JP6464341B2 - レーザ照射による金属粉末を用いた金属造形物作成法、そのための形成材料、及び作成された構造体 - Google Patents

レーザ照射による金属粉末を用いた金属造形物作成法、そのための形成材料、及び作成された構造体 Download PDF

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Description

本発明は、レーザ照射による金属粉末を用いた金属造形物作成法に関する。さらに詳しくは、本発明は、高融点金属粉末と低融点金属粉末の混合粉を含有する形成材料を用い、レーザ照射により低融点金属を融解させ金属合金パターン構造体を形成するレーザ焼結法、当該レーザ焼結法に用いる形成材料、及びその作成された構造体に関する。
従来、製品を造形するコンテナに粉末をリコータにより均一に敷き、次にCADデータに基づきガルバノメーターミラーを通してレーザを照射し、照射部分のみを固化し、この操作を繰り返して積層し三次元製品を作製するレーザ積層造形法が開発されている。これによれば、切削法などの他の加工法では不可能な三次元複雑形状品を迅速、低コストで作製できるとされている。
レーザ積層造形法では、樹脂粉末、金属粉末、セラミックス粉末、及び複合材料粉末を用い選択的に焼結し造形するものである。このなかで焼結粉末として、ポリアミド及び少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪酸、モンタン酸もしくは二量体の塩から選択される金属石鹸を少なくとも1種含有する焼結粉末を用いる方法(特許文献1)が提案されている。未焼結ポリアミド樹脂を効率よく再使用することができるとしているが、樹脂粉末を用いる造形法であり高密度、高精度、高導電性の金属製品を製造することはできない。
軽量な金属造形物を選択的レーザ焼結間接法を用いて作製しうる金属造形物の製造方法として、立体形状データから、金属と樹脂との複合粉末を積層し、レーザ照射により成形体(グリーン体)を造形し、その後脱脂及び溶浸を行う選択的レーザ焼結間接法を用いる金属造形物の製造方法(特許文献2)が提案されている。具体的には、金属粉末をナイロン12で均一に被覆し、さらに熱硬化性樹脂の粉末を添加して金属樹脂複合体粉末を作製し、この金属樹脂複合体粉末を用い積層造形法によって所定の形状の成形体を作製し、後工程の熱処理でマグネシウムを溶浸させて、軽量で複雑な形状の金属造形物が製造できるとしているが、作成工程数が多く効率が悪いという問題がある。
また、金属パターン形成法として、金属微粒子と有機溶媒の混合物からなるペースト材料を用い、絶縁性樹脂の表面に金属微粒子層を形成し、金属微粒子層の表面の所望領域にレーザを照射して、該所望領域にある金属微粒子層を溶融し、レーザの照射により溶融しなかった金属微粒子層を除去することからなる絶縁性樹脂表面に配線を選択的に形成する方法(特許文献3)が提案されている。この方法では、従来の配線金属パターンの形成法であるリフト・オフ法によるよりも配線金属層の不溶部分の無駄が防止され配線形成が簡略化できるが、ペースト材料を用いるので、金属微粒子層の形成に塗布、乾燥工程が必要であり、かつ絶縁性樹脂表面上の不用な金属微粒子層の除去工程も必要であり、工程数が多く、かつ作製時間、コストがかかるという問題がある。
レーザ光線照射による電気回路形成方法として、耐熱絶縁基板上に散布堆積した金属粉末をレーザ光線の照射により溶融付着させて、主に強電分野において利用する大電流を扱う電気回路を焼成生成して形成する方法(特許文献4)が提案されている。しかし、高出力レーザにより直接金属溶融を促して電気回路を作製する方法であり、高出力レーザが必要となり、作製時間、費用がかかるという問題がある。
以上のとおり、従来のレーザ積層造形法として、樹脂粉末を用いる造形法では高密度、高精度、高導電性の製品を製造することはできず、金属粉末を用いる場合は、金属微粒子、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂粉末などを用いた金属樹脂複合体粉末を原料としたり、金属微粒子と有機溶媒の混合物からなるペースト材料を原料として用いる必要があったり、高出力レーザが必要であったり、作製時間、コストがかかるという問題があった。
