JP6468289B2 - 発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、発光素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)等の発光素子は、高発光効率、低電圧駆動等の特性のため、ディスプレイおよび照明の用途に好適に使用することが可能であり、近年、注目されている。この発光素子は、発光層、電荷輸送層等の有機層を備える。
特許文献1には、正孔輸送材料を含有する正孔輸送層と、青色燐光発光性化合物1および青色燐光発光性化合物2を含む組成物を含有する発光層とを有する発光素子、並びに、正孔輸送材料を含有する正孔輸送層と、青色燐光発光性化合物1および青色燐光発光性化合物3を含む組成物を含有する発光層とを有する発光素子が記載されている。なお、該正孔輸送材料は、架橋基を有する正孔輸送材料ではない。
Figure 0006468289
国際公開第2013/058087号
しかしながら、上記の発光素子は、その外部量子効率が必ずしも十分でなかった。
そこで、本発明は、外部量子効率に優れる発光素子を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[13]を提供する。
[1]陽極と、陰極と、陽極および陰極の間に設けられた発光層と、陽極および発光層の間に設けられた正孔輸送層とを有する発光素子であって、
正孔輸送層が、架橋基を有する材料を用いて得られる層であり、
発光層が、発光スペクトルの最大ピーク波長が400nm以上495nm未満であり、下記式(A)で表される燐光発光性化合物(A)と、発光スペクトルの最大ピーク波長が400nm以上495nm未満であり、下記式(B)で表される燐光発光性化合物(B)とを含有する組成物を用いて得られる層であり、
燐光発光性化合物(A)が有する環RA1と環RA2とで構成される配位子骨格の少なくとも1つと、燐光発光性化合物(B)が有する環RB1と環RB2とで構成される配位子骨格の少なくとも1つとが、互いに異なる、発光素子。
Figure 0006468289
[式中、
Mは、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子または白金原子を表す。
は1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表し、n+nは2または3である。Mがルテニウム原子、ロジウム原子またはイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mがパラジウム原子または白金原子の場合、n+nは2である。
A1およびEA2は、それぞれ独立に、炭素原子または窒素原子を表す。但し、EA1およびEA2の少なくとも一方は炭素原子である。
環RA1は、5員環または6員環の芳香族複素環を表し(但し、環RA1が6員環の芳香族複素環である場合、EA1は炭素原子である。)、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RA1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
環RA2は、5員環もしくは6員環の芳香族炭化水素環、または、5員環もしくは6員環の芳香族複素環を表し(但し、環RA2が6員環の芳香族複素環である場合、EA2は炭素原子である。)、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RA2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。但し、環RA1が6員環の芳香族複素環である場合、環RA2は電子求引基を有する。
−G−Aは、アニオン性の2座配位子を表す。AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。Gは、単結合、または、AおよびAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。A−G−Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006468289
[式中、
Mは、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子または白金原子を表す。
は1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表し、n+nは2または3である。Mがルテニウム原子、ロジウム原子またはイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mがパラジウム原子または白金原子の場合、n+nは2である。
B1およびEB2は、それぞれ独立に、炭素原子または窒素原子を表す。但し、EB1およびEB2の少なくとも一方は炭素原子である。
環RB1は、5員環または6員環の芳香族複素環を表し(但し、環RB1が6員環の芳香族複素環である場合、EB1は炭素原子である。)、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RB1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
環RB2は、5員環もしくは6員環の芳香族炭化水素環、または、5員環もしくは6員環の芳香族複素環を表し(但し、環RB2が6員環の芳香族複素環である場合、EB2は炭素原子である。)、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RB2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。但し、環RB1が6員環の芳香族複素環である場合、環RB2は電子求引基を有する。
−G−Aは、アニオン性の2座配位子を表す。AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。Gは、単結合、または、AおよびAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。A−G−Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[2]前記発光層と、前記正孔輸送層とが、隣接している、[1]に記載の発光素子。
[3]前記架橋基を有する材料が、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する低分子化合物、または、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物である、[1]または[2]に記載の発光素子。
(架橋基A群)
Figure 0006468289
[4]前記架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位が、式(Z)で表される構成単位または式(Z’)で表される構成単位である、[3]に記載の発光素子。
Figure 0006468289
[式中、
nAは0〜5の整数を表し、nは1または2を表す。
Arは、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’−で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Lが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Xは、前記架橋基A群から選ばれる架橋基を表す。Xが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006468289
[式中、
mAは0〜5の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、cは0または1を表す。mAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Arは、芳香族炭化水素基、複素環基、または、少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArおよびArは、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar、ArおよびArはそれぞれ、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と、直接または酸素原子もしくは硫黄原子を介して結合して、環を形成していてもよい。
は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’’−で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Kが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
X’は、前記架橋基A群から選ばれる架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。但し、少なくとも1つのX’は、前記架橋基A群から選ばれる架橋基である。]
[5]前記架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する低分子化合物が、式(Z'')で表される低分子化合物である、[3]に記載の発光素子。
Figure 0006468289
[式中、
B1およびmB2は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。複数存在するmB1は、同一でも異なっていてもよい。
B1は0以上の整数を表す。nB1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Arは、芳香族炭化水素基、複素環基、または、少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Arが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
B1は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’’’−で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’’’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LB1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
X’’は、前記架橋基A群から選ばれる架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するX’’は、同一でも異なっていてもよい。但し、複数存在するX’’のうち、少なくとも1つは、前記架橋基A群から選ばれる架橋基である。]
[6]前記燐光発光性化合物(A)が有する環RA1と環RA2とで構成される配位子骨格の全てと、燐光発光性化合物(B)が有する環RB1と環RB2とで構成される配位子骨格の全てとが、互いに異なる、[1]〜[5]のいずれかに記載の発光素子。
[7]前記燐光発光性化合物(A)が、下記式(A−1)で表される燐光発光性化合物であり、
前記燐光発光性化合物(B)が、下記式(B−1)で表される燐光発光性化合物である、[1]〜[6]のいずれかに記載の発光素子。
Figure 0006468289
[式中、
M、n、n、EA2およびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
環RA3は、6員環の芳香族複素環を表し、この環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RA3が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
環RA4は、5員環もしくは6員環の芳香族炭化水素環、または、5員環もしくは6員環の芳香族複素環を表し(但し、環RA4が6員環の芳香族複素環である場合、EA2は炭素原子である。)、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RA4が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。但し、環RA4は電子求引基を有する。]
Figure 0006468289
[式中、
M、n、n、EB1、EB2およびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
環RB3は、5員環の芳香族複素環を表し、この環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RB3が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
環RB4は、5員環もしくは6員環の芳香族炭化水素環、または、5員環もしくは6員環の芳香族複素環を表し(環RB4が6員環の芳香族複素環である場合、EB2は炭素原子である。)、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RB4が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[8]前記燐光発光性化合物(A)が、下記式(A−2)で表される燐光発光性化合物であり、
前記燐光発光性化合物(B)が、下記式(B−2)で表される燐光発光性化合物である、[1]〜[6]のいずれかに記載の発光素子。
Figure 0006468289
[式中、
M、n、n、EA2およびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
環RA5は、イミダゾール環を表し、この環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RA5が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
環RA6は、5員環もしくは6員環の芳香族炭化水素環、または、5員環もしくは6員環の芳香族複素環を表し(但し、環RA6が6員環の芳香族複素環である場合、EA2は炭素原子である。)、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RA6が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006468289
[式中、
M、n、n、EB1、EB2およびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
環RB5は、トリアゾール環を表し、この環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RB5が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
環RB6は、5員環もしくは6員環の芳香族炭化水素環、または、5員環もしくは6員環の芳香族複素環を表し(環RB6が6員環の芳香族複素環である場合、EB2は炭素原子である。)、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RB6が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[9]前記式(A−1)で表される燐光発光性化合物が、下記式(A−3)で表される燐光発光性化合物であり、
前記式(B−1)で表される燐光発光性化合物が、下記式(B−3)で表される燐光発光性化合物である、[7]に記載の発光素子。
Figure 0006468289
[式中、
M、n、nおよびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
A71、EA72、EA73、EA74、EA81、EA82、EA83およびEA84は、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。EA71、EA72、EA73、EA74、EA81、EA82、EA83およびEA84が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。EA71、EA72、EA73、EA74、EA81、EA82、EA83およびEA84が窒素原子の場合、RA71、RA72、RA73、RA74、RA81、RA82、RA83およびRA84は、存在しない。
A71、RA72、RA73、RA74、RA81、RA82、RA83およびRA84は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RA71、RA72、RA73、RA74、RA81、RA82、RA83およびRA84が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。RA71とRA72、RA72とRA73、RA73とRA74、RA71とRA81、RA81とRA82、RA82とRA83、および、RA83とRA84は、それぞれ結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。但し、RA81、RA82、RA83およびRA84の少なくとも1つは、電子求引基である。
環RA7は、窒素原子、炭素原子、EA71、EA72、EA73およびEA74とで構成されるピリジン環またはピリミジン環を表す。
環RA8は、2つの炭素原子、EA81、EA82、EA83およびEA84とで構成されるベンゼン環、ピリジン環またはピリミジン環を表す。]
Figure 0006468289
[式中、
M、n、n、EB1およびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
B71、EB72、EB73、EB81、EB82、EB83およびEB84は、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。EB71、EB72、EB73、EB81、EB82、EB83およびEB84が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。EB71、EB72およびEB73が窒素原子の場合、RB71、RB72およびRB73は、存在しても存在しなくてもよい。EB81、EB82、EB83およびEB84が窒素原子の場合、RB81、RB82、RB83およびRB84は、存在しない。
B71、RB72、RB73、RB81、RB82、RB83およびRB84は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RB71、RB72、RB73、RB81、RB82、RB83およびRB84が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。RB71とRB72、RB72とRB73、RB71とRB81、RB81とRB82、RB82とRB83、および、RB83とRB84は、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
環RB7は、窒素原子、EB1、EB71、EB72およびEB73とで構成されるトリアゾール環またはイミダゾール環を表す。
環RB8は、2つの炭素原子、EB81、EB82、EB83およびEB84とで構成されるベンゼン環、ピリジン環またはピリミジン環を表す。]
[10]前記式(A−2)で表される燐光発光性化合物が、下記式(A−4)で表される燐光発光性化合物であり、
前記式(B−2)で表される燐光発光性化合物が、下記式(B−4)で表される燐光発光性化合物である、[8]に記載の発光素子。
Figure 0006468289
[式中、
M、n、nおよびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
A91、EA92、EA93、EA101、EA102、EA103およびEA104は、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。EA91、EA92、EA93、EA101、EA102、EA103およびEA104が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。EA91、EA92およびEA93が窒素原子の場合、RA91、RA92およびRA93は、存在しても存在しなくてもよい。EA101、EA102、EA103およびEA104が窒素原子の場合、RA101、RA102、RA103およびRA104は、存在しない。
A91、RA92、RA93、RA101、RA102、RA103およびRA104は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RA91、RA92、RA93、RA101、RA102、RA103およびRA104が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。RA91とRA92、RA92とRA93、RA91とRA101、RA101とRA102、RA102とRA103、および、RA103とRA104は、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
環RA9は、窒素原子、炭素原子、EA91、EA92およびEA93とで構成されるイミダゾール環を表す。
環RA10は、2つの炭素原子、EA101、EA102、EA103およびEA104とで構成されるベンゼン環、ピリジン環またはピリミジン環を表す。]
Figure 0006468289
[式中、
M、n、n、EB1およびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
B91、EB92、EB93、EB101、EB102、EB103およびEB104は、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。EB91、EB92、EB93、EB101、EB102、EB103およびEB104が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。EB91、EB92およびEB93が窒素原子の場合、RB91、RB92およびRB93は、存在しても存在しなくてもよい。EB101、EB102、EB103およびEB104が窒素原子の場合、RB101、RB102、RB103およびRB104は、存在しない。
B91、RB92、RB93、RB101、RB102、RB103およびRB104は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RB91、RB92、RB93、RB101、RB102、RB103およびRB104が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。RB91とRB92、RB92とRB93、RB91とRB101、RB101とRB102、RB102とRB103、および、RB103とRB104は、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
環RB9は、窒素原子、EB1、EB91、EB92およびEB93とで構成されるトリアゾール環を表す。
環RB10は、2つの炭素原子、EB101、EB102、EB103およびEB104とで構成されるベンゼン環、ピリジン環またはピリミジン環を表す。]
[11]前記式(A−3)で表される燐光発光性化合物が、下記式(1)、(2)または(3)で表される燐光発光性化合物であり、
前記式(B−3)で表される燐光発光性化合物が、下記式(4)、(5)、(6)または(7)で表される燐光発光性化合物である、[9]に記載の発光素子。
Figure 0006468289
[式中、
−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
は、イリジウム原子または白金原子を表す。
は1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表し、n+nは2または3である。Mがイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mが白金原子の場合、n+nは2である。
、R、R、R、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R、R、R、R、R11、R12、R13およびR14が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。RとR、RとR、RとR、RとR11、R11とR12、R12とR13、および、R13とR14は、それぞれ結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。但し、R11、R12、R13およびR14の少なくとも1つは、電子求引基である。]
Figure 0006468289
[式中、
−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
は、イリジウム原子または白金原子を表す。
は1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表し、n+nは2または3である。Mがイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mが白金原子の場合、n+nは2である。
21、R22、R23、R31、R32、R33およびR34は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R21、R22、R23、R31、R32、R33およびR34が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R21とR22、R22とR23、R21とR31、R31とR32、R32とR33、および、R33とR34は、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
[12]前記式(A−4)で表される燐光発光性化合物が、下記式(4)または(5)で表される燐光発光性化合物であり、
前記式(B−4)で表される燐光発光性化合物が、下記式(6)または(7)で表される燐光発光性化合物である、[10]に記載の発光素子。
Figure 0006468289
[式中、
−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
は、イリジウム原子または白金原子を表す。
は1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表し、n+nは2または3である。Mがイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mが白金原子の場合、n+nは2である。
21、R22、R23、R31、R32、R33およびR34は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R21、R22、R23、R31、R32、R33およびR34が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R21とR22、R22とR23、R21とR31、R31とR32、R32とR33、および、R33とR34は、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
[13]前記発光層が、下記式(H−1)で表される化合物を更に含有する組成物を用いて得られる層である、[1]〜[12]のいずれかに記載の発光素子。
Figure 0006468289
[式中、
ArH1およびArH2は、それぞれ独立に、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
H1およびnH2は、それぞれ独立に、0または1を表す。nH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。複数存在するnH2は、同一でも異なっていてもよい。
H3は、0以上の整数を表す。
H1は、アリーレン基、2価の複素環基、または、−[C(RH11]nH11−で表される基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
H11は、1以上10以下の整数を表す。RH11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRH11は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
H2は、−N(−LH21−RH21)−で表される基を表す。LH2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
H21は、単結合、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RH21は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
本発明によれば、外部量子効率に優れる発光素子を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<共通する用語の説明>
本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、i-Prはイソプロピル基、t-Buはtert-ブチル基を表す。
水素原子は、重水素原子であっても、軽水素原子であってもよい。
金属錯体を表す式中、中心金属との結合を表す実線は、共有結合または配位結合を意味する。
