JP2001522391A - オレフィンの重合 - Google Patents

オレフィンの重合

Info

Publication number
JP2001522391A
JP2001522391A JP54637098A JP54637098A JP2001522391A JP 2001522391 A JP2001522391 A JP 2001522391A JP 54637098 A JP54637098 A JP 54637098A JP 54637098 A JP54637098 A JP 54637098A JP 2001522391 A JP2001522391 A JP 2001522391A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
butyl
group
compound
norbornenes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP54637098A
Other languages
English (en)
Inventor
フェルドマン,ジェラルド.
ハウプトマン,エリザベス.
マッコード,エリザベス,フォレスター.
ブルックハート,マウリス,エス.,サード.
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
EI Du Pont de Nemours and Co
Original Assignee
EI Du Pont de Nemours and Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by EI Du Pont de Nemours and Co filed Critical EI Du Pont de Nemours and Co
Publication of JP2001522391A publication Critical patent/JP2001522391A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F10/00Homopolymers and copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F10/02Ethene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F15/00Compounds containing elements of Groups 8, 9, 10 or 18 of the Periodic Table
    • C07F15/04Nickel compounds
    • C07F15/045Nickel compounds without a metal-carbon linkage
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F10/00Homopolymers and copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F110/00Homopolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F110/02Ethene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F210/00Copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F210/02Ethene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2410/00Features related to the catalyst preparation, the catalyst use or to the deactivation of the catalyst
    • C08F2410/03Multinuclear procatalyst, i.e. containing two or more metals, being different or not