特開2004−175102号公報 特開2010−202928号公報 特開平7−321444号公報 特開平5−335725号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、原料調整工程、作製工程、後処理工程など多工程を必要とすることなく、1造形物当たり低エネルギーコストで、簡単な方法であるレーザ照射による金属粉末を用いた金属造形物作成法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、レーザ照射により金属粉末を焼結するに際し、低融点金属粉末を融着させ高融点金属粉末と金属合金化させることで金属合金パターン構造体である造形物をレーザ焼結法で作成でき、低エネルギーで短時間に作成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明はこれらの知見に基づいて完成したものであり、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1]高融点金属粉末と低融点金属粉末の混合粉を含有する形成材料を用い、レーザ照射により低融点金属を融解させ金属合金パターン構造体を形成するレーザ焼結法。
[2]前記金属合金パターン構造体が、導電性であることを特徴とする上記[1]に記載の金属合金パターン構造体を形成するレーザ焼結法。
[3]ガラス基板上に、金属合金パターン構造体を形成することを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の金属合金パターン構造体を形成するレーザ焼結法。
[4]ガラス基板上に、金属合金パターン構造体を固定化することを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の金属合金パターン構造体を形成するレーザ焼結法。
[5]前記金属合金パターン構造体が、微細電極パターンであることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の金属合金パターン構造体を形成するレーザ焼結法。
[6]前記金属合金パターン構造体が、三次元積層構造体であることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の金属合金パターン構造体を形成するレーザ焼結法。
[7]高融点金属粉末と低融点金属粉末の混合粉を含有する、上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載のレーザ焼結法に用いる形成材料。
[8]高融点金属が500〜1100℃に融点を有する導電性金属であり、低融点金属が100〜300℃に融点を有する導電性金属であることを特徴とする、上記[7]に記載のレーザ焼結法に用いる形成材料。
[9]上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の金属合金パターン構造体を形成するレーザ焼結法により形成された構造体。
本発明は、高融点金属粉末と低融点金属粉末の混合粉を含有する形成材料を用い、レーザにより低融点金属粉末のみを融解させ金属合金パターン構造体を形成するレーザ焼結法であるので、低出力レーザ、単工程で、1造形物当たり低エネルギーコストで、簡単にいかなる二次元構造体、三次元構造体であっても、効率よく形成できる。また、当該レーザ焼結法に用いる形成材料、及び金属合金パターン構造体を形成するレーザ焼結法により形成された構造体を提供することができる。
本発明のレーザ照射による金属粉末を用いるレーザ焼結の形成図。 本発明のレーザ照射による金属粉末を用いるレーザ焼結法の概念図。 実施例1で形成された金属合金パターン構造体の電子顕微鏡像。 実施例1でのレーザ照射部断面の電子顕微鏡像。 実施例1でのレーザ照射部断面の原子成分比表。
