JP6469555B2 - モデル設計方法 - Google Patents
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Description
デザイン設計が成されると製品形状が得られるため、ドローモデル9の製品部91はデザイン設計と共に生成することができる。また、ダイフェース部95は、皺押さえを想定した部分であるため基本的に略平面であり比較的容易に生成することができる。一方、余肉部93は、プレス加工に応じて変形する部分であるため、ドローモデル9の生成では、余肉部93の生成に多くの時間がかかっている。
初めに、図1を参照して、本発明のドローモデル生成システムの概要について説明する。ドローモデル生成システムでは、CAD(Computer Aided Design)を用いて生成した製品部91とダイフェース部95とから、プレス成形品のドローモデル9を生成する。具体的には、ドローモデル生成システムでは、図1(B)に示すように、製品部91及びダイフェース部95を含むドローモデル9に相当する領域に、夫々が個別のXY座標により規定される複数の特徴点101により構成される平面格子10を投影する。そして、図1(C)に示すように、投影した特徴点101を繋ぎポリゴン102とすることで、ドローモデル9を生成する。
この点、本発明のドローモデル生成システムでは、余肉部93に投影した特徴点101の座標(Z座標)を後述する方法により補間し、補間面を生成することによって、ドローモデル9を生成することとしている。
続いて、図2を参照して、本発明のドローモデル生成システム1の構成について説明する。図2は、本実施形態に係るモデル設計方法が適用されたドローモデル生成システム1の機能構成を示すブロック図である。
ドローモデル生成システム1は、作業者が各種データや指令を入力する入力装置2と、この入力装置2からの入力に応じて各種演算処理を実行する演算装置4と、画像を表示する表示装置6と、各種データを記憶する記憶装置8と、を備える。
特徴点101の間隔は任意であるが、演算負荷と精度との兼ね合いを考慮して、対象とするパネル製品に応じて実験を行うことによって最適な間隔Doptを決定することができる。このような最適な間隔Doptを決定する手順について、図3(B)(C)を参照して、具体的に説明する。なお、図3(B)は、製品部91の断面形状を示す模式図であり、図3(C)は、自動車のアウタパネルやルーフパネルなどのパネル製品のうち最もポリゴンの折れ角が大きくなる部位における、特徴点101の間隔とポリゴンの折れ角との関係を示す図である。
図3(B)を参照して、製品部91が、XY座標と略平行な平面911、913と、XY座標に対して所定の角度傾斜した斜面912とから構成される断面形状を考える。このとき、平面911、913に投影した特徴点101の間隔L1と、斜面912に投影した特徴点101の間隔L2とを比較すると、間隔L2の方が広くなる。この特徴点101の間隔は、特徴点101を繋いでポリゴン102を取得する場合にポリゴン102の折れ角となってあらわれる。ポリゴン102の折れ角が大きいとCAEによるモデル形状評価においてエラーの原因となるため、エラーとならない範囲に収める必要がある。
図3(C)に示すように、CAEによるモデル形状評価では、ポリゴン102の折れ角が所定の許容値θmaxを超えると、エラーや不正な解などの不具合となる。この点、自動車のパネル製品では、特徴点101の間隔をDmaxとすることでポリゴン102の折れ角が約θmaxとなる。このような場合、特徴点101の最適な間隔Doptは、許容値θmaxに対応する最大許容間隔Dmaxよりも、0.数mm程度のマージン分を減算した値に設定される。以上のようにして、対象とするパネル製品に対して、特徴点101の最適な間隔Doptを決定することができる。尚θmaxは経験的な閾値であり、各CAEソフトで夫々異なる。
親断面931は図5に示すように、基準線BLの所定の基準点BPから対岸線OLの所定の対岸点OPまでを接続する断面線によって構成される。断面テンプレートとは、この断面線を、複数の直線と複数の曲線とを予め定められた幾つかの組み合わせで繋ぎ合わせて構成したものである。この断面テンプレートを用いると、作業者は、各直線と各曲線との具体的な形状を示す複数のパラメータを入力するだけで親断面931を設定することができる。親断面931を規定するパラメータには、適宜必要な情報を含めることができるが、少なくとも親断面931上の任意の位置におけるXYZ座標を算出可能な情報を含むものとする。図5には、これらパラメータとして、各直線の線長を示すパラメータL1,L2,L3,L4(mm)と、各曲線の曲率半径を示すパラメータR1,R2,R3(mm)と、各曲線の壁角度を示すパラメータA1,A2,A3(deg)と、親断面931の開始位置(基準線BL上の基準点BPの位置)及び終了位置(対岸線OL上の対岸点OPの位置)を示すXYZ座標と、親断面931と基準線BLとが成す角度θ(deg)と、を含むものを例示する。
図7〜図11は、製品部91のうち湾曲した基準線BLを備える部分(具体的には、ホイールアーチ)の一部を示す図である。以下では、図7〜図11に例示するようなホイールアーチに図6の設計方法を適用した場合について説明する。