「高分子化合物」とは、分子量分布を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×103〜1×108である重合体を意味する。
高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよい。
高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、高分子化合物を発光素子の作製に用いた場合に発光特性または輝度寿命が低下する可能性があるので、好ましくは安定な基である。この末端基としては、好ましくは主鎖と共役結合している基であり、例えば、炭素−炭素結合を介してアリール基または1価の複素環基と結合している基が挙げられる。
「低分子化合物」とは、分子量分布を有さず、分子量が1×104以下の化合物を意味する。
「構成単位」とは、高分子化合物中に1個以上存在する単位を意味する。
「アルキル基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。直鎖のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。分岐のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、2-エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、3-プロピルヘプチル基、デシル基、3,7-ジメチルオクチル基、2-エチルオクチル基、2-ヘキシルデシル基、ドデシル基、および、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられ、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3-フェニルプロピル基、3-(4-メチルフェニル)プロピル基、3-(3,5-ジ-ヘキシルフェニル)プロピル基、6-エチルオキシヘキシル基が挙げられる。
「シクロアルキル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
シクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基が挙げられる。
「アリール基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。アリール基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜20であり、より好ましくは6〜10である。
アリール基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、1-ピレニル基、2-ピレニル基、4-ピレニル基、2-フルオレニル基、3-フルオレニル基、4-フルオレニル基、2-フェニルフェニル基、3-フェニルフェニル基、4-フェニルフェニル基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「アルコキシ基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。直鎖のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜40であり、好ましくは4〜10である。分岐のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7-ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、および、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「シクロアルコキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
シクロアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
「アリールオキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは7〜48である。
アリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェノキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基、1-アントラセニルオキシ基、9-アントラセニルオキシ基、1-ピレニルオキシ基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「p価の複素環基」(pは、1以上の整数を表す。)とは、複素環式化合物から、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。p価の複素環基の中でも、芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団である「p価の芳香族複素環基」が好ましい。
「芳香族複素環式化合物」は、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール等の複素環自体が芳香族性を示す化合物、および、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香環が縮環されている化合物を意味する。
1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、2〜60であり、好ましくは4〜20である。
1価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基等で置換された基が挙げられる。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。
「アミノ基」は、置換基を有していてもよく、置換アミノ基が好ましい。アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基が好ましい。
置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基およびジアリールアミノ基が挙げられる。
アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4-メチルフェニル)アミノ基、ビス(4-tert-ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。
「アルケニル基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。直鎖のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜30であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルケニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルケニル基およびシクロアルケニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、7-オクテニル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アルキニル基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。アルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常2〜20であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルキニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルキニル基およびシクロアルキニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1-ヘキシニル基、5-ヘキシニル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アリーレン基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団を意味する。アリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
アリーレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基、クリセンジイル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられ、好ましくは、式(A-1)〜式(A-20)で表される基である。アリーレン基は、これらの基が複数結合した基を含む。
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
[式中、RおよびRaは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表す。複数存在するRおよびRaは、各々、同一でも異なっていてもよく、Ra同士は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。]
2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、2〜60であり、好ましくは、3〜20であり、より好ましくは、4〜15である。
2価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フラン、チオフェン、アゾール、ジアゾール、トリアゾールから、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられ、好ましくは、式(AA-1)〜式(AA-34)で表される基である。2価の複素環基は、これらの基が複数結合した基を含む。
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
[式中、RおよびRaは、前記と同じ意味を表す。]
「架橋基」とは、加熱処理、紫外線照射処理、ラジカル反応等に供することにより、新たな結合を生成することが可能な基であり、好ましくは、架橋基A群の式(BX-1)-(BX-17)のいずれかで表される基である。これらの基は、置換基を有していてもよい。
(架橋基A群)
Figure 0006468289
「置換基」とは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、後述する−C(=X101)−R101で表される基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基またはシクロアルキニル基を表す。置換基は架橋基であってもよい。
「デンドロン」とは、原子または環を分岐点とする規則的な樹枝状分岐構造(即ち、デンドリマー構造)を有する基を意味する。デンドロンを有する化合物(以下、「デンドリマー」と言う。)としては、例えば、国際公開第02/067343号、特開2003-231692号公報、国際公開第2003/079736号、国際公開第2006/097717号等の文献に記載の構造が挙げられる。
デンドロンとしては、好ましくは、式(D-A)または(D-B)で表される基である。
Figure 0006468289
[式中、
DA1、mDA2およびmDA3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2およびArDA3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2およびArDA3が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006468289
[式中、
DA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるGDAは、同一でも異なっていてもよい。
ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
DA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、通常10以下の整数であり、好ましくは5以下の整数であり、より好ましくは0または1である。mDA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、同一の整数であることが好ましい。
DAは、好ましくは式(GDA-11)〜(GDA-15)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006468289
[式中、
*は、式(D-A)におけるArDA1、式(D-B)におけるArDA1、式(D-B)におけるArDA2、または、式(D-B)におけるArDA3との結合を表す。
**は、式(D-A)におけるArDA2、式(D-B)におけるArDA2、式(D-B)におけるArDA4、または、式(D-B)におけるArDA6との結合を表す。
***は、式(D-A)におけるArDA3、式(D-B)におけるArDA3、式(D-B)におけるArDA5、または、式(D-B)におけるArDA7との結合を表す。
DAは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。RDAが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
DAは、好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基またはシクロアルコキシ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7は、好ましくは式(ArDA-1)〜(ArDA-3)で表される基である。
Figure 0006468289
[式中、
DAは前記と同じ意味を表す。
DBは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RDBが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
DBは、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基または1価の複素環基であり、更に好ましくはアリール基である。
DAは、好ましくは式(TDA-1)〜(TDA-3)で表される基である。
Figure 0006468289
[式中、RDAおよびRDBは前記と同じ意味を表す。]
式(D-A)で表される基は、好ましくは式(D-A1)〜(D-A3)で表される基である。
Figure 0006468289
[式中、
p1、Rp2およびRp3は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Rp1およびRp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
np1は、0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0または1を表す。複数あるnp1は、同一でも異なっていてもよい。]
式(D-B)で表される基は、好ましくは式(D-B1)〜(D-B3)で表される基である。
Figure 0006468289
[式中、
p1、Rp2およびRp3は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Rp1およびRp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
np1は0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0または1を表す。np1およびnp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
np1は、好ましくは0または1であり、より好ましくは1である。np2は、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。np3は好ましくは0である。
p1、Rp2およびRp3は、好ましくはアルキル基またはシクロアルキル基である。
<発光素子>
本発明の発光素子は、陽極と、陰極と、陽極および陰極の間に設けられた発光層と、陽極および発光層の間に設けられた正孔輸送層とを有する発光素子であって、
正孔輸送層が、架橋基を有する材料を用いて得られる層であり、
発光層が、式(A)で表される燐光発光性化合物(A)と、式(B)で表される燐光発光性化合物(B)とを含有する組成物を用いて得られる層であり、
燐光発光性化合物(A)が有する環RA1と環RA2とで構成される配位子骨格の少なくとも1つと、燐光発光性化合物(B)が有する環RB1と環RB2とで構成される配位子骨格の少なくとも1つとが、互いに異なる、発光素子である。
正孔輸送層と、架橋基を有する材料との関係についていう「用いて得られる」とは、架橋基を有する材料を用いて正孔輸送層が形成されていることを意味する。架橋基を有する材料がそのまま正孔輸送層に含有されていてもよいし、架橋基を有する材料が分子内、分子間、または、それらの両方で架橋した状態(架橋基を有する材料の架橋体)で正孔輸送層に含有されていてもよい。
発光層と組成物との関係についていう「用いて得られる」とは、組成物を用いて発光層が形成されていることを意味する。組成物に含有される燐光発光性化合物(A)および燐光発光性化合物(B)がそのまま発光層に含有されていてもよいし、組成物に含有される燐光発光性化合物(A)または燐光発光性化合物(B)が分子内、分子間、または、それらの両方で架橋した状態(燐光発光性化合物(A)の架橋体または燐光発光性化合物(B)の架橋体)で発光層に含有されていてもよい。
正孔輸送層および発光層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、並びに、スピンコート法およびインクジェット印刷法に代表される塗布法が挙げられ、塗布法が好ましい。
正孔輸送層を塗布法により形成する場合、後述する正孔輸送層のインクを用いることが好ましい。正孔輸送層を形成後、加熱または光照射することで、正孔輸送層に含有される架橋基を有する材料を架橋させることができる。架橋基を有する材料が架橋した状態(架橋基を有する材料の架橋体)で、正孔輸送層に含有されている場合、正孔輸送層は溶媒に対して実質的に不溶化されている。そのため、該正孔輸送層は、発光素子の積層化に好適に使用することができる。
発光層を塗布法により形成する場合、後述する発光層のインクを用いることが好ましい。発光層を形成後、加熱または光照射することで、燐光発光性化合物(A)または燐光発光性化合物(B)を架橋させることができる。燐光発光性化合物(A)または燐光発光性化合物(B)が架橋した状態(燐光発光性化合物(A)の架橋体または燐光発光性化合物(B)の架橋体)で、発光層に含有されている場合、発光層は溶媒に対して実質的に不溶化されている。そのため、該発光層は、発光素子の積層化に好適に使用することができる。
架橋させるための加熱の温度は、通常、25〜300℃であり、好ましくは50〜250℃であり、より好ましくは150〜200℃である。
架橋させるための光照射に用いられる光の種類は、例えば、紫外光、近紫外光、可視光である。
正孔輸送層の形態(架橋基を有する材料がそのまま含有されているか、架橋基を有する材料の架橋体が含有されているか)および発光層の形態(燐光発光性化合物(A)および燐光発光性化合物(B)がそのまま含有されているか、燐光発光性化合物(A)の架橋体または燐光発光性化合物(B)の架橋体が含有されているか)の分析方法としては、例えば、抽出等に代表される化学的分離分析法、赤外分光法(IR)、核磁気共鳴分光法(NMR)、質量分析法(MS)等に代表される機器分析法、並びに、化学的分離分析法および機器分析法を組み合わせた分析法が挙げられる。
正孔輸送層または発光層に対して、トルエン、キシレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等に代表される有機溶媒を用いた固液抽出を行うことで、有機溶媒に対して実質的に不溶な成分(不溶成分)と、有機溶媒に対して溶解する成分(溶解成分)とに分離することが可能である。得られた不溶成分は、赤外分光法(IR)または核磁気共鳴分光法(NMR)により分析することが可能であり、得られた溶解成分は、核磁気共鳴分光法(NMR)または質量分析法(MS)により分析することが可能である。
<発光層>
本発明の発光素子が有する発光層は、発光スペクトルの最大ピーク波長が400nm以上495nm未満であり、式(A)で表される燐光発光性化合物(A)と、発光スペクトルの最大ピーク波長が400nm以上495nm未満であり、式(B)で表される燐光発光性化合物(B)とを含有する組成物(以下、「発光層の組成物」ともいう。)を用いて得られる層である。
燐光発光性化合物の発光スペクトルの最大ピーク波長は、燐光発光性化合物を、キシレン、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等の有機溶媒に溶解させ、希薄溶液を調製し(1×10−6〜1×10−3wt%程度)、該希薄溶液のPLスペクトルを室温で測定することで評価することができる。燐光発光性化合物を溶解させる有機溶媒としては、キシレンが好ましい。
<燐光発光性化合物(A)および燐光発光性化合物(B)>
式(A)で表される燐光発光性化合物(A)は、中心金属であるMと、添え字nでその数を規定されている配位子と、添え字nでその数を規定されている配位子とから構成されている。
式(B)で表される燐光発光性化合物(B)は、中心金属であるMと、添え字nでその数を規定されている配位子と、添え字nでその数を規定されている配位子とから構成されている。
燐光発光性化合物(A)が有する環RA1と環RA2とで構成される配位子骨格の少なくとも1つと、燐光発光性化合物(B)が有する環RB1と環RB2とで構成される配位子骨格の少なくとも1つとは、互いに異なる。
式(A)および式(B)中、Mは、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、イリジウム原子または白金原子であることが好ましく、イリジウム原子であることがより好ましい。
式(A)および式(B)中、Mがルテニウム原子、ロジウム原子またはイリジウム原子の場合、nは2または3であることが好ましく、3であることがより好ましい。
式(A)および式(B)中、Mがパラジウム原子または白金原子の場合の場合、nは2であることが好ましい。
式(A)中、EA1およびEA2は、炭素原子であることが好ましい。
式(B)中、EB1およびEB2は、炭素原子であることが好ましい。
式(A)中、環RA1は、ピリジン環、ピリミジン環、イミダゾール環またはトリアゾール環であることが好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。
式(B)中、環RB1は、ピリジン環、ピリミジン環、イミダゾール環またはトリアゾール環であることが好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。
式(A)中、環RA2は、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、ピロール環、フラン環またはチオフェン環であることが好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、ピリジン環、ジアザベンゼン環またはトリアジン環であることがより好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、ピリジン環またはピリミジン環であることが更に好ましく、ベンゼン環、ピリジン環またはピリミジン環であることが特に好ましく、ベンゼン環であることがとりわけ好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。
式(B)中、環RB2は、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、ピロール環、フラン環またはチオフェン環であることが好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、ピリジン環、ジアザベンゼン環またはトリアジン環であることがより好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、ピリジン環またはピリミジン環であることが更に好ましく、ベンゼン環、ピリジン環またはピリミジン環であることが特に好ましく、ベンゼン環であることがとりわけ好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。
環RA1、環RA2、環RB1および環RB2が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基または置換アミノ基が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基がより好ましく、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基が更に好ましく、アルキル基またはアリール基が特に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
環RA1、環RA2、環RB1および環RB2が有していてもよい置換基は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは、アルキル基またはフェニル基であり、より好ましくは、アルキル基、または、式(D-A1)、(D-B1)若しくは(D-C1)〜(D-C4)で表される基であり、更に好ましくは、アルキル基、または、式(D-A1)、(D-C1)若しくは(D-C2)で表される基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
Figure 0006468289
[式中、
p4、Rp5およびRp6は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Rp4、Rp5およびRp6が複数ある場合、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
np4は、0〜4の整数を表し、np5は0〜5の整数を表し、np6は0〜5の整数を表す。]
np4は、好ましくは1または2であり、より好ましくは2である。np5は、好ましくは1〜3の整数であり、より好ましくは2または3である。np6は、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0である。
p4、Rp5およびRp6は、好ましくはアルキル基またはシクロアルキル基である。
本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、燐光発光性化合物(A)が有する環RA1と環RA2とで構成される配位子骨格の全てと、燐光発光性化合物(B)が有する環RB1と環RB2とで構成される配位子骨格の全てとは、互いに異なることが好ましい。
式(A)中、環RA1が6員環の芳香族複素環である場合、環RA2は電子求引基を有する。環RA2が有する電子求引基の個数は、通常1個以上10個以下であり、燐光発光性化合物(A)の合成が容易であるため、好ましくは2個以上5個以下であり、より好ましくは2個または3個である。式(B)中、環RB1が6員環の芳香族複素環である場合、環RB2は電子求引基を有する。環RB2が有する電子求引基の個数は、通常1個以上10個以下であり、燐光発光性化合物(B)の合成が容易であるため、好ましくは2個以上5個以下であり、より好ましくは2個または3個である。
「電子求引基」としては、例えば、−C(=X101)−R101で表される基、ハロゲン原子、ハロゲン原子を置換基として有するアルキル基、ハロゲン原子を置換基として有するシクロアルキル基、シアノ基およびニトロ基が挙げられ、好ましくは、フッ素原子、フッ素原子を置換基として有するアルキル基、フッ素原子を置換基として有するシクロアルキル基またはシアノ基であり、より好ましくは、フッ素原子、フッ素原子を置換基として有するアルキル基またはフッ素原子を置換基として有するシクロアルキル基である。
「ハロゲン原子を置換基として有するアルキル基」とは、アルキル基が有する水素原子のうち、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された基を意味する。また、「ハロゲン原子を置換基として有するシクロアルキル基」とは、シクロアルキル基が有する水素原子のうち、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
フッ素原子を有するアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基およびパーフルオロオクチル基が挙げられ、トリフルオロメチル基であることが好ましい。
101は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基または置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
101は、=N−R102で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、酸素原子であることが好ましい。
102は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
101およびR102が有していてもよい置換基の例および好ましい範囲は、環RA1、環RA2、環RB1および環RB2が有していてもよい置換基の例および好ましい範囲と同様である。
