、ベーンヘルムノーズ28に接した後、スラットの長さ方向に(Δg1−Δh)・sinθφ進むまでは、物品及び/又はシュー13の荷重負荷がない領域Δφがあり、スラットの長さ方向に(Δg1−Δh)・sinθφだけ進んだ位置からベーン軸1361に掛かる物品及び/又はシュー13の荷重を受けることになる。この位置以降ではベーンアームノーズ29がこの荷重を支えることになるので所定の荷重を支えることになる。この場合、ベーン136に掛かる全荷重Wは、ベーン軸1361の中心mに負荷される物品の荷重Wであるとすると、ベーンヘルム1361の先端hを支点として、Rをベーンアームの末端gに掛かる荷重、Rをベーンヘルムの先端hに掛かる荷重、Δgをベーン軸の中心mからベーンヘルムの先端hまでの長さとすると、Δgがベーン軸の中心mからベーンアームの後端までの長さであるから、図13(C)に記載したように、ベーンヘルムの先端hに掛かる荷重Rは、R=W・{1−Δg3/(Δg+Δg)}となる。このことから、本発明の切換装置では、少なくとも1/4≦Δg/(Δg+Δg)として、ベーンヘルムの先端hに掛かる荷重Rを約3/4とすることが好ましいが、1/2≦Δg/(Δg+Δg)として、ベーンヘルムの先端hに掛かる荷重Rを半減することがより好ましい。すなわち、スライドシューを切換える際に、ベーンヘルム1363に掛かる物品の荷重は分散されるため、物品とスライドシューが接触していても、スライドシューの切換が可能となり、スラットコンベヤの幅を狭くできる。つまり、スライドシュー押出式スラットコンベヤの軽量、小型化を実現することが可能となった。この結果、当然、斜行ガイドレールの長さを短縮することができるので、形態、重量、容積等が異なる多種多様な物品が高速で仕分けされる場合においても、物品が転倒等することなく正確に仕分けされるようになるという効果が発現する。
このようなベーン軸1361、ベーンアーム1362、及び、ベーンヘルム1363を備えたベーン136を切換レバー25の回動によってスライドシューを切換える方式においては、スライドシューが直行ガイドレールから斜行ガイドレールへと切換えられるために必要なベーン旋回距離Δθ及びベーン旋回角θが確保される必要がある。これらについても、切換レバーの厚さΔp及びベーンヘルムの長さΔhとの間に適切な関係が存在することが分かった。すなわち、図14(a)に示すように、ベーン136のベーンヘルム1363が切換レバー25と接触して切換えを開始した後、ベーンヘルム1363が、ベーンヘルムノーズ28に完全に収まる図14(b)の状態へ支障なく移行するためには、0<Δp≦Δθであることが好ましく、更にこの状態に速やかに移行するためには、Δh・sinθ≦Δp≦θであることがより好ましいことが見出された。
このようなベーンの形状や切換レバーの厚さとすることによって、図15に示すように、スライドシューが直行ガイドレールから斜行ガイドレールへの速やかな切換が可能なベーン旋回角θと、直行ガイドレールと斜行ガイドレールとが形成するシュー分岐角をθとの間に、θ≦θとなる状態が形成され、ベーンヘルム1363によるスライドシューの切換が問題を生じることなく完了できることが分かった。
更に、切換レバーの長さも、切換レバーの寿命、コンベヤ搬送速度、シューピッチ等の観点から種々検討した結果、適切な領域を見出した。この点について、図16を用いて説明する。切換レバーの長さΔqが、Δq、Δq、Δqと長くなるにつれて、切換レバー仕分け角θq1、θq2、θq3が緩やかになり、切換レバーとベーンヘルムとの衝突角が小さくなるため、切換レバーの寿命が長くなる一方、切換レバーの角速度を保つと、回転速度が速くなり、切換レバーとベーンヘルムとの衝突が激しくなるため、コンベヤ搬送速度が制限される。従って、切換レバーの寿命とコンベヤ搬送速度を考慮した切換レバーの長さの設定が求められる。これらに加え、切換レバーの長さは、シューピッチΔ13と密接に係わり、形態、重量、容積等が異なる多種多様な物品を高速で仕分けする能力を備えたスライドシュー押出式仕分けコンベヤとするためには、短い程好ましい。その結果として、切換レバーの長さが、10mm≦Δq≦200mmの範囲にあることが好ましいことが分かった。
以上、切換レバーを用いたベーンヘルム方向切換手段を説明してきたが、本発明の切換装置は、スライドシュー13がこのようなベーン136の形状を有していることによって、ベーンヘルム方向切換手段として電磁石を採用することもできる。図17(A)には、ベーン136を軟質磁性材料とし、スライドシュー切換方向側の上流側ベーンガイド271に連接して電磁石33を配備し、制御信号により通電された電磁石の磁気吸引力を利用して、スライドシュー13の方向を切換える本発明の一実施形態を示す。
