JP6468129B2 - 排気ガス制御弁 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両に搭載されている内燃機関(以下、「エンジン」と呼ぶ。)から排出される排気ガスの流量をコントロールする排気ガス制御弁、とりわけ、排気ガスの一部をエンジンの吸気管内に再循環させる排気ガス再循環装置(以下、「EGR装置」と略称する。)に適用して好適な排気ガス制御弁に関する。
〔従来の技術〕
従来よりEGR装置用の排気ガス制御弁としては種々の構成のものが実用に供されているが、近年においては、小型・安価で高性能が得られるという観点から、排気ガス通路を弁体およびバルブシャフトの軸方向移動によって開閉する、所謂「ポペットタイプ」構造の弁機構が専ら採用されるようになってきた。
ことに、自動車に搭載される機器には、厳しい小型化・コストダウンの要求が課せられていることから、特許文献1に記載のごとき具体的構造で代表される「ポペットタイプ」の排気ガス制御弁が賞用されている。
かかる排気ガス制御弁を図7に基づき概説するに、当該制御弁は、排気ガス通路80を開閉する弁体1、2をバルブシャフト3によって軸方向に往復動させるポペットタイプであって、弁体1、2をバルブシャフト3の一端側で支持させ、このバルブシャフト3の他端側をハウジング8に対して軸方向に摺動自在に支承させる基本構成である。そして、バルブシャフト3の支承構造には軸受9が用いられているのが通例で、開弁時にこの軸受9部分が排気ガスに晒されることになる。
そこで、バルブシャフト3の円滑な軸方向移動を犠牲にすることなく、バルブシャフト3の外周面と軸受9の内周面との間に排気ガス中の不純物(デポジット生成成分)が侵入するのを抑制する必要があり、ポペットタイプ特有のデポジット抑止構造Dが採用されている。
つまり、かかるデポジット抑止構造Dは、バルブシャフト3側にカップ状のスリーブ30を固定するとともに、軸受9側に円筒状のガイド90を固定し、この両者をスライド可能に嵌合(カップリング)させることにより、スリーブ30、ガイド90間に隘路(ラビリンス)94を形成することで、バルブシャフト3および軸受9間の摺動抵抗を何ら増大させることなく、排気ガス中のデポジット生成成分が軸受9部分に到達(堆積)し難くしている。
〔従来技術の問題点〕
ところが、上述のデポジット抑止構造Dを有する排気ガス制御弁において、最近の過酷な使用条件や使用頻度の高まりとともに、閉弁要求時にもかかわらず弁体1、2がバルブシート4、5部に着座しなくなる、所謂閉弁不良という不測の事態を招くことが散見されるようになってきた。
本発明者は、その原因を究明すべく、数多の実験・研究を重ねてきたところ、このたび、次のような事象が内在していることを突き止めるに至った。
(1)閉弁不良品を分解し、精査したところ、驚くことには円筒状ガイド90の底部領域にデポジットが堆積しており、スリーブ30のカップ部上端面が上記堆積物に衝当する結果、バルブシャフト3の閉弁に要するストロークが不足し、閉弁不良に至ることが判明した。
(2)と同時に、かかる結果は予想外のものであった。つまり、円筒状ガイド90とカップ状スリーブ30とが嵌合するカップリング部は、単なるラビリンス効果に止まらず、バルブシャフト3の往復動に伴ってカップリング部の内部空間には拡張・収縮を繰り返す所謂ポンピング作用が生じる。これにより、カップリング部に侵入した排気ガス中のデポジット生成成分もそのポンピング作用を受けてカップリング部外に良好に排出されるため、円筒状ガイド90の底部領域を含め、カップリング部内において問題となるようなデポジット堆積物が生成されにくいと考えられてきたからである。
(3)そこで、デポジット対策の一環として、上記ポンピング作用を増強させるとの企図から、カップリング部分の軸方向長さを大きくしカップリング部内の容積を実質的に増大させる改善策に取り組んだものの、弁全体を軸長の長い大型にした割には大した改善効果を望めなかった。
(4)本発明者は、カップリング部の入口側でデポジット生成成分の侵入をできるだけ抑止することに着目し、カップリング部のポンピング作用を活用するという基本的なメカニズムを変更することなく、バルブ装置全体の小型軽量化を図ることが可能なデポジット抑止構造の方策について探究した。
特開2004−340053号公報
