JP6468714B2 - 培養容器及びそれを利用した複数の積層細胞シートの作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、医学、生物学、創薬、薬学等の分野において有用な複数の積層細胞シートの製造方法、それを製造するための培養容器に関する。
今日、動物細胞培養技術が著しく進歩し、動物細胞を対象とした研究開発も様々な分野に広がって実施されるようになってきた。対象となる動物細胞の使用方法についても、開発当初の細胞そのものを製品化し、又はその産生物を製品化するだけでなく、今日では、細胞やその細胞表層タンパク質を分析することにより、有効な医薬品を設計し、患者本人の細胞を生体外で培養し、又はその機能を高めた後に生体内に戻し、それにより関連疾患を治療等することも行われている。現在、動物細胞を培養する技術、並びに評価、解析及び利用する技術は、研究者に注目されている。ところで、ヒト細胞を含む動物細胞の多くは付着依存性である。即ち、動物細胞を生体外で培養しようとする場合、それらを一度、基材表面に付着させる必要性がある。しかしながら、培養した細胞をばらばらに剥離させず、その基材表面上で培養した形態を保持したまま剥離させる必要性も高まっている。
近年、治療困難となった臓器を他人の臓器と置き換えようとする臓器移植が一般化してきた。対象となる臓器も皮膚、角膜、腎臓、肝臓、心臓等と実に多様であり、また、術後の経過も格段に良くなり、医療の一技術としてすでに確立されつつある。一例として角膜移植をあげると、約50年前に日本にもアイバンクが設立され移植活動が始められた。しかしながら、未だにドナー数が少なく、国内だけでも角膜移植の必要な患者数が年間約2万人であるのに対し、実際に移植治療が行える患者は約1/10の2000人程度にすぎないと言われている。角膜移植はほぼ確立された技術であるにもかかわらず、ドナー不足という問題のため、次なる医療技術が求められているのが現状である。このような背景のもと、患者本人の正常な細胞を所望の数まで培養して増やし、移植しようとする技術が開発された。
特開平2−211865号公報(特許文献1)には、水に対する上限若しくは下限臨界溶解温度が0〜80℃であるポリマーで基材表面を被覆した細胞培養支持体上にて、細胞を上限臨界溶解温度以下又は下限臨界溶解温度以上で培養し、その後、上限臨界溶解温度以上又は下限臨界溶解温度以下にすることにより、酵素処理なくして培養細胞を剥離させる新規な細胞培養法が示されている。また、特開平05−192138号公報(特許文献2)には、この温度応答性細胞培養基材を利用して皮膚細胞を上限臨界溶解温度以下又は下限臨界溶解温度以上で培養し、その後、上限臨界溶解温度以上又は下限臨界溶解温度以下にすることにより培養皮膚細胞を低損傷で剥離させることが記載されている。温度応答性細胞培養基材を利用することにより、従来の培養技術に対して様々な新規な展開を図れるようになってきた。さらに、再表02−008387号公報(特許文献3)では、温度応答性高分子で基材表面を被覆した細胞培養支持体上で心筋組織の細胞を培養し、心筋様細胞シートを得、その後、培養液温度を上限臨界溶解温度以上又は下限臨界溶解温度以下とし、培養した重層化細胞シートをポリマー膜に密着させ、そのままポリマー膜と共に剥離させること、及びそれを所定の方法で3次元構造化させることにより、構造欠陥の少ない、インビトロでの心筋様組織として幾つかの機能を備えた細胞シート、及び3次元構造が構築されることを見出した。しかしながら、上述した従来技術では心筋様細胞シートの積層化は無限に行えるものではなく、3層程度が限界であり、簡便に多数回積層化できる技術が強く望まれていた。
また、FASEB.J.,20(6),708−710(2006)(非特許文献1)では、生体内で細胞シートを積層化することが試みられ、1mm厚の心筋シート積層化物を得たことが示されている。その中で、厚みのある細胞シート積層化物を得るためには、積層化された各細胞もしくは各細胞シートへ栄養や酸素が供給されることが必須であることが分かったが、上記文献に記載の方法では、生体内へ細胞シートを繰り返して移植する必要があり、その都度、移植部位を開口しなくてはならず、被移植側に大きな負担を強いる方法であり、この課題を解決するような、簡便に多数回積層化できる技術が強く望まれていた。そこで、WO2012/036224(特許文献4)及びWO2012/036225(特許文献5)では、動脈−静脈ループを備え、毛細血管網を構築させた血管床を作製し、その血管床上へ細胞シートを積層し、生体外で培地を灌流することで細胞シート内に血管網を構築させ、厚く積層化させた細胞シート積層化物を製造する方法を開示している。
しかしながら、上記の細胞シートを積層化する方法は、すべて手作業で行うため、必然的に製造可能な積層化された細胞シートの数も制限され、及びそれらの製造に時間を非常に要する。特に、細胞シートを基材から剥離して利用する場合に、細胞シートは非常に薄く、剥離と同時に縮む性質を有するため、シートとして使用するが困難である。これに関連して、本発明者らは、多種多様な培養プロセスを低コストで処理できる細胞培養処理システムを開発し、該システムは、相互接続可能な複数のモジュールで構成され、該モジュールが無菌状態に維持された一体的な閉鎖空間を提供し、一連の培養処理を可能にするものである(WO2012/098931(特許文献6))。上記システムには、モジュールの1つとして、細胞シート積層化モジュールを接続することができるが、均一な積層細胞シートを効率的に作製する具体的な技術は開発されていない。
特開平2−211865号公報 特開平5−192138号公報 再表2−008387号公報 WO2012/036224 WO2012/036225 WO2012/098931
FASEB.J.,20(6),708−710(2006)
細胞シート積層化物を製造する従来の方法は、製造工程のほぼ全てにおいて手動による作業を必要とするため、細胞シートを製造する時間を非常に要し、製造された細胞シートが不均一であるといった問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものである。本発明の積層細胞シートの作製方法は、均一な細胞シートを大量に、簡便かつ効率的に製造することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、種々の角度から検討を加えて研究開発を行ってきた。その結果、温度応答性基材及び培養細胞移動治具を用いることによって、短時間で効率的に細胞シートを積層化させることができることを見出した。本発明は、係る知見に基づいて完成されたものである。