図17(A)の(a)において、上流側ベーンガイド271、272で誘導されてきたNo.1スライドシュー13−1は、ベーンアーム検知センサー32により検知されると、その信号が(図示されていない)制御コンピュータに送信される。そして、図17(A)の(b)に示すように、(図示されていない)制御コンピュータから切換信号が発信されると、電磁石33に通電されてベーンヘルム1363を吸引し、斜行方向への切換を開始する。磁気吸引力による切換のため、この時点で、ベーンヘルム1363によるNo.1スライドシュー13−1の斜行方向への切換を完了することはできない。図17(A)の(c)に示すように、電磁石33の終端を超えるところまでベーンヘルム1363が誘導されて初めて切換が完了するので、この場合の切換可能距離は、シューピッチΔ13からベーンヘルム1363の長さと電磁石33の長さを引いたΔtとなり、この切換可能距離Δt内において、切換動作を行うことができる。図17から明らかなように、方向切換手段として切換レバー25を使用した場合の切換可能距離Δsは、方向切換手段として電磁石33を使用した場合の切換可能距離Δtよりも長く、切換レバー25の方が切換速度に優れていることが分かる。
ここで、既に説明したベーンヘルムノーズ及びベーンアームノーズの効果について、電磁石33をベーンヘルム方向切換手段として用い、ベーンアームノーズが備えられていない場合の切換動作を比較例として図17(B)に示す。ここでは、スライドシュー13のベーン136として、本発明の図17(A)と同じベーンアーム1362及びベーンヘルム1363を有するものを用い、ノーズが、ベーンヘルムノーズ28だけで、図17(A)に備えられていたベーンアームノーズ29のない切換装置である。図17(B)の(c)から明らかなように、切換可能距離Δtに変化はないが、図17(B)の(d)に示すように、ベーンアームノーズがないため、ベーンアーム1362の荷重を受けることができず、スライドシュー13は大きく回動し、不安定な切換動作となる。このことから、本発明の切換装置におけるノーズは、図17(A)に示したようなベーンヘルムノーズ28及びベーンアームノーズ29が、上流側ベーンガイド271、272から斜行ガイドレール221Aへ至る区間を中継するように順に積層、介設される構造であることによって、ベーンヘルム1363及びベーンアーム1362からの荷重を順次分散吸収し、方向切換手段で切換えられたスライドシュー13が、安定かつ円滑な走行を行えるのである。
更に、図18には、ベーンヘルム方向切換手段として、エアーノズル34を採用した場合の切換動作を示した。ベーンヘルム1363の通過する位置に配備されたエアーノズル34には、(図示されていない)高圧エアー源からエアー配管36を経由し、エアーバルブ35で噴出力が制御されたエアーが供給され、ベーンヘルム1363に噴出される。ここでは、エアーバルブ35に加え、永久磁石37が、スライドシュー切換方向側の上流側ベーンガイド271側のベーンヘルムノーズ28付近に配備され、永久磁石37の磁気吸引力を利用して、更に安定した切換を実現する本発明の一実施形態を示している。永久磁石は電磁石でもよい。又、必ずしも永久磁石又は電磁石を必要とするものではない。
エアーノズル34をベーンヘルム方向切換手段として採用した場合は、図18(a)において、ベーンアーム検知手段32によりNo.1スライドシュー13−1が検知された後、これまでと同様の方法で信号が送受信され、図18(c)において、ベーンヘルム1363のベーンヘルムノーズ28への誘導が完了する。図18(c)から明らかなように、永久磁石17は、ベーンヘルム1363を吸引する位置に設置されるので、この場合の切換可能距離は、シューピッチΔ13からベーンアーム1362の長さを引いたΔuとなる。この場合も、図12(A)に示した切換レバー25のように、ベーンヘルム1362の通路を物理的に閉鎖することはできないため、切換可能距離Δuは、切換レバー25を用いた場合の切換可能距離Δsよりも短くなるが、図12(B)に示したベーンヘルムがない場合の切換可能距離Δsよりも短く、切換速度の向上を図ることが可能である。
また、切換レバーと類似しているが、ベーンヘルム方向切換手段として、切換回動体に備えられた切換ブラシを適用することもできる。切換回動体を回動するアクチュエータの回動軸を略鉛直に配備して、略水平面上で回動する切換ブラシを備えた場合、及び、切換回動体を回動するアクチュエータの回動軸を略水平に配備して、略鉛直面上で回動する切換ブラシを備えた場合を、それぞれ、アクチュエータがモーターの場合を例にした一実施形態として図19及び20に示す。図8同様、図7に示すスライドシュー押出式スラットコンベヤの切換装置の分岐部の中流部及び下流部を拡大した平面模式図が図19(A)(a)及び図20(A)(a)であり、それぞれの平面図の切断線IIIで紙面に垂直に切断した断面を矢印Y方向から見た断面模式図が図19(A)(b)及び図20(A)(b)である。図19及び20では、アクチュエータとしてモーターを用いた例を記載しているが、アクチュエータは、シリンダ、モーター、ロータリーソレノイド等を用いることができ、特に限定されるものではない。ただし、これらの場合、回動の自由度が高く、モーターであることが好ましい。
図19(A)から分かるように、モーター38の回動軸381を略鉛直に配備する場合、切換レバー25とは異なる切換機構として、モーター38に固定された切換回動体39の上部に切換ブラシ391を備えた構成とすることが可能である。この場合、ベーンヘルム1363より更に深い位置に切換回動体39が配置され、切換ブラシ391だけがベーンヘルム1363と接触して切換えることができるため、切換レバー25を用いた切換装置よりも設置場所の自由度が広がると共に、切換回動体39の形状及び回動の自由度も広がる。切換回動体39の形状の例として、図19(B)の(a−1)、(b−1)、及び、(c−1)、並びに、(a−2)、(b−2)、及び、(c−2)に、それぞれ、側面図と平面図を示したが、これらに限定されるものではなく、切換ブラシ391の数を三つ以上備えていてもよい。また、切換回動体39は、正逆両方向に回転を制御して切換操作を行うことができるという特徴もある。