本発明は、上記の事情にかんがみてなされたものであって、その目的とするところは、従前の構造を若干改良するだけの小型簡潔・安価な構造で長期間にわたり軸受部分に対するデポジット抑止効果を発揮することができる排気ガス制御弁を提供することにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の発明(排気ガス制御弁)は、排気ガス通路を有するハウジングと、排気ガス通路を開閉する弁体と、一端側で弁体を支持するとともに、自身の軸方向に駆動されて所定のバルブシートに弁体を離着座させるバルブシャフトと、バルブシャフトの他端側をハウジングに対して軸方向に摺動自在に支承する軸受とを備え、バルブシャフトが軸方向一端側に駆動されて弁体がバルブシートから離座することで排気ガス通路が開かれ、バルブシャフトが軸方向他端側に駆動されて弁体がバルブシートに着座することで排気ガス通路が閉じられる。
また、この排気ガス制御弁は、一端が弁体と軸受との間においてバルブシャフト側に固定され、他端が軸受側に向かって開口しているカップ状のスリーブと、一端がスリーブの内周側に遊嵌されるとともに一端よりも他端側で軸受側に固定され、スリーブの内周側とバルブシャフトの外周側との間にU字状の隘路を形成する第1の円筒部を有するガイドとを備え、スリーブの他端は、隘路の入口を形成し、バルブシャフトが軸方向他端側に駆動されると他端側に移動して隘路の入口を縮小し、バルブシャフトが軸方向一端側に駆動されると一端側に移動して隘路の入口を拡大し、スリーブの外周側には、外径方向に突出形成され、スリーブの外周に沿って隘路に向かう排気ガスを放射状に拡散させる張出部が設けられている。
上記構成の本発明によれば、カップ状スリーブと円筒状ガイドとのカップリング部内(隘路)に向かう排気ガスをその入口側で放射状に拡散させるため、デポジット生成成分が隘路に侵入するのを抑止することができる。しかも、構造面においては、スリーブに張出部を追設するだけの極めて簡単な構成であり、弁機構の小型簡潔化に貢献できる。したがって、小型簡潔・安価な構造で長期間にわたり軸受部分に対するデポジット抑止効果を発揮できる有用な排気ガス制御弁を提供することができる。
本発明の排気ガス制御弁の代表的な適用例であるEGR装置用のEGRガス制御弁の一実施形態について当該制御弁の全体構成の説明に供するもので、当該制御弁の模式的縦断面図である(実施例1)。 上記EGRガス制御弁における主要部の拡大縦断面図である(実施例1)。 本発明の排気ガス制御弁の他の実施形態を示す主要部の拡大縦断面図である(実施例2)。 本発明の排気ガス制御弁の他の実施形態を示す主要部の拡大縦断面図である(実施例3)。 本発明の排気ガス制御弁の他の実施形態を示す主要部の拡大縦断面図である(実施例3)。 本発明を適用するEGR装置の全体構成を説明するための模式図である。 従来の排気ガス制御弁の要部縦断面図(従来技術)である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に示す実施例にしたがって詳細に説明する。
本実施例は、本発明(排気ガス制御弁)の代表的な適用例として排気ガス再循環装置(EGR装置)への適用例について示しており、以下の説明では、まず、EGR装置の基本構成および排気ガス制御弁の位置付けを概説したのち、排気ガス制御弁の基本的構成および実施例毎の特徴的な機能について順次説明する。
なお、各図において、同一または均等部分には、同一符号を付し、重複説明を省略することとする。
[EGR装置の基本構成]
EGR装置は、図6に示すように、自動車等の車両に搭載されるエンジンEにおいて、各気筒毎の燃焼室より排出される排気ガスの一部をEGRガス(排気再循環ガス)としてエンジンEの吸気系に戻し再燃焼させるための装置であって、エンジン排気管P1とエンジン吸気管P2とを連結し、EGRガスを導入する排気ガス還流管P3と、この排気ガス還流管P3の途中に直列に配設され、EGRガスを冷却するEGRガスクーラCおよびEGRガスの流量を調整するEGRガス制御弁Vと、このEGRガス制御弁Vのバルブ開度を制御する電子制御手段U(通常、エンジンEの運転状態を電子的に制御する電子制御ユニット(ECU)に組み込まれている)とを備えている。