[1]積層細胞シートを製造する方法であって、
(a)0〜80℃の温度範囲で水和力が変化するポリマーを被覆した培養面を有する細胞培養基材上に細胞を播種し、前記ポリマーの水和力が弱い温度で細胞を培養する工程;
(b)工程(a)で得られた細胞に、細胞付着部を具備した培養細胞移動治具を積載し、前記ポリマーの水和力が強い状態となる温度で静置後、前記培養面から剥離した細胞シートを培養細胞移動治具に付着させる工程;
(c)さらに工程(a)において細胞を培養し、次に、該細胞上に、工程(b)で得られた細胞シートを付着した培養細胞移動培養細胞移動治具を積層し、前記ポリマーの水和力が強い状態となる温度で静置後、前記培養面から剥離した細胞シートを培養細胞移動治具に付着させて細胞シートを積層する工程;及び
(d)工程(c)で得られた積層細胞シートを付着させた培養細胞移動培養細胞移動治具を、細胞培養基材上に積載し、培養細胞移動治具細胞付着部と積層細胞シートの付着力を弱め、積層細胞シートを細胞培養基材上に付着させた後、細胞移動治具を除去する工程
を含む方法。
[2]前記工程(a)が、前記細胞培養基材に第一の入れ子を組み入れ、該第一の入れ子の内側に細胞を播種し、前記ポリマーの水和力が弱い温度で細胞を培養後、該第一の入れ子を除去する工程を含む、上記[1]に記載の積層細胞シートを製造する方法。
[3]前記工程(a)において、前記細胞培養基材の培養面が、0〜80℃の温度範囲で水和力が変化するポリマーを被覆し、前記ポリマーの水和力が弱い温度では細胞が接着する領域と、いずれの温度でも細胞が接着しない領域とを有する培養面である上記[1]に記載の積層細胞シートを製造する方法。
[4]前記積層細胞シートを製造する方法であって、
前記工程(c)と(d)の前に、さらに前記(a)〜(c)の工程を繰り返して、3層以上の積層細胞シートを得る工程をさらに含む、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の積層細胞シートを製造する方法。
[5]工程(d)で得られた積層細胞シートを付着させた細胞培養基材に、第二の入れ子を積載し、該第二の入れ子の内側に培地を添加し、細胞培養基材を覆う蓋を積載する工程をさらに含む、上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の積層細胞シートを製造する方法。
[6]細胞付着部が、細胞接着性タンパク質、細胞接着性ペプチド、及び親水性ポリマーからなる群から1種又は2種以上選択される、上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の積層細胞シートを製造する方法。
[7]細胞接着性タンパク質が、ゼラチンゲル、フィブリンゲル、フィブロネクチン、ラミニン、及びコラーゲンからなる群から1種又は2種以上選択される、上記[6]に記載の方法。
[8]0〜80℃の温度範囲で水和力が変化するポリマーが、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)である、上記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の方法。
[9]前記第一の入れ子が、6ウェル、12ウェル、24ウェル、48ウェル、96ウェル、又は384ウェルを有する、上記[2]に記載の方法。
[10]前記細胞を接着する領域が、6ウェル、12ウェル、24ウェル、48ウェル、96ウェル、又は384ウェルと対応する領域を有する、上記[3]に記載の方法。
[11]前記第二の入れ子が、6ウェル、12ウェル、24ウェル、48ウェル、96ウェル、又は384ウェルを有する、上記[1]〜[10]のいずれか1つに記載の方法。
[12]上記[1]〜[11]のいずれか1つに記載の方法に使用される培養容器であって、蓋、細胞培養基材、入れ子、を備える上記培養容器。
[13]前記入れ子が、光非透過性の樹脂材料で成形されている、[12]に記載の培養容器。
本発明に示される製造方法であれば、均一な積層細胞シートを迅速かつ簡便に作製することができる。このような積層細胞シートは、生体内組織様のものとして移植することが可能となり、様々な組織の再生医療に有用なものになることが期待される。また、生体外において薬剤等の生体組織に対する効果を簡便に評価ができるようになる。このような評価系は、実験動物の代替となるばかりでなく、動物の個体差に依存しない安定的なデータが得られる。
積層細胞シートを作製するために使用される典型的な細胞培養容器を示す。 典型的な細胞培養容器の各構成部品の斜視図及び組立図、並びに寸法を示す。 典型的な細胞培養容器の各構成部品の写真である。 各構成部品を組み立てた後の細胞培養容器の写真である。 積層細胞シートを製造するための典型的な方法を説明するための流れ図を示す。 細胞培養容器の一例を示す。 図6中の部品D及びEの寸法、並びにこれらの部品を組み合わせた組立図を示す。 積層細胞シートを作製するために使用される典型的な細胞培養容器を示す。 図8の部品B2の写真を示す。 図8の細胞培養容器の各構成部品及びその組立図の断面構造図を示す。 小面積細胞シートを作製するための細胞培養容器を示す。
本発明は、新たに開発された細胞培養容器を用いた積層細胞シートを製造する方法、及び該細胞培養容器を提供する。より具体的には、本発明は、限定されないが、例えば、図1〜4に示される細胞培養容器を用いて積層細胞シートを作製することを特徴とする。本発明によれば、限定されないが、(a)0〜80℃の温度範囲で水和力が変化するポリマーを表面に被覆した培養皿に入れ子を組み込み、該入れ子内に細胞を播種し、培養後に該入れ子を除去して細胞シートを得る工程;(b)工程(a)で得られた細胞シート上に、培養皿の大きさに合致した、細胞付着部を具備した培養細胞移動治具を積載し、前記ポリマーの下限臨界温度以下で静置後、細胞シートを培養細胞移動治具に付着させて剥離する工程;(c)さらに工程(a)によって細胞シートを作製し、次に、該細胞シート上に、工程(b)で得られた細胞シートを付着した培養細胞移動治具を積層し、前記ポリマーの下限臨界温度以下で静置後、積層した細胞シートを培養細胞移動治具に付着させて剥離する工程;(d)工程(a)〜(c)を繰り返して、積層細胞シートを得る工程;(e)工程(d)で得られた積層細胞シートを付着させた培養細胞移動治具を、培養皿に敷いた支持体上に積載し、37℃にて静置させ、培養細胞移動治具から積層細胞シートを剥離後、培養細胞移動治具を除去し、積層細胞シートが付着した支持体を取り出す工程;及び(f)工程(e)で得られた積層細胞シートが付着した支持体、及び入れ子をベースプレートに積載し、該ベースプレートの大きさに合致したカバープレートを積載後、入れ子の各ウェルに培地を添加し、該カバープレートの大きさに合致した蓋を積載する工程を含む方法によって、積層細胞シートを作製することができる(図5参照)。
