JP2018061030A - 発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部量子効率が優れる発光素子を提供する。【解決手段】陽極と、陰極と、陽極及び陰極の間に設けられた第1の有機層及び第2の有機層と、を有する発光素子であって、第1の有機層が、最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が0.5eV以下である化合物(T)を含有し、且つ、燐光発光性金属錯体を含有しない層であり、第2の有機層が、架橋基を有する構成単位を含む高分子化合物の架橋体を含有する層であり、前記高分子化合物を構成する全構成単位の分子量の合計をX1とし、前記高分子化合物を構成する全構成単位が有する架橋基の数の合計をY1としたとき、(Y1×1000)/X1の値が0.25以上である、発光素子。【選択図】なし

Description

本発明は、発光素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子等の発光素子は、ディスプレイ及び照明の用途に好適に使用することが可能であり、研究開発が行われている。例えば、特許文献1には、高分子化合物(P−2)を含有する有機層と、カルバゾール骨格を有する発光材料を含有する発光層とを有する発光素子が記載されている。
Figure 2018061030
国際公開第2016/091351号
しかし、上述した発光素子は、外部量子効率が必ずしも十分ではない。
そこで、本発明は、外部量子効率が優れる発光素子を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[12]を提供する。
[1]
陽極と、陰極と、陽極及び陰極の間に設けられた第1の有機層及び第2の有機層と、を有する発光素子であって、
前記第1の有機層が、最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が0.5eV以下である化合物(T)を含有し、且つ、燐光発光性金属錯体を含有しない層であり、
前記第2の有機層が、架橋基を有する構成単位を含む高分子化合物の架橋体を含有する層であり、
前記高分子化合物を構成する全構成単位の分子量の合計をX1とし、前記高分子化合物を構成する全構成単位が有する架橋基の数の合計をY1としたとき、(Y1×1000)/X1の値が0.25以上である、発光素子。
[2]
前記架橋基が、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基である、[1]に記載の発光素子。
(架橋基A群)
Figure 2018061030
[式中、RXLは、メチレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、nXLは、0〜5の整数を表す。RXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、nXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。*1は結合位置を表す。これらの架橋基は置換基を有していてもよい。]
[3]
前記架橋基を有する構成単位が、式(2)で表される構成単位又は式(2’)で表される構成単位である、[2]に記載の発光素子。
Figure 2018061030
[式中、
nAは0〜5の整数を表し、nは1又は2を表す。nAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Ar3は、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Aは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Xは、架橋基A群から選ばれる架橋基を表す。Xが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 2018061030
[式中、
mAは0〜5の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、cは0又は1を表す。mAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Ar5は、芳香族炭化水素基、複素環基、又は、少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar4及びAr6は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar4、Ar5及びAr6はそれぞれ、該基が結合している窒素原子に結合している該基以外の基と、直接結合又は酸素原子若しくは硫黄原子を介して結合して、環を形成していてもよい。
Aは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、前記と同じ意味を表す。KAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
X’は、架橋基A群から選ばれる架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。X’が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。但し、少なくとも1つのX’は、架橋基A群から選ばれる架橋基である。]
[4]
前記化合物(T)が式(T−1)で表される化合物である、[1]〜[3]のいずれかに記載の発光素子。
Figure 2018061030
[式中、
T1は、0以上5以下の整数を表す。nT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
ArT1は、アリール基、置換アミノ基、又は、1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。但し、ArT1の少なくとも1つは、置換アミノ基であるか、又は、環内に二重結合を有さない窒素原子を含み、且つ、環内に=N−で表される基、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、及び、式(P):
Figure 2018061030
で表される基を含まない、1価の複素環基である。ZT1は、酸素原子、硫黄原子又は=NRZT1で表される基を表す。RZT1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
T1は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NRT1'−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RT1'は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。
ArT2は、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、前記式(P)で表される基、電子求引性基を有する芳香族炭化水素基、又は、環内に=N−で表される基を含む複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
T2は、1以上15以下の整数を表す。但し、ArT2がホウ素原子又は前記式(P)で表される基である場合、nT2は3である。ArT2が−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、又は、−S(=O)2−で表される基である場合、nT2は2である。
ArT1とLT1とは直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。ArT2とLT1とは直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。ArT1とArT2とは直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。]
[5]
前記ArT1の少なくとも1つが、式(T1−1)で表される基である、[4]に記載の発光素子。
Figure 2018061030
[式中、
環RT1及び環RT2は、それぞれ独立に、環内に−C(=ZT1)−で表される基を含まない芳香族炭化水素環、又は、環内に=N−で表される基、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、及び、前記式(P)で表される基を含まない複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。ZT1は前記と同じ意味を表す。
T1は、単結合、酸素原子、硫黄原子、−N(RXT1)−で表される基、又は、−C(RXT1')2−で表される基を表す。RXT1及びRXT1'は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRXT1'は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
XT1と環RT1が有していてもよい置換基、RXT1と環RT2が有していてもよい置換基、RXT1'と環RT1が有していてもよい置換基、及び、RXT1'と環RT2が有していてもよい置換基は、それぞれ直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
[6]
前記式(T1−1)で表される基が、式(T1−1A)で表される基、式(T1−1B)で表される基、式(T1−1C)で表される基又は式(T1−1D)で表される基である、[5]に記載の発光素子。
Figure 2018061030
[式中、
T1は、前記と同じ意味を表す。
T2及びXT3は、それぞれ独立に、単結合、酸素原子、硫黄原子、−N(RXT2)−で表される基、又は、−C(RXT2')2−で表される基を表す。RXT2及びRXT2'は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRXT2'は、同一でも異なっていてもよく、直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
T1、RT2、RT3、RT4、RT5、RT6、RT7、RT8、RT9、RT10、RT11及びRT12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
T1とRT2、RT2とRT3、RT3とRT4、RT5とRT6、RT6とRT7、RT7とRT8、RT9とRT10、RT10とRT11、及び、RT11とRT12は、それぞれ直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
[7]
前記ArT2が、環内に=N−で表される基を含む複素環基(該基は置換基を有していてもよい。)である、[4]〜[6]のいずれかに記載の発光素子。
[8]
前記ArT2が、ジアゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、ベンゾジアゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサジアゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、アザカルバゾール環、ジアザカルバゾール環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、トリアザナフタレン環、テトラアザナフタレン環、アザアントラセン環、ジアザアントラセン環、トリアザアントラセン環、テトラアザアントラセン環、アザフェナントレン環、ジアザフェナントレン環、トリアザフェナントレン環又はテトラアザフェナントレン環から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基(該基は置換基を有していてもよい)である、[7]に記載の発光素子。
[9]
前記化合物(T)の振動子強度が0.0001以上である、[1]〜[8]のいずれかに記載の発光素子。
[10]
前記第1の有機層が、ホスト材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、蛍光発光材料及び酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含有する、[1]〜[9]のいずれかに記載の発光素子。
[11]
前記第1の有機層と、前記第2の有機層とが、隣接している、[1]〜[10]のいずれかに記載の発光素子。
[12]
前記第2の有機層が、前記陽極及び前記第1の有機層との間に設けられた層である、[1]〜[11]のいずれかに記載の発光素子。
本発明によれば、外部量子効率が優れる発光素子を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<共通する用語の説明>
本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、i-Prはイソプロピル基、t-Buはtert-ブチル基を表す。
水素原子は、重水素原子であっても、軽水素原子であってもよい。
金属錯体を表す式中、中心金属との結合を表す実線は、共有結合又は配位結合を意味する。
「高分子化合物」とは、分子量分布を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×103〜1×108である重合体を意味する。
高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよい。
高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、高分子化合物を発光素子の作製に用いた場合に発光特性又は輝度寿命が低下する可能性があるので、好ましくは安定な基である。高分子化合物の末端基としては、好ましくは主鎖と共役結合している基であり、例えば、炭素−炭素結合を介して高分子化合物の主鎖と結合するアリール基又は1価の複素環基と結合している基が挙げられる。
「低分子化合物」とは、分子量分布を有さず、分子量が1×104以下の化合物を意味する。
「構成単位」とは、高分子化合物中に1個以上存在する単位を意味する。
「アルキル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。分岐のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、2-エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、3-プロピルヘプチル基、デシル基、3,7-ジメチルオクチル基、2-エチルオクチル基、2-ヘキシルデシル基、ドデシル基、及び、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基(例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3-フェニルプロピル基、3-(4-メチルフェニル)プロピル基、3-(3,5-ジ-ヘキシルフェニル)プロピル基、6-エチルオキシヘキシル基)が挙げられる。
「シクロアルキル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
シクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基が挙げられる。
「アリール基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。アリール基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜20であり、より好ましくは6〜10である。
アリール基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、1-ピレニル基、2-ピレニル基、4-ピレニル基、2-フルオレニル基、3-フルオレニル基、4-フルオレニル基、2-フェニルフェニル基、3-フェニルフェニル基、4-フェニルフェニル基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「アルコキシ基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜40であり、好ましくは4〜10である。分岐のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7-ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、及び、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「シクロアルコキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
シクロアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
「アリールオキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜48である。
アリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェノキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基、1-アントラセニルオキシ基、9-アントラセニルオキシ基、1-ピレニルオキシ基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「p価の複素環基」(pは、1以上の整数を表す。)とは、複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。p価の複素環基の中でも、芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団である「p価の芳香族複素環基」が好ましい。
「芳香族複素環式化合物」は、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール等の複素環自体が芳香族性を示す化合物、及び、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香環が縮環されている化合物を意味する。
1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは4〜20である。
1価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジニル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基等で置換された基が挙げられる。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。
「アミノ基」は、置換基を有していてもよく、置換アミノ基が好ましい。アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基が好ましい。
置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基が挙げられる。
アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4-メチルフェニル)アミノ基、ビス(4-tert-ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。
「アルケニル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜30であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルケニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルケニル基及びシクロアルケニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、7-オクテニル基、及び、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アルキニル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。アルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常2〜20であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルキニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルキニル基及びシクロアルキニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1-ヘキシニル基、5-ヘキシニル基、及び、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アリーレン基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団を意味する。アリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
アリーレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基、クリセンジイル基、及び、これらの基が置換基を有する基が挙げられ、好ましくは、式(A-1)〜式(A-20)で表される基である。アリーレン基は、これらの基が複数結合した基を含む。
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
[式中、R及びRaは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。複数存在するR及びRaは、各々、同一でも異なっていてもよく、Ra同士は互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは、3〜20であり、より好ましくは、4〜15である。
2価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フラン、チオフェン、アゾール、ジアゾール、トリアゾールから、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられ、好ましくは、式(AA-1)〜式(AA-34)で表される基である。2価の複素環基は、これらの基が複数結合した基を含む。
Figure 2018061030
Figure 2018061030
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[式中、R及びRaは、前記と同じ意味を表す。]
「架橋基」とは、加熱、紫外線照射、近紫外線照射、可視光照射、赤外線照射、ラジカル反応等に供することにより、新たな結合を生成することが可能な基であり、好ましくは、架橋基A群の式(XL-1)〜式(XL-17)で表される架橋基である。
「置換基」とは、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基又はシクロアルキニル基を表す。置換基は架橋基であってもよい。
<発光素子>
本発明の発光素子は、陽極と、陰極と、陽極及び陰極の間に設けられた第1の有機層及び第2の有機層と、を有する発光素子であって、前記第1の有機層が、最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値(以下、「ΔEST」ともいう。)が0.5eV以下である化合物(T)を含有し、且つ、燐光発光性金属錯体を含有しない層であり、前記第2の有機層が、架橋基を有する構成単位を含む高分子化合物の架橋体を含有する層であり、前記高分子化合物を構成する全構成単位の分子量の合計をX1とし、前記高分子化合物を構成する全構成単位が有する架橋基の数の合計をY1としたとき、(Y1×1000)/X1の値が0.25以上である、発光素子である。なお、燐光発光性金属錯体は、室温(25℃)で三重項励起状態からの発光を示す金属錯体である。
第1の有機層及び第2の有機層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法等の乾式法、並びに、スピンコート法及びインクジェット印刷法等の湿式法が挙げられ、湿式法が好ましい。
第1の有機層を湿式法により形成する場合、後述する第1のインクを用いることが好ましい。
第2の有機層を湿式法により形成する場合、後述する第2のインクを用いることが好ましい。第2の有機層を形成後、加熱又は光照射することで、第2の有機層に含有される架橋基を有する構成単位を含む高分子化合物を架橋させることができ、加熱することで、第2の有機層に含有される架橋基を有する構成単位を含む高分子化合物を架橋させることが好ましい。架橋基を有する構成単位を含む高分子化合物が架橋した状態(架橋基を有する構成単位を含む高分子化合物の架橋体)で、第2の有機層に含有されている場合、第2の有機層は溶媒に対して実質的に不溶化されている。そのため、第2の有機層は、発光素子の積層化に好適に使用することができる。
架橋させるための加熱の温度は、通常、25℃〜300℃であり、好ましくは50℃〜260℃であり、より好ましくは130℃〜230℃であり、更に好ましくは180℃〜210℃である。
加熱の時間は、通常、0.1分〜1000分であり、好ましくは0.5分〜500分であり、より好ましくは1分〜120分であり、更に好ましくは10分〜60分である。
光照射に用いられる光の種類は、例えば、紫外光、近紫外光、可視光である。
第1の有機層又は第2の有機層に含有される成分の分析方法としては、例えば、抽出等の化学的分離分析法、赤外分光法(IR)、核磁気共鳴分光法(NMR)、質量分析法(MS)等の機器分析法、並びに、化学的分離分析法及び機器分析法を組み合わせた分析法が挙げられる。
第1の有機層又は第2の有機層に対して、トルエン、キシレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等の有機溶媒を用いた固液抽出を行うことで、有機溶媒に対して実質的に不溶な成分(不溶成分)と、有機溶媒に対して溶解する成分(溶解成分)とに分離することが可能である。不溶成分は赤外分光法又は核磁気共鳴分光法により分析することが可能であり、溶解成分は核磁気共鳴分光法又は質量分析法により分析することが可能である。
<第1の有機層>
[化合物(T)]
化合物(T)は、熱活性化遅延蛍光(TADF)材料であることが好ましい。
化合物(T)のΔESTは、好ましくは0.45eV以下であり、より好ましくは0.40eV以下であり、更に好ましくは0.30eV以下であり、特に好ましくは0.20eV以下であり、とりわけ好ましくは0.13eV以下であり、とりわけより好ましくは0.11eV以下である。化合物(T)のΔESTは、好ましくは0.0001eV以上であり、より好ましくは0.001eV以上であり、更に好ましくは0.005eV以上であり、特に好ましくは0.01eV以上である。化合物(T)のΔESTは、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは、0.0001eV以上0.45eV以下であり、より好ましくは、0.0001eV以上0.40eV以下であり、更に好ましくは0.001eV以上0.20eV以下であり、更に好ましくは0.01eV以上0.11eV以下である。
化合物(T)の振動子強度は、好ましくは0.0001以上であり、より好ましくは0.001以上、更に好ましくは0.01以上であり、特に好ましくは0.05以上であり、とりわけ好ましくは0.1以上である。化合物(T)の振動子強度は、好ましくは1以下であり、より好ましくは0.8以下であり、更に好ましくは0.6以下であり、特に好ましくは0.3以下である。化合物(T)の振動子強度は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは0.0001以上1以下であり、より好ましくは0.001以上0.8以下であり、更に好ましくは0.01以上0.6以下であり、特に好ましくは0.1以上0.5以下であり、とりわけ好ましくは0.1以上0.3以下である。
化合物のΔEST及び振動子強度の値の算出は、B3LYPレベルの密度汎関数法により、化合物の基底状態を構造最適化し、その際、基底関数としては、6−31G*を用いる。そして、量子化学計算プログラムとしてGaussian09を用いて、B3LYPレベルの時間依存密度汎関数法により、化合物のΔEST及び振動子強度を算出する。但し、6−31G*が使用できない原子を含む場合は、該原子に対してはLANL2DZを用いる。
化合物(T)の分子量は、好ましくは1×102〜1×104であり、より好ましくは2×102〜5×103であり、更に好ましくは3×102〜3×103であり、特に好ましくは5×102〜1.5×103である。
化合物(T)は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、式(T−1)で表される化合物であることが好ましい。
