JP4783145B2 - タイヤの三次元モデル作成方法 - Google Patents
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このような三次元CADシステムでは、作成した三次元プロファイルに基づいて異なるサイズの三次元プロファイルを作成する場合、作成した三次元プロファイル上で所要の修正を行わなければならない。しかし、三次元プロファイルは複雑であるため、修正作業に手間がかかり、かつ、間違いが生じることが多い問題がある。
よって、タイヤを設計する際には、溝パターンが略同様でもタイヤサイズが異なる場合には、それぞれサイズ毎に三次元プロファイルを別個に作成しており、非常に手間がかかる問題がある。
前記三次元サンプルモデルおよびサイズ変更した三次元モデルは、タイヤを周方向に複数に分割した分割体から構成され、該三次元サンプルモデルの各分割体毎に、三次元プロファイルを画像表示するための三次元データと、該三次元データに変換される二次元データとしてサンプルモデルの多数の寸法データが格納されている記録部を備え、該記録部にタイヤサイズ毎に前記多数の寸法データは予め設計テーブルとして記録されており、
前記コンピュータに入力されるタイヤサイズの変更に対応して前記設計テーブルから自動的に前記寸法データが変更され、
前記変更された寸法データと前記サンプルモデルで記録されている寸法データとから前記サンプルモデルの三次元データが自動的に変更処理され、
前記変更処理された三次元データに基づいてサイズ変更された三次元モデルが自動的に作成されることを特徴とするタイヤの三次元モデル作成方法を提供している。
よって、サンプルモデルのタイヤサイズと相違するタイヤを設計する場合には、変更するタイヤサイズを前記設計テーブル上で指定すると、自動的に二次元データが変更され、この変更された二次元データに基づいて、サンプルモデルの三次元データが変更されて、タイヤサイズを相違させた三次元モデルを極めて簡単に作成することができる。
前記溝パターンは、溝の表面位置、該表面位置から所要寸法の深さ位置、溝底面位置における所要の地点が寸法データで規定され、規定された地点を取り込んだ関係式に基づいてラインが設定され、これらラインを連続させて溝形状が構成されることが好ましい。
前記溝パターンは、詳しくは、前記したように、表面、表面からの所要深さ位置、および溝底面位置において、それぞれ特定する必要があり、そのため、各深さ位置での寸法を特定している。
かつ、各位置での寸法は二次元の座標上での地点であるため、この地点を連続させてラインを形成する必要がある。そのため、特定した地点を取り込んだ関係式に基づいてラインを描き、これらラインを連続させて溝表面、溝底面、表面と底面間の中間位置の溝形状を二次元で特定し、これらを深さ方向に連続させることで、溝形状を三次元で特定している。また、複雑な形状である溝の各ラインが関係式に基づいて形成されるため、関係式を変更することで溝ラインも容易に変更することができる。
さらに、寸法データは角度および溝底面のアール等も含むため、三次元サンプルモデルに対して角度やアール等を変更も自動的になされる。
溝の形状を作成する際、指定した点を結ぶだけでは滑らかな溝形状にならないが、連続させたラインを平滑化したり、曲線ラインに修正することにより溝を滑らかに連続させた形状とすることができる。
溝の形状は、タイヤ表面のエリアによってタイヤサイズを変更した場合の拡大・縮小の比率が異なるため、タイヤ表面を複数のエリアに分割してエリア毎にそれぞれ拡大・縮小することが好ましい。しかし、このようにエリア毎にそれぞれ異なる比率で拡大・縮小するとエリアを跨る溝のラインがズレてしまう場合がある。よって、ズレた溝のラインを接合させて平滑化されることにより、サイズ変更後の三次元モデルでも溝のラインが自動修正されて滑かに連続したものとなる。
前記構成によれば、三次元サンプルモデルの分割体のプロファイルと溝パターンとを分けて、それぞれ別個にサイズ変更が行われ、その後、三次元サンプルモデルのプロファイルに溝パターンを投影しているため、複雑な三次元モデルも容易に作成することができる。
よって、タイヤをサイズ変更する場合、設計テーブル上で変更するサイズを特定するだけで、設計テーブル上の二次元データに自動的に変更され、該二次元データに基づいて前記サンプルモデルの三次元データが自動的に変更されて、サイズ変更したタイヤの三次元モデルが簡単に形成される。
特に、タイヤのような、全体的に曲面部が多く且つ複雑な三次元形状の溝が設けられる場合においても、予め用意された設計テーブルの寸法データが自動変更されるため、三次元サンプルモデルを用いてタイヤサイズを変更した三次元モデルを作業手数がかかる事なく簡単に作成することができる。
本実施形態のタイヤの三次元モデル作成方法では、従来から用いられているキーボードやマウス等からなる入力装置と、所要の演算処理を行なう演算装置と、後述する設計テーブル等を記録する記録装置(記録部)と、作成した三次元モデルのプロファイル等を表示する表示装置を備えたコンピュータを用いている。
なお、赤道位置を挟んで両側部の溝パターンが相違する場合には、両側部を含む分割体を設ける必要がある。
なお、1つのタイヤは前記したように複数の分割体を組み合わせて完成しており、1つの分割体についてのみ説明し、他の分割体については同様であるため説明を省略する。
