以下、図面を参照して、本発明をより具体的に例示説明する。
図1、図2に示す本発明の一実施の形態である住宅1は二階建ての一戸建て住宅となっており、第1フロアとしての一階部分2と、一階部分2とは異なる階層として構成された第2フロアとしての二階部分3とを有する。
この住宅1は、例えば、南側が接道する敷地に建設することができる。以下では、図中下側を南側として、この住宅1の間取りについて説明する。
図1に示すように、住宅1の一階部分2の南東側の角部分には玄関ポーチ10が設けられ、玄関ポーチ10の北側に玄関11が設けられている。玄関11の西側にはリビングルームとダイニングルームとが一体となった居室12が設けられ、この居室12の北側にはキッチン13が設けられている。居室12の西側には客間14が設けられ、この客間14は住宅1の西側の壁に面している。客間14の北側には洗面所15が設けられ、洗面所15の奥に浴室16が設けられている。浴室16とキッチン13の間にはトイレ17が設けられ、トイレ17と浴室16との間には一階部分2と二階部分3とを連ねる階段18が設けられている。なお、キッチン13、浴室16およびトイレ17は住宅1の北側の壁に面して設けられている。
一方、住宅の二階部分3には、西側の壁に面して主寝室20が設けられている。この主寝室20の北側はウォーク・イン・クローゼット21となっている。二階部分3の中央領域は一階部分2から延びる階段18が連なるホール22となっており、このホール22の東側には南北方向に並べて2つの子供部屋23、24が設けられている。ホール22の北側にはトイレ25が設けられ、南側には一階部分2の居室12に連なる吹き抜け26が設けられている。また、ホール22の吹き抜け26と主寝室20との間の部分は、南側の壁に面する部屋干し空間27となっている。二階部分3の南側の外部にはベランダ28が設けられ、主寝室20のベランダ28に面する壁には掃出し窓29が設けられている。一方、部屋干し空間27のベランダ28に面する壁にはドア30が設けられ、このドア30の外側にはサンテラス31が設けられている。
なお、本発明の住宅1は、キッチン13を有する第1フロアと第1フロアとは異なる第2フロアとを有する複数階層の住宅1であれば、上記したような二階建てに限らず、三階建て以上とすることもできる。また、本発明の住宅1の間取りとしては、上記間取りに限らず、種々の間取りを採用することができる。
本発明の住宅1は、コートクローク32を備えた構成とすることができる。図1には、一階部分2の玄関11の北側にコートクローク32を設けた場合を示す。
コートクローク32は居室12とは分離して設けられ、玄関11のみから出入りできるようになっている。玄関11とコートクローク32との間には引き戸等のドア33が設けられ、ドア33を閉じることによりコートクローク32を玄関11から分離することができる。また、玄関11と居室12との間には居室ドア34が設けられ、この居室ドア34を閉じることにより居室12を玄関11から分離することができる。
コートクローク32には、例えばハンガーラック等の服掛け具35が設けられている。屋外から帰宅した住人等は、居室12に入る前に、玄関11からコートクローク32に入り、コートクローク32において花粉等の汚染物質が付着した外套等の衣服を脱ぎ、服掛け具35に掛けておくことができる。このように、居室12とは分離されたコートクローク32を玄関11に隣接して設け、花粉等の汚染物質が付着した外套等の衣服を居室12に入る前にコートクローク32に収容することが可能な構成としたことにより、玄関11とコートクローク32以外の屋内空間への汚染物質の侵入を抑制することができる。
コートクローク32は、商用電源のコンセント36を備えた構成とすることもできる。この場合、例えば掃除機などの花粉等の汚染物質を吸引可能な装置をコンセント36に接続することで、コートクローク32の内部で当該装置を使用して身体や衣服に付着した花粉等の汚染物質を吸引除去する作業を行うことが可能となる。このように、コートクローク32にコンセント36を設け、身体や衣服に付着した花粉等の汚染物質を吸引除去する装置を用いることができるようにしたことにより、玄関11とコートクローク32以外の屋内空間への汚染物質の侵入をさらに確実に抑制することができる。
本発明の住宅1は、常時換気装置を備えた構成とすることができる。常時換気装置は、屋内の空気を屋外に排気する排気部40と、屋外の空気を屋内に給気する給気部41とを備えて構成される。
図1には、住宅1に、常時換気装置としてパイプ式第一種常時換気システムを設けた場合を示す。この場合、排気部40はパイプ式機械排気(パイプ式排気ファン)で構成され、給気部41はパイプ式機械給気(パイプ式給気ファン)で構成される。排気部40は、例えば一階部分2のコートクローク32、浴室16およびトイレ17に設けられるとともに、二階部分3のトイレ25に設けられる。一方、給気部41は、例えば一階部分2のキッチン13、居室12および客間14に設けられるとともに、二階部分3の主寝室20および2つの子供部屋23、24に設けられる。
このような常時換気装置では、居室12や客間14、キッチン13に設けられた給気部41から屋内に新鮮な空気が供給される。一方、居室12から玄関11を通ってコートクローク32へ向けた空気の流れが生じることにより、コートクローク32や玄関11から花粉等の汚染物質が居室12内へ流れ込むことが防止される。また、居室12から浴室16やトイレ17へ向けた空気の流れが生じることにより、浴室16や洗面所15の湿気が居室12内へ流れ込むことが防止されるとともにトイレ17の臭気が居室12内へ流れ込むことが防止される。したがって、この常時換気装置により、屋内の空気を換気し、イオン濃度を適切な値に保持するとともにカビ菌の発生を抑制して、屋内の空気を新鮮な状態に維持することができる。
常時換気装置の給気部41は、給気フィルターを備えた構成とすることができる。この場合、給気部41は屋外から取り込んだ空気を、給気フィルターを通して屋内に給気する構成とされる。
給気フィルターとしては、例えば、粒径が20μm以上の粒状物質を50%以上捕集可能なものを用いることができる。このような給気フィルターを用いることにより、外気に含まれる花粉(粒径が25μm程度である)を給気フィルターによって効果的に捕集して、花粉が除去された清浄な空気を屋内に供給することができる。