EGRガス制御弁Vは、吸入空気中に混入させるEGRガスの量(新規吸入空気量に対するEGRガス量の率)を可変制御する中枢機能部品であって、基本的には電磁式流量制御弁(電磁弁)で構成されている。そして、このEGRガス制御弁Vには、排気ガス通路を弁体およびバルブシャフトの軸方向移動によって開閉する、所謂「ポペットタイプ」の弁機構が採用されている。
このような中枢機能部品のEGRガス制御弁Vに、本発明の排気ガス制御弁が好適である。
[実施例1]
以下、上記のEGRガス制御弁Vに適用する本発明の排気ガス制御弁の一実施形態(実施例1)について図1を参照しながら説明する。
[実施例1の構成]
排気ガス制御弁100は、EGRガス制御弁Vとして機能するため、とりわけ、ダブルポペットタイプの弁機構を備えている。この弁機構は、排気ガス通路を開閉する弁体、つまり、EGRガスの流量に相当するEGR量を可変制御する弁体として、第1弁体1と第2弁体2との2つの弁体を有しており、共通のバルブシャフト3でこれら第1、第2弁体1、2を一体的に軸方向に駆動するようになっている。そして、上記の第1、第2弁体1、2とともに、ダブルポペット弁機構を構成するバルブシート(弁座)として、第1弁体1によって開閉される第1流路孔11を形成する第1バルブシート4と、第2弁体2によって開閉される第2流路孔12を形成する第2バルブシート5とを有している。
また、排気ガス制御弁100は、上記構成のダブルポペット弁機構に付随して、付勢手段6、バルブ駆動装置7およびこれらの機構、部品、装置等を収納もしくは保持するハウジング8を備えている。
付勢手段6は、バルブシャフト3に対して2つの弁体1、2を各バルブシート4、5に押し当てる方向(各第1、第2流路孔11、12を閉じる側)にばね荷重を付与するもので、通常、コイルスプリングで構成されている。
バルブ駆動装置7は、電子制御手段Uからの指令信号に基づいてバルブシャフト3を付勢手段6に抗して軸方向(弁体1、2が各バルブシート4、5から離座する方向)に駆動するもので、通常、電磁式アクチュエータで構成されている。
ダブルポペット弁機構は、主要構成部品である第1、第2弁体1、2、バルブシャフト3、および第1、第2バルブシート4、5が、すべて耐熱性および耐腐食性に優れた金属材料(例えばSUS304のステンレス鋼等)によって作製されている。
第1、第2弁体1、2は、いずれも円環板状に形成されており、バルブシャフト3の一端側において圧入・溶接等の適宜な固定手段により固定されている。そして、軸方向に所定の寸法(所定のバルブ間距離)を隔てて配置されている。
第1弁体1は、バルブシャフト3の軸線方向を天地方向としたとき、第2弁体2よりも天地方向の天側に位置し、第1バルブシート4に対して離着座して第1流路孔11を開閉する第1バルブ(EGR制御弁の第1バルブ)を構成している。
第2弁体2は、第1弁体1よりも天地方向の地側に位置し、第2バルブシート5に対して離着座して第2流路孔12を開閉する第2バルブ(EGR制御弁の第2バルブ)を構成している。
バルブシャフト3は、全体として棒状体を呈しているものの、一端側の先端部分(地側)が小径部3aに形成されていて、ここに前述の第2弁体2が組み付けられている。
また、バルブシャフト3は、他端側で軸受9によってハウジング8に対して軸方向に摺動自在に支承されている。そして、この他端側の先端部分(天側)がハウジング8から外部へ突出し、バルブ駆動装置7内に介入しており、コイルスプリング6が張架され、バルブ駆動装置7に連結されている。
第1、第2バルブシート4、5は、第1、第2流路孔11、12を有する円環状に形成されており、第1、第2弁体1、2と同様の軸方向間隔を隔てて対向し、かつ、同心的にハウジング8に圧入固定されている。
ハウジング8は、アルミニウムを主体とするアルミニウム合金(Al−Cu−S
i系合金またはAl−Mg系合金)によって所定の形状に形成されている。
そして、ハウジング8の内部には、排気ガス通路80として、共通流路81と2つの分岐流路82、83とによって構成される三方流路が形成されている。
共通流路81は、第1バルブシート4と第2バルブシート5との間に位置し、それぞれの流路孔11、12の入口側に共通して連通するように設けられている。これに対し、2つの分岐流路82、83は、第1分岐流路82が第1流路孔11の出口側と、第2分岐流路83が第2流路孔12の出口側とそれぞれ連通するように設けられている。
