JP6467270B2 - ノルボルネン系付加共重合体の製造方法 - Google Patents

ノルボルネン系付加共重合体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6467270B2
JP6467270B2 JP2015076619A JP2015076619A JP6467270B2 JP 6467270 B2 JP6467270 B2 JP 6467270B2 JP 2015076619 A JP2015076619 A JP 2015076619A JP 2015076619 A JP2015076619 A JP 2015076619A JP 6467270 B2 JP6467270 B2 JP 6467270B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
norbornene
copolymer
carbon atoms
polymerization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015076619A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016196552A (ja
Inventor
拓也 森脇
拓也 森脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2015076619A priority Critical patent/JP6467270B2/ja
Publication of JP2016196552A publication Critical patent/JP2016196552A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6467270B2 publication Critical patent/JP6467270B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

本発明はノルボルネン系モノマーの共重合体の製造方法に関する。
従来、ノルボルネン系重合体を代表とする環状オレフィン系付加重合体は耐熱性及び透明性に優れる有機材料として、光学フィルム等の分野で工業的に利用されている。このような環状オレフィン系付加重合体はチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)等の遷移金属化合物を含む触媒を用いて環状オレフィン系モノマーを付加重合することにより製造できることが種々報告されている。
例えば、シクロペンタジエニル配位子を有する第8〜10族遷移金属化合物を主触媒とし、これに主触媒と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できる助触媒を組み合わせることにより極性基を有するノルボルネンとノルボルネンとの付加共重合を効率良く実施でき、高分子量の共重合体が得られることが国際公開第06/064814号パンフレット(特許文献1)に開示されている。
しかし、特許文献1等は、研究開発の対象を高性能な触媒を見出すことに特化したものが多く、重合方法としては、いわゆる溶液重合での実施が主流で、製造工程の簡素化、製造コストの低減に着目した報告は非常に少なかった。
特許文献1では、ノルボルネン類の付加重合は溶液重合で実施し、その重合体溶液を重合体の貧溶媒であるメタノール中へ投入し、重合体を析出させて回収している。一般に溶液重合では、生成したポリマーが溶媒に溶解したまま重合反応が進行するため、重合終了後、ポリマーを固体状で取り出すには、ポリマー溶液を大量のポリマーの貧溶媒中に加えてポリマーを沈殿させた後、溶媒と分離する必要があり、工程が増えるのに加え、大量の溶媒を必要とし、そのリサイクルなどに掛かる費用のため製造コストが増大してしまうという欠点がある。
さらに、溶液重合では生成したポリマーが溶媒に溶解したまま重合反応が進行するため、ポリマーの生産量が増えてくると、溶液の粘度が著しく上昇し、撹拌ができなくなり、その影響で反応温度の制御が困難になるだけでなく、単位容積当りのポリマー生産量が高まらないという短所がある。
このように、複雑なポリマー分離工程、反応温度制御の難しさ、低生産性という問題のある溶液重合は、高性能な触媒を使用したとしても、工業的にポリマーを生産する方法には適さないという問題がある。
これらの問題を解決できるポリマーの製造方法として沈殿重合が知られている。沈殿重合では、反応溶媒として生成するポリマーの貧溶媒を使用することにより生成するポリマーを重合中に沈殿させ、反応液の粘度が上がるのを防ぐことができる。その結果、反応温度制御と生産性向上を両立でき、かつポリマーの分離が容易であるという利点を有する。しかし、環状オレフィン系重合体の製造方法として沈殿重合を利用した例は非常に少ない。
例えば、国際公開第08/069568号パンフレット(特許文献2)には、アンチソルベント(ポリマーの貧溶媒)として、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンを使用する沈殿重合を環状オレフィン系重合体の製造方法に適用することが開示されている。しかし、これらのアンチソルベントでは、極性基を有する環状オレフィン系重合体もしくは共重合体を製造する場合、生成したポリマーは沈殿するものの、沈殿したポリマーの表面にベタつきが発生し、ポリマーが反応器壁に付着し、重合が進んでいくと、やがては大きな塊状物となり、撹拌が困難になるという問題があった。また、特開2012−077296号公報(特許文献3)には、極性基を有するノルボルネン類の沈殿重合溶媒としてトルエン/酢酸エチルを用いた例が開示されているが、粉状で得られる重合体は不安定であり、互着して塊状物となりやすい。
このように極性基を有するノルボルネン系付加共重合体の製造方法において、沈殿したポリマー表面にベタつきがなく、反応温度制御や反応終了後のポリマーの分離が容易で、かつ生産性の高い、優れた沈殿重合法の例はなくその開発が望まれている。
国際公開第06/064814号パンフレット 国際公開第08/069568号パンフレット 特開2012−077296号公報
本発明は、極性基を有するノルボルネン系モノマーの付加共重合体を工業的に実施可能でかつ効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ノルボルネン系付加共重合体の沈殿重合法において、重合反応終了後、反応系内の温度を反応時の温度から低下させることで、ポリマーの懸濁状態を保ちつつ溶媒に溶存しているポリマーの析出を促進させ、その後、酢酸エステルを添加して希釈することでポリマー表面のベタつきが低減でき、極性基を有するノルボルネン系モノマーの付加共重合体を効率的に製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[7]のノルボルネン系付加共重合体の製造方法に関する。
[1] 一般式(1)
Figure 0006467270
及び一般式(2)
Figure 0006467270
(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2、R3及びR4はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
で示されるモノマーユニットに対応するノルボルネン系モノマーを、前記モノマーは溶解するが重合により生成するノルボルネン系付加共重合体は溶解しない溶媒を用い、沈殿重合法により付加共重合させて生成する共重合体液を、酢酸エステルを用いて希釈した後単離する際、希釈を開始する共重合体液の温度を30〜70℃とすることを特徴とするノルボルネン系付加共重合体の製造方法。
[2] 前記ノルボルネン系モノマーは溶解するが重合により生成するノルボルネン系付加共重合体は溶解しない溶媒が、ノルボルネン系付加共重合体の良溶媒と前記酢酸エステルとの混合溶媒である前項1に記載のノルボルネン系付加共重合体の製造方法。
[3] 前記良溶媒が芳香族炭化水素であり、前記酢酸エステルが酢酸エチルである前項2に記載のノルボルネン系付加共重合体の製造方法。
[4] 共重合体液を希釈する際の酢酸エステルの使用量が共重合体1kgに対し0.2〜1.2Lである前項1〜3のいずれかに記載のノルボルネン系付加共重合体の製造方法。
