JPH11505288A - オレフィン性不飽和モノマーの重合体の製造 - Google Patents

オレフィン性不飽和モノマーの重合体の製造

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JPH11505288A JP8535311A JP53531196A JPH11505288A JP H11505288 A JPH11505288 A JP H11505288A JP 8535311 A JP8535311 A JP 8535311A JP 53531196 A JP53531196 A JP 53531196A JP H11505288 A JPH11505288 A JP H11505288A
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Abstract

(57)【要約】 下記一般式(I): [但し、Mが、元素周期表のVIIIB族から選ばれる金属を表し、E1、E2が、それぞれ元素周期表のVA族から選ばれる元素を表し、Zが、元素周期表のIVA、VA及びVIA 族の元素から選ばれる原子の1個、2個又は3個の基本構造単位からなる橋かけ構造単位を表し、R1〜R4が、元素周期表のIVA、VA、VIA 及びVIIA族の元素を1個以上含んでも良いC1〜C20有機基及びC3〜C30有機珪素基からなる群より選ばれる置換基を表し、L1、L2が、形式電荷を有する配位子又は中性の配位子を表し、Xが、一価又は多価のアニオンを表し、Pが、0、1又は2を表し、m、nが、0、1又は2を表し、且つp=m×nを満足する]で表される金属錯体の存在下における不飽和モノマーの重合により重合体を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 オレフィン性不飽和モノマーの重合体 本発明は、下記一般式(I)の金属錯体の存在下にオレフィン性不飽和モノマ ーの重合により得ることができる重合体に関する。 上記式において、 Mが、元素周期表のVIIIB族から選ばれる金属を表し、 E1、E2が、それぞれ元素周期表のVA族から選ばれる元素を表し、 Zが、元素周期表のIVA、VA及びVIA 族の元素から選ばれる原子からなる1個 、2個又は3個の基本構造単位を有する橋かけ構造単位を表し、 R1〜R4が、元素周期表のIVA、VA、VIA 及びVIIA族の元素を1個以上含んで も良いC1〜C20有機基及びC3〜C30有機珪素基からなる群より選ばれる置換基 を表し、 L1、L2が、形式電荷を有する配位子又は中性の配位子を表し、 Xが、一価又は多価のアニオンを表し、 Pが、0、1又は2を表し、 m、nが、0、1又は2を表し、 且つp=m×nを満足する。 本発明は、また、これらの重合体を製造する方法に関し;さらにこれらの重合 体のフィルム、繊維及び成形体に関し;さらにまた本発明の重合体をフィルム、 繊維及び成形体に使用する方法に関する。 オレフィン性不飽和モノマー、例えばエチレン、C3〜C8の1−アルキレン及 びアクリル酸誘導体、の重合としては、種々な重合方法が知られている。そして 、得られるポリオレフィンは、フィルム、成形体及び繊維等の多くの用途で工業 的に広く使用されている。 オレフィンの重合は、特に、原子番号の小さい遷移金属(チタン、ジルコニウ ム等)及び主族金属のアルキル化合物(例、アルキルアルミニウム)からなる混 合触媒(チーグラー触媒として知られている)により、あるいはフリーラジカル 開始剤により、促進され、あるいは開始される。 しかしながら、チーグラー触媒はいくつかの不利がある。それらは、通常、湿 気や酸素と極めて激しく反応する場合があり、一般にその触媒活性を失う。 さらに、これらの触媒は、一般にカルボン酸基あるいはエステル基等の官能基 を有する不飽和化合物を(共)重合することができない。 さらにまた、環状のオレフィン性不飽和モノマー又は直鎖状の多価オレフィン 性不飽和モノマーの重合は、所望の方法、即ち重挿入反応、では進行しないで、 環状モノマーの開環あるいは鎖状モノマーの環形成などの二次反応が起こる。こ のようにして形成された重合体は、化学組成及び分子量分布において極めて不均 一なものである。 フリーラジカル開始剤は、高圧下で、例えば、極性オレフィン、不飽和モノマ ーを共重合させることができるが、コモノマーの取り込みがしばしば不均一とな って重合体の構造が枝別れし、例えば、重合体フィルムの品質の低下をもたらす 。 これらの特性は、種々な重合方法により得られる重合体の応用分野を限定する 。このため、上記不利を持たない、あるいは上位不利を無視できるレベルでしか 持たないような代わりの重合体が求められている。 EP−A0589527には、特定のパラジウムホスフィン錯体を主成分とす るオレフィン単独重合体及びオレフィン共重合体用の触媒系が記載されている。 しかしながら、これらの触媒には製造容易性及び重合挙動の両方において、満足 できない点が残っている。低重合度のもの(オリゴマー3〜20モノマー単位を 有する)についてのみメタノール、エチレングリコールあるいは水等の極性溶媒 中で得られる。ジエチレングリコール(diglyme)等の非極性溶媒中でも、最大の 分子量Mnは、わずか5600に達する程度で、その際コモノマーは痕跡程度取 り込まれているにすぎない。内部オレフィンの使用もまた記載されていないし、 重合体の二重結合含有量及びその分子量分布Mw/Mnも同様に記載されていない 。 EP−A0454231には、原子番号の後の遷移金属(VIII族)のカチオン 性金属錯体を主成分とするエチレン、オレフィン及びアルキンの重合用触媒系が 記載されている。しかしながら、これらの触媒は不純物に対して敏感である。達 成できる生産性も同様に満足できない点がある。極性共重合体については記載さ れていない。 本発明の目的は、上記不利の無い、及び極性コモノマーが、特に、主に線状の 連続となるように取り込まれている新規な重合体を提供することにある。 