T1は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは0以上3以下の整数であり、より好ましくは0以上2以下の整数であり、更に好ましくは0又は1である。
T2は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは1以上10以下の整数であり、より好ましくは、好ましくは1以上7以下の整数であり、更に好ましくは1以上5以下の整数であり、特に好ましくは2又は3である。
ArT1におけるアリール基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環、ナフタセン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、インデン環、ピレン環、ペリレン環、クリセン環、又は、これらの環が縮合した環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた基が挙げられ、好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環、ナフタセン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、インデン環、ピレン環、ペリレン環、又は、クリセン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、より好ましくは、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ジヒドロフェナントレニル基、フルオレニル基又はスピロビフルオレニル基であり、更に好ましくは、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基又はスピロビフルオレニル基であり、特に好ましくは、フェニル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT1における1価の複素環基としては、例えば、後述の1価のドナー型複素環基及び後述の1価のドナー型複素環基以外の1価の複素環基が挙げられ、好ましくは、カルバゾール環、9,10−ジヒドロアクリジン環、5,10−ジヒドロフェナジン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、インドロカルバゾール環、インデノカルバゾール環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、アザアントラセン環、ジアザアントラセン環、アザフェナントレン環、ジアザフェナントレン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、アザカルバゾール環又はジアザカルバゾール環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、より好ましくは、カルバゾール環、インドロカルバゾール環、インデノカルバゾール環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、更に好ましくは、カルバゾール環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT1における置換アミノ基において、アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基が好ましく、アリール基又は1価の複素環基がより好ましく、アリール基が更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。アミノ基が有する置換基におけるアリール基の例及び好ましい範囲は、ArT1におけるアリール基の例及び好ましい範囲と同じである。アミノ基が有する置換基における1価の複素環基の例及び好ましい範囲は、ArT1における1価の複素環基の例及び好ましい範囲と同じである。
「二重結合を有さない窒素原子」とは、窒素原子と、その窒素原子と結合するすべての原子との間に単結合のみを有する窒素原子を意味する。
「環内に二重結合を有さない窒素原子を含む」とは、環内に−N(−RN)−(式中、RNは水素原子又は置換基を表す。)又は式:
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で表される基を含むことを意味する。
環内に二重結合を有さない窒素原子を含み、且つ、環内に=N−で表される基、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、及び、前記式(P)で表される基を含まない、1価の複素環基(本明細書において、「1価のドナー型複素環基」ともいう。)において、環を構成する二重結合を有さない窒素原子の数は、通常、1〜10であり、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜3であり、更に好ましくは1又は2であり、特に好ましくは1である。
1価のドナー型複素環基において、環を構成する炭素原子の数は、通常2〜60であり、好ましくは5〜40であり、より好ましくは10〜25である。
1価のドナー型複素環基としては、例えば、ピロール環、インドール環、イソインドール環、カルバゾール環、9,10−ジヒドロアクリジン環、5,10−ジヒドロフェナジン環、アクリドン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、インドロカルバゾール環、インデノカルバゾール環、又は、これらの複素環に芳香族炭化水素環及び/若しくは複素環が縮合した環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基が挙げられ、これらの基は置換基を有していてもよい。但し、複素環に縮合してもよい芳香族炭化水素環は、後述の環内に−C(=ZT1)−で表される基を含まない芳香族炭化水素環である。複素環に縮合してもよい複素環は、後述の環内に=N−で表される基、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、及び、前記式(P)で表される基を含まない複素環である。
1価のドナー型複素環基は、好ましくは、ピロール環、インドール環、イソインドール環、カルバゾール環、9,10−ジヒドロアクリジン環、5,10−ジヒドロフェナジン環、アクリドン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、インドロカルバゾール環又はインデノカルバゾール環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、より好ましくは、カルバゾール環、9,10−ジヒドロアクリジン環、5,10−ジヒドロフェナジン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、インドロカルバゾール環又はインデノカルバゾール環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、更に好ましくは、カルバゾール環、インドロカルバゾール環又はインデノカルバゾール環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、特に好ましくは、カルバゾール環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
1価のドナー型複素環基以外の1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは3〜20である。
1価のドナー型複素環基以外の1価の複素環基としては、例えば、ジアゾール環、トリアゾール環、フラン環、チオフェン環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、トリアザナフタレン環、アザアントラセン環、ジアザアントラセン環、トリアザアントラセン環、アザフェナントレン環、ジアザフェナントレン環、トリアザフェナントレン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾシロール環、ジベンゾホスホール環、アザカルバゾール環、ジアザカルバゾール環、これらの複素環が縮合した環、及び、これらの複素環に芳香族炭化水素環が縮合した環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基が挙げられ、好ましくは、ジアゾール環、トリアゾール環、フラン環、チオフェン環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、トリアザナフタレン環、アザアントラセン環、ジアザアントラセン環、トリアザアントラセン環、アザフェナントレン環、ジアザフェナントレン環、トリアザフェナントレン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾシロール環、ジベンゾホスホール環、アザカルバゾール環又はジアザカルバゾール環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、より好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、アザアントラセン環、ジアザアントラセン環、アザフェナントレン環、ジアザフェナントレン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、アザカルバゾール環又はジアザカルバゾール環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、更に好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、特に好ましくは、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT1が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基が好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、1価の複素環基、置換アミノ基又はシアノ基がより好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基が更に好ましく、アルキル基、アリール基又は置換アミノ基が特に好ましく、置換アミノ基がとりわけ好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
ArT1が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArT1におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基としては、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、更に好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、特に好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基が特に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArT1におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
ArT1の少なくとも1つは、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは、1価のドナー型複素環基であり、より好ましくは、式(T1−1)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。即ち、1価のドナー型複素環基は式(T1−1)で表される基であることが好ましい。
ArT1が置換アミノ基及び1価のドナー型複素環基ではない場合、ArT1は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは、アリール基、又は、1価のドナー型複素環基以外の1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT1は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは、アリール基又は1価のドナー型複素環基であり、より好ましくは、アリール基又は式(T1−1)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよいが、環を形成しないことが好ましい。
「2価の基」としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−N(RArT1)−で表される基、−B(RArT1)−で表される基、−P(RArT1)−で表される基、−(O=)P(RArT1)−で表される基、−Si(RArT1')2−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2で表される基、−C(=ZT1)−で表される基、酸素原子又は硫黄原子が挙げられ、好ましくは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−N(RArT1)−で表される基、−P(RArT1)−で表される基、−Si(RArT1')2−で表される基、酸素原子又は硫黄原子であり、より好ましくは、アルキレン基、シクロアルキレン基、−N(RArT1)−で表される基、−P(RArT1)−で表される基、−Si(RArT1')2−で表される基、酸素原子又は硫黄原子であり、更に好ましくは、アルキレン基、−N(RArT1)−で表される基、酸素原子又は硫黄原子であり、特に好ましくは、酸素原子又は硫黄原子であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
2価の基が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
2価の基が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
2価の基におけるアルキレン基の例及び好ましい範囲は、後述のLAで表されるアルキレン基の例及び好ましい範囲と同じである。2価の基におけるシクロアルキレン基の例及び好ましい範囲は、後述のLAで表されるシクロアルキレン基の例及び好ましい範囲と同じである。
2価の基におけるアリーレン基の例及び好ましい範囲は、後述のLT1で表されるアリーレン基の例及び好ましい範囲と同じである。2価の基における2価の複素環基の例及び好ましい範囲は、後述のLT1で表される2価の複素環基の例及び好ましい範囲と同じである。
ArT1及びRArT1'は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT1の例及び好ましい範囲は、後述のRXT1の例及び好ましい範囲と同じである。
ArT1'の例及び好ましい範囲は、後述のRXT1'の例及び好ましい範囲と同じである。
・式(T1−1)で表される基
「環内に−C(=ZT1)−で表される基を含まない芳香族炭化水素環」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
環内に−C(=ZT1)−で表される基を含まない芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環、ナフタセン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、インデン環、ピレン環、ペリレン環、クリセン環及びこれらの環が縮合した環が挙げられ、好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環、ナフタセン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、インデン環、ピレン環、ペリレン環又はクリセン環であり、より好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環、フルオレン環又はスピロビフルオレン環であり、更に好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環又はスピロビフルオレン環であり、特に好ましくは、ベンゼン環又はフルオレン環であり、とりわけ好ましくは、ベンゼン環であり、これらの環は置換基を有していてもよい。
「環内に=N−で表される基、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、及び、前記式(P)で表される基を含まない複素環」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは、3〜30であり、より好ましくは、4〜15である。
環内に=N−で表される基、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、及び、前記式(P)で表される基を含まない複素環としては、ピロール環、フラン環、チオフェン環、シロール環、ホスホール環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾシロール環、ベンゾホスホール環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾシロール環、ジベンゾホスホール環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、9,10−ジヒドロアクリジン環、5,10−ジヒドロフェナジン環、これらの環が縮合した環、及び、これらの環に、環内に−C(=ZT1)−で表される基を含まない芳香族炭化水素環が縮合した環が挙げられ、好ましくは、ピロール環、フラン環、チオフェン環、シロール環、ホスホール環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾシロール環、ベンゾホスホール環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾシロール環、ジベンゾホスホール環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、9,10−ジヒドロアクリジン環又は5,10−ジヒドロフェナジン環であり、より好ましくは、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、9,10−ジヒドロアクリジン環又は5,10−ジヒドロフェナジン環であり、更に好ましくは、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、9,10−ジヒドロアクリジン環又は5,10−ジヒドロフェナジン環であり、特に好ましくは、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環であり、とりわけ好ましくはカルバゾール環であり、これらの環は置換基を有していてもよい。
環RT1及び環RT2が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
環RT1及び環RT2が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
環RT1及び環RT2のうち、少なくとも1つは、環内に−C(=ZT1)−で表される基を含まない芳香族炭化水素環であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。
環RT1及び環RT2の両方が環内に−C(=ZT1)−で表される基を含まない芳香族炭化水素環であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。
T1は、好ましくは、単結合、酸素原子、硫黄原子又は−C(RXT1')2−で表される基であり、より好ましくは単結合、酸素原子又は硫黄原子であり、更に好ましくは単結合である。
XT1は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、アリール基又は1価の複素環基であり、更に好ましくは、アリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
XT1'は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、更に好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
複数存在するRXT1'は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよいが、環を形成しないことが好ましい。
XT1及びRXT1'におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArT1におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
XT1及びRXT1'が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
XT1と環RT1が有していてもよい置換基、RXT1と環RT2が有していてもよい置換基、RXT1'と環RT1が有していてもよい置換基、及び、RXT1'と環RT2が有していてもよい置換基は、それぞれ直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよいが、環を形成しないことが好ましい。
式(T1−1)で表される基は、好ましくは、式(T1−1A)で表される基、式(T1−1B)で表される基、式(T1−1C)で表される基又は式(T1−1D)で表される基であり、より好ましくは、式(T1−1A)で表される基、式(T1−1B)で表される基又は式(T1−1C)で表される基であり、更に好ましくは式(T1−1A)で表される基である。
T2及びXT3は、好ましくは、単結合、−N(RXT2)−で表される基、又は、−C(RXT2')2−で表される基であり、より好ましくは、単結合又は−C(RXT2')2−で表される基である。
T2及びXT3のうち、少なくとも一方は単結合であることが好ましく、XT3が単結合であることがより好ましい。
T2及びXT3のうち、少なくとも一方が単結合である場合、もう一方は酸素原子、硫黄原子、−N(RXT2)−で表される基、又は、−C(RXT2')2−で表される基であることが好ましく、−N(RXT2)−で表される基、又は、−C(RXT2')2−で表される基であることがより好ましく、−C(RXT2')2−で表される基であることが更に好ましい。
XT2の例及び好ましい範囲は、RXT1の例及び好ましい範囲と同じである。
XT2'の例及び好ましい範囲は、RXT1'の例及び好ましい範囲と同じである。
XT2及びRXT2'が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、RXT1及びRXT1'が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
T1、RT2、RT3、RT4、RT5、RT6、RT7、RT8、RT9、RT10、RT11及びRT12は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、1価の複素環基、置換アミノ基又はシアノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることがより好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(T1−1A)で表される基において、RT1、RT2、RT4、RT5、RT7及びRT8は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(T1−1A)で表される基において、RT3及びRT6は、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることが好ましく、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることがより好ましく、置換アミノ基であることが更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(T1−1B)、式(T1−1C)及び式(T1−1D)で表される基において、RT1、RT2、RT3、RT4、RT5、RT6、RT7、RT8、RT9、RT10、RT11及びRT12は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
T1、RT2、RT3、RT4、RT5、RT6、RT7、RT8、RT9、RT10、RT11及びRT12におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArT1におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
T1、RT2、RT3、RT4、RT5、RT6、RT7、RT8、RT9、RT10、RT11及びRT12が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである
T1とRT2、RT2とRT3、RT3とRT4、RT5とRT6、RT6とRT7、RT7とRT8、RT9とRT10、RT10とRT11、及び、RT11とRT12は、それぞれ直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよいが、環を形成しないことが好ましい。
T1は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基又は2価の複素環基であることが好ましく、アリーレン基又は2価の複素環基であることがより好ましく、アリーレン基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
T1で表されるアリーレン基としては、好ましくは、フェニレン基、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基、フェナントレンジイル基又はジヒドロフェナントレンジイル基であり、より好ましくは、式(A−1)〜式(A−9)、式(A−19)又は式(A−20)で表される基であり、更に好ましくは、式(A−1)〜式(A−3)で表される基であり、特に好ましくは、式(A−1)又は(A−2)で表される基であり、とりわけ好ましくは、式(A−1)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
T1で表される2価の複素環基としては、好ましくは、式(AA−1)〜式(AA−34)で表される基であり、より好ましくは、式(AA−1)〜式(AA−6)、式(AA−10)〜式(AA−21)又は式(AA−24)〜式(AA−34)で表される基であり、更に好ましくは、式(AA−1)〜式(AA−4)、式(AA−10)〜式(AA−15)又は式(AA−29)〜式(AA−34)で表される基であり、特に好ましくは、式(AA−2)、式(AA−4)、式(AA−10)、式(AA−12)又は式(AA−14)で表される基である。
T1が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
T1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
T1'は、好ましくは、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
T1'におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArT1におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい範囲と同じである。
T1'が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
T1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、直接結合又は2価の基を介して結合して、環を形成してもよいが、環を形成しないことが好ましい。
ArT2は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)2で表される基、前記式(P)で表される基、電子求引性基を有する芳香族炭化水素基、又は、環内に=N−で表される基を含む複素環基であり、より好ましくは、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)2で表される基、電子求引性基を有する芳香族炭化水素基、又は、環内に=N−で表される基を含む複素環基であり、更に好ましくは、−S(=O)2で表される基、電子求引性基を有する芳香族炭化水素基、又は、環内に=N−で表される基を含む複素環基であり、特に好ましくは、電子求引性基を有する芳香族炭化水素基、又は、環内に=N−で表される基を含む複素環基であり、とりわけ好ましくは、環内に=N−で表される基を含む複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