A.細胞培養容器
本発明によれば、積層細胞シートを作製するために、新たに開発した細胞培養容器が提供される。本発明の細胞培養容器は、上述したように、例えば、図1に示される蓋、カバープレート、入れ子、支持体、及びベースプレートを構成部品として具備することを特徴とするが、本発明の積層細胞シートを作製する工程において、上記の細胞培養容器の他に、製造工程の一部において、限定されないが、0〜80℃の温度範囲で水和力が変化するポリマーを表面に被覆した培養皿、及び細胞付着部を有する培養細胞移動治具を用いることができる(図5参照)。
(1)培養皿
本発明の積層細胞シートを作製する方法において使用される培養皿は、後述する入れ子を組み込むための受け皿として使用される。培養皿の形状は、組み込まれる入れ子の形状及び大きさに合致していれば、特に限定されない。ここで、本明細書において使用するとき、用語「合致する」とは、組み合わせられる2部品が互いに組み合わせることが可能な程度に形状及び大きさが実質的に一致していることを意味する。例えば、培養皿と入れ子を組み合わせる場合、入れ子は、それを受け入れる培養皿の内部形状に実質的に一致し、さらに、培養皿の内寸に実質的に一致するような大きさを有していればよい。この場合、入れ子は、必要に応じて、培養皿から出し入れされるため、出し入れが可能な程度に、培養皿の内寸より小さいことが好ましい。
また、培養皿の素材は、入れ子の受け皿として利用可能な程度に強度を有するものであればよく、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸誘導体、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリルアミド誘導体、ポリスルホン、ポリカーボネート、セルロース、セルロース誘導体、ポリシリコーン、ガラス、セラミック、金属などが挙げられる。また、培養皿の底表面は、入れ子を組み込んだ後、播種した細胞の培養状態を観察するために透過性を有してもよい。さらに、培養皿の底表面は、培養後に細胞を細胞シートとして剥離させるために、例えば、0〜80℃の温度範囲で水和力が変化するポリマーで被覆されていることが好ましい。
本発明の積層細胞シートを製造する方法において、細胞シートは、0〜80℃の温度範囲で水和力が変化するポリマーを表面に被覆した培養皿に入れ子を組み込み、該入れ子内に細胞を播種し、培養後に該入れ子を除去して得ることができる(工程(a))。上記のポリマーの利用は、細胞付着部を有する培養細胞移動治具を用いて細胞シートを剥離させる工程において好都合であり、具体的には、ポリマーを被覆した培養皿の底表面上で、ポリマーの水和力が弱い温度域(例えば、37℃)で細胞を培養し、入れ子を除去後、細胞付着部を有する培養細胞移動治具を積層し、培養液をポリマーの水和力が強い状態となる温度(下限臨界温度以下、例えば、20℃以下)に変化させることで培養した細胞をシート状で上記培養細胞移動治具の細胞付着部に付着させて剥離させることができる。本発明において使用可能な上記ポリマーは、典型的には温度応答性高分子であるが、このような高分子としては、例えば、特開平2−211865号公報(特許文献1)に記載されているポリマーが挙げられる。具体的には、例えば、以下のモノマーの単独重合又は共重合によって得られる。使用し得るモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド化合物、N−(若しくはN,N−ジ)アルキル置換(メタ)アクリルアミド誘導体、又はビニルエーテル誘導体が挙げられ、コポリマーの場合は、これらの中で任意の2種以上を組み合わせて使用することができる。さらに、上記モノマー以外のモノマー類との共重合、ポリマー同士のグラフト若しくは共重合、又はポリマー、コポリマーの混合物を用いてもよい。また、ポリマー本来の性質を損なわない範囲で架橋することもできる。その際、培養及び剥離される対象が細胞であり、分離が5℃〜50℃の範囲で行われるため、温度応答性高分子としては、例えば、ポリ−N−n−プロピルアクリルアミド(単独重合体の下限臨界溶解温度21℃)、ポリ−N−n−プロピルメタクリルアミド(同27℃)、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド(同32℃)、ポリ−N−イソプロピルメタクリルアミド(同43℃)、ポリ−N−シクロプロピルアクリルアミド(同45℃)、ポリ−N−エトキシエチルアクリルアミド(同約35℃)、ポリ−N−エトキシエチルメタクリルアミド(同約45℃)、ポリ−N−テトラヒドロフルフリルアクリルアミド(同約28℃)、ポリ−N−テトラヒドロフルフリルメタクリルアミド(同約35℃)、ポリ−N,N−エチルメチルアクリルアミド(同56℃)、ポリ−N,N−ジエチルアクリルアミド(同32℃)を用いることができる。一方、本発明に用いられる共重合のためのモノマーとしては、限定されないが、例えば、ポリアクリルアミド、ポリ−N、N−ジエチルアクリルアミド、ポリ−N、N−ジメチルアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸及びその塩、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース、カルボキシメチルセルロースなどの含水ポリマーなどが挙げられる。
上述の各ポリマーの培養皿への被覆方法は、限定されないが、例えば、培養皿と上記モノマー又はポリマーを、電子線照射(EB)、γ線照射、紫外線照射、プラズマ処理、コロナ処理、有機重合反応のいずれかにより、又は塗布、混練等の物理的吸着等により行うことができる。培養皿表面への温度応答性高分子の被覆量は、1.1〜2.3μg/cm2の範囲が良く、好ましくは1.4〜1.9μg/cm2であり、さらに好ましくは1.5〜1.8μg/cm2である。1.1μg/cm2より少ない被覆量のとき、刺激を与えても該高分子上の細胞は剥離し難く、作業効率が著しく悪くなり好ましくない。逆に2.3μg/cm2以上であると、その領域に細胞が付着し難く、細胞を十分に付着させることが困難となる。このような場合、温度応答性高分子被覆層の上にさらに細胞接着性タンパク質を被覆すれば、培養皿表面の温度応答性高分子の被覆量は2.3μg/cm2以上であってもよく、その際の温度応答性高分子の被覆量は9.0μg/cm2以下がよく、好ましくは8.0μg/cm2以下がよく、7.0μg/cm2以下が好都合である。