[5] 生成する共重合体の数平均分子量(Mn)が50,000〜500,000である前項1〜4のいずれかに記載のノルボルネン系付加共重合体の製造方法。
[6] 中心金属がパラジウム(Pd)またはニッケル(Ni)からなる遷移金属錯体(A)、遷移金属錯体(A)と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるイオン性化合物からなる助触媒(B)、及びホスフィン系配位子(C)を含有する触媒を用いて付加重合する前項1〜5のいずれかに記載のノルボルネン系付加共重合体の製造方法。
[7] 遷移金属錯体(A)が、一般式(3)
Figure 0006467270
(式中、Mはパラジウム(Pd)またはニッケル(Ni)を表し、R5、R6、R7、R8はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリーロキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシロキシ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜10の炭化水素基を有するアミド基、または炭素数1〜10のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、R5、R6、R7、R8は互いに結合して環構造を形成していてもよく、R9は水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R10は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R11、R12、R13、R14、R15はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R11、R12、R13、R14、R15は互いに結合して環構造を形成していてもよい。)で示される化合物である前項6に記載のノルボルネン系付加共重合体の製造方法。
本発明によればノルボルネンと極性基を有するノルボルネン系モノマーとの付加共重合体を効率良く製造することができる。本発明により得られるノルボルネン系付加共重合体は優れた透明性、耐熱性、低吸水性、電気絶縁特性等を有し、光学用途、医療用途、電材用途、包装材料用途、構造材料用途等の多くの用途に利用できる。
具体的には、レンズや偏光フィルム等の光学用成形品、フィルム、キャリアテープ、フィルムコンデンサー、フレキシブルプリント基板等の電気絶縁材料、プレススルーパッケージ、輸液バッグ、薬液バイアル等の医療用容器、ラップやトレイ等の食品包装成形品、電気器具等のケーシング、インナーパネル等の自動車内装部品、カーポートやグレージング等の建材等に利用可能である。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
[ノルボルネン系モノマー重合用触媒]
本発明に用いることのできるノルボルネン系モノマーの重合用触媒は、パラジウム(Pd)またはニッケル(Ni)からなる遷移金属錯体(A)の少なくとも1種を含有するものであればよいが、遷移金属錯体(A)と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるイオン性化合物である助触媒(B)(以下、「助触媒(B)」と略すことがある。)、及びホスフィン系配位子(C)をさらに含有するものが、より高い触媒活性を発現できる点で好ましい。
[遷移金属錯体(A)]
遷移金属錯体(A)は、中心金属がパラジウム(Pd)またはニッケル(Ni)である遷移金属錯体である。その中でも錯体の安定性、重合活性の観点からはπ−アリル配位子と2座配位子であるサリチルアルジミン配位子を有する錯体であることが望ましい。
ノルボルネン系モノマーの重合用触媒成分であるπ−アリル配位子と2座配位子であるサリチルアルジミン配位子を有する錯体は一般式(3)で示される。
Figure 0006467270
一般式(3)におけるMとしてはパラジウム(Pd)またはニッケル(Ni)を挙げることができるが、錯体の安定性、合成のしやすさの観点からパラジウムが好ましい。
一般式(3)におけるR5、R6、R7、R8はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリーロキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシロキシ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜10の炭化水素基を有するアミド基、または炭素数1〜10のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、R5、R6、R7、R8は互いに結合して環構造を形成していてもよい。
置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、2−メトキシエチル基等の炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖を有するアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、3−メトキシシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、アダマンチル基等の炭素数3〜20のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、4−フルオロフェニル基等の炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基またはアラルキル基が挙げられる。ハロゲン原子としては塩素原子、フッ素原子が挙げられる。アルコキシ基としては炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましく、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、sec−ブトキシ基等が挙げられる。アリーロキシ基としてはフェノキシ基、ベンジロキシ基等が挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリル基としてはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基等が、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシロキシ基としてはトリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基等が挙げられる。この他、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜10の炭化水素基を有するアミド基、炭素数1〜10のアルキル基を有するジアルキルアミノ基等が挙げられる。これらのうち、錯体の合成のしやすさの観点から、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子が好ましく、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。
一般式(3)におけるR9は水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す。具体例としては、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等の炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖を有するアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基等の炭素数3〜20のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基等の炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基、アラルキル基等が挙げられ、これらのうち、錯体の合成のしやすさの観点から、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