一方、モーター38の回動軸381を略水平に配備する場合、図20(A)、並びに、図20(B)の(a−1)、(a−2)、及び、(a−2)’に示すように、モーター38に固定された切換回動体39の両端に切換ブラシ391を備えた切換機構の構成とすることも可能である。この場合も、図20(B)の(b−1)及び(b−2)並びに(c−1)及び(c−2)に示すように、切換回動体39の一端に切換ブラシを備えても良いし、切換回動体39のモーター38の反対側に突起するように切換ブラシを備えても良い。図20(B)(c)のタイプには当てはまらないが、この場合も、ベーンヘルム1363より更に深い位置に切換回動体39が配置され、切換ブラシ391だけがベーンヘルム1363と接触して切換えることができるため、切換レバー25を用いた切換装置よりも設置場所の自由度が広がると共に、切換回動体39の形状及び回動の自由度も広がる。切換回動体39の形状の例として、図20(B)に切換回動体の例を側面図と平面図で示したが、切換回動体39自体がブラシであっても良く、これらに限定されるものではなく、切換ブラシ391の数を三つ以上備えていてもよい。また、切換回動体39は、正逆両方向に回転を制御して切換操作を行うことができるという特徴もある。
しかし、このような切換ブラシを用いた切換機構においても、切換レバーと同様、図14〜16に示したように、ベーンの形状、ベーン旋回角、ベーン旋回距離、シュー分岐角、切換ブラシの形状等を最適化する必要がある。まず、切換ブラシについては、スライドシューが直行ガイドレールから前記斜行ガイドレールへと切換えられるために必要なベーン旋回距離をΔθ、スライドシューが直行ガイドレールから斜行ガイドレールへと切換えられるために必要なベーン旋回角をθ、切換ブラシの厚さをΔp’、前記ベーンヘルムの長さをΔhとすると、0<Δp’≦Δθであることが好ましく、Δh・sinθ≦Δp’≪Δθであることがより好ましい。
このような条件の下では、スライドシューが直行ガイドレールから斜行ガイドレールへと切換えられるために必要なベーン旋回角θと、直行ガイドレールと斜行ガイドレールとが形成するシュー分岐角θとの間に、θ≦θとなる状態が形成され、高速で極めて安定したスライドシューの切換が可能である。
更に、切換回動体の長さについては、回動軸を略水平に配備する場合、シューピッチと係わる切換装置の大きさはアクチュエータで決定されるため、切換回動体の長さとシューピッチとの相関性はないが、回動軸を略鉛直に配備する場合は、切換レバーと同様、シューピッチは切換回動体の長さに依存するため、切換回動体の長さをΔq’とすると、10mm≦Δq’≦200mmであることが好ましい。
このような切換回動体及び切換ブラシの材質については、切換レバーと同様のものが好ましく用いられる。ただし、切換ブラシについては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン等の様々な化学繊維が束ねられた硬さが異なる刷毛状ブラシを使用することによって、ベーンヘルムの衝撃を緩和し、摩耗を抑制することもできる。
以上、切換回動体に備えられた切換ブラシを適用した切換装置について、アクチュエータの回動軸を略垂直に配備して、略水平面上で回動する切換ブラシを備えた場合、及び、アクチュエータの回動軸を略水平に配備して、略鉛直面上で回動する切換ブラシを備えた場合を示した。しかし、回動軸を鉛直方向と角度をなすようにアクチュエータを配備して、切換回動体が傾斜面で回動させても良い。同様に、回動軸を水平方向と角度をなすようにアクチュエータを配備して、切換回動体が傾斜面で回動させても良い。
一方、シューカバーの下方に連設されたスライドシューカバーに回動可能に接続されたベーン軸と、ベーン軸の下方に固設されたベーンアームと、ベーンアームの下方に固設されたベーンヘルムとを有するベーンを有するスライドシューを用いた切換装置は、斜行ガイドレールが交差する斜行ガイドレール切欠き部において、スライドシューが左右に円滑な移動をするために設置されなければならない交差路切換装置の構造を簡略化する顕著な効果もある。図21に、このような交差路切換装置の本発明の一実施形態を示す。図21は、図4同様に、スラットコンベヤ上部の、スラット、エンドレスチェーン、本体スタンド、本体カバー、ローラ、チェーンカバー、及び、カバー等を取り除いた平面模式図で、KBが、本発明の一実施形態に係る、ベーン通路KB1を有する交差路切換部材である。
図21の左側から右側に物品等が移動する上部交差路においては、スライドシュー13が通過するために、右上流斜行ガイドレール221A及び左上流斜行ガイドレール222Aに、それぞれ、切欠き部221A1及び切欠き部222A1が設けられる必要があり、従来は、例えば、図4に示すように、カム等を機械的に揺動させるためのアームや弾性体等の複雑な動力伝達機構を配備する必要があるのに対し、本発明の交差路切換部材は、スライドシュー13がベーン136を備えているため、ベーン136を案内する通路を、右上流斜行スライドレール221Aから左下流斜行ガイドレール232Aにかけて、両斜行ガイドレール221A、232Aからホイール132の半径だけ隔てた位置に、厚さΔj(図13)のベーンアーム136が誘導可能な幅の平行なベーン通路KB1を凹設するだけでよい。左上流斜行ガイドレール222Aから右下流斜行ガイドレール231Aにかけても同様である。