−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子としては、例えば、下記で表される配位子が挙げられる。
Figure 0006468289
Figure 0006468289
[式中、*は、Mと結合する部位を示す。]
燐光発光性化合物(A)のHOMO(最高被占軌道準位)は、−6.5eV〜−4.5eVであることが好ましい。燐光発光性化合物(B)のHOMOは、−6.5eV〜−4.5eVであることが好ましい。本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、燐光発光性化合物(A)のHOMO(以下、「HOMO(A)」ともいう。)と、燐光発光性化合物(B)のHOMO(以下、「HOMO(B)」ともいう。)とは、下記式(HOMO−1)を満たすことが好ましい。

0.2≦ |HOMO(A)−HOMO(B)| (HOMO−1)
燐光発光性化合物(A)のLUMO(最低空軌道準位)は、−3.0eV〜−1.5eVであることが好ましい。燐光発光性化合物(B)のLUMOは、−3.0eV〜−1.5eVであることが好ましい。本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、燐光発光性化合物(A)のLUMO(以下、「LUMO(A)」ともいう。)と、燐光発光性化合物(B)のLUMO(以下、「LUMO(B)」ともいう。)とは、下記式(LUMO−1)を満たすことが好ましい。

0.2≦ |LUMO(A)−LUMO(B)| (LUMO−1)
燐光発光性化合物(A)および燐光発光性化合物(B)のHOMOは、CV測定(サイクリックボルタンメトリ測定)の酸化準位から測定することができる。また、燐光発光性化合物(A)および燐光発光性化合物(B)のHOMOは、光電子分光測定から測定することができる。
燐光発光性化合物(A)および燐光発光性化合物(B)のLUMOは、CV測定(サイクリックボルタンメトリ測定)の還元準位から測定することができる。また、燐光発光性化合物(A)および燐光発光性化合物(B)のLUMOは、光電子分光測定から測定したHOMOに、Eg(バンドギャップ)を加算することにより算出することができる。燐光発光性化合物(A)および燐光発光性化合物(B)のEgは、燐光発光性化合物(A)および燐光発光性化合物(B)の吸収スペクトルを測定し、該吸収スペクトルの吸収端から算出することができる。
発光層の組成物に含有される燐光発光性化合物(A)および燐光発光性化合物(B)の組み合わせとしては、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、燐光発光性化合物(A)が式(A−1)で表される燐光発光性化合物であり、燐光発光性化合物(B)が式(B−1)で表される燐光発光性化合物である組み合わせ、または、燐光発光性化合物(A)が式(A−2)で表される燐光発光性化合物であり、燐光発光性化合物(B)が式(B−2)で表される燐光発光性化合物である組み合わせが好ましい。
[式(A−1)で表される燐光発光性化合物]
式(A−1)中、環RA3は、ピリジン環またはピリミジン環であることが好ましく、ピリジン環であることがより好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。環RA3が有していてもよい置換基の例および好ましい範囲は、環RA1が有していてもよい置換基の例および好ましい範囲と同様である。
式(A−1)中、環RA4の例および好ましい範囲は、環RA2の例および好ましい範囲と同様である。環RA4が有していてもよい置換基の例および好ましい範囲は、環RA2が有していてもよい置換基の例および好ましい範囲と同様である。但し、環RA4は電子求引基を有する。
環RA4が有する電子求引基の個数、例および好ましい範囲は、環RA2が電子求引基を有する場合の電子求引基の個数、例および好ましい範囲と同様である。
[式(B−1)で表される燐光発光性化合物]
式(B−1)中、環RB3は、イミダゾール環、ピラゾール環またはトリアゾール環であることが好ましく、イミダゾール環またはトリアゾール環であることがより好ましく、トリアゾール環であることが更に好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。環RB3が有していてもよい置換基の例および好ましい範囲は、環RB1が有していてもよい置換基の例および好ましい範囲と同様である。
式(B−1)中、環RB4の例および好ましい範囲は、環RB2の例および好ましい範囲と同様である。環RA4が有していてもよい置換基の例および好ましい範囲は、環RA2が有していてもよい置換基の例および好ましい範囲と同様である。
式(B−1)中、環RB3または環RB4は、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基を置換基として有することが好ましく、アリール基または1価の複素環基を置換基として有することがより好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
[式(A−2)で表される燐光発光性化合物]
式(A−2)中、環RA5が有していてもよい置換基の例および好ましい範囲は、環RA1が有していてもよい置換基が有していてもよい置換基の例および好ましい範囲と同様である。
式(A−2)中、環RA6の例および好ましい範囲は、環RA2の例および好ましい範囲と同様である。環RA6が有していてもよい置換基の例および好ましい範囲は、環RA2が有していてもよい置換基の例および好ましい範囲と同様である。
式(A−2)中、環RA5または環RA6は、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基を置換基として有することが好ましく、アリール基または1価の複素環基を置換基として有することがより好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
[式(B−2)で表される燐光発光性化合物]
式(B−2)中、環RB5が有していてもよい置換基の例および好ましい範囲は、環RB1が有していてもよい置換基の例および好ましい範囲と同様である。
式(B−2)中、環RB6の例および好ましい範囲は、環RB2の例および好ましい範囲と同様である。環RB6が有していてもよい置換基の例および好ましい範囲は、環RB2が有していてもよい置換基の例および好ましい範囲と同様である。
式(B−2)中、環RB5または環RB6は、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基を置換基として有することが好ましく、アリール基または1価の複素環基を置換基として有することがより好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
発光層の組成物に含有される燐光発光性化合物(A)および燐光発光性化合物(B)の組み合わせが、燐光発光性化合物(A)が式(A−1)で表される燐光発光性化合物であり、燐光発光性化合物(B)が式(B−1)で表される燐光発光性化合物である組み合わせの場合、式(A−1)で表される燐光発光性化合物が式(A−3)で表される燐光発光性化合物であり、式(B−1)で表される燐光発光性化合物が式(B−3)で表される燐光発光性化合物である組み合わせが好ましい。
[式(A−3)で表される燐光発光性化合物]
式(A−3)中、環RA7がピリミジン環である場合、EA71が窒素原子であるピリミジン環、または、EA73が窒素原子であるピリミジン環が好ましく、EA71が窒素原子であるピリミジン環がより好ましい。
式(A−3)中、環RA7は、ピリジン環が好ましい。
式(A−3)中、RA71、RA72、RA73およびRA74は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であることが更に好ましく、水素原子であることが特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
式(A−3)中、環RA8がピリジン環である場合、EA82が窒素原子であるピリジン環、EA83が窒素原子であるピリジン環、または、EA84が窒素原子であるピリジン環が好ましく、EA82が窒素原子であるピリジン環がより好ましい。
環式(A−3)中、RA8がピリミジン環である場合、EA81およびEA83が窒素原子であるピリミジン環、または、EA82およびEA84が窒素原子であるピリミジン環が好ましく、EA82およびEA84が窒素原子であるピリミジン環がより好ましい。
式(A−3)中、環RA8は、ベンゼン環であることが好ましい。
式(A−3)中、RA81、RA82、RA83およびRA84は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、置換アミノ基またはフッ素原子であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノは、デンドロンであることが好ましい。
式(A−3)中、RA81、RA82、RA83およびRA84の少なくとも1つは、電子求引基であるが、RA81およびRA83の少なくとも1つが、電子求引基であることが好ましい。電子求引基の例および好ましい範囲は、環RA2が電子求引基を有する場合の電子求引基の例および好ましい範囲と同様である。
式(A−3)中、RA84は、水素原子であることが好ましい。
[式(B−3)で表される燐光発光性化合物]
式(B−3)中、環RB7がイミダゾ―ル環である場合、EB71が窒素原子であるイミダゾール環、または、EB72が窒素原子であるイミダゾール環が好ましく、EB71が窒素原子であるイミダゾール環がより好ましい。
式(B−3)中、環RB7がトリアゾール環である場合、EB71およびEB72が窒素原子であるトリアゾール環、または、EB71およびEB73が窒素原子であるトリアゾール環が好ましく、EB71およびEB72が窒素原子であるトリアゾール環がより好ましい。
式(B−3)中、EB71が窒素原子であり、且つ、RB71が存在する場合、RB71はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
式(B−3)中、EB71が窒素原子であり、且つ、RB71が存在する場合、RB71は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは、アルキル基またはフェニル基であり、より好ましくは、アルキル基、または、式(D-A1)、(D-B1)若しくは(D-C1)〜(D-C4)で表される基であり、更に好ましくは、アルキル基、または、式(D-C1)若しくは(D-C2)で表される基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(B−3)中、EB71が炭素原子である場合、RB71は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(B−3)中、EB72が窒素原子であり、且つ、RB72が存在する場合、RB72はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
式(B−3)中、EB72が窒素原子であり、且つ、RB72が存在する場合、RB72は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは、アルキル基またはフェニル基であり、より好ましくは、アルキル基、または、式(D-A1)、(D-B1)若しくは(D-C1)〜(D-C4)で表される基であり、更に好ましくは、アルキル基、または、式(D-C1)若しくは(D-C2)で表される基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(B−3)中、EB72が炭素原子である場合、RB72は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(B−3)中、EB73が窒素原子であり、且つ、RB73が存在する場合、RB73はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
式(B−3)中、EB73が炭素原子である場合、RB73は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(B−3)中、環RB7がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基を有する場合、RB71またはRB72がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、RB71がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
式(B−3)中、環RB8がピリジン環である場合、EB82が窒素原子であるピリジン環、EB83が窒素原子であるピリジン環、または、EB84が窒素原子であるピリジン環が好ましく、EB82が窒素原子であるピリジン環がより好ましい。
式(B−3)中、環RB8がピリミジン環である場合、EB81およびEB83が窒素原子であるピリミジン環、または、EB82およびEB84が窒素原子であるピリミジン環が好ましく、EB82およびEB84が窒素原子であるピリミジン環がより好ましい。
式(B−3)中、環RB8は、ベンゼン環であることが好ましい。
式(B−3)中、RB81、RB82、RB83およびRB84は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノは、デンドロンであることが好ましい。
式(B−3)中、RB81、RB82、RB83およびRB84は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは、水素原子、アルキル基またはフェニル基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、または、式(D-A1)、(D-B1)若しくは(D-C1)〜(D-C4)で表される基であり、更に好ましくは、水素原子、または、式(D-A1)、(D-B1)若しくは(D-C1)〜(D-C4)で表される基であり、特に好ましくは、水素原子、または、式(D-A1)で表される基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(B−3)中、RB84は、水素原子であることが好ましい。
式(B−3)中、環RB8がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基を有する場合、RB82またはRB83がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、RB82がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
発光層の組成物に含有される燐光発光性化合物(A)および燐光発光性化合物(B)の組み合わせが、燐光発光性化合物(A)が式(A−2)で表される燐光発光性化合物であり、燐光発光性化合物(B)が式(B−2)で表される燐光発光性化合物である組み合わせの場合、式(A−2)で表される燐光発光性化合物が式(A−4)で表される燐光発光性化合物であり、式(B−2)で表される燐光発光性化合物が式(B−4)で表される燐光発光性化合物である組み合わせが好ましい。
[式(A−4)で表される燐光発光性化合物]
式(A−4)中、環RA9は、EA91が窒素原子であるイミダゾール環、または、EA92が窒素原子であるイミダゾール環が好ましく、EA91が窒素原子であるイミダゾール環がより好ましい。
式(A−4)中、EA91が窒素原子であり、且つ、RA91が存在する場合、RA91はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、アリール基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
式(A−4)中、EA91が窒素原子であり、且つ、RA91が存在する場合、RA91は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは、フェニル基であり、より好ましくは、式(D-A1)、(D-B1)または(D-C1)〜(D-C4)で表される基であり、更に好ましくは、式(D-C1)または(D-C2)で表される基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(A−4)中、EA91が炭素原子である場合、RA91は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(A−4)中、EA92が窒素原子であり、且つ、RA92が存在する場合、RA92はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
式(A−4)中、EA92が窒素原子であり、且つ、RA92が存在する場合、RA92は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは、フェニル基であり、より好ましくは、式(D-A1)、(D-B1)または(D-C1)〜(D-C4)で表される基であり、更に好ましくは、式(D-C1)または(D-C2)で表される基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(A−4)中、EA92が炭素原子である場合、RA92は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(A−4)中、RA93は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(A−4)中、環RA9がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基を有する場合、RA91またはRA92がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、RA91がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
式(A−4)中、環RA10がピリジン環である場合、EA102が窒素原子であるピリジン環、EA103が窒素原子であるピリジン環、または、EA104が窒素原子であるピリジン環が好ましく、EA102が窒素原子であるピリジン環がより好ましい。
式(A−4)中、環RA10がピリミジン環である場合、EA101およびEA103が窒素原子であるピリミジン環、または、EA102およびEA104が窒素原子であるピリミジン環が好ましく、EA102およびEA104が窒素原子であるピリミジン環がより好ましい。
式(A−4)中、環RA10は、ベンゼン環であることが好ましい。
式(A−4)中、RA101、RA102、RA103およびRA104は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノは、デンドロンであることが好ましい。
式(A−4)中、RA101、RA102、RA103およびRA104は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは、水素原子、アルキル基またはフェニル基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、または、式(D-A1)、(D-B1)若しくは(D-C1)〜(D-C4)で表される基であり、更に好ましくは、水素原子またはアルキル基であり、特に好ましくは水素原子であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(A−4)中、RA104は、水素原子であることが好ましい。
式(A−4)中、環RA10がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基を有する場合、RA102またはRA103がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、RA102がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
[式(B−4)で表される燐光発光性化合物]
式(B−4)中、環RB9は、EB91およびEB92が窒素原子であるトリアゾール環、または、EB91およびEB93が窒素原子であるトリアゾール環が好ましく、EB91およびEB92が窒素原子であるトリアゾール環がより好ましい。
式(B−4)中、EB91が窒素原子であり、且つ、RB91が存在する場合、RB91はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
式(B−4)中、EB91が窒素原子であり、且つ、RB91が存在する場合、RB91は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは、アルキル基またはフェニル基であり、より好ましくは、アルキル基、または、式(D-A1)、(D-B1)若しくは(D-C1)〜(D-C4)で表される基であり、更に好ましくは、アルキル基、または、式(D-C1)若しくは(D-C2)で表される基であり、特に好ましくはアルキル基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(B−4)中、EB91が炭素原子である場合、RB91は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(B−4)中、EB92が窒素原子であり、且つ、RB92が存在する場合、RB92はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
式(B−4)中、EB92が窒素原子であり、且つ、RB92が存在する場合、RB92は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは、アルキル基またはフェニル基であり、より好ましくは、アルキル基、または、式(D-A1)、(D-B1)若しくは(D-C1)〜(D-C4)で表される基であり、更に好ましくは、アルキル基、または、式(D-C1)若しくは(D-C2)で表される基であり、特に好ましくはアルキル基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(B−4)中、EB92が炭素原子である場合、RB92は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(B−4)中、EB93が窒素原子であり、且つ、RB93が存在する場合、RB93はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
式(B−4)中、EB93が炭素原子である場合、RB93は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(B−4)中、環RB9がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基を有する場合、RB91またはRB92がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、RB91がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
式(B−4)中、環RB10がピリジン環である場合、EB102が窒素原子であるピリジン環、EB103が窒素原子であるピリジン環、または、EB104が窒素原子であるピリジン環が好ましく、EB102が窒素原子であるピリジン環がより好ましい。
式(B−4)中、環RB10がピリミジン環である場合、EB101およびEB103が窒素原子であるピリミジン環、または、EB102およびEB104が窒素原子であるピリミジン環が好ましく、EB102およびEB104が窒素原子であるピリミジン環ことがより好ましい。
式(B−4)中、環RB10は、ベンゼン環であることが好ましい。
式(B−4)中、RB101、RB102、RB103およびRB104は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノは、デンドロンであることが好ましい。
式(B−4)中、RB101、RB102、RB103およびRB104は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは、水素原子、アルキル基またはフェニル基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、または、式(D-A1)、(D-B1)若しくは(D-C1)〜(D-C4)で表される基であり、更に好ましくは、水素原子、または、式(D-A1)、(D-B1)若しくは(D-C1)〜(D-C4)で表される基であり、特に好ましくは、水素原子、または、式(D-A1)で表される基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(B−4)中、RB104は、水素原子であることが好ましい。
式(B−4)中、環RB10がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基を有する場合、RB102またはRB103がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、RB102がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
発光層の組成物に含有される燐光発光性化合物(A)および燐光発光性化合物(B)の組み合わせが、燐光発光性化合物(A)が式(A−3)で表される燐光発光性化合物であり、燐光発光性化合物(B)が式(B−3)で表される燐光発光性化合物である組み合わせの場合、式(A−3)で表される燐光発光性化合物が式(1)、(2)または(3)で表される燐光発光性化合物であり、式(B−3)で表される燐光発光性化合物が式(4)、(5)、(6)または(7)で表される燐光発光性化合物である組み合わせが好ましい。
これらの中でも、式(A−3)で表される燐光発光性化合物としては、式(1)または(2)で表される燐光発光性化合物が好ましく、式(1)で表される燐光発光性化合物がより好ましい。また、式(B−3)で表される燐光発光性化合物としては、式(4)、(6)または(7)で表される燐光発光性化合物が好ましく、式(4)または(6)で表される燐光発光性化合物がより好ましく、式(6)で表される燐光発光性化合物がさらに好ましい。
発光層の組成物に含有される燐光発光性化合物(A)および燐光発光性化合物(B)の組み合わせが、燐光発光性化合物(A)が式(A−4)で表される燐光発光性化合物であり、燐光発光性化合物(B)が式(B−4)で表される燐光発光性化合物である組み合わせの場合、式(A−4)で表される燐光発光性化合物が式(4)または(5)で表される燐光発光性化合物であり、式(B−4)で表される燐光発光性化合物が式(6)または(7)で表される燐光発光性化合物である組み合わせが好ましい。
これらの中でも、式(A−4)で表される燐光発光性化合物としては、式(4)で表される燐光発光性化合物が好ましい。また、式(B−4)で表される燐光発光性化合物としては、式(6)で表される燐光発光性化合物が好ましい。
[式(1)〜(3)で表される燐光発光性化合物]
式(1)〜式(3)中、Mは、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるため、イリジウム原子であることが好ましい。
式(1)〜式(3)中、Mがイリジウム原子の場合、nは2または3であることが好ましく、3であることがより好ましい。
式(1)〜式(3)中、Mが白金原子の場合の場合、nは2であることが好ましい。
式(1)〜式(3)中、R、R、RおよびRは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であることが更に好ましく、水素原子であることが特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
式(1)〜式(3)中、R11、R12、R13およびR14は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、置換アミノ基またはフッ素原子であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基としては、デンドロンであることが好ましい。
式(1)〜式(3)中、R11、R12、R13およびR14の少なくとも1つは、電子求引基であるが、R11およびR13の少なくとも1つが、電子求引基であることが好ましい。電子求引基の例および好ましい範囲は、環RA2が電子求引基を有する場合の電子求引基の例および好ましい範囲と同様である。
式(1)〜式(3)中、R14は、水素原子であることが好ましい。
式(1)で表される燐光発光性化合物としては、例えば、式(1−1)〜(1−13)で表される燐光発光性化合物が挙げられ、式(1−1)〜(1−12)で表される燐光発光性化合物が好ましい。
Figure 0006468289
式(2)で表される燐光発光性化合物としては、例えば、式(2−1)〜(2−13)で表される燐光発光性化合物が挙げられ、式(2−1)〜(2−12)で表される燐光発光性化合物が好ましい。
Figure 0006468289
式(3)で表される燐光発光性化合物としては、例えば、式(3−1)〜(3−13)で表される燐光発光性化合物が挙げられ、式(3−1)〜(3−12)で表される燐光発光性化合物が好ましい。
Figure 0006468289
[式(4)〜(7)で表される燐光発光性化合物]
式(4)〜式(7)中、Mは、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるため、イリジウム原子であることが好ましい。
式(4)〜式(7)中、Mがイリジウム原子の場合、nは2または3であることが好ましく、3であることがより好ましい。