本発明者等は、上記目的が下記一般式(I)の金属錯体の存在下にオレフィン 性不飽和モノマーの重合により得ることができる重合体により達成できることを 見出した。 上記式において、 Mが、元素周期表のVIIIB族から選ばれる金属を表し、 E1、E2が、それぞれ元素周期表のVA族から選ばれる元素を表し、 Zが、元素周期表のIVA、VA及びVIA 族の元素から選ばれる原子からなる1個 、2個又は3個の基本構造単位を有する橋かけ構造単位を表し、 R1〜R4が、元素周期表のIVA、VA、VIA 及びVIIA族の元素を1個以上含んで も良いC1〜C20有機基及びC3〜C30有機珪素基からなる群より選ばれる置 換基を表し、 L1、L2が、形式電荷を有する配位子又は中性の配位子を表し、 Xが、一価又は多価のアニオンを表し、 Pが、0、1又は2を表し、 m、nが、0、1又は2を表し、 且つp=m×nを満足する。 また、本発明は、導入部で規定した上記重合体を製造する方法;さらに上記重 合体をフィルム、繊維及び成形体に使用する方法;さらにまた上記重合体のフィ ルム、繊維及び成形体;を提供する。 一般式(I)の金属錯体の金属Mとして好適な金属としては、元素周期表のVI IIB族から選ばれる金属である。即ち、鉄、コバルト及びニッケル、特にルテニ ウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、白金の白金属類が好ましく、さらに パラジウムが最も好ましい。金属は、錯体中に、形式電荷を持たないか、あるい は一価の正の形式電荷、あるいは好ましくは二価の正の形式電荷で存在すること ができる。 適当な元素E1及びE2は、それぞれ元素周期表の主V族(VA族)から選ばれる 元素であり、即ち窒素、燐、砒素、アンチモンあるいはビスマスである。特に好 適な元素は窒素又は燐であり、その中でも燐である。キレート配位子は異種の元 素E1、E2、例えば窒素及び燐を含むことができる。 橋かけ構造単位のZは、元素E1、E2を互いに連結する原子群である。元素周 期表のIVA、VA及びVIA 族の元素から選ばれる1個、2個又は3個の原子が、E1 、E2間の連結橋かけを形成する。この橋かけ原子の自由原子価は、種々な方法 、例えば水素又は元素周期表のIVA、VA、VIA 及びVIIA族の元素と置換すること により、満足することができる。これらの置換基は、互いにあるいは橋かけ原子 と環を形成しても良い。 特に好適な橋かけ構造単位としては、元素周期表のIVA から選ばれた1個、2 個又は3個の原子を有するもの、例えば、メチレン(−CH2−)、1,2−エ チレン(−CH2−CH2−)、1,3−プロピレン(−CH2−CH2−CH2− )、1,3−ジシラプロピレン(−R2Si−CH2−SiR2−) [Rは水素、C1〜C10有機基、エチリデン(CH3(H)C=)、2−プロピリ デン((CH32C=)、ジフェニルメチレン((C652C=)又はオルト −フェニレンを表す]を挙げることができる。 特に好適な橋かけ構造単位は、単一橋かけ原子を有するものであり、例えば− CR56−又は−SiR56−(R5及びR6は、水素又はC3〜C10有機基を表 す)。R5及びR6は、橋かけ原子とともに、3員〜10員の環を形成することも できる。単一橋かけ原子を有する橋かけ構造単位の例としては、メチレン(−C H2−)、エチリデン(CH3(H)C=)、2−プロピリデン((CH32C= )、ジフェニルメチレン((C652C=)、ジアルキルシリレン(例、ジメ チルシリレン、ジフェニルシリレン)、さらにまた環状橋かけ群(例、シクロプ ロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチルデン、シクロヘキシリデン)を 挙げることができる。好ましい橋かけ構造単位としては、メチレン(−CH2− )、エチリデン(CH3(H)C=)、2−プロピリデン((CH32C=)、 ジメチルシリレン、ジフェニルシリレンを挙げることができ、特にメチレンが好 ましい。 好適な有機基R1〜R4は、炭素原子数1〜20の、脂肪族、環状脂肪族及び芳 香族基である。例えば、メチル、エチル、1−プロピル、1−ブチル、1−ペン チル、1−ヘキシル及び1−オクチルを挙げることができる。また、炭素原子数 1〜10のアルキル及び炭素原子数6〜20のアリールを有する直鎖のアリール アルキル基、例えばベンジル;さらにまたアリール基、例えばフェニル、トリル 、他の置換フェニル基;も好適である。 好ましくは、基R1〜R4は、中央原子を大きく保護するため、充分に嵩高くあ るべきである。中心原子は、例えばパラジウムであり、元素E1、E2はこの中心 原子と共に活性錯体を形成する。この要求にあった基としては、例えば、環状脂 肪族基及び枝分かれ脂肪族基、特にα−位で枝分かれしたものを挙げることがで きる。 適当な環状脂肪族基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル及びメンチル 、であり、また、特に及びノルボルニル、ピナニル、ボルニル及びビシクロノニ ル等の二環基を挙げることができ、これらの環の骨格は、元素E1、E2とど のようにでも連結することができる。環状脂肪族基は、合計で5〜20個の炭素 原子を含むことが好ましい。 適当な枝分かれ脂肪族基としては、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチ ル、ネオペンチル及びtert−ブチル等のC3〜C20、好ましくはC3〜C12ア ルキル基、またアルキル基の炭素原子が1〜10個でアリール基の炭素原子が6 〜20個のアルキルアリールを挙げることができる。 特に好適な枝分かれ脂肪族基としては、tert−ブチル基、イソプロピル基 、sec−ブチル基及びメンチル基を挙げることができる。さらに枝分かれした アルキル基も、基R1〜R4として好適である;例えばイソブチル基、3−メチル ブチ−2−ル(3-methylbut-2-yl)基及び4−メチルペンチル基。 