本発明の積層細胞シートを製造する方法は、前記培養皿に入れ子を組み込む工程(a)に代え、水和力が弱い温度では細胞が接着し、水和力が強い温度では細胞が剥離する前記ポリマーが被覆された領域と、いずれの温度域でも細胞が接着しない領域とを有する培養皿を用いた工程を採用してもよい。この工程を採用することにより、培養皿上に任意の形状、数の細胞シートを得ることが可能となり、前記入れ子を組み入れる工程を採用する場合と同じ効果が得られる。当該方法において、前記ポリマーが被覆される領域の数及び形状は、特に限定されないが、例えば、市販されている培養皿のウェルの数及び形状を模倣した6個、12個、24個、48個、96個、384個の円形であってもよく、各々、単一の直径であってもよい。また、各領域は、限定されないが、水平面で縦及び横に、各々均等な間隔で配置されていることが好ましい。例えば、前記ポリマーが被覆された領域の数が96個の場合、市販の96ウェルプレートのように縦8×横12の配置をとることができる。
前記いずれの温度域でも細胞が接着しない領域に被覆する材料としては特に限定されないが、本発明に用いられる細胞非接着領域に利用される材料は、細胞非接着材料を含むものである。このような細胞非接着材料としては、いずれの温度域でも細胞と非接着性を有するものであれば良く、例えば水和能の高い材料を用いることができる。水和能の高い物質は水分子との親和性の方が細胞との親和性より高いことから、細胞は上記水和能の高い材料と接着することができず、細胞との接着性が低いものとなるのである。ここで、上記水和能とは、水分子と水和する性質をいい、水和能が高いとは、水分子と水和しやすいことをいうこととする。
本発明において水和能が高く細胞非接着材料として用いられる材料としては、例えばポリエチレングリコールや、ベタイン構造等を有する両性イオン材料、リン脂質含有材料等が挙げられる。また、上記細胞非接着材料として、撥水性または撥油性を有する材料や、超親水性を有する材料も用いることができる。具体的には、ポリエチレングルコールジアクリレート、ポリエチレングルコールメタクリレート等を用いたエチレングリコール系材料、リン脂質ポリマー、長鎖アルキル系材料、フッ素系材料、シリコンなどの撥水性材料、ポリビニルアルコール(PVA)などの親水性材料等が挙げられる。本発明に用いられる細胞非接着材料の上記細胞非接着材料層中の含有量としては、所望の細胞非接着性を発揮できるものであれば特に限定されるものではなく、上記材料の種類等によって異なる。
(2)入れ子
本発明の積層細胞シートを製造する方法において使用される入れ子は、上記培養皿に組み込まれ、ウェルごとに独立させて細胞シートを作製するために適したものである。入れ子の素材は、限定されないが、上記の培養皿と同じ素材であってもよい。ここで、本発明の入れ子内の各ウェルの数及び形状は、限定されないが、6個、12個、24個、48個、96個、384個であってもよく、各々、単一の内径を有する円筒形状に貫通しているものであってもよい。また、各ウェルは、限定されないが、水平面で縦及び横に、各々均等な間隔で配置されていることが好ましい。例えば、ウェル数が96個の場合、市販の96ウェルプレートのように縦8×横12の配置をとることができる。
入れ子自体の形状は、限定されないが、長方形、正方形などであってもよい。入れ子自体の大きさは、他の部品と共に細胞培養容器として組み立てられた場合、最終的に、例えば、組立品が、市販のプレートリーダー上に設置し得るように、他の部品(例えば、後述するベースプレート)に合致した大きさであればよい。また、入れ子の素材も限定されないが、例えば、上記の培養皿と同じで素材であってよく、透過性を有してもよい。
入れ子は、各ウェル内で細胞培養を可能にするものであるため、培養皿に組み込まれた入れ子の底面部から細胞及び培養液が漏れ出ないように、培養皿と接触させることが好ましい。このような効果を得るために、入れ子において、培養皿との接触部位にパッキングを設けてもよい。
(3)培養細胞移動治具
本発明の積層細胞シートを製造する方法において使用される培養細胞移動治具は、本体に細胞付着部を具備することを特徴とし、培養皿で作製した細胞シートを該細胞付着部に付着させ、培養皿から剥離し、及び回収するために使用される(工程(b))。培養細胞移動治具の素材は、限定されないが、上記の培養皿と同じ素材であってもよい。本発明によれば、培養皿で新たに作製した細胞シート上に、先に得られた細胞シートを付着した培養細胞移動治具を積層することによって積層細胞シートを得ることができる(工程(c)及び(d))。ここで、細胞シートを付着させる方法は、限定されないが、本発明の培養細胞移動治具には、細胞付着部が設けられているため、培養皿上の培養シートに培養細胞移動治具を積層し、静置させるだけでよい。細胞付着部は、限定されないが、例えば、細胞接着性タンパク質、細胞接着性ペプチド、又は親水性ポリマーの1種若しくは2種以上からなるものであってもよい。細胞付着部に細胞接着性タンパク質及び/又は細胞接着性ペプチドを用いた場合、細胞シートは、培養細胞移動治具に対して、その細胞接着性タンパク質及び/又は細胞接着性ペプチドを介して付着する。また、細胞付着部に親水性ポリマーを利用した場合、親水性ポリマーの吸水力又は細胞付着部ポリマー層表面の親疎水性の性質に応じて、細胞シートが物理的に付着する。その際、付着を促進させる目的で細胞シートに負担がかからない程度に荷重をかけてもよい。