三次元モデルを形成するに必要な寸法データ(パラメータ)は、分割体の個数、各分割体の長さ・周方向角度・軸方向角度・トレッド領域の寸法・サイドウオール領域の寸法・溝パターン・溝深さ・溝底アール等からなる。
さらに、溝パターンでは、各分割体を5〜6程度の複数エリアに分割し、各エリア毎に、表面(SO)、表面から所定深さ位置(S1、S2…)および溝底面(Sn)における所要地点の座標からなる。
基本サイズを含めて各種サイズの前記寸法データは、予め表計算ソフトにより作成された図2に示す設計テーブル20として記録している。
本実施形態では、行番号2の欄には三次元サンプルモデルの寸法データが記載されている一方、行番号3〜7の欄にはタイヤサイズを変更するための三次元モデルの寸法データが各行毎に記載されている。
前記外形ラインの形成後、本体11の周方向の長さ、表面の周方向の曲率、軸方向の曲率等に基づいて、図5に示すような、三次元でプロファイルが表示される本体11が作成される。
このとき、後述する溝のサイズ変更を考慮して、各ラインの両端を実際の溝よりも長く設定している。また、表面形状13は、図7に示すように、X方向にA部〜E部までエリア分けし、エリアを跨ぐライン13b同士を接合して連続させている。
次いで、二次元で示された溝パターン12の表面形状13が、図6(B)に示すように、本体11の表面S0の寸法データを用いて本体11の表面S0に沿う形状に変換される。
前記溝底面15の作成には、本体11の表面S0をZ方向にdmm下降させた図9に示す面Sdが用いられる。例えば、溝13Aの溝深さを8.3mmに設定する場合、本体11の表面S0をZ方向に8.3mm下降させた面Sdが、溝13Aの底面として選択される。
溝パターン12は、前記表面形状13、溝側面14、溝底面15を組み合わせて、図10に示すように作成される。
変更された寸法データを取り込んだ関係式に基づいてプログラム処理されて、前記図4に示す本体11’の外形を示す二次元曲線が描かれ、それに基づいて本体の三次元プロファイルが作成される。
其の際、サンプルモデルの基本サイズと変更サイズとの長さの相違については、夫々のエリア毎に基本サイズの長さを基準として、サイズ拡大後および縮小後の長さとの間に比に基づいた式が与えられている。この式に基づいて各エリア毎に拡大・縮小がなされる。
エリアA部では上端中央を原点Oとし、原点Oに接しているエリアA部はそのままの位置でサイズ変更に対応した所要の比率で拡大または縮小される。
原点Oに接していないエリアB部〜E部では原点Oに接する位置まで移動され、所要の比率で拡大または縮小される。
エリアA部〜E部までの拡大または縮小を終えた後、エリアB部からエリアE部をサイズ変更後の幅が考慮されて、それぞれ所要の位置に戻され、エリアを跨ぐライン13bはそれぞれ接合されて平滑化される。
このようにして、作成されたサイズ変更後の溝パターン12’がサイズ変更後の本体11’に投影されて、図1に示す三次元プロファイルを有する変更モデル10’が作成される。
よって、溝を設けたタイヤのように複雑な形状のモデルであっても、三次元サンプルモデルを用いてタイヤサイズを変更した三次元モデルを簡単に作成することができる。
10’ サイズ変更後の三次元モデル
11 分割体の本体
12 溝パターン
13 溝の表面形状
14 溝側面
15 溝底面
20 設計テーブル
Claims (5)
- トレッド領域に基本パターンの溝を備えた基本サイズのタイヤの三次元サンプルモデルを用いて、タイヤサイズを変更した三次元モデルをコンピュータで作成する方法であって、
前記三次元サンプルモデルおよびサイズ変更した三次元モデルは、タイヤを周方向に複数に分割した分割体から構成され、該三次元サンプルモデルの各分割体毎に、三次元プロファイルを画像表示するための三次元データと、該三次元データに変換される二次元データとしてサンプルモデルの多数の寸法データが格納されている記録部を備え、該記録部にタイヤサイズ毎に前記多数の寸法データは予め設計テーブルとして記録されており、
前記コンピュータに入力されるタイヤサイズの変更に対応して前記設計テーブルから自動的に前記寸法データが変更され、
前記変更された寸法データと前記サンプルモデルで記録されている寸法データとから前記サンプルモデルの三次元データが自動的に変更処理され、
前記変更処理された三次元データに基づいてサイズ変更された三次元モデルが自動的に作成されることを特徴とするタイヤの三次元モデル作成方法。 - 前記寸法データは、分割体の個数、各分割体の長さ・角度・トレッド領域の寸法・サイドウオール領域の寸法・溝パターン・溝底アールを含み、
前記溝パターンは、溝の表面位置、該表面位置から所要寸法の深さ位置、溝底面位置における所要の地点が寸法データで規定され、規定された地点を取り込んだ関係式に基づいてラインが設定され、これらラインを連続させて溝形状が構成される請求項1に記載のタイヤの三次元モデル作成方法。 - 前記連続させたラインは平滑化されると共に所要領域では曲線ラインに自動修正される請求項2に記載のタイヤの三次元モデル作成方法。
- 前記各分割体は更に複数のエリアに分割され、これらエリアに跨がる溝の前記ラインはエリア間で接合させて平滑化される請求項2または請求項3に記載のタイヤの三次元モデル作成方法。
- 前記作成された溝パターンが三次元サンプルモデルのプロファイルに投影され、サイズ変更後の三次元モデルが自動的に作成される請求項2乃至請求項4のタイヤの三次元モデル作成方法。
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