したがって、第1弁体1が、共通流路81と第1分岐流路82との間を、第2弁体2が、共通流路81と第2分岐流路83との間を開閉するようになっている。
そして、共通流路81が排気ガス還流管P3の上流側(エンジン排気管P1)に接続され、2つの分岐流路82、83が合流されて排気ガス還流管P3の下流側(エンジン吸気管P2)に接続される。第1、第2弁体1、2を支持しているバルブシャフト3は、第1、第2弁体1、2の開弁時、特に、第1弁体1の開弁時に軸受9側が排気ガスに晒されることになる。
ここで、排気ガスには、燃焼残滓やカーボン等の微粒子状の不純物(パティキュレート;デポジット生成成分)が含まれている。この不純物が、バルブシャフト3の外周面と軸受9の内周面との間に侵入しデポジットとして付着すると、バルブシャフト3の円滑な摺動が阻害され、動作不良を招く可能性がある。
そこで、バルブシャフト3の円滑な軸方向移動を犠牲にすることなく、バルブシャフト3の外周面と軸受9の内周面との間に排気ガス中のデポジット生成成分が侵入するのを抑制するデポジット抑止構造Dが採用されている。
このデポジット抑止構造Dは、図2に拡大して示すように、バルブシャフト3側に設けられるカップ状のスリーブ30と、軸受9側に設けられる円筒状のガイド90との2部品を基本構成としている。
このスリーブ30およびガイド90は、ともに、耐熱性および耐腐食性に優れた金属板(例えばSUS304のステンレス鋼板等)を用いて作製されている。例えば、円板状の金属板から絞り成形加工によりパイプ状に形成するとか、平板状金属板を丸めてパイプ状に形成するなどによって作製される。
カップ状のスリーブ30は、一端(地側)の筒状基部31から他端(天側)に向かってラッパ状に拡径して開口している円筒状カップ部32を有している。なお、この円筒状カップ部32は、本発明が適用される以前の従来構造においては仮想線で示すごとくストレートの直円筒形状を呈している(図7参照)。
そして、スリーブ30は、一端の筒状基部31が第1弁体1と軸受9との間においてバルブシャフト3の取付け用環状溝3bにカシメにより固定されており、他端の円筒状カップ部32が軸受9側に向かって開口している。
円筒状のガイド90は、環状基部91の内、外周側からそれぞれ同一軸方向(地側)に向かって垂下する小径の第1円筒部92と、大径の第2円筒部93とを有している。
第1、第2の円筒部92、93は、同心状に設けられているが、外側に位置する大径の第2円筒部93の方が内側に位置する小径の第1円筒部92に比して、軸方向長が短く形成されている。
そして、このガイド90は、他端(天側)の環状基部91が、軸受9側に固定されるとともに一端側(地側)の第1、第2円筒部92、93がスリーブ30の円筒状カップ部32の内、外周側に遊嵌されている。つまり、両者はバルブシャフト3の軸方向移動に伴って非接触でスライド可能なカップリング部を構成している。
このカップリング部の内部には、スリーブ30の円筒状カップ部32の内周側とバルブシャフト3の外周側との間にガイド90の第1円筒部92が介入することで、矢印Rのごとき流れを画成するU字状の隘路(ラビリンス)94が形成されている。また、スリーブ30の円筒状カップ部32の外周側と、ガイド90の第2円筒部93の内周側との間には、上記隘路94に連なる流入側隘路(ラビリンス)95が形成されている。
なお、本実施例では、この流入側隘路95の入口側を狭窄する(入口側の有効開口面積を小さくする)ために、環状部材96が設けられている。この環状部材96は、スリーブ30の円筒状カップ部32の外径より大きく、かつ、ガイド90の第2円筒部93の内径より小さい内径を有しており、流入側隘路95の入口側を適宜狭窄し、入口側の有効開口面積を小さくしている。
[実施例1の作用]
上記構成になる排気ガス制御弁100において、まず、EGRガス制御弁Vとしての基本作動を説明する。
EGR装置を機能させるべく、排気ガス還流管P3を開路するために、電子制御手段Uから排気ガス制御弁100に対して開弁指令が出される。
かかる開弁指令を受けた排気ガス制御弁100は、バルブ駆動装置7がバルブシャフト3を付勢手段6に抗して地側に押し下げて、第1、第2弁体1、2を第1、第2バルブシート4、5から離座させ、第1、第2流路孔11、12を開放する。これにより、共通流路81が分岐流路82、83と連通し、エンジン排気管P1側の排気ガス還流管P3⇒共通流路81⇒分岐流路82、83⇒エンジン吸気管P2側の排気ガス還流管P3の流通経路が形成される。