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 ニッケルおよび選択されたt−ブチル置換ホスフィン類を含有する重合触媒系を用い、エチレンを重合、および任意選択で他の選択されたオレフィン類と共重合させることができる。得られたポリマーの一部は新規な構造を有する。このポリマーは、フィルムおよび成型用樹脂として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 オレフィンの重合 この出願は、1997年4月22日出願の米国仮出願第60/044,144 号の権利を主張する。 発明の分野 選択されたホスフィン配位子を含有する陽イオンニッケル錯体は、ポリエチレ ンおよびある種のエチレンの共重合体を製造するための重合触媒の一部として用 いることができる。製造されたポリマーのいくつかは新規である。 背景技術 エチレンの単独重合体および共重合体を含むオレフィンポリマーは、重要な経 済品目であり、毎年何十億キログラムが製造されている。ポリオレフィンは、様 々な商品用の成形用樹脂、包装および建築用フィルム、エラストマーなどの多く の用途に有用である。これらのポリオレフィンは、遷移金属類を含有する様々な 触媒を用いることによって製造されることが多い。どの触媒を用いるかは、得ら れるポリマーがどの様な構造であるかを決定するために重要であり、ポリマーの コストの重要な部分であることが多い。したがって、新規なポリマーを製造し、 および/またはコストを下げるような新規のオレフィンの重合触媒が、絶えず求 められている。 G.Wilkeは、M.Tsutsui編、Fundamental Res earch in Homogeneous Catalysis、3巻、Pl enum Press,New York、1979年、1〜24ページ中の1 5ページで、トリス−t−ブチルホスフィンおよびニッケルが存在する「高分子 量ポリエチレン」の調製について報告している。 欧州特許出願454,231 A2は、オレフィン重合のためのある種の最近 の金属触媒について記載している。本明細書中に記載されるホスフィンを含むt −ブチルは、この参考文献では言及されていない。 欧州特許出願381,495 A2は、メチルおよびヘキシルまたはより長い 分岐のみを有するポリエチレンを製造する、アミノビス(イミノ)ホスホラン配 位子を含有するある種のニッケルエチレン重合触媒について記載している。本明 細書中に記載される触媒およびポリマーは開示されていない。 国際特許出願WO96/37552およびWO96/37523は、ある種の 2座配位子と組み合わせたある種の金属を用いる様々なオレフィンの重合につい て記載している。ニッケル化合物と本明細書で開示される配位子との具体的な組 合せについては言及されていない。 国際特許出願WO96/375536は、配位子を含むある種のVA族元素を 有するVIIIB族金属の化合物ついて記載している。これらの化合物は、エチ レン/一酸化炭素共重合体の製造に有用であると言われている。 B.Bogdanovic、他(Ind.Eng.Chem.、62巻、34 〜44ページ、1970年)は、ある種のオレフィンの2量化、オリゴマー化用 などのための触媒として、ある種のニッケル−ホスフィン化合物の用途について 記載している。ポリマーの調製については記載されていない。 米国特許3,265,622は、同量のメチルおよびエチル分岐(本明細書中 の定義と同じ)が存在するエチレンおよび4−メチル−1−ヘキセンの共重合体 について記載している。過半数の分岐がエチルであるポリマーについての記述は ない。 発明の概要 本発明は、ポリオレフィンを製造するための第1の方法に関し、この方法は、 不活性液体中で、 式NiAQ(I)またはL56NiAQ(VIII)の第1の化合物と、 式(t−ブチル)2PEP(t−ブチル)2(II)または(t−ブチル)3P (III)の第2の化合物と、 A-またはQ-を引き抜いてアニオンWA-またはWQ-を形成する能力を有する 中性ルイス酸である第3の化合物W(IV)とを、WA-またはWQ-が弱く配位 するアニオンであるという条件で、接触させることにより重合触媒系を生成する ステップと、 前記重合触媒系を、エチレンと、またはエチレンと1種またはそれ以上のα− オレフィン類、内部オレフィン、シクロペンテン、ノルボルネン類、またはスチ レン類との混合物と、接触させるステップとを含み、 ただし、前記エチレンと、またはエチレンとα−オレフィン類、内部オレフィ ン、シクロペンテン、ノルボルネン類、またはスチレン類との混合物との接触を 、約−20℃から約+70℃の温度で行うことを条件とし、 (t−ブチル)3Pが存在するとき、1種またはそれ以上のα−オレフィン類 、内部オレフィン、スチレン類、ノルボルネン類またはシクロペンテンも存在し 、 QおよびAが、いずれもヒドロカルビル(hydrocarbyl)またはハ イドライドでないとき、Wはヒドロカルビルまたはハイドライド基をNiに移動 させる能力を有し、 ここで、 L5およびL6はそれぞれ独立に、中性配位子と弱く配位する単座配位子である か、またはL5およびL6は一緒になって、中性配位子と弱く配位する2座配位子 であり、 Qは、1価アニオン、 Aは、1価アニオン、 Eは、−CH2−、−O−、または−NH−である。 本発明は、ポリオレフィンを製造するための第2の方法にも関し、前記方法は 、不活性液体中で、約−20℃から約+70℃の温度で、式[L1234Ni ]+-(VI)の化合物を、エチレンと、またはエチレンおよび1種またはそれ 以上のα−オレフィン類、内部オレフィン、シクロペンテン、ノルボルネン類、 またはスチレン類と接触させるステップを含み、上式で L1およびL2は一緒になって、(t−ブチル)2PEP(t−ブチル)2(II )であり、L1およびL2はともに(t−ブチル)3P(III)であり、または L1は(t−ブチル)3P(III)であり、L2は空の配位座、エチレンまたは エチレンによって置換されていてもよい中性単座配位子であり、 Eは、−CH2−、−O−、または−NH−であり、 L3およびL4は一緒になってπ−アリルまたはπ−ベンジル基であり、または L3はエチレンであり、L4はモノアニオン−R12であり、またはL3はエチレ ンを横切って付加することができるモノアニオン基であり、L4はエチレンで置 換されていてもよい中性配位基またはニッケル周囲の空の配位座であり、または L3およびL4は一緒になって、モノアニオンのオリゴマーの反発的な(agos tic)基であり、 Xは、相対的に非配位のアニオン、 R1は、ポリマーアルキレン基、 R2は、ポリマー末端基であり、 ただし、(t−ブチル)3Pが存在するとき、1種またはそれ以上のα−オレ フィン類、内部オレフィン、シクロペンテン、ノルボルネン類またはスチレン類 も存在する。 本発明には、式[L1234Ni]+-(VI)の化合物も含まれ、 L1およびL2は一緒になって(t−ブチル)2PEP(t−ブチル)2(II) であり、またはL1およびL2はともに(t−ブチル)3P(III)であり、ま たはL1は(t−ブチル)3P(III)であり、L2は、空の配位座、エチレン またはエチレンによって置換されていてもよい中性単座配位子であり、 Eは、−CH2−、−O−、または−NH−であり、 L3およびL4は一緒になってπ−アリルまたはπ−ベンジル基であり、または L3はエチレンであり、L4はモノアニオン−R12であり、またはL3は、エチ レンを横切って付加することができるモノアニオン基であり、L4はエチレンで 置換されていてもよい中性配位基またはニッケル周囲の空の配位座であり、また はL3およびL4は一緒になってモノアニオンのオリゴマーの反発的な基であり、 Xは、相対的に非配位のアニオン、 R1は、ポリマーアルキレン基、 R2は、ポリマー末端基であり、 ただし、(t−ブチル)3Pが存在するとき、シクロペンテン、ノルボルネン 類またはスチレン類に由来する繰り返し単位も存在する。 本明細書中には、エチル分岐を含むポリオレフィンも開示する。ここで、前記 エチル分岐の少なくとも53パーセントは、sec−ブチル末端分岐の一部であ り、ただし、前記ポリオレフィンは、1000のメチレン基につき少なくとも5 0の分岐を有する。 本発明には、ポリエチレン、またはアルキル分岐の少なくとも53パーセント がエチル分岐であるエチレンおよび1種またはそれ以上のα−オレフィン類、内 部オレフィン、シクロペンテン、ノルボルネン類、またはスチレン類の共重合体 も含まれ、ただし、前記エチレン、またはエチレンおよびスチレン類またはシク ロペンテンの共重合体は、1000のメチレン基につき少なくとも約1.0の分 岐を有する。 本明細書中には、1000のメチレン基につき少なくとも約2.0の分岐末端 のメチル基を含む1種またはそれ以上のノルボルネン類およびエチレンの共重合 体も開示する。 発明の詳細 本明細書中において、ある種の用語を用いてある種の化学基または化合物を定 義する。これらの用語は以下のように定義される ・「ヒドロカルビル基」は、炭素および水素のみを含む一価の基である。別に 記載のない限り、本明細書中のヒドロカルビル基は、1から約30の炭素原子を 含むことが好ましい。 ・本明細書中で、「置換ヒドロカルビル」は、1種またはそれ以上の置換基を 含み、置換基が、これらの基を含む化合物が供されるプロセス条件のもとで不活 性であるヒドロカルビル基を意味する。また、置換基は、実質的にプロセスを妨 害しない。別に記載のない限り、本明細書中の置換ヒドロカルビル基は、1から 約30の炭素原子を含むことが好ましい。「置換」の意味には、複素芳香環が含 まれる。適当な置換基には、ハロ、エステル、ケト(オキソ)、アミノ、イミノ 、チオエーテル、アミド、およびエーテルが含まれる。好ましい置換基は、ハロ 、エステルおよびエーテルである。 ・「α−オレフィン」は、式CH2=CHR12の化合物を意味し、ここでR 12は飽和ヒドロカルビル、好ましくはアルキル、より好ましくはn−アルキル である。R12は、1から20の炭素原子を有することが好ましく、1から12 の炭素原子がより好ましい。 ・「内部オレフィン」は、式R13R14C=CR15R16の化合物を意味 し、ここでR13およびR15はそれぞれ独立にアルキルであり、R14および R16はそれぞれ独立に、アルキルまたはハロゲンである。R14およびR16 は、ハロゲンであることが好ましい。内部オレフィンにおいては、いずれのアル キル基も1から20の炭素原子を含むことが好ましく、1から10の炭素原子が より好ましい。 ・「不活性液体」は、活性触媒形成(適当な場合)または重合を実質的に妨害 しない液体を意味する。触媒および/または触媒成分および/または単量体は、 不活性液体に可溶であることは必ずしも必要ではないが、不活性液体に少なくと もわずかに可溶であることが好ましい。本明細書中の用途に適当な不活性液体に は、炭化水素類、および過フッ化炭化水素類が含まれる。具体的に有用な不活性 液体には、トルエン、ベンゼン、シクロペンテン(共重合できる)、塩化メチレ ンおよびヘキサンが含まれる。 ・「アルキルアルミニウム化合物」は、少なくとも1つのアルキル基が、アル ミニウム原子に結合した化合物を意味する。アルコキシド、酸素、およびハロゲ ンなどの他の基が、化合物中のアルミニウム原子に結合していてもよい。 ・「中性ルイス塩基」は、イオンではないが、ルイス塩基として作用すること ができる化合物を意味する。このような化合物の例には、エーテル類、アミン類 、スルフィド類、および有機ニトリル類が含まれる。 ・「中性ルイス酸」は、イオンではないが、ルイス酸として作用することがで きる化合物を意味する。 ・「中性配位子」は、イオンではないが、たとえば電気的に中性の配位子を意 味する。 ・「エチレンで置換されることが可能」は、エチレンによって配位金属原子か ら置換されることが可能な配位子を意味する。 ・「弱く配位する配位子」は、(II)または(III)のように、ニッケル 原子から比較的容易に置換される配位子を意味する。 ・「化合物HX」は、(相対的に)非配位的なモノアニオンの酸、またはその 等価体、すなわち、当該酸を発生する化合物の組合せを意味する。非配位性のア ニオンは、当業者には良く知られており、例えば、W.Beck、他、Chem .Rev.、88巻、1405〜1421ページ、1988年、およびS.H. S trauss、Chem.Rev.、93巻、927〜942ページ、1993 年を参照されたい。前記2文献を参照することによりそれらの開示のすべてを本 明細書に併合するものとする。このような非配位性アニオンの相対的配位能は、 これらの参考文献における、Beckの1411ページ、およびStrauss の932ページ、表IIIに記載されている。本プロセスでは、HXの代用とし て、酸性アルミナ類、粘土類およびジルコニア類など、本明細書中で相対的に非 配位性アニオンを有する酸であると考えられる「固体」酸も有用である。 好ましい相対的に非配位性のアニオンxは、BF4 -、PF6 -、BAF、{テト ラキス[2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート}、トリフル オロメタンスルホナート、トルエンスルホナート、およびトリフルオロアセター トであり、具体的には、BAFが好ましい。これらのアニオンの酸は知られてお り、例えば、HBF4は市販されており、HBAFはM.Brookhart、 他(Organometallics、11巻、3920〜3922ページ、1 992年)に記載されている方法によって製造することができる。 ・「π−アリル基」は、η3様式で金属中心に結合した3つの隣接sp2炭素 原子を有するモノアニオンを意味する。3つのsp2炭素原子は、他のヒドロカ ルビル基または官能基で置換されていてもよい。代表的なπ−アリル基には、 が含まれ、ここでRは、ヒドロカルビルである。 ・「π−ベンジル基」は、sp2炭素原子のうち2つが芳香環の一部であるπ −アリル配位子を意味する。代表的なπ−ベンジル基には、 が含まれる。 通常、π−ベンジル化合物は、室温でさえかなり容易にオレフィンの重合を開 始させるが、π−アリル化合物はそうとは限らない。π−アリル化合物による開 始は、1つまたはそれ以上の以下の方法を用いることによって改善することがで きる。 − 約80℃などの高温を用いる。 − R2およびR5を、2,6−ジイソプロピルフェニルの代わりに2,6−ジ メチルフェニルとするように、α−ジイミン配位子の大きさを減少させる。 − 単純なπ−アリル自体よりむしろ、 を用いるなど、π−アリル配位子をよりバルキーにする。 − 機能的π−アリルまたはπ−ベンジル基を用いる間にルイス酸を存在させ る。トリフェニルボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、およびト リス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボランなどの相対的に弱いルイス 酸が好ましい。適当な官能基には、クロロおよびエステルが含まれる。モンモリ ロナイトなどの「固体」酸を用いることもできる。 本明細書中で重合されるオレフィンは、エチレン、スチレン類、ノルボルネン 類およびシクロペンテンである。本明細書中で、「スチレン類」は、式の化合物を意味し、ここで、R3、R4、R5、R6およびR7はそれぞれ独立に、 水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたは官能基であり、これらはすべ て重合プロセスにおいて不活性である。R3、R4、R5、R6およびR7はすべて 水素、すなわち、(VII)はスチレンであることが好ましい。 「ノルボルネン類」は、単量体が、下記式で表され、置換または非置換で、「 a」が単結合または2重結合を表し、ノルボルナジエンを含む、構造中に少なく とも1つのノルボルネン−官能基を含むことを特徴とすることを意味する。 代表的な単量体は、下記の化合物(XXXV)および(XXXX)であり、 ここで、R46、R47、R48およびR49は独立に、水素、ハロゲン、またはヒドロ カルビルであり、ただし、ヒドロカルビル基がビニルの場合を除き、ヒドロカル ビルがいずれもアルケニルのとき、末端2重結合は無く、すなわち2重結合は内 部であり、または一緒になったR46およびR48は、炭素環(飽和、非飽和また は芳香性)の一部であるか、一緒になったR46およびR47および/またはR48お よびR49は、アルキリデン基である。これらの構造において、「z」は、1から 5である。 このようなノルボルネンの例には、ノルボルナジエン、2−ノルボルネン、5 −メチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−エチリデ ン−2−ノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロ ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、シクロペンタジエンの3量体、 上式でR46、R47、R48およびR49が、ハロゲン、またはペルフルオロメチルお よびペルフルオロデシルなどのCW2W+1など(wは、1から20)の完全ハロ ゲン化アルキル基であるハロゲン化ノルボルネン類が含まれる。本明細書中に記 載される重合プロセスにおいて、製造されたポリマーは、約10以上の平均重合 度を有することが好ましく、約20以上がより好ましく、約50以上が特に好ま しい。 1種またはそれ以上のノルボルネン類をエチレンと共重合させると、エチレン 由来のセグメントに分岐を有するポリマーを製造することができる。この分岐は 、エチレン由来のポリマーセグメント中に存在するポリマー中のメチル基の量を 測定することによって容易に検出される。すなわち、4,5−ジメチルノルボル ネンにおけるように、元々のノルボルネンの一部であったメチル基は、この分岐 の目的ではカウントされない。1000のメチレン(−CH2−)基につき少な くとも約3.0のメチル基のあることが好ましく、少なくとも約5.0のメチル 基のあることがより好ましい。少なくとも約0.5(1000のメチレン基につ き)の分岐がエチル分岐であること、および/または少なくとも約1.0の分岐 がアミルまたはそれ以上の長さであることも好ましい。これらの分岐は、後述す るNMR法によって容易に検出される。 オレフィンを製造するための第1の重合方法において、化合物NiAQ(I) を用いることができる。これは、Ni[II]化合物である。AおよびQに有用 なアニオンは、クロライド、ブロマイド、ヨウダイド、オクトアートまたはアセ タートなどのカルボキシラート、およびアセチルアセトナートである。Aおよび Qとして好ましいアニオンは、アセチルアセトナートである。代わりに使える化 合物はL56NiAQ(VIII)である。この化合物における好ましいAおよ びQアニオンは、前に列挙したアニオン、およびアルキル、具体的にメチル、お よびハイドライドである。L5およびL6は、弱く配位する単座配位子または2座 配位子である。例えば、有用な化合物(VIII)は、(1,2−ジメトキシエ タン)NiBr2である。L5およびL6として有用な単座配位子は、テトラヒド ロフランであり、一方、有用な2座配位子には、1,2−ジメトキシエタン、N ,N,N’N’−テトラメチルエチレンジアミンおよび1,5−シクロオクタジ エンが含まれる。 (II)においては、Eは−CH2−であるのが好ましい。 第1の重合方法におけるモル比(II):(I)または(III):(I)は 、決定的なものではない。というには、適度な濃度の活性触媒が生成するからで ある。しかし、出発物質を最も効率よく利用するためには、モル比(II):( I)は約1、モル比(III):(I)は約1から約2であることが好ましい。 第1の重合方法は、(II)が存在するときには、約0℃から約120℃、好 ましくは約25℃から約100℃で行い、(III)が存在するときには、約− 80℃から約100℃、好ましくは約0℃から約80℃で行う。また、プロセス 混合物は、均一で適度に早い重合のために撹拌することが好ましい。第1の重合 方法における(エチレン)圧は決定的なものではないが、大気圧から約150M Paが有用な圧力範囲である。 第1の重合方法における第3の化合物Wは、A-またはQ-を(I)から引き抜 いて、それぞれWA-またはWQ-を形成することのできる中性ルイス酸である。 式は、次のように書ける。 NiAQ+W→[NiA]+[WQ]- (1) この引き抜きのために有用なルイス酸には、B(C653、AlCl3、Mg Cl2およびメチルアルミノキサン(methyl aluminoxane) が含まれる、ヒドロカルビルアニオン、好ましくはアルキルアニオン、より好ま しくはメチルアニオン、または水素化物アニオンが(I)のニッケル原子と結合 しない時には、W(または別のW)は、ヒドロカルビルまたは水素化物アニオン をニッケル原子まで移動させなければならない。例えば、Wとしてアルキルアル ミニウム化合物を用いると、式は次のように書ける。 NiAQ+R2 9AlCl→[NiR9+[R9AlClAQ]- (2) この式は、R2 9AlClの1分子のみを用いて示されている。ニッケル上にR9 基を置くためにアルキルアルミニウム化合物1分子、およびAアニオンを引き 抜くためのもう1分子を用いることによって本質的に同じ効果が得られる。ヒド ロカルビル基をニッケル原子に移動させるために好ましい中性ルイス酸は、アル キルアルミニウム化合物類である。適当なアルキルアルミニウム化合物には、ア ルキルアルミニウムセスキオキシド[(R8AlO)n]が含まれ、具体的にR8 はメチルである。アルキルアルミニウムセスキオキシドは、アルキルアルミニウ ム化合物であるのが好ましい。Wは、2つの化合物、B(C653などの強い ルイス酸、およびトリエチルアルミニウムなどのアルキル化剤の混合物を構成す ることもできる。化学量論的または大量の中性ルイス酸が好ましく、モル比W: (I)は約1から約100がより好ましい。 エチレンは、シクロペンテンおよび/またはスチレン類と共重合させることが できる。スチレン自体は、好ましいスチレン単量体である。通常、コモノマー( エチレンを含む)の濃度増加は、生成物ポリマー中の当該コモノマー由来の繰り 返し量を増加させる。 本明細書中の第2の重合方法においては、用いられる単量体および製造される ポリマーを含み、第1の重合方法の場合に好ましい条件と同一の条件が好ましい 。第2の重合方法は、不活性液体中で行うのが好ましいが、液体または固体およ びエチレンなどの気体、またはリビングポリマー粒子およびエチレンなどの気体 といった不均一系などの他の方法によって行うこともできる。触媒または活性重 合部位をアルミナまたはジルコニアなどの支持体に固定してもよい。オレフィン 重合を行うこのような方法は、当技術分野では知られている。 第2の重合方法においては、化合物(VI)を重合触媒として用いることがで きる。(VI)は、重合プロセスに直接加えてもよいし、重合開始前にin s ituで生成させてもよく、重合開始後、すなわち重合中間体として生成させる ことができる。(VI)を製造する方法は、1996年8月1日公告の国際特許 出願96/23010に報告されている方法と類似している。その出願では、他 の窒素配位子のα−ジイミンのニッケル錯体を、重合に用いるために製造してい る。類似の錯体(II)および(III)は、WO96/23010に記載され ている方法と同様の方法によって製造することができる。 例えば、前記の式(2)は、式(VI)の化合物の部分的形成を示している。 (II)または(III)の存在下で、(II)または(III)は、(VI) のL1およびL2と考えられ、R9はL3、すなわちエチレンを横切って付加するこ とができるモノアニオン基であり、L4はニッケル周囲の空の配位座である。式 (2)の反応をジエチルエーテルなどの溶媒中で行った場合は、エーテルがL4 、すなわちエチレンによって置換されることができる中性配位基となることがで きる。 (VI)を製造する方法には、 下記の化合物と、 (II)あるいは(III)およびMX(Mは、ナトリウムなどの1価の金属、 およびXは、相対的に非配位性のアニオン)との反応、 (tmeda)NiMe2の、(II)と、それに続くHX(Xは、相対的に 非配位性のアニオン)あるいはB(C653などのメチルの引き抜きで相対的 に非配位性のアニオンを生成できるルイス塩基との反応が含まれる。 アニオンであって、エチレンまたは他のオレフィンを横切って付加することが できる基には、アリル、ベンズアリルおよびビニルを含むヒドロカルビル、およ びハイドライドが含まれる。エチレンまたは他のオレフィンを横切って付加する ことができる好ましい基は、1から4の炭素原子のアルキルおよびハイドライド であり、メチルが具体的に好ましい。 L3がエチレンで、L4がモノアニオン−R12のとき、(VI)は下式のよう に表され、「リビング」ポリマーと考えることができる。R2基は、ポリマー「断片」−R1 2にとっての末端基であり、エチレン(またはオレフィン)分子を横切って付 加した、ニッケル上の元々の基から生じたと考えることができる。分子のR1部 分は、エチレン繰り返し単位などのポリマーの1つまたはそれ以上の繰り返し単 位であって、例えば式−(CH2CH2X−(xは、1以上の整数)で表される 。(IX)においてニッケル原子に配位したエチレン分子は、Ni−R1結合を 横切って付加することが可能であり、別のオレフィン分子がニッケル原子に配位 し、それによって重合を続ける。 リビング末端ポリマーの別の潜在的形は、いわゆる反発的な(agostic)リビ ング末端である。これは、下記のタイプをしており、 ここで、R11はそれぞれ独立に、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであ る。この形のリビング末端は、オレフィン末端基がシクロペンテンなどの環状オ レフィンであったり、両方のR11が一緒になって環を形成している場合に、好ま しいと考えられている。例えば、末端基がシクロペンテン由来であった場合には 、両方のR11が一緒になって−(CH23−となる。 本明細書中の触媒系において(III)を用いてポリエチレンまたはエチレン の共重合体を製造する場合、ポリマーは例外的に高い割合のエチル分岐を有する ことがある。触媒系に(III)が存在する場合、ホモポリエチレンならびにエ チレンの共重合体が生成することがある。ホモポリエチレンは、エチレン共重合 体と本質的に同一の方法で製造される。完全に直鎖状のホモポリエチレンが分岐 を有しないのは言うまでもないが、分岐ホモポリエチレンを製造すると、通常1 から数個の炭素を含む分岐分布を有する。このようなポリマーではエチル分岐が 認められることが多いが、通常はエチル分岐が、存在する全分岐の高いパーセン テージを構成しているわけではない(分岐の数および大きさを測定および算出す る方法については、実施例の直前のNMRポリマー分析を参照されたい)。(I I)を含有する触媒によって製造されるポリマーの一部は、例外的に高い割合の エチル分岐を含むことが判明した。本明細書中の新規なポリマーは、1000の メチレン基あたり少なくとも約1.0以上の全分岐を有し、少なくとも約5以上 の全分岐を有するのが好ましく、これらの分岐の少なくとも約50パーセントが エチル分岐であり、これらの分岐の少なくとも約65パーセントがエチル分岐で あるのが好ましい。エチル分岐のパーセンテージは、存在するエチル基を含む総 分岐(メチル基)数に基づいたもので、存在する全分岐またはエチル分岐中の総 炭素原子数に基づくものではないことに注意されたい。 本明細書中に記載される触媒系において(II)を用いてホモポリエチレンま たはポリエチレンの共重合体を製造する場合、得られるポリマーが、例外的に高 い割合でsec−ブチル[−CH(CH3)CH2CH3]末端分岐中のエチル分 岐を有することがしばしばある。本明細書中における「分岐」の定義については 、下記を参照されたい。sec−ブチル基は下記のように分岐の末端に位置し、 れが「主鎖」であるかは意味のある論議となる)を表し、xは2以上の整数であ る。このようなポリマーは、1000のメチレン基につき約50以上の総分岐数 を有し、約75から約160の総分岐数を有するのが好ましく、存在するエチル 分岐の少なくとも約53パーセントがsec−ブチル末端分岐の一部であり、こ れらのエチル分岐の少なくとも約58パーセントがsec−ブチル末端分岐の一 部であるのが好ましい。 相対的に高レベルのsec−ブチル末端分岐またはエチル分岐を有するポリエ チレンは、ホモポリエチレンまたはエチレンのシクロペンテンおよび/またはス チレン類との共重合体であってもよい。懸垂フェニル環あるいはシクロペンテン に由来する環状ユニットは、これらのポリマーにおいて分岐の量および分岐タイ プを算出する目的の場合には「分岐」とは見なすべきではない。同様に、スチレ ン類がフェニル環上に置換された1種またはそれ以上のアルキル基を有している 場合にも、これらのアルキル基は、分岐または分岐の部分とは見なされない。 