一般式(3)におけるR10は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等の炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖を有するアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基等の炭素数3〜20のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、ベンジル基等の炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基またはアラルキル基等が挙げられ、これらのうち、錯体の合成のしやすさ、及び錯体の安定性の観点から、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基が好ましく、フェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基が特に好ましい。
一般式(3)におけるR11、R12、R13、R14、R15はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R11、R12、R13、R14、R15は互いに結合して環構造を形成していてもよい。具体例としては、水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等の炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖を有するアルキル基;エテニル基、2−プロペニル基等の炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖を有するアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基またはアラルキル基等が挙げられ、これらのうち、錯体の合成のしやすさの観点から、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、水素原子またはメチル基が特に好ましい。
以下に、一般式(3)で示される錯体の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。なお、以下の具体例において「M」は一般式(1)における「M」と同義である。また、Meはメチル基、Etはエチル基、t−Buはt−ブチル基、Phはフェニル基を表す。
Figure 0006467270
Figure 0006467270
Figure 0006467270
Figure 0006467270
Figure 0006467270
Figure 0006467270
Figure 0006467270
これらの中でも、(π−アリル){2−[N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミノメチル]フェノラト}パラジウム、(π−アリル){2−[N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミノメチル]−4−フルオロフェノラト}パラジウム、(π−アリル)[2−(N−フェニルイミノメチル)フェノラト]パラジウム、(π−アリル){2−[N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミノメチル]−6−メチルフェノラト}パラジウムが好ましい。
本発明で使用する一般式(3)で示される遷移金属錯体は、前駆体である(π−アリル)パラジウム(II)化合物とサリチルアルジミン化合物
Figure 0006467270
(式中、R5、R6、R7、R8、R9、R10は一般式(3)と同じ意味を示す。)の配位子交換反応により製造することができる。具体的な製造方法として、例えばJ. Organomet. Chem., 1974, 81, 227-246に記載の方法を例示することができる
(π−アリル)パラジウム(II)化合物としては、サリチルアルジミン化合物と配位子交換可能な配位子を有する化合物であれば特に制限はされない。例えば、ジ(π−アリル)ジ(μ−クロロ)ジパラジウムや(π−アリル)(アセチルアセトナート)パラジウムが好ましい。
以下に、遷移金属錯体(A)を製造する際に用いるサリチルアルジミン化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006467270
Figure 0006467270
このようなサリチルアルジミン化合物は市販されているものをそのまま使用することができる。また、Organometallics, 1998, 17, p. 3149-3151またはOrganometallics, 1998, 17, p. 3460-3465に記載の方法で製造したものを使用することもできる。
前記配位子交換反応は、前駆体である(π−アリル)パラジウム(II)化合物を溶媒に溶解したものに、サリチルアルジミン化合物もしくは必要に応じてそれに塩基を加えたものを添加し、所定の温度で所定の時間撹拌を行うことで実施することができる。
配位子交換反応の際に使用する溶媒としては、各基質と反応しないものであれば特に制限はないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル等の含窒素系炭化水素;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられる。これらの溶媒は混合して使用してもよい。また、使用する溶媒は脱水処理を施し、脱気処理したものが好ましい。
溶媒の使用量は、反応を著しく遅延しなければ、特に制限はないが、前駆体である(π−アリル)パラジウム(II)化合物の溶解性等に応じて適宜定めることができる。通常、前駆体である(π−アリル)パラジウム(II)化合物1gに対して、1〜100gの溶媒を用いる。
反応温度は特に制限されないが、一般には、−100〜150℃、好ましくは−50〜120℃である。温度が−100℃より低いと反応速度が遅くなり、温度が150℃より高いと生成した錯体の分解が起こることがある。上記範囲内で反応温度を選択することにより、反応速度を調整することができる。
反応時間も特に制限はなく、例えば1分間〜50時間である。また、反応は窒素ガスやアルゴンガスのような不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。
反応終了後は、通常の分離・精製操作を行うことにより、目的の遷移金属錯体を単離することができる。具体的には、反応で生成した塩を遠心分離やろ過で除去した後、再結晶することにより目的の遷移金属錯体を単離する。
反応で得られた生成物が目的の遷移金属錯体であることの確認はNMRスペクトル、元素分析、マススペクトル、X線結晶解析等により行うことができる。
[助触媒(B)]
遷移金属錯体(A)と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるイオン性化合物からなる助触媒(B)としては、非配位性アニオンとカチオンとを組み合わせたイオン性化合物が挙げられる。
非配位性アニオンとしては、1991年版周期表第13族元素の4級アニオンが挙げられる。具体的には、テトラ(フェニル)ボレート、テトラ(フルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラキス[3,5−ジ(トリフルオルメチル)フェニル]ボレート、テトラ(トリイル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、トリフェニル(ペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル)フェニル]ボレート、トリデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート等が挙げられる。
前記カチオンとしては、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオン等が挙げられる。
カルボニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ置換フェニルカルボニウムカチオン等の3置換カルボニウムカチオンが挙げられる。トリ置換フェニルカルボニウムカチオンの具体例としては、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンが挙げられる。