式(4)〜式(7)中、Mが白金原子の場合の場合、nは2であることが好ましい。
式(4)〜式(7)中、R21、R22およびR23は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
式(4)〜式(7)中、配位子骨格を形成するイミダゾール環またはトリアゾール環ががアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基を有する場合、R21またはR22がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、R21がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
式(4)および(6)中、R21は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは、アルキル基またはフェニル基であり、より好ましくは、アルキル基、または、式(D-A1)、(D-B1)若しくは(D-C1)〜(D-C4)で表される基であり、更に好ましくは、アルキル基、または、式(D-C1)若しくは(D-C2)で表される基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(5)および(7)中、R22は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは、アルキル基またはフェニル基であり、より好ましくは、アルキル基、または、式(D-A1)、(D-B1)若しくは(D-C1)〜(D-C4)で表される基であり、更に好ましくは、アルキル基、または、式(D-C1)若しくは(D-C2)で表される基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
31、R32、R33およびR34は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
31、R32、R33およびR34は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは、水素原子、アルキル基またはフェニル基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、または、式(D-A1)、(D-B1)若しくは(D-C1)〜(D-C4)で表される基であり、更に好ましくは、水素原子、または、式(D-A1)、(D-B1)若しくは(D-C1)〜(D-C4)で表される基であり、特に好ましくは、水素原子、または、式(D-A1)で表される基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(4)〜式(7)中、R34は、水素原子であることが好ましい。
式(4)〜式(7)中、配位子骨格を形成するベンゼン環がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基を有する場合、R32またはR33がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、R32がアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基は、デンドロンであることが好ましい。
式(4)で表される燐光発光性化合物としては、例えば、式(4−1)〜(4−19)で表される燐光発光性化合物が挙げられ、式(4−1)〜(4−17)で表される燐光発光性化合物が好ましく、式(4−5)〜(4−17)で表される燐光発光性化合物がより好ましい。
Figure 0006468289
Figure 0006468289
式(5)で表される燐光発光性化合物としては、例えば、式(5−1)〜(5−19)で表される燐光発光性化合物が挙げられ、式(5−1)〜(5−17)で表される燐光発光性化合物が好ましく、式(5−5)〜(5−17)で表される燐光発光性化合物がより好ましい。
Figure 0006468289
Figure 0006468289
式(6)で表される燐光発光性化合物としては、例えば、式(6−1)〜(6−15)で表される燐光発光性化合物が挙げられ、式(6−1)〜(6−13)で表される燐光発光性化合物が好ましい。
Figure 0006468289
式(7)で表される燐光発光性化合物としては、例えば、式(7−1)〜(7−15)で表される燐光発光性化合物が挙げられ、式(7−1)〜(7−13)で表される燐光発光性化合物が好ましい。
Figure 0006468289
燐光発光性化合物(A)および燐光発光性化合物(B)としては、例えば、式(1−1)〜(1−13)、(2−1)〜(2−13)、(3−1)〜(3−13)、(4−1)〜(4−19)、(5−1)〜(5−19)、(6−1)〜(6−15)、(7−1)〜(7−15)、COM−9〜COM−13、および、COM−16〜COM−21で表される燐光発光性化合物が挙げられる。
Figure 0006468289
Figure 0006468289
燐光発光性化合物(A)および燐光発光性化合物(B)は、Aldrich、Luminescence Technology Corp.、American Dye Source等から入手可能である。
また、上記以外の入手方法として、「Journal of the American Chemical Society,Vol.107,1431−1432(1985)」、「Journal of the American Chemical Society,Vol.106,6647−6653(1984)」、国際公開第2002/44189号、特表2004−530254号公報、特開2006−188673号公報、特表2007−504272号公報、特開2008−179617号公報、特開2011−105701号公報、国際公開第2011/024761号、特開2013−147449号公報、特開2013−147450号公報等の文献に記載の公知の方法により製造することも可能である。
[組成比]
発光層の組成物において、燐光発光性化合物(A)と燐光発光性化合物(B)の合計を100重量部とした場合、燐光発光性化合物(B)の含有量は、通常1〜10000重量部であり、好ましくは10〜1000重量部であり、さらに好ましくは20重量部〜500重量部である。
<その他の成分>
発光層の組成物は、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料(燐光発光性化合物(A)および燐光発光性化合物(B)とは異なる。)、酸化防止剤および溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料をさらに含有していてもよい。
[ホスト材料]
発光層の組成物は、正孔注入性、正孔輸送性、電子注入性および電子輸送性からなる群から選ばれる少なくとも1つの機能を有するホスト材料をさらに含有することにより、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れたものとなる。発光層の組成物において、ホスト材料は、1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。
ホスト材料を含有する発光層の組成物において、燐光発光性化合物(A)と燐光発光性化合物(B)との合計含有量は、燐光発光性化合物(A)と燐光発光性化合物(B)とホスト材料との合計を100重量部とした場合、通常、0.05〜80重量部であり、好ましくは0.1〜50重量部であり、より好ましくは0.5〜40重量部である。
ホスト材料の有する最低励起三重項状態(T1)は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、燐光発光性化合物(A)および燐光発光性化合物(B)の有するT1と同等のエネルギー準位、または、より高いエネルギー準位であることが好ましい。
ホスト材料としては、本発明の発光素子を溶液塗布プロセスで作製できるので、燐光発光性化合物(A)および燐光発光性化合物(B)を溶解することが可能な溶媒に対して溶解性を示すものであることが好ましい。
ホスト材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。
[低分子ホスト]
ホスト材料として好ましい低分子化合物(以下、「低分子ホスト」と言う。)に関して説明する。
低分子ホストは、好ましくは、式(H−1)で表される化合物である。
Figure 0006468289
[式中、
ArH1およびArH2は、それぞれ独立に、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
H1およびnH2は、それぞれ独立に、0または1を表す。nH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。複数存在するnH2は、同一でも異なっていてもよい。
H3は、0以上の整数を表す。
H1は、アリーレン基、2価の複素環基、または、−[C(RH11]nH11−で表される基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
H11は、1以上10以下の整数を表す。RH11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRH11は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
H2は、−N(−LH21−RH21)−で表される基を表す。LH2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
H21は、単結合、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RH21は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
ArH1およびArH2は、フェニル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ピロリル基、インドリル基、アザインドリル基、カルバゾリル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、フェノキサジニル基またはフェノチアジニル基であることが好ましく、フェニル基、スピロビフルオレニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフリル基、カルバゾリル基またはアザカルバゾリル基であることがより好ましく、フェニル基、ピリジル基、カルバゾリル基またはアザカルバゾリル基であることが更に好ましく、上記式(TDA−1)または(TDA−3)で表される基であることが特に好ましく、上記式(TDA−3)で表される基であることがとりわけ好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArH1およびArH2が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基が好ましく、アルキル基、シクロアルコキシ基、アルコキシ基またはシクロアルコキシ基がより好ましく、アルキル基またはシクロアルコキシ基が更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
H1は、好ましくは1である。nH2は、好ましくは0である。
H3は、通常、0以上10以下の整数であり、好ましくは0以上5以下の整数であり、更に好ましくは1以上3以下の整数であり、特に好ましくは1である。
H11は、好ましくは1以上5以下の整数であり、より好ましく1以上3以下の整数であり、更に好ましく1である。
H11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であることがより好ましく、水素原子またはアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
H1は、アリーレン基または2価の複素環基であることが好ましい。
H1は、式(A−1)〜(A−3)、式(A−8)〜(A−10)、式(AA−1)〜(AA−6)、式(AA−10)〜(AA−21)または式(AA−24)〜(AA−34)で表される基であることが好ましく、式(A−1)、式(A−2)、式(A−8)、式(A−9)、式(AA−1)〜(AA−4)、式(AA−10)〜(AA−15)または式(AA−29)〜(AA−34)で表される基であることがより好ましく、式(A−1)、式(A−2)、式(A−8)、式(A−9)、式(AA−2)、式(AA−4)、式(AA−10)〜(AA−15)で表される基であることが更に好ましく、式(A−1)、式(A−2)、式(A−8)、式(AA−2)、式(AA−4)、式(AA−10)、式(AA−12)または式(AA−14)で表される基であることが特に好ましく、式(A−1)、式(A−2)、式(AA−2)、式(AA−4)または式(AA−14)で表される基であることがとりわけ好ましい。
H1が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基がより好ましく、アルキル基、アリール基または1価の複素環基が更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
H21は、単結合またはアリーレン基であることが好ましく、単結合であることがより好ましく、このアリーレン基は置換基を有していてもよい。
H21で表されるアリーレン基または2価の複素環基の定義および例は、LH1で表されるアリーレン基または2価の複素環基の定義および例と同様である。
H21は、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
H21で表されるアリール基および1価の複素環基の定義および例は、ArH1およびArH2で表されるアリール基および1価の複素環基の定義および例と同様である。
H21が有していてもよい置換基の定義および例は、ArH1およびArH2が有していてもよい置換基の定義および例と同様である。
式(H−1)で表される化合物は、式(H−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006468289
[式中、ArH1、ArH2、nH3およびLH1は、前記と同じ意味を表す。]
式(H−1)で表される化合物としては、下記式(H−101)〜(H−118)で表される化合物が例示される。
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
ホスト材料に用いられる高分子化合物としては、例えば、後述の正孔輸送材料である高分子化合物、後述の電子輸送材料である高分子化合物が挙げられる。
[高分子ホスト]
ホスト化合物として好ましい高分子化合物(以下、「高分子ホスト」と言う。)に関して説明する。
高分子ホストは、好ましくは、式(Y)で表される構成単位を含む高分子化合物である。
Figure 0006468289
[式中、ArY1は、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
ArY1で表されるアリーレン基は、より好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-6)-(A-10)、式(A-19)または式(A-20)で表される基であり、更に好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-7)、式(A-9)または式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される2価の複素環基は、より好ましくは、式(AA-1)-(AA-4)、式(AA-10)-(AA-15)、式(AA-18)-(AA-21)、式(AA-33)または式(AA-34)で表される基であり、更に好ましくは、式(AA-4)、式(AA-10)、式(AA-12)、式(AA-14)または式(AA-33)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、前述のArY1で表されるアリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同様である。
「少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基」としては、例えば、下記式で表される基が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。
Figure 0006468289
[式中、RXXは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
XXは、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される基が有してもよい置換基は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-1)-(Y-10)で表される構成単位が挙げられ、本発明の発光素子の輝度寿命の観点からは、好ましくは式(Y-1)-(Y-3)で表される構成単位であり、本発明の発光素子の電子輸送性の観点からは、好ましくは式(Y-4)-(Y-7)で表される構成単位であり、本発明の発光素子の正孔輸送性の観点からは、好ましくは式(Y-8)-(Y-10)で表される構成単位である。
Figure 0006468289
[式中、RY1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRY1同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
Y1は、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y-1)で表される構成単位は、好ましくは、式(Y-1')で表される構成単位である。
Figure 0006468289
[式中、RY11は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY11は、同一でも異なっていてもよい。]
Y11は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、より好ましくは、アルキル基またはシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006468289
[式中、RY1は前記と同じ意味を表す。XY1は、−C(RY2)2−、−C(RY2)=C(RY2)−またはC(RY2)2−C(RY2)2−で表される基を表す。RY2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY2は、同一でも異なっていてもよく、RY2同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
Y2は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2)2−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは両方がアルキル基もしくはシクロアルキル基、両方がアリール基、両方が1価の複素環基、または、一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基で他方がアリール基若しくは1価の複素環基であり、より好ましくは一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2)2−で表される基としては、好ましくは式(Y-A1)-(Y-A5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-A4)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006468289
Y1において、−C(RY2)=C(RY2)−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは両方がアルキル基もしくはシクロアルキル基、または、一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基中の4個のRY2は、好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基またはシクロアルキル基である。複数あるRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基は、好ましくは式(Y-B1)-(Y-B5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-B3)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006468289
[式中、RY2は前記と同じ意味を表す。]
式(Y-2)で表される構成単位は、式(Y-2')で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006468289
[式中、RY11およびXY1は前記と同じ意味を表す。]
Figure 0006468289
[式中、RY1およびXY1は前記と同じ意味を表す。]
式(Y-3)で表される構成単位は、式(Y-3')で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006468289
[式中、RY11およびXY1は前記と同じ意味を表す。]
Figure 0006468289
Figure 0006468289
[式中、RY1は前記と同じ意味を表す。RY3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Y3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y-4)で表される構成単位は、式(Y-4')で表される構成単位であることが好ましく、式(Y-6)で表される構成単位は、式(Y-6')で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006468289
[式中、RY11およびRY3は前記と同じ意味を表す。]
Figure 0006468289
[式中、RY1は前記を同じ意味を表す。RY4は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Y4は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-101)-(Y-121)で表されるアリーレン基からなる構成単位、式(Y-201)-(Y-206)で表される2価の複素環基からなる構成単位、式(Y-301)-(Y-304)で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基からなる構成単位が挙げられる。
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1がアリーレン基である構成単位は、本発明の発光素子の輝度寿命が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜80モル%であり、より好ましくは30〜60モル%である。
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1が2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基である構成単位は、本発明の発光素子の電荷輸送性が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜30モル%であり、より好ましくは3〜20モル%である。
式(Y)で表される構成単位は、高分子ホスト中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
高分子ホストは、正孔輸送性が優れるので、更に、下記式(X)で表される構成単位を含んでいてもよい。
Figure 0006468289
[式中、
X1およびaX2は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
ArX1およびArX3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2およびArX4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
X1、RX2およびRX3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
X1は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは2以下であり、より好ましくは1である。
X2は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは2以下であり、より好ましくは0である。
X1、RX2およびRX3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1およびArX3で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A-1)または式(A-9)で表される基であり、更に好ましくは式(A-1)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1およびArX3で表される2価の複素環基は、より好ましくは式(AA-1)、式(AA-2)または式(AA-7)-(AA-26)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1およびArX3は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX2およびArX4で表されるアリーレン基としては、より好ましくは式(A-1)、式(A-6)、式(A-7)、式(A-9)-(A-11)または式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2およびArX4で表される2価の複素環基のより好ましい範囲は、ArX1およびArX3で表される2価の複素環基のより好ましい範囲と同じである。
ArX2およびArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、ArX1およびArX3で表されるアリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同様である。
ArX2およびArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基としては、式(Y)のArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基と同様のものが挙げられる。
ArX2およびArX4は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX1〜ArX4およびRX1〜RX3で表される基が有してもよい置換基としては、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(X)で表される構成単位は、好ましくは式(X-1)-(X-7)で表される構成単位であり、より好ましくは式(X-1)-(X-6)で表される構成単位であり、更に好ましくは式(X-3)-(X-6)で表される構成単位である。
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
[式中、RX4およびRX5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基またはシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRX4は、同一でも異なっていてもよい。複数存在するRX5は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRX5同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
式(X)で表される構成単位は、正孔輸送性が優れるので、高分子ホストに含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.1〜50モル%であり、より好ましくは1〜40モル%であり、更に好ましくは5〜30モル%である。
式(X)で表される構成単位としては、例えば、式(X1-1)-(X1-11)で表される構成単位が挙げられ、好ましくは式(X1-3)-(X1-10)で表される構成単位である。
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
高分子ホストにおいて、式(X)で表される構成単位は、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。
高分子ホストとしては、例えば、表10の高分子化合物(P-1)〜(P-6)が挙げられる。
Figure 0006468289

[表中、p、q、r、sおよびtは、各構成単位のモル比率を示す。p+q+r+s+t=100であり、かつ、100≧p+q+r+s≧70である。その他の構成単位とは、式(Y)で表される構成単位、式(X)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。]
高分子ホストは、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、複数種の原料モノマーを共重合してなる共重合体であることが好ましい。