基R1〜R4の化学的性質は、これまでの観察を基にすれば、決定的に重要なも のではない。即ち、その基はまた、元素周期表のIVA、VA、VIA 及びVIIA族の元 素から選ばれる原子、例えばハロゲン、酸素、硫黄、窒素及び珪素、を有するこ とができる。最後の例としては、ビス(トリメチルシリル)メチル基である。重 合条件下で不活性であるヒドロキシ、アルコキシ及びシアノ等の官能基も、これ に関連して適当である。 好ましいヘテロ置換基R1〜R4としては、C3〜C30有機珪素基、即ちE1又は E2と連結し、その残りの原子価は3個の有機基で満たされ、且つ珪素に結合し たこれら3個の基の炭素原子の総数は3〜30である、4価の珪素原子である。 挙げることができる例としては、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチル シリル及びトリフェニルシリルであり、特にトリメチルシリル基である。 好適なキレート配位子としては、メチレン基で橋かけされたジホスフィンであ る;特に、C3〜C10環状脂肪族基あるいは枝分かれC3〜C20脂肪族基のR1〜 R4で置換されたメチレン−橋かけジホスフィン、例えばビス(ジ−tert− ブチルホスフィノ)メタン、[(ジ−tert−ブチルホスフィノ)(ジシクロ ヘキシルホスフィノ)]メタンあるいはビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)メ タンを挙げることができる。そしてこれらが本発明の方法に対して好適であるこ とは、2個の燐原子のメチレン−結合及び基R1〜R4の三次元構造に起因してい ると、目下のところ考えられる。ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ) メタンが特に好ましい。 中心金属Mの形式的酸化状態により、配位子L1及びL2が1個又は2個の負の 形式電荷を有し、そうでなければ、金属が形式非電荷である場合、配位子L1及 びL2は同様に非電荷である。 配位子の化学的性質は臨界的ではない。現在の知識に基づけば、それらは分解 (例、金属の沈殿又は不特定反応(例、錯体の断片の凝集))に対して金属錯体 残部を安定化させる機能を有する。 好適な形式電荷を有する無機配位子L1、L2は、ハロゲン化物、硫、酸塩、燐 酸塩及び硝酸塩である。塩化物、臭化物、沃化物が好ましく、特に塩化物が好ま しい。 好適な形式電荷を有する有機配位子L1、L2としては、C1〜C20脂肪族基、 C3〜C30環状脂肪族基(脂肪族環基)、C6〜C10アリール基及びC1〜C10ア ルキル基を有するC7〜C20アラルキル基、及びC6〜C20芳香族基を挙げること ができ、その例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert− ブチル、ネオペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、ネオフィル、フェニル及び 置換基を有するフェニル基を挙げることができる。 また、形式電荷を有する配位子L1、L2として、アセテート、プロピオネート 、オキサレート、ベンゾエート及びシトレーオ等のC1〜C20カルボキシレート 基、及びメチルスルホネート、トリフロロメチルスルホネート及びp−トルエン スルホネート等の有機スルホン酸塩を挙げることができる。C1〜C7カルボキシ レート基、スルホン酸誘導体が好ましく、特にアセテート及びp−トルエンスル ホネートが好ましい。 好適な形式電荷を有する配位子L1、L2は、一般にルイス酸、即ち、自由電子 対を有する化合物、である。特に好適なルイス酸は、1個又は2個以上の自由電 子対が窒素又は酸素上に位置するものである。例えば、ニトリル類、R−CN、 ケトン類、エーテル類そしてアルコール類を挙げることができる。アセトニトリ ル、プロピオニトリル及びベンゾニトリル等のC1〜C10ニトリル、あるいはア セトン及びアセチルアセトン等のC2〜C10ケトン、それ以外にもジメチルエー テル、ジエチルエーテル及びテトラヒドロフラン等のC2〜C10エーテル は好ましい。特に、アセトニトリルあるいはテトラヒドロフランの使用が好まし い。 金属Mを含む錯体断片の形式荷電に依存して、金属錯体(I)はアニオンXを 含む。しかしながら、仮にM−含有錯体断片が形式荷電を持たないのであれば、 本発明の錯体はどのようなアニオンXも含まない。 アニオンXの化学的性質は、臨界的ではない。しかしながら、そのことは、現 在の知識に基づけば、アニオンが可能な限りでほとんど求核性を持たないこと、 即ち中心金属Mと化学結合を形成する傾向が可能な限りで小さいことあり、有利 である。 好適なアニオンXの例としては、パーコレート、スルフェート、ホスフェート 、ニトレート、及びカルボキシレート(例、アセテート、トリフロロアセテート 、トリクロロアセテート、プロピオネート、オキサレート、シトレート及びベン ゾエート)を挙げることができ、また有機スルホン酸の共役アニオン(例、メチ ルスルホネート、トリフロロメチルスルホネート、p−トルエンスルホネート) 、さらにテトラフロロボレート(テトラフロロ硼酸)、テトラフェニルボレート 、テトラキス(ペンタフロロフェニル)ボレート、ヘキサフロロホスフェート、 ヘキサフロロアルセネート(ヘキサフロロヒ酸)あるいはヘキサフロロアンチモ ネート(ヘキサフロロアンチモン酸)を挙げることができる。パーコレート、ト リフロロアセテート、スルホネート(例、メチルスルホネート、トリフロロメチ ルスルホネート、p−トルエンスルホネート)、テトラフロロボレート、ヘキサ フロロホスフェートが好ましく、特にトリフロロアセテート、パーコレート、p −トルエンスルホネートが好ましい。 好適なオレフィン性不飽和化合物(モノマー)としては、概ね、この種の化合 物の全てのモノマーを使用することができる。