本明細書中の重合プロセスは、様々な液体、具体的には非プロトン性の有機性 液体の存在下で行うことができる。触媒系、エチレン、およびポリエチレンは、 これらの液体に可溶あるいは不溶であってもよいが、これらの液体が重合の起き るのを妨げてはならないことは明らかである。適当な液体には、アルカン類、シ クロアルカン類、選択されたハロゲン化炭化水素類、および芳香族炭化水素類が 含まれる。具体的に有用な溶媒には、ヘキサン、トルエンおよびベンゼンが含ま れる。 本明細書中のエチレン重合は、固体、例えば、シリカまたはアルミナなどの基 質上に遷移金属化合物を支持させ、(必要ならば)それをルイス酸(Wなど、例 えば、アルキルアルミニウム化合物)またはブレンステッド酸を用いて活性化し 、これをエチレンに暴露することによって行うことができる。あるいは、アルキ ルアルミニウム化合物類などのルイス酸を、先ずシリカまたはハロゲン化マグネ シウム類などの支持体と反応させ、次いで、添加される化合物を含有する遷移金 属と反応させてもよい。支持体は、ルイス酸またはブレンステッド酸の代わりと なる、例えば、モンモリロナイトなどの酸性粘土類を用いてもよい。支持触媒を 製造する別の方法は、シリカまたはアルミナなどの支持体上で重合を開始するか 、あるいは支持体上で、別のオレフィン、またはシクロペンテンなどのオレフィ ンのオリゴマーの遷移金属錯体を作製することである。これらの「不均一」触媒 を用い、気相または液相における重合を触媒することができる。気相というのは 、 エチレンが気相にある間に、エチレンを移送して触媒粒子と接触させることを意 味している。 前述の重合触媒系は、別のタイプの重合触媒と連結して用いることができる。 これには、前述の2つの異なる重合触媒も含まれると考えられるが、別のタイプ の触媒は、第2の活性重合触媒として用いられることがより一般的である。例え ば、いわゆるチーグラー−ナッタタイプおよび/またはメタロセンタイプの触媒 を用いることができる。これらのタイプの触媒は、ポリオレフィンの分野では良 く知られており、例えば、メタロセンタイプの触媒に関する情報については、A ngew.Chem.、Int.Ed.Engl.、34巻、1143〜117 0ページ、1995年、欧州特許出願416,815および米国特許5,198 ,401、およびチーグラー−ナッタタイプの触媒に関する情報については、J .BoorJr.、Ziegler−Natta Catalysts and Polymerizations、Academic Press、New York、1979年を参照されたい。これらの文献を参照することにより、そ れらのすべての開示を本明細書に併合するものとする。最近の適当な金属遷移触 媒は、国際特許出願96/23010および97/02298(これらを参照す ることにより、双方の開示を本明細書に併合するものとする。)、および199 7年12月16日出願の米国特許出願08/991,372、および1998年 1月13日出願の米国特許出願09/006,536(これらを参照することに より、双方の開示を本明細書に併合するものとする。)に見出される。これらの タイプの触媒、および第1の活性重合触媒にとって有用な重合条件の多くは一致 していることから、第1および第2の活性重合触媒を用いる重合条件は容易に入 手できる。Wが、第1の活性重合触媒を用いる重合にときどき必要であるのと同 様に、メタロセンまたはチーグラー−ナッタタイプの重合にも「補助触媒」また は「活性化剤」を必要とすることがときどきある。多くの場合、両方のタイプの 重合触媒としての目的で、アルキルアルミニウム化合物類などの同一の化合物を 用いることができる。 第1の活性重合触媒および第2の活性重合触媒によって製造されるポリマーは 、順に、すなわち、直列の2つの重合容器を用い、触媒の一方(第1または第2 ) を用いる重合と、それに続く、もう一方の触媒を用いる重合で製造される。しか し、第1および第2の活性重合触媒を同一容器中で、すなわち同時に用いて重合 を行うことが好ましい。これは、ほとんどの場合に第1および第2の活性重合触 媒はお互いとの適合性があることから可能であって、他の触媒が存在しても独特 のポリマーを生成する。 2つ以上の重合触媒を用いることによって製造されるポリマーは、分子量およ び/または分子量分布および/または融点および/または結晶性レベルおよび/ またはガラス転移温度または他の因子が異なることがある。共重合体の場合、異 なる重合触媒が、存在する単量体を異なる相対速度で重合すると、ポリマーのコ モノマー比率が異なることがある。 オレフィン単量体は、単一オレフィン、または共重合体を製造するためのオレ フィン類の混合物でもよい。具体的に、第1および第2の活性重合触媒によって 同時にポリマーが製造される重合プロセスにおいては、オレフィンモノマーが同 一であることが好ましい。2つ以上の触媒を用いる一部のプロセスにおいては、 第1の活性重合触媒が、第2の活性重合触媒では重合されない単量体を重合し、 および/または逆の場合も同じである。その場合、2つの化学的に異なるポリマ ーが生成する。別のシナリオでは、2つのポリマーが存在し、一方の重合触媒は 共重合体を生成し、もう一方の重合触媒は、単独重合体を生成するか、モル比ま たは繰り返し単位の異なる2つのポリマーが、様々な単量体から生成することも ある。他の類似の組合せは、当業者には明らかであろう。 実施例においては、通常、以下の手順を用いて、分岐、ポリマー中の分岐長の 分布(1000のメチレン基当たりのメチル基総数によって測定されるような単 純な分岐数とは限らない)、および本明細書に記載されるポリマーに関する微構 造情報を定量的に測定した。100MHz13CNMRスペクトルは、10mmプ ローブを用いるVarian Unity400MHz分光計で、120〜14 0℃でロックを外された(unlocked)通常それぞれ10〜20wt%お よび0.05MのポリマーおよびCr(アセチルアセトナート)3の1,2,4 −トリクロロベンゼン(TCB)溶液により、16から18μsecの90度パ ルス、35kHZのスペクトル幅、5〜10sの緩和遅延、0.64secの取 得時間および逆ゲートカップリングを用いて得た。試料は、データを取得する前 に少なくとも15分間予熱した。通常、データ取得時間は、1試料につき10時 間であった。炭素のT1値をこれらの条件下で測定すると、すべて0.9s未満 であった。測定された最長のT1は、14ppmの鎖末端共鳴であるBu+の場合 で、0.84sであった。一部の試料は、同様の取得パラメータのもとで、30 ℃で(ロックし)クロロホルム−d1、すなわちCDCl3−d1中で測定した 。0.05MCr(アセチルアセトナート)3を含む代表的な試料についてCD Cl3中、周囲温度でT1を測定すると、すべて0.68s未満であった。スペク トルは、溶媒、127.9ppmのTCB高磁場共鳴または77ppmのクロロ ホルム−d13重線を基準にする。DEPT135スペクトルを大部分の試料に ついて行い、メチルおよびメチンとメチレンを区別した。メチルは化学シフトに よってメチンと区別された。EOCは、鎖末端である。帰属は、以下の命名スキ ームを基準とする。 1. xBy:Byは、y個の炭素長の分岐であり、xは、論じられている炭 素で、分岐の末端のメチルには1の番号を付ける。したがって、ブチル分岐の末 端から2番目の炭素は、2B4である。y以上の長さの分岐は、y+と表す。 2. xCBy:CByは、「ブロッキング(blocking)炭素」(4 級炭素、非プロトン化炭素)と官能基から2番目に近いメチンとの間の、y個の メチレンを含むコモノマー末端分岐。xは、論じられている炭素で、ブロッキン グ炭素に最も近いメチレンに1の番号を付ける。 3. バックボーンのメチレンは、大文字Sで表し、それぞれのメチレンが分 岐点メチンからどれ程離れているかを示すギリシャ文字を付ける。したがって、 Sベータベータは、次の構造における中央のメチレンを表す。RCHRCH2C H2CH2CHRR。ガンマ+は、分岐点からガンマおよびそれより遠い位置のメ チレンを意味する。 4. xByまたはxCByにおけるxがTによって置き換えられる時には、 その分岐のメチン炭素を表す。 5. 2つのギリシャ文字が続くTは、メチン炭素および次のメチンまでどれ 程離れているかを示している。2つのギリシャ文字が続くMは、メチル分岐およ び2つの隣接する分岐点までの距離を示す。例えば、高度な立体規則性ポリプロ ピレンにおけるメチルおよびメチンは、PベータベータおよびTベータベータで 表されるであろう。 それぞれの分岐における固有の炭素の総数を測定し、1000のメチレン当た りの分岐数として記録した(バックボーンおよび分岐、およびコモノマー末端分 岐中のメチレンを含む)。これらの総数は、豊富な分岐の場合には+/−5%、 1000のメチレンにつき10未満程度で存在する分岐の場合には+/−10ま たは20%の正確さがある。 このようなタイプの分析は一般的に知られており、例えば、「A Quant itative Analysis of Low Density(Bran ched)Polyethylenes by Carbon−13 Four ier Transform Nuclear Magnetic Reson ace at 67.9MHz」、D.E.Axelson、他、Macrom olecules、12巻、41〜52ページ、1979年;「Fine Br anching Structure in High−Pressure、L ow Density Polyethylenes by 50.10−MH z 13C NMR Analysis」、T.Usami他、Macromo lecules、17巻、1757〜1761ページ、1984年;および「Q uantification of Branching in Polyet hylene by 13C NMR Using Paramagnetic Relaxation Agents」、J.V.Prasad、他、Eur .Polym.J.、27巻、251〜254ページ、1991年、を参照され たい(最後の論文にはいくつかの重大な誤植があると考えられるので注意された い)。 本明細書中に記載されるポリマーの多くは、独特な分岐を有すると考えられる 。すなわち、「正常」配位重合で予想されるよりも多くのまたは少ない分岐を有 し、あるいは分岐のサイズの分布が予想されるものと異なり、「分岐上分岐」も 存在する。これは、ポリマー上の主鎖からの分岐が、それ自体1つまたはそれ以 上の分岐を含むことを意味する。いかなる具体的なポリマーにおいても、十分な 分岐上分岐がある場合には、「主鎖」という概念は、多少意味のある論議である こと も意味している。 ポリマーヒドロカルビル分岐は、メチンまたは4級炭素原子に対してのメチル 基、または一方の端がメチル基で終了し、他方の端がメチンまたは4級炭素原子 に連結している連続するメチレンのグループを意味する。分岐の長さは、炭素数 として定義されるが、最も近いメチンまたは4級炭素原子に対するメチル基は含 むが、メチンまたは4級炭素原子は含まない。連続するメチレン基の数が「n」 であれば、その分岐は(または分岐長は)、n+1を含む。したがって、構造( ポリマーの一部を表す)−CH2CH2CH[CH2CH2CH2CH2CH(CH3 )CH2CH3]CH2CH2CH2CH2−は、2つの分岐、メチルおよびエチル分 岐を含む。 シクロペンテンおよびエチレンの共重合体についての13C NMRピークは、 A.Jerschow他(Macromolecules、28巻、7095〜 7099ページ、1995年)のラベリングスキームおよび帰属に基づいて記述 した。3つ組および5つ組は、1−cme、1,3−ccmcc、1,3−cm c、2−cme、2−cmc、1,3−eme、3−cme、および4,5−c mc、などとして記述する(e=エチレン、c=シクロペンテン、およびm=メ タシクロペンテン(すなわち、1,3連鎖(enchainment)). 化合物(t−Bu)2PCH2P(t−Bu)2は、以下の公表されている手順 に従って合成することができる。Karsch、H.H.およびSchmidb aur、Z.Naturforsch.、32b巻、762ページ、1977年 。P(t−Bu)3は、Strem Chemicals(Newburypo rt、MA、U.S.A.)から購入することができた。Ni(acac)2( acac=アセチルアセトナート)は、Aldrich Chemical C ompany(Milwaukee、WI、U.S.A.)から購入することが できる。 実施例においては、以下の略語を用いる。 acac − アセチルアセトナート Bu − ブチル DME − 1,2−ジメトキシエタン GPC − ゲル浸透クロマトグラフィ Me − メチル Mn − 数平均分子量 Mw − 重量平均分子量 PD − 多分散度(polydispersity)、Mw/Mn PE − ポリエチレン TCB − トリクロロベンセン TCE − トリクロロエチレン tmeda − N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン 実施例においては、別に記載のない限りは、すべての圧力はゲージ圧である。 実施例1 真空にした100mLのオートクレーブに、窒素中で、Ni(acac)2( 26mg、0.10mmol)および(t−Bu)2PCH2P(t−Bu)2( 30mg、0.10mmol)の40mLのトルエン溶液を充填した。次いで、 この混合物に、690kPaのエチレン中、トルエン(10mL)に溶かした修 飾メチルアルミノキサン(5.00mmol)を加えた。得られた反応混合物を 、690kPaのエチレン中18.5時間、700rpmで撹拌した。この間、 反応温度は29〜30℃に保たれた。次いでエチレン圧を抜き、空気中で50m Lのイソプロパノールを添加することにより反応混合物をクエンチした。次いで 、得られた混合物を、100mLのメタノールおよび10mLの濃HClととも にビーカー中で撹拌した。最後に、200mLの水を加えると、溶液から油が分 離した。次いで、この混合物を分液ロートに移し、油を水相から分離した。水相 を3×100mLのヘキサンで抽出し、ヘキサン抽出物を油と混ぜた。得られた 溶液を乾燥し(MgSO4)、真空で濃縮すると、粘り気のある、透明で無色の 油として無定形ポリエチレン13.4gが得られた。分岐分布を13C NMRに よって定量した。