細胞付着部に使用可能な細胞接着性タンパク質には、ゼラチンゲル、フィブリン、フィブロネクチン、ラミニン、コラーゲン、多糖類、エラスチン、キチン、キトサンなどの1種若しくは2種以上からなるものが挙げられる。また、細胞接着性ペプチドには、RGDペプチド、RGDSペプチド、GRGDペプチド、GRGDSペプチドなどの1種若しくは2種以上からなるものが挙げられる。細胞付着部における細胞接着性タンパク質及び/又は細胞接着性ペプチドの固定化方法は、限定されないが、例えば、常法として知られる細胞接着性タンパク質、細胞接着性ペプチド水溶液の塗布による物理的吸着などを行うことによって達成される。細胞付着部における細胞接着性タンパク質及び/又は細胞接着性ペプチドの固定化量は、剥離及び回収する細胞シートを付着させられるのに十分な量が固定化されていればよく、限定されないが、その固定化量は0.005μg/cm2以上、好ましくは0.01μg/cm2以上、さらに好ましくは0.02μg/cm2以上である。細胞接着性タンパク質及び/又は細胞接着性ペプチドの固定化量の測定は、常法に従えばよく、例えばFT−IR−ATRを用いて細胞付着部を直接測定する方法、あるいは予め標識された細胞接着性タンパク質及び/又は細胞接着性ペプチドを同様な方法で固定化し、細胞付着部に固定化された、標識された細胞接着性タンパク質及び/又は細胞接着性ペプチド量より測定する方法などが挙げられる。
細胞付着部に使用可能な親水性ポリマーとしては、ホモポリマー又はコポリマーのいずれであってもよい。例えば、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリアクリル酸及びその塩、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース、カルボキシメチルセルロースなどの含水ゲル、又はその含水状態が温度によって変化する温度応答性ゲルなどが挙げられるが、これらに限定されない。各種ポリマーの培養細胞移動治具の表面への被覆方法は、限定されないが、例えば、特開平2−211865号公報(特許文献1)に記載されている方法に従ってもよい。かかる被覆は、培養細胞移動治具の表面と上記モノマー又はポリマーを電子線照射(EB)、γ線照射、紫外線照射、プラズマ処理、コロナ処理、有機重合反応のいずれかにより、又は塗布、混練等の物理的吸着等により行うことができる。細胞付着部における親水性ポリマーの固定化量は、剥離及び回収させたい細胞シート又は積層細胞シートを付着させられるに十分な量が固定化されていればよく、限定されないが、その固定化量は0.5μg/cm2以上、好ましくは1.0μg/cm2以上、さらに好ましくは1.5μg/cm2以上である。親水性ポリマーの固定化量の測定は常法に従えばよく、例えばFT−IR−ATRを用いて細胞付着部を直接測定する方法、あるいは予め標識した親水性ポリマーを同様な方法で固定化し、細胞付着部に固定化された、標識された親水性ポリマー量より測定する方法などが挙げられる。
本発明によれば、培養細胞移動治具に付着した積層細胞シートを培養皿とは異なる支持体(例えば、支持体)に移動させるために、培養細胞移動治具から付着した積層細胞シートを容易に剥離させることができる。積層細胞シートを培養細胞移動治具の細胞付着部から剥離させる方法としては、限定されないが、積層細胞シートを支持体へ付着させた後、培養細胞移動治具の細胞付着部と積層細胞シートとの間の付着を弱め、培養細胞移動治具を細胞シートから脱着させる方法が挙げられる。その際、培養細胞移動治具の細胞付着部が積層細胞シートに残存しても特に問題にならなければ、培養細胞移動治具の細胞付着部と積層培養シートを一緒に剥がす方法であってもよい。なお、培養細胞移動治具の細胞付着部と培養細胞との間の付着を弱めるために、例えば細胞付着部が細胞接着性タンパク質及び/又は細胞接着性ペプチドである場合、それらと積層細胞シートとの付着性より強く付着するアミノ酸、ペプチド、タンパク質などを添加する方法、十分に培地を投入する方法、又は培養を継続して溶解する方法などが挙げられる。また、培養細胞移動治具の細胞付着部が親水性ポリマーの場合、培地を十分に投入して親水性ポリマーの吸水力を弱める方法、細胞付着部ポリマー層表面の十分に親水性に変える方法によって、積層細胞シートを剥離させてもよい。一方、再付着させたい場所へ付着させることを促進させる目的で積層細胞シートに負担がかからない程度に荷重をかけてもよい。
(4)支持体
本発明の積層細胞シートを製造する方法において使用される支持体は、積層化させた細胞シートを培養時に支持する部品である。支持体の大きさ及び形状は、培養皿及びベースプレートに合致していればよい。一方、支持体の厚さは、作製した積層培養シートを支持するのに十分な強度が得られる程度であればよく、支持体の素材に応じて適宜変更することができる。また、本発明の細胞培養容器中で積層培養シートを観察又は測定を行うために、支持体は透過性を有してもよく、測定の種類により、着色されていてもよい。前記支持体の細胞シートを積載する面は平面であってもよい。さらに、細胞シートの形状及び/又は数に応じて、細胞が積載される領域の外側に凸部を設けることができ、適宜選択することができる。前記凸部は、細胞シートの直径より大きく、入れ子に設けた隔壁の内壁の直径より小さいものがよく、入れ子と組み合わせた際、入れ子の隔壁の内壁と前記凸部の外部が密着させることができるようになる。これにより、細胞培養基材に組み込まれた入れ子の底面部から細胞及び培養液が漏れ出ないようになる。
使用可能な支持体としては、限定されないが、ガラス板であっても良く、樹脂支持体であってもよい。工業的に大量生産できる点においては、樹脂支持体であることが好ましく、その素材は、限定されないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂または環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂などのポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等のメタクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアクリロニトリル等のアクリル系樹脂、プロピオネート樹脂などの繊維素系樹脂などが挙げられる。これらうち、支持体として成形性及び透明性点において、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂が好ましい。これらは用途によって選択することができ、蛍光色素を利用した観察方法において用いる場合、光源に影響されない素材である、ポリメチルペンテン樹脂等を利用することが好ましい。
(5)ベースプレート