好ましい例としては、エチレン及 びプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1− オクテン、1−ノネン及び1−デセン等のC3〜C10の1−アルケンを挙げるこ とができ、さらに2−ブテン、2−ペンテン、2−および3−ヘキセン等の内部 E−又はZ−オレフィンの使用も良好な効果が得られので可能である。他の好適 なモノマーとして、1,3−ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキ サジエン等のジエン、そしてシクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン及 びノルボルナジエン及びシクロペンタジエン及びジシクロペンタジエン等のシク ロオレフィンを挙げることができる。 特に、オレフィン性不飽和芳香族モノマーとしては、スチレン及びα−メチル スチレンを挙げなければならない。 官能基で置換されたオレフィンもまた、モノマーとして特に重要である。好適 な官能基としては、カルボキシル基(−COOH)及びその誘導体基(例、エス テル、ハライド及びアミド)、さらにヒドロキシル基、シアノ基(−CN)、ケ ト基、アルデヒド基、カルボキシレート基、さらにまたシリル基(−SiR3: Rは水素、1〜15の炭素原子数を有する有機基である)を挙げることができる 。 また、官能基で置換された特に好適なオレフィンとしては、アクリル酸、メタ クリル酸及びその誘導体、特に、そのニトリル類、アミド類そしてC1〜C10ア ルキルエステル(例、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチルアクリレ ート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、te rt−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリ レート、エチルメタクリレート及びプロピルメタクリレートを挙げることができ る。さらに好適なモノマーとしては、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ ニル、無水マレイン酸及びN−ビニルピロリドンを挙げることができる。勿論、 種々のモノマーの混合物も使用することができる。モノマーの混合物の各モノマ ー間の比率は広く自由に選択することができる。 重合条件はそれ自体臨界的ではない。重合は、バッチあるいは連続のいずれで で行っても良い。 圧力は、100〜500000kPaが一般的であり、200〜350000 kPaが好ましく、特に500〜30000kPaが好ましく、また温度は−5 0〜400℃が一般的であり、20〜250℃が好ましく、特に40〜150℃ が好ましいことが分かった。 本発明の触媒系を用いる重合反応は、気相中、懸濁中、液体又は臨界値より多 いモノマー中、あるいは重合条件下で不活性な溶媒中で行うことができる。 適当な不活性溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプ ロパノール、1−ブタノール及びtert−ブタノール等のアルコール類;ジメ チルスルフォキサイド等のスルフォキサイド及びスルフォン類;酢酸エチル及び ブチロラクトン等のエステル類;テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメ チルエーテル及びジイソプロピルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン 、エチルベンゼン及びクロロベンゼン等の芳香族溶媒;又はこれらの混合物、を 挙げることができる。 本発明の重合体の分子量は、重合温度の変更により、及び水素を添加すること による通常の方法で調整することができる。 本発明の方法を用いて得られる重合体は、一般に高分子量を有し、分子量分布 が狭く、そして二重結合の割合いも高い。 上記重合体は、成形体の製造、特に包装用の成形体、フィルム、繊維及び軸継 手の製造に好適であり、さらにその反応性二重結合のために容易に化学変性を行 うことができる。 [実施例1〜4] 0.31のオートクレーブに、75mlの溶媒(実施例1と4ではメタノール 、実施例2と3ではトルエン)と適当なパラジウム化合物(表1参照)を導入し た。続いて、所望の温度にて、オートクレーブ内をエチレンで加圧し、6000 kPaの総圧まで上昇させ(表1参照)、重合を5時間行った。反応温度と圧力 を、全反応時間に亘って一定に保った。その後、オートクレーブを冷却し、通気 させるこにより重合を停止し、反応混合物を濾過し、そして重合体を単離した。 製造パラメーター、触媒量、用いた溶媒、及び得られた重合体量及びそれらの 融点(DSC法により決定)を表1に示す。 略語の説明: dtbpm=ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)メタン MeCN=アセトニトリル
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年6月13日 【補正内容】 明細書 オレフィン性不飽和モノマーの重合体の製造 本発明は、下記一般式(I)の金属錯体の存在下に不飽和モノマーを重合する ことによりオレフィン性不飽和モノマーの重合体を製造する方法に関する。 上記式において、 Mが、元素周期表のVIIIB族から選ばれる金属を表し、 E1、E2が、それぞれ元素周期表のVA族から選ばれる元素を表し、 Zが、元素周期表のIVA、VA及びVIA 族の元素から選ばれる橋かけ原子を有す る橋かけ構造単位を表し、 R1〜R4が、元素周期表のIVA、VA、VIA 及びVIIA族の元素を1個以上含んで も良いC1〜C20有機基及びC3〜C30有機珪素基からなる群より選ばれる置換基 を表し、 L1、L2が、形式電荷を有する配位子又は中性の配位子を表し、 Xが、一価又は多価のアニオンを表し、 Pが、0、1又は2を表し、 m、nが、0、1又は2を表し、 且つp=m×nを満足する。 オレフィン性不飽和モノマー、例えばエチレン、C3〜C8の1−アルキレン及 びアクリル酸誘導体、の重合としては、種々な重合方法が知られている。