1000のCH2当たりの分岐:全メチル(139)、メチル (82)、エチル(22.3)、プロピル(2.1)、ブチル(9.7)、アミ ル(0.9)、≧Hexおよび鎖末端(21.6)、≧Amおよび鎖末端(23 .8)、 ≧Buおよび鎖末端(32.6)。DSC:Tm=−42℃、Tg=−67℃。G PC(テトラヒドロフラン中、対ポリスチレン):Mn=11,400、Mw=1 6,800;Mw/Mn=1.47. 以下の表は、得られたポリマーの13C NMRスペクトルを、判明した帰属と 一緒に示している。 実施例2 真空にした100mLのオートクレーブに、窒素中で、Ni(acac)2( 18mg、0.07mmol)およびP(t−Bu)3(29mg、0.14m mol)のトルエン42mL溶液を充填した。次いで、この混合物に、690k Paのエチレン中、トルエン(10mL)に溶かした修飾メチルアルミノキサン (3.5mmol)を加えた。得られた反応混合物を、7分間撹拌した。この間 に、反応温度は27から45℃に上昇した。次いでエチレン圧を抜き、反応混合 物をクエンチし、空気中で25mLのイソプロパノールを添加することによって 生成物を沈殿させた。得られた混合物をビーカーに移し、100mLのメタノー ルおよび10mLの濃HClとともに撹拌した。生成物ポリマーをろ過し、メタ ノールおよびIrganox(登録商標)1010の2重量%アセトン溶液で洗 浄した。ポリマーを乾燥すると、白色の粉末としてポリエチレン4.07gが得 られた。DSC:Tm=105℃(ΔHf=74J/g)。定量的13C NMRは 、この試料が1000のメチレンにつき26のメチル末端分岐を含むことを示し た。分岐の分布は以下の通りであった(1000のメチレン当たりの分岐):メ チル(〜0)、エチル(20.8)、プロピル(未測定)、ブチル(2.5)、 アミル(.1)、≧ヘキシルおよび鎖末端(1.8)、≧アミルおよび鎖末端( 2.1)、≧ブチルおよび鎖末端(5.2)。DSC:Tm=105℃(74J /g)。GPC(テトラヒドロフラン中、対ポリスチレン):Mn=6,210 、Mw=15,000;Mw/Mn=2.42. 以下の表は、得られたポリマーの13C NMRスペクトルを、判明した帰属と 一緒に示している。 実施例3 100mLのオートクレーブに、Ni(acac)2(73mg、0.28m mol)およびP(t−Bu)3(115mg、0.57mmol)のシクロペ ンテン(50mL)溶液を充填した。次いで、この混合物に、690kPaのエ チレン中、トルエン(7mL)に溶かした修飾メチルアルミノキサン(14.2 mmol)を加えた。反応混合物を、690kPaのエチレン中で30分間撹拌 すると、この間に、反応温度は27と46℃との間を変化した。次いでエチレン 圧を抜き、反応物を、実施例2と同一の手順を用いて処理すると、白色の固体と してエチレン/シクロペンテン共重合体5.03gが得られた。定量的13C N MRは、このポリマーがエチレンユニット46.7モル%、シス−1,2−連鎖 シクロペンテンユニット8.3モル%、およびシス−1,3−連鎖シクロペンテ ンユニット45.0モル%を含むことを示した。実施例4 100mLのオートクレーブに、Ni(acac)2(18mg、0.07m mol)、P(t−Bu)3(29mg、0.14mmol)、シクロペンテン (10mL、114mmol)、およびトルエン(32mL)の溶液を充填した 。次いで、この混合物に、690kPaのエチレン中、トルエン(10mL)に 溶かした修飾メチルアルミノキサン(3.54mmol)を加えた。反応混合物 を、690kPaのエチレン中で7分間撹拌すると、この間に、反応温度は23 と39℃との間を変化した。次いでエチレン圧を抜き、反応物を、実施例2と同 一の手順を用いて処理すると、白色の固体としてエチレン/シクロペンテン共重 合体3.94gが得られた。DSC:Tm=85℃(41J/g)。定量的13C NMRは、このポリマーがエチレンユニット81.8モル%、シス−1,2−連 鎖シクロペンテンユニット4.7モル%、およびシス−1,3−連鎖シクロペン テンユニット13.4モル%を含むことを示した。GPC(トリクロロベンゼン 中、対ポリエチレン):Mn=14,000、Mw=28,900;Mw/Mn=2 .07. 実施例5 100mLのオートクレーブに、Ni(acac)2(73mg、0.28m mol)、P(t−Bu)3(115mg、0.57mmol)、スチレン(5 .00g、48.0mmol)、およびトルエン(50mL)の溶液を充填した 。次いで、この混合物に、690kPaのエチレン中、トルエン(7mL)に溶 かした修飾メチルアルミノキサン(14.2mmol)を加えた。反応混合物を 、690kPaのエチレン中で11分間撹拌すると、この間に、反応温度は27 と39℃との間を変化した。次いでエチレン圧を抜き、空気中で50mLのイソ プロパノールを添加することによって反応混合物をクエンチした。得られた混合 物を200mLのメタノールおよび20mLの濃HClとともにビーカーに移し た。沈殿したポリマーをろ過し、さらにメタノールで洗浄し、乾燥すると、エチ レン/スチレン共重合体2.50gが得られた。DSC:Tm=86℃(45J /g)。GPC(トリクロロベンゼン対直鎖状ポリエチレン、135℃):Mn =17,700,Mw=34,900;PD=1.98.定量的13C NMRは、 このポリ マーがエチレンユニット91.7モル%およびスチレンユニット8.3モル%を 含むことを示した。1000のメチレン基につき1.8のエチル分岐も観察され た。 以下の表は、得られたポリマーの13C NMRスペクトルを、判明した帰属と 一緒に示している。 実施例6 100mLのオートクレーブに、Ni(acac)2(73mg、0.28m mol)、P(t−Bu)3(115mg、0.57mmol)、4−ビニル安 息香酸メチル(1.00g、6.2mmol)、およびトルエン(50mL)の 溶液を充填した。次いで、この混合物に、210kPaのエチレン中、トルエン (7mL)に溶かした修飾メチルアルミノキサン(14.2mmol)を加えた 。反応混合物を、210kPaのエチレン中で1時間撹拌すると、この間に、反 応温度は25と28℃との間を変化した。次いでエチレン圧を抜き、反応物を、 実施例5で用いたのと同一の手順によって処理した。沈殿したポリマーをろ過し 、さらにメタノールで洗浄し、乾燥すると、エチレン/4−ビニル安息香酸メチ ル共重合体0.93gが得られた。DSC:Tm=115℃(114J/g)。 GPC(トリクロロベンゼン 対 直鎖状ポリエチレン、135℃):Mn=2 ,620、Mw=10,700;PD=4.10.定量的13CNMRは、この共 重 合体がエチレンユニット99.3モル%および4−ビニル安息香酸メチルユニッ ト0.7モル%を含むことを示した。 実験1 tBu)2PCH2P(tBu)2の合成 オーブン乾燥した500mLの丸底Schlenkフラスコに、(t−Bu)2 PCH2Li(下記参照)、200mLのTHFを充填し、得られた黄色の溶液 を−78℃まで冷却した。10分間撹拌した溶液に、注射器で(t−Bu)2P Cl(5.0mL.5.7g、1.2当量)を加えた。反応混合物を、−78℃ で2時間撹拌させ、ついで、周囲温度まで温めた。冷却器をフラスコに取り付け 、混合物を24時間加熱還流した。その後で反応混合物を周囲温度まで冷却させ 、揮発性物質を真空で除去した。生成物を3×30mLのヘキサン類で抽出し、 N2中でCelite(登録商標)の詰め物を通してろ過した。ヘキサン類を除 去すると、粘りけのある黄色の液体7.85g(97%)が得られた。δ1.0 5ppmの小さな多重線が、1H NMRによって検出された唯一の不純物であ った。31P{1H}NMRにおける唯一の共鳴がδ18.9ppmに観察された 。前記生成物1.1gの20mLヘキサン類溶液を、塩基性Al23の詰め物を 通してろ過し、追加のヘキサン類で溶離して、揮発性物質を除去することによっ て結晶性生成物が得られ、透明な蝋質の結晶0.95gが得られた。 (t−Bu)2PCH2Liドライボックス中で、200mLの丸底Schle nkフラスコに、(t−Bu)2PCH3(下記参照)15.9gおよび40mL のヘキサン類を充填した。t−BuLi(1.7M溶液58.6mL、1.0当 量)を注射器で加えた。反応混合物を、9日間加熱還流した。この間に、灰色が かった白色の固体が生成し、これを中型多孔性ガラス上に単離し、2×5mLの ペンタンで洗浄し、真空で乾燥すると、(t−Bu)2PCH2Li4.4gが得 られた。ろ液を反応フラスコに戻し、40mLのメチルシクロヘキサンを加え、 混合物を加熱還流した。2日間の還流の後、追加の(t−Bu)2PCH2Li3 .8gを単離した。注:この物質およびろ液は極めて自然発火性であり、細心の 注意を払って取り扱わなければならない。1H NMR(THF−d8):δ0. 80(d、JPH=9.1、18H)、−1.42(d、JPH=1.3、2H)。3 1 P{1H}NMR(THF):δ45.3。 (t−Bu)2PCH3ドライボックス中で、(t−Bu)2PCl29.66 gをEt2O〜50mLで希釈し、500mLの丸底Schlenkフラスコに 加えた。滴下ロートに、152.5mLのメチルリチウムを充填し、2時間かけ て、撹拌した(t−Bu)2PCl溶液に滴加した。添加を続けるにつれて、反 応混合物は、無色の均一溶液から、白色の沈殿をともなう黄色の溶液になった。 添加終了後、滴下ロートをスバシール(suba seal)に付け替え、混合 物を一昼夜撹拌させた。次いで、フラスコをドライボックスから取り出し、Sc hlenkラインに取り付け、0℃まで冷却し、脱気した5.0mLのH2Oを 20分間で注射器から注意深く加え、続いて脱気した50mLのH2Oを添加し た。2相の溶液となった。有機層を、カニューレによって〜10gのMgSO4 を含む500mLの丸底Schlenkフラスコに移した。水層を、脱気した〜 100mLの石油で抽出した。合わせた有機層を含むフラスコにガラスストッパ ーを取り付け、−10℃まで冷却し、Schlenkラインを用いて揮発性物質 を除去した。次いで、フラスコをドライボックスに移し、淡黄色の残渣をCel ite(登録商標)の薄い詰め物を通してろ過した。MgSO4およびCeli te(登録商標)を追加のEt2O15mLで洗浄し、洗浄液を最初のろ液に加 え、次いで、50mLのSchlenkフラスコに移した。フラスコをボックス から取り出し、Schlenkラインに取り付け、0℃まで冷却してEt2Oを 除去し、次いで、蒸留ヘッドを取り付けた。残渣を、静的真空中(40に設定す るVariac(登録商標))、液体N2で冷却した受器中に蒸留すると、透明 な蒸留物26.3g(89.1%収率)が得られた。1H NMR(C66): δ1.03(d、JPH=10.8、18H)、0.82(d、JPH=4.7、3 H)。13C{1H}NMR(C66):d30.26(d、JPC=21.95) 、29.29(d、JPC=13.92)、4.20(d、JPC=25.1)。31 P{1H}NMR(ヘキサン類):δ12.3 実験2 (t−Bu2PCH2P−t−Bu2)NiBr2の合成 (DME)NiBr2(0.250g、0.810mmol)を、窒素中で2 0mLのCH2Cl2に懸濁した。この混合物に、t−Bu2PCH2P−t−Bu2 (0.247g、0.810mmol)を加えた。紫色の溶液がゆっくりと生 成した。反応混合物を、周囲温度で15.5時間撹拌した。次いで、これをろ過 し、ろ液を真空で濃縮乾固すると、赤紫色の粉末が得られた。CH2Cl2/ペン タンから−40℃で再結晶すると、紫色の結晶性固体として(t−Bu2PCH2 P−t−Bu2)NiBr20.336gが得られた(79%)。1H NMRδ 2.71(t、2H、CH2)、1.70(多重線、36H、t−Bu)。13P NMR(CDCl3)δ−6.42。 実施例7 真空にした100mLのオートクレーブに、窒素中で、(t−Bu2PCH2P −t−Bu2)NiBr2(52mg、0.10mmol)の40mLのトルエン スラリを充填した。次いで、この混合物に、690kPaのエチレン中、トルエ ン(10mL)に溶かした修飾メチルアルミノキサン(5.00mmol)を加 えた。得られた反応混合物を、690kPaのエチレン中24時間、約700r pmで撹拌した。この間、反応温度は26〜28℃に保たれた。次いでエチレン 圧を抜き、空気中で50mLのイソプロパノールを添加することにより反応混合 物をクエンチした。次いで、得られた混合物を、100mLのメタノールおよび 10mLの濃HClとともにビーカー中で撹拌した。最後に、100mLの水を 加えると、溶液から油が分離した。次いで、この混合物を分液ロートに移し、油 を水相から分離した。水相を3×100mLのヘキサンで抽出し、ヘキサン抽出 物を油と混ぜた。得られた溶液を乾燥し(MgSO4)、真空で濃縮すると、粘 りけのある透明で無色の油として無定形ポリエチレン10.4gが得られた。分 岐分布を13C NMRによって定量した。1000のCH2当たりの分岐:総メチ ル末端分岐数(143.6)、メチル(86.4)、エチル(22.3)、プロ ピル(1.3)、ブチル(9.2)、アミル(0.8)、≧Hexおよび鎖末端 (21.2)、≧Amおよび鎖末端(23.9)、≧Buおよび鎖末端(33. 1)。GPC(TCB対直鎖状PE):Mn=3,410、Mw=7,860;Mw /Mn=2.3。 実験3 (P−t−Bu3)NiBr2の合成 (DME)NiBr2(0.500g、1.62mmol)を、窒素中でCH2 Cl220mLに懸濁した。この混合物に、p−t−Bu3(0.328g、1. 62mmol)を加えた。エメラルドグリーンの溶液がゆっくりと生成した。反 応混合物を、周囲温度で19時間撹拌した。次いで、これをろ過し、ろ液を真空 で濃縮乾固すると、緑色の固体が得られた。CH2Cl2から−40℃で再結晶す ると、緑色の粉末として0.260gの(PtBu3)NiBr2が得られた(3 8%)。 実施例8 真空にした100mLのオートクレーブに、窒素中で、(P−t−Bu3)N iBr2(42mg、0.10mmol)の40mLのトルエン溶液を充填した 。次いで、この混合物に、690kPaのエチレン中、トルエン(10mL)に 溶かした修飾メチルアルミノキサン(5.00mmol)を加えた。得られた反 応混合物を、100psi(約690kPa)のエチレン中35分間、700r pmで撹拌した。反応の初めの2分間に、反応温度は24から50℃に上昇し、 その後、35分後に32℃になるまでゆっくりと低下した。