本発明の積層細胞シートを作製する方法において使用されるベースプレートは、支持体を安定に固定化するための部品である。ベースプレートの素材は、限定されないが、上記の培養皿や支持体と同じ素材であってもよい。また、ベースプレートの形状及び大きさは、上記支持体又は入れ子を積層するのに適した形状及び大きさであることが好ましい。なお、プレートリーダー上で測定する場合は、ベースプレートは、プレートリーダーに設置し得る形状及び大きさであることが好ましい。より好ましくは、ベースプレートは、WO2012/098931(特許文献6)に開示された細胞培養処理システムにおいて使用される細胞シート積層化モジュールに設置し得る形状及び大きさを有する。また、ベースプレートの素材も限定されないが、例えば、上記の培養皿と同じで素材であってよく、透過性を有してもよい。
培養細胞移動治具に接着した積層化した細胞シートを積載する前記支持体に代え、支持体とベースプレートが一体となった細胞培養基材を用いることも可能である(図8、10の部品Fに相当)。前記細胞培養基材の細胞シートを積載する面は平面であってもよい。さらに、細胞シートの形状及び/又は数に応じて、細胞が積載される領域の外側に凸部を設けることができ、適宜選択することができる。前記凸部は、細胞シートの直径より大きく、入れ子に設けた隔壁の内壁の直径より小さいものが良く、入れ子と組み合わせた際、入れ子の隔壁の内壁と前記凸部の外部が密着させることができるようになる。これにより、細胞培養基材に組み込まれた入れ子の底面部から細胞及び培養液が漏れ出ないようになる。
(6)カバープレート及び蓋
本発明の積層細胞シートを製造する方法において使用されるカバープレートは、支持体上に付着させた積層細胞シートをベースプレートに移し、入れ子を積層した後、該入れ子をベースプレートに固定するために使用される。したがって、本発明のカバープレートの形状及び大きさは、ベースプレート及び入れ子に対応していることが好ましい。また、蓋は、作製された積層細胞シートの無菌状態を維持するために必要な部位品であり、カバープレートに合致した形状及び大きさであることが好ましい。なお、ベースプレート及び蓋の素材も限定されないが、例えば、上記の培養皿と同じで素材であってよく、透過性を有してもよい。本発明の一実施形態では、蓋とカバープレートを一体化させた部品を作製することができる(図6参照)。また、蓋の代わりに、カバープレート等を密閉するフィルムを採用してもよい。
B.積層細胞シートを製造する方法
本発明によれば、本発明の細胞培養容器を用いて、積層細胞シートを製造する方法が提供される。より具体的には、本発明は、積層細胞シートを製造する方法であって、
(a)0〜80℃の温度範囲で水和力が変化するポリマーを被覆した培養面を有する細胞培養基材上に細胞を播種し、前記ポリマーの水和力が弱い温度で細胞を培養する工程;
(b)工程(a)で得られた細胞に、細胞付着部を具備した培養細胞移動治具を積載し、前記ポリマーの水和力が強い状態となる温度で静置後、前記培養面から剥離した細胞シートを培養細胞移動治具に付着させる工程;
(c)さらに工程(a)において細胞を培養し、次に、該細胞上に、工程(b)で得られた細胞シートを付着した培養細胞移動培養細胞移動治具を積層し、前記ポリマーの水和力が強い状態となる温度で静置後、前記培養面から剥離した細胞シートを培養細胞移動治具に付着させて細胞シートを積層する工程;及び
(d)工程(c)で得られた積層細胞シートを付着させた培養細胞移動培養細胞移動治具を、細胞培養基材上に積載し、培養細胞移動治具細胞付着部と積層細胞シートの付着力を弱め、積層細胞シートを細胞培養基材上に付着させた後、細胞移動治具を除去する工程
を含む方法を提供することができる。
(1)培養細胞
本発明の方法によって製造される積層細胞シートを構成する細胞の種類は、限定されないが、例えば、得られた積層細胞シートを移植に使用する場合にはその移植部位の細胞、又は評価を行いたい臓器由来若しくは組織由来の細胞であってもよい。より具体的には、心筋組織の再生、又は心筋機能を評価する方法を目的とした場合、使用する細胞としては心筋細胞、心筋芽細胞、筋芽細胞、間葉系幹細胞、血管内皮細胞、血管内皮前駆細胞、線維芽細胞、骨髄由来細胞、又は脂肪由来細胞のいずれか1種若しくは2種以上の細胞が混在したものであってもよく、混在している細胞の種類及び比率は限定されない。肝組織の再生、肝組織を模倣した人工肝臓の作製、又は肝機能を評価する方法などを目的とした場合、例えば、使用する細胞としては、肝実質細胞、類洞内皮細胞、クッパー細胞、星細胞、ピット細胞、胆管上皮細胞、血管内皮細胞、血管内皮前駆細胞、線維芽細胞、骨髄由来細胞、脂肪由来細胞、又は間葉系幹細胞のいずれか1種若しくは2種以上の細胞が混在したものであってもよく、混在している細胞の種類及び比率は限定されない。腎組織の再生、腎組織を模倣した人工腎臓の作製、又は腎機能を評価する方法を目的とした場合、例えば、使用する細胞としては、腎細胞、顆粒細胞、集合管上皮細胞、壁側上皮細胞、足細胞、メサンギウム細胞、平滑筋細胞、尿細管細胞、間在細胞、糸球体細胞、血管内皮細胞、血管内皮前駆細胞、線維芽細胞、骨髄由来細胞、脂肪由来細胞、又は間葉系幹細胞のいずれか1種若しくは2種以上の細胞が混在したものであってもよく、混在している細胞の種類及び比率は限定されない。副腎組織の再生、副腎を模倣した人工副腎の作製、又は副腎機能を評価する方法を目的とした場合、例えば、使用する細胞としては、副腎髄質細胞、副腎皮質細胞、球状層細胞、束状層細胞、網上層細胞、血管内皮細胞、血管内皮前駆細胞、線維芽細胞、骨髄由来細胞、脂肪由来細胞、又は間葉系幹細胞のいずれか1種若しくは2種以上の細胞が混在したものであってもよく、混在している細胞の種類及び比率は限定されない。皮膚の再生、又は皮膚機能を評価する方法を目的とした場合、例えば、使用する細胞としては、表皮角化細胞、メラノサイト、立毛筋細胞、毛包細胞、血管内皮細胞、血管内皮前駆細胞、線維芽細胞、骨髄由来細胞、脂肪由来細胞、又は間葉系幹細胞のいずれか1種若しくは2種以上の細胞が混在したものであってもよく、混在している細胞の種類及び比率は限定されない。粘膜組織の再生、又は粘膜組織の機能を評価する方法を目的とした場合、例えば、使用する細胞としては、粘膜を構成する組織から採取される細胞であってもよい。粘膜の種類としては、頬側粘膜、胃粘膜、腸管粘膜、嗅上皮、口腔粘膜、子宮粘膜などが挙げられる。粘膜組織から採取される細胞のうち、いずれか1種若しくは2種以上の細胞が混在したものであってもよく、混在している細胞の種類及び比率は限定されない。