かくして、エンジン排気管P1とエンジン吸気管P2とが排気ガス還流管P3を介して連通し、エンジンEからの排気ガスの一部がEGRガスとしてエンジンEの吸気系へと再循環される。
ここで、上記の排気ガス制御弁100の開弁時には、共通流路81が分岐流路82、83と連通し、バルブシャフト3の軸受9側が排気ガスに晒されるために、バルブシャフト3の外周面と軸受9の内周面との間に排気ガス中の不純物(デポジット生成成分)が侵入するのを抑制する必要があり、ポペットタイプ特有のデポジット抑止構造Dが採用されている。
かかるデポジット抑止構造Dは、バルブシャフト3側のカップ状スリーブ30と軸受9側の円筒状ガイド90とが嵌合(カップリング)し、スリーブ30、ガイド90間に隘路(ラビリンス)94を形成しているため、バルブシャフト3および軸受9間の摺動抵抗を何ら増大させることなく、排気ガスのデポジット生成成分が軸受9部分に到達し難くしている。
ところが、上記のデポジット抑止構造Dにおいて、円筒状ガイド90の環状基部91の内側底部にデポジットが堆積し閉弁不良を招く恐れがある。
とりわけ、近年、EGR装置の高性能化に伴い、排気ガス還流管3の途中にEGRガスクーラCを設置したEGR装置が急増している(図6参照)。
かかるEGR装置にあっては、EGRガスクーラCによってEGRガスを冷却しているため、EGRガス中に、排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)が溶解した凝縮水(流動性不純物)が発生する頻度が高い。そして、EGRガス量をより適正にコントロールすべく、EGRガスクーラCよりもEGRガス流方向の下流側にEGRガス制御弁Vを設置することになるが、かくした場合には、上記凝縮水がそのまま弁内に取り込まれるため、EGRガス制御弁Vはデポジットが生成され易い環境下に置かれることになる。
このような過酷な使用条件が、上記のデポジット堆積を招く要因になっているものと推認された。
〔実施例1の特徴〕
本実施例では、上記の過酷な使用条件下においても、デポジット抑止構造D内にデポジット堆積が生じるのを抑制するために、スリーブ30の外周側において、スリーブ30の外周面に沿って隘路95、94に向かう排気ガスを放射状に拡散させる張出部10を設けることを特徴としている。
その具体的な構造について、主要部を拡大して示す図2に基づいて説明する。
カップ状のスリーブ30には、張出部10として、塑性変形部からなる環状板部33が設けられている。この環状板部33は、円筒状カップ部32の一部を、例えば絞り成形加工により内周側から外周側へ膨出変形(塑性変形)させることで一体形成したものであり、円筒状カップ部32の外周側において所定幅で外径方向に鍔状に突出している。
上記構造によれば、弁体1の開弁により共通流路81から分岐流路82に流入した排気ガスは、スリーブ30の外周面に沿って軸方向に上昇していくが、環状板部33に突き当ることにより流れ方向が径方向に急激かつ強制的に変えられることになる。この結果、排気ガスが放射状に拡散し、このとき、とりわけ比重の重いデポジット生成成分が外径方向に飛散するため、デポジット生成成分が流入側隘路95へ流入するのを極力抑制することができる。
上述した実施例1よれば、性能面および構造面で次のような効果が得られる。
〔性能面での効果〕
(1)デポジット生成成分が流入側隘路95へ流入するのを極力抑制することで、デポジット抑止構造Dにおいて、円筒状ガイド90の環状基部91の内側底部を含む、カップリング部内部にデポジットが堆積するのを防ぐことができる。
(2)特に、本実施例では、流入側隘路95の入口側を狭窄する(入口側の有効開口面積を小さくする)ために、環状部材96を設けているため、環状部材96による侵入抑止効果との相乗作用により、流入側隘路95へデポジット生成成分が流入するのを一層抑止することができる。
(3)かくして、過酷な使用条件下においても、長期間にわたり軸受9部分に対するデポジット抑止効果を発揮できる有用な排気ガス制御弁100を提供することができる。
〔構造面での効果〕
(1)既設のデポジット抑止構造Dにおいて、スリーブ30に張出部10を追設するだけの極めて簡単な構成である。
