JP4405157B2 - 重合触媒 - Google Patents

重合触媒 Download PDF

Info

Publication number
JP4405157B2
JP4405157B2 JP2002589494A JP2002589494A JP4405157B2 JP 4405157 B2 JP4405157 B2 JP 4405157B2 JP 2002589494 A JP2002589494 A JP 2002589494A JP 2002589494 A JP2002589494 A JP 2002589494A JP 4405157 B2 JP4405157 B2 JP 4405157B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sup
iii
polymerization
catalyst
hydrocarbyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002589494A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005500264A (ja
Inventor
グリーン,サイモン,マイケル
マドックス,ピーター,ジェームズ
Original Assignee
イネオス ユーロープ リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by イネオス ユーロープ リミテッド filed Critical イネオス ユーロープ リミテッド
Publication of JP2005500264A publication Critical patent/JP2005500264A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4405157B2 publication Critical patent/JP4405157B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F15/00Compounds containing elements of Groups 8, 9, 10 or 18 of the Periodic Table
    • C07F15/06Cobalt compounds
    • C07F15/065Cobalt compounds without a metal-carbon linkage
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F15/00Compounds containing elements of Groups 8, 9, 10 or 18 of the Periodic Table
    • C07F15/02Iron compounds
    • C07F15/025Iron compounds without a metal-carbon linkage

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Air Bags (AREA)