本発明で用いられる細胞は、生体組織から直接採取した細胞、直接採取し、培養系等で分化させた細胞、又は細胞株が挙げられるがその種類は、限定されない。これらの細胞の由来についても限定されないが、例えば、ヒト、ラット、マウス、モルモット、マーモセット、ウサギ、イヌ、ネコ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、サル、若しくはチンパンジー、又はそれらの免疫不全動物等が挙げられるが、本発明の積層細胞シートをヒトの治療に用いる場合はヒト、ブタ、サル、チンパンジー由来の細胞を用いることが望ましい。
本発明の積層細胞シートを製造する方法において、培養皿に組み込まれた入れ子に播種する細胞数は、使用細胞の動物種によって異なってもよいが、一般的に0.4×106〜2.5×106個/cm2がよく、好ましくは0.5×106〜2.1×106個/cm2がよく、さらに好ましくは0.6×106〜1.7×106個/cm2である。播種濃度が0.4×106個/cm2以下の場合、一般に細胞の増殖が悪く、得られる細胞シートの機能の発現程度が悪化し、本発明を実施する点において好ましくない。
(2)細胞シート
本発明によれば、細胞シートは、0〜80℃の温度範囲で水和力が変化するポリマー(例えば、温度応答性ポリマー)を被覆した培養皿に入れ子を組み込み、各ウェルに上記の播種濃度で細胞を播種し、常法に従った培養条件下で培養することによって得られる。本発明は、0〜80℃の温度範囲で水和力が変化するポリマーを被覆した培養皿から培養した細胞シートを回収するために、最初に、培養皿から入れ子を除去し、得られた細胞シート上に、細胞付着部を有する培養細胞移動治具を積層し、次に、培養皿の温度を被覆ポリマーの上限臨界溶解温度以上若しくは下限臨界溶解温度以下(例えば、20℃以下)で静置することによって、培養皿から培養細胞移動治具の細胞付着部に転写させることを特徴とする。その際、培養液中において行うことも、その他の等張液中において行うことも可能であり、目的に合わせて選択することができる。なお、上記の通り、温度以外の培養条件は、常法に従えばよく、限定されるものではない。例えば、使用する培地については、ウシ胎児血清(FCS)、ヒト血清などの血清が添加されている培地でもよく、また、このような血清が添加されていない無血清培地でもよい。
(3)積層細胞シート
本発明によれば、上記の温度応答性ポリマーを被覆した培養皿及び培養細胞移動治具を用いることによって、細胞シートを積層化させ、所望の積層数を有する積層細胞シートを得ることができる。より具体的には、培養細胞移動治具に転写された細胞シートを、温度応答性ポリマーを被覆した培養皿上で新たに作製した細胞シート上に積層し、被覆ポリマーの上限臨界溶解温度以上若しくは下限臨界溶解温度以下(例えば、20℃以下)で静置することによって、積層した細胞シートを得ることができる。上記工程を繰り返すことによって、所望の積層数を有する積層細胞シートを簡便かつ迅速に作製することができる(工程(d))。なお、積層数は、積層細胞シートが使用される目的に適宜合わせればよく、限定されないが、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20回、又はそれを超えてもよい。
(4)積層細胞シートの利用
上記で作製した積層細胞シートを利用する場合、支持体に転写された積層細胞シートを用いることが好都合である。例えば、樹脂支持体に積層細胞シートを転写し、さらに、ベースプレートに積層後、入れ子を組み込み、必要に応じて、カバープレート及び蓋を積層することによって、積層細胞シートを有する密閉された細胞培養容器を薬剤の生体組織に対する効果を簡便に評価できるようになる。このような評価系は、実験動物の代替となるばかりでなく、動物の個体差に依存しない安定的なデータが得られる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例1.細胞培養容器(1)
図1に示すような容器上部部品(部品A)、容器内部部品(部品B)、容器下部部品(部品C)、およびの樹脂支持体からなる細胞培養容器を作製した。その際の各部品の寸法を図2に示す。各部品の材質としては容器内部部品の一部を除いてエポキシ系樹脂(オブジェット製MED610)を選択した。得られた部品の写真を図3に示す。これらの各部品を組み合わせることで本発明の細胞培養容器を得た。細胞培養器の蓋はサーモサイエンティフィック製の既製品を適用させた。得られた培養容器の写真を図4に示す。容器内部部品の下部にはシリコーン樹脂が塗布した。最終的に、容器内部品に設けられたそれぞれの円筒は樹脂支持体を底面とする直径6.5〜7.0mm、高さ10mmの培養槽とした。顕微鏡観察ができる厚さ0.1mmの透明なポリカーボネート製樹脂支持体(99×63mm)を採用し、細胞の接着性を向上させるためにあらかじめ400W、90秒間のO2ガスプラズマ処理を行った。
実施例2.細胞培養容器(2)
セルシード社製の温度応答性ポリマーが固定化された培養皿に容器内部部品(部品B)を挿入し、それぞれの円筒内にロンザ製SkBM2培地に懸濁させたロンザ製ヒト骨格筋筋芽細胞を5×105cells/cm2となるように播種した。同様の手技で5枚の培養皿を準備した。翌日、容器内内部部品を取り出し60枚の小面積細胞シート(直径6.5mm)が接着する培養皿5枚を得た。得られた細胞シートにシグマアルドリッチ製ゼラチンの7%溶液で作製したゲルを取り付けた治具を密着させ20℃で20分間静置した後に治具を持ち上げ細胞シートをゲルに転写した。同じ作業を5回繰り返して5層の積層細胞シートとした。樹脂シートを挿入した容器上に治具を密着させ37℃20分間静置した後に緩衝溶液で洗浄して5層の積層細胞シートが60枚接着する樹脂シートを得た。得られた樹脂シートを容器下部部品(部品C)の上に置き、その上に容器内部部品と容器上部部品(部品A)を置きM3のボルトとナット4組で固定した。固定後すぐにそれぞれの円筒内に200μLのSkBM2培地を添加した。これにより、隔壁で囲まれた60室に小面積の積層細胞シートを有する1枚のマルチウェルプレートが得られ、本培養容器が本発明として好ましいものであることが分かった
実施例3.細胞培養容器(3)
図6に示すような容器隔壁部品(部品D)、容器底面部品(部品E)、及び樹脂支持体からなる細胞培養容器を作製した。その際の各部品の寸法を図7に示す。各部品の材質としては容器内部部品の一部を除いてエポキシ系樹脂(オブジェット製MED610)を選択した。これらの各部品を組み合わせることで96個の隔壁にて囲まれた培養槽を有する本発明の細胞培養容器を得た。細胞培養器の蓋はサーモサイエンティフィック製の既製品を適用させた。容器内部部品の下部にはシリコーン樹脂が塗布した。最終的に、容器内部品に設けられたそれぞれの円筒は樹脂支持体を底面とする直径6.5〜7.0mm、高さ10mmの培養槽とした。顕微鏡観察ができる厚さ0.1mmの透明なポリカーボネート製の樹脂支持体(104×72mm)を採用し、細胞の接着性を向上させるためにあらかじめ400W、90秒間のO2ガスプラズマ処理を行った。