このような交差路切換部材は、ベーン136との摩耗が少ない摺動性に優れた材質が好ましく、通路の幅の精度が要求されるため、本発明の一実施形態では、エンジニアリングプラスチックの一つであるUHMWPEを用い、切削加工で製造したものを採用したが、これに限定されるものではない。摺動性に優れた金属焼結材料やセラミック焼結材料等を射出成形により製造したものも好ましく用いられる。
以上、本発明のスライドシュー押出式のスラットコンベヤの切換装置は、スライドシューが、シュースライドを内在するシューカバー、シューカバーの下方に連設されたスライドシューカバーに回動可能に接続されたベーン軸とベーン軸の下方に固設されたベーンアームとベーンアームの下方に固設されたベーンヘルムとを有するベーン、及び、シューカバーとベーンアームとの間のベーン軸に係入されたホイールから構成される場合について説明してきた。しかしながら、シューピッチの更なる狭間隔化を実現するためには、本発明の切換装置を構成するスライドシューは、ホイールを有していないことを特徴とする。すなわち、本発明の切換装置に使用するスライドシューは、シュースライドを内在するシューカバー、及び、シューカバーの下方にボスを介して回動可能に連接されるベーンから構成され、ベーンは、ボスに回動可能に係入されるベーン軸、ベーン軸の下方に固設されるベーンアーム、及び、ベーンアームの下方に固設されるベーンヘルムから成り、ボスに嵌合され、ボスを介してベーン軸に回動可能に係入されるスライドシューである。
図22には、ホイールを削除する効果を示す。図22(a)は、図10(a)に示した本発明の一実施形態に係る切換動作であり、図22(b)は、ホイール132を削除して、更にシューピッチを狭間隔化可能であることを示した本発明の一実施形態に係る切換動作である。図22(a)はホイールノーズ30であるのに対し、図22(b)では、ベーン軸ノーズ31を使用しており、図から明らかなように、同じ位置までスライドシュー13を移動させた場合に、ホイール132を削除した方が、ノーズの位置をΔrだけ上流側にシフトすることが可能となる。このことが、正しくシューピッチを狭くすることを示している。
ただし、ホイール132は、回転による摩擦の低減によって、直行ガイドレール及び斜行ガイドレールから大きな荷重を受けながら接触によって生じる摩耗を阻止してきたため、ホイール132を削除することによって、ベーン軸1361は、ベアリングから成るホイールに匹敵する機能を有している必要がある。そのため、滑り軸受や空気軸受の技術をベーン軸1361に適用することが好ましい。本発明の一実施形態では、鉄系合金粉末の金属焼結法、特に、砂型鋳造法でベーンを製造し、潤滑剤を保持させたものを適用した。これは、金属焼結法で製造した成形品が多孔質体であり、潤滑剤を保持させることによって、特別な潤滑装置を必要とすることがなく摩擦及び摩耗を阻止することができるためである。
また、ベーンアーム自体で荷重をガイドレールに伝えることもできるが、この場合はガイドレール側にベアリング等の滑走材を設ける等でベーンアームの摩耗や摩擦抵抗を低減することも可能である。
ホイール132を削除する場合の上記課題を解消する方法としては、スライドシューの摺動性を転がり軸受の技術を用いて高めることも有効な手段である。すなわち、図5に示したスライドシュー13のシューカバー131の斜行ガイドレールとの接触部に、ベアリングを埋め込む等の措置を講じることもできる。これは滑り軸受の構造としても効能は同様である。又、レール側にこれを取付けてもよい。
本発明の切換装置は、スラットシュー押出式スラットコンベヤに利用される部品、器具、器械等を備えているが、これらに適用されている要素技術は、物流システムの基本となる各種ソータを含むあらゆる搬送システムに応用することができるものであり、物流産業における利用可能性が極めて高い発明である。
1 物品
2 スラットコンベヤ
3 スラット
41 右エンドレスチェーン
42 左エンドレスチェーン
5 駆動軸
6 従動軸
71 駆動軸側右スプロケット
72 駆動軸側左スプロケット
81 従動軸側右スプロケット
82 従動軸側左スプロケット
9 モーター
101 本体右側スタンド
102 本体左側スタンド
111 本体右側カバー
112 本体左側カバー
121 右側分岐コンベヤ
122 左側分岐コンベヤ
13 スライドシュー
13−1 No.1スライドシュー
13−2 No.2スライドシュー
13−3 No.3スライドシュー
13−4 No.4スライドシュー
Δ13 シューピッチ
131 シューカバー
132 ホイール
133 支持軸
134 シュースライド
135 ボス
136 ベーン
1361 ベーン軸
1362 ベーンアーム
1363 ベーンヘルム
13611 ベーンホール
137 角度規制ウィンドウ
138 角度規制ベアリングボール
14 本体フレーム