Description

発明の詳細な説明
本発明は遷移金属複合体化合物に関するものであり、それに基づく重合触媒に関するものであり、オレフィンの重合及び共重合におけるそれらの使用に関するものである。
ある種の遷移金属化合物の1−オレフィン、例えばエチレン又はプロピレンの重合のための使用は、先行技術において十分に確立されている。チーグラ−ナッタ触媒の使用、例えば、トリエチルアルミニウムのような有機金属化合物を備えたチタンハロゲン化物を活性化することにより生成される触媒は、多くの工業的なポリオレフィンの製造方法に対して根本的である。非常に低い濃度の残留触媒を含むオレフィン重合体及び共重合体を直接的に工業的重合方法において生成することができるほど高活性を有するチーグラ−ナッタ触媒の進歩を、過去20乃至30年で科学技術の進歩はもたらした。生成された重合体中に残存する残留触媒の量は、大部分の工業的用途にとってそれらの分離及び除去の必要のないほど少ない。そのような方法は、単量体を気相、又は液体炭化水素希釈液の溶液又は懸濁液中にて重合することによって稼動されることが可能である。単量体の重合は、気相(「気相工程」)において、例えば、重合条件のもと目標ポリオレフィン粉体及び所望の触媒の粒子からなる床をガス状単量体からなる流動化ガス流を用いて流動化することにより、実施されることができる。いわゆる「溶液工程」において、(共)重合は、温度及び圧力の条件のもと液体炭化水素希釈液中に触媒の存在する溶液又は懸濁液中へ、単量体を導入することによって実行され、その結果、生成されたポリオレフィンが炭化水素希釈液中に溶液として形成される。「スラリー工程」において、温度、圧力及び希釈液の選択は、生成された重合体が液体炭化水素希釈液中に懸濁物として形成されることを結果としてもたらす。これらの方法は一般的に比較的低い圧力(例えば10乃至50バール)及び低い温度(例えば50乃至150℃)にて稼動される。
近年、ある種のメタロセン触媒の使用(例えばアルモキサン(alumoxane)で活性化されたビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロライド)は、潜在的に高活性を備えた触媒を提供する。しかしながら、この種のメタロセン触媒は多くの欠点、例えば、工業的に利用可能な単量体、希釈液及び工程ガス流を用いた場合の不純物に対する高選択性、高活性を達成するために高価なアルモキサンを多量に使用する必要性、及び触媒を好適な担体上に担持する困難性を被っている。
本発明の目的は、単量体、例えば2乃至20炭素原子を含むα−オレフィンのようなオレフィンの重合及びオリゴマー化、及び特にエチレン単独、プロピレン単独の重合、あるいはエチレン又はプロピレンのC2−20α−オレフィンのようなその他の1−オレフィンとの共重合に好適な新規な触媒を提供することである。
国際公開第99/12981号パンフレット(特許文献1)は、エチレン又はその他の1−オレフィンが、それを選択された2,6−ピリジンカルボキサルデハイドビス(2,6−pyridinecarboxaldehydebis)(イミン)及び2,6−ジアシルピリジンビス(2,6−diacylpyridinebis)(イミン)の遷移金属複合体と特定の比率で接触することによって重合され得ることが開示されている。
国際公開第00/50470号パンフレット(特許文献2)は、その最も広い態様において、リガンドの少なくとも一つの供与体原子が、1−ピローリル(1−pyrrolyl)又は置換1−ピローリル(1−pyrrolyl)基により置換された窒素原子である遷移金属複合体からなる重合触媒が開示されている。具体例は、以下のようなリガンドを含み、ここにおいて、R基は典型的にはアルキル基である。
Figure 0004405157
国際公開第01/14391号パンフレット(特許文献3)は、リガンドの二つの供与体原子が、5つの部分からなるヘテロサイクリック置換基であり得る更なる窒素原子の置換基と結合された窒素原子である類似のビスイミダート(bisiminidato)金属複合体が開示されている。
C−N結合の化学は、先行技術において、N−イミノピロールの実施例によって例示された種類を含むN−N結合のものと顕著に異なることは、よく知られている。特に、C−原子に結合するN−供与体原子を含むリガンドは、他のN原子に結合するN供与体と比較して金属中心(metal centre)に対する電子電荷の量が異なることに貢献することが予測され、そして、このことは、複合体の触媒特性全体に対する顕著な効果を有する可能性がある。
国際公開第99/12981号パンフレット 国際公開第00/50470号パンフレット 国際公開第01/14391号パンフレット
我々は、少なくとも一つ、望ましくはリガンドの二つの供与体原子が5つの部分からなるヘテロサイクリック置換基の炭素原子に連結する窒素原子である、有効な重合触媒の更なる複合体のクラスを発見した。
従って、最も広い態様において、本発明は、Ti[II],Ti[III],Ti[IV],Fe[II],Fe[III],Co[II],Co[III],Ni[II],Cr[II],Cr[III],Mn[II],Mn[III],Mn[IV],Ta[II],Ta[III],Ta[IV],Rh[II],Rh[III],Y[II],Y[III],Sc[II],Sc[III],Ru[II],Ru[III],Ru[IV],Pd[II],Zr[II],Zr[III],Zr[IV],Hf[II],Hf[III],Hf[IV],V[II],V[III],V[IV],Nb[II],Nb[III],Nb[IV]又はNb[V]であり、一座の、二座の、三座の又は四座のリガンドによってライゲートされた金属複合体を提供するものであり、ここにおいて、リガンドの供与体原子の少なくとも1つは、炭素原子によって窒素原子に連結された5つの部分からなるヘテロサイクリック置換体によって置換された窒素原子である。
望ましい複合体は式(I)のものである。
Figure 0004405157
ここにおいて、構造R−N−G−Xは二座、三座又は四座のリガンドを表し、このうちNはイミンリンケージによってGに連結された窒素であり;Gは第三及び第四供与体原子を状況に応じて含む架橋基であり;X−M結合が共有結合の場合、Xは−O又は−Sであり、X−M結合が供与結合の場合、Xは=S,−PR,−PR,=NR,=NR,−NR又は−NRであり;Rは炭素原子を経由して窒素原子に連結した5つの部分からなるヘテロサイクリック置換体であり;Rは炭素原子を経由して窒素又はリン原子に連結した5つの部分からなるヘテロサイクリック置換体であり;そしてR及びRはヒドロカルビル又はヘテロヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル又はアリール置換基であり;MはTi[II],Ti[III],Ti[IV],Fe[II],Fe[III],Co[II],Co[III],Ni[II],Cr[II],Cr[III],Mn[II],Mn[III],Mn[IV],Ta[II],Ta[III],Ta[IV],Rh[II],Rh[III],Y[II],Y[III],Sc[II],Sc[III],Ru[II],Ru[III],Ru[IV],Pd[II],Zr[II],Zr[III],Zr[IV],Hf[II],Hf[III],Hf[IV],V[II],V[III],V[IV],Nb[II],Nb[III],Nb[IV],Nb[V]であり;Xは遷移金属Mに共有又はイオン結合した原子又は基を表し;そしてLはMに供与結合した基であり、そしてnは0乃至5であり;qは1又は2である。
望ましくは、Xは=NRである。qが2の場合、二つのリガンドは単一のテトラ歯状リガンドを形成するように連結され得る。しかしながら、望ましくはqは1であり、リガンドは二座または三座である。
望ましくは、R及びRは構造、
Figure 0004405157
を各々独立して有し、
ここにおいて、D,W,Y及びZはCR、CRR’,N,NR,O,S,PR又はPRR’から各々独立して選択され、ここでR及びR’は各々独立してH,C−C10アルキル、C−C10へテロアルキル又はC−C20アリール又はアラルキルであり、但しD,W,Y及びZのうちの少なくとも1つはCR又はCRR’ではない。環が二つのD,W,Y及びZがCRであって、他の2つがN,NR,O又はSから独立して選択される、ヘテロ芳香族であると好ましい。
望ましくは、R及びR環の一つ又は両方は、窒素原子に隣接したリンケージの一つ又は両方の位置にて置換される。そのような置換は、望ましくは、状況に応じてCアルキルで置換されたメチル、エチル、イソプロピル又はフェニルである。R及びRの好ましい構造は以下の通りである。
Figure 0004405157
ここにおいて、DはNR,O又はSであって、ここでRはH,C−Cアルキル又はC−C20アリール又はアラルキルであり、W、Y及びZのうちの2つは独立してH,C−Cアルキル又はC−C20アリール又はアラルキルであり、一方、三番目のものはR又はRが結びついた窒素原子に直接結合することにより置き換えられる。望ましくは、Yは窒素原子に結合することにより置き換えられる。望ましくはW及びZは,C−Cアルキル又はC−C20アリール又はアラルキルである。望ましくはDはNRである。
及びRの両方にとって特に好ましい置換基は、
Figure 0004405157
を有する置換基である。
一般的に上記5つの部分からなるヘテロサイクリック置換基は、国際公開第00/50470号パンフレット中に開示された如何なる複合体においても供与体窒素原子に結びついているピロール又は置換されたピロール置換基を置き換えてもよい。
本発明の第二の態様は一般式(III)によって示される複合体からなり、
Figure 0004405157
ここにおいて、MはTi[II],Ti[III],Ti[IV],Fe[II],Fe[III],Co[II],Co[III],Ni[II],Cr[II],Cr[III],Mn[II],Mn[III],Mn[IV],Ta[II],Ta[III],Ta[IV],Rh[II],Rh[III],Y[II],Y[III],Sc[II],Sc[III],Ru[II],Ru[III],Ru[IV],Pd[II],Zr[II],Zr[III],Zr[IV],Hf[II],Hf[III],Hf[IV],V[II],V[III],V[IV],Nb[II],Nb[III],Nb[IV],Nb[V]であり;Xは遷移金属Mに共有又はイオン結合した原子又は基を表し;YはC又はP(R)であり;Yは−O(R),(OからMへの結合が共有結合である場合)−O、−C(R)=O,−C(R)=N(R),−P(R)(R)=N(R)又は−P(R)(R)=Oであり;R及びRは各々独立して炭素原子を経て窒素原子に連結した5つの部分からなるヘテロサイクリック置換体であり;R,R,R,Rは水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、置換ヘテロヒドロカルビル又はSiR’から各々独立して選択され、ここにおいて各々のR’は水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル及び置換ヘテロヒドロカルビルから独立して選択され、そして如何なる隣接したものもお互いに連結して環を形成してもよく;GはY及びYの間の直接的な結合か、或いはqが1のときにMとリンクした第三の原子を状況に応じて含む架橋基のいずれかであり;LはMに供与結合した基であり;nは0乃至5であり;そしてqは1又は2である。
望ましくは、上記複合体は式(IV)を有する。
Figure 0004405157