本発明は、高融点金属粉末と低融点金属粉末の混合粉を含有する形成材料を用い、レーザ照射により低融点金属粉末のみを融解させ高融点金属粉末とが金属合金化し、金属合金パターン構造体を形成するレーザ焼結法、高融点金属粉末と低融点金属粉末の混合粉を含有するレーザ焼結法に用いる形成材料、及びこれら金属合金パターン構造体を形成するレーザ焼結法により形成された構造体に関する。
本発明において、形成材料とは、金属合金パターン構造体を形成するレーザ焼結法に用いる原料材料である。基本的には高融点金属粉末と低融点金属粉末の混合粉からなる形成材料であり、それぞれ少なくとも1種の金属粉末を用いることができ、それぞれ複数種の金属紛末を混合して用いてもよい。高融点金属粉末としては、例えば、アルミニウム粉末と、銅粉末を混合してもよく、低融点金属粉末としては各種スズはんだを複数種混合して用いてもよい。
高融点金属粉末と低融点金属粉末の混合比は、低融点金属粉末のみが融解し高融点金属粉末と金属合金を形成する範囲ならば、いかなる混合比でも構わない。高融点金属粉末1に対して低融点金属粉末0.1〜10が例示できる。好ましくは、高融点金属粉末1に対して低融点金属粉末0.5〜10の範囲がより好ましい。
本発明において、形成材料としての高融点金属粉末、低融点金属粉末は導電性であることが好ましい。高融点金属としては、500〜1100℃に融点を有する導電性金属、低融点金属としては、100〜300℃に融点を有する導電性金属からなるのが好ましい。
高融点金属としては、アルミニウム、銅、銀、金、及びこれらの合金が例示でき、なかでもアルミニウム及びアルミニウム合金、銅、銅合金を用いるのがより好ましい。低融点金属としては、スズ、亜鉛、インジウム、ガリウム、ビスマス、鉛など、及びこれらを主にした合金が例示でき、なかでもスズ基の合金であるはんだを用いるのがより好ましい。スズ-銀-銅系、スズ-銀-ビスマス-インジウム系、スズ-銀系、スズ-亜鉛系、スズ-亜鉛-ビスマス系、スズ-ビスマス系、スズ-インジウム系の鉛フリーのはんだ合金を例示できる。
形成材料としての高融点金属粉末、低融点金属粉末の粒子径は、1nm〜100μmの範囲から選ばれるのが低融点金属粉末を融解させ高融点金属粉末と合金化するのに好ましい。好ましくは、100nm〜50μm、より好ましくは500nm〜10μmである。なお、本明細書における平均粒径とは、50%粒径(D50)を指し、レーザー回折、散乱式の粒度分布測定装置により測定することができる。例えば、レーザードップラー法を応用した粒度分布測定装置(日機装(株)製、マイクロトラック(登録商標)粒度分布測定装置)等により測定することができる。
形成材料としての高融点金属粉末、低融点金属粉末の形状は、球形、楕円形、フレーク状などいかなる形状でもよい。また、金属粉末の製法上からしてガスアトマイズ法、水アトマイズ法、遠心力アトマイズ法、メルトスピニング法などの溶解プロセス、スタンプミル法、ボールミル法、メカニカルアロイング法などの機械的プロセス、酸化物還元法、塩化物還元法、湿式冶金法、電解法などの化学的プロセスなどいずれの製法によるものでもよい。
形成材料としての高融点金属粉末、低融点金属粉末を混合して混合粉とする。混合には、従来から用いられている混合装置を用い十分混合する。例えば、市販の高融点金属粉末、低融点金属粉末を用いV型混合器、Wコーンミキサーなどの容器回転型混合器、ジュリアミキサー、フラッシュブレンダーなどを用いて均一に混合すればよい。形成材料としての高融点金属粉末、低融点金属粉末のみを混合してもよいので、容易に混合することができる。
金属粉末に対して必要に応じて防錆剤、フラックスなどの添加剤を添加してもよい。銅粉末と低融点金属粉末との混合粉を形成材料として用いる際には、銅粉末表面の酸化を抑えて低融点金属粉末と合金化すると更によい。そのために、銅粉末表面にあらかじめ耐酸化性の保護膜を設けておくか、混合粉の形成時に、焼成時に酸化膜を除去できるフラックスを添加しておくことがより好ましい。銅粉末表面にあらかじめ設ける耐酸化性の保護膜とは、アルカンチオールに代表される、金属吸着官能基として、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、チオール基、ジスルフィド基、リン酸基等を少なくとも1つ有する有機基を有する保護膜が例示できる。また、銅金属の酸化膜除去に使用できるはんだ付け用フラックスを用いることができる。