15 横連結フレーム
16A 上部レール支持フレーム
16B 下部レール支持フレーム
171A 上部右直行ガイドレール
172A 上部左直行ガイドレール
171B 下部右直行ガイドレール
172B 下部左直行ガイドレール
181A 上部右移動ガイド
182A 上部左移動ガイド
181B 下部右移動ガイド
182B 下部左移動ガイド
181C 下部右移動ガイド
182C 下部左移動ガイド
191 右ガイドローラ
192 左ガイドローラ
201 右サイドローラ
202 左サイドローラ
211 右チェーンカバー
212 左チェーンカバー
221A 上部右上流斜行ガイドレール
221A1 上部右上流斜行ガイドレール切欠き部
222A 上部左上流斜行ガイドレール
222A1 上部左上流斜行ガイドレール切欠き部
231A 上部右下流斜行ガイドレール
232A 上部左下流斜行ガイドレール
24 ロータリーソレノイド
25 切換レバー
26 ストッパ
271 上流側ベーンガイド(1)
272 上流側ベーンガイド(2)
273 下流側ベーンガイド(3)
274 下流側ベーンガイド(4)
28 ベーンヘルムノーズ
281 ベーンヘルムノーズ側面
282 ベーンヘルムノーズ上面
29 ベーンアームノーズ
291 ベーンアームノーズ側面
292 ベーンアームノーズ上面
30 ホイールノーズ
31 ベーン軸ノーズ
32 ベーンアーム検知センサー
33 電磁石
34 エアーノズル
35 エアーバルブ
36 エアー配管
37 永久磁石
38 モーター
381 回動軸
39 切換回動体
391 切換ブラシ
S1、S2 仕分けゾーン
J1A 上部右切換装置
J1A1 内側切換部
J1A2 ノーズ部
J2A 上部左切換装置
J2A1 内側切換部
J2A2 ノーズ部
KA 上部交差路切換装置
KA1 カム
KB 上部交差路切換部材
KB1 上部交差路切換部材のベーン通路
Δα ヘルム誘導区間
Δβ ベーンアーム誘導区間
Δγ ベーン誘導区間
Δδ ホイール誘導区間
m ベーン軸の中心
n シュースライドの摺動側壁
ベーンアームの先端
ベーンアームの後端
ベーンヘルムの先端
ベーンヘルムの後端
Δd ベーン軸の中心からシュースライド摺動側壁までの長さ
Δe ホイールの直径
Δf ベーン軸の直径
Δg ベーン軸の中心からベーンアームの先端までの長さ
Δg ベーン軸の中心からベーンアームの後端までの長さ
Δg ベーン軸の中心からベーンヘルムの先端までの長さ
Δh ベーンヘルムの長さ
Δi ベーンアームの深さ
Δi ベーンアームの深さ
Δj ベーンアームの厚さ
Δk ベーンヘルムの厚さ
W ベーンに掛かる全荷重
ベーンアーム末端に掛かる荷重
ベーンヘルム先端に掛かる荷重
Z−1 シューの直進移動中心線
Z−2 ベーン旋回方向中心線
Z−3 シューの斜行移動中心線
θφ ベーン軸への物品の荷重負荷が開始するベーン旋回角
Δφ ベーン軸への物品の荷重負荷がない領域
θ シューが上部右直行ガイドレールから上部右斜行ガイドレールへの切換えに必要なベーン旋回角
θ上部右直行ガイドレール(171A)と上部右斜行ガイドレール(221A)とが形成するシュー分岐角
Δθ シューが上部右直行ガイドレールから上部右斜行ガイドレールへの切換えに必要なベーン旋回距離
Δp 切換レバーの厚さ
Δp’ 切換ブラシの厚さ
Δq(Δq、Δq、Δq) 切換レバーの長さ
Δq’ 切換回動体の長さ
θ(θq1、θq2、θq3) 切換レバー仕分け角
Δr 切換装置削減幅
Δs ロータリーソレノイド方式の切換可能距離<ベーンヘルム有>
Δs ロータリーソレノイド方式の切換可能距離<ベーンヘルム無>
Δt 電磁石方式の切換可能距離
Δu 風力方式の切換可能距離
I、II、III 切断線
Y 視野の方向

Claims (31)

  1. 物品の搬送方向と直角方向に延伸したスラットを物品の搬送方向に連結し、物品を積載して搬送するスラットコンベヤと、前記スラットコンベヤのスラット面を搬送方向と直角方向に摺動自在なスライドシューと、前記スライドシューを搬送方向に走行させる直行ガイドレール及び直角方向に走行させる斜行ガイドレールと、前記直行ガイドレールと前記斜行ガイドレールとの間で前記スライドシューの走路を切換える分岐部とから構成されるスライドシュー押出式仕分けコンベヤにおいて、
    シュースライドを内在するシューカバー、前記シューカバーの下方にボスを介して回動可能に連接されるベーン、及び、ホイールとから構成され、前記ベーンは、前記ボスに回動可能に係入されるベーン軸、前記ベーン軸の下方に固設されるベーンアーム、及び、前記ベーンアームの下方に固設されるベーンヘルムから成り、前記ホイールは、前記ボスに嵌合され、前記ボスを介して前記ベーン軸に回動可能に係入される前記スライドシューと、
    前記分岐部に前記スライドシューを誘導する上流側ベーンガイドと、
    前記分岐部に前記直行ガイドレールを中継するように介設される下流側ベーンガイドと、
    前記分岐部の下流部分に、前記上流側ベーンガイドから前記斜行ガイドレールへ中継するように順に積層して介設される、前記ベーンヘルムに接触するベーンヘルムノーズ及び前記ベーンアームに接触するベーンアームノーズと、