ここにおいて、MはTi[II],Ti[III],Ti[IV],Fe[II],Fe[III],Co[II],Co[III],Ni[II],Cr[II],Cr[III],Mn[II],Mn[III],Mn[IV],Ta[II],Ta[III],Ta[IV],Rh[II],Rh[III],Y[II],Y[III],Sc[II],Sc[III],Ru[II],Ru[III],Ru[IV],Pd[II],Zr[II],Zr[III],Zr[IV],Hf[II],Hf[III],Hf[IV],V[II],V[III],V[IV],Nb[II],Nb[III],Nb[IV],Nb[V]であり;Xは遷移金属Mに共有又はイオン結合した原子又は基を表し;R,R,及びRは水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、置換ヘテロヒドロカルビル又はSiR’から各々独立して選択されここにおいて各々のR’は水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル及び置換ヘテロヒドロカルビルから独立して選択され、そしてR及びRはお互いに連結して環を形成してもよく;Rは炭素原子を経て窒素原子に連結する5つの部分からなるヘテロサイクリック置換基であり;そしてLはMに供与結合した基であり;nは0乃至5であり;そしてqは1又は2である。
望ましくは、MはIV族の金属、特にTi,Zr,Cr,Ni又はPdである。望ましくは、R及びRはお互いに連結してフェニル、望ましくは置換されたもの、を形成する。好ましい置換基はC−Cアルキル又はC−C24アリール又はアラルキルである。特に、フェニル基は酸素リンケージと近接した位置にて、それ自身で置換され得るt−ブチル基又はアントラセニル基と置換され得る。
本発明の別の好ましい複合体は、式(V)を有する。
Figure 0004405157
ここにおいて、R及びRは各々独立して炭素原子を経て窒素原子に連結した5つの部分からなるヘテロサイクリック置換体であり;R及びRは水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、置換ヘテロヒドロカルビル又はSiR’から各々独立して選択され、ここにおいて各々のR’は水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル及び置換ヘテロヒドロカルビルから独立して選択され、R及びRはお互いに連結して環を形成してもよく;MはTi[II],Ti[III],Ti[IV],Fe[II],Fe[III],Co[II],Co[III],Ni[II],Cr[II],Cr[III],Mn[II],Mn[III],Mn[IV],Ta[II],Ta[III],Ta[IV],Rh[II],Rh[III],Y[II],Y[III],Sc[II],Sc[III],Ru[II],Ru[III],Ru[IV],Pd[II],Zr[II],Zr[III],Zr[IV],Hf[II],Hf[III],Hf[IV],V[II],V[III],V[IV],Nb[II],Nb[III],Nb[IV],Nb[V]であり;Xは遷移金属Mに共有又はイオン結合した原子又は基を表し;LはMに供与結合した基であり;nは0乃至5であり;そしてqは1又は2であり;Gは2つのC=N基の間の直接結合か、あるいはqが1のとき状況に応じて第三の供与原子を含む架橋基である。
上記実施例は式(VI)の複合体である。
Figure 0004405157
ここにおいて、MはTi[II],Ti[III],Ti[IV],Fe[II],Fe[III],Co[II],Co[III],Ni[II],Cr[II],Cr[III],Mn[II],Mn[III],Mn[IV],Ta[II],Ta[III],Ta[IV],Rh[II],Rh[III],Y[II],Y[III],Sc[II],Sc[III],Ru[II],Ru[III],Ru[IV],Pd[II],Zr[II],Zr[III],Zr[IV],Hf[II],Hf[III],Hf[IV],V[II],V[III],V[IV],Nb[II],Nb[III],Nb[IV],Nb[V]であり;Xは遷移金属Mに共有又はイオン結合した原子又は基を表し;R及びRは水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、置換ヘテロヒドロカルビル又はSiR’から各々独立して選択され、ここにおいて各々のR’は水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル及び置換ヘテロヒドロカルビルから独立して選択され、R及びRはお互いに連結して環を形成してもよく;ここにおいてR及びRは各々独立して炭素原子を経て窒素原子に連結した5つの部分からなるヘテロサイクリック置換体であり;そしてLはMに供与結合した基であり;nは0乃至5であり;そしてqは1又は2である。
望ましくは、MはNi又はPdである。
特に好ましい複合体は以下の式(VII)である。
Figure 0004405157
ここにおいて、M[T]はTi[II],Ti[III],Ti[IV],Fe[II],Fe[III],Co[II],Co[III],Ni[II],Cr[II],Cr[III],Mn[II],Mn[III],Mn[IV],Ta[II],Ta[III],Ta[IV],Rh[II],Rh[III],Y[II],Y[III],Sc[II],Sc[III],Ru[II],Ru[III],Ru[IV],Pd[II],Zr[II],Zr[III],Zr[IV],Hf[II],Hf[III],Hf[IV],V[II],V[III],V[IV],Nb[II],Nb[III],Nb[IV],Nb[V]であり;Xは遷移金属Mに共有又はイオン結合した原子又は基を表し;Tは遷移金属Mの酸化状態(oxidation state)であり、そしてbは原子又は基Xの原子価であり;A乃至Aは各々独立してN又はP又はCRであって、但し少なくとも1つはCRであり;R,R及びRはそれぞれ水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、置換ヘテロヒドロカルビル又はSiR’から独立して選択され、ここにおいて各々のR’は水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル及び置換ヘテロヒドロカルビルから独立して選択され;R及びRは各々独立して炭素原子を経て窒素原子に連結した5つの部分からなるヘテロサイクリック置換体である。
望ましくは、A乃至Aは各々独立してCRであり、ここにおいて各々のRは上記したとおりである。別の好ましい実施の形態において、A及びAはどちらもNでありAはCRである、又はA乃至Aの一つがNでありそしてその他のものが独立してCRである。
金属Mは望ましくはFe(II)、Fe(III)又はCo(II)である。
窒素原子の各々が金属Mに「供与」結合、すなわち窒素原子からの孤立電子対の供与によって形成された結合、によって配位する。各々の窒素原子での残りの結合は、上記した遷移金属複合体に関して定義された式にて示されるような窒素原子と有機リガンドとの間の電子の共有によって形成された共有結合である。
上記の複合体においてXによって示された原子又は基は、例えば、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、チオレート(thiolate)、チオカルボン酸塩、BF ,PF ,水素化物、ヒドロカルビル酸化物、カルボン酸塩、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル及びヘテロヒドロカルビル、又はβ−ジケトネートから選択される。そのような原子又は基の例は、塩化物、臭化物、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、デシル、フェニル、ベンジル、メトキシド、エトキシド、イソプロポキシド、トシレート、トリフレート(triflate)、蟻酸塩、酢酸塩、フェノール塩及び安息香酸塩である。原子又は基Xの好ましい実施例はハロゲン化物であり、例えば、塩化物、臭化物、水酸化物;ヒドロカルビル酸化物、例えばメトキシド、エトキシド、イソプロポキシド、フェノール塩;カルボン酸塩、例えば蟻酸塩、酢酸塩、安息香酸塩;ヒドロカルビル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、デシル、フェニル、ベンジル;置換ヒドロカルビル;へテロヒドロカルビル;トシレート;及びトリフレート(triflate)である。望ましくはXはハロゲン化物、水素化物及びヒドロカルビルから選択される。塩化物が特に好ましい。
Lは例えばテトラヒドロフラン又はジエチルエーテルのようなエーテル、エタノール又はブタノールのようなアルコール、第一、第二又は第三アミンもしくはホスフィンであってよい。
本発明の複合体は1−オレフィンの重合のための触媒として、状況に応じて活性化剤化合物と協調して、使用され得る。例えば触媒は1−オレフィンの重合又は一つ又はそれ以上の1−オレフィンの状況に応じて別の不飽和単量体との共重合のために使用されることが可能である。本明細書の全体にわたって使用されている用語「重合」は、ホモ重合、共重合及びオリゴマー化を含むことを意図する。
本発明の触媒全てに関する活性化剤化合物は好適には有機アルミニウム化合物及びヒドロカルビルホウ素化合物から選択される。好適な有機アルミニウム化合物は式AlRの化合物を含み、ここで各々のRは独立してC−C12アルキル又はハロー(halo)である。実施例はトリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、トリ−イソブチルアルミニウム(TIBA),トリ−n−オクチルアルミニウム、メチルアルミニウム二塩化物、エチルアルミニウム二塩化物、ジメチルアルミニウム塩化物、ジエチルアルミニウム塩化物、エチルアルミニウムセスキ塩化物、メチルアルミニウムセスキ塩化物、及びアルモキサン(alumoxane)を含む。アルモキサンは、例えばトリメチルアルミニウムのようなアルキルアルミニウム化合物への制御された水の添加によって調製されることが可能な典型的なオリゴマー化合物として当技術分野においてよく知られている。そのような化合物は直鎖状、環状及びそれらの混合物であることが可能である。工業的に利用可能なアルモキサンは一般的に直鎖状及び環状化合物の混合物であるとみられている。環状アルモキサンは式[R16AlO]によって、直鎖状アルモキサンはR17(R18AlO)に表されることが可能であり、ここにおいてsは約2乃至50の数であり、そしてR16,R17及びR18はヒドロカルビル基、望ましくはC−Cアルキル基を表し、例えばメチル、エチル又はブチル基である。メチルアルモキサン(MAO)のようなアルキルアルモキサンが好ましい。
TMA又はTIBAとともにMAOのようなアルキルアルモキサン及びトリアルキルアルミニウム化合物の混合物が特に望ましい。これに関連して、注目すべきは、本明細書中にて使用されているような用語「アルキルアルモキサン」は、対応するトリアルキルアルミニウムの典型的には約10重量%、状況に応じて50重量%までの割合で含み得る工業的に利用可能なアルキルアルモキサンを含むことである;例えば、工業的なMAOはたいていおおよそ10重量%のトリメチルアルミニウム(TMA)を含み、一方工業的なMMAOはTMA及びTIBAの両方を含む。ここに提示されたアルキルアルモキサンの量は、そのようなトリアルキルアルミニウム不純物を含み、そしてその結果ここに提示されたトリアルキルアルミニウム化合物の量は、式AlRの化合物、存在する場合、アルキルアルモキサンに組み入れられた如何なるAlR化合物を追加的に包含すると判断される。