オキソニウムカチオンの具体例としては、ヒドロキソニウムカチオン、メチルオキソニウムカチオン等のアルキルオキソニウムカチオン、ジメチルオキソニウムカチオン等のジアルキルオキソニウムカチオン、トリメチルオキソニウムカチオン、トリエチルオキソニウムカチオン等のトリアルキルオキソニウムカチオン等が挙げられる。
アンモニウムカチオンの具体例としては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオン等のトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオン等のN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(イソプロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオン等のジアルキルアンモニウムカチオンが挙げられる。
ホスホニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオン等のトリアリールホスホニウムカチオンが挙げられる。
フェロセニウムカチオンの具体例としては、フェロセニウムカチオン、1,1−ジメチルフェロセニウムカチオン、1,1−ジエチルフェロセニウムカチオン等のジアルキルフェロセニウムカチオン等が挙げられる。
助触媒(B)の好ましい例は、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラ(フルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラキス[3,5−ジ(トリフルオルメチル)フェニル]ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス[3,5−ジ(トリフルオルメチル)フェニル]ボレート、1,1’−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等である。
[ホスフィン系配位子(C)]
本発明で用いるホスフィン系配位子(C)とは、水素原子、アルキル基もしくはアリール基から独立して選ばれる3つの置換基が結合した3価のリン化合物である。具体的にはトリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−t−ブチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類、トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等のトリシクロアルキルホスフィン類、ならびにトリフェニルホスフィン等のトリアリールホスフィン類を挙げることができる。これらの中では触媒活性向上の観点から、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−t−ブチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィンが好ましい。
本発明において、高活性にノルボルネン系重合体を製造することができる触媒としての好ましい態様の1つは、遷移金属錯体(A)として、一般式(3)中、R5、R6、R7、R8がメチル基またはハロゲン原子であり、R9が水素原子であり、R10がアルキル置換フェニル基であり、R11、R12、R13、R14、R15がいずれも水素原子である錯体を用い、助触媒(B)として、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート{[Ph(Me)2NH][B(C654]}またはトリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート{[Ph3C][B(C654]}を用い、さらにホスフィン系配位子(C)として、トリイソプロピルホスフィンまたはトリ−t−ブチルホスフィンを用いる場合である。
また、高活性にノルボルネン系重合体を製造することができる触媒としての最も好ましい態様は、遷移金属錯体(A)として、一般式(3)中、R5、R7がメチル基またはフッ素原子であり、R6、R8、及びR9が水素原子であり、R10がフェニル基または2,6−ジイソプロピルフェニル基であり、R11、R12、R13、R14、及びR15がいずれも水素原子である錯体を用い、助触媒(B)として、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート{[Ph(Me)2NH][B(C654]}を用い、さらにホスフィン系配位子(C)として、トリイソプロピルホスフィンを用いる場合である。
本発明の触媒における遷移金属錯体(A)と助触媒(B)との使用割合は、各種の条件により異なるため一義的には定められないが、通常は(A)/(B)(モル比)で1/0.1〜1/100であり、好ましくは1/0.5〜1/50、さらに好ましくは1/1〜1/10である。
本発明の触媒における遷移金属錯体(A)とホスフィン系配位子(C)との使用割合は、各種の条件により異なるため一義的には定められないが、通常は(A)/(C)(モル比)で1/0.1〜1/2であり、好ましくは1/0.5〜1/1.8、さらに好ましくは1/1〜1/1.5である。
各触媒成分を接触させる温度も特に制限されないが、一般には、−100〜150℃、好ましくは−50〜120℃である。温度が−100℃より低いと各成分間の反応が遅くなり、温度が150℃より高いと各成分の分解を招き、触媒の活性が低下する。上記範囲内で接触温度を選択することにより、重合に使用した際に重合速度や生成ポリマーの分子量等を調整することができる。
各触媒成分の混合は溶媒存在下に行っても良い。使用可能な溶媒としては特に限定はされないが、各触媒成分との反応性がなく、工業的スケールでの製造がされていて、入手が容易なものが好ましい。具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル等の含窒素系炭化水素;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等を使用することができる。これらの中でも、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素が好ましい。また、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
[ノルボルネン系付加共重合体の製造方法]
本発明のノルボルネン系付加共重合体の製造方法は、重合用触媒の存在下での沈殿重合において、重合反応終了後、反応系内の温度を反応時の温度から特定の温度領域まで低下させ、その後、酢酸エステルを添加して希釈することを特徴とする。
本発明の製造方法では、ノルボルネン系モノマー2種類以上を付加共重合することにより、ノルボルネン系モノマーの付加共重合体を得る。
[ノルボルネン系モノマー]
本発明の製造方法においては、下記一般式(1)
Figure 0006467270
及び一般式(2)
Figure 0006467270
(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
で示されるモノマーユニットに相当するノルボルネン類を用いる。
一般式(1)におけるR1が表す炭素数1〜10のアルキル基は直鎖状でも分岐していてもよい。
直鎖状のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐を有するアルキル基の例としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ネオペンチル基、イソヘキシル基、イソオクチル基、イソデシル基等が挙げられる。
これらの中でもR1としては、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が経済性の面で好ましい。モノマー製造コストの観点からは、メチル基が特に好ましい。
一般式(1)におけるR2及び式(2)におけるR3及びR4は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、炭素数3〜10のアルキル基は分岐していてもよい。これらのアルキル基としては前述のR1のアルキル基と同様のものが挙げられる。これらの中でもR2、R3及びR4としては、モノマー製造コストの観点から、水素原子が好ましい。