給気部41に設けられる給気フィルターは、粒径が20μm以上の粒状物質を70%以上捕集可能なものであるのがより好ましく、粒径が20μm以上の粒状物質を80%以上捕集可能なものであるのがさらに好ましく、粒径が20μm以上の粒状物質を90%以上捕集可能なものであるのがさらに好ましい。
給気部41に設けられる給気フィルターとしては、粒径が1μm以上の粒状物質を50%以上捕集可能なものを用いることもできる。この場合、外気に含まれる花粉だけでなく、例えばPM2.5などの花粉よりも粒径が小さい汚染物質をも給気フィルターによって効果的に捕集して、より清浄化された空気を屋内に供給することができる。
このような粒径が1μm以上の粒状物質を捕集可能な給気フィルターにおいても、粒径が1μm以上の粒状物質を70%以上捕集可能なものであるのがより好ましく、粒径が1μm以上の粒状物質を80%以上捕集可能なものであるのがさらに好ましく、粒径が1μm以上の粒状物質を90%以上捕集可能なものであるのがさらに好ましい。
また、給気部41に設けられる給気フィルターとしては、粒径が0.1μm以上の粒状物質を50%以上捕集可能なものを用いることもできる。この場合、PM2.5よりもさらに粒径が小さい汚染物質をも給気フィルターによって効果的に捕集して、より清浄化された空気を屋内に供給することができる。
このような粒径が0.1μm以上の粒状物質を捕集可能な給気フィルターにおいても、粒径が0.1μm以上の粒状物質を70%以上捕集可能なものであるのがより好ましく、粒径が0.1μm以上の粒状物質を80%以上捕集可能なものであるのがさらに好ましく、粒径が0.1μm以上の粒状物質を90%以上捕集可能なものであるのがさらに好ましい。
なお、給気部41に設けられる給気フィルターとして、粒径が1μm以上の粒状物質を捕集可能なものや粒径が0.1μm以上の粒状物質を捕集可能なものを用いた場合であっても、常時換気装置としてパイプ式第一種常時換気システムを用いることにより、給気の圧力損失に抗して外気を確実に屋内に供給することができる。
給気部41は、外気に含まれる臭気の原因物質を除去する臭気除去機能を備えたものとすることもできる。例えば、給気部41は、臭気除去機能として、臭気の原因物質を吸着する活性炭等の吸着フィルターを備えた構成とすることができる。このように給気部41が臭気除去機能を備えることにより、屋外から取り込まれる空気から臭気の原因物質を除去して、屋内に臭いのない清浄な空気を供給することができる。
なお、給気部41は、臭気除去機能として、上記した吸着フィルターに替えてまたは吸着フィルターとともにイオン発生装置またはオゾン発生装置を備えた構成とすることもできる。この場合においても、イオン発生装置またはオゾン発生装置によって屋外から取り込まれる空気から臭気の原因物質を分解除去することができ、これにより屋内に臭いのない清浄な空気を供給することができる。
常時換気装置は、排気部40あるいは給気部41に、空気中の埃を検知する埃検知センサ、空気中の臭気の原因物質を検知する臭気物質検知センサ、空気の温度を検知する温度検知センサ、空気の湿度を検知する湿度検知センサの少なくとも何れか1つのセンサを設けた構成とすることができる。この場合、常時換気装置は、各センサの検出値に基づいて排気部40の排気量(屋内から屋外に排気される空気の単位時間当たりの量)または給気部41の給気量(屋外から屋内に給気される空気の単位時間当たりの量)を調整する機能を有することができる。
なお、常時換気装置の各種センサは、全ての排気部40および給気部41に設けてもよく、少なくとも1つの排気部40および給気部41に設けてもよい。また、常時換気装置の各種センサは、排気部40および給気部41の両方に設けてもよく、排気部40または給気部41の一方のみに設けてもよい。このように、常時換気装置の各種センサを、所望の排気部40および給気部41にのみ設けた構成とすることができる。
当該調整機能を実現するために、常時換気装置は、例えばマイクロコンピュータ等の制御装置を備えた構成とすることができる。この場合、常時換気装置は、各種センサの検出値や排気部40および給気部41の作動状況などの情報を、有線あるいは無線で他の機器に出力するインターフェイスを備えた構成とすることができる。このようなインターフェイスを有することにより、常時換気装置を他の機器と連携して作動させることが可能となる。
常時換気装置は、上記した第一種の常時換気システムに限らず、第二種の常時換気システムとすることもできる。第二種の常時換気システムでは、給気部41が機械給気であるのに対して排気部40は自然排気とされる。したがって、第二種の常時換気システムでは屋内の気圧が屋外の気圧よりも高い気圧つまり陽圧になるので、玄関11や窓を通しての花粉等の汚染物質の屋内への侵入を効果的に抑制することができる。
また、常時換気装置として、上記した第一種の常時換気システムまたは第二種の常時換気システムを採用した場合には、複数ある給気部41の少なくとも一部をダクト式機械給気に構成することもできる。複数の給気部41をダクト式機械給気に構成することにより、これら複数の給気口41の外気の取り込み口を1つに集約することができるので、給気フィルターの数を最小限に減らして、そのメンテナンス性を向上させることができる。
さらに、常時換気装置は、上記した第一種の常時換気システムや第二種の常時換気システムに限らず、第三種の常時換気システムとすることもできる。第三種の常時換気システムでは、排気部40と給気部41の両方ともが自然給気とされるので、機械排気や機械給気が不要となり、常時換気装置をより安価に構成することができる。
上記のように、この住宅1では、コートクローク32および常時換気装置を備えることにより、屋外から屋内への花粉等の汚染物質の侵入を抑制するようにしているが、その侵入を完全に防止することはできず、ある程度の汚染物質が屋内に侵入することがある。
そこで、本発明の住宅1では、汚染物質が屋内に侵入した場合でも、屋内の空気を健康的な状態に維持するために、一階部分2の空気を清浄化する第1空気清浄器50と、二階部分3の空気を清浄化する第2空気清浄器51とを設けるとともに、二階部分3にパネル52を備えた屋内温度調整装置53を設けるようにしている。