[高分子ホストの製造方法]
高分子ホストは、ケミカルレビュー(Chem. Rev.),第109巻,897-1091頁(2009年)等に記載の公知の重合方法を用いて製造することができ、Suzuki反応、Yamamoto反応、Buchwald反応、Stille反応、Negishi反応およびKumada反応等の遷移金属触媒を用いるカップリング反応により重合させる方法が例示される。
前記重合方法において、単量体を仕込む方法としては、単量体全量を反応系に一括して仕込む方法、単量体の一部を仕込んで反応させた後、残りの単量体を一括、連続または分割して仕込む方法、単量体を連続または分割して仕込む方法等が挙げられる。
遷移金属触媒としては、パラジウム触媒、ニッケル触媒等が挙げられる。
重合反応の後処理は、公知の方法、例えば、分液により水溶性不純物を除去する方法、メタノール等の低級アルコールに重合反応後の反応液を加えて、析出させた沈殿を濾過した後、乾燥させる方法等を単独または組み合わせて行う。高分子ホストの純度が低い場合、例えば、再結晶、再沈殿、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィー等の通常の方法にて精製することができる。
溶媒を含有する発光層の組成物(以下、「発光層のインク」ともいう。)は、インクジェットプリント法、ノズルプリント法等の印刷法を用いた発光素子の作製に好適である。
発光層のインクの粘度は、印刷法の種類によって調整すればよいが、インクジェットプリント法等の溶液が吐出装置を経由する印刷法に適用する場合には、吐出時の目づまりと飛行曲がりが起こりづらいので、好ましくは25℃において1〜20mPa・sである。
発光層のインクに含まれる溶媒は、好ましくは、発光層のインク中の固形分を溶解または均一に分散できる溶媒である。溶媒としては、例えば、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;THF、ジオキサン、アニソール、4-メチルアニソール等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n-ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-へプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ドデカン、ビシクロヘキシル等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒;エチレングリコール、グリセリン、1,2-ヘキサンジオール等の多価アルコール系溶媒;イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が挙げられる。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
発光層のインクにおいて、溶媒の配合量は、燐光発光性化合物(A)と、燐光発光性化合物(B)との合計を100重量部とした場合、通常、1000〜100000重量部であり、好ましくは2000〜20000重量部である。
[正孔輸送材料]
正孔輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類され、好ましくは高分子化合物であり、より好ましくは架橋基を有する高分子化合物である。
高分子化合物としては、例えば、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体;側鎖または主鎖に芳香族アミン構造を有するポリアリーレンおよびその誘導体が挙げられる。高分子化合物は、電子受容性部位が結合された化合物でもよい。電子受容性部位としては、例えば、フラーレン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン、トリニトロフルオレノン等が挙げられ、好ましくはフラーレンである。
発光層の組成物において、正孔輸送材料の配合量は、燐光発光性化合物(A)と、燐光発光性化合物(B)との合計を100重量部とした場合、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
正孔輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[電子輸送材料]
電子輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。電子輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、8-ヒドロキシキノリンを配位子とする金属錯体、オキサジアゾール、アントラキノジメタン、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、テトラシアノアントラキノジメタン、フルオレノン、ジフェニルジシアノエチレンおよびジフェノキノン、並びに、これらの誘導体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフルオレン、および、これらの誘導体が挙げられる。高分子化合物は、金属でドープされていてもよい。
発光層の組成物において、電子輸送材料の配合量は、燐光発光性化合物(A)と、燐光発光性化合物(B)との合計を100重量部とした場合、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
電子輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[正孔注入材料および電子注入材料]
正孔注入材料および電子注入材料は、各々、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。正孔注入材料および電子注入材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン;カーボン;モリブデン、タングステン等の金属酸化物;フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム等の金属フッ化物が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリキノリンおよびポリキノキサリン、並びに、これらの誘導体;芳香族アミン構造を主鎖または側鎖に含む重合体等の導電性高分子が挙げられる。
発光層の組成物において、正孔注入材料および電子注入材料の配合量は、各々、燐光発光性化合物(A)と、燐光発光性化合物(B)との合計を100重量部とした場合、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
正孔注入材料および電子注入材料は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[イオンドープ]
正孔注入材料または電子注入材料が導電性高分子を含む場合、導電性高分子の電気伝導度は、好ましくは、1×10-5S/cm〜1×103S/cmである。導電性高分子の電気伝導度をかかる範囲とするために、導電性高分子に適量のイオンをドープすることができる。
ドープするイオンの種類は、正孔注入材料であればアニオン、電子注入材料であればカチオンである。アニオンとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンが挙げられる。カチオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンが挙げられる。
ドープするイオンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[発光材料]
発光材料(燐光発光性化合物(A)および燐光発光性化合物(B)とは異なる。)は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。発光材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、ナフタレンおよびその誘導体、アントラセンおよびその誘導体、ペリレンおよびその誘導体、並びに、イリジウム、白金またはユーロピウムを中心金属とする三重項発光錯体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、式(X)で表される基、カルバゾールジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基等を含む高分子化合物が挙げられる。
発光材料は、好ましくは、三重項発光錯体および高分子化合物を含む。
三重項発光錯体としては、例えば、以下に示す金属錯体が挙げられる。
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
発光層の組成物において、発光材料の含有量は、燐光発光性化合物(A)と、燐光発光性化合物(B)との合計を100重量部とした場合、通常、0.001〜10重量部である。
[酸化防止剤]
酸化防止剤は、燐光発光性化合物(A)および燐光発光性化合物(B)と同じ溶媒に可溶であり、発光および電荷輸送を阻害しない化合物であればよく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
発光層の組成物において、酸化防止剤の配合量は、燐光発光性化合物(A)と、燐光発光性化合物(B)との合計を100重量部とした場合、通常、0.001〜10重量部である。
酸化防止剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
<正孔輸送層>
本発明の発光素子が有する正孔輸送層は、架橋基を有する材料(以下、「架橋材料」ともいう。)を用いて得られる層である。
<架橋材料>
架橋材料は、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよいが、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する低分子化合物(以下、「正孔輸送層の低分子化合物」ともいう。)、または、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物(以下、「正孔輸送層の高分子化合物」ともいう。)であることが好ましい。
架橋基A群から選ばれる架橋基としては、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは式(BX−1)〜(BX−13)で表される架橋基であり、より好ましくは式(BX−1)、(BX−3)または(BX−9)〜(BX−13)で表される架橋基であり、更に好ましくは式(BX−1)または(BX−9)で表される架橋基である。
[正孔輸送層の高分子化合物]
正孔輸送層の高分子化合物に含まれる、架橋基A群から選ばれる少なくとも一種の架橋基を有する構成単位は、後述する式(Z)で表される構成単位または式(Z’)で表される構成単位であることが好ましいが、下記で表される構成単位であってもよい。
Figure 0006468289
正孔輸送層の高分子化合物に含まれる、架橋基A群から選ばれる少なくとも一種の架橋基を有する構成単位は、式(Z)で表される構成単位または式(Z’)で表される構成単位であることが好ましい。
[式(Z)で表される構成単位]
nAは、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0〜2の整数である。
nは、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは2である。
Arは、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
Arで表される芳香族炭化水素基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
Arで表される芳香族炭化水素基のn個の置換基を除いたアリーレン基部分としては、好ましくは、式(A-1)〜式(A-20)で表される基であり、より好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-6)〜式(A-10)、式(A-19)または式(A-20)で表される基であり、さらに好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-7)、式(A-9)または式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Arで表される複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜18である。
Arで表される複素環基のn個の置換基を除いた2価の複素環基部分としては、好ましくは、式(AA-1)〜式(AA-34)で表される基である。
Arで表される芳香族炭化水素基および複素環基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基およびシアノ基が挙げられる。
で表されるアルキレン基は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜20であり、好ましくは1〜15であり、より好ましくは1〜10である。Lで表されるシクロアルキレン基は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜20である。
アルキレン基およびシクロアルキレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、オクチレン基が挙げられる。
で表されるアルキレン基およびシクロアルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基およびシクロアルキレン基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基が挙げられる。
で表されるアリーレン基は、置換基を有していてもよい。アリーレン基としては、フェニレン基またはフルオレンジイル基が好ましく、m−フェニレン基、p−フェニレン基、フルオレン−2,7−ジイル基、フルオレン−9,9−ジイル基がより好ましい。アリーレン基が有してもよい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子、シアノ基および架橋基A群から選ばれる架橋基が挙げられる。
は、正孔輸送層の高分子化合物の製造が容易になるため、好ましくは、アリーレン基またはアルキレン基であり、より好ましくは、フェニレン基、フルオレンジイル基またはアルキレン基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Xで表される架橋基としては、正孔輸送層の高分子化合物の架橋性が優れるので、好ましくは式(BX−1)〜(BX−13)で表される架橋基であり、より好ましくは式(BX−1)、(BX−3)または(BX−9)〜(BX−13)で表される架橋基であり、更に好ましくは式(BX−1)または(BX−9)で表される架橋基である。
式(Z)で表される構成単位は、正孔輸送層の高分子化合物の安定性および架橋性が優れるので、正孔輸送層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜90モル%であり、より好ましくは3〜75モル%であり、更に好ましくは5〜60モル%である。
式(Z)で表される構成単位は、正孔輸送層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
[式(Z’)で表される構成単位]
mAは、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。
mは、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは2である。
cは、正孔輸送層の高分子化合物の製造が容易になり、かつ、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは0である。
Arは、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
Arで表される芳香族炭化水素基のm個の置換基を除いたアリーレン基部分の定義や例は、前述の式(X)におけるArX2で表されるアリーレン基の定義や例と同じである。
Arで表される複素環基のm個の置換基を除いた2価の複素環基部分の定義や例は、前述の式(X)におけるArX2で表される2価の複素環基部分の定義や例と同じである。
Arで表される少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環が直接結合した基のm個の置換基を除いた2価の基の定義や例は、前述の式(X)におけるArX2で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の定義や例と同じである。
ArおよびArは、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArおよびArで表されるアリーレン基の定義や例は、前述の式(X)におけるArX1およびArX3で表されるアリーレン基の定義や例と同じである。
ArおよびArで表される2価の複素環基の定義や例は、前述の式(X)におけるArX1およびArX3で表される2価の複素環基の定義や例と同じである。
Ar、ArおよびArで表される基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基およびシアノ基が挙げられる。
で表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例は、それぞれ、Lで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例と同じである。
は、正孔輸送層の高分子化合物の製造が容易になるので、フェニレン基またはメチレン基であることが好ましい。
X’で表される架橋基の定義や例は、前述のXで表される架橋基の定義や例と同じである。
式(Z’)で表される構成単位は、正孔輸送層の高分子化合物の安定性が優れ、かつ、正孔輸送層の高分子化合物の架橋性が優れるので、正孔輸送層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜50モル%であり、より好ましくは3〜30モル%であり、更に好ましくは3〜20モル%である。
式(Z’)で表される構成単位は、正孔輸送層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
[式(Z)または(Z’)で表される構成単位の好ましい態様]
式(Z)で表される構成単位としては、例えば、式(Z-1)〜式(Z-30)で表される構成単位が挙げられ、式(Z’)で表される構成単位としては、例えば、式(Z'-1)〜式(Z'-9)で表される構成単位が挙げられる。これらの中でも、正孔輸送層の高分子化合物の架橋性が優れるので、好ましくは式(Z-1)〜式(Z-30)で表される構成単位であり、より好ましくは式(Z-1)〜式(Z-15)、式(Z-19)、式(Z-20)、式(Z-23)、式(Z-25)または式(Z-30)で表される構成単位であり、更に好ましくは式(Z-1)〜式(Z-9)または式(Z-30)で表される構成単位である。
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
正孔輸送層の高分子化合物は、正孔輸送性が優れるので、更に、式(X)で表される構成単位を含むことが好ましい。
正孔輸送層の高分子化合物が含んでいてもよい式(X)で表される構成単位の定義および例は、前述の高分子ホストが含んでいてもよい式(X)で表される構成単位の定義および例と同じである。
式(X)で表される構成単位は、正孔輸送層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
正孔輸送層の高分子化合物は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、更に、式(Y)で表される構成単位を含むことが好ましい。
正孔輸送層の高分子化合物が含んでいてもよい式(Y)で表される構成単位の定義および例は、前述の高分子ホストが含んでいてもよい式(Y)で表される構成単位の定義および例と同じである。
式(Y)で表さされる構成単位は、正孔輸送層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
正孔輸送層の高分子化合物は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、更に、式(X)で表される構成単位および式(Y)で表される構成単位の双方を含むことが好ましい。
正孔輸送層の高分子化合物としては、例えば、表11に示す高分子化合物P-7〜P-14が挙げられる。ここで、「その他の構成単位」とは、式(Z)、式(Z’)、式(X)および式(Y)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。
Figure 0006468289

[表中、p’、q’、r’、s’およびt’は、各構成単位のモル比率を表す。p’+q’+r’+s’+t’=100であり、かつ、70≦p’+q’+r’+s’≦100である。]
正孔輸送層の高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、複数種の原料モノマーを共重合してなる共重合体であることが好ましい。
[正孔輸送層の高分子化合物の製造方法]
正孔輸送層の高分子化合物は、前述の高分子ホストの製造方法と同様の方法で製造することができる。
[正孔輸送層の低分子化合物]
正孔輸送層の低分子化合物は、式(Z'')で表される低分子化合物が好ましい。
B1は、通常、0〜10の整数であり、正孔輸送層の低分子化合物の合成が容易になるため、好ましくは0〜5の整数であり、より好ましくは0〜2の整数であり、更に好ましくは0または1であり、特に好ましくは0である。
B2は、通常、0〜10の整数であり、正孔輸送層の低分子化合物の合成が容易となり、かつ、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるため、好ましくは1〜5の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、更に好ましくは1または2であり、特に好ましくは1である。
B1は、通常、0〜5の整数であり、正孔輸送層の低分子化合物の合成が容易になるため、好ましくは0〜4の整数であり、より好ましくは0〜2の整数であり、更に好ましくは0である。
Arで表される芳香族炭化水素基のnB1個の置換基を除いたアリーレン基部分の定義や例は、前述の式(X)におけるArX2で表されるアリーレン基の定義や例と同じである。
Arで表される複素環基のnB1個の置換基を除いた2価の複素環基部分の定義や例は、前述の式(X)におけるArX2で表される2価の複素環基部分の定義や例と同じである。
Arで表される少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環が直接結合した基のnB1個の置換基を除いた2価の基の定義や例は、前述の式(X)におけるArX2で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の定義や例と同じである。
Arは、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは芳香族炭化水素基であり
B1で表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例は、それぞれ、Lで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例と同じである。
B1は、正孔輸送層の低分子化合物の合成が容易になるため、好ましくは、アルキレン基、アリーレン基または酸素原子であり、より好ましくはアルキレン基またはアリーレン基であり、更に好ましくはフェニレン基、フルオレンジイル基またはアルキレン基であり、特に好ましくはフェニレン基またはアルキレン基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
X’’は、好ましくは、架橋基A群から選ばれる架橋基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくは、式(BX−1)〜(BX−13)で表される架橋基またはアリール基であり、更に好ましくは、式(BX−1)、(BX−3)または(BX−9)〜(BX−13)で表される架橋基、フェニル基、ナフチル基またはフルオレニル基であり、特に好ましくは、式(BX−1)または(BX−9)で表される架橋基、フェニル基またはナフチル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
正孔輸送層の低分子化合物としては、例えば、式(Z''−1)〜(Z''−16)で表される低分子化合物が挙げられ、好ましくは、式(Z''−1)〜(Z''−10)で表される低分子化合物であり、より好ましくは、式(Z''−5)〜(Z''−9)で表される低分子化合物である。
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
正孔輸送層の低分子化合物は、Aldrich、Luminescence Technology Corp.、American Dye Source等から入手可能である。
また、上記以外の入手方法として、例えば、国際公開第1997/033193号、国際公開第2005/035221号、国際公開第2005/049548に記載されている方法に従って合成することができる。
[正孔輸送層の組成物]
正孔輸送層は、架橋材料と、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料および酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料とを含む組成物(以下、「正孔輸送層の組成物」ともいう。)を用いて得られる層であってもよい。
正孔輸送層の組成物に含有される正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料、電子注入材料および発光材料の例および好ましい範囲は、発光層の組成物が更に含有していてもよい正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料、電子注入材料および発光材料の例および好ましい範囲と同じである。正孔輸送層の組成物において、正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料、電子注入材料および発光材料の配合量は、各々、架橋材料を100重量部とした場合、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
正孔輸送層の組成物に含有される酸化防止剤の例および好ましい範囲は、発光層の組成物が更に含有していてもよい酸化防止剤の例および好ましい範囲と同じである。第2の有機層の組成物において、酸化防止剤の配合量は、架橋材料を100重量部とした場合、通常、0.001〜10重量部である。
[正孔輸送層のインク]
溶媒を含有する正孔輸送層の組成物(以下、「正孔輸送層のインク」ともいう。)は、発光層のインクと同様に、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法等の塗布法に好適に使用することができる。
正孔輸送層のインクの粘度の好ましい範囲は、発光層のインクの粘度の好ましい範囲と同じである。
正孔輸送層のインクに含有される溶媒の例および好ましい範囲は、発光層のインクに含有される溶媒の例および好ましい範囲と同じである。
正孔輸送層のインクにおいて、溶媒の配合量は、架橋材料を100重量部とした場合、通常、1000〜100000重量部であり、好ましくは2000〜20000重量部である。
<発光素子の層構成>
本発明の発光素子は、陽極と、陰極と、発光層と、正孔輸送層とを有する発光素子であるが、発光層および正孔輸送層以外の層を有していてもよい。
本発明の発光素子において、発光層と正孔輸送層とは、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、隣接していることが好ましい。
本発明の発光素子は、正孔注入性の観点からは、陽極と正孔輸送層との間に、正孔注入層を更に有することが好ましく、電子注入性および電子輸送性の観点からは、陰極と発光層の間に、電子注入層および電子輸送層の少なくとも1層を有することが好ましい。
本発明の発光素子の好ましい層構成としては、例えば、下記の構成が挙げられる。
(a)陽極−正孔輸送層−発光層−陰極
(b)陽極−正孔輸送層−発光層−電子輸送層−陰極
(c)陽極−正孔輸送層−発光層−電子注入層−陰極
(d)陽極−正孔注入層−正孔輸送層−発光層−陰極
(e)陽極−正孔注入層−正孔輸送層−発光層−電子輸送層−陰極
(f)陽極−正孔注入層−正孔輸送層−発光層−電子注入層−陰極
(g)陽極−正孔注入層−正孔輸送層−発光層−電子輸送層−電子注入層−陰極
本発明の発光素子において、陽極、陰極、正孔注入層、電子輸送層および電子注入層は、それぞれ、必要に応じて、2層以上設けられていてもよい。
陽極、陰極、正孔注入層、電子輸送層および電子注入層が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
陽極、陰極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、更に好ましくは5nm〜150nmである。
[正孔注入層および電子注入層]