そして 、得られるポリオレフィンは、フィルム、成形体及び繊維等の多くの用途で工 業的に広く使用されている。 オレフィンの重合は、特に、原子番号の小さい遷移金属(チタン、ジルコニウ ム等)及び主族金属のアルキル化合物(例、アルキルアルミニウム)からなる混 合触媒(チーグラー触媒として知られている)により、あるいはフリーラジカル 開始剤により、促進され、あるいは開始される。 しかしながら、チーグラー触媒はいくつかの不利がある。それらは、通常、湿 気や酸素と極めて激しく反応する場合があり、一般にその触媒活性を失う。 さらに、これらの触媒は、一般にカルボン酸基あるいはエステル基等の官能基 を有する不飽和化合物を(共)重合することができない。 さらにまた、環状のオレフィン性不飽和モノマー又は直鎖状の多価オレフィン 性不飽和モノマーの重合は、所望の方法、即ち重挿入反応、では進行しないで、 環状モノマーの開環あるいは鎖状モノマーの環形成などの二次反応が起こる。こ のようにして形成された重合体は、化学組成及び分子量分布において極めて不均 一なものである。 フリーラジカル開始剤は、高圧下で、例えば、極性オレフィン、不飽和モノマ ーを共重合させることができるが、コモノマーの取り込みがしばしば不均一とな って重合体の構造が枝別れし、例えば、重合体フィルムの品質の低下をもたらす 。 これらの特性は、種々な重合方法により得られる重合体の応用分野を限定する 。このため、上記不利を持たない、あるいは上位不利を無視できるレベルでしか 持たないような、代わりの重合体あるいは重合方法が求められている。 EP−A0589527には、特定のパラジウムホスフィン錯体を主成分とす るオレフィン単独重合体及びオレフィン共重合体用の触媒系が記載されている。 しかしながら、これらの触媒には製造容易性及び重合挙動の両方において、満足 できない点が残っている。低重合度のもの(オリゴマー3〜20モノマー単位を 有する)についてのみメタノール、エチレングリコールあるいは水等の極性溶媒 中で得られる。ジエチレングリコール(diglyme)等の非極性溶媒中でも、最大の 分子量Mnは、わずか5600に達する程度で、その際コモノマーは痕跡程度取 り込まれているにすぎない。内部オレフィンの使用もまた記載されていないし、 重合体の二重結合含有量及びその分子量分布Mw/Mnも同様に記載されていない 。 EP−A0454231には、原子番号の後の遷移金属(VIII族)のカチオン 性金属錯体を主成分とするエチレン、オレフィン及びアルキンの重合用触媒系が 記載されている。しかしながら、これらの触媒は不純物に対して敏感である。達 成できる生産性も同様に満足できない点がある。極性共重合体については記載さ れていない。 本発明の目的は、上記不利の無い、及びまた極性コモノマーが、特に、主に線 状の連続となるように取り込まれている新規な重合方法を提供することにある。 本発明者等は、上記目的が下記一般式(I)の金属錯体の存在下に不飽和モノ マーを重合することによりオレフィン性不飽和モノマーの重合体を製造する方法 により達成できることを見出した。 上記式において、 Mが、元素周期表のVIIIB族から選ばれる金属を表し、 E1、E2が、それぞれ元素周期表のVA族から選ばれる元素を表し、 Zが、元素周期表のIVA、VA及びVIA 族の元素から選ばれる橋かけ原子を有す る橋かけ構造単位を表し、 R1〜R4が、元素周期表のIVA、VA、VIA 及びVIIA族の元素を1個以上含んで も良いC1〜C20有機基及びC3〜C30有機珪素基からなる群より選ばれる置換基 を表し、 L1、L2が、形式電荷を有する配位子又は中性の配位子を表し、 Xが、一価又は多価のアニオンを表し、 Pが、0、1又は2を表し、 m、nが、0)1又は2を表し、 且つp=m×nを満足する。 本発明の重合方法で使用される金属錯体の金属Mとして好適な金属としては、 元素周期表のVIIIB族から選ばれる金属である。即ち、鉄、コバルト及びニッケ ル、特にルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、白金の白金属類が好 ましく、さらにパラジウムが最も好ましい。金属は、錯体中に、形式電荷を持た ないか、あるいは一価の正の形式電荷、あるいは好ましくは二価の正の形式電荷 で存在することができる。 適当な元素E1及びE2は、それぞれ元素周期表の主V族(VA族)から選ばれる 元素であり、即ち窒素、燐、砒素、アンチモンあるいはビスマスである。特に好 適な元素は窒素又は燐であり、その中でも燐である。キレート配位子は異種の元 素E1、E2、例えば窒素及び燐を含むことができる。 橋かけ構造単位のZは、元素E1、E2を互いに連結する原子群である。元素周 期表のIVA、VA及びVIA 族の元素から選ばれる1個の原子が、E1、E2間の連結 橋かけを形成する。この橋かけ原子の自由原子価は、種々な方法、例えば水素又 は元素周期表のIVA、VA、VIA 及びVIIA族の元素と置換することにより、満足す ることができる。これらの置換基は、互いにあるいは橋かけ原子と環を形成して も良い。 特に好適な橋かけ構造単位としては、元素周期表のIVA から選ばれた1個の原 子を有するもの、例えば、メチレン(−CH2−)、エチリデン(CH3(H)C =)、2−プロピリデン((CH32C=)又はジフェニルメチレン((C65 2C=)を挙げることができる。 特に好適な橋かけ構造単位は、単一橋かけ原子を有するものであり、例えば− CR56−又は−SiR56−(R5及びR6は、水素又はC3〜C10有機基を表 す)。R5及びR6は、橋かけ原子とともに、3員〜10員の環を形成することも できる。単一橋かけ原子を有する橋かけ構造単位の例としては、メチレン(−C H2−)、エチリデン(CH3(H)C=)、2−プロピリデン((CH32C= )、ジフェニルメチレン((C652C=)、ジアルキ ルシリレン(例、ジメチルシリレン、ジフェニルシリレン)、さらにまた環状橋 かけ群(例、シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチルデン、シ クロヘキシリデン)を挙げることができる。