なお、R2が水素原子である場合、一般式(1)で示されるモノマーユニットの基本になるノルボルネン類は、R1が炭素数1のアルキル基のとき、2−アセトキシメチル−5−ノルボルネン、R1が炭素数2のアルキル基のとき、2−[(エチルカルボニルオキシ)メチル]−5−ノルボルネン、R1が炭素数3の直鎖状のアルキル基のとき、2−[(プロピルカルボニルオキシ)メチル]−5−ノルボルネンとなる。
3及びR4が水素原子である場合、式(2)で示されるモノマーユニットの基本になるノルボルネン類はノルボルネンとなる。
[重合溶媒]
本発明の製造方法において、モノマーの付加共重合は沈殿重合で行う。沈殿重合は溶液重合の一種であり、重合溶媒としてモノマーは溶解するが、重合反応で生成してくるポリマーが溶解しないものを使用する。沈殿重合では重合と共にポリマーが析出してくるので、再沈殿精製のために大量に使用する貧溶媒(メタノール等)が不要となり、製造コストの面で有利となる。また、溶媒としては、触媒活性に悪影響を与えない溶媒を使用する必要がある。本発明において使用可能な重合溶媒としては、ノルボルネン系モノマーは溶解するが重合により生成するノルボルネン系付加共重合体は溶解しない溶媒を用いる。前記重合溶媒としては、酢酸エステル、あるいはノルボルネン系付加共重合体の良溶媒と酢酸エステルの混合溶媒が好ましい。
ノルボルネン系付加共重合体の貧溶媒である酢酸エステルとしては、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル等の炭素数1〜5のアルキルエステルが好ましく、特に酢酸エチルが好ましい。これらの貧溶媒は複数種を混合して用いてもよい。沈殿重合を実施する際に2種以上の酢酸酸エステルからなる混合溶媒を使用する場合、それぞれの混合割合に特に制限はなく、どのような割合で混合したものも使用することができる。
ノルボルネン系付加共重合体の良溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられる。これらの溶媒は混合して使用してもよい。これらの中では、モノマーの重合性(低触媒毒性)、ノルボルネン系付加共重合体の溶解性、酢酸エステルとの混合性の面から芳香族炭化水素が好ましく、特にトルエンが好ましい。
ノルボルネン系付加共重合体の良溶媒と酢酸エステルの混合溶媒の組み合わせとしてはが酢酸の炭素数1から5のアルキルエステルと芳香族炭化水素との混合溶媒が好ましく、酢酸エチルとトルエン、酢酸(n−プロピル)とトルエンの混合溶媒がより好ましく、トルエンと酢酸エチルとの混合溶媒が特に好ましい。
酢酸エステルと良溶媒との混合溶媒を使用する場合、酢酸エステルの割合が60容量%以上であることが好ましい。酢酸エステルの割合が60容量%未満だと、生成したノルボルネン系付加共重合体が沈殿しにくくなる。
本発明のノルボルネン系付加共重合体の製造方法において沈殿重合を実施する場合、溶媒として一般的な沈殿重合でよく利用される脂肪族炭化水素、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンを使用すると、ポリマーは生成と同時に析出するが、生成したポリマーが反応器壁に付着して、それがやがて凝集していき、最後には塊状物が生成し、撹拌が継続できなくなる。
また、本発明の共重合体の製造方法において沈殿重合を実施する場合に、溶液重合でポリマーを沈殿させるためによく利用されるメタノール、エタノールのようなアルコール化合物やアセトン、メチルエチルケトン(MEK)のようなケトン化合物を使用すると、重合触媒の活性を著しく低減させてしまう。
以上のことから、本発明の共重合体の製造方法において沈殿重合を実施する場合、溶媒選択が重要であり、生成するポリマーが溶解せず、析出したポリマー表面のベタつきが少なく、触媒を被毒しない溶媒として酢酸エステルまたは酢酸エステルと芳香族炭化水素との混合溶媒が適していることが分かる。
[重合方法]
重合を行う際には、主触媒(A)、助触媒(B)及びホスフィン系配位子(C)を混合するが、その混合順序は、主触媒(A)が助触媒(B)と接触する前にホスフィン系配位子(C)と混合されるようになっていれば、その他は特に限定されない。予め主触媒(A)成分とホスフィン系配位子(C)を混合し、さらに助触媒(B)を混合して反応組成物を得、重合させる単量体を含む溶液にこれを添加してもよい。また、重合させる単量体と主触媒(A)及びホスフィン系配位子(C)を含む溶液に、助触媒(B)を添加してもよく、重合させる単量体と助触媒(B)の混合溶液中に主触媒(A)及びホスフィン系配位子(C)の混合物を添加してもよい。
本発明では、予め主触媒(A)とホスフィン系配位子(C)とを混合し、1分間以上、好ましくは30分〜1時間程度接触させた後に、助触媒(B)と混合して反応系に添加するか、もしくは主触媒(A)とホスフィン系配位子(C)との混合物を助触媒(B)を含む反応系に添加することが好ましい。このような操作を行うことにより、より高い重合活性を発現することが可能になる。
重合温度も特に制限されないが、一般には、70〜150℃、好ましくは80〜120である。温度が70℃より低いと重合速度が遅くなり、温度が150℃より高いと触媒の活性が低下することがある。上記範囲内で重合温度を選択することにより、重合速度や分子量等を調整することができる。
重合時間も特に制限はなく、例えば1分間〜100時間であり、好ましくは1〜10時間である。また、反応は窒素ガスのような不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。
[酢酸エステルによる希釈]
本発明のノルボルネン系付加共重合体の製造方法では、重合反応終了後の共重合体液(析出したノルボルネン系付加共重合体が重合溶媒分散している状態の液を意味する。)に、系内で析出したポリマー表面のベタつきを低減させるために酢酸エステルの添加を行う。添加する酢酸エチルの品質に特に制限はないが、製品の後加工のしやすさの観点からは水分含有量が200質量ppm以下であることが望ましい。
重合が終了したら、共重合体液を冷却し、所定の温度領域になったら、酢酸エステルを添加する。酢酸エステル添加開始時の共重合体液の温度は30〜70℃である。より好ましくは35〜65℃であり、38〜62℃がさらに好ましい。共重合体液の温度が70℃より高い時に添加するとポリマー表面のベタつきが低減されず、30℃未満の時に添加するとポリマー粒子が細かくなりすぎてしまうことがある。
酢酸エステルの添加量は重合で生成した共重合体1kgに対し25℃換算で0.2〜1.2Lであることが好ましく、0.4〜1.0Lであることがさらに好ましい。酢酸エチルの添加量が重合で生成した共重合体1kgに対し0.2L未満の場合も、1.2Lを超える場合もポリマー表面のベタつきが低減されず、反応器から共重合体液を排出する際にポリマーの互着が生じ、配管内で詰まりが発生することがある。
酢酸エステルの共重合体液への添加速度は重合で生成した共重合体1kgに対し0.01〜0.12L/minであることが好ましく、0.02〜0.06L/minであることがさらに好ましい。酢酸エステルの添加量が重合で生成した共重合体1kgに対し0.01L/min未満の場合も、0.12L/minを超える場合もポリマー表面のベタつきが低減されず、反応器から共重合体液を排出する際にポリマーの互着が生じ、配管内で詰まりが発生する。
酢酸エステル添加時の反応器の撹拌回転数は特に制限されないが、一般には100〜200rpm、好ましくは110〜180rpm、さらに好ましくは130〜160rpmである。撹拌回転数が200rpmを超えると、粒子径が細かくなりすぎ、100rpm未満だと粒子同士が互着して反応器からの排出が難しくなる。
以上のように酢酸エステルを添加する際の共重合体液の温度を制御することにより、沈殿したポリマー表面のベタつきを低減させることができ、粒子状のポリマーを効率良く取得することができるようになるが、酢酸エステルの添加量、添加速度をも制御するとより好ましい。
重合反応終了後、生成物であるノルボルネン系付加共重合体は、必要に応じて公知の操作、処理方法(例えば、洗浄、再沈殿等)により後処理を行い、ろ過分別後、乾燥を行うことにより単離される。
[ノルボルネン系付加共重合体]
