JP6464589B2 - エンジンの出力増大装置 - Google Patents
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Description
このうちのタービンは、エンジンの排気により回転駆動する。
又、前記コンプレッサは、空気を圧縮して前記エンジンに送り込むものである。
又、前記トロイダル型無段変速機は、第一ディスクと、この第一ディスクと同軸に、且つ、この第一ディスクに対する相対回転を自在に支持された第二ディスクと、これら第一ディスクと第二ディスクとの間で動力を伝達するパワーローラとを有する。
又、前記第一動力伝達機構は、前記エンジンの出力軸と、前記第一ディスクとを動力伝達を可能に接続する。
又、前記第二動力伝達機構は、前記タービン及び前記コンプレッサと、前記第二ディスクとの間に配置されている。
又、前記第一クラッチ機構は、前記タービンと前記第二動力伝達機構との間に設けられている。
又、前記第二クラッチ機構は、前記コンプレッサと前記第二動力伝達機構との間に設けられている。
そして、前記第一クラッチ機構を接続し、且つ、前記第二クラッチ機構を切断する事により実現され、前記エンジンの排気により前記タービンを回転駆動し、この回転を前記トロイダル型無段変速機を介して前記エンジンの出力軸に伝達する(付与する)、ターボコンパウンドとして動作する第一のモードと、前記第一クラッチ機構を切断し、且つ、前記第二クラッチ機構を接続する事により実現され、前記エンジンの出力軸により、前記トロイダル型無段変速機を介して前記コンプレッサを回転駆動し、このコンプレッサにより空気を圧縮してから前記エンジンに送り込む(このエンジンに過給する)、スーパーチャージャとして動作する第二のモードとを有する。
そして、前記トロイダル型無段変速機を、前記第一のモードでは、このトロイダル型無段変速機を通過するトルクを調節するトルク制御を実施し、前記第二のモードでは、前記エンジンの出力軸の回転速度に応じて前記トロイダル型無段変速機の変速比を調節する変速比制御を実施するものとする。
又、本発明を実施する場合、過給も、前記エンジンの出力軸へのトルクの付与も行わない、第四のモードを備えるものとする事もできる。
即ち、本発明のエンジンの出力増大装置は、ターボコンパウンドとして動作する第一のモードと、スーパーチャージャとして動作する第二のモードとを備え、その時点での運転状態(例えば自動車用エンジンに組み込んだエンジンの出力増大装置の場合には、エンジンの出力軸の回転数や路面状況等)に応じて最適なモードを選択する事が可能になる。この為、このエンジンに過給したり、このエンジンの出力軸にトルクを付与する事により、このエンジンの出力の増大効果を得られる。
又、請求項2に記載した発明によれば、エンジンの出力軸の回転数が高い状態(高回転域)での、このエンジンの出力増大効果をより良好にする事ができる。
この第一のモードでは、前記第一、第三両クラッチ機構7、17を接続し、前記第二クラッチ機構9を切断する事により、図2の(A)に太線で示す様に、前記タービン1と前記トロイダル型無段変速機3との間で動力伝達を可能にすると共に、前記コンプレッサ2と、前記タービン1及びこのトロイダル型無段変速機3との間での動力伝達を不能にしている。即ち、この様な第一のモードでは、前記エンジン4の排気により前記タービン1を回転駆動し、この回転を、回転軸6→歯車13a、13b→回転伝達軸14→歯車13c、16→内側ディスク15の順番で、前記トロイダル型無段変速機3の内側ディスク15に伝達する。そして、この内側ディスク15の回転を、前記各パワーローラを介して(前記トロイダル型無段変速機3で変速して)前記両外側ディスク18、18に伝達し、更に、これら両外側ディスク18、18の回転(トルク)を、前記動力伝達機構12を介して前記エンジン4の出力軸10に伝達(付与)する。これにより、このエンジン4の燃料消費率を向上できると共に、出力軸10の回転トルクを増大させる事ができる。
この第二のモードでは、前記第二、第三両クラッチ機構9、17を接続し、前記第一クラッチ機構7を切断する事により、図2の(B)に太線で示す様に、前記コンプレッサ2と前記トロイダル型無段変速機3との間で動力伝達を可能にすると共に、前記タービン1と、前記コンプレッサ2及びこのトロイダル型無段変速機3との間での動力伝達を不能にしている。即ち、この様な第二のモードでは、前記エンジン4の出力軸10の回転を、前記動力伝達機構12を介して前記トロイダル型無段変速機3の外側ディスク18、18に伝達する。そして、これら両外側ディスク18、18の回転を、前記各パワーローラを介して(前記トロイダル型無段変速機3で変速して)前記内側ディスク15に伝達し、この内側ディスク15の回転を、歯車16、13c→回転伝達軸14→歯車13b、13a→回転軸6の順番で、この回転軸6に伝達する。そして、この回転軸6を回転駆動する事で、前記コンプレッサ2を回転駆動し、空気を圧縮してから前記エンジン4に送り込む(過給する)事により、このエンジン4の出力(馬力)を増大させる。