好ましい橋かけ構造単位としては、 メチレン(−CH2−)、エチリデン(CH3(H)C=)、2−プロピリデン( (CH32C=)、ジメチルシリレン、ジフェニルシリレンを挙げることができ 、特にメチレンが好ましい。 好適な有機基R1〜R4は、炭素原子数1〜20の脂肪族、環状脂肪族及び芳香 族基である。例えば、メチル、エチル、1−プロピル、1−ブチル、1−ペンチ ル、1−ヘキシル及び1−オクチルを挙げることができる。また、炭素原子数1 〜10のアルキル及び炭素原子数6〜20のアリールを有する直鎖のアリールア ルキル基、例えばベンジル;さらにまたアリール基、例えばフェニル、トリル、 他の置換フェニル基;も好適である。 好ましくは、基R1〜R4は、中央原子を大きく保護するため、充分に嵩高くあ るべきである。中心原子は、例えばパラジウムであり、元素E1、E2はこの中心 原子と共に活性錯体を形成する。この要求にあった基としては、例えば、環状脂 肪族基及び枝分かれ脂肪族基、特にα−位で枝分かれしたものを挙げることがで きる。 適当な環状脂肪族基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル及びメンチル 、であり、また、特に及びノルボルニル、ピナニル、ボルニル及びビシクロノニ ル等の二環基を挙げることができ、これらの環の骨格は、元素E1、E2とどのよ うにでも連結することができる。環状脂肪族基は、合計で5〜20個の炭素原子 を含むことが好ましい。 適当な枝分かれ脂肪族基としては、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチ ル、ネオペンチル及びtert−ブチル等のC3〜C20、好ましくはC3〜C12ア ルキル基、またアルキル基の炭素原子が1〜10個でアリール基の炭素原子が6 〜20個のアルキルアリールを挙げることができる。 特に好適な枝分かれ脂肪族基としては、tert−ブチル基、イソプロピル基 、sec−ブチル基及びメンチル基を挙げることができる。さらに枝分かれした アルキル基も、基R1〜R4として好適である;例えばイソブチル基、3−メ チルブチ−2−ル(3-methylbut-2-yl)基及び4−メチルペンチル基。 基R1〜R4の化学的性質は、これまでの観察を基にすれば、決定的に重要なも のではない。即ち、その基はまた、元素周期表のIVA、VA、VIA 及びVIIA族の元 素から選ばれる原子、例えばハロゲン、酸素、硫黄、窒素及び珪素、を有するこ とができる。最後の例としては、ビス(トリメチルシリル)メチル基である。重 合条件下で不活性であるヒドロキシ、アルコキシ及びシアノ等の官能基も、これ に関連して適当である。 好ましいヘテロ置換基R1〜R4としては、C3〜C30有機珪素基、即ちE1又は E2と連結し、その残りの原子価は3個の有機基で満たされ、且つ珪素に結合し たこれら3個の基の炭素原子の総数は3〜30である、4価の珪素原子である。 挙げることができる例としては、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチル シリル及びトリフェニルシリルであり、特にトリメチルシリル基である。 好適なキレート配位子としては、メチレン基で橋かけされたジホスフィンであ る;特に、C3〜C10環状脂肪族基あるいは枝分かれC3〜C20脂肪族基のR1〜 R4で置換されたメチレン−橋かけジホスフィン、例えばビス(ジ−tert− ブチルホスフィノ)メタン、[(ジ−tert−ブチルホスフィノ)(ジシクロ ヘキシルホスフィノ)]メタンあるいはビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)メ タンを挙げることができる。そしてこれらが本発明の方法に対して好適であるこ とは、2個の燐原子のメチレン−結合及び基R1〜R4の三次元構造に起因してい ると、目下のところ考えられる。ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)メタ ンが特に好ましい。 中心金属Mの形式的酸化状態により、配位子L1及びL2が1個又は2個の負の 形式電荷を有し、そうでなければ、金属が形式非電荷である場合、配位子L1及 びL2は同様に非電荷である。 配位子の化学的性質は臨界的ではない。現在の知識に基づけば、それらは分解 (例、金属の沈殿又は不特定反応(例、錯体の断片の凝集))に対して金属錯体 残部を安定化させる機能を有する。 好適な形式電荷を有する無機配位子L1、L2は、水素化物、ハロゲン化物、硫 、酸塩、燐酸塩及び硝酸塩である。塩化物、臭化物、沃化物が好ましく、特に 塩化物が好ましい。 好適な形式電荷を有する有機配位子L1、L2としては、C1〜C20脂肪族基、 C3〜C30環状脂肪族基(脂肪族環基)、C6〜C10アリール基及びC1〜C10ア ルキル基を有するC7〜C20アラルキル基、及びC6〜C20芳香族基を挙げること ができ、その例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert− ブチル、ネオペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、ネオフィル、フェニル及び 置換基を有するフェニル基を挙げることができる。 また、形式電荷を有する配位子L1、L2として、アセテート、プロピオネート 、オキサレート、ベンゾエート及びシトレーオ等のC1〜C20カルボキシレート 基、及びメチルスルホネート、トリフロロメチルスルホネート及びp−トルエン スルホネート等の有機スルホン酸塩を挙げることができる。C1〜C7カルボキシ レート基、スルホン酸誘導体が好ましく、特にアセテート及びp−トルエンスル ホネートが好ましい。 