本発明の製造方法で製造される一般式(1)及び一般式(2)で示されるモノマーユニットから構成されるノルボルネン系付加共重合体において、一般式(1)で示されるモノマーユニットの含有量は10〜70モル%であることが好ましい。一般式(1)で示されるモノマーユニットが10モル%未満であると共重合体の疎水性が高くなり、有機溶媒に対する溶解性は低下するが、吸水性が低くなる傾向がある。一方、70モル%を超えると共重合体が親水性となり、有機溶媒に対する溶解性が向上するが、吸水性が高くなる傾向がある。従って、一般式(1)で示されるモノマーユニットの含有量を調整することにより、共重合体の溶媒への溶解性と吸水性を制御することが可能である。
本発明の製造方法で製造される一般式(1)及び一般式(2)で示されるモノマーユニットから構成されるノルボルネン系付加共重合体をフィルム、シート等へ成形する際に必要となる溶媒への適度な溶解性と低吸水性を両立させる観点からは、一般式(1)で示されるモノマーユニットの含有量は10〜80モル%が好ましく、15〜70モル%がより好ましく、20〜60モル%がさらに好ましい。なお、一般式(1)で示されるモノマーユニットの含有量は粉末状もしくはフィルム状の共重合体を適当な重水素化溶媒に溶解させ、1H−NMRを測定し、その積分値より算出することができる。
本発明の製造方法で製造されるノルボルネン系付加共重合体において、各モノマーユニットの共重合様式は重合条件により、ランダム、ブロック、交互のいずれをもとり得るが、共重合体の物性向上の観点からは、ランダムであることが望ましい。
本発明の製造方法で製造されるノルボルネン系付加共重合体のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算数平均分子量(Mn)は50,000〜500,000である。さらには100,000〜300,000がより好ましい。ポリスチレン換算数平均分子量が50,000未満であると機械強度が不十分である。ポリスチレン換算数平均分子量が500,000を超えると、キャストフィルムを成形する際に溶媒への溶解度が低下するばかりでなく、溶液粘度が高くなり、成形加工性が低下する。また、分子量分布Mw/Mn(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.00〜4.00が好ましく、1.30〜3.50がより好ましく、1.50〜3.30がさらに好ましい。分子量分布が広いとキャストフィルム成形時の溶液が均一になりにくいため、良好なフィルムが作製しにくくなる。
本発明の製造方法で製造されるノルボルネン系付加共重合体の23℃における飽和吸水率は、通常、0.001〜1質量%、好ましくは0.005〜0.7質量%、さらに好ましくは0.01〜0.5質量%である。飽和吸水率がこの範囲内であると、各種光学特性、例えば透明性、位相差、位相差の均一性、及び寸法精度が、高温多湿のような条件下でも維持され、他材料との密着性や接着性に優れるため使用途中で剥離等が発生せず、また、酸化防止剤等の添加物との相溶性も良好であるため、添加の自由度が大きくなる。なお、上記飽和吸水率はJIS K7209に準拠し、23℃水中で24時間浸漬して増加質量を測定することにより求められる値である。
本発明の製造方法で製造されるノルボルネン系付加共重合体のガラス転移温度(Tg)は、共重合体場合、その構成モノマー単位の種類、組成比、添加剤等の有無により異なるが、通常、80〜350℃、好ましくは100〜320℃、さらに好ましくは120〜300℃である。Tgが上記範囲よりも低いと、熱変形温度が低くなり、耐熱性に問題が生じるおそれがあり、また、得られる光学フィルムの温度による光学特性の変化が大きくなることがある。また、Tgが上記範囲よりも高いと、延伸加工時にTg近辺まで加熱する場合に樹脂が熱劣化する可能性が高くなる。
本発明の製造方法で製造されるノルボルネン系付加共重合体は溶液流延法(溶液キャスト法)により成膜してフィルムに加工することができる。使用する溶媒としてはトルエン、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン、クロロホルム等を用いることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載により何らの限定を受けるものではない。
各実施例及び比較例において、触媒活性は以下の式
Figure 0006467270
により算出した。得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)は、ポリスチレンを標準物質として用いたゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)により求めた。また、共重合体中のノルボルネンと5−アセトキシメチル−2−ノルボルネンの組成比は、1H−NMRにより得られたピーク[δ:3.5−4.5ppm,5−アセトキシメチル−2−ノルボルネン(「ANB」と略す。)の「−COOCH2−」ユニット]と[δ:0.5−3.0ppm,ノルボルネン(「NB」と略す。)及び5−アセトキシメチル−2−ノルボルネンの「CH3COO−」、「−CH2−」及び「−CH=」ユニット]の積分比から求め、ANB含有率は以下の式
Figure 0006467270
より算出した。
実施例及び比較例で合成した物質の諸物性は、以下の通りに測定した。
1.1H−NMR,13C−NMR
使用機種:JEOL(登録商標) EX−400(400MHz,日本電子株式会社製)、
測定方法:重水素化クロロホルムに溶解し、内部標準物質にテトラメチルシランを使用して測定した。
2.ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)
使用機種
カラム:Shodex(登録商標) GPC K−G+KF−806L×2(昭和電工株式会社製)、
検出器:Shodex SE−61(昭和電工株式会社製)。
測定条件
溶媒:テトラヒドロフラン、
測定温度:40℃、
流速:1.0ml/分、
試料濃度:1.0mg/ml、
注入量:1.0μl、
検量線:Universal Calibration curve、
解析プログラム:SIC 480II(システム・インスツルメンツ株式会社製)。
また、シクロペンタジエニル(π−アリル)パラジウムは、Shawらの合成法(Shaw. B. L., Proc. Chem. Soc., 1960, 247)に従って合成した。
合成例1:2−アセトキシメチル−5−ノルボルネンの合成
10Lのステンレス製オートクレーブにジシクロペンタジエン(東京化成工業株式会社製,759.80g,5.747mol)、酢酸アリル(東京化成工業株式会社製,1457.86g,14.561mol)及びヒドロキノン(和光純薬工業株式会社製,2.25g,0.0204mol)を加えた。系内を窒素置換した後、500rpmで撹拌しながら、このオートクレーブを190℃まで昇温し、5時間反応させた。反応終了後、オートクレーブを室温まで冷却し、内容物を蒸留装置に移し、減圧下に蒸留を行い、0.07kPa、48℃の留分として、無色透明液状物1306.70gを得た。
得られた液状物の1H−NMRを測定し、目的の2−アセトキシメチル−5−ノルボルネンであることを確認した。また、得られた2−アセトキシメチル−5−ノルボルネンのエキソ異性体とエンド異性体のモル比率はエキソ/エンド=18/82であった。
合成例2:2−[N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミノメチル]フェノールの合成
一口フラスコに、サリチルアルデヒド(東京化成工業株式会社製,2.00g,16.4mmol)、2,6−ジイソプロピルアニリン(東京化成工業株式会社製,3.12g,17.6mmol)、エタノール(和光純薬工業社株式会製,20ml)、ギ酸(和光純薬工業株式会社製,305mg,6.63mmol)を加え、撹拌しながら、室温で一日反応を行った。析出物をろ別し、メタノールから再結晶を行って黄色結晶1.79gを得た。得られた結晶の1H−NMR及び13C−NMRを測定し、2−[N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミノメチル]フェノールであることを確認した。
合成例3:(π−アリル){2−[N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミノメチル]フェノラト}パラジウム[錯体A−1]の合成
Figure 0006467270