第1空気清浄器50は、住宅1のキッチン13が設けられる第1フロアである一階部分2に少なくとも1台が設けられる。本実施の形態では、第1空気清浄器50を、キッチン13の天井に埋設して設けた場合を示す。なお、第1空気清浄器50は、キッチン13の天井に埋設した構成に限らず、キッチン13の壁または床に埋設した構成とすることもできる。また、第1空気清浄器50は、一階部分2の居室12の天井、壁または床に埋設した構成とすることもできる。
第1空気清浄器50は、粒径が20μm以上の粒状物質を50%以上捕集可能な清浄フィルターを備えており、キッチン13の周辺における屋内空間から空気を吸引するとともに、吸引した空気を、清浄フィルターを通してキッチン13の周辺の屋内空間に再度給気する機能を有している。清浄フィルターは粒径が20μm以上の粒状物質を50%以上捕集可能なものとされているので、キッチン13の周辺の空気中に含まれる花粉を清浄フィルターによって捕集して、花粉が除去された清浄な空気をキッチン13やこれに連なる居室12に供給することができる。
一方、第2空気清浄器51は、住宅1のキッチン13が設けられる第1フロアとは異なる第2フロアである二階部分3に少なくとも1台が設けられる。本実施の形態では、第2空気清浄器51を、二階部分3の主寝室20の天井に埋設して設けた場合を示す。なお、第2空気清浄器51は、主寝室20の天井に埋設した構成に限らず、主寝室20の壁または床に埋設した構成とすることもできる。また、第2空気清浄器51は、二階部分3の主寝室20以外の部屋(例えば子供部屋23、24)ないし領域の天井、壁または床に埋設した構成とすることもできる。
第2空気清浄器51は、粒径が20μm以上の粒状物質を50%以上捕集可能な清浄フィルターを備えており、主寝室20における屋内空間から空気を吸引するとともに、吸引した空気を、清浄フィルターを通して主寝室20の屋内空間に再度給気する機能を有している。清浄フィルターは粒径が20μm以上の粒状物質を50%以上捕集可能なものとされているので、主寝室20の空気中に含まれる花粉を清浄フィルターによって捕集して、花粉が除去された清浄な空気を主寝室20に供給することができる。
上記のように、第1空気清浄器50および第2空気清浄器51には、粒径が20μm以上の粒状物質を50%以上捕集可能な清浄フィルターを用いることができるが、粒径が20μm以上の粒状物質を70%以上捕集可能な清浄フィルターを用いるのがより好ましく、粒径が20μm以上の粒状物質を90%以上捕集可能な清浄フィルターを用いるのがさらに好ましい。
また、第1空気清浄器50および第2空気清浄器51に設けられる清浄フィルターとして、粒径が1μm以上の粒状物質を50%以上捕集可能なものを用いることもできる。この場合、空気中に含まれる花粉だけでなく、例えばPM2.5などの花粉よりも粒径が小さい汚染物質をも清浄フィルターによって効果的に捕集することができるので、第1空気清浄器50および第2空気清浄器51によって屋内の空気をより清浄化させることができる。
このような粒径が1μm以上の粒状物質を捕集可能な給気フィルターにおいても、粒径が1μm以上の粒状物質を70%以上捕集可能なものであるのがより好ましく、粒径が1μm以上の粒状物質を90%以上捕集可能なものであるのがさらに好ましい。
また、第1空気清浄器50および第2空気清浄器41に設けられる清浄フィルターとして、粒径が0.1μm以上の粒状物質を50%以上捕集可能なものを用いることもできる。この場合、PM2.5よりもさらに粒径が小さい汚染物質をも清浄フィルターによって効果的に捕集することができるので、第1空気清浄器50および第2空気清浄器51によって屋内の空気をさらに清浄化させることができる。
このような粒径が0.1μm以上の粒状物質を捕集可能な給気フィルターにおいても、粒径が0.1μm以上の粒状物質を70%以上捕集可能なものであるのがより好ましく、粒径が0.1μm以上の粒状物質を90%以上捕集可能なものであるのがさらに好ましい。
第1空気清浄器50は、キッチン13の周辺における屋内の空気中から臭気の原因物質を除去する臭気除去機能を備える構成とすることもできる。同様に、第2空気清浄器51は、主寝室20における屋内の空気中から臭気の原因物質を除去する臭気除去機能を備える構成とすることもできる。この場合、第1空気清浄器50および第2空気清浄器51に設けられる臭気除去機能は、臭気の原因物質であるアンモニア、アセトアルデヒドおよび酢酸の少なくとも1つを除去する機能を有する構成とされるのが好ましい。第1空気清浄器50および第2空気清浄器51に臭気除去機能を設けることにより、屋内の空気中から臭気を除去して、屋内の空気をより清浄化させることができる。
第1空気清浄器50および第2空気清浄器51の臭気除去機能は、例えば、臭気の原因物質を吸着する活性炭等の吸着フィルターで構成することができる。または、第1空気清浄器50および第2空気清浄器51の臭気除去機能は、上記した吸着フィルターに替えて、または吸着フィルターとともに、イオン発生装置またはオゾン発生装置を備えた構成とすることもできる。この場合、イオン発生装置またはオゾン発生装置により、屋内の空気中に含まれる臭気の原因物質を分解除去して、屋内の空気を臭いのない清浄な空気とすることができる。
第1空気清浄器50および第2空気清浄器51に設けられる臭気除去機能は、臭気の原因物質の除去効率が運転開始から1時間後に50%以上、つまり運転開始から1時間で空気中の臭気の原因物質を50%以上除去可能な能力を有するものであるのが好ましい。より好ましい臭気除去機能は、臭気の原因物質の除去効率が運転開始から30分後に50%以上、つまり運転開始から30分で空気中の臭気の原因物質を50%以上除去可能な能力を有するものである。
第1空気清浄器50は、キッチン13の周辺における屋内の空気中に含まれる粒状物質を検知する粒状物質検知センサを備えた構成とすることができる。この場合、粒状物質検知センサは、第1空気清浄器50のキッチン13の天井に埋設される本体部分とは別体に構成されて室内の壁等に設置されるコントローラに設けることができるが、キッチン13の周辺における屋内の空気中に含まれる粒状物質を検知することができれば、例えば第1空気清浄器50の天井に埋設される本体部分に設けるなど、その配置場所は問わない。