エチレン圧を抜き、 空気中で50mLのイソプロパノールを添加することにより反応混合物をクエン チした。次いで、得られた混合物を、100mLのメタノールおよび10mLの 濃HClとともにビーカー中で撹拌した。沈殿したポリマーをろ過し、メタノー ルで洗浄して乾燥すると、ポリエチレン4.91gが得られた。分岐分布を13C NMRによって定量した。1000のCH2当たりの分岐:総メチル末端分岐数 (7.5)、メチル(2.1)、エチル(2.4)、プロピル(0.3)、ブチ ル(0.4)、アミル(0.7)、≧Hexおよび鎖末端(4)、≧Amおよび 鎖末端(2.3)、≧Buおよび鎖末端(2.7)。DSC:Tm=127.2 ℃(152J/g)。GPC(TCB中、対直鎖状PE):Mn=9,580、 Mw=45600;Mw/Mn=4.76。 実施例9 真空にした100mLのオートクレーブに、窒素中で、(P−t−Bu3)N iBr2(42mg、0.100mmol)およびノルボルネン(3.00g、 31.9mmol)の40mLのトルエン溶液を充填した。次いで、この混合物 に、350kPaのエチレン中、トルエン(10mL)に溶かした修飾メチルア ルミノキサン(10.00mmol)を加えた。得られた反応混合物を、350 kPaのエチレン中6分間、600rpmで撹拌した。反応の初めの3分間に、 反応温度は31から61℃に上昇し、その後、6分後に57℃になるまで低下し た。エチレン圧を抜き、空気中で50mLのイソプロパノールを添加することに より反応混合物をクエンチした。次いで、得られた混合物を、100mLのメタ ノールおよび10mLの濃HClとともにビーカー中で撹拌した。沈殿したポリ マーをろ過し、メタノールで洗浄して乾燥すると、エチレン/ノルボルネン共重 合体8.80gが得られた。定量的13C NMRは、共重合体が、ノルボルネン ユニット9モル%およびエチレンユニット91モル%を含むことを示した。さら に、13C NMRによって以下の分岐(1000のCH2につき)が検出された :総メチル末端分岐数(4.1)、メチル(1.2)、エチル(1.1)、プロ ピル(.1)、ブチル(.3)、アミル(3.1)、≧Hexおよび鎖末端(7 .1)、≧Amおよび鎖末端(1.3)、≧Buおよび鎖末端(1.7)。DS C:Tm=109,115℃(43J/g)。GPC(TCB中、対直鎖状PE ):Mn=3,390、Mw=13,500;Mw/Mn=3.98。 実施例10 真空にした100mLのオートクレーブに、窒素中で、(P−t−Bu3)N iBr2(42mg、0.100mmol)およびノルボルネン(6.00g、 63.7mmol)の40mLのトルエン溶液を充填した。次いで、この混合物 に、690kPaのエチレン中、トルエン(10mL)に溶かした修飾メチルア ルミノキサン(10.00mmol)を加えた。得られた反応混合物を、690 kPaのエチレン中8分間、600rpmで撹拌した。反応の間に、反応温度は 27から53℃に上昇した。エチレン圧を抜き、空気中で50mLのイソプロパ ノールを添加することにより反応混合物をクエンチした。次いで、得られた混合 物を、200mLのメタノールおよび10mLの濃HClとともにビーカー中で 撹拌した。沈殿したポリマーをろ過し、メタノールで洗浄して乾燥すると、エチ レン/ノルボルネン共重合体11.21gが得られた。定量的13C NMRは、 共重合体が、ノルボルネンユニット15モル%およびエチレンユニット85モル %を含むことを示した。さらに、13C NMRによって以下の分岐(1000の CH2につき)が検出された:総メチル末端分岐数(3.5)、エチル(1.4 )、プロピル(.5)、ブチル(.2)、アミル(.2)、≧Hexおよび鎖末 端(5.8)、≧Amおよび鎖末端(1.5)、≧Buおよび鎖末端(2)。D SC:Tm=65℃(40J/g)。GPC(TCB中、対直鎖状PE):Mn= 1,460、Mw=5,300;Mw/Mn=3.64。 実施例11 真空にした100mLのオートクレーブに、窒素中で、(P−t−Bu3)N iBr2(5mg、0.012mmol)およびノルボルネン(10.00g、 106.2mmol)の40mLのトルエン溶液を充填した。次いで、この混合 物に、140kPaのエチレン中、トルエン(10mL)に溶かした修飾メチル アルミノキサン(10.00mmol)を加えた。得られた反応混合物を、14 0kPaのエチレン中22分間、600rpmで撹拌した。反応の間、反応温度 は30℃のままであった。エチレン圧を抜いた。メタノール/HCl処理により 、エチレン/ノルボルネン共重合体3.82gが得られた。定量的13C NMR は、共重合体が、ノルボルネンユニット85モル%およびエチレンユニット15 モル%を含むことを示した。13C NMRによって分岐を検出することはできな かった。GPC(TCB中、対直鎖状PE):Mn=5,295、Mw=33,0 00;Mw/Mn=6.29。 実施例12 真空にした100mLのオートクレーブに、窒素中で、Ni(acac)2( 26mg、0.100mmol)、t−Bu3P(40mg、0.200mmo l)およびエンド−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸のジメチルエステ ル(3.00g、14.27mmol)の40mLのトルエン溶液を充填した。次 いで、この混合物に、350kPaのエチレン中、トルエン(10mL)に溶か した修飾メチルアルミノキサン(20.00mmol)を加えた。得られた反応 混合物を、周囲温度(〜25〜30℃)で50psi(約350kPa)のエチ レン中17時間、700rpmで撹拌した。次いで、エチレン圧を抜いた。メタ ノール /HCl処理により、共重合体0.640gが得られた。定量的13C NMRは 、この共重合体が、ノルボルネンジエステル1.36モル%を含むことを示した 。さらに、13C NMRによって以下の分岐(1000のCH2につき)が検出さ れた:総メチル末端分岐数(14.4)、メチル(8.8)、エチル(.7)、 ≧Amおよび鎖末端(5.8)、≧Buおよび鎖末端(5)。 実施例13 真空にした100mLのオートクレーブに、Ni(acac)2(18mg、 0.070mmol)、P−t−Bu3(29mg、0.143mmol)、1 −ヘキセン(2.50g、29.7mmol)およびトルエン(40mL)の溶 液を充填した。次いで、この混合物に、690kPaのエチレン中、トルエン( 10mL)に溶かした修飾メチルアルミノキサン(3.5mmol)を加えた。 反応混合物を、690kPaのエチレン中で15分間撹拌すると、この間に、反 応温度は、29と41℃との間を変化した。次いで、エチレン圧を抜き、空気中 で50mLのイソプロパノールを添加することにより反応混合物をクエンチした 。得られた混合物を、200mLのメタノールおよび10mLの濃HClを入れ たビーカー中に移した。沈殿したポリマーをろ過し、さらにメタノールで洗浄し て乾燥すると、粘り気のある蝋質の固体としてエチレン/1−ヘキセン共重合体 3.43gが得られた。GPC(トリクロロベンゼン中、対直鎖状ポリエチレン 、135℃):Mn=2,330、Mw=5,970;PD=2.36。定量的13 C NMRは、この試料が、1000のメチレンにつき72.6のメチル末端分 岐を含むことを示した。分岐の分布は以下の通り(1000のメチレンにつき) :メチル(4.1)、エチル(6.6)、プロピル(1)、ブチル(55.3) 、アミル(.3)、≧Hexおよび鎖末端(4.6)、≧Amおよび鎖末端(8 .9)、≧Buおよび鎖末端(59.7)。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年10月5日(1999.10.5) 【補正内容】 請求の範囲 1. ポリオレフィンを製造するための方法であって、 不活性液体中で、 式NiAQ(I)またはL56NiAQ(VIII)の第1の化合物と、 式(t−ブチル)2PEP(t−ブチル)2(II)または(t−ブチル)3P (III)の第2の化合物と、 A-またはQ-を引き抜いてアニオンWA-またはWQ-を形成する能力を持つ中 性ルイス酸である第3の化合物W(IV)とを、WA-またはWQ-が弱く配位す るアニオンであるという条件で、接触させることにより重合触媒系を形成するス テップと、 前記重合触媒系を、エチレン、またはエチレンおよびα−オレフィン類、内部 オレフィン、シクロペンテン、ノルボルネン類、またはスチレン類の混合物と、 接触させるステップとを含み、 ただし、前記エチレンと、またはエチレンとシクロペンテン、ノルボルネン類 、またはスチレン類との混合物との接触は、約−20℃から約+70℃の温度で 行うことを条件とし、 (t−ブチル)3Pが存在するとき、1種または複数のα−オレフィン類、内 部オレフィン、スチレン類、ノルボルネン類またはシクロペンテンも存在し、 QおよびAが、いずれもヒドロカルビルまたはハイドライドでないとき、Wが 、ヒドロカルビルまたはハイドライド基をNiに移動させる能力を有し、 上式で、 L5およびL6はそれぞれ独立に、中性配位子と弱く配位する単座配位子である か、またはL5およびL6が一緒になって、中性配位子と弱く配位する2座配位子 であり、 Qは、1価アニオン、 Aは、1価アニオン、 Eは、−CH2−、−O−、または−NH−であり、Pがである方法。 2. ポリオレフィンを製造するための方法であって、 不活性液体中で、約−20℃から約+70℃の温度で、式[L1234Ni]+-(VI)の化合物をエチレン、またはエチレンおよびα−オレフィン類、内 部オレフィン、シクロペンテン、ノルボルネン類、またはスチレン類と接触させ るステップを含み、上式で L1およびL2は一緒になって、(t−ブチル)2PEP(t−ブチル)2(II )であり、またL1およびL2が共に(t−ブチル)3P(III)であり、また はL1は(t−ブチル)3P(III)で、L2は空の配位座、エチレンまたはエ チレンによって置換されてもよい中性単座配位子であり、 Eが、−CH2−、−O−、または−NH−で、Pはであり、 L3およびL4が一緒になって、π−アリルまたはπ−ベンジル基であり、L3 はエチレンであり、L4はモノアニオン−R12であり、またはL3はエチレンを 越えて付加することができるモノアニオン基であり、L4はエチレンで置換され てもよい中性配位基またはニッケル周囲の空の配位座であり、またはL3および L4が一緒になって、モノアニオンのオリゴマーの反発的な基であり、 Xは、相対的に非配位のアニオン、 R1は、ポリマーアルキレン基、 R2は、ポリマー末端基であり、 ただし、(t−ブチル)3Pが存在するとき、1種または複数のα−オレフィ ン類、内部オレフィン、シクロペンテン、ノルボルネン類またはスチレン類も存 在することを条件とする方法。 3. 式[L1234Ni]+-(VI)の化合物であって、 上式で L1およびL2が一緒になって、(t−ブチル)2PEP(t−ブチル)2(II) であり、またはL1およびL2が共に(t−ブチル)3P(III)であり、また はL1が(t−ブチル)3P(III)であり、L2が空の配位座、エチレンまた はエチレンによって置換されてもよい中性単座配位子であり、 Eは、−CH2−、−O−、または−NH−であり、Pはであり、 L3およびL4が一緒になって、π−アリルまたはπ−ベンジル基であり、また はL3がエチレンであり、L4がモノアニオン−R12であり、またはL3が、エ チレンを越えて付加することができるモノアニオン基であり、L4がエチレンで 置換されてもよい中性配位基またはニッケル周囲の空の配位座であり、またはL3 およびL4が一緒になって、モノアニオンのオリゴマーの反発的な基であり、 Xが、相対的に非配位のアニオン、 R1が、ポリマーアルキレン基、 R2が、ポリマー末端基であり、 ただし、(t−ブチル)2Pが存在するとき、1種または複数のα−オレフィ ン類、内部オレフィン、シクロペンテン、ノルボルネン類またはスチレン類に由 来する繰り返し単位もR1に存在することを条件とする化合物。 4. エチル分岐を含むポリオレフィンであって、前記エチル分岐の少なくと も53パーセントがsec−ブチル末端分岐の一部であり、ただし前記ポリオレ フィンが1000のメチレン基につき少なくとも50の分岐を有することを条件 とするポリオレフィン。 5. ホモポリエチレンであって、アルキル分岐の少なくとも53パーセント がエチル分岐であり、ただし前記エチレンが1000のメチレン基につき少なく とも約1.0の分岐を有することを条件とするホモポリエチレン。 6. AおよびQがクロライド、ブロマイド、カルボキシラートまたはアセチ ルアセトナートであることを特徴とする請求項1に記載の方法。 7. 前記第1の化合物が(VIII)であり、AおよびQのうち1つまたは 両方がそれぞれ独立に、ハイドライドまたはメチルであることを特徴とする請求 項1に記載の方法。 8. Eが−CH2−であることを特徴とする請求項1に記載の方法。 9. Wがアルキルアルミニウム化合物であることを特徴とする請求項1に記 載の方法。 10. Eが−CH2−であることを特徴とする請求項2に記載の方法。 11. Eが−CH2−であることを特徴とする請求項3に記載の化合物。 12. AおよびQが、クロライド、ブロマイド、カルボキシラートまたはア セチルアセトナートであることを特徴とする請求項2に記載の方法。 13. 少なくとも1つまたは複数の重合触媒が存在することを特徴とする請 求項1に記載の方法。 14. 少なくとも1つまたは複数の重合触媒が存在することを特徴とする請 求項2に記載の方法。 15. 1000のメチレン基につき少なくとも2.0の分岐末端のメチル基 を含む、1種または複数のノルボルネン類およびエチレンの共重合体。 16. ホモポリエチレンであることを特徴とする請求項4に記載のポリオレ フィン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フェルドマン,ジェラルド. アメリカ合衆国 19707 デラウェア州 ホッケシン シナモン ドライブ 16 (72)発明者 ハウプトマン,エリザベス. アメリカ合衆国 19809 デラウェア州 ウィルミントン ヘブン 2106ビー (72)発明者 マッコード,エリザベス,フォレスター. アメリカ合衆国 19707 デラウェア州 ホッケシン ヘムロック ドライブ 514 (72)発明者 ブルックハート,マウリス,エス.,サー ド. アメリカ合衆国 27514 ノースカロライ ナ州 チャペル ヒル オールド オーチ ャード ロード 944