    前記分岐部の中流部分に、前記上流側ベーンガイドから前記ベーンヘルムノーズへ前記ベーンヘルムを誘導可能に配備されるベーンヘルムの方向切換手段とを具備することを特徴とするスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  2. 物品の搬送方向と直角方向に延伸したスラットを物品の搬送方向に連結し、物品を積載して搬送するスラットコンベヤと、前記スラットコンベヤのスラット面を搬送方向と直角方向に摺動自在なスライドシューと、前記スライドシューを搬送方向に走行させる直行ガイドレール及び直角方向に走行させる斜行ガイドレールと、前記直行ガイドレールと前記斜行ガイドレールとの間で前記スライドシューの走路を切換える分岐部とから構成されるスライドシュー押出式仕分けコンベヤにおいて、
    シュースライドを内在するシューカバー、及び、前記シューカバーの下方にボスを介して回動可能に連接されるベーンから構成され、前記ベーンは、前記ボスに回動可能に係入されるベーン軸、前記ベーン軸の下方に固設されるベーンアーム、及び、前記ベーンアームの下方に固設されるベーンヘルムから成る前記スライドシューと、
    前記分岐部に前記スライドシューを誘導する上流側ベーンガイドと、
    前記分岐部に前記直行ガイドレールを中継するように介設される下流側ベーンガイドと、
    前記分岐部の下流部分に、前記上流側ベーンガイドから前記斜行ガイドレールへ中継するように順に積層して介設される、前記ベーンヘルムに接触するベーンヘルムノーズ及び前記ベーンアームに接触するベーンアームノーズと、
    前記分岐部の中流部分に、前記上流側ベーンガイドから前記ベーンヘルムノーズへ前記ベーンヘルムを誘導可能に配備されるベーンヘルムの方向切換手段とを具備することを特徴とするスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  3. 前記ベーンの形状が、前記ベーン軸の中心をm、前記シュースライドの摺動側壁をn、前記ベーンアームの先端をg、前記ベーンアームの後端をg、前記ベーンヘルムの先端をh、前記ベーンヘルムの後端をhとし、前記ベーン軸の中心mから前記シュースライドの摺動側壁nまでの長さをΔd、前記ホイールの直径をΔe、前記ベーン軸の直径をΔf、前記ベーン軸の中心mから前記ベーンアームの先端gまでの長さをΔg、前記ベーン軸の中心mから前記ベーンアームの後端gまでの長さをΔg、前記ベーンヘルムの長さをΔh、前記ベーンアームの深さをΔi、前記ベーンヘルムの深さをΔi、前記ベーンアームの厚さをΔj、前記ベーンヘルムの厚さをΔkとすると前記ベーンヘルムの後端hの位置が、m≦h≦m+Δgの範囲内にあって、Δf/2≦Δg≦Δd、Δf/2≦Δg≦Δd、0<Δh≦Δd、0<Δk≦Δd、及び、0<Δj≦Δdであることを特徴とする請求項1に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  4. 前記ベーンの形状が、前記ベーン軸の中心をm、前記ベーンアームの先端をg、前記ベーンアームの後端をg、前記ベーンヘルムの先端をh、前記ベーンヘルムの後端をhとし、前記ホイールの直径をΔe、前記ベーン軸の直径をΔf、前記ベーン軸の中心mから前記ベーンアームの先端gまでの長さをΔg、前記ベーン軸の中心mから前記ベーンアームの後端gまでの長さをΔg、前記ベーンヘルムの長さをΔh、前記ベーンアームの深さをΔi、前記ベーンヘルムの深さをΔi、前記ベーンアームの厚さをΔj、前記ベーンヘルムの厚さをΔkとすると前記ベーンヘルムの後端hの位置が、m≦h≦m+Δgの範囲内にあって、Δf/2≦Δg≦Δe、Δf/2≦Δg≦Δe、Δf/2≦Δh≦Δe、0<Δk≦Δe、及び、0<Δj≦Δeであることを特徴とする請求項1に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  5. 前記ベーンの形状が、前記ベーン軸の中心をm、前記ベーンアームの先端をg、前記ベーンアームの後端をg、前記ベーンヘルムの先端をh、前記ベーンヘルムの後端をhとし、前記ホイールの直径をΔe、前記ベーン軸の直径をΔf、前記ベーン軸の中心mから前記ベーンアームの先端gまでの長さをΔg、前記ベーン軸の中心mから前記ベーンアームの後端gまでの長さをΔg、前記ベーンヘルムの長さをΔh、前記ベーンアームの深さをΔi、前記ベーンヘルムの深さをΔi、前記ベーンアームの厚さをΔj、前記ベーンヘルムの厚さをΔkとすると前記ベーンヘルムの後端hの位置が、m≦h≦m+Δgの範囲内にあって、Δf/2≦Δg≦Δe、Δf/2≦Δg≦Δe、Δf/2≦Δh≦Δe/2、0<Δk≦Δf、及び、0<Δj≦Δfであることを特徴とする請求項1に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  6. Δk≦Δjであることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  7. 