同様に、第2空気清浄器51は、主寝室20における屋内の空気中に含まれる粒状物質を検知する粒状物質検知センサを備えた構成とすることができる。この場合においても、粒状物質検知センサは、第2空気清浄器51の主寝室20の天井に埋設される本体部分とは別体に構成されて室内の壁等に設置されるコントローラに設けることができるが、主寝室20内の空気中に含まれる粒状物質を検知することができれば、例えば第2空気清浄器51の天井に埋設される本体部分に設けるなど、その配置場所は問わない。
第1空気清浄器50および第2空気清浄器51は、それぞれ吸引量制御部を備えた構成とすることができる。この場合、吸引量制御部は、例えばマイクロコンピュータを備えた構成とすることができる。吸引量制御部は、粒状物質検知センサの検知結果に基づいて、吸引量制御部により当該空気清浄器50、51が吸引する単位時間当たりの空気の吸引量を調整することができる。例えば、吸引量制御部は、粒状物質検知センサが空気中に所定量以上の粒状物質が含まれていることを検知した場合には当該空気清浄器50、51が吸引する単位時間当たりの空気の吸引量を増加させるように調整し、粒状物質検知センサが空気中に含まれる粒状物質が所定量以下であることを検知した場合には当該空気清浄器50、51が吸引する単位時間当たりの空気の吸引量を低下させるように調整する構成とすることができる。
また、第1空気清浄器50はおよび第2空気清浄器51は、それぞれ、人間の所在を検知するための人感センサを備えた構成とすることができる。人感センサとしては、例えばカメラ、焦電型赤外線センサ、その他の形式の赤外線センサ等を用いることができる。人感センサは、例えば、第1空気清浄器50や第2空気清浄器51の本体部分またはコントローラに設けることができるが、これらとは別に設けることもできる。この場合、吸引量制御部は、粒状物質検知センサの検知結果に加えて、人感センサの検知結果にも基づいて、当該空気清浄器50、51が吸引する単位時間当たりの空気の吸引量を調整する構成とすることができる。例えば、吸引量制御部は、人感センサが、所定時間以上、人の所在を検知しない場合には当該空気清浄器50、51が吸引する単位時間当たりの空気の吸引量を低下させるように調整し、人感センサが人の所在を検知した場合に当該空気清浄器50、51が吸引する単位時間当たりの空気の吸引量を増加させるように調整する構成とすることができる。
第1空気清浄器50は、キッチン13の周辺における屋内の空気中に含まれる臭気の原因物質を検知する臭気物質検知センサを備えた構成とすることができる。この場合、臭気物質検知センサは、第1空気清浄器50のキッチン13の天井に埋設される本体部分とは別体に構成されて室内の壁等に設置されるコントローラに設けることができるが、キッチン13の周辺における屋内の空気中に含まれる臭気の原因物質を検知することができれば、例えば天井に埋設される第1空気清浄器50の本体部分に設けるなど、その配置場所は問わない。
同様に、第2空気清浄器51は、主寝室20における屋内の空気中に含まれる臭気の原因物質を検知する臭気物質検知センサを備えた構成とすることができる。この場合においても、臭気物質検知センサは、第2空気清浄器51の主寝室20の天井に埋設される本体部分とは別体に構成されて室内の壁等に設置されるコントローラに設けることができるが、主寝室20内の空気中に含まれる臭気の原因物質を検知することができれば、例えば天井に埋設される第2空気清浄器51の本体部分に設けるなど、その配置場所は問わない。
空気清浄器50、51に臭気物質検知センサが設けられる場合には、吸引量制御部は、粒状物質検知センサおよび人感センサの検知結果に加えて、臭気物質検知センサの検知結果にも基づいて、当該空気清浄器50、51が吸引する単位時間当たりの空気の吸引量を調整する構成とすることができる。例えば、吸引量制御部は、臭気物質検知センサが、空気中に所定量以上の臭気の原因物質が含まれていることを検知した場合には、当該空気清浄器50、51が吸引する単位時間当たりの空気の吸引量を増加させるように調整し、臭気物質検知センサが、空気中に含まれる臭気の原因物質が所定量以下であることを検知した場合には、当該空気清浄器50、51が吸引する単位時間当たりの空気の吸引量を低下させるように調整する構成とすることができる。
このような構成の第1空気清浄器50および第2空気清浄器51は、それぞれ、粒状物質検知センサ、人感センサおよび臭気物質検知センサの検出値や本体部分の作動状況などの情報を、有線あるいは無線で他の機器に出力するインターフェイスを備えた構成とすることができる。このようなインターフェイスを有することにより、第1空気清浄器50および第2空気清浄器51を他の機器と連携して作動させることが可能となる。
前述のように、本発明の住宅1には、二階部分3の屋内空間の気温を調整するための冷暖房器具として、屋内温度調整装置53が設けられている。この屋内温度調整装置53のパネル52は住宅1の二階部分3に配置される。図示する場合には、パネル52は、二階部分3の第2空気清浄器51が配置される部屋と同一の部屋、つまり主寝室20に配置されている。
屋内温度調整装置53は、パネル52を加熱することにより主寝室20の気温(室温)を高めることができるとともに、パネル52を冷却することにより主寝室20の気温(室温)を低下させることができる。つまり、主寝室20に露出して配置されているパネル52を加熱または冷却することにより、パネル52と主寝室20内の空気との間で直接熱交換し、またはパネル52と主寝室20内の空間との間で熱交換することで主寝室20の室温を調整することができる。このように、パネル52を備えた屋内温度調整装置53は、温風ないし冷風を送風するエアコンディショナーとは相違して、主寝室20の室内の空気に対する送風を行うことなく当該室温を調整することができる。したがって、主寝室20内にある程度の花粉等の汚染物質が侵入した状態において屋内温度調整装置53を作動させて室温を調整しても、当該汚染物質が主寝室20の内部で再上昇されて空気中に舞うことを抑制して、当該主寝室20の空気を清浄な状態に維持することができる。