三方コックを装備した二口フラスコを窒素置換し、これに合成例2で調製した2−[N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミノメチル]フェノール(506mg,1.80mmol)を仕込み、脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業株式会社製,20ml)を加えて溶解した。これを、ドライアイス−エタノール浴に漬けて−78℃に冷却した後、n−ブチルリチウムの1.6mol/lヘキサン溶液(和光純薬工業株式会社製,1.14ml,1.82mmol)を5分かけてゆっくりと滴下し、滴下終了後、徐々に室温に戻した。
別途用意した三方コックを装備した二口フラスコを窒素置換し、これにアリルパラジウムクロリドダイマー(和光純薬工業株式会社製,305mg,0.834mmol)を仕込み、脱水ジクロロメタン(和光純薬工業株式会社製,20ml)を加えて溶解した。
この溶液を氷浴に漬けて0℃に冷却し、これに先に調製したテトラヒドロフラン/ヘキサン混合溶液を5分間かけてゆっくりと滴下し、0℃で2時間反応を行った。その後、減圧下に溶媒を完全に留去し、あらためて脱水トルエン(和光純薬工業株式会社製,20ml)を加えて撹拌した後、窒素下に遠心分離を行って、不要な塩を取り除き、上澄みのトルエン溶液を回収した。この溶液より減圧下に濃縮し、再結晶を行って、黄色結晶356mgを得た。得られた結晶の1H−NMR、13C−NMR及びIRスペクトル測定を行い、(π−アリル){2−[N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミノメチル]フェノラト}パラジウム[錯体A−1]であることを確認した。
実施例1:ノルボルネンと2−アセトキシメチル−5−ノルボルネンの付加共重合(沈殿重合)
三方コックとメカニカルスターラーを装備した三口セパラブルフラスコを窒素置換し、それにノルボルネン(37.50g,451mmol)をトルエン14.6mlに溶解した溶液と合成例1で調製した2−アセトキシメチル−5−ノルボルネン(133.7g,798mmol)、連鎖移動剤:1−オクテン(33.66g,300mmol)を加え、トルエン89.2mlと酢酸エチル360mlで溶解した。別途、三方コックを装備した三口丸底フラスコを窒素置換し、それにノルボルネン(203.0g,2151mmol)をトルエン78.0mlに溶解した溶液と2−アセトキシメチル−5−ノルボルネン(239.5g,1435mmol)を加え、トルエン156.1mlと酢酸エチル1000mlで溶解した。合成例3で合成し、別容器中で調製した(π−アリル){2−[N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミノメチル]フェノラト}パラジウム[錯体A−1](21.4mg,0.050mmol)をトルエン5.0mlに溶解した溶液と、トリイソプロピルホスフィン[P(i−C373](ストレム社製,8.0mg,0.050mmol)をトルエン1.0mlに溶解した溶液と、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[(C65)(CH32NH][B(C654](ストレム社製、40.0mg,0.050mmol)をジクロロメタン1.65mlに溶解した溶液、及びトルエン12.5mlを窒素置換したシュレンク管にて混合した。前記三口セパラブルフラスコをオイルバスに浸し、内温を80℃まで昇温した。昇温後、シュレンク管で調製した触媒混合液を三口セパラブルフラスコ内に投入し、重合を開始した。重合開始後、三口丸底フラスコからモノマー溶液を5時間かけてフィードし、5時間重合反応を行った。重合中、ポリマーは白色粉末として析出した。反応終了後、三口セパラブルフラスコをオイルバスから外し、内温が60℃になるまで冷却した。冷却後、常温の酢酸エチルを20ml/min(共重合体1kg当り0.047ml/min)の流速で、20分滴下し、希釈を行った。滴下した酢酸エチルの総量は、400ml(共重合体1kg当り0.94)だった。ポリマーの塊状物は発生せず、粉末状として得られた。析出したポリマーをろ別洗浄後、減圧下に80℃で5時間乾燥して白色粉末状のポリマー431.2gを得た。ポリマー収量と仕込み触媒量より算出される触媒活性は8624g−ポリマー/mmol−Pdであった。
得られたポリマーはTHFやクロロホルム等の一般溶剤に容易に溶解し、数平均分子量はMn=136,000、分子量分布はMw/Mn=2.06であった。また、1H−NMRの積分値から算出したポリマー中の2−アセトキシメチル−5−ノルボルネンモノマーユニットの組成は31.4mol%であった。
実施例2〜5、比較例1〜2:2−ノルボルネンと2−アセトキシメチル−5−ノルボルネンの付加共重合
表1に示す条件にした他は、実施例1と同様にして重合を行った。
実施例1〜5及び比較例1〜2について触媒種類、冷却・希釈条件等を表1に、重合結果を表2に示す。表1中の各記号の意味は以下の通りである。
金属錯体(A):
A−1:(π−アリル){2−[N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミノメチル]フェノラト}パラジウム、
助触媒(B):
B−1:N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート。
ホスフィン系配位子(C):
C−1:トリイソプロピルホスフィン。
なお、実施例1〜5、比較例1〜2で得られたポリマーはいずれもTHFやクロロホルム等の一般溶剤に容易に溶解した。
Figure 0006467270
Figure 0006467270
表2に示した結果から酢酸エステルで希釈する際の共重合体液の温度が高いと、ポリマー同士が互着し、塊状物が発生する(比較例1)。また、共重合体液の温度を下げても、酢酸エチルで希釈しなければ、ポリマー同士が互着し、塊状物が発生する(比較例2)。
本発明の製造方法により得られるノルボルネン系(共)重合体は優れた透明性、耐熱性、低吸水性、電気絶縁特性等を有することにより、レンズや偏光フィルム等の光学用成形品、フィルム、キャリアテープ、フィルムコンデンサー、フレキシブルプリント基板等の電気絶縁材料、プレススルーパッケージ、輸液バッグ、薬液バイアル等の医療用容器、ラップやトレイ等の食品包装成形品、電気器具等のケーシング、インナーパネル等の自動車内装部品、カーポートやグレージング等の建材等に利用可能である。

Claims (5)

  1. 一般式(1)
    Figure 0006467270
    及び一般式(2)
    Figure 0006467270
    (式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2、R3及びR4はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
    で示されるモノマーユニットに対応するノルボルネン系モノマーを、前記モノマーは溶解するが重合により生成するノルボルネン系付加共重合体は溶解しない溶媒を用い、沈殿重合法により付加共重合させて生成する共重合体液を、酢酸エステルを用いて希釈した後単離する際、希釈を開始する共重合体液の温度を30〜70℃とし、前記ノルボルネン系モノマーは溶解するが重合により生成するノルボルネン系付加共重合体は溶解しない溶媒が、ノルボルネン系付加共重合体の良溶媒と前記酢酸エステルとの混合溶媒であり、共重合体液を希釈する際の酢酸エステルの使用量が共重合体1kgに対し25℃換算で0.2〜1.2Lであり、酢酸エステルの共重合体液への添加速度は重合で生成した共重合体1kgに対し0.01〜0.12L/minであることすることを特徴とするノルボルネン系付加共重合体の製造方法。
  2. 前記良溶媒が芳香族炭化水素であり、前記酢酸エステルが酢酸エチルである請求項
    記載のノルボルネン系付加共重合体の製造方法。
  3. 生成する共重合体の数平均分子量(Mn)が50,000〜500,000である請求項1または2に記載のノルボルネン系付加共重合体の製造方法。
  4. 中心金属がパラジウム(Pd)またはニッケル(Ni)からなる遷移金属錯体(A)、遷移金属錯体(A)と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるイオン性化合物からなる助触媒(B)、及びホスフィン系配位子(C)を含有する触媒を用いて付加共重合する請求項1〜のいずれかに記載のノルボルネン系付加共重合体の製造方法。

  5. 遷移金属錯体(A)が、一般式(3)
    Figure 0006467270