前記ベーンの形状が、前記ベーン軸の中心をm、前記シュースライドの摺動側壁をn、前記ベーンアームの先端をg、前記ベーンアームの後端をg、前記ベーンヘルムの先端をh、前記ベーンヘルムの後端をhとし、前記ベーン軸の中心mから前記シュースライドの摺動側壁nまでの長さをΔd、前記ベーン軸の直径をΔf、前記ベーン軸の中心mから前記ベーンアームの先端gまでの長さをΔg、前記ベーン軸の中心mから前記ベーンアームの後端gまでの長さをΔg、前記ベーンヘルムの長さをΔh、前記ベーンアームの深さをΔi、前記ベーンヘルムの深さをΔi、前記ベーンアームの厚さをΔj、前記ベーンヘルムの厚さをΔkとすると前記ベーンヘルムの後端hの位置が、m≦h≦m+Δgの範囲内にあって、Δf/2≦Δg≦Δd、Δf/2≦Δg≦Δd、0<Δh≦Δd、0<Δk≦Δd、及び、0<Δj≦Δdであることを特徴とする請求項2に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  8. 前記ベーンの形状が、前記ベーン軸の中心をm、前記シュースライドの摺動側壁をn、前記ベーンアームの先端をg、前記ベーンアームの後端をg、前記ベーンヘルムの先端をh、前記ベーンヘルムの後端をhとし、前記ベーン軸の中心mから前記シュースライドの摺動側壁nまでの長さをΔd、前記ベーン軸の直径をΔf、前記ベーン軸の中心mから前記ベーンアームの先端gまでの長さをΔg、前記ベーン軸の中心mから前記ベーンアームの後端gまでの長さをΔg、前記ベーンヘルムの長さをΔh、前記ベーンアームの深さをΔi、前記ベーンヘルムの深さをΔi、前記ベーンアームの厚さをΔj、前記ベーンヘルムの厚さをΔkとすると前記ベーンヘルムの後端hの位置が、m≦h≦m+Δgの範囲内にあって、Δf/2≦Δg≦Δd、Δf/2≦Δg≦Δd、Δf/2≦Δh≦Δd/2、0<Δk≦Δf、及び、0<Δj≦Δfであることを特徴とする請求項2に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  9. 前記ベーンの形状が、前記ベーン軸の中心をm、前記シュースライドの摺動側壁をn、前記ベーンアームの先端をg、前記ベーンアームの後端をg、前記ベーンヘルムの先端をh、前記ベーンヘルムの後端をhとし、前記ベーン軸の中心mから前記シュースライドの摺動側壁nまでの長さをΔd、前記ベーン軸の直径をΔf、前記ベーン軸の中心mから前記ベーンアームの先端gまでの長さをΔg、前記ベーン軸の中心mから前記ベーンアームの後端gまでの長さをΔg、前記ベーンヘルムの長さをΔh、前記ベーンアームの深さをΔi、前記ベーンヘルムの深さをΔi、前記ベーンアームの厚さをΔj、前記ベーンヘルムの厚さをΔkとすると前記ベーンヘルムの後端hの位置が、m≦h≦m+Δgの範囲内にあって、Δf/2≦Δg≦3Δd/4、Δf/2≦Δg≦3Δd/4、Δf/2≦Δh≦Δd/2、0<Δk≦Δf、及び、0<Δj≦Δfであることを特徴とする請求項2に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  10. Δk≦Δjであることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  11. 前記ベーンの形状が、前記ベーン軸の中心mを線対称の中心として、前後対称な形状であることを特徴とする請求項3〜10のいずれか一項に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  12. 前記ベーンの形状において、更に、ベーン軸の中心からベーンヘルム先端までの長さをΔgとすると、1/4≦Δg/(Δg+Δg)であることを特徴とする請求項3〜10のいずれか一項に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  13. 前記ベーンヘルム方向切換手段がシリンダで略水平に回動する切換レバーであることを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  14. 前記ベーンヘルム方向切換手段がモーターで略水平に回動する切換レバーであることを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  15. 前記ベーンヘルム方向切換手段がロータリーソレノイドで略水平に回動する切換レバーであることを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  16. 前記スライドシューが前記直行ガイドレールから前記斜行ガイドレールへと切換えられるために必要なベーン旋回距離をΔθ、前記スライドシューが前記直行ガイドレールから前記斜行ガイドレールへと切換えられるために必要なベーン旋回角をθ、前記切換レバーの厚さをΔp、前記ベーンヘルムの長さをΔhとすると、0<Δp≦Δθであることを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  17. 前記スライドシューが前記直行ガイドレールから前記斜行ガイドレールへと切換えられるために必要なベーン旋回距離をΔθ、前記スライドシューが前記直行ガイドレールから前記斜行ガイドレールへと切換えられるために必要なベーン旋回角をθ、前記切換レバーの厚さをΔp、前記ベーンヘルムの長さをΔhとすると、Δh・sinθ≦Δp≦Δθであることを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  18. 