好適なヒドロカルビルホウ素化合物は、ボロクシン(boroxine)、トリメチルホウ素、トリエチルホウ素、ジメチルフェニルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ酸塩、トリチルテトラ(フェニル)ホウ酸塩、トリフェニルホウ素、ジメチルフェニルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、ナトリウムテトラキス[(ビス−3,5−トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸塩、H(OEt)[(ビス−3,5−トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸塩、トリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩及びトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸である。
本発明の触媒の調整において、採用される有機アルミニウム化合物及びヒドロカルビルホウ素化合物から選択された活性化化合物の量は、単純な試験によって、例えば、少量の単量体を重合し、その結果生成された触媒の活性を測定するために使用されることが可能な少量の試験サンプルの調整によって容易に測定される。採用される量は式(I)の化合物における金属Mの原子当たり0.1乃至20,000原子、望ましくは1乃至2000原子のアルミニウム又はホウ素を供給するのに十分であるということが、一般的に見出されている。
活性化剤の別のクラスは、陽イオンの酸化剤の塩及び非−配位の相溶性陰イオンからなる。陽イオンの酸化剤の例は、フェロセニウム(ferrocenium)、ヒドロカルビル−置換フェロセニウム、Ag又はPb2+を含む。非−配位の相溶性陰イオンの例は、BF ,SbF ,PF ,テトラキス(フェニル)ホウ酸塩及びテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩である。
本発明の更なる態様は、(1)上文にて規定したような複合体、(2)上文にて規定したような少なくとも一つの活性化剤化合物の活性化量、(3)中性のルイス塩基からなる重合触媒システムを提供するものである。
中性のルイス塩基は、チーグラ−ナッタ触媒重合技術の技術分野においてよく知られている。本発明に好適に採用される中性のルイス塩基のクラスの例としては、例えば、(1−オレフィン以外の)アルケン又はアルキンのような不飽和炭化水素、第一、第二及び第三アミン、アミド、蛍光アミド(phosphoramide)、ホスフィン、亜リン酸塩、エーテル、チオエーテル、ニトリル、例えばエステル、ケトン、アルデヒド、一酸化炭素及び二酸化炭素のようなカルボニル化合物、スルフォキシド、スルホン及びボロキシン(boroxine)が知られている。1−オレフィンは中性のルイス塩基として作用する能力があるが、本発明の目的として、それらは単量体又はコモノマー1−オレフィンと見なされ、中性のルイス塩基それ自体と見なされない。しかしながら、オレフィン内部のアルケン、例えば、2−ブテン及びシクロヘキセンは、本発明において中性のルイス塩基と見なされる。好ましいルイス塩基は第三アミン及び芳香族エステル、例えばジメチルアニリン、ジエチルアニリン、トリブチルアミン、エチルベンゾエート及びベンジルベンゾエートである。本発明の特徴的な態様において、触媒システムの成分(1)、(2)及び(3)は、同時に、或いは所望の任意の順序で団結させることが可能である。しかしながら、もし成分(2)及び(3)が互いに強く相互作用し合う化合物である場合、例えば安定した化合物を互いに形成する場合、最後と決まった成分を導入する前の最初の段階に、成分(1)及び(2)又は成分(1)及び(3)の何れか一方を団結させることが好ましい。望ましくは成分(1)及び(3)は、成分(2)が導入される前に互いに接触される。本触媒システムの調整において採用される成分(1)及び(2)の量は、好適には上記したように、本発明の触媒に関連する。中性のルイス塩基[成分(3)]量は望ましくは成分(1):成分(3)の比率を100:1乃至1:1000の範囲、最も望ましくは1:1乃至1:20の範囲に規定する程度である。触媒システムの成分(1)、(2)及び(3)は、例えば、ニート物質として、好適な希釈又は溶媒(例えば液体炭化水素)による物質の懸濁物又は溶液として、又は、もし少なくとも一つの成分が揮発性の場合、成分の蒸気を利用することにより団結させることが可能である。成分は如何なる所望の温度において団結させることが可能である。一般的に室温における成分の混合で満足できるものである。より高い温度、例えば120℃までは、必要に応じて、例えば、成分のより良い混合を達成するために実施可能である。不活性雰囲気(例えば、乾燥窒素)又は真空中(in vacuo)にて成分(1)、(2)及び(3)を互いに団結させることを実行するのがよい。担体物質(下記参照)上にて触媒を使用することが必要であれば、これは、例えば、成分(1)、(2)及び(3)から成る触媒システムを前もって形成し、担体物質に望ましくはその溶液を含浸させること、又は一つ又はそれ以上の成分を同時に又は連続的に担体物質へ導入することによって達成することが可能である。必要であれば、担体物質それ自身が中性のルイス塩基の特性を有することが可能であり、成分(3)として又はそれに代えて採用することが可能である。中性のルイス塩基の特性を有する担体物質の例は、ポリ(アミノスチレン)又はスチレンとアミノスチレン(すなわち、ビニルアニリン)の共重合体である。
本発明の触媒は、必要であれば一つ以上の定義済みの化合物からなることが可能である。もう一つの方法として、本発明の触媒はまた一つ又はそれ以上のその他の種類の遷移金属化合物又は触媒、例えば、我々の同時係属出願国際公開第99/12981号パンフレット又は英国特許出願公開第9903402.7号明細書中に開示されているような窒素含有触媒を含むことが可能である。そのようなその他の触媒は2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4,6−トリメチルアニル)FeClを含む。
本発明の触媒はまた、一つ又はそれ以上のその他の種類の触媒、従来のチーグラ−ナッタ触媒システムにおいて使用される種類のようなもの、メタロセンベース触媒、モノシクロペンタジエニル−又は拘束幾何学ベース触媒(constrained geometry based catalyst)又は熱活性化担持酸化クロム触媒(例えば、フィリップス型触媒)を含むことも可能である。
本発明の触媒は担体物質、例えばシリカ、アルミナ、MgCl又はジルコニア、或いは重合体又はプレポリマー、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン又はポリ(アミノスチレン)に担持されない又は担持されることが可能である。
必要であれば、触媒は担体物質の存在下、元の位置にて(in situ)形成されることが可能であり、或いは担体物質は同時に又は連続的に触媒成分の一つ又はそれ以上と事前に含浸又は事前混合されることが可能である。本発明の触媒は必要であれば異成分からなる触媒、例えばハロゲン化マグネシウム担持チーグラ−ナッタ触媒、フィリップス型(酸化クロム)担持触媒又はメタロセン担持触媒、に担持されることが可能である。担持触媒の形成は例えば、本発明の遷移金属化合物を好適な不活性希釈剤、例えば揮発性炭化水素中のアルモキサンで処理すること、粒子状の担体物質を生成物でスラリーにすること、及び揮発性希釈液を蒸発させることにより達成されることが可能である。生成された担体触媒は望ましくは易流動性の粉体の形態である。採用される担体物質の量は幅広く変化させることが可能であり、例えば遷移金属化合物中に存在する金属のグラム当たり100,000乃至1グラムである。
本発明は更に、単量のオレフィンを重合条件下重合触媒と接触させることからなる1−オレフィンの重合及び共重合方法又は本発明の触媒システムを提供するものである。好ましい方法は、
a)一つ又はそれ以上の1−オレフィンと触媒システムとを接触させることによりプレポリマーベース触媒を調製し、そして、
b)プレポリマーベース触媒を一つ又はそれ以上の1−オレフィンと接触させる
ステップからなり、触媒システムが上記規定のものである方法からなる。
本発明はまたその他の態様として、1−オレフィンの重合触媒として上記規定の複合体の使用を包含する。
後文において、用語「触媒」は、以前は「触媒システム」として規定されていたものを、そして上記では「プレポリマーベース触媒」として規定されていたもの含むことを意図する。
本発明の触媒は前もって形成してもよく、或いは、活性化剤を含む、成分を重合反応器へ添加することによって元の位置で形成されてもよい。
重合条件は、−100℃乃至+300℃の重合温度範囲、及び大気圧及びそれ以上特に140乃至4100kPaでは、例えば、溶液相、スラリー相、気相又はバルク相であってよい。必要に応じて、重合物質が超臨界エチレンの融解物として形成される高圧/高温度工程条件下、触媒はエチレンの重合に使用されることが可能である。望ましくは、重合は気相流動床又は攪拌床条件の下実行される。
本発明の重合方法において利用される好適な単量体は、例えば、エチレン及びC2−20α−オレフィン、特にプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン及び1−エイコセンである。その他の単量体は、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート及びスチレンを包含する。ホモ重合方法に関して好ましい単量体はエチレン及びプロピレンである。
本発明の触媒及び方法はまたエチレン又はプロピレンをそれぞれ或いは1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1及びオクテンのようなその他の1−オレフィンと、或いはその他の単量体物質、たとえばメチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート及びスチレンと共重合することに利用することが可能である。
重合又は共重合技術が採用されるの別なく、重合又は共重合は典型的には、実質的に酸素、水及び触媒毒として作用するその他の物質を除く条件下で実施される。また、重合又は共重合は、重合又は共重合分子量を制御する添加剤の存在下、実施されることが可能である。
重合体又は共重合体の平均分子量を制御する手段としての水素ガスの使用は、一般的に本発明の重合方法に当てはまる。例えば、水素は、気相、スラリー相、バルク相又は溶液相重合条件を使用して調製された重合体又は共重合体の平均分子量を減少させるために使用されることが可能である。所望の平均分子量を生じさせるために採用される水素ガスの量は単純な「試行錯誤」重合試験によって決定されることが可能である。
本発明の重合方法は重合体及び共重合体、特にエチレン重合体を(触媒システムにおいて採用された複合体の単位重量当たりの生成された重合体又は共重合体の量に基づき)著しく高い生産性にて提供するものである。これは、比較的非常に少量の遷移金属複合体しか本発明の方法を用いた工業的工程において費やされないことを意味する。また、本発明の重合方法が、触媒分離ステップを採用しない重合体回収条件の下稼動され、従って、(例えば、最も工業的なスラリー及び気相重合方法において起こるように)重合体中に触媒又はその残留物が残るとき、生成された重合体における遷移金属複合体の量は非常に少ないものであることが可能である。