パネル52は、熱交換を効率良く行うことができるように、金属で形成されるのが好ましい。特に、パネル52は、アルミニウム合金製とするのが好ましい。パネル52をアルミニウム合金製とすることにより、このパネル52を軽量化し、腐食を抑制することができるとともに当該パネル52の熱伝導率を高めることができる。また、パネル52は、銅またはその合金で形成することもできる。この場合、パネル52の熱伝導率をさらに高めることができる。さらに、パネル52は鉄やその合金(例えばステンレススチール等の鋼材)で形成することもできる。この場合、パネル52の強度を高めることができる。
パネル52は、上記した何れの材質で形成された場合であっても、その表面が被膜でコーティングされた構成とするのが好ましい。被膜としては、例えば、塗膜、酸化膜、蒸着膜等を採用することができるが、特に、セラミック塗装を採用するのが好ましい。このような被膜でパネル52をコーティングすることにより、パネル52の輻射効率を高めて、より効率良く主寝室20の冷暖房を行うことができる。
パネル52は、常温において、0.9以上の放射率を有する構成とするのが好ましい。上記したセラミック塗装でパネル52をコーティングすれば0.9以上の放射率を得ることができる。ここで、常温とは、日本工業規格で定められた「常温」つまり20±15℃(5℃〜35℃)をいう。なお、パネル52としては、上記した0.9以上の放射率を有する構成のものに限らず、0.7以上の放射率を有する構成のものや、0.8以上の放射率を有する構成のものを採用することもできる。
図3に示すように、屋内温度調整装置53は、複数枚のパネル52を備えた構成とすることができる。なお、図3においては、便宜上、一つのパネル52にのみ符号を付してある。この場合、それぞれ同一の長さの長尺板状に形成された複数枚のパネル52を、互いに所定の間隔を開けて略平行に並べて配置した構成とすることができる。このような構成により、各パネル52の間の風通しを良くして各パネル52による空気との直接の熱交換を効率良く行わせることができる。
図3に示すように、複数枚のパネル52は、その長手方向を略鉛直方向(略上下方向)に向けて配置するのが好ましい。このような配置により、パネル52によって加熱または冷却された空気の対流が当該パネル52によって妨げられることを防止して、より効率良く主寝室20を冷暖房することができる。
各パネル52は、その長手方向の両端に設けられる一対のフレーム54により互いに連結された構成とすることができる。この場合、各パネル52は、主寝室20の床から天井付近に達する長さに形成され、各フレーム54を介して主寝室20の床および天井に支持される構成とすることができる。
パネル52の鉛直方向下側には結露受皿55を設けることができる。この結露受皿55は、例えば図3に示すように、パネル52の下側に配置されるフレーム54と一体に設けることもできる。このような結露受皿55を設けることにより、パネル52の表面で生じた結露を結露受皿55で受けて、結露によって床が濡らされることを防止することができる。
結露受皿55は、その内部に溜まった水を外部に排出するためのドレイン部を有するのが好ましい。この場合、ドレイン部は屋外または下水等に接続されるのが好ましい。このような構成により、結露受皿55から結露で溜まった水が溢れ出すことを未然に防止することができる。
なお、結露受皿55にドレイン部を設けることなく、当該結露受皿55に溜まった水を、例えば加湿などの他の用途に用いるようにしてもよい。
屋内温度調整装置53は、パネル52を加熱する加熱機能とパネル52を冷却する冷却機能つまり冷暖房機能を備えている。このような冷暖房機能を実現するために、屋内温度調整装置53は熱源機56を備えた構成とすることができる。
屋内温度調整装置53は各パネル52の内部を通る液体流路57を有し、熱源機56はこの液体流路57に接続される。この場合、液体流路57は、その一端において熱源機56の流出口に接続され、その中間部分が各パネル52の内部に循環配置されるとともに、その他端において熱源機56の流入口に接続される。
熱源機56は、液体流路57に屋内の気温よりも高い温度の液体を供給することでパネル52を加熱することができる。つまり、熱源機56から液体流路57に屋内の気温よりも高い温度の液体が供給されることにより、当該液体をパネル52の内部で循環させて、パネル52を液体により加熱することができる。反対に、熱源機56は、液体流路57に屋内の気温よりも低い温度の液体を供給することでパネル52を冷却することができる。つまり、熱源機56から液体流路57に屋内の気温よりも低い温度の液体が供給されることにより、当該液体をパネル52の内部で循環させて、パネル52を液体により冷却することができる。
液体流路57を循環する液体としては、例えば水や不凍液等を用いることができる。パネル52を循環した液体は、液体流路57を通って熱源機56に戻され、再度、熱源機56により加熱ないし冷却されてパネル52に向けて液体流路57に送られる。
液体流路57は、パネル52と熱源機56との間の部分が地中に通された構成とすることもできる。この場合、地中の所定深さにまで達するように埋められた配管の内部に液体流路57を通した構成とすることができる。このような構成により、液体流路57の地中内に配置された部分において、液体を地中熱との間で熱交換させて、液体流路57を流れる液体の加熱ないし冷却をより効率良く行うことができる。
熱源機56としては、例えばヒートポンプを用いることができる。熱源機56としてヒートポンプを用いることにより、容易に液体の加熱と冷却とを行うことができる。
なお、屋内温度調整装置53が、パネル52の加熱つまり主寝室20の暖房のみを行う構成とされる場合には、熱源機56としてヒートポンプに替えて、例えばガスや灯油で作動するボイラー等の機器を用いることもできる。
また、パネル52に供給する液体として地下水や温泉等を用いる場合には、液体流路57を循環路に構成することなく、パネル52を通過した液体をそのまま下水等に排出する構成とすることもできる。
屋内温度調整装置53は、主寝室20における屋内空間の気温つまり主寝室20の室温を検知する気温センサを備えた構成とすることができる。この場合、気温センサは、パネル52またはパネル52や熱源機56とは別体に構成されて室内の壁等に設置されるコントローラ58に設けられるのが好ましい。このコントローラ58は、操作者の操作により主寝室20の室温の設定等を行うものである。また、屋内温度調整装置53は、気温センサに加えて主寝室20の湿度を検知する湿度センサを備えた構成とすることもできる。湿度センサも、気温センサと同様に、パネル52またはコントローラ58に設けることができる。