図8(A)は、基準点BP及び対岸点OPを含むように設定された補助平面をZ軸に沿って視た図であり、図8(B)は、この補助平面を正面から視た図である。図8(B)では、2本のスケッチ線SL1,SL2を補助平面に転写して得られる直線をそれぞれSL1_Z,SL2_Zと表記する。また、これら図8(A)及び(B)では、補助平面を破線で示す。
S38では、親断面設定部は、以上のようにして補助平面を用いて設定した円柱状のトリム範囲TRMを用いることによって2本のスケッチ線SL1,SL2を切断する。より具体的には、図9に示すようにトリム範囲TRMと2本のスケッチ線SL1,SL2との交点を特定し、これら交点をそれぞれ第1スケッチ線SL1の終点EP1及び第2スケッチ線SL2の終点EP2として設定する。これにより、両スケッチ線SL1,SL2が近接する位置に各々の終点DP1,EP2が設定される。またこれにより基準点である始点BPから終点EP1へ延びる直線状の第1スケッチ線SL1と、対岸点である始点OPから終点EP2へ延びる直線状の第2スケッチ線SL2とが得られる。
図10(A)は、各スケッチ線SL1,SL2の始点BP,OPを含むように設定された基礎曲面の斜視図であり、図10(B)は、この基礎曲面をZ軸に沿って視た図である。図10(B)では、基礎曲面を破線で示す。これら図10(A)及び(B)に示すように、基礎曲面は、(1)2つの始点BP,OPを含むことに加えて、(2)Z軸に対して平行であり、(3)始点BPにおいて第1スケッチ線SL1と接し、かつ(4)始点OPにおいて第2スケッチ線SL2と接する、という計4つの拘束条件が満たされるように、既知のアルゴリズムを用いて設定される。
ここで、図14を参照して座標算出部44についてより詳細に説明する。図14は、CADデータの断面形状を示す模式図である。図14を参照して、製品部91やダイフェース部95は、記憶装置8に形状データが予め記憶されているため、製品部91やダイフェース部95に投影された特徴点101のZ座標は、製品部91やダイフェース部95の形状データから容易に取得することができる。一方、余肉部93は、形状データが設定されていないため、余肉部93に投影された特徴点101のZ座標を適切に取得するための工夫が求められる。
図2に戻り、そこで、座標算出部44は、判定部46と、第1のZ座標算出部47と、第2のZ座標算出部48と、を含んで構成される。
より詳しくは、判定部46は、特徴点101がCAD面(製品部91及びダイフェース部95)上に投影されたか否かを判定する。また、判定部46は、特徴点101が断面領域(親断面931又は子断面群933,935が設定されている余肉部93と、製品部91のうち成形困難な箇所Qで中間形状の断面915が設定されている位置)内に投影されたか否かを判定する。
図15(A)を参照して、子断面群933に投影された特徴点101AのZ座標をZaとし、子断面群935に投影された特徴点101AのZ座標をZbとする。子断面群933は、親断面931Aのパラメータに基づいて生成される一方で、子断面群935は、親断面931Bのパラメータに基づいて生成されるため、Z座標Za、Zbは夫々異なる場合がある。そこで、第1のZ座標算出部47は、Z座標Za、Zbに対して、親断面931A、931Bまでの距離に基づく重み付けを行い、特徴点101AのZ座標を算出する。
この第2のZ座標算出部48は、候補断面取得部481と、最近点取得部482と、座標演算部483と、を含んで構成される。
初めに、第2のZ座標算出部48(候補断面取得部481)は、特徴点101Bを通過し、Z方向に平行な無限直線を設定する。そして、第2のZ座標算出部48(候補断面取得部481)は、複数の子断面群933の中からZ方向視でこの無限直線を跨ぐ2つの子断面群933A,933Bを候補断面として取得する。
そこで、第2のZ座標算出部48は、子断面群933に基づく第1候補座標Zaと、子断面群935に基づく第2候補座標Zbと、に対して親断面931A,931Bからの距離に基づく重み付けを行い特徴点101BのZ座標Z7を算出する。
なお、特徴点101の間隔(XY座標)は、上述のようにパネル製品のうち最もポリゴンの折れ角が大きくなる部位においてエラーとならないように定められた最適な間隔Doptに設定されている。そのため、部位によっては特徴点101の間隔が必要以上に細かくなってしまい計算量が膨大になるおそれがあることから、ドローモデル生成部45は、不要な特徴点101を削除する(間引く)こととしてもよい。一例として、隣接する特徴点101のZ座標の差が閾値未満である場合、言い換えると隣接する特徴点101においてZ座標の変化が小さい場合、特徴点101を削除することとしてもよい。
ところで、プレス加工する板材の材料特性の関係から、製品形状を一度のプレス加工で成形できない場合があり、このような場合には、まず板材を中間形状までプレス加工した後に中間形状を加工し製品形状を得ることとしている。製品形状に先立ち中間形状をプレス加工する場合、CAEによるモデル形状評価では、製品形状ではなく中間形状が加工可能であるか否かの評価を行う必要がある。