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ポリオレフィンを製造するための方法であって、 不活性液体中で、 式NiAQ(I)またはL56NiAQ(VIII)の第1の化合物と、 式(t−ブチル)2PEP(t−ブチル)2(II)または(t−ブチル)3P (III)の第2の化合物と、 A-またはQ-を引き抜いてアニオンWA-またはWQ-を形成する能力を持つ中 性ルイス酸である第3の化合物W(IV)とを、WA-またはWQ-が弱く配位す るアニオンであるという条件で、接触させることにより重合触媒系を形成するス テップと、 前記重合触媒系を、エチレンと、またはエチレンとα−オレフィン類、内部オ レフィン、シクロペンテン、ノルボルネン類、またはスチレン類との混合物と、 接触させるステップとを含み、 ただし、前記エチレンと、またはエチレンとクロペンテン、ノルボルネン類、 またはスチレン類との混合物との接触は、約−20℃から約+70℃の温度で行 うことを条件とし、 (t−ブチル)3Pが存在するとき、1種またはそれ以上のα−オレフィン類 、内部オレフィン、スチレン類、ノルボルネン類またはシクロペンテンも存在し 、 QおよびAが、いずれもヒドロカルビルまたはハイドライドでないとき、Wが 、ヒドロカルビルまたはハイドライド基をNiに移動させる能力を有し、 上式で、 L5およびL6はそれぞれ独立に、中性配位子と弱く配位する単座配位子である か、またはL5およびL6が一緒になって、中性配位子と弱く配位する2座配位子 であり、 Qは、1価アニオン、 Aは、1価アニオン、 Eは、−CH2−、−O−、または−NH−であり、Pがである方法。 2. ポリオレフィンを製造するための方法であって、 不活性液体中で、約−20℃から約+70℃の温度で、式[L1234Ni]+-(VI)の化合物を、エチレンと、またはエチレンおよびα−オレフィン類 、内部オレフィン、シクロペンテン、ノルボルネン類、またはスチレン類と接触 させるステップを含み、上式で L1およびL2は一緒になって、(t−ブチル)2PEP(t−ブチル)2(II )であり、またL1およびL2が共に(t−ブチル)3P(III)であり、また はL1は(t−ブチル)3P(III)で、L2は空の配位座、エチレンまたはエ チレンによって置換されてもよい中性単座配位子であり、 Eが、−CH2−、−O−、または−NH−で、Pはであり、 L3およびL4が一緒になって、π−アリルまたはπ−ベンジル基であり、L3 はエチレンであり、L4はモノアニオン−R12であり、またはL3はエチレンを 横切って付加することができるモノアニオン基であり、L4はエチレンで置換さ れてもよい中性配位基またはニッケル周囲の空の配位座であり、またはL3およ びL4が一緒になって、モノアニオンのオリゴマーの反発的な基であり、 Xは、相対的に非配位のアニオン、 R1は、ポリマーアルキレン基、 R2は、ポリマー末端基であり、 ただし、(t−ブチル)3Pが存在するとき、1種またはそれ以上のα−オレ フィン類、内部オレフィン、シクロペンテン、ノルボルネン類またはスチレン類 も存在することを条件とする方法。 3. 式[L1234Ni]+-(VI)の化合物であって、 上式で L1およびL2が一緒になって、(t−ブチル)2PEP(t−ブチル)2(II )であり、またはL1およびL2が共に(t−ブチル)3P(III)であり、ま たはL1が(t−ブチル)3P(III)であり、L2が空の配位座、エチレンま たはエチレンによって置換されてもよい中性単座配位子であり、 Eは、−CH2−、−O−または−NH−であり、Pであり、 L3およびL4が一緒になって、π−アリルまたはπ−ベンジル基であり、また はL3がエチレンであり、L4がモノアニオン−R12であり、またはL3が、エ チレンを横切って付加することができるモノアニオン基であり、L4がエチレン で置換されてもよい中性配位基またはニッケル周囲の空の配位座であり、または L3およびL4が一緒になって、モノアニオンのオリゴマーの反発的な基であり、 Xが、相対的に非配位のアニオン、 R1が、ポリマーアルキレン基、 R2が、ポリマー末端基であり、 ただし、(t−ブチル)3Pが存在するとき、1種またはそれ以上のα−オレ フィン類、内部オレフィン、シクロペンテン、ノルボルネン類またはスチレン類 に由来する繰り返し単位もR1に存在することを条件とする化合物。 4. エチル分岐を含むポリオレフィンであって、前記エチル分岐の少なくと も53パーセントがsec−ブチル末端分岐の一部であり、ただし前記ポリオレ フィンが1000のメチレン基につき少なくとも50の分岐を有することを条件 とするポリオレフィン。 5. ポリエチレン、またはエチレンおよび1種またはそれ以上のα−オレフ ィン類、内部オレフィン、シクロペンテン、またはスチレン類の共重合体であっ て、アルキル分岐の少なくとも53パーセントがエチル分岐であり、ただし前記 エチレンが、またはエチレンとシクロペンテン、ノルボルネン類、またはスチレ ン類との共重合体が、1000のメチレン基につき少なくとも1.0の分岐を有 することを条件とするポリエチレンまたは共重合体。 6. AおよびQがクロライド、ブロマイド、カルボキシラートまたはアセチ ルアセトナートであることを特徴とする請求項1に記載の方法。 7. 前記第1の化合物が(VIII)であり、AおよびQのうち1つまたは 両方がそれぞれ独立にハイドライドまたはメチルであることを特徴とする請求項 1に記載の方法。 8. Eが−CH2−であることを特徴とする請求項1に記載の方法。 9. Wがアルキルアルミニウム化合物であることを特徴とする請求項1に記 載の方法。 10. Eが−CH2−であることを特徴とする請求項2に記載の方法。 11. Eが−CH2−であることを特徴とする請求項3に記載の化合物。 12. AおよびQが、クロライド、ブロマイド、カルボキシラートまたはア セチルアセトナートであることを特徴とする請求項2に記載の方法。 13. 少なくとも1つまたはそれ以上の重合触媒が存在することを特徴とす る請求項1に記載の方法。 14. 少なくとも1つまたはそれ以上の重合触媒が存在することを特徴とす る請求項2に記載の方法。 15. 1000のメチレン基につき少なくとも2.0の分岐末端のメチル基 を含む、1種またはそれ以上のノルボルネン類およびエチレンの共重合体。
JP54637098A 1997-04-22 1998-04-21 オレフィンの重合 Ceased JP2001522391A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US4414497P 1997-04-22 1997-04-22
US60/044,144 1997-04-22
PCT/US1998/008320 WO1998047934A1 (en) 1997-04-22 1998-04-21 Polymerization of olefins