前記切換レバーの長さをΔqとすると、10mm≦Δq≦200mmであることを特徴とする請求項13〜17のいずれか一項に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  19. 前記ベーンヘルム方向切換手段が電磁石であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  20. 前記ベーンヘルム方向切換手段が高圧エアーを噴出するエアーノズルであることを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  21. 前記ベーンヘルム方向変換手段がアクチュエータであって、水平面上で又は前記水平面と角度をなす傾斜面上で回動する切換ブラシを備えた切換回動体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  22. 前記ベーンヘルム方向変換手段がアクチュエータであって、鉛直面上で又は前記鉛直面と角度を成す傾斜面上で回動する切換ブラシを備えた切換回動体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  23. 前記スライドシューが前記直行ガイドレールから前記斜行ガイドレールへと切換えられるために必要なベーン旋回距離をΔθ、前記スライドシューが前記直行ガイドレールから前記斜行ガイドレールへと切換えられるために必要なベーン旋回角をθ、前記切換ブラシの厚さをΔp’、前記ベーンヘルムの長さをΔhとすると、0<Δp’≦Δθであることを特徴とする請求項21又は22に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  24. 前記スライドシューが前記直行ガイドレールから前記斜行ガイドレールへと切換えられるために必要なベーン旋回距離をΔθ、前記スライドシューが前記直行ガイドレールから前記斜行ガイドレールへと切換えられるために必要なベーン旋回角をθ、前記切換ブラシの厚さをΔp’、前記ベーンヘルムの長さをΔhとすると、Δh・sinθ≦Δp’ ≦Δθであることを特徴とする請求項21又は22に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  25. 前記切換回動体の長さをΔq’とすると、10mm≦Δq’≦200mmであることを特徴とする請求項21に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  26. 前記ベーン軸と前記ボスとの間で、前記ベーンの前記シューカバーに対する回動角を規制する回動角度規制手段が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  27. 前記ベーンヘルムノーズと前記ベーンアームノーズとが、前記ベーンガイドに対して前記スライドシュー切換方向側に曲率の中心を有し、曲率が変化しながら緩く湾曲して前記斜行ガイドレールに連接していることを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  28. 前記ベーンヘルムノーズと前記ベーンアームノーズとが、前記直行ガイドレールに対して前記スラット方向側に曲率の中心を有し、曲率が一定に変化するクロソイド曲線を描いて前記斜行ガイドレールに連接していることを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  29. 前記斜行ガイドレールが交差する位置に、前記ベーンを案内する通路を、前記斜行ガイドレールに平行で、前記斜行ガイドレールの切欠き部を通過するように凹設した交差路切換部材を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  30. 前記交差路切換部材が、ポリアミド(PA)、ポリオオキシメチレン(POM)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、又は、超高分子量ポリエチレン樹脂(UHMWPE)、若しくは、これらの中から選択される樹脂とグラスファイバー、カーボンファイバー、ステンレスファイバー、又は、ナノセルロースファイバーとの繊維強化プラスチック、若しくは、鋼材、錫鉛合金、銅合金、又は、アルミニウム合金、若しくは、セラミックにより形成されていることを特徴とする請求項29に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
  31. 前記ベーン軸が、ポリアミド(PA)、ポリオオキシメチレン(POM)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、又は、超高分子量ポリエチレン樹脂(UHMWPE)、若しくは、これらの中から選択される樹脂とグラスファイバー、カーボンファイバー、ステンレスファイバー、又は、ナノセルロースファイバーとの繊維強化プラスチック、若しくは、鋼材、錫鉛合金、銅合金、又は、アルミニウム合金、若しくは、セラミックにより形成されていることを特徴とする請求項2に記載のスライドシュー押出式仕分けコンベヤの切換装置。
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