また、屋内温度調整装置53は液体調整部を備えた構成とすることができる。液体調整部は、気温センサの検知結果に基づいて、熱源機56が液体流路57つまりパネル52に供給するべき液体の量および温度の少なくともいずれか一方を調整する。つまり、液体調整部は、液体の温度を一定のまま液体流路57に供給する単位時間当たりの液体の流量を調整することでパネル52の加熱ないし冷却度合いを調整し、または、液体流路57に供給する単位時間当たりの液体の流量を一定としたままで液体の温度を増減させることでパネル52の加熱ないし冷却度合いを調整し、または、液体の温度と単位時間当たりの流量の両方を調整することでパネル52の加熱ないし冷却度合いを調整する。
このような構成により、主寝室20の気温(室温)に基づいたフィードバック制御を行いながら、パネル52により主寝室30を効率良く冷暖房することができる。
なお、液体調整部は、気温センサの検知結果に加えて湿度センサの検知結果をも加味して、熱源機56が液体流路57つまりパネル52に供給するべき液体の量および温度の少なくともいずれか一方を調整する構成とすることもできる。このような構成により、主寝室20の気温(室温)及び湿度に基づいたフィードバック制御を行いながら、パネル52により主寝室20をより快適に冷暖房することができる。
さらに、屋内温度調整装置53に液体の温度またはパネル52の温度を検知する温度センサを設け、液体調整部を、気温センサの検知結果に加えて温度センサの検知結果をも加味して、熱源機56が液体流路57つまりパネル52に供給するべき液体の量および温度の少なくともいずれか一方を調整する構成とすることもできる。このような構成により、主寝室20の気温(室温)およびパネル52の温度ないし液体の温度に基づいたフィードバック制御を行いながら、パネル52により主寝室30をより効率良く冷暖房することができる。
上記機能を実現するために、屋内温度調整装置53は、例えば、マイクロコンピュータ等の制御部を備えた構成とすることができる。この場合、屋内温度調整装置53は、各種センサの検出値などの情報を、有線あるいは無線で他の機器に出力するインターフェイスを備えた構成とすることができる。このようなインターフェイスを有することにより、屋内温度調整装置53を他の機器と連携して作動させることが可能となる。
以上説明したように、本発明の住宅1では、屋内に侵入した花粉等の汚染物質を、一階部分2に設置した第1空気清浄器50と二階部分に設置した第2空気清浄器51とで清浄化することができる。加えて、本発明の住宅1では、主寝室20が設けられる二階部分3の冷暖房を行う機器として送風を行うことなく冷暖房を行うことが可能なパネル52を備えた屋内温度調整装置53を用いることにより、屋内の床等に溜まった花粉等の汚染物質が上昇して空気中に舞うのを抑制することができる。これにより、本発明の住宅1は、花粉等の汚染物質がある程度屋内に侵入してしまった場合であっても、屋内の空気を健康的な状態に維持することができるとうい効果を得ることができる。
この住宅1は、その屋内に部屋干し空間27を備えることができる。本実施の形態においては、前述のように、二階部分3のベランダ28に面した領域に部屋干し空間27が設けられている。部屋干し空間27には、洗濯物を干すことを可能とする器具または当該器具の設置を補助する器具が設けられる。例えば、図4に示すように、部屋干し空間27の天井に、一対の支持器具60を、そのロッド部分60aを天井にねじ込む等の手段によって着脱自在に取り付け、これらのロッド部分60aの下端に一体に設けられたリング体60bに物干し竿61を通して当該物干し竿61を部屋干し空間27に設置させる構成とすることができる。このような支持器具60が設けられることにより、部屋干し空間27は、洗濯物等を干すことが可能な空間に構成される。
洗濯物を干すことを可能とする器具または当該器具の設置を補助する器具は、上記構成のものに限らず、種々の形状ないし形態のものを用いることもできる。例えば、上記器具としては、部屋干し空間27における壁や床に設置される構成のものを用いることもできる。また、上記器具としては、天井や床、壁等に着脱自在に固定される構成に限らず、天井や床、壁等に収容可能に設けられる構成のものを用いることもできる。さらに、洗濯物を干すことを可能とする器具は、当該器具の設置を補助する器具を用いることなく、単独で設置される構成とすることもできる。
図2に示すように、部屋干し空間27には送風装置62が設けられるのが好ましい。この送風装置62は、部屋干し空間27における天井、壁または床に固定された構成とするのが好ましい。
送風装置62は、部屋干し空間27に対して送風する機能、より好ましくは上記器具によって干される洗濯物等に向けて送風する機能を有するものとすることができる。送風装置62は、屋内の空気の循環を行うことで部屋干し領域に送風する構成のものとすることができる。このような構成とすることにより、送風装置62のコストを低減することができ、また、送風装置62を設置するための施工を容易にすることができる。
送風装置62は、除湿機能を有する構成とすることもできる。送風装置62が除湿機能を備えることにより、洗濯物等に乾燥した空気を送風することを可能として、洗濯物をより効率良く乾かすことができる。
また、送風装置62は、温風を送風可能な構成とすることもできる。送風装置62が洗濯物等に温風を送風することにより、洗濯物をより効率良く乾かすことができる。
さらに、送風装置62は、風向きを上下方向に変更可能な構成とすることもできる。このような構成とすることにより、洗濯物等の所望の位置に空気を送風することを可能として、洗濯物をより効率良く乾かすことができる。この場合、送風装置62は、風向きを上下方向に自動的に変更する機能を有する構成とすることもできる。これにより、洗濯物等に満遍なく送風することを可能として、洗濯物をさらに効率良く乾かすことができる。
さらに、送風装置62は、部屋干し空間27における空気中から臭気の原因物質を除去する臭気除去機能を備えた構成とすることもできる。送風装置62が臭気除去機能を備えることにより、洗濯物等が発生する部屋干し臭を低減することができる。