T1は、好ましくは、酸素原子である。
ZT1は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、アリール基又は1価の複素環基であり、更に好ましくはアリール基であり、れらの基は置換基を有していてもよい。
ZT1におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArT1におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい範囲と同じである。
ZT1が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
電子求引性基を有する芳香族炭化水素基において、芳香族炭化水素基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
電子求引性基を有する芳香族炭化水素基における芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環、ナフタセン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、インデン環、ピレン環、ペリレン環、クリセン環及びこれらの環が縮合した環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基が挙げられ、好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環、ナフタセン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、インデン環、ピレン環、ペリレン環又はクリセン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、より好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環、フルオレン環又はスピロビフルオレン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、更に好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環又はスピロビフルオレン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、特に好ましくは、ベンゼン環又はフルオレン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、とりわけ好ましくは、ベンゼン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
電子求引性基としては、例えば、フッ素原子を置換基として有するアルキル基、フッ素原子、シアノ基及びニトロ基が挙げられ、好ましくは、フッ素原子を置換基として有するアルキル基、フッ素原子又はシアノ基であり、より好ましくは、シアノ基である。
フッ素原子を置換基として有するアルキル基としては、好ましくは、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基である。
電子求引性基を有する芳香族炭化水素基において、芳香族炭化水素基が有する電子求引性基の数は、通常、1〜10個であり、好ましくは、1〜5個であり、より好ましくは1〜3個であり、更に好ましくは、1個又は2個である。
環内に=N−で表される基を含む複素環基において、環を構成する二重結合を有する窒素原子の数は、通常、1〜10であり、好ましくは1〜7であり、より好ましくは1〜5であり、更に好ましくは1〜3であり、特に好ましくは3である。
環内に=N−で表される基を含む複素環基において、環を構成する炭素原子の数は、通常1〜60であり、好ましくは2〜30であり、より好ましくは3〜15であり、特に好ましくは3〜5である。
環内に=N−で表される基を含む複素環基としては、例えば、ジアゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、ベンゾジアゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサジアゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、アザカルバゾール環、ジアザカルバゾール環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、トリアザナフタレン環、テトラアザナフタレン環、アザアントラセン環、ジアザアントラセン環、トリアザアントラセン環、テトラアザアントラセン環、アザフェナントレン環、ジアザフェナントレン環、トリアザフェナントレン環、テトラアザフェナントレン環、又は、これらの複素環に芳香環が縮環した環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基が挙げられ、好ましくは、ジアゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、ベンゾジアゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサジアゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、アザカルバゾール環、ジアザカルバゾール環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、トリアザナフタレン環、テトラアザナフタレン環、アザアントラセン環、ジアザアントラセン環、トリアザアントラセン環、テトラアザアントラセン環、アザフェナントレン環、ジアザフェナントレン環、トリアザフェナントレン環、テトラアザフェナントレン環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、より好ましくは、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、アザカルバゾール環、ジアザカルバゾール環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、トリアザナフタレン環、テトラアザナフタレン環、アザアントラセン環、ジアザアントラセン環、トリアザアントラセン環、テトラアザアントラセン環、アザフェナントレン環、ジアザフェナントレン環、トリアザフェナントレン環又はテトラアザフェナントレン環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、更に好ましくは、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、アザアントラセン環、ジアザアントラセン環、アザフェナントレン環又はジアザフェナントレン環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、特に好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、アクリジン環、フェナジン環又はフェナントロリン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、とりわけ好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT2が有していてもよい置換基(後述の式(1T’)で表される基とは異なる。以下、同様である。)としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基が好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、フッ素原子又はシアノ基がより好ましく、アルキル基又はシクロアルキル基が更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT2が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
ArT1とLT1とは直接結合又は2価の基を介して結合して、環を形成しないことが好ましい。ArT2とLT1とは直接結合又は2価の基を介して結合して、環を形成しないことが好ましい。ArT1とArT2とは直接結合又は2価の基を介して結合して、環を形成しないことが好ましい。
式(T−1)で表される化合物において、ArT2が環内に=N−で表される基を含む複素環基である場合、式(T−1)で表される化合物は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは、式(T’−1)〜式(T’−14)で表される化合物であり、より好ましくは、式(T’−1)〜式(T’−8)又は式(T’−12)〜式(T’−14)で表される化合物であり、更に好ましくは、式(T’−1)〜式(T’−4)又は式(T’−12)〜式(T’−14)で表される化合物で表される化合物であり、特に好ましくは、式(T’−1)〜式(T’−4)で表される化合物であり、とりわけ好ましくは式(T’−4)で表される化合物である。
式(T−1)で表される化合物において、ArT2が電子求引性基を有する芳香族炭化水素基である場合、式(T−1)で表される化合物は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは、式(T’−15)〜式(T’−18)で表される化合物であり、より好ましくは、式(T’−15)、式(T’−17)又は式(T’−18)で表される化合物であり、更に好ましくは、式(T’−15)で表される化合物で表される化合物である。
式(T−1)で表される化合物において、ArT2がホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基又は前記式(P)で表される基である場合、式(T−1)で表される化合物は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは、式(T’−18)〜式(T’−22)で表される化合物であり、より好ましくは、式(T’−19)〜式(T’−22)で表される化合物であり、更に好ましくは、式(T’−20)又は式(T’−21)で表される化合物であり、特に好ましくは、式(T’−21)で表される化合物で表される化合物である。
式(T−1)で表される化合物は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは、式(T’−1)〜式(T’−4)、式(T’−12)〜式(T’−15)又は式(T’−17)〜式(T’−21)で表される化合物であり、より好ましくは、式(T’−1)〜式(T’−4)、式(T’−12)〜式(T’−15)、式(T’−17)、式(T’−18)、式(T’−20)又は式(T’−21)で表される化合物であり、更に好ましくは式(T’−1)〜式(T’−4)、式(T’−15)又は式(T’−21)で表される化合物であり、特に好ましくは式(T’−1)〜式(T’−4)で表される化合物であり、とりわけ好ましくは式(T’−4)で表される化合物である。
式(T−1)で表される化合物は、本発明の発光素子のCIE色度座標のx及びyの値が小さくなり(例えば、色度座標のxが0.25以下であり、色度座標のyが0.45以下になり)、且つ、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは、式(T’−1)〜式(T’−4)又は式(T’−19)〜式(T’−22)で表される化合物であり、より好ましくは、式(T’−4)又は式(T’−19)〜式(T’−21)で表される化合物であり、更に好ましくは、式(T’−19)で表される化合物である。
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
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[式中、
1Tは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基又は式(1T’)で表される基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するR1Tは、同一でも異なっていてもよく、直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。但し、複数存在するR1Tのうち、少なくとも1個は式(1T’)で表される基である。
1T'は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、電子求引性基又は式(1T’)で表される基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するR1T'は、同一でも異なっていてもよく、直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。但し、複数存在するR1T'のうち、少なくとも1個は式(1T’)で表される基であり、且つ、少なくとも1個は電子求引性基である。]
複数存在するR1Tのうち、nT2個は式(1T’)で表される基であることが好ましい。
複数存在するR1T'のうち、nT2個は式(1T’)で表される基であることが好ましい。
複数存在するR1T'のうち、1〜5個は電子求引性基であることが好ましく、1〜3個は電子求引性基であることがより好ましく、1又は2個が電子求引性基であることが更に好ましい。
Figure 2018061030
[式中、LT1、nT1及びArT1は、前記と同じ意味を表す。]
1Tは、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子、シアノ基又は式(1T’)で表される基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又は式(1T’)で表される基であり、更に好ましくは、水素原子、アルキル基又は式(1T’)で表される基であり、特に好ましくは、水素原子又は式(1T’)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
1T'は、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、電子求引性基又は式(1T’)で表される基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、電子求引性基又は式(1T’)で表される基であり、更に好ましくは、水素原子、アルキル基、電子求引性基又は式(1T’)で表される基であり、特に好ましくは、水素原子、電子求引性基又は式(1T’)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
1T及びR1T'が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
化合物(T)としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。なお、式中、Z1は、−N=で表される基、又は、−CH=で表される基を表す。Z2は、酸素原子又は硫黄原子を表す。複数存在するZ1及びZ2は、各々、同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2018061030
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1は−N=で表される基であることが好ましい。Z2は酸素原子であることが好ましい。
化合物(T)は、Aldrich、Luminescence Technology Corp.等から入手可能である。その他には、例えば、国際公開第2007/063754号、国際公開第2008/056746号、国際公開第2011/032686号、国際公開第2012/096263号、特開2009−227663号公報、特開2010−275255号公報、Advanced Materials(Adv.Mater),26巻,7931−7958頁,2014年に記載されている方法に従って合成することができる。
[ホスト材料]
本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、第1の有機層は、化合物(T)と、正孔注入性、正孔輸送性、電子注入性及び電子輸送性のうちの少なくとも1つの機能を有するホスト材料とを含有する層であることが好ましい。第1の有機層が、化合物(T)とホスト材料とを含有する層である場合、ホスト材料は、1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。但し、化合物(T)とホスト材料とは異なる。
第1の有機層が、化合物(T)とホスト材料とを含有する層である場合、化合物(T)は発光材料であることが好ましい。
ホスト材料は、電気エネルギーを発光材料に渡す役割を担う材料を意味する。ホスト材料から発光材料に効率的に電気エネルギーを渡すことができ、発光材料をより効率的に発光させることができるので、ホスト材料の有する最低励起三重項状態は、発光材料の有する最低励起三重項状態より高いエネルギー準位であり、且つ、ホスト材料の有する最低励起一重項状態は、発光材料の有する最低励起一重項状態より高いエネルギー準位であることが好ましい。
第1の有機層が、化合物(T)とホスト材料とを含有する層である場合、化合物(T)の含有量は、化合物(T)とホスト材料との合計を100質量部とした場合、通常、0.1〜50質量部であり、好ましくは1〜45質量部であり、より好ましくは5〜40質量部であり、更に好ましくは10〜20質量部である。
ホスト材料としては、本発明の発光素子を溶液塗布プロセスで作製できるので、第1の有機層に含有される化合物(T)を溶解することが可能な溶媒に対して溶解性を示すものであることが好ましい。
ホスト材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類され、低分子化合物であることが好ましい。
[低分子ホスト]
ホスト材料として好ましい低分子化合物(以下、「低分子ホスト」と言う。)は、好ましくは、式(H−1)で表される化合物又は式(H−2)で表される化合物であり、より好ましくは、式(H−1)で表される化合物である。但し、式(H−1)で表される化合物、及び、式(H−2)で表される化合物は、化合物(T)とは異なる。式(H−1)で表される化合物と式(H−2)で表される化合物とは異なる。
Figure 2018061030
[式中、
H1は、0以上10以下の整数を表す。
ArH1及びArH2は、それぞれ独立に、環内に−C(=ZT1)−で表される基を含まない芳香族炭化水素環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた基(該基は電子求引基以外の置換基を有していてもよい)、又は、環内に=N−で表される基、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、及び、前記式(P)で表される基を含まない複素環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基(該基は置換基を有していてもよい)である。
H1は、置換基を有していてもよいアルキレン基又は置換基を有していてもよいシクロアルキレン基であるか、環内に−C(=ZT1)−で表される基を含まない芳香族炭化水素環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた基(該基は電子求引基以外の置換基を有していてもよい)であるか、環内に=N−で表される基、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、及び、前記式(P)で表される基を含まない複素環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子2個を除いた基(該基は置換基を有していてもよい)である。LH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
T1は前記と同じ意味を表す。]
H1は、好ましくは0以上5以下の整数であり、より好ましくは0以上3以下の整数であり、更に好ましくは1又は2であり、特に好ましくは1である。
ArH1及びArH2は、好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環、ナフタセン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、インデン環、ピレン環、ペリレン環、クリセン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、シロール環、ホスホール環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾシロール環、ベンゾホスホール環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾシロール環、ジベンゾホスホール環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、9,10−ジヒドロアクリジン環、5,10−ジヒドロフェナジン環及びこれらの環が縮合した環から、環を構成する環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、より好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環、ナフタセン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、インデン環、ピレン環、ペリレン環、クリセン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、シロール環、ホスホール環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾシロール環、ベンゾホスホール環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾシロール環、ジベンゾホスホール環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、9,10−ジヒドロアクリジン環又は5,10−ジヒドロフェナジン環から、環を構成する環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、更に好ましくは、ベンゼン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、9,10−ジヒドロアクリジン環又は5,10−ジヒドロフェナジン環から、環を構成する環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、特に好ましくは、ベンゼン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環から、環を構成する環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、とりわけ好ましくは、カルバゾール環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環から、環を構成する環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
H1は、好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環、ナフタセン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、インデン環、ピレン環、ペリレン環、クリセン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、シロール環、ホスホール環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾシロール環、ベンゾホスホール環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾシロール環、ジベンゾホスホール環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、9,10−ジヒドロアクリジン環、5,10−ジヒドロフェナジン環及びこれらの環が縮合した環から、環を構成する環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、より好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環、ナフタセン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、インデン環、ピレン環、ペリレン環、クリセン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、シロール環、ホスホール環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾシロール環、ベンゾホスホール環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾシロール環、ジベンゾホスホール環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、9,10−ジヒドロアクリジン環又は5,10−ジヒドロフェナジン環から、環を構成する環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、更に好ましくは、ベンゼン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、9,10−ジヒドロアクリジン環又は5,10−ジヒドロフェナジン環から、環を構成する環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、特に好ましくは、ベンゼン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環から、環を構成する環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、とりわけ好ましくは、カルバゾール環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環から、環を構成する環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArH1、ArH2及びLH1が有していてもよい置換基としては、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、更に好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、特に好ましくはアルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。但し、ArH1、ArH2及びLH1が有していてもよい置換基におけるアリール基は、環内に−C(=ZT1)−で表される基を含まない芳香族炭化水素環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた基(該基は電子求引基以外の置換基を有していてもよい)である。ArH1、ArH2及びLH1が有していてもよい置換基における1価の複素環基は、環内に=N−で表される基、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、及び、前記式(P)で表される基を含まない複素環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基(該基は置換基を有していてもよい)である。
ArH1、ArH2及びLH1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基としては、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はシクロアルコキシ基であり、より好ましくはアルキル基又はシクロアルキル基である。
Figure 2018061030
[式中、
H2は、1以上10以下の整数を表す。
ArH3及びArH4は、それぞれ独立に、環内に=N−で表される基を含む1価の複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
H2は、環内に=N−で表される基を含む2価の複素環基、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LH2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。但し、LH2のうち、少なくとも1つは環内に=N−で表される基を含む2価の複素環基である。]