正孔注入層および電子注入層は、各々、正孔注入材料および電子注入材料を含む。これらの層は、各々、正孔注入材料および電子注入材料を、上述した溶媒に溶解させ、インクを調製して用い、上述した膜の作製と同じ方法を用いて形成することができる。
正孔注入層および電子注入層の材料としては、各々、上述した正孔注入材料および電子注入材料等が挙げられる。
[電子輸送層]
電子輸送層は、電子輸送材料を含む。電子輸送層は、電子輸送材料を、上述した溶媒に溶解させ、インクを調製して用い、上述した膜の作製と同じ方法を用いて形成することができる。
電子輸送層の材料としては、上述した電子輸送材料等が挙げられる。
本発明の発光素子が、電子輸送層を有する場合、電子輸送層の形成に用いる電子輸送材料としては、式(ET−1)で表される構成単位および式(ET−2)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位を含む高分子化合物が好ましい。
Figure 0006468289
[式中、
nE1は、1以上の整数を表す。
ArE1は、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基はRE1以外の置換基を有していてもよい。
E1は、式(ES−1)で表される基を表す。RE1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
−(RE3cE1−(QE1nE4−YE1(ME2aE1(ZE1bE1 (ES−1)
[式中、
cE1は0または1を表し、nE4は0以上の整数を表し、aE1は1以上の整数を表し、bE1は0以上の整数を表す。
E3は、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
E1は、アルキレン基、アリーレン基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。QE1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
E1は、−CO 、−SO 、−SO またはPO 2−を表す。
E2は、金属カチオンまたはアンモニウムカチオンを表し、このアンモニウムカチオンは置換基を有していてもよい。ME2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
E1は、F、Cl、Br、I、OH、RE4SO 、RE4COO、ClO、ClO 、ClO 、ClO 、SCN、CN、NO 、SO 2−、HSO 、PO 3−、HPO 2−、HPO 、BF またはPF を表す。RE4は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ZE1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
aE1およびbE1は、式(ES−1)で表される基の電荷が0となるように選択される。]
nE1は、好ましくは、1〜4の整数であり、より好ましくは1または2である。
ArE1で表される芳香族炭化水素基または複素環基としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、2,6−ナフタレンジイル基、1,4−ナフタレンジイル基、2、7−フルオレンジイル基、3,6−フルオレンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基または2,7−カルバゾールジイル基から、環を構成する原子に直接結合する水素原子nE1個を除いた残りの原子団が好ましく、RE1以外の置換基を有していてもよい。
ArE1が有していてもよいRE1以外の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、カルボキシル基、式(ES−3)で表される基が挙げられる。
−O(Cn’2n’O)nxm’2m’+1 (ES−3)
[式中、n’、m’およびnxは、1以上の整数を表す。]
cE1は、0または1であることが好ましく、nE4は、0〜6の整数であることが好ましい。
E3としては、アリーレン基が好ましい。
E1としては、アルキレン基、アリーレン基または酸素原子が好ましい。
E1としては、−CO または−SO が好ましい。
E2としては、Li、Na、K、Cs、N(CH 、NH(CH 、NH(CH またはN(C が好ましい。
E1としては、F、Cl、Br、I、OH、RE4SO またはRE4COOが好ましい。
E3が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基および式(ES−3)で表される基が挙げられる。RE3は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるため、式(ES−3)で表される基を置換基として有していることが好ましい。
式(ES−1)で表される基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
Figure 0006468289
[式中、Mは、Li、Na、K、Cs、N(CH 、NH(CH 、NH(CH またはN(C を表す。]
Figure 0006468289
[式中、
nE2は1以上の整数を表す。
ArE2は、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基はRE2以外の置換基を有していてもよい。
E2は、式(ES−2)で表される基を表す。RE2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
−(RE6cE2−(QE2nE6−YE2(ME3bE2(ZE2aE2 (ES−2)
[式中、
cE2は0または1を表し、nE6は0以上の整数を表し、bE2は1以上の整数を表し、aE2は0以上の整数を表す。
E6は、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
E2は、アルキレン基、アリーレン基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。QE2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
E2は、カルボカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニルカチオンまたはスルホニルカチオンを表す。
E3は、F、Cl、Br、I、OH、RE7SO 、RE7COO、ClO、ClO 、ClO 、ClO 、SCN、CN、NO 、SO 2−、HSO 、PO 3−、HPO 2−、HPO 、テトラフェニルボレート、BF またはPF を表す。RE7は、アルキル基、パーフルオロアルキル基、またはアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ME3が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
E2は、金属イオンまたはアンモニウムイオンを表し、このアンモニウムイオンは置換基を有していてもよい。ZE2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
aE2およびbE2は、式(ES−2)で表される基の電荷が0となるように選択される。]
nE2は、好ましくは、1〜4の整数であり、より好ましくは1または2である。
ArE2で表される芳香族炭化水素基または複素環基としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、2,6−ナフタレンジイル基、1,4−ナフタレンジイル基、2、7−フルオレンジイル基、3,6−フルオレンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基または2,7−カルバゾールジイル基から、環を構成する原子に直接結合する水素原子nE2個を除いた残りの原子団が好ましく、RE2以外の置換基を有していてもよい。
ArE2が有していてもよいRE2以外の置換基としては、ArE1が有していてもよいRE1以外の置換基と同様である。
cE2は、0または1であることが好ましく、nE6は、0〜6の整数であることが好ましい。
E6としては、アリーレン基が好ましい。
E2としては、アルキレン基、アリーレン基または酸素原子が好ましい。
E2としては、カルボカチオンまたはアンモニウムカチオンが好ましい。
E3としては、F、Cl、Br、I、テトラフェニルボレート、CFSO またはCHCOOが好ましい。
E2としては、Li、Na、K、Cs、N(CH 、NH(CH 、NH(CH またはN(C が好ましい。
E6が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基および式(ES−3)で表される基が挙げられる。RE6は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるため、式(ES−3)で表される基を置換基として有していることが好ましい。
式(ES−2)で表される基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
Figure 0006468289
[式中、Xは、F、Cl、Br、I、テトラフェニルボレート、CFSO 、またはCHCOOを表す。]
式(ET−1)および式(ET−2)で表される構造単位としては、例えば、下記式(ET−31)〜式(ET−34)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 0006468289
Figure 0006468289
正孔輸送層の材料、電子輸送層の材料および発光層の材料は、発光素子の作製において、各々、正孔輸送層、電子輸送層および発光層に隣接する層の形成時に使用される溶媒に溶解する場合、該溶媒に該材料が溶解することを回避するために、該材料が架橋基を有することが好ましい。架橋基を有する材料を用いて各層を形成した後、該架橋基を架橋させることにより、該層を不溶化させることができる。
本発明の発光素子において、発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層等の各層の形成方法としては、低分子化合物を用いる場合、例えば、粉末からの真空蒸着法、溶液または溶融状態からの成膜による方法が挙げられ、高分子化合物を用いる場合、例えば、溶液または溶融状態からの成膜による方法が挙げられる。
積層する層の順番、数および厚さは、外部量子効率および輝度寿命を勘案して調整する。
[基板/電極]
発光素子における基板は、電極を形成することができ、かつ、有機層を形成する際に化学的に変化しない基板であればよく、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン等の材料からなる基板である。不透明な基板の場合には、基板から最も遠くにある電極が透明または半透明であることが好ましい。
陽極の材料としては、例えば、導電性の金属酸化物、半透明の金属が挙げられ、好ましくは、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ;インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等の導電性化合物;銀とパラジウムと銅との複合体(APC);NESA、金、白金、銀、銅である。
陰極の材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム等の金属;それらのうち2種以上の合金;それらのうち1種以上と、銀、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1種以上との合金;並びに、グラファイトおよびグラファイト層間化合物が挙げられる。合金としては、例えば、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
陽極および陰極は、各々、2層以上の積層構造としてもよい。
[用途]
発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。パターン状の発光を得るためには、面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部にしたい層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極もしくは陰極、または、両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字、文字等を表示できるセグメントタイプの表示装置が得られる。ドットマトリックス表示装置とするためには、陽極と陰極を共にストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス表示装置は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動も可能である。これらの表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末等のディスプレイに用いることができる。面状の発光素子は、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、または、面状の照明用光源として好適に用いることができる。フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源および表示装置としても使用できる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例において、高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)およびポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、サイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)(島津製作所製、商品名:LC-10Avp)により求めた。なお、SECの測定条件は、次のとおりである。
[測定条件]
測定する高分子化合物を約0.05重量%の濃度でTHFに溶解させ、SECに10μL注入した。SECの移動相としてTHFを用い、2.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED-B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV-VIS検出器(島津製作所製、商品名:SPD-10Avp)を用いた。
液体クロマトグラフ質量分析(LC-MS)は、下記の方法で行った。
測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルムまたはTHFに溶解させ、LC-MS(アジレントテクノロジー製、商品名:1100LCMSD)に約1μL注入した。LC-MSの移動相には、アセトニトリルおよびTHFの比率を変化させながら用い、0.2mL/分の流量で流した。カラムは、L-column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:2.1mm、長さ:100mm、粒径3μm)を用いた。
NMRの測定は、下記の方法で行った。
5〜10mgの測定試料を約0.5mLの重クロロホルム(CDCl3)、重テトラヒドロフラン、重ジメチルスルホキシド、重アセトン、重N,N-ジメチルホルムアミド、重トルエン、重メタノール、重エタノール、重2−プロパノールまたは重塩化メチレンに溶解させ、NMR装置(Agilent製、商品名:INOVA300またはMERCURY 400VX)を用いて測定した。
化合物の純度の指標として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)面積百分率の値を用いた。この値は、特に記載がない限り、HPLC(島津製作所製、商品名:LC-20A)での254nmにおける値とする。この際、測定する化合物は、0.01〜0.2重量%の濃度になるようにTHFまたはクロロホルムに溶解させ、HPLCに、濃度に応じて1〜10μL注入した。HPLCの移動相には、アセトニトリルおよびTHFを用い、1mL/分の流速で、アセトニトリル/THF=100/0〜0/100(容積比)のグラジエント分析で流した。カラムは、Kaseisorb LC ODS 2000(東京化成工業製)または同等の性能を有するODSカラムを用いた。検出器には、フォトダイオードアレイ検出器(島津製作所製、商品名:SPD-M20A)を用いた。
本実施例において、燐光発光性化合物の発光スペクトルの最大ピーク波長は、分光光度計(日本分光株式会社製、FP−6500)により室温にて測定した。燐光発光性化合物をキシレンに、約0.8×10−4重量%の濃度で溶解させたキシレン溶液を試料として用いた。励起光としては、波長325nmのUV光を用いた。
本実施例において、燐光発光性化合物のHOMOは、大気中光電子収率分光装置(理研計器株式会社製、AC−II)により室温にて測定した。燐光発光性化合物をキシレンに、約2.0重量%の濃度で溶解させたキシレン溶液を用いて、石英基板上にスピンコート法により成膜した薄膜を試料として用いた。
<測定例1> FIrpiqの発光スペクトルおよびHOMOの測定
FIrpicは、Aldrich社より購入した。
Figure 0006468289
FIrpiqの発光スペクトルの最大ピーク波長は470nmであった。また、FIrpicのHOMOは5.87eVであった。
<合成例1> 燐光発光性化合物G1の合成
燐光発光性化合物G1は、特開2013−147551号公報に記載の方法に従って合成した。
Figure 0006468289
燐光発光性化合物G1の発光スペクトルの最大ピーク波長は450nmであった。また、燐光発光性化合物G1のHOMOは5.27eVであった。
<合成例2> 燐光発光性化合物G2の合成
燐光発光性化合物G2は、特開2013−147551号公報に記載の方法に従って合成した。
Figure 0006468289
燐光発光性化合物G2の発光スペクトルの最大ピーク波長は475nmであった。また、燐光発光性化合物G2のHOMOは5.24eVであった。
<合成例3> 燐光発光性化合物G3およびG4の合成
燐光発光性化合物G3は、国際公開第2006/121811号に記載の方法に準じて合成した。
燐光発光性化合物G4は、国際公開第2006/121811号および特開2013−048190号公報に記載の方法に準じて合成した。
Figure 0006468289
燐光発光性化合物G3の発光スペクトルの最大ピーク波長は469nmであった。また燐光発光性化合物G3のHOMOは4.89eVであった。
燐光発光性化合物G4の発光スペクトルの最大ピーク波長は471nmであった。また、燐光発光性化合物G4のHOMOは5.03eVであった。
<合成例4> 単量体CM1〜CM9の合成
単量体CM1は特開2010−189630号公報に記載の方法に従って合成した。
単量体CM2は特開2008−106241号公報に記載の方法に従って合成した。
単量体CM3は特開2010−215886号公報に記載の方法に従って合成した。
単量体CM4は特表2002−539292号公報に記載の方法に従って合成した。
単量体CM5は特開2012−33845号公報に記載の方法に従って合成した。
単量体CM6は特開2012−33845号公報に記載の方法に従って合成した。
単量体CM7は国際公開第2005/049546号に記載の方法に従って合成した。
単量体CM8は国際公開第2013/146806号に記載の方法に従って合成した。
単量体CM9は国際公開第2009/131255号記載の合成法に従い合成した。
Figure 0006468289
Figure 0006468289
Figure 0006468289
<合成例5> 単量体CM10の合成
(合成例5−1) 化合物Ma4の合成
Figure 0006468289
(化合物Ma3の合成)
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Ma2(64.6g)およびテトラヒドロフラン(615ml)を加え、−70℃に冷却した。そこへ、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、218ml)を1時間かけて滴下した後、−70℃で2時間撹拌した。そこへ、化合物Ma1(42.1g)を数回に分けて加えた後、−70℃で2時間撹拌した。そこへ、メタノール(40ml)を1時間かけて滴下した後、室温まで昇温した。その後、減圧濃縮して溶媒を留去し、トルエンおよび水を加えた。その後、水層を分離し、得られた有機層をさらに水で洗浄した。得られた有機層を減圧濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサンおよび酢酸エチルの混合溶媒)を用いて精製することで、無色油状物として化合物Ma3を71g得た。得られた化合物Ma3のHPLC面積百分率値(UV254nm)は97.5%であった。この操作を繰り返し行うことで、化合物Ma3の必要量を得た。
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):2.43 (1H, s), 3.07-3.13 (4H, m), 6.95 (1H, d),7.07 (1H. s), 7.18-7.28 (3H, m), 7.28-7.40 (4H, m), 7.66 (2H, s).
(化合物Ma4の合成)
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Ma3(72.3g)、トルエン(723ml)およびトリエチルシラン(118.0g)を加え、70℃に昇温した。そこへ、メタンスルホン酸(97.7g)を1.5時間かけて滴下した後、70℃で0.5時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、トルエン(1L)および水(1L)を加えた後、水層を分離した。得られた有機層を、水、5重量%炭酸水素ナトリウム水、水の順番で洗浄した。得られた有機層を減圧濃縮して、得られた粗生成物をトルエンおよびエタノールの混合溶液で晶析することで、白色固体として化合物Ma4を51.8g得た。得られた化合物Ma4のHPLC面積百分率値(UV254nm)は99.5%以上であった。この操作を繰り返し行うことで、化合物Ma4の必要量を得た。
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):3.03-3.14 (4H, m), 4.99 (1H, s), 6.68 (1H, s), 6.92-7.01 (2H, m), 7.20-7.28 (2H, m), 7.29-7.38 (4H, m), 7.78 (2H, d).
(合成例5−2) 化合物Mb7の合成
Figure 0006468289
(化合物Mb3の合成)
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Mb1(185.0g)、化合物Mb2(121.1g)、ヨウ化銅(I)(CuI、3.2g)、ジクロロメタン(185ml)およびトリエチルアミン(2.59L)を加え、還流温度に昇温した。その後、還流温度で0.5時間撹拌し、室温まで冷却した。そこへ、ジクロロメタン(1.85L)を加えた後、セライトを敷き詰めたろ過器でろ過した。得られたろ液に10重量%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、水層を分離した。得られた有機層を水で2回洗浄し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えた。得られた混合物をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(クロロホルムおよび酢酸エチルの混合溶媒)を用いて精製することで、粗生成物を得た。得られた粗生成物をエタノール(1.4L)に溶解させた後、活性炭(5g)を加え、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮して、得られた残渣をヘキサンで晶析することで、白色固体として化合物Mb3を99.0g得た。得られた化合物Mb3のHPLC面積百分率値(UV254nm)は99.5%以上であった。この操作を繰り返し行うことで、化合物Mb3の必要量を得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 300MHz) δ(ppm):1.52-1.55 (8H, m), 2.42 (4H, t), 3.38-3.44 (4H, m), 4.39-4.43(2H, m), 7.31 (4H, s).
(化合物Mb4の合成)
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Mb3(110.0g)、エタノール(1.65L)およびパラジウム/炭素(Pd重量10%)(11.0g)を加え、30℃まで昇温した。その後、フラスコ内の気体を水素ガスで置換した。その後、フラスコ内に水素ガスを供給しながら、30℃で3時間撹拌した。その後、フラスコ内の気体を窒素ガスで置換した。得られた混合物をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(クロロホルムおよび酢酸エチルの混合溶媒)を用いて精製することで、粗生成物を得た。得られた粗生成物をヘキサンで晶析することで、白色固体として化合物Mb4を93.4g得た。得られた化合物Mb4のHPLC面積百分率値(UV254nm)は98.3%であった。
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):1.30-1.40 (8H, m), 1.55-1.65 (8H, m), 2.58 (4H, t), 3.64 (4H, t), 7.09 (4H, s).
13C-NMR(CDCl3, 75MHz) δ(ppm):25.53, 28.99, 31.39, 32.62, 35.37, 62.90, 128.18, 139.85.
(化合物Mb5の合成)
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Mb4(61.0g)、ピリジン(0.9g)およびトルエン(732ml)を加え、60℃に昇温した。そこへ、塩化チオニル(91.4g)を1.5時間かけて滴下した後、60℃で5時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサンおよび酢酸エチルの混合溶媒)を用いて精製することで、無色油状物として化合物Mb5を64.3g得た。得られた化合物Mb5のHPLC面積百分率値(UV254nm)は97.2%であった。
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):1.35-1.40 (4H, m), 1.41-1.50 (4H, m), 1.60-1.68 (4H, m), 1.75-1.82 (4H, m), 2.60 (4H, t), 3.55 (4H, t), 7.11 (4H, s).
(化合物Mb6の合成)
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Mb5(42.0g)、鉄粉(1.7g)、ヨウ素(0.3g)およびジクロロメタン(800ml)を加えた。その後、フラスコ全体を遮光し、0〜5℃に冷却した。そこへ、臭素(44.7g)およびジクロロメタン(200ml)の混合液を1時間かけて滴下した後、0〜5℃にて一晩撹拌した。得られた混合液を、0〜5℃に冷却した水(1.2L)に加えた後、有機層を分離した。得られた有機層を10重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに、飽和塩化ナトリウム水、水の順番で洗浄した。得られた有機層に硫酸ナトリウムを加えた後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン)を用いて精製することで、粗生成物を得た。得られた粗生成物をヘキサンで晶析することで、白色固体として化合物Mb6を47.0g得た。得られた化合物Mb6のHPLC面積百分率値(UV254nm)は98.3%であった。
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):1.38-1.45 (4H, m), 1.47-1.55 (4H, m), 1.57-1.67 (4H, m), 1.77-1.84(4H, m), 2.66 (4H, t), 3.55 (4H, t), 7.36 (2H, s).
(化合物Mb7の合成)
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、ヨウ化ナトリウム(152.1g)およびアセトン(600ml)を加え、室温で0.5時間撹拌した。そこへ、Mb6(40.0g)を加えた後、還流温度まで昇温し、還流温度で24時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、得られた混合液を水(1.2L)に加えた。析出した固体をろ別した後、水で洗浄することで粗生成物を得た。得られた粗生成物をトルエンおよびメタノールの混合液で晶析することで、白色固体として化合物Mb7を46.0g得た。得られた化合物Mb7のHPLC面積百分率値(UV254nm)は99.4%であった。この操作を繰り返し行うことで、化合物Mb7の必要量を得た。
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):1.35-1.50 (8H, m), 1.57-1.65 (4H, m), 1.80-1.89 (4H, m), 2.65 (4H, t), 3.20 (4H, t), 7.36 (2H, s).