臭気除去機能は、例えば、臭気の原因物質を吸着する活性炭等の吸着フィルターで構成することができる。また、臭気除去機能は、上記した吸着フィルターに替えて、または吸着フィルターとともに、イオン発生装置またはオゾン発生装置を備えた構成とすることもできる。この場合、イオン発生装置またはオゾン発生装置により、部屋干し空間27の空気中に含まれる臭気の原因物質を分解除去することができる。
部屋干し空間27には、この部屋干し空間27の空気を屋外に排気する排気装置を設けることもできる。排気装置を設けることで、部屋干し空間27に洗濯物等を干したときにおける湿度の高い空気を屋外に排気して、洗濯物をより効率良く乾かすことができる。
排気装置としては、その排気能力が20m3/hour(毎時20m3)以上のものを用いることができるが、排気能力が50m3/hour(毎時20m3)以上のものがより好ましく、排気能力が100m3/hour(毎時20m3)以上のものがさらに好ましい。
排気装置は、送風装置62とは別に設けることもできるが、送風装置62と一体に設けられる構成とすることもできる。例えば、上記実施の形態においては、送風装置62を、排気装置としての機能つまり排気機能を有するものとしている。
排気機能が設けられた送風装置62は、屋外の空気を部屋干し空間27に供給する給気機能を備えた構成とすることもできる。この場合、送風装置62は、洗濯物等に送風を行いつつ部屋干し空間27の空気を換気することができるので、屋内の空気環境を低減させることなく、より効果的に洗濯物等を乾かすことができる。なお、送風装置62に給気機能を設ける場合には、当該給気経路に、常時換気装置で用いたのと同様の給気フィルターを設けるのが好ましい。
部屋干し空間27はサンテラス31が設けられたベランダ28に隣接しているので、天気が良く、空気中に含まれる花粉等の汚染物質の量が少ない日には、ドア30を開けて洗濯物をベランダ28ないしサンテラス31に容易に干すことができる。つまり、外干しと部屋干しとの連携が容易となる。
図1に示すように、洗面所15に、例えば図4に示すような洗濯物を干すことを可能とする器具または当該器具の設置を補助する器具を設けるとともに送風装置62を設けることにより、浴室16に隣接する洗面所15を部屋干し空間に構成することもできる。この場合、浴室16に排気部40が設けられているので、部屋干し空間とされた洗面所15に別途に排気装置を設ける必要がなく、その分のコストを低減することができる。また、洗面所15には洗濯機63を設置可能な給水口および排水口が設けられているので、洗濯機63を部屋干し空間である洗面所15に配置することができる。したがって、洗濯物を干す場所と洗濯機とを同一の部屋に設けて、洗濯物を干す作業を容易にすることができる。
このような構成の部屋干し空間27を設けることにより、屋外の空気中に含まれる花粉等の汚染物質が多い日などには、洗濯物を屋内の部屋干し空間27に干すことができる。また、洗濯物を屋内の部屋干し空間27に干しても、その湿気や臭いを抑制して、屋内の空気を清浄で健康的な状態に維持することができる。
図5は本発明の他の実施形態である住宅の一階部分の間取り図であり、図6は図5に示す住宅の二階部分の間取り図である。なお、図5、図6においては、前述した構成に対応する構成には同一の符号を付し、再度の説明は省略する。
図5に示す変形例の住宅1では、住宅1の一階部分2の南東側の角部分に玄関11が設けられている。玄関11の西側にはキッチン13と、リビングルームとダイニングルームとが一体となった居室12が設けられ、この居室12の北側には客間14が設けられている。客間14の東側には階段18とトイレ17が設けられている。一方、玄関11の北側には洗面所15が設けられ、洗面所15の北側に浴室16が設けられている。
一方、住宅1の二階部分3には、東側の壁に面して主寝室20が設けられている。この主寝室20の北側はウォーク・イン・クローゼット21となっている。二階部分3の中央領域は一階部分から延びる階段18が連なるホール22となっており、このホール22の西側には南北方向に並べて2つの子供部屋23、24が設けられている。ホール22の北側にはトイレ25が設けられ、南側には部屋干し空間27が設けられている。この部屋干し空間27は、ファミリースペースを兼ねた構成とされている。二階部分3の南側の外部にはベランダ28が設けられ、主寝室20のベランダ28に面する壁には掃出し窓29が設けられている。また、部屋干し空間27のベランダ28に面する壁にも掃出し窓29が設けられ、この掃出し窓29の外側にはサンテラス31が設けられている。
一方、常時換気装置を構成する排気部40は、例えば一階部分2の浴室16およびトイレ17に設けられるとともに、二階部分3のトイレ25および部屋干し空間27に設けられる。一方、給気部41は、例えば一階部分2の居室12(居室12には2つ設けられている)、客間14および洗面所15に設けられるとともに、二階部分3の主寝室20および2つの子供部屋23、24に設けられる。
この変形例の住宅1においても、キッチン13を有する一階部分2の居室12に第1空気清浄器50が設けられ、二階部分3の主寝室20に第2空気清浄器51と屋内温度調整装置53のパネル52とが配置される。これにより、屋内に侵入した花粉等の汚染物質を、一階部分2に設置した第1空気清浄器50と二階部分3に設置した第2空気清浄器51とで清浄化するとともに、主寝室20が設けられる二階部分3の冷暖房を行う機器として送風を行うことなく冷暖房を行うことが可能なパネル52を備えた屋内温度調整装置53を用いることにより、屋内の床等に溜まった花粉等の汚染物質が上昇して空気中に舞うのを抑制して、花粉等の汚染物質がある程度屋内に侵入してしまった場合であっても、屋内の空気を健康的な状態に維持することができる。
また、洗面所15は、玄関11から居室12を通らずに入ることができる構成となっているので、洗面所15において花粉等の汚染物質が付着した衣服を脱ぎ、洗濯機63に入れることができる。したがって、居室12への花粉等の汚染物質の侵入を抑制することができる。なお、洗面所15に給気部41が設けられ、これに隣接する浴室16に排気部40が設けられているので、洗面所15の空気中に舞った花粉等の汚染物質は、当該洗面所15から浴室16に流れて当該浴室16の排気部40から屋外に排気される。したがって、洗面所15から居室12等へ向けた汚染物質の漏れ出しを抑制することができる。