ArH3及びArH4は、好ましくは、環内に=N−で表される基を含む1価の複素環基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリール基であり、より好ましくは、環内に=N−で表される基を含む1価の複素環基、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、更に好ましくは、環内に=N−で表される基を含む1価の複素環基又はアリール基であり、特に好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArH3及びArH4におけるアリール基の例及び好ましい範囲は、ArT1におけるアリール基の例及び好ましい範囲と同じである。
環内に=N−で表される基を含む1価の複素環基は、環内に=N−で表される基を含む複素環基の中で、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基である。
H2は、好ましくは1以上5以下の整数であり、より好ましくは1以上3以下の整数であり、更に好ましくは1又は2であり、特に好ましくは1である。
H2は、好ましくは、環内に=N−で表される基を含む2価の複素環基又はアリーレン基であり、より好ましくは環内に=N−で表される基を含む2価の複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
H2におけるアリーレン基の例及び好ましい範囲は、LT1で表されるアリーレン基の例及び好ましい範囲と同じである。
環内に=N−で表される基を含む2価の複素環基は、環内に=N−で表される基を含む複素環基の中で、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子2個を除いた基である。
H2、ArH3及びArH4が有していてもよい置換基としては、=N−で表される基を含む1価の複素環基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリール基であり、より好ましくは、=N−で表される基を含む1価の複素環基、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、更に好ましくはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
H2、ArH3及びArH4が有していてもよい置換基におけるアリール基の例及び好ましい範囲は、ArT1におけるアリール基の例及び好ましい範囲と同じである。
H2、ArH3及びArH4が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基としては、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はシクロアルコキシ基であり、より好ましくはアルキル基又はシクロアルキル基である。
式(H−1)で表される化合物としては、式(H−101)〜式(H−106)及び式(H−113)〜式(H−118)で表される化合物が例示される。式(H−2)で表される化合物としては、式(H−107)〜式(H−112)で表される化合物が例示される。
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
ホスト材料に用いられる高分子化合物としては、例えば、後述の正孔輸送材料である高分子化合物、後述の電子輸送材料である高分子化合物が挙げられる。
[高分子ホスト]
ホスト化合物として好ましい高分子化合物(以下、「高分子ホスト」と言う。)は、好ましくは、式(Y)で表される構成単位を含む高分子化合物である。
ArY1で表されるアリーレン基は、より好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-6)-式(A-10)、式(A-19)又は式(A-20)で表される基であり、更に好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-7)、式(A-9)又は式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される2価の複素環基は、より好ましくは、式(AA-1)-式(AA-4)、式(AA-10)-式(AA-15)、式(AA-18)-式(AA-21)、式(AA-33)又は式(AA-34)で表される基であり、更に好ましくは、式(AA-4)、式(AA-10)、式(AA-12)、式(AA-14)又は式(AA-33)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、前述のArY1で表されるアリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同様である。
「少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基」としては、例えば、下記式で表される基が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。
Figure 2018061030
[式中、RXXは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
XXは、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される基が有してもよい置換基は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-1)-式(Y-10)で表される構成単位が挙げられ、本発明の発光素子の外部量子効率の観点からは、好ましくは式(Y-1)-式(Y-3)で表される構成単位であり、本発明の発光素子の電子輸送性の観点からは、好ましくは式(Y-4)-式(Y-7)で表される構成単位であり、本発明の発光素子の正孔輸送性の観点からは、好ましくは式(Y-8)-式(Y-10)で表される構成単位である。
Figure 2018061030
[式中、RY1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRY1同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
Y1は、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y-1)で表される構成単位は、好ましくは、式(Y-1')で表される構成単位である。
Figure 2018061030
[式中、RY11は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY11は、同一でも異なっていてもよい。]
Y11は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、より好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 2018061030
[式中、RY1は前記と同じ意味を表す。XY1は、−C(RY2)2−、−C(RY2)=C(RY2)−又は−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基を表す。RY2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY2は、同一でも異なっていてもよく、RY2同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
Y2は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2)2−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは両方がアルキル基もしくはシクロアルキル基、両方がアリール基、両方が1価の複素環基、又は、一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基で他方がアリール基若しくは1価の複素環基であり、より好ましくは一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2)2−で表される基としては、好ましくは式(Y-A1)-式(Y-A5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-A4)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 2018061030
Y1において、−C(RY2)=C(RY2)−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは両方がアルキル基もしくはシクロアルキル基、又は、一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基中の4個のRY2は、好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基又はシクロアルキル基である。複数あるRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基は、好ましくは式(Y-B1)-(Y-B5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-B3)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 2018061030
[式中、RY2は前記と同じ意味を表す。]
式(Y-2)で表される構成単位は、式(Y-2')で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2018061030
[式中、RY1及びXY1は前記と同じ意味を表す。]
Figure 2018061030
[式中、RY1及びXY1は前記と同じ意味を表す。]
式(Y-3)で表される構成単位は、式(Y-3')で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2018061030
[式中、RY11及びXY1は前記と同じ意味を表す。]
Figure 2018061030
Figure 2018061030
[式中、RY1は前記と同じ意味を表す。RY3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Y3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y-4)で表される構成単位は、式(Y-4')で表される構成単位であることが好ましく、式(Y-6)で表される構成単位は、式(Y-6')で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2018061030
[式中、RY1及びRY3は前記と同じ意味を表す。]
Figure 2018061030
[式中、RY1は前記を同じ意味を表す。RY4は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Y4は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-101)-式(Y-121)で表されるアリーレン基からなる構成単位、式(Y-201)-式(Y-206)で表される2価の複素環基からなる構成単位、式(Y-300)-式(Y-304)で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基からなる構成単位が挙げられる。
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1がアリーレン基である構成単位は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、高分子ホストに含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜90モル%であり、より好ましくは30〜80モル%である。
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1が2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基である構成単位は、本発明の発光素子の電荷輸送性が優れるので、高分子ホストに含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜40モル%であり、より好ましくは3〜30モル%である。
式(Y)で表される構成単位は、高分子ホスト中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
高分子ホストは、正孔輸送性が優れるので、更に、下記式(X)で表される構成単位を含むことが好ましい。
Figure 2018061030
[式中、
X1及びaX2は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
ArX1及びArX3は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2及びArX4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArX2及びArX4が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
X1、RX2及びRX3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RX2及びRX3が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
X1は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは2以下であり、より好ましくは1である。
X2は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは2以下であり、より好ましくは0である。
X1、RX2及びRX3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1及びArX3で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A-1)又は式(A-9)で表される基であり、更に好ましくは式(A-1)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1及びArX3で表される2価の複素環基は、より好ましくは式(AA-1)、式(AA-2)又は式(AA-7)-式(AA-26)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1及びArX3は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX2及びArX4で表されるアリーレン基としては、より好ましくは式(A-1)、式(A-6)、式(A-7)、式(A-9)-式(A-11)又は式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2及びArX4で表される2価の複素環基のより好ましい範囲は、ArX1及びArX3で表される2価の複素環基のより好ましい範囲と同じである。
ArX2及びArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、ArX1及びArX3で表されるアリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同様である。
ArX2及びArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基としては、式(Y)のArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基と同様のものが挙げられる。
ArX2及びArX4は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX1〜ArX4及びRX1〜RX3で表される基が有してもよい置換基としては、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(X)で表される構成単位は、好ましくは式(X-1)-式(X-7)で表される構成単位であり、より好ましくは式(X-1)-式(X-6)で表される構成単位であり、更に好ましくは式(X-3)-(X-6)で表される構成単位である。
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
[式中、RX4及びRX5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRX4は、同一でも異なっていてもよい。複数存在するRX5は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRX5同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
式(X)で表される構成単位は、正孔輸送性が優れるので、高分子ホストに含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.1〜50モル%であり、より好ましくは1〜40モル%であり、更に好ましくは5〜30モル%である。
式(X)で表される構成単位としては、例えば、式(X1-1)-式(X1-11)で表される構成単位が挙げられ、好ましくは式(X1-3)-式(X1-10)で表される構成単位である。
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
高分子ホストにおいて、式(X)で表される構成単位は、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。
高分子ホストとしては、例えば、高分子化合物P-1〜P-6が挙げられる。
Figure 2018061030
[表中、p、q、r、s及びtは、各構成単位のモル比率を示す。p+q+r+s+t=100であり、かつ、100≧p+q+r+s≧70である。その他の構成単位とは、式(Y)で表される構成単位、式(X)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。]
高分子ホストは、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、複数種の原料モノマーを共重合した共重合体であることが好ましい。
高分子ホストのポリスチレン換算の数平均分子量は、好ましくは5×103〜1×106であり、より好ましくは1×104〜5×105であり、より好ましくは1.5×104〜1.5×105である。
[高分子ホストの製造方法]
高分子ホストは、ケミカルレビュー(Chem. Rev.),第109巻,897-1091頁(2009年)等に記載の公知の重合方法を用いて製造することができ、Suzuki反応、Yamamoto反応、Buchwald反応、Stille反応、Negishi反応及びKumada反応等の遷移金属触媒を用いるカップリング反応により重合させる方法が例示される。
前記重合方法において、単量体を仕込む方法としては、単量体全量を反応系に一括して仕込む方法、単量体の一部を仕込んで反応させた後、残りの単量体を一括、連続又は分割して仕込む方法、単量体を連続又は分割して仕込む方法等が挙げられる。
遷移金属触媒としては、パラジウム触媒、ニッケル触媒等が挙げられる。
重合反応の後処理は、公知の方法、例えば、分液により水溶性不純物を除去する方法、メタノール等の低級アルコールに重合反応後の反応液を加えて、析出させた沈殿を濾過した後、乾燥させる方法等を単独又は組み合わせて行う。高分子ホストの純度が低い場合、例えば、再結晶、再沈殿、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィー等の通常の方法にて精製することができる。
[第1の組成物]
第1の有機層は、化合物(T)と、前述のホスト材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、蛍光発光材料及び酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料とを含む組成物(以下、「第1の組成物」ともいう。)を含有する層であってもよい。但し、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料及び蛍光発光材料と、化合物(T)とは異なる。
[正孔輸送材料]
正孔輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類され、好ましくは高分子化合物である。正孔輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
高分子化合物としては、例えば、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体;側鎖又は主鎖に芳香族アミン構造を有するポリアリーレン及びその誘導体が挙げられる。高分子化合物は、電子受容性部位が結合された化合物でもよい。電子受容性部位としては、例えば、フラーレン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン、トリニトロフルオレノン等が挙げられ、好ましくはフラーレンである。
第1の組成物において、正孔輸送材料の配合量は、化合物(T)を100質量部とした場合、通常、0.1〜1000質量部であり、好ましくは1〜400質量部であり、より好ましくは5〜150質量部である。
正孔輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[電子輸送材料]
電子輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。電子輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、8-ヒドロキシキノリンを配位子とする金属錯体、オキサジアゾール、アントラキノジメタン、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、テトラシアノアントラキノジメタン、フルオレノン、ジフェニルジシアノエチレン及びジフェノキノン、並びに、これらの誘導体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフルオレン、及び、これらの誘導体が挙げられる。高分子化合物は、金属でドープされていてもよい。
第1の組成物において、電子輸送材料の配合量は、化合物(T)を100質量部とした場合、通常、0.1〜1000質量部であり、好ましくは1〜400質量部であり、より好ましくは5〜150質量部である。
電子輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[正孔注入材料及び電子注入材料]
正孔注入材料及び電子注入材料は、各々、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。正孔注入材料及び電子注入材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン;カーボン;モリブデン、タングステン等の金属酸化物;フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム等の金属フッ化物が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリキノリン及びポリキノキサリン、並びに、これらの誘導体;芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体等の導電性高分子が挙げられる。
第1の組成物において、正孔注入材料及び電子注入材料の配合量は、各々、化合物(T)を100質量部とした場合、通常、0.1〜1000質量部であり、好ましくは1〜400質量部であり、より好ましくは5〜150質量部である。
電子注入材料及び正孔注入材料は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[イオンドープ]
正孔注入材料又は電子注入材料が導電性高分子を含む場合、導電性高分子の電気伝導度は、好ましくは、1×10-5S/cm〜1×103S/cmである。導電性高分子の電気伝導度をかかる範囲とするために、導電性高分子に適量のイオンをドープすることができる。
ドープするイオンの種類は、正孔注入材料であればアニオン、電子注入材料であればカチオンである。アニオンとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンが挙げられる。カチオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンが挙げられる。
ドープするイオンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[蛍光発光材料]
蛍光発光材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。蛍光発光材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、ナフタレン及びその誘導体、アントラセン及びその誘導体、並びに、ペリレン及びその誘導体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、式(X)で表される基、カルバゾールジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ピレンジイル基等を含む高分子化合物が挙げられる。
第1の組成物において、蛍光発光材料の配合量は、化合物(T)を100質量部とした場合、通常、0.1〜1000質量部であり、好ましくは0.1〜400質量部であり、より好ましくは5〜150質量部である。
第1の組成物が化合物(T)と蛍光発光材料とを含む組成物である場合、化合物(T)はホスト材料であることが好ましい。
第1の組成物が化合物(T)と蛍光発光材料とを含む組成物であり、且つ、化合物(T)がホスト材料である場合、蛍光発光材料の含有量は、化合物(T)と蛍光発光材料との合計を100質量部とした場合、通常、0.1〜50質量部であり、好ましくは1〜45質量部であり、より好ましくは5〜40質量部であり、更に好ましくは10〜30質量部である。
蛍光発光材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[酸化防止剤]
酸化防止剤は、化合物(T)と同じ溶媒に可溶であり、発光及び電荷輸送を阻害しない化合物であればよく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
第1の組成物において、酸化防止剤の配合量は、化合物(T)を100質量部とした場合、通常、0.001〜10質量部である。
酸化防止剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[第1のインク]
化合物(T)と、溶媒とを含有する組成物(以下、「第1のインク」ともいう。)は、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法等の塗布法に好適に使用することができる。
第1のインクの粘度は、塗布法の種類によって調整すればよいが、インクジェット印刷法等の溶液が吐出装置を経由する印刷法に適用する場合には、吐出時の目づまりと飛行曲がりが起こりづらいので、好ましくは25℃において1〜20mPa・sである。
第1のインクに含有される溶媒は、好ましくは、インク中の固形分を溶解又は均一に分散できる溶媒である。溶媒としては、例えば、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、4-メチルアニソール等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n-ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-へプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ドデカン、ビシクロヘキシル等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒;エチレングリコール、グリセリン、1,2-ヘキサンジオール等の多価アルコール系溶媒;イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が挙げられる。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