本発明において、レーザ焼結法とは、形成材料としての金属粉末に対してレーザを照射して、低融点金属粉末を融解し高融点金属粉末と金属合金パターン構造体を形成する方法をいう。具体的には、製品を造形するコンテナに金属粉末をリコータにより均一に敷き、次にCADデータに基づきレーザを照射し、照射部分のみの低融点金属粉末を融解し高融点金属粉末とを合金化し、均一に敷きつめられた金属粉末層を照射部分のみ固化させ、二次元製品を得るレーザ積層造形法である。更に、この操作を繰り返して積層し三次元製品を作製するレーザ積層造形法である。最後に、レーザ照射の照射部分以外の金属粉末を除去すればよい。
レーザ積層造形法によれば、造形したい三次元データ(三次元CADデータ)、X線CTの輪切りデータ等に基づき必要な部分のみの金属粉末を融解、固化させて製品化しているので、工程が簡略化でき、かつ除去された金属粉末は、再度製品作製に使用することができるので原料金属粉末の無駄が回避できる。
レーザ焼結法に用いるレーザ焼結装置としては、造形部、レーザ発光装置、ミラー、レーザ制御部を備えた装置であればよい。金属粉末に対してレーザを照射して、低融点金属粉末を融解し高融点金属粉末と金属合金パターン構造体を形成する装置であって、市販の装置を用いることもできる。具体的には、造形部として、製品を造形するコンテナに金属粉末をリコータにより均一に敷き、次にCADデータに基づきレーザ発光装置、ミラーを介してレーザを照射し、照射部分のみの低融点金属粉末を融解し高融点金属粉末とを合金化し、均一に敷きつめられた金属粉末層を照射部分のみ固化させ、二次元製品を得て、更に、この操作を繰り返して積層し三次元製品を作製する装置である。
レーザ照射は、通常の空気中、不活性ガス雰囲気、真空中のいづれの雰囲気で照射されるものでも構わない。好ましくは、酸化防止のため窒素、アルゴン、又はこれらの混合物からなる不活性ガス雰囲気中で行うのがよい。用いるレーザは、気体レーザ(COレーザ、エキシマレーザ)、固体レーザ(ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ)など、いずれのレーザ発振器によるものでもよい。
レーザの出力は、50W以下の低出力で操作されるのが好ましい。より好ましくは、10W以下の出力である。低出力で連続モードまたはパルスモードで作動することができる。レーザ照射の走査ピッチ、走査速度、積層ピッチなど操作条件は形成しようとする金属合金パターン構造体に応じて決めることができる。レーザ照射のエネルギー密度としては、0.1J以内で選択することができる。
本発明のレーザによる金属粉末を用いるレーザ焼結の形成プロセスを図1に示す。金属粉末、即ち、高融点金属粉末と低融点金属粉末を均一の混合した形成材料を用い、レーザ照射により低融点金属粉末が融解し高融点金属粉末と金属合金化し、金属粉末、即ち、高融点金属粉末と低融点金属粉末とが一体となり合金化した製品を得ることができる。
本発明のレーザによる金属粉末を用いるレーザ焼結法の概念図を図2に示す。高融点金属粉末と低融点金属粉末を均一に混合した形成材料を基板、例えば、シリコン基板上に厚さ約100μm〜50mmに一面に形成し、その上に基板、例えば、ガラス基板を置き、レーザ照射する。本発明においては、ガラス基板上に、レーザ照射により低融点金属粉末が融解し高融点金属粉末と金属合金化し、一体となった合金化した製品が形成される。即ち、ガラス基板上よりレーザ照射すると、金属合金パターン構造体がガラス基板上に形成される。又ガラス基板上よりレーザ照射すると、金属の拡散条件によっては形成される金属合金パターン構造体はガラス基板上に固定化される。
本発明の実施例で形成された金属合金パターン構造体の電子顕微鏡像を図3に示す。図3に示す「#」状金属合金パターン構造体は、シリコン基板上に高融点金属粉末と低融点金属粉末を均一に混合した形成材料を厚さ約100μm〜50mmに一面に形成し、その上に基板、例えば、ガラス基板を置き、レーザ照射を「#」状に照射したものを電子顕微鏡写真としたものである。図3によれば、金属合金パターン構造体である「#」状がはっきりと形成されていることがわかる。