好適な形式電荷を有する配位子L1、L2は、一般にルイス酸、即ち、少なくと も1個の自由電子対を有する化合物、である。特に好適なルイス酸は、1個又は 2個以上の自由電子対が窒素又は酸素上に位置するものである。例えば、ニトリ ル類、R−CN、ケトン類、エーテル類そしてアルコール類を挙げることができ る。アセトニトリル、プロピオニトリル及びベンゾニトリル等のC1〜C10ニト リル、あるいはアセトン及びアセチルアセトン等のC2〜C10ケトン、それ以外 にもジメチルエーテル、ジエチルエーテル及びテトラヒドロフラン等のC2〜C1 0 エーテルは好ましい。特に、アセトニトリルあるいはテトラヒドロフランの使 用が好ましい。 金属Mを含む錯体断片の形式荷電に依存して、金属錯体(I)はアニオンXを 含む。しかしながら、仮にM−含有錯体断片が形式荷電を持たないのであれば、 錯体はどのようなアニオンXも含まない。 アニオンXの化学的性質は、臨界的ではない。しかしながら、そのことは、現 在の知識に基づけば、アニオンが可能な限りでほとんど求核性を持たないこと、 即ち中心金属Mと化学結合を形成する傾向が可能な限りで小さいことあり、有利 である。 好適なアニオンXの例としては、パーコレート、スルフェート、ホスフェート 、ニトレート、及びカルボキシレート(例、アセテート、トリフロロアセテート 、トリクロロアセテート、プロピオネート、オキサレート、シトレート及びベン ゾエート)を挙げることができ、また有機スルホン酸の共役アニオン(例、メチ ルスルホネート、トリフロロメチルスルホネート、p−トルエンスルホネート) 、さらにテトラフロロボレート(テトラフロロ硼酸)、テトラフェニルボレート 、テトラキス(ペンタフロロフェニル)ボレート、ヘキサフロロホスフェート、 ヘキサフロロアルセネート(ヘキサフロロヒ酸)あるいはヘキサフロロアンチモ ネート(ヘキサフロロアンチモン酸)を挙げることができる。パーコレート、ト リフロロアセテート、スルホネート(例、メチルスルホネート、トリフロロメチ ルスルホネート、p−トルエンスルホネート)、テトラフロロボレート、ヘキサ フロロホスフェートが好ましく、特にトリフロロアセテート、パーコレート、p −トルエンスルホネートが好ましい。 好適なオレフィン性不飽和化合物(モノマー)としては、概ね、この種の化合 物の全てのモノマーを使用することができる。好ましい例としては、エチレン及 びプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1− オクテン、1−ノネン及び1−デセン等のC3〜C10の1−アルケンを挙げるこ とができ、さらに2−ブテン、2−ペンテン、2−および3−ヘキセン等の内部 E−又はZ−オレフィンの使用も良好な効果が得られので可能である。他の好適 なモノマーとして、1,3−ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキ サジエン等のジエン、そしてシクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン及 びノルボルナジエン及びシクロペンタジエン及びジシクロペンタジエン等のシク ロオレフィンを挙げることができる。 特に、オレフィン性不飽和芳香族モノマーとしては、スチレン及びα−メチル スチレンを挙げなければならない。 官能基で置換されたオレフィンもまた、モノマーとして特に重要である。好適 な官能基としては、カルボキシル基(−COOH)及びその誘導体基(例、エス テル、ハライド及びアミド)、さらにヒドロキシル基、シアノ基(−CN)、ケ ト基、アルデヒド基、カルボキシレート基、さらにまたシリル基(−SiR3: Rは水素、1〜15の炭素原子数を有する有機基である)を挙げることができる 。 また、官能基で置換された特に好適なオレフィンとしては、アクリル酸、メタ クリル酸及びその誘導体、特に、そのニトリル類、アミド類そしてC1〜C10ア ルキルエステル類(例、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチルアクリ レート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、t ert−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタク リレート、エチルメタクリレート及びプロピルメタクリレートを挙げることがで きる。さらに好適なモノマーとしては、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸 ビニル、無水マレイン酸及びN−ビニルピロリドンを挙げることができる。勿論 、種々のモノマーの混合物も使用することができる。モノマーの混合物の各モノ マー間の比率は広く自由に選択することができる。 重合条件はそれ自体臨界的ではない。重合は、バッチあるいは連続のいずれで で行っても良い。 圧力は、100〜500000kPaが一般的であり、200〜350000 kPaが好ましく、特に500〜30000kPaが好ましく、また温度は−5 0〜400℃が一般的であり、20〜250℃が好ましく、特に40〜150℃ が好ましいことが分かった。 開示された触媒系を用いる重合反応は、気相中、懸濁中、液体又は臨界値より 多いモノマー中、あるいは重合条件下で不活性な溶媒中で行うことができる。 適当な不活性溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプ ロパノール、1−ブタノール及びtert−ブタノール等のアルコール類;ジメ チルスルフォキサイド等のスルフォキサイド及びスルフォン;酢酸エチル及びブ チロラクトン等のエステル類;テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチ ルエーテル及びジイソプロピルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、 エチルベンゼン及びクロロベンゼン等の芳香族溶媒;又はこれらの混合物、を挙 げることができる。 