第1のインクにおいて、溶媒の配合量は、化合物(T)を100質量部とした場合、通常、1000〜100000質量部であり、好ましくは2000〜20000質量部である。
<第2の有機層>
第2の有機層は、架橋基を有する構成単位を含む高分子化合物(以下、「第2の有機層の高分子化合物」ともいう。)の架橋体を含有する層である。
第2の有機層の高分子化合物の架橋体は、第2の有機層の高分子化合物を上述した方法及び条件等により架橋した状態にすることで得られる。
[第2の有機層の高分子化合物]
第2の有機層の高分子化合物は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する構成単位を含む高分子化合物であることが好ましい。
架橋基A群から選ばれる架橋基としては、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは、式(XL−1)〜式(XL−4)、式(XL−7)〜式(XL−10)又は式(XL−14)〜式(XL−17)で表される架橋基であり、より好ましくは、式(XL−1)、式(XL−3)、式(XL−9)、式(XL−10)、式(XL−16)又は式(XL−17)で表される架橋基であり、更に好ましくは、式(XL−1)、式(XL−16)又は式(XL−17)で表される架橋基であり、特に好ましくは、式(XL−1)又は式(XL−17)で表される架橋基であり、とりわけ好ましくは、式(XL−17)で表される架橋基である。
架橋基A群から選ばれる架橋基としては、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れ、且つ、第2の有機層の高分子化合物の架橋性がより優れるので、好ましくは、式(XL−2)〜式(XL−4)、式(XL−7)〜式(XL−10)、式(XL−14)、式(XL−15)又は式(XL−17)で表される架橋基であり、より好ましくは、式(XL−9)、式(XL−10)又は式(XL−17)で表される架橋基であり、特に好ましくは、式(XL−17)で表される架橋基である。
第2の有機層の高分子化合物に含まれる、架橋基A群から選ばれる少なくとも一種の架橋基を有する構成単位は、式(2)で表される構成単位又は式(2')で表される構成単位であることが好ましいが、下記で表される構成単位であってもよい。
Figure 2018061030
第2の有機層の高分子化合物が、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する構成単位を2種以上含む場合、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する構成単位の少なくとも2種は、架橋基が互いに異なることが好ましい。互いに異なる架橋基の組み合わせとしては、式(XL−1)、式(XL−2)、式(XL−5)〜式(XL−8)又は式(XL−14)〜式(XL−16)で表される架橋基と、式(XL−3)、式(XL−4)、式(XL−13)又は式(XL−17)で表される架橋基との組み合わせが好ましく、式(XL−1)又は式(XL−16)で表される架橋基と、式(XL−17)で表される架橋基との組み合わせがより好ましく、式(XL−1)で表される架橋基と、式(XL−17)で表される架橋基との組み合わせが更に好ましい。
・式(2)で表される構成単位
nAは、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0〜2の整数であり、更に好ましくは1又は2である。
nは、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは2である。
Ar3は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
Ar3で表される芳香族炭化水素基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
Ar3で表される芳香族炭化水素基のn個の置換基を除いたアリーレン基部分としては、好ましくは、式(A-1)〜式(A-20)で表される基であり、より好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-6)〜式(A-10)、式(A-19)又は式(A-20)で表される基であり、さらに好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-7)、式(A-9)又は式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar3で表される複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜18である。
Ar3で表される複素環基のn個の置換基を除いた2価の複素環基部分としては、好ましくは、式(AA-1)〜式(AA-34)で表される基である。
Ar3で表される芳香族炭化水素基及び複素環基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基及びシアノ基が好ましい。
Aで表されるアルキレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜20であり、好ましくは1〜15であり、より好ましくは1〜10である。LAで表されるシクロアルキレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜20である。
アルキレン基及びシクロアルキレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、オクチレン基が挙げられる。
Aで表されるアルキレン基及びシクロアルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基及びシクロアルキレン基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基が好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
Aで表されるアリーレン基は、置換基を有していてもよい。アリーレン基としては、フェニレン基又はフルオレンジイル基が好ましく、m−フェニレン基、p−フェニレン基、フルオレン−2,7−ジイル基、フルオレン−9,9−ジイル基がより好ましい。アリーレン基が有してもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子、シアノ基又は架橋基A群から選ばれる架橋基が好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
Aで表される2価の複素環基としては、好ましくは式(AA−1)〜式(AA−34)で表される基である。
Aは、第2の有機層の高分子化合物の製造が容易になるため、好ましくは、アリーレン基又はアルキレン基であり、より好ましくは、フェニレン基、フルオレンジイル基又はアルキレン基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Xで表される架橋基としては、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは、式(XL−1)〜式(XL−4)、式(XL−7)〜式(XL−10)又は式(XL−14)〜式(XL−17)で表される架橋基であり、より好ましくは、式(XL−1)、式(XL−3)、式(XL−9)、式(XL−10)、式(XL−16)又は式(XL−17)で表される架橋基であり、更に好ましくは、式(XL−1)、式(XL−16)又は式(XL−17)で表される架橋基であり、特に好ましくは、式(XL−1)又は式(XL−17)で表される架橋基であり、とりわけ好ましくは、式(XL−17)で表される架橋基である。
Xで表される架橋基としては、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れ、且つ、第2の有機層の高分子化合物の架橋性がより優れるので、好ましくは、式(XL−2)〜式(XL−4)、式(XL−7)〜式(XL−10)、式(XL−14)、式(XL−15)又は式(XL−17)で表される架橋基であり、より好ましくは、式(XL−9)、式(XL−10)又は式(XL−17)で表される架橋基であり、特に好ましくは、式(XL−17)で表される架橋基である。
式(2)で表される構成単位は、第2の有機層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
第2の有機層の高分子化合物が、式(2)で表される構成単位を2種以上含む場合、式(2)で表される構成単位の少なくとも2種は、Xで表される架橋基が互いに異なることが好ましい。互いに異なるXで表される架橋基の組み合わせの好ましい範囲は、前述の互いに異なる架橋基の組み合わせの好ましい範囲と同じである。
・式(2’)で表される構成単位
mAは、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0〜2の整数であり、更に好ましくは0又は1であり、特に好ましくは0である。
mは、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは1又は2であり、より好ましくは2である。
cは、第2の有機層の高分子化合物の製造が容易になり、且つ、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは0である。
Ar5は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
Ar5で表される芳香族炭化水素基のm個の置換基を除いたアリーレン基部分の定義及び例は、式(X)におけるArX2で表されるアリーレン基の定義及び例と同じである。
Ar5で表される複素環基のm個の置換基を除いた2価の複素環基部分の定義及び例は、式(X)におけるArX2で表される2価の複素環基部分の定義及び例と同じである。
Ar5で表される少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環が直接結合した基のm個の置換基を除いた2価の基の定義及び例は、式(X)におけるArX2で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の定義及び例と同じである。
Ar4及びAr6は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
Ar4及びAr6で表されるアリーレン基の定義及び例は、式(X)におけるArX1及びArX3で表されるアリーレン基の定義及び例と同じである。
Ar4及びAr6で表される2価の複素環基の定義及び例は、式(X)におけるArX1及びArX3で表される2価の複素環基の定義及び例と同じである。
Ar4、Ar5及びAr6で表される基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基及びシアノ基が好ましい。
Aで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義及び例は、それぞれ、LAで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義及び例と同じである。
Aは、第2の有機層の高分子化合物の製造が容易になるので、フェニレン基又はメチレン基であることが好ましい。
X’で表される架橋基の定義及び例は、前述のXで表される架橋基の定義及び例と同じである。
式(2’)で表される構成単位は、第2の有機層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
第2の有機層の高分子化合物が、式(2’)で表される構成単位を2種以上含む場合、式(2’)で表される構成単位の少なくとも2種は、X’で表される架橋基が互いに異なることが好ましい。互いに異なるX’で表される架橋基の組み合わせの好ましい範囲は、前述の互いに異なる架橋基の組み合わせの好ましい範囲と同じである。
・式(2)又は(2')で表される構成単位の好ましい態様
式(2)で表される構成単位としては、例えば、式(2-1)〜式(2-30)で表される構成単位が挙げられ、式(2')で表される構成単位としては、例えば、式(2'-1)〜式(2'-9)で表される構成単位が挙げられる。これらの中でも、第2の有機層の高分子化合物の架橋性が優れるので、好ましくは式(2-1)〜式(2-30)で表される構成単位であり、より好ましくは式(2-1)〜式(2-15)、式(2-19)、式(2-20)、式(2-23)、式(2-25)又は式(2-30)で表される構成単位であり、更に好ましくは式(2-1)〜式(2-9)又は式(2-30)で表される構成単位である。
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
・その他の構成単位
第2の有機層の高分子化合物は、正孔輸送性が優れるので、更に、式(X)で表される構成単位を含むことが好ましい。また、第2の有機層の高分子化合物は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、更に、式(Y)で表される構成単位を含むことが好ましい。
第2の有機層の高分子化合物は、正孔輸送性が優れ、且つ、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、更に、式(X)で表される構成単位及び式(Y)で表される構成単位を含むことが好ましい。
第2の有機層の高分子化合物が含んでいてもよい式(X)で表される構成単位の定義及び例は、前述の高分子ホストが含んでいてもよい式(X)で表される構成単位の定義及び例と同じである。第2の有機層の高分子化合物が含んでいてもよい式(Y)で表される構成単位の定義及び例は、前述の高分子ホストが含んでいてもよい式(Y)で表される構成単位の定義及び例と同じである。
式(X)で表される構成単位は、第2の有機層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。式(Y)で表される構成単位は、第2の有機層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
第2の有機層の高分子化合物としては、例えば、高分子化合物P-7〜P-14が挙げられる。ここで、「その他の構成単位」とは、式(2)、式(2')、式(X)及び式(Y)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。
Figure 2018061030
[表中、p’、q’、r’、s’及びt’は、各構成単位のモル比率を表す。p’+q’+r’+s’+t’=100であり、且つ、70≦p’+q’+r’+s’≦100である。]
第2の有機層の高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、複数種の原料モノマーを共重合した共重合体であることが好ましい。
第2の有機層の高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量は、好ましくは5×103〜1×106であり、より好ましくは1×104〜5×105であり、より好ましくは1.5×104〜1×105である。
[第2の有機層の高分子化合物の製造方法]
第2の有機層の高分子化合物は、前述の高分子ホストの製造方法と同様の方法で製造することができる。
[(Y1×1000)/X1の値]
第2の有機層の高分子化合物における(Y1×1000)/X1の値は、例えば、以下の方法で求めることができる。
まず、高分子化合物を構成する各構成単位について、全構成単位の総モルに対するその構成単位のモル比Cとその構成単位の分子量Mとを乗じた値x、及び、モル比Cとその構成単位が有する架橋基の数nとを乗じた値yを求める。次いで、各構成単位について求めたxの総和をX1、各構成単位について求めたyの総和をY1とする。
このとき、(Y1×1000)/X1の値は、第2の有機層の高分子化合物の分子量1000あたりの架橋基の平均数とほぼ等しい値となり、第2の有機層の高分子化合物における架橋基の平均数を示す指標として有効に用いることができる。
具体的な架橋基の平均数の算出方法を、実施例1で用いた高分子化合物HTL−5で詳細に説明する。
高分子化合物HTL−5は、化合物M3、化合物M4及び化合物M5から誘導される構成単位を有する。全構成単位の総モルに対する比率は、化合物M3から誘導される構成単位が0.45、化合物M4から誘導される構成単位が0.05、化合物M5から誘導される構成単位が0.50である。化合物M3から誘導される構成単位の分子量は776.45、化合物M4から誘導される構成単位の分子量は240.20、化合物M5から誘導される構成単位の分子量は750.51である。化合物M3から誘導される構成単位が有する架橋基の数は2、化合物M4から誘導される構成単位が有する架橋基の数は2、化合物M5から誘導される構成単位が有する架橋基の数は0である。
1は、以下のとおり求められる。
(0.45×776.45)+(0.05×240.20)+(0.50×750.51)=736.67
1は、以下のとおり求められる。
(0.45×2)+(0.05×2)+(0.50×0)=1.00
(Y1×1000)/X1の値は、以下のとおり求められる。
(1.00×1000)/736.67=1.36
2種以上の高分子化合物を含む場合、(Y1×1000)/X1の値は、各高分子化合物を構成する構成単位に基づいて求められる。また、各高分子化合物について(Y1×1000)/X1の値を求め、各高分子化合物の配合量比から、(Y1×1000)/X1の値を求める。
具体的な算出方法を、比較例CD4の高分子化合物HTL−1及び高分子化合物HTL−2を50:50の比で配合した場合について説明する。
高分子化合物HTL−2は、化合物M3、化合物M4、化合物M6及び化合物M5から誘導される構成単位を有する。高分子化合物HTL−2中、全構成単位の総モルに対する比率は、化合物M3から誘導される構成単位が0.05、化合物M4から誘導される構成単位が0.05、化合物M6から誘導される構成単位が0.40、化合物M5から誘導される構成単位が0.50である。化合物M3から誘導される構成単位の分子量は776.45、化合物M4から誘導される構成単位の分子量は240.20、化合物M6から誘導される構成単位の分子量は244.23、化合物M5から誘導される構成単位の分子量は750.51である。化合物M3から誘導される構成単位が有する架橋基の数は2、化合物M4から誘導される構成単位が有する架橋基の数は2、化合物M6から誘導される単量体が有する架橋基の数は0、化合物M5から誘導される構成単位が有する架橋基の数は0である。よって、高分子化合物HTL−2について、上述の方法で計算した(Y1×1000)/X1の値は0.38である。
高分子化合物HTL−1は、化合物M6及び化合物M5から誘導される構成単位を有する。高分子化合物HTL−1中、全構成単位の総モルに対する比率は、化合物M6から誘導される構成単位が0.50、化合物M5から誘導される構成単位が0.50である。化合物M6から誘導される構成単位の分子量は244.23、化合物M5から誘導される構成単位の分子量は750.51である。化合物M6から誘導される構成単位が有する架橋基の数は0、化合物M5から誘導される構成単位が有する架橋基の数は0である。よって、高分子化合物HTL−1について、上述の方法で計算した(Y1×1000)/X1の値は0である。
比較例CD4において、高分子化合物HTL−2及び高分子化合物HTL−1は、50:50の比で配合されている。よって、比較例CD4において、(Y1×1000)/X1の値は、以下の式で、0.19と求めることができる。
0.38×0.5+0×0.5=0.19
なお、前述の特許文献1に記載されている高分子化合物(P−2)の(Y1×1000)/X1の値は、それぞれ、0.20と算出される。
(Y1×1000)/X1の値は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは0.30以上であり、より好ましくは0.35以上であり、更に好ましくは0.60以上であり、特に好ましくは0.80以上であり、とりわけ好ましくは0.90以上であり、とりわけより好ましくは1.20以上であり、とりわけ更に好ましくは2.50以上である。(Y1×1000)/X1の値が増えることによって、第2の有機層が緻密な膜となり、第2の有機層の電荷輸送性及び/又は第2の有機層から第1の有機層への電荷注入が改善されると考えられる。
(Y1×1000)/X1の値は、通常5.0以下であり、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは4.0以下であり、より好ましくは3.0以下であり、更に好ましくは2.5以下であり、特に好ましくは2.0以下であり、とりわけ好ましくは1.5以下である。(Y1×1000)/X1の値を4.0以下とすることで、平坦な膜が得られ易くなり、発光素子の輝度寿命がより優れるという効果が奏されると考えられる。
(Y1×1000)/X1の値は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れ、且つ、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは0.35以上4.0以下であり、より好ましくは0.60以上3.0以下であり、更に好ましくは0.80以上2.5以下であり、特に好ましくは0.90以上2.0以下であり、とりわけ好ましくは1.20以上1.50以下である。
[第2の組成物]
第2の有機層は、第2の有機層の高分子化合物の架橋体と、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料及び酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料とを含む組成物(以下、「第2の組成物」ともいう。)を含有する層であってもよい。
第2の組成物に含有される正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料及び電子注入材料の例及び好ましい範囲は、第1の組成物に含有される正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料及び電子注入材料の例及び好ましい範囲と同じである。
第2の組成物に含有される発光材料としては、例えば、第1の組成物が含有していてもよい蛍光発光材料、及び、イリジウム、白金又はユーロピウムを中心金属とする燐光発光性金属錯体が挙げられる。発光材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
第2の組成物において、正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料、電子注入材料及び発光材料の配合量は、各々、第2の有機層の高分子化合物の架橋体を100質量部とした場合、通常、1〜400質量部であり、好ましくは5〜150質量部である。
第2の組成物に含有される酸化防止剤の例及び好ましい範囲は、第1の組成物に含有される酸化防止剤の例及び好ましい範囲と同じである。第2の組成物において、酸化防止剤の配合量は、第2の有機層の高分子化合物の架橋体を100質量部とした場合、通常、0.001〜10質量部である。
第2の有機層の高分子化合物と、溶媒とを含有する組成物(以下、「第2のインク」ともいう。)は、第1のインクの項で説明した湿式法に好適に使用することができる。第2のインクの粘度の好ましい範囲は、第1のインクの粘度の好ましい範囲と同じである。第2のインクに含有される溶媒の例及び好ましい範囲は、第1のインクに含有される溶媒の例及び好ましい範囲と同じである。
第2のインクにおいて、溶媒の配合量は、第2の有機層の高分子化合物を100質量部とした場合、通常、1000〜100000質量部であり、好ましくは2000〜20000質量部である。
<発光素子の層構成>
本発明の発光素子は、陽極、陰極、第1の有機層及び第2の有機層以外の層を有していてもよい。
本発明の発光素子において、第1の有機層は、通常、発光層(以下、「第1の発光層」と言う。)である。
本発明の発光素子において、第2の有機層は、通常、正孔輸送層、第2の発光層又は電子輸送層であり、好ましくは正孔輸送層又は第2の発光層であり、より好ましくは正孔輸送層である。
本発明の発光素子において、第1の有機層と第2の有機層とは、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、隣接していることが好ましい。
本発明の発光素子において、第2の有機層は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、陽極及び第1の有機層の間に設けられた層であることが好ましく、陽極及び第1の有機層の間に設けられた正孔輸送層又は第2の発光層であることがより好ましく、陽極及び第1の有機層の間に設けられた正孔輸送層であることが更に好ましい。
本発明の発光素子の第1の有機層において、化合物(T)は、1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。本発明の発光素子の第2の有機層において、第2の有機層の高分子化合物の架橋体は、1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。
本発明の発光素子において、第2の有機層が陽極及び第1の有機層の間に設けられた正孔輸送層である場合、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、陽極と第2の有機層との間に、正孔注入層を更に有することが好ましい。第2の有機層が陽極及び第1の有機層の間に設けられた正孔輸送層である場合、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、陰極と第1の有機層との間に、電子注入層及び電子輸送層のうちの少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。
本発明の発光素子において、第2の有機層が陽極及び第1の有機層の間に設けられた第2の発光層である場合、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、陽極と第2の有機層との間に、正孔注入層及び正孔輸送層のうちの少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。第2の有機層が陽極及び第1の有機層の間に設けられた第2の発光層である場合、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、陰極と第1の有機層との間に、電子注入層及び電子輸送層のうちの少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。
本発明の発光素子において、第2の有機層が陰極及び第1の有機層の間に設けられた第2の発光層である場合、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、陽極と第1の有機層との間に、正孔注入層及び正孔輸送層のうちの少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。第2の有機層が陰極及び第1の有機層の間に設けられた第2の発光層である場合、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、陰極と第2の有機層との間に、電子注入層及び電子輸送層のうちの少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。
本発明の発光素子において、第2の有機層が陰極及び第1の有機層の間に設けられた電子輸送層である場合、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、陽極と第1の有機層との間に、正孔注入層及び正孔輸送層のうちの少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。第2の有機層が陰極及び第1の有機層の間に設けられた電子輸送層である場合、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、陰極と第2の有機層との間に、電子注入層を更に有することが好ましい。
本発明の発光素子の具体的な層構成としては、例えば、(D1)〜(D15)で表される層構成が挙げられる。本発明の発光素子は、通常、基板を有するが、基板上に陽極から積層されていてもよく、基板上に陰極から積層されていてもよい。
(D1)陽極/第2の発光層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/陰極
(D2)陽極/正孔輸送層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/陰極
(D3)陽極/正孔注入層/第2の発光層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/陰極