この第三のモードでは、前記第一、第二両クラッチ機構7、9を接続し、前記第三クラッチ機構17を切断する事により、図2の(C)に太線で示す様に、前記タービン1と前記コンプレッサ2とを同期して回転可能にすると共に、前記トロイダル型無段変速機3と、これらタービン1及びコンプレッサ2との間での動力伝達を不能にしている。即ち、この様な第三のモードでは、前記エンジン4の排気により前記タービン1を回転駆動し、このタービン1の回転を、前記回転軸6を介して前記コンプレッサ2に伝達する。そして、このコンプレッサ2により、空気を圧縮してから前記エンジン4に送り込んで(過給して)、このエンジン4の出力(馬力)を増大させる。
この第四のモードでは、前記各クラッチ機構7、9、17を何れも切断する。これにより、図2の(D)に太線で示す様に、前記エンジン4の出力軸10の回転を、前記エンジン4に過給したり、出力トルクを増大する事なく、駆動系に伝達する。
先ず、図示しない制御器は、ステップ1で、前記エンジン4の出力軸10の回転数や路面状況(路面の傾斜状態や段差状態等)等の運転状態を取得する。このうちのエンジン4の出力軸10の回転数は、この出力軸10に取り付けた回転センサにより検出し、路面状況は車体に取り付けた傾斜センサにより判定する事ができる。そして、次のステップ2で、前記制御器は、取得した運転状態に基づき、前記各モードのうちの何れかのモードを選択する。次いで、ステップ3では、この選択したモードが、ターボコンパウンドとして動作する第一のモードであるか否かを判定する。選択したモードが第一のモードである場合、ステップ4に進み、前記トロイダル型無段変速機3を通過するトルクを調節するトルク制御を実施する。前記ステップ3で、第一のモードでないと判定された場合、ステップ5に進み、選択したモードが、スーパーチャージャとして動作する第二のモードであるか否かを判定する。選択したモードが第二のモードである場合、ステップ6に進み、前記エンジン4の出力軸10の回転数に応じて前記トロイダル型無段変速機3の変速比を調節する変速比制御を実施する。前記ステップ5で、第二のモードでないと判定された(第三のモード又は第四のモードを選択している)場合には、そのまま(前記トロイダル型無段変速機3の制御手段を変更する事なく)終了する。
即ち、本例のエンジンの出力増大装置は、上述の様な4つのモードを備え、その時点での、前記エンジン4の出力軸10の回転数や路面状況等の運転状態に応じて最適なモードを選択する。この為、前記エンジン4に過給したり、このエンジン4の出力軸10にトルクを付与する事によるこのエンジン4の出力の増大効果を得られる。
尚、本例の場合、安定走行状態では、過給も前記出力軸10へのトルク付加もしない第四のモードで運転する様にしている為、低燃費走行が可能になり、燃費効率を良好にできる。
2 コンプレッサ
3 トロイダル型無段変速機
4 エンジン
5 排気流路
6 回転軸
7 第一クラッチ機構
8 給気流路
9 第二クラッチ機構
10 出力軸
11 変速機用回転軸
12 動力伝達機構
13a、13b、13c 歯車
14 回転伝達軸
15 内側ディスク
16 ディスク側歯車
17 第三クラッチ機構
18 外側ディスク
Claims (2)
- エンジンの排気により回転駆動するタービンと、
空気を圧縮して前記エンジンに送り込むコンプレッサと、
第一ディスクと、この第一ディスクと同軸に、且つ、この第一ディスクに対する相対回転を自在に支持された第二ディスクと、これら第一ディスクと第二ディスクとの間で動力を伝達するパワーローラとを有するトロイダル型無段変速機と、
前記エンジンの出力軸と、前記第一ディスクとを動力伝達を可能に接続する第一動力伝達機構と、
前記タービン及び前記コンプレッサと、前記第二ディスクとの間に配置された第二動力伝達機構と、
前記タービンと前記第二動力伝達機構との間に設けられた第一クラッチ機構と、
前記コンプレッサと前記第二動力伝達機構との間に設けられた第二クラッチ機構とを備え、
前記第一クラッチ機構を接続し、且つ、前記第二クラッチ機構を切断する事により実現され、前記エンジンの排気により前記タービンを回転駆動し、この回転を前記トロイダル型無段変速機を介して前記エンジンの出力軸に伝達する、ターボコンパウンドとして動作する第一のモードと、
前記第一クラッチ機構を切断し、且つ、前記第二クラッチ機構を接続する事により実現され、前記エンジンの出力軸により、前記トロイダル型無段変速機を介して前記コンプレッサを回転駆動し、このコンプレッサにより空気を圧縮してから前記エンジンに送り込む、スーパーチャージャとして動作する第二のモードとを有し、
前記トロイダル型無段変速機が、前記第一のモードでは、このトロイダル型無段変速機を通過するトルクを調節するトルク制御を実施し、前記第二のモードでは、前記エンジンの出力軸の回転速度に応じて前記トロイダル型無段変速機の変速比を調節する変速比制御を実施するものである、エンジンの出力増大装置。 - 前記第二ディスクと前記第二動力伝達機構との間に設けられ、且つ、前記第一のモード及び前記第二のモードを実現する際に接続される第三クラッチ機構を更に備え、
前記第一、第二両クラッチ機構を接続し、且つ、前記第三クラッチ機構を切断する事により実現され、前記エンジンの排気により前記タービンを回転駆動し、この回転を前記コンプレッサに伝達して、このコンプレッサにより空気を圧縮してから前記エンジンに送り込む、ターボチャージャとして動作する第三のモードを更に備える、請求項1に記載したエンジンの出力増大装置。
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