重合体の分子量は、重合温度の変更により、及び水素を添加することによる通 常の方法で調整することができる。 本発明の方法を用いて得られる重合体は、一般に高分子量を有し、分子量分布 が狭く、そして二重結合の割合いも高い。 上記重合体は、成形体の製造、特に包装用の成形体、フィルム、繊維及び軸継 手の製造に好適であり、さらにその反応性二重結合のために容易に化学変性を行 うことができる。 [実施例1〜4] 0.31のオートクレーブに、75mlの溶媒(実施例1と4ではメタノール 、実施例2と3ではトルエン)と適当なパラジウム化合物(表1参照)を導入し た。続いて、所望の温度にて、オートクレーブ内をエチレンで加圧し、6000 kPaの総圧まで上昇させ(表1参照)、重合を5時間行った。反応温度と圧力 を、全反応時間に亘って一定に保った。その後、オートクレーブを冷却し、通気 させるこにより重合を停止し、反応混合物を濾過し、そして重合体を単離した。 製造パラメーター、触媒量、用いた溶媒、及び得られた重合体量及びそれらの 融点(DSC法により決定)を表1に示す。 略語の説明: dtbpm=ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)メタン MeCN=アセトニトリル 請求の範囲 1.下記一般式(I): [但し、Mが、元素周期表のVIIIB族から選ばれる金属を表し、 E1、E2が、それぞれ元素周期表のVA族から選ばれる元素を表し、 Zが、元素周期表のIVA、VA及びVIA 族の元素から選ばれる橋かけ原子を有す る橋かけ構造単位を表し、 R1〜R4が、元素周期表のIVA、VA、VIA 及びVIIA族の元素を1個以上含んで も良いC1〜C20有機基及びC3〜C30有機珪素基からなる群より選ばれる置換基 を表し、 L1、L2が、形式電荷を有する配位子又は中性の配位子を表し、 Xが、一価又は多価のアニオンを表し、 Pが、0、1又は2を表し、 m、nが、0、1又は2を表し、 且つp=m×nを満足する] で表される金属錯体の存在下に不飽和モノマーを重合させることによりオレフィ ン性不飽和モノマーの重合体を製造する方法。 2.重合を、Zがメチレン基である一般式(I)で表される金属錯体の存在下に 行う請求項1に記載の方法。 3.重合を、Xがトリフロロアセテート、パーコレートあるいはp−トルエンス ルホネートである一般式(I)で表される金属錯体の存在下に行う請求項1又は 2に記載の方法。 4.使用されるオレフィン性不飽和化合物が、オレフィン、ジオレフィン、官能 基が置換されたオレフィン、又はビニル芳香族化合物である請求項1〜3のいず れかに記載の方法。 5.使用されるオレフィン性不飽和モノマーが、C2〜C20の1−アルケン、C4 〜C20の内部アルケン、C4〜C20のジオレフィン、又はα、β−不飽和カルボ ン酸又はこれらの誘導体である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記一般式(I): [但し、Mが、元素周期表のVIIIB族から選ばれる金属を表し、 E1、E2が、それぞれ元素周期表のVA族から選ばれる元素を表し、 Zが、元素周期表のIVA、VA及びVIA 族の元素から選ばれる原子からなる1個 、2個又は3個の基本構造単位を有する橋かけ構造単位を表し、 R1〜R4が、元素周期表のIVA、VA、VIA 及びVIIA族の元素を1個以上含んで も良いC1〜C20有機基及びC3〜C30有機珪素基からなる群より選ばれる置換基 を表し、 L1、L2が、形式電荷を有する配位子又は中性の配位子を表し、 Xが、一価又は多価のアニオンを表し、 Pが、0、1又は2を表し、 m、nが、0、1又は2を表し、 且つp=m×nを満足する] で表される金属錯体の存在下におけるオレフィン性不飽和モノマーの重合により 得られる重合体。 2.Zが、元素周期表のIVA 族の元素から選ばれる1個、2個又は3個の橋かけ 原子を有する橋かけ構造単位を表す請求項1に記載の重合体。 3.Zが、−CR56−又は−SiR56−を表し、R5及びR6がそれぞ れ水素又はC1〜C10有機基を表す請求項1又は2に記載の重合体。 4.E1及びE2が燐である請求項1〜3のいずれかに記載の金属錯体。 5.R1〜R4が、それぞれC1〜C20脂肪族基及びC3〜C30環状脂肪族基である 請求項1〜4のいずれかに記載の金属錯体。 6.下記一般式(I): [但し、Mが、元素周期表のVIIIB族から選ばれる金属を表し、 E1、E2が、それぞれ元素周期表のVA族から選ばれる元素を表し、 Zが、元素周期表のIVA、VA及びVIA 族の元素から選ばれる原子からなる1個 、2個又は3個の基本構造単位を有する橋かけ構造単位を表し、 R1〜R4が、元素周期表のIVA、VA、VIA 及びVIIA族の元素を1個以上含んで も良いC1〜C20有機基及びC3〜C30有機珪素基からなる群より選ばれる置換基 を表し、 L1、L2が、形式電荷を有する配位子又は中性の配位子を表し、 Xが、一価又は多価のアニオンを表し、 Pが、0、1又は2を表し、 m、nが、0、1又は2を表し、 且つp=m×nを満足する] で表される金属錯体の存在下に不飽和モノマーを重合させることによりオレフィ ン性不飽和モノマーの重合体を製造する方法。 7.使用されるオレフィン性不飽和化合物が、オレフィン、ジオレフィン、官能 基が置換されたオレフィン、又はビニル芳香族化合物である請求項6に記載の方 法。 8.使用されるオレフィン性不飽和化合物が、C2〜C20の1−アルケン、C4〜 C20の内部アルケン、C4〜C20のジオレフィン、又はα、β−不飽和カルボン 酸又はこれらの誘導体である請求項6又は7に記載の方法。 9.請求項1〜5のいずれかに記載の重合体をフィルム、繊維又は成形体として 使用する方法。 10.請求項1〜5のいずれかに記載の重合体を含むフィルム、繊維又は成形体 。
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