スラリー層重合条件又は気相重合条件は、高又は低密度の等級のポリエチレン及びポリプロピレンの生成とって特に有効である。これらの方法において、重合条件はバッチ、連続又は半連続であることが可能である。その上、一つ又はそれ以上の反応器、例えば直列で2乃至5つの反応器が使用されてよい。例えば異なる温度又は水素濃度のような異なる反応条件が異なる反応器において採用されてもよい。スラリー相方法及び気相方法において、触媒は一般的に(例えば不活性ガスを伴った)乾燥粉体又はスラリーのいずれかとして粒子状の固体の形態にて測定され重合域中へ移送される。この固体は例えば本発明の一つ又はそれ以上の複合体及び他の種類の触媒を伴う又は伴わない活性化剤から形成された固体触媒システムであることが可能であり、或いは他の種類の触媒を伴う又は伴わない固体触媒単独であることが可能である。後者の状態において、活性化剤は重合域へ、例えば固体触媒から分離された溶液として又は固体触媒とともに供給されることが可能である。望ましくは、スラリー重合及び気相重合において採用される触媒システム又は触媒システムの遷移金属複合体は一つ又はそれ以上の担体物質に担持される。最も望ましくは、触媒システムは重合域中へのそれを導入する前に担体物質に担持される。好適な担体物質は、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、タルク、珪藻土又はマグネシアである。担体物質の含浸は、従来の技術、例えば触媒成分の溶液又懸濁液を好適な希釈液又は溶媒にて形成し、それに担体物質をスラリーとすることによって実施されることが可能である。従って触媒で含浸された担体物質は、次に希釈液から濾過又は蒸発技術によって分離されることが可能である。重合体生成物がひとたび反応器から排出されると、如何なる結びついた及び吸収された炭化水素が実質的に重合体から、例えば圧力低下又は未使用又は再循環蒸気、窒素又は(エチレンのような)軽炭化水素を用いたガスパージによって、除去、又は脱ガスされる。回収されたガス状又は液体の炭化水素は重合域へ再循環されてもよい。
スラリー相重合方法において、触媒、又は担体触媒の固体粒子は、乾燥粉体又は重合希釈液中のスラリーのいずれかとして重合域へ供給される。重合希釈液は重合体及び触媒と共存され、ヘキサン、ヘプタン、イソブタン又は炭化水素の混合物又はパラフィンのようなアルカンであってよい。望ましくは、粒子は重合域へ重合希釈液の懸濁物として供給される。重合域は、例えば、オートクレーブ又は類似の反応容器、又は連続的なループ反応器、例えばフィリップ方法によるポリエチレンの製造においてよく知られている種類のものであることが可能である。本発明の重合方法がスラリー条件下実施される場合、重合は望ましくは0℃以上、最も望ましくは15℃の温度にて実施される。重合温度は望ましくは、重合希釈液の存在下重合が柔らかくなり焼結を開始する温度以下に維持される。温度が後者の温度以上になる場合、反応器の付着物が起こる。これらの規定された温度範囲内での重合の調節は生成された重合体の平均分子量を制御する有効な方法を提供することが可能である。分子量を制御する更なる有効な方法は連鎖移動剤として作用する水素ガスの存在下重合を実行することである。一般的に、水素のより高い濃度が採用されると、生成された重合体の平均分子量はより低くなる。
重合方法の大部分において、プロピレンのような液体単量体が重合媒体として使用される。
気相重合方法を稼動させる方法は、当技術分野においてよく知られている。そのような方法は、一般的に触媒の床又は触媒を含む目標の重合体(すなわち、重合方法において作成するために必要な同じ又は類似の物理的特性を有する重合体)の床を攪拌すること(例えば、攪拌、振動又は流動によって)と、少なくとも部分的な単量体が床中にて触媒と接触し重合する条件の下、気相中にて少なくとも部分的に単量体の流れに供給することを伴う。床は一般的に冷却ガス(例えば回収ガス単量体)及び/又は揮発性液体(例えば、揮発性不活性炭化水素、又は液体を形成するように凝縮されたガス状単量体)の添加によって冷却される。気相工程において製造され、分離される重合体は、直接固体を重合域中に形成し、液体がない又は実質的に液体がない。当業者によく知られているように、如何なる液体でも気相重合工程の重合域に侵入すると、重合域の液体の量が存在する重合体の量に対して少なくなる。これは重合が溶媒中にて溶解されて形成される「溶液相」工程及び重合体が液体希釈液の懸濁物として形成される「スラリー相」工程と大違いである。
気相工程はバッチ、セミバッチ又はいわゆる連続的な条件下稼動されることが可能である。重合触媒を含む攪拌された重合域へ単量体が連続的に再循環され、補給単量体が重合された単量体と置き換わるために供給され、連続的に又は間欠的に反応域から生成された重合体を重合体の形成の速度に匹敵する速度にて回収し、新たな触媒が重合域へ添加され重合域から生成された重合体とともに回収された触媒と置き換わる、条件下稼動されることが好ましい。
インパクト共重合体の典型的な生成に関して、第一反応器中の第一単量体から形成されたホモ重合体は、第二反応器中の第二単量体と反応される。プロピレン/エチレンインパクト共重合の気相工程における製造に関して、プロピレンは第一反応器中にて重合され、反応性の重合体は第二反応器へ移され、ここにおいてエチレン又はその他のコモノマーが添加される。その結果得られたものは、アイソタクティックポリプロピレン鎖の混合物とランダムプロピレン/エチレン共重合体の鎖との均質混合物である。ランダム共重合は典型的には単一の反応器中にて生成され、少量のコモノマー(典型的にはエチレン)がプロピレンの重合鎖に付加される。
ポリエチレン、エチレン共重合体及びポリプロピレンを作成するための気相流動床工程を稼動する方法は、当技術分野においてよく知られている。本方法は、例えば床を支えるため及び床を通過して入ってくる流動ガス流を分配するための配分板を装備した垂直な円筒形の反応器中にて稼動されることが可能である。床を通過して循環する流動ガスは床からの重合の熱を除去し、床中に重合のための単量体を供給するために働く。従って、流動ガスは一般的に単量体を通常不活性ガス(例えば、窒素或いは、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン又はヘキサンのような不活性炭化水素)とともに、状況に応じて分子量変更剤として水素とともに包含する。床の頂上から浮上する熱い流動ガスは、状況に応じて、速度減少域(これはより広い直径を有する反応器の円筒形の部分であり得る)を通過し、必要に応じて、ガス流から微細な固体粒子を除去する(disentrain)サイクロン又はフィルタを通過する。熱いガスを次に熱変換装置へ送り、重合の熱の少なくとも一部を除去する。触媒は望ましくは床へ連続的に又は一定の間隔をおいて供給される。本方法の始動にて、床は目標重合体と望ましくは類似の流動可能な重合体からなる。重合体は連続的に床内部に単量体の重合によって生成される。望ましくは、本方法は、床から重合体を連続的に又は一定の間隔をおいて排出するよう備えられ、望ましい高さに流動床を保つ。本方法は、一般的に比較的低い圧力、例えば10乃至50バール、そして例えば50乃至120℃の温度にて稼動される。床の温度は流動重合体の焼結温度以下に維持され、集塊の問題を避ける。
オレフィンの気相流動床重合方法において、発熱重合反応によって生じる熱は通常重合域(すなわち、流動床)から、上記したような流動ガス流の手段によって除去される。床の頂上から浮上する熱い反応ガスは一つ又はそれ以上の熱変換装置を通過して、ガスが冷却される。冷却された反応ガスは如何なる補給ガスとともに、次に、床の底部へ再循環される。本発明の気相流動床重合方法において、液体が床中にて蒸発してその結果床からの重合の余分な熱を「蒸発の際の潜熱」効果によって吸収する条件で揮発性液体を床に供給することにより、床の追加冷却を供給するのが望ましい(そしてその結果本方法の時空収率を改良する)。床からの熱再循環ガスが熱変換装置に入るとき、蒸発しやすい液体は凝縮する。本発明の一つの実施の形態において、揮発性の液体は再循環ガスから分離され、床中へ単独で再導入される。従って、例えば、揮発性の液体は分離され床中へ噴霧されることが可能である。本発明の別の実施の形態において、揮発性の液体は床へ再循環ガスとともに再循環される。従って、揮発性の液体は、反応器から浮上する流動ガス流から凝縮されることが可能であり、再循環ガスとともに床へ再循環されることが可能である、あるいは再循環ガスから分離されそしてそれから床へ戻すことが可能である。
再循環気体流中にて液体を濃縮し、気体の混合物を返却し、床へ液体を飛沫同伴させる方法は、欧州特許出願公開第0089691号明細書及び欧州特許出願公開第0241947号明細書に開示されている。我々の米国特許5541270号明細書中に開示された方法を用いて再循環気体から分離し濃縮液を床中へ再導入することが好ましく、この技術はここにおいて本明細書に組み込まれる。
本発明の触媒を気相重合条件下使用するとき、触媒、又は触媒を形成するために採用される成分の一つ又はそれ以上は、例えば、液体形態の重合反応域中へ、例えば、不活性液体希釈液中に溶液として導入されることが可能である。従って、例えば、遷移金属成分又は活性化剤成分又はこれらの成分の両方が液体希釈液中に溶解されスラリーとされ、重合域へ供給されることが可能である。このような状態の下、成分を含む液体が微細な液滴として重合域中へ噴霧されることが望ましい。液滴の直径は望ましくは1乃至1000ミクロンの範囲内である。欧州特許出願公開第0593083号明細書は、重合触媒を気相重合中に導入する方法が開示されており、この技術はここにおいて本明細書に組み込まれる。欧州特許出願公開第0593083号明細書に開示された方法は、必要に応じて本発明の重合方法に適切に採用されることが可能である。
通常要求されないが、重合又は共重合の完了又は重合又は共重合を終了させることが求められるとき、或いは少なくとも一時的に本発明の触媒又は触媒成分を不活性化することが求められるとき、触媒は当業者に知られた方法で、水、アルコール、アセトン又はその他の好適な触媒不活性化剤と接触されることが可能である。
本発明の触媒によるエチレンのホモ重合はいわゆる「高密度」の等級のポリエチレンを生成し得る。これらの重合体は比較的高い剛性を有しており、特有の硬直性が要求される商品を作成するために有用である。より高い1−オレフィン(例えば、ブテン、ヘキセン又はオクテン)を備えたエチレンの共重合は、密度及びその他の重要な物理的特性において異なる幅広い種類の共重合体を提供することが可能である。より高い1−オレフィンとエチレンを本発明の触媒で共重合することによって作成される特に重要な共重合体は0.91乃至0.93の範囲の密度を有する共重合体である。一般的に当技術分野において直線状低密度ポリエチレンと呼ばれるこれらの共重合体は、エチレンの高圧フリーラジカル触媒重合によって生成されたいわゆる低密度ポリエチレンと多くの点で類似している。その様な重合体及び共重合体は柔軟なブロウフィルムの製造において広範囲にわたって使用されている。
本発明の方法により生成されたプロピレン重合体は、プロピレンホモ重合体及び50モル%未満のエチレン又はその他のアルファ−オレフィン、例えばブテン−1、ペンテン−1,4−メチルペンテン−1、又はヘキセン−1のような、又はそれらの混合物を備えたプロピレンの共重合体を包含する。プロピレン重合体はまた、少量の共重合可能な単量体を備えたプロピレンの共重合体を包含しても良い。典型的には、最も有用なものは、ポリプロピレン透明度、約10重量%までのエチレンを備えたプロピレンのランダム共重合体、及び約20重量%までのエチレン又はその他のアルファ−オレフィンを含有するインパクト共重合体を含有するプロピレンの通常の固体重合体である。ポリプロピレンホモ重合体は、ホモ重合体の特性が顕著に影響しない程度に、少量(典型的には2重量%以下)のその他の単量体を含有してもよい。
プロピレン重合体は生成されてもよく、これらは通常、固体、主にアイソタクティック、ポリα−オレフィンである。ステレオランダム(stereorandom)副生成物のレベルが十分に低いので、有用な生成物がその分離なしで得られることが可能である。典型的には、有用なプロピレンホモ重合体はポリプロピレン透明性を示し、90より大きい、しばしば95より大きいアイソタクティックインデックスを有する。共重合体は典型的にはより低いアイソタクティックインデックスを有するであろう、典型的には80−85より大きい。
当技術分野において知られている重合条件に応じて、1以下乃至1000より大きいメルトフローレートを備えたプロピレン重合体が反応器中に生成され得る。多くの用途に関して、2乃至100のMFRを備えたポリプロピレンが典型的である。スパンボンド法のようないくつかの用途のために、MFR500乃至2000の重合体が使用され得る。