そこで、本発明のドローモデル生成システム1では、必要に応じて中間形状のドローモデルも生成することとしている。
なお、特徴点101のXY座標によっては、対応する位置に中間形状の断面が設定されていない場合がある。このような場合には、上述のように所定の重み付けを行うことで、中間形状の断面が設定されていない位置に投影する特徴点101のZ座標を算出することができる。
なお、箇所Qに設定する断面(中間形状の断面915)と、余肉部93に設定する断面(親断面931、子断面群933,935)とは、一体であってもよく、また、夫々個別の断面であってもよい。
即ち、図17(C)に示すように、座標算出部44(第2のZ座標算出部48)は、特徴点101を通るZ方向に平行な無限直線を跨ぐ2つの中間形状の断面915A,915Bを取得し、この中間形状の断面915A,915Bのうち、特徴点101を通る無限直線との最近点P5,P6を算出する。そして、この最近点P5,P6のZ座標Z10,Z11に対して、無限直線からの距離に基づく重み付けを行い、特徴点101のZ座標を算出する。なお、詳細については上述の通りである。
図18〜図19は、ドローモデル生成システム1の処理の流れを示すフローチャートである。図18に示すように、ドローモデルの生成は、製品部91やダイフェース部95などの形状データ及び平面格子10を設定する準備工程と、この準備工程において準備したデータを用いてドローモデル9を生成するドローモデル生成工程と、を含む。より具体的には、準備工程は、ステップS1〜S4の処理で構成され、ドローモデル生成工程は、ステップS5〜S8の処理で構成される。
なお、上述の式(2)、(3)は、ステップS16における第1候補座標及び第2候補座標の算出に用いられ、上述の式(4)は、ステップS17におけるZ座標の算出に用いられる。
また、上述のステップS15〜17の説明では、親断面931又は子断面群933,935が設定されている余肉部93においてZ座標を取得する場合について説明したが、製品部91のうち中間形状の断面915が設定されている位置においてZ座標を取得する場合も同様である。
ここで、子断面群933,935の双方に特徴点101が投影された場合には、子断面群933に投影された特徴点101のZ座標Zaと、子断面群935に投影された特徴点101のZ座標Zbとに対して、親断面931A,931Bまでの距離に基づく重み付けを行い、特徴点101のZ座標を算出する。なお、上述の式(1)は、このような場合におけるZ座標の算出に用いられる。
また、上述のステップS18の説明では、余肉部93に設定された子断面群933,935の断面パラメータに基づいてZ座標を算出する場合について説明したが、製品部91のうち中間形状の断面915が設定されている位置において、子断面に基づいてZ座標を取得する場合も同様である。
ところで、CAD面と断面いずれも存在しない領域は原則として無い。従って、ステップS11又はステップS13の少なくともいずれかにおいて、必ずYESとなり、Z座標が取得されることとなる。なお、安全のため、既に公知のソフトウェアにより、3辺以上のフェースを自動的に作成し、ポリゴンメッシュ上の穴の開いた領域を埋めるポリゴン穴埋め処理、もしくはポリゴン格子と連携してもよい。
2 入力装置
4 演算装置
42 親断面生成部
43 子断面生成部
9 ドローモデル
91 製品部
93 余肉部
931 親断面
933 子断面
935 子断面
95 ダイフェース部
Claims (3)
- 2つの異なる面から、各面を接続する補間面又はその断面をコンピュータによって設計するモデル設計方法であって、
第1の面に定められた第1始点から延びる第1スケッチ線及び第2の面に定められた第2始点から延びる第2スケッチ線を設定するスケッチ線作成工程と、
前記第1及び第2スケッチ線が近接する位置に前記第1スケッチ線の第1終点及び前記第2スケッチ線の第2終点を設定する終点設定工程と、
前記第1及び第2始点を含む基礎曲面を設定する基礎曲面設定工程と、
前記基礎曲面に転写された前記第1スケッチ線の前記第1終点と前記第2スケッチ線の前記第2終点とを、前記基礎曲面上で定義された補間曲線で接続することにより、前記断面を設定する断面設定工程と、を備えることを特徴とするモデル設計方法。 - 前記終点設定工程では、
前記第1及び第2始点を含む補助平面を設定し、
前記補助平面に転写された前記第1及び第2スケッチ線の交点を基準点として設定し、
前記補助平面に対し垂直かつ前記基準点を通過する線を基準軸として設定し、
前記基準軸から所定のぼかし距離によって特定される点において前記第1スケッチ線の第1終点及び前記第2スケッチ線の第2終点を設定することを特徴とする請求項1に記載のモデル設計方法。 - 前記スケッチ線作成工程では、前記第1及び第2始点を含む平面に転写した場合に、当該平面上での交点の位置を特定できる程度に十分な長さで前記第1及び第2スケッチ線を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のモデル設計方法。
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