この変形例の住宅1においても、洗面所15は、洗濯物を干すことを可能とする器具または当該器具の設置を補助する器具および送風装置62が設けることにより部屋干し空間に構成することができる。この場合においても、洗面所15に給気部41が設けられ、これに隣接する浴室16に排気部40が設けられているので、洗面所15つまり部屋干し空間において洗濯物等を効率良く乾かすことができる。
また、この変形例の住宅1においても、二階部分3に設けられる部屋干し空間27には洗濯物を干すことを可能とする器具または当該器具の設置を補助する器具および送風装置62が設けられている。洗濯物を干すことを可能とする器具または当該器具の設置を補助する器具は、図4に示すのと同様のものを設けることができる。なお、部屋干し空間27には、排気装置と同様の機能を有する排気部40が設けられているので、送風装置62に排気機能を設ける必要はない。
この変形例の住宅1では、部屋干し空間27は掃出し窓29を介してサンテラス31が設けられたベランダ28に隣接しているので、天気が良く、空気中に含まれる花粉等の汚染物質の量が少ない日には、掃出し窓29から洗濯物をベランダ28ないしサンテラス31に容易に干すことができる。つまり、外干しと部屋干しとの連携が容易となる。
図7は本発明のさらに他の実施形態である住宅の一階部分の間取り図であり、図8は図7に示す住宅の二階部分の間取り図である。なお、図7、図8においては、前述した構成に対応する構成には同一の符号を付し、再度の説明は省略する。
図7に示す住宅1は、一階部分2と二階部分3とを備えた二階建ての一戸建て住宅において、二階部分3に居室12を設けた二階居室プランの住宅である。この住宅1では、居室12とともにキッチン13も二階部分3に設けられるので、一階部分2が第2フロアに相当し、二階部分3が第1フロアに相当する。
この住宅1では、玄関11は一階部分2の北東側の角部分に北向きに設けられている。玄関11の西側にはファミリークローゼット70と階段18とが設けられ、南側にはトイレ17が設けられている。また、一階部分2の北東側の角には主寝室20が設けられ、南側には東西に並べて2つの子供部屋23、24が設けられている。これらの子供部屋23、24は可動間仕切り71で2つの部屋に分割されるが、可動間仕切り71をずらすことで1つの部屋とすることもできる。主寝室20の南側には洗面所15が設けられ、洗面所15の南側に浴室16が設けられている。
二階部分3には居室12とキッチン13とが設けられ、居室12の中央領域に一階部分から延びる階段18が配置されている。キッチン13の東側には手洗い場72とトイレ25とが設けられ、西側には部屋干し空間27と畳コーナー73とが設けられている。部屋干し空間27はスライド式のドア74により居室12と分離されており、その内部には洗濯機63が配置されている。二階部分3の南西側の外部にはオープンロッジア75が設けられ、居室12のオープンロッジア75に面する壁には全開放可能な掃出し窓29が設けられている。
常時換気装置を構成する排気部40は、例えば一階部分2の浴室16およびトイレ17に設けられるとともに、二階部分3のトイレ25に設けられる。一方、給気部41は、例えば一階部分2の主寝室20、2つの子供部屋23、24およびファミリークローゼット70に設けられるとともに、二階部分3の部屋干し空間27に設けられる。
この変形例の住宅1においても、キッチン13を有する二階部分3の居室12に2つの第1空気清浄器50が設けられ、一階部分2の主寝室20に第2空気清浄器51と屋内温度調整装置53のパネル52とが配置される。これにより、屋内に侵入した花粉等の汚染物質を、二階部分3に設置した第1空気清浄器50と一階部分2に設置した第2空気清浄器51とで清浄化するとともに、主寝室20が設けられる一階部分2の冷暖房を行う機器として送風を行うことなく冷暖房を行うことが可能なパネル52を備えた屋内温度調整装置53を用いることにより、屋内の床等に溜まった花粉等の汚染物質が上昇して空気中に舞うのを抑制して、花粉等の汚染物質がある程度屋内に侵入してしまった場合であっても、屋内の空気を健康的な状態に維持することができる。
また、玄関11に隣接してファミリークローゼット70を設けたので、花粉等の汚染物質が付着した外套等の衣服を居室12に入る前にファミリークローゼット70で脱ぐことができる。これにより、居室12内への汚染物質の侵入を抑制することができる。このファミリークローゼット70に、図1に示すコートクローク32と同様のコンセント(図7では不図示)を設けておけば、当該コンセントに接続した掃除機等の吸引除去装置により、身体や衣服に付着した花粉等の汚染物質を吸引除去して、居室12等の屋内空間への汚染物質の侵入をさらに確実に抑制することができる。
この変形例の住宅1では、洗濯機63は、一階部分2に浴室16に隣接して設けられた洗面所15ではなく、二階部分3に設けられた部屋干し空間27に配置されている。この場合、部屋干し空間27には洗濯機63用の給水、排水設備が設けられる。部屋干し空間27には、洗濯物を干すことを可能とする器具または当該器具の設置を補助する器具が設けられる。当該器具としては、図4に示すのと同様のものを設けることができる。また、部屋干し空間27には送風装置62が設けられる。送風装置62としては、上記のような除湿機能、臭気除去機能、排気機能を備えた構成のものを用いることができる。
この変形例の住宅1では、浴室16が一階部分2に設けられるにも拘わらず、洗濯機63を居室12やキッチン13に隣接する部屋干し空間27に設けるようにしたので、家事動線を簡素化して、家事を効率良く行うことができる。また、部屋干し空間27には、送風装置62に加えて給気部41が設けられ、送風装置62から洗濯物に向けて送風を行うとともに、給気部41から部屋干し空間27の内部に取り込んだ外気を畳コーナー73との間に設けられたドア76を介して居室12に供給することができるので、部屋干し空間27を換気しつつ、送風装置62からの送風により洗濯物を効率良く乾燥させることができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。