本発明の実施例でのレーザ照射部断面の電子顕微鏡像を図4に示す。その時のレーザ照射部断面の成分比表を図5に示す。レーザ照射部断面の成分比(スペクトル1〜3)によれば、低融点金属粉末が融解し高融点金属粉末と金属合金化し一体化したことがわかる。また、透過型電子顕微鏡による金属合金パターン構造体とガラス界面の分析によるとガラス基板中にスズが拡散していることが分かり、金属合金パターン構造体のガラス基板表面に対しての接着性向上に寄与しているものと推察される。
基板としては、絶縁性基板、導電性基板のいずれでもよく、用途に応じて用いることができる。例えば、シリコン基板、セラミックス基板、ガラス基板、プラスチックス基板などいかなる基板でも用いることができる。また、フレキシブル基板として、ポリイミド基板、ポリエステル基板、ポリオレフィン基板などを用いることもできる。
本発明は、レーザ照射による金属粉末を用いた金属造形物作成法であるので、複雑な形状の金属製品を二次元、又は三次元で寸法精度よく製作することができる。また、従来の切削等の機械的方法によっては作製できなかった形状のものも短時間で、二次元、三次元CADデータを基に簡単に作製できる。更に、木型や金型等の型の作成が不要で小ロット生産や機械的加工では作成できないような複雑、密な形状の物品を製造するのに有益である。
本発明は、形成材料として導電性の良好な金属からなる金属粉末を用いると、微細な回路パターンを単一工程で形成材料の損出もなく効率よく、1造形物あたり低エネルギーコストで、作製時間も短く作製できる。特にガラス基板に微細な回路パターンを作成するとガラス基板に対する密着強度も強く有益である。
本発明は、従来のレーザ積層造形法で用いている装置をそのままで、形成材料を本発明の高融点金属粉末と低融点金属粉末の混合粉末を含有する形成材料とすることで二次元、又は三次元の金属製品を簡単な操作で作製することができる。しかも、低出力レーザを用いることができる。
次に、実施例および比較例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例などによって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
高融点金属粉末として銅粉末(Culox社製、平均粒径3.4μm)、低融点金属粉末としてスズ96.5質量%、銀3質量%、銅0.5質量%からなるスズ合金粉末(三井金属鉱業社製、平均粒径2μm)を1:1の重量比で混合し金属粉末形成材料を調整した。シリコン基板上に混合粉末を200μmの厚さで一面に広げ、厚さ1.1mmガラス基板を上部に載置した。YAGレーザ(出力パワー:0.02J)をガラス基板上よりパルスモードで「#」状の文字パターンに走査し照射した。次に、未照射部分の金属粉末形成材料を除去し、ガラス基板上に厚さ100μm、線幅400−500μmの金属合金パターンを形成した。形成された金属合金パターン電子顕微鏡像を図3に示す。また、その時のレーザ照射部断面である金属合金化したパターン断面の電子顕微鏡像を図4に示す。図5には、そのレーザ照射部断面である金属合金化したパターン断面の成分を分析した結果を示す。
形成された金属合金パターンの長さ2cm、平均幅493μm、平均高さ100μmのラインを用いて、抵抗を三菱化学アナリテック製ロレスタGP MCP−T610型を用いて測定した。その結果、抵抗値:1.76×10−6Ω、比抵抗値:43μΩcmであった。また、透過型電子顕微鏡による分析によりガラス基板中にスズが拡散していることが分かり、合金パターン構造体のガラス基板表面に対しての接着性向上に寄与していることがわかる。
[実施例2]
実施例1において、YAGレーザ(出力パワー:0.02J)をガラス基板上よりパルスモードで「直線形状」に走査し照射した以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に長さ2cm、厚さ100μm、線幅500μmの直線形状金属合金パターンを形成した。形成された金属合金パターンの抵抗値:1.76×10−6Ω、比抵抗値:50μΩcmであった。