過酸化物化合物をエチレン又はポリプロピレン重合体へ添加してもよい。エチレンベース重合体に関し、過酸化物は重合体中の架橋結合を生じさせるために使用されることが可能である。高MFRプロピレン重合体の調製に関し、重合体のメルトフローレートを増加させる押出しの間に制御されたレオロジーのために、過酸化物化合物を添加してもよい。過酸化物は長重合体鎖を途切れさせるように作用し、MFRを増加させ分子量分布(Mw/Mn)又は多分散性を狭くするという両方の効果を有する。押出し機中にて過酸化物を備え制御されたレオロジー処理によって2g/10分のMFRを備えた典型的な反応体ポリプロピレン粉体が、20乃至40のMFRを備えた重合体を形成し得る。過酸化物の種類、量及び工程使用条件を変化させることによって、最終重合体MFRを当技術分野において知られているように制御してもよい。
重合体生成物の使用に応じて、酸スカベンジャー、酸化防止剤、安定剤等のような少量の添加剤が重合体の処方中に典型的には盛り込まれる。一般的に、これらの添加剤は重合体に基づき約25乃至2000ppm、典型的には約50乃至約1000ppm、より典型的には400乃至1000ppmのレベルで盛り込まれる。
使用に当たり、本発明によって作成された粉体の形態の重合体又は共重合体を従来どおりペレットに形成される。本発明によって作成された重合体組成物に関する使用例は、繊維、押出フィルム、テープ、不織布のウェブ、型にはめて作った或いは熱成形した生成物等を形成するための使用を含む。重合体は膨らませてフィルムにしてもよく、又はパイプのような型にはめて作った或いは押出された様々な商品や及びボトル又はドラムのような入れ物を作るために使用されてもよい。各々の用途のための特殊な添加剤のまとまりは当技術分野において知られているように選択されてよい。補足的な添加物の例は、スリップ剤、ブロック防止剤、静電防止剤、離型剤、第一及び第二酸化防止剤、透明剤、成核剤(nucleant)、UV安定剤等を含む。添加物のクラスは当技術分野においてよく知られており、亜リン酸塩酸化防止剤、(N,N−ジアルキルヒドロキシルアミンのような)ヒドロキシルアミン及び(ジアルキルメチルアミンオキシドのような)アミンオキシド酸化防止剤、ヒンダードアミン光(UV)安定剤、フェノール安定剤、ベンゾフラノン(benzofuranone)安定剤等を含む。さまざまなオレフィン重合体添加剤は米国特許第4318845号明細書、米国特許第4325863号明細書、米国特許第4590231号明細書、米国特許第4668721号明細書、米国特許第4876300号明細書、米国特許第5175312号明細書、米国特許第5276076号明細書、米国特許第5326802号明細書、米国特許第5344860号明細書、米国特許第5596033号明細書及び米国特許第5625090号明細書に記載されている。
シリカ、ガラス繊維、タルク等のようなフィラー、成核剤及び着色剤もまた当技術分野によって知られているように重合体組成物へ添加されてもよい。
本発明は以下の実施例に例証される。
実施例
実施例1:「リガンド1」の調製、2,6−ジ−[(1,3,5−トリメチル−4−ピラゾーリル)エタンイミドーリル]ピリジン(2,6−di−[(1,3,5−trimethyl−4−pyrazolyl)ethanimidoyl]pyridine)
酢酸(氷酢酸、触媒量)をエタノール(10mL,無水)中のジアセチルピリジンの溶液(1mmol,1eq.)及び4−アミノ−1,3,5−トリメチルピラゾール(4mmol,4eq.)へ添加した。混合物を窒素下にて16時間、活性化された分子篩(3A)で満たされた懸濁ソクスレーシンブル(Soxhlet thimble)を含む試験管中にて還流した。この後、混合物を減圧下濃縮し、オレンジ色の油状の固体として粗製物を生じさせた。石油エーテルを伴った粉砕が砂色の固体を提供し、この固体はIR及びH NMR分光分析法によって所望の化合物であることが後に断定された。
Figure 0004405157
実施例2:リガンド1及びFeCl の等モル混合物を用いたエチレンの重合
グローブボックス中にて、リガンド1(0.05mmol,18.9mg)をFeCl(0.05mmol)と混合しTHF(2.0mL)を添加した。溶媒を真空下除去し緑色の粉体を提供する前に、混合物を室温にて1時間攪拌した。
粉体に対してトルエン(6.25mL)を添加し、細かな懸濁物を形成した。攪拌された懸濁物から0.5mLアリコート(0.004mmol)をシュレンク管(Schlenk tube)に移し、トルエンの10%MAO溶液を添加した(0.5mL,
0.75mmol)。その結果得られたピンクの溶液を20mLのトルエンで希釈し、排出し、そしてエチレンで再度満たす前にシュレンク管(Schlenk tube)の重量測定をした。溶液を1時間の間攪拌し、1バールの圧力に調節されたエチレン供給に対して開放した。この後、フラスコを酸性化メタノールで急冷する前に再度重量測定した。獲得重量4.49gを書留め、これは活性1123g/mmol.時間.バールに相当した。
白い固体の重合体生成物を、NMR及びGPC分析を行う前に、濾過により分離し、真空下40℃にて一晩乾燥させた。濾過洗浄から有機層を分離し、揮発性物質を真空(vacuuo)にて除去する前に真空にてMgSOで乾燥させた。その結果得られた油をGC−MSによって分析した。
固体生成物のGPC分析:Mn=500,Mw=1500,Pd=2.8
固体製品の13CNMR分析(/1000C):飽和末端、19.8;ビニル末端、17.4;エチル分岐1.9;ブチル(及びそれより長い)分岐0.7;内部オレフィン0.8
油のGC−MS分析(オレフィン,rel.面積):C6,2.55%;C8,8.07%;C10,11.10%;C12,13.16%;C14,13.55%;C16,13.04%;C18,11.63%;C20,9.26%;C22,6.79%;C24,4.92%;C26,2.27%;C28,0.49%;C30,測定不可能。
実施例3−エチレン/1−ヘキセン共重合
最初に形成された触媒溶液(0.004mmolのリガンド1を含むトルエン溶液0.5mL+トルエンの10%MAO0.5mL)を18.6mLトルエン及び0.4mL1−ヘキセン(2体積%1−ヘキセン)で希釈すること以外は、実施例2に記載のまさしくそのとおりに重合を実施した。その結果得られた溶液を1時間の間攪拌し、1バールの圧力に調節されたエチレン供給に対して開放した。この後、獲得重量4.79gを書留め、これは活性1198g/mmol.時間.バールに相当した。酸性化メタノールの添加により反応を急冷し、白い固体の重合体生成物を濾過により分離し、40℃にて一晩乾燥させた。GPC分析は、Mn=500,Mw=1500,Mw/Mn=2.9,Mpk=500を示した。固体製品の13CNMR分析(/1000C):エチル分岐2.2;ブチル分岐1.4;内部オレフィン2.0
実施例4−シリカ上の13%MAOの調製
トルエン(200mL)を、シリカ(ES70X等級、200℃一晩焼成、焼成後20.5g)を含む不活性雰囲気下の容器へ添加した。スラリーを機械的に攪拌し、MAO(1.5M、62.1mmol,41.4mL)を、注射器を介して添加した。過剰なトルエンを除去し真空下乾燥し、13重量%MAOをシリカ上に定量的な収量にて獲得する前に、混合物を1時間80℃にて攪拌した。
実施例5−担持された触媒の調製
バイアル中へシリカ上13%MAO(100mg、実施例4によって調整された)を量り取った。バイアルに対し、次にトルエン(2mL)を添加し、スラリーを形成した。分離容器中にてリガンド1(0.05mmol,18.9mg)をFeCl(0.05mmol)と混合し、THF(2.0ml)を添加した。溶媒が真空下除去され緑色の粉体を得る前に混合物を室温にて1時間攪拌した。粉体に対してトルエン(6.25mL)を添加し、細かな懸濁物を形成した。攪拌された懸濁物から、2.75mLアリコート(0.022mmolの複合体)を、シリカ上13%MAOのトルエンスラリーを含むバイアルに移した。その結果得られた混合物をシュレンク管(Schlenk tube)へ移し、80℃にて窒素下15分間加熱した。通常通り、緑色の固体が無色のトルエン上清の下に安定した。溶媒を真空(vacuo)にて除去し易流動性の緑色の粉体を得た。
実施例6−担持触媒を用いた重合
シュレンク管(Schlenk tube)中へ実施例5にて調整された担持触媒(25mg,0.0055mmolFe)を量り取り、トルエン(20mL)を添加した。スカベンジャーを添加し(トルエンの10%MAO,1.0mL)、シュレンク管(Schlenk tube)を排出し、エチレンで再度満たした。次に、混合物を1バールのエチレン雰囲気下1時間攪拌し、その後、3.93gの質量−獲得(mass−gain)を記録し、これは活性786gPE/mmolFe/時間/バールに相当した。酸性化メタノールの添加により反応を急冷し、白い固体の重合体生成物を濾過により分離し、40℃にて一晩乾燥させた。GPC分析は、Mn=600,Mw=1600,Mw/Mn=2.7,Mpk=600を示した。固体製品の13CNMR分析(/1000C):エチル分岐2.3;ブチル分岐0.5
実施例7−リガンド1のCo複合体を伴うエチレン重合
グローブボックス中にて、リガンド1(0.005mmol)をTHF(1.0mL)中のCoCl(0.005mmol)と混合した。溶媒を真空下除去する前に混合物を室温にて1時間混合した。残留物に対して、トルエン(1.0mL)及びトルエンの10%MAO溶液(1.0mL)を添加した。その結果得られた溶液を0.6バールに調整されたエチレン供給下10分間攪拌した。この後、0.041gの重量−獲得を記録し、これは活性70g/mmol.時間.バールに相当した。
実施例8−「リガンド2」の調製
実施例1にリガンド1に関して概説されたものと類似の手順を用い、ジアセチルピリジンの代わりにジベンゾイルピリジンを用いてリガンド2を調製した。リガンドが>90%の純度であることがH NMR及びIR分析によって判明した。
Figure 0004405157
実施例9−リガンド2のFe複合体を用いたエチレン重合
リガンド2の溶液(リガンド2を0.005mmolを含む0.5mLTHF溶液)をFeBrの溶液(FeBrを0.005mmolを含む0.5mLTHF溶液)へ添加し、深緑色の溶液を形成した。2時間攪拌後、溶媒を除去し、残留物をトルエン(1.5mL)中に再度溶解した。これに対してトルエン(0.5mL)の10%MAOを添加し、その結果得られた溶液をシュレンク管(Schlenk tube)へ移しトルエン(20mL)で希釈した。シュレンク管(Schlenk tube)を排出しエチレンで再度満たし、次に1バールのエチレン雰囲気下1時間攪拌した。3.07gの重量−獲得を記録し、これは活性614g/mmol.時間.バールに相当した。酸性化メタノールの添加により反応を急冷し、固体の重合体生成物を濾過により分離し、40℃にて一晩乾燥させた。固体製品の13CNMR分析(/1000C):エチル分岐1.6;ブチル分岐0.6
実施例10−エチレン/1−ヘキセン 共重合
リガンド2の溶液(リガンド2を0.005mmol含む0.5mLTHF溶液)をFeBrの溶液(FeBrを0.005mmol含む0.5mLTHF溶液)へ添加し、深緑色の溶液を形成した。2時間攪拌後、溶媒を除去し、残留物をトルエン(1.5mL)中に再度溶解した。これに対してトルエン(0.5mL)の10%MAOを添加し、その結果得られた溶液をシュレンク管(Schlenk tube)へ移しトルエン(20mL)で希釈し、1−ヘキセン(0.5mL)を添加した。シュレンク管(Schlenk tube)を排出しエチレンで再度満たし、次に1バールエチレン雰囲気下1時間攪拌した。4.30gの重量−獲得を記録し、これは活性860g/mmol.時間.バールに相当した。