(合成例5−3) 単量体CM10の合成
Figure 0006468289
(化合物Mb8の合成)
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、水素化ナトリウム(60重量%、流動パラフィンに分散)(9.4g)、テトラヒドロフラン(110ml)および化合物Mb7(63.2g)を加えた。そこへ、化合物Ma4(55.0g)を数回に分けて加えた後、12時間撹拌した。そこへ、トルエン(440ml)および水(220ml)を加えた後、水層を分離した。得られた有機層を水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えた。得られた混合液をろ過して、得られたろ液を減圧濃縮することで粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラム(ヘキサンおよびトルエンの混合溶媒)を用いて精製した。その後、ヘプタンで晶析することで、白色固体として化合物Mb8を84.1g得た。得られた化合物Mb8のHPLC面積百分率値(UV254nm)は99.5%以上であった。
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):0.70-0.76 (4H, m), 1.10-1.21 (8H, m), 1.32-1.44 (4H, m), 2.39-2.58 (8H, m), 3.00-3.12 (8H, m), 6.82-6.94 (4H, m), 7.00-7.05 (2H, m), 7.17-7.28 (10H, m), 7.30-7.38 (4H, m), 7.71-7.77 (4H, m).
(単量体CM10の合成)
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Mb8(84.0g)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物(PdCl(dppf)・CHCl、2.2g)、ビスピナコラートジボロン(68.3g)、酢酸カリウム(52.8g)およびシクロペンチルメチルエーテル(840ml)を加え、還流温度まで昇温した後、還流温度で5時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、トルエン(500ml)および水(300ml)を加えた後、水層を分離した。得られた有機層を水で洗浄した後、活性炭(18.5g)を加えた。得られた混合液をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することで粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラム(ヘキサンおよびトルエンの混合溶媒)を用いて精製した。その後、トルエンおよびアセトニトリルの混合液で晶析する操作を繰り返すことで、白色固体として単量体CM10を45.8g得た。得られた単量体CM10のHPLC面積百分率値(UV254nm)は99.4%であった。
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):0.70-0.76 (4H, m), 1.24-1.40 (36H, m), 2.39-2.48 (4H, m), 2.66-2.75 (4H, m), 3.00-3.10 (8H, m), 6.76-6.90 (4H, m), 7.00-7.05 (2H, m), 7.19-7.30 (8H, m), 7.30-7.36 (4H, m), 7.43 (2H, s), 7.72 (4H, d).
<合成例6> 高分子化合物P1の合成
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、単量体CM1(0.9950g)、単量体CM2(0.1064g)、単量体CM3(0.0924g)、単量体CM4(0.7364g)、ジクロロビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウム(1.8mg)およびトルエン(47ml)を加え、105℃に加熱した。
(工程2)反応液に、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.6ml)を滴下し、5.5時間還流させた。
(工程3)その後、そこに、フェニルボロン酸(24.4mg)、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.6ml)およびジクロロビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウム(1.8mg)を加え、14時間還流させた。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。冷却後、反応液を、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈殿が生じた。沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物P1を0.91g得た。高分子化合物P1のMnは5.2×10であり、Mwは2.5×10であった。
高分子化合物P1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、単量体CM1から誘導される構成単位と、単量体CM2から誘導される構成単位と、単量体CM3から誘導される構成単位と、単量体CM4から誘導される構成単位とが、50:5:5:40のモル比で構成されてなる共重合体である。
<合成例7> 高分子化合物P2の合成
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、単量体CM5(0.55g)、単量体CM6(0.61g)、トリフェニルホスフィンパラジウム(0.01g)、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(アルドリッチ製、商品名Aliquat336(登録商標))(0.20g)およびトルエン(10mL)を加え、105℃に加熱した。
(工程2)反応液に、2M炭酸ナトリウム水溶液(6mL)を滴下し、8時間還流させた。
(工程3)その後、そこに、4−tert−ブチルフェニルボロン酸(0.01g)を加え、6時間還流させた。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム水溶液(10mL、濃度:0.05g/mL)を加え、2時間撹拌した。得られた反応溶液をメタノール(300mL)に滴下し、1時間攪拌した。その後、析出した沈殿をろ過し、2時間減圧乾燥させ、テトラヒドロフラン(20mL)に溶解させた。得られた溶液を、メタノール(120mL)および3重量%酢酸水溶液(50mL)の混合溶媒に滴下し、1時間攪拌した。その後、析出した沈殿をろ過し、テトラヒドロフラン(20mL)に溶解させた。
(工程5)得られた溶液を、メタノール(200mL)に滴下し、30分攪拌した。その後、析出した沈殿をろ過した。得られた固体をテトラヒドロフランに溶解させた後、アルミナカラム、シリカゲルカラムに順に通液することにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、析出した沈殿をろ過した。得られた固体を乾燥させることにより、高分子化合物P2を520mg得た。高分子化合物P2のMnは5.2×10であり、Mwは1.5×10であった。
高分子化合物P2は、仕込み原料の量から求めた理論値では、単量体CM5から誘導される構成単位と、単量体CM6から誘導される構成単位とが、50:50のモル比で構成されてなる共重合体である。
<合成例8> 高分子化合物P3の合成
高分子化合物P2(200mg)を反応容器に加えた後、反応容器内を窒素ガス雰囲気とした。その後、そこへ、テトラヒドロフラン(20mL)およびエタノール(20mL)を加え、55℃に昇温した。その後、そこに、水酸化セシウム(200mg)を水(2mL)に溶解させた水酸化セシウム水溶液を加え、55℃で6時間撹拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、溶媒を減圧留去した。得られた固体を水で洗浄した後、減圧乾燥させることにより、高分子化合物P3(150mg)を得た。高分子化合物P3のH−NMR解析により、高分子化合物P2中のエチルエステル部位のシグナルが消失し、反応が完了したことを確認した。
高分子化合物P3は、高分子化合物P2の仕込み原料の量から求めた理論値では、下記で表される構成単位からなる共重合体である。
Figure 0006468289
<合成例9> 高分子化合物P4の合成
高分子化合物P1の合成における(工程1)を、「反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、単量体CM10(0.923g)、単量体CM8(0.0496g)、単量体CM7(0.917g)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.76mg)およびトルエン(34mL)を加え、105℃に加熱した。」とする以外は、高分子化合物P1の合成と同様にすることで、高分子化合物P4を1.23g得た。高分子化合物P4のMnは2.3×10であり、Mwは1.2×10であった。
高分子化合物P4は、仕込み原料の量から求めた理論値では、単量体CM10から誘導される構成単位と、単量体CM8から誘導される構成単位と、単量体CM7から誘導される構成単位とが、45:5:50のモル比で構成されてなる共重合体である。
<合成例10> 高分子化合物P5の合成
高分子化合物P1の合成における(工程1)を下記(工程1−1)に変更し、(工程2)を下記(工程2−1)に変更し、(工程3)を下記(工程3−1)に変更したこと以外は、高分子化合物P1の合成と同様の方法により、高分子化合物P5を3.00g得た。
(工程1−1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、単量体CM1(1.74g)、単量体CM7(3.19g)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.5mg)およびトルエン(40mL)を加え、80℃に加熱した。
(工程2−1)反応液に、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(12mL)を滴下し、8時間還流させた。
(工程3−1)反応後、そこに、フェニルボロン酸(0.427g)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.5mg)を加え、17時間還流させた。
高分子化合物P5のMnは4.5×10であり、Mwは1.5×10であった。
高分子化合物P5は、仕込み原料の量から求めた理論値では、単量体CM1から誘導される構成単位と、単量体CM7から誘導される構成単位が、50:50のモル比で構成されてなる共重合体である。
<合成例11> 高分子化合物P6の合成
高分子化合物P6は、単量体CM1、単量体CM4および単量体CM9を用いて、国際公開第WO2011/013795号に記載の方法に準じて合成した。
高分子化合物P6のMnは4.8×10であり、Mwは1.0×10であった。
高分子化合物P6は、仕込み原料の量から求めた理論値では、単量体CM1から誘導される構成単位と、単量体CM4から誘導される構成単位と、単量体CM9から誘導される構成単位とが、50:30:20のモル比で構成されてなる共重合体である。
化合物DCzDBTおよび化合物VNPBは、それぞれ、Luminescence Technology Corp社より購入した。
Figure 0006468289
<実施例1> 発光素子1の作製と評価
(陽極および正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により35nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(正孔輸送層の形成)
キシレンに、高分子化合物P4を0.7重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより、高分子化合物P4は、高分子化合物P4の架橋体となる。
(発光層の形成)
トルエンに、化合物DCzDBT、燐光発光性化合物G1および燐光発光性化合物G3(化合物DCzDBT/燐光発光性化合物G1/燐光発光性化合物G3=90重量%/5重量%/5重量%)を2.0重量%の濃度で溶解させた。得られたトルエン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により60nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(電子輸送層の形成)
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノールに、高分子化合物P3を0.25重量%の濃度で溶解させた。得られた2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール溶液を用いて、発光層の上にスピンコート法により10nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分加熱させることにより電子輸送層を形成した。
(陰極の形成)
電子輸送層を形成した基板を蒸着機内において、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、電子輸送層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子1を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける駆動電圧は5.4[V]、外部量子効率は4.4[%]、色度座標(x,y)は(0.18,0.38)であった。
<実施例2> 発光素子2の作製と評価
実施例1における(正孔輸送層の形成)を下記(正孔輸送層の形成−2)に変更し、(発光層の形成)を下記(発光層の形成−2)に変更した以外は、実施例1と同様にして、発光素子2を作製した。
(正孔輸送層の形成−2)
クロロベンゼンに、高分子化合物P4を0.7重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロベンゼン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより、高分子化合物P4は、高分子化合物P4の架橋体となる。
(発光層の形成−2)
クロロホルムに、化合物DCzDBT、FIrpicおよび燐光発光性化合物G3(DCzDBT/FIrpic/燐光発光性化合物G3=90重量%/5重量%/5重量%)を0.5重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロホルム溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により60nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(発光素子の評価)
発光素子2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける駆動電圧は7.8[V]、外部量子効率は6.0[%]、色度座標(x,y)は(0.18,0.38)であった。
<実施例3> 発光素子3の作製と評価
実施例2における、化合物DCzDBT、FIrpicおよび燐光発光性化合物G3(DCzDBT/FIrpic/燐光発光性化合物G3=90重量%/5重量%/5重量%)に代えて、化合物DCzDBT、燐光発光性化合物G2および燐光発光性化合物G4(DCzDBT/燐光発光性化合物G2/燐光発光性化合物G4=90重量%/5重量%/5重量%)を用いた以外は、実施例2と同様にして、発光素子3を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子3に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける駆動電圧は4.3[V]、外部量子効率は3.5[%]、色度座標(x,y)は(0.18,0.37)であった。
<比較例1> 発光素子C1の作製と評価
実施例2における、化合物DCzDBT、FIrpicおよび燐光発光性化合物G3(DCzDBT/FIrpic/燐光発光性化合物G3=90重量%/5重量%/5重量%)に代えて、化合物DCzDBT、燐光発光性化合物G3および燐光発光性化合物G4(DCzDBT/燐光発光性化合物G3/燐光発光性化合物G4=90重量%/5重量%/5重量%)を用いた以外は、実施例2と同様にして、発光素子C1を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子C1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける駆動電圧は4.9[V]、外部量子効率は1.6[%]、色度座標(x,y)は(0.19,0.39)であった。
<比較例2> 発光素子C2の作製と評価
実施例2における、化合物DCzDBT、FIrpicおよび燐光発光性化合物G3(DCzDBT/FIrpic/燐光発光性化合物G3=90重量%/5重量%/5重量%)に代えて、化合物DCzDBT、燐光発光性化合物G1および燐光発光性化合物G2(DCzDBT/燐光発光性化合物G1/燐光発光性化合物G2=90重量%/5重量%/5重量%)を用いた以外は、実施例2と同様にして、発光素子C2を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子C2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける駆動電圧は4.6[V]、外部量子効率は1.9[%]、色度座標(x,y)は(0.15,0.25)であった。
<比較例3> 発光素子C3の作製と評価
実施例1における(正孔輸送層の形成)を下記(正孔輸送層の形成−C3)に変更し、(発光層の形成)を下記(発光層の形成−C3)に変更した以外は、実施例1と同様にして、発光素子C3を作製した。
(正孔輸送層の形成−C3)
クロロベンゼンに、高分子化合物P5を0.5重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロベンゼン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成−C3)
クロロホルムに、化合物DCzDBT、燐光発光性化合物G1および燐光発光性化合物G3(化合物DCzDBT/燐光発光性化合物G1/燐光発光性化合物G3=90重量%/5重量%/5重量%)を0.5重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロホルム溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により60nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(発光素子の評価)
発光素子C3に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける駆動電圧は4.6[V]、外部量子効率は1.0[%]、色度座標(x,y)は(0.18,0.37)であった。
Figure 0006468289
<実施例4> 発光素子4の作製と評価
実施例1における(正孔輸送層の形成)を下記(正孔輸送層の形成−4)に変更し、(発光層の形成)を下記(発光層の形成−4)に変更した以外は、実施例1と同様にして、発光素子4を作製した。
(正孔輸送層の形成−4)
クロロベンゼンに、化合物VNPBを0.7重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロベンゼン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより、化合物VNPBは、化合物VNPBの架橋体となる。
(発光層の形成−4)
クロロホルムに、化合物DCzDBT、FIrpicおよび燐光発光性化合物G1(DCzDBT/FIrpic/燐光発光性化合物G1=90重量%/5重量%/5重量%)を0.5重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロホルム溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により60nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(発光素子の評価)
発光素子4に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける駆動電圧は7.4[V]、外部量子効率は11.0[%]、色度座標(x,y)は(0.15,0.33)であった。
<実施例5> 発光素子5の作製と評価
実施例4における、化合物DCzDBT、FIrpicおよび燐光発光性化合物G1(DCzDBT/FIrpic/燐光発光性化合物G1=90重量%/5重量%/5重量%)に代えて、化合物DCzDBT、FIrpicおよび燐光発光性化合物G2(DCzDBT/FIrpic/燐光発光性化合物G2=90重量%/5重量%/5重量%)を用いた以外は、実施例4と同様にして、発光素子5を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子5に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける駆動電圧は7.7[V]、外部量子効率は9.6[%]、色度座標(x,y)は(0.15,0.32)であった。
<実施例6> 発光素子6の作製と評価
実施例1における(正孔輸送層の形成)を下記(正孔輸送層の形成−6)に変更し、(発光層の形成)を下記(発光層の形成−6)に変更した以外は、実施例1と同様にして、発光素子6を作製した。
(正孔輸送層の形成−6)
クロロベンゼンに、化合物VNPBを0.8重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロベンゼン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより、化合物VNPBは、化合物VNPBの架橋体となる。
(発光層の形成−6)
クロロベンゼンに、化合物DCzDBT、FIrpicおよび燐光発光性化合物G2(DCzDBT/FIrpic/燐光発光性化合物G2=70重量%/15重量%/15重量%)を2.0重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロベンゼン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により60nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(発光素子の評価)
発光素子6に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける駆動電圧は7.3[V]、外部量子効率は13.2[%]、色度座標(x,y)は(0.15,0.35)であった。
<実施例7> 発光素子7の作製と評価
実施例6における(発光層の形成−6)を下記(発光層の形成−7)に変更した以外は、実施例6と同様にして、発光素子7を作製した。
(発光層の形成−7)
トルエンに、化合物DCzDBT、燐光発光性化合物G1および燐光発光性化合物G3(DCzDBT/燐光発光性化合物G1/燐光発光性化合物G3=90重量%/5重量%/5重量%)を2.0重量%の濃度で溶解させた。得られたトルエン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により60nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(発光素子の評価)
発光素子7に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける駆動電圧は5.4[V]、外部量子効率は5.2[%]、色度座標(x,y)は(0.19,0.40)であった。
<実施例8> 発光素子8の作製と評価
実施例4における、化合物DCzDBT、FIrpicおよび燐光発光性化合物G1(DCzDBT/FIrpic/燐光発光性化合物G1=90重量%/5重量%/5重量%)に代えて、化合物DCzDBT、燐光発光性化合物G2および燐光発光性化合物G3(DCzDBT/燐光発光性化合物G2/燐光発光性化合物G3=90重量%/5重量%/5重量%)を用いた以外は、実施例4と同様にして、発光素子8を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子8に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける駆動電圧は4.9[V]、外部量子効率は2.3[%]、色度座標(x,y)は(0.21,0.44)であった。
<実施例9> 発光素子9の作製と評価
実施例4における、化合物DCzDBT、FIrpicおよび燐光発光性化合物G1(DCzDBT/FIrpic/燐光発光性化合物G1=90重量%/5重量%/5重量%)に代えて、化合物DCzDBT、燐光発光性化合物G2および燐光発光性化合物G4(DCzDBT/燐光発光性化合物G2/燐光発光性化合物G4=90重量%/5重量%/5重量%)を用いた以外は、実施例4と同様にして、発光素子9を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子9に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける駆動電圧は4.4[V]、外部量子効率は2.8[%]、色度座標(x,y)は(0.18,0.39)であった。
<比較例4> 発光素子C4の作製と評価
実施例4における、化合物DCzDBT、FIrpicおよび燐光発光性化合物G1(DCzDBT/FIrpic/燐光発光性化合物G1=90重量%/5重量%/5重量%)に代えて、化合物DCzDBT、燐光発光性化合物G1および燐光発光性化合物G2(DCzDBT/燐光発光性化合物G1/燐光発光性化合物G2=90重量%/5重量%/5重量%)を用いた以外は、実施例4と同様にして、発光素子C4を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子C4に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける駆動電圧は5.1[V]、外部量子効率は1.2[%]、色度座標(x,y)は(0.17,0.27)であった。
Figure 0006468289
<実施例10> 発光素子10の作製と評価
(陽極および正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により35nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(正孔輸送層の形成)
キシレンに、高分子化合物P1を0.6重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより、高分子化合物P1は、高分子化合物P1の架橋体となる。
(発光層の形成)
クロロベンゼンに、化合物DCzDBT、FIrpicおよび燐光発光性化合物G1(化合物DCzDBT/FIrpic/燐光発光性化合物G1=90重量%/5重量%/5重量%)を2.0重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロベンゼン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により60nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(電子輸送層の形成)
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノールに、高分子化合物P3を0.25重量%の濃度で溶解させた。得られた2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール溶液を用いて、発光層の上にスピンコート法により10nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分加熱させることにより電子輸送層を形成した。
(陰極の形成)
電子輸送層を形成した基板を蒸着機内において、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、電子輸送層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子10を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子10に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける駆動電圧は7.9[V]、外部量子効率は8.7[%]、発光スペクトルのピーク波長は470[nm]、色度座標(x,y)は(0.14,0.29)であった。
<実施例11> 発光素子11の作製と評価
実施例10における、化合物DCzDBT、FIrpiqおよび燐光発光性化合物G1を溶解させたクロロベンゼン溶液(2.0重量%、化合物DCzDBT/FIrpiq/燐光発光性化合物G1=90重量%/5重量%/5重量%)に代えて、化合物DCzDBT、FIrpiqおよび燐光発光性化合物G2を溶解させたクロロベンゼン溶液(2.0重量%、化合物DCzDBT/FIrpiq/燐光発光性化合物G2=90重量%/5重量%/5重量%)を用いた以外は、実施例10と同様にして、発光素子11を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子11に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける駆動電圧は7.9[V]、外部量子効率は9.2[%]、発光スペクトルのピーク波長は470[nm]、色度座標(x,y)は(0.14,0.30)であった。
<実施例12> 発光素子12の作製と評価