(2)特に、スリーブ30には、張出部10として、塑性変形部からなる環状板部33を設けており、スリーブ30の製作過程で張出部10を一体形成できるため、部品管理や後組み付け工程が不要である。
(3)したがって、小型簡潔・安価な構造で長期間にわたり軸受9部分に対するデポジット抑止効果を発揮できる有用な排気ガス制御弁100を提供することができる。
[実施例2]
次に、本発明の排気ガス制御弁の他の実施形態として、実施例2について、上述の実施例1との相違点を中心に図3に基づいて説明する。
この実施例2は、カップ状のスリーブ30に設ける張出部10を、スリーブ30とは別部品である環状板34で構成したものである。
環状板34は、例えば、所定の厚みTと所定の径方向幅Wを有する平ワッシャが用いられ、スリーブ30において円筒状カップ部32の外周に嵌着している。
本実施例2においても、流入側隘路95の入口側で、環状板34によって排気ガスが放射状に拡散し、デポジット生成成分が流入側隘路95へ流入するのを極力抑制することができる。したがって、実施例1と同様なデポジット抑止効果を得ることができる。
特に、本実施例によれば、環状板34はスリーブ30に対して後組み付けできるため、環状板34の嵌着位置を機種に応じた適正位置に任意に設定することができる。
また、環状板34の厚みTや径方向幅Wを適宜選定することで、デポジット抑止効果を調整することができる。
さらに、環状板34は、平ワッシャのごとき安価な汎用部品を活用することができ、経済的である。
[実施例3]
次に、本発明の排気ガス制御弁の他の実施形態として、実施例3について、上述の実施例2との相違点を中心に図4に基づいて説明する。
この実施例3は、基本的にはスリーブ30に設ける張出部10として、スリーブ30の外周に嵌着される別部品(環状板)を用いる点で、上記実施例2と同様の構造であり、同様のデポジット抑止効果を得ることができるが、本実施例3の環状板35は、円環部35aの中心部分に嵌着用円筒部35bを有する断面L字形を呈している。
本実施例3によれば、断面L字形の環状板35を、平板から嵌着用円筒部35bをプレス打ち抜き加工して作製する場合には、環状板35の板厚Tが薄い場合にも、嵌着用円筒部35bの軸方向長Lを加減してスリーブ30との固着有効面積を確保することが可能で、しっかりとスリーブ30の外周に固着することができる。
もっとも、環状板35を例えば鍛造品として作成し、板厚T自身を、周辺部と中心部とで異ならせ、円環部35aを薄板部分として形成し、嵌着用円筒部35aを厚板部分として形成するようにしても良い。
[実施例4]
次に、本発明の排気ガス制御弁の実施例4について、上述の実施例3との相違点を中心に図5に基づいて説明する。
この実施例4は、上記実施例3同様、基本的には円環部36aと嵌着用円筒部36bとを有する断面L字形の環状板36を用いているものの、円環部36aが上向きに傾斜して開口している皿形状をなしている。
本実施例4によれば、環状板36の外周面が上方に向かって拡径する円錐面をなしているため、この円錐面に沿って排気ガスをスムーズに遠ざけ、拡散することができる。
〔変形例;他の実施例〕
以上本発明を4つの実施例について詳述してきたが、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々変形することが可能であり、その変形例を以下に例示する。
(1)上記実施例においては、円筒状のガイド90に第2の円筒部93を設け、流入側隘路95を積極的に形成したが、本発明の適用により排気ガスを放射状に拡散させるため、かかる隘路95を省略することが可能となる。同様に、環状部材96を省略することも可能である。
(2)実施例1および実施例2において、環状板部33および環状板34を、実施例4の円環部36aと同様、上向きに(つまり、スリーブ30に対し弁体1の反対側に)傾斜して開口する皿形状に形成することで、実施例4と同様な効果を得ることができる。
(3)また、EGR装置についても、図6に例示したシステム構成の他にEGRガス制御弁Vの配置を異ならせた種々なシステム構成のものが知られている。このようなEGR装置にあっても、EGRガス制御弁Vに「ポペットタイプ」構造の弁機構が採用されている限りにおいては、すべて本発明の排気ガス制御弁を適用することができる。その際、弁機構の弁体が1個でも、3個以上であっても、特に問題なく有用できる。