Claims (9)

  1. 以下の式(VII)で示される重合触媒。
    Figure 0004405157
    式中、M[T]は、Fe[II]又はFe[III]であり;
    Xは遷移金属Mに共有又はイオン結合した原子又は基を表し;
    Tは遷移金属Mの酸化状態(oxidation state)であり;
    bは原子又は基Xの原子価であり;
    1 乃至A 3 は各々独立してCRであり;
    R,R 4 及びR 6 は、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、置換ヘテロヒドロカルビル又はSiR’ 3 から各々独立して選択され、ここにおいて各々のR’は水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル及び置換ヘテロヒドロカルビルから独立して選択され;そして
    5 及びR 7 は各々独立して、炭素原子を経て窒素原子に連結した下記の式(II)で示される5員ヘテロサイクリック置換基を示し;
    Figure 0004405157
    LはMに供与結合した基であり;そして
    nは0乃至5である。
  2. さらに、活性化剤を含む請求項1に記載の重合触媒。
  3. 活性化剤が有機アルミニウム化合物及びヒドロカルビルホウ素化合物から選択される請求項に記載の重合触媒。
  4. 活性化剤がアルモキサンである請求項に記載の重合触媒。
  5. 活性化剤がボロクシン(boroxine)、トリメチルホウ素、トリエチルホウ素、ジメチルフェニルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ酸塩、トリチルテトラ(フェニル)ホウ酸塩、トリフェニルホウ素、ジメチルフェニルアンモニウム、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、ナトリウムテトラキス[(ビス−3,5−トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸塩、H+(OEt2)[(ビス−3,5−トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸塩、トリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩及びトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸から選択される請求項に記載の重合触媒。
  6. 活性化剤が陽イオン性酸化剤と非−配位の相溶性陰イオンの塩である請求項に記載の重合触媒。
  7. 単量体を重合条件下、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の重合触媒と接触させることからなる1−オレフィンの重合又は共重合方法。
  8. 単量体が、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン及び1−エイコセンの一つ又はそれ以上からなる、請求項に記載の方法。
  9. 単量体が、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート及びスチレンから選択される単量体の一つ又はそれ以上からなる、請求項に記載の方法。
JP2002589494A 2001-05-17 2002-05-14 重合触媒 Expired - Fee Related JP4405157B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GBGB0112023.7A GB0112023D0 (en) 2001-05-17 2001-05-17 Polymerisation catalyst
PCT/GB2002/002247 WO2002092611A1 (en) 2001-05-17 2002-05-14 Polymerisation catalyst