(D4)陽極/正孔注入層/第2の発光層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/電子輸送層/陰極
(D5)陽極/正孔注入層/第2の発光層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/電子注入層/陰極
(D6)陽極/正孔注入層/第2の発光層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D7)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/陰極
(D8)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/電子輸送層/陰極
(D9)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/電子注入層/陰極
(D10)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D11)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/第2の発光層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D12)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/第2の発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D13)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/第1の発光層(第1の有機層)/第2の発光層(第2の有機層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D14)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/第1の発光層(第1の有機層)/電子輸送層(第2の有機層)/電子注入層/陰極
(D15)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/第2の発光層/第1の発光層(第1の有機層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D1)〜(D15)中、「/」は、その前後の層が隣接して積層していることを意味する。具体的には、「第2の発光層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)」とは、第2の発光層(第2の有機層)と第1の発光層(第1の有機層)とが隣接して積層していることを意味する。
本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、(D3)〜(D12)で表される層構成が好ましく、(D7)〜(D10)で表される層構成がより好ましい。
本発明の発光素子において、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、第2の発光層、電子輸送層、電子注入層及び陰極は、それぞれ、必要に応じて、2層以上設けられていてもよい。
陽極、正孔注入層、正孔輸送層、第2の発光層、電子輸送層、電子注入層及び陰極が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
陽極、正孔注入層、正孔輸送層、第1の発光層、第2の発光層、電子輸送層、電子注入層及び陰極の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、更に好ましくは5nm〜150nmである。
本発明の発光素子において、積層する層の順番、数、及び厚さは、発光素子の発光効率、駆動電圧及び素子寿命を勘案して調整すればよい。
[第2の発光層]
第2の発光層は、通常、第2の有機層又は発光材料を含有する層であり、好ましくは、発光材料を含有する層である。第2の発光層が発光材料を含有する層である場合、第2の発光層に含有される発光材料としては、例えば、前述の第2の組成物が含有していてもよい発光材料が挙げられる。第2の発光層に含有される発光材料は、1種単独で含有されていても、2種以上が含有されていてもよい。
本発明の発光素子が第2の発光層を有し、且つ、後述の正孔輸送層及び後述の電子輸送層が第2の有機層ではない場合、第2の発光層は第2の有機層であることが好ましい。
[正孔輸送層]
正孔輸送層は、通常、第2の有機層又は正孔輸送材料を含有する層であり、好ましくは、第2の有機層である。正孔輸送層が正孔輸送材料を含有する層である場合、正孔輸送材料としては、例えば、前述の第1の組成物が含有していてもよい正孔輸送材料が挙げられる。正孔輸送層に含有される正孔輸送材料は、1種単独で含有されていても、2種以上が含有されていてもよい。
本発明の発光素子が正孔輸送層を有し、且つ、前述の第2の発光層及び後述の電子輸送層が第2の有機層ではない場合、正孔輸送層は第2の有機層であることが好ましい。
[電子輸送層]
電子輸送層は、通常、第2の有機層又は電子輸送材料を含有する層であり、好ましくは、電子輸送材料を含有する層である。電子輸送層が電子輸送材料を含有する層である場合、電子輸送層に含有される電子輸送材料としては、例えば、前述の第1の組成物が含有していてもよい電子輸送材料が挙げられる。電子輸送層に含有される電子輸送材料は、1種単独で含有されていても、2種以上が含有されていてもよい。
本発明の発光素子が電子輸送層を有し、且つ、前述の第2の発光層及び前述の正孔輸送層が第2の有機層ではない場合、電子輸送層は第2の有機層であることが好ましい。
[正孔注入層及び電子注入層]
正孔注入層は、正孔注入材料を含有する層である。正孔注入層に含有される正孔注入材料としては、例えば、前述の第1の組成物が含有していてもよい正孔注入材料が挙げられる。正孔注入層に含有される正孔注入材料は、1種単独で含有されていても、2種以上が含有されていてもよい。
電子注入層は、電子注入材料を含有する層である。電子注入層に含有される電子注入材料としては、例えば、前述の第1の組成物が含有していてもよい電子注入材料が挙げられる。電子注入層に含有される電子注入材料は、1種単独で含有されていても、2種以上が含有されていてもよい。
[基板/電極]
発光素子における基板は、電極を形成することができ、かつ、有機層を形成する際に化学的に変化しない基板であればよく、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン等の材料からなる基板である。不透明な基板を使用する場合には、基板から最も遠くにある電極が透明又は半透明であることが好ましい。
陽極の材料としては、例えば、導電性の金属酸化物、半透明の金属が挙げられ、好ましくは、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ;インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等の導電性化合物;銀とパラジウムと銅との複合体(APC);NESA、金、白金、銀、銅である。
陰極の材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム等の金属;それらのうち2種以上の合金;それらのうち1種以上と、銀、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1種以上との合金;並びに、グラファイト及びグラファイト層間化合物が挙げられる。合金としては、例えば、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
本発明の発光素子において、陽極及び陰極の少なくとも一方は、通常、透明又は半透明であるが、陽極が透明又は半透明であることが好ましい。
陽極及び陰極の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法及びラミネート法が挙げられる。
[発光素子の製造方法]
本発明の発光素子において、第1の発光層、第2の発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層等の各層の形成方法としては、低分子化合物を用いる場合、例えば、粉末からの真空蒸着法、溶液又は溶融状態からの成膜による方法が挙げられ、高分子化合物を用いる場合、例えば、溶液又は溶融状態からの成膜による方法が挙げられる。
第1の発光層、第2の発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層及び電子注入層は、第1のインク、第2のインク、並びに、上述した発光材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料及び電子注入材料をそれぞれ含有するインクを用いて、スピンコート法、インクジェット印刷法等の塗布法により形成することができる。
[発光素子の用途]
発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。パターン状の発光を得るためには、面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部にしたい層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極若しくは陰極、又は両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字、文字等を表示できるセグメントタイプの表示装置が得られる。ドットマトリックス表示装置とするためには、陽極と陰極を共にストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法、カラーフィルター又は蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス表示装置は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動も可能である。これらの表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末等のディスプレイに用いることができる。面状の発光素子は、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、又は、面状の照明用光源として好適に用いることができる。フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源及び表示装置としても使用できる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例において、高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及びポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、移動相にテトラヒドロフランを用い、サイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)により求めた。なお、SECの各測定条件は、次のとおりである。
測定する高分子化合物を約0.05質量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、SECに10μL注入した。移動相は、2.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED−B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV−VIS検出器(島津製作所製、商品名:SPD−10Avp)を用いた。
LC−MSは、下記の方法で測定した。
測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルム又はテトラヒドロフランに溶解させ、LC−MS(Agilent製、商品名:1100LCMSD)に約1μL注入した。LC−MSの移動相には、アセトニトリル及びテトラヒドロフランの比率を変化させながら用い、0.2mL/分の流量で流した。カラムは、L−column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:2.1mm、長さ:100mm、粒径3μm)を用いた。
NMRは、下記の方法で測定した。
5〜10mgの測定試料を約0.5mLの重クロロホルム(CDCl3)、重テトラヒドロフラン、重ジメチルスルホキシド、重アセトン、重N,N-ジメチルホルムアミド、重トルエン、重メタノール、重エタノール、重2−プロパノール又は重塩化メチレンに溶解させ、NMR装置(Agilent製、商品名:INOVA300又はMERCURY 400VX)を用いて測定した。
化合物の純度の指標として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)面積百分率の値を用いた。この値は、特に記載がない限り、HPLC(島津製作所製、商品名:LC−20A)でのUV=254nmにおける値とする。この際、測定する化合物は、0.01〜0.2質量%の濃度になるようにテトラヒドロフラン又はクロロホルムに溶解させ、濃度に応じてHPLCに1〜10μL注入した。HPLCの移動相には、アセトニトリル/テトラヒドロフランの比率を100/0〜0/100(容積比)まで変化させながら用い、1.0mL/分の流量で流した。カラムは、Kaseisorb LC ODS 2000(東京化成工業製)又は同等の性能を有するODSカラムを用いた。検出器には、フォトダイオードアレイ検出器(島津製作所製、商品名:SPD−M20A)を用いた。
化合物のΔEST及び振動子強度の値の算出は、B3LYPレベルの密度汎関数法により、化合物の基底状態を構造最適化し、その際、基底関数としては、6−31G*を用いた。そして、量子化学計算プログラムとしてGaussian09を用いて、B3LYPレベルの時間依存密度汎関数法により、化合物のΔEST及び振動子強度を算出した。
<合成例T1及びT2> 化合物T1及びT2の合成
化合物T1は、国際公開第2010/136109号に記載の方法に準じて合成した。
化合物T2は、国際公開第2007/063754号に記載の方法に準じて合成した。
Figure 2018061030
化合物T1のΔEST及び振動子強度は、それぞれ、0.1295eV及び0.0011であった。
化合物T2のΔEST及び振動子強度は、それぞれ、0.1072eV及び0.0062であった。
<合成例T3> 化合物T3の合成
Figure 2018061030
Figure 2018061030
(化合物T3−3の合成)
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物T3−1(2.5g)、化合物T3−2(2.8g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.25g)、トリ-tert-ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(0.13g)、ナトリウム-tert-ブトキシド(1.3g)及びトルエン(75mL)を加え、室温で1時間攪拌した。そこへ、ヘキサン及びシリカゲルを加え、50℃で攪拌した後、シリカゲルを敷いたろ過器でろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。この固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン及びトルエンの混合溶媒)で精製した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物T3−3の粗精製物(3.1g、茶色オイル)を得た。得られた粗精製物に、ヘキサン及び活性炭を加え、室温で攪拌した後、減圧ろ過を行った。得られたろ液を減圧濃縮することにより、化合物T3−3(2.7g、黄色固体)を得た。化合物T3−3のHPLC面積百分率値は98.5%であった。
1H-NMR(CDCl3,400MHz):δ(ppm)=8.20-8.11(m,2H),7.74-6.85(m,26H),2.50-2.30(m,7H),1.53-0.82(m,22H).
(化合物T3−4の合成)
反応容器内を窒素雰囲気とした後、化合物T3−3(2.6g)、テトラヒドロフラン(26mL)、ジメチルスルホキシド(16mL)及び33質量%水酸化カリウム水溶液(5.4g)を加え、還流下で6.5時間攪拌した。その後、室温まで冷却した後、イオン交換水及びトルエンを用いて抽出を行い、更に、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより粗精製物を得た。この粗精製物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン及びトルエンの混合溶媒)で精製し、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物T3−4(2.1g、茶色オイル)を得た。化合物T3−4のHPLC面積百分率値は97.6%であった。
(化合物T3の合成)
反応容器内を窒素雰囲気とした後、化合物T3−4(2.1g)、化合物T3−5(1.3g)、酢酸パラジウム(0.071g)、トリ-tert-ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(0.096g)及びキシレン(84mL)を加えた。そこへ、ナトリウム-tert-ブトキシド(0.76g)を加え、100℃で1時間攪拌した。その後、室温まで冷却した後、そこへ、ヘキサン及びシリカゲルを加え、室温で攪拌した後、シリカゲルを敷いたろ過器でろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより粗精製物を得た。この粗精製物を、ヘキサン及びエタノールの混合溶媒で晶析することにより固体を得た。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン及びトルエンの混合溶媒)で精製し、更に、トルエン、酢酸エチル及びアセトニトリルの混合溶媒で晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物T3(1.2g、黄色固体)を得た。化合物T3のHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
LC-MS(APCI,positive):m/z=977.5[M+H]+
1H-NMR(CDCl3,400MHz):δ(ppm)=9.06-8.98(m,2H),8.82-8.80(m,4H),7.90-6.80 (m,32H),2.54-2.43(m,4H),1.53-1.49(m,4H),1.25(m,12H),0.85-0.83(m,6H).
化合物T3のΔEST及び振動子強度は、それぞれ、0.1088eV及び0.1848であった。
<化合物T4〜T12> 化合物T4〜T12の合成又は入手
化合物T4、T5、T6、T7及びT10は、Luminescense Technology社より購入した。
化合物T8は、国際公開第2008/056746号に記載の方法に準じて合成した。
化合物T9は、国際公開第2006/114966号に記載の方法に準じて合成した。
化合物T11は、国際公開第2015/102118号に記載の方法に準じて合成した。
化合物T12は、特開2010−254676号公報に記載の方法に準じて合成した。
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
化合物T4のΔEST及び振動子強度は、それぞれ、0.1563eV及び0.0069であった。
化合物T5のΔEST及び振動子強度は、それぞれ、0.0265eV及び0.0323であった。
化合物T6のΔEST及び振動子強度は、それぞれ、0.0065eV及び0であった。
化合物T7のΔEST及び振動子強度は、それぞれ、0.1185eV及び0.0574であった。
化合物T8のΔEST及び振動子強度は、それぞれ、0.0659eV及び0.0007であった。
化合物T9のΔEST及び振動子強度は、それぞれ、0.3215eV及び0.0448であった。
化合物T10のΔEST及び振動子強度は、それぞれ、0.0102eV及び0であった。
化合物T11のΔEST及び振動子強度は、それぞれ、0.4464eV及び0.4672であった。
化合物T12のΔEST及び振動子強度は、それぞれ、0.5762eV及び0.3640であった。
<化合物HM−1及びE1> 化合物HM−1及びの合成又は入手
化合物E1は、国際公開第2007/058368号に記載の方法に従って合成した。
化合物HM−1は、Luminescense Technology社より購入した。
Figure 2018061030
化合物HM−1のΔEST及び振動子強度は、それぞれ、0.2966eV及び0.0082であった。
化合物E1のΔEST及び振動子強度は、それぞれ、0.7881eV及び0.1353であった。
<合成例M> 化合物M1〜M20の合成
化合物M1及び化合物M12は、特開2011−174062号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M2及び化合物M10は、国際公開第2002/045184号に記載の方法に従って合成した。
化合物M3は、国際公開第2015/145871号に記載の方法に従って合成した。
化合物M4は、国際公開第2013/146806号に記載の方法に従って合成した。
化合物M5は、国際公開第2005/049546号に記載の方法に従って合成した。
化合物M6及び化合物M18は、特開2010−189630号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M7は、特開2010−215886号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M8は、特開2010−215886号公報に記載の方法に準じて合成した。
化合物M9は、特開2008−106241号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M11は、国際公開第2016/031639号に記載の方法に準じて合成した。
化合物M13、化合物M14及び化合物M15は、国際公開第2016/031639号に記載の方法に従って合成した。
化合物M16は、国際公開第2013/146806号に記載の方法に従って合成した。
化合物M17は、国際公報第2012/086671号に記載の方法に従って合成した。
化合物M19及び化合物M20は、国際公開第2013/191088号に記載の方法に従って合成した。
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
Figure 2018061030
<合成例HTL1>高分子化合物HTL−1の合成
高分子化合物HTL−1は、化合物M5及び化合物M6を用いて、国際公開第2015/194448号に記載の方法に従って合成した。
高分子化合物HTL−1のMnは4.5×104であり、Mwは1.5×105であった。
高分子化合物HTL−1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M5から誘導される構成単位と、化合物M6から誘導される構成単位とが、50:50のモル比で構成されてなる共重合体である。高分子化合物HTL−1の(Y1×1000)/X1の値は、0であった。
<合成例HTL2>高分子化合物HTL−2の合成
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物M3(0.130g)、化合物M4(0.0620g)、化合物M6(0.493g)、化合物M5(1.15g)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(2.2mg)及びトルエン(30mL)を加え、105℃に加熱した。
(工程2)反応液に、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(8.3mL)を滴下し、6時間還流させた。
(工程3)その後、そこに、フェニルボロン酸(61.0mg)及びジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.1mg)を加え、14.5時間還流させた。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。冷却後、得られた反応液を、水で2回、3質量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物HTL−2を1.05g得た。
高分子化合物HTL−2のMnは2.4×104であり、Mwは1.8×105であった。
高分子化合物HTL−2は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M3から誘導される構成単位と、化合物M4から誘導される構成単位と、化合物M6から誘導される構成単位と、化合物M5から誘導される構成単位とが、5:5:40:50のモル比で構成されてなる共重合体である。高分子化合物HTL−2の(Y1×1000)/X1の値は、0.38であった。
<合成例HTL3>高分子化合物HTL−3の合成
合成例HTL2における(工程1)を下記(工程1−1)に変更し、(工程2)を下記(工程2−1)に変更し、(工程3)を下記(工程3−1)に変更した以外は、合成例HTL2と同様の方法により、高分子化合物HTL−3を0.92g得た。
(工程1−1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物M3(0.311g)、化合物M4(0.0496g)、化合物M6(0.295g)、化合物M5(0.917g)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.76mg)及びトルエン(30mL)を加え、105℃に加熱した。
(工程2−1)反応液に、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.7mL)を滴下し、6時間還流させた。
(工程3−1)その後、そこに、フェニルボロン酸(48.8mg)及びジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(0.88mg)を加え、14.5時間還流させた。
高分子化合物HTL−3のMnは2.5×104であり、Mwは1.3×105であった。
高分子化合物HTL−3は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M3から誘導される構成単位と、化合物M4から誘導される構成単位と、化合物M6から誘導される構成単位と、化合物M5から誘導される構成単位とが、15:5:30:50のモル比で構成されてなる共重合体である。高分子化合物HTL−3の(Y1×1000)/X1の値は、0.69であった。
<合成例HTL4>高分子化合物HTL−4の合成
合成例HTL3における(工程1−1)を下記(工程1−2)に変更した以外は、合成例HTL3と同様の方法により、高分子化合物HTL−4を0.92g得た。
(工程1−2)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物M3(0.518g)、化合物M4(0.0496g)、化合物M6(0.195g)、化合物M5(0.917g)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.76mg)及びトルエン(30mL)を加え、105℃に加熱した。
高分子化合物HTL−4のMnは2.5×104であり、Mwは3.0×105であった。
高分子化合物HTL−4は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M3から誘導される構成単位と、化合物M4から誘導される構成単位と、化合物M6から誘導される構成単位と、化合物M5から誘導される構成単位とが、25:5:20:50のモル比で構成されてなる共重合体である。高分子化合物HTL−4の(Y1×1000)/X1の値は、0.95であった。
<合成例HTL5>高分子化合物HTL−5の合成
高分子化合物HTL−5は、化合物M3、化合物M4及び化合物M5を用いて、国際公開第2015/145871号に記載の方法に従って合成した。
高分子化合物HTL−5のMnは2.3×104であり、Mwは1.2×105であった。
高分子化合物HTL−5は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M3から誘導される構成単位と、化合物M4から誘導される構成単位と、化合物M5から誘導される構成単位とが、45:5:50のモル比で構成されてなる共重合体である。高分子化合物HTL−5の(Y1×1000)/X1の値は、1.36であった。
<合成例HTL6> 高分子化合物HTL−6の合成
高分子化合物HTL−6は、化合物M1、化合物M5、化合物M2及び化合物M7を用いて、特開2012−144722号公報に記載の方法に準じて合成した。高分子化合物HTL−6のMnは5.0×104であり、Mwは2.5×105であった。
高分子化合物HTL−6は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M1から誘導される構成単位と、化合物M5から誘導される構成単位と、化合物M2から誘導される構成単位と、化合物M7から誘導される構成単位とが、50:30:12.5:7.5のモル比で構成された共重合体である。高分子化合物HTL−6の(Y1×1000)/X1の値は、0.24であった。
<合成例HTL7> 高分子化合物HTL−7の合成
高分子化合物HTL−7は、化合物M6、化合物M8、化合物M9及び化合物M7を用いて、国際公開第2010/013723号に記載の方法に準じて合成した。高分子化合物HTL−7のMnは2.4×104であり、Mwは1.7×105であった。
高分子化合物HTL−7は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M6から誘導される構成単位と、化合物M8から誘導される構成単位と、化合物M9から誘導される構成単位と、化合物M7から誘導される構成単位とが、50:40:5:5のモル比で構成された共重合体である。高分子化合物HTL−7の(Y1×1000)/X1の値は、0.70であった。
<合成例HTL8> 高分子化合物HTL−8の合成
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物M6(0.995g)、化合物M10(0.736g)、化合物M9(0.106g)、化合物M7(0.0924g)、ジクロロビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウム(1.8mg)及びトルエン(50ml)を加え、105℃に加熱した。得られた反応液に、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.6ml)を滴下し、5.5時間還流させた。その後、そこに、フェニルボロン酸(24.4mg)、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.6ml)及びジクロロビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウム(1.8mg)を加え、14時間還流させた。その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却後、水で2回、3質量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通液することにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物HTL−8を0.91g得た。高分子化合物HTL−8のMnは5.2×104であり、Mwは2.5×105であった。
高分子化合物HTL−8は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M6から誘導される構成単位と、化合物M10から誘導される構成単位と、化合物M9から誘導される構成単位と、化合物M7から誘導される構成単位とが、50:40:5:5のモル比で構成された共重合体である。
高分子化合物HTL−8の(Y1×1000)/X1の値は、0.73であった。
<合成例HTL9> 高分子化合物HTL−9の合成
高分子化合物HTL−9は、化合物M11、化合物M12、化合物M9及び化合物M7を用いて、国際公開第2016/125560号に記載の方法に準じて合成した。高分子化合物HTL−9のMnは3.5×104であり、Mwは1.6×105であった。
高分子化合物HTL−9は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M11から誘導される構成単位と、化合物M12から誘導される構成単位と、化合物M9から誘導される構成単位と、化合物M7から誘導される構成単位とが、50:40:5:5のモル比で構成された共重合体である。高分子化合物HTL−9の(Y1×1000)/X1の値は、0.33であった。
<合成例HTL10> 高分子化合物HTL−10の合成
高分子化合物HTL−10は、化合物M13、化合物M12、化合物M9及び化合物M7を用いて、国際公開第2016/031639号に記載の方法に従って合成した。高分子化合物HTL−10のMnは5.3×104であり、Mwは2.0×105であった。
高分子化合物HTL−10は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M13から誘導される構成単位と、化合物M12から誘導される構成単位と、化合物M9から誘導される構成単位と、化合物M7から誘導される構成単位とが、50:40:5:5のモル比で構成された共重合体である。高分子化合物HTL−10の(Y1×1000)/X1の値は、0.35であった。
<合成例HTL11> 高分子化合物HTL−11の合成
高分子化合物HTL−11は、化合物M14、化合物M12、化合物M9及び化合物M7を用いて、国際公開第2016/031639号に記載の方法に従って合成した。高分子化合物HTL−11のMnは4.2×104であり、Mwは1.2×105であった。
高分子化合物HTL−11は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M14から誘導される構成単位と、化合物M12から誘導される構成単位と、化合物M9から誘導される構成単位と、化合物M7から誘導される構成単位とが、50:40:5:5のモル比で構成された共重合体である。高分子化合物HTL−11の(Y1×1000)/X1の値は、0.33であった。
<合成例HTL12> 高分子化合物HTL−12の合成
高分子化合物HTL−12は、化合物M15、化合物M12、化合物M9及び化合物M7を用いて、国際公開第2016/125560号に記載の方法に準じて合成した。高分子化合物HTL−12のMnは2.4×104であり、Mwは1.7×105であった。
高分子化合物HTL−12は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M15から誘導される構成単位と、化合物M12から誘導される構成単位と、化合物M9から誘導される構成単位と、化合物M7から誘導される構成単位とが、50:40:5:5のモル比で構成された共重合体である。高分子化合物HTL−12の(Y1×1000)/X1の値は、0.30であった。
<合成例HTL13> 高分子化合物HTL−13の合成
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物M16(1.07g)、化合物M4(0.198g)、化合物M10(0.919g)、ジクロロビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウム(1.8mg)及びトルエン(50ml)を加え、100℃に加熱した。得られた反応液に、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(8.7ml)を滴下し、6時間還流させた。その後、そこへ、2−エチルフェニルボロン酸(60.0mg)、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(8.7ml)及びジクロロビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウム(1.8mg)を加え、16時間還流させた。その後、そこへ、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却後、3.6質量%塩酸で2回、2.5質量%アンモニア水溶液で2回、水で6回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通液することにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物HTL−13を1.14g得た。高分子化合物HTL−13のMnは3.6×104であり、Mwは2.0×105であった。
高分子化合物HTL−13は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M16から誘導される構成単位と、化合物M4から誘導される構成単位と、化合物M10から誘導される構成単位とが、40:10:50のモル比で構成されてなる共重合体である。
高分子化合物HTL−13の(Y1×1000)/X1の値は、2.92であった。
<合成例HP1> 高分子化合物HP−1の合成
高分子化合物HP−1は、化合物M6、化合物M17及び化合物M18を用いて、特開2012−036388号公報に記載の方法に従って合成した。高分子化合物HP−1のMnは9.6×104であり、Mwは2.2×105であった。
高分子化合物HP−1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M6から誘導される構成単位と、化合物M17から誘導される構成単位と、化合物M18から誘導される構成単位とが、50:40:10のモル比で構成された共重合体である。
<合成例HP2> 高分子化合物HP−2の合成
高分子化合物HP−2は、化合物M6、化合物M19及び化合物M20を用いて、国際公開第2015/008851号に記載の方法に従って合成した。高分子化合物HP−2のMnは8.5×104であり、Mwは2.2×105であった。
高分子化合物HP−2は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M6から誘導される構成単位と、化合物M19から誘導される構成単位と、化合物M20から誘導される構成単位とが、50:26:24のモル比で構成された共重合体である。
<実施例D1> 発光素子D1の作製と評価
(陽極及び正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、正孔注入材料であるND−3202(日産化学工業製)をスピンコート法により50nmの厚さで成膜した。大気雰囲気下において、50℃、3分間加熱し、更に230℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(第2の有機層の形成)
キシレンに高分子化合物HTL−5を0.6質量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で200℃、30分間加熱させることにより第2の有機層を形成した。この加熱により、高分子化合物HTL−5は、架橋体となった。
(第1の有機層の形成)
トルエンに、化合物HM−1及び化合物T3(化合物HM−1/化合物T3=85質量%/15質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。得られたトルエン溶液を用いて、第2の有機層の上にスピンコート法により70nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより第1の有機層を形成した。
(陰極の形成)
第1の有機層を形成した基板を蒸着機内において、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、第1の有機層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子D1を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子D1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。400cd/m2における外部量子効率は9.30[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.32,0.58)であった。
<実施例D2> 発光素子D2の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−5」に代えて、「高分子化合物HTL−4」を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D2を作製した。発光素子D2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。400cd/m2における外部量子効率は8.51[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.32,0.58)であった。
<実施例D3> 発光素子D3の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−5」に代えて、「高分子化合物HTL−3」を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D3を作製した。発光素子D3に電圧を印加することによりEL発光が観測された。400cd/m2における外部量子効率は7.47[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.32,0.58)であった。
<実施例D4> 発光素子D4の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−5」に代えて、「高分子化合物HTL−2」を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D4を作製した。発光素子D4に電圧を印加することによりEL発光が観測された。400cd/m2における外部量子効率は6.40[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.32,0.58)であった。
<実施例D5> 発光素子D5の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−5」に代えて、「高分子化合物HTL−11」を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D5を作製した。発光素子D5に電圧を印加することによりEL発光が観測された。400cd/m2における外部量子効率は5.83[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.57)であった。
<実施例D6> 発光素子D6の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−5」に代えて、「高分子化合物HTL−12」を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D6を作製した。発光素子D6に電圧を印加することによりEL発光が観測された。400cd/m2における外部量子効率は5.75[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.57)であった。
<実施例D7> 発光素子D7の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−5」に代えて、「高分子化合物HTL−2及び高分子化合物HTL−1(高分子化合物HTL−2/高分子化合物HTL−1=75質量%/25質量%)」を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D7を作製した。発光素子D7に電圧を印加することによりEL発光が観測された。400cd/m2における外部量子効率は4.94[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.32,0.57)であった。なお、高分子化合物HTL−2及び高分子化合物HTL−1を75:25の比で配合したものの(Y1×1000)/X1の値は、0.29であった。
<実施例D8> 発光素子D8の作製と評価
実施例D1の(第1の有機層の形成)における、「トルエンに、化合物HM−1及び化合物T3(化合物HM−1/化合物T3=85質量%/15質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「キシレンに、高分子化合物HP−2及び化合物T3(高分子化合物HP−2/化合物T3=85質量%/15質量%)を1.8質量%の濃度で溶解させた。」とし、更に、実施例D1の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−5」に代えて、「高分子化合物HTL−13」を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D8を作製した。発光素子D8に電圧を印加することによりEL発光が観測された。400cd/m2における外部量子効率は14.01[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.27,0.56)であった。
<実施例D9> 発光素子D9の作製と評価
実施例D8の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−13」に代えて、「高分子化合物HTL−3」を用いた以外は実施例D8と同様にして、発光素子D9を作製した。発光素子D9に電圧を印加することによりEL発光が観測された。400cd/m2における外部量子効率は10.36[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.27,0.56)であった。
<実施例D10> 発光素子D10の作製と評価
実施例D8の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−13」に代えて、「高分子化合物HTL−2」を用いた以外は実施例D8と同様にして、発光素子D10を作製した。発光素子D10に電圧を印加することによりEL発光が観測された。400cd/m2における外部量子効率は9.99[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.27,0.56)であった。
<比較例CD1> 発光素子CD1の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−5」に代えて、「高分子化合物HTL−6」を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子CD1を作製した。発光素子CD1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。400cd/m2における外部量子効率は3.81[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.57)であった。
<比較例CD2> 発光素子CD2の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−5」に代えて、「高分子化合物HTL−1」を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子CD2を作製した。発光素子CD2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。400cd/m2における外部量子効率は3.93[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.32,0.58)であった。
Figure 2018061030
<実施例D11> 発光素子D11の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−5」に代えて、「高分子化合物HTL−13」を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D11を作製した。発光素子D11に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における外部量子効率は11.01[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.57)であった。
<実施例D12> 発光素子D12の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−5」に代えて、「高分子化合物HTL−7」を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D12を作製した。発光素子D12に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における外部量子効率は9.77[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.30,0.56)であった。
<実施例D13> 発光素子D13の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−5」に代えて、「高分子化合物HTL−8」を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D13を作製した。発光素子D13に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における外部量子効率は9.47[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.57)であった。
<実施例D14> 発光素子D14の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−5」に代えて、「高分子化合物HTL−10」を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D14を作製した。発光素子D14に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における外部量子効率は7.71[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.57)であった。
<実施例D15> 発光素子D15の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−5」に代えて、「高分子化合物HTL−9」を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D15を作製した。発光素子D15に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における外部量子効率は7.60[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.57)であった。
<実施例D16> 発光素子D16の作製と評価
実施例D1の(第1の有機層の形成)における、「トルエンに、化合物HM−1及び化合物T3(化合物HM−1/化合物T3=85質量%/15質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「キシレンに、高分子化合物HP−1及び化合物T3(高分子化合物HP−1/化合物T3=85質量%/15質量%)を1.8質量%の濃度で溶解させた。」とし、更に、実施例D1の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−5」に代えて、「高分子化合物HTL−13」を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D16を作製した。発光素子D16に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における外部量子効率は12.08[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.29,0.57)であった。
<比較例CD3> 発光素子CD3の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−5」に代えて、「高分子化合物HTL−6」を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子CD3を作製した。発光素子CD3に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における外部量子効率は3.46[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.57)であった。
Figure 2018061030
<実施例D17> 発光素子D17の作製と評価
実施例D1の(第1の有機層の形成)における、「トルエンに、化合物HM−1及び化合物T3(化合物HM−1/化合物T3=85質量%/15質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「クロロベンゼンに、化合物HM−1、化合物T3及び化合物E1(化合物HM−1/化合物T3/化合物E1=84質量%/15質量%/1質量%)を2.6質量%の濃度で溶解させた。」とし、更に、実施例D1の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−5」に代えて、「高分子化合物HTL−13」を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D17を作製した。発光素子D17に電圧を印加することによりEL発光が観測された。200cd/m2における外部量子効率は11.24[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.60)であった。
<実施例D18> 発光素子D18の作製と評価
実施例D17の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−13」に代えて、「高分子化合物HTL−5」を用いた以外は実施例D17と同様にして、発光素子D18を作製した。発光素子D18に電圧を印加することによりEL発光が観測された。200cd/m2における外部量子効率は9.32[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.32,0.60)であった。
<実施例D19> 発光素子D19の作製と評価
実施例D17の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−13」に代えて、「高分子化合物HTL−4」を用いた以外は実施例D17と同様にして、発光素子D19を作製した。発光素子D19に電圧を印加することによりEL発光が観測された。200cd/m2における外部量子効率は7.87[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.60)であった。
<実施例D20> 発光素子D20の作製と評価
実施例D17の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−13」に代えて、「高分子化合物HTL−3」を用いた以外は実施例D17と同様にして、発光素子D20を作製した。発光素子D20に電圧を印加することによりEL発光が観測された。200cd/m2における外部量子効率は7.54[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.60)であった。
<実施例D21> 発光素子D21の作製と評価
実施例D17の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−13」に代えて、「高分子化合物HTL−2」を用いた以外は実施例D17と同様にして、発光素子D21を作製した。発光素子D21に電圧を印加することによりEL発光が観測された。200cd/m2における外部量子効率は6.67[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.60)であった。
<実施例D22> 発光素子D22の作製と評価
実施例D17の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−13」に代えて、「高分子化合物HTL−2及び高分子化合物HTL−1(高分子化合物HTL−2/高分子化合物HTL−1=75質量%/25質量%)」を用いた以外は実施例D17と同様にして、発光素子D22を作製した。発光素子D22に電圧を印加することによりEL発光が観測された。200cd/m2における外部量子効率は5.97[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.60)であった。なお、高分子化合物HTL−2及び高分子化合物HTL−1を75:25の比で配合したものの(Y1×1000)/X1の値は、0.29であった。
<比較例CD4> 発光素子CD4の作製と評価
実施例D17の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−13」に代えて、「高分子化合物HTL−2及び高分子化合物HTL−1(高分子化合物HTL−2/高分子化合物HTL−1=50質量%/50質量%)」を用いた以外は実施例D17と同様にして、発光素子CD4を作製した。発光素子CD4に電圧を印加することによりEL発光が観測された。200cd/m2における外部量子効率は5.29[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.60)であった。なお、高分子化合物HTL−2及び高分子化合物HTL−1を50:50の比で配合したものの(Y1×1000)/X1の値は、0.19であった。
Figure 2018061030
<実施例D23> 発光素子D23の作製と評価
実施例D1の(第1の有機層の形成)における、「トルエンに、化合物HM−1及び化合物T3(化合物HM−1/化合物T3=85質量%/15質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「クロロベンゼンに、化合物HM−1、化合物T1及び化合物E1(化合物HM−1/化合物T1/化合物E1=75質量%/15質量%/10質量%)を2.6質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は実施例D1と同様にして、発光素子D23を作製した。発光素子D23に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/m2における外部量子効率は3.33[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.29,0.64)であった。
<実施例D24> 発光素子D24の作製と評価
実施例D23の(第1の有機層の形成)における、「化合物T1」に代えて、「化合物T2」を用いた以外は実施例D23と同様にして、発光素子D24を作製した。発光素子D24に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/m2における外部量子効率は4.36[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.29,0.64)であった。
<実施例D25> 発光素子D25の作製と評価
実施例D23の(第1の有機層の形成)における、「化合物T1」に代えて、「化合物T4」を用いた以外は実施例D23と同様にして、発光素子D25を作製した。発光素子D25に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/m2における外部量子効率は3.99[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.29,0.64)であった。
<実施例D26> 発光素子D26の作製と評価
実施例D23の(第1の有機層の形成)における、「化合物T1」に代えて、「化合物T3」を用いた以外は実施例D23と同様にして、発光素子D26を作製した。発光素子D26に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/m2における外部量子効率は5.52[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.63)であった。
<実施例D27> 発光素子D27の作製と評価
実施例D23の(第1の有機層の形成)における、「化合物T1」に代えて、「化合物T5」を用いた以外は実施例D23と同様にして、発光素子D27を作製した。発光素子D27に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/m2における外部量子効率は2.90[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.29,0.64)であった。
<実施例D28> 発光素子D28の作製と評価
実施例D23の(第1の有機層の形成)における、「化合物T1」に代えて、「化合物T8」を用いた以外は実施例D23と同様にして、発光素子D28を作製した。発光素子D28に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/m2における外部量子効率は3.82[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.29,0.64)であった。
<実施例D29> 発光素子D29の作製と評価
実施例D23の(第1の有機層の形成)における、「化合物T1」に代えて、「化合物T6」を用いた以外は実施例D23と同様にして、発光素子D29を作製した。発光素子D29に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/m2における外部量子効率は4.43[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.29,0.64)であった。
<実施例D30> 発光素子D30の作製と評価
実施例D23の(第1の有機層の形成)における、「化合物HM−1、化合物T1及び化合物E1(化合物HM−1/化合物T1/化合物E1=75質量%/15質量%/10質量%)」に代えて、「化合物T1及び化合物E1(化合物T1/化合物E1=70質量%/30質量%)」を用いた以外は実施例D23と同様にして、発光素子D30を作製した。発光素子D30に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/m2における外部量子効率は3.27[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.63)であった。
<実施例D31> 発光素子D31の作製と評価
実施例D23の(第1の有機層の形成)における、「化合物HM−1、化合物T1及び化合物E1(化合物HM−1/化合物T1/化合物E1=75質量%/15質量%/10質量%)」に代えて、「化合物T1及び化合物E1(化合物T1/化合物E1=80質量%/20質量%)」を用いた以外は実施例D23と同様にして、発光素子D31を作製した。発光素子D31に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/m2における外部量子効率は3.47[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.63)であった。
<実施例D32> 発光素子D32の作製と評価
実施例D23の(第1の有機層の形成)における、「化合物HM−1、化合物T1及び化合物E1(化合物HM−1/化合物T1/化合物E1=75質量%/15質量%/10質量%)」に代えて、「化合物T1及び化合物E1(化合物T1/化合物E1=90質量%/10質量%)」を用いた以外は実施例D23と同様にして、発光素子D32を作製した。発光素子D32に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/m2における外部量子効率は2.93[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.62)であった。
<比較例CD5> 発光素子CD5の作製と評価
実施例D1の(第1の有機層の形成)における、「トルエンに、化合物HM−1及び化合物T3(化合物HM−1/化合物T3=85質量%/15質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「クロロベンゼンに、化合物T1及び化合物E1(化合物T1/化合物E1=70量%/30質量%)を2.6質量%の濃度で溶解させた。」とし、更に、実施例D1の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−5」に代えて、「高分子化合物HTL−1」を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子CD5を作製した。発光素子CD5に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/m2における外部量子効率は0.95[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.30,0.64)であった。
Figure 2018061030
<実施例D33> 発光素子D33の作製と評価
実施例D1の(第1の有機層の形成)における、「トルエンに、化合物HM−1及び化合物T3(化合物HM−1/化合物T3=85質量%/15質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「クロロベンゼンに、化合物HM−1及び化合物T7(化合物HM−1/化合物T7=85質量%/15質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。」とし、更に、実施例D1の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−5」に代えて、「高分子化合物HTL−13」を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D33を作製した。発光素子D33に電圧を印加することによりEL発光が観測された。50cd/m2における外部量子効率は4.63[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.32,0.59)であった。
<実施例D34> 発光素子D34の作製と評価
実施例D33の(第1の有機層の形成)における、「クロロベンゼンに、化合物HM−1及び化合物T7(化合物HM−1/化合物T7=85質量%/15質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「トルエンに、化合物HM−1及び化合物T11(化合物HM−1/化合物T11=85質量%/15質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。」とした以外は実施例D33と同様にして、発光素子D34を作製した。発光素子D34に電圧を印加することによりEL発光が観測された。50cd/m2における外部量子効率は2.91[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.14,0.09)であった。
<実施例D35> 発光素子D35の作製と評価
実施例D33の(第1の有機層の形成)における、「化合物T7」に代えて、「化合物T2」を用いた以外は実施例D33と同様にして、発光素子D35を作製した。発光素子D35に電圧を印加することによりEL発光が観測された。50cd/m2における外部量子効率は1.81[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.18,0.27)であった。
<比較例CD6> 発光素子CD6の作製と評価
実施例D33の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−13」に代えて、「高分子化合物HTL−6」を用いた以外は実施例D33と同様にして、発光素子CD6を作製した。発光素子CD6に電圧を印加することによりEL発光が観測された。50cd/m2における外部量子効率は0.95[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.58)であった。
<比較例CD7> 発光素子CD7の作製と評価
実施例D33の(第1の有機層の形成)における、「化合物T7」に代えて、「化合物T12」を用いた以外は実施例D33と同様にして、発光素子CD7を作製した。発光素子CD7に電圧を印加することによりEL発光が観測された。50cd/m2における外部量子効率は0.62[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.20,0.17)であった。
Figure 2018061030
<実施例D36> 発光素子D36の作製と評価
実施例D1の(第1の有機層の形成)における、「トルエンに、化合物HM−1及び化合物T3(化合物HM−1/化合物T3=85質量%/15質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「キシレンに、高分子化合物HP−2及び化合物T9(高分子化合物HP−2/化合物T9=85質量%/15質量%)を1.8質量%の濃度で溶解させた。」とし、更に、実施例D1の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−5」に代えて、「高分子化合物HTL−13」を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D36を作製した。発光素子D36に電圧を印加することによりEL発光が観測された。50cd/m2における外部量子効率は1.65[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.24,0.40)であった。
<実施例D37> 発光素子D36の作製と評価
実施例D36の(第1の有機層の形成)における、「高分子化合物HP−2」に代えて、「高分子化合物HP−1」を用いた以外は実施例D36と同様にして、発光素子D37を作製した。発光素子D37に電圧を印加することによりEL発光が観測された。50cd/m2における外部量子効率は1.65[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.23,0.38)であった。
<実施例D38> 発光素子D38の作製と評価
実施例D36の(第1の有機層の形成)における、「化合物T9」に代えて、「化合物T10」を用いた以外は実施例D36と同様にして、発光素子D38を作製した。発光素子D38に電圧を印加することによりEL発光が観測された。50cd/m2における外部量子効率は3.38[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.17,0.31)であった。
<実施例D39> 発光素子D39の作製と評価
実施例D36の(第1の有機層の形成)における、「化合物T9」に代えて、「化合物T6」を用いた以外は実施例D36と同様にして、発光素子D39を作製した。発光素子D39に電圧を印加することによりEL発光が観測された。50cd/m2における外部量子効率は4.14[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.18,0.36)であった。
<実施例D40> 発光素子D40の作製と評価
実施例D36の(第1の有機層の形成)における、「高分子化合物HP−2及び化合物T9(高分子化合物HP−2/化合物T9=85質量%/15質量%)」に代えて、「高分子化合物HP−1及び化合物T5(高分子化合物HP−1/化合物T5=85質量%/15質量%)」を用いた以外は実施例D36と同様にして、発光素子D40を作製した。発光素子D40に電圧を印加することによりEL発光が観測された。50cd/m2における外部量子効率は1.85[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.23,0.47)であった。
<実施例D41> 発光素子D41の作製と評価
実施例D36の(第1の有機層の形成)における、「化合物T9」に代えて、「化合物T1」を用いた以外は実施例D36と同様にして、発光素子D41を作製した。発光素子D41に電圧を印加することによりEL発光が観測された。50cd/m2における外部量子効率は3.32[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.24,0.46)であった。
<実施例D42> 発光素子D42の作製と評価
実施例D36の(第1の有機層の形成)における、「高分子化合物HP−2及び化合物T9(高分子化合物HP−2/化合物T9=85質量%/15質量%)」に代えて、「高分子化合物HP−1及び化合物T1(高分子化合物HP−1/化合物T1=85質量%/15質量%)」を用いた以外は実施例D36と同様にして、発光素子D42を作製した。発光素子D42に電圧を印加することによりEL発光が観測された。50cd/m2における外部量子効率は2.70[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.25,0.47)であった。
<実施例D43> 発光素子D43の作製と評価
実施例D36の(第1の有機層の形成)における、「化合物T9」に代えて、「化合物T11」を用いた以外は実施例D36と同様にして、発光素子D43を作製した。発光素子D43に電圧を印加することによりEL発光が観測された。50cd/m2における外部量子効率は6.37[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.15,0.26)であった。
<比較例CD8> 発光素子CD8の作製と評価
実施例D36の(第1の有機層の形成)における、「化合物T9」に代えて、「化合物T12」を用いた以外は実施例D36と同様にして、発光素子CD8を作製した。発光素子CD8に電圧を印加することによりEL発光が観測された。50cd/m2における外部量子効率は0.74[%]、CIE色度座標(x,y)=(0.20,0.20)であった。
Figure 2018061030

Claims (12)

  1. 陽極と、陰極と、陽極及び陰極の間に設けられた第1の有機層及び第2の有機層と、を有する発光素子であって、
    前記第1の有機層が、最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が0.5eV以下である化合物(T)を含有し、且つ、燐光発光性金属錯体を含有しない層であり、
    前記第2の有機層が、架橋基を有する構成単位を含む高分子化合物の架橋体を含有する層であり、
    前記高分子化合物を構成する全構成単位の分子量の合計をX1とし、前記高分子化合物を構成する全構成単位が有する架橋基の数の合計をY1としたとき、(Y1×1000)/X1の値が0.25以上である、発光素子。
  2. 前記架橋基が、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基である、請求項1に記載の発光素子。
    (架橋基A群)
    Figure 2018061030
    [式中、RXLは、メチレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、nXLは、0〜5の整数を表す。RXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、nXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。*1は結合位置を表す。これらの架橋基は置換基を有していてもよい。]
  3. 前記架橋基を有する構成単位が、式(2)で表される構成単位又は式(2’)で表される構成単位である、請求項2に記載の発光素子。
    Figure 2018061030
    [式中、
    nAは0〜5の整数を表し、nは1又は2を表す。nAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    Ar3は、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    Aは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    Xは、架橋基A群から選ばれる架橋基を表す。Xが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 2018061030
    [式中、
    mAは0〜5の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、cは0又は1を表す。mAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    Ar5は、芳香族炭化水素基、複素環基、又は、少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    Ar4及びAr6は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    Ar4、Ar5及びAr6はそれぞれ、該基が結合している窒素原子に結合している該基以外の基と、直接結合又は酸素原子若しくは硫黄原子を介して結合して、環を形成していてもよい。
    Aは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、前記と同じ意味を表す。KAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    X’は、架橋基A群から選ばれる架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。X’が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。但し、少なくとも1つのX’は、架橋基A群から選ばれる架橋基である。]
  4. 前記化合物(T)が式(T−1)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光素子。
    Figure 2018061030
    [式中、
    T1は、0以上5以下の整数を表す。nT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    ArT1は、アリール基、置換アミノ基、又は、1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。但し、ArT1の少なくとも1つは、置換アミノ基であるか、又は、環内に二重結合を有さない窒素原子を含み、且つ、環内に=N−で表される基、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、及び、式(P):
    Figure 2018061030
    で表される基を含まない、1価の複素環基である。ZT1は、酸素原子、硫黄原子又は=NRZT1で表される基を表す。RZT1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    T1は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NRT1'−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RT1'は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。
    ArT2は、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、前記式(P)で表される基、電子求引性基を有する芳香族炭化水素基、又は、環内に=N−で表される基を含む複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
    T2は、1以上15以下の整数を表す。但し、ArT2がホウ素原子又は前記式(P)で表される基である場合、nT2は3である。ArT2が−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、又は、−S(=O)2−で表される基である場合、nT2は2である。
    ArT1とLT1とは直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。ArT2とLT1とは直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。ArT1とArT2とは直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。]
  5. 前記ArT1の少なくとも1つが、式(T1−1)で表される基である、請求項4に記載の発光素子。
    Figure 2018061030
    [式中、
    環RT1及び環RT2は、それぞれ独立に、環内に−C(=ZT1)−で表される基を含まない芳香族炭化水素環、又は、環内に=N−で表される基、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、及び、前記式(P)で表される基を含まない複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。ZT1は前記と同じ意味を表す。
    T1は、単結合、酸素原子、硫黄原子、−N(RXT1)−で表される基、又は、−C(RXT1')2−で表される基を表す。RXT1及びRXT1'は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRXT1'は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
    XT1と環RT1が有していてもよい置換基、RXT1と環RT2が有していてもよい置換基、RXT1'と環RT1が有していてもよい置換基、及び、RXT1'と環RT2が有していてもよい置換基は、それぞれ直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
  6. 前記式(T1−1)で表される基が、式(T1−1A)で表される基、式(T1−1B)で表される基、式(T1−1C)で表される基又は式(T1−1D)で表される基である、請求項5に記載の発光素子。
    Figure 2018061030
    [式中、
    T1は、前記と同じ意味を表す。
    T2及びXT3は、それぞれ独立に、単結合、酸素原子、硫黄原子、−N(RXT2)−で表される基、又は、−C(RXT2')2−で表される基を表す。RXT2及びRXT2'は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRXT2'は、同一でも異なっていてもよく、直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
    T1、RT2、RT3、RT4、RT5、RT6、RT7、RT8、RT9、RT10、RT11及びRT12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    T1とRT2、RT2とRT3、RT3とRT4、RT5とRT6、RT6とRT7、RT7とRT8、RT9とRT10、RT10とRT11、及び、RT11とRT12は、それぞれ直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
  7. 前記ArT2が、環内に=N−で表される基を含む複素環基(該基は置換基を有していてもよい。)である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の発光素子。
  8. 前記ArT2が、ジアゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、ベンゾジアゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサジアゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、アザカルバゾール環、ジアザカルバゾール環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、トリアザナフタレン環、テトラアザナフタレン環、アザアントラセン環、ジアザアントラセン環、トリアザアントラセン環、テトラアザアントラセン環、アザフェナントレン環、ジアザフェナントレン環、トリアザフェナントレン環又はテトラアザフェナントレン環から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基(該基は置換基を有していてもよい)である、請求項7に記載の発光素子。
  9. 前記化合物(T)の振動子強度が0.0001以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発光素子。
  10. 前記第1の有機層が、ホスト材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、蛍光発光材料及び酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の発光素子。
  11. 前記第1の有機層と、前記第2の有機層とが、隣接している、請求項1〜10のいずれか一項に記載の発光素子。
  12. 前記第2の有機層が、前記陽極及び前記第1の有機層との間に設けられた層である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の発光素子。
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