    (式中、Mはパラジウム(Pd)またはニッケル(Ni)を表し、R5、R6、R7、R8はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリーロキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシロキシ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜10の炭化水素基を有するアミド基、または炭素数1〜10のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、R5、R6、R7、R8は互いに結合して環構造を形成していてもよく、R9は水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R10は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R11、R12、R13、R14、R15はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R11、R12、R13、R14、R15は互いに結合して環構造を形成していてもよい。)で示される化合物である請求項に記載のノルボルネン系付加共重合体の製造方法。
JP2015076619A 2015-04-03 2015-04-03 ノルボルネン系付加共重合体の製造方法 Active JP6467270B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015076619A JP6467270B2 (ja) 2015-04-03 2015-04-03 ノルボルネン系付加共重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015076619A JP6467270B2 (ja) 2015-04-03 2015-04-03 ノルボルネン系付加共重合体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016196552A JP2016196552A (ja) 2016-11-24
JP6467270B2 true JP6467270B2 (ja) 2019-02-06

Family

ID=57357560

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015076619A Active JP6467270B2 (ja) 2015-04-03 2015-04-03 ノルボルネン系付加共重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6467270B2 (ja)

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4948848A (en) * 1989-04-07 1990-08-14 Gaf Chemicals Corporation Solution feed, slurry polymerization process for the production of copolymers of maleic anhydride and an alkyl vinyl ether having predetermined specific viscosities
DE69115043T2 (de) * 1990-08-09 1996-06-20 Isp Investments Inc Maleinanhydrid/alkylvinylether polymerisierungverfahren.
JP2002003528A (ja) * 2000-04-18 2002-01-09 Tosoh Corp 熱可塑性樹脂組成物の製造方法
KR101015435B1 (ko) * 2006-12-05 2011-02-22 주식회사 엘지화학 중합체 제조방법
JP2008239850A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Toray Ind Inc 共重合体の製造方法
JP5803035B2 (ja) * 2009-01-29 2015-11-04 昭和電工株式会社 ノルボルネン系共重合体及びその製造方法
JP5828700B2 (ja) * 2010-07-28 2015-12-09 株式会社ブリヂストン 触媒組成物、触媒組成物を用いたノルボルネン系共重合体の製造方法、及びノルボルネン系共重合体、更には、その共重合体を用いた耐熱性フイル
JP5738097B2 (ja) * 2010-09-10 2015-06-17 昭和電工株式会社 ノルボルネン系重合体の製造方法
JP5864966B2 (ja) * 2010-09-10 2016-02-17 昭和電工株式会社 ノルボルネン系重合体の製造方法
WO2012057135A1 (ja) * 2010-10-26 2012-05-03 昭和電工株式会社 ノルボルネン系モノマー重合用触媒及びノルボルネン系重合体の製造方法
JP2014109022A (ja) * 2012-12-04 2014-06-12 Maruzen Petrochem Co Ltd フォトリソグラフィー用樹脂の精製方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016196552A (ja) 2016-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010174099A (ja) 環状オレフィン付加重合体及びその製造方法
JP6440832B2 (ja) メタロセン化合物、メタロセン担持触媒およびこれを用いるポリオレフィンの製造方法
JP5803035B2 (ja) ノルボルネン系共重合体及びその製造方法
JP5738097B2 (ja) ノルボルネン系重合体の製造方法
JPH11505288A (ja) オレフィン性不飽和モノマーの重合体の製造
KR101494222B1 (ko) 촉매 조성물, 촉매 조성물을 사용한 노르보르넨계 공중합체의 제조 방법, 및 노르보르넨계 공중합체, 또한 그 공중합체를 사용한 내열성 필름
JP5834017B2 (ja) ノルボルネン系モノマー重合用触媒及びノルボルネン系重合体の製造方法
JP5864966B2 (ja) ノルボルネン系重合体の製造方法
JP6467270B2 (ja) ノルボルネン系付加共重合体の製造方法
WO2012053535A1 (ja) ノルボルネン系モノマー重合用触媒及びノルボルネン系重合体の製造方法
JP2019523806A (ja) 触媒組成物
JP6099907B2 (ja) 極性基含有ノルボルネン系共重合体の製造方法
JP2012153777A (ja) ノルボルネン系モノマー重合用触媒及びノルボルネン系共重合体の製造方法
KR20170009597A (ko) 메탈로센 화합물, 이를 포함하는 촉매 조성물 및 이를 이용한 올레핀 중합체의 제조방법
Sudhakar et al. New chiral [N, N, N]‐ligand containing titanium/zirconium precatalysts for 1‐hexene polymerization
JP2011225632A (ja) ノルボルネン系共重合体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181102

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190111

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6467270

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S801 Written request for registration of abandonment of right

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R311801

ABAN Cancellation due to abandonment
R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350