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005500264A JP2005500264A (ja) 2005-01-06
JP4405157B2 true JP4405157B2 (ja) 2010-01-27

Family

ID=9914789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002589494A Expired - Fee Related JP4405157B2 (ja) 2001-05-17 2002-05-14 重合触媒

Country Status (9)

Country Link
US (2) US7163990B2 (ja)
EP (1) EP1387849B1 (ja)
JP (1) JP4405157B2 (ja)
AT (1) ATE353342T1 (ja)
CA (1) CA2446749A1 (ja)
DE (1) DE60218028T2 (ja)
ES (1) ES2279870T3 (ja)
GB (1) GB0112023D0 (ja)
WO (1) WO2002092611A1 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7008607B2 (en) * 2002-10-25 2006-03-07 Basf Aktiengesellschaft Process for preparing hydrogen peroxide from the elements
US20040102311A1 (en) * 2002-11-21 2004-05-27 Abbas Razavi Bridged metallocene catalyst component, method of making, polyolefin catalyst having C1, C2, or Cs symmetry, methods of making, methods of polymerizing, olefins and products made thereof
DE102004012106A1 (de) * 2004-03-12 2005-09-29 Forschungszentrum Karlsruhe Gmbh Verfahren zur Darstellung von Polyethylen und Katalysatorvorstufe
US7945452B2 (en) * 2005-04-11 2011-05-17 Hospira, Inc. User interface improvements for medical devices
EP1918311A1 (en) * 2006-10-31 2008-05-07 Ineos Europe Limited Diene polymerisation
EP2343336A1 (en) 2010-01-06 2011-07-13 Unilever Plc, A Company Registered In England And Wales under company no. 41424 of Unilever House Curing liquids
US8877881B2 (en) 2011-11-22 2014-11-04 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Catalyst compounds and use thereof
WO2013077943A1 (en) * 2011-11-22 2013-05-30 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Catalyst compounds and use thereof
CN106925348B (zh) * 2015-12-31 2019-10-11 中国石油天然气股份有限公司 催化剂及其应用
ITUA20163932A1 (it) * 2016-05-30 2017-11-30 Versalis Spa Complesso osso-azotato di ferro, sistema catalitico comprendente detto complesso osso-azotato di ferro e procedimento per la (co)polimerizzazione di dieni coniugati
US10982019B2 (en) * 2016-06-23 2021-04-20 Borealis Ag Process for catalyst deactivation
CN110721745B (zh) * 2019-09-25 2020-09-08 中山大学 一种抗中毒的水溶性过氧化物分解催化剂及其制备方法和应用

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3400988B2 (ja) * 1997-09-05 2003-04-28 ビーピー ケミカルズ リミテッド 重合触媒
CN1347423A (zh) * 1999-02-22 2002-05-01 伊斯曼化学公司 含有n-吡咯基取代的氮给电体的催化剂
JP3907475B2 (ja) * 1999-08-20 2007-04-18 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 不飽和化合物の重合用触媒

Also Published As

Publication number Publication date
EP1387849B1 (en) 2007-02-07
ES2279870T3 (es) 2007-09-01
JP2005500264A (ja) 2005-01-06
DE60218028T2 (de) 2007-05-31
DE60218028D1 (de) 2007-03-22
US20070161761A1 (en) 2007-07-12
WO2002092611A1 (en) 2002-11-21
CA2446749A1 (en) 2002-11-21
EP1387849A1 (en) 2004-02-11
US7365139B2 (en) 2008-04-29
GB0112023D0 (en) 2001-07-11
US7163990B2 (en) 2007-01-16
US20040147389A1 (en) 2004-07-29
ATE353342T1 (de) 2007-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4467185B2 (ja) 重合触媒
US6465386B1 (en) Polymerization catalyst
EP1117670B1 (en) Polymerisation catalysts
US7365139B2 (en) Polymerisation catalyst
US7022788B2 (en) Polymerization process catalyzed by a bidentate bisphosphine-group VIII metal complex
EP1131361B8 (en) Polymerisation catalysts
EP1159307A1 (en) Polymerisation process
WO2001074830A1 (en) Polymerisation catalyst
EP1099714A1 (en) Polymerisation catalyst
US20030104929A1 (en) Polymerisation catalyst
WO2002090365A1 (en) Novel polymerisation catalysts
JP2001226424A (ja) 触媒製造法
US6828398B2 (en) Polymerization catalyst
US6492293B1 (en) Polymerisation catalyst
WO2000069869A1 (en) Polymerisation catalysts
WO2000047586A1 (en) Metal complexes useful as polymerization catalyst
EP1362068A2 (en) Novel polymerisation catalysts

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090116

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20090410

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090416

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090514

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090716

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091005

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091104

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121113

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees