JP6596918B2 - 発光素子 - Google Patents

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本発明は、発光素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「発光素子」ともいう。)は、ディスプレイおよび照明の用途に好適に使用することが可能であり、研究開発が盛んに行われている。この発光素子は、発光層、電荷輸送層等の有機層を有する。
特許文献1には、架橋材料の架橋体を含有する有機層と、下記式で表される金属錯体(A)、下記式で表される金属錯体(B)および下記式で表される金属錯体(C)を含有する発光層とを有する発光素子が記載されている。
また、特許文献2には、架橋材料の架橋体および下記式で表される金属錯体(C)を含有する発光層と、下記式で表される金属錯体(A)を含有する発光層とを有する発光素子が記載されている。
なお、下記式で表される金属錯体(B)および下記式で表される金属錯体(C)は、アリール基、1価の複素環基および置換アミノ基を有さない金属錯体である。
Figure 0006596918
国際公開第2009/116414号 特開2009−152435号公報
しかしながら、上記の特許文献1および2に記載された発光素子は、輝度寿命が必ずしも十分ではなかった。
そこで、本発明は、輝度寿命に優れる発光素子を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[13]を提供する。
[1]陽極と、陰極と、陽極および陰極の間に設けられた第1の有機層と、陽極および陰極の間に設けられた第2の有機層とを有する発光素子であって、
第1の有機層が、金属錯体を含有する層であり、
第2の有機層が、金属錯体と、架橋材料の架橋体とを含有する層であり、
第1の有機層に含有される金属錯体および第2の有機層に含有される金属錯体の一方が、式(1)で表される金属錯体であり、他方が、式(2)で表される金属錯体である発光素子。
Figure 0006596918
[式中、
は、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子または白金原子を表す。
は1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表し、n+nは2または3である。Mがルテニウム原子、ロジウム原子またはイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mがパラジウム原子または白金原子の場合、n+nは2である。
およびEは、それぞれ独立に、炭素原子または窒素原子を表す。但し、EおよびEの少なくとも一方は炭素原子である。
環Rは、5員の芳香族複素環を表し、この環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
環Rは、芳香族炭化水素環または芳香族複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
環Rが有していてもよい置換基と環Rが有していてもよい置換基とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
但し、環Rおよび環Rからなる群から選ばれる少なくとも1つの環は、式(1−S)で表される基を有する。
−G−Aは、アニオン性の2座配位子を表す。AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。Gは、単結合、または、AおよびAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。A−G−Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006596918
[式中、Ar1Sは、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Figure 0006596918
[式中、
は、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子または白金原子を表す。
は1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表し、n+nは2または3である。Mがルテニウム原子、ロジウム原子またはイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mがパラジウム原子または白金原子の場合、n+nは2である。
は、炭素原子または窒素原子を表す。
環Lは、6員の芳香族複素環を表し、この環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環Lが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
環Lは、芳香族炭化水素環または芳香族複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環Lが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
環Lが有していてもよい置換基と環Lが有していてもよい置換基とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
但し、環Lおよび環Lからなる群から選ばれる少なくとも1つの環は、式(1−T)で表される基を有する。
−G−Aは、アニオン性の2座配位子を表す。AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。Gは、単結合、または、AおよびAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。A−G−Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006596918
[式中、Ar1Tは、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
[2]前記第1の有機層と、前記第2の有機層とが、隣接している、[1]に記載の発光素子。
[3]前記第2の有機層が、前記陽極および前記第1の有機層との間に設けられた層である、[1]または[2]に記載の発光素子。
[4]前記式(1)で表される金属錯体が、式(1−A)で表される金属錯体である、[1]〜[3]のいずれかに記載の発光素子。
Figure 0006596918
[式中、
、n、n、EおよびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
11A、E12A、E13A、E21A、E22A、E23AおよびE24Aは、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。E11A、E12A、E13A、E21A、E22A、E23AおよびE24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。E11A、E12AおよびE13Aが窒素原子の場合、R11A、R12AおよびR13Aは、存在しても存在しなくてもよい。E21A、E22A、E23AおよびE24Aが窒素原子の場合、R21A、R22A、R23AおよびR24Aは、存在しない。
11A、R12A、R13A、R21A、R22A、R23AおよびR24Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R11A、R12A、R13A、R21A、R22A、R23AおよびR24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R11AとR12A、R12AとR13A、R11AとR21A、R21AとR22A、R22AとR23A、および、R23AとR24Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。但し、R11A、R12A、R13A、R21A、R22A、R23AおよびR24Aからなる群から選ばれる少なくとも1つは、前記式(1−S)で表される基である。
環R1Aは、窒素原子、E、E11A、E12AおよびE13Aとで構成されるトリアゾール環またはジアゾール環を表す。
環R2Aは、2つの炭素原子、E21A、E22A、E23AおよびE24Aとで構成されるベンゼン環、ピリジン環またはピリミジン環を表す。]
[5]前記式(1−A)で表される金属錯体が、式(1−A1)で表される金属錯体、式(1−A2)で表される金属錯体、式(1−A3)で表される金属錯体または式(1−A4)で表される金属錯体である、[4]に記載の発光素子。
Figure 0006596918
[式中、M、n、n、R11A、R12A、R13A、R21A、R22A、R23A、R24AおよびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。]
[6]前記式(2)で表される金属錯体が、式(2−B)で表される金属錯体である、[1]〜[5]のいずれかに記載の発光素子。
Figure 0006596918
[式中、
、n、nおよびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
11B、E12B、E13B、E14B、E21B、E22B、E23BおよびE24Bは、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。E11B、E12B、E13B、E14B、E21B、E22B、E23BおよびE24Bが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。E11B、E12B、E13B、E14B、E21B、E22B、E23BおよびE24Bが窒素原子の場合、R11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23BおよびR24Bは、存在しない。
11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23BおよびR24Bは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23BおよびR24Bが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R11BとR12B、R12BとR13B、R13BとR14B、R11BとR21B、R21BとR22B、R22BとR23B、および、R23BとR24Bは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。但し、R11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23BおよびR24Bからなる群から選ばれる少なくとも1つは、前記式(1−T)で表される基である。
環L1Bは、窒素原子、炭素原子、E11B、E12B、E13BおよびE14Bとで構成されるピリジン環またはピリミジン環を表す。
環L2Bは、2つの炭素原子、E21B、E22B、E23BおよびE24Bとで構成されるベンゼン環、ピリジン環またはピリミジン環を表す。]
[7]前記式(2−B)で表される金属錯体が、式(2−B1)で表される金属錯体、式(2−B2)で表される金属錯体、式(2−B3)で表される金属錯体、式(2−B4)で表される金属錯体または式(2−B5)で表される金属錯体である、[6]に記載の発光素子。
Figure 0006596918
[式中、
、n、n、A−G−A、R11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23BおよびR24Bは、前記と同じ意味を表す。
31およびn32は、それぞれ独立に、1以上の整数を表し、n31+n32は2または3である。Mがルテニウム原子、ロジウム原子またはイリジウム原子の場合、n31+n32は3であり、Mがパラジウム原子または白金原子の場合、n31+n32は2である。
15B、R16B、R17BおよびR18Bは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R15B、R16B、R17BおよびR18Bが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R15BとR16B、R16BとR17B、および、R17BとR18Bは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
但し、R11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23BおよびR24Bからなる群から選ばれる少なくとも1つは、前記式(1−T)で表される基である。]
[8]前記架橋材料が、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する低分子化合物、または、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物である、[1]〜[7]のいずれかに記載の発光素子。
(架橋基A群)
Figure 0006596918
[式中、RXLは、メチレン基、酸素原子または硫黄原子を表し、nXLは、0〜5の整数を表す。RXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、nXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。*1は結合位置を表す。これらの架橋基は置換基を有していてもよい。]
[9]前記架橋材料が、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物である、[8]に記載の発光素子。
[10]前記架橋構成単位が、式(3)で表される構成単位または式(4)で表される構成単位である、[9]に記載の発光素子。
Figure 0006596918
[式中、
nAは0〜5の整数を表し、nは1または2を表す。
Arは、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’−で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Lが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Xは、前記架橋基A群から選ばれる架橋基を表す。Xが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006596918
[式中、
mAは0〜5の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、cは0または1を表す。mAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Arは、芳香族炭化水素基、複素環基、または、少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArおよびArは、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar、ArおよびArはそれぞれ、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と、直接または酸素原子もしくは硫黄原子を介して結合して、環を形成していてもよい。
は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’’−で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Kが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
X’は、前記架橋基A群から選ばれる架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。但し、少なくとも1つのX’は、前記架橋基A群から選ばれる架橋基である。]
[11]前記Ar1Tが、式(D−A)で表される基、式(D−B)で表される基または式(D−C)で表される基である、[1]〜[10]のいずれかに記載の発光素子。
Figure 0006596918
[式中、
DA1、mDA2およびmDA3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2およびArDA3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2およびArDA3が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006596918
[式中、
DA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるGDAは、同一でも異なっていてもよい。
ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006596918
[式中、
DA1は、0以上の整数を表す。
ArDA1は、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1が複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
DAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
[12]前記第1の有機層が、式(H−1)で表される化合物を更に含有する、[1]〜[11]のいずれかに記載の発光素子。
Figure 0006596918
[式中、
ArH1およびArH2は、それぞれ独立に、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
H1およびnH2は、それぞれ独立に、0または1を表す。nH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。複数存在するnH2は、同一でも異なっていてもよい。
H3は、0以上の整数を表す。
H1は、アリーレン基、2価の複素環基、または、−[C(RH11]nH11−で表される基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。nH11は、1以上10以下の整数を表す。RH11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRH11は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
H2は、−N(−LH21−RH21)−で表される基を表す。LH2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。LH21は、単結合、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RH21は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
[13]前記第1の有機層が、式(Y)で表される構成単位を含む高分子化合物を更に含有する、[1]〜[11]のいずれかに記載の発光素子。
Figure 0006596918
[式中、ArY1は、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
本発明によれば、輝度寿命に優れる発光素子を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<共通する用語の説明>
本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、i-Prはイソプロピル基、t-Buはtert-ブチル基を表す。
水素原子は、重水素原子であっても、軽水素原子であってもよい。
金属錯体を表す式中、中心金属との結合を表す実線は、共有結合または配位結合を意味する。
「高分子化合物」とは、分子量分布を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×103〜1×108である重合体を意味する。
高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよい。
高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、高分子化合物を発光素子の作製に用いた場合に発光特性または輝度寿命が低下する可能性があるので、好ましくは安定な基である。この末端基としては、好ましくは主鎖と共役結合している基であり、例えば、炭素−炭素結合を介してアリール基または1価の複素環基と結合している基が挙げられる。
「低分子化合物」とは、分子量分布を有さず、分子量が1×104以下の化合物を意味する。
「構成単位」とは、高分子化合物中に1個以上存在する単位を意味する。
「アルキル基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。直鎖のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。分岐のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、2-エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、3-プロピルヘプチル基、デシル基、3,7-ジメチルオクチル基、2-エチルオクチル基、2-ヘキシルデシル基、ドデシル基、および、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられ、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3-フェニルプロピル基、3-(4-メチルフェニル)プロピル基、3-(3,5-ジ-ヘキシルフェニル)プロピル基、6-エチルオキシヘキシル基が挙げられる。
「シクロアルキル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
シクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基が挙げられる。
「アリール基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。アリール基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜20であり、より好ましくは6〜10である。
アリール基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、1-ピレニル基、2-ピレニル基、4-ピレニル基、2-フルオレニル基、3-フルオレニル基、4-フルオレニル基、2-フェニルフェニル基、3-フェニルフェニル基、4-フェニルフェニル基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「アルコキシ基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。直鎖のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜40であり、好ましくは4〜10である。分岐のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7-ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、および、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「シクロアルコキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
シクロアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
「アリールオキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜48である。
アリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェノキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基、1-アントラセニルオキシ基、9-アントラセニルオキシ基、1-ピレニルオキシ基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「p価の複素環基」(pは、1以上の整数を表す。)とは、複素環式化合物から、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。p価の複素環基の中でも、芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団である「p価の芳香族複素環基」が好ましい。
「芳香族複素環式化合物」は、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール等の複素環自体が芳香族性を示す化合物、および、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香環が縮環されている化合物を意味する。
1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは4〜20である。
1価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジニル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基等で置換された基が挙げられる。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。
「アミノ基」は、置換基を有していてもよく、置換アミノ基が好ましい。アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基が好ましい。
置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基およびジアリールアミノ基が挙げられる。
アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4-メチルフェニル)アミノ基、ビス(4-tert-ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。
「アルケニル基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。直鎖のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜30であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルケニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルケニル基およびシクロアルケニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、7-オクテニル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アルキニル基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。アルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常2〜20であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルキニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルキニル基およびシクロアルキニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1-ヘキシニル基、5-ヘキシニル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アリーレン基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団を意味する。アリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
アリーレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基、クリセンジイル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられ、好ましくは、式(A-1)〜式(A-20)で表される基である。アリーレン基は、これらの基が複数結合した基を含む。
Figure 0006596918
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[式中、RおよびRaは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表す。複数存在するRおよびRaは、各々、同一でも異なっていてもよく、Ra同士は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。]
2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは、3〜20であり、より好ましくは、4〜15である。
2価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フラン、チオフェン、アゾール、ジアゾール、トリアゾールから、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられ、好ましくは、式(AA-1)〜式(AA-34)で表される基である。2価の複素環基は、これらの基が複数結合した基を含む。
Figure 0006596918
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[式中、RおよびRaは、前記と同じ意味を表す。]
「架橋基」とは、加熱、紫外線照射、近紫外線照射、可視光照射、赤外線照射、ラジカル反応等に供することにより、新たな結合を生成することが可能な基であり、好ましくは、架橋基A群の式(XL-1)〜(XL-17)で表される架橋基である。
(架橋基A群)
Figure 0006596918
[式中、RXLは、メチレン基、酸素原子または硫黄原子を表し、nXLは、0〜5の整数を表す。RXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、nXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。*1は結合位置を表す。これらの架橋基は置換基を有していてもよい。]
「置換基」とは、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基またはシクロアルキニル基を表す。置換基は架橋基であってもよい。
<発光素子>
次に、本発明の発光素子について説明する。
本発明の発光素子は、陽極と、陰極と、陽極および陰極の間に設けられた第1の有機層と、陽極および陰極の間に設けられた第2の有機層とを有する発光素子であって、第1の有機層が、金属錯体を含有する層であり、第2の有機層が、金属錯体と、架橋材料の架橋体とを含有する層であり、第1の有機層に含有される金属錯体および第2の有機層に含有される金属錯体の一方が、式(1)で表される金属錯体であり、他方が、式(2)で表される金属錯体である発光素子である。
第1の有機層および第2の有機層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、並びに、スピンコート法およびインクジェット印刷法に代表される塗布法が挙げられ、塗布法が好ましい。
第1の有機層を塗布法により形成する場合、後述する第1の有機層のインクを用いることが好ましい。
第2の有機層を塗布法により形成する場合、後述する第2の有機層のインクを用いることが好ましい。第2の有機層を形成後、加熱または光照射することで、第2の有機層に含有される架橋材料を架橋させることができる。架橋材料が架橋した状態(架橋材料の架橋体)で、第2の有機層に含有されている場合、第2の有機層は溶媒に対して実質的に不溶化されている。そのため、該第2の有機層は、発光素子の積層化に好適に使用することができる。
架橋させるための加熱の温度は、通常、25〜300℃であり、好ましくは50〜250℃であり、より好ましくは150〜200℃である。
架橋させるための光照射に用いられる光の種類は、例えば、紫外光、近紫外光、可視光である。
第1の有機層の形態(金属錯体が含有されているか)および第2の有機層の形態(金属錯体および架橋材料の架橋体が含有されているか)の分析方法としては、例えば、抽出等に代表される化学的分離分析法、赤外分光法(IR)、核磁気共鳴分光法(NMR)、質量分析法(MS)等に代表される機器分析法、並びに、化学的分離分析法および機器分析法を組み合わせた分析法が挙げられる。
第1の有機層または第2の有機層に対して、トルエン、キシレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等に代表される有機溶媒を用いた固液抽出を行うことで、有機溶媒に対して実質的に不溶な成分(不溶成分)と、有機溶媒に対して溶解する成分(溶解成分)とに分離することが可能である。得られた不溶成分は、赤外分光法(IR)または核磁気共鳴分光法(NMR)により分析することが可能であり、得られた溶解成分は、核磁気共鳴分光法(NMR)または質量分析法(MS)により分析することが可能である。
<第1の有機層>
第1の有機層は、金属錯体を含有する層である。
[金属錯体]
第1の有機層は、式(1)で表される金属錯体または式(2)で表される金属錯体を含有する。後述する第2の有機層は、式(1)で表される金属錯体または式(2)で表される金属錯体を含有する。そして、第1の有機層に含有される金属錯体および第2の有機層に含有される金属錯体の一方が、式(1)で表される金属錯体であり、他方が、式(2)で表される金属錯体である。
第1の有機層が式(1)で表される金属錯体を含有する場合、第2の有機層は式(2)で表される金属錯体を含有する。第1の有機層が式(2)で表される金属錯体を含有する場合、第2の有機層は式(1)で表される金属錯体を含有する。
また、第1の有機層が式(1)で表される金属錯体および式(2)で表される金属錯体の双方を含有する場合、第2の有機層は式(1)で表される金属錯体および式(2)で表される金属錯体の一方または双方を含有するが、式(1)で表される金属錯体および式(2)で表される金属錯体の一方を含有することが好ましい。
<式(1)で表される金属錯体>
まず、式(1)で表される金属錯体に説明する。
式(1)で表される金属錯体は、中心金属であるMと、添え字nでその数を規定されている配位子と、添え字nでその数を規定されている配位子とから構成される金属錯体である。
は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、イリジウム原子または白金原子であることが好ましく、イリジウム原子であることがより好ましい。
がルテニウム原子、ロジウム原子またはイリジウム原子の場合、nは2または3であることが好ましく、3であることがより好ましい。
がパラジウム原子または白金原子の場合、nは2であることが好ましい。
およびEは、炭素原子であることが好ましい。
環Rは、2つ以上4つ以下の窒素原子を構成原子として有する5員の芳香族複素環であることが好ましく、ジアゾール環またはトリアゾール環であることがより好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。但し、環Rおよび環Rからなる群から選ばれる少なくとも1つの環は、式(1−S)で表される基を有する。
環Rは、5員もしくは6員の芳香族炭化水素環、または、5員もしくは6員の芳香族複素環であることが好ましく、6員の芳香族炭化水素環または6員の芳香族複素環であることがより好ましく、6員の芳香族炭化水素環であることが更に好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。但し、環Rが6員の芳香族複素環である場合、Eは炭素原子である。また、環Rおよび環Rからなる群から選ばれる少なくとも1つの環は、式(1−S)で表される基を有する。
環Rとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、ピリジン環、ジアザベンゼン環およびトリアジン環が挙げられ、ベンゼン環、ピリジン環またはピリミジン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。但し、環Rおよび環Rからなる群から選ばれる少なくとも1つの環は、式(1−S)で表される基を有する。
「環Rおよび環Rからなる群から選ばれる少なくとも1つの環は、式(1−S)で表される基を有する」とは、複数存在する環のうち、少なくとも1つの環を構成する炭素原子または窒素原子に直接結合する水素原子の一部または全部が、式(1−S)で表される基で置換されていることを意味する。式(1)で表される金属錯体において、環Rおよび環Rが複数存在する場合(即ち、nが2または3である場合)、複数存在する環Rおよび環Rのうち、少なくとも1つの環が式(1−S)で表される基を有していればよいが、複数存在する環Rの全て、複数存在する環Rの全て、または、複数存在する環Rおよび環Rの全てが、式(1−S)で表される基を有することが好ましく、複数存在する環Rの全て、または、複数存在する環Rの全てが、式(1−S)で表される基を有することがより好ましい。
環Rおよび環Rが有していてもよい置換基(式(1−S)で表される基とは異なる)としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはアリールオキシ基が好ましく、アルキル基、シクロアルキル基またはアルコキシ基がより好ましく、アルキル基またはシクロアルキル基が更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
環Rが有していてもよい置換基(式(1−S)で表される基とは異なる)が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
環Rが有していてもよい置換基(式(1−S)で表される基とは異なる)が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
環Rが有していてもよい置換基(式(1−S)で表される基とは異なる)と、環Rが有していてもよい置換基(式(1−S)で表される基とは異なる)とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
[式(1−S)で表される基]
Ar1Sで表されるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェントレニル基、ジヒドロフェントレニル基、フルオレニル基またはピレニル基が好ましく、フェニル基、ナフチル基またはフルオレニル基がより好ましく、フェニル基が更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar1Sで表される1価の複素環基としては、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、フェノキサジニル基またはフェノチアジニル基が好ましく、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、カルバゾリル基、アザカルバゾリル基またはジアザカルバゾリル基がより好ましく、ピリジル基、ピリミジニル基またはトリアジニル基が更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar1Sで表される置換アミノ基において、アミノ基が有する置換基としては、アリール基または1価の複素環基が好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
アミノ基が有する置換基におけるアリール基の例および好ましい範囲は、Ar1Sで表されるアリール基の例および好ましい範囲と同じである。アミノ基が有する置換基における1価の複素環基の例および好ましい範囲は、Ar1Sで表される1価の複素環基の例および好ましい範囲と同じである。
Ar1Sで表されるアリール基、1価の複素環基および置換アミノ基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基または置換アミノ基が好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基がより好ましく、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基が更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
Ar1Sは、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、式(D-A)、(D-B)または(D-C)で表される基であり、より好ましくは、式(D-A)または(D-C)で表される基である。
式(D-A)、(D-B)および(D-C)で表される基において、mDA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、通常10以下の整数であり、好ましくは5以下の整数であり、より好ましくは2以下の整数であり、更に好ましくは0または1である。mDA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、同一の整数であることが好ましい。
式(D-A)、(D-B)および(D-C)で表される基において、GDAは、好ましくは式(GDA-11)〜(GDA-15)で表される基であり、より好ましくは式(GDA-11)〜(GDA-14)で表される基であり、更に好ましくは式(GDA-11)で表される基である。
Figure 0006596918
[式中、
*は、式(D-A)におけるArDA1、式(D-B)におけるArDA1、式(D-B)におけるArDA2、または、式(D-B)におけるArDA3との結合を表す。
**は、式(D-A)におけるArDA2、式(D-B)におけるArDA2、式(D-B)におけるArDA4、または、式(D-B)におけるArDA6との結合を表す。
***は、式(D-A)におけるArDA3、式(D-B)におけるArDA3、式(D-B)におけるArDA5、または、式(D-B)におけるArDA7との結合を表す。
DAは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。RDAが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
DAは、好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基またはシクロアルコキシ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(D-A)、(D-B)および(D-C)で表される基において、ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7は、好ましくは、フェニレン基、フルオレンジイル基またはカルバゾールジイル基であり、より好ましくは式(A−1)〜(A−3)、(A−8)、(A−9)、(AA−10)、(AA−11)、(AA−33)または(AA−34)で表される基であり、更に好ましくは式(ArDA-1)〜(ArDA-5)で表される基であり、特に好ましくは式(ArDA-1)〜式(ArDA-3)で表される基であり、とりわけ好ましくは式(ArDA-1)で表される基である。
Figure 0006596918
[式中、
DAは、前記と同じ意味を表す。
DBは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RDBが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
DBは、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基または1価の複素環基であり、更に好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(D-A)、(D-B)および(D-C)で表される基において、TDAは、好ましくは式(TDA-1)〜(TDA-3)で表される基であり、より好ましくは式(TDA-1)で表される基である。
Figure 0006596918
[式中、RDAおよびRDBは、前記と同じ意味を表す。]
式(D-A)で表される基は、好ましくは式(D-A1)〜(D-A4)で表される基であり、より好ましくは式(D-A1)または(D-A4)で表される基であり、更に好ましくは式(D-A1)で表される基である。
Figure 0006596918
[式中、
p1、Rp2、Rp3およびRp4は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Rp1、Rp2およびRp4が複数ある場合、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
np1は、0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0または1を表し、np4は0〜4の整数を表す。複数あるnp1は、同一でも異なっていてもよい。]
式(D-B)で表される基は、好ましくは式(D-B1)〜(D-B3)で表される基であり、より好ましくは式(D-B1)で表される基である。
Figure 0006596918
[式中、
p1、Rp2およびRp3は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Rp1およびRp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
np1は0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0または1を表す。np1およびnp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
式(D-C)で表される基は、好ましくは式(D-C1)〜(D-C4)で表される基であり、より好ましくは式(D-C1)〜(D-C3)で表される基であり、更に好ましくは式(D-C1)または(D-C2)で表される基である。
Figure 0006596918
[式中、
p4、Rp5およびRp6は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Rp4、Rp5およびRp6が複数ある場合、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
np4は、0〜4の整数を表し、np5は0〜5の整数を表し、np6は0〜5の整数を表す。]
np1は、好ましくは0または1であり、より好ましくは1である。np2は、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。np3は好ましくは0である。np4は、好ましくは0〜2の整数である。np5は、好ましくは1〜3の整数である。np6は、好ましくは0〜2の整数である。
p1、Rp2、Rp3、Rp4、Rp5およびRp6は、好ましくはアルキル基またはシクロアルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、tert−オクチル基またはシクロへキシルオキシ基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基またはtert−オクチル基である。
Ar1Sは、本発明の発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは置換基を有していてもよいアリール基であり、より好ましくは、式(D-A1)、(D-A4)、(D-B1)または(D-C1)〜(D-C4)で表される基であり、更に好ましくは、式(D-A1)、(D-A4)または(D-C1)〜(D-C3)で表される基であり、特に好ましくは、式(D-A1)、(D-C1)または(D-C2)で表される基である。
式(1−S)で表される基としては、例えば、式(1−S−1)〜(1−S−28)で表される基が挙げられ、式(1−S−1)〜(1−S−21)または(1−S−28)で表される基が好ましく、式(1−S−1)〜(1−S−14)または(1−S−18)〜(1−S−21)で表される基がより好ましい。
Figure 0006596918
Figure 0006596918
Figure 0006596918
Figure 0006596918
は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基またはシクロへキシルオキシ基を表し、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基またはtert−オクチル基であることが好ましい。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよいが、合成が容易であるため、同一であることが好ましい。
[アニオン性の2座配位子]
−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子および後述のA−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子としては、例えば、下記で表される配位子が挙げられる。
Figure 0006596918
Figure 0006596918
[式中、*は、Mまたは後述のMと結合する部位を示す。]
−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子および後述のA−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子は、下記で表される配位子であってもよい。
Figure 0006596918
[式中、
*は、Mまたは後述のMと結合する部位を表す。
L1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRL1は、同一でも異なっていてもよい。
L2は、アルキル基、シクロアルキル基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
式(1)で表される金属錯体は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、式(1−A)で表される金属錯体であることが好ましい。
環R1Aがジアゾール環である場合、E11Aが窒素原子であるイミダゾール環、または、E12Aが窒素原子であるイミダゾール環が好ましく、E11Aが窒素原子であるイミダゾール環がより好ましい。
環R1Aがトリアゾール環である場合、E11AおよびE12Aが窒素原子であるトリアゾール環、または、E11AおよびE13Aが窒素原子であるトリアゾール環が好ましく、E11AおよびE12Aが窒素原子であるトリアゾール環がより好ましい。
11Aが窒素原子であり、かつ、R11Aが存在する場合、R11Aはアルキル基、シクロアルキル基または式(1−S)で表される基であることが好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
11Aが炭素原子である場合、R11Aは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
12Aが窒素原子であり、かつ、R12Aが存在する場合、R12Aはアルキル基、シクロアルキル基または式(1−S)で表される基であることが好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
12Aが炭素原子である場合、R12Aは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
13Aが窒素原子であり、かつ、R13Aが存在する場合、R13Aはアルキル基、シクロアルキル基または式(1−S)で表される基であることが好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
13Aが炭素原子である場合、R13Aは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
環R1Aが式(1−S)で表される基を有する場合、R11AまたはR12Aが式(1−S)で表される基であることが好ましく、R11Aが式(1−S)で表される基であることがより好ましい。
環R2Aがピリジン環である場合、E21Aが窒素原子であるピリジン環、E22Aが窒素原子であるピリジン環、または、E23Aが窒素原子であるピリジン環が好ましく、E22Aが窒素原子であるであるピリジン環がより好ましい。
環R2Aがピリミジン環である場合、E21AおよびE23Aが窒素原子であるピリミジン環、または、E22AおよびE24Aが窒素原子であるピリミジン環が好ましく、E22AおよびE24Aが窒素原子であるピリミジン環がより好ましい。
環R2Aは、ベンゼン環であることが好ましい。
21A、R22A、R23AおよびR24Aは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロゲン原子または式(1−S)で表される基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基または式(1−S)で表される基であることがより好ましく、水素原子または式(1−S)で表される基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
環R2Aが式(1−S)で表される基を有する場合、R22AまたはR23Aが式(1−S)で表される基であることが好ましく、R22Aが式(1−S)で表される基であることがより好ましい。
式(1−A)で表される金属錯体は、本発明の発光素子の輝度寿命が更に優れるので、式(1−A1)で表される金属錯体、式(1−A2)で表される金属錯体、式(1−A3)で表される金属錯体または式(1−A4)で表される金属錯体であることが好ましく、式(1−A1)で表される金属錯体または式(1−A3)で表される金属錯体であることがより好ましい。
式(1−A1)で表される金属錯体としては、例えば、式(1−A1−1)〜(1−A1−10)で表される金属錯体が挙げられ、好ましくは式(1−A1−1)〜(1−A1−8)で表される金属錯体である。
Figure 0006596918
式(1−A2)で表される金属錯体としては、例えば、式(1−A2−1)〜(1−A2−8)で表される金属錯体が挙げられ、好ましくは式(1−A2−1)〜(1−A2−6)で表される金属錯体である。
Figure 0006596918
式(1−A3)で表される金属錯体としては、例えば、式(1−A3−1)〜(1−A3−11)で表される金属錯体が挙げられ、好ましくは式(1−A3−1)〜(1−A3−9)で表される金属錯体である。
Figure 0006596918
式(1−A4)で表される金属錯体としては、例えば、式(1−A4−1)〜(1−A4−8)で表される金属錯体が挙げられ、好ましくは式(1−A4−1)〜(1−A4−6)で表される金属錯体である。
Figure 0006596918
式(1)で表される金属錯体としては、例えば、式(1−A1−1)〜(1−A1−10)、式(1−A2−1)〜(1−A2−8)、式(1−A3−1)〜(1−A3−11)、式(1−A4−1)〜(1−A4−8)および式(1−A−1)〜(1−A−5)で表される金属錯体が挙げられ、好ましくは式(1−A1−1)〜(1−A1−8)、式(1−A2−1)〜(1−A2−6)、式(1−A3−1)〜(1−A3−9)、式(1−A4−1)〜(1−A4−6)または式(1−A−3)〜(1−A−5)で表される金属錯体であり、より好ましくは式(1−A1−1)〜(1−A1−8)または式(1−A3−1)〜(1−A3−9)で表される金属錯体である。
Figure 0006596918
Figure 0006596918
<式(2)で表される金属錯体>
次に、式(2)で表される金属錯体に説明する。
式(2)で表される金属錯体は、中心金属であるMと、添え字nでその数を規定されている配位子と、添え字nでその数を規定されている配位子とから構成される金属錯体である。
は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、イリジウム原子または白金原子であることが好ましく、イリジウム原子であることがより好ましい。
がルテニウム原子、ロジウム原子またはイリジウム原子の場合、nは2または3であることが好ましく、3であることがより好ましい。
がパラジウム原子または白金原子の場合、nは2であることが好ましい。
は、炭素原子であることが好ましい。
環Lは、1つ以上4つ以下の窒素原子を構成原子として有する6員の芳香族複素環であることが好ましく、1つ以上2つ以下の窒素原子を構成原子として有する6員の芳香族複素環であることがより好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。但し、環Lおよび環Lからなる群から選ばれる少なくとも1つの環は、式(1−T)で表される基を有する。
環Lとしては、例えば、ピリジン環、ジアザベンゼン環、キノリン環およびイソキノリン環が挙げられ、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環またはイソキノリン環が好ましく、ピリジン環、キノリン環またはイソキノリン環がより好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。但し、環Lおよび環Lからなる群から選ばれる少なくとも1つの環は、式(1−T)で表される基を有する。
環Lは、5員もしくは6員の芳香族炭化水素環、または、5員もしくは6員の芳香族複素環であることが好ましく、6員の芳香族炭化水素環または6員の芳香族複素環であることがより好ましく、6員の芳香族炭化水素環であることが更に好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。但し、環Lが6員の芳香族複素環である場合、Eは炭素原子である。また、環Lおよび環Lからなる群から選ばれる少なくとも1つの環は、式(1−T)で表される基を有する。
環Lとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、ピロール環、フラン環およびチオフェン環が挙げられ、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、ピリジン環またはピリミジン環であることが好ましく、ベンゼン環、ピリジン環またはピリミジン環であることがより好ましく、ベンゼン環であることが更に好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。但し、環Lおよび環Lからなる群から選ばれる少なくとも1つの環は、式(1−T)で表される基を有する。
「環Lおよび環Lからなる群から選ばれる少なくとも1つの環は、式(1−T)で表される基を有する」とは、複数存在する環のうち、少なくとも1つの環を構成する炭素原子または窒素原子に直接結合する水素原子の一部または全部が、式(1−T)で表される基で置換されていることを意味する。式(2)で表される金属錯体において、環Lおよび環Lが複数存在する場合(即ち、nが2または3である場合)、複数存在する環Lおよび環Lのうち、それらの少なくとも1つの環が式(1−T)で表される基を有していればよいが、複数存在する環Lの全て、複数存在する環Lの全て、または、複数存在する環Lおよび環Lの全てが、式(1−T)で表される基を有することが好ましく、複数存在する環Lの全て、または、複数存在する環Lの全てが、式(1−T)で表される基を有することがより好ましく、複数存在する環Lの全てが、式(1−T)で表される基を有することが更に好ましい。
環Lは、式(1−T)で表される基を有することが好ましい。
環Lおよび環Lが有していてもよい置換基(式(1−T)で表される基とは異なる)としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはアリールオキシ基が好ましく、アルキル基、シクロアルキル基またはアルコキシ基がより好ましく、アルキル基またはシクロアルキル基が更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
環Lが有していてもよい置換基(式(1−T)で表される基とは異なる)が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
環Lが有していてもよい置換基(式(1−T)で表される基とは異なる)が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
環Lが有していてもよい置換基(式(1−T)で表される基とは異なる)と、環Lが有していてもよい置換基(式(1−T)で表される基とは異なる)とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
[式(1−T)で表される基]
Ar1Tで表されるアリール基の例および好ましい範囲は、Ar1Sで表されるアリール基の例および好ましい範囲と同じである。
Ar1Tで表される1価の複素環基の例および好ましい範囲は、Ar1Sで表される1価の複素環基の例および好ましい範囲と同じである。
Ar1Tで表される置換アミノ基の例および好ましい範囲は、Ar1Sで表される置換アミノ基の例および好ましい範囲と同じである。
Ar1Tで表されるアリール基、1価の複素環基および置換アミノ基が有していてもよい置換基の例および好ましい範囲は、Ar1Sで表されるアリール基、1価の複素環基および置換アミノ基が有していてもよい置換基の例および好ましい範囲と同じである。
Ar1Tは、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、式(D-A)、(D-B)または(D-C)で表される基であり、より好ましくは、式(D-A)で表される基である。
Ar1Tは、本発明の発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい1価の複素環基であり、より好ましくは、式(D-A1)、(D-A3)、(D-B1)、(D-B3)または(D-C1)〜(D-C3)で表される基であり、更に好ましくは、式(D-A1)、(D-A3)、(D-B1)または(D-C1)で表される基であり、特に好ましくは式(D-A1)または(D-A3)で表される基であり、とりわけ好ましくは式(D-A1)で表される基である。
式(1−T)で表される基としては、例えば、式(1−T−1)〜(1−T−29)で表される基が挙げられる。
Figure 0006596918
Figure 0006596918
Figure 0006596918
Figure 0006596918
は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基またはシクロへキシルオキシ基を表し、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基またはtert−オクチル基であることが好ましい。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよいが、合成が容易であるため、同一であることが好ましい。
式(2)で表される金属錯体は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、式(2−B)で表される金属錯体であることが好ましい。
環L1Bがピリミジン環である場合、E11Bが窒素原子であるピリミジン環が好ましい。
11B、R12B、R13BおよびR14Bは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基または式(1−T)で表される基であることが好ましく、水素原子または式(1−T)で表される基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
環L1Bが式(1−T)で表される基を有する場合、R11B、R12BまたはR13Bが式(1−T)で表される基であることが好ましく、R12BまたはR13Bが式(1−T)で表される基であることがより好ましく、R13Bが式(1−T)で表される基であることが更に好ましい。
環L2Bがピリジン環である場合、E21Bが窒素原子であるピリジン環、E22Bが窒素原子であるピリジン環、または、E23Bが窒素原子であるピリジン環が好ましく、E22Bが窒素原子であるであるピリジン環がより好ましい。
環L2Bがピリミジン環である場合、E21BおよびE23Bが窒素原子であるピリミジン環、または、E22BおよびE24Bが窒素原子であるピリミジン環が好ましく、E22BおよびE24Bが窒素原子であるピリミジン環がより好ましい。
環L2Bは、ベンゼン環であることが好ましい。
21B、R22B、R23BおよびR24Bは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基または式(1−T)で表される基であることが好ましく、水素原子または式(1−T)で表される基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
環L2Bが式(1−T)で表される基を有する場合、R22BまたはR23Bが式(1−T)で表される基であることが好ましく、R22Bが式(1−T)で表される基であることがより好ましい。
式(2−B)で表される金属錯体は、式(2−B1)で表される金属錯体、式(2−B2)で表される金属錯体、式(2−B3)で表される金属錯体、式(2−B4)で表される金属錯体または式(2−B5)で表される金属錯体であることが好ましく、式(2−B1)で表される金属錯体、式(2−B2)で表される金属錯体または式(2−B3)で表される金属錯体であることがより好ましく、式(2−B1)で表される金属錯体、式(2−B2)で表される金属錯体であることが更に好ましい。
15B、R16B、R17BおよびR18Bは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子またはアルキル基であることが更に好ましく、水素原子であることが特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(2−B1)で表される金属錯体としては、例えば、式(2−B1−1)〜(2−B1−16)で表される金属錯体が挙げられ、好ましくは式(2−B1−1)〜(2−B1−15)で表される金属錯体であり、より好ましくは式(2−B1−1)〜(2−B1−10)で表される金属錯体であり、更に好ましくは式(2−B1−1)〜(2−B1−7)で表される金属錯体である
Figure 0006596918
式(2−B2)で表される金属錯体としては、例えば、式(2−B2−1)〜(2−B2−11)で表される金属錯体が挙げられ、好ましくは式(2−B2−1)〜(2−B2−10)で表される金属錯体であり、より好ましくは式(2−B2−1)〜(2−B2−5)で表される金属錯体である。
Figure 0006596918
式(2−B3)で表される金属錯体としては、例えば、式(2−B3−1)〜(2−B3−6)で表される金属錯体が挙げられる。
Figure 0006596918
Figure 0006596918
Figure 0006596918
式(2−B4)で表される金属錯体としては、例えば、式(2−B4−1)〜(2−B4−8)で表される金属錯体が挙げられる。
Figure 0006596918
式(2−B5)で表される金属錯体としては、例えば、式(2−B5−1)〜(2−B5−7)で表される金属錯体が挙げられる。
Figure 0006596918
式(2)で表される金属錯体としては、例えば、式(2−B1−1)〜(2−B1−16)、式(2−B2−1)〜(2−B2−11)、式(2−B3−1)〜(2−B3−6)、式(2−B4−1)〜(2−B4−8)、式(2−B5−1)〜(2−B5−7)および式(2−B−1)〜(2−B−3)で表される金属錯体が挙げられ、好ましくは、式(2−B1−1)〜(2−B1−16)、式(2−B2−1)〜(2−B2−11)または式(2−B3−1)〜(2−B3−6)で表される金属錯体であり、より好ましくは式(2−B1−1)〜(2−B1−15)または式(2−B2−1)〜(2−B2−10)で表される金属錯体であり、更に好ましくは、式(2−B1−1)〜(2−B1−10)または式(2−B2−1)〜(2−B2−5)で表される金属錯体である。
Figure 0006596918
上述のとおり、第1の有機層に含有される金属錯体は、式(1)で表される金属錯体または式(2)で表される金属錯体であるが、第1の有機層は、式(1)で表される金属錯体または式(2)で表される金属錯体と、他の金属錯体とを含有する層であってもよい。他の金属錯体としては、例えば、下記式で表される金属錯体が挙げられる。
Figure 0006596918
Figure 0006596918
第1の有機層に含有される金属錯体は、Aldrich、Luminescence Technology Corp.、American Dye Source等から入手可能である。
また、上記以外の入手方法として、例えば、「Journal of American Chemical Society,Vol.107,1431−1432(1985)」、「Journal of American Chemical Society,Vol.106,6647−6653(1984)」、特表2004−530254号公報、特開2008−179617号公報、特開2011−105701号公報、特表2007−504272号公報、国際公開第2006/121811号、特開2013−147450号公報に記載されている方法に従って合成することができる。
[ホスト材料]
本発明の発光素子の輝度寿命が優れるため、第1の有機層は、金属錯体と、正孔注入性、正孔輸送性、電子注入性および電子輸送性からなる群から選ばれる少なくとも1つの機能を有するホスト材料とを含有する層であることが好ましい。第1の有機層が、金属錯体とホスト材料とを含有する層である場合、ホスト材料は、1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。
第1の有機層が、金属錯体とホスト材料とを含有する層である場合、金属錯体の含有量は、金属錯体とホスト材料との合計を100重量部とした場合、通常、0.1〜50重量部であり、好ましくは1〜48重量部であり、より好ましくは5〜45重量部である。
第1の有機層が、金属錯体とホスト材料とを含有する層である場合、ホスト材料の有する最低励起三重項状態(T1)は、本発明の発光素子の輝度寿命が優れるので、金属錯体の有するT1と同等のエネルギー準位、または、より高いエネルギー準位であることが好ましい。
ホスト材料としては、本発明の発光素子を溶液塗布プロセスで作製できるので、第1の有機層に含有される金属錯体を溶解することが可能な溶媒に対して溶解性を示すものであることが好ましい。
ホスト材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。
[低分子ホスト]
ホスト材料として好ましい低分子化合物(以下、「低分子ホスト」と言う。)に関して説明する。
低分子ホストは、好ましくは、式(H−1)で表される化合物である。
ArH1およびArH2は、フェニル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ピロリル基、インドリル基、アザインドリル基、カルバゾリル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、フェノキサジニル基またはフェノチアジニル基であることが好ましく、フェニル基、スピロビフルオレニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフリル基、カルバゾリル基またはアザカルバゾリル基であることがより好ましく、フェニル基、ピリジル基、カルバゾリル基またはアザカルバゾリル基であることが更に好ましく、上記式(TDA−1)または(TDA−3)で表される基であることが特に好ましく、上記式(TDA−3)で表される基であることがとりわけ好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArH1およびArH2が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基が好ましく、アルキル基、シクロアルコキシ基、アルコキシ基またはシクロアルコキシ基がより好ましく、アルキル基またはシクロアルコキシ基が更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
H1は、好ましくは1である。nH2は、好ましくは0である。
H3は、通常、0以上10以下の整数であり、好ましくは0以上5以下の整数であり、更に好ましくは1以上3以下の整数であり、特に好ましくは1である。
H11は、好ましくは1以上5以下の整数であり、より好ましく1以上3以下の整数であり、更に好ましく1である。
H11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であることがより好ましく、水素原子またはアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
H1は、アリーレン基または2価の複素環基であることが好ましい。
H1は、式(A−1)〜(A−3)、式(A−8)〜(A−10)、式(AA−1)〜(AA−6)、式(AA−10)〜(AA−21)または式(AA−24)〜(AA−34)で表される基であることが好ましく、式(A−1)、式(A−2)、式(A−8)、式(A−9)、式(AA−1)〜(AA−4)、式(AA−10)〜(AA−15)または式(AA−29)〜(AA−34)で表される基であることがより好ましく、式(A−1)、式(A−2)、式(A−8)、式(A−9)、式(AA−2)、式(AA−4)、式(AA−10)〜(AA−15)で表される基であることが更に好ましく、式(A−1)、式(A−2)、式(A−8)、式(AA−2)、式(AA−4)、式(AA−10)、式(AA−12)または式(AA−14)で表される基であることが特に好ましく、式(A−1)、式(A−2)、式(AA−2)、式(AA−4)または式(AA−14)で表される基であることがとりわけ好ましい。
H1が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基がより好ましく、アルキル基、アリール基または1価の複素環基が更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
H21は、単結合またはアリーレン基であることが好ましく、単結合であることがより好ましく、このアリーレン基は置換基を有していてもよい。
H21で表されるアリーレン基または2価の複素環基の定義および例は、LH1で表されるアリーレン基または2価の複素環基の定義および例と同様である。
H21は、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
H21で表されるアリール基および1価の複素環基の定義および例は、ArH1およびArH2で表されるアリール基および1価の複素環基の定義および例と同様である。
H21が有していてもよい置換基の定義および例は、ArH1およびArH2が有していてもよい置換基の定義および例と同様である。
式(H−1)で表される化合物は、式(H−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006596918
[式中、ArH1、ArH2、nH3およびLH1は、前記と同じ意味を表す。]
式(H−1)で表される化合物としては、下記式(H−101)〜(H−118)で表される化合物が例示される。
Figure 0006596918
Figure 0006596918
Figure 0006596918
Figure 0006596918
ホスト材料に用いられる高分子化合物としては、例えば、後述の正孔輸送材料である高分子化合物、後述の電子輸送材料である高分子化合物が挙げられる。
[高分子ホスト]
ホスト化合物として好ましい高分子化合物(以下、「高分子ホスト」と言う。)に関して説明する。
高分子ホストは、好ましくは、式(Y)で表される構成単位を含む高分子化合物である。
ArY1で表されるアリーレン基は、より好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-6)-(A-10)、式(A-19)または式(A-20)で表される基であり、更に好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-7)、式(A-9)または式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される2価の複素環基は、より好ましくは、式(AA-1)-(AA-4)、式(AA-10)-(AA-15)、式(AA-18)-(AA-21)、式(AA-33)または式(AA-34)で表される基であり、更に好ましくは、式(AA-4)、式(AA-10)、式(AA-12)、式(AA-14)または式(AA-33)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、前述のArY1で表されるアリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同様である。
「少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基」としては、例えば、下記式で表される基が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。
Figure 0006596918
[式中、RXXは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
XXは、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される基が有してもよい置換基は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-1)-(Y-10)で表される構成単位が挙げられ、本発明の発光素子の輝度寿命の観点からは、好ましくは式(Y-1)-(Y-3)で表される構成単位であり、本発明の発光素子の電子輸送性の観点からは、好ましくは式(Y-4)-(Y-7)で表される構成単位であり、本発明の発光素子の正孔輸送性の観点からは、好ましくは式(Y-8)-(Y-10)で表される構成単位である。
Figure 0006596918
[式中、RY1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRY1同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
Y1は、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y-1)で表される構成単位は、好ましくは、式(Y-1')で表される構成単位である。
Figure 0006596918
[式中、RY11は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY11は、同一でも異なっていてもよい。]
Y11は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、より好ましくは、アルキル基またはシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006596918
[式中、RY1は前記と同じ意味を表す。XY1は、−C(RY2)2−、−C(RY2)=C(RY2)−または−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基を表す。RY2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY2は、同一でも異なっていてもよく、RY2同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
Y2は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2)2−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは両方がアルキル基もしくはシクロアルキル基、両方がアリール基、両方が1価の複素環基、または、一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基で他方がアリール基若しくは1価の複素環基であり、より好ましくは一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2)2−で表される基としては、好ましくは式(Y-A1)-(Y-A5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-A4)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006596918
Y1において、−C(RY2)=C(RY2)−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは両方がアルキル基もしくはシクロアルキル基、または、一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基中の4個のRY2は、好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基またはシクロアルキル基である。複数あるRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基は、好ましくは式(Y-B1)-(Y-B5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-B3)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006596918
[式中、RY2は前記と同じ意味を表す。]
式(Y-2)で表される構成単位は、式(Y-2')で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006596918
[式中、RY1およびXY1は前記と同じ意味を表す。]
Figure 0006596918
[式中、RY1およびXY1は前記と同じ意味を表す。]
式(Y-3)で表される構成単位は、式(Y-3')で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006596918
[式中、RY11およびXY1は前記と同じ意味を表す。]
Figure 0006596918
Figure 0006596918
[式中、RY1は前記と同じ意味を表す。RY3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Y3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y-4)で表される構成単位は、式(Y-4')で表される構成単位であることが好ましく、式(Y-6)で表される構成単位は、式(Y-6')で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006596918
[式中、RY1およびRY3は前記と同じ意味を表す。]
Figure 0006596918
[式中、RY1は前記を同じ意味を表す。RY4は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Y4は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-101)-(Y-121)で表されるアリーレン基からなる構成単位、式(Y-201)-(Y-206)で表される2価の複素環基からなる構成単位、式(Y-301)-(Y-304)で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基からなる構成単位が挙げられる。
Figure 0006596918
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式(Y)で表される構成単位であって、ArY1がアリーレン基である構成単位は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、高分子ホストに含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜90モル%であり、より好ましくは30〜80モル%である。
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1が2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基である構成単位は、本発明の発光素子の電荷輸送性が優れるので、高分子ホストに含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜40モル%であり、より好ましくは3〜30モル%である。
式(Y)で表される構成単位は、高分子ホスト中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
高分子ホストは、正孔輸送性が優れるので、更に、下記式(X)で表される構成単位を含むことが好ましい。
Figure 0006596918
[式中、
X1およびaX2は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
ArX1およびArX3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2およびArX4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArX2およびArX4が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
X1、RX2およびRX3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RX2およびRX3が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
X1は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは2以下であり、より好ましくは1である。
X2は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは2以下であり、より好ましくは0である。
X1、RX2およびRX3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1およびArX3で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A-1)または式(A-9)で表される基であり、更に好ましくは式(A-1)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1およびArX3で表される2価の複素環基は、より好ましくは式(AA-1)、式(AA-2)または式(AA-7)-(AA-26)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1およびArX3は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX2およびArX4で表されるアリーレン基としては、より好ましくは式(A-1)、式(A-6)、式(A-7)、式(A-9)-(A-11)または式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2およびArX4で表される2価の複素環基のより好ましい範囲は、ArX1およびArX3で表される2価の複素環基のより好ましい範囲と同じである。
ArX2およびArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、ArX1およびArX3で表されるアリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同様である。
ArX2およびArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基としては、式(Y)のArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基と同様のものが挙げられる。
ArX2およびArX4は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX1〜ArX4およびRX1〜RX3で表される基が有してもよい置換基としては、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(X)で表される構成単位は、好ましくは式(X-1)-(X-7)で表される構成単位であり、より好ましくは式(X-1)-(X-6)で表される構成単位であり、更に好ましくは式(X-3)-(X-6)で表される構成単位である。
Figure 0006596918
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[式中、RX4およびRX5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基またはシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRX4は、同一でも異なっていてもよい。複数存在するRX5は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRX5同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
式(X)で表される構成単位は、正孔輸送性が優れるので、高分子ホストに含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.1〜50モル%であり、より好ましくは1〜40モル%であり、更に好ましくは5〜30モル%である。
式(X)で表される構成単位としては、例えば、式(X1-1)-(X1-11)で表される構成単位が挙げられ、好ましくは式(X1-3)-(X1-10)で表される構成単位である。
Figure 0006596918
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高分子ホストにおいて、式(X)で表される構成単位は、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。
高分子ホストとしては、例えば、表1の高分子化合物(P-1)〜(P-6)が挙げられる。
Figure 0006596918

[表中、p、q、r、sおよびtは、各構成単位のモル比率を示す。p+q+r+s+t=100であり、かつ、100≧p+q+r+s≧70である。その他の構成単位とは、式(Y)で表される構成単位、式(X)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。]
高分子ホストは、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、複数種の原料モノマーを共重合してなる共重合体であることが好ましい。
[高分子ホストの製造方法]
高分子ホストは、ケミカルレビュー(Chem. Rev.),第109巻,897-1091頁(2009年)等に記載の公知の重合方法を用いて製造することができ、Suzuki反応、Yamamoto反応、Buchwald反応、Stille反応、Negishi反応およびKumada反応等の遷移金属触媒を用いるカップリング反応により重合させる方法が例示される。
前記重合方法において、単量体を仕込む方法としては、単量体全量を反応系に一括して仕込む方法、単量体の一部を仕込んで反応させた後、残りの単量体を一括、連続または分割して仕込む方法、単量体を連続または分割して仕込む方法等が挙げられる。
遷移金属触媒としては、パラジウム触媒、ニッケル触媒等が挙げられる。
重合反応の後処理は、公知の方法、例えば、分液により水溶性不純物を除去する方法、メタノール等の低級アルコールに重合反応後の反応液を加えて、析出させた沈殿を濾過した後、乾燥させる方法等を単独または組み合わせて行う。高分子ホストの純度が低い場合、例えば、再結晶、再沈殿、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィー等の通常の方法にて精製することができる。
[第1の有機層の組成物]
第1の有機層は、金属錯体と、前述のホスト材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料(金属錯体とは異なる。)および酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料とを含む組成物(以下、「第1の有機層の組成物」ともいう。)を含有する層であってもよい。
[正孔輸送材料]
正孔輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類され、好ましくは高分子化合物である。正孔輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
高分子化合物としては、例えば、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体;側鎖または主鎖に芳香族アミン構造を有するポリアリーレンおよびその誘導体が挙げられる。高分子化合物は、電子受容性部位が結合された化合物でもよい。電子受容性部位としては、例えば、フラーレン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン、トリニトロフルオレノン等が挙げられ、好ましくはフラーレンである。
第1の有機層の組成物において、正孔輸送材料の配合量は、金属錯体を100重量部とした場合、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
正孔輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[電子輸送材料]
電子輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。電子輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、8-ヒドロキシキノリンを配位子とする金属錯体、オキサジアゾール、アントラキノジメタン、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、テトラシアノアントラキノジメタン、フルオレノン、ジフェニルジシアノエチレンおよびジフェノキノン、並びに、これらの誘導体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフルオレン、および、これらの誘導体が挙げられる。高分子化合物は、金属でドープされていてもよい。
第1の有機層の組成物において、電子輸送材料の配合量は、金属錯体を100重量部とした場合、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
電子輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[正孔注入材料および電子注入材料]
正孔注入材料および電子注入材料は、各々、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。正孔注入材料および電子注入材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン;カーボン;モリブデン、タングステン等の金属酸化物;フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム等の金属フッ化物が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリキノリンおよびポリキノキサリン、並びに、これらの誘導体;芳香族アミン構造を主鎖または側鎖に含む重合体等の導電性高分子が挙げられる。
第1の有機層の組成物において、正孔注入材料および電子注入材料の配合量は、各々、金属錯体を100重量部とした場合、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
電子注入材料および正孔注入材料は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[イオンドープ]
正孔注入材料または電子注入材料が導電性高分子を含む場合、導電性高分子の電気伝導度は、好ましくは、1×10-5S/cm〜1×103S/cmである。導電性高分子の電気伝導度をかかる範囲とするために、導電性高分子に適量のイオンをドープすることができる。
ドープするイオンの種類は、正孔注入材料であればアニオン、電子注入材料であればカチオンである。アニオンとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンが挙げられる。カチオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンが挙げられる。
ドープするイオンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[発光材料]
発光材料(金属錯体とは異なる。)は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。発光材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、ナフタレンおよびその誘導体、アントラセンおよびその誘導体、並びに、ペリレンおよびその誘導体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、式(X)で表される基、カルバゾールジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ピレンジイル基等を含む高分子化合物が挙げられる。
第1の有機層の組成物において、発光材料の配合量は、金属錯体を100重量部とした場合、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
発光材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[酸化防止剤]
酸化防止剤は、金属錯体と同じ溶媒に可溶であり、発光および電荷輸送を阻害しない化合物であればよく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
第1の有機層の組成物において、酸化防止剤の配合量は、金属錯体を100重量部とした場合、通常、0.001〜10重量部である。
酸化防止剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[第1の有機層のインク]
金属錯体と、溶媒とを含有する第1の有機層の組成物(以下、「第1の有機層のインク」ともいう。)は、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法等の塗布法に好適に使用することができる。
第1の有機層のインクの粘度は、塗布法の種類によって調整すればよいが、インクジェット印刷法等の溶液が吐出装置を経由する印刷法に適用する場合には、吐出時の目づまりと飛行曲がりが起こりづらいので、好ましくは25℃において1〜20mPa・sである。
第1の有機層のインクに含有される溶媒は、好ましくは、インク中の固形分を溶解または均一に分散できる溶媒である。溶媒としては、例えば、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;THF、ジオキサン、アニソール、4-メチルアニソール等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n-ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-へプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ドデカン、ビシクロヘキシル等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒;エチレングリコール、グリセリン、1,2-ヘキサンジオール等の多価アルコール系溶媒;イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が挙げられる。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
第1の有機層のインクにおいて、溶媒の配合量は、金属錯体を100重量部とした場合、通常、1000〜100000重量部であり、好ましくは2000〜20000重量部である。
<第2の有機層>
第2の有機層は、金属錯体と、架橋材料の架橋体とを含有する層である。
[金属錯体]
第2の有機層は、式(1)で表される金属錯体または式(2)で表される金属錯体を含有する。前述した第1の有機層に含有される金属錯体も、式(1)で表される金属錯体または式(2)で表される金属錯体を含有する。そして、第1の有機層に含有される金属錯体および第2の有機層に含有される金属錯体の一方が、式(1)で表される金属錯体であり、他方が、式(2)で表される金属錯体である。
第2の有機層が式(1)で表される金属錯体を含有する場合、第1の有機層は式(2)で表される金属錯体を含有する。第2の有機層が式(2)で表される金属錯体を含有する場合、第1の有機層は式(1)で表される金属錯体を含有する。
また、第2の有機層が式(1)で表される金属錯体および式(2)で表される金属錯体の双方を含有する場合、第1の有機層は式(1)で表される金属錯体および式(2)で表される金属錯体の一方または双方を含有するが、式(1)で表される金属錯体および式(2)で表される金属錯体の一方を含有することが好ましい。
第2の有機層に含有される式(1)で表される金属錯体の定義および例は、第1の有機層に含有される式(1)で表される金属錯体の定義および例と同じである。
第2の有機層に含有される式(2)で表される金属錯体の定義および例は、第1の有機層に含有される式(2)で表される金属錯体の定義および例と同じである。
上述のとおり、第2の有機層に含有される金属錯体は、式(1)で表される金属錯体または式(2)で表される金属錯体であるが、第2の有機層は、式(1)で表される金属錯体または式(2)で表される金属錯体と、他の金属錯体とを含有する層であってもよい。第2の有機層に含有される他の金属錯体の例は、第1の有機層に含有される他の金属錯体の例と同じである。
[架橋材料]
架橋材料は、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよいが、本発明の発光素子の輝度寿命が優れるので、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する低分子化合物(以下、「第2の有機層の低分子化合物」ともいう。)、または、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物(以下、「第2の有機層の高分子化合物」ともいう。)であることが好ましく、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物であることが好ましい。
架橋基A群から選ばれる架橋基としては、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、式(XL−1)、(XL−3)、(XL−9)、(XL−16)または(XL−17)で表される架橋基であり、より好ましくは、式(XL−1)、(XL−16)または(XL−17)で表される架橋基であり、更に好ましくは、式(XL−1)または(XL−17)で表される架橋基である。
[第2の有機層の高分子化合物]
第2の有機層の高分子化合物に含まれる、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位は、後述する式(3)で表される構成単位および式(4)で表される構成単位であることが好ましいが、下記で表される構成単位であってもよい。
Figure 0006596918
第2の有機層の高分子化合物に含まれる、架橋基A群から選ばれる少なくとも一種の架橋基を有する架橋構成単位は、式(3)で表される構成単位または式(4)で表される構成単位であることが好ましい。
[式(3)で表される構成単位]
nAは、本発明の発光素子の輝度寿命が優れるため、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0または1である。
nは、本発明の発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは2である。
Arは、本発明の発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
Arで表される芳香族炭化水素基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
Arで表される芳香族炭化水素基のn個の置換基を除いたアリーレン基部分としては、好ましくは、式(A−1)〜式(A−20)で表される基であり、より好ましくは、式(A−1)、式(A−2)、式(A−6)〜式(A−10)、式(A−19)または式(A−20)で表される基であり、さらに好ましくは、式(A−1)、式(A−2)、式(A−7)、式(A−9)または式(A−19)で表される基である。
Arで表される複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜18である。
Arで表される複素環基のn個の置換基を除いた2価の複素環基部分としては、好ましくは、式(AA−1)〜(AA−34)で表される基である。
Arで表される芳香族炭化水素基および複素環基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基およびシアノ基が挙げられる。
で表されるアルキレン基は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜20であり、好ましくは1〜15であり、より好ましくは1〜10である。Lで表されるシクロアルキレン基は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜20である。
アルキレン基およびシクロアルキレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、オクチレン基が挙げられる。
で表されるアルキレン基およびシクロアルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基およびシクロアルキレン基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基が挙げられる。
で表されるアリーレン基は、置換基を有していてもよい。アリーレン基としては、o−フェニレン、m−フェニレン、p−フェニレンが挙げられる。アリーレン基が有してもよい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子、シアノ基および架橋基A群から選ばれる架橋基が挙げられる。
は、第2の有機層の高分子化合物の合成が容易になるため、好ましくはフェニレン基またはアルキレン基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Xで表される架橋基としては、第2の有機層の高分子化合物の架橋性が優れるので、好ましくは式(XL-1)、(XL-3)、(XL-5)、(XL-7)、(XL-16)または(XL-17)で表される架橋基であり、より好ましくは式(XL-1)または式(XL-17)で表される架橋基である。
式(3)で表される構成単位は、第2の有機層の高分子化合物の架橋性が優れるので、第2の有機層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜50モル%であり、より好ましくは3〜30モル%であり、更に好ましくは3〜20モル%である。
式(3)で表される構成単位は、第2の有機層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
[式(4)で表される構成単位]
mAは、本発明の発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。
mは、本発明の発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは0である。
cは、第2の有機層の高分子化合物の合成が容易となり、かつ、本発明の発光素子の輝度寿命が優れるため、好ましくは0である。
Arは、本発明の発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
Arで表される芳香族炭化水素基のm個の置換基を除いたアリーレン基部分の定義や例は、前述の式(X)におけるArX2で表されるアリーレン基の定義や例と同じである。
Arで表される複素環基のm個の置換基を除いた2価の複素環基部分の定義や例は、前述の式(X)におけるArX2で表される2価の複素環基部分の定義や例と同じである。
Arで表される少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環が直接結合した基のm個の置換基を除いた2価の基の定義や例は、前述の式(X)におけるArX2で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の定義や例と同じである。
ArおよびArは、本発明の発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArおよびArで表されるアリーレン基の定義や例は、前述の式(X)におけるArX1およびArX3で表されるアリーレン基の定義や例と同じである。
ArおよびArで表される2価の複素環基の定義や例は、前述の式(X)におけるArX1およびArX3で表される2価の複素環基の定義や例と同じである。
Ar、ArおよびArで表される基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基およびシアノ基が挙げられる。
で表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例は、それぞれ、Lで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例と同じである。
は、第2の有機層の高分子化合物の合成が容易になるため、フェニレン基またはメチレン基であることが好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
X’で表される架橋基の定義や例は、前述のXで表される架橋基の定義や例と同じである。
式(4)で表される構成単位は、第2の有機層の高分子化合物の安定性が優れ、かつ、第2の有機層の高分子化合物の架橋性が優れるので、第2の有機層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜50モル%であり、より好ましくは3〜30モル%であり、更に好ましくは3〜20モル%である。
式(4)で表される構成単位は、第2の有機層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
式(3)で表される構成単位としては、例えば、式(3−1)〜式(3−30)で表される構成単位が挙げられ、式(4)で表される構成単位としては、例えば、式(4−1)〜式(4−9)で表される構成単位が挙げられる。これらの中でも、第2の有機層の高分子化合物の架橋性が優れるため、好ましくは、式(3−1)〜式(3−30)で表される構成単位であり、より好ましくは、式(3−1)〜式(3−15)、式(3−19)、式(3−20)、式(3−23)、式(3−25)または式(3−30)で表される構成単位であり、更に好ましくは、式(3−1)〜式(3−13)または式(3−30)で表される構成単位であり、特に好ましくは、式(3−1)〜式(3−9)または式(3−30)で表される構成単位である。
Figure 0006596918
Figure 0006596918
Figure 0006596918
第2の有機層の高分子化合物は、正孔輸送性が優れるので、更に、式(X)で表される構成単位を含むことが好ましい。
第2の有機層の高分子化合物が含んでいてもよい式(X)で表される構成単位の定義および例は、前述の高分子ホストが含んでいてもよい式(X)で表される構成単位の定義および例と同じである。
式(X)で表される構成単位は、第2の有機層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
第2の有機層の高分子化合物は、本発明の発光素子の輝度寿命が優れるので、更に、式(Y)で表される構成単位を含むことが好ましい。
第2の有機層の高分子化合物が含んでいてもよい式(Y)で表される構成単位の定義および例は、前述の高分子ホストが含んでいてもよい式(Y)で表される構成単位の定義および例と同じである。
式(Y)で表さされる構成単位は、第2の有機層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
第2の有機層の高分子化合物は、本発明の発光素子の輝度寿命が優れるので、更に、式(X)で表される構成単位および式(Y)で表される構成単位の双方を含むことが好ましい。
第2の有機層の高分子化合物としては、例えば、表1に示す高分子化合物P-7〜P-14が挙げられる。ここで、「その他の構成単位」とは、式(3)、式(4)、式(X)および式(Y)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。
Figure 0006596918

[表中、p’、q’、r’、s’およびt’は、各構成単位のモル比率を表す。p’+q’+r’+s’+t’=100であり、かつ、70≦p’+q’+r’+s’≦100である。]
第2の有機層の高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、複数種の原料モノマーを共重合してなる共重合体であることが好ましい。
[第2の有機層の高分子化合物の製造方法]
第2の有機層の高分子化合物は、前述の高分子ホストの製造方法と同様の方法で製造することができる。
[第2の有機層の低分子化合物]
第2の有機層の低分子化合物は、式(5)で表される低分子化合物が好ましい。
Figure 0006596918
[式中、
B1およびmB2は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。複数存在するmB1は、同一でも異なっていてもよい。
B1は0以上の整数を表す。nB1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Arは、芳香族炭化水素基、複素環基、または、少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Arが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
B1は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’’’−で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’’’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LB1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
X’’は、架橋基A群から選ばれる架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するX’’は、同一でも異なっていてもよい。但し、複数存在するX’’のうち、少なくとも1つは、架橋基A群から選ばれる架橋基である。]
B1は、通常、0〜10の整数であり、第2の有機層の低分子化合物の合成が容易になるため、好ましくは0〜5の整数であり、より好ましくは0〜2の整数であり、更に好ましくは0または1であり、特に好ましくは0である。
B2は、通常、0〜10の整数であり、第2の有機層の低分子化合物の合成が容易となり、かつ、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるため、好ましくは1〜5の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、更に好ましくは1または2であり、特に好ましくは1である。
B1は、通常、0〜5の整数であり、第2の有機層の低分子化合物の合成が容易になるため、好ましくは0〜4の整数であり、より好ましくは0〜2の整数であり、更に好ましくは0である。
Arで表される芳香族炭化水素基のnB1個の置換基を除いたアリーレン基部分の定義や例は、前述の式(X)におけるArX2で表されるアリーレン基の定義や例と同じである。
Arで表される複素環基のnB1個の置換基を除いた2価の複素環基部分の定義や例は、前述の式(X)におけるArX2で表される2価の複素環基部分の定義や例と同じである。
Arで表される少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環が直接結合した基のnB1個の置換基を除いた2価の基の定義や例は、前述の式(X)におけるArX2で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の定義や例と同じである。
Arは、本発明の発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは芳香族炭化水素基であり
B1で表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例は、それぞれ、Lで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例と同じである。
B1は、第2の有機層の低分子化合物の合成が容易になるため、好ましくは、アルキレン基、アリーレン基または酸素原子であり、より好ましくはアルキレン基またはアリーレン基であり、更に好ましくはフェニレン基、フルオレンジイル基またはアルキレン基であり、特に好ましくはフェニレン基またはアルキレン基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
X’’は、好ましくは、架橋基A群から選ばれる架橋基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくは、式(XL−1)、(XL−3)、(XL−7)〜(XL−10)、(XL−16)若しくは(XL−17)で表される架橋基またはアリール基であり、更に好ましくは、式(XL−1)、(XL−16)若しくは(XL−17)で表される架橋基、フェニル基、ナフチル基またはフルオレニル基であり、特に好ましくは、式(XL−16)若しくは(XL−17)で表される架橋基、フェニル基またはナフチル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
第2の有機層の低分子化合物としては、例えば、式(5−1)〜(5−16)で表される低分子化合物が挙げられ、好ましくは、式(5−1)〜(5−10)で表される低分子化合物であり、より好ましくは、式(5−5)〜(5−9)で表される低分子化合物である。
Figure 0006596918
Figure 0006596918
Figure 0006596918
Figure 0006596918
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第2の有機層の低分子化合物は、Aldrich、Luminescence Technology Corp.、American Dye Source等から入手可能である。
また、上記以外の入手方法として、例えば、国際公開第1997/033193号、国際公開第2005/035221号、国際公開第2005/049548に記載されている方法に従って合成することができる。
[組成比等]
第2の有機層に含有される金属錯体の含有量は、金属錯体と架橋材料の架橋体との合計を100重量部とした場合、通常、0.1〜80であり、好ましくは0.5〜70であり、より好ましくは1〜60である。
[第2の有機層の組成物]
第2の有機層は、金属錯体と、架橋材料の架橋体と、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料(金属錯体とは異なる。)および酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料とを含む組成物(以下、「第2の有機層の組成物」ともいう。)を含有する層であってもよい。
第2の有機層の組成物に含有される正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料、電子注入材料および発光材料の例および好ましい範囲は、第1の有機層の組成物に含有される正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料、電子注入材料および発光材料の例および好ましい範囲と同じである。第2の有機層の組成物において、正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料、電子注入材料および発光材料の配合量は、各々、金属錯体と架橋材料の架橋体との合計を100重量部とした場合、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
第2の有機層の組成物に含有される酸化防止剤の例および好ましい範囲は、第1の有機層の組成物に含有される酸化防止剤の例および好ましい範囲と同じである。第2の有機層の組成物において、酸化防止剤の配合量は、金属錯体と架橋材料の架橋体との合計を100重量部とした場合、通常、0.001〜10重量部である。
[第2の有機層のインク]
金属錯体と、架橋材料と、溶媒とを含有する第2の有機層の組成物(以下、「第2の有機層のインク」ともいう。)は、第1の有機層のインクと同様に、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法等の塗布法に好適に使用することができる。
第2の有機層のインクの粘度の好ましい範囲は、第1の有機層のインクの粘度の好ましい範囲と同じである。
第2の有機層のインクに含有される溶媒の例および好ましい範囲は、第1の有機層のインクに含有される溶媒の例および好ましい範囲と同じである。
第2の有機層のインクにおいて、溶媒の配合量は、金属錯体と架橋材料との合計を100重量部とした場合、通常、1000〜100000重量部であり、好ましくは2000〜20000重量部である。
<発光素子の層構成>
本発明の発光素子は、陽極と、陰極と、陽極および陰極の間に設けられた第1の有機層と、陽極および陰極の間に設けられた第2の有機層とを有する。本発明の発光素子は、陽極、陰極、第1の有機層および第2の有機層以外の層を有していてもよい。
本発明の発光素子において、第1の有機層は、通常、発光層である。
本発明の発光素子において、第2の有機層は、通常、正孔輸送層、第2の発光層または電子輸送層であり、好ましくは正孔輸送層または第2の発光層である。
本発明の発光素子において、第1の有機層と第2の有機層とは、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、隣接していることが好ましい。
本発明の発光素子において、第2の有機層は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、陽極および第1の有機層の間に設けられた層であることが好ましく、陽極および第1の有機層の間に設けられた正孔輸送層または第2の発光層であることがより好ましい。
本発明の発光素子の第1の有機層において、金属錯体は1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。
本発明の発光素子の第2の有機層において、金属錯体は1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。
本発明の発光素子の第2の有機層において、架橋材料の架橋体は、1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。
本発明の発光素子において、第1の有機層または第2の有機層に含有される式(1)で表される金属錯体の含有量と、第1の有機層または第2の有機層に含有される式(2)で表される金属錯体の含有量との比率を調整することで、発光色を調整することが可能であり、発光色を白色に調整することも可能である。
発光素子の発光色は、発光素子の発光色度を測定して色度座標(CIE色度座標)を求めることで確認することできる。白色の発光色とは、例えば、色度座標のXが0.20〜0.50の範囲内であり、かつ、色度座標のYが0.20〜0.50の範囲内であり、色度座標のXが0.25〜0.45の範囲内であり、かつ、色度座標のYが0.25〜0.45の範囲内であることが好ましい。
本発明の発光素子の発光色を調整(特に、発光色を白色に調整)する観点からは、式(1)で表される金属錯体の発光スペクトルの最大ピーク波長は、通常380nm以上495nm未満であり、好ましくは400nm以上490nm以下であり、より好ましくは420nm以上480nm以下である。
本発明の発光素子の発光色を調整(特に、発光色を白色に調整)する観点からは、式(2)で表される金属錯体の発光スペクトルの最大ピーク波長は、通常495nm以上750nm未満であり、好ましくは500nm以上680nm以下であり、より好ましくは505nm以上640nm以下である。
本発明の発光素子に式(2)で表される金属錯体が2種以上含有される場合、本発明の発光素子の発光色を調整(特に、発光色を白色に調整)する観点からは、少なくとも2種の式(2)で表される金属錯体の発光スペクトルの最大ピーク波長は互いに異なることが好ましく、その差は、好ましくは10〜200nmであり、より好ましくは20〜150nmであり、更に好ましくは40〜120nmである。
本発明の発光素子に式(2)で表される金属錯体が2種以上含有され、且つ、少なくとも2種の式(2)で表される金属錯体の発光スペクトルの最大ピーク波長が異なる場合、本発明の発光素子の発光色を調整(特に、発光色を白色に調整)する観点からは、発光スペクトルの最大ピーク波長が短波長側の式(2)で表される金属錯体の発光スペクトルの最大ピーク波長は、好ましくは500nm以上570nm未満であり、より好ましくは505nm以上560nm以下である。また、発光スペクトルの最大ピーク波長が長波長側の式(2)で表される金属錯体の発光スペクトルの最大ピーク波長は、好ましくは570nm以上680nm以下であり、より好ましくは590nm以上640nm以下である。
金属錯体の発光スペクトルの最大ピーク波長は、金属錯体を、キシレン、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等の有機溶媒に溶解させ、希薄溶液を調製し(1×10−6〜1×10−3wt%程度)、該希薄溶液のPLスペクトルを室温で測定することで評価することができる。金属錯体を溶解させる有機溶媒としては、キシレンが好ましい。
本発明の発光素子において、第2の有機層が陽極および第1の有機層の間に設けられた正孔輸送層である場合、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、陽極と第2の有機層との間に、正孔注入層を更に有することが好ましい。また、第2の有機層が陽極および第1の有機層の間に設けられた正孔輸送層である場合、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、陰極と第1の有機層との間に、電子注入層および電子輸送層からなる群から選ばれる少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。
本発明の発光素子において、第2の有機層が陽極および第1の有機層の間に設けられた第2の発光層である場合、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、陽極と第2の有機層との間に、正孔注入層および正孔輸送層からなる群から選ばれる少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。また、第2の有機層が陽極および第1の有機層の間に設けられた第2の発光層である場合、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、陰極と第1の有機層との間に、電子注入層および電子輸送層からなる群から選ばれる少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。
本発明の発光素子において、第2の有機層が陰極および第1の有機層の間に設けられた第2の発光層である場合、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、陽極と第1の有機層との間に、正孔注入層および正孔輸送層からなる群から選ばれる少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。また、第2の有機層が陰極および第1の有機層の間に設けられた第2の発光層である場合、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、陰極と第2の有機層との間に、電子注入層および電子輸送層からなる群から選ばれる少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。
本発明の発光素子において、第2の有機層が陰極および第1の有機層の間に設けられた電子輸送層である場合、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、陽極と第1の有機層との間に、正孔注入層および正孔輸送層からなる群から選ばれる少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。また、第2の有機層が陰極および第1の有機層の間に設けられた電子輸送層である場合、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、陰極と第2の有機層との間に、電子注入層を更に有することが好ましい。
本発明の発光素子の具体的な層構成としては、例えば、下記の(D1)〜(D15)で表される層構成が挙げられる。本発明の発光素子は、通常、基板を有するが、基板上に陽極から積層されていてもよく、基板上に陰極から積層されていてもよい。
(D1)陽極/第2の発光層(第2の有機層)/発光層(第1の有機層)/陰極
(D2)陽極/正孔輸送層(第2の有機層)/発光層(第1の有機層)/陰極
(D3)陽極/正孔注入層/第2の発光層(第2の有機層)/発光層(第1の有機層)/陰極
(D4)陽極/正孔注入層/第2の発光層(第2の有機層)/発光層(第1の有機層)/電子輸送層/陰極
(D5)陽極/正孔注入層/第2の発光層(第2の有機層)/発光層(第1の有機層)/電子注入層/陰極
(D6)陽極/正孔注入層/第2の発光層(第2の有機層)/発光層(第1の有機層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D7)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/発光層(第1の有機層)/陰極
(D8)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/発光層(第1の有機層)/電子輸送層/陰極
(D9)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/発光層(第1の有機層)/電子注入層/陰極
(D10)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/発光層(第1の有機層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D11)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/第2の発光層(第2の有機層)/発光層(第1の有機層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D12)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/発光層(第1の有機層)/第2の発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D13)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層(第1の有機層)/第2の発光層(第2の有機層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D14)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層(第1の有機層)/電子輸送層(第2の有機層)/電子注入層/陰極
(D15)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/第2の発光層/発光層(第1の有機層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
上記の(D1)〜(D15)中、「/」は、その前後の層が隣接して積層していることを意味する。具体的には、「第2の発光層(第2の有機層)/発光層(第1の有機層)」とは、第2の発光層(第2の有機層)と発光層(第1の有機層)とが隣接して積層していることを意味する。
本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、上記の(D3)〜(D12)で表される層構成が好ましく、(D3)〜(D10)で表される層構成がより好ましい。
本発明の発光素子において、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、第2の発光層、電子輸送層、電子注入層および陰極は、それぞれ、必要に応じて、2層以上設けられていてもよい。
陽極、正孔注入層、正孔輸送層、第2の発光層、電子輸送層、電子注入層および陰極が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、第2の発光層、電子輸送層、電子注入層および陰極の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、更に好ましくは5nm〜150nmである。
本発明の発光素子において、積層する層の順番、数、および厚さは、発光素子の発光効率および素子寿命を勘案して調整すればよい。
[第2の発光層]
第2の発光層は、通常、第2の有機層または発光材料を含有する層である。第2の発光層が発光材料を含有する層である場合、第2の発光層に含有される発光材料としては、例えば、前述の第1の有機層の組成物が含有していてもよい発光材料が挙げられる。第2の発光層に含有される発光材料は、1種単独で含有されていても、2種以上が含有されていてもよい。
本発明の発光素子が第2の発光層を有し、かつ、後述の正孔輸送層および後述の電子輸送層が第2の有機層ではない場合、第2の発光層は第2の有機層であることが好ましい。
[正孔輸送層]
正孔輸送層は、通常、第2の有機層または正孔輸送材料を含有する層である。正孔輸送層が正孔輸送材料を含有する層である場合、正孔輸送材料としては、例えば、前述の第1の有機層の組成物が含有していてもよい正孔輸送材料が挙げられる。正孔輸送層に含有される正孔輸送材料は、1種単独で含有されていても、2種以上が含有されていてもよい。
本発明の発光素子が正孔輸送層を有し、かつ、前述の第2の発光層および後述の電子輸送層が第2の有機層ではない場合、正孔輸送層は第2の有機層であることが好ましい。
[電子輸送層]
電子輸送層は、通常、第2の有機層であるか、または、電子輸送材料を含有する層であり、好ましくは、電子輸送材料を含有する層である。電子輸送層が電子輸送材料を含有する層である場合、電子輸送層に含有される電子輸送材料としては、例えば、前述の第1の有機層の組成物が含有していてもよい電子輸送材料が挙げられる。
本発明の発光素子が電子輸送層を有し、かつ、電子輸送層が第2の有機層でない場合、電子輸送層に含有される電子輸送材料は、式(ET−1)で表される構成単位および式(ET−2)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位を含む高分子化合物(以下、「電子輸送層の高分子化合物」ともいう。)であることが好ましい。
Figure 0006596918
[式中、
nE1は、1以上の整数を表す。
ArE1は、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基はRE1以外の置換基を有していてもよい。
E1は、式(ES−1)で表される基を表す。RE1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
−RE3−{(QE1nE3−YE1(ME1aE1(ZE1bE1mE1
(ES−1)
[式中、
nE3は0以上の整数を表し、aE1は1以上の整数を表し、bE1は0以上の整数を表し、mE1は1以上の整数を表す。nE3、aE1およびbE1が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。但し、RE3が単結合である場合、mE1は1である。また、aE1およびbE1は、式(ES−1)で表される基の電荷が0となるように選択される。
E3は、単結合、炭化水素基、複素環基または−O−RE3’を表し(RE3’は、炭化水素基または複素環基を表す。)、これらの基は置換基を有していてもよい。
E1は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。QE1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
E1は、−CO 、−SO 、−SO またはPO 2−を表す。YE1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
E1は、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオンまたはアンモニウムカチオンを表し、このアンモニウムカチオンは置換基を有していてもよい。ME1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
E1は、F、Cl、Br、I、OH、B(RE4 、RE4SO 、RE4COO、NO 、SO 2−、HSO 、PO 3−、HPO 2−、HPO 、BF またはPF を表す。RE4は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ZE1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
nE1は、通常1〜4の整数であり、好ましくは1または2である。
ArE1で表される芳香族炭化水素基または複素環基としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、2,6−ナフタレンジイル基、1,4−ナフタレンジイル基、2、7−フルオレンジイル基、3,6−フルオレンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基または2,7−カルバゾールジイル基から、環を構成する原子に直接結合する水素原子nE1個を除いた基が好ましく、RE1以外の置換基を有していてもよい。
ArE1が有していてもよいRE1以外の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、カルボキシル基および式(ES−3)で表される基が挙げられる。
−O−(Cn’2n’O)nx−Cm’2m’+1 (ES−3)
[式中、n’、m’およびnxは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。]
nE3は、通常0〜10の整数であり、好ましくは0〜8の整数であり、より好ましくは0〜2の整数である。
aE1は、通常1〜10の整数であり、好ましくは1〜5の整数であり、より好ましくは1または2である。
bE1は、通常0〜10の整数であり、好ましくは0〜4の整数であり、より好ましくは0または1である。
mE1は、通常1〜5の整数であり、好ましくは1または2であり、より好ましくは0または1である。
E3が−O−RE3’の場合、式(ES−1)で表される基は、下記で表される基である。
−O−RE3’−{(QE1nE3−YE1(ME1aE1(ZE1bE1mE1
E3としては、炭化水素基または複素環基が好ましく、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基がより好ましく、芳香族炭化水素基が更に好ましい。
E3が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基および式(ES−3)で表される基が挙げられ、式(ES−3)で表される基が好ましい。
E1としては、アルキレン基、アリーレン基または酸素原子が好ましく、アルキレン基または酸素原子がより好ましい。
E1としては、−CO 、−SO またはPO 2−が好ましく、−CO がより好ましい。
E1で表されるアルカリ金属カチオンとしては、例えば、Li、Na、K、Rb、Csが挙げられ、K、RbまたはCsが好ましく、Csがより好ましい。
E1で表されるアルカリ土類金属カチオンとしては、例えば、Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+が挙げられ、Mg2+、Ca2+、Sr2+またはBa2+が好ましく、Ba2+がより好ましい。
E1としては、アルカリ金属カチオンまたはアルカリ土類金属カチオンが好ましく、アルカリ金属カチオンがより好ましい。
E1としては、F、Cl、Br、I、OH、B(RE4 、RE4SO 、RE4COOまたはNO が好ましく、F、Cl、Br、I、OH、RE4SO またはRE4COOが好ましい。RE4としては、アルキル基が好ましい。
式(ES−1)で表される基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
Figure 0006596918
Figure 0006596918
[式中、Mは、Li、Na、K、CsまたはN(CH を表す。Mが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006596918
[式中、
nE2は、1以上の整数を表す。
ArE2は、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基はRE2以外の置換基を有していてもよい。
E2は、式(ES−2)で表される基を表す。RE2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
−RE5−{(QE2nE4−YE2(ME2aE2(ZE2bE2mE2
(ES−2)
[式中、
nE4は0以上の整数を表し、aE2は1以上の整数を表し、bE2は0以上の整数を表し、mE2は1以上の整数を表す。nE4、aE2およびbE2が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。但し、RE5が単結合である場合、mE2は1である。また、aE2およびbE2は、式(ES−2)で表される基の電荷が0となるように選択される。
E5は、単結合、炭化水素基、複素環基または−O−RE5’を表し(RE5’は、炭化水素基または複素環基を表す。)、これらの基は置換基を有していてもよい。
E2は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。QE2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
E2は、−CE6 、−NE6 、−PE6 、−SE6 または−IE6 を表す。RE6は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRE6は、同一でも異なっていてもよい。YE2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
E2は、F、Cl、Br、I、OH、B(RE7 、RE7SO 、RE7COO、BF 、SbCl またはSbF を表す。RE7は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ME2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
E2は、アルカリ金属カチオンまたはアルカリ土類金属カチオンを表す。ZE2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
nE2は、通常1〜4の整数であり、好ましくは1または2である。
ArE2で表される芳香族炭化水素基または複素環基としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、2,6−ナフタレンジイル基、1,4−ナフタレンジイル基、2、7−フルオレンジイル基、3,6−フルオレンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基または2,7−カルバゾールジイル基から、環を構成する原子に直接結合する水素原子nE2個を除いた基が好ましく、RE2以外の置換基を有していてもよい。
ArE2が有していてもよいRE2以外の置換基としては、ArE1が有していてもよいRE1以外の置換基と同様である。
nE4は、通常0〜10の整数であり、好ましくは0〜8の整数であり、より好ましくは0〜2の整数である。
aE2は、通常1〜10の整数であり、好ましくは1〜5の整数であり、より好ましくは1または2である。
bE2は、通常0〜10の整数であり、好ましくは0〜4の整数であり、より好ましくは0または1である。
mE2は、通常1〜5の整数であり、好ましくは1または2であり、より好ましくは0または1である。
E5が−O−RE5’の場合、式(ES−2)で表される基は、下記で表される基である。
−O−RE5’−{(QE1nE3−YE1(ME1aE1(ZE1bE1mE1
E5としては、炭化水素基または複素環基が好ましく、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基がより好ましく、芳香族炭化水素基が更に好ましい。
E5が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基および式(ES−3)で表される基が挙げられ、式(ES−3)で表される基が好ましい。
E2としては、アルキレン基、アリーレン基または酸素原子が好ましく、アルキレン基または酸素原子がより好ましい。
E2としては、−CE6 、−NE6 、−PE6 または−SE6 が好ましく、−NE6 がより好ましい。RE6としては、水素原子、アルキル基またはアリール基が好ましく、水素原子またはアルキル基がより好ましい。
E2としては、F、Cl、Br、I、B(RE7 、RE7SO 、RE7COO、BF またはSbF6−が好ましく、Br、I、B(RE7 、RE7COOまたはSbF6−がより好ましい。RE7としては、アルキル基が好ましい。
E2で表されるアルカリ金属カチオンとしては、例えば、Li、Na、K、Rb、Csが挙げられ、Li、NaまたはKが好ましい。
E2で表されるアルカリ土類金属カチオンとしては、例えば、Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+が挙げられ、Mg2+またはCa2+が好ましい。
E2としては、アルカリ金属カチオンが好ましい。
式(ES−2)で表される基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
Figure 0006596918
Figure 0006596918
[式中、Xは、F、Cl、Br、I、B(C 、CHCOOまたはCFSO を表す。Xが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
式(ET−1)および式(ET−2)で表される構成単位としては、例えば、下記式(ET−31)〜式(ET−38)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0006596918
Figure 0006596918
Figure 0006596918
電子輸送層の高分子化合物は、例えば、特開2009−239279号公報、特開2012−033845号公報、特開2012−216821号公報、特開2012−216822号公報、特開2012−216815号公報に記載の方法に従って合成することができる。
後述する正孔注入層の形成に用いる材料、正孔輸送層の形成に用いる材料、発光層の形成に用いる材料、第2の発光層の形成に用いる材料、電子輸送層の形成に用いる材料、後述する電子注入層の形成に用いる材料は、発光素子の作製において、各々、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、第2の発光層、電子輸送層および電子注入層に隣接する層の形成時に使用される溶媒に溶解する場合、該溶媒に該材料が溶解することが回避されることが好ましい。材料の溶解を回避する方法としては、i)架橋基を有する材料を用いる方法、または、ii)隣接する層の溶解性に差を設ける方法が好ましい。上記i)の方法では、架橋基を有する材料を用いて層を形成した後、該架橋基を架橋させることにより、該層を不溶化させることができる。
例えば、発光層の上に、溶解性の差を利用して電子輸送層を積層する場合、発光層に対して溶解性の低い溶液を用いることで電子輸送層を積層することができる。
発光層の上に、溶解性の差を利用して電子輸送層を積層する場合に用いる溶媒としては、水、アルコール類、エーテル類、エステル類、ニトリル化合物類、ニトロ化合物類、フッ素化アルコール、チオール類、スルフィド類、スルホキシド類、チオケトン類、アミド類、カルボン酸類等が好ましい。該溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブチルアルコール、アセトニトリル、1,2−エタンジオール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸、ニトロメタン、炭酸プロピレン、ピリジン、二硫化炭素、および、これらの溶媒の混合溶媒が挙げられる。混合溶媒を用いる場合、水、アルコール類、エーテル類、エステル類、ニトリル化合物類、ニトロ化合物類、フッ素化アルコール、チオール類、スルフィド類、スルホキシド類、チオケトン類、アミド類、カルボン酸類等から選ばれる1種類以上の溶媒と、塩素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系およびケトン系から選ばれる1種類以上の溶媒との混合溶媒であってもよい。
[正孔注入層および電子注入層]
正孔注入層は、正孔注入材料を含有する層である。正孔注入層に含有される正孔注入材料としては、例えば、前述の第1の有機層の組成物が含有していてもよい正孔注入材料が挙げられる。正孔注入層に含有される正孔注入材料は、1種単独で含有されていても、2種以上が含有されていてもよい。
電子注入層は、電子注入材料を含有する層である。電子注入層に含有される電子注入材料としては、例えば、前述の第1の有機層の組成物が含有していてもよい電子注入材料が挙げられる。電子注入層に含有される電子注入材料は、1種単独で含有されていても、2種以上が含有されていてもよい。
[基板/電極]
発光素子における基板は、電極を形成することができ、かつ、有機層を形成する際に化学的に変化しない基板であればよく、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン等の材料からなる基板である。不透明な基板を使用する場合には、基板から最も遠くにある電極が透明または半透明であることが好ましい。
陽極の材料としては、例えば、導電性の金属酸化物、半透明の金属が挙げられ、好ましくは、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ;インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等の導電性化合物;銀とパラジウムと銅との複合体(APC);NESA、金、白金、銀、銅である。
陰極の材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム等の金属;それらのうち2種以上の合金;それらのうち1種以上と、銀、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1種以上との合金;並びに、グラファイトおよびグラファイト層間化合物が挙げられる。合金としては、例えば、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
本発明の発光素子において、陽極および陰極の少なくとも一方は、通常、透明または半透明であるが、陽極が透明または半透明であることが好ましい。
陽極および陰極の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法およびラミネート法が挙げられる。
[発光素子の製造方法]
本発明の発光素子において、発光層、第2の発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層等の各層の形成方法としては、低分子化合物を用いる場合、例えば、粉末からの真空蒸着法、溶液または溶融状態からの成膜による方法が挙げられ、高分子化合物を用いる場合、例えば、溶液または溶融状態からの成膜による方法が挙げられる。
発光層、第2の発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層および電子注入層は、第1の有機層のインク、第2の有機層のインク、並びに、上述した発光材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料および電子注入材料をそれぞれ含有するインクを用いて、スピンコート法、インクジェット印刷法に代表される塗布法により形成することができる。
〔発光素子の用途〕
発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。パターン状の発光を得るためには、面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部にしたい層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極若しくは陰極、または両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字、文字等を表示できるセグメントタイプの表示装置が得られる。ドットマトリックス表示装置とするためには、陽極と陰極を共にストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス表示装置は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動も可能である。これらの表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末等のディスプレイに用いることができる。面状の発光素子は、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、または、面状の照明用光源として好適に用いることができる。フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源および表示装置としても使用できる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例において、高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)およびポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、移動層にテトラヒドロフランを用い、下記のサイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)のいずれかにより求めた。なお、SECの各測定条件は、次のとおりである。
<測定条件1>
測定する高分子化合物を約0.05重量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、SECに10μL注入した。移動相は、2.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED−B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV−VIS検出器(島津製作所製、商品名:SPD−10Avp)を用いた。
<測定条件2>
測定する高分子化合物を約0.05重量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、SECに10μL注入した。移動相は、1.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED−B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV−VIS検出器(東ソー製、商品名:UV−8320GPC)を用いた。
<測定条件3>
測定する高分子化合物を約0.05重量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、SECに10μL注入した。移動相は、0.6mL/分の流量で流した。カラムとして、TSKguardcolumn SuperAW−Hと、TSKgel Super AWM−Hと、TSKgel SuperAW3000(いずれも東ソー製)の各1本を直列につないで用いた。検出器にはUV−VIS検出器(東ソー製、商品名:UV−8320GPC)を用いた。
LC−MSは、下記の方法で測定した。
測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルムまたはテトラヒドロフランに溶解させ、LC−MS(Agilent製、商品名:1100LCMSD)に約1μL注入した。LC−MSの移動相には、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランの比率を変化させながら用い、0.2mL/分の流量で流した。カラムは、L−column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:2.1mm、長さ:100mm、粒径3μm)を用いた。
TLC−MSは、下記の方法で測定した。
測定試料をトルエン、テトラヒドロフランまたはクロロホルムのいずれかの溶媒に任意の濃度で溶解させ、DART用TLCプレート(テクノアプリケーションズ社製、商品名:YSK5−100)上に塗布し、TLC−MS(日本電子社製、商品名:JMS−T100TD(The AccuTOF TLC))を用いて測定した。測定時のヘリウムガス温度は、200〜400℃の範囲で調節した。
NMRは、下記の方法で測定した。
5〜10mgの測定試料を約0.5mLの重クロロホルム(CDCl3)、重テトラヒドロフラン、重ジメチルスルホキシド、重アセトン、重N,N-ジメチルホルムアミド、重トルエン、重メタノール、重エタノール、重2−プロパノールまたは重塩化メチレンに溶解させ、NMR装置(Agilent製、商品名:INOVA300またはMERCURY 400VX)を用いて測定した。
化合物の純度の指標として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)面積百分率の値を用いた。この値は、特に記載がない限り、HPLC(島津製作所製、商品名:LC−20A)でのUV=254nmにおける値とする。この際、測定する化合物は、0.01〜0.2重量%の濃度になるようにテトラヒドロフランまたはクロロホルムに溶解させ、濃度に応じてHPLCに1〜10μL注入した。HPLCの移動相には、アセトニトリル/テトラヒドロフランの比率を100/0〜0/100(容積比)まで変化させながら用い、1.0mL/分の流量で流した。カラムは、Kaseisorb LC ODS 2000(東京化成工業製)または同等の性能を有するODSカラムを用いた。検出器には、フォトダイオードアレイ検出器(島津製作所製、商品名:SPD−M20A)を用いた。
本実施例において、金属錯体の発光スペクトルの最大ピーク波長は、分光光度計(日本分光株式会社製、FP−6500)により室温にて測定した。金属錯体をキシレンに、約0.8×10−4重量%の濃度で溶解させたキシレン溶液を試料として用いた。励起光としては、波長325nmのUV光を用いた。
<合成例1> 金属錯体B1、B2およびB3の合成
金属錯体B1は、国際公開第2006/121811号に記載の方法に準じて合成した。
金属錯体B2および金属錯体B3は、特開2013−147551号公報に記載の方法に従って合成した。
Figure 0006596918
金属錯体B1の発光スペクトルの最大ピーク波長は469nmであった。
金属錯体B2の発光スペクトルの最大ピーク波長は475nmであった。
金属錯体B3の発光スペクトルの最大ピーク波長は450nmであった。
<合成例2> 金属錯体G1の合成
金属錯体G1は、国際公開第2009/131255号に記載の方法に従って合成した。
Figure 0006596918
金属錯体G1の発光スペクトルの最大ピーク波長は514nmであった。
<合成例3> 金属錯体R1およびR2の合成
金属錯体R1は、特開2006−188673号公報に記載の方法に準じて合成した。
金属錯体R2は、国際公開第2002/44189号に記載の方法に準じて合成した。
Figure 0006596918
金属錯体R1の発光スペクトルの最大ピーク波長は619nmであった。
金属錯体R2の発光スペクトルの最大ピーク波長は617nmであった。
<合成例4> 化合物CM1〜CM6の合成
化合物CM1は、特開2010−189630号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物CM2は、特開2008−106241号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物CM3は、特開2010−215886号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物CM4は、国際公開第2002/045184号に記載の方法に従って合成した。
化合物CM5および化合物CM6は、国際公開第2013/191088号に記載の方法に従って合成した。
Figure 0006596918
Figure 0006596918
<合成例5> 高分子化合物HTL−1の合成
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物CM1(0.995g)、化合物CM2(0.106g)、化合物CM3(0.0924g)、化合物CM4(0.736g)、ジクロロビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウム(1.8mg)およびトルエン(50ml)を加え、105℃に加熱した。
(工程2)得られた反応液に、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.6ml)を滴下し、5.5時間還流させた。
(工程3)その後、そこに、フェニルボロン酸(24.4mg)、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.6ml)およびジクロロビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウム(1.8mg)を加え、14時間還流させた。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却後、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通液することにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物HTL−1を0.91g得た。高分子化合物HTL−1のMnは5.2×10であり、Mwは2.5×10であった。
高分子化合物HTL−1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物CM1から誘導される構成単位と、化合物CM2から誘導される構成単位と、化合物CM3から誘導される構成単位と、化合物CM4から誘導される構成単位とが、50:5:5:40のモル比で構成されてなる共重合体である。
<合成例6> 高分子化合物HP−1の合成
高分子化合物HP−1は、化合物CM1、化合物CM5および化合物CM6を用いて、国際公開第2013/191088号に記載の方法に準じて合成した。
高分子化合物HP−1のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=8.5×10、Mw=2.2×10であった。
高分子化合物HP−1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物CM1から誘導される構成単位と、化合物CM5から誘導される構成単位と、化合物CM6から誘導される構成単位とが、50:26:24のモル比で構成されてなる共重合体である。
<合成例7> 高分子化合物ET1の合成
(高分子化合物ET1aの合成)
高分子化合物ET1aは、特開2012−33845号公報に記載の方法に従って合成した化合物ET1−1、および、特開2012−33845号公報に記載の方法に従って合成した化合物ET1−2を用いて、特開2012−33845号公報記載の合成法に従い合成した。
Figure 0006596918
高分子化合物ET1aのMnは5.2×10であった。
高分子化合物ET1aは、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物ET1−1から誘導される構成単位と、化合物ET1−2から誘導される構成単位とが、50:50のモル比で構成されてなる共重合体である。
(高分子化合物ET1の合成)
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、高分子化合物ET1a(200mg)、テトラヒドロフラン(20mL)およびエタノール(20mL)を加え、55℃に加熱した。その後、そこへ、水(2mL)に溶解させた水酸化セシウム(200mg)を加え、55℃で6時間撹拌した。その後、室温まで冷却した後、減圧濃縮することにより、固体を得た。得られた固体を水で洗浄した後、減圧乾燥させるにより、高分子化合物ET1(150mg、薄黄色固体)を得た。得られた高分子化合物ET1のNMRスペクトルにより、高分子化合物ET1aのエチルエステル部位のエチル基由来のシグナルが完全に消失していることを確認した。
Figure 0006596918
<実施例D1> 発光素子D1の作製および評価
(陽極および正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により35nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(第2の有機層の形成)
クロロベンゼンに、高分子化合物HTL−1および金属錯体B1(高分子化合物HTL−1/金属錯体B1=70重量%/30重量%)を0.5重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロベンゼン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより第2の有機層を形成した。ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより、高分子化合物HTL−1は、高分子化合物HTL−1の架橋体となる。
(第1の有機層の形成)
クロロベンゼンに、低分子化合物HM−1(Luminescense Technology社製)、金属錯体B1、金属錯体G1および金属錯体R1(低分子化合物HM−1/金属錯体B1/金属錯体G1/金属錯体R1=69重量%/30重量%/0.6重量%/0.4重量%)を2.0重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロベンゼン溶液を用いて、第2の有機層の上にスピンコート法により60nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより第1の有機層を形成した。
Figure 0006596918
(電子輸送層の形成)
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノールに、高分子化合物ET1を0.25重量%の濃度で溶解させた。得られた2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール溶液を用いて、第1の有機層の上にスピンコート法により10nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分加熱させることにより電子輸送層を形成した。
(陰極の形成)
電子輸送層の形成した基板を蒸着機内において、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、電子輸送層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子D1を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子D1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける色度座標(x,y)は(0.26,0.41)であった。初期輝度が1000cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度半減寿命を測定したところ、21.8時間であった。
<実施例D2> 発光素子D2の作製および評価
実施例D1における、「高分子化合物HTL−1および金属錯体B1(高分子化合物HTL−1/金属錯体B1=70重量%/30重量%)」に代えて、「高分子化合物HTL−1、金属錯体G1および金属錯体R1(高分子化合物HTL−1/金属錯体G1/金属錯体R1=95重量%/3重量%/2重量%)」を用いた以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D2を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子D2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける色度座標(x,y)は(0.23,0.40)であった。初期輝度が1000cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度半減寿命を測定したところ、11.2時間であった。
<実施例D3> 発光素子D3の作製および評価
実施例D1における、「高分子化合物HTL−1および金属錯体B1(高分子化合物HTL−1/金属錯体B1=70重量%/30重量%)」に代えて、「高分子化合物HTL−1、金属錯体G1および金属錯体R1(高分子化合物HTL−1/金属錯体G1/金属錯体R1=90重量%/6重量%/4重量%)」を用いた以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D3を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子D3に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける色度座標(x,y)は(0.24,0.40)であった。初期輝度が1000cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度半減寿命を測定したところ、14.0時間であった。
<比較例CD1> 発光素子CD1の作製および評価
実施例D1における、「高分子化合物HTL−1および金属錯体B1(高分子化合物HTL−1/金属錯体B1=70重量%/30重量%)」に代えて、「高分子化合物HTL−1のみ」を用いた以外は、実施例D1と同様にして、発光素子CD1を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子CD1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける色度座標(x,y)は(0.23,0.40)であった。初期輝度が1000cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度半減寿命を測定したところ、2.6時間であった。
Figure 0006596918
<実施例D4> 発光素子D4の作製および評価
(陽極および正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により35nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(第2の有機層の形成)
クロロベンゼンに、低分子化合物HTL−M1(Luminescense Technology社製)および金属錯体R1(低分子化合物HTL−M1/金属錯体R1=65重量%/35重量%)を0.7重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロベンゼン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより第2の有機層を形成した。ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより、低分子化合物HTL−M1は、低分子化合物HTL−M1の架橋体となる。
Figure 0006596918
(第1の有機層の形成)
トルエンに、低分子化合物HM−1(Luminescense Technology社製)および金属錯体B1(低分子化合物HM−1/金属錯体B1=60重量%/40重量%)を2.0重量%の濃度で溶解させた。得られたトルエン溶液を用いて、第2の有機層の上にスピンコート法により75nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより第1の有機層を形成した。
(電子輸送層の形成)
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノールに、高分子化合物ET1を0.25重量%の濃度で溶解させた。得られた2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール溶液を用いて、第1の有機層の上にスピンコート法により10nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分加熱させることにより電子輸送層を形成した。
(陰極の形成)
電子輸送層の形成した基板を蒸着機内において、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、電子輸送層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子D4を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子D4に電圧を印加することによりEL発光が観測された。400cd/mにおける色度座標(x,y)は(0.26,0.39)であった。初期輝度が400cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度が初期輝度の70%となるまでの時間を測定したところ、216時間であった。
<比較例CD2> 発光素子CD2の作製および評価
実施例D1における、「低分子化合物HTL−M1(Luminescense Technology社製)および金属錯体R1(低分子化合物HTL−M1/金属錯体R1=65重量%/35重量%))」に代えて、「低分子化合物HTL−M1(Luminescense Technology社製)および金属錯体R2(低分子化合物HTL−M1/金属錯体R2=65重量%/35重量%))」を用いた以外は、実施例D4と同様にして、発光素子CD2を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子CD2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。400cd/mにおける色度座標(x,y)は(0.32,0.38)であった。初期輝度が400cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度が初期輝度の70%となるまでの時間を測定したところ、112時間であった。
Figure 0006596918
<実施例D5> 発光素子D5の作製および評価
(陽極および正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により35nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(第2の有機層の形成)
キシレンに、高分子化合物HTL−1および金属錯体R1(高分子化合物HTL−1/金属錯体R1=80重量%/20重量%)を0.9重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより第2の有機層を形成した。ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより、高分子化合物HTL−1は、高分子化合物HTL−1の架橋体となる。
(第1の有機層の形成)
キシレンに、高分子化合物HP−1および金属錯体B2(高分子化合物HP−1/金属錯体B2=60重量%/40重量%)を2.0重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロベンゼン溶液を用いて、第2の有機層の上にスピンコート法により75nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより第1の有機層を形成した。
(陰極の形成)
第1の有機層を形成した基板を蒸着機内において、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、第1の有機層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子D5を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子D5に電圧を印加することによりEL発光が観測された。200cd/mにおける色度座標(x,y)は(0.25,0.30)であった。初期輝度が200cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度半減寿命を測定したところ、15.6時間であった。
<実施例D6> 発光素子D6の作製および評価
実施例D5における、「高分子化合物HTL−1および金属錯体R1(高分子化合物HTL−1/金属錯体R1=80重量%/20重量%)」に代えて、「高分子化合物HTL−1および金属錯体R1(高分子化合物HTL−1/金属錯体R1=65重量%/35重量%)」を用いた以外は、実施例D5と同様にして、発光素子D6を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子D6に電圧を印加することによりEL発光が観測された。200cd/mにおける色度座標(x,y)は(0.31,0.30)であった。初期輝度が200cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度半減寿命を測定したところ、17.7時間であった。
<実施例D7> 発光素子D7の作製および評価
実施例D5における、「高分子化合物HTL−1および金属錯体R1(高分子化合物HTL−1/金属錯体R1=80重量%/20重量%)」に代えて、「高分子化合物HTL−1および金属錯体R1(高分子化合物HTL−1/金属錯体R1=50重量%/50重量%)」を用いた以外は、実施例D5と同様にして、発光素子D7を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子D7に電圧を印加することによりEL発光が観測された。200cd/mにおける色度座標(x,y)は(0.31,0.30)であった。初期輝度が200cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度半減寿命を測定したところ、27.5時間であった。
<比較例CD3> 発光素子CD3の作製および評価
実施例D5の(第2の有機層の形成)における、「高分子化合物HTL−1および金属錯体R1(高分子化合物HTL−1/金属錯体R1=80重量%/20重量%)」に代えて、「高分子化合物HTL−1および金属錯体R2(高分子化合物HTL−1/金属錯体R2=80重量%/20重量%)」を用い、更に、実施例D5の(第1の有機層の形成)における、「高分子化合物HP−1および金属錯体B2(高分子化合物HP−1/金属錯体B2=60重量%/40重量%)」に代えて、「高分子化合物HP−1および金属錯体B3(高分子化合物HP−1/金属錯体B3=60重量%/40重量%)」を用いた以外は、実施例D5と同様にして、発光素子CD3を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子CD3に電圧を印加することによりEL発光が観測された。200cd/mにおける色度座標(x,y)は(0.33,0.29)であった。初期輝度が200cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度半減寿命を測定したところ、1.2時間であった。
Figure 0006596918

Claims (11)

  1. 陽極と、
    陰極と、
    陽極および陰極の間に設けられた第1の有機層と、
    陽極および陰極の間に設けられた第2の有機層とを有する発光素子であって、
    第1の有機層が、金属錯体と、式(H−1)で表される低分子化合物とを含有する層であり、
    第2の有機層が、金属錯体と、架橋材料の架橋体とを含有する層であり、
    第1の有機層に含有される金属錯体および第2の有機層に含有される金属錯体の一方が、式(1)で表される金属錯体であり、他方が、式(2)で表される金属錯体である発光素子。
    Figure 0006596918
    [式中、
    Ar H1 およびAr H2 は、それぞれ独立に、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    H1 およびn H2 は、それぞれ独立に、0または1を表す。n H1 が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。複数存在するn H2 は、同一でも異なっていてもよい。
    H3 は、0以上10以下の整数を表す。
    H1 は、アリーレン基、2価の複素環基、または、−[C(R H11 ]n H11 −で表される基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。L H1 が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。n H11 は、1以上10以下の整数を表す。R H11 は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するR H11 は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
    H2 は、−N(−L H21 −R H21 )−で表される基を表す。L H2 が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。L H21 は、単結合、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R H21 は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
    Figure 0006596918
    [式中、
    は、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子または白金原子を表す。
    は1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表し、n+nは2または3である。Mがルテニウム原子、ロジウム原子またはイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mがパラジウム原子または白金原子の場合、n+nは2である。
    およびEは、それぞれ独立に、炭素原子または窒素原子を表す。但し、EおよびEの少なくとも一方は炭素原子である。
    環Rは、5員の芳香族複素環を表し、この環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    環Rは、芳香族炭化水素環または芳香族複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    環Rが有していてもよい置換基と環Rが有していてもよい置換基とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    但し、環Rおよび環Rからなる群から選ばれる少なくとも1つの環は、式(1−S)で表される基を有する。
    −G−Aは、アニオン性の2座配位子を表す。AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。Gは、単結合、または、AおよびAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。A−G−Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 0006596918
    [式中、Ar1Sは、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
    Figure 0006596918
    [式中、
    は、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子または白金原子を表す。
    は1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表し、n+nは2または3である。Mがルテニウム原子、ロジウム原子またはイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mがパラジウム原子または白金原子の場合、n+nは2である。
    は、炭素原子または窒素原子を表す。
    環Lは、6員の芳香族複素環を表し、この環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環Lが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    環Lは、芳香族炭化水素環または芳香族複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環Lが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    環Lが有していてもよい置換基と環Lが有していてもよい置換基とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    但し、環Lおよび環Lからなる群から選ばれる少なくとも1つの環は、式(1−T)で表される基を有する。
    −G−Aは、アニオン性の2座配位子を表す。AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。Gは、単結合、または、AおよびAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。A−G−Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 0006596918
    [式中、Ar1Tは、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
  2. 前記第1の有機層と、前記第2の有機層とが、隣接している、請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記第2の有機層が、前記陽極および前記第1の有機層との間に設けられた層である、請求項1または2に記載の発光素子。
  4. 前記式(1)で表される金属錯体が、式(1−A)で表される金属錯体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光素子。
    Figure 0006596918
    [式中、
    、n、n、EおよびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
    11A、E12A、E13A、E21A、E22A、E23AおよびE24Aは、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。E11A、E12A、E13A、E21A、E22A、E23AおよびE24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。E11A、E12AおよびE13Aが窒素原子の場合、R11A、R12AおよびR13Aは、存在しても存在しなくてもよい。E21A、E22A、E23AおよびE24Aが窒素原子の場合、R21A、R22A、R23AおよびR24Aは、存在しない。
    11A、R12A、R13A、R21A、R22A、R23AおよびR24Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R11A、R12A、R13A、R21A、R22A、R23AおよびR24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R11AとR12A、R12AとR13A、R11AとR21A、R21AとR22A、R22AとR23A、および、R23AとR24Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。但し、R11A、R12A、R13A、R21A、R22A、R23AおよびR24Aからなる群から選ばれる少なくとも1つは、前記式(1−S)で表される基である。
    環R1Aは、窒素原子、E、E11A、E12AおよびE13Aとで構成されるトリアゾール環またはジアゾール環を表す。
    環R2Aは、2つの炭素原子、E21A、E22A、E23AおよびE24Aとで構成されるベンゼン環、ピリジン環またはピリミジン環を表す。]
  5. 前記式(1−A)で表される金属錯体が、式(1−A1)で表される金属錯体、式(1−A2)で表される金属錯体、式(1−A3)で表される金属錯体または式(1−A4)で表される金属錯体である、請求項4に記載の発光素子。
    Figure 0006596918
    [式中、M、n、n、R11A、R12A、R13A、R21A、R22A、R23A、R24AおよびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。]
  6. 前記式(2)で表される金属錯体が、式(2−B)で表される金属錯体である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発光素子。
    Figure 0006596918
    [式中、
    、n、nおよびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。
    11B、E12B、E13B、E14B、E21B、E22B、E23BおよびE24Bは、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。E11B、E12B、E13B、E14B、E21B、E22B、E23BおよびE24Bが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。E11B、E12B、E13B、E14B、E21B、E22B、E23BおよびE24Bが窒素原子の場合、R11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23BおよびR24Bは、存在しない。
    11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23BおよびR24Bは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23BおよびR24Bが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R11BとR12B、R12BとR13B、R13BとR14B、R11BとR21B、R21BとR22B、R22BとR23B、および、R23BとR24Bは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。但し、R11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23BおよびR24Bからなる群から選ばれる少なくとも1つは、前記式(1−T)で表される基である。
    環L1Bは、窒素原子、炭素原子、E11B、E12B、E13BおよびE14Bとで構成されるピリジン環またはピリミジン環を表す。
    環L2Bは、2つの炭素原子、E21B、E22B、E23BおよびE24Bとで構成されるベンゼン環、ピリジン環またはピリミジン環を表す。]
  7. 前記式(2−B)で表される金属錯体が、式(2−B1)で表される金属錯体、式(2−B2)で表される金属錯体、式(2−B3)で表される金属錯体、式(2−B4)で表される金属錯体または式(2−B5)で表される金属錯体である、請求項6に記載の発光素子。
    Figure 0006596918
    [式中、
    、n、n、A−G−A、R11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23BおよびR24Bは、前記と同じ意味を表す。
    31およびn32は、それぞれ独立に、1以上の整数を表し、n31+n32は2または3である。Mがルテニウム原子、ロジウム原子またはイリジウム原子の場合、n31+n32は3であり、Mがパラジウム原子または白金原子の場合、n31+n32は2である。
    15B、R16B、R17BおよびR18Bは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R15B、R16B、R17BおよびR18Bが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R15BとR16B、R16BとR17B、および、R17BとR18Bは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    但し、R11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23BおよびR24Bからなる群から選ばれる少なくとも1つは、前記式(1−T)で表される基である。]
  8. 前記架橋材料が、
    架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する低分子化合物、または、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発光素子。
    (架橋基A群)
    Figure 0006596918
    [式中、RXLは、メチレン基、酸素原子または硫黄原子を表し、nXLは、0〜5の整数を表す。RXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、nXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。*1は結合位置を表す。これらの架橋基は置換基を有していてもよい。]
  9. 前記架橋材料が、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物である、請求項8に記載の発光素子。
  10. 前記架橋構成単位が、式(3)で表される構成単位または式(4)で表される構成単位である、請求項9に記載の発光素子。
    Figure 0006596918
    [式中、
    nAは0〜5の整数を表し、nは1または2を表す。
    Arは、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’−で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Lが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    Xは、前記架橋基A群から選ばれる架橋基を表す。Xが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 0006596918
    [式中、
    mAは0〜5の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、cは0または1を表す。mAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    Arは、芳香族炭化水素基、複素環基、または、少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    ArおよびArは、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    Ar、ArおよびArはそれぞれ、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と、直接または酸素原子もしくは硫黄原子を介して結合して、環を形成していてもよい。
    は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’’−で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Kが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    X’は、前記架橋基A群から選ばれる架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    但し、少なくとも1つのX’は、前記架橋基A群から選ばれる架橋基である。]
  11. 前記Ar1Tが、式(D−A)で表される基、式(D−B)で表される基または式(D−C)で表される基である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の発光素子。
    Figure 0006596918
    [式中、
    DA1、mDA2およびmDA3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
    DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    ArDA1、ArDA2およびArDA3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2およびArDA3が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
    DAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 0006596918
    [式中、
    DA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
    DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるGDAは、同一でも異なっていてもよい。
    ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
    DAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 0006596918
    [式中、
    DA1は、0以上の整数を表す。
    ArDA1は、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1が複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    DAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
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