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005087318A Division JP2005187826A (ja) 1997-04-22 2005-03-24 ポリオレフィン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001522391A true JP2001522391A (ja) 2001-11-13

Family

ID=21930740

Family Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP54637098A Ceased JP2001522391A (ja) 1997-04-22 1998-04-21 オレフィンの重合
JP2005087318A Pending JP2005187826A (ja) 1997-04-22 2005-03-24 ポリオレフィン
JP2007234660A Pending JP2007321165A (ja) 1997-04-22 2007-09-10 ポリオレフィン

Family Applications After (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005087318A Pending JP2005187826A (ja) 1997-04-22 2005-03-24 ポリオレフィン
JP2007234660A Pending JP2007321165A (ja) 1997-04-22 2007-09-10 ポリオレフィン

Country Status (8)

Country Link
EP (1) EP0977785B1 (ja)
JP (3) JP2001522391A (ja)
KR (1) KR20010012082A (ja)
AU (1) AU7158598A (ja)
DE (1) DE69809897T2 (ja)
ES (1) ES2186152T3 (ja)
PT (1) PT977785E (ja)
WO (1) WO1998047934A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009511731A (ja) * 2005-10-17 2009-03-19 エルジー・ケム・リミテッド 環状オレフィン重合体の製造方法

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6103658A (en) 1997-03-10 2000-08-15 Eastman Chemical Company Olefin polymerization catalysts containing group 8-10 transition metals, processes employing such catalysts and polymers obtained therefrom
US6660677B1 (en) 1997-03-10 2003-12-09 Eastman Chemical Company Supported group 8-10 transition metal olefin polymerization catalysts
US6822062B2 (en) 1997-03-10 2004-11-23 Eastman Chemical Company Supported group 8-10 transition metal olefin polymerization catalysts
US6200925B1 (en) 1997-03-13 2001-03-13 Eastman Chemical Company Catalyst compositions for the polymerization of olefins
US6245871B1 (en) 1997-04-18 2001-06-12 Eastman Chemical Company Group 8-10 transition metal olefin polymerization catalysts
US6174976B1 (en) 1998-02-24 2001-01-16 Eastman Chemical Company Neutral nickel complexes for olefin polymerization
US6117959A (en) * 1998-09-02 2000-09-12 Eastman Chemical Company Polyolefin catalysts
WO2000044798A1 (en) 1999-01-27 2000-08-03 E.I. Du Pont De Nemours And Company Molecular weight control of olefin polymerization using hydrogen
EP1192189B1 (en) 1999-02-22 2004-09-29 Eastman Chemical Company Catalysts containing n-pyrrolyl substituted nitrogen donors
US6545108B1 (en) 1999-02-22 2003-04-08 Eastman Chemical Company Catalysts containing N-pyrrolyl substituted nitrogen donors
US6620896B1 (en) 1999-02-23 2003-09-16 Eastman Chemical Company Mixed olefin polymerization catalysts, processes employing such catalysts, and polymers obtained therefrom
WO2001007491A1 (de) * 1999-07-27 2001-02-01 Basf Aktiengesellschaft Verfahren zur herstellung von olefin(co)polymeren
GB9918635D0 (en) * 1999-08-06 1999-10-13 Bp Chem Int Ltd Polymerisation process
MXPA02002432A (es) 1999-09-07 2002-08-12 Du Pont Poliolefinas sellables termicamente y articulos hechos de las mismas.
US7056996B2 (en) 2000-02-18 2006-06-06 E. I. Du Pont De Nemours And Company Productivity catalysts and microstructure control
US6579823B2 (en) 2000-02-18 2003-06-17 Eastman Chemical Company Catalysts containing per-ortho aryl substituted aryl or heteroaryl substituted nitrogen donors
US6605677B2 (en) 2000-02-18 2003-08-12 Eastman Chemical Company Olefin polymerization processes using supported catalysts
US6521724B2 (en) 2000-03-10 2003-02-18 E. I. Du Pont De Nemours And Company Polymerization process
US6706891B2 (en) 2000-11-06 2004-03-16 Eastman Chemical Company Process for the preparation of ligands for olefin polymerization catalysts
JP2014002129A (ja) * 2012-05-25 2014-01-09 Japan Advanced Institute Of Science & Technology Hokuriku 高分子の長鎖分岐構造解析方法、高分子の評価方法、高分子の製造方法及び高分子
CN116199812B (zh) * 2023-05-04 2023-10-03 北京石油化工学院 环戊烯基特种弹性体及其制备方法和应用

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3755490A (en) * 1969-05-01 1973-08-28 Atlantic Richfield Co Olefin polymerization catalyzed by a supported black amorphous nickelcomplex
US3949013A (en) * 1971-10-06 1976-04-06 Atlantic Richfield Company Composition and process
US5210360A (en) * 1992-09-01 1993-05-11 Phillips Petroleum Company Ethylene oligomerization
CN100357327C (zh) * 1995-01-24 2007-12-26 纳幕尔杜邦公司 α-烯烃和烯烃聚合物及其制备方法
EP0827515B1 (de) * 1995-05-22 2000-08-30 Basf Aktiengesellschaft Verfahren zur herstellung von polymeren aus olefinisch ungesättigten monomeren

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009511731A (ja) * 2005-10-17 2009-03-19 エルジー・ケム・リミテッド 環状オレフィン重合体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
DE69809897D1 (de) 2003-01-16
EP0977785B1 (en) 2002-12-04
ES2186152T3 (es) 2003-05-01
EP0977785A1 (en) 2000-02-09
JP2007321165A (ja) 2007-12-13
PT977785E (pt) 2003-02-28
JP2005187826A (ja) 2005-07-14
DE69809897T2 (de) 2003-09-11
WO1998047934A1 (en) 1998-10-29
AU7158598A (en) 1998-11-13
KR20010012082A (ko) 2001-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001522391A (ja) オレフィンの重合
JP2011032482A (ja) オレフィンの重合
US5886224A (en) α-diimines for polymerization catalysts
TW526207B (en) Method of polymerization
CZ235197A3 (en) Alpha olefins, olefin polymers and process for preparing thereof
US7906451B2 (en) Mixed polymerization catalyst component for polymerizing olefins
JP2001514272A (ja) オレフィン類の重合
US6506861B2 (en) Polymerization of olefins
JP2003514931A (ja) エチレンとジエンの共重合
JP2002523571A (ja) オレフィン重合
JP7175692B2 (ja) オレフィン重合用触媒、およびオレフィン重合体の製造方法
KR100677785B1 (ko) 에틸렌 중합 방법
US6458979B1 (en) Polymerization of ethylene
US6380327B1 (en) Chain transfer agents for olefin polymerization
JP2003510428A (ja) 硬化性重合体の製造
JP2023124236A (ja) オレフィン・環状オレフィン共重合体の製造方法
MXPA00008831A (en) Polymerization of olefins

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040706

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040628

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041006

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20041006

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041124

RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20050310

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050324

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050310

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20050602

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050617

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050706

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060210

A045 Written measure of dismissal of application [lapsed due to lack of payment]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045

Effective date: 20060627