(4)また、EGRガス制御弁V以外にも、排気ガスの流路を切り換える切換弁やエンジン排気管P1内に設置される排気ガス制御弁など他の排気ガス制御弁にも本発明を適用できることは勿論である。
1…第1弁体、2…第2弁体、3…バルブシャフト、4…第1バルブシート、5…第2バルブシート、8…ハウジング、9…軸受、10…張出部、30…カップ状のスリーブ、33…塑性変形部(張出部)、34…環状板(張出部)、35…環状板(張出部)、36…環状板(張出部)、80…排気ガス通路、90…円筒状のガイド、92…第1の円筒部、93…第2の円筒部、94…U字状の隘路、100…排気ガス制御弁。

Claims (7)

  1. 排気ガス通路(80)を有するハウジング(8)と、
    前記排気ガス通路を開閉する弁体(1、2)と、
    一端側で前記弁体を支持するとともに、自身の軸方向に駆動されて所定のバルブシート(4、5)に前記弁体を離着座させるバルブシャフト(3)と、
    前記バルブシャフトの他端側を前記ハウジングに対して軸方向に摺動自在に支承する軸受(9)とを備え、
    前記バルブシャフトが軸方向一端側に駆動されて前記弁体が前記バルブシートから離座することで前記排気ガス通路が開かれ、前記バルブシャフトが軸方向他端側に駆動されて前記弁体が前記バルブシートに着座することで前記排気ガス通路が閉じられる排気ガス制御弁において、
    一端が前記弁体と前記軸受との間において前記バルブシャフト側に固定され、他端が前記軸受側に向かって開口しているカップ状のスリーブ(30)と、
    一端が前記スリーブの内周側に遊嵌されるとともに一端よりも他端側で前記軸受側に固定され、前記スリーブの内周側と前記バルブシャフトの外周側との間にU字状の隘路(94)を形成する第1の円筒部(92)を有するガイド(90)とを備え、
    前記スリーブの他端は、前記隘路の入口を形成し、前記バルブシャフトが軸方向他端側に駆動されると他端側に移動して前記隘路の入口を縮小し、前記バルブシャフトが軸方向一端側に駆動されると一端側に移動して前記隘路の入口を拡大し、
    前記スリーブの外周側には、
    外径方向に突出形成され、前記スリーブの外周に沿って前記隘路に向かう排気ガスを放射状に拡散させる張出部(10)が設けられていることを特徴とする排気ガス制御弁。
  2. 請求項1に記載の排気ガス制御弁において、
    前記ガイドは、前記第1の円筒部に対して径大で同心状に設けられ、前記スリーブの外周側に遊嵌し、前記スリーブの外周側との間に前記隘路に連なる流入側隘路(95)を形成する第2の円筒部(93)を有しており、
    前記張出部は、前記流入側隘路に対向していることを特徴とする排気ガス制御弁。
  3. 請求項2に記載の排気ガス制御弁において、
    前記ハウジングには、前記スリーブの外径より大きく、かつ、前記第2の円筒部の内径より小さい内径を有し、前記流入側隘路の入口側を狭窄する環状部材(96)が設けられていることを特徴とする排気ガス制御弁。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の排気ガス制御弁において、
    前記スリーブは、金属板によりパイプ状に形成されており、
    前記張出部は、前記スリーブの一部を外径方向に膨出させて前記スリーブに一体形成した塑性変形部(33)で構成されていることを特徴とする排気ガス制御弁。
  5. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の排気ガス制御弁において、
    前記張出部は、前記スリーブの外周に嵌着した環状板(34、35、36)で構成されていることを特徴とする排気ガス制御弁。
  6. 請求項5に記載の排気ガス制御弁において、
    前記環状板は、円環部(35、36)の中心部に嵌着用円筒部(35、36)を有する断面L字形を呈していることを特徴とする排気ガス制御弁。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の排気ガス制御弁において、
    前記張出部(10、34、35、36)は、前記スリーブに対し前記弁体の反対側に傾斜して開口する皿形状に形成されていることを特徴とする排気ガス制御弁。
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