実施例4.細胞培養容器(4)
図8に示すような容器隔壁部品(部品A、B2)、容器底面部品(部品F)からなる細胞培養容器を作製した。各部品はポリカーボネートを使用し作製し、部品B2にはシリコーン製の緩衝板をインサート成形にて装着した。これらの各部品を組み合わせることで60個の隔壁にて囲まれた培養槽を有する本発明の細胞培養容器を得た。細胞培養器の蓋はサーモサイエンティフィック製の既製品を適用した。部品Fは細胞の接着性を向上させるためにあらかじめ400W、90秒間のO2ガスプラズマ処理を行った。
実施例5.細胞培養容器(5)
図5(1)に示すウェルプレートサイズに合わせた小面積細胞シートを作製する工程に代えて、図11に示す温度応答性培養表面と細胞非接着表面を有する細胞培養容器を利用し、小面積細胞シートを得る工程を採用した。図11の細胞培養容器に、ロンザ製SkBM2培地に懸濁させたロンザ製ヒト骨格筋筋芽細胞を5×105cells/cm2となるように播種した。同様の手技で5枚の培養皿を準備した。翌日、得られた細胞シートにシグマアルドリッチ製ゼラチンの7%溶液で作製したゲルを取り付けた治具を密着させ20℃で20分間静置した後に治具を持ち上げ細胞シートをゲルに転写した。同じ作業を5回繰り返して5層の積層細胞シートとした。樹脂シートを挿入した容器上に治具を密着させ37℃20分間静置した後に緩衝溶液で洗浄して5層の積層細胞シートが60枚接着する樹脂シートを得た。得られた樹脂シートを容器下部部品(図5の部品Cに相当)の上に置き、その上に容器内部部品と容器上部部品(図5の部品Aに相当)を置きM3のボルトとナット4組で固定した。固定後すぐにそれぞれの円筒内に200μLのSkBM2培地を添加した。これにより、隔壁で囲まれた60室に小面積の積層細胞シートを有する1枚のマルチウェルプレートが得られ、本培養容器が本発明として好ましいものであることが分かった。
本発明の製造方法を用いることによって、均一な積層細胞シートを迅速かつ簡便に作製することができる。このような積層細胞シートは、生体内組織様のものとして移植することが可能となり、様々な組織の再生医療に有用なものとなる。また、生体外において薬剤の生体組織に対する効果を簡便に評価ができ、実験動物の代替となるばかりでなく、動物の個体差に依存しない安定的なデータが得られる。

Claims (12)

  1. 積層細胞シートを製造する方法であって、
    (a)0〜80℃の温度範囲で水和力が変化するポリマーを被覆した培養面を有する細胞培養基材に第一の入れ子を組み入れ、該第一の入れ子の内側に細胞を播種し、前記ポリマーの水和力が弱い温度で細胞を培養後、該第一の入れ子を除去する工程;
    (b)工程(a)で得られた細胞に、細胞付着部を具備した培養細胞移動治具を積載し、前記ポリマーの水和力が強い状態となる温度で静置後、前記培養面から剥離した細胞シートを培養細胞移動治具に付着させる工程;
    (c)さらに工程(a)において細胞を培養し、次に、該細胞上に、工程(b)で得られた細胞シートを付着した培養細胞移動培養細胞移動治具を積層し、前記ポリマーの水和力が強い状態となる温度で静置後、前記培養面から剥離した細胞シートを培養細胞移動治具に付着させて細胞シートを積層する工程;及び
    (d)工程(c)で得られた積層細胞シートを付着させた培養細胞移動培養細胞移動治具を、細胞培養基材上に積載し、培養細胞移動治具細胞付着部と積層細胞シートの付着力を弱め、積層細胞シートを細胞培養基材上に付着させた後、細胞移動治具を除去する工程
    を含む方法。
  2. 前記工程(a)において、前記細胞培養基材の培養面が、0〜80℃の温度範囲で水和力が変化するポリマーを被覆し、前記ポリマーの水和力が弱い温度では細胞が接着する領域と、いずれの温度でも細胞が接着しない領域とを有する培養面である、請求項1に記載の積層細胞シートを製造する方法。
  3. 前記積層細胞シートを製造する方法であって、
    前記工程(c)と(d)の前に、さらに前記(a)〜(c)の工程を繰り返して、3層以上の積層細胞シートを得る工程をさらに含む、請求項1又は2に記載の積層細胞シートを製造する方法。
  4. 工程(d)で得られた積層細胞シートを付着させた細胞培養基材に、第二の入れ子を積載し、該第二の入れ子の内側に培地を添加し、細胞培養基材を覆う蓋を積載する工程
    をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層細胞シートを製造する方法。
  5. 細胞付着部が、細胞接着性タンパク質、細胞接着性ペプチド、及び親水性ポリマーからなる群から1種又は2種以上選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層細胞シートを製造する方法。
  6. 細胞接着性タンパク質が、ゼラチンゲル、フィブリンゲル、フィブロネクチン、ラミニン、及びコラーゲンからなる群から1種又は2種以上選択される、請求項に記載の方法。
  7. 0〜80℃の温度範囲で水和力が変化するポリマーが、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)である、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記第一の入れ子が、6ウェル、12ウェル、24ウェル、48ウェル、96ウェル、又は384ウェルを有する、請求項に記載の方法。
  9. 前記細胞を接着する領域が、6ウェル、12ウェル、24ウェル、48ウェル、96ウェル、又は384ウェルと対応する領域を有する、請求項に記載の方法。
  10. 前記第二の入れ子が、6ウェル、12ウェル、24ウェル、48ウェル、96ウェル、又は384ウェルを有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法に使用される培養容器であって、蓋、細胞培養基材、入れ子、を備える上記培養容器。
  12. 前記入れ子が、光非透過性の樹脂材料で成形されている、請求項11に記載の培養容器。
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