[比較例1]
高融点金属粉末として低温焼結銅(JX金属社製、平均粒径0.2μm)だけを用い金属粉末形成材料を調整した。シリコン基板上に金属粉末形成材料を200μmの厚さで一面に広げ、厚さ1.1mmガラス基板を上部に載置した。YAGレーザ(出力パワー:0.02J)をガラス基板上よりパルスモードで「#」状の文字パターンに走査し照射した。次に、未照射部分の金属粉末形成材料を除去し、ガラス基板上に厚さ100μm、線幅400−500μmの金属パターンを形成した。その照射部断面を電子顕微鏡像として観察すると、一部の金属粉末は融解し粉末粒子間の境界がなくなり、融解途中の状態であると観察された。
比較例1で形成したガラス基板上に厚さ100μm、線幅400−500μmの「#」状の文字パターンを用い、実施例1同じく形成された金属パターンの長さ2cm、平均幅400−500μm、平均高さ100μmのラインを用いて、抵抗を測定したが電気が流れず、抵抗値は測定できなかった(オーバーロード)。
[比較例2]
比較例1において、YAGレーザ(出力パワー:0.02J)をガラス基板上よりパルスモードで「直線形状」に走査し照射した以外は、比較例1と同様にして、ガラス基板上に長さ2cm、厚さ100μm、線幅400−500μmの金属パターンを形成した。形成された金属合金パターンの抵抗値を測定したが電気が流れず、抵抗値は測定できなかった(オーバーロード)。
実施例1、2において形成された金属合金パターンは、ガラス基板に強固に密着しており、比抵抗は50μΩcm以下であり、レーザ出力、照射法、混合粉末の混合比を最適化すればより微細で低抵抗な配線パターンが形成できる。一方、比較例1、2において形成された金属パターンは、低融点金属粉末を配合していないので、脆く、ガラス基板から剥がれ易い上、凝集粒子同士が離れた状態であったため断線しており、電気が流れないものであった。レーザー照射後低融点合金を含む系においてガラス基板中にSnがドープされたことが確認された。それが起因となり、比較的高い吸着力が銅/低融点合金混合系にあると考えられる。
本発明は、原料調整工程、作製工程、後処理工程など多工程を必要とすることなく、低出力レーザを用い1造形物当たり低エネルギーコストで、簡単な方法としてレーザ照射による金属粉末を用いた金属造形物作成法を提供できる。微細な配線パターンとして二次元の製品だけでなく、三次元の金属合金パターン構造体、三次元積層造形品も形成でき有用である。

Claims (7)

  1. 高融点金属粉末と低融点金属粉末の混合粉を含有する形成材料を用い、基板上に前記形成材料を一面に形成してその上にガラス基材を載置し、前記ガラス基板上よりレーザ照射を行うことにより、低融点金属を融解させガラス基板上に金属合金パターン構造体を固定するレーザ焼結法。
  2. 前記金属合金パターン構造体が、導電性であることを特徴とする請求項1に記載の金属合金パターン構造体を固定するレーザ焼結法
  3. 前記金属合金パターン構造体が、微細電極パターンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属合金パターン構造体を固定するレーザ焼結法。
  4. 前記金属合金パターン構造体が、三次元積層構造体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の金属合金パターン構造体を固定するレーザ焼結法。
  5. 高融点金属粉末と低融点金属粉末の混合粉を含有する、請求項1〜4のいずれか1つに記載のレーザ焼結法に用いる形成材料。
  6. 高融点金属が500〜1100℃に融点を有する導電性金属であり、低融点金属が100〜300℃に融点を有する導電性金属であることを特徴とする、請求項5に記載のレーザ焼結法に用いる形成材料。
  7. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の金属合金パターン構造体を形成するレーザ焼結法により形成された構造体。
    以 上
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