実施例10における、化合物DCzDBT、FIrpiqおよび燐光発光性化合物G1を溶解させたクロロベンゼン溶液(2.0重量%、化合物DCzDBT/FIrpiq/燐光発光性化合物G1=90重量%/5重量%/5重量%)に代えて、化合物DCzDBT、FIrpiqおよび燐光発光性化合物G2を溶解させたクロロベンゼン溶液(2.0重量%、化合物DCzDBT/FIrpiq/燐光発光性化合物G2=70重量%/15重量%/15重量%)を用いた以外は、実施例1と同様にして、発光素子12を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子12に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける駆動電圧は9.2[V]、外部量子効率は10.0[%]、発光スペクトルのピーク波長は475[nm]、色度座標(x,y)は(0.14,0.33)であった。
<比較例5> 発光素子C5の作製と評価
実施例10における(正孔輸送層の形成)を下記(正孔輸送層の形成−C5)に変更し、(発光層の形成)を下記(発光層の形成−C5)に変更した以外は、実施例10と同様にして、発光素子C5を作製した。
(正孔輸送層の形成−C5)
クロロベンゼンに、高分子化合物P5を0.5重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロベンゼン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成−C5)
クロロホルムに、化合物DCzDBT、FIrpicおよび燐光発光性化合物G1(DCzDBT/FIrpic/燐光発光性化合物G1=90重量%/5重量%/5重量%)を0.5重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロホルム溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により60nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(発光素子の評価)
発光素子C5に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける駆動電圧は7.2[V]、外部量子効率は1.3[%]、色度座標(x,y)は(0.15,0.29)であった。
Figure 0006468289
本発明によれば、外部量子効率に優れる発光素子を提供することができる。

Claims (10)

  1. 陽極と、
    陰極と、
    陽極および陰極の間に設けられた発光層と、
    陽極および発光層の間に設けられた正孔輸送層とを有する発光素子であって、
    正孔輸送層が、架橋基を有する材料を用いて得られる層であり、前記架橋基を有する材料が、式(Z'')で表される低分子化合物、または、式(Z)で表される構成単位もしくは式(Z’)で表される構成単位を含む高分子化合物であり、
    発光層が、発光スペクトルの最大ピーク波長が400nm以上495nm未満であり、下記式(A)で表される燐光発光性化合物(A)と、
    発光スペクトルの最大ピーク波長が400nm以上495nm未満であり、下記式(B)で表される燐光発光性化合物(B)とを含有する組成物を用いて得られる層であり、
    燐光発光性化合物(A)が有する環RA1と環RA2とで構成される配位子骨格の少なくとも1つと、燐光発光性化合物(B)が有する環RB1と環RB2とで構成される配位子骨格の少なくとも1つとが、互いに異なる、発光素子。
    Figure 0006468289
    [式中、
    Mは、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子または白金原子を表す。
    は1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表し、n+nは2または3である。Mがルテニウム原子、ロジウム原子またはイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mがパラジウム原子または白金原子の場合、n+nは2である。
    A1およびEA2は、それぞれ独立に、炭素原子または窒素原子を表す。但し、EA1およびEA2の少なくとも一方は炭素原子である。
    環RA1は、5員環または6員環の芳香族複素環を表し(但し、環RA1が6員環の芳香族複素環である場合、EA1は炭素原子である。)、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RA1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    環RA2は、5員環もしくは6員環の芳香族炭化水素環、または、5員環もしくは6員環の芳香族複素環を表し(但し、環RA2が6員環の芳香族複素環である場合、EA2は炭素原子である。)、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RA2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。但し、環RA1が6員環の芳香族複素環である場合、環RA2は電子求引基を有する。
    −G−Aは、アニオン性の2座配位子を表す。AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。Gは、単結合、または、AおよびAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。A−G−Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 0006468289
    [式中、
    Mは、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子または白金原子を表す。
    は1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表し、n+nは2または3である。Mがルテニウム原子、ロジウム原子またはイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mがパラジウム原子または白金原子の場合、n+nは2である。
    B1およびEB2は、それぞれ独立に、炭素原子または窒素原子を表す。但し、EB1およびEB2の少なくとも一方は炭素原子である。
    環RB1は、5員環または6員環の芳香族複素環を表し(但し、環RB1が6員環の芳香族複素環である場合、EB1は炭素原子である。)、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RB1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    環RB2は、5員環もしくは6員環の芳香族炭化水素環、または、5員環もしくは6員環の芳香族複素環を表し(但し、環RB2が6員環の芳香族複素環である場合、EB2は炭素原子である。)、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RB2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。但し、環RB1が6員環の芳香族複素環である場合、環RB2は電子求引基を有する。
    −G−Aは、アニオン性の2座配位子を表す。AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。Gは、単結合、または、AおよびAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。A−G−Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 0006468289
    [式中、
    B1 およびm B2 は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。複数存在するm B1 は、同一でも異なっていてもよい。
    B1 は0以上の整数を表す。n B1 が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    Ar は、芳香族炭化水素基、複素環基、または、少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    B1 は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’’’−で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’’’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。L B1 が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    X’’は、下記架橋基A群から選ばれる架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するX’’は、同一でも異なっていてもよい。但し、複数存在するX’’のうち、少なくとも1つは、下記架橋基A群から選ばれる架橋基である。]
    Figure 0006468289
    [式中、
    nAは0〜5の整数を表し、nは1または2を表す。
    Ar は、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’−で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。L が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    Xは、下記架橋基A群から選ばれる架橋基を表す。Xが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 0006468289
    [式中、
    mAは0〜5の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、cは0または1を表す。mAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    Ar は、芳香族炭化水素基、複素環基、または、少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    Ar およびAr は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    Ar 、Ar およびAr はそれぞれ、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と、直接または酸素原子もしくは硫黄原子を介して結合して、環を形成していてもよい。
    は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’’−で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。K が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    X’は、下記架橋基A群から選ばれる架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。但し、少なくとも1つのX’は、下記架橋基A群から選ばれる架橋基である。]
    (架橋基A群)
    Figure 0006468289
    [式中の基は、置換基を有していてもよい。]
  2. 前記発光層と、前記正孔輸送層とが、隣接している、請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記燐光発光性化合物(A)が有する環RA1と環RA2とで構成される配位子骨格の全てと、燐光発光性化合物(B)が有する環RB1と環RB2とで構成される配位子骨格の全てとが、互いに異なる、請求項1または2に記載の発光素子。
  4. 前記燐光発光性化合物(A)が、下記式(A−1)で表される燐光発光性化合物であり、
    前記燐光発光性化合物(B)が、下記式(B−1)で表される燐光発光性化合物である、請求項1〜のいずれか一項に記載の発光素子。
    Figure 0006468289
    [式中、
    M、n、n、EA2およびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
    環RA3は、6員環の芳香族複素環を表し、この環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RA3が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    環RA4は、5員環もしくは6員環の芳香族炭化水素環、または、5員環もしくは6員環の芳香族複素環を表し(但し、環RA4が6員環の芳香族複素環である場合、EA2は炭素原子である。)、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RA4が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。但し、環RA4は電子求引基を有する。]
    Figure 0006468289
    [式中、
    M、n、n、EB1、EB2およびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
    環RB3は、5員環の芳香族複素環を表し、この環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RB3が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    環RB4は、5員環もしくは6員環の芳香族炭化水素環、または、5員環もしくは6員環の芳香族複素環を表し(環RB4が6員環の芳香族複素環である場合、EB2は炭素原子である。)、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RB4が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
  5. 前記燐光発光性化合物(A)が、下記式(A−2)で表される燐光発光性化合物であり、
    前記燐光発光性化合物(B)が、下記式(B−2)で表される燐光発光性化合物である、請求項1〜のいずれか一項に記載の発光素子。
    Figure 0006468289
    [式中、
    M、n、n、EA2およびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
    環RA5は、イミダゾール環を表し、この環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RA5が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    環RA6は、5員環もしくは6員環の芳香族炭化水素環、または、5員環もしくは6員環の芳香族複素環を表し(但し、環RA6が6員環の芳香族複素環である場合、EA2は炭素原子である。)、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RA6が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 0006468289
    [式中、
    M、n、n、EB1、EB2およびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
    環RB5は、トリアゾール環を表し、この環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RB5が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    環RB6は、5員環もしくは6員環の芳香族炭化水素環、または、5員環もしくは6員環の芳香族複素環を表し(環RB6が6員環の芳香族複素環である場合、EB2は炭素原子である。)、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環RB6が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
  6. 前記式(A−1)で表される燐光発光性化合物が、下記式(A−3)で表される燐光発光性化合物であり、
    前記式(B−1)で表される燐光発光性化合物が、下記式(B−3)で表される燐光発光性化合物である、請求項に記載の発光素子。
    Figure 0006468289
    [式中、
    M、n、nおよびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
    A71、EA72、EA73、EA74、EA81、EA82、EA83およびEA84は、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。EA71、EA72、EA73、EA74、EA81、EA82、EA83およびEA84が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。EA71、EA72、EA73、EA74、EA81、EA82、EA83およびEA84が窒素原子の場合、RA71、RA72、RA73、RA74、RA81、RA82、RA83およびRA84は、存在しない。
    A71、RA72、RA73、RA74、RA81、RA82、RA83およびRA84は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RA71、RA72、RA73、RA74、RA81、RA82、RA83およびRA84が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。RA71とRA72、RA72とRA73、RA73とRA74、RA71とRA81、RA81とRA82、RA82とRA83、および、RA83とRA84は、それぞれ結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。但し、RA81、RA82、RA83およびRA84の少なくとも1つは、電子求引基である。
    環RA7は、窒素原子、炭素原子、EA71、EA72、EA73およびEA74とで構成されるピリジン環またはピリミジン環を表す。
    環RA8は、2つの炭素原子、EA81、EA82、EA83およびEA84とで構成されるベンゼン環、ピリジン環またはピリミジン環を表す。]
    Figure 0006468289
    [式中、
    M、n、n、EB1およびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
    B71、EB72、EB73、EB81、EB82、EB83およびEB84は、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。EB71、EB72、EB73、EB81、EB82、EB83およびEB84が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。EB71、EB72およびEB73が窒素原子の場合、RB71、RB72およびRB73は、存在しても存在しなくてもよい。EB81、EB82、EB83およびEB84が窒素原子の場合、RB81、RB82、RB83およびRB84は、存在しない。
    B71、RB72、RB73、RB81、RB82、RB83およびRB84は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RB71、RB72、RB73、RB81、RB82、RB83およびRB84が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。RB71とRB72、RB72とRB73、RB71とRB81、RB81とRB82、RB82とRB83、および、RB83とRB84は、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    環RB7は、窒素原子、EB1、EB71、EB72およびEB73とで構成されるトリアゾール環またはイミダゾール環を表す。
    環RB8は、2つの炭素原子、EB81、EB82、EB83およびEB84とで構成されるベンゼン環、ピリジン環またはピリミジン環を表す。]
  7. 前記式(A−2)で表される燐光発光性化合物が、下記式(A−4)で表される燐光発光性化合物であり、
    前記式(B−2)で表される燐光発光性化合物が、下記式(B−4)で表される燐光発光性化合物である、請求項に記載の発光素子。
    Figure 0006468289
    [式中、
    M、n、nおよびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
    A91、EA92、EA93、EA101、EA102、EA103およびEA104は、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。EA91、EA92、EA93、EA101、EA102、EA103およびEA104が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。EA91、EA92およびEA93が窒素原子の場合、RA91、RA92およびRA93は、存在しても存在しなくてもよい。EA101、EA102、EA103およびEA104が窒素原子の場合、RA101、RA102、RA103およびRA104は、存在しない。
    A91、RA92、RA93、RA101、RA102、RA103およびRA104は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RA91、RA92、RA93、RA101、RA102、RA103およびRA104が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。RA91とRA92、RA92とRA93、RA91とRA101、RA101とRA102、RA102とRA103、および、RA103とRA104は、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    環RA9は、窒素原子、炭素原子、EA91、EA92およびEA93とで構成されるイミダゾール環を表す。
    環RA10は、2つの炭素原子、EA101、EA102、EA103およびEA104とで構成されるベンゼン環、ピリジン環またはピリミジン環を表す。]
    Figure 0006468289
    [式中、
    M、n、n、EB1およびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
    B91、EB92、EB93、EB101、EB102、EB103およびEB104は、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。EB91、EB92、EB93、EB101、EB102、EB103およびEB104が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。EB91、EB92およびEB93が窒素原子の場合、RB91、RB92およびRB93は、存在しても存在しなくてもよい。EB101、EB102、EB103およびEB104が窒素原子の場合、RB101、RB102、RB103およびRB104は、存在しない。
    B91、RB92、RB93、RB101、RB102、RB103およびRB104は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RB91、RB92、RB93、RB101、RB102、RB103およびRB104が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。RB91とRB92、RB92とRB93、RB91とRB101、RB101とRB102、RB102とRB103、および、RB103とRB104は、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    環RB9は、窒素原子、EB1、EB91、EB92およびEB93とで構成されるトリアゾール環を表す。
    環RB10は、2つの炭素原子、EB101、EB102、EB103およびEB104とで構成されるベンゼン環、ピリジン環またはピリミジン環を表す。]
  8. 前記式(A−3)で表される燐光発光性化合物が、下記式(1)、(2)または(3)で表される燐光発光性化合物であり、
    前記式(B−3)で表される燐光発光性化合物が、下記式(4)、(5)、(6)または(7)で表される燐光発光性化合物である、請求項に記載の発光素子。
    Figure 0006468289
    [式中、
    −G−Aは、前記と同じ意味を表す。
    は、イリジウム原子または白金原子を表す。
    は1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表し、n+nは2または3である。Mがイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mが白金原子の場合、n+nは2である。
    、R、R、R、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R、R、R、R、R11、R12、R13およびR14が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。RとR、RとR、RとR、RとR11、R11とR12、R12とR13、および、R13とR14は、それぞれ結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。但し、R11、R12、R13およびR14の少なくとも1つは、電子求引基である。]
    Figure 0006468289
    [式中、
    −G−Aは、前記と同じ意味を表す。
    は、イリジウム原子または白金原子を表す。
    は1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表し、n+nは2または3である。Mがイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mが白金原子の場合、n+nは2である。
    21、R22、R23、R31、R32、R33およびR34は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R21、R22、R23、R31、R32、R33およびR34が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R21とR22、R22とR23、R21とR31、R31とR32、R32とR33、および、R33とR34は、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
  9. 前記式(A−4)で表される燐光発光性化合物が、下記式(4)または(5)で表される燐光発光性化合物であり、
    前記式(B−4)で表される燐光発光性化合物が、下記式(6)または(7)で表される燐光発光性化合物である、請求項に記載の発光素子。
    Figure 0006468289
    [式中、
    −G−Aは、前記と同じ意味を表す。
    は、イリジウム原子または白金原子を表す。
    は1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表し、n+nは2または3である。Mがイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mが白金原子の場合、n+nは2である。
    21、R22、R23、R31、R32、R33およびR34は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R21、R22、R23、R31、R32、R33およびR34が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R21とR22、R22とR23、R21とR31、R31とR32、R32とR33、および、R33とR34は、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
  10. 前記発光層が、下記式(H−1)で表される化合物を更に含有する組成物を用いて得られる層である、請求項1〜のいずれか一項に記載の発光素子。
    Figure 0006468289
    [式中、
    ArH1およびArH2は、それぞれ独立に、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    H1およびnH2は、それぞれ独立に、0または1を表す。nH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。複数存在するnH2は、同一でも異なっていてもよい。
    H3は、0以上の整数を表す。
    H1は、アリーレン基、2価の複素環基、または、−[C(RH11]nH11−で表される基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    H11は、1以上10以下の整数を表す。RH11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRH11は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
    H2は、−N(−LH21−RH21)−で表される基を表す。LH2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    H21は、単結合、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RH21は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
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